説明

蒸留水器

【課題】構成が簡単であり、より高純度の蒸留水を生成する蒸留水器を提供する。
【解決手段】本発明による蒸留水器は、水サーバーに設置され、ボトル状であり、本体、本体内に上から下の順に設けられる冷却部、加熱部、および貯水部を備える。加熱部には、制御回路と連結される発熱体が設けられる。加熱部の加熱によって形成される水蒸気は、冷却部に設けられた冷却装置によって冷却された後蒸留水になり、貯水部の中に流れ込む。貯水部の底部には蒸留水流出口が設けられる。加熱部内に加熱筒1が設けられ、加熱筒1内に第一断熱筒2が設けられ、第一断熱筒2内に出口が上向くようになった円錐状断熱筒3が設けられる。濾過装置8の濾過ケース内には、上から下の順に活性炭層、トルマリン球層、およびメディカルストーン層が設けられている。これにより、より高純度の蒸留水を生成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸留水器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の蒸留水器には下記の問題が存在している。
従来の蒸留水器は、構成が複雑であり、工業或いは医療分野に多く使われており、家庭用のものは市場で良く見られない。
従来の家庭用蒸留水器は、蒸留水を作ってから全部外接容器にて蒸留水を受けて貯め、使用するのに非常に不便であり、二次的汚染を招くおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−301136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記問題を解決するため、本発明は、構成が簡単であり、より高純度の蒸留水を生成する蒸留水器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では下記の手段によって上記課題を解決することができる。
(1)上記目的を達成するため、本発明による蒸留水器は、水サーバーに設置され、ボトル状であり、本体、本体内に上から下の順に設けられる冷却部、加熱部、および貯水部を備える。加熱部には、制御回路と連結され、制御回路により制御される発熱体が設けられる。加熱部の加熱によって形成される水蒸気は、冷却部に設けられた冷却装置によって冷却された後蒸留水になり、貯水部の中に流れ込む。貯水部の底部には蒸留水流出口が設けられる。
【0006】
(2)加熱部の中には、加熱筒が設けられる。加熱筒内には、第一断熱筒が設けられる。第一断熱内には、出口が上向くようになっている円錐状断熱筒が設けられる。発熱体は、円錐状断熱筒内に位置する。制御回路は、電子式フローティングスイッチと温度調整スイッチとで制御される。加熱筒、第一断熱筒、および円錐状断熱筒は、底部に切り欠け部が設けられ、切り欠け部によって相互に連結される。
【0007】
(3)冷却装置には、冷却管が設けられる。冷却管は、円錐状断熱筒の出口と連結され、一端が継ぎ手によって水管と連結される。水管内の蒸留水は、濾過装置を通った後、貯水部に流れ込む。蒸留水器は更に、冷却管の上端に位置し、上蓋内に固定される発熱ファンを備える。
【0008】
(4)蒸留水流出口は、継ぎ手によって機械式フローティングスイッチに連結され、貯水部の水位は、電子式フローティングスイッチにより制御される。
【0009】
(5)濾過装置の濾過ケース内には、上から下の順に活性炭層、トルマリン球層、およびメディカルストーン層が設けられる。
【0010】
(6)冷却部には、外側ガイドカバー、内側ガイドカバー、および内側ガイドカバーの下に位置するガスコレクターベースが設けられる。冷却管は、内側ガイドカバーに位置する。ガスコレクターベースは、加熱部に形成される水蒸気を冷却管に導く。
【0011】
(7)加熱筒、第一断熱筒、円錐状断熱筒、およびガスコレクターベースの間に密封リングが設けられる。
(8)加熱筒の底部に溝が設けられる。
(9)上蓋はアール状になっている。
(10)本体の外壁に取っ手として切り欠け部が設けられる。
【0012】
上記により、本発明による蒸留水器は、二つの断熱筒と一つの加熱筒とを採用することにより、省エネ効果があり、フローティングスイッチを採用することにより、操作が簡単であり、安全性が良く、三層の濾過材を採用することにより、濾過効果が良く、濾過後弱アルカリ性の小分子蒸留水を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態による蒸留水器の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(一実施形態)
