説明

蒸着源及びこれを備える有機膜蒸着装置

【課題】蒸着源及び有機膜蒸着装置を提供する。
【解決手段】大型基板の量産工程に容易に適用でき、蒸着工程中にノズルの閉塞現象を防止して、歩留まり及び蒸着効率を高める蒸着源及びこれを利用した有機膜蒸着装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸着源及び有機膜蒸着装置に係り、さらに詳細には、大型基板の量産工程に容易に適用でき、蒸着工程中にノズルの閉塞現象を防止できる蒸着源及び有機膜蒸着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置のうち、有機発光ディスプレイ装置(Organic Light Emitting Diode:OLED)は、視野角が広くてコントラストが優秀なだけでなく応答速度が速いという長所を持っていて、次世代ディスプレイ装置として注目されている。
【0003】
一般的に、OLEDは、アノード及びカソードで注入される正孔及び電子が発光層で再結合して発光する原理で色相を具現できるように、アノードとカソードとの間に発光層を挿入した積層型構造を持っている。しかし、かかる構造では高効率発光を得難いため、それぞれの電極と発光層との間に、電子注入層、電子輸送層、正孔輸送層及び正孔注入層などの中間層を選択的にさらに挿入して使用している。
【0004】
しかし、発光層及び中間層などの有機薄膜の微細パターンを形成することが実質的に非常に困難であり、前記層によって赤色、緑色及び青色の発光効率が変わるため、従来の有機膜蒸着装置では、大面積(5G以上のマザーガラス)に対するパターニングが不可能であって、満足するほどのレベルの駆動電圧、電流密度、輝度、色純度、発光効率及び寿命などを持つ大型OLEDを製造できないところ、その改善が至急である。
【0005】
一方、OLEDは、互いに対向する第1電極と第2電極との間に、発光層及びそれを含む中間層を備える。この時、前記電極及び中間層はいろいろな方法で形成できるが、そのうち一つの方法が蒸着である。蒸着方法を利用してOLEDを製作するためには、薄膜などが形成される基板面に、形成される薄膜などのパターンと同じパターンを持つファインメタルマスク(FMM)を密着させ、かつ薄膜などの材料を蒸着して所定パターンの薄膜を形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、製造が容易であり、大型基板量産工程に容易に適用でき、蒸着工程中にノズルの閉塞現象を防止できる蒸着源及び有機膜蒸着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態による蒸着源は、一列に配列された第1蒸着源及び第2蒸着源と、前記第1蒸着源の一側に配され、前記第1蒸着源及び前記第2蒸着源が配列された方向に沿って複数の第1蒸着源ノズルが形成された第1蒸着源ノズル部と、前記第2蒸着源の一側に配され、前記第1蒸着源及び前記第2蒸着源が配列された方向に沿って複数の第2蒸着源ノズルが形成された第2蒸着源ノズル部と、前記複数の第1蒸着源ノズルを介して、前記第1蒸着源ノズルの両側に沿って配される第1突出リフレクタ及び第2突出リフレクタと、前記複数の第2蒸着源ノズルを介して、前記第2蒸着源ノズルの両側に沿って配される第4突出リフレクタ及び第5突出リフレクタと、を備え、前記第1蒸着源ノズル及び前記第2蒸着源ノズルは、互いに向かってチルトされる。
【0008】
本発明において、前記第1蒸着源はホスト物質を放射し、前記第2蒸着源はドーパント物質を放射する。
【0009】
本発明において、前記第1突出リフレクタの一端と前記第2突出リフレクタの一端とを連結する第3突出リフレクタをさらに備える。
【0010】
本発明において、前記第3突出リフレクタは、前記第2蒸着源に隣接する前記第1及び第2突出リフレクタの一端を連結する。
【0011】
本発明において、前記第4突出リフレクタの一端と前記第5突出リフレクタの一端とを連結する第6突出リフレクタをさらに備える。
【0012】
本発明において、前記第6突出リフレクタは、前記第1蒸着源に隣接する前記第4及び第5突出リフレクタの一端を連結する。
【0013】
本発明において、前記第1突出リフレクタと第2突出リフレクタとの高さは、前記第1蒸着源ノズルの高さより大きいか、または同一である。
【0014】
本発明において、前記第4突出リフレクタと第5突出リフレクタとの高さは、前記第2蒸着源ノズルの高さより大きいか、または同一である。
【0015】
本発明において、前記複数の第1蒸着源ノズルのうち、前記第2蒸着源に最も隣接したのはダミー蒸着源ノズルであり、前記ダミー蒸着源ノズルは、前記第1蒸着源内の蒸着物質が放射されないように開口が形成されていない。
【0016】
本発明において、前記複数の第2蒸着源ノズルのうち、前記第1蒸着源に最も隣接したのはダミー蒸着源ノズルであり、前記ダミー蒸着源ノズルは、前記第2蒸着源内の蒸着物質が放射出されないように開口が形成されていない。
【0017】
本発明の一実施形態による有機膜蒸着装置は、基板上に薄膜を形成するための有機膜蒸着装置において、蒸着物質を放射する蒸着源と、前記蒸着源の一側に配され、第1方向に沿って複数の蒸着源ノズルが形成される蒸着源ノズル部と、前記蒸着源ノズル部と対向するように配され、前記第1方向に対して垂直の第2方向に沿って複数のパターニングスリットが形成されるパターニングスリットシートを備え、前記基板が、前記有機膜蒸着装置に対して前記第1方向に沿って移動しつつ蒸着が行われ、前記蒸着源、前記蒸着源ノズル部及び前記パターニングスリットシートは一体に形成され、前記蒸着源は、相異なる蒸着物質を放射する第1蒸着源及び第2蒸着源を含み、前記蒸着源ノズル部は、前記第1蒸着源の一側に配されて、前記第1方向に沿って複数の第1蒸着源ノズルが形成される第1蒸着源ノズル部と、前記第2蒸着源の一側に配されて、前記第1方向に沿って複数の第2蒸着源ノズルが形成される第2蒸着源ノズル部を備え、前記第1蒸着源ノズル部及び前記第2蒸着源ノズル部それぞれの複数の蒸着源ノズルは、所定角度チルトされるように形成される。
【0018】
本発明において、前記第1蒸着源はホスト物質を放射し、前記第2蒸着源はドーパント物質を放射する。
【0019】
本発明において、前記第1蒸着源及び前記第2蒸着源は、前記第1方向に沿って一列に配列される。
【0020】
本発明において、前記第1蒸着源ノズル部は、前記複数の第1蒸着源ノズルを介して、前記第1蒸着源ノズルの両側に沿って配される第1突出リフレクタ及び第2突出リフレクタをさらに備える。
【0021】
本発明において、前記第1突出リフレクタの一端と前記第2突出リフレクタの一端とを連結する第3突出リフレクタをさらに備える。
【0022】
本発明において、前記第3突出リフレクタは、前記第2蒸着源に隣接する前記第1及び第2突出リフレクタの一端を連結する。
【0023】
本発明において、前記第2蒸着源ノズル部は、前記複数の第2蒸着源ノズルを介して、前記第2蒸着源ノズルの両側に沿って配される第4突出リフレクタ及び第5突出リフレクタをさらに備える。
【0024】
本発明において、前記第4突出リフレクタの一端と前記第5突出リフレクタの一端とを連結する第6突出リフレクタをさらに備える。
【0025】
本発明において、前記第6突出リフレクタは、前記第1蒸着源に隣接する前記第4及び第5突出リフレクタの一端を連結する。
【0026】
本発明において、前記第1突出リフレクタ及び第2突出リフレクタの高さは、前記第1蒸着源ノズルの高さより大きいか、または同一である。
【0027】
本発明において、前記第4突出リフレクタ及び第5突出リフレクタの高さは、前記第2蒸着源ノズルの高さより大きいか、または同一である。
【0028】
本発明において、前記複数の第1蒸着源ノズルのうち、前記第2蒸着源に最も隣接したのはダミー蒸着源ノズルであり、前記ダミー蒸着源ノズルは、前記第1蒸着源内の蒸着物質が放射出されないように開口が形成されていない。
【0029】
本発明において、前記複数の第2蒸着源ノズルのうち、前記第1蒸着源に最も隣接したのはダミー蒸着源ノズルであり、前記ダミー蒸着源ノズルは、前記第2蒸着源内の蒸着物質が放射出されないように開口が形成されていない。
