蓄電装置
【課題】重量増を抑えつつ強度の向上を図る。
【解決手段】ハウジング2が後側パネル30と後側パネル30及び電池モジュール1の双方に固定される格子状の後側フレーム20と、電池モジュール1を下から支える支持部24とを有している。故に、従来例のように箱形のハウジングに電池モジュール1が収納される場合と比較して、ハウジング2の重量増を抑えつつ強度の向上を図ることができる。
【解決手段】ハウジング2が後側パネル30と後側パネル30及び電池モジュール1の双方に固定される格子状の後側フレーム20と、電池モジュール1を下から支える支持部24とを有している。故に、従来例のように箱形のハウジングに電池モジュール1が収納される場合と比較して、ハウジング2の重量増を抑えつつ強度の向上を図ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力系統から供給される電力を蓄え、電力系統からの給電が停止(停電)した場合や電力系統の電力需要が高い場合に蓄えた電力を負荷に供給する蓄電装置が提供されている。
【0003】
例えば、多数の円筒型リチウムイオン電池セルが径方向に並べてケース内に収納された電池モジュールと、複数の電池モジュールが収納される筐体とを備える蓄電装置が非特許文献に開示されいてる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
パナソニック株式会社のホームページ>パナソニック企業情報>技術・研究開発>先進技術のご紹介>蓄電池、AC/DCハイブリッド配線システム(URL:http://panasonic.co.jp/company/r-and-d/technology/topics/eco/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来例においては、電力系統の代替として要求される電池容量を満たすために多くの電池モジュールが必要であり、電池モジュールの数が増えるにつれて総重量も増大し、電池モジュールを保持するハウジングの強度不足が懸念される。一方、強度を上げるためにハウジングの重量が大幅に増加してしまうと、蓄電装置の設置作業に手間がかかるという問題や、設置場所に制約を受けてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、重量増を抑えつつ強度の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の蓄電装置は、複数個の電池セルがケースに収納されてなる電池モジュールと、1乃至複数の前記電池モジュールを収納するハウジングとを備え、前記ハウジングは、前記電池モジュールの後方に配置される平板状のパネルと、前記パネルと前記電池モジュールの間に配置され前記パネル及び前記電池モジュールの双方に固定される格子状のフレームと、前記フレームの下部より前方へ突出し、前記電池モジュールを下から支える1乃至複数の支持部とを有することを特徴とする。
【0008】
この蓄電装置において、前記ハウジングは、前記電池モジュールの前方及び左右両側方に固定される格子状の前側フレーム及び左側フレーム、右側フレームと、前記各フレームと結合されて前記電池モジュールの前後左右及び上下を覆う複数のパネルとを有することが好ましい。
【0009】
この蓄電装置において、前記電池モジュールは、前記電池セルの陽極及び陰極と電気的に接続される端子部を有し、前記端子部を外部の電源や負荷と接続するための配電部が前記ハウジング内に設けられ、前記ハウジングは、前記ハウジング内において前記配電部が配置される施工空間を開閉自在に塞ぐ蓋パネルを有することが好ましい。
【0010】
この蓄電装置において、前記ハウジングは、前記ハウジング内において前記電池モジュールが収納される収納空間と前記施工空間を隔絶する配電部カバーと、前記施工空間を上方及び前方に露出させる開口窓とを有し、前記蓋パネルは、前記開口窓を塞ぐ形状に形成されていることが好ましい。
【0011】
この蓄電装置において、前記左側フレーム及び右側フレームの上方に、内側に凹んだ凹部が設けられ、前記ハウジング内において前記凹部の上方に前記配電部カバーの一部が配置されることが好ましい。
【0012】
この蓄電装置において、前記電池モジュールは、内部で発生する気体を放出するための孔が開口しており、前記孔から放出される前記気体の流路を形成する排気ダクトが前記前側パネルに一体に設けられることが好ましい。
【0013】
この蓄電装置において、前記電池モジュールは、内部で発生する気体を放出するための孔が開口しており、前記孔から放出される前記気体の流路を形成する排気ダクトが前記ハウジング内に設けられ、前記排気ダクトは、前記フレームの内側に収まるように配置されることが好ましい。
【0014】
この蓄電装置において、前記電池モジュールは、内部で発生する気体を放出するための孔が開口しており、前記孔から放出される前記気体の流路を形成する排気ダクトが前記ハウジング内に設けられ、前記排気ダクトは、前記フレームの一部が筒状に形成されることで前記フレームと一体に構成されることが好ましい。
【0015】
この蓄電装置において、前記電池モジュールは、内部で発生する気体を放出するための孔が開口しており、前記パネルと前記電池モジュールとの間に、前記孔から放出される前記気体の流路が形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の蓄電装置は、重量増を抑えつつ強度の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態を示す一部省略した分解斜視図である。
【図2】同上の分解斜視図である。
【図3】同上の後側パネルと後側フレームの分解斜視図である。
【図4】同上の後側パネルと後側フレームの斜視図である。
【図5】同上の後側パネルと後側フレームと電池モジュールの斜視図である。
【図6】同上の後側パネルと後側フレームと電池モジュールと左側フレームと右側フレームと前側フレームの斜視図である。
【図7】同上の後側パネルと後側フレームと電池モジュールと左側フレームと右側フレームと前側フレームと排気ダクトの斜視図である。
【図8】同上の後側パネルと後側フレームと電池モジュールと左側フレームと右側フレームと前側フレームと排気ダクトと配線部カバーの斜視図である。
【図9】同上の前側パネルが外された状態の斜視図である。
