説明

蓄電モジュールおよび蓄電装置

【課題】蓄電素子と導電部材との電気的接続の信頼性を向上する。
【解決手段】導電部材150は、ケーシング110内に隣接して配列された一対の蓄電素子140の正・負極に接合部位152において溶融接合される。導電部材150は、屈曲部158の両側の端部157に形成された立ち上がり壁159を有する。立ち上がり壁159により、溶接時の放熱が良好となり、導電部材150の角部が溶融するのを防止することができるので、電気的接続の信頼性を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電素子を備える蓄電モジュールおよび蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電池を直列に連結した電池モジュールを複数本、電池ケース内に収納し、電池ケースに装着された保護電子回路によって電池モジュールの電池を保護するように構成された電源装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の電源装置においては、各電池モジュールの電圧を検出するために、複数の電池モジュール間を連結するバスバーと保護電子回路とをヒューズを介して電圧検出バスバーによって接続している。バスバーは側板に内蔵されている。バスバーと各電池モジュールとは、各電池モジュールの正・負極側に雌ねじ孔を有する正・負極端子を接続し、側板の開口窓から入れる止ビスで連結することで接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−223160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置では、各電池モジュールの正・負極側に雌ねじ孔を有する正・負極端子を接続する構造であるため、部品点数が多く、作業の工程数も多い。また、止ビスによるバスバーと正・負極端子の連結では、振動や衝撃により止ビスが緩む可能性が高く、接触不良により抵抗値が増大したり、電気的接続が断たれたりする可能性があり、電気的接続の信頼性に課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による蓄電モジュールは、複数の蓄電素子と少なくとも複数の蓄電素子を両側から挟みこんで支持する一対の樹脂製の側板を有し、複数の蓄電素子を収納する筐体と、複数の蓄電素子を電気的に接続するための複数の導電部材とを備え、複数の蓄電素子と複数の導電部材とは溶融接合され、複数の導電部材は、溶融接合の放熱用の壁部を有することを特徴とする。
本発明による蓄電装置は、請求項1に記載の蓄電モジュールと、複数の導電部材の位置に対応する複数の検出線を有するように成形されており、複数の検出線間の距離は、蓄電モジュールの電圧によって規定される絶縁沿面距離に対し2〜2.5倍に設定されている電圧検出導体と、電圧検出導体と接続されて複数の蓄電素子の電圧を検出し、複数の蓄電素子の蓄電量を制御する制御装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数の蓄電素子と複数の導電部材とは溶融接合されるので、部品点数が削減でき、作業性を向上することできる。また、導電部材は溶融接合の放熱用の壁部を有するので、導電部材が溶融する際に放熱を効率的に逃がすことができ、電池モジュールの電気的接続の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施の形態による蓄電装置が用いられた車載電機システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施の形態によるリチウムイオンバッテリ装置全体の外観構成を示す斜視図。
【図3】図2に示すリチウムイオンバッテリ装置を冷却媒体入口側から観た斜視図。
【図4】一実施の形態によるリチウムイオンバッテリ装置を構成する電池モジュールの一つの電池ブロック全体の外観構成を示す斜視図。
【図5】図4に示す電池ブロックの分解斜視図。
【図6】電圧検出導体の構成を示す図。
【図7】電圧検出導体を側板に組み込んだ状態を示す図。
【図8】側板に導電部材を装着した状態を示す電池ブロックの斜視図。
【図9】導電部材の詳細を示す斜視図。
【図10】(a)導電部材とリチウムイオン電池セルとの接合部の構成を示す図、(b)図10(a)のA−A断面図、(c)図10(a)のB−B断面図。
【図11】リチウムイオンバッテリ装置の製造手順を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施の形態による蓄電モジュールおよび蓄電装置について図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
以下では、一実施の形態による蓄電モジュールを、電動車両、特に電気自動車の車載電源装置を構成する蓄電装置に適用した場合を例として説明する。電気自動車は、内燃機関であるエンジンと電動機とを車両の駆動源として備えたハイブリッド電気自動車、および電動機を車両の唯一の駆動源とする純正電気自動車等を含む。
【0010】
まず、図1を用いて、一実施の形態による蓄電モジュールを含む車載電機システム(電動機駆動システム)の構成について説明する。
【0011】
車載電機システムは、モータジェネレータ10、インバータ装置20、車両全体を制御する車両コントローラ30、および車載電源装置を構成する蓄電装置1000等を備える。蓄電装置1000は、複数の蓄電素子140を備えており、例えば、複数のリチウムイオン電池セルを備えたリチウムイオンバッテリ装置として構成される。
【0012】
モータジェネレータ10は、三相交流同期機である。モータジェネレータ10は、車両の力行時及び内燃機関であるエンジンを始動する時など、回転動力が必要な運転モードでは、モータ駆動し、発生した回転動力を車輪及びエンジンなどの被駆動体に供給する。この場合、車載電機システムは、モータジェネレータ10に、リチウムイオンバッテリ装置1000から電力変換装置であるインバータ装置20を介して、直流電力を三相交流電力に変換して供給する。
【0013】
また、モータジェネレータ10は、車両の減速時や制動時などの回生時及びリチウムイオンバッテリ装置1000の充電が必要な時など、発電が必要な運転モードでは、車輪或いはエンジンからの駆動力によって駆動し、ジェネレータとして三相交流電力を発生させる。この場合、車載電機システムは、モータジェネレータ10からの三相交流電力をインバータ装置20を介して直流電力に変換し、リチウムイオンバッテリ装置1000に供給する。これにより、リチウムイオンバッテリ装置1000には電力が蓄積される。
【0014】
インバータ装置20は、前述した電力変換、すなわち直流電力から三相交流電力への変換、及び三相交流電力から直流電力への変換をスイッチング半導体素子の作動(オン・オフ)によって制御する電子回路装置である。インバータ装置20は、パワーモジュール21、ドライバ回路22、モータコントローラ23を備えている。
【0015】
パワーモジュール21は、6つのスイッチング半導体素子を備え、この6つのスイッチング半導体素子のスイッチング動作(オン・オフ)によって、前述した電力変換を行う電力変換回路である。
【0016】
パワーモジュール21において、直流正極側モジュール端子は直流正極側外部端子に、直流負極側モジュール端子は直流負極側外部端子にそれぞれ電気的に接続されている。直流正極側外部端子及び直流負極側外部端子は、リチウムイオンバッテリ装置1000との間において直流電力を授受するための電源側端子であり、リチウムイオンバッテリ装置1000から延びる電源ケーブル610,620が電気的に接続されている。交流側モジュール端子は交流側外部端子に電気的に接続されている。交流側外部端子は、モータジェネレータ10との間において三相交流電力を授受するための負荷側端子であり、モータジェネレータ10から延びる負荷ケーブルが電気的に接続されている。
