蓋付き容器
【課題】蓋の回動軸が外観デザインに影響を与えないように、かつ、収容する物品、その収容時及び取り出し時の邪魔にならないようにし、しかも、開放状態にある容器本体の開放面積を広く確保できるようにして高い利便性を得る。
【解決手段】容器本体10と、蓋30と、蓋30を容器本体10に回動可能に連結するための回動軸40とを備え、回動軸40は、容器本体10の内部に収容されており、容器本体10及び蓋30の周縁部に配置されている。
【解決手段】容器本体10と、蓋30と、蓋30を容器本体10に回動可能に連結するための回動軸40とを備え、回動軸40は、容器本体10の内部に収容されており、容器本体10及び蓋30の周縁部に配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば薬剤等を収容するための蓋付き容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、特許文献1に開示されているように、蓋を回動させることによって開閉するように構成された蓋付き容器が知られている。特許文献1の容器は、上面が開放した筒状の容器本体と、容器本体の上端において外部に配設された上下方向に延びる回動軸とを備えており、この回動軸に蓋が取り付けられている。蓋を回動軸周りに回動させることによって、閉塞状態にしたり、開放状態にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−62084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の容器のように回動軸を容器本体の外部に配設すると、蓋が閉塞状態と開放状態のいずれにあっても回動軸が外部から見えることになり、外観デザイン上、好ましくない。
【0005】
そこで、容器の内部に回動軸を設ける方法が考えられるが、回動軸を容器の内部に設けると物品を収容した際の邪魔になる恐れがあるとともに、容器への物品の収容のしやすさや、容器からの物品の取り出しやすさを阻害する恐れがある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、蓋を回動させる場合に、蓋の回動軸が外観デザインに影響を与えないように、かつ、収容する物品の邪魔にならないように、また、物品の収容時及び取り出し時の邪魔にもならないようにし、しかも、容器本体の開放面積を広く確保できるようにして高い利便性を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、回動軸を容器本体に収容して外観デザインに影響を与えないようにしながら、回動軸の容器本体側を容器本体の周縁部に配置するとともに、回動軸の蓋側を蓋の周縁部に配置した。
【0008】
第1の発明は、物品を収容するための収容口が開口した容器本体と、上記容器本体の収容口を開閉するための蓋と、上記容器本体における収容口の開口する面と交差する方向に延び、上記蓋を上記容器本体に回動可能に連結するための回動軸とを備え、上記蓋を上記回動軸周りに回動させることによって上記収容口を開閉するように構成された蓋付き容器において、上記回動軸は、上記容器本体の内部に収容されており、該回動軸の容器本体側は、上記容器本体の周縁部に配置され、該回動軸の蓋側は、上記蓋の周縁部に配置されていることを特徴とするものである。
【0009】
この構成によれば、回動軸が容器本体の周縁部に収容されることになるので、蓋を閉塞状態にしたときには、回動軸が蓋により覆われて外部に露出しなくなり、また、蓋を開放状態にしたときにも、外部からは見えにくくなる。よって、回動軸が外観デザインに影響を与えなくなる。
【0010】
また、回動軸は、その両側がそれぞれ容器本体の周縁部及び蓋の周縁部に配置されているので、蓋を回動軸周りに開放方向に回動させた際、蓋を容器本体の収容口の大部分から外れるように位置付けることが可能になり、開口面積が広くなる。
【0011】
そのように回動軸の両側をそれぞれ容器本体の周縁部及び蓋の周縁部に配置することで、回動軸が物品の邪魔になり難く、また、物品を容器へ収容する際や、容器から物品を取り出す際にも回動軸が邪魔になり難い。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、上記容器本体及び上記蓋の一方には、上記回動軸を中心とする円弧状に延びる案内部が設けられ、上記容器本本体及び上記蓋の他方には、上記案内部によって上記回動軸の周方向に案内される被案内部が設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
この構成によれば、蓋を回動軸周りに回動させる際、被案内部が案内部によって回動軸周りに案内されることになるので、蓋の開閉動作がスムーズになる。
【0014】
第3の発明は、第2の発明において、上記案内部には、上記蓋が閉塞状態になったときに上記被案内部が蓋の開放方向に移動するのを抑制する開放側ストッパが設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
この構成によれば、蓋が閉塞状態にあるときには、案内部が被案内部の開放側ストッパによって開放方向に移動するのが抑制される。
【0016】
第4の発明は、第2または3の発明において、上記案内部には、上記蓋が開放状態になったときに上記被案内部が蓋の閉塞方向に移動するのを抑制する閉塞側ストッパが設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
この構成によれば、蓋が開放状態にあるときには、案内部が被案内部の閉塞側ストッパによって閉塞方向に移動するのが抑制される。
【0018】
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、上記容器本体及び上記蓋には、該蓋が閉塞状態にあるときに互いに係合して該蓋が開放方向に回動するのを抑制する容器側係合部及び蓋側係合部がそれぞれ設けられ、上記容器側係合部は上記容器本体の周壁部外面において上記回動軸の接線方向に延びる部位に配置され、上記蓋側係合部は上記蓋の縁部において上記容器側係合部を覆うように配置されていることを特徴とするものである。
【0019】
この構成によれば、容器側係合部が回動軸の接線方向に延びる部位に設けられているので、開放位置にある蓋を閉塞方向に回動させて蓋側係合部を回動軸の周方向に移動させるだけで容器側係合部に係合させることが可能になる。
【0020】
反対に、閉塞状態にある蓋を開放状態にする場合には、蓋を開放方向に回動させて蓋側係合部を回動軸の周方向に移動させるだけで容器側係合部から離脱させることが可能になる。
【0021】
第6の発明は、第1から5のいずれか1つの発明において、上記容器本体は、上記収容口が所定方向に長く延びる開口となるように形成されるとともに、細長い物品が上記収容口の長手方向に沿うように収容可能に構成され、上記蓋の回動範囲は、開放状態にあるときに上記収容口の長手方向一側を覆い、かつ、収容されている物品と上記蓋の縁部とが係合するように設定されていることを特徴とするものである。
【0022】
すなわち、例えば蓋が不意に開放状態となることがあり、この場合に、蓋の縁部と収容されている物品とが係合することになるので、物品が収容口から出てしまうのが蓋によって抑制される。
【発明の効果】
【0023】
第1の発明によれば、回動軸を容器本体の内部に収容したので、回動軸が外観デザインに影響を与えないようにすることができる。そして、回動軸の両側をそれぞれ容器本体の周縁部及び蓋の周縁部に配置したので、回動軸が物品の邪魔にならず、しかも、容器本体の収容口を広く開放させることができ、高い利便性を得ることができる。
【0024】
