説明

蓄電モジュール制御装置

【課題】蓄電モジュールの比較的短い充放電サイクルが長期間連続するような場合、特に大電流の充放電が連続して繰り返される場合であっても、蓄電モジュールの劣化を防止するように各蓄電部の電圧を制御できる蓄電モジュール制御装置を提供する。
【解決手段】直列に接続された複数の蓄電部を含む蓄電モジュールを制御する蓄電モジュール制御装置であって、複数の蓄電部それぞれの電圧値を所定期間にわたって取得し、当該所定期間にわたって取得された各蓄電部の電圧値に基づいて、複数の蓄電部の電圧を制御する蓄電モジュール制御装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電部が直列に接続されてなる蓄電モジュールに対して、各蓄電部の電圧を制御する蓄電モジュール制御装置及び蓄電モジュール制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気二重層キャパシタ等の蓄電部を複数個直列に接続した蓄電モジュールがある。この蓄電モジュールを充電して電力供給源として使用する場合、各蓄電部の個体差や使用時の温度差などが原因で、各蓄電部の電圧にばらつきが生じてしまうことがある。例えば蓄電部がキャパシタの場合、各キャパシタの静電容量や内部抵抗、自己放電特性等の個体差により、このような電圧のばらつきが生じる。このような状態になると、特定の蓄電部の劣化が進行して、蓄電モジュールとしての寿命を早めてしまうなどの問題が生じる。
【0003】
上記問題に対処する方法として、各蓄電部の電圧のばらつきを低減するように、電圧の均等化を行う均等化回路が知られている(例えば特許文献1,2及び3参照)。このような均等化回路は、例えば、各蓄電部の電圧の平均値を算出し、平均より高い電圧の蓄電部を放電させる制御を繰り返すことによって、各蓄電部の電圧が等しくなるように制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−32836号公報
【特許文献2】特開2009−112071号公報
【特許文献3】特開2006−211885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例の均等化回路は、蓄電モジュールの充放電エネルギーが大きい場合、蓄電モジュールを流れる電流が大きい場合、ほぼ連続して充放電を頻繁に繰り返す場合などにおいて、均等化に時間がかかったり、均等化精度が十分でなかったりすることがある。このような問題が生じやすい蓄電モジュールの用途の例としては、倉庫に大型部品を頻繁に出し入れするスタッカークレーン、製造ラインにおいて大型部品や重量部品を搬送する自動搬送車、パワーショベル等の建機を駆動する電力供給源がある。これらの用途における電力供給源は、大型重量部品の搬送をするため、あるいは省エネ対策として頻繁に電力を回生するために、大電力の充放電を短期間に繰り返す必要がある。特にこのような用途において、上記従来例の均等化回路では、前記問題点に拍車がかかり、均等化がより困難になるため、蓄電モジュール全体の寿命を早めてしまう。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的の一つは、蓄電モジュールの比較的短い充放電サイクルが長期間連続するような場合、特に大電流の充放電が繰り返される場合であっても、蓄電モジュールの劣化を防止するように各蓄電部の電圧を制御できる蓄電モジュール制御装置及び蓄電モジュール制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明に係る蓄電モジュール制御装置は、直列に接続された複数の蓄電部を含む蓄電モジュールを制御する蓄電モジュール制御装置であって、前記複数の蓄電部それぞれの電圧値を所定期間にわたって取得する電圧値取得手段と、前記所定期間にわたって取得された各蓄電部の電圧値に基づいて、前記複数の蓄電部の電圧を制御する電圧制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、上記蓄電モジュール制御装置において、前記所定期間は、前記蓄電モジュールに対して1回の充放電が行われる期間以上の期間であってもよい。
【0009】
また、上記蓄電モジュール制御装置は、前記複数の蓄電部のそれぞれについて、前記所定期間にわたって取得された当該蓄電部の電圧値を用いて、当該蓄電部の前記所定期間における平均電圧に関する期間電圧値を算出する期間電圧演算手段をさらに含み、前記電圧制御手段は、前記算出された各蓄電部の期間電圧値を用いて、前記複数の蓄電部の電圧を制御することとしてもよい。
【0010】
さらに、前記電圧値取得手段は、前記複数の蓄電部のそれぞれについて、前記所定期間にわたって一定時間間隔で複数の電圧値を取得し、前記期間電圧演算手段は、前記取得した複数の電圧値の平均値を、前記期間電圧値として算出することとしてもよい。
【0011】
また、前記電圧値取得手段は、前記複数の蓄電部のそれぞれについて、前記所定期間にわたって一定時間間隔で複数の電圧値を取得し、前記期間電圧演算手段は、前記複数の電圧値に対してディジタルフィルタ処理を実行することで、前記期間電圧値を算出することとしてもよい。
