説明

蒸気機関

【課題】熱エネルギーを利用して動力を得ることのできる蒸気機関を提供する。
【解決手段】シリンダ内にピストンを摺動自在に配置し、ピストンにクランクシャフトを連動連結して、ピストンの往復摺動にクランクシャフトの回転動作を連動させた蒸気機関であって、高熱体の熱を受熱可能としたシリンダを配置するとともに、シリンダとシリンダ内で往復摺動するピストンを熱交換機能を有する伝熱面部となして、これら伝熱面部を高熱体により加熱し、シリンダと上死点近傍にあるピストンで閉塞されるフラッシュ空間内にインジェクタを通して高圧かつ高温状態の過熱液となした作動流体を噴出することで、過熱液の飽和圧力よりも低圧である空間内において一定割合の過熱水を蒸気となすとともに、蒸気が膨張してピストンを発動させ、蒸気化しない過熱液は、液滴状にてフラッシュ空間を形成する伝熱面部の内面に衝突して沸騰されるとともに蒸気になり、蒸気が膨張してピストンを発動させることを特徴とすることとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃熱などを利用して動力を得ることのできる蒸気機関に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動力源の一つである内燃機関は、様々な分野において広く用いられている。
【0003】
特に近年では、環境への配慮や燃料の節約を目的として、種々の燃費向上手段が提案されている。
【0004】
例えば、シリンダ内での燃料の燃焼を改善することにより、燃費の向上を図ったエンジンが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−034925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまでに種々の改良がなされ、エンジンの燃費向上が図られてきたが、更なる燃費向上手段が求められている。
【0007】
一方、燃焼に伴って発生する熱については、未だ利用検討の余地が残されていた。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、熱エネルギーを利用して動力を得ることのできる蒸気機関を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記従来の課題を解決するために、請求項1に記載の蒸気機関では、シリンダ内にピストンを摺動自在に配置し、ピストンにクランクシャフトを連動連結して、ピストンの往復摺動にクランクシャフトの回転動作を連動させた蒸気機関であって、高熱体の熱を受熱可能としたシリンダを配置するとともに、シリンダとシリンダ内で往復摺動するピストンを熱交換機能を有する伝熱面部となして、これら伝熱面部を高熱体により加熱し、シリンダと上死点近傍にあるピストンで閉塞されるフラッシュ空間内にインジェクタを通して高圧かつ高温状態の過熱液となした作動流体を噴出することで、過熱液の飽和圧力よりも低圧である空間内において一定割合の過熱水を蒸気となすとともに、蒸気が膨張してピストンを発動させ、蒸気化しない過熱液は、液滴状にてフラッシュ空間を形成する伝熱面部の内面に衝突して沸騰されるとともに蒸気になり、蒸気が膨張してピストンを発動させることとした。
【0010】
また、請求項2に記載の蒸気機関では、ローターハウジング内にローターを回動自在に配置し、ローターにエキセントリックシャフトを挿通して、ローターの回転運動にエキセントリックシャフトの回転動作を連動させた蒸気機関であって、高熱体の熱を受熱可能としたローターハウジングを配置するとともに、ローターハウジングとローターハウジング内で回転運動するローターを熱交換機能を有する伝熱面部となして、これら伝熱面部を高熱体により加熱し、ローターハウジングとローターとで閉塞されるフラッシュ空間内にインジェクタを通して高圧かつ高温状態の過熱液となした作動流体を噴出することで、過熱液の飽和圧力よりも低圧である空間内において一定割合の過熱水を蒸気となすとともに、蒸気が膨張してローターを発動させ、蒸気化しない過熱液は、液滴状にてフラッシュ空間を形成する伝熱面部の内面に衝突して沸騰されるとともに蒸気になり、蒸気が膨張してローターを発動させることとした。
【0011】
また、請求項3に記載の蒸気機関では、請求項1又は請求項2に記載の蒸気機関において、前記高熱体は高熱流体であり、前記シリンダ又は前記ローターハウジングは、前記高熱流体が流動する高熱流路内に配置して受熱可能としたことに特徴を有する。
【0012】
また、請求項4に記載の蒸気機関では、請求項1〜3いずれか1項に記載の蒸気機関において、フラッシュ空間内に発生した湿り飽和蒸気は外部に排出するとともに、液化装置を通して液化した作動流体となし、液化された作動流体は、加圧ポンプにより熱交換器を通して高圧かつ高温状態の過熱液となして、フラッシュ空間内にインジェクタを通して噴出させることに特徴を有する。
