説明

薄いコンドーム

天然ゴム、及びポリウレタンを含むコンドーム。好ましくは、該コンドームは55μm未満の単一壁厚を有する。より好ましくは、該コンドームは55μm未満の単一壁厚、及び1.0kPa以上の破裂圧を有する。該コンドームの製造方法は、ポリウレタンと天然ゴムラテックスとを混合すること、及びそれからコンドームを成形することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然ゴム、及びポリウレタンを含むコンドーム、特に、薄壁のコンドーム、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのコンドームが、天然ゴムラテックス(NRL)から、周知の製造方法によって製造される。コンドームが使用に適することを確実にするために、それらの特性は、国家、地域、又は国際規格の要求事項を満たさなければならず、該要求事項には、通常、最小破裂圧要件が含まれる。
コンドームの壁厚は通常、50μm〜70μmの間とかなり薄いが、これをさらにより薄くすることが、コンドームの使用を促進するのに有益であろう。コンドーム使用時に感度の喪失を知覚することが、コンドームを使用しないことへの弁明にしばしば用いられ、結果、妊娠、又は性感染症のリスク増加を招く。よって、より薄いコンドームを製造できることが望ましいであろう。より薄いコンドームを製造することが望ましいだけでなく、これら薄いコンドームは、また該規格の破裂圧要件を満たさなければならない。
より薄いコンドームを製造する試みがなされてきたが、規格に明記された破裂圧要件を満たす、薄いコンドームを製造することは、これまで可能ではなかった。
【0003】
コンドームの厚さは、一般に、単一壁厚(single wall thickness)によって決定される。
コンドームの単一壁厚測定は、重量測定を経由して行われる。20mmのリング状区分を、コンドームの平行な側面部分(parallel-sided part)から、好ましくは、コンドームの本体中央で、切出す(このような「リング状」試料片は、一般に引張試験に使用され、該厚さ測定は、引張強度の計算に使用される)。該リングの円周、高さ方向の長さ、及びラテックス薄膜の密度がわかれば、単一壁厚は、式によって計算することができる:
【表1】

【0004】
国際的なコンドーム規格(BS EN ISO 4074:2002 天然ラテックスゴム製コンドーム:要求事項と試験方法)は、多くの他の規格と共に、コンドームが、該規格の方法に従って試験され、1.0kPaの最小破裂圧を有するという要求事項を含む。簡潔には、該試験では、コンドームを固定流量の空気で膨らまし、破裂によるコンドームの破損時に読み込んだ、圧力、及び容量を記録するために、コンドーム内の圧力、及び空気容量の両方を連続的に監視することを要求している。これらの試験は、それぞれ、破裂圧(キロパスカル、kPaで測定)、及び破裂容量(リッター、L、又は立法デシメートル、dm3)として知られている。この試験は、各バッチから、多数のコンドームで行われ、その数はバッチの規模によって決定されている。
【0005】
コンドームの壁がより薄くなるにつれて、コンドームを膨張させ、最終的に破裂させるのに要する圧力は減少する。結果的に、該規格の破裂圧要件に応じることのできる、コンドーム壁厚には下限が存在する。さらに、膨張容量と膨張圧力は関連している。膨張の初期段階は別として、いかなるコンドームのタイプであっても、膨張容量が大きいほど、膨張圧力は大きくなる。モジュラス(Modulus)とは、本質的に、剛性の尺度であり、低モジュラスな材料ほど、より柔軟であるか、又はより弾力性がある。コンドーム材料のモジュラスが増加する(すなわち剛性が増加する)と、より低モジュラスな材料から製造されたコンドームと比較した時に、同じ膨張容量において、破裂圧も増加する。つまり、コンドーム材料のモジュラスが高いほど、所定の膨張容量における、該コンドームの破裂に必要な圧力は、より高くなる。しかし、ほとんどの場合、コンドームのモジュラスが増加することは、破裂容量が減少するという付加的効果を有する。破裂圧は破裂容量と関係しているので、破裂容量の減少は、破裂圧も減少させるであろう。従って、結果的により低破裂容量となるラテックス配合物から製造されたコンドームは、より低い破裂圧も有するであろう。