【図10】同上における電池モジュールの斜視図である。
【図11】同上における電池モジュールの分解斜視図である。
【図12】同上の一部省略した断面図である。
【図13】本発明の別の実施形態を示す分解斜視図である。
【図14】同上における排気ダクトが一体化された前側パネルの斜視図である。
【図15】同上における排気ダクトが前側フレームの横桟と一体化された実施形態の一部省略した断面図である。
【図16】同上における後側フレームと電池モジュールの間の空間を排気ダクトに利用する実施形態の一部省略した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、以下の説明では図2において前後左右上下の各方向を規定している。
【0019】
本実施形態の蓄電装置(蓄電池ユニット)は、図2に示すように複数(図示例では4つ)の電池モジュール1と、電池モジュール1を保持する保持体(ハウジング2)とを備える。
【0020】
電池モジュール1は、図10及び図11に示すように電池パック10と、電池パック10を内部に収納するケース11とで構成される。電池パック10は、図示しない多数の円筒型リチウムイオン電池セル(以下、電池セルと略す。)が合成樹脂製の筐体内に収納されて構成されている。複数の電池セルが並列に接続されて組電池が構成され、さらに複数の組電池が直列に接続されている。また、電池パック10の筐体には正極及び負極の端子部10A,10Bが設けられ、筐体内で直列接続された組電池の両極とそれぞれ接続されている。
【0021】
ここで、電池セル内での内部短絡等による発熱でガスが発生し、電池セルの安全弁が作動して高温のガスが電池セルの外に放出された場合、周辺の電池セルが高温のガスに曝されると、正常な電池セルにまで影響を与え、連鎖的な劣化を引き起こす虞がある。そのため、電池パック10の筐体には、上記ガスを筐体の外に放出させるための貫通孔(放出口)10Cが前後両面の下部に開口されている(図11参照)。
【0022】
ケース11は、縦横(上下左右)の長さ寸法に対して厚み寸法(前後方向の長さ寸法)が小さい扁平な箱状であって縦横の面(前面)が開口したケース本体12と、ケース本体12の開口面を塞ぐケース蓋13とで構成される。ケース本体12の内部には、電池パック10を支持する矩形枠状の支持台12Aが設けられている。また、ケース本体12の長手方向の一端部には、電池パック10に設けられた一対の端子部10A,10Bを露出させる溝12Bが設けられている。一方、ケース蓋13の長手方向の一端部にも、一対の端子部10A,10Bを露出させる溝13Aが設けられている。
【0023】
ケース本体12の左右両側面に複数(図示例では6個)のボス部12Cがそれぞれ設けられ、ケース蓋13の左右両端におけるケース本体12のボス部12Cと重なる位置に複数(図示例では6つ)の突片13Bがそれぞれ設けられている。そして、電池パック10が収納されたケース本体12の前面開口にケース蓋13が被せられ、突片13Bを貫通する挿通孔13C及びボス部12Cを貫通する挿通孔12Dに挿通されるボルト(図示せず)にナット(図示せず)が締め付けられてケース11が組み立てられる(図10参照)。なお、ケース本体12とケース蓋13との接合部分がガスケットなどでシールされて密閉されることが好ましい。また、ケース本体12及びケース蓋13の下部には、それぞれ電池パック10の放出口10Cと連通する放出口12E,13Dが開口しており、電池パック10内で発生したガスがケース本体12及びケース蓋13の各放出口12E,13Dを通してケース11の外に放出される。
【0024】
ハウジング2は、図1及び図2に示すように複数のフレームからなるフレームブロックと、複数枚のパネルからなる筐体とで構成される。フレームブロックは、何れも金属製の後側フレーム20及び前側フレーム21、左側フレーム22、右側フレーム23、支持部24で構成される。また筐体は、何れも金属製の後側パネル30及び前側パネル31、左側パネル32、右側パネル33、下側パネル34、上側パネル35で構成される。
【0025】
後側フレーム20は、図3に示すように矩形の枠部200と、枠部200のほぼ中央に設けられた縦桟201と、枠部200の上下方向に沿って並設された4つの横桟202と、枠部200の左上端及び右上端より上向きに突出する突片203と、両突片203を連結する連結片204とを有する。また、枠部200の下部(下枠)に一対の支持部24が結合されている。支持部24は、矩形の金属板からなり、前後方向に沿った両端が曲げ起こされることで角樋状に形成され、後端部が枠部200の下部に結合されている。
【0026】
前側フレーム21は、図1に示すように矩形の枠部210と、枠部210のほぼ中央に設けられた縦桟211と、枠部210の上下方向に沿って並設された2つの横桟212とを有する。左側フレーム22及び右側フレーム23は、何れも矩形の金属板からなり、前後方向に沿った両端が曲げ起こされることで角樋状に形成され、後述するように長手方向の両端が後側フレーム20の枠部200と前側フレーム21の枠部210にそれぞれねじ止めされる。
【0027】
後側パネル30及び前側パネル31は、長方形の金属板における上端及び左右両端が曲げ起こされて構成されている(図2及び図3参照)。左側パネル32及び右側パネル33は、短冊状の主部320,330と、主部320,330の上端に連結された略半円筒形の凹部321,331と、凹部321,331の上端に連結された鈎形の角部322,332とを有している(図2参照)。下側パネル34は、長方形の金属板が全周に亘って曲げ起こされて構成されている(図2参照)。また、下側パネル34には上向きに突出する円錐台形状の突部340が2つ設けられており、各突部340の底面にねじ挿通孔が穿孔されている。上側パネル35は、長方形の金属板における前端及び後端がそれぞれ曲げ加工されて構成されている(図2参照)。
【0028】
次に、図4〜図9を参照して本実施形態の蓄電装置の組立手順を説明する。まず、図4に示すように後側パネル30の前面に後側フレーム20がねじ止めされ、4つの電池モジュール1が後側フレーム20に取り付けられる。電池モジュール1は、端子部10A,10Bを上にしてケース11の厚み方向が前後方向に一致する向きで前後左右に2列に並ぶようにして後側フレーム20に固定される(図5参照)。すなわち、前後に並ぶ2つの電池モジュール1の挿通孔12Dに挿通されたボルト(図示せず)がさらに後側フレーム20の横桟202に設けられた挿通孔に挿通され、横桟202の後面側に突出したボルトの先端部にナット(図示せず)が締め付けられる。なお、後側フレーム20に2つずつねじ止めされた電池モジュール1は、後側フレーム20の下部に結合されている一対の支持部24によってそれぞれ下から支持される。