第2の発明によれば、容器本体及び蓋の一方には回動軸周りに延びる案内部を設け、他方には案内部によって案内される被案内部を設けたので、蓋の開閉動作をスムーズにすることができ、開閉時の操作性を良好にすることができる。
【0025】
第3の発明によれば、案内部に開放側ストッパを設けたので、閉塞状態にある蓋が不意に回動するのを抑制することができる。
【0026】
第4の発明によれば、案内部に閉塞側ストッパを設けたので、開放状態にある蓋が不意に回動するのを抑制することができる。
【0027】
第5の発明によれば、容器における回動軸の接線方向に延びる部位に容器側係合部を設け、この容器側係合部に係合する蓋側係合部で該容器側係合部を覆うようにしたので、蓋を無理に変形させることなく回動させるだけで、両係合部を係合させたり、離脱させることができ、開閉時の操作性を良好にすることができる。
【0028】
第6の発明によれば、蓋が開放状態にあるときに収容口の長手方向一側を覆って物品と蓋の縁部とが係合するようになっているので、蓋が不意に開放状態となったときに物品が収容口から出てしまうのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態にかかる蓋付き容器の蓋が閉塞状態にある場合の平面図である。
【図2】蓋が開放状態にある場合の図1相当図である。
【図3】容器の正面図である。
【図4】容器の背面図である。
【図5】容器の左側面図である。
【図6】容器の右側面図である。
【図7】容器の底面図である。
【図8】容器本体の斜視図である。
【図9】容器本体の平面図である。
【図10】図1のX−X線断面図である。
【図11】蓋の底面図である。
【図12】蓋の背面図である。
【図13】蓋の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0031】
図1は、本発明の実施形態にかかる蓋付き容器1の平面図である。この容器1は、例えば、薬剤の入ったチューブや、綿棒等の細長い物品を収容するのに適したものであるが、物品の種類や数量等は特に限定されない。
【0032】
容器1は、図2〜図7にも示すように、収容する物品が細長い場合に適するように、所定方向に長い形状とされている。容器1は、図8に示すように、凹状の容器本体10と、該容器本体10の上面に形成された収容口11を開閉するための板状の蓋30(図2等に示す)と、蓋30を回動させることによって閉塞状態と開放状態とに切り替えるための回動軸40とを備えている。容器1、蓋30及び回動軸40は樹脂材からなるものであり、蓋30と回動軸40は一体成形されている。
【0033】
容器本体10の収容口11は、物品の細長い形状に対応して所定方向に長く形成されている。図8及び図9に示すように、容器本体10の底壁部12は、楕円に近い形状とされている。底壁部12の長手方向に延びる一対の縁部のうち、一方の縁部12a(図8にのみ示す)は、その長手方向の両側が容器本体10の外側へ向けて湾曲するように延びている。
【0034】
容器本体10の周壁部13は、底壁部12の全周から立ち上がるように該底壁部12と一体成形されている。周壁部13は、底壁部12の縁部に沿って周方向に延びており、容器本体10の長手方向に延びる一対の壁部のうち、一方の壁部の長手方向両側には、容器本体10の外側へ向けて膨出する一側膨出部13a及び他側膨出部13bが形成されている。この周壁部13の上縁部によって容器本体10の上面全体に亘って開口する上記収容口11が形成されている。従って、容器本体10には、図2に示すように、容器本体10の長手方向に延びる物品が、その長手方向が収容口11の長手方向に沿うように収容可能となる。
【0035】
図10に示すように、底壁部12は、外縁部に近づくほど上に位置するように外周側が湾曲している。また、図8に示すように、周壁部13も湾曲している。そして、底壁部12と周壁部13とは滑らかに連続している。これにより、容器本体10は全体としてやわらかなラウンドフォルムとなっている。
【0036】
容器本体10の内部には、該容器本体10の長手方向に延びる仕切板部14が設けられている。仕切板部14は、底壁部12の内面から上方へ突出しており、該底壁部12と一体成形されている。また、仕切板部14は、容器本体10の幅方向中央部近傍に位置しており、この仕切板部14によって容器本体10の内部が幅方向に2つに仕切られている。
【0037】
仕切板部14の高さは周壁部13と略同じに設定されている。仕切板部14の長手方向一側は、周壁部13の長手方向一側の内面に連なっている。仕切板部14の長手方向他側は、底壁部12の長手方向中央部よりも他側寄りに位置しており、周壁部13からは離れている。また、仕切板部14の他側は、端部に近づくほど底壁部12からの突出高さが低くなっている。
【0038】
底壁部12の中央部には、上方へ延びる小径円柱部15が設けられている。この小径円柱部15は上記仕切板部14の長手方向中途部と一体化している。小径円柱部15の外径寸法は、仕切板部14の厚み寸法よりも長く設定されている。
【0039】
底壁部12の長手方向一側寄りの部位には、上方へ延びる大径円柱部(被案内部)16が設けられている。この大径円柱部16は、小径円柱部15よりも大径とされており、上記仕切板部14の長手方向一側と一体化している。大径円柱部16の上端は、周壁部13及び仕切板部14よりも上方へ突出している。
【0040】
また、容器本体10の内部には、回動軸40を挿入する軸受筒20が上下方向に延びるように設けられている。軸受筒20は、大部分が一側膨出部13a内、即ち、容器本体10の周縁部に位置付けられており、底壁部12及び周壁部13と一体成形されている。軸受筒20は底壁部12を貫通している。
【0041】
図3にも示すように、容器本体10の外面には、軸受筒20に対応して上方へ窪む凹部25が形成されている。この凹部25の内面25a(図7に示す)は、軸受筒20の中心線に対し直交する方向に延びており、この内面25aに軸受筒20の下端が開口している。
【0042】
図8に示すように、底壁部12の一側膨出部13a近傍には、リブ21が設けられている。リブ21は、容器本体10の長手方向に延びており、両端部が周壁部13の一側膨出部13a近傍の内面に連なっている。また、リブ21の長手方向中間部は軸受筒20の外周面と一体化している。このリブ21により、容器本体10の内部空間が一側膨出部13a内とそれ以外の部分とに区画されることになる。
【0043】
図6や図7にも示すように、容器本体10の長手方向一側には、ストラップ取付孔22が形成されている。ストラップ取付孔22は、図示しないストラップを通して容器本体10に結びつけるためのものであり、上下方向に延び、周壁部13外面の上側及び底壁部12の外周部にそれぞれ開口している。図8に示すように、底壁部12及び周壁部13におけるストラップ取付孔22が形成された部位は、容器本体10の内側へ膨出している。また、このストラップ取付孔22は、仕切板部14とリブ21との間に位置している。
【0044】
さらに、容器本体10の周壁部13には、容器側係合部23が設けられている。この容器側係合部23は、容器本体10の長手方向他側に位置付けられている。すなわち、周壁部13外面における容器本体10の長手方向他側の部位は、軸受筒20の中心線(図9にのみ符号Aで示す)の接線方向(同図に矢印Bで示す)、即ち回動軸40の接線方向に延びる係合部形成面13cで構成されており、この係合部形成面13cに上記容器側係合部23が設けられている。
【0045】
容器側係合部23は、係合部形成面13cから容器本体10外方へ向かって突出し、該係合部形成面13cに沿って回動軸40の接線方向に延びる突条部23aと、突条部23aの端部から容器本体10外方へ向かって突出する爪部23bとを有している。図10に示すように、突条部23aにおける周壁部13基端側の係合面23cは、容器本体10の外方へ向けて延びている。
