説明

蓄電素子

【課題】 本発明は、ケースに固定された集電体における固定用片部が振動の影響で破損してしまうことを防止することのできる蓄電素子を提供する。
【解決手段】 本発明に係る蓄電素子は、発電要素とともにケースに収容された状態で、該ケースに挿通された軸状部材によって固定された集電体を備える。集電体は、ケースの内面に沿って配置される固定用片部と、発電要素と電気的且つ機械的に接続される発電要素接続部とを備える。固定用片部は、発電要素接続部に接続されたベース片部と、ベース片部に接続された折返片部とを備える。ベース片部は、折返片部よりもケース側に配置される。折返片部は、ケースの内部側に折り返されてベース片部に重ね合わされる。軸状部材は、ケース、ベース片部及び折返片部に挿通された状態で固定用片部をケースに締結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電要素と、該発電要素に電気的に接続された集電体とがケースに収容され、該集電体が、ケースに固定され、且つ該ケースの外側に配置された出力端子と電気的に接続された構造の蓄電素子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種機器の電力源として、充放電可能な蓄電素子が採用されている。なお、本明細書中において、「蓄電素子」とは、電池(リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等)、及びキャパシタ(電気二重層キャパシタ等)の双方を包含する概念である。
【0003】
かかる蓄電素子は、正極板及び負極板を含む発電要素と、それぞれが該発電要素における正極板及び負極板のうちの対応する極性の極板に電気的に接続された一対の集電体と、発電要素及び一対の集電体を収容したケースと、該ケースの外側に配置された一対の出力端子と、それぞれが一対の集電体のうちの対応する極性の集電体をケースに固定する一対の軸状部材であって、それぞれが、対応する極性の集電体と対応する極性の出力端子とを電気的に接続する一対の軸状部材とを備える(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この種の蓄電素子において、発電要素を構成する正極板及び負極板は、第一方向に相対的に位置ずれして配置されている。これにより、第一方向における発電要素の一端部には、正極板のみが積層された正極リード部が形成されている。また、第一方向における発電要素の他端部には、負極板のみが積層された負極リード部が形成されている。
【0005】
一対の集電体のそれぞれは、ケースの内面に沿って配置される固定用片部と、該固定用片部から延出された発電要素接続部とを備えている。固定用片部は、平板状に形成されている。そして、固定用片部には、軸状部材を挿通させる貫通穴が設けられている。一対の集電体のうちの一方の集電体の発電要素接続部は、発電要素に沿って配置された状態で該発電要素の正極リード部に電気的且つ機械的に接続されている。これに対し、一対の集電体のうちの他方の集電体の発電要素接続部は、発電要素に沿って配置された状態で該発電要素の負極リード部に電気的且つ機械的に接続されている。
【0006】
一対の軸状部材のそれぞれは、一対の集電体のうちの対応する極性の集電体の固定用片部と、ケースとに挿通された状態で軸力を生じさせる。すなわち、一対の軸状部材のうちの一方の軸状部材は、ケースに挿通された状態で内外から前記一方の集電体の固定用片部とケースとを挟み込み、該一方の集電体とケースとを締結している。これに対し、一対の軸状部材のうちの他方の軸状部材は、ケースに挿通された状態で内外から前記他方の集電体の固定用片部とケースとを挟み込み、該他方の集電体とケースとを締結している。
【0007】
そして、一対の軸状部材のそれぞれにおけるケースの外部側は、一対の出力端子のうちの対応する極性の出力端子と電気的に接続されている。これにより、上記構成の蓄電素子は、一対の集電体を介して発電要素からの電力を一対の出力端子に供給できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−346770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、この種の蓄電素子において、発電要素は、ケースに固定された一対の集電体に支持された状態になっている。そのため、外部から振動が加わったときに、発電要素がケース内で揺動しようとする。これに伴い、発電要素に接続された集電体も揺動しようとする。その結果、集電体の固定用片部に繰り返し応力が発生する。具体的に説明すると、集電体は、固定用片部及びケースが軸状部材の締め付け力(締結力)を受けた状態で、ケースに固定される。そのため、軸状部材の周辺における固定用片部が当該集電体の支持点(曲げ支点)となる。その結果、発電要素とともに集電体が揺動しようとしたときに、軸状部材の周辺における固定用片部に繰り返し応力が発生する。
【0010】
そのため、駆動時に振動が発生する機器(例えば、ハイブリッド電気自動車(HEV)、電気自動車(EV)、電動バイク、航空機、船舶等の各種機器)の電源に前記蓄電素子が採用されたときに、集電体の固定用片部が疲労破壊する虞がある。