【0006】
破裂圧要件に応じている、非常に薄いコンドームを製造するという先の試みが失敗したのは、薄いコンドーム壁厚で、要求される規格に応じている最小破裂圧を維持するという試みにおいて、高モジュラス材料を使用すると、ほぼ必ず、破裂容量の減少をひき起こし、破裂圧を減少させるためである。
【0007】
より薄いコンドームを達成するために、これまで、2つの取組みが行われた。第一に、天然ゴムラテックス(NRL)からコンドームを製造するという試みがなされたが、より少量のNRLを使用することで、より薄いコンドーム壁が供給された。第二に、NRLより高い引張特性を有する合成材料から、コンドームを製造する試みがなされた。
第一の取組み(少量のNRLを使用する)において、コンドームが規格の要求事項を満たさなくなり始めるより前に、該コンドームの壁がどれほど薄くなり得るかには限界があり、この問題を緩和するための、方法要素(process parameters)の変更という試みは、不成功に終わった。製造のバッチ通過速度(batch pass rate)をできるだけ高くさせるために、各バッチの平均破裂圧は、一般に、規格の定める最小要件を上回る、少なくとも2つの標準偏差である必要があることが見出されている。これにより、結果的に、約50μm〜約55μmの最小NRLコンドーム厚さ(単一壁厚)となることが、見出されている。
第二の取組み(NRLより優れた引張強度をもつ合成材料を使用する)を使用することで、薄いコンドームを製造することが可能である。しかし、使用される該合成材料は、NRLより、高い低歪み率(low strain moduli)、及び低い破断点伸びを有する傾向もあるため、知覚される感度の向上などのより薄いコンドームであることの利益は、堅く、かつ柔軟性に劣ると知覚されるこのような薄い合成コンドームでは否定されてしまい、このことは望ましくない。その結果、これら合成材料から製造されるコンドームは、不十分なものである。
【0008】
ハイスチレン、スチレンブタジエンゴムラテックス(SBR)、及びカルボキシル化されたSBR(X-SBR)を用いた近年の研究により、引張係数の強化がなされたが、SBR、及び/又はX-SBRを取込んだNRLから製造されたコンドームは、上記の、より低い破裂容量となることが見出されている。結果として、NRL、及びSBR/X-SBR配合物から製造される薄いコンドームが、規格の破裂圧要件を満たすことは予想されない。
図1、及び図2に示したデータは、引張強度が、NRL単体(図2)に比べX-SBR/NRL配合物(図1)では増大するが、X-SBRの添加は、破裂容量を低下させ、その結果、X-SBR/NRL配合物から製造されたコンドームの破裂圧(図1)は、同様のコンドーム厚さにおいて、未改質の配合物(つまり、X-SBRの添加を伴わない(図2))の破裂圧と同様となることを示している。
【発明の概要】
【0009】
現行のNRLコンドームより極めて薄いNRLコンドームを製造することが可能であり、ポリウレタンラテックスを天然ゴムラテックスと配合することによって、該コンドームが、許容し得る総合特性、特に、知覚剛性などを有し、規格の要求事項を満たすことが、これまで見出されている。
上記の限界は、補強剤によって、より高いモジュラスが導かれた場合、より低い破裂容量が、破裂圧における改善はないが、意外なことに、コンドーム製造において、天然ゴムとともに、補強配合物としてポリウレタンを使用することで克服された。
【0010】
最も広範な態様での本発明によると、天然ゴム、及びポリウレタンを含むコンドームが提供される。天然ゴム、及びポリウレタンは、好ましくは、本発明に従って、コンドーム中に配合物として存在する。理想的には、均一な配合物、又は混合物を使用する。
本発明によるコンドームは、ラテックスから製造することができ、該ラテックスは天然ゴムラテックス、及びポリウレタンラテックスを含む。
【0011】