【0030】
本発明において、前記蒸着源、前記蒸着源ノズル部及び前記パターニングスリットシートは、連結部材により結合されて一体に形成される。
【0031】
本発明において、前記連結部材は、前記蒸着物質の移動経路をガイドする。
【0032】
本発明において、前記連結部材は、前記蒸着源及び前記蒸着源ノズル部と前記パターニングスリットシートとの間の空間を外部から密閉するように形成される。
【0033】
本発明において、前記有機膜蒸着装置は、前記基板と所定ほど離隔するように形成される。
【0034】
本発明において、前記基板が、前記有機膜蒸着装置に対して前記第1方向に沿って移動しつつ、前記基板上に前記蒸着物質が連続的に蒸着される。
【0035】
本発明において、前記有機膜蒸着装置の前記パターニングスリットシートは、前記基板より小さく形成される。
【0036】
本発明において、前記第1蒸着源から放射される前記ホスト物質の少なくとも一部と、前記第2蒸着源から放射される前記ドーパント物質の少なくとも一部とが混合される。
【0037】
本発明において、前記第1蒸着源と前記第2蒸着源とは、前記第1方向に沿って平行に配される。
【0038】
本発明において、前記第1蒸着源ノズル及び前記第2蒸着源ノズルは、互いに対向する方向にチルトされている。
【0039】
本発明において、前記第1蒸着源ノズル及び前記第2蒸着源ノズルは、前記基板全体にわたって前記ホスト物質と前記ドーパント物質との混合比率が均一になるようにチルトされている。
【0040】
本発明において、前記第1蒸着源及び前記第2蒸着源は、それぞれ線形ソースで形成される。
【発明の効果】
【0041】
本発明の一側面によれば、製造が容易であり、大型基板の量産工程に容易に適用でき、蒸着工程中に発生するノズル閉塞現象を防止して歩留まり及び蒸着効率を高める。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態に関する蒸着源を概略的に示す斜視図である。
【図2A】図1のI−I線の断面図である。
【図2B】図1のII−II線の断面図である。
【図2C】図示された蒸着源の変形例を示す断面図である。
【図2D】蒸着源物質が溜まった蒸着源ノズルの下部を示す写真である。
【図3】本発明の他の実施形態に関する蒸着源を概略的に示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に関する有機膜蒸着装置を概略的に示す斜視図である。
【図5】図4の有機膜蒸着装置の概略的な側面図である。
【図6】図4の有機膜蒸着装置の概略的な平面図である。
【図7】本発明の蒸着装置を利用して製造されたアクティブマトリックス型OLEDの断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、添付した図面を参照して本発明による望ましい実施形態を詳細に説明すれば、次の通りである。
【0044】
図1は、本発明の一実施形態に関する蒸着源を概略的に図示した斜視図であり、図2Aは、図1のI−I線の断面図であり、図2Bは、図1のII−II線の断面図である。
【0045】
図1ないし図2Bを参照すれば、本発明の一実施形態による蒸着源10は、第1蒸着源110と第2蒸着源120とで形成される。第1蒸着源110及び第2蒸着源120は、それぞれ蒸着物質117a、117bを気化させて被蒸着体(図4の400)上に薄膜を形成する。
【0046】
さらに詳細には、第1蒸着源110は、蒸着物質117aとしてホスト物質を含み、第2蒸着源120は、蒸着物質117bとしてドーパント物質を含む。ホスト物質117aとドーパント物質117bとの昇華温度が互いに異なるため、ホスト物質117aとドーパント物質117bとを同時に蒸着するために、蒸着源及びノズル部を複数で構成する。
【0047】
すなわち、第1蒸着源110は、その内部にホスト物質117aが満たされる坩堝111と、坩堝111を加熱させて坩堝111の内部に満たされたホスト物質117aを坩堝111の一側、詳細には、被蒸着体に向かって蒸発させるためのヒータ112と、を備える。一方、第2蒸着源120は、その内部にドーパント物質117bが満たされる坩堝121と、坩堝121を加熱させて坩堝121の内部に満たされたドーパント物質117bを坩堝121の一側、詳細には、被蒸着体に向かって蒸発させるためのヒータ122と、を備える。
【0048】
ここで、前記ホスト物質としては、トリス(8−ヒドロキシ−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン(AND)、3−Tert−ブチル−9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン(TBADN)、4,4’−ビス(2,2−ジフェニル−エテン−1−イル)−4,4’−ジメチルフェニル(DPVBi)、4,4’−ビス(2,2−ジフェニル−エテン−1−イル)−4,4’−ジメチルフェニル(p−DMDPVBi)、Tert(9,9−ジアリールフルオレン)(TDAF)、2−(9,9’−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9’−スピロビフルオレン(BSDF)、2,7−ビス(9,9’−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9’−スピロビフルオレン(TSDF)、ビス(9,9−ジアリールフルオレン)(BDAF)、4,4’−ビス(2,2−ジフェニル−エテン−1−イル)−4,4’−ジ−(tert−ブチル)フェニル(p−TDPVBi)、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(mCP)、1,3,5−トリス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(tCP)、4,4’,4”−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(TcTa)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)、4,4’−ビス(9−カルバゾリル)−2,2’−ジメチル−ビフェニル(CBDP)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジメチル−フルオレン(DMFL−CBP)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)フルオレン(FL−4CBP)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジ−トリル−フルオレン(DPFL−CBP)、9,9−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)フルオレン(FL−2CBP)などが使われる。
【0049】
前記ドーパント物質としては、DPAVBi(4,4’−ビス[4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]ビフェニル)、ADN(9,10−ジ(ナフ−2−チル)アントラセン)、TBADN(3−tert−ブチル−9,10−ジ(ナフ−2−チル)アントラセン)などが使われる。
【0050】
第1及び第2蒸着源110、120の一側、さらに詳細には、第1及び第2蒸着源110、120で被蒸着体(図4の400)に向かう側には、第1及び第2蒸着源ノズル部130、140が配される。そして、第1及び第2蒸着源ノズル部130、140には、被蒸着体(図4の400)の移動方向Aに沿って複数の蒸着源ノズル113、123が形成される。ここで、前記複数の蒸着源ノズル113、123は、等間隔で形成される。第1及び第2蒸着源110、120内で気化した蒸着物質117a、117bは、かかる第1及び第2蒸着源ノズル部130、140を通過して被蒸着体である基板(図4の400)側に向かう。
【0051】