【0029】
続いて、図6に示すように左側フレーム22及び右側フレーム23の後端部が後側フレーム20の枠部200にねじ止めされ、左側フレーム22及び右側フレーム23の前端部と支持部24の前端部に前側フレーム21の枠部210がねじ止めされる。ここで、右側の列の電池モジュール1と、右側フレーム23で連結された後側フレーム20及び前側フレーム21の各枠部200,210の右側の枠との間にスペースが形成されており、このスペースに電池モジュール1を制御する制御ユニット6が配設される(図1参照)。この制御ユニット6は、電池パック10の電圧や温度を検出し、各電池パック10の蓄電状態や故障の有無を監視するものである。ただし、このような制御ユニット6は従来周知であるから詳細な構成や動作の説明は省略する。
【0030】
また、前列の2つの電池モジュール1と前側フレーム21との間にもスペースが形成されており、このスペースに2つの排気ダクト7が左右に並べて配設される。排気ダクト7は、事故などで電池モジュール1に内部短絡が生じた場合に電池モジュール1から放出される高温のガスを安全な温度まで冷却する機能を担うものである。本実施形態における排気ダクト7は、金属材料によって扁平な矩形箱状に形成され、電池モジュール1に対向する後面の下部に放出口10Cと連通する導入口71が開口し(図12参照)、前面の上部に放出口70が開口する。そして、図12に示すように後列の電池モジュール1における後面側の放出口10Cがキャップ14で閉塞され、後列の電池モジュール1における前面側の放出口10Cと前列の電池モジュール1における後面側の放出口10Cが筒状のジョイント15で連結される。さらに、前列の電池モジュール1における前面側の放出口10Cと排気ダクト7の導入口71とがジョイント15で連結される(図12参照)。すなわち、電池モジュール1の放出口10Cから放出される高温のガスがジョイント15を介して導入口71より排気ダクト7内に導入され、排気ダクト7内を移動する間に外気との熱交換で冷却されるため、放出口70からは低温のガスが放出されることになる。なお、排気ダクト7の放出口70から放出される低温のガスは、各パネル30〜35間の隙間から筐体の外に放出される。
【0031】
次に、ハウジング2内において電池モジュール1が収納される収納空間と施工空間を隔絶する配線部カバー5がフレームブロックに取り付けられる。配線部カバー5は、図8に示すようにフレームブロックの上部開口を塞ぐ矩形板状の天板50と、前側フレーム21における最上段の横桟212から上の部分を覆う矩形板状の前板51と、天板50の左右両端から上向きに立ち上がる側板52とを有する。側板52は、天板50の端から立ち上がる矩形平板状の主片52Aと、主片52Aの上端より天板50と反対側に突出する上片52Bと、上片52Bの先端より下向きに突出する外片52Cと、主片52A、上片52B、外片52Cの前端と連結される前片52Dとを有する。配線部カバー5は、各電池モジュール1の端子部10A,10Bと電線(図示せず)との結線作業が完了した後、後側フレーム20及び前側フレーム21にねじ止めされる。ただし、電池モジュール1の端子部10A,10Bに接続された電線は、天板50に設けられる挿通孔(図示せず)に挿通されて配線部カバー5で隔絶される収納空間の外に引き出される。
【0032】
一方、収納空間の外に引き出された電線は、後側フレーム20の両突片203間に配設された取付板205に取り付けられる開閉器8の片側の端子に接続される。さらに開閉器8のもう片側の端子に電線を介して端子台(図示せず)が接続される。端子台も取付板205に取り付けられている。開閉器8は、ハンドル80の操作により、外部から引き込まれて端子台に接続される電線と各電池モジュール1の端子部10A,10Bとを繋ぐ電路を開閉する。そして、開閉器8及び端子台と電線との結線作業が終了すれば、箱形に形成されたセパレータ53が天板50に取り付けられ、開閉器8と端子台の一部(外部から引き込まれた電線と接続される端子を除く部分)がセパレータ53で覆われる(図8参照)。
【0033】
続いて、左側パネル32及び右側パネル33がそれぞれ左側フレーム22と右側フレーム23にねじ止めされる。このとき、配線部カバー5の側板52の一部(上片52B及び外片52C)が左側パネル32及び右側パネル33の角部322,332に当接する(図9参照)。また、左側パネル32及び右側パネル33の角部322,332の間に開口する空間(施工空間)が上側パネル(蓋パネル)35によって閉塞される。さらに支持部24に下側パネル34が下方からねじ止めされる。そして、最期に前側フレーム21の前面側に前側パネル31が被せられ、左側パネル32及び右側パネル33の角部322,332を介して配線部カバー5の上片52Bにねじ止めされることで前側パネル31がフレームブロックに固定される。
【0034】
上述のように本実施形態では、ハウジング2が後側パネル30と後側パネル30及び電池モジュール1の双方に固定される格子状の後側フレーム20と、電池モジュール1を下から支える支持部24とを有している。故に、従来例のように箱形のハウジングに電池モジュール1が収納される場合と比較して、ハウジング2の重量増を抑えつつ強度の向上を図ることができる。しかも、設置される現場でハウジング2を組み立てることができるから、運搬や配線などの作業性の向上を図ることもできる。
【0035】
また、電池モジュール1の前方及び左右両側方に固定される格子状の前側フレーム21及び左側フレーム22、右側フレーム23と、各フレーム20〜23と結合されて電池モジュール1の前後左右及び上下を覆う複数のパネル30〜35とでハウジング2が構成されている。このため、各パネル30〜35の薄板化及び軽量化を図ることができる。
【0036】
さらに、電池モジュール1の端子部10A,10Bを外部の電源や負荷に接続するための配電部(開閉器8及び端子台)がハウジング2内に設けられ、配電部が配置される施工空間を開閉自在に塞ぐ蓋パネル(上側パネル35)をハウジング2に有している。このため、ハウジング2全体をフレームから外さずとも、上側パネル35を外すだけで配電部の作業が行える。
【0037】
