説明

蒸気乾燥器及び沸騰水型原子炉

【課題】蒸気に含まれる水分の除去性能を向上させることができる蒸気乾燥器を提供する。
【解決手段】炉心上方に位置する気水分離器の上方に配置された蒸気乾燥器は、複数の蒸気乾燥器エレメント8Aを有する。蒸気乾燥器エレメント8Aは、蒸気通路形成部材11Aと蒸気通路形成部材11Bの間に蒸気通路14を形成する。液滴分離板12B1,12A2,12B3,12A4,12B5,12A6及び12B7が蒸気通路14内に配置され、液滴分離板12A2,12A4及び12A6が蒸気通路形成部材11Aに、液滴分離板12B1,12B3,12B5及び12B7が蒸気通路形成部材11Bにそれぞれ取り付けられる。これらの液滴分離板で形成されるドレンポケット13A〜13Gの幅は、下流のドレンポケットほど、狭くなる。それぞれの液滴分離板と蒸気通路形成部材11の間に形成された各蒸気通路15の幅は同一である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気乾燥器及び沸騰水型原子炉に関する。
【背景技術】
【0002】
沸騰水型原子力発電プラントの原子炉は、タービンの健全性を維持するために、気水分離器及び蒸気乾燥器を有する気水分離システムを内部に設置している。気水分離器は、原子炉内の炉心で発生した蒸気を、炉心から流出した冷却水及び蒸気を含む気液二相流から分離する。蒸気乾燥器は分離された蒸気に含まれている液滴をさらに除去する。蒸気乾燥器によって液滴量が一定値以下に調整された蒸気が、タービンに供給される。
【0003】
このような気水分離システムを有する沸騰水型原子力プラントは、原子炉圧力容器を備えた原子炉を有し、原子炉圧力容器内に炉心シュラウドで取り囲まれた炉心を配置している。複数の燃料集合体が炉心に装荷されている。炉心では、核燃料物質の核分裂で発生する熱により冷却水が加熱されて蒸気を発生し、この蒸気及び冷却水を含む気液二相流が原子炉圧力容器内で炉心上方に配置された気水分離器に流入し、気水分離器は99%の冷却水を分離する。蒸気乾燥器は、気水分離器から排出された蒸気に含まれている液滴が0.1%以下になるまで液滴を除去する。蒸気乾燥器から排気されて原子炉圧力容器から吐出された蒸気は、主蒸気配管を通ってタービンに供給され、タービンを回転させる。タービンから排気された蒸気は復水器で凝縮されて水になり、この水は給水として給水配管を通り原子炉圧力容器に供給される。
【0004】
蒸気乾燥器の例が、特許第4039233号公報及び特開平6−222190号公報に記載されている。特許第4039233号公報の図4に示されているように原子炉圧力容器内で気水分離器の上方に配置されている蒸気乾燥器は、特開平6−222190号公報の図3及び特許第4039233号公報の図5に示すように、並列に配置された複数の蒸気乾燥器エレメントを有する。蒸気乾燥器エレメントは、フードプレート、多孔板及び複数の波板状の蒸気通路形成部材を有する。気水分離器から排気された蒸気が、フードプレート内に入り、流れの向きを上下方向から水平方向に変え、多孔板に形成された複数の孔を通過して隣り合う蒸気通路形成部材の間に形成された蒸気通路内を流れる。
【0005】
ジグザグに折れ曲がった蒸気通路内を流れる蒸気に含まれる液滴は、運動量が大きいので、蒸気通路の曲り部において蒸気通路形成部材の表面に衝突する。衝突した液滴は、その表面に設けられたドレンポケットに捕捉され、蒸気通路を流れている蒸気から除去される。ドレンポケットに捕捉された液滴は、ドレンダクトに排水される。
【0006】
特開平6−222190号公報に記載された蒸気乾燥器は、波板状の複数の蒸気通路形成部材を相互に等間隔に配置し、各蒸気通路形成部材の一面と他面にそれぞれ交互に液滴分離板を設けている。各液滴分離板と蒸気通路形成部材の間にドレンポケットがそれぞれ形成される。各蒸気通路形成部材に形成されたそれぞれのドレンポケットの、水平方向で蒸気通路形成部材の側面に垂直な方向での幅が、多孔板から下流に向かって広くなっている。この結果、或る蒸気通路形成部材の一面に設けられた各液滴分離板とこれらの液滴分離板に対向して配置された他の蒸気通路形成部材との間に形成される蒸気通路の幅は、下流に向かうほど、狭くなっている。
【0007】
他方、特許第4039233号公報に記載された蒸気乾燥器も、波板状の複数の蒸気通路形成部材を相互に等間隔に配置し、各蒸気通路形成部材の一面と他面にそれぞれ交互に液滴分離板を設けている。各液滴分離板と蒸気通路形成部材の間にドレンポケットがそれぞれ形成される。しかしながら、各蒸気通路形成部材に形成されたそれぞれのドレンポケットの、水平方向で蒸気通路形成部材の側面に垂直な方向での幅は、特開平6−222190号公報とは逆に、多孔板から下流に向かうほど、狭くなっている。この結果、或る蒸気通路形成部材の一面に設けられた各液滴分離板とこれらの液滴分離板に対向して配置された他の蒸気通路形成部材との間に形成される蒸気通路の幅は、下流に向かうほど、広くなる。