【0046】
次に、蓋30の構造について説明する。
【0047】
図1に示すように、蓋30は、平面視で容器本体10の底壁部12と略相似な形状とされており、収容口11の全体を覆うことができるようになっている。図12に示すように、蓋30は、外周部が下に向けて湾曲している。
【0048】
図1及び図10に示すように、蓋30の外面には、ミラー31が設けられている。すなわち、蓋30の外面における中央部には、蓋30の外形と略相似なミラー配設用凹部30aが形成されている。このミラー配設用凹部30aの形状と略同形状のミラー31がミラー配設用凹部30aに収容された状態で固定されている。
【0049】
また、蓋30の外面における長手方向他端部近傍には、蓋30の開放方向を示すための目印部30bが設けられている。この実施形態では、目印部30bは矢印としている。
【0050】
一方、図11に示すように、蓋30の内面には、ミラー配設用凹部30aの外形状に沿うように延びる環状リブ32と、環状リブ32から放射状に延びるリブ33,33,…とが設けられている。
【0051】
蓋30の内面には、上下方向に延びる回動軸40が該蓋30と一体成形されている。回動軸40は、上記容器本体10の軸受筒20の配設位置に対応しており、従って、蓋30の周縁部において長手方向一側寄りに配置されている。
【0052】
回動軸40は筒状となっており、下端面は開放されている。図11及び図13に示すように、回動軸40の周壁部には、先端から基端近傍に亘る2つの切欠部40a,40aが周方向に互いに間隔をあけて形成されている。これら切欠部40a,40aの形成によって回動軸40が2つの軸構成部40b,40b(図13参照)に分割されることになる。これら軸構成部40b,40bは回動軸40の径方向に弾性変形可能となっている。また、各軸構成部40bの先端部には、回動軸40の径方向へ突出する突部40cが形成されている。突部40cは、軸受筒20の内径よりも大きく突出しており、図7に示すように、回動軸40が軸受筒20に挿入された状態で、突部40c,40cが凹部25の内面25aに下側から当接して係合し、回動軸40の軸受筒20からの抜けが阻止されるようになっている。
【0053】
図11に示すように、蓋30の内面には、回動軸40を中心とした円弧状に延びるレール(案内部)34,34が設けられている。レール34,34の間に容器本体10の大径円柱部16(仮想線で示す)が挿入されるようになっている。
【0054】
レール34,34は、蓋30の内面から下方へ突出する突条部で構成されており、両端部は蓋30の周縁部に位置している。レール34,34の間隔は、容器本体10の大径円柱部16の外径よりも若干広めに設定されており、円柱部16がレール34,34の間を該レール34,34に沿って移動するようになっている。つまり、大径円柱部16は、レール34,34によって案内される。
【0055】
レール34,34の間には、蓋30が開放状態となったときに大径円柱部16が当接する第1板状ストッパ35と、蓋30が閉塞状態となったときに大径円柱部16が当接する第2板状ストッパ36とが形成されている。これら第1及び第2板状ストッパ35,36は、一方のレール34の内面と他方のレール34の内面とを繋ぐように回動軸40の径方向に延びている。
【0056】
また、レール34,34の第1板状ストッパ35よりも第2板状ストッパ36側の内面には、凸状閉塞側ストッパ37,37が形成されている。凸状閉塞側ストッパ37,37のレール34からの突出量は小さく設定されており、大径円柱部16が凸状閉塞側ストッパ37,37を乗り越えることができるようになっている。凸状閉塞側ストッパ37,37は、第1板状ストッパ35に大径円柱部16が当接した状態で、大径円柱部16に対し第1板状ストッパ35とは反対側から当接して閉塞方向に移動するのを抑制するように機能する。凸状閉塞側ストッパ37,37は、本発明の閉塞側ストッパである。
【0057】
さらに、レール34,34の第2板状ストッパ36よりも第1ストッパ35側の内面には、凸状開放側ストッパ38,38が形成されている。凸状開放側ストッパ38,38のレール34からの突出量は上記凸状閉塞側ストッパ37,37と同様に設定されている。凸状開放側ストッパ38,38は、第2板状ストッパ36に大径円柱部16が当接した状態で、大径円柱部16に対し第2板状ストッパ36とは反対側から当接して開放方向に移動するのを抑制するように機能する。凸状開放側ストッパ38,38は、本発明の開放側ストッパである。
【0058】
蓋30の回動範囲は、上述のように第1板状ストッパ35及び第2板状ストッパ36の位置によって任意に設定することが可能である。この実施形態では、蓋30の回動範囲は、図2に示す開放状態にあるときに収容口11を全開することなく、該収容口11の長手方向一側を覆い、かつ、収容されている物品と蓋30の縁部とが係合するように設定されている。すなわち、開放状態にしたときには、蓋30の長手方向と容器本体10の長手方向とが平面視で略直交する方向となるようにしており、これにより、例えば容器1をその収容口11が下になるように向けたときに、物品の端部を、容器本体10の底壁部12と蓋30の縁部とによって上下両側から支えることが可能になる。
【0059】
蓋30の周縁部における長手方向他端部には、上記容器側係合部23に係合する蓋側係合部39が設けられている。図12や図13にも示すように、蓋側係合部39は、蓋30の裏側へ向かって突出し、かつ、蓋30の周縁部に沿って延びる板状に形成されている。また、図12に示すように、蓋側係合部39は上下方向の中央部が最も外側に位置するように湾曲している。
【0060】
蓋側係合部39の内面は、容器側係合部23の突条部23aに沿うように回動軸40の接線方向に延びている。図10に示すように、蓋側係合部39の内面には、容器側係合部23の爪部23bが嵌入する凹部39aが形成されている。また、蓋側係合部39の内面には、突条部23aの係合面23cが嵌る段部39bが形成されている。
【0061】
上記のように構成された蓋付き容器1を組み立てる際には、回動軸40を容器本体10の軸受筒20に挿入する。このとき、回動軸40の突部40c,40cが軸受筒20の内面に摺接して軸構成部40b,40bが径方向内方に弾性変形し、これによって回動軸40の挿入が許容される。回動軸40が軸受筒20に完全に挿入されると突部40c,40cが軸受筒20の下端から外方へ突出して軸構成部40b,40bが復元する。これにより、突部40c,40cが凹部25の内面25aに下側から当接し、回動軸40の軸受筒20内での回動を許容しながら、軸受筒20からの抜けが阻止される。
【0062】
次に、上記のように構成された蓋付き容器1の使用要領について説明する。図2に示す開放状態の蓋30を図1に示す閉塞状態にする場合には、蓋30に対して閉塞方向に力を加えて蓋30を回動軸40周りに回動させていく。蓋30の蓋側係合部39が容器本体10の係合部形成面13cに達すると、蓋側係合部39の内面が係合部形成面13cに沿うように延びているので、回動軸40周りに回動させるだけで、蓋30の弾性変形を伴いながら蓋側係合部39が突条部23aを覆うように位置する。これにより、図10に示すように、蓋側係合部39の凹部39aに容器側係合部23の爪部23bが嵌入して蓋30の回動が抑制され、また、突条部23aの係合面23cが段部39bに嵌ることで蓋30が容器本体10から上方へ離れるのが阻止される。
【0063】
また、蓋30を閉塞状態にする際、大径円柱部16がレール34,34によって案内されるので、蓋30の回動動作がスムーズに行われる。さらに、蓋30が閉塞位置に達すると、図11に仮想線で示すように、大径円柱部16が第2板状ストッパ36に当接してそれ以上の回動が阻止され、また、凸状開放側ストッパ38,38が大径円柱部16に当接する。このことによっても、蓋30が閉塞位置で保持される。