【0011】
そこで、本発明は、ケースに固定された集電体における固定用片部が振動の影響で破損してしまうことを防止することのできる蓄電素子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る蓄電素子は、
正極板及び負極板を含む発電要素と、
それぞれが該発電要素における前記正極板及び前記負極板のうちの対応する極板に電気的に接続された一対の集電体と、
前記発電要素及び前記一対の集電体を収容したケースと、
該ケースの外側に配置された一対の出力端子と、
それぞれが前記ケースに挿通された状態で前記一対の集電体のうちの対応する集電体を前記ケースに固定する一対の軸状部材であって、それぞれが前記一対の集電体のうちの対応する集電体と前記一対の出力端子のうちの対応する出力端子とを電気的に接続する一対の軸状部材とを備え、
前記一対の集電体のそれぞれは、
前記ケースの内面に沿って配置される固定用片部と、
該固定用片部から延出された発電要素接続部であって、前記発電要素と電気的且つ機械的に接続される発電要素接続部とを備え、
前記一対の集電体のうちの少なくとも何れか一方の集電体の前記固定用片部は、
第一端部及び第二端部を有するベース片部であって、第一端部が前記発電要素接続部に接続されたベース片部と、
第一端部及び第二端部を有する折返片部であって、第一端部が前記ベース片部に接続された折返片部とを備え、
前記ベース片部は、前記折返片部よりも前記ケース側に配置され、
前記折返片部は、該折返片部の前記第一端部で前記ケースの内部側に折り返されて前記ベース片部に重ね合わされ、
前記一対の軸状部材のうちの少なくとも何れか一方の軸状部材は、前記ケース、前記ベース片部及び前記折返片部に挿通された状態で前記固定用片部を前記ケースに締結している。
【0013】
本発明に係る蓄電素子によれば、一対の集電体のうちの少なくとも何れか一方の集電体(固定用片部)のケースに対する固定位置で、ケース、ベース片部、及び折返片部が外側から内側に向けて積層された状態になる。そのため、集電体は、固定用片部における折返片部及びケースが軸状部材の締め付け力(締結力)を受けた状態でケースに固定される。従って、固定用片部を構成するベース片部及び折返片部のうちの軸状部材の周辺における折返片部が当該集電体の支持点(曲げ支点)となる。これに伴い、発電要素とともに集電体が揺動しようとしたときに、振動に伴う繰り返し応力が固定用片部を構成する折返片部に発生することになる。これに対し、ケースと折返片部とに挟まれたベース片部には、揺動に伴う断続的な曲げが集中的に作用することがなく、繰り返し応力の発生が抑制される。
【0014】
これにより、発電要素接続部と連続するベース片部の破損が防止される。従って、ケースに固定された集電体は、出力端子と発電要素とを機械的及び電気的に接続した状態で維持することができる。
【0015】
そして、折返片部の第一端部が前記ベース片部に接続されることによって、固定用片部全体が一体構造になる。従って、前記蓄電素子は、部品点数の増加や組み立て工数の増加を抑えつつ集電体の保護を図ることができる。
【0016】
本発明の一態様として、前記折返片部の前記第二端部は、前記ベース片部の第一端部側に重なるように配置され、前記折返片部の前記第二端部における少なくとも前記ベース片部側のエッジが面取りされていることが好ましい。このようにすれば、集電体のベース片部が、折返片部の第二端部の近傍で破損することを確実に防止することができる。
【0017】
具体的に説明すると、一対の集電体のうちの少なくとも何れか一方の集電体の固定用片部は、ベース片部と折返片部とが重合した二重構造になる。そのため、発電要素が揺動しようとしたとき、集電体のベース片部が折返片部の第二端部におけるベース片部側のエッジを支点に曲がろうとする傾向にある。従って、前記エッジが鋭いと、ベース片部に局部的な曲げ応力が作用し、ベース片部を破損させる可能性がある。しかしながら、前記エッジが面取りされることで、ベース片部に局部的な曲げ応力が作用することがない。従って、集電体における固定用片部(ベース片部)の破損が確実に防止される。
【0018】
この場合、前記ベース片部の前記第二端部は、該ベース片部の前記第一端部の反対側の端部であり、前記折返片部の前記第一端部が前記ベース片部の前記第二端部に接続され、前記折返片部の前記第二端部が該折返片部の前記第一端部の反対側に位置していることが好ましい。
【0019】
このようにすれば、集電体の固定用片部に曲げ荷重が作用したとき、ベース片部と折返片部とに曲げ応力を分散させることができる。すなわち、固定用片部を構成するベース片部及び折返片部がそれぞれ分離しているため、ベース片部及び折返片部がそれぞれ独立して曲げ荷重を受け得る。従って、固定用片部に曲げ荷重が作用したとき、ベース片部と折返片部とに曲げ応力を分散させることができる。これにより、前記蓄電素子は、固定用片部の破損をより確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明の蓄電素子は、ケースに固定された集電体における固定用片部が振動の影響で破損してしまうことを防止することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る蓄電素子の全体斜視図である。