【0008】
特開平11−137935号公報及び特開2009−271066号公報は、環状の蒸気乾燥器を原子炉圧力容器内に配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第4039233号公報
【特許文献2】特開平6−222190号公報
【特許文献3】特開平11−137935号公報
【特許文献4】特開2009−271066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
出力向上等のように原子炉の熱出力が高い場合には、炉心で発生する蒸気の量が多くなる。この場合、蒸気乾燥器において、蒸気通路内を流れる蒸気から液滴分離板によって分離された液滴が、その蒸気通路内を流れる蒸気内に再び飛散することにより、蒸気乾燥器から排気されてタービンに供給される蒸気に含まれる湿分が多くなる可能性がある。
【0011】
特開平6−222190号公報に記載された蒸気乾燥器では、波板状の複数の蒸気通路形成部材が相互に等間隔に配置され、液滴分離板と蒸気通路形成部材の間に形成された各ドレンポケットの、水平方向の幅が下流に向かって広くなっている。なお、蒸気乾燥器内の蒸気通路を流れる蒸気に含まれる液滴は、蒸気の流速が速いほど除去されやすい。特開平6−222190号公報に記載された蒸気乾燥器では、上流に位置するドレンポケットの幅が狭いので、蒸気の流速が速い場合は液滴分離板によってこのドレンポケット内に分離された粒径の液滴は、ドレンポケットから溢れて蒸気通路内を流れる蒸気中に飛散してしまう。一度、ドレンポケットから溢れて蒸気通路を流れる蒸気中に飛散した粒径の大きな液滴は、下流に存在する他の液滴分離板によっても除去されにくい。下流ではドレンポケットの幅が広くなって蒸気通路の幅が狭くなり、蒸気の流速が速くなるので、蒸気に含まれる粒径の小さな液滴は、下流に位置する液滴分離板で除去することができる。しかしながら、上流のドレンポケットから溢れた粒径の大きな液滴が蒸気乾燥器から流出する蒸気に含まれるため、蒸気乾燥器の液滴の除去性能が低下する。この液滴の除去性能の低下は、炉心で発生する蒸気の量が増大するほど、顕著になる。
【0012】
特許第4039233号公報に記載された蒸気乾燥器では、波板状の複数の蒸気通路形成部材が相互に等間隔に配置され、液滴分離板と蒸気通路形成部材の間に形成された各ドレンポケットの、水平方向の幅が、特開平6−222190号公報とは逆に、下流に向かって狭くなっている。多孔板に最も近い最も上流に位置するドレンポケットの幅が、最も広くなっている。この結果、液滴分離板と、この液滴分離板が取り付けられた蒸気通路形成部材とは異なる、この液滴分離板に対向する他の蒸気通路形成部材との間に形成される蒸気通路の幅は、下流側の液滴分離板の位置ほど広くなっている。
【0013】
このような特許第4039233号公報に記載された蒸気乾燥器では、蒸気から分離されて上流側の幅の広いドレンポケットに流入した液滴は、このドレンポケット溢れて蒸気通路を流れている蒸気内に飛散することがない。しかしながら、上流側の液滴分離板で除去できなかった粒径の小さな液滴は、幅が広くなる蒸気通路の幅が広くなって蒸気の流速が遅くなる蒸気通路の下流側で、液滴分離板によって除去されにくくなる。特許第4039233号公報に記載された蒸気乾燥器は、上流に位置するドレンポケットの幅が広くてこのドレンポケットから液滴が溢れることがないので、特開平6−222190号公報に記載された蒸気乾燥器よりも液滴の除去性能が向上する。特許第4039233号公報に記載された蒸気乾燥器は、上記したように、蒸気通路の下流側で液滴分離板による、粒径の小さな液滴の除去性能が低いので、液滴の除去性能を向上させる必要がある。
【0014】
蒸気乾燥器において液滴の除去性能が低い場合には、蒸気乾燥器の高さを高くして、蒸気乾燥器に流入した蒸気に含まれる液滴とドレンポケットの接触する面を増やす必要がある。このように蒸気乾燥器の高さを高くすることは、原子炉圧力容器の高さが高くなる。
【0015】
特許第4039233号公報及び特開平6−222190号公報に記載されたそれぞれの蒸気乾燥器では、波板状の複数の蒸気通路形成部材が相互に等間隔に配置され、液滴分離板に対向する他の蒸気通路形成部材との間に形成される蒸気通路の幅が上流から下流に向かって変化している。このため、蒸気乾燥器の圧力損失が大きくなる。
【0016】