【0064】
尚、閉塞位置となるまで回動させる際、大径円柱部16が凸状開放側ストッパ38,38を乗り越えることになるが、この凸状開放側ストッパ38,38の突出高さは低いのでそれほど大きな力は必要ない。
【0065】
閉塞状態でストラップ取付孔22に取り付けたストラップにより容器1を吊すと、回動軸40が上に位置し、容器側係合部23及び蓋側係合部39が下に位置することになる。このため、蓋30は重力の影響によって開放方向(上方向)には回動しにくくなる。よって、容器1を吊した状態で蓋30が不意に開放してしまうのが抑制される。
【0066】
一方、図11に示すように、閉塞状態の蓋30を図2に示すように開放状態にする場合には、蓋30に対して開放方向に力を加える。このとき、容器1の使用者は、蓋30に開放方向を示す目印部30bがあるので、開放方向を容易に把握でき、開放方向と反対側へ力を加えてしまうのを防止できる。
【0067】
蓋30に対し開放方向へ力を加えると、蓋30の弾性変形によって蓋側係合部39の凹部39aに嵌入している容器側係合部23の爪部23bが該凹部39aから離脱するとともに、蓋側係合部39が容器側係合部23の突条部23aに沿って開放側へ移動していく。このとき、突条部23aが蓋30の回動中心である回動軸40の接線方向に延びているので、蓋30を無理にこじったり、変形させなくても、蓋側係合部39が自然に移動して蓋30が開放状態となる。
【0068】
蓋30を開放方向へ回動させていくと、大径円柱部16がレール34,34により案内されるのでスムーズに回動していく。大径円柱部16が凸状閉塞側ストッパ37,37を乗り越え、第1板状ストッパ35に当接すると、それ以上の開放方向への回動が阻止され、また、凸状閉塞側ストッパ37,37が大径円柱部16に当接する。このことにより、蓋30が開放位置で保持される。
【0069】
このとき、回動軸40を容器本体10の周縁部及び蓋30の周縁部に位置付けているので、蓋30を大きく移動させて収容口11を大きく開くことが可能になる。これにより、物品の出し入れが容易に行える。また、回動軸40が容器本体10の膨出した周縁部にあることから、収容した物品の邪魔になりにくく、物品の出し入れ時の邪魔にもなりにくい。
【0070】
蓋30が開放状態になったとき、収容されている物品と蓋30の縁部とが係合するように蓋30の回動範囲が設定されているので、容器1の収容口11を下に向けても、物品の端部を、容器本体10の底壁部12と蓋30の縁部とによって上下両側から支えることができ、物品が容器1から出てしまうのを抑制することができる。
【0071】
以上説明したように、この実施形態にかかる蓋付き容器1によれば、回動軸40を容器本体10の内部に収容したので、回動軸40が外観デザインに影響を与えないようにすることができる。
【0072】
そして、回動軸40の上下両側をそれぞれ容器本体10の周縁部及び蓋30の周縁部に配置したので、回動軸40が物品の邪魔にならず、しかも、容器本体10の収容口11を広く開放させることができ、高い利便性を得ることができる。
【0073】
また、蓋30には回動軸40周りに延びるレール34,34を設け、容器本体10にはレール34,34によって案内される大径円柱部16を設けたので、蓋30の開閉動作をスムーズにすることができ、開閉時の操作性を良好にすることができる。
【0074】
また、レール34,34に凸状開放側ストッパ38,38を設けたので、閉塞状態にある蓋30が不意に回動するのを防止することができる。
【0075】
また、レール34,34に凸状閉塞側ストッパ37,37を設けたので、開放状態にある蓋30が不意に回動するのを防止することができる。
【0076】
また、容器1における回動軸40の接線方向に延びる係合部形成面13cに容器側係合部23を設け、この容器側係合部23に係合する蓋側係合部39を、容器側係合部23を覆うように設けたので、蓋30を回動させるだけで両係合部23,39を係合させたり、離脱させることができ、開閉時の操作性を良好にすることができる。
【0077】
また、蓋30が開放状態にあるときに収容口11の長手方向一側を覆って物品と蓋30の縁部とが係合するようになっているので、蓋30が不意に開放状態となったときに物品が収容口11から出てしまうのを抑制できる。
【0078】
尚、上記実施形態では、レール34,34を蓋30に設けているが、これに限らず、容器本体10にレールを設け、蓋30にレールに係合する突部(被案内部)を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0079】
以上説明したように、本発明にかかる蓋付き容器は、蓋を回動させて開閉する場合に適用できる。
【符号の説明】
【0080】
1 蓋付き容器
10 容器本体
11 収容口
16 大径円柱部(被案内部)
23 容器側係合部
30 蓋
34 レール(案内部)
37 凸状閉塞側ストッパ
38 凸状開放側ストッパ
39 蓋側係合部
40 回動軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば薬剤等を収容するための蓋付き容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、特許文献1に開示されているように、蓋を回動させることによって開閉するように構成された蓋付き容器が知られている。特許文献1の容器は、上面が開放した筒状の容器本体と、容器本体の上端において外部に配設された上下方向に延びる回動軸とを備えており、この回動軸に蓋が取り付けられている。蓋を回動軸周りに回動させることによって、閉塞状態にしたり、開放状態にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−62084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の容器のように回動軸を容器本体の外部に配設すると、蓋が閉塞状態と開放状態のいずれにあっても回動軸が外部から見えることになり、外観デザイン上、好ましくない。
【0005】
そこで、容器の内部に回動軸を設ける方法が考えられるが、回動軸を容器の内部に設けると物品を収容した際の邪魔になる恐れがあるとともに、容器への物品の収容のしやすさや、容器からの物品の取り出しやすさを阻害する恐れがある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、蓋を回動させる場合に、蓋の回動軸が外観デザインに影響を与えないように、かつ、収容する物品の邪魔にならないように、また、物品の収容時及び取り出し時の邪魔にもならないようにし、しかも、容器本体の開放面積を広く確保できるようにして高い利便性を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、回動軸を容器本体に収容して外観デザインに影響を与えないようにしながら、回動軸の容器本体側を容器本体の周縁部に配置するとともに、回動軸の蓋側を蓋の周縁部に配置した。
【0008】
第1の発明は、物品を収容するための収容口が開口した容器本体と、上記容器本体の収容口を開閉するための蓋と、上記容器本体における収容口の開口する面と交差する方向に延び、上記蓋を上記容器本体に回動可能に連結するための回動軸とを備え、上記蓋を上記回動軸周りに回動させることによって上記収容口を開閉するように構成された蓋付き容器において、上記回動軸は、上記容器本体の内部に収容されており、該回動軸の容器本体側は、上記容器本体の周縁部に配置され、該回動軸の蓋側は、上記蓋の周縁部に配置されていることを特徴とするものである。