【0013】
また、請求項5に記載の蒸気機関では、請求項4記載の蒸気機関において、高熱流体は廃熱流体であるとともに、この廃熱流体が流動する高熱流路内にはシリンダ又はローターハウジングと熱交換器とを配置していることに特徴を有する。
【0014】
また、請求項6に記載の蒸気機関では、請求項1〜5のいずれか1項記載の蒸気機関において、作動流体は水であることに特徴を有する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る本発明によれば、シリンダ内にピストンを摺動自在に配置し、ピストンにクランクシャフトを連動連結して、ピストンの往復摺動にクランクシャフトの回転動作を連動させたピストン蒸気機関であって、高熱体の熱を受熱可能としたシリンダを配置するとともに、シリンダとシリンダ内で往復摺動するピストンを熱交換機能を有する伝熱面部となして、これら伝熱面部を高熱体により加熱し、シリンダと上死点近傍にあるピストンで閉塞されるフラッシュ空間内にインジェクタを通して高圧かつ高温状態の過熱液となした作動流体を噴出することで、過熱液の飽和圧力よりも低圧である空間内において一定割合の過熱水を蒸気となすとともに、蒸気が膨張してピストンを発動させ、蒸気化しない過熱液は、液滴状にてフラッシュ空間を形成する伝熱面部の内面に衝突して沸騰されるとともに蒸気になり、蒸気が膨張してピストンを発動させることとしたため、熱エネルギーを利用して動力を得ることのできるピストン型の蒸気機関を提供することができる。
【0016】
また、請求項2に係る本発明によれば、ローターハウジング内にローターを回動自在に配置し、ローターにエキセントリックシャフトを挿通して、ローターの回転運動にエキセントリックシャフトの回転動作を連動させた蒸気機関であって、高熱体の熱を受熱可能としたローターハウジングを配置するとともに、ローターハウジングとローターハウジング内で回転運動するローターを熱交換機能を有する伝熱面部となして、これら伝熱面部を高熱体により加熱し、ローターハウジングとローターとで閉塞されるフラッシュ空間内にインジェクタを通して高圧かつ高温状態の過熱液となした作動流体を噴出することで、過熱液の飽和圧力よりも低圧である空間内において一定割合の過熱水を蒸気となすとともに、蒸気が膨張してローターを発動させ、蒸気化しない過熱液は、液滴状にてフラッシュ空間を形成する伝熱面部の内面に衝突して沸騰されるとともに蒸気になり、蒸気が膨張してローターを発動させることとしたため、熱エネルギーを利用して動力を得ることのできるバンケル型のロータリー蒸気機関を提供することができる。
【0017】
また、請求項3に係る本発明によれば、前記高熱体は高熱流体であり、前記シリンダ又は前記ローターハウジングは、前記高熱流体が流動する高熱流路内に配置して受熱可能としたため、伝熱面部を効率良く加熱することができる。
【0018】
また、請求項4に係る本発明によれば、フラッシュ空間内に発生した湿り飽和蒸気は外部に排出するとともに、液化装置を通して液化した作動流体となし、液化された作動流体は、加圧ポンプにより熱交換器を通して高圧かつ高温状態の過熱液となして、フラッシュ空間内にインジェクタを通して噴出させることとしたため、作動流体を循環利用することができる。
【0019】
また、請求項5に係る本発明によれば、高熱流体は廃熱流体であるとともに、この廃熱流体が流動する高熱流路内にはシリンダ又はローターハウジングと熱交換器とを配置したため、排熱を効率的にシリンダやローターハウジングと熱交換器とに受熱させることができ、有効利用することができる。
【0020】
また、請求項6に係る本発明によれば、作動流体は水であることとしたため、安価に、且つ、万一漏出した場合であっても安全に蒸気機関を駆動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係るピストン蒸気機関の構成を示した概念図である。
【図2】第2実施形態に係るピストン蒸気機関の動きを示した説明図である。
【図3】第3実施形態に係るバンケル型ロータリー蒸気機関の動きを示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、シリンダ内にピストンを摺動自在に配置し、ピストンにクランクシャフトを連動連結して、ピストンの往復摺動にクランクシャフトの回転動作を連動させたピストン蒸気機関であって、高熱体の熱を受熱可能としたシリンダを配置するとともに、シリンダとシリンダ内で往復摺動するピストンを熱交換機能を有する伝熱面部となして、これら伝熱面部を高熱体により加熱し、シリンダと上死点近傍にあるピストンで閉塞されるフラッシュ空間内にインジェクタを通して高圧かつ高温状態の過熱液となした作動流体を噴出することで、過熱液の飽和圧力よりも低圧である空間内において一定割合の過熱水を蒸気となすとともに、蒸気が膨張してピストンを発動させ、蒸気化しない過熱液は、液滴状にてフラッシュ空間を形成する伝熱面部の内面に衝突して沸騰されるとともに蒸気になり、蒸気が膨張してピストンを発動させることを特徴とする蒸気機関を提供するものである。なお、本明細書において、このような蒸気機関を「ピストン蒸気機関」とも言う。
