説明

蓄熱材料

【課題】30℃から200℃付近の温度域で蓄熱、放熱が可能な二チタン酸カリウムを主成分とし、水による分解が生じにくい蓄熱材料を提供する。
【解決手段】一般式K2 Ti2 5-x ・nH2 O(0≦x≦1 、1.3≦n≦4.1)で表記される二チタン酸カリウム99質量部以下80質量部以上と、フッ素樹脂微粒子1質量部以上20質量部以下と、を混練して調製した粉末又は成形体を主要構成物とする蓄熱材料である。さらに黒鉛を混合してもよく、その場合は、二チタン酸カリウムと黒鉛との合計の割合が99質量部以下80質量部以上で、フッ素樹脂微粒子の割合が1質量部以上20質量部以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラー、冷暖房機器、給湯機器などからの廃熱や太陽熱等を貯蔵し、適時熱源として有効活用できる蓄熱材料に関し、特に、30℃から200℃付近の温度域において、蓄熱、放熱の繰り返しによる蓄熱材料の分解や変質がなく、安全で、大きな蓄熱量を有する蓄熱材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現代社会では、快適な居住空間あるいは工業製品の生産現場において、ボイラー、冷暖房機器、給湯機器などの冷温熱機器は必要不可欠であり、これらの機器によるエネルギー消費量の増大は、石油消費量の増加を引き起こし、それと共に多大な環境負荷をもたらすため、エネルギー消費量削減に向けた種々の取り組みが活発に行われている。
日本で消費される全一次エネルギーの約66%は廃熱となり未利用であるという統計があるが、これらの廃熱の多くは低品位廃熱であるため、利用が難しいという課題を有している。低品位廃熱がどの温度までを指すかは、廃熱回収技術の進捗状況から判断されることもあり明確ではないが、少なくとも200℃以下の廃熱は殆ど有効利用できていないと考えてよい。
【0003】
蓄熱材料による廃熱回収は、比較的安価な材料及び簡単な設備で廃熱の回収が可能で、蓄えた熱は随時、熱として取り出すことが可能である。蓄熱材料は、その熱を蓄える機構の違いから主として顕熱蓄熱材料と潜熱蓄熱材料とに分類される。
顕熱蓄熱材料は、物質の温度変化を伴って熱を蓄える材料である。顕熱蓄熱材料に蓄えられる熱量と温度との関係は、低温TL の物質に熱エネルギーが流入し、温度TH になったとすると、その物質の蓄熱量QS (J)は、その物質の比熱をC、密度をρ、体積をVとすると、次式で表される。ただし、比熱Cは一定と仮定する。
S =CρV(TH −TL
【0004】
すなわち、物質の温度を上昇させる過程が蓄熱であり、温度を下げる過程が放熱である。温度が変動する廃熱に対しては、その温度変化に連動して蓄熱又は放熱が起こる。蓄熱量QS は温度差(TH −TL )及び物質の熱容量CρVに比例して変化するので、大きな温度差をつけるか、もしくは大きな熱容量の蓄熱材料を使用すれば蓄えられる熱量が増加する。
【0005】
顕熱蓄熱材料としては、例えば、288K付近で水(比熱4.18J/gK)、カロリアHT43(エクソン社製、比熱2.77J/gK)、サーミノールT66(モンサント社製、比熱2.77J/gK)、シルサーム800(ダウコーニング社製、比熱2.10J/gK)、コンクリートブロック(比熱0.88J/gK)、砂利(比熱0.88J/gK)、マグネシアレンガ(比熱0.88J/gK)などが知られている。
【0006】
水は化学的に安定で、比熱も大きいため、非常に優れた顕熱蓄熱材料であるが、沸点が低いため150℃以上の廃熱に使用することは困難である。これに対して、カロリアHT43などの有機熱媒体は、沸点が高いため200℃付近の廃熱にも使用できるが、比熱が水に比べて小さいため、比熱のより大きな材料の開発が要望されている。さらに、マグネシアレンガなどは耐熱性に優れており、温度差を500℃以上とれば蓄熱量は大きくなるが、200℃以下の低品位廃熱に対しては比熱が非常に小さいことから蓄熱量が小さく、有効な材料とは言えない。
【0007】
一方、潜熱蓄熱材料は、物質の相変化又は転移に伴う潜熱を利用して熱を蓄える材料で、主として潜熱蓄熱材料固有の融点又は転移点で蓄熱及び放熱が行われる。したがって、潜熱蓄熱材料の融点又は転移点以上にならないと大きな蓄熱量は得られず、逆に蓄えられた熱は融点又は転移点未満にならないと十分な放熱が行われることはない。そのため、廃熱の温度が変動する場合に対応させるため、数種類の潜熱蓄熱材料を併用するなどの方法があるが、化学的性質や物理的性質が一致しないなどの問題があり、効果的な蓄熱システムの構築ができなかった。ただし、最近では、融点が簡便な方法で変えられる潜熱蓄熱材料として硝酸マンガン水和物が提案されている(特許文献1を参照)。
【0008】