【0017】
モータコントローラ23は、電力変換回路を構成する6つのスイッチング半導体素子のスイッチング動作を制御するための電子回路装置である。モータコントローラ23は、上位制御装置、例えば車両全体を制御する車両コントローラ30から出力されたトルク指令に基づいて、6つのスイッチング半導体素子に対するスイッチング動作指令信号(例えばPWM(パルス幅変調)信号を生成する。この生成された指令信号はドライバ回路22に出力される。
【0018】
リチウムイオンバッテリ装置1000は、電気エネルギーを蓄積及び放出(直流電力を充放電)するための電池モジュール(蓄電モジュール)100、及び電池モジュール100の状態を管理及び制御するための制御装置900(図2参照)を備えている。
【0019】
電池モジュール100は二つの電池ブロック(或いは電池パック)、すなわち電気的に直列に接続される高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bから構成されている。各電池ブロックには組電池が収納されている。各組電池は、複数のリチウムイオン電池セルを電気的に直列に接続した接続体から構成されている。各電池ブロックの構成については後述する。
【0020】
高電位側電池ブロック100aの負極側(低電位側)と低電位側電池ブロック100bの正極側(高電位側)との間にはSD(サービスディスコネクト)スイッチ700が設けられている。SDスイッチ700はリチウムイオンバッテリ装置1000の保守、点検の時の安全性を確保するために設けられた安全装置であり、スイッチとヒューズとを電気的に直列に接続した電気回路から構成され、サービスマンによって保守、点検時に操作される。
【0021】
制御装置900(図2参照)は、上位(親)に相当するバッテリコントローラ300及び下位(子)に相当するセルコントローラ200から構成されている。
【0022】
バッテリコントローラ300は、リチウムイオンバッテリ装置1000の状態を管理及び制御すると共に、上位制御装置である車両コントローラ30やモータコントローラ23にリチウムイオンバッテリ装置1000の状態や許容充放電電力などの充放電制御指令を通知する。リチウムイオンバッテリ装置1000の状態の管理及び制御には、リチウムイオンバッテリ装置1000の電圧及び電流の計測、リチウムイオンバッテリ装置1000の蓄電状態(SOC:State Of Charge)及び劣化状態(SOH:State Of Health)などの演算、各電池ブロックの温度の計測、セルコントローラ200に対する指令(例えば各リチウムイオン電池セルの電圧を計測するための指令、各リチウムイオン電池セルの蓄電量を調整するための指令など)の出力などがある。
【0023】
セルコントローラ200は、バッテリコントローラ300からの指令によって複数のリチウムイオン電池セルの状態の管理及び制御を行う、いわゆるバッテリコントローラ300の手足であり、複数の集積回路(IC)によって構成されている。複数のリチウムイオン電池セルの状態の管理及び制御には、各リチウムイオン電池セルの電圧の計測、各リチウムイオン電池セルの蓄電量の調整などがある。各集積回路は、対応する複数のリチウムイオン電池セルが決められており、対応する複数のリチウムイオン電池セルに対して状態の管理及び制御を行う。
【0024】
セルコントローラ200を構成する集積回路の電源には、対応する複数のリチウムイオン電池セルを用いている。このため、セルコントローラ200と電池モジュール100の両者は接続線800を介して電気的に接続されている。各集積回路には、対応する複数のリチウムイオン電池セルの最高電位の電圧が接続線800を介して印加されている。
【0025】
高電位側電池ブロック100aの正極端子とインバータ装置20の直流正極側外部端子との両者は正極側電源ケーブル610を介して電気的に接続されている。低電位側電池ブロック100bの負極端子とインバータ装置20の直流負極側外部端子との間は負極側電源ケーブル620を介して電気的に接続されている。
【0026】
電源ケーブル610、620の途中にはジャンクションボックス400、負極側メインリレー412が設けられている。ジャンクションボックス400の内部には、正極側メインリレー411及びプリチャージ回路420から構成されたリレー機構が収納されている。リレー機構は、電池モジュール100とインバータ装置20との間を電気的に導通及び遮断するための開閉部であり、車載電機システムの起動時には電池モジュール100とインバータ装置20との間を導通し、車載電機システムの停止時及び異常時には電池モジュール100とインバータ装置20との間を遮断する。このように、リチウムイオンバッテリ装置1000とインバータ装置20との間をリレー機構によって制御することにより、車載電機システムの高い安全性を確保できる。
【0027】
リレー機構の駆動はモータコントローラ23により制御される。モータコントローラ23は、車載電機システムの起動時には、リチウムイオンバッテリ装置1000の起動完了の通知をバッテリコントローラ300から受けることにより、リレー機構に対して導通の指令信号を出力してリレー機構を駆動させる。また、モータコントローラ23は、車載電機システムの停止時にはイグニションキースイッチからオフの出力信号を受けることにより、また、車載電機システムの異常時には車両コントローラからの異常信号を受けることにより、リレー機構に対して遮断の指令信号を出力してリレー機構を駆動させる。
【0028】
メインリレーは正極側メインリレー411及び負極側メインリレー412から構成されている。正極側メインリレー411は正極側電源ケーブル610の途中に設けられ、リチウムイオンバッテリ装置1000の正極側とインバータ装置20の正極側との間の電気的な接続を制御する。負極側メインリレー412は負極側電源ケーブル620の途中に設けられ、リチウムイオンバッテリ装置1000の負極側とインバータ装置20の負極側との間の電気的な接続を制御する。
【0029】
プリチャージ回路420は、プリチャージリレー421及び抵抗422を電気的に直列に接続した直列回路であり、正極側メインリレー411に電気的に並列に接続されている。
【0030】
車載電機システムの起動時にあたっては、まず、負極側メインリレー412が投入され、この後に、プリチャージリレー421が投入される。これにより、リチウムイオンバッテリ装置1000から供給された電流が抵抗422によって制限された後、インバータ搭載の平滑コンデンサに供給されて充電される。平滑コンデンサが所定の電圧まで充電された後、正極側メインリレー411が投入され、プリチャージリレー421が開放される。これにより、リチウムイオンバッテリ装置1000から正極側メインリレー411を介してインバータ装置20に主電流が供給される。
【0031】
また、ジャンクションボックス400の内部には電流センサ430が収納されている。電流センサ430は、リチウムイオンバッテリ装置1000からインバータ装置20に供給される電流を検出するために設けられたものである。電流センサ430の出力線はバッテリコントローラ300に電気的に接続されている。バッテリコントローラ300は、電流センサ430から出力された信号に基づいて、リチウムイオンバッテリ装置1000からインバータ装置20に供給された電流を検出する。この電流検出情報は、バッテリコントローラ300からモータコントローラ23や車両コントローラ30などに通知される。電流センサ430はジャンクションボックス400の外部に設置しても構わない。リチウムイオンバッテリ装置1000の電流の検出部位は、正極側メインリレー411のインバータ装置20側のみらならず、正極側メインリレー411の電池モジュール100側であってもよい。