本発明の目的は、圧力損失を抑制し、蒸気に含まれる水分の除去性能を向上させることができる蒸気乾燥器及び沸騰水型原子炉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記した目的を達成する本発明の特徴は、複数の蒸気乾燥器エレメントを備え、
蒸気乾燥器エレメントが、相互間に折れ曲った蒸気通路を形成する波板状の複数の蒸気通路形成部材、及び蒸気通路形成部材に取り付けられた複数の液滴分離板によって別々に形成され、蒸気通路に開口する複数の液滴捕集部を有し、
上流に位置する液滴捕集部の幅が、下流に位置する液滴捕集部の幅よりも広くなっており、
液滴分離板ごとに、液滴分離板とこの液滴分離板に対向する蒸気通路形成部材との間に形成された、蒸気通路のそれぞれの部分の幅が、同じであることにある。
【0018】
液滴分離板ごとに、液滴分離板とこの液滴分離板に対向する蒸気通路形成部材との間に形成された、蒸気通路のそれぞれの部分の幅が、同じであるので、蒸気通路形成部材相互間に形成された蒸気通路の圧力損失が低減される。また、上流に位置する液滴捕集部の幅が、下流に位置する液滴捕集部の幅よりも広くなっているので、上流に位置する液滴捕集部に捕集された液滴が、溢れて蒸気通路内を流れる蒸気中に飛散することを防止することができる。さらに、蒸気通路の下流側の液滴捕集部で粒径の小さい液滴の除去効率が向上する。これらの結果、蒸気乾燥器内に導かれた蒸気に含まれる蒸気に含まれる水分の除去性能を向上させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、蒸気乾燥器の圧力損失を抑制することができ、蒸気に含まれる水分の除去性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の好適な一実施例である実施例1の蒸気乾燥器内に形成される蒸気通路の拡大横断面図である。
【図2】図1に示す蒸気乾燥器を設置した沸騰水型原子炉の縦断面図である。
【図3】図2に示す蒸気乾燥器の横断面図である。
【図4】図2に示す蒸気乾燥器を構成する蒸気乾燥器バンクの斜視図である。
【図5】蒸気乾燥器バンクの配置の一例を示す構成図である。
【図6】本発明の他の実施例である実施例2の蒸気乾燥器内に形成される蒸気通路の拡大横断面図である。
【図7】本発明の他の実施例である実施例3の蒸気乾燥器の平面図である。
【図8】図7に示す蒸気乾燥器を構成する蒸気乾燥器バンクの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0022】
本発明の好適な一実施例である蒸気乾燥器を図1、図2、図3、図4及び図5を用いて説明する。
【0023】
まず、本実施例の蒸気乾燥器7が適用された沸騰水型原子炉1の構成を、図2を用いて説明する。沸騰水型原子炉1は、原子炉圧力容器2、炉心3、炉心シュラウド4、気水分離器6及び蒸気乾燥器7を備えている。炉心3、炉心シュラウド4、気水分離器6及び蒸気乾燥器7が、原子炉圧力容器2内に配置される。複数の燃料集合体(図示せず)が装荷された炉心3が炉心シュラウド4によって取り囲まれている。シュラウドヘッド5が、炉心3の上方を覆っており、炉心シュラウド4の上端に設置される。複数の気水分離器6が、シュラウドヘッド5に取り付けられ、シュラウドヘッド5から上方に向かって伸びている。蒸気乾燥器7が、気水分離器6の上方に配置され、原子炉圧力容器2に設置される。円筒である蒸気乾燥器スカート22が、蒸気乾燥器7から下方に向かって伸びており、気水分離器6を取り囲んでいる。
【0024】
環状のダウンカマ23が炉心シュラウド4と原子炉圧力容器2の間に形成される。複数のインターナルポンプ19が原子炉圧力容器2の底部に設けられ、各インターナルポンプのインペラがダウンカマ23内に配置される。主蒸気配管20及び給水配管21が原子炉圧力容器2に接続される。
【0025】
蒸気乾燥器7は、図3に示すように、複数の蒸気乾燥器バンク8を有する。各蒸気乾燥器バンク8は、複数の蒸気乾燥器エレメント8Aを図5に示すように配置して構成される。
【0026】
蒸気乾燥器エレメント8Aは、図4に示すように、フードプレート9、多孔板10A,10B及び波板状の複数の蒸気通路形成部材11を有する。フードプレート9は、多数の貫通孔(第1開口部)16Aが形成された多孔板(第1多孔板)10Aの前面を覆っている。フードプレート9の上端が多孔板10Aの上端に取り付けられており、フードプレート9は上端から下方に向かって湾曲しており、多孔板10Aの下端でのフードプレート9と多孔板10Aとの間の間隔が広くなっている。蒸気入口プレナム29が、フードプレート9と多孔板10Aの間に形成される。側壁部材9A,9B(図5参照)が、蒸気入口プレナム29を間に挟むように、フードプレート9の両側に取り付けられる。