潜熱が大きい材料の例をあげると、融点又は転移点が2℃〜94℃においては、炭化水素類では1−デカノール(潜熱206J/g)、C16パラフィン(潜熱200J/g)などがあり、無機塩水和物ではSr(OH)2 ・8H2 O(潜熱351J/g)、Ba(OH)2 ・8H2 O(潜熱293J/g)、Na2 SO4 ・10H2 O(潜熱200J/g)、Na2 CH3 COO・3H2 O(潜熱251J/g)などがある。さらに、133℃〜250℃では、ペンタエリスリトール(潜熱322J/g)、LiOH−NaOH共晶塩(潜熱362J/g)、尿素(潜熱251J/g)などがある(非特許文献1〜3及び特許文献2を参照)。
【0009】
上記の例からわかるように、潜熱が大きい材料は、融解、凝固、又は転移を繰り返すため物質の分解、変質などが起こりやすく、可燃物又は劇物あるいは腐食性を有する物質が多いことが欠点である。
前記の欠点を解消できるものとして、見かけ比重が0.5〜1.1である酸化アルミニウムを含む蓄熱材料が提案されている。この蓄熱材料の蓄熱、放熱は、従来の機構とは異なり、酸化アルミニウムへの水分の吸着、脱離を利用している。基本原理は活性アルミナに吸着した水分子の脱離による蓄熱と水分子の再吸着による放熱を利用しているため、化学的に安定で、蓄熱量は150℃の加熱による水分子の脱離で282J/g程度が得られている(特許文献3を参照)。しかしながら、見掛け比重が0.5〜1.1であるため、体積当たりの蓄熱量は小さいという問題があった。
【0010】
そして最近では、体積当たりの蓄熱量を向上させた蓄熱材料として、一般式K2 Ti2 5-x ・nH2 O(0≦x≦1 、0≦n≦2.7)で表記される二チタン酸カリウムを主成分とする蓄熱材料が提案されている。この蓄熱材料は、TiO5 三角両錘体が連鎖した層状構造を有し、水蒸気との接触で層間に配置されたK+ イオンの水和による放熱と脱水和による蓄熱を利用しており、蓄熱量は306J/g(780J/cm3 )に達している(特許文献4を参照)。しかしながら、二チタン酸カリウムは液体の水と接触すると結晶中のK+ イオンが水に溶出し、分解が起こるため、水との直接接触を避けた使用環境を維持しなければならず、改良の余地があった。
【0011】
【特許文献1】特開2001−064635号公報
【特許文献2】特開昭59−134497号公報
【特許文献3】特開2002−162184号公報
【特許文献4】特開2005−36213号公報
【非特許文献1】成田勝彦外1名、「潜熱蓄熱材」、電気学会雑誌、101(1)、1981、p.15〜22
【非特許文献2】小沢丈夫外4名、「潜熱蓄熱材の予備的検討1」、電子技術総合研究所彙報44(11、12)、1980、p.707〜p.724
【非特許文献3】田中耕太郎外6名、「潜熱蓄熱材料の予備的検討3」、電子技術総合研究所彙報51(7)、1987、p.469〜p.483
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、従来技術の上記問題点を解決するものであって、30℃から200℃付近の温度域において蓄熱、放熱が容易であり、その繰り返しによる蓄熱材料の分解や変質がなく、安全で、大きな蓄熱量を有するとともに、液体の水との接触による分解が抑制された蓄熱材料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、一般式K2 Ti2 5-x ・nH2 O(0≦x≦1 、1.3≦n≦4.1)で表記される二チタン酸カリウム99質量部以下80質量部以上と、フッ素樹脂微粒子1質量部以上20質量部以下と、を混練して調製した粉末又は成形体を主要構成物とする蓄熱材料、又は、一般式K2 Ti2 5-x ・nH2 O(0≦x≦1 、1.3≦n≦4.1)で表記される二チタン酸カリウムと黒鉛とフッ素樹脂微粒子とを混練して調製した粉末又は成形体を主要構成物とし、二チタン酸カリウムと黒鉛との合計の割合が99質量部以下80質量部以上で、フッ素樹脂微粒子の割合が1質量部以上20質量部以下である蓄熱材料が、前記課題を解決する材料であることを見出した。
そして、フッ素樹脂微粒子としてポリテトラフルオロエチレン微粒子を使用することが好ましく、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の粒径は3μm以下であることがより好ましいことを見出した。
【発明の効果】
【0014】
本発明の蓄熱材料は、30℃から200℃付近の温度域において蓄熱、放熱が可能であり、その繰り返しによる蓄熱材料の分解や変質がなく、安全で、大きな蓄熱量を有するとともに、液体の水との接触による分解が生じにくい。
この蓄熱材料を使用すれば、工場や家屋に設置されるボイラー、冷暖房機器あるいは給湯機器などから排出される低品位廃熱を回収することが可能であるとともに、太陽熱エネルギーを回収し、暖房に利用することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