以下、本発明による蒸留水器を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明による蒸留水器は、市販の浄水ボトルの代わりに、汎用の水サーバーの上に設置されて使用する蒸留水器であり、ボトル状である。本発明において、蒸留水器をコラム状、角柱状、三角柱状等任意の形状にすることができる。本体内に上から下の順に冷却部、加熱部、および貯水部が設けられ、加熱部には制御回路と連結される発熱体が設けられる。加熱部の加熱によって形成された水蒸気は、冷却部に設けられた冷却装置によって冷却されて蒸留水になり、貯水部の中に流れ込む。貯水部の底部には蒸留水流出口が設けられる。
【0015】
本実施形態において、加熱部内に加熱筒1が設けられ、加熱筒1内に第一断熱筒2が設けられ、第一断熱筒2内に出口が上向くようになった円錐状断熱筒3が設けられる。制御回路と連結され、制御回路により制御される発熱体4は、円錐状断熱筒3内に位置する。制御回路は、電子式フローティングスイッチ5と温度調整スイッチとで制御される。加熱筒1、第一断熱筒2、および円錐状断熱筒3は、底部に切り欠け部が設けられ、切り欠け部によって相互に連結される。冷却部内には外側ガイドカバー6が設けられる。円錐状断熱筒3の出口と繋がる冷却管7は、内側ガイドカバー12に位置し、一端が継ぎ手によって水管9と連結される。ガスコレクターベース13は、加熱部に形成された水蒸気を冷却管7に導く。水管9内の蒸留水は、濾過装置8を通ってから貯水部に流れ込む。ユニオンキャップの上に塩素排出口がある。水の中の塩素を排出する。冷却部には発熱ファン11が設けられており、それが冷却管7の上端に位置し、上蓋内に固定される。貯水部の下端は継ぎ手によって機械式フローティングスイッチ10と連結される。更にエネルギー及び蒸気の流失を回避するために、加熱筒1、第一断熱筒2、円錐状断熱筒3、およびガスコレクターベース13の間に密封リングが設けられる。更に、本実施形態では加熱筒1内に第一断熱筒2と円錐状断熱筒3とが設けられ、加熱する際のエネルギー交換を減らし、少量の水で迅速に水蒸気を作ることを確保する。
【0016】
本実施形態において、濾過装置8の濾過ケース内には、上から下の順に活性炭層、トルマリン球層、およびメディカルストーン層が設けられている。活性炭層は、主に有害ガスを吸着し、不溶性物質を濾過し、匂いを除去するのに用いられる。トルマリン球層は、結晶鉱物であり、熱電性と圧電性を有し、赤外線のイオンを長時間釈放し、生物電気を有し、鉱物栄養元素が豊富であり、ばい菌の繁殖を抑えることができる。メディカルストーンは、理想的な水質浄化剤と改良剤であり、水の中の亜鉛、カドミウム、水銀、ヒ素、6価クロム等の重金属に対して高い吸着除去作用がある。メディカルストーンを入れた水は、イオン交換作用により、水汚染による有害な成分とばい菌群れが吸着され、きれいなミネナルウォータになる。同時に体に良い多種類の鉱物質と微量元素をしみ出して、長期的に飲むと体の中に蓄積された有害物質を除去することができ、新陳代謝を調整し、血液循環を促進し、排尿に良く、胃とレバーを守る効能を有するので、メディカルストーンは“細胞洗浄剤”とも呼ばれ、高血圧、胃潰瘍、慢性胃炎、泌尿、糖尿病、心臓病、動悸、気管炎等に一定の補助的な治療効果を有する。三層の濾過を経由し、蒸留水は更に純粋でおいしくなり、体に対して保健の役割をする。
【0017】
本実施形態において、上蓋はアール状であり、ガス出口が詰まれて放熱効果に影響を与えるのを防止する。本体の外壁には取っ手として切り欠け部が設けられ、操作が便利である。
【0018】
本実施形態において、加熱部の加熱筒1の底部に溝が設けられており、不純物或いは重金属等の有害物質が含まれた少量の水が気化されないようにすることにより、定期的に除去することができる。
【0019】
本実施形態における部品全体は、一つのスイッチにて制御され、作業プロセスが自動制御されるので、操作が簡単である。
本実施形態の取扱い手順は下記の通りである。
蒸留水器を水サーバーの上に設置し、冷却部を取り外す。
水を加熱筒1の中に入れ、水量は水位の上限を超えないように入れる。
【0020】
第一断熱筒2を設置し、円錐状断熱筒3を設置し、冷却部の蓋をする。
電源プラグを差込み、電源スイッチを押し、蒸留水器を作動させる。
貯水部の貯水ボトルの水位が上限に達すると、電子式フローティングスイッチ5が作動し、電源を切断する。
【0021】
