説明

蒸気相過酸化水素脱臭剤

【課題】屋内空気および屋内環境内に位置する表面から悪臭を低減させるか、または除去するための組成物および方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1種のpHが中性からやや酸性のペルオキソ水和物化合物を含む固体組成物から昇華した蒸気相の過酸化水素を用いて、屋内環境内の空気および表面から悪臭を低減または除去する。過酸化水素の昇華が加熱または送風機により促進される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気相の過酸化水素の生成および使用による、空気中および表面からの臭気の低減または除去に関する。具体的には、本発明は、臭気の低減または除去を蒸気相の過酸化水素を用いて達成する、組成物および方法に関する。より具体的には、本発明は、少なくとも1種類のpHが中性からやや酸性の過酸化水素含有化合物を含む、pHが中性からやや酸性の水性組成物または固体組成物から、蒸気相の過酸化水素を生成することにより、煙などの臭気を低減または除去する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
悪臭物質は様々な媒体中または媒体上あるいは表面上に存在し得る。屋内環境では、屋外環境と比較して一般に空気交換や空気循環が限られているため、人は屋内の表面上や屋内の空気中に含まれる悪臭に非常によく気がつきやすい。さらに、住居、ホテル、自動車内部、病院、オフィスビルなど多くの屋内環境において特定の悪臭が嗅覚により探知されると、その室内区域が不衛生または汚れているとの認識が生じる可能性がある。その他の臭気、例えば特定の食品、調理行為、およびタバコの吸殻等から生じる臭気は、不衛生であるとか汚いとは一般には思われないものの、多くの人々に不快と見なされ得る。従って、屋内表面に存在する悪臭または屋内空気中に含まれる悪臭を効果的に除去する必要性が存在する。このことは、空気中または家具、カーテンおよび敷物などの布地についたタバコの煙の悪臭に特に当てはまる。
【0003】
屋内環境からの悪臭の除去を目的とした製品は数多く販売されている。表面の脱臭は、清掃(洗浄)により物理的に悪臭物質を除去することによって達成することができる。屋内の空気中に存在する悪臭は、強制換気扇と物理的な吸収剤との組み合わせや、静電沈着技術を利用した電気機器を用いて除去できる。酸化剤等の、悪臭物質と反応して悪臭物質を1種以上の無臭物質に変換する反応性化学物質(Reactive chemistries)も、悪臭の低減/除去用途に用いることができる。
【0004】
安価である程度の反応性を有する酸化剤である過酸化水素については、悪臭の除去や低減分野での用途が見出されている。しかしながら、そのような用途は一般に他の何よりもシステムが複雑であり、組成物が高価であって、かつ/または改良の余地がある。例えば、米国特許第4,036,994号は、レストランの網焼きグリルの排気から調理された食物および煙の臭気を除去するのに過酸化水素水溶液を用いることを開示しており、その一部はグリルの排出ガス流を過酸化水素水溶液で洗浄する(scrubbing)ことで除去されている。この特許に記載される悪臭除去方法では、薄く高温のセラミック製ブリケットの上で食品を調理することによって潜在的な悪臭の焼却を促進することと、グリルの排出ガス流を過酸化水素水溶液で洗浄することと、続いて処理したガスを大気へ放出する前に周囲空気と混合することと、が必要とされる。
【0005】
米国特許第4,550,010号は、悪臭のある空気を過酸化水素とオゾンの両方を含む水溶液で洗浄して、汚染空気中の悪臭を脱臭する方法を開示している。同様に、米国特許第5,904,901号は、オゾンと霧化した過酸化水素溶液の両方を生成し放出する装置を用いて屋内環境からの臭気の除去を開示しており、オゾンと霧化した過酸化水素との反応からヒドロキシルラジカルが生じることによって屋内環境中に存在する様々な悪臭物質を分解するとされている。
【0006】
米国特許第5,071,622号および5,137,687号は、臭気を放出する下水処理システムから悪臭物質を除去する方法を開示している。この方法では、臭気を含むガスプルームコンデンセートの疎水性成分と、第一鉄イオン、タンニン酸、および過酸化水素の反応から得られる沈殿を含む、臭気を捕獲するコア粒子とを接触させることにより臭気の軽減が得られる。
【0007】
米国特許第6,365,099 B1号および同第6,495,096 B1号は、下水収集/処理に付随する排液流から悪臭を有する還元された硫黄化合物を除去する方法およびシステムを開示している。上記’096号には、過酸化水素および硝酸イオンを含有する水性脱臭組成物、または過酸化水素、硝酸イオンおよび遷移金属塩を含有する水性脱臭組成物を利用する処理方法が記載されている。上記’096号の水性脱臭組成物は、排液流と直接混合される。上記’099号には、汚水管、下水管、幹線、およびその他の汚水内蔵システムの取扱または処理装置の内部においてアルカリ性の過酸化水素水溶液の微細なスプレー、ミストまたは霧を空気空間に噴射することにより、汚水取扱及び処理システムの蒸気空間から硫化物の臭気を低減または除去する方法およびシステムが記載されている。