【0027】
蒸気入口プレナム29が、気水分離器6より上方で蒸気乾燥器7より下方に存在する空間に連絡される。蒸気入口プレナム29が、フードプレート9、多孔板10A及び側壁部材9A,9Bによって取り囲まれている。複数の蒸気通路形成部材11、例えば、図5に示すように6枚の蒸気通路形成部材11(図4では、1枚の蒸気通路形成部材11を省略)のそれぞれの一端(蒸気流入側端)が、相互に等間隔になるように、多孔板10Aに取り付けられる。各蒸気通路形成部材11は、水平方向で実質的に同じ方向に向かって伸びている。これらの蒸気通路形成部材11の他端(蒸気流出側端)は、互いに等間隔に配置されて、多数の貫通孔(第2開口部)16Bが形成された多孔板(第2多孔板)10Bに取り付けられる。
【0028】
下板28が各蒸気通路形成部材11の下端に取り付けられる。また、上板31が各蒸気通路形成部材11の上端に取り付けられる。蒸気通路形成部材11のそれぞれの相互間で各蒸気通路形成部材11によって画定された複数の蒸気通路14が、蒸気乾燥器エレメント8Aの多孔板10A,10B、下板28及び上板31で囲まれた領域内に形成される。各々の蒸気通路14は、多孔板10Aに形成された各貫通孔16Aを通して蒸気入口プレナム29に連絡される。各々の蒸気通路14は、また、多孔板10Bに形成された各貫通孔16Bを通して蒸気出口プレナム17(図5参照)に連絡される。蒸気入口プレナム29と蒸気出口プレナム17は、フードプレート9及び側壁部材9A,9Bによって隔離されている。蒸気出口プレナム17は、主蒸気配管20に連絡され、気水分離器6より上方で蒸気乾燥器7より下方に存在する空間には直接連絡されていない。この空間と蒸気出口プレナム17の間には、下板28に相当する仕切り板(図示せず)が設けられている。
【0029】
各蒸気乾燥器エレメント8Aの詳細な構造を、図1を用いて説明する。図1には、6枚の蒸気通路形成部材11のうち、波板状の2枚の蒸気通路形成部材11A,11Bが示されている。一つの蒸気通路14が蒸気通路形成部材11Aと蒸気通路形成部材11Aの間に形成される。蒸気通路形成部材11A,11Bは、折れ曲がった部分にそれぞれ液滴分離板12を設置している。蒸気通路形成部材11Aは、液滴分離板12A1,12A2,12A3,12A4,12A5,12A6及び12A7を、多孔板10Aから多孔板10Bに向かってこの順番に設けている。液滴分離板12A1,12A2,12A3,12A4,12A5,12A6及び12A7は、蒸気乾燥器エレメント8Aの上板31から下方に向かって伸びており、下板28の位置にまで達している。液滴分離板12A1が多孔板10Aに最も近くで最も上流に位置している。液滴分離板12A1,12A3,12A5及び12A7が蒸気通路形成部材11Aの一つの側面に設けられ、液滴分離板12A2,12A4及び12A6が蒸気通路形成部材11Aの他の側面に設けられる。ドレンポケットが各液滴分離板12Aと蒸気通路形成部材11Aの間にそれぞれ形成されている。蒸気通路形成部材11Aに対して形成されるすべてのドレンポケットの水平方向の幅(蒸気通路形成部材11Aと液滴分離板12Aの間の間隙)は、液滴分離板12A1によって形成されるドレンポケットにおいて最も広くなっており、下流に位置する液滴分離板12Aによって形成されるドレンポケットほど狭くなり、液滴分離板12A7で形成されるドレンポケットで最も狭くなっている。
【0030】
蒸気通路形成部材11Bは、液滴分離板12B1,12B2,12B3,12B4,12B5,12B6及び12B7を、多孔板10Aから多孔板10Bに向かってこの順番に設けている。液滴分離板12B1,12B2,12B3,12B4,12B5,12B6及び12B7は、蒸気乾燥器エレメント8Aの上板31から下方に向かって伸びており、下板28の位置にまで達している。液滴分離板12V1が多孔板10Aに最も近くで最も上流に位置している。液滴分離板12B1,12B3,12B5及び12B7が蒸気通路形成部材11Bの一つの側面に設けられ、液滴分離板12B2,12B4及び12B6が蒸気通路形成部材11Bの他の側面に設けられる。ドレンポケットが各液滴分離板12Bと蒸気通路形成部材11Bの間にそれぞれ形成されている。蒸気通路形成部材11Bに対して形成されるすべてのドレンポケットの水平方向の幅(蒸気通路形成部材11Bと液滴分離板12Bの間の間隙)は、液滴分離板12B1によって形成されるドレンポケット13Aにおいて最も広くなっており、下流に位置する液滴分離板12Bによって形成されるドレンポケットほど狭くなり、液滴分離板12B7で形成されるドレンポケット13Gで最も狭くなっている。
【0031】
