説明

蓋開閉装置

【課題】開閉角度の調整が容易な蓋開閉装置を提供する。
【解決手段】筐体51の内部において、遮光板57a,57bが軸部55に取り付けられる。遮光板57a,57bは軸部55と一体的に回転する。モータ52により、軸部55が矢印R1,R2方向に回転駆動される。軸部55に対する遮光板57a,57bの周方向の位置は調整可能となっている。遮光板57a,57bの回転経路に、フォトインタラプタ53a,53bが並べて配置される。軸部55の回転に伴い、フォトインタラプタ53aによって遮光板57aが検出され、フォトインタラプタ53bによって遮光板57bが検出される。フォトインタラプタ53a,53bによって遮光板57a,57bが検出されることにより、軸部55の回転動作が制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚の収容スペースの蓋を開閉するための蓋開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の製造工場においては、複数種類の部品が部品棚に収容される(例えば特許文献1参照)。各部品棚は複数の収容スペースを有し、複数の部品が種類ごとに各収容スペースに収容される。作業者により、その部品棚から必要な部品が選別して取り出される。
【0003】
作業の効率化を図るため、部品棚に種々の機構が設けられる。例えば、部品棚の各収容スペースのフレームにランプ装置が取り付けられる。複数のランプ装置は、制御装置により制御される。この場合、作業工程に従って取り出すべき部品が収容された収容スペースのランプ装置が点灯される。ランプ装置の点灯により、作業者は、取り出すべき部品の収容スペースを迅速かつ正確に認識することができる。
【0004】
しかしながら、長時間継続して作業を行うことにより作業者の集中力が低下した場合、または作業者の作業速度が速くなった場合に、ランプ装置が点灯していない収容スペースから作業者が誤って部品を取り出すことがある。そこで、誤った部品の取り出しをより確実に防止するため、部品棚の各収容スペースに開閉可能な蓋を有する蓋開閉装置が取り付けられる。従来の蓋開閉装置においては、エアシリンダにより蓋が開閉される。
【0005】
取り出すべき部品が収容された収容スペースのランプ装置が点灯されるとともに蓋が開かれる。この場合、ランプ装置が点灯していない収容スペースの蓋は閉じられているので、作業者はランプ装置が点灯していない収容スペースから誤って部品を取り出すことがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−42251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に、部品棚の各収容スペースからの部品の取り出し易さを考慮して工場等には種々の大きさおよび形状の部品棚がある。各部品棚の大きさおよび形状に合わせて蓋の開閉角度を調整することが望ましい。
【0008】
しかしながら、エアシリンダを用いた従来の蓋開閉装置では、蓋の開閉角度を調整することが容易ではない。そこで、蓋の開閉角度を簡単に調整することが可能な蓋開閉装置が要望されている。
【0009】
本発明の目的は、開閉角度の調整が容易な蓋開閉装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)物品を収納する収納スペースを有する棚に取り付けられる蓋開閉装置であって、収納スペースの物品取り出し口に開閉可能に設けられる蓋部材と、蓋部材を開閉する開閉駆動部とを備え、開閉駆動部は、軸部と、軸部を回転可能に支持する支持部材と、モータと、モータの回転力で軸部を一方向および逆方向に回転させる回転駆動機構と、軸部と一体的に回転するように軸部に取り付けられる第1の被検出部と、軸部と一体的に回転しかつ回転方向において第1の被検出部と角度をなすように軸部に取り付けられる第2の被検出部と、第1の被検出部が回転方向の予め定められた位置にあることを検出するように支持部材に設けられる第1の検出器と、第2の被検出部が回転方向の予め定められた位置にあることを検出するように支持部材に設けられる第2の検出器と、蓋部材の開閉を指示するための制御信号に基づいてモータを制御する制御手段とを含み、蓋部材は、軸部の一方向の回転により開動作を行い、軸部の逆方向の回転により閉動作を行うように、軸部に取り付けられ、第1および第2の被検出部は、軸部に対して回転自在な状態と軸部に対して固定された状態とに切り換え可能に設けられ、制御手段は、制御信号により蓋部材の開動作が指示された場合に軸部が一方向に回転するようにモータを制御し、制御信号により蓋部材の閉動作が指示された場合に軸部が逆方向に回転するようにモータを制御し、モータによる蓋部材の開動作時に第1の検出器により第1の被検出部が検出されたときにモータを停止させ、モータによる蓋部材の閉動作時に第2の検出器により第2の被検出部が検出されたときにモータを停止させるものである。
【0011】
この蓋開閉装置においては、蓋部材の開閉を指示するための制御信号に基づいて、開閉駆動部により蓋部材が開閉される。
【0012】
開閉駆動部においては、制御信号に基づいて制御手段によりモータが制御される。回転駆動機構は、モータの回転力で軸部を一方向および逆方向に回転させる。制御信号により蓋部材の開動作が指示された場合に軸部が一方向に回転するようにモータが制御され、制御信号により蓋部材の閉動作が指示された場合に軸部が逆方向に回転するようにモータが制御される。軸部の一方向の回転により蓋部材が開動作を行い、軸部の逆方向の回転により蓋部材が閉動作を行う。軸部の回転に伴い、軸部に取り付けられた第1および第2の被検出部が回転する。
【0013】
モータによる蓋部材の開動作時に、第1の検出器により第1の被検出部が検出されると、制御手段によりモータが停止される。また、モータによる蓋部材の閉動作時に、第2の検出器により第2の被検出部が検出されると、制御手段によりモータが停止される。
【0014】
この場合、軸部の回転方向における第1および第2の被検出部の位置を調整することにより、蓋部材の開閉動作時における軸部の回転角度を調整することができる。それにより、蓋部材の開閉量(開閉角度)を調整することができる。
【0015】
第1および第2の被検出部は、軸部に対して回転自在な状態と軸部に対して固定された状態とに切り換え可能に設けられているので、軸部の回転方向における第1および第2の被検出部の位置を容易に調整することができる。それにより、蓋部材の開閉角度を容易に調整することができる。
【0016】
(2)第1および第2の検出器は、光を用いて第1および第2の被検出部をそれぞれ検出する光センサであってもよい。この場合、簡単な構成で、軸部の回転時に第1および第2の被検出部を検出することができる。それにより、開閉駆動部の小型化および低コスト化が可能になる。
【0017】
(3)光センサは、フォトインタラプタであってもよい。この場合、簡単な構成で、軸部の回転時に第1および第2の被検出部を確実に検出することができる。
【0018】
(4)蓋開閉装置は、蓋部材の閉動作中に蓋部材に閉動作を妨げる負荷が加えられた場合に軸部材を回転方向において蓋部材に対して摺動可能とする摺動機構をさらに備えてもよい。
【0019】
この場合、蓋部材の閉動作中に、蓋部材と棚との間に作業者の身体の一部が挟まれると、摺動機構により軸部材が蓋部材に対して摺動する。それにより、作業者の身体に加わる力が低減され、作業者の負傷が防止される。
【0020】
(5)軸部は略水平に設けられ、蓋部材は、第1の部材および第2の部材を含み、第1の部材の上端部は軸部に取り付けられ、第1の部材の下端部に第2の部材の上端部が略平行な軸を中心として回動自在に取り付けられてもよい。
【0021】
この場合、蓋部材の閉動作中に、蓋部材と棚との間に作業者の身体の一部が挟まれると、蓋部材の第2の部材が第1の部材に対して回動する。それにより、作業者の身体に加わる力が低減され、作業者が負傷することが防止される。
【0022】