【0008】
米国特許第6,815,408 B2号は、様々な臭気除去および消毒に使用されるアルカリ性のリン酸塩含有過酸化水素水溶液組成物を開示している。この水性組成物は、アルカリ性過酸化水素水溶液のスプレーまたはミストを適用することにより空気処理ダクトの表面および内部へ導入される。アルカリ性リン酸塩は、開示される組成物の必須成分であり、過酸化物の酸化力を向上させ、また過酸化物安定剤として機能するとされる。
【0009】
WO 94/11091号は、遷移金属触媒および過酸化水素含有液を含有する固体充填層を取り付けた固定充填層スクラバーによってガス流を洗浄することによる、工業ガス流から臭気を除去するための触媒工程を開示している。
【0010】
したがって、一般的に製造が単純かつ安価であり、屋内空気空間および表面からの悪臭、特にタバコの煙を効果的に低減または除去する組成物および方法が求められている。
【発明の開示】
【0011】
住居、ホテル、自動車の内部、病院、およびオフィスビルなどの屋内環境は、その空気中に不快な臭気が発生することがある。同様に、そのような場所の固体状の表面も悪臭物質で汚染される可能性がある。場合によっては、その悪臭は単に空気交換/循環を強化してその場所の「空気の入れ替え」を行うことによって取り除くことができるが、空気空間または表面を化学処理することによってそのような悪臭を取り除くことが望ましいかまたは必要となる場合もありうる。加えて、そのような空気中または表面に連続的な長期の化学脱臭処理を数日間、数週間または数ヶ月間行うことが望ましい場合もあろう。
【0012】
多くの屋内環境において、連続的な長期間の化学脱臭処理を行う際にヒトまたはその他の生物を退去させることは非実際的であるか、または不可能である。その場合に適用される化学処理は、そこにいる者に対して問題となりうる毒性や不快感をもたらしてはならない。例えば、オゾンガスは多くの種類の悪臭と効果的に反応し、悪臭を除去することが知られている。しかし、オゾンは有害な屋内空気汚染物質とされており、屋内空気中でのオゾンへの曝露は、多くの屋内環境について米国環境保護庁(「EPA」)により厳しく規制されている。同様に、二酸化塩素ガスを反応性の悪臭除去試薬として用いることができる。オゾンと同様、二酸化塩素への曝露は毒物学的に重大な事項であり、EPAはこの物質に対して極めて低い許容曝露限界を規定している。また、ヒトの二酸化塩素の臭気検知閾値は非常に低く、多くの者は規定されたEPAの空気中物質の曝露限界(airborne exposure limits)よりはるかに低い水準で二酸化塩素の臭気を不快と感じる傾向がある。
【0013】
本発明は、屋内空気、および屋内環境内に位置する表面から悪臭を低減または除去する組成物および方法を提供する。本発明は、そのような環境からタバコの臭気を低減または除去する際に特に有用であることが見出されている。
【0014】
本発明の方法は、pHが中性からやや酸性の水系液体組成物の受動的蒸発により生成された蒸気相の過酸化水素を用いることによる、屋内環境内の空気および表面からの悪臭の除去または低減を提供する。水系液体組成物は、約8重量%以下の過酸化水素を含むことが好ましい。「受動的蒸発」とは、蒸気相の過酸化水素が大量の水性組成物から直接蒸発することにより、長期間にわたってゆっくりと生成されることを意味する。ここには、水性組成物を屋内の空気中に分散したり、大量の液体もしくは液体の液滴として機械的手段(手動操作または動力装置による注入、スプレー、ミスト化、霧化、または噴霧など)を用いて直接屋内表面に適用する、方法は含まれない。液体過酸化水素組成物のpH範囲は、約15〜30℃の温度範囲で約8〜約1の範囲であることが好ましい。pHが中性からやや酸性である水系液体組成物は、低粘度の流体、粘性ゲル、または高濃度の懸濁液を包含してよく、芳香剤/香料成分を含むその他の成分も含んでもよい。
【0015】
本発明の別の方法は、pHが中性からやや酸性の少なくとも1種の固体過酸化水素を含有するペルオキソ水和物化合物を含む固体組成物からの過酸化水素の昇華により生じた蒸気相の過酸化水素を用いる、屋内環境内の空気および表面からの悪臭の除去または低減を提供する。「昇華」とは、過酸化水素の蒸気が過酸化水素を含有する固体から直接放出されるプロセスをさす。「pHが中性からやや酸性の過酸化水素を含有するペルオキソ水和物化合物」とは、過酸化水素分子を含み、当該化合物の精製水濃溶液のpHが約20〜25℃の温度範囲で約8未満となる化合物をさす。やや酸性の過酸化水素を含有するペルオキソ水和物化合物の好適な例としては、尿素ペルオキソ水和物(urea peroxohydrate)、CO(NH22・H22;硫酸ナトリウムペルオキソ水和物(sodium sulfate peroxohydrate)、2Na2SO4・H22・2H2O;およびポリ(ビニルピロリドン)ポリマーのペルオキソ水和物、PVP−xH22が挙げられる。また、1種以上の過酸化物を含有する化合物を含む固体組成物は、1種以上の非過酸化物を含有する固体を含んでもよく、当該固体として例えば不活性型の無機塩や固体有機化合物増量剤が挙げられる。上記固体には、粉末、圧縮錠、結晶性固体、またはその他の容易に認識できる固体形態が包含される。また、上記固体組成物には、少量の液体または固体の芳香剤/香料成分が含まれてもよい。
