説明

蓋構造及びこれを用いたフロアパネル

【課題】蓋部材の強度を向上させて、その上方から大きな荷重が加えられた際にその蓋部材が変形するのを防止することができる、蓋構造及びこれを用いたフロアパネルを提供する。
【解決手段】側辺部にコの字状の開口凹部24cが形成された平板部24と、開口凹部24cの対向する側辺部24dから平行に突出した係合突部24gと、側辺部24dの開口端部に形成された嵌合凹部24iと、平板部24の下面に設けられた立設部26とを有する第1蓋部材22と、厚さ上半部30が厚さ下半部32よりも幅広に形成された板部と、前記板部の厚さ上半部30と共に第1蓋部材22の係合突部24gを挟むように嵌合する補強部34と、補強部34が設けられた側辺部とは反対側の側辺部に設けられ第1蓋部材22の嵌合凹部24cと嵌合する嵌合凸部30dとを有する第2蓋部材28とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロアパネルに形成された開口部に蓋部材を取り付けてフリーアクセスフロア構造に用いられる、蓋構造及びこれを用いたフロアパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
フロアパネルは、フリーアクセスフロア構造に用いられるものであり、建築構造物の一部を構成するコンクリート材等により形成された基礎床面の上方に空間を隔てて設けられるものである。
【0003】
図12から図14は、従来のフロアパネル4及びこれに用いた蓋部材6の構造を説明するために参照する図である。
【0004】
図12に示すように、従来のフロアパネル4は、図中下側の側辺部に略矩形状に入り込むよう切り欠かれた開口部4aが形成されており、この開口部4aを用いて、床下から床上に配線等を引き出すことができるようになっていた。
【0005】
そして、図13に示すように、フロアパネル4の開口部4aを構成する略コの字状の3つの側辺部には、フロアパネル4の上面4dから下方に折り曲げられてその断面がテーパ状のテーパ部4bと、そのテーパ部4bの下端部から水平外側に突出するようフランジ状に折り曲げられたフランジ部4cが形成されていた。
【0006】
このフランジ部4cの上面には、フロアパネル4の上面4dより高さが一段下がった位置に水平の段差面4eが形成されていた。
【0007】
このような従来のフロアパネル4は、その開口部4aが開口した状態のままフリーアクセスフロア構造に用いると、この開口部4aから床下にゴミ等が落下して溜まるだけでなく、ハイヒール靴のかかとのヒールが落ち込んだり、靴のつま先が引っ掛かったりして危険であった。
【0008】
このため、従来のフロアパネル4においては、図13に示すような、その開口部4aのフランジ部4cの上面の段差面4e上に、図14に示すように、その断面がL字状に形成された蓋部材6の、その断面における寸法が長い方の長辺板部6aを載置させて、フロアパネル4の開口部4aを閉塞するようになっていた(特許文献1参照)。
【0009】
この蓋部材6は、このように長辺板部6aをフランジ部4cの段差面4e上に載せた際には、フロアパネル4の開口部4aの全てを閉塞するようになっていた。
【0010】
これに対し、その長辺板部6aの代わりに、蓋部材6のL字状の断面における寸法が短い方の短辺板部6bをフランジ部4cの段差面4e上に載せるように、蓋部材6の姿勢を変えることにより、フロアパネル4の開口部4aの一部のみを閉塞することができるようになっていた。
【0011】
また、別の従来の蓋構造としては、特許文献2に示すような、フロアパネルの開口部に取り付けられる蓋本体に切欠きが形成され、この切欠きに上記蓋本体より小さい蓋部材が取り付けられるものもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2003−41753号公報
【特許文献2】特開平10−248146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、この従来のフロアパネル4に用いた蓋部材6は、単なる板部材の断面をL字状に折り曲げたに過ぎない構造であったので、その強度が十分でなく、その上方から大きな荷重が加えられた際には、その蓋部材6が変形するおそれがあるという問題があった。