【0012】
また、上記蓄電モジュール制御装置において、前記電圧制御手段は、前記複数の蓄電部のうちから選択された1又は複数の制御対象蓄電部を放電させることにより、前記複数の蓄電部の電圧を制御することとしてもよい。
【0013】
また、前記電圧制御手段は、前記複数の蓄電部のそれぞれについて算出された期間電圧値の平均値を算出し、前記期間電圧値が当該平均値に応じて決まる閾値を上回る蓄電部を、前記制御対象蓄電部として選択することとしてもよい。
【0014】
あるいは、前記電圧制御手段は、前記期間電圧値が大きい方から順に、所定の数の蓄電部を、前記制御対象蓄電部として選択することとしてもよい。
【0015】
また、上記蓄電モジュール制御装置において、前記電圧制御手段は、前記複数の蓄電部のそれぞれについて算出された期間電圧値に応じて、当該蓄電部を放電させる期間を変化させることにより、前記複数の蓄電部の電圧を制御することとしてもよい。
【0016】
また、上記蓄電モジュール制御装置において、前記電圧制御手段は、前記蓄電モジュールの充放電の状態に応じて、前記制御対象蓄電部を選択する方法を変更することとしてもよい。
【0017】
また、上記蓄電モジュール制御装置は、前記所定期間を前記蓄電モジュールの充放電の状態に応じて変更することとしてもよい。
【0018】
また、本発明に係る蓄電モジュール制御方法は、直列に接続された複数の蓄電部を含む蓄電モジュールの制御方法であって、前記複数の蓄電部それぞれの電圧値を所定期間にわたって取得するステップと、前記所定期間にわたって取得された各蓄電部の電圧値に基づいて、前記複数の蓄電部の電圧を制御するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る蓄電モジュール制御装置によれば、蓄電モジュールの充放電サイクルが比較的短い場合でも、各蓄電部の電圧を長期的に見て均等化し、蓄電モジュールの劣化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】静電容量に差がある蓄電部同士で生じる電圧差を示すグラフである。
【図1B】内部抵抗に差がある蓄電部同士で生じる電圧差を示すグラフである。
【図1C】自己放電電流に差がある蓄電部同士で生じる電圧差を示すグラフである。
【図2】本発明の実施の形態に係る蓄電モジュール制御装置の回路構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る蓄電モジュール制御装置が実行する処理の流れの一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係る蓄電モジュール制御装置について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
まず、本実施形態に係る蓄電モジュール制御装置による電圧制御の基本的な考え方について、説明する。本実施形態に係る蓄電モジュール制御装置は、互いに直列接続された複数の蓄電部からなる蓄電モジュールを制御対象とする。以下では具体例として、蓄電部が電気二重層キャパシタである場合について説明する。
【0023】
蓄電モジュールを構成する複数の蓄電部が互いに同じ規格のキャパシタであるとしても、その容量や内部抵抗、自己放電特性等には個体差が生じる。そのため、このようなキャパシタからなる蓄電モジュールの充放電を行う際には、各キャパシタの電圧にばらつきが生じる。図1A,図1B及び図1Cは、このようなばらつきを生じさせる要因毎に、これらの要因によって生じる複数のキャパシタ間での電圧のばらつきの具体例を模式的に示すグラフである。これらのグラフは、いずれも、直列接続された2個のキャパシタC1及びC2からなる蓄電モジュールを充放電して使用した場合における、各キャパシタの電圧の時間変化を示しており、横軸が時間、縦軸が電圧を示している。また、実線がキャパシタC1の電圧を、破線がキャパシタC2の電圧を、それぞれ示している。
【0024】
具体的に、図1Aは静電容量に差があるキャパシタ同士で生じる電圧差を示すグラフであって、キャパシタC1の静電容量が相対的に小さく、キャパシタC2の静電容量が相対的に大きな場合の電圧変化を示している。また、図1Bは内部抵抗に差があるキャパシタ同士で生じる電圧差を示すグラフであって、キャパシタC1の内部抵抗が相対的に小さく、キャパシタC2の内部抵抗が相対的に大きな場合の電圧変化を示している。なお、これらの図1A及び図1Bは、いずれも、蓄電モジュールに対して1回の充放電が行われる期間における各キャパシタの電圧の変化を示している。すなわち、図1A及び図1Bは、時刻0の時点から開始して、充電、放電、及び再充電を経て各キャパシタの電圧が元の値に戻るまでの期間における各キャパシタの電圧の変化を示しており、図中の一点鎖線は、1回の充放電期間にわたる各キャパシタの電圧の時間平均を示している。これらの図に示されるように、静電容量に差がある場合と内部抵抗に差がある場合とでは、電圧の変化の態様に違いがある。しかしながら、いずれの場合においても、1回の充放電期間内におけるキャパシタC1の電圧の平均値と、キャパシタC2の電圧の平均値とは、ほぼ等しくなっている。すなわち、充放電期間中のある一時点では各キャパシタの電圧値に差があったとしても、長期的に見て、キャパシタ間の電圧差は平均化される。そのため、キャパシタ間の静電容量や内部抵抗の差は、特定のキャパシタの劣化を進行させる要因としてはほとんど寄与しないことになる。