【0016】
上述の、およびその他の本発明の利点および特徴は、以下の本発明の範囲を網羅する詳細な説明および請求項を検討することによりさらに明らかとなり、理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
過酸化水素は、その純粋形態ではわずかに刺激臭を有し、凝固点が−0.4℃である無色透明な液体である。純粋な液体過酸化水素の蒸気圧は25℃で約2.0mmHgであり、水(25℃で約24mmHg)の蒸気圧よりもやや低い。過酸化水素の水溶液は、2種類の混和性の揮発性液体の混合物として予想されるように、水蒸気と蒸気相過酸化水素の混合蒸気相組成物を提示する。例えば、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 4th Edition, Volume 13, 1995, Wiley−Interscience Publication中の“Hydrogen Peroxide”、およびその中の参照文献を参照。
【0018】
過酸化水素分子を固体/結晶付加物として含む無機および有機化合物をペルオキソ水和物または過水和物と呼ぶ。そのような材料が業務および技術文献中で多く知られており、炭酸ナトリウムペルオキソ水和物 2Na2CO3・3H22(過炭酸ナトリウム);炭酸アンモニウムペルオキソ水和物、(NH42CO3・H22;尿素ペルオキソ水和物、CO(NH22・H22(過酸化尿素);硫酸ナトリウムペルオキソ水和物、2Na2SO4・H22・2H2O;および様々なペルオキソ水和物リン酸塩が挙げられる。様々なペルオキソ水和物の記載は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 4th Edition, Volume 13, 1995, Wiley−Interscience Publication中の“Hydrogen Peroxide、Peroxohydrates”、およびその中の参照文献に見出すことができる。化合物の過酸化水素含量が組成物の最大約22重量%まで変化しうるポリマー含有ペルオキソ水和物のポリ(ビニルピロリドン)、PVP・xH22は、米国ニュージャージー州ウェーン(Wayne, New Jersey, USA)のISP社(ISP Corporation)からペロキシドン(Peroxydone)(登録商標)として市販されている。
【0019】
本発明者らは、過酸化水素を含み、pHが約8以下である水性液体組成物が、屋内環境において受動的に蒸発し、屋内環境の空気空間および表面からの悪臭の除去または低減に有用な量の蒸気相過酸化水素を生じうることを見出した。アルカリ性の過酸化水素水溶液は、水および酸素ガスへの不均化に関して安定性がない。そのため、pH範囲が約1〜約8である中性からやや酸性の水性過酸化水素組成物を利用することが望ましい。このことにより、水性過酸化水素組成物の許容されうる長期安定性が得られる。より好ましくは、液体組成物のpHは約2〜約7の範囲である。最も好ましくは、液体組成物のpHは約3〜約6の範囲であり、この範囲において最適な生成物安定性が得られる。
【0020】
本発明の方法は、過酸化水素の屋内空気空間への受動的蒸発に関する。本明細書において「受動的蒸発」とは、蒸気相過酸化水素が大量の水性組成物から直接長期間にわたってゆっくり生成されることを意味する。ここには、水性組成物が屋内の空気中に分散したり、機械的手段(手動操作かまたは動力装置による注入、スプレー、ミスト化、霧化、または噴霧など)を用いて直接屋内表面に大量の液体としてまたは液体の液滴として適用される方法は含まれない。水性のpHが中性からやや酸性の水性過酸化水素組成物は、均質な溶液であっても懸濁固体を含む不均質な分散体であってもよい。液体過酸化水素組成物の粘度の範囲は、「水で薄められた」流動体(25℃にて約10センチポイズ未満)の粘度から高粘性かつ硬質のゲル、ペーストまたは懸濁液(25℃にて約100,000cps以上)のそれにまで至る。粘度増加剤には、過酸化物安定性の界面活性剤系、過酸化物安定性ポリマー、ならびに各種の固体無機増粘剤/増量剤(アルミナ、シリカ、および天然/合成粘土など)が含まれうる。
【0021】