液滴分離板12B1,12A2,12B3,12A4,12B5,12A6及び12B7が、蒸気通路形成部材11Aと蒸気通路形成部材11Aの間に形成される蒸気通路14に面している。これらの液滴分離板によって形成されるドレンポケット13A,13B,13C,13D,13E,13F及び13Gが、蒸気通路14に開口している。ドレンポケット13Aが最も上流に配置され、ドレンポケット13Gが最も下流に位置している。他の蒸気通路14にも、ドレンポケット13A,13B,13C,13D,13E,13F及び13Gが形成されている。
【0032】
蒸気乾燥器エレメント8Aでは、蒸気通路形成部材11と各液滴分離板12の間に形成されるそれぞれの蒸気通路の幅は、同じである。すなわち、蒸気通路形成部材11Aと液滴分離板12B1の間に形成された蒸気通路15A、蒸気通路形成部材11Bと液滴分離板12A2の間に形成された蒸気通路15B、蒸気通路形成部材11Aと液滴分離板12B3の間に形成される蒸気通路15C、蒸気通路形成部材11Bと液滴分離板12A4の間に形成された蒸気通路15D、蒸気通路形成部材11Aと液滴分離板12B5の間に形成された蒸気通路15E、蒸気通路形成部材11Bと液滴分離板12A6の間に形成された蒸気通路15F、及び蒸気通路形成部材11Aと液滴分離板12B7の間に形成された蒸気通路15Gの、水平方向での各幅は、同じ寸法になっている。しかしながら、ドレンポケット13A,13B,13C,13D,13E,13F及び13Gのそれぞれの幅が、多孔板10Aから多孔板10Bに向かって減少するので、各蒸気通路形成部材11の相互間の間隔、例えば、蒸気通路形成部材11Aと蒸気通路形成部材11Bの相互間の間隔は、多孔板10A付近で最も広く、下流に向かって減少し、多孔板10B付近で最も狭くなっている。
【0033】
本実施例では、図3に示すように、水平方向において並列に配置された各蒸気乾燥器バンク8は、図5に示すように、複数の蒸気乾燥器エレメント8Aを蒸気の流れる方向が逆になるように交互に配置する。すなわち、蒸気乾燥器バンク8において、隣り合う蒸気乾燥器エレメント8が、多孔板10Aと多孔板10Bが交互に一列に並ぶように、配置される。
【0034】
沸騰水型原子炉1が運転されているとき、インターナルポンプ19が回転され、ダウンカマ23内の冷却水が昇圧されて炉心3に供給される。この冷却水は、燃料集合体内を上昇する間に、燃料集合体に含まれた核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱され、一部が蒸気になる。冷却水及び蒸気を含む気液二相流が、炉心3からシュラウドヘッド5内に形成される上部プレナム25に流出し、各気水分離器6に流入する。気水分離器6は、気液二相流に含まれた蒸気を冷却水から分離する。
【0035】
分離された蒸気18は、気水分離器6より上方で蒸気乾燥器7より下方に存在する空間を経て蒸気乾燥器7の蒸気入口プレナム29に流入する。さらに、蒸気は多孔板10Aのそれぞれの貫通孔16Aを通過して各蒸気通路14内に導かれる。蒸気通路14内を流れている蒸気26に含まれた液滴が、蒸気通路形成部材11の側面に衝突して液膜となって液滴分離板12によって形成されたドレンポケット13に捕獲される。捕獲された液膜は、ドレンポケット13内で蒸気通路形成部材11及び液滴分離板12のそれぞれの側面に沿って下降し、下板28に形成されたドレン孔(図示せず)を通ってドレンダクト(図示せず)に排水される。このドレンダクトは下板28に取り付けられている。液滴分離板12による液滴の分離の詳細については、後述する。
【0036】
液滴が除去された蒸気26は、多孔板10Bに形成された各貫通孔16Bを通って蒸気通路4から蒸気出口プレナム17に排出され、主蒸気配管20へと導かれる。原子炉圧力容器2から吐出された蒸気は、主蒸気配管20を通ってタービン(図示せず)に供給され、タービンを回転させる。タービンに連結された発電機(図示せず)が回転し、発電が行われる。タービンから排気された蒸気は復水器(図示せず)で凝縮されて水になり、この水は給水として給水配管21を通り原子炉圧力容器2に供給される。
【0037】
気水分離器6で分離された冷却水、及び蒸気乾燥器7で分離されてドレンダクトに排出された排水は、ダウンカマ23内に流入し、給水配管21で供給された給水と混合されて下降し、インターナルポンプ19で昇圧され、炉心3に供給される。
【0038】