【0025】
一方、図1Cは、自己放電電流に差があるキャパシタ同士で生じる電圧差を示すグラフであって、キャパシタC1の自己放電電流が相対的に大きく、キャパシタC2の自己放電電流が相対的に小さい場合の電圧変化を示している。なお、図1Cの時間のスケールは図1A及び図1Bとは異なっており、短期的に複数回の充放電が繰り返されることによる電圧の変動は平均化され、長期的(例えば年単位)に見た場合においてキャパシタC1とキャパシタC2との間に生じる電圧差が示されている。この図に示されるように、自己放電電流の差に起因するキャパシタ間の電圧差は、静電容量や内部抵抗の差に起因するものと異なり、蓄電モジュールの使用とともに累積され、拡大していく。キャパシタ間にこのような電圧差が生じると、蓄電モジュールの充放電条件によっては特定のキャパシタが過充電や過放電となり、その特性が急激に劣化するおそれがある。また、電圧が長期的に高い状態のキャパシタ(図1Cの例ではキャパシタC2)は、他のキャパシタよりも早く劣化する。これによって、蓄電モジュール全体の寿命も短くなってしまう。
【0026】
そこで本実施形態に係る蓄電モジュール制御装置は、特に図1Cに例示したような長期的なスパンで蓄電部間に生じる電圧のばらつきを均等化するための制御を行う。具体的に、本実施形態の蓄電モジュール制御装置は、ある一時点における各蓄電部の電圧値同士を比較するのではなく、所定期間にわたって取得した各蓄電部の電圧値に基づいて、制御対象となる蓄電部を決定し、その電圧を下げる制御を行う。これにより、各蓄電部の電圧が短い周期で変動する場合であっても、長期的に見て、特定の蓄電部が他の蓄電部より早く劣化しないように、各蓄電部の電圧を均等化することができる。
【0027】
以下、本実施形態に係る蓄電モジュール制御装置の構成について、説明する。
【0028】
図2は、本実施形態に係る蓄電モジュール制御装置1の回路構成を示す図である。本実施形態に係る蓄電モジュール制御装置1の制御対象となる蓄電モジュール2は、互いに直列に接続された複数の蓄電部20を含んで構成されている。具体的に、本実施形態では、複数の蓄電部20としてN個(Nは2以上の自然数)のキャパシタが直列接続されていることとする。また、N個の蓄電部20は、互いに同種で、同じ規格のキャパシタであることとする。以下では、N個の蓄電部20のそれぞれを、一方の端から接続順に、蓄電部20(1),20(2),20(3),・・・,20(N−1),20(N)と表記する。蓄電モジュール2を充電する場合には、その両端の端子に対して、外部から電力が供給される。また、蓄電モジュール2に蓄積された電力は、蓄電モジュール2に接続された負荷を駆動するために用いられる。
【0029】
本実施形態に係る蓄電モジュール制御装置1は、図2に示すように、複数の電圧制御回路10と、切り替えスイッチ回路13と、A/Dコンバータ14と、期間電圧演算回路15と、制御回路16と、を含んで構成される。ここで、電圧制御回路10の数は、蓄電モジュール2を構成する蓄電部20と同数(すなわち、N個)であって、N個の電圧制御回路10のそれぞれは、N個の蓄電部20のそれぞれと1対1で並列に接続されている。
【0030】
各電圧制御回路10は、抵抗器11と、当該抵抗器11に直列に接続されたスイッチ12と、を含んで構成され、自身に対して並列接続された蓄電部20の電圧を制御するために用いられる。スイッチ12は、例えばトランジスタ等であって、制御回路16からの制御信号に応じてそのオン/オフが切り替えられる。スイッチ12がオンになると、電圧制御回路10に電流が流れ、当該電圧制御回路10に並列接続された蓄電部20の放電が行われる。その結果、この蓄電部20の電圧が低下する。なお、図2では、蓄電部20(n)(n=1,2,3,・・・,N−1,N)に並列接続された電圧制御回路10を電圧制御回路10(n)と表記し、電圧制御回路10(n)を構成する抵抗器11及びスイッチ12をそれぞれ抵抗器11(n)、スイッチ12(n)と表記している。N個の蓄電部20のそれぞれに対して電圧制御回路10が並列接続されているので、制御回路16は、各電圧制御回路10に備えられたスイッチ12を個別にオン/オフする制御信号を出力することで、特定の蓄電部20の電圧を低下させる制御を実現できる。
【0031】
切り替えスイッチ回路13は、N個の蓄電部20のそれぞれを対象として、その両端の電圧差に応じたアナログ信号をA/Dコンバータ14に入力する。具体的に、切り替えスイッチ回路13は、制御回路16からの制御信号に応じて、N個の蓄電部20を一つずつ順に切り替えて、各蓄電部20の両端をA/Dコンバータ14と接続する。これにより、N個の蓄電部20それぞれの両端の間の電圧差を示すアナログ信号が、順にA/Dコンバータ14に入力される。
