説明

蓋付容器吊り下げ器具

【課題】本考案はファーストフーズ店やコンビニエンスストアで販売される飲食物を顧客が持ち帰る場合に簡便に使用できる蓋付容器吊り下げ器具を提供する。
【解決手段】強固な材料の板1に紙コップ等の逆テーパー状の容器30の上端開口部31の径Yに略相当し且つその一部の不連続部分を有する円形切込を刻設して、蓋20を形成し蓋20の中心部21、22から同一距離の位置にある板1の中心部に小孔24を穿設し、板1の裏面にわたる容器吊り下げひも25を小孔24に挿通してなる蓋付容器吊り下げ器具に係る考案で課題を解決する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はファーストフーズ店やコンビニエンスストアで販売される飲食物を顧客が持ち帰る場合に簡便に使用できる蓋付容器吊り下げ器具に関する考案である。
【0002】
【従来の技術】
従来は、紙コップ等の容器にポテトやフランクフルトソーセージ等の固形食品やコーヒーのような液体飲料を入れて、樹脂製の蓋で頂部開口を閉じたものを二個以上のホルダーにて連結保持して販売に提供することが一般に行われ又蓋を使用しないでホルダーに直接容器を嵌合して販売に提供している。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ファーストフーズ店やコンビニエンスストアで (1)販売食品に応じて、別個に樹脂製蓋を多数個準備する必要が生じ、二 箇所以上の保管場所が必要であった。
(2)それぞれ材質の異なる蓋とホルダーを製造することは手間がかかりコ ストが嵩む等の課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案は、扁平な厚紙等に切込を入れただけで、容易に組立ができ組立前の状態にあっては搬送収納が容易で組立時には蓋を剥がし、容器吊り下げひもを小孔に挿通すれば取得できるもので、 強固な材料の板1に、紙コップ等の逆テーパー状の容器30の上端開口部31の径Yに略相当し且つその一部の不連続部分3を有する円形切込2を刻設して、蓋20を形成し蓋20の中心部21、22から同一距離の位置にある前記板1の中心部9に小孔24を穿設し、前記板1の裏面にわたる容器吊り下げひも25を小孔24に挿通してなる蓋付容器吊り下げ器具に係る考案で課題を解決する。尚、図中5は、円形切込2の円縁4から突設された切込で、この切込5で蓋20の一部に摘片8が延設される。7は穿設された切込5の基部6に付設された折曲線である。
【0005】
【実施例】
本考案の実施例を図面に従って説明すると1は強靭で扁平な厚紙から構成される板で、厚紙を小判状に打ち抜き加工して取得される。本考案に係る板1は厚紙に限定されるものでなく、同効質の素材例えば、厚紙にポリエチレン薄膜をラミネートした合成紙でも本考案の目的を達成できる。2は板1に刻設された円形切込で、左右に2個刻設され、この切込2の一部には不連続部分3が形成され、この切込2の刻設によって円形の蓋20が形成され、この切込2の不連続部分3により蓋20は板1と連設して形成される。又この不連続部分3はミシン目状の切込で図1の円形切込2には5カ所の不連続部分3が形成されている。この不連続部分3は板1と蓋20とを連係させることを目的としており、必ずしも複数個の不連続部分3を必要とするものではなく1カ所の不連続部分3でも本考案の目的は達成できる。
【0006】
本考案を構成する板1に設けた円形切込2によって形成される蓋20を板1から不連続部分3と共にそれぞれを切り離すと2個の蓋20が取得されると同時に紙コップ30を挿入できる容器挿入孔33が形成される。この容器挿入孔33の周縁には容器挟持部34が構成される。更に板1には環状容器吊り下げひも25を挿通する小孔24が形成される。
又本考案は円形切込2の円縁4から切込5を板1に突設させて摘片8を設け、蓋20を板1から切り離す時にこの摘片8も蓋20に突設して同時に形成できる。一方、板1には蓋20の中心部21、22から板1の内側で同一距離X、Xの位置にあるその中心部9に小孔24が穿設される。この小孔24に環状の容器吊り下げひも25が挿通されている。尚この容器吊り下げひも25は環状に限定されるものでなく、紙コップ30を板1で吊り下げられ、板1に挿通係止できるものであれば一本のひもでも本考案の目的は達成できる。
【0007】
上記のように本考案は構成されから、その使用に際しては図2に図示の如く蓋20を円形切込2及び切込5によって板1から切り離して同時に不連続部分3をも切り離して前記の如く容器挿入孔33を形成する。又予め用意された環状容器吊り下げひも25を前記小孔24に挿入係止すればよい。
更に、この容器挿入孔33の中に飲食物を紙コップ30に入れた後に、その開口部31から摘片8をその基部6から折曲線7により折曲して起立させた蓋20を周側壁32の内側に挿入係止させて、開口部31を密封した紙コップ30を挿入し、紙コップ30の周側壁32を容器挟持部34に当接挟持させれば蓋20の中心部21、22から板1の内側で同一距離X、Xの中心部9に小孔24が穿設されているので、容器挿入孔33に挿入した飲食物入り紙コップ30を左右バランス良く環状容器吊り下げひも25で2個の紙コップ30の持ち運びに使用できる。