【0032】
なお、ジャンクションボックス400の内部にはリチウムイオンバッテリ装置1000の電圧を検出するための電圧センサを収納してもよい。電圧センサの出力線は電流センサ430と同様にバッテリコントローラ300に電気的に接続される。バッテリコントローラ300は、電圧センサの出力信号に基づいてリチウムイオンバッテリ装置1000の全体の電圧を検出する。この電圧検出情報はモータコントローラ23や車両コントローラ30に通知される。リチウムイオンバッテリ装置1000の電圧の検出部位は、リレー機構の電池モジュール100側或いはインバータ装置20側のどちらでもよい。
【0033】
次に、図2〜図10を用いて、リチウムイオンバッテリ装置1000の構成について説明する。図2,3に、リチウムイオンバッテリ装置1000の全体構成を表す斜視図を示す。図4にリチウムイオンバッテリ装置1000を構成する電池ブロックの斜視図を示し、図5に、図4に示す電池ブロックの分解斜視図を示す。
【0034】
リチウムイオンバッテリ装置1000は大きく分けて、電池モジュール100及び制御装置900の二つのユニットから構成されている。まず、電池モジュール100の構成について説明する。
【0035】
上述したように、電池モジュール100は、高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bから構成され、二つの電池ブロック100a,100bは、電気的に直列に接続されている。なお、高電位側電池ブロック100aと低電位側電池ブロック100bは、全く同じ構成を有している。このため、図4,5には、高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bを代表して、高電位側電池ブロック100aのみを示し、低電位側電池ブロック100bの詳細な構成については説明を省略する。
【0036】
図2に示すように、高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bは、各ブロックの長手方向同士が平行となるように互いに隣接して並列に配置される。高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bは、モジュールベース101上に並置され、ボルトなどの固定手段により固定されている。モジュールベース101は、短手方向に三分割された剛性のある薄肉の金属板(例えば鉄板)により構成され、車両に固定されている。すなわち、モジュールベース101は、短手方向の両端部と中央部に配置された3つの部材から構成されている。このような構成により、モジュールベース101の面を各電池ブロック100a,100bの下面と面一にでき、電池モジュール100の高さ方向の寸法をさらに低減することができる。
【0037】
高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bの上部は、後述する制御装置900の筐体910によって固定されている。
【0038】
図5に示すように、高電位側電池ブロック100aは大きく分けて、ケーシング110(筐体、ハウジング或いはパッケージと呼ぶ場合もある)及び組電池120から構成されている。組電池120はケーシング110の内部に収納されて保持されている。
【0039】
ケーシング110は、略六面体状のブロック筐体を構成している。具体的には、入口流路形成板111、出口流路形成板118、入口側案内板112、出口側案内板113、及びサイドプレートと呼ばれる二つの側板130,131の六つの部材の結合体から構成されている。ケーシング110の内部空間は、組電池120が収納される収納室として機能するとともに、組電池120を冷却するための冷却媒体(冷却空気)が流通する冷却通路として機能する。
【0040】
なお、以下の説明において、ケーシング110の長さが最も長い方向、および、冷却媒体入口114側から冷却媒体出口115側に至る方向を、長手方向と定義する。また、ケーシング110の長手方向に対向する二つの側面(入口側案内板112及び出口側案内板113)とは異なる二つの側面(二つの側板130,131)が対向する方向、リチウムイオン電池セル(蓄電素子)140の中心軸方向(正極端子及び負極端子の二つの電極が対向する方向)、および二つのリチウムイオン電池セル140を電気的に接続する導電部材150と二つのリチウムイオン電池セル140とが対向する方向を、短手方向と定義する。さらに、入口流路形成板111と出口流路形成板118とが対向する方向を、電池モジュール100の設置方向に関係なく高さ方向と定義する。
【0041】
入口流路形成板111はケーシング110の上面を形成する長方形状の平板である。出口流路形成板118はケーシング110の底面を形成する平板である。入口流路形成板111及び出口流路形成板118は互いに長手方向にずれている。このため、入口流路形成板111及び出口流路形成板118は互いの長手方向端部の位置が長手方向にずれている。入口流路形成板111及び出口流路形成板118は、剛性のある薄肉の金属板から構成されている。
【0042】
入口側案内板112は、ケーシング110の長手方向に対向する側面の一方側を形成する板状部材である。出口側案内板113は、ケーシング110の長手方向に対向する側面の他方側を形成する板状部材である。入口側案内板112及び出口側案内板113は、剛性のある薄肉の金属板から構成されている。
【0043】
入口流路形成板111と入口側案内板112との間には、冷却媒体である冷却空気のケーシング110内部への導入口を構成する冷却媒体入口114が形成されている。冷却媒体入口114には、冷却空気を冷却媒体入口114まで導くための冷却媒体入口ダクト116が設けられている。上述したように、入口流路形成板111と出口流路形成板118とは互いにずれて配置されており、ケーシング110の入口側端部はステップ状に形成されている。このため、長手方向において冷却媒体入口114と入口側案内板112との間に空間が形成される。この空間には、後述するガス排出管139が収納される。図3に示すように、入口側案内板112は、ガス排出管139の後方に配置される。このような構成により、電池モジュール1000の長手方向の寸法を短縮することができる。出口流路形成板118と出口側案内板113との間には、冷却空気のケーシング110内部からの導出口を構成する冷却媒体出口115が形成されている。冷却媒体出口115には、冷却空気を冷却媒体出口115から外部に導くための冷却媒体出口ダクト117が設けられている。
【0044】
冷却媒体入口114及び冷却媒体出口115は高さ方向(入口流路形成板111と出口流路形成板118との対向方向)に位置がずれている。すなわち冷却媒体入口114は入口流路形成板111側に位置し、冷却媒体出口115は出口流路形成板118側に位置している。
【0045】
電池ブロックの組立性を考慮して、入口流路形成板111、出口側案内板113、冷却媒体入口114及び冷却媒体入口ダクト116が一体に形成されるとともに、出口流路形成板118、入口側案内板112、冷却媒体出口115及び冷却媒体出口ダクト117が一体に形成されている。
【0046】
入口流路形成板111、出口流路形成板118、入口側案内板112、出口側案内板113、冷却媒体入口114及び冷却媒体出口115と、側板130,131との結合はネジ或いはボルト若しくはリベットなどの固定手段により行われる。それらの結合部位の結合部材間には、ケーシング110の内部の気密性を高め、冷却媒体入口114からケーシング110の内部に導入された冷却媒体が外部に漏れずに冷却媒体出口115から排出されるように、シール部材(図示省略)が設けられている。
【0047】