好ましい態様において、天然ゴム、及びポリウレタンを含み、約55μm未満の単一壁厚、及び1.0kPa以上の破裂圧を有する、コンドームが提供される。
好ましくは、該単一壁厚は、約50μm以下であり、該破裂圧は約1.2kPa以上である。該破裂圧はBS EN ISO 4074:2002によって規定されている。
【0012】
他の態様において、本発明は、薄い天然ゴムラテックスコンドームの製造における、ポリウレタンの使用を提供する。一般に、該ポリウレタンは、分散の形態で使用される。好ましくは、該ポリウレタンを、約55μm未満、より好ましくは50μm未満の単一壁厚を有する、天然ゴムラテックスコンドームの製造で用いる。
【0013】
本発明により、コンドームの製造方法が提供され、該方法は、ポリウレタンと天然ゴムラテックスとを混合すること、及びそれからコンドームを成形することを含む。好ましくは、該ポリウレタンを分散体として使用する。例えば、ポリウレタン分散体と天然ゴムラテックスとの配合物を使用する。好ましくは、ポリウレタンラテックス(PUL)を、コンドームの製造において、NRLとともに、補強配合物として使用する。好ましくは、該ポリウレタンは、ポリウレタンラテックスである。最も好ましくは、該方法は、配合物形成のためのポリウレタンラテックスと天然ゴムラテックスとを混合すること、及びそれからコンドームを成形することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
(図の説明)
【図1】図1は、天然ゴムラテックス/X-SBRコンドームの破裂、及び引張特性に対する、カルボキシル化スチレンブタジエンゴム(X-SBR)配合の効果を示す。
【図2】図2は、非改質天然ゴムラテックスコンドームの破裂、及び引張特性に対する、単一壁厚の効果を示す。
【図3】図3は、天然ゴム/ポリウレタン配合物から製造されたコンドームの破裂、及び引張特性に対する、天然ゴムラテックスに配合するポリウレタン(PUL)の効果を示す。
【図4】図4は、天然ゴムラテックス(NRL)コンドーム、天然ゴム/カルボキシル化スチレンゴムブタジエン(NRL/X-SBR)ゴムコンドーム、及び天然ゴム/ポリウレタン(NRL/PUL)配合コンドームにおける、コンドームの厚さによる破裂圧の変動を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
用語、ポリウレタンラテックス、及びポリウレタン分散体は、同義的に使用される。従って、本明細書中の使用では、用語「ポリウレタン分散体」は、ポリウレタンラテックスを含む。
【0016】
破裂圧における著しい改善が、NRL/PUL配合物の使用によって得られる。ポリウレタン(PUL)のNRLへの添加は、破裂容量を、X-SBRの添加時と同程度までは減少させないことが見出されている。結果的に、PUL補強したNRLとの配合物から製造されたコンドームは、NRL/X-SBR配合物より高い破裂圧を有する。
【0017】
天然ゴム/ポリウレタン配合物から製造されたコンドームは、天然ゴムラテックスコンドームより優れていることを見出している。例えば、40μmに迫る単一壁厚のときでさえ、天然ゴム/ポリウレタン配合コンドームは、天然ゴムラテックスコンドームより、一貫して高い平均破裂圧を有することを見出している(図4)。
【0018】
55μm以下の単一壁厚であるコンドームが好ましい。好ましくは、本発明のコンドームは、55μm未満の単一壁厚、例えば、35〜55μm、より好ましくは40〜50μm、さらにより好ましくは約40μm以下の単一壁厚を有する。
【0019】
1.0kPaより大きい、好ましくは1.1kPaより大きい、より好ましくは1.2kPaより大きい、破裂圧をもつコンドームが好ましい。有利なことに、該コンドームは、規格の定める最小要件を上回る、少なくとも2つの標準偏差の平均破裂圧を有する。例えば、国際規格BS EN ISO 4074:2002の最小破裂圧要件である1.0kPaを上回る、少なくとも2つの標準偏差の平均破裂圧を有するコンドームが好ましい。該コンドームが、常に国際規格の破裂圧要件を通過できるようにするために、約1.2kPa以上の平均破裂圧を有することが好ましい。こうした破裂圧を、35μm〜55μm以下、好ましくは40μm〜50μmの単一壁厚を有するコンドームで達成させることが、非常に好ましい。より高い破裂圧、例えば、1.3kPa以上、又は1.4kPa以上、或いは1.5kPa以上も、該配合に応じて、約50μmより薄いコンドームで、達成可能である。