(6)第2の発明に係る蓋開閉装置は、物品を収納する収納スペースを有する棚に取り付けられる蓋開閉装置であって、収納スペースの物品取り出し口に開閉可能に設けられる蓋部材と、蓋部材を開閉する開閉駆動部とを備え、開閉駆動部は、軸部と、軸部を回転可能に支持する支持部材と、モータと、モータの回転力で軸部を一方向および逆方向に回転させる回転駆動機構と、軸部と一体的に回転するように軸部に設けられる被検出部と、第1の発光部および第1の受光部を有し、第1の発光部と第1の受光部との間に被検出部があることを検出する第1の検出器と、第2の発光部および第2の受光部を有し、第2の発光部と第2の受光部との間に被検出部があることを検出する第2の検出器と、被検出部の回転経路に沿った位置で第1の検出器を支持するとともに第1の検出器の位置を調整可能に構成された第1の調整機構と、被検出部の回転経路に沿った位置で第2の検出器を支持するとともに第2の検出器の位置を調整可能に構成された第2の調整機構と、蓋部材の開閉を指示するための制御信号に基づいてモータを制御する制御手段とを含み、蓋部材は、軸部の一方向の回転により開動作を行い、軸部の逆方向の回転により閉動作を行うように、軸部に取り付けられ、制御手段は、制御信号により蓋部材の開動作が指示された場合に軸部が一方向に回転するようにモータを制御し、制御信号により蓋部材の閉動作が指示された場合に軸部が逆方向に回転するようにモータを制御し、モータによる蓋部材の開動作時に第1の検出器により第1の被検出部が検出されたときにモータを停止させ、モータによる蓋部材の閉動作時に第2の検出器により第2の被検出部が検出されたときにモータを停止させるものである。
【0023】
この蓋開閉装置においては、蓋部材の開閉を指示するための制御信号に基づいて、開閉駆動部により蓋部材が開閉される。
【0024】
開閉駆動部においては、制御信号に基づいて制御手段によりモータが制御される。回転駆動機構は、モータの回転力で軸部を一方向および逆方向に回転させる。制御信号により蓋部材の開動作が指示された場合に軸部が一方向に回転するようにモータが制御され、制御信号により蓋部材の閉動作が指示された場合に軸部が逆方向に回転するようにモータが制御される。軸部の一方向の回転により蓋部材が開動作を行い、軸部の逆方向の回転により蓋部材が閉動作を行う。軸部の回転に伴い、軸部に取り付けられた被検出部が回転する。
【0025】
蓋部材の開動作時に、第1の検出器の第1の発光部と第1の受光部との間に被検出部が位置すると、制御手段によりモータが停止される。それにより、蓋部材の開動作が停止される。また、蓋部材の閉動作時に、第2の検出器の第2の発光部と第2の受光部との間に被検出部が位置すると、制御手段によりモータが停止される。それにより、蓋部材の閉動作が停止される。
【0026】
第1の検出器は、第1の調整機構により被検出部の回転経路に沿った位置で支持される。第1の調整機構により、第1の検出器の位置を調整することができる。第2の検出器は、第2の調整機構により被検出部の回転経路に沿った位置で支持される。第2の調整機構により、第2の検出器の位置を調整することができる。
【0027】
この場合、第1の調整機構によって第1の検出器の位置を調整することにより、蓋部材の開動作時に第1の検出器によって被検出部が検出されるときの蓋部材の位置を調整することができる。それにより、蓋部材の開動作時における蓋部材の停止位置を調整することができる。
【0028】
また、第2の調整機構によって第2の検出器の位置を調整することにより、蓋部材の閉動作時に第2の検出器によって被検出部が検出されるときの蓋部材の位置を調整することができる。それにより、蓋部材の閉動作時における蓋部材の停止位置を調整することができる。
【0029】
したがって、第1および第2の調整機構によって第1および第2の検出器の位置を調整することにより、蓋部材の開閉角度を容易に調整することができる。
【0030】
(7)第1の移動機構は、軸部の周りで回転可能に支持部材に設けられた第1の回転部材を含み、第2の移動機構は、軸部の周りで回転可能に支持部材に設けられた第2の回転部材を含み、第1の検出器が第1の回転部材に固定されるとともに第2の検出器が第2の回転部材に固定されてもよい。
【0031】
この場合、支持部材に対して軸部の周りで第1の回転部材を回転させることにより、被検出部の回転経路に沿って第1の検出器の位置を移動させることができる。また、支持部材に対して軸部の周りで第2の回転部材を回転させることにより、被検出部の回転経路に沿って第2の検出器の位置を移動させることができる。これにより、簡単な構成で容易に第1および第2の検出器の位置を調整することができる。
【0032】
(8)第1の回転部材は、軸部を中心として外方に突出するように設けられた第1のつまみ部を有し、第2の回転部材は、軸部を中心として外方に突出するように設けられた第2のつまみ部を有し、第1のつまみ部が蓋部材の一面に沿った方向を向くときに第1の検出器により被検出部が検出され、第2のつまみ部が蓋部材の一面に沿った方向を向くときに第2の検出器により被検出部が検出されるように、第1および第2のつまみ部、第1および第2の検出器、被検出部、ならびに蓋部材の位置関係が設定されてもよい。
【0033】
この場合、蓋部材の開動作時において、第1のつまみ部が向く方向と蓋部材の一面に沿う方向とが一致したときに、蓋部材が停止する。したがって、第1の回転部材を回転させることによって第1のつまみ部が向く方向を調整することにより、蓋部材の開動作時における蓋部材の停止位置をより容易にかつ正確に調整することができる。
【0034】
また、蓋部材の閉動作時において、第2のつまみ部が向く方向と蓋部材の一面に沿う方向とが一致したときに、蓋部材が停止する。したがって、第2の回転部材を回転させることによって第2のつまみ部が向く方向を調整することにより、蓋部材の閉動作時における蓋部材の停止位置をより容易にかつ正確に調整することができる。
【0035】
また、調整時に、蓋部材を開いた状態で、第1のつまみ部を蓋部材の一面に沿った方向に向けることにより、蓋部材の開動作時に、蓋部材を調整時の位置で停止させることができる。同様に、調整時に、蓋部材を閉じた状態で、第2のつまみ部を蓋部材の一面に沿った方向を向けることにより、蓋部材の閉動作時に、蓋部材を調整時の位置で停止させることができる。したがって、蓋部材の開閉角度を所望の角度に容易に調整することができる。
【0036】
(9)制御手段は、蓋部材の閉動作が指示された場合に所定時間が経過してから軸部が逆方向に回転するようにモータを制御してもよい。
【0037】
この場合、蓋部材の閉動作が指示されてから所定時間が経過してから蓋部材の閉動作が開始するので、収納スペースに作業者の身体の一部が挿入された状態で、蓋部材の閉動作が指示されても、蓋部材と棚との間に作業者の身体の一部が挟まれることが防止される。
【0038】
(10)蓋開閉装置は、モータに一定値以上の過電流が流れたことを検出する過電流検出手段をさらに備え、制御手段は、モータに過電流が流れたことが過電流検出手段により検出された場合にモータを停止させてもよい。
【0039】
この場合、作業者の手等の障害物によって蓋部材の開閉動作が妨げられた場合に、迅速にモータを停止させることができる。それにより、モータに大きな負荷が加わることが防止される。また、蓋部材と棚との間に作業者の身体の一部が挟まれた状態でその部分に力が加わることが防止される。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、軸部の回転方向における第1および第2の被検出部の位置を調整することにより、蓋部材の開閉動作時における軸部の回転角度を調整することができる。それにより、蓋部材の開閉量を調整することができる。第1および第2の被検出部は、軸部に対して回転自在な状態と軸部に対して固定された状態とに切り換え可能に設けられているので、軸部の回転方向における第1および第2の被検出部の位置を容易に調整することができる。それにより、蓋部材の開閉角度を容易に調整することができる。
【0041】
また、第1の調整機構によって第1の検出器の位置を調整することにより、蓋部材の開動作時に第1の検出器によって被検出部が検出されるときの蓋部材の位置を調整することができ、第2の調整機構によって第2の検出器の位置を調整することにより、蓋部材の閉動作時に第2の検出器によって被検出部が検出されるときの蓋部材の位置を調整することができる。それにより、第1および第2の調整機構によって第1および第2の検出器の位置を調整することにより、蓋部材の開閉角度を容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】ランプ装置および蓋開閉装置が取り付けられた部品棚の一例を示す外観斜視図である。
【図2】図1の部品棚の側面図である。
【図3】部品選別システムの構成を示すブロック図である。
【図4】ランプ装置および蓋開閉装置の外観斜視図である。
【図5】メインコントローラによるランプ装置および蓋開閉装置の制御動作の概要について説明するためのフローチャートである。
【図6】蓋開閉装置の開閉駆動部の構成を示す斜視図である。
【図7】蓋開閉装置の開閉動作について説明するための側面図である。
【図8】蓋開閉装置の制御系を示すブロック図である。
【図9】各蓋開閉装置に搭載されたマイコンによるモータ動作制御処理について説明するためのフローチャートである。
【図10】蓋開閉装置の軸部に対するアームの取付構造の一例を示す斜視図である。
