説明

蓄光体情報伝達システム

【課題】 従来より、暗所における情報提供手段がほとんどなく、特に停電時や、照明のない所では、避難誘導等の伝達手段がなく、災害時等の避難誘導等が安全に行われておらず、
広範な情報提供が、望まれていた。
【解決手段】
屋内、屋外の壁等の任意の位置に蓄光体情報提供手段、設置されており、蓄光体情報提供手段の中に設けられた情報発信手段は、QRコード、及び/又はバーコード、及び/又はICタッグ、及び/又はブルートゥース発信体、及び/又はWIFI発信体等で、構成されている、蓄光体情報伝達システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暗所、又は明所における情報提供を行う蓄光体情報伝達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、暗所における情報提供手段がほとんどなく、特に停電時や、照明のない所では、避難誘導等の伝達手段がなく、災害時等の避難誘導等が安全に行われていなかった。
【0003】
しかるに、灯具等を用いると、停電時には役に立たず、又電気代の維持費がかかり地球温暖化の原因ともなるため、消費電力の掛からない情報提供手段が望まれていた。
そのため実願2009−7814号等の蓄光体滑り止め等が提供されているが、本発明は、それらをさらに改良し、暗所、又は明所において広範な情報提供を可能にしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実願2009−7814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、これらの問題を解消しようとする蓄光体情報伝達システムを提供するものである。
特に、最近発生した東北関東大震災においては、停電、ガス停止、等による大災害が、発生した時、暗所、又は明所からの避難誘導等の情報提供手段がなく、被災する著しい状況が、発生した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
屋内、屋外の壁等の任意の位置に蓄光体情報提供手段が、設置されており、前記蓄光体情報提供手段の表面に設けられた情報発信手段は、QRコード、及び/又はバーコード、及び/又はICタッグ、及び/又はブルートゥース発信体、及び/又はWIFI発信体等で、構成されており、
前記情報発信手段に、携帯電話、又はPDA、又はコード読取機、又はI−PAD、又はI−POD等の情報読取手段をかざすと読取動作が行われ、情報読取手段に必要情報が表示される蓄光体情報伝達システムを提供する。
【0007】
蓄光体情報提供手段は、パネル体と、その表面に設けられた情報発信手段とで構成されており、前記パネル体の材料には高輝度アルミン酸ストロンチウム蓄光体等が含有されていることを特徴とする請求項1記載の蓄光体情報伝達システムを提供する。
【0008】
情報発信手段のQRコード及び/又はバーコードそのものを高輝度アルミン酸ストロンチウム蓄光体等の蓄光物質を含有した蓄光印刷インキにより構成し、印刷、転写、スタンプ等の手段により前記蓄光体情報提供手段が、設置できる請求項1、又は請求項2記載の蓄光体情報伝達システムを提供する。
【0009】
前記必要情報は、避難場所までの誘導路、及び/又は自分のいる位置をGPS等による地図で表示させたもの、及び/又は緊急連絡先の表示を行うもので、画面内のリンクにカーソルを移動し、クリックすると電話、及び/又は電子メール等の緊急通報を発信することができるシステム、及び/又はインターネット通信による情報、及び/又は動画情報を通信することができることを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3記載の蓄光体情報伝達システムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
(1)蓄光体は、最近発達してきた高輝度のアルミン酸ストロンチウム蓄光体等を使用 する。これは、従来からの硫化亜鉛系蓄光体は、発光が暗い、発光時間が短いと いった欠点があったのに対し、その100倍近い蓄光を発揮し、暗闇では8時間 以上の持続性を持ち、屋外でも使用可能である。
(2)特に雨等の水で再分解されない硬化法が、採用されている。
(3)前記必要情報は、避難場所までの誘導路、及び/又は自分のいる位置をGPS等 による地図で表示させたもの、及び/又は緊急連絡先の表示を行うもので、画面 内のリンクにカーソルを移動し、クリックすると電話、及び/又は電子メール等 の緊急通報を発信することができるシステム、及び/又はインターネットによる 情報、及び/又は動画情報を通信することができる。