【0020】
15又は20部/ゴム100部(parts per hundred rubber)(pphr)のポリウレタン含量のとき、コンドームが、40μm以下の薄い厚みで、BS EN ISO 4074:2002の要求事項を満たすと予想されるような破裂圧となる。これは、約50〜55μmの薄壁の限界を有するNRL配合物を配合しないことによって、厚さにおける大きな改善を達成できることを意味している。
【0021】
異なった量のポリウレタンを含有する、様々な配合物で試験を行い、このような配合から製造されたコンドームの特性を、図3に要約し、図4に図示する。図4から、天然ゴム/ポリウレタン配合コンドームが、試験したすべての配合ポリウレタン含量で、天然ゴムラテックスコンドームと天然ゴム/X-SBRコンドームの両方より高い破裂圧を有することは、明らかである。
【0022】
適当なポリウレタンを使用できる。好ましくは、該ポリウレタンは、脂肪族ポリウレタンである。しかし、芳香族ポリウレタンを使用してよい。本発明による方法での使用に、好ましいポリウレタンに含まれるのは、陰イオン的に、又は非イオン的に安定化されている脂肪族ポリウレタンラテックスを含めた、陰イオン的に、又は非イオン的に安定化されている脂肪族ポリウレタンである。好ましい脂肪族ポリウレタンには、限定はされないが、脂肪族ポリカーボネートポリウレタン、及び脂肪族ポリエステルポリウレタンが含まれる。好ましくは、該ラテックスが実質的に、溶媒を用いない、又は少量の溶媒を含む。最も好ましいのは、該ラテックスが、共溶媒N-メチルピロリドンを含まないことである。該ラテックスは、又は別法として、実質的に乳化剤を含まなくてもよい。
【0023】
本発明による使用に、好ましい脂肪族ポリカーボネートポリウレタンラテックスは、Acralen(登録商標)U-900であり、PolymerLatex社(ドイツ)より市販されている。適当な脂肪族ポリエステルポリウレタンラテックスを、使用することができる。
本発明の使用において、他の好ましいポリウレタンラテックスは、Incorez W835/092であり、Industrial Copolymers社(英国)より市販されている。Incorez W835/092は、脂肪族ポリカーボネートポリウレタンラテックスである。しかし、適当な脂肪族ポリカーボネートポリウレタンラテックスを用いることができる。
【0024】
適当な量のポリウレタンを、本発明のコンドームに使用することができる。コンドームが、ポリウレタンを1pphr〜50pphr(乾燥重量として測定)の量で含む、天然ゴム/ポリウレタン配合物を含むのが好ましい。より好ましくは、コンドームが、ポリウレタンを5pphr〜20pphrの量で含む。ポリウレタンの適量は、ポリウレタンのタイプに応じる。例えば、脂肪族ポリウレタンラテックスについて、コンドームは、ポリウレタンを、1pphr〜50pphr(乾燥重量)の量で含むのが好ましく、より好ましくは5pphr〜20pphrの量で含む。脂肪族ポリエステルポリウレタン、例えば、Acralen(登録商標)U-900などを使用する場合、コンドームは、該脂肪族ポリエステルポリウレタンを、5pphr〜20pphr、より好ましくは12pphr〜18pphrの量で含む、天然ゴム/ポリウレタン配合物を含むのが好ましい。別法として、脂肪族ポリカーボネートポリウレタン、例えば、Incorez W835/092などを使用する場合、コンドームは、該脂肪族ポリカーボネートポリウレタン、例えば、Incorez W835/092を、5〜10pphr、より好ましくは5pphr〜7.5pphrの量で含む、天然ゴム/ポリウレタン配合物を含むのが好ましい。
【実施例】
【0025】
好ましい実施態様において、コンドームは、下記の配合剤を含むラテックス配合物から製造される。
【表2】

【0026】