【図2】図2は、同実施形態に係る蓄電素子の縦断面図である。
【図3】図3は、同実施形態に係る蓄電素子の部分拡大断面図であって、集電体の固定用片部の周辺の部分断面図である。
【図4】図4は、同実施形態に係る蓄電素子の斜め上方から見た部分分解斜視図である。
【図5】図5は、同実施形態に係る蓄電素子の斜め下方から見た部分分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態に係る蓄電素子について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態においては、蓄電素子の一例として、リチウムイオン電池(以下、単に電池という)について説明する。
【0023】
本実施形態に係る電池は、図1及び図2に示す如く、正極板20a及び負極板20bを含む発電要素2と、それぞれが該発電要素2における正極板20a及び負極板20bのうちの対応する極性の極板に電気的に接続された一対の集電体3,3と、発電要素2及び一対の集電体3,3を収容したケース4と、ケース4の外側に配置された一対の出力端子5,5と、それぞれがケース4に挿通された状態で集電体3をケース4に固定する一対の軸状部材6,6とを備える。
【0024】
発電要素2は、正極板20a及び負極板20bに加え、電気絶縁性を有するセパレータ20cをさらに備えている。正極板20a及び負極板20bは、セパレータ20cを間に挟んで交互に重ね合わされている。本実施形態において、正極板20a、負極板20b、及びセパレータ20cは、それぞれ帯状に形成されている。正極板20a、負極板20b、及びセパレータ20cは、長手方向を一致させた状態で重ね合わされ、該長手方向に巻回されている。
【0025】
正極板20a及び負極板20bは、第一方向に相対的に位置ずれした状態で配置される。本実施形態において、正極板20a及び負極板20bは、長手方向と直交する方向(第一方向と対応する巻回中心方向)に相対的に位置ずれした状態で配置されている。これにより、第一方向における発電要素2の一端部には、正極板20aが積層された正極用リード部21が形成され、第一方向における発電要素2の他端部には、負極板20bが積層された負極用リード部21が形成されている。
【0026】
本実施形態において、発電要素2は、扁平状に形成されている。これにより、発電要素2は、巻回中心(第一方向に延びる中心線)の両側に真っ直ぐに延びる一対の平坦部22,22と、該一対の平坦部22,22同士を接続した一対の円弧部23,23とを備える。これに伴い、巻回中心方向における発電要素2の一端部における平坦部22,22が正極用リード部21とされ、巻回中心方向における発電要素2の他端部における平坦部22,22が負極用リード部21とされている。
【0027】
一対の集電体3,3のうちの一方の集電体(正極用集電体という)3は、金属プレートを曲げ加工して形成されている。正極用集電体3は、図3乃至図5に示す如く、ケース4の内面に沿って配置される固定用片部30と、該固定用片部30から延出された発電要素接続部31とを備えている。
【0028】
固定用片部30は、第一端部P1及び第二端部P2を有するベース片部300と、第一端部P3及び第二端部P4を有する折返片部301とを備えている。
【0029】
ベース片部300は、平面視略四角形の平板状(本実施形態においては短冊状)に形成される。ベース片部300の第一端部P1は、発電要素接続部31に接続されている。ベース片部300は、折返片部301よりもケース4側に配置されている。本実施形態において、ベース片部300の第二端部P2は、該ベース片部300の第一端部P1の反対側の端部である。
【0030】
折返片部301は、平面視略四角形の平板状(本実施形態においては短冊状)に形成される。折返片部301の第一端部P3は、ベース片部300に接続されている。折返片部301の第二端部P4は、該折返片部301の第一端部P3の反対側の端部である。本実施形態において、折返片部301の第一端部P3は、ベース片部300の第二端部P2に接続されている。折返片部301は、該折返片部301の第一端部P3でケース4の内部側に折り返されている。これにより、折返片部301は、ケース4の内部側でベース片部300に重ね合わされている。これに伴い、折返片部301の第二端部P4は、ベース片部300における第一端部P1側に重なるように配置されている。折返片部301の第二端部P4における少なくともベース片部300側のエッジが面取りされている。ここで面取りとは、エッジが切除されていることを意味する。従って、エッジが切除されて形成される面は、平面であってもよいし、曲面(湾曲面)であってもよい。
【0031】
固定用片部30には、軸状部材6を挿通するための貫通穴302が形成されている。すなわち、重なり合ったベース片部300及び折返片部301には、同心及び同径の貫通穴302が設けられている。
【0032】