【0023】
また、本発明は、ローターハウジング内にローターを回動自在に配置し、ローターにエキセントリックシャフトを挿通して、ローターの回転運動にエキセントリックシャフトの回転動作を連動させた蒸気機関であって、高熱体の熱を受熱可能としたローターハウジングを配置するとともに、ローターハウジングとローターハウジング内で回転運動するローターを熱交換機能を有する伝熱面部となして、これら伝熱面部を高熱体により加熱し、ローターハウジングとローターとで閉塞されるフラッシュ空間内にインジェクタを通して高圧かつ高温状態の過熱液となした作動流体を噴出することで、過熱液の飽和圧力よりも低圧である空間内において一定割合の過熱水を蒸気となすとともに、蒸気が膨張してローターを発動させ、蒸気化しない過熱液は、液滴状にてフラッシュ空間を形成する伝熱面部の内面に衝突して沸騰されるとともに蒸気になり、蒸気が膨張してローターを発動させることを特徴とする蒸気機関を提供するものでもある。なお、本明細書において、このような蒸気機関を「バンケル型ロータリー蒸気機関」とも言う。
【0024】
すなわち、換言するならば、高熱体の熱によって加熱されたシリンダやローターハウジング内に、高温・高圧の作動流体である過熱液インジェクションし、過熱液の飽和圧力よりも低圧である空間内において一定割合の過熱水を蒸気とするフラッシュワークと、フラッシュワークにて蒸気化しなかった過熱液が伝熱面部に付着し、瞬時に沸騰して蒸気化されるボイリングワークとを生起させてピストンやローターを発動させることにより動力を得る蒸気機関であるとも言える。
【0025】
ここで高熱体は、シリンダやローターハウジング内にインジェクションした過熱液でフラッシュワークとボイリングワークとを生起させることが可能な熱エネルギーを有するものであれば特に限定されるものではない。
【0026】
付言すれば、フラッシュワークが行われたシリンダやローターハウジング内の圧力下で、後述の気化膨張行程の間に液滴として飛散した過熱液の全てを、ボイリングワークにて蒸気化可能な熱量を伝熱面部に持たせることが可能なものであれば良い。
【0027】
このような高熱体としては、例えば、高温のガスや液体などの流体や、高熱を発する装置類とすることができる。
【0028】
高温の流体を高熱体とする場合には、ピストン蒸気機関を構成するシリンダや、バンケル型ロータリー蒸気機関を構成するローターハウジングを、高熱流体が流動する高熱流路内に配置することで受熱可能としても良い。またこのとき、シリンダやローターハウジングの表面積を大きくすることで、高熱流体との接触面積を拡大し、受熱効率を向上させるようにしても良い。
【0029】
また、この高熱流体は、廃熱流体を用いることとしても良い。廃熱流体を利用することにより、廃熱を動力に変換することができ、廃熱の有効利用を行うことができる。
【0030】
また、高熱を発する装置類を高熱体とする場合、具体的な一例を挙げると、内燃機関を高熱体とする場合には、内燃機関とピストン蒸気機関とを一つのシリンダブロックで一体的に構成したり、バンケル型の内燃機関とバンケル型ロータリー蒸気機関とをサイドハウジングを介して一体的に並設することで、内燃機関にて発せられた熱をシリンダブロックやサイドハウジングで伝搬させて、蒸気機関に受熱させることもできる。
【0031】
シリンダ内やローターハウジング内へインジェクションする作動流体は、インジェクション後に回収して、再びインジェクションに供するようにしても良い。
【0032】
すなわち、フラッシュワークやボイリングワークによりフラッシュ空間内に発生した湿り蒸気は、ピストンやローターの発動後にシリンダやローターハウジング外へ排出し、液化装置を通して液化して、再び作動流体としてインジェクションしても良い。このような構成とすることにより、作動流体を循環利用することができる。
【0033】
また、インジェクションに供する作動流体は、気液間で相転移してフラッシュワークやボイリングワークを生起することが可能な流体であれば特に限定されるものではなく、利用する高熱体の温度に応じて適宜選択することができる。
【0034】
特に、作動流体を水とした場合には、安価に、且つ、万一漏出した場合であっても安全にピストン蒸気機関を駆動させることができる。
【0035】
〔第1実施形態〕
以下、第1実施形態に係る蒸気機関としてのピストン蒸気機関Aについて、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係るピストン蒸気機関Aの構成を示した概念図である。
【0036】
第1実施形態に係るピストン蒸気機関Aは、高熱体として、内燃機関1からの排出される高温の廃熱流体としての排ガスを利用するものである。また、作動流体には水を用いている。