蒸気乾燥器7での液滴の除去を、詳細に説明する。蒸気通路14は、図1に示すように、ジグザグに折れ曲がって形成されている。各液滴分離板12は、蒸気通路14を形成する波板状の蒸気通路形成部材11の凸に折れ曲がった位置に設けられる。液滴を含む、蒸気通路14内を流れる蒸気26は、折れ曲がった蒸気通路14に沿って流れるが、この蒸気26に含まれる運動量の大きい液滴は、蒸気通路形成部材11の凹に折れ曲がった位置での側面30(図1参照)に衝突し、この側面30に付着して液膜を形成する。側面30に形成された液膜は蒸気26の流れによってドレンポケット13、例えば、ドレンポケット13Bに捕獲される。側面30付近を流れる蒸気26に含まれた液滴も、ドレンポケット13B内に入り込み、このドレンポケット13Bによって捕獲される。蒸気26が蒸気通路14内を下流に向かって流れる際に、蒸気26に含まれる液滴が、上記したように、蒸気通路形成部材11の凹に折れ曲がった各位置での側面30に衝突し、液膜を形成してそれぞれのドレンポケット13に捕獲される。
【0039】
各ドレンポケット13で液滴を捕獲できる理由を以下に説明する。蒸気通路14が折れ曲がる位置の上流で液滴分離板12により形成された蒸気通路15を通過した蒸気26が蒸気通路14のその折れ曲がり部の側面30に沿って曲がるときに遠心力を受け、蒸気26に含まれた液滴が蒸気流に追従できなくなって側面30に衝突して液膜を形成し、ドレンポケット13に捕獲される。その遠心力の大きさは、蒸気26の流速の二乗に比例するので、液滴の粒径に関係なく、蒸気通路15を通過する蒸気26の流速が速いほど、液滴の除去効率が向上する。
【0040】
ドレンポケット13の幅が13A>13B>13C>13D>13E>13F>13Gの関係にあり、ドレンポケット13による液滴捕獲容量は上流側のドレンポケットほど大きくなる。蒸気通路14内では、蒸気26は、下流よりも上流においてより多量の液滴を含んでいる。しかしながら、上流側に位置するドレンポケット13(例えば、ドレンポケット13A)の幅が大きいので、粒径の大きな液滴が上流側のドレンポケット13に捕捉され易くなり、上流側での各ドレンポケット13による液滴の捕獲容量も増大する。上流側での液滴の捕獲容量が増加しても、上流側に位置するドレンポケット13の幅が大きいため、捕獲された液滴が、蒸気通路14内を流れている蒸気26中に再飛散することを防ぐことができる。
【0041】
蒸気通路14の下流側においては、蒸気26に含まれる液滴の量が少なくなるが、粒径の小さい液滴の量が相対的に増加する。本実施例では、蒸気通路15A〜15Gの幅は同じであり、下流に位置する、例えば、蒸気通路15Fの幅は、特許第4039233号公報に記載された蒸気乾燥器において、最下流に位置する、液滴分離板と蒸気通路形成部材の間に形成される蒸気流路の幅よりも狭いので、蒸気通路14の、各ドレンポケット13の上流で側面30に面するそれぞれの位置での蒸気の流速が増加し、その側面30に衝突する粒径の小さい液滴の量が増大する。それだけ、下流側に位置するドレンポケット13(例えば、ドレンポケット13F及び13G)での粒径の小さい液滴の捕獲量が増大し、蒸気通路14の下流での粒径の小さい液滴の除去効率が向上する。蒸気通路14の下流側においては、蒸気26に含まれる液滴の量が少なくなるため、下流側でドレンポケット13の幅を小さくしても、ドレンポケット13から蒸気26中への液滴の飛散を防止できる。
【0042】
本実施例によれば、上記したように、上流側に位置するドレンポケットから蒸気26中への液滴の飛散を防止することができ、蒸気通路14の下流側での粒径の小さい液滴の除去効率を向上させることができるので、蒸気乾燥器7における、蒸気に含まれる水分の除去性能を向上させることができる。
【0043】
本実施例は、蒸気通路15A〜15Gの幅が同じであるので、蒸気流路14の拡大、縮小時に生じる圧力損失を抑制することができる。したがって、蒸気乾燥器7内の蒸気通路14の圧力損失を上昇させることなく、蒸気26に含まれた液滴の捕獲量を増加させることができる。
【0044】
蒸気乾燥器エレメント8Aの、蒸気通路形成部材11の蒸気流出側端での水平方向の幅が、蒸気乾燥器エレメント8Aの、蒸気通路形成部材11の蒸気流入側端での水平方向の幅よりも狭くなっている。このため、蒸気乾燥器エレメント8Aの、蒸気通路形成部材11の水平方向の幅が低減され、蒸気乾燥器エレメント8Aが小型化される。
【0045】
本実施例によれば、蒸気乾燥器エレメント8Aにおいて蒸気流路14の下流に位置するドレンポケット13の幅が狭くなる関係上、隣り合う蒸気通路形成部材11の相互間の間隔が、多孔板10A側よりも多孔板10B側で狭くなる。したがって、複数の蒸気乾燥器エレメント8Aを、図5に示すようにフードプレート9の位置が逆になるように、交互に配置することによって、1つの蒸気乾燥器バンク8に配置できる蒸気乾燥器エレメント8Aの数、具体的には、蒸気通路形成部材11の枚数を増大することができる。このため、蒸気乾燥器7の単位高さあたりの液滴除去性能を、特許第4039233号公報及び特開平6−222190号公報に記載されたそれぞれの蒸気乾燥器よりも向上させることができる。また、原子炉圧力容器2内での蒸気乾燥器エレメント8Aの配置スペースを効率良く使用することができる。結果的に、蒸気乾燥器エレメント8Aの高さを低減することができ、原子炉圧力容器2の高さを低くすることができる。