側板130,131は、ケーシング110の短手方向に対向する二つの側面を形成する平板状部材であり、電気的な絶縁性を有するPBTなどの樹脂からなる成型体である。側板130,131の肉厚は入口流路形成板111、出口流路形成板118、入口側案内板112及び出口側案内板113の肉厚よりも厚い。側板130,131の詳細な構成については、後述する。
【0048】
側板130,131の外側、すなわち組電池120の収納室と反対側には、サイドカバーと呼ばれる覆い部材160が設けられている。図5には、側板130の外側の覆い部材160のみが図示されているが、側板131の外側にも覆い部材160が設置される。覆い部材160は、ボルト或いはリベットなどの固定手段161によって側板130に固定されている。
【0049】
覆い板160は、鉄或いはアルミニウムなどの金属板をプレス加工した平板、又はPBTなどの樹脂を成型して形成した平板であり、側板130の平面形状とほぼ同じ形状に構成されている。覆い板160は、後述する側板160の貫通孔132に対応する部位を含む領域が側板130とは反対側に一様に膨らんでいる。これにより、覆い板160と側板130との間には空間が形成される。この空間は、リチウムイオン電池セル140から噴出したミスト状のガスが、冷却通路を流通する冷却媒体とは分離して放出されるガス放出室(あるいはガス放出通路)として機能する。
【0050】
組電池120は複数のリチウムイオン電池セル140の集合体(リチウムイオン電池セル群)である。複数のリチウムイオン電池セル140は、ケーシング110の内部に形成された収納室に整列して収納されていると共に、短手方向から側板130,131により挟持され、バスバーと呼ばれる複数の導電部材150との接合によって電気的に直列に接続されている。
【0051】
リチウムイオン電池セル140は、円柱形状の構造体であり、電解液が注入された電池ケースの内部に電池素子および安全弁等の構成部品が収納されて構成されている。正極側の安全弁は、過充電などの異常によって電池ケースの内部の圧力が所定の圧力になったときに開裂する開裂弁である。安全弁は、開裂によって電池蓋と電池素子の正極側との電気的な接続を遮断するヒューズ機構として機能するとともに、電池ケースの内部に発生したガス、すなわち電解液を含むミスト状の炭酸系ガス(噴出物)を電池ケースの外部に噴出させる減圧機構として機能する。
【0052】
電池ケースの負極側にも開裂溝が設けられており、過充電などの異常によって電池ケースの内部の圧力が所定の圧力になったときに開裂する。これにより、電池ケースの内部に発生したガスを負極端子側からも噴出させることができる。リチウムイオン電池セル140の公称出力電圧は3.0〜4.2ボルト、平均公称出力電圧は3.6ボルトである。
【0053】
一実施の形態においては、円筒形のリチウムイオン電池セル140を16本、ケーシング110の内部に整列配置することにより組電池120を構成している。具体的には、リチウムイオン電池セル140の中心軸が短手方向に沿って延在するように横倒しした状態で、8本のリチウムイオン電池セル140を並列に配置して第1電池セル列121を構成する。また、第1電池セル列121と同様に8本のリチウムイオン電池セル140を配置して第2電池セル列122を構成する。組電池120は、第1電池セル列121と第2電池セル列122を高さ方向に積層(段積み或いは俵積み)することによって構成される。すなわち、組電池120は、リチウムイオン電池セル140を長手方向に8列、高さ方向に二段或いは二層並べて構成される。
【0054】
第1電池セル列121及び第2電池セル列122は互いに長手方向にずれている。すなわち第1電池セル列121は、第2電池セル列122よりも入口流路形成板111側であって、冷却媒体入口114側にずれて配置されている。一方、第2電池セル列122は、第1電池セル列121よりも出口流路形成板側であって、冷却媒体出口115側にずれて配置されている。図5に示すように、一実施の形態では、例えば第1電池セル列121の最も冷却媒体出口115側に位置するリチウムイオン電池セル140の中心軸の長手方向の位置が、第2電池セル列122の最も冷却媒体出口115側に位置するリチウムイオン電池セル140の中心軸と、それに隣接するリチウムイオン電池セル140の中心軸との間の中間位置になるように、第1電池セル列121及び第2電池セル列122が長手方向にずれて配置されている。
【0055】
第1電池セル列121を構成するリチウムイオン電池セル140は端子の向きが交互に逆向きになるように並置されている。第2電池セル列122を構成するリチウムイオン電池セル140も同様に、端子の向きが交互に逆向きになるように並置されている。ただし、第1電池セル列121を構成するリチウムイオン電池セル140の端子の冷却媒体入口114側から冷却媒体出口115側への並び順は、第2電池セル列122を構成するリチウムイオン電池セル140の端子の並び順と異なる。すなわち、第1電池セル列121は、側板130側に面するリチウムイオン電池セル140の端子が、冷却媒体入口114側から冷却媒体出口115側に向かって負極端子、正極端子、負極端子、…、正極端子の順に配置されている。一方、第2電池セル列122は、側板130側に面するリチウムイオン電池セル140の端子が、冷却媒体入口114側から冷却媒体出口115側に向かって正極端子、負極端子、正極端子、…、負極端子の順に配置されている。
【0056】
このように、第1電池セル列121と第2電池セル列122とを長手方向にずらして配置することにより、組電池120の高さ方向の寸法を低くでき、高電位側電池ブロック110aを高さ方向に小型化することができる。
【0057】
次に、組電池120を両側から挟持する側板130,131の構成について詳細に説明する。ここでは、簡単のため、一方の側板130の構成のみを説明するが、他方の側板131も基本的には側板130と同様に構成されている。
【0058】
ただし、組電池120の正極側に電気的に接続された電池モジュール側接続端子180、及び組電池120の負極側に電気的に接続された電池モジュール側接続端子181は、側板130のみに設けられている。接続端子180,181は、側板130の上面、すなわち入口流路形成板111側の面に長手方向に並んで設けられている。接続端子180,181には、電池モジュール100とは別にサブアセンブリ185として形成された直流正極側入出力端子183および負極側入出力端子184がそれぞれ接続される。高電位側電池ブロック110aの正極側入出力端子183には正極側電源ケーブル610の端子が接続され、負極側入出力端子184には、SDスイッチ700の一端側に電気的に接続されたケーブルの端子が接続される(図1参照)。低電位側電池ブロック110bの正極側入出力端子183には、SDスイッチ700の他端側に電気的に接続されたケーブルの端子が接続される。低電位側電池ブロック110bの負極側入出力端子184には負極側電源ケーブル620の端子が接続される。なお、図2において、高電位側電池ブロック100aのサブアセンブリ185は端子カバーで覆われた状態を示し、低電位側電池ブロック100bのサブアセンブリ185は端子カバーを取り外した状態を示している。
【0059】
側板130は、図5に示すように、略長方形の平板形状に形成されている。側板130には、短手方向に貫通する16個の円形の貫通孔132が形成されている。16個の貫通孔132は、前述のように配列された16本のリチウムイオン電池セル140の電極位置に対応して開口するように、16本のリチウムイオン電池セル140の配置に合わせて設けられている。したがって、組電池120がケーシング110内に収納されると、側板130の16個の貫通孔132は、16本のリチウムイオン電池セル140一端側の端子面で塞がれ、側板131側の16個の貫通孔132は、16本のリチウムイオン電池セル140の他端側の端子面で塞がれる。
【0060】