【0037】
内燃機関1より排出された排ガスは、作動流体を加熱する第1ガス流路2と、発動機部3を加熱する第2ガス流路4とに分岐される。第1ガス流路2と第2ガス流路4は、いずれも廃熱流体が流動する高熱流路の一部として機能するものである。
【0038】
第1ガス流路2の中途部には、熱交換器5が配設された作動流体加熱室6が設けられている。
【0039】
熱交換器5には、ポンプ7によって加圧された水(作動流体)が供給されており、排ガスと水との間で熱交換を行って、高温高圧の水である過熱液を生成する。熱交換器5によって生成された過熱液は、後述の発動機部3に配設されたインジェクタ8に供給される。
【0040】
作動流体加熱室6を経た排ガスは、その後大気中へ放出される。
【0041】
一方、第2ガス流路4へ分岐された排ガスは、発動機部3に至る。発動機部3は、発動機本体部9と、同発動機本体部9の上部を気密状に覆う排ガス案内ケース10とで構成している。
【0042】
発動機本体部9は、クランクケース11と、シリンダ12と、シリンダヘッド13を備えている。
【0043】
クランクケース11には、クランクシャフト14が納められており、同クランクシャフト14の端部はクランクケース11外へ突出させて、動力を取出す出力軸(図示せず)としている。
【0044】
また、クランクシャフト14には、コネクティングロッド15を介してピストン16が連動連結されており、シリンダ12内でのピストン16の上下動により、クランクシャフト14が回動されるよう構成している。
【0045】
シリンダヘッド13には、シリンダ12の上部開口に対向して形成された凹部17が形成されている。この凹部17は、シリンダ12内で摺動するピストン16が上死点近傍に到達した際にフラッシュ空間として機能する部位である。
【0046】
また凹部17の内周面には、過熱液をフラッシュ空間内にインジェクションするためのインジェクタ8が設けられている。
【0047】
インジェクタ8の上部にはソレノイド8aが配設されており、図示しない制御部によって電力が供給されることにより、ソレノイド8aが励磁されて、フラッシュ空間内への過熱液のインジェクションが行われる。
【0048】
また、シリンダヘッド13の上部には、フラッシュ空間内で生じた湿り飽和蒸気を排出するための蒸気排出流路19が形成されており、同蒸気排出流路19のフラッシュ空間側の開口部には、この開口部を開閉自在に閉塞するバルブ20が配置されている。
【0049】
このバルブ20は、同バルブ20の基部に配設されているバルブスプリング21によって閉塞側に付勢されており、同じくバルブ20の基部側に配置されたカム22により、所定のタイミングで付勢力に抗して押圧されて蒸気排出流路19の開口部を開放する。
【0050】
蒸気排出流路19より発動機部3の外部へ排出された湿り飽和蒸気は、液化装置としての凝縮器30に至る。凝縮器30では、所定の冷媒(本第1実施形態では外気)と熱交換が行われ、蒸気を凝集させて液化して作動流体とする。
【0051】
凝縮器30にて得られた作動流体は、所定量の作動流体を貯留する貯留タンク31に送られる。なお、貯留タンク31に貯留されている作動流体は、再びポンプ7によって熱交換器5へ加圧しながら送給され過熱液となる。
【0052】
すなわち、作動流体は、貯留タンク31→ポンプ7→熱交換器5→インジェクタ8→フラッシュ空間→蒸気排出流路19→凝縮器30→貯留タンク31のように循環させるようにしている。
【0053】
発動機部3の説明に戻り、シリンダ12とシリンダヘッド13の側面部にはフィン23が設けられており、排ガスの熱を効率良く受熱可能としている。
【0054】
排ガス案内ケース10は第2ガス流路4の一部を構成するシリンダヘッド13及びシリンダ12の上部を気密状に収容する箱状の部材であり、内燃機関1から排出された排ガスを流入させる導入口10aと、排出する排出口10bとを備えている。
【0055】
排ガス案内ケース10は、発動機本体部9のシリンダヘッド13及びシリンダ12の上部を覆っており、同排ガス案内ケース10内に導入された排ガスは、シリンダ12及びシリンダヘッド13に設けられたフィン23によって熱交換が行われることとなり、熱が奪われた排ガスは排出口10bを介して大気中へ放出される。
【0056】
次に、上述の構成を備えるピストン蒸気機関Aの動きについて説明する。
【0057】
貯留タンク31に貯留されている水は、まずポンプ7によって所定圧力に加圧しながら熱交換器5へ送給される。
【0058】
熱交換器5では、内燃機関1より排出された排ガスとの熱交換が行われ、高温高圧(例えば、350℃、170bar)の過熱液としてインジェクタ8へ送給される。
【0059】
一方、第2ガス流路4に分岐された排ガスは、排ガス案内ケース10内でフィン23により熱交換が行われ、シリンダヘッド13やシリンダ12、ピストン16を所定温度(例えば、350℃)に加熱する。