二チタン酸カリウムの一般式は、通常K2 Ti2 5 と表記されるが、正確にはK2 Ti2 5-x であり、xは合成温度及び合成時の雰囲気中の酸素分圧によって変化する。合成温度が低いほど、また雰囲気中の酸素分圧が高いほどxは0に近づく。また、xが1より大きければ、二チタン酸カリウムとしての結晶構造を取り得ず、目的を達する物性は得られない。
二チタン酸カリウムの結晶構造は、TiO5 三角両錘体が連鎖した層状構造を有し、TiO5 三角両錘体からなる層と層との間にK+ イオンが配置されていると考えられている。結晶構造から推察すると、xが0に近いほど格子欠陥の少ない安定な状態と考えられ、本発明の蓄熱材料に最も適している。
【0016】
このような層状構造結晶は、水蒸気と接触すると層間に配置されたK+ イオンが容易に水和され、一般式としてK2 Ti2 5-x ・nH2 Oで表記される二チタン酸カリウム水和物となる。このとき、H2 O分子は、K+ イオンに誘導されるようにTiO5 三角両錘体からなる層間にゲストとして侵入する。H2 O分子が侵入する際には、TiO5 三角両錘体からなる層と層との間隔が膨張するが、結晶構造は維持される。水和と脱水和を複数回繰り返す処理を行うことで、H2 O量を示すnは、実験で求めると1.3以上4.1以下である。
【0017】
二チタン酸カリウム水和物は、加熱するとTiO5 三角両錘体からなる層間にゲストとして侵入したH2 O分子が層間から脱離し、TiO5 三角両錘体からなる層と層との間隔は収縮するが、それに伴う結晶構造の変化はない。
この反応は反応式(1)で示されるが、一種のトポケミカルな反応と考えられ、結晶構造の変化を伴わないので、水和、脱水和の繰り返しに対して極めて安定である。なお、nは気体の水(水蒸気)の分子数を示す。
【0018】
【化1】

【0019】
しかしながら、二チタン酸カリウムは、結露などで生じた液体の水と接触すると分解が進み、層間に配置されたK+ イオンが水中に溶出し、代わりにH+ イオンが層間に配置される。この状態で脱水和を目的とした加熱を行うと結晶構造が変化し、以後の水和、脱水和による蓄熱量は減少する。
この反応は反応式(2)及び(3)で表わされる。すなわち、水と接触した状態での水和反応は反応式(2)で表わされ、脱水和反応(y=1の場合)は反応式(3)で表わされる。なお、yは液体の水の分子数を示す。
2 Ti2 5-x +(n+y)H2 O → K2-y y Ti2 5-x ・nH2 O+ yK+ +yOH- ・・・・・・・(2)
2KHTi2 5-x ・nH2 O → K2 Ti4 9-2x+(n+1)H2 O ・・・・・・・(3)
【0020】
本発明によれば、二チタン酸カリウムとフッ素樹脂微粒子とを混練することにより調製した粉末又は成形体は、混練によって引き伸ばされたフッ素樹脂が蜘蛛の巣状となって二チタン酸カリウムに絡みついているので、そのフッ素樹脂の撥水作用で反応式(2)及び(3)の反応の進行が抑制される。そして、二チタン酸カリウムの割合が99質量部以下80質量部以上でフッ素樹脂微粒子の割合が1質量部以上20質量部以下であれば、混練して得られた粉末をさらに成形して成形体としても(例えば、ロール成形でシート状としたり、あるいはプレス成形でタブレット状としても)、二チタン酸カリウムはフッ素樹脂で完全に覆われることはなく、水和、脱水和が滞ることはない。
【0021】
また、二チタン酸カリウムは、蓄熱、放熱の過程で常に固体状態であるため流動性が悪く、また熱伝導率が非常に低いため外部との熱交換が行われ難いが、この問題は、二チタン酸カリウムに黒鉛及びフッ素樹脂微粒子を混練することにより改善できる。黒鉛は六方晶でa軸方向のへき開によって潤滑性に富み、その熱伝導率は273K〜523Kの範囲で50〜230W/m・Kと高い。さらに、黒鉛は化学的に安定であるため二チタン酸カリウムを充填する金属容器(例えばステンレス鋼製容器)を化学的又は電気化学的に腐食させる問題も発生しない。二チタン酸カリウムによる蓄熱、放熱は、黒鉛を熱伝達媒体として速やかに外部へ伝えられ、高い熱回収効率が実現する。
【0022】
二チタン酸カリウムと黒鉛とフッ素樹脂微粒子とを混練することにより調製した粉末は、混練によって引き伸ばされたフッ素樹脂が蜘蛛の巣状となって二チタン酸カリウムと黒鉛とに絡みついているので、そのフッ素樹脂の撥水作用で反応式(2)及び(3)の反応の進行が抑制される。そして、二チタン酸カリウムと黒鉛との合計の割合が99質量部以下80質量部以上でフッ素樹脂微粒子の割合が1質量部以上20質量部以下であれば、混練して得られた粉末をさらに成形して成形体としても(例えば、ロール成形でシート状としたり、あるいはプレス成形でタブレット状としても)、二チタン酸カリウムはフッ素樹脂で完全に覆われることはなく、水和、脱水和が滞ることはない。
【0023】