側板130において、組電池120の収納室を形成する内壁面とは反対側の外壁面170には、貫通孔132の周囲を部分的に取り囲むように突起部(周壁部)133が形成されている。なお、図5においては、側板130,131に設けられた貫通孔132の周囲のみを取り囲むように周壁部133が設けられている様子が示されているが、図8および図9に示すように、実際には周壁部133が導電部材150全体を取り囲むように構成されている。周壁部133は、貫通孔132の周囲を取り囲むとともに、導電部材150の中央部156に沿って2つの貫通孔132の間にも延在している。ただし、貫通孔132の周囲において、後述する電圧検出導体805の先端部800aが配置される位置付近には周壁部133が設けられていない。
【0061】
外壁面170にはさらに、貫通孔132同士の間に、リチウムイオン電池セル140と接続される導電部材150を配置するための複数の固定ガイド130aが形成されている。周壁部133および固定ガイド130aは、それぞれ外壁面170から突出し、覆い部材160と導電部材150との接触を防止するように構成されている。なお、側板130,131からの周壁部133の高さは、側板130,131からの固定ガイド130aの高さ以上であることが好ましい。これにより、覆い部材160が例えば鉄等の金属製の平板から構成されている場合に、覆い部材160が外力を受けて変形した場合でも、最初に周壁部133に接触することになり、覆い部材160と導電部材150との間の短絡を確実に防止することができる。
【0062】
側板130には、側板130と覆い部材160との間のガス放出室に放出されたガス(電解液などを含む液体と気体とが混じったガス)を高電位側電池ブロック100aの外部に排出するためのガス排出通路138が設けられている。ガス排出通路138の開口部は、ガスに含まれる電解液などを液体の排出を考慮して側板130の下部に形成されている。具体的には、側板130の冷却媒体入口114側、かつ出口流路形成板118側の側板130に形成されている。ガス排出通路138の先端部分は管状に形成されており、ガス排出通路138から排出されたガスを外部に導くためのガス排出管139(図3参照)が接続されている。
【0063】
側板130の上面、すなわち入口流路形成板111側の面には、2つの接続端子810が長手方向に並んで設けられている。接続端子810は、側板130と同じ成形材料によって側板130に一体に成形され、側板130の上面において冷却媒体入口114側に配置されている。各接続端子810は、電流遮断部811を備えており、制御装置900の電圧検出用コネクタ912から延びる配線(接続線)800と、後述する電圧検出導体805とを電流遮断部811を介して電気的に接続している。電圧検出用コネクタ912は、制御装置900の短手方向両端部にそれぞれ設置されている。高電位側電池ブロック100aに設けられた接続端子810に接続された接続線800は、高電位側電池ブロック100aの上方に配置された制御装置900のコネクタ912に接続される。一方、低電位側電池ブロック100bに設けられた接続端子810に接続された接続線800は、低電位側電池ブロック100bの上方に配置された制御装置900のコネクタ912に接続される。接続線800の長さは、配線ミスを防止するために、各接続端子810と対応するコネクタ912までの距離に相当するように設定されている。例えば、高電位側電池ブロック100aの接続端子810に接続された接続線800は、低電位側電池ブロック100b用のコネクタ912まで到達しないような短さに設定されている。電流遮断部811は、ヒューズワイヤを備え、制御回路900や配線800の異常時に溶断して組電池120からの電流を遮断し、製品を保護する機能を有している。
【0064】
電圧検出導体805は、組電池120を構成する複数のリチウムイオン電池セル140についてそれぞれ電圧を検出するために、リチウムイオン電池セル140を直列に接続する導電部材150に接続されている。電圧検出導体805は側板130と一体化して、具体的には側板130に埋め込まれている。図6に、電圧検出導体805の形状の一例を示し、図7に、図6に示す電圧検出導体805を側板130に埋め込んだ状態を示す。
【0065】
電圧検出導体805は、例えば銅などの金属製の薄板をプレス加工等により成形することにより、図6に示すように、細長い平角線状の検出線806を形成している。電圧検出導体805は、検出線806が側板130に形成された複数の貫通孔132から突出しないように延在し、検出線806の先端部800aが所定の貫通孔132から露出するように構成されている。先端部800aは、組電池120の収納室に対して外側に折り曲げられており、導電部材150と接続される。電圧検出導体805の先端部800aと反対の他端部は、電流遮断部811を介して接続端子810と電気的に接続されている。
【0066】
電圧検出導体805の形状は、側板130を小型化して電池モジュール100全体を小型化するように、側板130の利用可能なスペースを効率的に利用するように設計されている。また、複数のリチウムイオン電池セル140は、導電部材150を介して直列に接続されているため、電圧検出導体805が接続される複数の導電部材150の間で電位差が発生することとなる。そこで、電圧検出導体805は、隣接する検出線806間の電位差ができるだけ小さくなるように検出線806の配置が決定されている。なお、電圧検出導体805の構成は図6に示す構成には限定されず、仕様等によって変えても構わない。
【0067】
電圧検出導体805は、プレス加工等により所定の形状に成形された後、例えば側板130と同様の樹脂からなる樹脂部807によって形状が固定される。具体的には、樹脂部807によって、複数の検出線806をそれぞれ分離した状態にするとともに、各検出線806の形状を保つように固定する。図6に示す電圧検出導体805は、樹脂部807によって複数の部位で検出線806を固定した2つのサブユニットから構成されている。
【0068】
図6に示すように樹脂部807によって固定された電圧検出導体805は、例えば側板130を構成する樹脂によるインサートモールド成形により側板130と一体化して形成される。検出線806同士はそれぞれ分離して固定されているので、電圧検出導体805が側板130と一体化されると、検出線806の短絡は実質的に発生しない。なお、電圧検出導体805において、検出線806同士の間の短絡を防止するためには、検出線806間の距離dについて絶縁沿面距離を確保する必要がある。絶縁沿面距離は、国際規格に従ってシステムの使用環境と電圧によって決定される。
【0069】
しかし、本実施の形態では、本実施の形態による蓄電モジュールを含むシステムが使用される環境の汚染度を考慮して、検出線806同士の短絡に対する更なる信頼性の向上のために検出線806間の距離dを絶縁沿面距離よりも大きくしている。距離dは大きければ大きいほど汚染度の高い環境に対して有効であるが、側板130の利用可能なスペースは限られている。そこで、本実施の形態では、短絡防止と側板130のスペースとを考慮して、検出線806間の距離dを、本システムで必要とされる絶縁沿面距離の2〜2.5倍としている。これにより、信頼性の高い側板130を提供することが可能となる。
【0070】
図8に、高電位側電池ブロック100aの部分斜視図を示し、導電部材150を側板130に取り付けてリチウムイオン電池セル140と接続した状態を示す。導電部材150は、リチウムイオン電池セル140の間を電気的に接続する金属製、例えば銅製の板状部材であり、側板130とは別体に構成されている。ただし、図5に示すように、接続端子180と一体に形成された導電部材150a及び接続端子181と一体形成された導電部材150bは、側板130と一体化して形成されている。
【0071】