【0060】
このような状態において、まず、インジェクタ8から過熱液がフラッシュ空間内にインジェクションされると、圧力差によって過熱液の一部が瞬時に膨張してフラッシュワークが行われる。
【0061】
また、これとほぼ同時に、飛散した過熱液の微細な液滴が、加熱されたシリンダ12の内壁面やピストン16の上面(以下、これらの面を総称して伝熱面部という。)に衝突して沸騰されボイリングワークが行われる。
【0062】
これらフラッシュワークとボイリングワークが生起されることにより、フラッシュ空間内が高圧状態となってピストン16は押し下げられ、コネクティングロッド15を介してクランクシャフト14の回動が行われ駆動力が発生する(気化膨張行程)。
【0063】
次に、クランクシャフト14に設けられたカウンターウェイト14aの慣性力により、コネクティングロッド15を介してピストン16の押し上げ動作が行われる。このとき、バルブ20は開放され、フラッシュ空間内の湿り飽和蒸気は、蒸気排出流路19を介して発動機部3外へ排出される(蒸気排出行程)。
【0064】
ピストン16が上死点近傍に達するとバルブ20は蒸気排出流路19を閉塞し、再びフラッシュ空間内へ過熱液のインジェクションが行われることとなる。
【0065】
このように、気化膨張行程と蒸気排出行程とが繰り返し行われることで、排ガスの熱を利用した動力変換が行われることとなる。
【0066】
また、蒸気排出行程にて排出された湿り飽和蒸気は凝縮器30に送られ、液体に相転移させて貯留タンク31にて貯留される。
【0067】
このように、本第1実施形態に係るピストン蒸気機関Aによれば、排ガスの熱を受熱可能としたシリンダ12を配置するとともに、シリンダ12とシリンダ12内で往復摺動するピストン16を熱交換機能を有する伝熱面部となして、これら伝熱面部を排ガスにより加熱し、シリンダ12と上死点近傍にあるピストン16で閉塞されるフラッシュ空間内にインジェクタ8を通して高圧かつ高温状態の過熱液となした水を噴出することで、過熱液の飽和圧力よりも低圧である空間内において一定割合の過熱水を蒸気となすとともに、蒸気が膨張してピストン16を発動させ、蒸気化しない過熱液は、液滴状にてフラッシュ空間を形成する伝熱面部の内面に衝突して沸騰されるとともに蒸気になり、蒸気が膨張してピストンを発動させることとしたため、熱エネルギーを利用して動力を得ることのできるピストン蒸気機関を提供することができる。
【0068】
ピストン蒸気機関Aによって得られた動力は、内燃機関1の補助動力として使用しても良く、また、独立した動力源として使用しても良い。
【0069】
例えば前者であれば、ピストン蒸気機関Aのクランクシャフト14より伸延する出力軸からの動力を、内燃機関1の出力軸からの動力に足し併せることで、ピストン蒸気機関Aを内燃機関1の補助動力機関として利用することができる。また後者であれば、発電機等を駆動させるための動力としての利用が考えられる。
【0070】
〔第2実施形態〕
次に、第2の実施形態に係る蒸気機関としてのピストン蒸気機関Bについて図2を参照しながら説明する。本第2の実施形態に係るピストン蒸気機関Bは、前述のピストン蒸気機関Aと略同様の構成を備えているが、燃料混合気の供給管路40と点火プラグ42とを設け、内燃機関の発動サイクルに引き続き、前述の気化膨張行程及び蒸気排出行程を行うようにした点で構造を異にしている。
【0071】
換言すれば、通常の内燃機関において、前述の気化膨張行程及び蒸気排出行程を行えるようにしてピストン蒸気機関としての機能を持たせた点に特徴を有している。なお、図2では、前述の発動機部3に該当する発動機部43での動きを中心に説明し、作動流体の循環機構については、前述の実施形態と同様であるため説明を省略する。また、本第2実施形態では、4ストロークエンジンをベースとした6ストロークのピストン蒸気機関Bについて説明する。すなわち、内燃機関としての4行程と、ピストン蒸気機関としての2行程とが行われる。
【0072】
ピストン蒸気機関Bでは、まず図2(a)に示すように、燃料供給バルブ41を開放し、供給管路40からガソリン等の気化燃料と空気とを所定の割合で混合した燃料混合気をシリンダ52内に取り込む吸入行程を行う。
【0073】
次に、図2(b)に示すように、シリンダ52内でピストン56を上昇させて、吸入した燃料混合気を圧縮する圧縮行程を行う。
【0074】
次いで、図2(c)に示すように、シリンダヘッド53に配設した点火プラグ42をスパークさせて、圧縮した燃料混合気に点火し、爆発力によってピストン56を押し下げる燃焼膨張行程を行う。
【0075】
本燃焼膨張行程が行われることにより、クランクシャフト54が回動し、駆動力が発生することとなる。また、この燃焼膨張行程によって、シリンダ52の内壁及びピストン56の上壁が加熱されて高熱体として機能することとなる。
【0076】