ただし、図13に示すように前側パネル31の上部に施工空間を前方へ露出させるための開口窓31Aが形成され、この開口窓31Aを塞ぐ蓋パネル36が上側パネル35と一体に形成されてもよい。すなわち、上側パネル35がフレームブロックから取り外されると施工空間の上方と前方が開放されるため、開閉器8や端子台に対する結線作業の作業性がさらに向上されるという利点がある。
【0038】
ところで、左側パネル32及び右側パネル33の上部に設けられた凹部321,331は、左側フレーム22及び右側フレーム23の上方に配置され、組み立てられた状態のハウジング2を運搬する際の持ち手となる。また、ハウジング2内において凹部321,331の上方に配電部カバー5の一部(側板52)が配置されるため、ハウジング2が持ち上げられた際に凹部321,331にかかる荷重を凹部321,331と側板52の双方で受けることができる。
【0039】
また、排気ダクト7が前側フレーム21の内側(枠部210と縦桟211の間)に収まるように配置されているので、電池モジュール1からフレームブロックに作用するねじり力に対する強度の向上が図れるという利点がある。ただし、図14に示すように排気ダクト7が前側パネル31に一体に設けられれば、部品点数の減少により製造コストの削減が図れるとともに、排気ダクト7で補強されることで前側パネル31の軽量化が図れる。
【0040】
あるいは、フレームの一部、例えば、前側フレーム21の横桟212が角筒状に形成され、電池モジュール1の放出口10Cと横桟212の開口212Aが接続されれば(図15参照)、横桟212が排気ダクトに兼用されることで製造コストの削減が図れる。
【0041】
ところで、蓄電池装置の軽量化並びに低コスト化を図るためには、排気ダクト7の軽量化及び低コスト化も必要となる。そこで、上述のように排気ダクト7を別部材で構成するのではなく、後列の電池モジュール1の後面と後側パネル30との間に形成される空間を排気ダクトに利用することが好ましい。
【0042】
図16に示すように前列の電池モジュール1における前面側の放出口10Cがキャップ14で閉塞され、後列の電池モジュール1における前面側の放出口10Cと前列の電池モジュール1における後面側の放出口10Cが筒状のジョイント15で連結される。さらに、後列の電池モジュール1における後面側の放出口10Cと、後列の電池モジュール1の後面と後側パネル30との間に形成される空間とがジョイント15で連結される。すなわち、電池モジュール1の放出口10Cから放出される高温のガスがジョイント15を介して前記空間内に導入され(図16における実線の矢印参照)、前記空間内を移動する間に後側パネル30を介した外気との熱交換で冷却されることになる。なお、冷却後の低温のガスは、各パネル30〜35間の隙間から筐体の外に放出される。
【符号の説明】
【0043】
1 電池モジュール
2 ハウジング
20 後側フレーム
24 支持部
30 後側パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力系統から供給される電力を蓄え、電力系統からの給電が停止(停電)した場合や電力系統の電力需要が高い場合に蓄えた電力を負荷に供給する蓄電装置が提供されている。
【0003】
例えば、多数の円筒型リチウムイオン電池セルが径方向に並べてケース内に収納された電池モジュールと、複数の電池モジュールが収納される筐体とを備える蓄電装置が非特許文献に開示されいてる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
パナソニック株式会社のホームページ>パナソニック企業情報>技術・研究開発>先進技術のご紹介>蓄電池、AC/DCハイブリッド配線システム(URL:http://panasonic.co.jp/company/r-and-d/technology/topics/eco/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来例においては、電力系統の代替として要求される電池容量を満たすために多くの電池モジュールが必要であり、電池モジュールの数が増えるにつれて総重量も増大し、電池モジュールを保持するハウジングの強度不足が懸念される。一方、強度を上げるためにハウジングの重量が大幅に増加してしまうと、蓄電装置の設置作業に手間がかかるという問題や、設置場所に制約を受けてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、重量増を抑えつつ強度の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の蓄電装置は、複数個の電池セルがケースに収納されてなる電池モジュールと、1乃至複数の前記電池モジュールを収納するハウジングとを備え、前記ハウジングは、前記電池モジュールの後方に配置される平板状のパネルと、前記パネルと前記電池モジュールの間に配置され前記パネル及び前記電池モジュールの双方に固定される格子状のフレームと、前記フレームの下部より前方へ突出し、前記電池モジュールを下から支える1乃至複数の支持部とを有することを特徴とする。
【0008】
この蓄電装置において、前記ハウジングは、前記電池モジュールの前方及び左右両側方に固定される格子状の前側フレーム及び左側フレーム、右側フレームと、前記各フレームと結合されて前記電池モジュールの前後左右及び上下を覆う複数のパネルとを有することが好ましい。
【0009】
この蓄電装置において、前記電池モジュールは、前記電池セルの陽極及び陰極と電気的に接続される端子部を有し、前記端子部を外部の電源や負荷と接続するための配電部が前記ハウジング内に設けられ、前記ハウジングは、前記ハウジング内において前記配電部が配置される施工空間を開閉自在に塞ぐ蓋パネルを有することが好ましい。
【0010】
この蓄電装置において、前記ハウジングは、前記ハウジング内において前記電池モジュールが収納される収納空間と前記施工空間を隔絶する配電部カバーと、前記施工空間を上方及び前方に露出させる開口窓とを有し、前記蓋パネルは、前記開口窓を塞ぐ形状に形成されていることが好ましい。
【0011】
この蓄電装置において、前記左側フレーム及び右側フレームの上方に、内側に凹んだ凹部が設けられ、前記ハウジング内において前記凹部の上方に前記配電部カバーの一部が配置されることが好ましい。
【0012】