【図11】蓋開閉装置の軸部に対するアームの取付構造の他の例を示す斜視図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る蓋開閉装置の開閉駆動部の構成を示す斜視図である。
【図13】開閉駆動部の一部の分解斜視図である。
【図14】組立てられた状態のベース部材の内部構成を示す縦断面図である。
【図15】アーム、遮光部、フォトインタラプタおよびつまみの位置関係について説明するための図である。
【図16】アームおよび蓋部材の回転動作を示す模式的側面図である。
【図17】回転駆動部の制御系を示すブロック図である。
【図18】回転駆動部における制御動作について説明するためのタイミングチャートである。
【図19】蓋部材の他の例の外観斜視図である。
【図20】図19の蓋部材の開閉動作について説明するための側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の一実施の形態に係る蓋開閉装置について図面を参照しながら説明する。
【0044】
本実施の形態に係る蓋開閉装置は、自動車等の製造工場において、複数の部品が収容される部品棚に取り付けられる。
【0045】
(1)第1の実施の形態
(1−1)部品棚
図1は、ランプ装置および蓋開閉装置が取り付けられた部品棚の一例を示す外観斜視図である。図2は、図1の部品棚の側面図である。
【0046】
図1および図2に示すように、部品棚20は、複数のフレーム211,212,213,214,215および底板216により構成される。本実施の形態では、フレーム211〜215は管状部材からなる。複数のフレーム211は、鉛直方向から所定角度傾斜するように等間隔で設けられている。複数のフレーム212は、複数のフレーム211に直交するように水平にかつ等間隔で設けられている。複数のフレーム213は、複数のフレーム211の後方で鉛直にかつ等間隔で設けられている。複数のフレーム214は、複数のフレーム212の後方で複数のフレーム213に直交するように水平にかつ等間隔で設けられている。複数のフレーム215は、複数のフレーム211,212の交差部と複数のフレーム213,214の交差部とを連結するように設けられている。これにより、上下左右に規則的に配置された複数の収容スペース23が形成される。図1および図2の例では、上下方向に3段の収容スペース23が設けられ、水平方向に3列の収容スペース23が設けられている。複数の収容スペース23の底部には、底板216がそれぞれ取り付けられている。各収容スペース23には、部品箱24が載置される。各部品箱24内にはそれぞれ共通の種類の部品が複数収容される。
【0047】
部品棚20の各収容スペース23の前面側が取り出し口23aとなり、各収容スペース23の背面側が部品補充口23bとなる。作業者は、取り出し口23aを通して部品箱24から部品を取り出す。また、部品補充口23bを通して部品箱24内の部品が補充される。部品箱24内の部品の補充は、作業者によって行われてもよく、自動的に行われてもよい。
【0048】
各収容スペース23の取り出し口23aの上部のフレーム212に、ランプ装置13および蓋開閉装置14が取り付けられている。ランプ装置13は、取り出すべき部品の収容スペース23を作業者に指示するために用いられる。蓋開閉装置14は、収容スペース23の取り出し口23aに開閉可能に設けられた板状の蓋部材を有する。ランプ装置13および蓋開閉装置14の詳細については後述する。
【0049】
ところで、低い位置にある収容スペース23からの部品の取り出しは、作業者にとって負担になる。そのため、本実施の形態では、上記のように、部品棚20のフレーム211が鉛直方向から所定角度傾斜するように設けられる。それにより、部品棚20の前面が鉛直平面に対して角度θ(図2)傾斜している。角度θは、部品棚20の大きさ等によって定められる。この場合、部品棚20の前面が鉛直である場合に比べて、部品の取り出し時における作業者の負担が軽減される。
【0050】
部品棚20の前面の傾斜角度θに応じて、蓋開閉装置14の開閉角度を調整する必要がある。後述のように、本実施の形態では、蓋開閉装置14の開閉角度の調整を容易に行うことができる。
【0051】
(1−2)部品選別システムの構成
図3は、部品選別システムの構成を示すブロック図である。図4は、ランプ装置13および蓋開閉装置14の外観斜視図である。
【0052】
図3に示すように、部品選別システム1は、メインコントローラ10、制御ユニット11,12、複数のランプ装置13および複数の蓋開閉装置14を含む。
【0053】
メインコントローラ10は、各収容スペース23に収容された部品の種類、取り出すべき部品の種類および順序等を予め記憶している。メインコントローラ10は制御ユニット11,12を介して複数のランプ装置13および複数の蓋開閉装置14に点灯制御信号および開閉制御信号を与える。
【0054】
制御ユニット11は、メインコントローラ10からの点灯制御信号を指定されたランプ装置13に与えるとともに、各ランプ装置13からのオンオフ信号をメインコントローラ10に与える。制御ユニット12は、メインコントローラ10からの開閉制御信号を指定された蓋開閉装置14に与える。
【0055】
なお、ランプ装置13の数、蓋開閉装置14の数、または制御ユニット11,12の処理能力等に応じて、制御ユニット11,12を複数設けてもよい。また、メインコントローラ10が十分な処理能力を有する場合は、制御ユニット11,12を設けずに、メインコントローラ10が複数のランプ装置13および複数の蓋開閉装置14に直接点灯制御信号および開閉制御信号を与えてもよい。
【0056】
図4に示すように、ランプ装置13は、ランプ表示部31およびレバースイッチ32を有する。ランプ表示部31は、例えばLED(発光ダイオード)により構成される。ランプ表示部31は、上記の制御ユニット11からの点灯制御信号に応答して点灯する。レバースイッチ32は、水平方向の力が加わることによってオンする。レバースイッチ32がオンすると、ランプ表示部31が消灯する。
【0057】
蓋開閉装置14は、蓋部材41および開閉駆動部42を有する。開閉駆動部42は、制御ユニット12からの開閉制御信号に応答して蓋部材41を開閉させる。蓋開閉装置14の開閉動作の詳細については後述する。
【0058】
(1−3)ランプ装置13および蓋開閉装置14の動作
図5は、メインコントローラ10によるランプ装置13および蓋開閉装置14の制御動作の概要について説明するためのフローチャートである。なお、実際には、制御ユニット11,12からの点灯制御信号および開閉制御信号に基づいてランプ装置13および蓋開閉装置14が制御される。ここでは、理解を容易にするため、メインコントローラ10によりランプ装置13および蓋開閉装置14が直接制御される場合について説明する。
【0059】
まず、メインコントローラ10は、次に取り出すべき部品を決定する(ステップS1)。続いて、メインコントローラ10は、ステップS1で決定した部品が収容された収容スペース23を決定する(ステップS2)。なお、上記のように、各収容スペース23に収容された部品の種類、取り出すべき部品の種類および順序等は、予めメインコントローラ10に記憶される。同時に取り出すべき部品は、1つであってもよく複数であってもよい。
【0060】
次に、メインコントローラ10は、次に取り出すべき部品が収容された収容スペース23に取り付けられたランプ装置13に点灯制御信号を与えることによりのランプ表示部31を点灯させる(ステップS3)。
【0061】
次に、メインコントローラ10は、次に取り出すべき部品が収容された収容スペース23に取り付けられた蓋開閉装置14の開閉駆動部42に開閉制御信号を与えることにより蓋部材41を開く(ステップS4)。
【0062】
このように、次に取り出すべき部品が収容された収容スペース23において、ランプ装置13のランプ表示部31が点灯するとともに、蓋開閉装置14により蓋部材41が開かれる。作業者は、その収容スペース23から部品を取り出し、同時に、ランプ装置13のレバースイッチ32をオンする。レバースイッチ32がオンすると、ランプ表示部31が消灯する。
【0063】
メインコントローラ10は、ランプ装置13からのオンオフ信号に基づいてレバースイッチ32がオンしたか否かを判定する(ステップS5)。ランプ装置13のレバースイッチ32がオンしていない場合、メインコントローラ10はランプ装置13のレバースイッチ32がオンするまで待機する。
【0064】
ランプ装置13のレバースイッチ32がオンした場合、メインコントローラ10は、蓋開閉装置14の開閉駆動部42に開閉制御信号を与えることにより、その収容スペース23の蓋部材41を閉じる(ステップS6)。なお、メインコントローラ10は、レバースイッチ32がオンしてから所定時間(例えば1.5秒)経過した後に収容スペース23の蓋部材41を閉じてもよい。