第1及び第2蒸着源ノズル部130、140上には、A方向、すなわち、基板(図4の400)のスキャン方向に沿って複数の蒸着源ノズル113、123が形成される。複数の蒸着源ノズル113、123がスキャン方向に存在するので、個別蒸着源ノズル間に流動(flux)差が発生しても、その差が相殺されて蒸着均一度が一定に維持される効果を得る。
【0052】
第1蒸着源ノズル部130及び第2蒸着源ノズル部140に形成された複数の蒸着源ノズル113、123が、所定角度チルトされて配される。すなわち、第1蒸着源ノズル113は、第2蒸着源ノズル123に向かってチルトされ、第2蒸着源ノズル123は、第1蒸着源ノズル113に向かってチルトされる。
【0053】
さらに詳細に、ドーパントの含有量は薄膜形成材料によって可変的であるが、一般的に薄膜形成材料(ホストとドーパントとの総重量)100重量部を基準として3ないし20重量部であることが望ましい。もし、ドーパントの含有量が前記範囲を外れれば、有機発光素子の発光特性が低下する。ところが、もし第1及び第2蒸着源ノズル113、123がチルトされずに被蒸着体に向かって互いに平行に配されるならば、基板400には、蒸着初期にはドーパント物質が蒸着され、蒸着中期にはドーパント物質とホスト物質とが交差して蒸着され、蒸着後期にはホスト物質が蒸着される。すなわち、各領域別にホスト物質とドーパント物質との混合比率差が不均一になる。
【0054】
したがって、本実施形態では、蒸着源ノズル113、123が所定角度チルトされて配されるようにする。ここで、第1蒸着源ノズル部130の第1蒸着源ノズル113と第2蒸着源ノズル部140の第2蒸着源ノズル123とは、互いに対向してチルトされる。すなわち、第1蒸着源ノズル部130の蒸着源ノズル113は、第2蒸着源120側に向かうようにチルトされ、第2蒸着源ノズル部140の蒸着源ノズル123は、第1蒸着源110側に向かうようにチルトされる。
【0055】
かかる構成によって、基板全体にわたってホスト物質とドーパント物質の混合比率が均一になる効果を得ることができる。そして、ホスト物質とドーパント物質とが均一な割合で含まれている混合物で薄膜層を形成する場合、色座標、光効率、駆動電圧、寿命の面で向上した特性を表すことができる。
【0056】
第1蒸着源ノズル部130及び第2蒸着源ノズル部140それぞれは、リフレクタ124、124a、124b;224、224a、224bと、冷却板116、126とを備える。
【0057】
さらに詳細には、第1蒸着源ノズル部130は、上部リフレクタ114、第1突出リフレクタ114a、第2突出リフレクタ114b、第3突出リフレクタ114c及び冷却板116をさらに備える。上部リフレクタ114は、第1蒸着源110の上部に位置し、ヒータ112上に配される。上部リフレクタ114は、ヒータ112で発生した熱が外部に発散されることを遮断できる。第1及び第2突出リフレクタ114a、114bは、上部リフレクタ114の一端でパターニングスリットシート150に向かって延びるように形成される。第1及び第2突出リフレクタ114a、114bは、互いに一定の間隔をおいて第1蒸着源ノズル113の配列と平衡に形成される。第1及び第2突出リフレクタ114a、114bの間には、第1蒸着源ノズル113が配される。また、第3突出リフレクタ114cは、第1突出リフレクタ114aと第2突出リフレクタ114bそれぞれの一端でこれらを連結するように形成される。具体的には、第3突出リフレクタ114cは、第2蒸着源120に隣接した第1及び第2突出リフレクタ114a、114bの端部を連結するように形成される。第1ないし第3リフレクタ114a、114b、114cの高さは、第1蒸着源ノズル113の高さと同一であるか、またはさらに大きい。
【0058】
第1蒸着源ノズル113を通じて放出される蒸着物質117aの一部は、冷却板116に流れ出る。冷却板116に流れ出た蒸着物質117aは凝固され、蒸着工程が続けば、冷却板116、126上で凝固された蒸着物質の量が増加して第1蒸着源ノズル113を閉塞する問題が発生する。また、本発明の一実施形態は、第1蒸着源ノズル113が第2蒸着源ノズル123に向かってチルトされているので、冷却板116で凝固される蒸着物質により第1蒸着源ノズル113が閉塞する現象が頻繁に起きる。しかし、本発明の一実施形態では、第1ないし第3リフレクタ114a、114b、114cが第1蒸着源ノズル113の周囲を取り囲むため、冷却板116で凝固して育つ蒸着物質が第1蒸着源ノズル113を閉塞することを防止できる。
【0059】
また、第2蒸着源ノズル部140は、上部リフレクタ124、第4突出リフレクタ124a、第5突出リフレクタ124b、第6突出リフレクタ124c及び冷却板126をさらに備える。上部リフレクタ124は第2蒸着源120の上部に位置し、ヒータ122上に配される。上部リフレクタ124は、ヒータ122で発生した熱の外部への発散を遮断できる。第4及び第5突出リフレクタ124a、124bは、上部リフレクタ124の一端でパターニングスリットシート150に向かって延びるように形成される。第4及び第5突出リフレクタ124a、124bは、互いに一定の間隔をおいて第2蒸着源ノズル123の配列と平衡に形成される。第4及び第5突出リフレクタ124a、124bの間には第2蒸着源ノズル123が配される。また、第6突出リフレクタ124cは、第4突出リフレクタ124aと第5突出リフレクタ124bそれぞれの一端でこれらを連結するように形成される。具体的には、第6突出リフレクタ124cは、第1蒸着源110に隣接した第4及び第5突出リフレクタ124a、124bの端部を連結するように形成される。第4ないし第6リフレクタ124a、124b、124cの高さは、第2蒸着源ノズル123の高さと同一であるか、またはさらに大きい。
【0060】
第2蒸着源ノズル123を通じて放出される蒸着物質117bの一部は、冷却板126に流れ出る。冷却板126に流れ出た蒸着物質117bは凝固され、蒸着工程が続けば、冷却板126上で凝固された蒸着物質の量が増加して第2蒸着源ノズル123を閉塞する問題が発生する。また、本発明の一実施形態は、第2蒸着源ノズル123が第1蒸着源ノズル113に向かってチルトされているので、冷却板126で凝固される蒸着物質により第2蒸着源ノズル123が閉塞する現象が頻繁に起きる。しかし、本発明の一実施形態では、第4ないし第6リフレクタ124a、124b、124cが第2蒸着源ノズル123の周囲を取り囲むため、冷却板126で凝固して育つ蒸着物質が第2蒸着源ノズル123を閉塞することを防止できる。
【0061】
図2Cは、図1に図示された蒸着源の変形例を示す断面図であり、図2Dは、蒸着源物質が溜まれた蒸着源ノズルの下部を示す写真である。
【0062】
図2Cを参照すれば、第2蒸着源ノズル123’の下端部は曲面123’aを持つ。すなわち、第2蒸着源ノズル123’は、第2蒸着源ノズル123’の外側面123’bから内側面123’cにつながる下端部が、図2Bとは異なって曲面123’aを持つ。換言すると、前記第1蒸着源ノズルおよび/または第2蒸着源ノズルにおける蒸着源物質の流入口の内周縁部は円弧状であることが好ましい。
【0063】
このように、第2蒸着源ノズル123’の下端部であり、かつ蒸着源物質が流入する流入口の内周縁部を、円弧状(曲面123’a)にすることで、第2蒸着源ノズル123’の下端部で蒸着源物質117bが溜まることによる第2蒸着源ノズル123’の閉塞を防止できる。図2Dを参照すれば、図2Dの蒸着源ノズル123”は、その下端部が、図2Cの第2蒸着源ノズル123’のように曲面を持っておらず、角をなしている。蒸着源ノズル123”を通じて蒸着源物質が放出されればされるほど、角をなしている蒸着源ノズル123”の下端部には蒸着源物質117’が溜まり続けて、蒸着源ノズル123の下端部を閉塞させる恐れがある。しかし、図2Cに図示された蒸着源は、第2蒸着源ノズル123’の下端部が曲面123’aを持つため、蒸着源物質117bが第2蒸着源ノズル123’の下端部に溜まることを低減させて、蒸着源物質117bによる第2蒸着源ノズル123’の下端部の閉塞を低減させることができる。図面には図示されていないが、第1蒸着源ノズルの下端部も曲面を持つことができる。そのため、前記第1蒸着源ノズルおよび/または第2蒸着源ノズルにおける流入口の内周縁部を、テーパー状(先細状)にして流入口側から当該ノズルの外方側に向かって狭くなるようにしてもよい。