この蓄電装置において、前記電池モジュールは、内部で発生する気体を放出するための孔が開口しており、前記孔から放出される前記気体の流路を形成する排気ダクトが前記前側パネルに一体に設けられることが好ましい。
【0013】
この蓄電装置において、前記電池モジュールは、内部で発生する気体を放出するための孔が開口しており、前記孔から放出される前記気体の流路を形成する排気ダクトが前記ハウジング内に設けられ、前記排気ダクトは、前記フレームの内側に収まるように配置されることが好ましい。
【0014】
この蓄電装置において、前記電池モジュールは、内部で発生する気体を放出するための孔が開口しており、前記孔から放出される前記気体の流路を形成する排気ダクトが前記ハウジング内に設けられ、前記排気ダクトは、前記フレームの一部が筒状に形成されることで前記フレームと一体に構成されることが好ましい。
【0015】
この蓄電装置において、前記電池モジュールは、内部で発生する気体を放出するための孔が開口しており、前記パネルと前記電池モジュールとの間に、前記孔から放出される前記気体の流路が形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の蓄電装置は、重量増を抑えつつ強度の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態を示す一部省略した分解斜視図である。
【図2】同上の分解斜視図である。
【図3】同上の後側パネルと後側フレームの分解斜視図である。
【図4】同上の後側パネルと後側フレームの斜視図である。
【図5】同上の後側パネルと後側フレームと電池モジュールの斜視図である。
【図6】同上の後側パネルと後側フレームと電池モジュールと左側フレームと右側フレームと前側フレームの斜視図である。
【図7】同上の後側パネルと後側フレームと電池モジュールと左側フレームと右側フレームと前側フレームと排気ダクトの斜視図である。
【図8】同上の後側パネルと後側フレームと電池モジュールと左側フレームと右側フレームと前側フレームと排気ダクトと配線部カバーの斜視図である。
【図9】同上の前側パネルが外された状態の斜視図である。
【図10】同上における電池モジュールの斜視図である。
【図11】同上における電池モジュールの分解斜視図である。
【図12】同上の一部省略した断面図である。
【図13】本発明の別の実施形態を示す分解斜視図である。
【図14】同上における排気ダクトが一体化された前側パネルの斜視図である。
【図15】同上における排気ダクトが前側フレームの横桟と一体化された実施形態の一部省略した断面図である。
【図16】同上における後側フレームと電池モジュールの間の空間を排気ダクトに利用する実施形態の一部省略した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、以下の説明では図2において前後左右上下の各方向を規定している。
【0019】
本実施形態の蓄電装置(蓄電池ユニット)は、図2に示すように複数(図示例では4つ)の電池モジュール1と、電池モジュール1を保持する保持体(ハウジング2)とを備える。
【0020】
電池モジュール1は、図10及び図11に示すように電池パック10と、電池パック10を内部に収納するケース11とで構成される。電池パック10は、図示しない多数の円筒型リチウムイオン電池セル(以下、電池セルと略す。)が合成樹脂製の筐体内に収納されて構成されている。複数の電池セルが並列に接続されて組電池が構成され、さらに複数の組電池が直列に接続されている。また、電池パック10の筐体には正極及び負極の端子部10A,10Bが設けられ、筐体内で直列接続された組電池の両極とそれぞれ接続されている。
【0021】
ここで、電池セル内での内部短絡等による発熱でガスが発生し、電池セルの安全弁が作動して高温のガスが電池セルの外に放出された場合、周辺の電池セルが高温のガスに曝されると、正常な電池セルにまで影響を与え、連鎖的な劣化を引き起こす虞がある。そのため、電池パック10の筐体には、上記ガスを筐体の外に放出させるための貫通孔(放出口)10Cが前後両面の下部に開口されている(図11参照)。
【0022】
ケース11は、縦横(上下左右)の長さ寸法に対して厚み寸法(前後方向の長さ寸法)が小さい扁平な箱状であって縦横の面(前面)が開口したケース本体12と、ケース本体12の開口面を塞ぐケース蓋13とで構成される。ケース本体12の内部には、電池パック10を支持する矩形枠状の支持台12Aが設けられている。また、ケース本体12の長手方向の一端部には、電池パック10に設けられた一対の端子部10A,10Bを露出させる溝12Bが設けられている。一方、ケース蓋13の長手方向の一端部にも、一対の端子部10A,10Bを露出させる溝13Aが設けられている。
【0023】
ケース本体12の左右両側面に複数(図示例では6個)のボス部12Cがそれぞれ設けられ、ケース蓋13の左右両端におけるケース本体12のボス部12Cと重なる位置に複数(図示例では6つ)の突片13Bがそれぞれ設けられている。そして、電池パック10が収納されたケース本体12の前面開口にケース蓋13が被せられ、突片13Bを貫通する挿通孔13C及びボス部12Cを貫通する挿通孔12Dに挿通されるボルト(図示せず)にナット(図示せず)が締め付けられてケース11が組み立てられる(図10参照)。なお、ケース本体12とケース蓋13との接合部分がガスケットなどでシールされて密閉されることが好ましい。また、ケース本体12及びケース蓋13の下部には、それぞれ電池パック10の放出口10Cと連通する放出口12E,13Dが開口しており、電池パック10内で発生したガスがケース本体12及びケース蓋13の各放出口12E,13Dを通してケース11の外に放出される。
【0024】
ハウジング2は、図1及び図2に示すように複数のフレームからなるフレームブロックと、複数枚のパネルからなる筐体とで構成される。フレームブロックは、何れも金属製の後側フレーム20及び前側フレーム21、左側フレーム22、右側フレーム23、支持部24で構成される。また筐体は、何れも金属製の後側パネル30及び前側パネル31、左側パネル32、右側パネル33、下側パネル34、上側パネル35で構成される。
【0025】