二チタン酸カリウム、又は、二チタン酸カリウムと黒鉛とに対するフッ素樹脂微粒子の割合を多くするほど、二チタン酸カリウムと水との接触を抑制できるが、フッ素樹脂微粒子を20質量部より多くすると二チタン酸カリウムのフッ素樹脂で覆われる部分が多くなるため、水蒸気の拡散経路が断たれて蓄熱量は著しく低下する。一方、フッ素樹脂微粒子を1質量部より少なくすると撥水効果が著しく低下するため、二チタン酸カリウムは水と接触し分解が進行する。
【0024】
フッ素樹脂の種類は特に限定されるものではなく、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE),クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF),ポリビニルフルオライド(PVF)などが使用可能であるが、フッ素樹脂微粒子としてはPTFE微粒子が最適である。PTFE微粒子は耐熱性、耐食性、伸度、結着性に優れているため、二チタン酸カリウムの膨張、収縮にも追従する柔軟性に富んだ粉末又は成形体が得られる。
【0025】
PTFE微粒子としては、平均粒径3μm以下の微粒子が好ましく、「ディスパージョン」と呼ばれるPTFE微粒子の分散液を使用することも可能である。分散液に含有されるPTFE微粒子の平均粒径は0.3μm以下で、混練によって二チタン酸カリウムや黒鉛に均一に絡みつき、少量で大きな撥水効果が期待できる。ただし、分散液が水性液体の場合は、二チタン酸カリウムと接触するとK+ イオンが溶出するので、分散液を蒸発させてから二チタン酸カリウムと混練しなければならない。
【0026】
なお、二チタン酸カリウムと黒鉛との質量比は、高い蓄熱量を維持するためには99:1から95:5が適当であるが、この質量比に限定されるものではない。
TiO5 三角両錘体からなる層と層との間へ侵入した水分子は、乾燥空気、熱風、マイクロ波加熱あるいは太陽熱によっても脱離させることが可能なので、本発明の蓄熱材料は、低品位廃熱の回収だけでなく緊急時の熱源又は再生可能エネルギーの回収などにも利用可能である。
【実施例】
【0027】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
〔実施例1〕
炭酸カリウム(K2 CO3 )5.53gと酸化チタン(TiO2 ) 6.39gとを秤量し、これら粉末をメノウ乳鉢でよく混合、粉砕した。得られた混合粉末を白金坩堝に入れ、マッフル炉を用いて、気温20℃、相対湿度50%(水蒸気圧1.2kPa)、酸素分圧0.02MPaの大気下で、10℃/minの速度で30℃から950℃へ昇温後、950℃で48h保持することで二チタン酸カリウムを合成した。
【0028】
そして、二チタン酸カリウムを恒温恒湿器に移し、水和と脱水和を繰り返す処理を行った。すなわち、水蒸気圧を0.8kPaに制御した空気中に30℃で24h放置した後、300℃に昇温し0.5h放置するという操作を3回繰り返した。二チタン酸カリウムに水分子を吸着させる操作は、合成に引き続きマッフル炉内で3℃/minの速度で950℃から30℃へ降温後、そのまま30℃で24h放置する方法で行った。
生成した白色の繊維状粉末のX線回折を行ったところ、主に2θ=11°及び22.5°付近のピークが検出された。なお、2θ=11°及び22.5°付近のピークは、K2 Ti2 5 がK2 Ti2 5 ・nH2 Oとなる際に結晶格子が膨張するために発生するピークである。
【0029】
この生成物を気温20℃、相対湿度50%(水蒸気圧1.2kPa)の大気下で、250℃で30min加熱した後の生成物について再びX線回折を行ったところ、2θ=11°及び22.5°付近のピークのみが観察され、ピーク強度比も既報値通りであった。加熱後の質量減少率は15.3%であり、生成した白色の短冊状粉末はK2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)であった。
2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)99質量部とPTFE微粒子(平均粒径2.2μm)1質量部とを秤量し、乳鉢で混練した。この混練物を、150℃の高温圧延ロールで厚さ0.5mmのシートに成形した。
【0030】
蓄熱量の繰り返し安定性は、示差熱分析計(セイコーインスツルメント社製のDSC630)を用いて測定した。前述のようにして成形したシートを4〜5mg秤量して示差熱分析計にセットし、気温20℃、相対湿度50%(水蒸気圧1.2kPa)の大気導入下で、以下のような示差熱分析を行った。10℃/minの速度で30℃から250℃へ昇温した後に2h保持し、続けて2℃/minの速度で30℃まで降温して32h保持する工程を1サイクルとし、各サイクルにおいて30℃から250℃まで昇温する間の吸熱量を10サイクルまで測定した。なお、吸熱量は蓄熱量に相当する。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】