【0014】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、蓋部材の強度を向上させて、その上方から大きな荷重が加えられた際にその蓋部材が変形するのを防止することができる、蓋構造及びこれを用いたフロアパネルを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明による蓋構造は、
フロアパネルの開口部に取り付けられる蓋構造であって、
その側辺部にコの字状の開口凹部が形成された平板部と、
前記開口凹部の互いに対向する側辺部から互いに接近するように突出し前記側辺部に平行に形成された係合突部と、
前記開口凹部の互いに対向する側辺部の開口端部に形成された嵌合凹部と、
前記平板部の下面に設けられた立設部と
を有する第1蓋部材と、
厚さ上半部が厚さ下半部よりも幅広に形成された板部と、
前記板部の下面の側辺部に設けられ、前記板部の厚さ上半部と共に前記第1蓋部材の係合突部を挟むようにこれと嵌合する補強部と、
前記板部の前記補強部が設けられた側辺部とは反対側の側辺部に設けられ前記第1蓋部材の嵌合凹部と嵌合する嵌合凸部と
を有する第2蓋部材と
を備えたことを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明による蓋構造は、
前記平板部の周縁部に前記立設部の上端面から外側に張り出したフランジ部が形成されたことを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明による蓋構造は、
前記板部の上面の開口凹部への挿し込み先端側に円弧状の凹部が形成されたことを特徴とするものである。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明によるフロアパネルは、
開口部を有するフロアパネルであって、
その側辺部にコの字状の開口凹部が形成された平板部と、
前記開口凹部の互いに対向する側辺部から互いに接近するように突出し前記側辺部に平行に形成された係合突部と、
前記開口凹部の互いに対向する側辺部の開口端部に形成された嵌合凹部と、
前記平板部の下面に設けられた立設部と
を有する第1蓋部材と、
厚さ上半部が厚さ下半部よりも幅広に形成された板部と、
前記板部の下面の側辺部に設けられ、前記板部の厚さ上半部と共に前記第1蓋部材の係合突部を挟むようにこれと嵌合する補強部と、
前記板部の前記補強部が設けられた側辺部とは反対側の側辺部に設けられ前記第1蓋部材の嵌合凹部と嵌合する嵌合凸部と
を有する第2蓋部材とを備えた蓋構造を
前記開口部に取付けたことを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明によるフロアパネルは、
前記開口凹部が前記平板部の、前記フロアパネルの中央部寄りの側辺部に形成されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
このような本発明の蓋構造によれば、
フロアパネルの開口部に取り付けられる蓋構造であって、
その側辺部にコの字状の開口凹部が形成された平板部と、
前記開口凹部の互いに対向する側辺部から互いに接近するように突出し前記側辺部に平行に形成された係合突部と、
前記開口凹部の互いに対向する側辺部の開口端部に形成された嵌合凹部と、
前記平板部の下面に設けられた立設部と
を有する第1蓋部材と、
厚さ上半部が厚さ下半部よりも幅広に形成された板部と、
前記板部の下面の側辺部に設けられ、前記板部の厚さ上半部と共に前記第1蓋部材の係合突部を挟むようにこれと嵌合する補強部と、
前記板部の前記補強部が設けられた側辺部とは反対側の側辺部に設けられ前記第1蓋部材の嵌合凹部と嵌合する嵌合凸部と
を有する第2蓋部材とを備えたことにより、
蓋部材の強度を向上させて、その上方から大きな荷重が加えられた際にその蓋部材が変形するのを防止することができる。
【0021】
また、このような本発明のフロアパネルによれば、
開口部を有するフロアパネルであって、
その側辺部にコの字状の開口凹部が形成された平板部と、
前記開口凹部の互いに対向する側辺部から互いに接近するように突出し前記側辺部に平行に形成された係合突部と、
前記開口凹部の互いに対向する側辺部の開口端部に形成された嵌合凹部と、
前記平板部の下面に設けられた立設部と
を有する第1蓋部材と、
厚さ上半部が厚さ下半部よりも幅広に形成された板部と、
前記板部の下面の側辺部に設けられ、前記板部の厚さ上半部と共に前記第1蓋部材の係合突部を挟むようにこれと嵌合する補強部と、