後側フレーム20は、図3に示すように矩形の枠部200と、枠部200のほぼ中央に設けられた縦桟201と、枠部200の上下方向に沿って並設された4つの横桟202と、枠部200の左上端及び右上端より上向きに突出する突片203と、両突片203を連結する連結片204とを有する。また、枠部200の下部(下枠)に一対の支持部24が結合されている。支持部24は、矩形の金属板からなり、前後方向に沿った両端が曲げ起こされることで角樋状に形成され、後端部が枠部200の下部に結合されている。
【0026】
前側フレーム21は、図1に示すように矩形の枠部210と、枠部210のほぼ中央に設けられた縦桟211と、枠部210の上下方向に沿って並設された2つの横桟212とを有する。左側フレーム22及び右側フレーム23は、何れも矩形の金属板からなり、前後方向に沿った両端が曲げ起こされることで角樋状に形成され、後述するように長手方向の両端が後側フレーム20の枠部200と前側フレーム21の枠部210にそれぞれねじ止めされる。
【0027】
後側パネル30及び前側パネル31は、長方形の金属板における上端及び左右両端が曲げ起こされて構成されている(図2及び図3参照)。左側パネル32及び右側パネル33は、短冊状の主部320,330と、主部320,330の上端に連結された略半円筒形の凹部321,331と、凹部321,331の上端に連結された鈎形の角部322,332とを有している(図2参照)。下側パネル34は、長方形の金属板が全周に亘って曲げ起こされて構成されている(図2参照)。また、下側パネル34には上向きに突出する円錐台形状の突部340が2つ設けられており、各突部340の底面にねじ挿通孔が穿孔されている。上側パネル35は、長方形の金属板における前端及び後端がそれぞれ曲げ加工されて構成されている(図2参照)。
【0028】
次に、図4〜図9を参照して本実施形態の蓄電装置の組立手順を説明する。まず、図4に示すように後側パネル30の前面に後側フレーム20がねじ止めされ、4つの電池モジュール1が後側フレーム20に取り付けられる。電池モジュール1は、端子部10A,10Bを上にしてケース11の厚み方向が前後方向に一致する向きで前後左右に2列に並ぶようにして後側フレーム20に固定される(図5参照)。すなわち、前後に並ぶ2つの電池モジュール1の挿通孔12Dに挿通されたボルト(図示せず)がさらに後側フレーム20の横桟202に設けられた挿通孔に挿通され、横桟202の後面側に突出したボルトの先端部にナット(図示せず)が締め付けられる。なお、後側フレーム20に2つずつねじ止めされた電池モジュール1は、後側フレーム20の下部に結合されている一対の支持部24によってそれぞれ下から支持される。
【0029】
続いて、図6に示すように左側フレーム22及び右側フレーム23の後端部が後側フレーム20の枠部200にねじ止めされ、左側フレーム22及び右側フレーム23の前端部と支持部24の前端部に前側フレーム21の枠部210がねじ止めされる。ここで、右側の列の電池モジュール1と、右側フレーム23で連結された後側フレーム20及び前側フレーム21の各枠部200,210の右側の枠との間にスペースが形成されており、このスペースに電池モジュール1を制御する制御ユニット6が配設される(図1参照)。この制御ユニット6は、電池パック10の電圧や温度を検出し、各電池パック10の蓄電状態や故障の有無を監視するものである。ただし、このような制御ユニット6は従来周知であるから詳細な構成や動作の説明は省略する。
【0030】
また、前列の2つの電池モジュール1と前側フレーム21との間にもスペースが形成されており、このスペースに2つの排気ダクト7が左右に並べて配設される。排気ダクト7は、事故などで電池モジュール1に内部短絡が生じた場合に電池モジュール1から放出される高温のガスを安全な温度まで冷却する機能を担うものである。本実施形態における排気ダクト7は、金属材料によって扁平な矩形箱状に形成され、電池モジュール1に対向する後面の下部に放出口10Cと連通する導入口71が開口し(図12参照)、前面の上部に放出口70が開口する。そして、図12に示すように後列の電池モジュール1における後面側の放出口10Cがキャップ14で閉塞され、後列の電池モジュール1における前面側の放出口10Cと前列の電池モジュール1における後面側の放出口10Cが筒状のジョイント15で連結される。さらに、前列の電池モジュール1における前面側の放出口10Cと排気ダクト7の導入口71とがジョイント15で連結される(図12参照)。すなわち、電池モジュール1の放出口10Cから放出される高温のガスがジョイント15を介して導入口71より排気ダクト7内に導入され、排気ダクト7内を移動する間に外気との熱交換で冷却されるため、放出口70からは低温のガスが放出されることになる。なお、排気ダクト7の放出口70から放出される低温のガスは、各パネル30〜35間の隙間から筐体の外に放出される。
【0031】
次に、ハウジング2内において電池モジュール1が収納される収納空間と施工空間を隔絶する配線部カバー5がフレームブロックに取り付けられる。配線部カバー5は、図8に示すようにフレームブロックの上部開口を塞ぐ矩形板状の天板50と、前側フレーム21における最上段の横桟212から上の部分を覆う矩形板状の前板51と、天板50の左右両端から上向きに立ち上がる側板52とを有する。側板52は、天板50の端から立ち上がる矩形平板状の主片52Aと、主片52Aの上端より天板50と反対側に突出する上片52Bと、上片52Bの先端より下向きに突出する外片52Cと、主片52A、上片52B、外片52Cの前端と連結される前片52Dとを有する。配線部カバー5は、各電池モジュール1の端子部10A,10Bと電線(図示せず)との結線作業が完了した後、後側フレーム20及び前側フレーム21にねじ止めされる。ただし、電池モジュール1の端子部10A,10Bに接続された電線は、天板50に設けられる挿通孔(図示せず)に挿通されて配線部カバー5で隔絶される収納空間の外に引き出される。
【0032】
一方、収納空間の外に引き出された電線は、後側フレーム20の両突片203間に配設された取付板205に取り付けられる開閉器8の片側の端子に接続される。さらに開閉器8のもう片側の端子に電線を介して端子台(図示せず)が接続される。端子台も取付板205に取り付けられている。開閉器8は、ハンドル80の操作により、外部から引き込まれて端子台に接続される電線と各電池モジュール1の端子部10A,10Bとを繋ぐ電路を開閉する。そして、開閉器8及び端子台と電線との結線作業が終了すれば、箱形に形成されたセパレータ53が天板50に取り付けられ、開閉器8と端子台の一部(外部から引き込まれた電線と接続される端子を除く部分)がセパレータ53で覆われる(図8参照)。