発電要素接続部31は、図4及び図5に示す如く、第一端部P5及び第二端部P6を有する。発電要素接続部31の第一端部P5には、前記ベース片部300の第一端部P1が接続されている。そして、発電要素接続部31は、固定用片部30(ベース片部300)に対して直角又は略直角をなしている。発電要素接続部31は、第一端部P5と第二端部P6との並ぶ方向で長手に形成される。そして、発電要素接続部31は、第一方向と直交する第二方向(発電要素2の巻回中心と直交する方向)で発電要素2(正極リード部21)に沿って配置される。発電要素接続部31の第一端部P5と第二端部P6との間には、発電要素2と電気的及び機械的に接続するための接続片310が形成されている。
【0033】
接続片310は、発電要素2の巻回中心部に挿入可能に構成される。本実施形態において、接続片310は、第一方向及び第二方向と直交する第三方向(発電要素2の巻回中心方向と発電要素2の長軸方向とに直交する方向)に間隔をあけて二つ設けられる。二つの接続片310,310は、第二方向に延びるように形成されている。該二つの接続片310,310は、固定用片部30と同方向に延出するように形成されている。
【0034】
接続片310は、発電要素2の巻回中心に挿入された状態で、近傍にある正極リード部21に電気的及び機械的に接続される。本実施形態に係る発電要素2は、扁平渦巻き状に形成されているため、図2に示す如く、正極リード部21は、クリップ部材32(薄板を二つ折りにしたもの)で寄せ集めるようにして挟み込まれる。そして、接続片310、クリップ部材32、及びリード部21は、一体的に連結される。これにより、正極リード部21は、クリップ部材32を介して集電体3と通電可能に接続される。
【0035】
一対の集電体3,3のうちの他方の集電体(負極用集電体という)3は、正極用集電体(一方の集電体)3と同一形態に形成されている。従って、正極用集電体3に関する上記説明は、文中の「正極」を「負極」と読み替えることで、負極用集電体3の説明となる。これに伴い、ここでは負極用集電体3の個別の説明に正極用集電体3の説明が代用される。
【0036】
正極用集電体3においては、固定用片部30が負極用集電体3側に延出するように、接続片310が第一方向における発電要素2の一端部の巻回中心に挿入される。そして、正極用集電体3の接続片310、クリップ部材32、及び正極リード部21が一体的に連結される。負極用集電体3においては、固定用片部30が正極用集電体3側に延出するように、接続片310が第一方向における発電要素2の他端部の巻回中心に挿入される。そして、負極用集電体3の接続片310、クリップ部材32、及び負極リード部21が一体的に連結される。
【0037】
ケース4は、一面に開口部400を形成したケース本体40と、該ケース本体40の開口部400を閉塞する蓋体41とで構成されている。
【0038】
ケース本体40は、発電要素2とともに該発電要素2に接続された正極用集電体3及び負極用集電体3を収容可能に形成されている。ケース本体40は、平面視四角形状の底部401と、該底部401の長手方向の両端から起立した一対の側壁部402,402と、底部401の長手方向と直交する両端から起立した一対の前後壁部403,403とを備えている。そして、隣り合う側壁部402及び前後壁部403は、互いに接続されている。これにより、ケース本体40には、底部401の平面形状に対応する開口部400が形成されている。本実施形態において、前後壁部403,403と発電要素2の平坦部22,22とが対向するように、開口部400からケース本体40の内部に発電要素2が収容される。
【0039】
蓋体41は、ケース本体40の開口部400の平面形状に対応して形成されている。そして、該蓋体41には、軸状部材6を挿通するための貫通穴410,410が間隔をあけて一対設けられている。本実施形態において、上述の如く、発電要素2が平坦部22を前後壁部403と対向させた状態でケース本体40に収容される。従って、発電要素2に接続された正極用集電体3及び負極用集電体3は、側壁部402,402の並ぶ方向に間隔をあけて配置される。これに伴い、蓋体41に設けられる一対の貫通穴410,410は、側壁部402,402の並ぶ方向に間隔をあけて配置される。
【0040】
蓋体41の外周は、ケース本体40の上端部(側壁部402,402及び前後壁部403,403の上端)に溶接されている。これにより、蓋体41がケース本体40の開口部400を封止している。
【0041】
一対の出力端子5,5のそれぞれは、電気的な負荷や別の電池に接続される部分である。一対の出力端子5,5のうちの一方の出力端子(以下、正極用出力端子という)5は、軸状に形成されている。より具体的に説明すると、正極用出力端子5は、図3乃至図5に示す如く、軸状の端子部50と、該端子部50と連続する回止部51とを備えている。正極用出力端子5は、図示しない雌ネジ部材(例えば、ナット)が螺合可能なネジ溝を端子部50の外周に備えている。すなわち、本実施形態においては、正極用出力端子5には、ボルト端子が採用されている。
【0042】
回止部51は、図3及び図4に示す如く、端子部50との接続面とは反対側の面に、端子部50の軸心方向と直交する方向に延びる回り止め用の溝510を備えている。本実施形態において、回止部51は、端子部50よりも大径に形成されている。また、回止部51は、後述する回止部材52に形成された凹部53内に収容可能にサイズ設定されている。