【0032】
A/Dコンバータ14は、アナログ信号をディジタル信号に変換する。本実施形態では、A/Dコンバータ14は、切り替えスイッチ回路13から入力される各蓄電部20の電圧に応じたアナログ信号をディジタル信号に変換して、変換されたディジタル値を期間電圧演算回路15に対して出力する。
【0033】
期間電圧演算回路15及び制御回路16は、後述するように、各蓄電部20の電圧を所定期間(以下、算出対象期間Tと表記する)にわたって取得し、当該取得した所定期間の電圧値に基づいて、各電圧制御回路10を動作させ、これにより各蓄電部20の電圧を制御する。期間電圧演算回路15及び制御回路16は、例えばマイクロプロセッサや、記憶素子、ディジタル回路等により実現されてよい。また、A/Dコンバータ14、期間電圧演算回路15、及び制御回路16は、一個のマイクロコンピュータによって実現されてもよい。
【0034】
具体的に、期間電圧演算回路15は、A/Dコンバータ14からディジタル値の入力を受け付ける。切り替えスイッチ回路13の接続先の蓄電部20が順に切り替えられることにより、期間電圧演算回路15は、N個の蓄電部20それぞれのある一時点における電圧を示すディジタル値をA/Dコンバータ14から取得することになる。さらに期間電圧演算回路15は、蓄電モジュール2の充放電が行われている間、このような各蓄電部20の電圧値の取得を繰り返し行う。これにより、期間電圧演算回路15は、N個の蓄電部20それぞれについて、算出対象期間Tにわたって、一定時間おきに電圧値を取得できる。なお、本実施形態では、期間電圧演算回路15は、図3に示すようにN個の蓄電部20の電圧値を単位時間tごとに取得するものとする。また、以下では、期間電圧演算回路15が時刻tに取得した蓄電部20(n)の電圧値を、電圧値V(n)と表記する。ここで、tは時間経過を表す整数のカウンタ値であって、所定の初期値から開始して、単位時間tが経過して期間電圧演算回路15が新たな電圧値を取得する毎に、1ずつ加算される値であるものとする。
【0035】
さらに期間電圧演算回路15は、N個の蓄電部20それぞれについて、算出対象期間Tにわたって取得された電圧値を用いて、当該算出対象期間Tにおける当該蓄電部20の平均電圧に関する値を算出する。以下、この算出対象期間Tにおける平均電圧に関する値を期間電圧値VIという。また、特に蓄電部20(n)について時刻tに得られた期間電圧値を、VI(n)と表記する。なお、期間電圧値VIは、必ずしも蓄電部20の算出対象期間Tにおける平均電圧そのものでなくともよい。
【0036】
ここで、算出対象期間Tは、蓄電モジュール2に対して1回の充放電が行われる期間(充放電期間)以上の期間であることが望ましい。このように算出対象期間Tを設定することで、期間電圧値VIを算出する際に、蓄電モジュール2の充放電によって生じる各蓄電部20の電圧変動が平均化され、期間電圧値VIは充放電サイクル以上の期間にわたる長期的な蓄電部20の電圧の変化を示す値になる。なお、算出対象期間Tは、複数回の充放電期間を含む期間であってもよい。例えば算出対象期間Tを1時間などの長時間にすることで、充放電によって生じる短期的な電圧変動の影響を大幅に低減することができる。1回の充放電期間は、外部からの電力供給によって蓄電モジュール2の電圧が上昇し始める時点から、その後負荷への電力供給によって蓄電モジュール2の電圧が下降し、再び外部からの電力供給によって電圧が上昇し始める時点までの期間に相当する。なお、蓄電モジュール2の使用態様によって充放電期間にばらつきがある場合には、例えば蓄電モジュール2の1回の使用期間に含まれる複数の充放電期間の平均値を超えるように算出対象期間Tを設定してもよい。
【0037】
以下、期間電圧演算回路15による期間電圧値VIの演算処理の具体例について、説明する。
【0038】
例えば期間電圧演算回路15は、直近の過去に取得されたM個の電圧値の平均値を、期間電圧値VIとして算出する。ここでMは、算出対象期間Tを単位時間tで除して得られる値に対応する。具体的に、期間電圧値VI(n)は、算出対象期間T内に取得されたM個の電圧値Vt−m(n)(m=M−1,M−2,・・・,1,0)の単純加算平均だとすると、
【数1】

という計算式により算出される。
【0039】
また、期間電圧演算回路15が算出する期間電圧値VIは、算出対象期間T内に取得された電圧値の重み付け平均によって算出される値であってもよい。この場合、期間電圧値VI(n)は、
【数2】

という計算式により算出される。ここで、Wt−m(m=M−1,M−2,・・・,1,0)は、重み付け係数であり、Fは重み付け係数の影響を補正する補正値である。なお、これらの例のように期間電圧値VIとしてM個の電圧値の平均値を算出する場合、期間電圧演算回路15は、各蓄電部20について、単位時間tおきに取得した過去M個分の電圧値をメモリに格納して、このメモリに保持された電圧値を用いて期間電圧値VIを算出すればよい。
【0040】