【0046】
また、前述のように、蒸気に含まれる液滴の量に合わせてドレンポケット13の捕獲容量を設定することは、液滴の捕獲に寄与していないドレンポケットを削除しつつ、蒸気乾燥器バンクの液滴捕獲性能を向上させることを意味する。仮に、従来の蒸気乾燥器バンクと液滴捕獲性能を同じくする場合には、蒸気乾燥器バンク8を構成する蒸気乾燥器エレメント8Aの蒸気通路形成部材11の枚数を減らすことができる。これにより、蒸気乾燥器の寸法を小さくすることができ、原子炉圧力容器2の高さを低減でき、これを小型化することができる。
【0047】
さらに、本実施例では、前述したように、蒸気乾燥器7の圧力損失を低減することができるので、原子炉圧力容器2内の圧力損失も低減される。このため、炉心3に冷却水を供給するインターナルポンプ19の運転により消費される電力を低減することができる。
【実施例2】
【0048】
本発明の他の実施例である実施例2の蒸気乾燥器を、図6を用いて説明する。本実施例の蒸気乾燥器は、図6に示す複数の蒸気乾燥器エレメント8Bを有する。
【0049】
本実施例の蒸気乾燥器に用いられる蒸気乾燥器エレメント8Bは、実施例1で用いられる蒸気乾燥器エレメント8Aにおいて液滴分離板12A1〜12A7及び12B1〜12B7を液滴分離板12C1〜12C7及び12D1〜12D7に替えた構成を有する。蒸気乾燥器エレメント8Bの他の構成は蒸気乾燥器エレメント8Aと同じである。液滴分離板12C1〜12C7及び12D1〜12D7のそれぞれの、蒸気通路14内での蒸気26の流れ方向における長さが、液滴分離板12A1〜12A7及び12B1〜12B7のそれぞれのその長さよりも長くなっている。液滴分離板12C1及び12D1のそれぞれの、蒸気通路14内での蒸気26の流れ方向における長さが最も長く、下流に位置する液滴分離板12ほど、その長さが短くなっている。最も下流に位置する液滴分離板12C7及び12D7のそれぞれの、蒸気通路14内での蒸気26の流れ方向における長さが、最も短い。
【0050】
図6に示された蒸気通路形成部材11Aと蒸気通路形成部材11Bの間に形成された蒸気通路14内に配置された液滴分離板12D1,12C2,12D3,12C4,12D5,12C6及び12D7のうち、蒸気通路14内での蒸気26の流れ方向における長さが最も長い液滴分離板は液滴分離板12D1であり、その長さが最も短い液滴分離板は液滴分離板12D7である。これらの液滴分離板12によって形成されるドレンポケット13A〜13Gの幅は、実施例1と同様に、ドレンポケット13Aで最も広く、ドレンポケット13Gで最も狭くなっている。
【0051】
本実施例の蒸気乾燥器の蒸気乾燥器バンクは、実施例1と同様に、蒸気乾燥器エレメント8Bを交互に逆方向に配置して構成される。
【0052】
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。また、本実施例は、液滴分離板12のそれぞれの、蒸気通路14内での蒸気26の流れ方向における長さが実施例1で用いられる液滴分離板12のそれぞれのその長さよりも長くなっているので、ドレンポケット13の容積が実施例1におけるドレンポケット13の容積よりも大きくなっている。このため、蒸気乾燥器エレメント8Bを蒸気乾燥器エレメントよりも小型化することができるので、本実施例の蒸気乾燥器はさらに小型化できる。
【実施例3】
【0053】
本発明の他の実施例である実施例3の蒸気乾燥器を、図7及び図8を用いて説明する。本実施例の蒸気乾燥器は、実施例1と同様に、複数の蒸気乾燥器エレメント8Aを有する。しかしながら、本実施例の蒸気乾燥器は、実施例1の蒸気乾燥器7と異なり、複数の蒸気乾燥器エレメント8Aを図7に示すように環状に配置している。環状に配置された各乾燥器エレメント8Aは、多孔板19Aに取り付けたフードプレート9Cを外側に配置し、多孔板10Bを内側に配置している。蒸気入口プレナム29は、図示されていないが、多孔板19A、フードプレート9C及び側壁部材9A,9Bによって取り囲まれて形成される。本実施例の蒸気乾燥器も、実施例1と同様に、原子炉圧力容器2内で気水分離器6の上方に配置される。
【0054】
気水分離器6から排気された蒸気は、各蒸気乾燥器エレメント8Aの蒸気入口プレナム29内に流入し、それぞれの蒸気通路14内を流れて実施例1と同様に液滴が除去される。液滴が除去された蒸気が、多孔板10Bに形成された各貫通孔16Bから、各蒸気乾燥器エレメント8Aの多孔板10Bで取り囲まれて形成された蒸気出口プレナム27に排出される。この蒸気は、主蒸気配管20を通ってタービンに供給される。