【0009】
この構成によれば、回動軸が容器本体の周縁部に収容されることになるので、蓋を閉塞状態にしたときには、回動軸が蓋により覆われて外部に露出しなくなり、また、蓋を開放状態にしたときにも、外部からは見えにくくなる。よって、回動軸が外観デザインに影響を与えなくなる。
【0010】
また、回動軸は、その両側がそれぞれ容器本体の周縁部及び蓋の周縁部に配置されているので、蓋を回動軸周りに開放方向に回動させた際、蓋を容器本体の収容口の大部分から外れるように位置付けることが可能になり、開口面積が広くなる。
【0011】
そのように回動軸の両側をそれぞれ容器本体の周縁部及び蓋の周縁部に配置することで、回動軸が物品の邪魔になり難く、また、物品を容器へ収容する際や、容器から物品を取り出す際にも回動軸が邪魔になり難い。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、上記容器本体及び上記蓋の一方には、上記回動軸を中心とする円弧状に延びる案内部が設けられ、上記容器本本体及び上記蓋の他方には、上記案内部によって上記回動軸の周方向に案内される被案内部が設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
この構成によれば、蓋を回動軸周りに回動させる際、被案内部が案内部によって回動軸周りに案内されることになるので、蓋の開閉動作がスムーズになる。
【0014】
第3の発明は、第2の発明において、上記案内部には、上記蓋が閉塞状態になったときに上記被案内部が蓋の開放方向に移動するのを抑制する開放側ストッパが設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
この構成によれば、蓋が閉塞状態にあるときには、案内部が被案内部の開放側ストッパによって開放方向に移動するのが抑制される。
【0016】
第4の発明は、第2または3の発明において、上記案内部には、上記蓋が開放状態になったときに上記被案内部が蓋の閉塞方向に移動するのを抑制する閉塞側ストッパが設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
この構成によれば、蓋が開放状態にあるときには、案内部が被案内部の閉塞側ストッパによって閉塞方向に移動するのが抑制される。
【0018】
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、上記容器本体及び上記蓋には、該蓋が閉塞状態にあるときに互いに係合して該蓋が開放方向に回動するのを抑制する容器側係合部及び蓋側係合部がそれぞれ設けられ、上記容器側係合部は上記容器本体の周壁部外面において上記回動軸の接線方向に延びる部位に配置され、上記蓋側係合部は上記蓋の縁部において上記容器側係合部を覆うように配置されていることを特徴とするものである。
【0019】
この構成によれば、容器側係合部が回動軸の接線方向に延びる部位に設けられているので、開放位置にある蓋を閉塞方向に回動させて蓋側係合部を回動軸の周方向に移動させるだけで容器側係合部に係合させることが可能になる。
【0020】
反対に、閉塞状態にある蓋を開放状態にする場合には、蓋を開放方向に回動させて蓋側係合部を回動軸の周方向に移動させるだけで容器側係合部から離脱させることが可能になる。
【0021】
第6の発明は、第1から5のいずれか1つの発明において、上記容器本体は、上記収容口が所定方向に長く延びる開口となるように形成されるとともに、細長い物品が上記収容口の長手方向に沿うように収容可能に構成され、上記蓋の回動範囲は、開放状態にあるときに上記収容口の長手方向一側を覆い、かつ、収容されている物品と上記蓋の縁部とが係合するように設定されていることを特徴とするものである。
【0022】
すなわち、例えば蓋が不意に開放状態となることがあり、この場合に、蓋の縁部と収容されている物品とが係合することになるので、物品が収容口から出てしまうのが蓋によって抑制される。
【発明の効果】
【0023】
第1の発明によれば、回動軸を容器本体の内部に収容したので、回動軸が外観デザインに影響を与えないようにすることができる。そして、回動軸の両側をそれぞれ容器本体の周縁部及び蓋の周縁部に配置したので、回動軸が物品の邪魔にならず、しかも、容器本体の収容口を広く開放させることができ、高い利便性を得ることができる。
【0024】
第2の発明によれば、容器本体及び蓋の一方には回動軸周りに延びる案内部を設け、他方には案内部によって案内される被案内部を設けたので、蓋の開閉動作をスムーズにすることができ、開閉時の操作性を良好にすることができる。
【0025】
第3の発明によれば、案内部に開放側ストッパを設けたので、閉塞状態にある蓋が不意に回動するのを抑制することができる。
【0026】
第4の発明によれば、案内部に閉塞側ストッパを設けたので、開放状態にある蓋が不意に回動するのを抑制することができる。
【0027】
第5の発明によれば、容器における回動軸の接線方向に延びる部位に容器側係合部を設け、この容器側係合部に係合する蓋側係合部で該容器側係合部を覆うようにしたので、蓋を無理に変形させることなく回動させるだけで、両係合部を係合させたり、離脱させることができ、開閉時の操作性を良好にすることができる。
【0028】
第6の発明によれば、蓋が開放状態にあるときに収容口の長手方向一側を覆って物品と蓋の縁部とが係合するようになっているので、蓋が不意に開放状態となったときに物品が収容口から出てしまうのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態にかかる蓋付き容器の蓋が閉塞状態にある場合の平面図である。
【図2】蓋が開放状態にある場合の図1相当図である。
【図3】容器の正面図である。
【図4】容器の背面図である。
【図5】容器の左側面図である。
【図6】容器の右側面図である。
【図7】容器の底面図である。
【図8】容器本体の斜視図である。
【図9】容器本体の平面図である。
【図10】図1のX−X線断面図である。
【図11】蓋の底面図である。
【図12】蓋の背面図である。
【図13】蓋の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0031】
図1は、本発明の実施形態にかかる蓋付き容器1の平面図である。この容器1は、例えば、薬剤の入ったチューブや、綿棒等の細長い物品を収容するのに適したものであるが、物品の種類や数量等は特に限定されない。
【0032】
容器1は、図2〜図7にも示すように、収容する物品が細長い場合に適するように、所定方向に長い形状とされている。容器1は、図8に示すように、凹状の容器本体10と、該容器本体10の上面に形成された収容口11を開閉するための板状の蓋30(図2等に示す)と、蓋30を回動させることによって閉塞状態と開放状態とに切り替えるための回動軸40とを備えている。容器1、蓋30及び回動軸40は樹脂材からなるものであり、蓋30と回動軸40は一体成形されている。
【0033】
容器本体10の収容口11は、物品の細長い形状に対応して所定方向に長く形成されている。図8及び図9に示すように、容器本体10の底壁部12は、楕円に近い形状とされている。底壁部12の長手方向に延びる一対の縁部のうち、一方の縁部12a(図8にのみ示す)は、その長手方向の両側が容器本体10の外側へ向けて湾曲するように延びている。
【0034】