あるいは、期間電圧演算回路15は、低域通過フィルタ(ローパスフィルタ)として機能するディジタルフィルタであってもよい。この場合、期間電圧演算回路15は、算出対象期間Tに相当する期間の時間積分を行う積分回路として機能し、その結果算出される期間電圧値VI(n)は、直近の過去の算出対象期間Tにおける蓄電部20(n)の平均電圧に応じた値となる。具体的に、期間電圧演算回路15が一次の低域通過フィルタである場合、期間電圧値VI(n)は、前回の電圧サンプリング時に算出された期間電圧値VIt−1(n)を用いて、
【数3】

という計算式により算出される。ここで、Kはフィルタ係数であって、その値は算出対象期間Tの長さに応じて決定される。これにより、期間電圧値VI(n)は、算出対象期間Tにわたって取得された電圧値Vt−m(m=M−1,M−2,・・・,1,0)に基づく値となる。なお、期間電圧演算回路15は、このような一次の低域通過フィルタに限らず、高次のバタワースフィルタやチェビシェフフィルタなど、各種のディジタルフィルタであってもよい。
【0041】
制御回路16は、期間電圧演算回路15によって得られた各蓄電部20の期間電圧値VIを用いて、各蓄電部20の電圧制御を行う。具体的に、制御回路16は、所定時間おきに、各蓄電部20の期間電圧値VIを用いて、N個の蓄電部20の中から、電圧を低下させる対象となる1又は複数の蓄電部20(以下、制御対象蓄電部という)を選択する。そして、制御対象蓄電部として選択した蓄電部20に接続された電圧制御回路10のスイッチ12をオンに切り替え、その他の電圧制御回路10のスイッチ12をオフにする制御信号を出力する。これにより、制御対象蓄電部の放電が行われ、その電圧が低下する。このとき、全体として蓄電モジュール2の電圧自体が変わらなければ、制御対象蓄電部として選択されなかった蓄電部20の電圧は相対的に上昇することになる。なお、制御回路16が制御対象蓄電部を選択する方法の具体例については、後述する。
【0042】
また、制御回路16は、既に述べたように、切り替えスイッチ回路13によるスイッチ切り替えを制御する。これにより、N個の蓄電部20のそれぞれとA/Dコンバータ14とが切り替えスイッチ回路13を介して順次接続される。
【0043】
以下、本実施形態に係る蓄電モジュール制御装置1が実行する制御の流れの具体例について、図3のフロー図を用いて説明する。なお、ここでは一例として、期間電圧値VIは直近の過去に取得されたM個の電圧値の平均値であるものとする。
【0044】
まず制御回路16は、変数tを1に初期化する(S1)。次に制御回路16は、変数nを1に初期化する(S2)。そして、切り替えスイッチ回路13を制御してA/Dコンバータ14の接続先を蓄電部20(n)に切り替える(S3)。これにより、A/Dコンバータ14によってディジタル値に変換された蓄電部20(n)の電圧値V(n)が、期間電圧演算回路15に入力される。
【0045】
続いて期間電圧演算回路15が、S3で取得した電圧値V(n)と、蓄電部20(n)について過去に取得された電圧値Vt−M+1(n)〜Vt−1(n)と、を用いて、期間電圧値VI(n)を算出し、制御回路16に対して出力する(S4)。なお、t<Mの場合(すなわち、制御開始後、まだM個分のデータが取得されていない場合)、例えば期間電圧演算回路15は、既に取得済みのデータだけを用いて単純平均を算出して、以降の処理を実行してもよい。あるいは、M個分のデータが取得できるまでは、S4及び後述するS7〜S9の処理を除いた電圧値の取得処理だけを繰り返し実行することとしてもよい。
【0046】
次に制御回路16は、n=Nか否かを判定する(S5)。そして、S5の判定条件が満たされない場合(すなわち、n<Nの場合)には、変数nの値に1を加算し(S6)、S3に戻って次の蓄電部20(n)に対する処理を実行する。
【0047】
一方、S5の判定条件が満たされた場合、N個の蓄電部20の全てについて、時刻tにおける期間電圧値VIが取得されたことになる。そこで制御回路16は、S4で算出されたN個の期間電圧値VIを用いて、まず電圧の均等化制御を行う必要があるか否か判定する(S7)。具体的に、例えば制御回路16は、N個の期間電圧値VI(n)(n=1,2,・・・,N)のうちの最大値と最小値とを比較し、その差が予め定められた閾値を超えるか否か判定する。そして、最大値と最小値との差が閾値を超える場合には、電圧の均等化制御が必要と判断する。なお、制御回路16は、S7の処理を実行せずに、常に後述するS8〜S10の処理を実行することとしてもよい。あるいは、ここで説明した判断基準以外の判断基準で、電圧の均等化制御を行うべきか否か判定してもよい。具体的に、例えば制御回路16は、均等化制御を行っていない状態において均等化制御を開始するか否か判定する場合と、均等化制御を行っている状態において均等化制御を停止するか否か判定する場合とで、判定に用いる閾値を変化させてもよい。すなわち、均等化開始判定に用いる閾値を、均等化停止判定に用いる閾値より大きく(例えば2倍に)する。こうすれば、均等化制御の開始を遅らせることで制御対象蓄電部の放電によるエネルギー消費を減らすことができる。
【0048】