【0065】
次に、メインコントローラ10は、取り出すべき部品が全て取り出されたか否かを判定する(ステップS7)。取り出すべき部品が全て取り出された場合、メインコントローラ10は、処理を終了する。取り出すべき部品が全て取り出されていない場合、メインコントローラ10は、ステップS1の処理に戻る。
【0066】
(1−4)蓋開閉装置の詳細な構成
図6は、蓋開閉装置14の開閉駆動部42の構成を示す斜視図である。図7は、蓋開閉装置14の開閉動作について説明するための側面図である。
【0067】
図6に示すように、蓋開閉装置14の開閉駆動部42は筐体51を有し、筐体51内に、モータ52、モータギア52a、フォトインタラプタ53a,53b、電気回路基板54、軸部55、ギア56および遮光板57a,57bが配置されている。
【0068】
筐体51の両側部に、軸受部51aが形成されている。軸受部51により軸部55が回転可能に支持される。筐体51の外側において、軸部55の両端部に一対のアーム58が取り付けられる。蓋開閉装置14の蓋部材41(図4)は、一対のアーム58に固定される。
【0069】
筐体51の内部において、ギア56および遮光板57a,57bが軸部55に取り付けられる。ギア56および遮光板57a,57bは軸部55と一体的に回転する。
【0070】
ギア56は、モータ52の回転軸に取り付けられたモータギア52aに噛み合わされている。モータ52により、軸部55が矢印R1,R2方向に回転駆動される。
【0071】
軸部55が矢印R1方向に回転駆動されることにより、図7(a)に示すように、蓋部材41がアーム58とともに軸部55周りに回転して上昇する。それにより、収容スペース23の取り出し口23aの蓋部材41が開く。また、軸部55が矢印R2方向(図6)に回転駆動されることにより、図7(b)に示すように、蓋部材41がアーム58とともに軸部55周りに回転して下降する。それにより、収容スペース23の取り出し口23aの蓋部材41が閉じられる。
【0072】
遮光板57a,57bは、軸部55に沿った方向および軸部55の回転方向において互いにずれるように配置される。軸部55に対する遮光板57a,57bの周方向の位置は調整可能となっている。具体的には、各遮光板57a,57bに設けられたねじを緩めることにより、遮光板57a,57bを軸部55に対して回転させることが可能となり、ねじを締めることにより、遮光板57a,57bを軸部55に対して固定することができる。
【0073】
遮光板57a,57bの回転経路に、フォトインタラプタ53a,53bが並べて配置される。フォトインタラプタ53aは発光部Laおよび受光部Raを有し、フォトインタラプタ53bは発光部Lbおよび受光部Rbを有する。フォトインタラプタ53aの発光部Laと受光部Raとが遮光板57aの回転経路を挟むように配置され、フォトインタラプタ53bの発光部Lbと受光部Rbとが遮光板57bの回転経路を挟むように配置される。軸部55の回転に伴い、フォトインタラプタ53aによって遮光板57aが検出され、フォトインタラプタ53bによって遮光板57bが検出される。
【0074】
フォトインタラプタ53a,53bによって遮光板57a,57bが検出されることにより、軸部55の回転動作が制御される。
【0075】
蓋部材41が閉じられた状態(図7(b)参照)では、遮光板57bがフォトインタラプタ53bの発光部Lbと受光部Rbとの間にある。モータ52により軸部55が矢印R1方向に回転駆動されると、上記のように、蓋部材41が開かれる。
【0076】
軸部55が所定角度回転して遮光板57bがフォトインタラプタ53aの発光部Laと受光部Raとの間に位置すると、軸部55の回転が停止される。それにより、蓋部材41が所定の角度で開かれた状態(図7(a)参照)が維持される。
【0077】
モータ52により軸部55が矢印R2方向に回転駆動されると、上記のように、蓋部材41が閉じられる。軸部55が所定角度回転して遮光板57bがフォトインタラプタ53bの発光部Lbと受光部Rbとの間に位置すると、軸部55の回転が停止される。
【0078】
この場合、蓋部材41の開閉角度θ1(図7)は、軸部55の回転角度に等しい。軸部55の回転角度は、軸部55の回転方向において遮光板57a,57bがなす角度に等しい。したがって、遮光板57a,57bの角度を調整することにより、蓋部材41の開閉角度θ1を容易に調整することができる。
【0079】
フォトインタラプタ53a,53bおよびモータ52は、電気回路基板54に電気的に接続されている。電気回路基板54において後述のモータ動作制御処理が行われ、モータ52の動作が制御される。
【0080】
(1−5)蓋開閉装置の制御系
図8は、蓋開閉装置14の制御系を示すブロック図である。図8に示すように、蓋開閉装置14の電気回路基板54は、電源回路61、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略記する)62およびモータ駆動回路63を含む。
【0081】
電源回路61は、電源端子V1に接続される。電源端子V1からの電力が電源回路61により蓋開閉装置14の各部に供給される。マイコン62は、CPU(中央演算処理装置)62a、メモリ62bおよびタイマ62cを含む。
【0082】
図3のメインコントローラ10(制御ユニット12)からマイコン62に開閉制御信号S1が与えられる。また、フォトインタラプタ53a,53bからマイコン62に検出信号S2,S3がそれぞれ与えられる。マイコン62は、モータ駆動回路63に動作信号S4を与える。それにより、モータ駆動回路63がモータ52を駆動する。
【0083】
図9は、各蓋開閉装置14に搭載されたマイコン62によるモータ動作制御処理について説明するためのフローチャートである。
【0084】
ここで、制御ユニット12からの開閉制御信号S1は、蓋部材41を開くことを指示する開状態および蓋部材41を閉じることを指示する閉状態のいずれかになる。
【0085】
図9に示すように、マイコン62は、制御ユニット12からの開閉制御信号S1が開状態であるか否かを判定する(ステップS11)。
【0086】
開閉制御信号S1が開状態でない場合、マイコン62は開閉制御信号S1が開状態になるまで待機する。開閉制御信号S1が開状態になると、マイコン62は、軸部55が矢印R1方向に回転するように動作信号S4によってモータ52を制御する(ステップS12)。これにより、収容スペース23の蓋部材41が開かれる。
【0087】
次に、マイコン62は、フォトインタラプタ53aからの検出信号S2に基づいて、遮光板57aが検出されたか否かを判定する(ステップS13)。遮光板57aが検出されていない場合、マイコン62は、遮光板57aが検出されるまで待機する。遮光板57aが検出された場合、マイコン62は、軸部55の回転が停止するように動作信号S4によってモータ52を制御する(ステップS14)。
【0088】
次に、マイコン62は、制御ユニット12からの開閉制御信号S1が閉状態であるか否かを判定する(ステップS15)。すなわち、ランプ装置13のレバースイッチ32がオンされたか否かが判定される。
【0089】
開閉制御信号S1が閉状態でない場合、マイコン62は、開閉制御信号S1が閉状態となるまで待機する。開閉制御信号S1が閉状態となると、マイコン62は、軸部55が矢印R2方向に回転するように動作信号S4によってモータ52を制御する(ステップS16)。これにより、収容スペース23の蓋部材41が閉じられる。
【0090】
次に、マイコン62は、フォトインタラプタ53bからの検出信号S3に基づいて、遮光板57bが検出されたか否かを判定する(ステップS17)。遮光板57bが検出されていない場合、マイコン62は、遮光板57bが検出されるまで待機する。遮光板57bが検出された場合、マイコン62は、軸部55の回転が停止するように動作信号S4によってモータ52を制御する(ステップS18)。
【0091】
このように、マイコン62がステップS11〜S18の処理を繰り返すことにより、蓋開閉装置14による収容スペース23の蓋部材41の開閉が行われる。
【0092】
なお、電気回路基板54のモータ駆動回路63によりモータ52の電流を検出してもよい。この場合、モータ52の電流値に基づいてモータ52に加わる負荷を検出することができる。
【0093】
蓋開閉装置14の開閉動作時において、蓋部材41が作業者の身体に接触すると、モータ52に大きな負荷が大きくなる。そこで、モータ52に加わる負荷が大きくなった場合にモータ52を停止させることにより、一定以上の力が作業者の身体の一部に加わることを防止することができる。それにより、作業者の負傷を防止することができる。
【0094】