水性組成物中の過酸化水素の濃度は、組成物の最大約50重量%を占めてよく、好ましくは組成物の約10重量%未満であり、最も好ましくは組成物の約8重量%〜約0.5重量%である。水性組成物は、美的目的のために、芳香剤成分および芳香剤可溶化剤(界面活性剤もしくは溶媒など)および/または着色剤などのその他の成分を少量含んでもよい。最適な安定性のためには、水性組成物は、1種以上の過酸化水素安定化剤、例えば、スズ酸化合物、リン酸塩、有機ホスホン酸塩、およびアミノカルボン酸塩またはアミノホスホン酸塩に由来する各種キレート化剤なども含んでよい。様々な過酸化物安定化剤が参照により本明細書に援用される、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 4th Edition, Volume 13, 1995, Wiley−Interscience Publication中の“Hydrogen Peroxide, Stabilization”、およびその中の参照文献に開示されている。さらに追加される成分としては、pH調節のための過酸化物安定性の酸が挙げられ、限定されないが、硫酸、リン酸、スルファミン酸、酢酸、プロパン酸、クエン酸、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、およびポリアクリル酸が含まれうる。
【0022】
低粘度の過酸化水素含有水溶液からの蒸気相過酸化水素の受動的な生成による悪臭の低減または除去用途として、各種の放出装置が好適に用いられる。液体吸い上げ装置(Liquid wicking devices)、例えば液体のエアーフレッシュナー用の容器兼放出装置などが特に有用である。本明細書に開示される本発明の方法および組成物に適した容器兼放出装置としては、参照により本明細書に援用される米国特許第2,802,695号;同第3,550,853号;同第4,286,754号;同第4,413,779号;同第4,913,350号;同第5,000,383号;同第5,014,913号;同第5,121,881号;同第5,749,519号;同第5,749,520号;同第5,875,968号および同第6,871,794 B2号に述べられているものが挙げられる。このような装置を構成する材料は、本発明に記載される過酸化水素水溶液の酸化および腐食性に対する完全性を容器兼放出装置がもつように選択される。
【0023】
本発明の粘性ゲルまたは懸濁液は、過酸化水素を含有する組成物が受動的に蒸発でき、屋内空気空間中に好適な濃度で蒸気相過酸化水素を生じるように、少なくとも1つの開口部を有する皿またはカップ状の容器内に収容されてよい。好適な容器の例としては、参照により本明細書に援用される米国意匠特許第295,675号;同第307,469号;同第332,999号;および同第376,002号に開示されるものが挙げられる。
【0024】
本発明の過酸化水素を含有する粘性ゲルまたは懸濁液と組み合わせて、様々な機械装置を利用してもよい。これらの装置としては、適当な容器の中に封入されている本発明の組成物を軽く加熱することにより、屋内環境内での蒸気相過酸化水素の効果的な生成を促進する装置が挙げられる。揮発性の液体組成物の分配を促進するために用いられるこのような加熱装置としては、参照により本明細書に援用される米国特許第3,633,881号;同第4,020,321号;同第4,968,487号;同第5,038,394号;同第5,290,546号;同第5,647,053号;同第5,903,710号;同第5,945,094号;同第5,976,503号;同第6,123,935号;および同第6,862,403 B2号に開示されるものが挙げられる。送風機型の装置を用いて、適当な容器の中に封入されている本発明の組成物を越えて空気を流すことにより、屋内環境内の蒸気相過酸化水素の生成を促進してもよい。揮発性の液体組成物の放出を促進するために用いられるそのような送風機型の装置としては、参照により本明細書に援用される米国特許第4,840,770号;同第5,370,829号;同第5,547,616号;同第6,361,752 B1号および同第6,371,450 B1号に開示されるものが挙げられる。
【0025】
驚くべきことに、本発明者らは、特定の固体ペルオキソ水和物化合物が、室内の周囲空気に曝露されると、屋内環境の空気空間および表面からの悪臭の低減または除去に有用な量の蒸気相過酸化水素を放出することを見出した。これらのペルオキソ水和物化合物は、周囲の室温で過酸化水素を固体組成物から蒸気相へと昇華させる固体組成物の一部または全部を構成してもよい。固体組成物中に用いられるペルオキソ水和物の量は、ペルオキソ水和物の過酸化水素含量、および、ペルオキソ水和物を含む組成物の所望の放出速度に対する、所定のペルオキソ水和物からの過酸化水素蒸気の放出速度に依存する。周囲の屋内空気は一般に相当量の水蒸気を含み、アルカリ性のペルオキソ水和物化合物は、水蒸気に曝露されると水および酸素ガスへの不均化に関して不安定である。従って、pHが中性からやや酸性のペルオキソ水和物化合物を利用することが必要である。「pHが中性からやや酸性のペルオキソ水和物化合物」とは、当該化合物の精製水濃溶液(水中約5重量%)のpHが約20〜25℃の温度範囲で約pH8未満である、ペルオキソ水和物化合物をさす。