【0033】
続いて、左側パネル32及び右側パネル33がそれぞれ左側フレーム22と右側フレーム23にねじ止めされる。このとき、配線部カバー5の側板52の一部(上片52B及び外片52C)が左側パネル32及び右側パネル33の角部322,332に当接する(図9参照)。また、左側パネル32及び右側パネル33の角部322,332の間に開口する空間(施工空間)が上側パネル(蓋パネル)35によって閉塞される。さらに支持部24に下側パネル34が下方からねじ止めされる。そして、最期に前側フレーム21の前面側に前側パネル31が被せられ、左側パネル32及び右側パネル33の角部322,332を介して配線部カバー5の上片52Bにねじ止めされることで前側パネル31がフレームブロックに固定される。
【0034】
上述のように本実施形態では、ハウジング2が後側パネル30と後側パネル30及び電池モジュール1の双方に固定される格子状の後側フレーム20と、電池モジュール1を下から支える支持部24とを有している。故に、従来例のように箱形のハウジングに電池モジュール1が収納される場合と比較して、ハウジング2の重量増を抑えつつ強度の向上を図ることができる。しかも、設置される現場でハウジング2を組み立てることができるから、運搬や配線などの作業性の向上を図ることもできる。
【0035】
また、電池モジュール1の前方及び左右両側方に固定される格子状の前側フレーム21及び左側フレーム22、右側フレーム23と、各フレーム20〜23と結合されて電池モジュール1の前後左右及び上下を覆う複数のパネル30〜35とでハウジング2が構成されている。このため、各パネル30〜35の薄板化及び軽量化を図ることができる。
【0036】
さらに、電池モジュール1の端子部10A,10Bを外部の電源や負荷に接続するための配電部(開閉器8及び端子台)がハウジング2内に設けられ、配電部が配置される施工空間を開閉自在に塞ぐ蓋パネル(上側パネル35)をハウジング2に有している。このため、ハウジング2全体をフレームから外さずとも、上側パネル35を外すだけで配電部の作業が行える。
【0037】
ただし、図13に示すように前側パネル31の上部に施工空間を前方へ露出させるための開口窓31Aが形成され、この開口窓31Aを塞ぐ蓋パネル36が上側パネル35と一体に形成されてもよい。すなわち、上側パネル35がフレームブロックから取り外されると施工空間の上方と前方が開放されるため、開閉器8や端子台に対する結線作業の作業性がさらに向上されるという利点がある。
【0038】
ところで、左側パネル32及び右側パネル33の上部に設けられた凹部321,331は、左側フレーム22及び右側フレーム23の上方に配置され、組み立てられた状態のハウジング2を運搬する際の持ち手となる。また、ハウジング2内において凹部321,331の上方に配電部カバー5の一部(側板52)が配置されるため、ハウジング2が持ち上げられた際に凹部321,331にかかる荷重を凹部321,331と側板52の双方で受けることができる。
【0039】
また、排気ダクト7が前側フレーム21の内側(枠部210と縦桟211の間)に収まるように配置されているので、電池モジュール1からフレームブロックに作用するねじり力に対する強度の向上が図れるという利点がある。ただし、図14に示すように排気ダクト7が前側パネル31に一体に設けられれば、部品点数の減少により製造コストの削減が図れるとともに、排気ダクト7で補強されることで前側パネル31の軽量化が図れる。
【0040】
あるいは、フレームの一部、例えば、前側フレーム21の横桟212が角筒状に形成され、電池モジュール1の放出口10Cと横桟212の開口212Aが接続されれば(図15参照)、横桟212が排気ダクトに兼用されることで製造コストの削減が図れる。
【0041】
ところで、蓄電池装置の軽量化並びに低コスト化を図るためには、排気ダクト7の軽量化及び低コスト化も必要となる。そこで、上述のように排気ダクト7を別部材で構成するのではなく、後列の電池モジュール1の後面と後側パネル30との間に形成される空間を排気ダクトに利用することが好ましい。
【0042】
図16に示すように前列の電池モジュール1における前面側の放出口10Cがキャップ14で閉塞され、後列の電池モジュール1における前面側の放出口10Cと前列の電池モジュール1における後面側の放出口10Cが筒状のジョイント15で連結される。さらに、後列の電池モジュール1における後面側の放出口10Cと、後列の電池モジュール1の後面と後側パネル30との間に形成される空間とがジョイント15で連結される。すなわち、電池モジュール1の放出口10Cから放出される高温のガスがジョイント15を介して前記空間内に導入され(図16における実線の矢印参照)、前記空間内を移動する間に後側パネル30を介した外気との熱交換で冷却されることになる。なお、冷却後の低温のガスは、各パネル30〜35間の隙間から筐体の外に放出される。
【符号の説明】
【0043】
1 電池モジュール
2 ハウジング
20 後側フレーム
24 支持部
30 後側パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の電池セルがケースに収納されてなる電池モジュールと、1乃至複数の前記電池モジュールを収納するハウジングとを備え、前記ハウジングは、前記電池モジュールの後方に配置される平板状のパネルと、前記パネルと前記電池モジュールの間に配置され前記パネル及び前記電池モジュールの双方に固定される格子状のフレームと、前記フレームの下部より前方へ突出し、前記電池モジュールを下から支える1乃至複数の支持部とを有することを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記電池モジュールの前方及び左右両側方に固定される格子状の前側フレーム及び左側フレーム、右側フレームと、前記各フレームと結合されて前記電池モジュールの前後左右及び上下を覆う複数のパネルとを有することを特徴とする請求項1記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記電池モジュールは、前記電池セルの陽極及び陰極と電気的に接続される端子部を有し、前記端子部を外部の電源や負荷と接続するための配電部が前記ハウジング内に設けられ、前記ハウジングは、前記ハウジング内において前記配電部が配置される施工空間を開閉自在に