【0064】
図3は、本発明の他の実施形態に関する蒸着源を概略的に示す斜視図である。
【0065】
図3に図示された蒸着源20は、第1蒸着源ノズル113の両側に第1突出リフレクタ114aと第2突出リフレクタ114bとが配され、第2蒸着源ノズル123の両側に第4突出リフレクタ124aと第5突出リフレクタ124bとが配されるという点で、図1に図示された蒸着源10と同一であるが、図3に図示された蒸着源20は、第3リフレクタ114cと第6リフレクタ124cとを備えず、ダミー蒸着源ノズル113a、123aを備えるという点で、図1に図示された蒸着源10と差がある。
【0066】
すなわち、第1及び第2突出リフレクタ114a、114bは、互いに一定の間隔をおいて第1蒸着源ノズル113の配列と平衡に形成される。第1及び第2突出リフレクタ114a、114bの間には第1蒸着源ノズル113が配される。第1及び第2リフレクタ114a、114bの高さは、第1蒸着源ノズル113の高さと同一であるか、またはさらに大きい。
【0067】
複数の第1蒸着源ノズル113のうち第2蒸着源120に最も隣接したのは、開口が形成されていないダミーノズル113aである。ダミーノズル113aは、開口が形成されていないため、ダミーノズル113aを通じて第1蒸着源110内の蒸着物質が放出されない。複数の第1蒸着源ノズル113のうち最も先に配される蒸着源ノズルで閉塞問題が頻繁に発生するが、図4に図示された蒸着源20は、複数の第1蒸着源ノズル113のうち最も先に配される蒸着源ノズルがダミーノズル113aであるため、蒸着源ノズルの閉塞問題を防止できる。
【0068】
第4及び第5突出リフレクタ124a、124bは、互いに一定の間隔をおいて第2蒸着源ノズル123の配列と平衡に形成される。第4及び第5突出リフレクタ124a、124bの間には第2蒸着源ノズル123が配される。第4及び第5リフレクタ124a、124bの高さは、第2蒸着源ノズル123の高さと同一であるか、またはさらに大きい。
【0069】
複数の第2蒸着源ノズル123のうち第1蒸着源110に最も隣接したのが、開口が形成されていないダミーノズル123aである。ダミーノズル123aは、開口が形成されていないため、ダミーノズル123aを通じて第2蒸着源120内の蒸着物質が放出されない。複数の第2蒸着源ノズル123のうち最も先に配される蒸着源ノズルで閉塞問題が頻繁に発生するが、図4に図示された蒸着源20は、複数の第2蒸着源ノズル123のうち最も先に配される蒸着源ノズルがダミーノズル123aであるため、蒸着源ノズルの閉塞問題を防止できる。
【0070】
図4は、本発明の一実施形態に関する有機膜蒸着装置を概略的に図示した斜視図であり、図5は、図4の有機膜蒸着装置の概略的な側面図で、図6は、図4の有機膜蒸着装置の概略的な平面図である。
【0071】
図4ないし図6を参照すれば、本発明の一実施形態に関する有機膜蒸着装置100は、第1蒸着源110、第2蒸着源120、第1蒸着源ノズル部130、第2蒸着源ノズル部140及びパターニングスリットシート150を備える。
【0072】
ここで、図4、図5及び図6には、説明の便宜上、チャンバを図示していないが、図4ないし図6のあらゆる構成は、適切な真空度が維持されるチャンバ内に配されることが望ましい。これは、蒸着物質の直進性を確保するためである。
【0073】
さらに詳細に、第1及び第2蒸着源110、120のそれぞれから放出された蒸着物質117a、117bを、第1及び第2蒸着源ノズル部130、140及びパターニングスリットシート150を通過して基板400に所望のパターンで蒸着させるためには、基本的にチャンバ(図示せず)の内部は、FMM蒸着方法と同じ高真空状態を維持せねばならない。またパターニングスリットシート150の温度が第1及び第2蒸着源110、120温度より十分に低くなければ(約100℃以下)ならない。なぜなら、パターニングスリットシート150の温度が十分に低くて初めて、温度によるパターニングスリットシート150の熱膨張問題を最小化できるためである。
【0074】
このようなチャンバ(図示せず)内には、被蒸着体である基板400が配される。前記基板400は、平板表示装置用基板になりうるが、複数の平板表示装置を形成できるマザーガラスなどの大面積基板が適用される。
【0075】
ここで、本発明の一実施形態では、基板400が、有機膜蒸着装置100に対して相対的に移動しつつ蒸着が進められることを一特徴とする。
【0076】
さらに詳細に、既存FMM蒸着方法では、FMMサイズが基板サイズと同一に形成されねばならない。したがって、基板サイズが増加するほどFMMも大型化せねばならず、これによってFMM製作が容易でなく、FMMを引張って精密なパターンでアラインするにも容易ではないという問題点があった。
【0077】
かかる問題点を解決するために、本発明の一実施形態に関する有機膜蒸着装置100は、有機膜蒸着装置100と基板400とが互いに相対的に移動しつつ蒸着されることを一特徴とする。言い換えれば、有機膜蒸着装置100と対向するように配された基板400が、Y軸方向に沿って移動しつつ連続的に蒸着を行う。すなわち、基板400が、図1の矢印A方向に移動しつつスキャニング方式で蒸着が行われることである。ここで、図面には、基板400がチャンバ(図示せず)内でY軸方向に移動しつつ蒸着されると図示されているが、本発明の思想はこれに制限されず、基板400は固定されており、有機膜蒸着装置100自体がY軸方向に移動しつつ蒸着を行うこともできるといえる。
【0078】
したがって、本発明の有機膜蒸着装置100では、従来のFMMに比べて非常に小さくパターニングスリットシート150を作ることができる。すなわち、本発明の有機膜蒸着装置100の場合、基板400がY軸方向に沿って移動しつつ連続的に、すなわち、スキャニング方式で蒸着を行うため、パターニングスリットシート150のX軸方向及びY軸方向の長さは、基板400の長さより非常に小さく形成できる。このように、従来のFMMに比べて非常に小さくパターニングスリットシート150を作ることができるため、本発明のパターニングスリットシート150はその製造が容易である。すなわち、パターニングスリットシート150のエッチング作業や、その以後の精密引張り及び溶接作業、移動及び洗浄作業などのあらゆる工程で、小さなサイズのパターニングスリットシート150がFMM蒸着方法に比べて有利である。またこれは、ディスプレイ装置が大型化するほどさらに有利になる。
【0079】
このように、有機膜蒸着装置100と基板400とが互いに相対的に移動しつつ蒸着されるためには、有機膜蒸着装置100と基板400とが一定ほど離隔することが望ましい。これについては、後述する。
【0080】
一方、チャンバ内で前記基板400と対向する側には、蒸着物質117a、117bが収納及び加熱される第1及び第2蒸着源110、120が配される。前記第1及び第2蒸着源110、120内に収納されている蒸着物質117a、117bが気化するにつれて基板400に蒸着がなされる。
【0081】
さらに詳細には、第1蒸着源110は、蒸着物質117aとしてホスト物質を含み、第2蒸着源120は、蒸着物質117bとしてドーパント物質を吹くむ。ホスト物質117aとドーパント物質117bとの昇華温度が互いに異なるため、ホスト物質117aとドーパント物質117bとを同時に蒸着するために、蒸着源及びノズル部を複数で構成する。
【0082】
すなわち、チャンバ内で基板400と対向する側には、蒸着物質が収納及び加熱される第1蒸着源110及び第2蒸着源120が配される。第1蒸着源110及び第2蒸着源120内に収納されている蒸着物質が気化するにつれて基板400に蒸着がなされる。言い換えれば、第1蒸着源110は、その内部にホスト物質117aが満たされる坩堝111と、坩堝111を加熱させて坩堝111の内部に満たされたホスト物質117aを坩堝111の一側、詳細には、第1蒸着源ノズル部130側に蒸発させるためのヒータ112とを備える。一方、第2蒸着源120は、その内部にドーパント物質117bが満たされる坩堝121と、坩堝121を加熱させて坩堝121の内部に満たされたドーパント物質117bを坩堝121の一側、さらに詳細には、第2蒸着源ノズル部140側に蒸発させるためのヒータ122とを備える。