前記板部の前記補強部が設けられた側辺部とは反対側の側辺部に設けられ前記第1蓋部材の嵌合凹部と嵌合する嵌合凸部と
を有する第2蓋部材とを備えた蓋構造を
前記開口部に取付けたことにより、
蓋部材の強度を向上させて、その上方から大きな荷重が加えられた際にその蓋部材が変形するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態に係る蓋構造20及びこれを用いたフロアパネル4を示す図であって、フロアパネル4の開口部4aに取付けられた蓋構造20及びその近傍を拡大して示す部分拡大斜視図である。
【図2】図1に示す第1蓋部材22に第2蓋部材28が挿し込まれる前の状態を示す分解上面図である。
【図3】図1に示す第1蓋部材22に第2蓋部材28が挿し込まれて嵌合した状態を示す上面図である。
【図4】第2蓋部材28が挿し込まれていない状態の第1蓋部材22の上面図である。
【図5】図4に示す第1蓋部材22の正面図である。
【図6】図1に示す第2蓋部材28の側面図である。
【図7】図6に示す第2蓋部材28の嵌合凸部30d側から見た正面図である。
【図8】図1に示す第2蓋部材28の上面図である。
【図9】図8に示す第2蓋部材28を上下方向に裏返したその下面図である。
【図10】図3に示す第1蓋部材22及び第2蓋部材28のA−A線矢視の断面図である。
【図11】図3に示す第1蓋部材22及び第2蓋部材28のB−B線矢視の断面図である。
【図12】従来及び本発明の一実施の形態に係るフロアパネル4を示すその全体上面図である。
【図13】図12に示すフロアパネル4の開口部4a及びその近傍を拡大して示す部分拡大斜視図である。
【図14】従来の蓋構造2が取付けられたフロアパネル4の開口部4a及びその近傍を拡大して示す部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る蓋構造及びこれを用いたフロアパネルを実施するための形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1から図11、及び図12,13は、本発明の一実施の形態に係る蓋構造及びこれを用いたフロアパネルについて説明するために参照する図である。
【0024】
これらの図に示す蓋構造20及びこれを用いたフロアパネル4は、前記従来の蓋構造2及びこれを用いたフロアパネル4と同様の部分には同じ符号を付して説明し、従来と同様の構成についての重複する説明は、その一部を除き省略するものとする。
【0025】
本発明の一実施の形態におけるフロアパネルは、前記従来のフロアパネル4と全く同じ形状及び構造を有するので、上述したように同じ符号4を付して説明する。本実施の形態に係る蓋構造20を用いたフロアパネル4は、図13に示す従来のフロアパネル4と同様に、その側辺部に略矩形状に入り込むよう切り欠かれた開口部4aが形成されている。
【0026】
そして、この開口部4aを構成するコの字状の3つの側辺部には、フロアパネル4の上面4dから下方に折り曲げられてその断面がテーパ状のテーパ部4bと、そのテーパ部4bの下端部から水平外側に突出するようフランジ状に折り曲げられたフランジ部4cが形成されている。
【0027】
このフランジ部4cの上面には、フロアパネル4の上面4dより高さが一段下がった位置に水平の段差面4eが形成されている。
【0028】
本実施の形態に係る蓋構造20は、図1に示すように、第1蓋部材22と第2蓋部材28により構成されており、第1蓋部材22の後述する開口凹部24cに、第2蓋部材28が挿し込まれて嵌合した状態で、これらがフロアパネル4のフランジ部4cの段差面4e上に載置されることにより、フロアパネル4の開口部4aを閉塞するようになっている。
【0029】
図2に示すように、本実施の形態に係る蓋構造20は、その第1蓋部材22の図中下辺の中央部より内側に略矩形状に切り欠かれた開口凹部24cが形成されており、この開口凹部24cに図中下側から第2蓋部材28が、その上面28aが第1蓋部材22の上面22aと同一平面状になるようにして、挿し込まれて嵌合するようになっている。
【0030】
このように、第2蓋部材28が第1蓋部材22の開口凹部24cに嵌合することにより、図3に示すように、開口凹部24cは閉塞されるようになっている。
【0031】
また、第2蓋部材28を第1蓋部材22の開口凹部24cより図3中下側に引き出すことにより、図2に示すように、第1蓋部材22から第2蓋部材28を離隔させて、開口凹部24cを開放させることができるようになっている。