次に、慣性によってピストン56を上昇させ、排気バルブ60を開放して、燃焼ガスをシリンダ52外に押し出す排気行程を行う。
【0077】
次に、燃焼ガスが排出された後のフラッシュ空間内にインジェクタ8から過熱液をインジェクションし、フラッシュワークとボイリングワークとを生起させ、フラッシュ空間内を高圧状態としてピストン56を押し下げる気化膨張行程を行う。
【0078】
すなわち、高熱体としてのシリンダ52の内壁及びピストン56の上壁が、伝熱面部としても機能することにより、ボイリングワークが生起される。
【0079】
この気化膨張行程が行われることにより、クランクシャフト54が回動し、駆動力が更に発生することとなる。
【0080】
そして、慣性によってピストン56が上昇し、排気バルブ60を開放して、湿り飽和蒸気は外部に排出されることとなる(蒸気排出行程)。なお、この時の湿り飽和蒸気は、前述の実施形態と同様に凝縮させて回収しても良く、また、そのまま大気中に排出しても良い。
【0081】
このように、上述の吸入行程→圧縮行程→燃焼膨張行程→排気行程→気化膨張行程→蒸気排出行程が行われることにより、内燃機関の機能を備えながらも、同内燃機関にて発生した熱エネルギーを利用して動力を得ることのできるピストン蒸気機関として機能させることができる。
【0082】
〔第3実施形態〕
次に、第3の実施形態に係る蒸気機関としてのバンケル型ロータリー蒸気機関Cについて図3を参照しながら説明する。なお、図3では、第1実施形態における発動機部3に該当する発動機部63での動きを中心に説明し、作動流体の循環機構については、前述の実施形態と同様であるため説明を省略する。また、前述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0083】
バンケル型ロータリー蒸気機関Cの発動機部63は、発動機本体部69と、同発動機本体部69の周囲を気密状に覆う排ガス案内ケース(図示省略)とで構成しており、内燃機関より排出された排ガスを発動機本体部69の周囲に案内して発動機本体部69を加熱可能に構成している。
【0084】
発動機本体部69は、内周面がまゆ型のトロコイド曲線状に形成されたローターハウジング72を備えている。
【0085】
ローターハウジング72の中心部には、エキセントリックシャフト74が納められており、同エキセントリックシャフト74の端部(紙面奥行き方向端部)は図示しないサイドハウジング外へ突出させて、動力を取出す出力軸(図示せず)としている。
【0086】
また、エキセントリックシャフト74には、略三角形状のローター76が回動自在に配設されており、ローターハウジング72内でのローター76の回動により、エキセントリックシャフト74が回動されるよう構成している。
【0087】
ローター76には、三角形の辺にあたる部位に凹部77がそれぞれ形成されている。この凹部77は、ローター76が図3(d)で示す位置(位相)に到達した際にフラッシュ空間として機能する部位である。
【0088】
また、ローター76が図3(d)で示す位置(位相)の凹部77のに対向するローターハウジング72の内周面には、過熱液をフラッシュ空間内にインジェクションするためのインジェクタ8が、先端を内部に露出させた状態で設けられている。
【0089】
また、ローターハウジング72には、フラッシュ空間の内圧を調整する空気を吸入させるための吸入流路71と、フラッシュ空間内で生じた湿り飽和蒸気を排出するための蒸気排出流路79とが形成されている。
【0090】
蒸気排出流路79より発動機部63の外部へ排出された湿り飽和蒸気は、前述の液化装置としての凝縮器30に送られ、蒸気を凝集させて液化して再び作動流体として利用される。
【0091】
ローターハウジング72の外周面部にはフィン83が設けられており、内燃機関から排出された排ガスの熱を効率良く受熱可能としている。
【0092】
次に、上述の構成を備えるバンケル型ロータリー蒸気機関Cの動きについて説明する。なお、ここでは説明の便宜上、ローター76の各辺に設けられた各凹部77のうちの1つに着目して説明するが、既知のロータリー内燃機関と同様、以下に説明する動作等はローター76の各辺において位相を異ならせて行われる。
【0093】
バンケル型ロータリー蒸気機関Cでは、まず図3(a)に示すように、吸入流路71から空気をローターハウジング72内に取り込む吸入行程を行う。
【0094】
次に、図3(b)及び図3(c)に示すように、ローター76がリーディング方向に回動すると、ローターハウジング72の内周面とローター76の一辺とで囲まれる空間が徐々に狭隘となり、吸入した空気を圧縮する圧縮行程が行われる。
【0095】
次いで、図3(d)に示すように、ローター76の凹部77がインジェクタ8の対向位置近傍となった際に形成されるフラッシュ空間内に、インジェクタ8から過熱液をインジェクションし、フラッシュワークとボイリングワークとを生起させ、フラッシュ空間内を高圧状態としてローター76をリーディング方向に回転させる気化膨張行程を行う。