【0083】
ここで、前記ホスト物質としては、トリス(8−ヒドロキシ−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン(AND)、3−Tert−ブチル−9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン(TBADN)、4,4’−ビス(2,2−ジフェニル−エテン−1−イル)−4,4’−ジメチルフェニル(DPVBi)、4,4’−ビス(2,2−ジフェニル−エテン−1−イル)−4,4’−ジメチルフェニル(p−DMDPVBi)、Tert(9,9−ジアリールフルオレン)(TDAF)、2−(9,9’−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9’−スピロビフルオレン(BSDF)、2,7−ビス(9,9’−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9’−スピロビフルオレン(TSDF)、ビス(9,9−ジアリールフルオレン)(BDAF)、4,4’−ビス(2,2−ジフェニル−エテン−1−イル)−4,4’−ジ−(tert−ブチル)フェニル(p−TDPVBi)、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(mCP)、1,3,5−トリス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(tCP)、4,4’,4”−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(TcTa)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)、4,4’−ビス(9−カルバゾリル)−2,2’−ジメチル−ビフェニル(CBDP)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジメチル−フルオレン(DMFL−CBP)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)フルオレン(FL−4CBP)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジ−トリル−フルオレン(DPFL−CBP)、9,9−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)フルオレン(FL−2CBP)などが使われる。
【0084】
前記ドーパント物質としては、DPAVBi(4,4’−ビス[4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]ビフェニル)、ADN(9,10−ジ(ナフ−2−チル)アントラセン)、TBADN(3−tert−ブチル−9,10−ジ(ナフ−2−チル)アントラセン)などが使われる。
【0085】
【化1】

【0086】
【化2】

【0087】
【化3】

【0088】
このように本発明の一実施形態に関する有機膜蒸着装置100は、ホスト物質117aを蒸着する第1蒸着源110と、ドーパント物質117bを蒸着する第2蒸着源120とを備え、基板400上にホスト物質とドーパント物質とを同時に蒸着可能にすることを一特徴とする。このようにホスト物質とドーパント物質とを同時に蒸着可能になることで、工程がさらに簡単で速くなり、素子効率も向上する効果を得ることができる。
【0089】
第1及び第2蒸着源110、120の一側、詳細には、第1及び第2蒸着源110、120から基板400に向かう側には、第1及び第2蒸着源ノズル部130、140が配される。そして、第1及び第2蒸着源ノズル部130、140には、Y軸方向、すなわち、基板400のスキャン方向に沿って複数の蒸着源ノズル113、123が形成される。ここで、前記複数の蒸着源ノズル113、123は等間隔で形成される。第1及び第2蒸着源110、120内で気化した蒸着物質117a、117bは、このような第1及び第2蒸着源ノズル部130、140を通過して被蒸着体である基板400側に向かう。このように、第1及び第2蒸着源ノズル部130、140上にY軸方向、すなわち、基板400のスキャン方向に沿って複数の蒸着源ノズル113、123が形成される場合、パターニングスリットシート150のそれぞれのパターニングスリット151を通過する蒸着物質により形成されるパターンのサイズは、蒸着源ノズル113、123の一つのサイズのみに影響されるので(すなわち、X軸方向には蒸着源ノズル113、123が一つのみ存在するので)、陰影が発生しなくなる。また、複数の蒸着源ノズル113、123がスキャン方向に存在するので、個別蒸着源ノズル間の流動差が発生しても、その差が相殺されて蒸着均一度が一定に維持される効果を得ることができる。
【0090】
第1蒸着源ノズル部130と第2蒸着源ノズル部140とに形成された複数の蒸着源ノズル113、123が、所定角度チルトされて配される。すなわち、蒸着源ノズル113、123は、YZ平面上で所定角度傾くようにチルトされて形成される。
【0091】
さらに詳細に、ドーパントの含有量は薄膜形成材料によって可変的であるが、一般的に薄膜形成材料(ホストとドーパントとの総重量)100重量部を基準として、3ないし20重量部であることが望ましい。もし、ドーパントの含有量が前記範囲を外れれば、有機発光素子の発光特性が低下する。ところが、もし、蒸着源ノズル113、123がZ軸と平行に配されるならば、基板400には、蒸着初期にはドーパント物質が蒸着され、蒸着中期にはドーパント物質とホスト物質とが交差して蒸着され、蒸着後期には、ホスト物質が蒸着される。すなわち、各領域別にホスト物質とドーパント物質との混合比率差が不均一になる。
【0092】
したがって、本実施形態では、蒸着源ノズル113、123が所定角度チルトされて配されるようにする。ここで、第1蒸着源ノズル部130の蒸着源ノズル113と、第2蒸着源ノズル部140の蒸着源ノズル123とは、互いに対向してチルトされる。すなわち、第1蒸着源ノズル部130の蒸着源ノズル113は、第2蒸着源120側に向かうようにチルトされ、第2蒸着源ノズル部140の蒸着源ノズル123は、第1蒸着源110側に向かうようにチルトされる。
【0093】
かかる構成によって、基板全体にわたってホスト物質とドーパント物質との混合比率が均一になる効果を得ることができる。そして、ホスト物質とドーパント物質とが均一な割合で含まれている混合物で薄膜層を形成する場合、色座標、光効率、駆動電圧、寿命の面で向上した特性を表すことができる。
【0094】
第1蒸着源ノズル部130及び第2蒸着源ノズル部140それぞれは、リフレクタ124、124a、124b;224、224a、224bと、冷却板116、126とを備える。
【0095】
さらに詳細には、第1蒸着源ノズル部130は、上部リフレクタ114、第1突出リフレクタ114a、第2突出リフレクタ114b、第3突出リフレクタ114c及び冷却板116をさらに備える。上部リフレクタ114は、第1蒸着源110の上部に位置し、ヒータ112上に配される。上部リフレクタ114は、ヒータ112で発生した熱が外部に発散されることを遮断できる。第1及び第2突出リフレクタ114a、114bは、上部リフレクタ114の一端でパターニングスリットシート150に向かって延びるように形成される。第1及び第2突出リフレクタ114a、114bは、互いに一定の間隔をおいて第1蒸着源ノズル113の配列と平衡に形成される。第1及び第2突出リフレクタ114a、114bの間には第1蒸着源ノズル113が配される。また、第3突出リフレクタ114cは、第1突出リフレクタ114aと第2突出リフレクタ114bそれぞれの一端でこれらを連結するように形成される。具体的には、第3突出リフレクタ114cは、第2蒸着源120に隣接した第1及び第2突出リフレクタ114a、114bの端部を連結するように形成される。第1ないし第3リフレクタ114a、114b、114cの高さは、第1蒸着源ノズル113の高さと同一であるか、またはさらに大きい。