【0026】
やや酸性の過酸化水素含有ペルオキソ水和物化合物の適した例としては、尿素ペルオキソ水和物、CO(NH2)2・H22;硫酸ナトリウムペルオキソ水和物、2Na2SO4・H22・2H2O;およびポリ(ビニルピロリドン)ポリマー、PVP・H22(ポリマーPVPペルオキソ水和物の過酸化水素含量が最大約22重量%まで変動し得る)が挙げられる。また、1種以上の過酸化物を含有するペルオキソ水和物化合物を含有する固体組成物には、1種類以上の非過酸化物を含有する増量剤固体、例えば不活性型無機塩または固体有機化合物が含まれてもよい。不活性型増量剤の例としては、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類硫酸塩、シリカ、アルミナ、およびタルクが挙げられる。
【0027】
固体組成物は、粉末、圧縮錠、結晶性固体、またはその他の容易に認識できる固体形態を包含しうる。固体組成物中の過酸化水素含量は、約50重量%程度に多くてもよいが、特に製品の加工および安定性の理由で約25重量%以下が好ましい。より好ましくは、固体組成物の過酸化水素含量の範囲は約0.1重量%〜約10重量%である。最も好ましくは、固体組成物の過酸化水素含量の範囲は約0.5重量%〜約8重量%である。
【0028】
固体組成物は、美的目的のために、芳香剤成分、および/または着色剤を含む、少量のその他の成分を含んでよい。少量のその他の成分、例えば界面活性剤、溶媒、および加工助剤(例えば、固化防止剤、離型剤、成型剤または結合剤など)も本発明の固体組成物に含めることができる。安定性を最適にするためには、本発明の組成物には、1種以上の過酸化水素安定化剤、例えば、スズ酸化合物、リン酸塩、有機ホスホン酸塩、およびアミノカルボン酸塩またはアミノホスホン酸塩に由来する様々なキレート化剤なども含めてよい。様々な過酸化物安定化剤が参照により本明細書に援用される、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 4th Edition, Volume 13, 1995, Wiley−Interscience Publication中の“Hydrogen Peroxide, Stabilization”、およびその中の参照文献に開示されている。
【0029】
本発明の固体の過酸化水素含有組成物は、蒸気相過酸化水素が屋内空気空間へ昇華できる各種の容器に包装されてよい。これらの包装としては、包装壁を通じて過酸化水素蒸気が透過できるようなパウチまたはバッグが挙げられる。また、固体組成物は、容器内から屋内空気空間へ蒸気相過酸化水素が透過するのに適した開口部を1以上有するカップまたは皿の中に収められてもよい。固体の過酸化水素含有組成物が粉末、顆粒、または微粒子の形態である場合、皿またはカップなどの容器は、振ったり逆さまにしたとき固体が容器から放出されることを防ぐための物理的障壁を有してもよい。適切な物理的障壁としては、固体粉末や微粒子は通過できないが、蒸気相過酸化水素は屋内空気空間へ透過できるように孔/メッシュの大きさが十分に小さい布地またはスクリーン型材料からなるカバーが挙げられる。
【0030】
本発明の過酸化水素含有固体組成物と組み合わせて様々な機械装置を利用してもよい。それらの装置としては、適当な容器の中に封入されている本発明の組成物を軽く加熱することにより、屋内環境内の蒸気相過酸化水素の効果的な生成を促進する装置が挙げられる。揮発性の組成物の分配を促進するために用いられるそのような加熱装置としては、参照により本明細書に援用される米国特許第3,633,881号;同第4,020,321号;同第4,968,487号;同第5,038,394号;同第5,290,546号;同第5,647,053号;同第5,903,710号;同第5,945,094号;同第5,976,503号;同第6,123,935号;および同第6,862,403 B2号に開示されるものが挙げられる。送風機型の装置を用いて適当な容器の中に封入された本発明の組成物を越えて空気が流れるようにすることにより、屋内環境内の蒸気相過酸化水素の生成を促進してもよい。揮発性の液体組成物の放出を促進するために用いられるそのような送風機型の装置としては、参照により本明細書に援用される米国特許第4,840,770号;同第5,370,829号;同第5,547,616号;同第6,361,752 B1号および同第6,371,450 B1号に開示されるものが挙げられる。
【0031】
また、容器を振って意図的に取り出し、家庭内における表面部(カーペットまたは家具カバーなど)に適用できるように、本発明の固体組成物を粉末またはその他の固体微粒子の形態で用いてよい。
【0032】