【0032】
1サイクル目に対する2サイクル目の蓄熱量は98%であり、295J/g以上の蓄熱量が安定して得られることが分かった。さらに、体積当たりの蓄熱量は、712J/cm3 以上が得られた。ただし、見掛け比重は2.40を適用した。
【0033】
〔実施例2〕
2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)が95質量部で、PTFE微粒子(平均粒径2.2μm)が5質量部であること以外は、実施例1と同様にしてシートを成形した。そして、実施例1と同様にして、蓄熱量の繰り返し安定性を示差熱分析計を用いて測定した。結果を表1に示す。
1サイクル目に対する2サイクル目の蓄熱量は98%であり、284J/g以上の蓄熱量が安定して得られることが分かった。さらに、体積当たりの蓄熱量は、682J/cm3 以上が得られた。ただし、見掛け比重は2.40を適用した。
【0034】
〔実施例3〕
2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)が80質量部で、PTFE微粒子(平均粒径2.2μm)が20質量部であること以外は、実施例1と同様にしてシートを成形した。そして、実施例1と同様にして、蓄熱量の繰り返し安定性を示差熱分析計を用いて測定した。結果を表1に示す。
1サイクル目に対する2サイクル目の蓄熱量は98%であり、203J/g以上の蓄熱量が安定して得られることが分かった。さらに、体積当たりの蓄熱量は、489J/cm3 以上が得られた。ただし、見掛け比重は2.40を適用した。
【0035】
〔実施例4〕
PTFE微粒子の代わりにPFA微粒子(平均粒径10μm)を用い、K2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)が80質量部で、PFA微粒子が20質量部であること以外は、実施例1と同様にしてシートを成形した。そして、実施例1と同様にして、蓄熱量の繰り返し安定性を示差熱分析計を用いて測定した。結果を表1に示す。
1サイクル目に対する2サイクル目の蓄熱量は98%であり、193J/g以上の蓄熱量が安定して得られることが分かった。さらに、体積当たりの蓄熱量は、462J/cm3 以上が得られた。ただし、見掛け比重は2.40を適用した。実施例3の結果と比較すると、蓄熱量は5%低下した。
【0036】
〔比較例1〕
2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)が75質量部で、PTFE微粒子(平均粒径2.2μm)が25質量部であること以外は、実施例1と同様にしてシートを成形した。そして、実施例1と同様にして、蓄熱量の繰り返し安定性を示差熱分析計を用いて測定した。結果を表1に示す。
1サイクル目に対する2サイクル目の蓄熱量は98%であるが、安定した蓄熱量は125J/g以下であった。さらに、体積当たりの蓄熱量は、300J/cm3 以下であった。ただし、見掛け比重は2.40を適用した。
【0037】
〔実施例5〕
実施例1と同様にして得られたK2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)98質量部と黒鉛1質量部とPTFE微粒子(平均粒径2.2μm)1質量部とを秤量し、乳鉢で混練した。この混練物を、0.05MPaで直径10mm、厚さ1mmのコイン状試験片にプレス成形した。
また、比較対照物として、実施例1と同様にして得られたK2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)99質量部とPTFE微粒子(平均粒径2.2μm)1質量部とを秤量し、前述と同様にしてコイン状試験片を製造した。
両者の熱伝導率をレーザーフラッシュ法で測定した結果、比較対照物が1.9W/m・Kであったのに対し、黒鉛を含有する実施例5は6W/m・Kであり、比較対照物の約3倍であった。
【0038】
次に、蓄熱量の繰り返し安定性について説明する。実施例1と同様にして得られたK2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)98質量部と黒鉛1質量部とPTFE微粒子(平均粒径2.2μm)1質量部とを秤量し、乳鉢で混練した。この混練物を、150℃の高温圧延ロールでシートに成形した。
このようにして成形したシートを4〜5mg秤量し、実施例1と同様にして、蓄熱量の繰り返し安定性を示差熱分析計を用いて測定した。結果を表2に示す。
【0039】
【表2】

【0040】
1サイクル目に対する2サイクル目の蓄熱量は99%であり、297J/g以上の蓄熱量が安定して得られることが分かった。さらに、体積当たりの蓄熱量は、712J/cm3 以上が得られた。ただし、見掛け比重は2.40を適用した。