【0096】
第1蒸着源ノズル113を通じて放出される蒸着物質117aの一部は、冷却板116に流れ出る。冷却板116に流れ出た蒸着物質117aは凝固され、蒸着工程が続けば、冷却板116、126上で凝固された蒸着物質の量が増加して第1蒸着源ノズル113を閉塞する問題が発生する。また、本発明の一実施形態は、第1蒸着源ノズル113が第2蒸着源ノズル123に向かってチルトされているため、冷却板116で凝固される蒸着物質により第1蒸着源ノズル113が閉塞する現象が頻繁に起きる。しかし、本発明の一実施形態では、第1ないし第3リフレクタ114a、114b、114cが第1蒸着源ノズル113の周囲を取り囲むため、冷却板116で凝固して育つ蒸着物質が第1蒸着源ノズル113を閉塞することを防止できる。
【0097】
また、第2蒸着源ノズル部140は、上部リフレクタ124、第4突出リフレクタ124a、第5突出リフレクタ124b、第6突出リフレクタ124c及び冷却板126をさらに備える。上部リフレクタ124は第2蒸着源120の上部に位置し、ヒータ122上に配される。上部リフレクタ124は、ヒータ122で発生した熱が外部に発散されることを遮断できる。第4及び第5突出リフレクタ124a、124bは、上部リフレクタ124の一端でパターニングスリットシート150に向かって延びるように形成される。第4及び第5突出リフレクタ124a、124bは、互いに一定の間隔をおいて第2蒸着源ノズル123の配列と平衡に形成される。第4及び第5突出リフレクタ124a、124bの間には第2蒸着源ノズル123が配される。また、第6突出リフレクタ124cは、第4突出リフレクタ124aと第5突出リフレクタ124bそれぞれの一端でこれらを連結するように形成される。具体的には、第6突出リフレクタ124cは、第1蒸着源110に隣接する第4及び第5突出リフレクタ124a、124bの端部を連結するように形成される。第4ないし第6リフレクタ124a、124b、124cの高さは、第2蒸着源ノズル123の高さと同一であるか、またはさらに大きい。
【0098】
第2蒸着源ノズル123を通じて放出される蒸着物質117bの一部は、冷却板126に流れ出る。冷却板126に流れ出た蒸着物質117bは凝固され、蒸着工程が続けば、冷却板126上で凝固された蒸着物質の量が増加して第2蒸着源ノズル123を閉塞する問題が発生する。また、本発明の一実施形態は、第2蒸着源ノズル123が第1蒸着源ノズル113に向かってチルトされているため、冷却板126で凝固される蒸着物質により第2蒸着源ノズル123が閉塞する現象が頻繁に起きる。しかし、本発明の一実施形態では、第4ないし第6リフレクタ124a、124b、124cが第2蒸着源ノズル123の周囲を取り囲むため、冷却板126で凝固して育つ蒸着物質が第2蒸着源ノズル123を閉塞することを防止できる。
【0099】
一方、第1及び第2蒸着源110、120と基板400との間には、パターニングスリットシート150及びフレーム155がさらに備えられる。フレーム155は窓枠の形態で形成され、その内側にパターニングスリットシート150が結合される。そして、パターニングスリットシート150には、X軸方向に沿って複数のパターニングスリット151らが形成される。第1及び第2蒸着源110、120内で気化した蒸着物質117a、117bは、第1及び第2蒸着源ノズル部130、140及びパターニングスリットシート150を通過して被蒸着体である基板400側に向かう。この時、前記パターニングスリットシート150は、従来のファインメタルマスク(FMM)、特にストライプ形状のマスクの製造方法と同じ方法であるエッチングを通じて製作される。この時、蒸着源ノズル113、123の総数よりパターニングスリット151の総数がさらに多く形成される。
【0100】
一方、前述した第1及び第2蒸着源110、120(及びこれと結合された第1及び第2蒸着源ノズル部130、140)とパターニングスリットシート150とは、互いに一定ほど離隔して形成され、第1及び第2蒸着源110、120(及びこれと結合された第1及び第2蒸着源ノズル部130、140)とパターニングスリットシート150とは、連結部材135によって互いに連結される。すなわち、第1及び第2蒸着源110、120、第1及び第2蒸着源ノズル部130、140及びパターニングスリットシート150が連結部材135により連結されて、互いに一体に形成できる。ここで連結部材135は、蒸着源ノズル113、123を通じて排出される蒸着物質が分散されないように蒸着物質の移動経路をガイドできる。図面には、連結部材135が第1及び第2蒸着源110、120、第1及び第2蒸着源ノズル部130、140及びパターニングスリットシート150の左右方向のみに形成されて、蒸着物質のX軸方向のみをガイドすると図示されているが、これは図示の便宜のためのものであって、本発明の思想はこれに制限されず、連結部材135がボックス形態の密閉型に形成されて蒸着物質のX軸方向及びY軸方向移動を同時にガイドしてもよい。
【0101】
前述したように、本発明の一実施形態に関する有機膜蒸着装置100は、基板400に対して相対的に移動しつつ蒸着を行い、このように有機膜蒸着装置100が基板400に対して相対的に移動するために、パターニングスリットシート150は基板400から一定ほど離隔するように形成される。
【0102】
さらに詳細に、従来のFMM蒸着方法では、基板に陰影が生じないようにするために基、板にマスクを密着させて蒸着工程を進めた。しかし、このように基板にマスクを密着させる場合、基板とマスクとの接触による不良問題が発生するという問題点があった。また、マスクを基板に対して移動させられないため、マスクが基板と同じサイズに形成されねばならない。したがって、ディスプレイ装置の大型化につれてマスクのサイズも大きくならねばならないが、このような大型マスクを形成し難いという問題点があった。
【0103】
このような問題点を解決するために、本発明の一実施形態に関する有機膜蒸着装置100では、パターニングスリットシート150を、被蒸着体である基板400と所定間隔をおいて離隔するように配させる。
【0104】
このような本発明によってマスクを基板より小さく形成した後、マスクを基板に対して移動させつつ蒸着を行えるようになることで、マスク製作が容易になる効果を得ることができる。また、基板とマスクとの接触による不良を防止する効果を得ることができる。また、工程で基板とマスクとを密着させる時間が不要になるため、製造速度が向上する効果を得ることができる。
【0105】
図7は、本発明の蒸着装置を利用して製造されたアクティブマトリックス型OLEDの断面を図示したものである。
【0106】
図7に図示されたように、グラス材またはプラスチック材の基板50上にバッファ層51が形成されており、この上に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)と、有機電界発光素子とが形成される。
【0107】
基板50のバッファ層51上に所定パターンの活性層52が備えられる。活性層52の上部にはゲート絶縁膜53が備えられ、ゲート絶縁膜53の上部の所定領域にはゲート電極54が形成される。ゲート電極54は、TFTのオン/オフ信号を印加するゲートライン(図示せず)と連結されている。ゲート電極54の上部には層間絶縁膜55が形成され、コンタクトホールを通じてソース/ドレイン電極56、57が、それぞれ活性層52のソース/ドレイン領域52b、52cに接するように形成される。ソース/ドレイン電極56、57の上部にはSiO、SiNxなどからなるパッシベーション膜58が形成され、パッシベーション膜58の上部にはアクリル、ポリイミド、BCB(Benzocyclobutene)などの有機物質で平坦化膜59が形成されている。平坦化膜59の上部にOLEDのアノード電極になる画素電極61が形成され、これを覆うように有機物で画素定義膜60が形成される。画素定義膜60に所定の開口を形成した後、画素定義膜60の上部及び開口が形成されて外部に露出された画素電極61の上部に有機膜62を形成する。有機膜62は発光層を含むものになる。本発明は必ずしもこのような構造に限定されるものではなく、多様なOLEDの構造がそのまま適用できるということはいうまでもない。