本発明は、また、コンドームの製造方法も提供し、該方法は、配合物形成のためにポリウレタンラテックスと天然ゴムラテックスとを混合すること、及びそれからコンドームを成形することを含む。
該コンドームは、適当な方法で成形することができる。一般に、これは、コンドーム形の浸漬型を配合物に浸漬し、薄膜を形成し、続いて、該膜は乾燥及び硬化される。これは当業者には明らかなことであろう。
【0027】
ポリウレタンラテックスを、調製され、予め加硫された天然ゴムラテックスに添加することが、好ましい。好ましくは、該ポリウレタンラテックスを該天然ゴムラテックスに、浸漬設備へ移動する前に添加する。好ましい実施態様において、該方法は、下記の工程を含む:
1. 予加硫:調製配合剤をラテックスに添加し、適切な膨潤指数に達するまで、高温で予加硫する。
2. 熟成:周囲温度まで冷却し、必要に応じてさらに加硫剤を加え、該ラテックスを、適切な膨潤指数に達するまで、周囲温度で熟成する。
3. 調製最終段階:必要に応じてより加硫剤を加え、適切な膨潤指数に達するまで、適度な温度で加熱する。従来の架橋結合密度測定は、一般に、ラテックス薄膜から切り出した、指定の直径のディスクを要求する。次いで、これをトルエン、又はn-ヘプタンなどの溶媒中に入れ、該薄膜を膨潤させ、;膨潤が平衡化したときの、該ディスクの直径を測定し、最終及び最初の直径を使用して「膨潤指数」を計算する。
4. 最終調整:浸漬粘度の修正が必要であれば、ポリウレタンを、十分に調製されたラテックスに添加、混合、及び希釈する;浸漬設備に添加する。
【0028】
ラテックス薄膜を「直接浸漬」によって製造することが好ましい、「直接浸漬」とは、(ラテックス浸漬前に凝固剤に浸漬することによる)ラテックスの凝固を、使用しないことである。
好ましくは、本発明方法によって製造されるコンドームは、55μm以下、好ましくは35μm〜55μm以下、より好ましくは40μm〜50μmの単一壁厚を有する。
【0029】
適当なポリウレタンを使用することができる。本発明による方法での使用に好ましいポリウレタンは、陰イオン的に、又は非イオン的に安定化されている脂肪族ポリウレタンラテックスである。有利なことには、このようなラテックスは、少量の溶媒を含むか、又は溶媒を含まない。好ましくは、このようなラテックスは、N-メチルピロリドンを含まない。芳香族ポリウレタンラテックスを、本発明によって提供される方法に使用することもできる。
【0030】
ポリウレタンを1〜50pphr、好ましくは5〜20pphrの量で添加することが好ましい。該ポリウレタンが脂肪族ポリエステルポリウレタン、例えば、Acralen(登録商標)U-900などを含む場合、12〜18pphrの量で添加するのが好ましい。別法として、好ましいポリウレタンは、脂肪族ポリエステルポリウレタン、例えば、Incorez W835/092を含む。本発明の方法によって製造されるコンドームが、脂肪族ポリカーボネートポリウレタンを含むポリウレタンを含む場合、該ポリウレタンを、好ましくは5〜10pphr、より好ましくは5〜7.5pphrの量で添加する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ゴム、及びポリウレタンを含むコンドーム。
【請求項2】
前記天然ゴム、及びポリウレタンが、配合物として存在する、請求項1記載のコンドーム。
【請求項3】
55μm未満の単一壁厚、及び約1.0kPa以上の破裂圧を有する、請求項1、又は2記載のコンドーム。
【請求項4】
前記単一壁厚が、50μm未満である、請求項3記載のコンドーム。
【請求項5】
約1.2kPa以上の破裂圧を有する、請求項3、又は4記載のコンドーム。
【請求項6】
前記ポリウレタンが、脂肪族ポリウレタンを含む、請求項1〜5のいずれか一項記載のコンドーム。
【請求項7】
前記コンドームが、ポリウレタンを、1pphr〜50pphr(乾燥重量)の量で含む、請求項1〜6のいずれか一項記載のコンドーム。
【請求項8】
前記コンドームが、ポリウレタンを、5pphr〜20pphr(乾燥重量)の量で含む、請求項1〜7のいずれか一項記載のコンドーム。
【請求項9】