貯水ボトルの水位が下がるか或いは水が無くなるとき、消費者が電源スイッチをONし、加熱筒1で水を加え、蒸留水器を再起動する。
加熱筒1の水が完全になくなると、蒸留水器の温度調整スイッチは電源を切る。蒸留水器の作動が停止する。水を加えた後、消費者が電源スイッチをOFFした後、もう一度電源スイッチをONしてから、蒸留水器を再起動する。
【0022】
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0023】
1 ・・・加熱筒
2 ・・・第一断熱筒
3 ・・・円錐状断熱筒
4 ・・・発熱体
5 ・・・電子式フローティングスイッチ
6 ・・・外側ガイドカバー
7 ・・・冷却管
8 ・・・濾過装置
9 ・・・水管
10・・・機械式フローティングスイッチ
11・・・発熱ファン
12・・・内側ガイドカバー
13・・・ガスコレクターベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汎用の水サーバーの上に設けられ、ボトル状であり、
本体、前記本体内に上から下の順に設けられる冷却部、加熱部、および貯水部を備え、
前記加熱部には、制御回路と連結され、前記制御回路により制御される発熱体が設けられ、
前記貯水部の底部に蒸留水流出口が設けられ、
前記加熱部の加熱によって形成された水蒸気は、前記冷却部に設けられる冷却装置によって冷却されて蒸留水になり、前記貯水部の中に流れ込むことを特徴とする蒸留水器。
【請求項2】
前記加熱部の中には、加熱筒が設けられ、
前記加熱筒の中には、第一断熱筒が設けられ、
前記第一断熱筒内には、出口が上向くようになっている円錐状断熱筒が設けられ、
前記発熱体は、前記円錐状断熱筒内に位置し、
前記制御回路は、電子式フローティングスイッチと温度調整スイッチとで制御され、
前記加熱筒、前記第一断熱筒、および前記円錐状断熱筒は、底部に切りかけ部が設けられ、前記切りかけ部により相互に連結されることを特徴とする請求項1に記載の蒸留水器。
【請求項3】
前記冷却装置には、上ガイド管、下ガイド管、および冷却管が設けられ、
前記冷却管は、前記円錐状断熱筒の出口と連結され、一端が継ぎ手により水管と連結され、
前期水管内の蒸留水は、濾過装置を通って前記貯水部に流れ込み、
前記継ぎ手は、蓋に塩素ガスを排出する排気口が設けられ、水の中の塩素ガスを排出し、
更に前記冷却管の上端に位置し、上蓋の内部に固定される発熱ファンを備えることを特徴とする請求項1或いは2に記載の蒸留水器。
【請求項4】
前記蒸留水流出口は、継ぎ手により機械式フローティングスイッチと連結され、
前記貯水部の水位は前記電子式フローティングスイッチにより制御されることを特徴とする請求項3に記載の蒸留水器。
【請求項5】
前記濾過装置の濾過ケース内には、上から下の順に活性炭層、トルマリン球層、およびメディカルストーン層が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の蒸留水器。
【請求項6】
前記冷却部には、外側ガイドカバー、内側ガイドカバー、および前記内側ガイドカバーの下に位置するガスコレクターベースが設けられ、
前記冷却管は、前記内側ガイドカバーに位置し、
前記ガスコレクターベースは、前記加熱部に形成される水蒸気を前記冷却管に導くことを特徴とする請求項3に記載の蒸留水器。
【請求項7】
前記加熱筒、前記第一断熱筒、前記円錐状断熱筒、および前記ガスコレクターベースの間には、密封リングが設けられることを特徴とする請求項6に記載の蒸留水器。
【請求項8】
前記加熱筒の底部に溝が設けられることを特徴とする請求項2に記載の蒸留水器。
【請求項9】
前記上蓋はアール状になっていることを特徴とする請求項3に記載の蒸留水器。
【請求項10】
前記本体の外壁に取っ手として切り欠け部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の蒸留水器。

【図1】
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【公開番号】特開2013−675(P2013−675A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135262(P2011−135262)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(510282321)能保康企業股▲分▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】