【0108】
OLEDは、電流のフローによって赤、緑、青色の光を発光して所定の画像情報を表示するものであって、TFTのドレイン電極56に連結されて、これからプラス電源を供給される画素電極61と、全体画素を覆うように備えられてマイナス電源を供給する対向電極63、及びこれら画素電極61と対向電極63との間に配されて発光する有機膜62とで構成される。
【0109】
画素電極61と対向電極63とは、有機膜62により互いに絶縁されており、有機膜62に相異なる極性の電圧を加えて有機膜62で発光を行わせる。
【0110】
有機膜62は、低分子または高分子有機膜が使われるが、低分子有機膜を使用する場合、ホール注入層(HIL:Hole Injection Layer)、ホール輸送層(HTL:Hole Transport Layer)、発光層(EML:Emission Layer)、電子輸送層(ETL:Electron Transport Layer)、電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)などが単一あるいは複合の構造で積層されて形成され、使用可能な有機材料も銅フタロシアニン(CuPc)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N、N’−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス(8−ヒドロキシ−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)などをはじめとして多様に適用できる。これら低分子有機膜は真空蒸着の方法で形成される。
【0111】
高分子有機膜の場合には、大体ホール輸送層(HTL)及び発光層(EML)で備えられた構造を持つことができ、この時、ホール輸送層としてPEDOTを使用し、発光層としてPPV(Poly−Phenylenevinylene)系及びポリフルオレン系などの高分子有機物質を使用し、これをスクリーン印刷やインクジェット印刷方法などで形成できる。
【0112】
このような有機膜は必ずしもこれに限定されるものではなく、多様な実施形態が適用できるということはいうまでもない。
【0113】
画素電極61はアノード電極の機能をし、対向電極63はカソード電極の機能をするが、もちろん、これら画素電極61と対向電極63との極性は逆になってもよい。
【0114】
画素電極61は、透明電極または反射型電極で備えられるが、透明電極として使われる時には、ITO、IZO、ZnO、またはInで備えられ、反射型電極として使われる時には、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、及びこれらの化合物などで反射膜を形成した後、その上にITO、IZO、ZnOまたはInを形成できる。
【0115】
一方、対向電極63も透明電極または反射型電極で備えられるが、透明電極として使われる時には、対向電極63がカソード電極として使われるので、仕事関数の小さな金属、すなわち、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Ag、Mg、及びこれらの化合物が有機膜62の方向に向かうように蒸着した後、その上にITO、IZO、ZnO、またはInなどの透明電極形成用物質で補助電極層やバス電極ラインを形成できる。そして、反射型電極として使われる時には、前記Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Ag、Mg及びこれらの化合物を全面蒸着して形成する。
【0116】
このようなOLEDで、発光層を含む有機膜62などは、前述した有機膜蒸着装置(図1の100参照)によって形成される。本発明はこれ以外にも、有機TFTの有機膜または無期膜などの蒸着にも使用でき、その他に多様な所在の成膜工程に適用できる。
【0117】
本発明は図面に図示された実施形態を参考として説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は特許請求の範囲の技術的思想によって定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、有機発光ディスプレイ装置(OLED)関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0119】

10、20 蒸着源
110 第1蒸着源
120 第2蒸着源
111、121 坩堝
112、122 ヒータ
116、126 冷却板
114、124 上部リフレクタ
113 第1蒸着源ノズル
123 第2蒸着源ノズル
130 第1蒸着源ノズル部
140 第2蒸着源ノズル部
114a 第1突出リフレクタ
114b 第2突出リフレクタ
114c 第3突出リフレクタ
124a 第4突出リフレクタ
124b 第5突出リフレクタ
124c 第6突出リフレクタ
150 パターニングスリットシート
151 パターニングスリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一列に配列された第1蒸着源及び第2蒸着源と、
前記第1蒸着源の一側に配され、前記第1蒸着源及び前記第2蒸着源が配列された方向に沿って複数の第1蒸着源ノズルが形成された第1蒸着源ノズル部と、
前記第2蒸着源の一側に配され、前記第1蒸着源及び前記第2蒸着源が配列された方向に沿って複数の第2蒸着源ノズルが形成された第2蒸着源ノズル部と、
前記複数の第1蒸着源ノズルを介して、前記第1蒸着源ノズルの両側に沿って配される第1突出リフレクタ及び第2突出リフレクタと、
前記複数の第2蒸着源ノズルを介して、前記第2蒸着源ノズルの両側に沿って配される第4突出リフレクタ及び第5突出リフレクタと、を備え、
前記第1蒸着源ノズル及び前記第2蒸着源ノズルは、互いに向かってチルトされたことを特徴とする蒸着源。
【請求項2】
前記第1蒸着源はホスト物質を放射し、前記第2蒸着源はドーパント物質を放射することを特徴とする請求項1に記載の蒸着源。
【請求項3】
前記第1突出リフレクタの一端と前記第2突出リフレクタの一端とを連結する第3突出リフレクタをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の蒸着源。
【請求項4】
前記第3突出リフレクタは、前記第2蒸着源に隣接する前記第1及び第2突出リフレクタの一端を連結することを特徴とする請求項3に記載の蒸着源。
【請求項5】
前記第4突出リフレクタの一端と前記第5突出リフレクタの一端とを連結する第6突出リフレクタをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の蒸着源。
【請求項6】
前記第6突出リフレクタは、前記第1蒸着源に隣接する前記第4及び第5突出リフレクタの一端を連結することを特徴とする請求項5に記載の蒸着源。
【請求項7】
前記第1突出リフレクタと第2突出リフレクタとの高さは、前記第1蒸着源ノズルの高さより大きいか、または同一であることを特徴とする請求項1に記載の蒸着源。
【請求項8】
前記第4突出リフレクタと第5突出リフレクタとの高さは、前記第2蒸着源ノズルの高さより大きいか、または同一であることを特徴とする請求項1に記載の蒸着源。
【請求項9】
前記複数の第1蒸着源ノズルのうち、前記第2蒸着源に最も隣接したのはダミー蒸着源ノズルであり、前記ダミー蒸着源ノズルは、前記第1蒸着源内の蒸着物質が放射されないように開口が形成されていないことを特徴とする請求項1に記載の蒸着源。
【請求項10】
前記複数の第2蒸着源ノズルのうち、前記第1蒸着源に最も隣接したのはダミー蒸着源ノズルであり、前記ダミー蒸着源ノズルは、前記第2蒸着源内の蒸着物質が放射出されないように開口が形成されていないことを特徴とする請求項1に記載の蒸着源。
【請求項11】
基板上に薄膜を形成するための有機膜蒸着装置において、
蒸着物質を放射する蒸着源と、