(4)暗所、又は明所においても安全な避難誘導等の情報提供手段を、安価に形成でき る極めて実用的な手段を提供するものである
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例の全体斜視図である。
【図2】蓄光体情報提供手段2の正面図である。
【図3】QRコードに加えてそれ以外の情報発信手段4aを併置した正面図である。
【図4】必要情報7の1例である避難場所までの誘導路を表示した画面である。
【図5】必要情報7の現在地の例を表示した画面である。
【図6】必要情報7の緊急連絡先等を表示した画面である。
【図7】必要情報7の選択画面を表示した画面である。
【図8】屋外の蓄光体情報提供手段10の正面図である。
【図9】情報発信手段のQRコードの一例の拡大図である。
【図10】情報発信手段のQRコードに避難誘導標識を組み合わせた例の拡大図である。
【図11】情報発信手段のQRコードに避難口標識を組み合わせた例の拡大図である。
【図12】本発明の実施例2の全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、発明の効果に前述した如く、地震等の大災害の発生時停電等により、避難誘導等の情報提供が途絶え大災害に被災することを防ぐことは、極めて重要であることが認識された。
本発明は、暗所、又は明所においても安全に避難誘導等の情報提供手段を安価に形成できる極めて実用的な手段を提供するものである。
【0013】
なお、本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0014】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例の全体斜視図である。
【0015】
屋内、屋外等の床1に対し、壁等の任意の位置に蓄光体情報提供手段2が、設置されている。
蓄光体情報提供手段2は、パネル、又はパネルの表面のシール等で構成されたパネル体3とその表面に設けられた情報発信手段4とで構成されている。
床1には、蓄光誘導標識5が設けられ、室内での誘導が滑止め効果とともに、発揮される。蓄光誘導標識5は、接着剤、又は両面テープ等により床1に固定されている。
また壁等の適当な誘導位置にも設置できる。
【0016】
図2は、蓄光体情報提供手段2の正面図である。
前記パネル、又はパネルの表面のシール等で構成されたパネル体3の材料には最近発達してきた高輝度のアルミン酸ストロンチウム蓄光体等が含有されており、パネル体3自身が発光する。
【0017】
これは、従来からの硫化亜鉛系蓄光体は、発光が暗い、発光時間が短いといった欠点があったのに対し、その100倍近い蓄光を発揮し、暗闇では8時間以上の持続性を持ち、屋外でも使用可能である。
化学組成が、アルミン酸ストロンチウム+ユウロビウム+ジスプロシウム等で構成される。
【0018】
暗闇で発光、次第に暗くなってくる性質をもっているが、励起すると再び光り出し、
光の照射→発光→光の照射→発光を何回でも半永久的に繰り返すことができる。
放射性物質を含まない安全で、環境に考慮された物質である。その製作は、JISZ9 107に準拠し製作されている。
【0019】
その1例として能登プロワークス株式会社(登録商標)製の商品名「ライティブコート」(登録商標)等が、その適合例である。
【0020】
又、硬化させる分類としては、有機溶剤型、水溶剤型、紫外線硬化型、電子線硬化型、熱可塑性型等が適用される。
特に雨等の水で分解されない硬化法が、採用されている。
また、ガラス繊維等の添加剤、着色剤等を添加してもよい。
【0021】
パネル3には、情報発信手段4が設けられている。
情報発信手段4は、QRコード、及び/又はバーコード、又はICタッグ、又はブルートゥース発信体、WIFI発信体等で、構成されている。
【0022】
前記情報発信手段4に、図1で示すように、携帯電話、又はPDA、又はコード読取機、又はI−PAD、又はI−POD等の情報読取手段6をかざすと読取動作が行われ、情報読取手段6に必要情報7が表示される。
【0023】
図3には、QRコードに加えて、それ以外のバーコード、又はICタッグ、又はブルートゥース発信体、WIFI発信体等の情報発信手段4aを併置したものである。
【0024】
図4は、必要情報7の1例である避難場所までの誘導路を表示したものである。
この避難場所までの誘導路は、地域別に適合した画面が表示される。
【0025】
図5は、必要情報7の例である自分のいる現在位置を、GPS等による地図8で表示させるものである。
【0026】
図6は、必要情報7の別の例である緊急連絡先の表示を行うもので、そのリンク9にカーソルを移動し、クリックすると、電話、及び/又は電子メール等の電話による緊急通報を発信することができるシステムを示している。