【0043】
ここで、回止部材52は、正極用出力端子5に対応して設けられる。回止部材52は、電気絶縁性を備えた合成樹脂成型品である。本実施形態において、回止部材52の上面には、回止部51を収容するための凹部53が形成されている。回止部材52の凹部53の奥部(底面上)には、回止部51に形成された溝510と嵌合可能な凸部54が形成されている。
【0044】
そして、回止部材52の下面(凹部53の開放部分の反対側の面)は、ケース4(蓋体41)の外面に接着される。これにより、回止部材52は、蓋体41の外面と直交する方向に延びる軸線回りでの回転が阻止されている。従って、回止部材52に凸部54と嵌合した正極用出力端子5は、回り止めされる。
【0045】
一対の出力端子5,5のうちの他方の出力端子(以下、負極用出力端子という)5は、正極用出力端子5(一方の出力端子)と同一形態に形成されている(図2参照)。従って、正極用出力端子5に関する上記説明は、文中の「正極」を「負極」と読み替えることで、負極用出力端子5の説明となる。これに伴い、ここでは負極用出力端子5の個別の説明に正極用出力端子5の説明が代用される。
【0046】
一対の軸状部材6,6のうちの一方の軸状部材(以下、正極用軸状部材という)6は、軸状のリベット部60と、該リベット部60に連結された鍔部61とを備えている。本実施形態に係る正極用軸状部材6において、鍔部61におけるリベット部60と連結された部位の反対側の部位に別のリベット部(以下、接続杆用リベット部という)62が連結されている。
【0047】
正極用軸状部材6のリベット部60は、ケース4の外側から該ケース4の貫通穴410及び正極用集電体3の固定用片部30の貫通穴302に挿通される。そして、リベット部60の先端部は、ケース4内でかしめ処理されている。これにより、ケース4(蓋体41)及び固定用片部30(ベース片部300及び折返片部301)が正極用軸状部材6の鍔部61と、かしめ処理されたリベット部60の先端部とに挟まれ、互いに締結された状態になっている。
【0048】
一対の軸状部材6,6のうちの他方の軸状部材(以下、負極用軸状部材という)6は、正極用軸状部材6と同一形態に形成されている(図2参照)。また、負極用軸状部材6の取り付け態様は、正極用軸状部材6の取り付け態様と同様にされる。従って、正極用軸状部材6に関する上記説明は、文中の「正極」を「負極」と読み替えることで、負極用軸状部材6に関する説明となる。これに伴い、ここでは負極用軸状部材6及び該負極用軸状部材6の取り付け態様の説明に正極用軸状部材6に関する説明が代用される。
【0049】
図2に戻り、電池1は、正極用集電体3及び負極用集電体3のそれぞれの配置に対応するように、ケース4の蓋体41の内面に沿って配置された一対の内部ガスケット7,7と、正極用集電体3及び負極用集電体3のそれぞれの配置に対応するように、ケース4の蓋体41の外面に沿って配置された一対の外部ガスケット8,8とを備えている。
【0050】
一対の内部ガスケット7,7のうちの一方の内部ガスケット(以下、正極用内部ガスケットという)7は、電気絶縁性及び封止性を備えた合成樹脂成型品である。本実施形態において、正極用内部ガスケット7は、図3乃至図5に示す如く、平面視長方形状に形成されている。また、正極用内部ガスケット7の一方の面(蓋体41の内面に沿う面とは反対側の面)には、正極用集電体3の固定用片部30を受け入れ可能な凹部70が形成されている(図3及び図5参照)。また、正極用内部ガスケット7には、貫通穴71が形成されている。該貫通穴71は、正極用集電体3の固定用片部30が凹部70に受け入れられた状態で、該固定用片部30に形成された貫通穴302と一致するように設けられている。
【0051】
一対の内部ガスケット7,7のうちの他方の内部ガスケット(以下、負極用内部ガスケットという)7は、正極用内部ガスケット7と同一形態に形成されている(図2参照)。従って、正極用内部ガスケット7に関する上記説明は、文中の「正極」を「負極」と読み替えることで、負極用内部ガスケット7の説明となる。これに伴い、ここでは負極用内部ガスケット7の個別の説明に正極用内部ガスケット7の説明が代用される。
【0052】
一対の外部ガスケット8,8のうちの一方の外部ガスケット(以下、正極用外部ガスケットという)8は、正極用内部ガスケット7と同様、電気絶縁性と封止性を備えた合成樹脂成型品である。正極用外部ガスケット8は、正極用軸状部材6の鍔部61よりも一回り大きいサイズとなっている。そして、正極用外部ガスケット8には、正極用軸状部材6の鍔部61を受け入れ可能な凹部80が形成されている。
【0053】
また、正極用外部ガスケット8は、正極用軸状部材6の鍔部61が凹部80に収容された状態で、正極用軸状部材6のリベット部60を挿通可能な貫通穴81が形成されている。正極用外部ガスケット8の下面には、正極用軸状部材6のリベット部60を挿通させる貫通穴81と同心の筒状部82が設けられている。該筒状部82は、内穴(採番しない)に正極用軸状部材6のリベット部60を挿通可能になっている。また、筒状部82は、蓋体41の貫通穴410と、該貫通穴410と連なる正極用内部ガスケット7の貫通穴71とに挿入される。