【0032】
蓋構造20の第1蓋部材22は、図5に示すように、平板状の平板部24と、この平板部24の下方に伸びている、平板部24より小さい水平面積を有する立設部26により構成されている。この第1蓋部材22は、合成樹脂を材料とするものであり、その平板部24及び立設部26は成形時に一体的に形成されるようになっている。
【0033】
第1蓋部材22の立設部26は、図4に示すように、図中下側の側面部26aの中央部から図中上方に向かって略U字状に切り欠かれたU字溝部26bを有するように、略コの字状に形成されている。
【0034】
そして、第1蓋部材22の平板部24の3つの側辺部には、上記立設部26の外周部より図4中下側及び左右両側の計3方に張り出すようなフランジ部24bが形成されている。図4及び図5に示すように、このフランジ部24bは、その立設部26側の外周縁部にテーパ部24fが形成されている。
【0035】
図4に示すように、この平板部24は、フランジ部24bの図中下側の中央部が図中上方に向かって略矩形状に切り欠かれた開口凹部24cを有する略コの字状に形成されている。
【0036】
この開口凹部24cを構成する3つの側辺部24d,24e,24dの内、互いに対向する2つの側辺部24d,24dそれぞれの間にある辺部24eは、図5に示すように、立設部26のU字溝部26bの内底面26cと同一平面状に連続している。
【0037】
そして、第1蓋部材22の平板部24の、互いに対向する2つの側辺部24d,24dの下部には、その側辺部24dに沿うと共に、互いに接近するように突出する係合突部24gが形成されている。
【0038】
この係合突部24gは、図5に示すように、平板部24の厚さの下半分側に配置されており、その厚さ寸法が平板部24の厚さ寸法の半分位に形成されている。そして、係合突部24gの上面には、平板部24の上面22aより一段下がった段差面24hが形成されている。
【0039】
また、互いに対向する2つの側辺部24d,24dは、その開口端部(図4中下端部)に、図5に示すような、略矩形状に凹んでいる嵌合凹部24iが形成されている。この嵌合凹部24iは、その図5中の下面が係合突部24gの段差面24hと同一平面状に連続するように形成されている。
【0040】
これまで、本実施の形態に係る蓋構造20の第1蓋部材22について説明してきたが、次に、蓋構造20の第2蓋部材28について説明する。
【0041】
第2蓋部材28は、図6に示すように、板状の上板部30と、その下方に同じく板状の下板部32が、その板厚を一体的に重ね合わせたような、2層の板状に見えるように形成されている。
【0042】
そして、その下板部32の下面32aの図中右側部には、図6中紙面垂直方向に長さを有する角棒状に形成され、その上面34aが下板部32の下面32aに一体的に固定された補強部34が形成されている。
【0043】
第2蓋部材28は、合成樹脂を材料とするものであり、その上板部30と下板部32、及び補強部34は成形時に一体的に形成されるようになっている。
【0044】
第2蓋部材28の上板部30は、図7に示すように、その図中左右方向(以下、幅方向とする)の長さ寸法が下板部32の幅方向の長さ寸法より大きく形成されており、その上板部30の幅方向両側の下面には、下板部32の下面32aよりも一段高くなった段差面30bが形成されている。
【0045】
そして、第2蓋部材28の上板部30は、図8に示すように、その平面形状が略矩形状に形成されており、その幅方向の両側の側面30cの図中下端部には、その幅方向外側に突出する、図6に示すような、直方体状の嵌合凸部30dがそれぞれ形成されている。
【0046】
この嵌合凸部30dは、図7に示すように、その図中上下方向の高さ寸法が上板部30の板厚の厚さ寸法よりも小さく、半分位の厚さに形成されており、上板部30の上面28aよりも一段下がった段差面30eが形成されている。
【0047】
図8に示すように、第2蓋部材28の上面28aの補強部34側の側部には、円弧状の凹部36が形成されている。この凹部36の深さ寸法は、上板部30の厚さ寸法に近い寸法に形成されている。この凹部36は、第2蓋部材28を、第1蓋部材22の開口凹部24cより引き出すときに、指の先を掛けるためのものである。
【0048】