容器本体10の周壁部13は、底壁部12の全周から立ち上がるように該底壁部12と一体成形されている。周壁部13は、底壁部12の縁部に沿って周方向に延びており、容器本体10の長手方向に延びる一対の壁部のうち、一方の壁部の長手方向両側には、容器本体10の外側へ向けて膨出する一側膨出部13a及び他側膨出部13bが形成されている。この周壁部13の上縁部によって容器本体10の上面全体に亘って開口する上記収容口11が形成されている。従って、容器本体10には、図2に示すように、容器本体10の長手方向に延びる物品が、その長手方向が収容口11の長手方向に沿うように収容可能となる。
【0035】
図10に示すように、底壁部12は、外縁部に近づくほど上に位置するように外周側が湾曲している。また、図8に示すように、周壁部13も湾曲している。そして、底壁部12と周壁部13とは滑らかに連続している。これにより、容器本体10は全体としてやわらかなラウンドフォルムとなっている。
【0036】
容器本体10の内部には、該容器本体10の長手方向に延びる仕切板部14が設けられている。仕切板部14は、底壁部12の内面から上方へ突出しており、該底壁部12と一体成形されている。また、仕切板部14は、容器本体10の幅方向中央部近傍に位置しており、この仕切板部14によって容器本体10の内部が幅方向に2つに仕切られている。
【0037】
仕切板部14の高さは周壁部13と略同じに設定されている。仕切板部14の長手方向一側は、周壁部13の長手方向一側の内面に連なっている。仕切板部14の長手方向他側は、底壁部12の長手方向中央部よりも他側寄りに位置しており、周壁部13からは離れている。また、仕切板部14の他側は、端部に近づくほど底壁部12からの突出高さが低くなっている。
【0038】
底壁部12の中央部には、上方へ延びる小径円柱部15が設けられている。この小径円柱部15は上記仕切板部14の長手方向中途部と一体化している。小径円柱部15の外径寸法は、仕切板部14の厚み寸法よりも長く設定されている。
【0039】
底壁部12の長手方向一側寄りの部位には、上方へ延びる大径円柱部(被案内部)16が設けられている。この大径円柱部16は、小径円柱部15よりも大径とされており、上記仕切板部14の長手方向一側と一体化している。大径円柱部16の上端は、周壁部13及び仕切板部14よりも上方へ突出している。
【0040】
また、容器本体10の内部には、回動軸40を挿入する軸受筒20が上下方向に延びるように設けられている。軸受筒20は、大部分が一側膨出部13a内、即ち、容器本体10の周縁部に位置付けられており、底壁部12及び周壁部13と一体成形されている。軸受筒20は底壁部12を貫通している。
【0041】
図3にも示すように、容器本体10の外面には、軸受筒20に対応して上方へ窪む凹部25が形成されている。この凹部25の内面25a(図7に示す)は、軸受筒20の中心線に対し直交する方向に延びており、この内面25aに軸受筒20の下端が開口している。
【0042】
図8に示すように、底壁部12の一側膨出部13a近傍には、リブ21が設けられている。リブ21は、容器本体10の長手方向に延びており、両端部が周壁部13の一側膨出部13a近傍の内面に連なっている。また、リブ21の長手方向中間部は軸受筒20の外周面と一体化している。このリブ21により、容器本体10の内部空間が一側膨出部13a内とそれ以外の部分とに区画されることになる。
【0043】
図6や図7にも示すように、容器本体10の長手方向一側には、ストラップ取付孔22が形成されている。ストラップ取付孔22は、図示しないストラップを通して容器本体10に結びつけるためのものであり、上下方向に延び、周壁部13外面の上側及び底壁部12の外周部にそれぞれ開口している。図8に示すように、底壁部12及び周壁部13におけるストラップ取付孔22が形成された部位は、容器本体10の内側へ膨出している。また、このストラップ取付孔22は、仕切板部14とリブ21との間に位置している。
【0044】
さらに、容器本体10の周壁部13には、容器側係合部23が設けられている。この容器側係合部23は、容器本体10の長手方向他側に位置付けられている。すなわち、周壁部13外面における容器本体10の長手方向他側の部位は、軸受筒20の中心線(図9にのみ符号Aで示す)の接線方向(同図に矢印Bで示す)、即ち回動軸40の接線方向に延びる係合部形成面13cで構成されており、この係合部形成面13cに上記容器側係合部23が設けられている。
【0045】
容器側係合部23は、係合部形成面13cから容器本体10外方へ向かって突出し、該係合部形成面13cに沿って回動軸40の接線方向に延びる突条部23aと、突条部23aの端部から容器本体10外方へ向かって突出する爪部23bとを有している。図10に示すように、突条部23aにおける周壁部13基端側の係合面23cは、容器本体10の外方へ向けて延びている。
【0046】
次に、蓋30の構造について説明する。
【0047】
図1に示すように、蓋30は、平面視で容器本体10の底壁部12と略相似な形状とされており、収容口11の全体を覆うことができるようになっている。図12に示すように、蓋30は、外周部が下に向けて湾曲している。
【0048】
図1及び図10に示すように、蓋30の外面には、ミラー31が設けられている。すなわち、蓋30の外面における中央部には、蓋30の外形と略相似なミラー配設用凹部30aが形成されている。このミラー配設用凹部30aの形状と略同形状のミラー31がミラー配設用凹部30aに収容された状態で固定されている。
【0049】
また、蓋30の外面における長手方向他端部近傍には、蓋30の開放方向を示すための目印部30bが設けられている。この実施形態では、目印部30bは矢印としている。
【0050】
一方、図11に示すように、蓋30の内面には、ミラー配設用凹部30aの外形状に沿うように延びる環状リブ32と、環状リブ32から放射状に延びるリブ33,33,…とが設けられている。
【0051】
蓋30の内面には、上下方向に延びる回動軸40が該蓋30と一体成形されている。回動軸40は、上記容器本体10の軸受筒20の配設位置に対応しており、従って、蓋30の周縁部において長手方向一側寄りに配置されている。
【0052】
回動軸40は筒状となっており、下端面は開放されている。図11及び図13に示すように、回動軸40の周壁部には、先端から基端近傍に亘る2つの切欠部40a,40aが周方向に互いに間隔をあけて形成されている。これら切欠部40a,40aの形成によって回動軸40が2つの軸構成部40b,40b(図13参照)に分割されることになる。これら軸構成部40b,40bは回動軸40の径方向に弾性変形可能となっている。また、各軸構成部40bの先端部には、回動軸40の径方向へ突出する突部40cが形成されている。突部40cは、軸受筒20の内径よりも大きく突出しており、図7に示すように、回動軸40が軸受筒20に挿入された状態で、突部40c,40cが凹部25の内面25aに下側から当接して係合し、回動軸40の軸受筒20からの抜けが阻止されるようになっている。
【0053】
図11に示すように、蓋30の内面には、回動軸40を中心とした円弧状に延びるレール(案内部)34,34が設けられている。レール34,34の間に容器本体10の大径円柱部16(仮想線で示す)が挿入されるようになっている。
【0054】
レール34,34は、蓋30の内面から下方へ突出する突条部で構成されており、両端部は蓋30の周縁部に位置している。レール34,34の間隔は、容器本体10の大径円柱部16の外径よりも若干広めに設定されており、円柱部16がレール34,34の間を該レール34,34に沿って移動するようになっている。つまり、大径円柱部16は、レール34,34によって案内される。
【0055】
レール34,34の間には、蓋30が開放状態となったときに大径円柱部16が当接する第1板状ストッパ35と、蓋30が閉塞状態となったときに大径円柱部16が当接する第2板状ストッパ36とが形成されている。これら第1及び第2板状ストッパ35,36は、一方のレール34の内面と他方のレール34の内面とを繋ぐように回動軸40の径方向に延びている。