【0041】
〔実施例6〕
2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)が90質量部で、黒鉛が5質量部で、PTFE微粒子(平均粒径2.2μm)が5質量部であること以外は、実施例5と同様にしてコイン状試験片を成形した。
また、比較対照物として、実施例1と同様にして得られたK2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)95質量部とPTFE微粒子(平均粒径2.2μm)5質量部とを秤量し、前述と同様にしてコイン状試験片を製造した。
両者の熱伝導率をレーザーフラッシュ法で測定した結果、比較対照物が2.1W/m・Kであったのに対し、黒鉛を含有する実施例6は11W/m・Kであり、比較対照物の約5倍であった。
【0042】
蓄熱量の繰り返し安定性については、K2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)が90質量部で、黒鉛が5質量部で、PTFE微粒子(平均粒径2.2μm)が5質量部であること以外は、実施例5と同様にして測定した。結果を表2に示す。
1サイクル目に対する2サイクル目の蓄熱量は99%であり、272J/g以上の蓄熱量が安定して得られることが分かった。さらに、体積当たりの蓄熱量は、653J/cm3 以上が得られた。ただし、見掛け比重は2.40を適用した。
【0043】
〔実施例7〕
2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)が75質量部で、黒鉛が5質量部で、PTFE微粒子(平均粒径2.2μm)が20質量部であること以外は、実施例5と同様にしてコイン状試験片を成形した。
また、比較対照物として、実施例1と同様にして得られたK2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)80質量部とPTFE微粒子(平均粒径2.2μm)20質量部とを秤量し、前述と同様にしてコイン状試験片を製造した。
両者の熱伝導率をレーザーフラッシュ法で測定した結果、比較対照物が2.9W/m・Kであったのに対し、黒鉛を含有する実施例7は15W/m・Kであり、比較対照物の約5倍であった。
【0044】
蓄熱量の繰り返し安定性については、K2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)が75質量部で、黒鉛が5質量部で、PTFE微粒子(平均粒径2.2μm)が5質量部であること以外は、実施例5と同様にして測定した。結果を表2に示す。
1サイクル目に対する2サイクル目の蓄熱量は99%であり、193J/g以上の蓄熱量が安定して得られることが分かった。さらに、体積当たりの蓄熱量は、458J/cm3 以上が得られた。ただし、見掛け比重は2.40を適用した。
【0045】
〔実施例8〕
PTFE微粒子の代わりにPFA微粒子(平均粒径10μm)を用い、K2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)が75質量部で、黒鉛が5質量部で、PFA微粒子が20質量部であること以外は、実施例5と同様にしてコイン状試験片を成形した。
また、比較対照物として、実施例1と同様にして得られたK2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)80質量部とPFA微粒子(平均粒径10μm)20質量部とを秤量し、前述と同様にしてコイン状試験片を製造した。
両者の熱伝導率をレーザーフラッシュ法で測定した結果、比較対照物が2.9W/m・Kであったのに対し、黒鉛を含有する実施例7は16W/m・Kであり、比較対照物の約6倍であった。
【0046】
蓄熱量の繰り返し安定性については、PTFE微粒子の代わりにPFA微粒子(平均粒径10μm)を用い、K2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)が75質量部で、黒鉛が5質量部で、PFA微粒子が20質量部であること以外は、実施例5と同様にして測定した。結果を表2に示す。
1サイクル目に対する2サイクル目の蓄熱量は99%であり、181J/g以上の蓄熱量が安定して得られることが分かった。さらに、体積当たりの蓄熱量は、435J/cm3 以上が得られた。ただし、見掛け比重は2.40を適用した。実施例7の結果と比較すると、蓄熱量は5%低下した。
【0047】
〔比較例2〕
2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)が70質量部で、黒鉛が5質量部で、PTFE微粒子(平均粒径2.2μm)が25質量部であること以外は、実施例5と同様にしてコイン状試験片を製造した。