(1−6)アームの取付構造
図10は、蓋開閉装置14の軸部55に対するアーム58の取付構造の一例を示す斜視図である。図11は、蓋開閉装置14の軸部55に対するアーム58の取付構造の他の例を示す斜視図である。
【0095】
図10の例では、アーム58の一端部に、貫通孔H1が形成されている。貫通孔H1の内周面に沿うように、円筒状の樹脂部材81が取り付けられる。その樹脂部材81内に軸部55が挿入される。
【0096】
この場合、軸部55の回転方向においてアーム58に一定以上の負荷が加わると、アーム58が軸部55に対して回転する。そのため、蓋開閉装置14の開閉動作時に、蓋部材41と部品棚20のフレームとで作業者の身体の一部(例えば手)が挟まれても、アーム58が軸部55に対して回転することにより、一定以上の力が作業者の手に加わることがない。それにより、作業者が負傷することが防止される。
【0097】
なお、一定以上の負荷が加わるとアーム58が軸部55に対して回転可能となるように、樹脂部材81の代わりに例えばボールベアリング等を用いてもよい。
【0098】
図11の例では、アーム58の一端部に、切り込みC1が形成されている。切り込みC1内において軸部55が狭持される。その状態で、切り込みC1によって分離された2辺がボルト82により締結される。
【0099】
この場合、軸部55の回転方向においてアーム58に一定以上の負荷が加わると、アーム58が軸部55に対して回転するように、ボルト82の締結力が調整される。それにより、図10の例と同様に、蓋開閉装置14の開閉動作時に、蓋部材41と部品棚20のフレームとで作業者の身体の一部(例えば手)が挟まれても、アーム58が軸部55に対して回転することにより、一定以上の力が作業者の手に加わることがない。それにより、作業者が負傷することが防止される。
【0100】
(2)第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態に係る蓋開閉装置について、上記第1の実施の形態と異なる点を説明する。
【0101】
(2−1)回転駆動部の構成
図12は、本発明の第2の実施の形態に係る蓋開閉装置の開閉駆動部の構成を示す斜視図である。図13は、開閉駆動部の一部の分解斜視図である。
【0102】
図12に示すように、開閉駆動部42Aは、筐体71をする。筐体71は、互いに平行な端面部71a,71b、側面部71cおよび底面部71dからなる。筐体71の端面部71aには、軸受け部710が形成されている。また、筐体71の側面部71cには、支持部材171,172が固定されている。
【0103】
支持部材171は、端面部71aの近傍に固定され、端面部71a,71bに平行な支持片171aを有する。支持部材171の支持片171aには、貫通孔171bが形成されている。支持部材172は、端面部71bの近傍に固定され、端面部71a,71bに平行な支持片172a,172bを有する。支持部材172の支持片172aには、貫通孔172cが形成されている。また、支持片172aには、支持部材173が固定されている。支持部材173には、貫通孔173aが形成されている。
【0104】
支持部材171,173の間に、モータ72が配置されている。モータ72の一端部側に軸部75aが配置され、他端部側に軸部75bが配置されている。軸部75bは、モータ72に接続されている。
【0105】
軸部75aは、支持部材171の貫通孔171bおよび端面部71aの軸受け部710を通して端面部71aの外側に延びている。軸部75bは、支持部材173の貫通孔173aおよび支持部材172の貫通孔172cを通して端面部71bの外側に延びている。軸部75aの軸心D1と軸部75bの軸心D2とは、共通の直線上に位置する。
【0106】
軸部75a,75bの端部に、一対のアーム58が取り付けられている。一対のアーム58には、蓋部材41(図4)が取り付けられる。これにより、軸部75a,75b、一対のアーム58および蓋部材41が一体的に連結される。
【0107】
モータ72により、軸部75bが、矢印R1,R2方向に回転駆動される。軸部75bが矢印R1方向に回転駆動されることにより、軸部75a,75b、一対のアーム58および蓋部材41が軸心D1,D2周りに一体的に回転し、蓋部材41が開かれる(図7(a)参照)。軸部75bが矢印R2方向に回転駆動されることにより、軸部75a,75b、一対のアーム58および蓋部材41が軸心D1,D2周りに一体的に回転し、蓋部材41が閉じられる(図7(b)参照)。
【0108】
モータ72の下方には、電気回路基板76が配置される。モータ72および後述のフォトインタラプタ74a,74bが電気回路基板76に電気的に接続される。電気回路基板76の詳細については後述する。
【0109】
軸部75bの端部近傍には、蓋部材41(図4)の開閉角度を調整するための開閉角度調整機構300が設けられている。開閉角度調整機構300の詳細について、図13を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、軸部75a,75bの軸心D1,D2に平行な方向を軸方向とする。
【0110】
図13に示すように、開閉角度調整機構300は、ベース部材310、インタラプタ移動部材320,330、フォトインタラプタ74a,74bおよび遮光部材340を含む。
【0111】
ベース部材310は、略円筒状のカバー部311および円筒状の回転支持部312を有する。カバー部311は円形の目盛り表示部311aを有する。目盛り表示部311aから軸方向に延びるように回転支持部312が設けられている。カバー部311および回転支持部312を貫通するように、貫通孔310aが形成されている。
【0112】
カバー部311の外周部から外方に突出するように、取付片313,314が設けられている。取付片313,314は、支持部材172(図12)の支持片172bに固定される。
【0113】
カバー部311の外周部には、所定の長さの切り欠き311Aおよび切り欠き311B(後述の図14参照)が周方向に沿って形成されている。目盛り表示部311aには、切り欠き311Aに沿うように複数の目盛りME1が形成され、切り欠き311B(図14)に沿うように複数の目盛りME2が形成されている。なお、各目盛りME1,ME2は、目盛り表示部311aの半径方向に沿った直線である。
【0114】
インタラプタ移動部材320は、軸方向に延びる円筒部321を有する。円筒部321の外周部の一端側には、外方に突出するようにつまみ322が設けられている。円筒部321の外周部の他端側には、外方に突出するように突出部323が設けられている。
【0115】
突出部323には、軸方向に延びる板状のインタラプタ取付部324が固定されている。インタラプタ取付部324の内側に向く面に、発光部Lcおよび受光部Rcを有するフォトインタラプタ74aが取り付けられている。
【0116】
インタラプタ移動部材330は、軸方向に延びる部分円筒部331を有する。部分円筒部331の外周部の一端側には、外方に突出するようにつまみ332が設けられている。部分円筒部331の外周部の他端側には、外方に突出するように突出部333が設けられている。
【0117】
突出部333には、軸方向に延びる板状のインタラプタ取付部334が固定されている。インタラプタ取付部334の内側に向く面に、発光部Ldおよび受光部Rdを有するフォトインタラプタ74bが取り付けられている。
【0118】
遮光部材340は、軸方向に延びる円筒部341を有する。円筒部341の外周部の一端側に外方に突出する遮光部342が設けられている。
【0119】
組立て時には、ベース部材310の回転支持部312にインタラプタ移動部材320の円筒部321が嵌め込まれる。この場合、インタラプタ移動部材320のつまみ322がベース部材310の切り欠き311B内に配置される(後述の図14参照)。
【0120】
インタラプタ移動部材320の円筒部321の内径は、ベース部材310の回転支持部312の外径と同じかまたは僅かに大きく設定される。また、インタラプタ移動部材320の円筒部321の外径は、ベース部材310のカバー部311の内径よりも小さく設定される。
【0121】
ベース部材310のカバー部311とインタラプタ移動部材320の円筒部321との間に、インタラプタ移動部材330の部分円筒部331が嵌め込まれる。この場合、インタラプタ移動部材330のつまみ332がベース部材310の切り欠き311A内に配置される。
【0122】
インタラプタ移動部材330の部分円筒部331の内径は、インタラプタ移動部材320の円筒部321の外径と同じかまたは僅かに大きく設定される。また、インタラプタ移動部材320の円筒部321の外径は、ベース部材310のカバー部311の内径と同じかまたは僅かに小さく設定される。