本発明の固体過酸化水素含有組成物はまた、錠剤、円盤、パック、立方体、球、またはその他の適当な形を含む、一体型成型品に成型してよい。この場合、当該固体物品のマトリックスおよび表面積は、過酸化水素蒸気が該物品の表面から昇華することによってバルク組成物中を過酸化水素が効果的に透過できるように設計されている。
【0033】
本発明者らは、過酸化水素を含むpHが中性からやや酸性の水性液体組成物の受動的な蒸発、または少なくとも1種類のpHが中性からやや酸性の固体過酸化水素を含有するペルオキソ水和物化合物を含む固体組成物からの過酸化水素蒸気の昇華により生じた、屋内空気環境内に含まれる低濃度の蒸気相過酸化水素が、屋内環境の空気空間および表面からの悪臭の低減または除去に対して有用であることを見出した。特に、本発明者らは、そのような組成物および方法が、タバコの煙の臭気を繊維製品、布地(衣類、家具の覆い、カーペット、カーテン類など)、およびその他の屋内表面から低減または除去するために、ならびに様々なその他の悪臭、特に還元硫黄および窒素化合物を含む悪臭を、屋内環境内の空気空間と様々な表面部分の両方から低減または除去するために有用であることを見出した。
【0034】
以下の実施例は、本発明の組成物および方法の、屋内表面および屋内空気空間からの悪臭の低減または除去に対する有用性を説明するために示される。これらの実施例は本発明の範囲を制限することを意図しない。
【0035】
実施例1:水性液体過酸化水素組成物からの蒸気相過酸化水素の生成
【0036】
表1に示される、3種の液体水性過酸化水素組成物のサンプル50グラムを、23℃で維持された個別の66リットルポリプロピレン製試験チャンバに入れた。試験チャンバ内部の蒸気相過酸化水素濃度を、米国ペンシルベニア州ピッツバーグ(Pittsburgh, PA, USA)のドレーゲルセーフティー社(Draeger Safety, Inc.)製の過酸化水素センサを取り付けたドレーゲル・パック(Draeger Pac)III(登録商標)ガスモニタを用いて長期にわたり定量化した。蒸気相過酸化水素の生成をppmの単位で表したものを表2に示す。
【0037】
表1:酸性過酸化水素水溶液組成物1、2、3
【表1】


+デクエスト(Dequest)2010=1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ホスホン酸、水中活性60%。米国ミズーリ州セントルイス(St. Louis, MO, USA)のソルーシア社(Solutia, Inc.)。
++ダウファックス(Dowfax)2A1=ベンゼン、1,1−オキシビス−テトラプロピレン誘導体、スルホン化Na塩、水中活性45%。米国ミシガン州ミッドランド(Midland, MI, USA)のダウケミカル社(Dow Chemical Company,)。
【0038】
表2:表1の水性液体過酸化水素組成物からの蒸気相過酸化水素の生成
【表2】

【0039】
実施例2:固体過酸化水素組成物からの蒸気相過酸化水素の生成
【0040】
固体のペルオキソ水和物または過ホウ酸塩組成物のサンプル(表3に示される組成物4〜7)を、23℃および相対湿度20%または80%で維持された個別の66リットルポリプロピレン製試験チャンバに入れた。これらの組成物のpH値を表4に示す。試験チャンバ内部の蒸気相過酸化水素濃度を、米国ペンシルベニア州ピッツバーグ(Pittsburgh, PA, USA)のドレーゲルセーフティー社(Draeger Safety, Inc.)製の過酸化水素センサを取り付けたドレーゲル・パック(Draeger Pac)III(登録商標)ガスモニタを用いて長期にわたり定量化した。蒸気相過酸化水素の生成をppmの単位で表したものを表5および6に示す。
【0041】
表3
【表3】

【0042】
表4:固体組成物4〜7を5重量%水溶液とした時のpH値
【表4】

【0043】
表5:23℃および相対湿度20%における固体組成物4〜7からの蒸気相過酸化水素の生成
【表5】

【0044】
表6:23℃および相対湿度80%における固体組成物4〜7からの蒸気相過酸化水素の生成
【表6】

【0045】
このように、上記のデータは、蒸気相過酸化水素の生成のための固体の酸性ペルオキソ水和物化合物の有用性を説明する。ペロキシドン(Peroxydone)(登録商標)および尿素−過酸化水素化合物は、蒸気相過酸化水素を効果的に生成する。双方は、ともに酸性水溶液を生じる固体のペルオキソ水和物化合物である。もう一つの固体のペルオキソ水和物化合物である過炭酸ナトリウムは、蒸気相過酸化水素を生成しない。過炭酸ナトリウムの水溶液はアルカリ性である。同様に、錯体化したペルオキソ陰イオン(O22-)を含有するアルカリ性のホウ酸塩である過ホウ酸ナトリウム一水和物も、蒸気相過酸化水素を生成しない。従って、pHが中性からやや酸性のペルオキソ水和物化合物を含有する固体組成物のみが蒸気相過酸化水素を効果的に発生させ、ゆえに本明細書に記載される本発明の固体脱臭組成物に用いられる。