また、比較対照物として、実施例1と同様にして得られたK2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)75質量部とPTFE微粒子(平均粒径2.2μm)25質量部とを秤量し、前述と同様にしてコイン状試験片を製造した。
両者の熱伝導率をレーザーフラッシュ法で測定した結果、比較対照物が3.0W/m・Kであったのに対し、黒鉛を含有する比較例2は16W/m・Kであり、比較対照物の約3倍であった。
【0048】
蓄熱量の繰り返し安定性については、K2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)が70質量部で、黒鉛が5質量部で、PTFE微粒子(平均粒径2.2μm)が25質量部であること以外は、実施例5と同様にして測定した。結果を表2に示す。
1サイクル目に対する2サイクル目の蓄熱量は99%であるが、安定した蓄熱量は118J/g以下であった。さらに、体積当たりの蓄熱量は、285J/cm3 以上であった。ただし、見掛け比重は2.40を適用した。
【0049】
〔実施例9〕
フッ素樹脂微粒子との混練による二チタン酸カリウムの分解抑制効果を、以下の手法で調査した。
実施例1と同様にして得られたK2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)95質量部とPTFE微粒子(平均粒径2.2μm)5質量部とを秤量し、乳鉢で混練した。この混練物をプレス成形することにより、直径20mm、厚さ約0.5mmのペレットを作製した。
このペレットから切り出した0.1gの試料を、ポリプロピレン製の不織布で作製した袋に入れ、ヒートシールした。この袋を25℃の純水200mlが入ったビーカーに沈め、マグネチックスターラーで激しく攪拌しながら、純水中に溶出するK+ イオン濃度の経時変化をK+ イオンメーターで測定した。
【0050】
また、比較対照物として、実施例1と同様にして得られたK2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)0.095gを秤量して、ポリプロピレン製の不織布で作製した袋に入れヒートシールしたものを用意し、前述と同様にして純水中に溶出するK+ イオン濃度の経時変化をK+ イオンメーターで測定した。
そして、K+ イオン濃度の測定結果を基にして、K2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)から溶出したK量をK溶出率(mol%)として算出した。このK溶出率の経時変化を図1のグラフに示す。
実施例9の試料のK溶出率は、10分後の時点で25mol%であり、PTFE微粒子を混練していない比較対照物と比べると約2/5に抑制されている。20分後の時点ではK溶出率が36%に上昇し、分解が進行しているものの、比較対照物と比べると約3/7に抑制されている。
【0051】
〔実施例10〕
実施例1と同様にして得られたK2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)98質量部と黒鉛1質量部とPTFE微粒子(平均粒径2.2μm)1質量部とを秤量し、乳鉢で混練した。この混練物をプレス成形することにより、直径20mm、厚さ約0.5mmのペレットを作製した。そして、実施例9と同様にして、純水中に溶出するK+ イオン濃度の経時変化を測定した。
また、比較対照物として、実施例1と同様にして得られたK2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)0.098gを秤量して、ポリプロピレン製の不織布で作製した袋に入れヒートシールしたものを用意し、実施例9と同様にして、純水中に溶出するK+ イオン濃度の経時変化を測定した。
【0052】
+ イオン濃度の測定結果を基にして、K2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)から溶出したK量をK溶出率(mol%)として算出した。このK溶出率の経時変化を図1のグラフに示す。
実施例10の試料のK溶出率は、10分後の時点で40mol%であり、PTFE微粒子を混練していない比較対照物と比べると約2/3に抑制されている。20分後の時点ではK溶出率が60%に上昇し、分解が進行しているものの、比較対照物と比べると約5/7に抑制されている。
【0053】
〔実施例11〕
二チタン酸カリウムと黒鉛及びPTFE微粒子との混練による熱回収効率の改善効果を、以下の手法で調査した。
まず、試料について説明する。K2 Ti2 5-x ・nH2 O(n=4.1)を大気中、250℃で2時間加熱することにより作製したK2 Ti2 5-x 90質量部と、PTFE微粒子(平均粒径2.2μm)10質量部と、を混練して得た粉末を試料Aとする。また、試料Aと同様のK2 Ti2 5-x 85質量部と天然黒鉛5質量部とPTFE微粒子(平均粒径2.2μm)10質量部と、を混練して得た粉末を試料Bとする。