【0123】
遮光部材340は、軸部75bに嵌め込まれた状態で軸部75bに固定される。その状態で、軸部75bがベース部材310の貫通孔310aに挿入される。
【0124】
図12に示すように、フォトインタラプタ74a,74bは、軸部75bの軸心D2を中心とする共通の円周に沿うように配置される。また、軸方向においてフォトインタラプタ74a,74bと共通の位置に、遮光部材340の遮光部342が配置される。それにより、軸部75bの回転に伴い、遮光部材340の遮光部342が、フォトインタラプタ74aの発光部Lc(図13)と受光部Rc(図13)との間、およびフォトインタラプタ74bの発光部Ld(図13)と受光部Rd(図13)との間に移動する。
【0125】
上記のように、ベース部材310は、筐体71の側面部71cに固定された支持部材172に取り付けられる。この場合、ベース部材310のカバー部311の一部が、筐体711の外側に配置される。
【0126】
ここで、組立てられた状態のベース部材310の内部構成について説明する。図14は、組立てられた状態のベース部材310の内部構成を示す縦断面図である。
【0127】
図14に示すように、インタラプタ移動部材320のつまみ322が、切り欠き311Bを通してベース部材310のカバー部311の外側に突出する。また、インタラプタ移動部材330のつまみ332が、切り欠き311Aを通してベース部材310のカバー部311の外側に突出する。つまみ322,332は、筐体71の外側に配置される。
【0128】
インタラプタ移動部材320の円筒部321は、ベース部材310の回転支持部312に対して周方向に摺動可能であり、インタラプタ移動部材330の部分円筒部331は、インタラプタ移動部材320の円筒部321に対して周方向に摺動可能である。
【0129】
この場合、切り欠き311Bに沿ってつまみ322を移動させることにより、軸部75bの軸心D2を中心としてインタラプタ移動部材320を一体的に矢印R1,R2方向に回転させることができる。それにより、フォトインタラプタ74a(図12)の位置を矢印R1,R2方向に調整することができる。
【0130】
同様に、切り欠き311Aに沿ってつまみ332を移動させることにより、軸部75bの軸心D2を中心としてインタラプタ移動部材330を一体的に矢印R1,R2方向に回転させることができる。それによりフォトインタラプタ74b(図12)の位置を矢印R1,R2方向に調整することができる。
【0131】
図14の例では、軸部75bの軸心D2に関して角度θ11の範囲で切り欠き311Aが形成されている。また、軸部75bの軸心D2に関して角度θ12の範囲で切り欠き311Bが形成されている。
【0132】
つまみ322は、切り欠き311Bの形成範囲内において移動可能である。すなわち、軸心D2に関して角度θ12の範囲でインタラプタ移動部材320を回転させることができる。それにより、軸心D2に関して角度θ12の範囲でフォトインタラプタ74a(図12)の位置を調整することができる。
【0133】
また、つまみ332は、切り欠き311Aの形成範囲内において移動可能である。すなわち、軸心D2に関して角度θ11の範囲でインタラプタ移動部材330を回転させることができる。それにより、軸心D2に関して角度θ11の範囲でフォトインタラプタ74b(図12)の位置を調整することができる。
【0134】
なお、角度θ11の範囲は、軸部75bの軸心D2を通る鉛直面から矢印R1方向に例えば30°までの範囲と、矢印R2方向に例えば30°までの範囲とからなる。また、角度θ12の範囲は、軸部75bの軸心D2を通る鉛直面から矢印R1方向に例えば40°までの範囲と、上記鉛直面から矢印R2方向に例えば10°までの範囲とからなる。
【0135】
本実施の形態では、フォトインタラプタ74a,74bによって遮光部材340の遮光部342が検出されることにより、軸部75a,75bの回転動作が制御される。
【0136】
蓋部材41が閉じられた状態(図7(b)参照)では、遮光部342がフォトインタラプタ74aの発光部Lc(図13)と受光部Rc(図13)との間にある。モータ72により軸部75a,75bが矢印R1方向に回転駆動されると、上記のように、蓋部材41が開かれる。
【0137】
蓋部材41の開動作時に、遮光部342がフォトインタラプタ74bの発光部Ldと受光部Rd(図13)との間に位置すると、軸部75a,75bの回転が停止される。それにより、蓋部材41が開かれた状態(図7(a)参照)が維持される。
【0138】
モータ72により軸部75a,75bが矢印R2方向に回転駆動されると、上記のように、蓋部材41が閉じられる。蓋部材41の閉動作時に、遮光部342がフォトインタラプタ74aの発光部Lcと受光部Rcとの間に位置すると、軸部75a,75bの回転が停止される。
【0139】
ここで、アーム58、遮光部材340の遮光部342、フォトインタラプタ74a,74bおよびインタラプタ移動部材320,330のつまみ322,332の位置関係について説明する。
【0140】
図15(a)は、アーム58と遮光部材340の遮光部342との位置関係を示す模式的側面図であり、図15(b)は、フォトインタラプタ74aとインタラプタ移動部材320のつまみ322との位置関係およびフォトインタラプタ74bとインタラプタ移動部材330のつまみ332との位置関係を示す模式的側面図である。図16は、アーム58および蓋部材41の回転動作を示す模式的側面図である。
【0141】
図15(a)に示すように、アーム58と遮光部材340の遮光部342とは、軸部75bの軸心D2(軸部75aの軸心D1)に関して固定の角度θ13をなすように設定されている。また、図15(b)に示すように、フォトインタラプタ74aとインタラプタ移動部材320のつまみ322とは、軸部75bの軸心D2に関して固定の角度θ14をなすように設定され、フォトインタラプタ74bとインタラプタ移動部材330のつまみ332とは、軸部75bの軸心D2に関して固定の角度θ15をなすように設定されている。本実施の形態では、上記の角度θ13,θ14,θ15が等しく設定される。
【0142】
図16(a)および図16(b)に示すように、蓋部材41の開閉動作により、遮光部材340の遮光部342が、フォトインタラプタ74aとフォトインタラプタ74bとの間で、軸部75bの軸心D2の周りで回転移動する。
【0143】
ここで、図16に示すように、蓋部材41が閉じられた状態で、鉛直面に対するアーム58の角度をθ21とし、蓋部材41が開かれた状態で、鉛直面に対するアーム58の角度をθ23とする。一方、図15に示すように、鉛直面に対するつまみ322の角度をθ22とし、鉛直面に対するつまみ332の角度をθ24とする。
【0144】
上記のように、アーム58と遮光部342とのなす角度θ13は固定されている。また、つまみ322とフォトインタラプタ74aとのなす角度θ14およびつまみ332とフォトインタラプタ74bとのなす角度θ15は固定されている。本実施の形態では、これらの角度θ13,θ14,θ15が等しい。
【0145】
そのため、つまみ322の角度θ22がアーム58の角度θ21と一致するときに遮光部342がフォトインタラプタ74aの発光部Lcと受光部Rcとの間に位置する。それにより、蓋部材41が閉動作を停止する。
【0146】
また、つまみ332の角度θ24がアーム58の角度θ23と一致するときに遮光部342がフォトインタラプタ74bの発光部Ldと受光部Rdとの間に位置する。それにより、蓋部材41が開動作を停止する。
【0147】
したがって、つまみ322の角度θ22を調整することにより、蓋部材41の閉動作時における蓋部材41の停止位置を調整することができる。また、つまみ332の角度θ24を調整することにより、蓋部材41の開動作時における蓋部材41の停止位置を調整することができる。また、つまみ322,332の角度θ22,θ24を調整することにより、蓋部材41の開閉角度θ1を調整することができる。
【0148】
この場合、蓋部材41を閉じた状態でつまみ322の方向をアーム58に沿う方向に調整すると、つまみ322の角度θ22を容易に調整することができる。また、蓋部材41を開いた状態でつまみ332の方向をアーム58に沿う方向に調整すると、つまみ332の角度θ24を容易に調整することができる。
【0149】
(2−2)回転駆動部の制御系
図17は、回転駆動部42Aの制御系を示すブロック図である。図17に示すように、回転駆動部42Aの電気回路基板76は、電源回路91、マイコン92、モータ駆動回路93、ディレイティング設定回路94および過電流検出回路95を含む。
【0150】
電源回路91は、電圧Va(例えば24V)を受ける電源端子V11に接続される。電源端子V11からの電力が電源回路91により回転駆動部42Aの各部に供給される。