【0054】
一対の外部ガスケット8,8のうちの他方の外部ガスケット(以下、負極用外部ガスケットという)8は、正極用外部ガスケット8と同一形態に形成されている(図2参照)。従って、正極用外部ガスケット8に関する上記説明は、文中の「正極」を「負極」と読み替えることで、負極用外部ガスケット8の説明となる。これに伴い、ここでは負極用外部ガスケット8の個別の説明に正極用外部ガスケット8の説明が代用される。
【0055】
このように、本実施形態の電池1は、一対の軸状部材(正極用軸状部材、負極用軸状部材)6,6と一対の出力端子(正極用出力端子、負極用出力端子)5,5とが独立した構成とされる。これを前提に、電池1は、図2に示す如く、それぞれが、一対の軸状部材6,6のうちの対応する極性の軸状部材6と、一対の出力端子5,5のうちの対応する極性の出力端子5とを電気的に接続するための一対の接続杆9,9を備えている。
【0056】
すなわち、電池1は、正極用出力端子5と正極用軸状部材6とを電気的に接続する接続杆(以下、正極用接続杆という)9と、負極用出力端子5と負極用軸状部材6とを電気的に接続する接続杆(負極用接続杆という)9とを備えている。
【0057】
正極用接続杆9は、図3乃至図5に示す如く、短冊状の金属プレートで構成されている。正極用接続杆9には、長手方向に間隔をあけて二つの貫通穴90,91(以下、一方の貫通穴を第一穴90といい、他方の貫通穴を第二穴91という)が形成されている。そして、正極用接続杆9の第一穴90には、正極用軸状部材6の接続杆用リベット部62が挿通される。正極用接続杆9から外方に突出した接続杆用リベット部62の先端部は、かしめ処理されている(図3参照)。
【0058】
これに対し、正極用接続杆9の第二穴91には、正極用出力端子5の端子部50が挿通される。そして、正極用出力端子5の端子部50に図示しない雌ネジ部材が螺合されて締め付けられることで、該正極用出力端子5の回止部51と正極用接続杆9とが接触する。これにより、正極用出力端子5は、該正極用接続杆9、正極用軸状部材6を介して正極用集電体3に電気的に接続される。
【0059】
これを前提に、正極用軸状部材6のリベット部60は、正極用外部ガスケット8(貫通穴81及び筒状部82)と、正極用内部ガスケット7の凹部70内に配置された正極用集電体3の固定用片部30(貫通穴302)とに連続して挿通される。そして、正極用軸状部材6のリベット部60において、正極用集電体3(固定用片部30)から内方に突出した先端部がかしめ処理されている(図3参照)。
【0060】
これにより、正極用集電体3は、ケース4に固定された状態で、正極用軸状部材6に電気的に接続されている。これに併せて、正極用軸状部材6は、正極用内部ガスケット7及び正極用外部ガスケット8を蓋体41の内外面に圧接させるとともに、正極用外部ガスケット8の筒状部82を圧縮変形(径方向に拡径)させている。これにより、リベット部60と蓋体41の貫通穴410を画定する内周面との間が封止されている。
【0061】
負極用接続杆9は、正極用接続杆9と同一形態に形成されている(図2参照)。また、負極用接続杆9と負極用集電体3との接続態様は、正極用接続杆9と正極用集電体3との接続態様と同様にされる(図2参照)。従って、正極用接続杆9に関する上記説明は、文中の「正極」を「負極」と読み替えることで、負極用接続杆9に関する説明となる。これに伴い、ここでは負極用接続杆9、及び該負極用接続杆9と負極用集電体3との接続態様の個別の説明に正極用接続杆9に関する説明が代用される。
【0062】
本実施形態に係る電池1は、以上の通りである。この電池1によれば、図2に示す如く、正極用集電体3の固定位置で、ケース4、ベース片部300、及び折返片部301が外側から内側に向けて積層された状態になる。
【0063】
そのため、正極用集電体3は、固定用片部30における折返片部301及びケース4が軸状部材6の締め付け力(締結力)を受けた状態でケース4に固定される。従って、正極用集電体3の固定用片部30を構成する折返片部301が当該正極用集電体3の支持位置となる。
【0064】
これに伴い、正極用軸状部材6の周辺における正極用集電体3の折返片部301(貫通穴302の周辺)に、揺動(振動)に伴う断続的な曲げが集中的に作用し、繰り返し応力が発生することになる。これに対し、正極用集電体3のベース片部300は、ケース4と折返片部301に挟まれた状態になっている。そのため、正極用軸状部材6の周辺における正極用集電体3のベース片部300に、揺動に伴う断続的な曲げが集中的に作用することがなく、繰り返し応力の発生が抑制される。
【0065】
これにより、正極用集電体3において、固定用片部30を構成する折返片部301が振動の影響で破損(疲労破壊)したとしても、発電要素接続部31と連続するベース片部300の破損が防止される。従って、正極用集電体3は、振動環境下であっても、疲労破壊することなく、正極用出力端子5と発電要素2とを機械的及び電気的に接続した状態で維持することができる。
【0066】