【0055】
本実施例も実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例では、複数の蒸気乾燥器エレメント8Aを環状に配置しているので、原子炉圧力容器2内に複数の蒸気乾燥器エレメント8Aを効率良く配置することができ、蒸気乾燥器の高さを低減することができる。これによって、原子炉圧力容器2の高さを低くすることができる。
【0056】
本実施例において、蒸気乾燥器エレメント8Aの替りに蒸気乾燥器エレメント8Bを用いても良い。
【符号の説明】
【0057】
1…沸騰水型原子炉、2…原子炉圧力容器、3…炉心、4…炉心シュラウド、5…シュラウドヘッド、6…気水分離器、7…蒸気乾燥器、8…蒸気乾燥器バンク、8A,8B…蒸気乾燥器エレメント、9…フードプレート、9A,9B…側壁部材、10A,10B…多孔板、11,11A,11B…蒸気通路形成部材、12,12A1〜12A7,12B1〜12B7,12C1〜12C7,12D1〜12D7…液滴分離板、13,13A〜13G…ドレンポケット、14,15A〜15G…蒸気通路、17、27…蒸気出口プレナム、29…蒸気入口プレナム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蒸気乾燥器エレメントを備え、
前記蒸気乾燥器エレメントが、相互間に折れ曲った蒸気通路を形成する波板状の複数の蒸気通路形成部材、及び前記蒸気通路形成部材に取り付けられた複数の液滴分離板によって別々に形成され、前記蒸気通路に開口する複数の液滴捕集部を有し、
上流に位置する前記液滴捕集部の幅が、下流に位置する前記液滴捕集部の幅よりも広くなっており、
各前記液滴分離板ごとに、前記液滴分離板とこの液滴分離板に対向する前記蒸気通路形成部材との間に形成された、前記蒸気通路のそれぞれの部分の幅が、同じであることを特徴とする蒸気乾燥器。
【請求項2】
前記蒸気通路の蒸気流出側端での隣り合う前記蒸気通路形成部材の相互間の間隔が、これらの蒸気通路形成部材の、前記蒸気通路の蒸気流入側端での相互間の間隔よりも狭くなっている請求項1に記載の蒸気乾燥器。
【請求項3】
前記液滴分離板の、前記蒸気通路内での蒸気の流れ方向における長さが、前記蒸気通路の下流に位置する前記液滴分離板よりも前記蒸気通路の上流に位置する前記液滴分離板で長くなっている請求項1または2に記載の蒸気乾燥器。
【請求項4】
前記蒸気乾燥器が複数の蒸気乾燥器バンクを有し、前記蒸気乾燥器バンクにおいて複数の前記蒸気乾燥器エレメントが、蒸気流入口が逆向きになるように交互に配置されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の蒸気乾燥器。
【請求項5】
前記複数の蒸気乾燥器エレメントが環状に配置され、それぞれの蒸気乾燥器エレメントの前記蒸気通路の蒸気流入口が外側を向いており、それぞれの蒸気乾燥器エレメントの前記蒸気通路の蒸気流出口が内側を向いている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の蒸気乾燥器。
【請求項6】
前記蒸気乾燥器エレメントが、前記複数の蒸気通路形成部材のそれぞれの蒸気流入側端が取りつけられ、前記蒸気通路に連絡される複数の第1開口部を形成した第1多孔板と、前記複数の蒸気通路形成部材のそれぞれの蒸気流出側端が取りつけられ、前記蒸気通路に連絡される複数の第2開口部を形成した第2多孔板と、前記第1多孔板の前面に配置されて前記第1多孔板の上端部に取り付けられたフードプレートと、前記フードプレートの側面に取り付けられ、前記フードプレート及び前記第1多孔板と共に前記複数の第1開口部に連絡される蒸気入口プレナムを形成する複数の側壁部材とを備えている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の蒸気乾燥器。
【請求項7】
原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器内に配置された炉心と、前記原子炉圧力容器内で前記炉心の上方に配置された気水分離器と、前記原子炉圧力容器内で前記気水分離器の上方に配置された蒸気乾燥器とを備え、
前記蒸気乾燥器が、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された蒸気乾燥器であることを特徴とする沸騰水型原子炉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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