【0096】
すなわち、ローターハウジング72の内壁やローター76が、伝熱面部として機能することにより、ボイリングワークが生起される。
【0097】
この気化膨張行程が行われることにより、図3(e)に示すように、エキセントリックシャフト74が回動し、駆動力が発生することとなる。
【0098】
そして、ローター76が更に回動し、ローターハウジング72の内周面とローター76の一辺とで囲まれる空間が蒸気排出流路79の位置に至ると、図3(e)及び図3(f)に示すように、湿り飽和蒸気は蒸気排出流路79を介して外部に排出されることとなる(蒸気排出行程)。なお、本第3実施形態では、この時の湿り飽和蒸気を凝縮させて回収することとしたが、そのまま大気中に排出しても良い。
【0099】
このように、上述の吸入行程→圧縮行程→気化膨張行程→蒸気排出行程が行われることにより、内燃機関より排出された排ガスの熱エネルギーを利用して動力を得ることのできるバンケル型ロータリー蒸気機関として機能させることができる。
【0100】
また、本第3実施形態に係るバンケル型ロータリー蒸気機関Cは、次のような利点が挙げられる。
【0101】
すなわち、実際にバンケル型ロータリー蒸気機関Cを駆動させるにあたり、エキセントリックシャフト74の潤滑と、フラッシュ空間の潤滑とを分離することができるため、第1及び第2実施形態にて示したピストン方式よりも潤滑に有利である。
【0102】
また、フラッシュ空間の表面積がピストン方式に比して大きいため、ローターハウジング72表面のフィン83から得た熱で駆動する蒸気機関の場合、バンケル型ロータリー蒸気機関の方が有利であるものと考えられる。
【0103】
また、インジェクションした過熱液を回収するに際し、ローターハウジング72は、特にバルブ等を設ける必要なく穿孔するだけで良いため、機構的に極めて簡便とすることができる。また、このときローターハウジング72の下側に、排出するためのドレイン孔を形成することができれば、排出がより容易となる。
【0104】
さらに、過熱液を噴射するインジェクタとは別個に、潤滑用のオイルを吸入行程中に噴射するインジェクタを容易に配置することができ、潤滑性能をより向上させることができる。
【0105】
このように、上述した各ポイントにおいて、バンケル型ロータリー蒸気機関は、レシプロ型蒸気機関に比して有利であるものと考えられる。
【0106】
なお、バンケル型ロータリー蒸気機関Cによって得られた動力は、前述のピストン蒸気機関Aと同様、内燃機関の補助動力として使用しても良く、また、独立した動力源として使用しても良いのは勿論である。
【0107】
上述してきたように、本実施形態に係るピストン蒸気機関A及びピストン蒸気機関Bでは、シリンダ(例えばシリンダ12,52)内にピストン(例えばピストン16,56)を摺動自在に配置し、ピストンにクランクシャフト(例えばクランクシャフト14,54)を連動連結して、ピストンの往復摺動にクランクシャフトの回転動作を連動させたピストン蒸気機関であって、高熱体(例えば、排ガスやシリンダ52やピストン56)の熱を受熱可能としたシリンダを配置するとともに、シリンダとシリンダ内で往復摺動するピストンを熱交換機能を有する伝熱面部となして、これら伝熱面部を高熱体により加熱し、シリンダと上死点近傍にあるピストンで閉塞されるフラッシュ空間内にインジェクタ(例えば、インジェクタ8)を通して高圧かつ高温状態の過熱液となした作動流体(例えば、水)を噴出することで、過熱液の飽和圧力よりも低圧である空間内において一定割合の過熱水を蒸気となすとともに、蒸気が膨張してピストンを発動させ(例えば、フラッシュワーク)、蒸気化しない過熱液は、液滴状にてフラッシュ空間を形成する伝熱面部の内面に衝突して沸騰されるとともに蒸気になり、蒸気が膨張してピストンを発動させる(例えば、ボイリングワーク)こととしたため、熱エネルギーを利用して動力を得ることのできるピストン型の蒸気機関を提供することができる。
【0108】
また、本実施形態に係るバンケル型ロータリー蒸気機関Cでは、ローターハウジング(例えば、ローターハウジング72)内にローター(例えば、ローター76)を回動自在に配置し、ローターにエキセントリックシャフト(例えば、エキセントリックシャフト74)を挿通して、ローターの回転運動にエキセントリックシャフトの回転動作を連動させた蒸気機関であって、高熱体(例えば、内燃機関から排出された排ガス)の熱を受熱可能としたローターハウジングを配置(例えば、排ガス案内ケース内に配設された発動機本体部69)するとともに、ローターハウジングとローターハウジング内で回転運動するローターを熱交換機能を有する伝熱面部となして、これら伝熱面部を高熱体により加熱し、ローターハウジングとローターとで閉塞されるフラッシュ空間内にインジェクタ(例えば、インジェクタ8)を通して高圧かつ高温状態の過熱液となした作動流体を噴出することで、過熱液の飽和圧力よりも低圧である空間内において一定割合の過熱水を蒸気となすとともに、蒸気が膨張してローターを発動させ(例えば、フラッシュワーク)、蒸気化しない過熱液は、液滴状にてフラッシュ空間を形成する伝熱面部の内面に衝突して沸騰されるとともに蒸気になり、蒸気が膨張してローターを発動させる(例えば、ボイリングワーク)こととしたため、熱エネルギーを利用して動力を得ることのできるバンケル型ロータリー蒸気機関を提供することができる。