また、負極用集電体3の形態及び取り付け態様は、正極用集電体3の形態及び取り付け態様と共通する。そのため、負極用集電体3の固定位置においても、ケース4、ベース片部300、及び折返片部301が外側から内側に向けて積層された状態になる。これにより、負極用集電体3についても、正極用集電体3と同様の作用が生じることになる。従って、負極用集電体3は、振動環境下であっても、疲労破壊することなく、負極用出力端子5と発電要素2とを機械的及び電気的に接続した状態で維持することができる。
【0067】
そして、正極用集電体3及び負極用集電体3のそれぞれにおいて、折返片部301の第一端部P1がベース片部300に接続されることによって、固定用片部30全体が一体構造になる。従って、電池1は、部品点数の増加や組み立て工数の増加を抑えつつ正極用集電体3及び負極用集電体3の保護を図ることができる。
【0068】
また、正極用集電体3及び負極用集電体3のそれぞれにおいて、ベース片部300が折返片部301の第二端部P4の近傍で破損することを確実に防止することができる。
【0069】
具体的に説明すると、正極用集電体3及び負極用集電体3のそれぞれにおける固定用片部30は、ベース片部300と折返片部301とが重合した二重構造になる。そのため、発電要素2が揺動しようとしたとき、正極用集電体3及び負極用集電体3のそれぞれにおいて、ベース片部300が折返片部301の第二端部P2におけるベース片部300側のエッジを支点に曲がろうとする傾向にある。従って、エッジが鋭いと、ベース片部300に局部的な曲げ応力が作用し、ベース片部300を破損させる可能性がある。しかしながら、エッジが面取りされることで、ベース片部300に局部的な曲げ応力が作用することがない。従って、正極用集電体3及び負極用集電体3のそれぞれにおいて、ベース片部300の破損が確実に防止される。
【0070】
また、正極用集電体3及び負極用集電体3のそれぞれにおいて、振動に伴う衝撃力や発電要素2の荷重が発電要素接続部31を介して固定用片部30に曲げ荷重として作用したとき、ベース片部300と折返片部301とに曲げ応力を分散させることができる。すなわち、固定用片部30を構成するベース片部300及び折返片部301がそれぞれ分離しているため、ベース片部300及び折返片部301がそれぞれ独立して曲げ荷重を受け得る。従って、固定用片部30に曲げ荷重として作用したとき、ベース片部300と折返片部301とに曲げ応力を分散させることができる。これにより、電池1は、固定用片部30の破損をより確実に防止することができる。
【0071】
なお、本発明に係る蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更を加え得ることは勿論のことである。
【0072】
上記実施形態において、蓄電素子の一例としてリチウムイオン電池が挙げられたが、蓄電素子は、リチウムイオン電池に限定されるものではない。例えば、蓄電素子は、ニッケル水素電池等の他の電池や、キャパシタ(電気二重層キャパシタ等)であってもよい。
【0073】
上記実施形態において、一対の集電体3,3のそれぞれの固定用片部30が折返片部301を備えたが、これに限定されるものではない。例えば、一対の集電体3,3のうちの何れか一方の集電体3の固定用片部30のみが折返片部301を備えてもよい。一般的にリチウムイオン電池では、正極用集電体3がアルミニウムで構成され、負極用集電体3が銅で構成されることが多い。このような場合、アルミニウム製の正極用集電体3が銅製の負極用集電体3よりも応力の作用で破損し易くなる。従って、上述のように、一対の集電体3,3のうちの何れか一方の集電体3の固定用片部30のみが折返片部301を備える場合、正極用集電体3の固定用片部30が折返片部301を備えることが好ましい。
【0074】
上記実施形態の折返片部301は、平面視略四角形状の平板に形成されることで単層にされたが、これに限定にされるものではない。例えば、折返片部301は、ケース4の内部側で二回以上に折り返されたものであってもよい。
【0075】
上記実施形態の折返片部301の第二端部P4におけるベース片部300側のエッジが面取りされたが、これに限定にされるものではない。例えば、折返片部301の第二端部P4におけるベース片部300側のエッジが未処理のものであってもよい。
【0076】
上記実施形態の固定用片部30は、ベース片部300と折返片部301との対向面の全面を接続しなかったが、これに限定されるものではない。例えば、軸状部材6の挿通位置からベース片部300の第二端部P2までの間でベース片部300と折返片部301とを接続(溶接等)をしてもよい。
【0077】
上記実施形態において、出力端子5と軸状部材6とが接続杆9を介して電気的に接続されたが、これに限定されるものではない。例えば、出力端子5と軸状部材6とが一体的に形成されたものであってもよい。
【0078】
上記実施形態において、回止部材52と外部ガスケット8とが独立した構成にされたが、これに限定されるものではない。例えば、出力端子5の回り止め機能を備えた外部ガスケット8のみがケース4の外面上に配置されたものであってもよい。
【0079】