【0056】
また、レール34,34の第1板状ストッパ35よりも第2板状ストッパ36側の内面には、凸状閉塞側ストッパ37,37が形成されている。凸状閉塞側ストッパ37,37のレール34からの突出量は小さく設定されており、大径円柱部16が凸状閉塞側ストッパ37,37を乗り越えることができるようになっている。凸状閉塞側ストッパ37,37は、第1板状ストッパ35に大径円柱部16が当接した状態で、大径円柱部16に対し第1板状ストッパ35とは反対側から当接して閉塞方向に移動するのを抑制するように機能する。凸状閉塞側ストッパ37,37は、本発明の閉塞側ストッパである。
【0057】
さらに、レール34,34の第2板状ストッパ36よりも第1ストッパ35側の内面には、凸状開放側ストッパ38,38が形成されている。凸状開放側ストッパ38,38のレール34からの突出量は上記凸状閉塞側ストッパ37,37と同様に設定されている。凸状開放側ストッパ38,38は、第2板状ストッパ36に大径円柱部16が当接した状態で、大径円柱部16に対し第2板状ストッパ36とは反対側から当接して開放方向に移動するのを抑制するように機能する。凸状開放側ストッパ38,38は、本発明の開放側ストッパである。
【0058】
蓋30の回動範囲は、上述のように第1板状ストッパ35及び第2板状ストッパ36の位置によって任意に設定することが可能である。この実施形態では、蓋30の回動範囲は、図2に示す開放状態にあるときに収容口11を全開することなく、該収容口11の長手方向一側を覆い、かつ、収容されている物品と蓋30の縁部とが係合するように設定されている。すなわち、開放状態にしたときには、蓋30の長手方向と容器本体10の長手方向とが平面視で略直交する方向となるようにしており、これにより、例えば容器1をその収容口11が下になるように向けたときに、物品の端部を、容器本体10の底壁部12と蓋30の縁部とによって上下両側から支えることが可能になる。
【0059】
蓋30の周縁部における長手方向他端部には、上記容器側係合部23に係合する蓋側係合部39が設けられている。図12や図13にも示すように、蓋側係合部39は、蓋30の裏側へ向かって突出し、かつ、蓋30の周縁部に沿って延びる板状に形成されている。また、図12に示すように、蓋側係合部39は上下方向の中央部が最も外側に位置するように湾曲している。
【0060】
蓋側係合部39の内面は、容器側係合部23の突条部23aに沿うように回動軸40の接線方向に延びている。図10に示すように、蓋側係合部39の内面には、容器側係合部23の爪部23bが嵌入する凹部39aが形成されている。また、蓋側係合部39の内面には、突条部23aの係合面23cが嵌る段部39bが形成されている。
【0061】
上記のように構成された蓋付き容器1を組み立てる際には、回動軸40を容器本体10の軸受筒20に挿入する。このとき、回動軸40の突部40c,40cが軸受筒20の内面に摺接して軸構成部40b,40bが径方向内方に弾性変形し、これによって回動軸40の挿入が許容される。回動軸40が軸受筒20に完全に挿入されると突部40c,40cが軸受筒20の下端から外方へ突出して軸構成部40b,40bが復元する。これにより、突部40c,40cが凹部25の内面25aに下側から当接し、回動軸40の軸受筒20内での回動を許容しながら、軸受筒20からの抜けが阻止される。
【0062】
次に、上記のように構成された蓋付き容器1の使用要領について説明する。図2に示す開放状態の蓋30を図1に示す閉塞状態にする場合には、蓋30に対して閉塞方向に力を加えて蓋30を回動軸40周りに回動させていく。蓋30の蓋側係合部39が容器本体10の係合部形成面13cに達すると、蓋側係合部39の内面が係合部形成面13cに沿うように延びているので、回動軸40周りに回動させるだけで、蓋30の弾性変形を伴いながら蓋側係合部39が突条部23aを覆うように位置する。これにより、図10に示すように、蓋側係合部39の凹部39aに容器側係合部23の爪部23bが嵌入して蓋30の回動が抑制され、また、突条部23aの係合面23cが段部39bに嵌ることで蓋30が容器本体10から上方へ離れるのが阻止される。
【0063】
また、蓋30を閉塞状態にする際、大径円柱部16がレール34,34によって案内されるので、蓋30の回動動作がスムーズに行われる。さらに、蓋30が閉塞位置に達すると、図11に仮想線で示すように、大径円柱部16が第2板状ストッパ36に当接してそれ以上の回動が阻止され、また、凸状開放側ストッパ38,38が大径円柱部16に当接する。このことによっても、蓋30が閉塞位置で保持される。
【0064】
尚、閉塞位置となるまで回動させる際、大径円柱部16が凸状開放側ストッパ38,38を乗り越えることになるが、この凸状開放側ストッパ38,38の突出高さは低いのでそれほど大きな力は必要ない。
【0065】
閉塞状態でストラップ取付孔22に取り付けたストラップにより容器1を吊すと、回動軸40が上に位置し、容器側係合部23及び蓋側係合部39が下に位置することになる。このため、蓋30は重力の影響によって開放方向(上方向)には回動しにくくなる。よって、容器1を吊した状態で蓋30が不意に開放してしまうのが抑制される。
【0066】
一方、図11に示すように、閉塞状態の蓋30を図2に示すように開放状態にする場合には、蓋30に対して開放方向に力を加える。このとき、容器1の使用者は、蓋30に開放方向を示す目印部30bがあるので、開放方向を容易に把握でき、開放方向と反対側へ力を加えてしまうのを防止できる。
【0067】
蓋30に対し開放方向へ力を加えると、蓋30の弾性変形によって蓋側係合部39の凹部39aに嵌入している容器側係合部23の爪部23bが該凹部39aから離脱するとともに、蓋側係合部39が容器側係合部23の突条部23aに沿って開放側へ移動していく。このとき、突条部23aが蓋30の回動中心である回動軸40の接線方向に延びているので、蓋30を無理にこじったり、変形させなくても、蓋側係合部39が自然に移動して蓋30が開放状態となる。
【0068】
蓋30を開放方向へ回動させていくと、大径円柱部16がレール34,34により案内されるのでスムーズに回動していく。大径円柱部16が凸状閉塞側ストッパ37,37を乗り越え、第1板状ストッパ35に当接すると、それ以上の開放方向への回動が阻止され、また、凸状閉塞側ストッパ37,37が大径円柱部16に当接する。このことにより、蓋30が開放位置で保持される。
【0069】
このとき、回動軸40を容器本体10の周縁部及び蓋30の周縁部に位置付けているので、蓋30を大きく移動させて収容口11を大きく開くことが可能になる。これにより、物品の出し入れが容易に行える。また、回動軸40が容器本体10の膨出した周縁部にあることから、収容した物品の邪魔になりにくく、物品の出し入れ時の邪魔にもなりにくい。
【0070】
蓋30が開放状態になったとき、収容されている物品と蓋30の縁部とが係合するように蓋30の回動範囲が設定されているので、容器1の収容口11を下に向けても、物品の端部を、容器本体10の底壁部12と蓋30の縁部とによって上下両側から支えることができ、物品が容器1から出てしまうのを抑制することができる。
【0071】
以上説明したように、この実施形態にかかる蓋付き容器1によれば、回動軸40を容器本体10の内部に収容したので、回動軸40が外観デザインに影響を与えないようにすることができる。
【0072】
そして、回動軸40の上下両側をそれぞれ容器本体10の周縁部及び蓋30の周縁部に配置したので、回動軸40が物品の邪魔にならず、しかも、容器本体10の収容口11を広く開放させることができ、高い利便性を得ることができる。
【0073】