第2蓋部材28の下板部32は、図9に示すように、その幅方向の長さ寸法だけでなく、図中上下方向の長さ寸法も上板部30の図中上下方向の長さ寸法より小さく形成されている。そして、図6に示すように、下板部32の図中左端部には、その下面32aより徐々にその厚さ寸法が小さくなって零に近づくような、テーパ部32bが形成されている。
【0049】
第2蓋部材28の補強部34は、図7に示すように、その長さ寸法が下板部32の幅方向の長さ寸法より大きく、上板部30の幅方向の長さ寸法に近い長さ寸法に形成されている。
【0050】
このため、第2蓋部材28は、上板部30の段差面30bと、下板部32の幅方向の両側面32cと、補強部34の上面34aの3つの辺部により構成された、係合溝部28bが形成されるようになっている。
【0051】
そして、図2に示すように、第2蓋部材28は、その側面30cに嵌合凸部30dが形成された側(図中下側)とは反対側の、その下側(図紙面裏側)に補強部34が形成された端部(図中上端部)を先にして、第1蓋部材22の開口凹部24cに挿し込まれるようになっている。
【0052】
図10は、第1蓋部材22の開口凹部24cに挿し込まれた状態における第2蓋部材28の、図6におけるA−A矢視の断面を示す図である。
【0053】
図10に示すように、第2蓋部材28は、その図中下側に補強部34が形成された部分の断面において、その上板部30の段差面30bと、下板部32の側面32cと、補強部34の上面34aにより構成されたコの字状の係合溝部28bに、第1蓋部材22の係合突部24gが嵌合して、開口凹部24cへの第2蓋部材28の挿し込みを案内するようになっている。
【0054】
このとき、第1蓋部材22の係合突部24gの先端面と、第2蓋部材28の側面32cとの間には、第1蓋部材22の側辺部24dと、第2蓋部材28の側面30cとの間の隙間より大きな隙間が形成されるようになっている。このため、第1蓋部材22の開口凹部24cに第2蓋部材28を容易に挿し込み、摺動することができる。
【0055】
また、第1蓋部材22の係合突部24gの段差面24hと、第2蓋部材28の上板部30の段差面30bとの間、及び第1蓋部材22の係合突部24gの下面と、第2蓋部材28の補強部34の上面34aとの間には、摺動のために最低限必要な隙間より大きな隙間は形成されないようになっている。
【0056】
このため、上記部材のそれぞれの間には、摺動のために最低限必要な隙間が形成されることにより、開口凹部24cへの第2蓋部材28の挿し込み時の摺動が円滑に行なわれることができるようになっている。この隙間が大き過ぎるとガタが生じて、かえって摺動が円滑に行なわれなくなるからである。
【0057】
このような第2蓋部材28の、その下側に補強部34が形成された先端側の面が、第1蓋部材22の開口凹部24cの一番奥の突き当り面に当接すると、そのとき同時に、第2蓋部材28の側面30cに形成された嵌合凸部30dが、図11に示すように、第1蓋部材22の嵌合凹部24iに嵌合することにより、開口凹部24cへの第2蓋部材28の挿し込み、摺動が終了する。
【0058】
図11に示すように、第1蓋部材22の嵌合凹部24iに第2蓋部材28の上板部30の嵌合凸部30dが嵌合することにより、第2蓋部材28が第1蓋部材22の開口凹部24cから容易には外れないようになっており、抜け落ちたりしないようになっている。
【0059】
このような本実施の形態に係る蓋構造20は、第1蓋部材22の開口凹部24cに第2蓋部材28を容易に取り付けることができることと、容易に外れないようにすることができることを両立させることができる。
【0060】
上記のように、第2蓋部材28は、その下側に補強部34が形成された部分の断面において、その上板部30の段差面30bと、下板部32の側面32cと、補強部34の上面34aにより構成されたコの字状の係合溝部28bに、第1蓋部材22の係合突部24gが嵌合して、その挿し込みを案内するようになっているため、第1蓋部材22の開口凹部24cに第2蓋部材28を容易に挿し込むことができる。
【0061】
また、本実施の形態に係る蓋構造20は、第1蓋部材22に立設部26が設けられていて、図3に示すように、この立設部26の水平断面積が大きく形成されていることにより、その剛性を大きくすることができるので、上方からの荷重に対する第1蓋部材22の強度を向上させることができる。
【0062】
そして、本実施の形態に係る蓋構造20は、第2蓋部材28に補強部34が設けられたことにより、第1蓋部材22に嵌合した際の、上方からの荷重に対する第2蓋部材28の強度を向上させることができる。