S7で均等化制御が不要と判断された場合、制御回路16は、S8及びS9の処理をスキップしてS10に進む。一方、S7で均等化制御が必要と判断された場合、制御回路16は、S4で算出されたN個の期間電圧値VIを用いて、後述する方法により制御対象蓄電部を選択する(S8)。さらに制御回路16は、S8で選択された制御対象蓄電部に対応するスイッチ12をオンにし、制御対象蓄電部として選択されなかった蓄電部20に対応するスイッチ12をオフにする制御信号を出力する(S9)。これにより、制御対象蓄電部の電圧が低下し、その他の蓄電部20の電圧が上昇し、各蓄電部20の電圧が均等化されることになる。
【0049】
最後に制御回路16は、変数tの値に1を加算し(S10)、S2に戻って次の時刻における電圧値の取得、及び電圧の均等化制御を行う。すなわち、S2〜S10までの処理は、蓄電モジュール2の充放電が行われている間、単位時間tごとに繰り返されることになる。
【0050】
なお、この図3のフローに示した例では、単位時間tが経過するごとに、各蓄電部20の電圧値が取得されるとともに、この取得した電圧値を用いて各蓄電部20の期間電圧値VIが更新され、更新された期間電圧値VIを用いて均等化制御を行うか否かの判定が行われている。そして、算出対象期間Tは、このような処理がM回繰り返される時間に相当している。つまり、本実施形態に係る蓄電モジュール制御装置1は、各スイッチ12のオン/オフを切り替えて電圧制御の対象となる蓄電部を変更する周期(=単位時間t)より長い期間を算出対象期間Tとして、その期間にわたって取得した電圧値を用いて期間電圧値VIの算出を行っていることになる。このように算出対象期間Tよりも短い周期で期間電圧値VIの算出、及び制御対象蓄電部の変更を行うことにより、比較的長い算出対象期間Tを対象として期間電圧値VIを算出する場合であっても、蓄電モジュール制御装置1は高速に各蓄電部20の均等化を行うことができる。
【0051】
また、図3のフローにおいては、蓄電モジュール2の一方端に接続された蓄電部20(1)から順に、蓄電部20(2)、20(3)、・・・、20(N)というように接続順に従って各蓄電部20の電圧を取得することとしたが、これに限らず、例えば制御回路16はランダムに決定された順序で各蓄電部20の電圧を取得してもよい。
【0052】
次に、図3のフローのS8において、制御回路16が期間電圧値VIを用いて制御対象蓄電部を選択する方法のいくつかの具体例について、説明する。
【0053】
まず第1の例として、制御回路16は、期間電圧値VIの平均値に応じて決まる閾値VIthを用いて制御対象蓄電部を選択する。具体的に、制御回路16は、前述したS4の処理で算出されたN個の期間電圧値VI(n)(n=1,2,・・・,N)の平均値VIavgを算出する。そして、N個の期間電圧値VI(n)のそれぞれを平均値VIavgと比較し、期間電圧値VI(n)が平均値VIavgを上回る蓄電部20を、制御対象蓄電部として選択する。この場合、期間電圧値の平均値VIavgそのものが、閾値VIthとして機能する。あるいは制御回路16は、平均値VIavgに所定の値を加算した値を閾値VIthとして用いて、期間電圧値VI(n)との比較を行ってもよい。
【0054】
次に、第2の例として、制御回路16は、N個の蓄電部20のうち、期間電圧値VI(n)が大きい方から順に、予め定められた数の蓄電部20を、制御対象蓄電部として選択してもよい。例えば制御回路16は、期間電圧値VI(n)が大きい順に半数(すなわちN/2個)の蓄電部20を、制御対象蓄電部として選択する。また、N個の蓄電部20のうち、期間電圧値VI(n)が大きい順に全体の所定の割合を占める数の蓄電部20を、制御対象蓄電部として選択してもよい。この場合の所定の割合は、消費電力や均等化制御の所要時間などを考慮すると、30%以上50%以下であることが望ましい。この第2の例によると、N個の期間電圧値VI(n)が平均値に対して非対称に分布している場合、例えば期間電圧値VIが平均値より低い蓄電部20を制御対象として選択してしまうなど、制御対象蓄電部が必ずしも最適に選択されないことも考えられる。しかしながら、本実施形態に係る蓄電モジュール制御装置1は、各蓄電部20のある一時点における電圧値ではなく、算出対象期間Tにおける期間電圧値VIを比較の対象としている。そのため、瞬間的に発生する誤差等の影響は生じにくく、N個の期間電圧値VI(n)は概ね平均値に対して対称に分布すると想定される。そのため、この第2の例では、単純に期間電圧値VI(n)が大きい順に制御対象蓄電部を選択することとしている。これにより、期間電圧値VI(n)の平均値を算出する第1の例などと比較して、処理負荷を軽減できる。
【0055】
次に、第3の例として、制御回路16は、各蓄電部20について算出された期間電圧値VI(n)に応じて、当該蓄電部20が電圧制御の対象となる期間を変化させることとしてもよい。例えば制御回路16は、期間電圧値VI(n)の分布(散らばり度合い)に関する統計値を算出し、この統計値を用いて、各蓄電部20の期間電圧値VI(n)が期間電圧値の平均値VIavgに対してどの程度乖離しているか判定する。そして、その結果に応じて、蓄電部20(n)に対してどの程度の期間放電を行わせるかを決定する。