【0151】
マイコン92は、CPU92a、メモリ92bおよびタイマ92cを含む。図3のメインコントローラ10(制御ユニット12)からマイコン92に開閉制御信号S11が与えられ、フォトインタラプタ74a,74bからマイコン92に検出信号S12,S13がそれぞれ与えられる。また、マイコン92は、モータ駆動回路93に動作信号S14を与える。それにより、モータ駆動回路93がモータ72を駆動する。
【0152】
また、マイコン92は、ディレイティング設定回路94にディレイティングタイム開始信号(以下、DT開始信号と略記する)S15aを与える。ディレイティング設定回路94からマイコン92にディレイティングタイム終了信号(以下、DT終了信号と略記する)S15bが与えられる。DT開始信号S15aおよびDT終了信号S15bについては後述する。
【0153】
過電流検出回路95は、モータ72に一定値以上の過電流が流れたときに、過電流検出信号S16をマイコン92に与える。マイコン92は、過電流検出信号S16に応答して、動作信号S14によってモータ72の動作を停止させる。
【0154】
モータ72に過電流が流れる原因としては、作業者の手等の障害物によって蓋部材41の開閉動作が妨げられていることが考えられる。この場合、蓋部材41の開閉動作を継続させると、モータ72に加わる負荷が増大する。そこで、モータ72に過電流が流れた場合にモータ72の動作が停止されることにより、モータ72に加わる負荷が低減される。その結果、モータ72の故障および寿命の低下が抑制される。また、作業者の手が蓋部材41と部品棚20のフレームとにより挟まれた場合でも、作業者の手に力が加わることが防止される。
【0155】
(2−3)制御動作
次に、回転駆動部42Aにおける制御動作について説明する。図18は、回転駆動部42Aにおける制御動作について説明するためのタイミングチャートである。図18においては、メインコントローラ10からの制御信号S11の変化、蓋部材41の開閉状態、およびモータ72に流れる電流の変化が示される。
【0156】
図18の例では、制御信号S11のハイレベルが蓋部材41の開動作の指示に対応し、ローレベルが蓋部材41の閉動作の指示に対応する。
【0157】
初期状態では、制御信号S11がハイレベルである。また、蓋部材41が閉じられた状態である。すなわち、図13の遮光部材340の遮光部342がフォトインタラプタ74aの発光部Lcと受光部Rcとの間にある。また、モータ72には電流が流れていない。
【0158】
図18に示すように、まず、時点t1において、メインコントローラ10(図3)からの制御信号S11がローレベルになる。それにより、マイコン92は、軸部75a,75b(図12)が矢印R1方向(図12)に回転するように動作信号S14によってモータ駆動回路93を制御する。それにより、モータ72による蓋部材41の開動作が開始される。なお、モータ72の駆動時には、瞬間的にモータ72に突入電流A1が流れる。その後、モータ72に定常電流A2が流れる。突入電流A1は例えば0.6Aであり、定常電流A2は例えば0.4Aである。
【0159】
次に、時点t2において、フォトインタラプタ74b(図12)により遮光部342(図12)が検出されると、マイコン92に検出信号S13が与えられる。マイコン92は、検出信号S13に応答して、軸部75a,75bの回転が停止するように動作信号S14によってモータ駆動回路93を制御する。それにより、モータ72に電流が供給されず、蓋部材41の開動作が停止される。
【0160】
次に、時点t3において、ランプ装置13(図4)のレバースイッチ32がオンされると、制御信号S11がハイレベルになる。このとき、マイコン92は、ディレイティング設定回路94にDT開始信号S15aを与える。ディレイティング設定回路94は、DT開始信号S15aに応答して、所定のディレイティングタイムTdの経過後の時点t4でマイコン92にDT終了信号S15bを与える。
【0161】
時点t4において、マイコン92は、DT終了信号S15bに応答して、軸部75a,75b(図12)が矢印R2方向(図12)に回転するように動作信号S14によってモータ駆動回路93を制御する。それにより、モータ72による蓋部材41の閉動作が開始される。なお、時点t1と同様に、モータ72の駆動時には、瞬間的にモータ72に突入電流A1が流れる。その後、モータ72に定常電流A2が流れる。
【0162】
ここで、ディレイティングタイムTdについて説明する。作業現場において、作業者は、ランプ装置13のレバースイッチ32をオンした後に、部品箱24からの部品の取り出しを行うことがある。この場合、レバースイッチ32をオンした直後に蓋部材41が閉じられると、作業者の手が蓋部材41と部品棚20のフレームとにより挟まれることがある。
【0163】
そこで、上記のディレイティングタイムTdが設けられることにより、レバースイッチ32がオンされても、一定時間モータ72が停止状態を継続し、蓋部材41が閉じられない。それにより、蓋部材41と部品棚20のフレームとにより作業者の手が挟まれることが防止される。
【0164】
次に、時点t5において、フォトインタラプタ74a(図12)により遮光部342(図12)が検出されると、マイコン92に検出信号S12が与えられる。マイコン92は、検出信号S12に応答して、軸部75a,75bの回転が停止するように動作信号S14によってモータ駆動回路93を制御する。それにより、モータ72に電流が供給されず、蓋部材41の閉動作が停止される。
【0165】
このようにして、回転駆動部42Aによる蓋部材41の開閉動作が行われる。なお、蓋部材41の開動作が行われる時間T1および蓋部材41の閉動作が行われる時間T2は、それぞれ例えば0.7秒である。
【0166】
(3)他の実施の形態
(3−1)
蓋開閉装置14の電気回路基板54,76にマイコン62,92の代わりに論理回路からなる制御回路を設けてもよい。この場合、メインコンピュータ10(制御ユニット12)およびフォトインタラプタ53a,53b,74a,74bから電気回路基板54,76の制御回路に制御信号が与えられる。制御回路の機能は、マイコン62,92の機能と同様である。
【0167】
(3−2)
ランプ装置13のレバースイッチ32がオンしたときに、ランプ装置13から蓋開閉装置14の電気回路基板54,76のマイコン62,92または制御回路に直接制御信号が与えられてもよい。
【0168】
(3−3)
部品棚20の部品の補充を作業者が行う場合には、誤って部品が補充されることを防止するため、各収容スペース23の部品補充口23bにランプ装置13および蓋開閉装置14を取り付けてもよい。
【0169】
(3−4)
蓋部材41の代わりに、図19および図20に示す蓋部材83を用いてもよい。図19は、蓋部材41の他の例の外観斜視図である。図20は、図19の蓋部材83の開閉動作について説明するための側面図である。図20(a)には蓋部材83が閉じられた状態が示され、図20(b)には蓋部材83が開かれた状態が示される。
【0170】
図19の蓋部材83について、上記実施の形態の蓋部材41と異なる点を説明する。図19の蓋部材83は、上部材83aと下部材83bとに分離されている。上部材83aの上端部は、開閉駆動部42,42Aのアーム58に固定される。下部材83bの上端部は、複数(本例では2つ)の環状具84により水平方向の軸を中心として上部材83aの下端部に対して回動可能に取り付けられている。
【0171】
図20(a)および図20(b)に示すように、蓋部材83の開閉時において、下部材83bは鉛直姿勢を維持する。蓋部材83が開かれた状態では、上部材83aと下部材83bとが折り畳まれた状態となる(図20(b))。
【0172】
この場合、蓋部材83の閉動作時に、下部材83bが作業者の身体の一部に接触すると、下部材83bが上部材83aに対して回動する。そのため、蓋部材83と部品棚20のフレームとで例えば作業者の手が挟まれても、作業者の負傷が防止される。
【0173】
また、蓋部材83を用いることにより、蓋開閉装置14の動作スペースが縮小される。それにより、比較的狭い場所においても、蓋開閉装置14を用いることが可能となる。
【0174】
(4) 請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0175】
第1の実施の形態においては、筐体51が支持部材の例であり、ギア56が回転駆動機構の例であり、遮光板57aが第1の被検出部の例であり、遮光板57bが第2の被検出部の例であり、フォトインタラプタ53aが第1の検出器の例であり、フォトインタラプタ53bが第2の検出器の例であり、マイコン62が制御手段の例であり、開閉制御信号S1が制御信号の例であり、樹脂部材81が摺動機構の例である。