【0063】
したがって、本実施の形態に係る蓋構造20は、第1蓋部材22に第2蓋部材28が挿し込まれて嵌合した状態で、フロアパネル4のフランジ部4c上に載置した場合において、フロアパネル4上の荷重に対する蓋部材22,28の強度を向上させることができる。
【0064】
このような蓋構造20をフロアパネル4の開口部4aに用いることにより、フロアパネル4により構成されるフリーアクセスフロア構造の耐荷重強度を向上させることができる。
【0065】
以上説明したように、このような本実施の形態に係る蓋構造20及びこれを用いたフロアパネル4によれば、蓋部材22,28の強度を向上させて、フロアパネル4の上方から大きな荷重が加えられた際にその蓋部材22,28が変形するのを防止することができる。このため、フロアパネル4により構成されるフリーアクセスフロア構造の耐荷重強度を向上させることができる。
【0066】
なお、前記実施の形態に係る蓋構造20及びこれを用いたフロアパネル4においては、補強部34は、角棒状に形成されるようになっていたが、これに限定されるわけではなく、他のどのような形状であってもよい。
【符号の説明】
【0067】
2 蓋構造
4 フロアパネル
4a 開口部
4b テーパ部
4c フランジ部
4d 上面
4e 段差面
6 蓋部材
6a 長辺板部
6b 短辺板部
20 蓋構造
22 第1蓋部材
22a 上面
24 平板部
24b フランジ部
24c 開口凹部
24d,24e 側辺部
24f テーパ部
24g 係合突部
24h 段差面
24i 嵌合凹部
26 立設部
26a 側面図
26b U字溝部
26c 内底面
28 第2蓋部材
28a 上面
28b 係合溝部
30 上板部
30b 段差面
30c 側面
30d 嵌合凸部
30e 段差面
32 下板部
32a 下面
32b テーパ部
32c 側面
34 補強部
34a 上面
36 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロアパネルの開口部に取り付けられる蓋構造であって、
その側辺部にコの字状の開口凹部が形成された平板部と、
前記開口凹部の互いに対向する側辺部から互いに接近するように突出し前記側辺部に平行に形成された係合突部と、
前記開口凹部の互いに対向する側辺部の開口端部に形成された嵌合凹部と、
前記平板部の下面に設けられた立設部と
を有する第1蓋部材と、
厚さ上半部が厚さ下半部よりも幅広に形成された板部と、
前記板部の下面の側辺部に設けられ、前記板部の厚さ上半部と共に前記第1蓋部材の係合突部を挟むようにこれと嵌合する補強部と、
前記板部の前記補強部が設けられた側辺部とは反対側の側辺部に設けられ前記第1蓋部材の嵌合凹部と嵌合する嵌合凸部と
を有する第2蓋部材とを備えたことを特徴とする蓋構造。
【請求項2】
前記平板部の周縁部に前記立設部の上端面から外側に張り出したフランジ部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の蓋構造。
【請求項3】
前記板部の上面の開口凹部への挿し込み先端側に円弧状の凹部が形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の蓋構造。
【請求項4】
開口部を有するフロアパネルであって、
その側辺部にコの字状の開口凹部が形成された平板部と、
前記開口凹部の互いに対向する側辺部から互いに接近するように突出し前記側辺部に平行に形成された係合突部と、
前記開口凹部の互いに対向する側辺部の開口端部に形成された嵌合凹部と、
前記平板部の下面に設けられた立設部と
を有する第1蓋部材と、
厚さ上半部が厚さ下半部よりも幅広に形成された板部と、
前記板部の下面の側辺部に設けられ、前記板部の厚さ上半部と共に前記第1蓋部材の係合突部を挟むようにこれと嵌合する補強部と、
前記板部の前記補強部が設けられた側辺部とは反対側の側辺部に設けられ前記第1蓋部材の嵌合凹部と嵌合する嵌合凸部と
を有する第2蓋部材とを備えた蓋構造を
前記開口部に取付けたことを特徴とするフロアパネル。
【請求項5】
前記開口凹部が前記平板部の、前記フロアパネルの中央部寄りの側辺部に形成されたことを特徴とする請求項4に記載のフロアパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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