更に、必要情報7は、その他にも、そのリンク9にカーソルを移動し、クリックすると、インターネットによる情報通信や、動画情報通信を行うことができる。
図7は、必要情報7の選択画面の表示であり、必要情報7の全体を示している。
【0027】
図8は、屋外に設けられた蓄光体情報提供手段10を示すものである。
建屋内の避難誘導は、図1の蓄光誘導標識5等により行われた後、屋外における情報提供を行うものである。
該蓄光体情報提供手段10は、図4の中の○印で示される位置等に設置される。
例えば、電柱、又は壁、標識等に設置される。
図9は、情報発信手段のQRコードの標準的な一例の拡大図である。
図10は、情報発信手段のQRコードに避難誘導標識を組み合わせた例の拡大図であ る。
図11は、情報発信手段のQRコードに避難口標識を組み合わせた例の拡大図である 。
【実施例2】
【0028】
実施例2は、実施例1に対し、情報発信手段4の別の構成方式を示すものである。
本実施例においては、情報発信手段4のQRコード及び/又はバーコード等は、QRコード及び/又はバーコード等そのものを蓄光物質を含有した印刷インキにより、印刷、転写、スタンプ等で構成するものである。
図9には、スタンプによる一例を示す概略斜視図である。
蓄光物質を含有した印刷インキの付着した蓄光印刷スタンプ11により、スタンプ可能な面であれば、必要な任意の場所に、印刷、スタンプ等により情報発信手段4を簡単に数多く、設けることができる画期的方法を提供するものである。
【0029】
従って印刷が可能な個所であれば、パネル体3は必要とせずに任意に数多く設けられ、極めて安価に情報発信手段4を設置することができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の活用例としては、以上説明したように、大災害時における停電等で暗くなった場合に、暗所、又は明所で、避難経路や必要情報を伝達し、短時間に問題解決を図れる極めて実用的、かつ安価な構成を提供することにより安全性を大幅に高め、災害防止に大きく貢献できると共に、新商品による産業の発展に貢献できる、きわめて実用的な発明である。
【符号の説明】
【0031】
1 床
2、10 蓄光体情報提供手段
3 パネル
4、4a 情報発信手段
5 蓄光誘導標識
6 情報読取手段
7 必要情報
8 地図
9 リンク
11 蓄光印刷スタンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内、屋外の壁等の任意の位置に蓄光体情報提供手段が、設置されており、前記蓄光体情報提供手段の表面に設けられた情報発信手段は、QRコード、及び/又はバーコード、及び/又はICタッグ、及び/又はブルートゥース発信体、及び/又はWIFI発信体等で、構成されており、
前記情報発信手段に、携帯電話、又はPDA、又はコード読取機、又はI−PAD、又はI−POD等の情報読取手段をかざすと読取動作が行われ、情報読取手段に必要情報が表示される蓄光体情報伝達システム。
【請求項2】
蓄光体情報提供手段は、パネル体と、その表面に設けられた情報発信手段とで構成されており、前記パネル体の材料には高輝度アルミン酸ストロンチウム蓄光体等が含有されていることを特徴とする請求項1記載の蓄光体情報伝達システム。
【請求項3】
情報発信手段のQRコード及び/又はバーコードそのものを高輝度アルミン酸ストロンチウム蓄光体等の蓄光物質を含有した蓄光印刷インキにより構成し、印刷、転写、スタンプ等の手段により前記蓄光体情報提供手段が、設置できる請求項1、又は請求項2記載の蓄光体情報伝達システム。
【請求項4】
前記必要情報は、避難場所までの誘導路、及び/又は自分のいる位置をGPS等による地図で表示させたもの、及び/又は緊急連絡先の表示を行うもので、画面内のリンクにカーソルを移動し、クリックすると電話、及び/又は電子メール等の緊急通報を発信することができるシステム、及び/又はインターネット通信による情報、及び/又は動画情報を通信することができることを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3記載の蓄光体情報伝達システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−203896(P2012−203896A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87717(P2011−87717)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(506236451)有限会社セルフ (8)
【Fターム(参考)】