【0176】
第2の実施の形態においては、筐体71およびベース部材310が支持部材の例であり、遮光部342が被検出部の例であり、発光部Ldが第1の発光部の例であり、受光部Rdが第1の受光部の例であり、フォトインタラプタ74bが第1の検出器の例であり、発光部Lcが第2の発光部の例であり、受光部Rcが第2の受光部の例であり、フォトインタラプタ74aが第2の検出器の例であり、インタラプタ移動部材330が第1の調整機構の例であり、インタラプタ移動部材320が第2の調整機構の例であり、マイコン92が制御手段の例であり、インタラプタ移動部材330が第1の回転部材の例であり、インタラプタ移動部材320が第2の回転部材の例であり、つまみ332が第1のつまみ部の例であり、つまみ322が第2のつまみ部の例であり、過電流検出回路95が過電流検出手段の例である。
【0177】
また、上部材83aが第1の部材の例であり、下部材83bが第2の部材の例である。
【0178】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本発明は、部品棚からの部品の取り出し作業を行う現場で有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0180】
1 部品選別システム
10 メインコントローラ
13 ランプ装置
14 蓋開閉装置
20 部品棚
23 収容スペース
31 ランプ表示部
32 レバースイッチ
41,83 蓋部材
42,42A 開閉駆動部
51,71 筐体
52,72 モータ
53a,53b,74a,74b フォトインタラプタ
54,76 電気回路基板
55,75 軸部
56 ギア
57a,57b 遮光板
58 アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する収納スペースを有する棚に取り付けられる蓋開閉装置であって、
前記収納スペースの物品取り出し口に開閉可能に設けられる蓋部材と、
前記蓋部材を開閉する開閉駆動部とを備え、
前記開閉駆動部は、
軸部と、
前記軸部を回転可能に支持する支持部材と、
モータと、
前記モータの回転力で前記軸部を一方向および逆方向に回転させる回転駆動機構と、
前記軸部と一体的に回転するように前記軸部に取り付けられる第1の被検出部と、
前記軸部と一体的に回転しかつ回転方向において前記第1の被検出部と角度をなすように前記軸部に取り付けられる第2の被検出部と、
前記第1の被検出部が回転方向の予め定められた位置にあることを検出するように前記支持部材に設けられる第1の検出器と、
前記第2の被検出部が回転方向の予め定められた位置にあることを検出するように前記支持部材に設けられる第2の検出器と、
前記蓋部材の開閉を指示するための制御信号に基づいて前記モータを制御する制御手段とを含み、
前記蓋部材は、前記軸部の前記一方向の回転により開動作を行い、前記軸部の前記逆方向の回転により閉動作を行うように、前記軸部に取り付けられ、
前記第1および第2の被検出部は、前記軸部に対して回転自在な状態と前記軸部に対して固定された状態とに切り換え可能に設けられ、
前記制御手段は、前記制御信号により前記蓋部材の開動作が指示された場合に前記軸部が前記一方向に回転するように前記モータを制御し、前記制御信号により前記蓋部材の閉動作が指示された場合に前記軸部が前記逆方向に回転するように前記モータを制御し、前記モータによる前記蓋部材の開動作時に前記第1の検出器により前記第1の被検出部が検出されたときに前記モータを停止させ、前記モータによる前記蓋部材の閉動作時に前記第2の検出器により前記第2の被検出部が検出されたときに前記モータを停止させることを特徴とする蓋開閉装置。
【請求項2】
前記第1および第2の検出器は、光を用いて前記第1および第2の被検出部をそれぞれ検出する光センサであることを特徴とする請求項1記載の蓋開閉装置。
【請求項3】
前記光センサは、フォトインタラプタであることを特徴とする請求項2記載の蓋開閉装置。
【請求項4】
前記蓋部材の前記閉動作中に前記蓋部材に前記閉動作を妨げる負荷が加えられた場合に前記軸部材を前記回転方向において前記蓋部材に対して摺動可能とする摺動機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蓋開閉装置。
【請求項5】
前記軸部は略水平に設けられ、
前記蓋部材は、第1の部材および第2の部材を含み、
前記第1の部材の上端部は前記軸部に取り付けられ、
前記第1の部材の下端部に前記第2の部材の上端部が略平行な軸を中心として回動自在に取り付けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蓋開閉装置。
【請求項6】
物品を収納する収納スペースを有する棚に取り付けられる蓋開閉装置であって、
前記収納スペースの物品取り出し口に開閉可能に設けられる蓋部材と、
前記蓋部材を開閉する開閉駆動部とを備え、
前記開閉駆動部は、
軸部と、
前記軸部を回転可能に支持する支持部材と、
モータと、
前記モータの回転力で前記軸部を一方向および逆方向に回転させる回転駆動機構と、
前記軸部と一体的に回転するように前記軸部に設けられる被検出部と、
第1の発光部および第1の受光部を有し、前記第1の発光部と前記第1の受光部との間に前記被検出部があることを検出する第1の検出器と、
第2の発光部および第2の受光部を有し、前記第2の発光部と前記第2の受光部との間に前記被検出部があることを検出する第2の検出器と、
前記被検出部の回転経路に沿った位置で前記第1の検出器を支持するとともに前記第1の検出器の位置を調整可能に構成された第1の調整機構と、
前記被検出部の回転経路に沿った位置で前記第2の検出器を支持するとともに前記第2の検出器の位置を調整可能に構成された第2の調整機構と、
前記蓋部材の開閉を指示するための制御信号に基づいて前記モータを制御する制御手段とを含み、
前記蓋部材は、前記軸部の前記一方向の回転により開動作を行い、前記軸部の前記逆方向の回転により閉動作を行うように、前記軸部に取り付けられ、
前記制御手段は、前記制御信号により前記蓋部材の開動作が指示された場合に前記軸部が前記一方向に回転するように前記モータを制御し、前記制御信号により前記蓋部材の閉動作が指示された場合に前記軸部が前記逆方向に回転するように前記モータを制御し、前記モータによる前記蓋部材の開動作時に前記第1の検出器により前記第1の被検出部が検出されたときに前記モータを停止させ、前記モータによる前記蓋部材の閉動作時に前記第2の検出器により前記第2の被検出部が検出されたときに前記モータを停止させることを特徴とする蓋開閉装置。
【請求項7】
前記第1の移動機構は、前記軸部の周りで回転可能に前記支持部材に設けられた第1の回転部材を含み、
前記第2の移動機構は、前記軸部の周りで回転可能に前記支持部材に設けられた第2の回転部材を含み、
前記第1の検出器が前記第1の回転部材に固定されるとともに前記第2の検出器が前記第2の回転部材に固定されたことを特徴とする請求項1記載の蓋開閉装置。
【請求項8】
前記第1の回転部材は、前記軸部を中心として外方に突出するように設けられた第1のつまみ部を有し、
前記第2の回転部材は、前記軸部を中心として外方に突出するように設けられた第2のつまみ部を有し、
前記第1のつまみ部が前記蓋部材の一面に沿った方向を向くときに前記第1の検出器により前記被検出部が検出され、前記第2のつまみ部が前記蓋部材の一面に沿った方向を向くときに前記第2の検出器により前記被検出部が検出されるように、前記第1および第2のつまみ部、前記第1および第2の検出器、前記被検出部、ならびに前記蓋部材の位置関係が設定されたことを特徴とする請求項7記載の蓋開閉装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記蓋部材の閉動作が指示された場合に所定時間が経過してから前記軸部が前記逆方向に回転するように前記モータを制御することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の蓋開閉装置。
【請求項10】
前記モータに一定値以上の過電流が流れたことを検出する過電流検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記モータに過電流が流れたことが前記過電流検出手段により検出された場合に前記モータを停止させることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の蓋開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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