【0056】
具体例として、制御回路16は、N個の期間電圧値VI(n)について、平均値VIavgを算出するとともに、分布に関する統計値として、標準偏差σを算出する。そして、期間電圧値VI(n)が(VIavg+α・σ)以上の蓄電部20については、無条件で制御対象蓄電部として選択し、放電対象とする。一方、期間電圧値VI(n)が平均値VIavg以下の蓄電部20については、制御対象蓄電部として選択しない。さらに、期間電圧値VI(n)が(VIavg+α・σ)未満でかつ平均値VIavgを超える蓄電部20(n)については、前回判定時の状態に応じて制御対象蓄電部として選択するか否かを変化させる。すなわち、前回の処理(時刻t−1における処理)で制御対象蓄電部として選択され、現時点で当該蓄電部20(n)の放電を実行中の場合には、スイッチ12(n)をオフにして、放電を停止させる。逆に前回の処理で制御対象蓄電部として選択されていなかった場合には、今回の処理では制御対象蓄電部として選択し、スイッチ12(n)をオンにすることとする。なお、ここでαは、所定の係数であって、その値は例えば1であってよい。
【0057】
このような制御によれば、期間電圧値VI(n)が(VIavg+α・σ)以上の間は、蓄電部20(n)の放電が継続して実行され、期間電圧値VI(n)が(VIavg+α・σ)を下回ると、単位時間tが経過するごとにスイッチ12(n)のオン/オフが繰り返され、その結果蓄電部20(n)の放電が行われる期間は期間電圧値VI(n)が(VIavg+α・σ)以上だった場合のおよそ半分になる。そのため、期間電圧値VI(n)が平均値VIavgに対してそれほど乖離していない蓄電部20(n)の放電は、大きく平均値VIavgを上回る蓄電部20(n)と比較して、緩やかな速度で行われることになる。
【0058】
次に、第4の例として、制御回路16は、所定の条件を満たす場合には、期間電圧値VI(n)に代えて、時刻tにおいて取得された各蓄電部20の電圧値V(n)を用いて、制御対象蓄電部を決定することとしてもよい。具体的に、制御回路16は、S3で取得したN個の電圧値V(n)の平均値Vavgを算出する。そして、電圧値の平均値Vavgと期間電圧値の平均値VIavgとの差の絶対値|Vavg−VIavg|が、所定の閾値を上回るか否か判定する。ここで、|Vavg−VIavg|は、蓄電モジュール2の充放電の状態を示す指標値として機能しており、その値が大きい場合には、算出対象期間Tにわたって充放電が頻繁に行われており、値が小さい場合には、充放電がほとんど行われていないことを示している。そこで制御回路16は、|Vavg−VIavg|が所定の閾値を上回る場合には、既に述べた第1〜第3の例などの方法により、各蓄電部20の期間電圧値VI(n)に応じて制御対象蓄電部を選択する。一方、|Vavg−VIavg|が所定の閾値以下の場合には、期間電圧値VI(n)ではなくその時点で取得された電圧値V(n)を用いて、第1〜第3の例などの方法により制御対象蓄電部を選択する。すなわち、例えば制御回路16は、電圧値V(n)が平均値Vavgを上回る蓄電部20(n)を、制御対象蓄電部として選択する。これにより、例えば昼間に蓄電モジュール2の充放電が繰り返し行われ、夜間はほとんど使用されない場合など、様々な使用状態で蓄電モジュール2が使用される場合に、蓄電モジュール制御装置1は、このような使用状態の変化に合わせて均等化制御の方法を変更することで、各時点においてより好ましい態様で均等化制御を行うことができる。
【0059】
また、本実施形態に係る蓄電モジュール制御装置1は、制御対象蓄電部の選択方法だけでなく、算出対象期間Tを蓄電モジュール2の充放電状態に応じて変化させてもよい。具体的に、制御回路16は、期間電圧値VIを算出する際に用いる電圧値の数Mや、フィルタ係数Kを、充放電の状態を示す指標値である|Vavg−VIavg|の大きさに応じて変化させる。すなわち、|Vavg−VIavg|の値が大きい場合にはMやKを大きくし、|Vavg−VIavg|の値が小さい場合にはMやKを小さくする。これにより、|Vavg−VIavg|が大きいほど算出対象期間Tが長くなるよう制御することができる。
【0060】
なお、本発明の実施の形態は以上説明したものに限られない。例えば本発明の実施形態に係る蓄電モジュール制御装置1が制御対象とする蓄電モジュール2は、キャパシタに限らず、二次電池等、電力を供給することによって蓄電可能な各種の蓄電デバイスを蓄電部20として採用してもよい。
【0061】
また、以上の説明では、ディジタル値に変換された各蓄電部20の電圧値を用いて、期間電圧値VIを算出することとしたが、これに限らず、例えばアナログ回路によるローパスフィルタ等を用いて算出対象期間Tにおける期間電圧値VIを算出してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 蓄電モジュール制御装置、2 蓄電モジュール、10 電圧制御回路、11 抵抗器、12 スイッチ、13 切り替えスイッチ回路、14 A/Dコンバータ、15 期間電圧演算回路、16 制御回路、20 蓄電部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された複数の蓄電部を含む蓄電モジュールを制御する蓄電モジュール制御装置であって、