【0046】
実施例3:過酸化水素含有水性液体組成物の受動的蒸発により生成された蒸気相過酸化水素を用いた、布地からのタバコ煙の悪臭の低減
【0047】
74F°および相対湿度42%に保たれた、200立方フィートのステンレス鋼チャンバの内部に、組成物1(表1)と同じ過酸化水素の8%水溶液の受動的蒸発によって蒸気相過酸化水素を生成した。50グラムの8%水溶液を2つのペトリ皿に等分し、それらをチャンバの床面に置いた。室内の蒸気相過酸化水素の濃度を平衡状態にさせ(24時間以内)、過酸化水素センサを取り付けたドレーゲル・パック(Draeger Pac)III(登録商標)ガスモニタを用いて1.3〜1.5ppmとして測定した。
【0048】
蒸気相過酸化水素濃度が試験チャンバ内部で平衡値に達した後、タバコの煙の臭気を染み込ませた2枚の8インチ×10インチの綿布の見本を該200立方フィートのチャンバ内に吊り下げた。8%過酸化水素水溶液の2つのペトリ皿はチャンバの中に残した。布地見本は、200立方フィートの空間中に24時間放置された。
【0049】
24時間後、試験見本をチャンバから取り出した。「嗅覚試験(sniff−test)」悪臭パネルによる評価のために、各見本を、蓋をした別個の1ガロンのガラス製試験ジャー内に入れた。「嗅覚試験」のパネリストが各ジャーのヘッドスペース中に存在するタバコの煙の悪臭の度合を格付けした(等級=1〜7;1=全くなし、7=大量)。清潔な布(タバコの煙の臭気を含まない)からなる見本、およびタバコの煙の臭気で汚染されたが同一の試験チャンバ中で24時間周囲空気で処理した布からなる試験見本についても、パネリストによる評価が行われた。試験は3反復制で行った。表7に示されるように、煙処理され蒸気相過酸化水素に曝露された試験見本のタバコの煙の悪臭が、同様に処理され周囲空気にのみ曝露された見本と比較して有意に低減したことが得られたデータにより実証された。
【0050】
表7:同様の対照見本に対する、煙処理され蒸気相過酸化水素に曝露した見本のタバコ煙の悪臭の減少
【表7】

【0051】
実施例4:蒸気相過酸化水素を用いた、煙処理した布地からのタバコ煙の悪臭成分の減少に関する分析的測定
【0052】
タバコ煙を染み込ませた綿布の蒸気相過酸化水素による処理が、組成物6(実施例2)の20グラムのパウチ、吸取紙上の水1グラム、煙処理した布地を1ガロンのガラスジャーに入れて行われた。同様の対照サンプルを、煙処理した布地と水/吸取紙、周囲空間の空気とで1ガロンのガラスジャーから構成した。布地はジャーの蓋から吊り下げられた。静止したヘッドスペースサンプルが、固相マイクロ抽出(SPME、スプレコ(Supleco)パーツ#57326−U、ステーブルフレックス(Stableflex)膜厚65μm、PDMS−DVB)を用いて24時間後および48時間後に回収された。DB−1ガラス製キャピラリーカラムおよび窒素リン検出器を備えたアジレント(Agilent) 6890 GCを用いてガスクロマトグラフィーデータを獲得した。対照サンプルから得られたガスクロマトグラフィーの主なピーク(煙の悪臭化合物を表す)のうちの4つを、煙処理され蒸気相過酸化水素に曝露した見本から得られる同じように溶出したピークとの比較のために選択した。煙処理され蒸気相過酸化水素に曝露した布から得られた4つのピークの各々のピーク面積の対照の煙処理した布のピーク面積に対する減少パーセントを、処理時間が24時間および48時間の場合について計算した。結果を表8に示す。データは3反復制で準備されたサンプルから得た。
【0053】
表8:煙処理され蒸気相過酸化水素に曝露した布の対照布との比較。曝露時間24時間および48時間のタバコ煙ガス相成分のピーク面積減少パーセント
【表8】

【0054】
このように、蒸気相過酸化水素で処理された煙臭気汚染布に関する分析結果では、周囲空気でのみ処理された煙汚染布に対して評価用に選択された4つの煙の悪臭成分のガス相濃度が大きく減少したことが示された。この調査の結果は、煙が含浸された布を蒸気相過酸化水素処理することにより、蒸気相から得られた4つの悪臭成分のレベルが曝露24時間後に79〜100%および曝露48時間後に80〜100%減少したことを示した。本明細書には詳述されていない煙臭汚染に関するその他のガスクロマトグラフィーピークについても、同様の結果が観察された。
【0055】
実施例3の「嗅覚試験パネル」の結果および実施例4の分析結果により、本発明の組成物および方法を用いた際の、知覚された(嗅覚の)煙の悪臭の減少と、悪臭成分の減少の分析的定量化との間の相関関係が示された。
【0056】