導電部材150は、帯状に延在する中央部156と、中央部156の両端側に位置する端部157とから構成される。中央部156と端部157とは、それぞれ屈曲部158を介して連続している。すなわち、導電部材150は、折り曲げられてステップ状に形成されている。導電部材150の各端部157には、貫通孔151、リチウムイオン電池セル140の端子面との2つの接合部位152、および電圧検出導体805の先端部800aと接続される溶接部位154が形成されている。貫通孔151は、上述したようにリチウムイオン電池セル140からガスが噴出した場合に、噴出したガスが通るように設けられている。導電部材150の中央部156には、側板130に設けられた固定ガイド130aを挿入するための2つの貫通孔155が形成されている。本実施の形態において貫通孔151は、楕円形に形成されているが、円形でもよい。
【0072】
導電部材150は、中央部156の2つの貫通孔155が、側板130に設けられた2つの固定ガイド130aに嵌合するように側板130に装着される。導電部材150が側板130に装着されると、導電部材150の両端部157は、貫通孔132に入り込んだ状態となり、リチウムイオン電池セル140の端子面と当接する。また、導電部材150の溶接部位154は、側板130に形成された貫通孔132から露出した電圧検出導体805の先端部800aと当接する。なお、リチウムイオン電池セル140の接続構造上、図7に示すように、一部の貫通孔132からは先端部800aが露出していない。
【0073】
図9は、導電部材150の詳細を示す斜視図であり、導電部材150を側板130に取り付けた状態を示している。図10(a)に、導電部材150とリチウムイオン電池セル140との接合部の構成を示す。図10(b)は、図10(a)のA−A断面図、図10(c)は、図10(a)のB−B断面図を示す。
【0074】
導電部材150は、両端部157に設けられた接合部位152を介してリチウムイオン電池セル140に溶融接合される。具体的には、溶接トーチを接合部位152に位置決めして接合部位152とリチウムイオン電池セル140とをアーク溶接により接合する。アーク溶接は、例えばTIG溶接、ガスシールドアーク溶接等を含む。アーク溶接は高熱で母材および溶加材を溶融させて接合させるものであり、溶接時には超高熱を発生する。そのため、溶接条件を厳しくすると接合部位152に近接する貫通孔151や端部157に存在する角状の部分等が溶接時の熱により溶けてしまうことがある。端部157の角部が溶けてしまうと、リチウムイオン電池セル140と接合される端部157の溶融面積が小さくなることになり、導電部材150とリチウムイオン電池セル140との良好な接合が得られなくなってしまう。また、上述したように、貫通孔151はリチウムイオン電池セル140からガスが噴出した場合にガスの排出孔として機能するため、端部157が溶けて開口が閉じてしまうことをさける必要がる。
【0075】
そこで、本実施の形態においては、図9に示すように、導電部材150の各端部157に立ち上がり部(壁部)159が設けられている。立ち上がり部159は、接合部位152とリチウムイオン電池セル140とを溶融接合する際に、溶接時の熱を十分に逃がすという機能を有している。さらに、溶接時に発生する熱の影響を受けにくくするために、貫通孔151を接合部位152からできる限り遠ざけるように構成している。具体的には、貫通孔151を楕円形としている。楕円形の貫通孔151は、一方の端部157に設けられた2つの接合部位152の中間地点に配置されている。このように、導電部材150の各端部157に立ち上がり部159を設けるとともに貫通孔151を楕円形に構成し、溶接時に効率的な放熱を行いつつ貫通孔151が溶けてしまうことを防止することにより、部品等のばらつきを考慮して余裕をもった溶接条件の許容範囲を設定することができる。
【0076】
上述したように、本実施の形態において、導電部材150には4つの接合部位152が設けられている。したがって、1つのリチウムイオン電池セル140に対して2つの接合部位152が設けられていることになる。導電部材150とリチウムイオン電池セル140との接合点の数は、電池モジュールの仕様等によって異なる。接合部位152は、リチウムイオン電池セル140に向かって突出した円形の凸部として構成されている。円形の接合部位152は、溶接時のリチウムイオン電池セル140との溶接起点として機能する。接合部位152の直径は、溶接設備のトーチ位置のばらつき、またリチウムイオンバッテリ装置1000の部品の組み合わせによるばらつきを考慮して大きさが決められている。すなわち、いかなる場合でも溶接時に溶接トーチが接合部位152の円内に存在するように接合部位152の寸法が設定されているため、高品質で安定した溶接が可能となる。
【0077】
つぎに、リチウムイオンバッテリ装置1000を構成する制御装置900について説明する。図2,3に示すように、制御装置900は、電池モジュール100の上に載置されている。具体的には、制御装置900は高電位側電池モジュール100a及び低電位側電池モジュール100bの上に跨って載置された電子回路装置であり、筐体910、及び筐体910の内部に収納された一つの回路基板を備えている。
【0078】
筐体910は、扁平な直方体状の金属製箱体であり、高電位側電池モジュール100a及び低電位側電池モジュール100bに対して、ボルト或いはネジなどの固定手段により固定されている。これにより、高電位側電池モジュール100a及び低電位側電池モジュール100bは互いの短手方向の端部同士が制御装置900によって接続されて固定される。すなわち、制御装置900が支持具の機能を兼ねているので、電池モジュール100の強度をより向上させることができる。
【0079】
筐体910の側面、すなわち、制御装置900の短手方向の両端面には複数のコネクタが設けられている。複数のコネクタとしては電圧検出用コネクタ912、温度検出用コネクタ913、および外部接続用コネクタ911を備えている。電圧検出用コネクタ912には、32本のリチウムイオン電池セル140に電気的に接続された接続線800のコネクタが結合される。温度検出用コネクタ913には、電池モジュール100の内部に配置された複数の温度センサ(図示省略)の信号線のコネクタが結合される。
【0080】
外部接続用コネクタ911には、バッテリコントローラ300に駆動電源を供給するための電源線、イグニションキースイッチのオンオフ信号を入力するための信号線、及び車両コントローラ30やモータコントローラ23とCAN通信するための通信線などのコネクタ(図示省略)が結合される。
【0081】
以上説明した電池モジュール100および制御装置900から構成されるリチウムイオンバッテリ装置1000の製造方法、とくに組み立て方法について、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0082】
まず、ステップS1において、高電位側電池ブロック100aおよび低電位側電池モジュール100bの組み立てを開始する。入口流路形成板111、出口側案内板113、冷却媒体入口114及び冷却媒体入口ダクト116、さらに、出口流路形成板118、入口側案内板112、冷却媒体出口115及び冷却媒体出口ダクト117を一体に形成する。そして、これら組立体を、シール部材(図示省略)を介して、側板130,131の一方、例えば側板130にボルト或いはネジ若しくはリベットなどの固定手段により固定し、側板130側が下になるように置く。
【0083】
ステップS2において、各リチウムイオン電池セル140を側板130に接着剤(接着部材)を用いて組み付ける。ここで、接着剤は、適度な柔軟性を有するものであり、側板130とリチウムイオン電池セル140との間を接着する機能と、これらの間を封止する機能とを有している。柔軟性を有する接着剤を用いることにより、側板130を含む筐体110の内側の冷却通路と外側のガス放出室との間の気密性及び液密性を確保するとともに、例えば電池モジュール100に振動が加えられた場合でも、その振動を吸収しながら側板130とリチウムイオン電池セル140との接続状態を保持することができる。なお、接着部材として、上記機能を有する液状ガスケットを用いることも可能である。