【0054】
次に、熱回収効率の改善効果の調査方法について説明する。図2に示す反応器を二組用意した。この反応器は、ステンレス製で内容積が150mlの純水容器2と、ステンレス製で内容積が700mlの蓄熱材料容器7と、断熱材で覆われた内容積が1000mlの断熱容器6と、中間部にバルブ12とバルブ13とが配置され、純水容器2と蓄熱材料容器7とを接続する直径10mmでステンレス製のパイプ5と、を備えている。
【0055】
パイプ5のバルブ12とバルブ13との中間部からはステンレス製のパイプ14が分岐されており、このパイプ14に油回転真空ポンプ11が接続されている。また、パイプ14の途中にもバルブ15が設けられている。
一方の反応器には、純水容器2に純水50mlを入れ、蓄熱材料容器7に試料A254gを入れ、純水容器2と蓄熱材料容器7とをパイプ5で接続した。次に、油回転真空ポンプ11を駆動し、バルブ13を閉じバルブ12、15を開いて純水容器2内を1650Pa以下とし、バルブ12を閉じバルブ13、15を開いて蓄熱材料容器7内を1650Pa以下とした後、バルブ12、13、15を全て閉じた状態とした。
【0056】
他方の反応器には、純水容器2に純水50mlを入れ、蓄熱材料容器7に試料B254gを入れ、純水容器2と蓄熱材料容器7とをパイプ5で接続した。次に、油回転真空ポンプ11を駆動し、バルブ13を閉じバルブ12、15を開いて純水容器2内を1650Pa以下とし、バルブ12を閉じバルブ13、15を開いて蓄熱材料容器7内を1650Pa以下とした後、バルブ12、13、15を全て閉じた状態とした。
【0057】
いずれの反応器も、蓄熱材料容器7を断熱容器6に収容し、断熱容器6内に純水650mlを入れ、外部から熱の流入がないようにパイプ5の接続部まで断熱材で覆った。また、断熱容器6内の純水の温度変化を計測するために温度センサー9を取り付けた。
そして、いずれにおいても、反応器全体を30℃に設定した恒温器4内に設置した。双方の反応器でそれぞれバルブ12とバルブ13とを開き、純水容器2と蓄熱材料容器7とを連通させた後、断熱容器6内の純水の温度変化から5min後及び10min後の回収熱量を算出した。表3に結果を示す。
【0058】
【表3】

【0059】
5min後及び10min後のいずれにおいても、天然黒鉛を混練した試料Bの方が、天然黒鉛を混練しない試料Aよりも回収熱量が多く、蓄熱材料の熱伝導率が向上したことによる効果が現れた。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】純水中に溶出するK+ イオン濃度の経時変化を示すグラフである。
【図2】回収熱量の測定に用いた反応器の構成の説明図である。
【符号の説明】
【0061】
2 純水容器
4 恒温器
5 パイプ
6 断熱容器
7 蓄熱材料容器
9 温度センサー
11 油回転真空ポンプ
12、13、15 バルブ
14 パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式K2 Ti2 5-x ・nH2 O(0≦x≦1 、1.3≦n≦4.1)で表記される二チタン酸カリウム99質量部以下80質量部以上と、フッ素樹脂微粒子1質量部以上20質量部以下と、を混練して調製した粉末又は成形体を主要構成物とすることを特徴とする蓄熱材料。
【請求項2】
一般式K2 Ti2 5-x ・nH2 O(0≦x≦1 、1.3≦n≦4.1)で表記される二チタン酸カリウムと黒鉛とフッ素樹脂微粒子とを混練して調製した粉末又は成形体を主要構成物とし、二チタン酸カリウムと黒鉛との合計の割合が99質量部以下80質量部以上で、フッ素樹脂微粒子の割合が1質量部以上20質量部以下であることを特徴とする蓄熱材料。
【請求項3】
フッ素樹脂微粒子がポリテトラフルオロエチレン微粒子であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蓄熱材料。
【請求項4】
ポリテトラフルオロエチレン微粒子の粒径が3μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の蓄熱材料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−95017(P2008−95017A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−280406(P2006−280406)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000165974)古河機械金属株式会社 (211)
【Fターム(参考)】