塞ぐ蓋パネルを有することを特徴とする請求項2記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記ハウジング内において前記電池モジュールが収納される収納空間と前記施工空間を隔絶する配電部カバーと、前記施工空間を上方及び前方に露出させる開口窓とを有し、前記蓋パネルは、前記開口窓を塞ぐ形状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記左側フレーム及び右側フレームの上方に、内側に凹んだ凹部が設けられ、前記ハウジング内において前記凹部の上方に前記配電部カバーの一部が配置されることを特徴とする請求項3又は4記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記電池モジュールは、内部で発生する気体を放出するための孔が開口しており、前記孔から放出される前記気体の流路を形成する排気ダクトが前記前側パネルに一体に設けられることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記電池モジュールは、内部で発生する気体を放出するための孔が開口しており、前記孔から放出される前記気体の流路を形成する排気ダクトが前記ハウジング内に設けられ、前記排気ダクトは、前記フレームの内側に収まるように配置されることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の蓄電装置。
【請求項8】
前記電池モジュールは、内部で発生する気体を放出するための孔が開口しており、前記孔から放出される前記気体の流路を形成する排気ダクトが前記ハウジング内に設けられ、前記排気ダクトは、前記フレームの一部が筒状に形成されることで前記フレームと一体に構成されることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の蓄電装置。
【請求項9】
前記電池モジュールは、内部で発生する気体を放出するための孔が開口しており、前記パネルと前記電池モジュールとの間に、前記孔から放出される前記気体の流路が形成されることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の蓄電装置。
【請求項1】
複数個の電池セルがケースに収納されてなる電池モジュールと、1乃至複数の前記電池モジュールを収納するハウジングとを備え、前記ハウジングは、前記電池モジュールの後方に配置される平板状のパネルと、前記パネルと前記電池モジュールの間に配置され前記パネル及び前記電池モジュールの双方に固定される格子状のフレームと、前記フレームの下部より前方へ突出し、前記電池モジュールを下から支える1乃至複数の支持部とを有することを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記電池モジュールの前方及び左右両側方に固定される格子状の前側フレーム及び左側フレーム、右側フレームと、前記各フレームと結合されて前記電池モジュールの前後左右及び上下を覆う複数のパネルとを有することを特徴とする請求項1記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記電池モジュールは、前記電池セルの陽極及び陰極と電気的に接続される端子部を有し、前記端子部を外部の電源や負荷と接続するための配電部が前記ハウジング内に設けられ、前記ハウジングは、前記ハウジング内において前記配電部が配置される施工空間を開閉自在に塞ぐ蓋パネルを有することを特徴とする請求項2記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記ハウジング内において前記電池モジュールが収納される収納空間と前記施工空間を隔絶する配電部カバーと、前記施工空間を上方及び前方に露出させる開口窓とを有し、前記蓋パネルは、前記開口窓を塞ぐ形状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記左側フレーム及び右側フレームの上方に、内側に凹んだ凹部が設けられ、前記ハウジング内において前記凹部の上方に前記配電部カバーの一部が配置されることを特徴とする請求項3又は4記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記電池モジュールは、内部で発生する気体を放出するための孔が開口しており、前記孔から放出される前記気体の流路を形成する排気ダクトが前記前側パネルに一体に設けられることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記電池モジュールは、内部で発生する気体を放出するための孔が開口しており、前記孔から放出される前記気体の流路を形成する排気ダクトが前記ハウジング内に設けられ、前記排気ダクトは、前記フレームの内側に収まるように配置されることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の蓄電装置。
【請求項8】
前記電池モジュールは、内部で発生する気体を放出するための孔が開口しており、前記孔から放出される前記気体の流路を形成する排気ダクトが前記ハウジング内に設けられ、前記排気ダクトは、前記フレームの一部が筒状に形成されることで前記フレームと一体に構成されることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の蓄電装置。
【請求項9】
前記電池モジュールは、内部で発生する気体を放出するための孔が開口しており、前記パネルと前記電池モジュールとの間に、前記孔から放出される前記気体の流路が形成されることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の蓄電装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−105724(P2013−105724A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251000(P2011−251000)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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