前記蒸着源の一側に配され、第1方向に沿って複数の蒸着源ノズルが形成される蒸着源ノズル部と、
前記蒸着源ノズル部と対向するように配され、前記第1方向に対して垂直の第2方向に沿って複数のパターニングスリットが形成されるパターニングスリットシートを備え、
前記基板が、前記有機膜蒸着装置に対して前記第1方向に沿って移動しつつ蒸着が行われ、
前記蒸着源、前記蒸着源ノズル部及び前記パターニングスリットシートは一体に形成され、
前記蒸着源は、相異なる蒸着物質を放射する第1蒸着源及び第2蒸着源を含み、
前記蒸着源ノズル部は、前記第1蒸着源の一側に配されて、前記第1方向に沿って複数の第1蒸着源ノズルが形成される第1蒸着源ノズル部と、前記第2蒸着源の一側に配されて、前記第1方向に沿って複数の第2蒸着源ノズルが形成される第2蒸着源ノズル部を備え、
前記第1蒸着源ノズル部及び前記第2蒸着源ノズル部それぞれの複数の蒸着源ノズルは、所定角度チルトされるように形成されることを特徴とする有機膜蒸着装置。
【請求項12】
前記第1蒸着源はホスト物質を放射し、前記第2蒸着源はドーパント物質を放射することを特徴とする請求項11に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項13】
前記第1蒸着源及び前記第2蒸着源は、前記第1方向に沿って一列に配列されることを特徴とする請求項11に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項14】
前記第1蒸着源ノズル部は、前記複数の第1蒸着源ノズルを介して、前記第1蒸着源ノズルの両側に沿って配される第1突出リフレクタ及び第2突出リフレクタをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項15】
前記第1突出リフレクタの一端と前記第2突出リフレクタの一端とを連結する第3突出リフレクタをさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項16】
前記第3突出リフレクタは、前記第2蒸着源に隣接する前記第1及び第2突出リフレクタの一端を連結することを特徴とする請求項15に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項17】
前記第2蒸着源ノズル部は、前記複数の第2蒸着源ノズルを介して、前記第2蒸着源ノズルの両側に沿って配される第4突出リフレクタ及び第5突出リフレクタをさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項18】
前記第4突出リフレクタの一端と前記第5突出リフレクタの一端とを連結する第6突出リフレクタをさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項19】
前記第6突出リフレクタは、前記第1蒸着源に隣接する前記第4及び第5突出リフレクタの一端を連結することを特徴とする請求項18に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項20】
前記第1突出リフレクタ及び第2突出リフレクタの高さは、前記第1蒸着源ノズルの高さより大きいか、または同一であることを特徴とする請求項14に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項21】
前記第4突出リフレクタ及び第5突出リフレクタの高さは、前記第2蒸着源ノズルの高さより大きいか、または同一であることを特徴とする請求項17に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項22】
前記複数の第1蒸着源ノズルのうち、前記第2蒸着源に最も隣接したのはダミー蒸着源ノズルであり、前記ダミー蒸着源ノズルは、前記第1蒸着源内の蒸着物質が放射出されないように開口が形成されていないことを特徴とする請求項14に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項23】
前記複数の第2蒸着源ノズルのうち、前記第1蒸着源に最も隣接したのはダミー蒸着源ノズルであり、前記ダミー蒸着源ノズルは、前記第2蒸着源内の蒸着物質が放射出されないように開口が形成されていないことを特徴とする請求項17に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項24】
前記蒸着源、前記蒸着源ノズル部及び前記パターニングスリットシートは、連結部材により結合されて一体に形成されることを特徴とする請求項11に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項25】
前記連結部材は、前記蒸着物質の移動経路をガイドすることを特徴とする請求項24に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項26】
前記連結部材は、前記蒸着源及び前記蒸着源ノズル部と前記パターニングスリットシートとの間の空間を外部から密閉するように形成されることを特徴とする請求項24に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項27】
前記有機膜蒸着装置は、前記基板と所定ほど離隔するように形成されることを特徴とする請求項11に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項28】
前記基板が、前記有機膜蒸着装置に対して前記第1方向に沿って移動しつつ、前記基板上に前記蒸着物質が連続的に蒸着されることを特徴とする請求項11に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項29】
前記有機膜蒸着装置の前記パターニングスリットシートは、前記基板より小さく形成されることを特徴とする請求項11に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項30】
前記第1蒸着源から放射される前記ホスト物質の少なくとも一部と、前記第2蒸着源から放射される前記ドーパント物質の少なくとも一部とが混合されることを特徴とする請求項12に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項31】
前記第1蒸着源と前記第2蒸着源とは、前記第1方向に沿って平行に配されることを特徴とする請求項11に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項32】
前記第1蒸着源ノズル及び前記第2蒸着源ノズルは、互いに対向する方向にチルトされていることを特徴とする請求項11に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項33】
前記第1蒸着源ノズル及び前記第2蒸着源ノズルは、前記基板全体にわたって前記ホスト物質と前記ドーパント物質との混合比率が均一になるようにチルトされていることを特徴とする請求項12に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項34】
前記第1蒸着源及び前記第2蒸着源は、それぞれ線形ソースで形成されることを特徴とする請求項11に記載の有機膜蒸着装置。
【請求項35】
前記第1蒸着源ノズルおよび/または第2蒸着源ノズルの下端部である前記蒸着物質の流入口の内周縁部が、円弧状であることを特徴とする請求項1に記載の蒸着源。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図2D】
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【公開番号】特開2012−146658(P2012−146658A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−2535(P2012−2535)
【出願日】平成24年1月10日(2012.1.10)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】