前記複数の蓄電部それぞれの電圧値を所定期間にわたって取得する電圧値取得手段と、
前記所定期間にわたって取得された各蓄電部の電圧値に基づいて、前記複数の蓄電部の電圧を制御する電圧制御手段と、
を含むことを特徴とする蓄電モジュール制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の蓄電モジュール制御装置において、
前記所定期間は、前記蓄電モジュールに対して1回の充放電が行われる期間以上の期間である
ことを特徴とする蓄電モジュール制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の蓄電モジュール制御装置において、
前記複数の蓄電部のそれぞれについて、前記所定期間にわたって取得された当該蓄電部の電圧値を用いて、当該蓄電部の前記所定期間における平均電圧に関する期間電圧値を算出する期間電圧演算手段をさらに含み、
前記電圧制御手段は、前記算出された各蓄電部の期間電圧値を用いて、前記複数の蓄電部の電圧を制御する
ことを特徴とする蓄電モジュール制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の蓄電モジュール制御装置において、
前記電圧値取得手段は、前記複数の蓄電部のそれぞれについて、前記所定期間にわたって一定時間間隔で複数の電圧値を取得し、
前記期間電圧演算手段は、前記取得した複数の電圧値の平均値を、前記期間電圧値として算出する
ことを特徴とする蓄電モジュール制御装置。
【請求項5】
請求項3に記載の蓄電モジュール制御装置において、
前記電圧値取得手段は、前記複数の蓄電部のそれぞれについて、前記所定期間にわたって一定時間間隔で複数の電圧値を取得し、
前記期間電圧演算手段は、前記複数の電圧値に対してディジタルフィルタ処理を実行することで、前記期間電圧値を算出する
ことを特徴とする蓄電モジュール制御装置。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか一項記載の蓄電モジュール制御装置において、
前記電圧制御手段は、前記複数の蓄電部のうちから選択された1又は複数の制御対象蓄電部を放電させることにより、前記複数の蓄電部の電圧を制御する
ことを特徴とする蓄電モジュール制御装置。
【請求項7】
請求項6記載の蓄電モジュール制御装置において、
前記電圧制御手段は、前記複数の蓄電部のそれぞれについて算出された期間電圧値の平均値を算出し、前記期間電圧値が当該平均値に応じて決まる閾値を上回る蓄電部を、前記制御対象蓄電部として選択する
ことを特徴とする蓄電モジュール制御装置。
【請求項8】
請求項6記載の蓄電モジュール制御装置において、
前記電圧制御手段は、前記期間電圧値が大きい方から順に、所定の数の蓄電部を、前記制御対象蓄電部として選択する
ことを特徴とする蓄電モジュール制御装置。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか一項記載の蓄電モジュール制御装置において、
前記電圧制御手段は、前記複数の蓄電部のそれぞれについて算出された期間電圧値に応じて、当該蓄電部を放電させる期間を変化させることにより、前記複数の蓄電部の電圧を制御する
ことを特徴とする蓄電モジュール制御装置。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか一項記載の蓄電モジュール制御装置において、
前記電圧制御手段は、前記蓄電モジュールの充放電の状態に応じて、前記制御対象蓄電部を選択する方法を変更する
ことを特徴とする蓄電モジュール制御装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項記載の蓄電モジュール制御装置において、
前記所定期間を前記蓄電モジュールの充放電の状態に応じて変更する
ことを特徴とする蓄電モジュール制御装置。
【請求項12】
直列に接続された複数の蓄電部を含む蓄電モジュールの制御方法であって、
前記複数の蓄電部それぞれの電圧値を所定期間にわたって取得するステップと、
前記所定期間にわたって取得された各蓄電部の電圧値に基づいて、前記複数の蓄電部の電圧を制御するステップと、
を含むことを特徴とする蓄電モジュール制御方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−160623(P2011−160623A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22309(P2010−22309)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(000004374)日清紡ホールディングス株式会社 (370)
【Fターム(参考)】