【0109】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0110】
例えば、第1実施形態では、内燃機関1の高温排ガスを高熱体として利用したが、これに限定されるものではなく、工場の高温排気ダクトにピストン蒸気機関を取り付けて動力を得るようにしても良い。また、このことは第3実施形態におけるバンケル型ロータリー蒸気機関Cについても同様である。
【符号の説明】
【0111】
1 内燃機関
2 第1ガス流路
4 第2ガス流路
8 インジェクタ
10 排ガス案内ケース
12 シリンダ
13 シリンダヘッド
14 クランクシャフト
15 コネクティングロッド
16 ピストン
17 凹部
19 蒸気排出流路
20 バルブ
21 バルブスプリング
23 フィン
30 凝縮器
31 貯留タンク
63 発動機部
69 発動機本体部
71 吸入流路
72 ローターハウジング
74 エキセントリックシャフト
76 ローター
77 凹部
79 蒸気排出流路
83 フィン
A ピストン蒸気機関
B ピストン蒸気機関
C バンケル型ロータリー蒸気機関

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ内にピストンを摺動自在に配置し、ピストンにクランクシャフトを連動連結して、ピストンの往復摺動にクランクシャフトの回転動作を連動させた蒸気機関であって、
高熱体の熱を受熱可能としたシリンダを配置するとともに、シリンダとシリンダ内で往復摺動するピストンを熱交換機能を有する伝熱面部となして、これら伝熱面部を高熱体により加熱し、
シリンダと上死点近傍にあるピストンで閉塞されるフラッシュ空間内にインジェクタを通して高圧かつ高温状態の過熱液となした作動流体を噴出することで、過熱液の飽和圧力よりも低圧である空間内において一定割合の過熱水を蒸気となすとともに、蒸気が膨張してピストンを発動させ、
蒸気化しない過熱液は、液滴状にてフラッシュ空間を形成する伝熱面部の内面に衝突して沸騰されるとともに蒸気になり、蒸気が膨張してピストンを発動させることを特徴とする蒸気機関。
【請求項2】
ローターハウジング内にローターを回動自在に配置し、ローターにエキセントリックシャフトを挿通して、ローターの回転運動にエキセントリックシャフトの回転動作を連動させた蒸気機関であって、
高熱体の熱を受熱可能としたローターハウジングを配置するとともに、ローターハウジングとローターハウジング内で回転運動するローターを熱交換機能を有する伝熱面部となして、これら伝熱面部を高熱体により加熱し、
ローターハウジングとローターとで閉塞されるフラッシュ空間内にインジェクタを通して高圧かつ高温状態の過熱液となした作動流体を噴出することで、過熱液の飽和圧力よりも低圧である空間内において一定割合の過熱水を蒸気となすとともに、蒸気が膨張してローターを発動させ、
蒸気化しない過熱液は、液滴状にてフラッシュ空間を形成する伝熱面部の内面に衝突して沸騰されるとともに蒸気になり、蒸気が膨張してローターを発動させることを特徴とする蒸気機関。
【請求項3】
前記高熱体は高熱流体であり、前記シリンダ又は前記ローターハウジングは、前記高熱流体が流動する高熱流路内に配置して受熱可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蒸気機関。
【請求項4】
フラッシュ空間内に発生した湿り飽和蒸気は外部に排出するとともに、液化装置を通して液化した作動流体となし、
液化された作動流体は、加圧ポンプにより熱交換器を通して高圧かつ高温状態の過熱液となして、フラッシュ空間内にインジェクタを通して噴出させることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の蒸気機関。
【請求項5】
高熱流体は廃熱流体であるとともに、この廃熱流体が流動する高熱流路内にはシリンダ又はローターハウジングと熱交換器とを配置していることを特徴とする請求項4記載の蒸気機関。
【請求項6】
作動流体は水であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の蒸気機関。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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