【0008】
図3及び図4は、本考案の他実施例を示すもので基本的構成は図2で説明した考案と同一で、強靭で扁平な厚紙から構成される板101を略三角形状に打抜加工すると同時に板101に円形切込102を刻設して5カ所に円形切込102を刻設し、この切込102の円縁104から突設させた切込105をも同時に刻設して略円形の蓋120を取得する。
この円形切込102には、不連続部分103が形成されている。即ちこの不連続部分103によって蓋120と板101が連係している。この板101に設けられる円形切込102によって形成される蓋120を板101から不連続部分103と共に切り離すと3個の蓋120が取得されると同時に紙コップ130を挿入可能な容器挿入孔133が形成される。この容器挿入孔133の周縁には容器挟持部134が構成される。
【0009】
他実施例の円形切込102の周縁104から切込105を板101に突設させて摘片108を設け、蓋102を板101から切り離すときに、この摘片108も同時に形成できる。一方、板101には蓋120の中心部121、122から板101の内側で同一距離の位置にあるその中心部109に小孔124が穿設される。この小孔124に環状容器吊り下げひも125を挿通する。
又図中130は容器挿入孔133に挿入され、その周側壁132が容器挟持部134に挟持される紙コップである。
上記のように構成されるこの他実施例も前記実施例と同様に図4に図示の如く蓋120を円形切込102、切込105によって板101から切り離し、同時に不連続部分103も切り離し容器挿入孔133を形成し、この挿入孔133に紙コップ130を挿入し、環状容器吊り下げひも125を板101に設けた小孔124に挿入し係止する。
この他実施例の使用に際しては、紙コップ130に飲食物を入れた後に摘片108をその基部106から折曲線107により折曲起立させた蓋120を挿入し、その開口部131から蓋120を周側壁132に挿入係止した紙コップ130を前記挿入孔133に挿入し、その開口部131を構成する周側壁132を容器挟持部134に当接挟持することでこの他実施例も本考案の前記実施例と同様に容器挿入孔133に挿入した3個の飲食物を入れた紙コップ130を三方向にバランス良く環状容器吊り下げひも125で持ち運びに使用できる。
【0010】
【本考案の効果】
本考案によれば、紙コップが容器挿入孔から外れることなく、一度に2個以上の複数個をバランス良く吊り下げて持ち運べることができ、紙コップの開口部を同一素材から形成できる蓋で密封して飲食物の飛散を防止でき、その着脱も容易に行え衛生的にも好ましい飲食物を提供できる。加え本考案によれば別個に蓋を準備する必要もなく、積み重ねて置けば保管場所の確保も必要なくしかも構造が簡単で便益大なる器具である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の使用状態を示す斜視図
【図2】 本考案の要部を構成する板から蓋を切り離す状態を示す斜視図
【図3】 本考案の他実施例の使用状態を示す斜視図
【図4】
【図3】の他実施例の要部を構成する板から蓋を切り離す状態を示す斜視図
【符号の説明】
1…板 2…円形切込 3…不連続部分 4…円縁 5…切込
6…基部 7…折曲部 8…摘片 9…中心部
20…蓋 21…中心部 22…中心部 24…小孔
25…環状容器吊り下げひも
30…紙コップ 31…開口部 32…周側壁
33…容器挿入孔 34…容器挟持部
101…板 102…円形切込 103…不連続部分 104…円縁
105…切込 106…基部 107…折曲部 108…摘片
109…中心部 120…蓋 121…中心部 122…中心部
123…中心部 124…小孔 125…環状容器吊り下げひも
130…紙コップ 131…開口部 132…周側壁
133…容器挿入孔 134…容器挟持部

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】強固な材料の板1に、紙コップ等の逆テーパー状の容器30の上端開口部31の径Yに略相当し且つその一部の不連続部分3を有する円形切込2を刻設して、蓋20を形成し蓋20の中心部21、22から同一距離の位置にある前記板1の中心部9に小孔24を穿設し、前記板1の裏面にわたる容器吊り下げひも25を小孔24に挿通してなる蓋付容器吊り下げ器具
【請求項2】前記円形切込2の円縁4の一部から切込5を突設させて摘片8を形成したことを特徴とする請求項1記載の蓋付容器吊り下げ器具

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【登録番号】実用新案登録第3076437号(U3076437)
【登録日】平成13年1月10日(2001.1.10)
【発行日】平成13年4月6日(2001.4.6)
【考案の名称】蓋付容器吊り下げ器具
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2000−7664(U2000−7664)
【出願日】平成12年9月20日(2000.9.20)
【出願人】(000145910)株式会社尚山堂 (6)