【0084】
ステップS3において、ステップ2までの組立体に側板131を接着剤(接着部材)を用いてステップ2同様に組み付ける。そして、ステップ1同様に側板131にボルト或いはネジ若しくはリベットなどの固定手段により固定する。これにより、組電池120がケーシング110内に収納される。
【0085】
ステップS4では、各リチウムイオン電池セル140と導電部材150とを接続する。まず、図8に示すように、側板130,131の一方、例えば側板130の固定ガイド130aに導電部材150の貫通孔155を嵌合させ、側板130に導電部材150を装着する。そして、導電部材150の溶接部位152と、対応するリチウムイオン電池セル140の端子面とをアーク溶接、例えばTIG溶接により接合する。同様に、側板130,131の他方、すなわち側板131にも導電部材150を装着し、導電部材150の溶接部位152とリチウムイオン電池セル140とをTIG溶接により接合する。
【0086】
つづくステップS5では、導電部材150と、電圧検出導体805の先端部800aとを接続する。具体的には、導電部材150の当接部位154が電圧検出導体805の先端部800aと当接した状態で、これらをTIG溶接により接合する。
【0087】
ステップS6では、覆い部材160を側板130,131のそれぞれにシール部材135を介して組み付け、ボルト或いはネジ若しくはリベットなどの固定手段161により固定する。シール部材135は、弾性を有する円環状のシール部材(例えばゴム製のOリング)であり、側板130に形成された溝134に嵌め込まれている。シール部材135には液状ガスケットを用いても構わない。
【0088】
つづくステップS7では、ステップS6で製作した2つの組立体(電池ブロック100a,100b)を、それぞれの長手方向が平行になるように配置し、2つの電池ブロック100a,100bを並置した状態で電池ブロック100a,100bにモジュールベース101を組み付ける。モジュールベース101は、ボルト或いはネジ若しくはリベットなどの固定手段により筐体110の底部に固定される。2つの電池ブロック100a,100bの長手方向中央部に制御装置900の筐体を、それぞれボルト或いはネジ若しくはリベットなどの固定手段により固定する。これにより、電池モジュール100が形成される。
【0089】
なお、電池モジュール100を形成する各構成部材の組立順は、上述したものには限定されず、各構成部材の固定順番を変更してもよい。
【0090】
次に、ステップS8として、接続線800のコネクタを電池モジュール100の接続端子810および制御装置900のコネクタ912にそれぞれ接続する。電池モジュール100の各電池ブロック100a,100bに設けられた複数の温度センサ(図示省略)から延びる信号線のコネクタを制御装置900のコネクタ913に接続する。さらに、上位制御装置、例えば車両コントローラ30およびモータコントローラ23と通信するための通信線のコネクタを制御装置900のコネクタに接続する。
【0091】
以上のステップS1〜S8の組み立て作業により、リチウムイオンバッテリ装置1000が完成する。
【0092】
以上説明した一実施の形態による蓄電モジュール(電池モジュール100)および蓄電装置(リチウムイオンバッテリ装置1000)によると、以下の作用効果を奏することができる。
(1)電池モジュール100において、複数の蓄電素子(リチウムイオン電池セル)140と導電部材150とは溶融接合されており、各導電部材150には溶融接合の放熱用の壁部(立ち上がり部)159が形成されている。溶融接合の際に発生する高熱により導電部材150が溶けてしまうと、蓄電素子140との溶融接合が良好に行われない可能性がある。そこで、導電部材150に壁部159を設けて溶接時の熱を効率的に逃がすことにより、良好な溶接を行って信頼性の高い側板130,131を提供することが可能となる。
(2)電池モジュール100は、複数の蓄電素子140と、複数の蓄電素子140を収納する筐体(ケーシング)110と、少なくとも複数の蓄電素子140を両側から挟みこんで支持する一対の樹脂製の側板130,131を有し、複数の蓄電素子140を電気的に接続するための複数の導電部材150とを備える。複数の導電部材150は、複数の蓄電素子140を接続するために筐体110の外側から側板130,131に取り付けられる。これにより、導電部材150と各蓄電素子140との接続を容易に行うことができる。なお、上述した一実施の形態においては、導電部材150と各リチウムイオン電池セル140とをアーク溶接等により溶融接合している。蓄電モジュール100は、筐体110に対して、一対の側板130,131の外側を覆うように設けられた金属製の覆い部材160を備えている。側板130,131には、各導電部材150の周囲を取り囲むように側板130,131から突出した周壁部133が設けられており、例えば鉄製の覆い部材160と導電部材150とが接触して短絡が発生することを防止するように構成されている。なお、周壁部133は、図8〜10に示すように、電圧検出線805の先端部800aが配置される付近を除いて導電部材150の全周囲を取り囲むように配置されているので、覆い部材160に外力が加わって筐体110内側に変形した場合等、様々な外力に耐えられる。また、覆い部材160と導電部材150との接触を防止するために、側板130,131には、図8に示すように側板130,131の表面から突出した固定ガイド130aがさらに設けられている。側板130,131からの周壁部133の高さは、側板130,131からの固定ガイド130aの高さと同等以上であることが望ましい。これにより、覆い部材160と導電部材150との短絡を確実に防止することができる。
(3)導電部材150は、両端部(端部領域)157において蓄電素子140の端面に溶融接合される。両端部157には、異常時に蓄電素子140から噴出したガスを通す貫通孔151が設けられている。貫通孔151は、ガス放出用の開口として機能するとともに、溶接時の高熱の影響を受けにくくするように、楕円形に形成されている。
(4)導電部材150の壁部159は、導電部材150と蓄電素子140とが溶融接合された状態で、側板130,131に取り付けられた覆い部材160の高さよりも低くなるように、壁部159の高さが設定されている。これにより、放熱機能を確保しながら、金属製の覆い部材160と壁部159との不所望な接触を防止することができる。
(5)電池モジュール100は、各蓄電素子140の電圧を検出するための電圧検出導体805をさらに備えている。電圧検出導体805は、複数の導電部材150の位置に対応する複数の検出線806を有するように成形されており、複数の検出線806間の距離dは、電池モジュール100の電圧によって規定される絶縁沿面距離に対して2〜2.5倍に設定されている。これにより、電池モジュール100が使用される環境の汚染度が高い場合であっても、検出線806間の短絡を確実に防止することができる。
(6)電圧検出導体805の先端部800aは、複数の導電部材150に接続され、電圧検出導体805の他端部には、蓄電素子140からの電流を遮断する電流遮断装置(電流遮断部)811が設けられている。電流遮断部811は、制御回路900や配線800の異常時にヒューズワイヤを溶断して組電池120からの電流を遮断し、製品を保護する。電流遮断部811を電圧検出導体805の他端部に設けることにより、例えば、配線800に短絡が発生した場合に、電流遮断部811が電圧検出導体805の他端部で電流が遮断されることになる。これにより、電池モジュール100全体を保護することができる。この場合、配線800および電流遮断部811を取り替えることにより、電池モジュール100を再利用することが可能となる。なお、電圧検出導体805は、所定の形状に成形されたうえで側板130,131と一体化されているため、電圧検出導体805自体では実質的に短絡が発生しない。