pHが中性からやや酸性の液体過酸化水素組成物を用いる本発明のもう一つの実施形態も、屋内空気および屋内表面からの悪臭の低減または除去に対する適用に効果的でありうる。このような実施形態には、水性液の液滴、ミスト、またはエアゾール形態としての屋内空気空間への物理的な散布が含まれうる。さらに他の実施形態には、そのような水性組成物を屋内における表面部分へ噴霧、ミスト化、または注入することが含まれる。これらの実施形態は、手動の引き金式/ポンプ式噴霧器または加圧型のエアゾール缶などの手動(使用者が作動させる)装置を用いるか、または、電動噴霧装置を用いることを含む、種々の手段により達成することができる。
【0057】
本発明を特定の実施形態を参照して詳細に記載してきたが、限定目的でなく説明目的のために提示されたこれらの記載された実施形態以外によっても本発明が実践されうることを、当業者は当然理解するであろう。従って、添付される請求項の範囲は、本明細書に記載される実施形態の記述に限定されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内環境内の空気および/または表面から悪臭を低減させる方法であって、前記空気または表面を、約15℃〜約30℃の温度範囲で約1〜約8pHの範囲を有し約0.1重量%〜約50重量%の過酸化水素を含む水系液体組成物から過酸化水素を受動的に蒸発させることにより得た蒸気相の過酸化水素で処理することを含む、方法。
【請求項2】
前記水系液体組成物が約0.1重量%〜約10重量%の過酸化水素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水系液体組成物のpHの範囲が約2〜約7である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物が、芳香剤、芳香剤可溶化剤、着色剤、増粘剤、ゲル化剤、固体微粒子増量剤、過酸化水素安定化剤、およびpH調節用の酸のうち1種以上をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記水系液体組成物が約0.5%〜約8%の過酸化水素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記水系液体組成物のpHの範囲が約2〜約7である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物が、芳香剤、芳香剤可溶化剤、着色剤、増粘剤、ゲル化剤、固体微粒子増量剤、過酸化水素安定化剤、およびpH調節用の酸のうち1種以上をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記水系液体組成物のpHの範囲が約3〜約6である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
水系液体組成物の受動的蒸発が加熱または送風機により促進される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
屋内環境内の空気および/または表面から悪臭を低減させる方法であって、前記空気または表面を、pHが中性からやや酸性である1種以上のペルオキソ水和物化合物を含む固体組成物から過酸化水素を昇華させることにより得た蒸気相の過酸化水素で処理することを含む、方法。
【請求項11】
前記固体組成物が約0.1重量%〜約50重量%の過酸化水素を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記固体組成物が約0.1重量%〜約10重量%の過酸化水素を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ペルオキソ水和物化合物が、1種類以上の尿素ペルオキソ水和物(urea peroxohydrate);硫酸ナトリウムペルオキソ水和物(sodium sulfate peroxohydrate)、およびポリ(ビニルピロリドン)ポリマーのペルオキソ水和物を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記固体組成物が、粉末、顆粒、圧縮錠または結晶性固体の形態である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記固体組成物が、芳香剤、着色剤、界面活性剤、溶媒、結合剤、加工剤および過酸化水素安定化剤のうち1種以上をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
過酸化水素の昇華が加熱または送風機により促進される、請求項10に記載の方法。

【公開番号】特開2012−236037(P2012−236037A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−145443(P2012−145443)
【出願日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【分割の表示】特願2008−515849(P2008−515849)の分割
【原出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】