また、蓋30には回動軸40周りに延びるレール34,34を設け、容器本体10にはレール34,34によって案内される大径円柱部16を設けたので、蓋30の開閉動作をスムーズにすることができ、開閉時の操作性を良好にすることができる。
【0074】
また、レール34,34に凸状開放側ストッパ38,38を設けたので、閉塞状態にある蓋30が不意に回動するのを防止することができる。
【0075】
また、レール34,34に凸状閉塞側ストッパ37,37を設けたので、開放状態にある蓋30が不意に回動するのを防止することができる。
【0076】
また、容器1における回動軸40の接線方向に延びる係合部形成面13cに容器側係合部23を設け、この容器側係合部23に係合する蓋側係合部39を、容器側係合部23を覆うように設けたので、蓋30を回動させるだけで両係合部23,39を係合させたり、離脱させることができ、開閉時の操作性を良好にすることができる。
【0077】
また、蓋30が開放状態にあるときに収容口11の長手方向一側を覆って物品と蓋30の縁部とが係合するようになっているので、蓋30が不意に開放状態となったときに物品が収容口11から出てしまうのを抑制できる。
【0078】
尚、上記実施形態では、レール34,34を蓋30に設けているが、これに限らず、容器本体10にレールを設け、蓋30にレールに係合する突部(被案内部)を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0079】
以上説明したように、本発明にかかる蓋付き容器は、蓋を回動させて開閉する場合に適用できる。
【符号の説明】
【0080】
1 蓋付き容器
10 容器本体
11 収容口
16 大径円柱部(被案内部)
23 容器側係合部
30 蓋
34 レール(案内部)
37 凸状閉塞側ストッパ
38 凸状開放側ストッパ
39 蓋側係合部
40 回動軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容するための収容口が開口した容器本体と、
上記容器本体の収容口を開閉するための蓋と、
上記容器本体における収容口の開口する面と交差する方向に延び、上記蓋を上記容器本体に回動可能に連結するための回動軸とを備え、
上記蓋を上記回動軸周りに回動させることによって上記収容口を開閉するように構成された蓋付き容器において、
上記回動軸は、上記容器本体の内部に収容されており、該回動軸の容器本体側は、上記容器本体の周縁部に配置され、該回動軸の蓋側は、上記蓋の周縁部に配置されていることを特徴とする蓋付き容器。
【請求項2】
請求項1に記載の蓋付き容器において、
上記容器本体及び上記蓋の一方には、上記回動軸を中心とする円弧状に延びる案内部が設けられ、
上記容器本本体及び上記蓋の他方には、上記案内部によって上記回動軸の周方向に案内される被案内部が設けられていることを特徴とする蓋付き容器。
【請求項3】
請求項2に記載の蓋付き容器において、
上記案内部には、上記蓋が閉塞状態になったときに上記被案内部が蓋の開放方向に移動するのを抑制する開放側ストッパが設けられていることを特徴とする蓋付き容器。
【請求項4】
請求項2または3に記載の蓋付き容器において、
上記案内部には、上記蓋が開放状態になったときに上記被案内部が蓋の閉塞方向に移動するのを抑制する閉塞側ストッパが設けられていることを特徴とする蓋付き容器。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の蓋付き容器において、
上記容器本体及び上記蓋には、該蓋が閉塞状態にあるときに互いに係合して該蓋が開放方向に回動するのを抑制する容器側係合部及び蓋側係合部がそれぞれ設けられ、
上記容器側係合部は上記容器本体の周壁部外面において上記回動軸の接線方向に延びる部位に配置され、
上記蓋側係合部は上記蓋の縁部において上記容器側係合部を覆うように配置されていることを特徴とする蓋付き容器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の蓋付き容器において、
上記容器本体は、上記収容口が所定方向に長く延びる開口となるように形成されるとともに、細長い物品が上記収容口の長手方向に沿うように収容可能に構成され、
上記蓋の回動範囲は、開放状態にあるときに上記収容口の長手方向一側を覆い、かつ、収容されている物品と上記蓋の縁部とが係合するように設定されていることを特徴とする蓋付き容器。
【請求項1】
物品を収容するための収容口が開口した容器本体と、
上記容器本体の収容口を開閉するための蓋と、
上記容器本体における収容口の開口する面と交差する方向に延び、上記蓋を上記容器本体に回動可能に連結するための回動軸とを備え、
上記蓋を上記回動軸周りに回動させることによって上記収容口を開閉するように構成された蓋付き容器において、
上記回動軸は、上記容器本体の内部に収容されており、該回動軸の容器本体側は、上記容器本体の周縁部に配置され、該回動軸の蓋側は、上記蓋の周縁部に配置されていることを特徴とする蓋付き容器。
【請求項2】
請求項1に記載の蓋付き容器において、
上記容器本体及び上記蓋の一方には、上記回動軸を中心とする円弧状に延びる案内部が設けられ、
上記容器本本体及び上記蓋の他方には、上記案内部によって上記回動軸の周方向に案内される被案内部が設けられていることを特徴とする蓋付き容器。
【請求項3】
請求項2に記載の蓋付き容器において、
上記案内部には、上記蓋が閉塞状態になったときに上記被案内部が蓋の開放方向に移動するのを抑制する開放側ストッパが設けられていることを特徴とする蓋付き容器。
【請求項4】
請求項2または3に記載の蓋付き容器において、
上記案内部には、上記蓋が開放状態になったときに上記被案内部が蓋の閉塞方向に移動するのを抑制する閉塞側ストッパが設けられていることを特徴とする蓋付き容器。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の蓋付き容器において、
上記容器本体及び上記蓋には、該蓋が閉塞状態にあるときに互いに係合して該蓋が開放方向に回動するのを抑制する容器側係合部及び蓋側係合部がそれぞれ設けられ、
上記容器側係合部は上記容器本体の周壁部外面において上記回動軸の接線方向に延びる部位に配置され、
上記蓋側係合部は上記蓋の縁部において上記容器側係合部を覆うように配置されていることを特徴とする蓋付き容器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の蓋付き容器において、
上記容器本体は、上記収容口が所定方向に長く延びる開口となるように形成されるとともに、細長い物品が上記収容口の長手方向に沿うように収容可能に構成され、
上記蓋の回動範囲は、開放状態にあるときに上記収容口の長手方向一側を覆い、かつ、収容されている物品と上記蓋の縁部とが係合するように設定されていることを特徴とする蓋付き容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−91512(P2013−91512A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235318(P2011−235318)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000112853)フマキラー株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000112853)フマキラー株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
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