(7)電圧検出導体805は、樹脂材料(樹脂部)807によって所定の形状に維持された状態で樹脂製の側板130,131にインサートモールドされることによって、側板130,131と一体化されている。具体的には、電圧検出導体805を、成形された形状を維持するように樹脂部807で固定してサブユニットを作成し、サブユニットをインサートモールドして側板130,131を製作する。サブユニットを作成することにより、電圧検出導体805の形状維持を確実に行うことができ、製造工程において電圧検出導体805の検出線806同士が誤って接触してしまうことを防止できる。
(8)側板130,131には、複数の蓄電素子140に対応する位置に貫通孔132が形成され、複数の蓄電素子140は、貫通孔132を密に塞ぐように接着部材を用いて側板130,131に取り付けられている。これにより、筐体110の内部と外部との間をシールすることができる。また、電池モジュール100に加えられる外力、例えば振動等を接着部材により吸収しながら、側板130,131と蓄電素子140との接続状態を維持することができる。
(9)蓄電装置(リチウムイオンバッテリ装置)1000は、電池モジュール100と、電圧検出導体150と接続されて複数の蓄電素子140の電圧を検出し、複数の蓄電素子140の蓄電量を制御する制御装置900とを備える。上述したように煩雑な電圧検出線の配線作業を行うことなく電池モジュール100を製造することができるので、蓄電装置1000全体を効率的に製造することができる。
【0093】
以上説明した一実施の形態では、所定の形状に成形した電圧検出導体805をインサートモールドして側板130,131と一体成形したが、電圧検出導体805と側板130,131との一体化の方法はこれに限定されない。例えば、側板130,131をそれぞれ2つの部材から構成し、これらの2つの部材の間に所定の形状に成形した電圧検出導体805をはめ込むことにより、一体化してもよい。ただし、電圧検出導体805をはめ込んで側板130,131と一体化すると、インサートモールドにより成形した側板130,131に対して側板130,131の厚みが増加する傾向にあるため、厚みの点に関しては、インサートモールド成形により側板130,131と電圧検出導体805を一体成形することが好ましい。また、電圧検出導体805を側板130,131に内蔵する代わりに、電圧検出導体805を側板130,131上に載置するように構成してもよい。なお、この場合でも、電圧検出導体805の先端部800aは導電部材150の溶接部位154と接続される。
【0094】
以上説明した一実施の形態では、16本のリチウムイオン電池セル140を接続した2つの電池ブロック100a、100bから構成される電池モジュール100を例示した。しかし、本発明は上述した電池モジュール100の構成や接続方式(直列、並列)に限定されるものではなく、リチウムイオン電池セル140の本数や電池セル列の本数や配列、方向を変えたものに関しても適用される。
【0095】
また、以上説明した一実施の形態では、リチウムイオン電池セル140として円筒形電池を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、リチウムイオン電池セル140の形状が、角型蓄電池やラミネート封止の電池に関しても適用され、また、リチウムイオン電池以外に、ニッケル水素電池などの他の電池に関しても適用される。
【0096】
以上説明した一実施の形態による蓄電装置1000を、他の電動車両、例えばハイブリッド電車などの鉄道車両、バスなどの乗合自動車、トラックなどの貨物自動車、バッテリ式フォークリフトトラックなどの産業車両などの車両用電源装置に利用することもできる。
【0097】
さらに、一実施の形態による蓄電装置1000を、コンピュータシステムやサーバシステムなどに用いられる無停電電源装置、自家用発電設備に用いられる電源装置など、電動車両以外の電源装置を構成する蓄電装置にも適用しても構わない。
【0098】
以上の説明はあくまで一例であり、本発明は上記実施の形態の構成に何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0099】
100:電池モジュール、110:ケーシング、130,131:側板、133:周壁部
、140:リチウムイオン電池セル(蓄電素子)、150:導電部材、151:貫通孔、152:接合部位、154:溶接部位、159:立ち上がり部(壁部)、805:電圧検出導体、900:制御装置、1000:リチウムイオンバッテリ装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電素子と、
少なくとも前記複数の蓄電素子を両側から挟みこんで支持する一対の樹脂製の側板を有し、前記複数の蓄電素子を収納する筐体と、
前記複数の蓄電素子を電気的に接続するための複数の導電部材とを備え、
前記複数の蓄電素子と前記複数の導電部材とは溶融接合され、
前記複数の導電部材は、前記溶融接合の放熱用の壁部を有することを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記複数の導電部材はそれぞれ端部領域において前記複数の蓄電素子の端面に接合され、
前記複数の導電部材の前記端部領域には、前記蓄電素子からのガス放出用の楕円形の貫通孔が形成されていることを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記筐体に対して、前記一対の側板の外側を覆う金属製の覆い部材をさらに備え、
前記壁部は、前記複数の導電部材と前記複数の蓄電素子とが溶融接合された状態で、前記側板に取り付けられた前記覆い部材の高さよりも低くなるように前記壁部の高さが設定されていることを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記複数の蓄電素子と前記複数の導電部材とはアーク溶接により溶融接合されることを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓄電モジュールにおいて、
前記複数の蓄電素子のそれぞれの電圧を検出するための電圧検出導体をさらに備え、
前記電圧検出導体は、前記複数の導電部材の位置に対応する複数の検出線を有するように成形されており、前記複数の検出線間の距離は、前記蓄電モジュールの電圧によって規定される絶縁沿面距離に対し2〜2.5倍に設定されていることを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項6】
請求項5項に記載の蓄電モジュールと、
前記電圧検出導体と接続されて前記複数の蓄電素子の電圧を検出し、前記複数の蓄電素子の蓄電量を制御する制御装置とを備えることを特徴とする蓄電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−110119(P2013−110119A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−18190(P2013−18190)
【出願日】平成25年2月1日(2013.2.1)
【分割の表示】特願2010−85114(P2010−85114)の分割
【原出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(505083999)日立ビークルエナジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】