上記実施形態において、かしめ処理されるリベット部60を備えた軸状部材6が採用されたが、これに限定されるものではない。例えば、固定用片部30に穿設されたネジ穴や固定用片部30の内面側に配置された雌ネジ部材に螺合される雄ネジ部を備えた軸状部材6が採用されてもよい。この場合においても、軸状部材6は、ケース4、ベース片部300及び折返片部301に挿通された状態で固定用片部30をケース4に締結することになる。従って、雄ネジ部を備えた軸状部材6が採用されても上記実施形態と同様の作用及び効果を奏し得る。
【0080】
上記実施形態において、ケース4の外側に配置される一対の出力端子5,5のそれぞれが同種のボルト端子で構成されたが、これに限定されるものではない。例えば、一対の出力端子5,5のうちの何れか一方の出力端子5がケース4の外面で構成されてもよい。すなわち、一対の集電体3,3のうちの何れか一方の集電体3が軸状部材6を介してケース4(ケース本体40又は蓋体41)に機械的及び電気的に接続されることで、ケース4(ケース本体40又は蓋体41)の外面が該ケース4の外側に配置される何れか一方の出力端子5を構成してもよい。この場合、一対の出力端子5,5のうちの何れか他方の出力端子5は、上記実施形態と同様のボルト端子5、又は、対応する極性の集電体3をケース4に固定する軸状部材6で構成されればよい。
【符号の説明】
【0081】
1…蓄電素子(電池)、2…発電要素、3…集電体(正極用集電体、負極用集電体)、4…ケース、5…出力端子(正極用出力端子、負極用出力端子)、6…軸状部材(正極用軸状部材、負極用軸状部材)、7…内部ガスケット(正極用内部ガスケット、負極用内部ガスケット)、8…外部ガスケット(正極用外部ガスケット、負極用外部ガスケット)、9…接続杆(正極用接続杆、負極用接続杆)、20a…正極板、20b…負極板、20c…セパレータ、21…リード部(正極リード部、負極リード部)、22…平坦部、23,23…円弧部、30…固定用片部、31…発電要素接続部、32…クリップ部材、40…ケース本体、41…蓋体、50…端子部、51…回止部、52…回止部材、53…凹部、54…凸部、60…リベット部、61…鍔部、62…接続杆用リベット部(リベット部)、70…凹部、71…貫通穴、80…凹部、81…貫通穴、82…筒状部、90…第一穴(貫通穴)、91…第二穴(貫通穴)、300…ベース片部、301…折返片部、302…貫通穴、310…接続片、400…開口部、401…底部、402…側壁部、403…前後壁部、410…貫通穴、510…溝、P1…第一端部、P2…第二端部、P3…第一端部、P4…第二端部、P5…第一端部、P6…第二端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極板及び負極板を含む発電要素と、
それぞれが該発電要素における前記正極板及び前記負極板のうちの対応する極板に電気的に接続された一対の集電体と、
前記発電要素及び前記一対の集電体を収容したケースと、
該ケースの外側に配置された一対の出力端子と、
それぞれが前記ケースに挿通された状態で前記一対の集電体のうちの対応する集電体を前記ケースに固定する一対の軸状部材であって、それぞれが前記一対の集電体のうちの対応する集電体と前記一対の出力端子のうちの対応する出力端子とを電気的に接続する一対の軸状部材とを備え、
前記一対の集電体のそれぞれは、
前記ケースの内面に沿って配置される固定用片部と、
該固定用片部から延出された発電要素接続部であって、前記発電要素と電気的且つ機械的に接続される発電要素接続部とを備え、
前記一対の集電体のうちの少なくとも何れか一方の集電体の前記固定用片部は、
第一端部及び第二端部を有するベース片部であって、第一端部が前記発電要素接続部に接続されたベース片部と、
第一端部及び第二端部を有する折返片部であって、第一端部が前記ベース片部に接続された折返片部とを備え、
前記ベース片部は、前記折返片部よりも前記ケース側に配置され、
前記折返片部は、該折返片部の前記第一端部で前記ケースの内部側に折り返されて前記ベース片部に重ね合わされ、
前記一対の軸状部材のうちの少なくとも何れか一方の軸状部材は、前記ケース、前記ベース片部及び前記折返片部に挿通された状態で前記固定用片部を前記ケースに締結している
蓄電素子。
【請求項2】
前記折返片部の前記第二端部は、前記ベース片部の第一端部側に重なるように配置され、
前記折返片部の前記第二端部における少なくとも前記ベース片部側のエッジが面取りされている請求項1に記載の蓄電素子。
【請求項3】
前記ベース片部の前記第二端部は、該ベース片部の前記第一端部の反対側の端部であり、
前記折返片部の前記第一端部が前記ベース片部の前記第二端部に接続され、
前記折返片部の前記第二端部が該折返片部の前記第一端部の反対側に位置している請求項2に記載の蓄電素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−114816(P2013−114816A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257986(P2011−257986)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(507151526)株式会社GSユアサ (375)
【Fターム(参考)】