前記ポリウレタンが、脂肪族ポリエステルポリウレタンを含む、請求項6、7、又は8記載のコンドーム。
【請求項10】
前記ポリウレタンが、Acralen(登録商標)U-900を含む、請求項6、7、8、又は9記載のコンドーム。
【請求項11】
前記コンドームが、脂肪族ポリエステルポリウレタンを、10pphr〜20pphr(乾燥重量)の量で含む、請求項9、又は10記載のコンドーム。
【請求項12】
前記コンドームが、脂肪族ポリエステルポリウレタンを、12pphr〜18pphr(乾燥重量)の量で含む、請求項11記載のコンドーム。
【請求項13】
前記ポリウレタンが、脂肪族ポリカーボネートポリウレタンを含む、請求項6、7、又は8記載のコンドーム。
【請求項14】
前記脂肪族ポリカーボネートポリウレタンが、Incorez W835/092を含む、請求項13記載のコンドーム。
【請求項15】
前記コンドームが、脂肪族ポリカーボネートポリウレタンを、5pphr〜10pphr(乾燥重量)の量で含む、請求項13、又は14記載のコンドーム。
【請求項16】
前記コンドームが、脂肪族ポリカーボネートポリウレタンを、5phr〜7.5pphr(乾燥重量)の量で含む、請求項13、又は14記載のコンドーム。
【請求項17】
天然ゴムラテックスコンドームの製造における、ポリウレタンの使用。
【請求項18】
前記コンドームが、請求項1〜16のいずれか一項に規定されているものである、請求項17記載の使用。
【請求項19】
前記ポリウレタンが、ポリウレタンラテックスである、請求項17、又は18記載の使用。
【請求項20】
前記ポリウレタンラテックスが、脂肪族ポリウレタンラテックスである、請求項19記載の使用。
【請求項21】
前記脂肪族ポリウレタンラテックスが、陰イオン的に、又は非イオン的に安定化されている、請求項20記載の使用。
【請求項22】
前記脂肪族ポリウレタンラテックスが、脂肪族ポリカーボネートポリウレタンラテックス、又は脂肪族ポリエステルポリウレタンラテックスである、請求項20、又は21記載の使用。
【請求項23】
ポリウレタンと天然ゴムラテックスとを混合すること、及びそれからコンドームを成形することを含む、コンドームの製造方法。
【請求項24】
前記ポリウレタンが、ポリウレタンラテックスである、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記ポリウレタンラテックスが、請求項20、21、又は22に規定されているものである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記コンドームが、請求項1〜16のいずれか一項に規定されているものである、請求項23〜25のいずれか一項記載の方法。
【請求項27】
前記ポリウレタンと天然ゴムラテックスとを混合し、配合物を形成する、請求項23〜26のいずれか一項記載の方法。
【請求項28】
前記ポリウレタンを、調製され、予め加硫された天然ゴムラテックスに添加する、請求項23〜27のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
前記コンドームが、コンドーム形の浸漬型を、ポリウレタン、及び天然ゴムラテックスを含んでいる混合物に、浸漬することによって成形される、請求項23〜28のいずれか一項記載の方法。
【請求項30】
前記浸漬が、ラテックス浸漬前の凝固剤への浸漬工程を伴わない、直接浸漬である、請求項29記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−512898(P2010−512898A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542218(P2009−542218)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004914
【国際公開番号】WO2008/075067
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(508292660)
【Fターム(参考)】