説明

薄フィルム貯蔵室を備えたおしゃぶり、およびその使用方法

本発明は、幼児または患者の口腔内に有効成分を供給するためのおしゃぶりおよび乳首部材に関する。おしゃぶりは、多孔状の乳首部材と、幼児の口腔の外に留まるよう構成されたベース部材とを含む。多孔状の乳首部材は、有効成分を含む薄フィルムを収容するための少なくとも一つの貯蔵室またはチャンバーをその内部に有する。ベース部材は乳首部材のネックに対して取り外し可能に取り付けられてもよく、あるいは乳首部材およびベース部材は単一ユニットを形成してもよい。再使用形態および使い捨て形態が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幼児または患者の口腔内に有効成分を供給する(送り届ける)ためのおしゃぶりまたは乳首部材に関する。当該おしゃぶりは、有孔状(多孔状)の乳首部材と、有効成分を含む薄フィルムを収容するためのその内部の貯蔵室またはチャンバーとを有する。有効成分は、幼児または患者に対する投与に適した薬剤および/またはビタミンを含んでいてもよい。
【背景技術】
【0002】
薬剤および/ビタミンを、それを必要とする幼児または患者に対して投与することが多くの場合望ましい。だが、通常使用されている投与形態は、ある周知の欠点を持つ。乳を飲むという幼児の自然な性向によって、おしゃぶりは、そうした有効成分を供給するための有用な道具となり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術から、液体および液状薬剤を幼児に投与するために改変されたおしゃぶりが知られている。液状薬剤はおしゃぶりに充填するのが困難であり、投与量を誤ることがある。本発明は、薄フィルム投与ユニットを含むおしゃぶりを提供するものであり、これによって従来技術に関係する問題を軽減する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、幼児または患者に有効成分を供給するための再使用可能なおしゃぶりが提供され、このものは、乳首部とネックとを具備してなると共に、有効成分を具備してなる薄フィルムを収容するための少なくとも一つの貯蔵室を内部に有する有孔状(多孔状)の乳首部材と、乳首部材のネックに対して取り外し可能に取り付けられかつ幼児の口腔の外に留まるよう構成されたベース部材とを具備してなる。
【0005】
また、幼児または患者に有効成分を供給するための再使用可能なおしゃぶりが提供され、このものは、乳首部とネックとを具備してなると共に、その内部に少なくとも一つの貯蔵室を有する有孔状(多孔状)の乳首部材と、貯蔵室内に収容された薄フィルムであって、有効成分を具備してなる薄フィルムと、乳首部材のネックに対して取り外し可能に取り付けられかつ幼児の口腔の外に留まるよう構成されたベース部材とを具備してなる。
【0006】
本発明の他の実施形態は、幼児または患者に有効成分を供給するための使い切りおしゃぶりを提供し、このものは、幼児の口腔の外に留まるよう構成されたベース部材であって、凹状面および凸状面を有するシールドを具備してなるベース部材と、ベース部材の凹状面上に配置される有孔状(多孔状)の乳首部材であって、その内部に少なくとも一つの貯蔵室を有する乳首部材と、貯蔵室内に収容された薄フィルムであって、有効成分を具備してなる薄フィルムとを具備してなる。
【0007】
本発明の他の実施形態によれば、幼児または患者に有効成分を供給するための再使用可能なおしゃぶりが提供され、このものは、幼児の口腔の外に留まるよう構成されたベース部材であって、凹状面および凸状面を有するシールドを具備してなるベース部材と、ベース部材の凹状面上に配置される有孔状(多孔状)の乳首部材であって、有効成分を具備してなる薄フィルムを収容するための少なくとも一つのチャンバーを形成する少なくとも一つのフラップを有する乳首部材とを具備してなる。
【0008】
本発明のさらに他の実施形態は、幼児に有効成分を供給するための哺乳ビン乳首部を提供し、このものは、乳首部およびネックを具備してなりかつその内部に少なくとも一つの貯蔵室を有する有孔状(多孔状)の乳首部材であって、ネックが哺乳ビンに対して取り外し可能に取り付けられるよう構成されている乳首部材と、貯蔵室内に収容された薄フィルムであって、有効成分を具備してなる薄フィルムとを具備してなる。
【0009】
本発明はさらに、幼児または患者に有効成分を供給するための方法を提供し、この方法は、有効成分を具備してなる薄フィルムを提供するステップと、有効成分を具備してなる薄フィルムを収容するための貯蔵室またはチャンバーを有する、おしゃぶりの有孔状(多孔状)の乳首部材を提供するステップと、薄フィルムを有孔状(多孔状)の乳首部材の貯蔵室またはチャンバー内に装填するステップと、幼児または患者におしゃぶりを経口投与し、これによって薄フィルムを溶解させ、口腔内に有効成分が放出されることを可能とするステップとを具備する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、幼児および老人などの患者用に、そして薬剤の通常投与を不能にする外科学的あるいはその他の疾患を持つ人々用に特別に設計された、薬剤および他の有効成分用の供給器具に関する。本器具は獣医学的用途でも同様に使用可能である。本発明に係る器具は、おしゃぶりまたは乳首部材と呼ぶことができるが、これは、それが乳首部材の孔を経て有効成分を投与するよう構成されるからである。
【0011】
特に本発明は、おしゃぶりまたはボトル(ビン)用の乳首部ユニットを提供するが、そのいずれも、患者に有効成分を供給する(送り届ける)よう構成される。おしゃぶりは、有孔状(多孔状)の乳首部材とベース部材とを含む。乳首部の孔は適当な形状およびサイズとすることができる。乳首部材は、有効成分を含む薄フィルムを収容するための貯蔵またはその他の同様なチャンバーをその内部に含む。ベース部材(これは幼児または患者の口腔の外に留まる(置かれる)よう構成される)は、乳首部材に対して取り外し可能に取り付けることができる。おしゃぶりは、再使用可能な器具であっても、あるいは使い切り(使い捨て)器具であってもよい。
【0012】
ある実施形態では、有効成分を含むフィルムは乳首部の中空部分内に配置でき、しかもそれは、乳首部材が多孔状のものであるので患者の口腔内の唾液と接触し、この結果、唾液がフィルムを溶解させ、口腔内に有効成分を放出させる。
【0013】
他の実施形態では、本明細書で説明するように、乳首部は有効成分を含むフィルムを収容するよう構成された貯蔵室(リザーバ)またはチャンバーを有し、この貯蔵室またはチャンバーは、口腔内への放出のために、フィルムおよびその有効内容物が移動することを可能とする孔を有する。
【0014】
本発明に係るある実施形態によれば、図1および図5aに示すように、おしゃぶり10は、乳首部材100およびベース部材200を具備してなる。乳首部材100は乳首部110を含むが、ここで、丸みのある先端部はネック120に隣接している。乳首部材100はまた、有効成分を含む薄フィルムを収容するための貯蔵室130をその内部に有する。孔105によって唾液がフィルムと接触できるようになり、しかも有効成分を口腔内に放出できるようになる。おしゃぶり10はまた、図8に示すように、乳首部材100のネック120内にぴったりと嵌まるような形状とされた中実プラグ300を含んでいてもよい。
【0015】
ベース部材200はシールド210を含むが、これは凹状面および凸状面を有することができる。ベース部材200は、ハンドル部材230または330を含んでいてもよく、これは、シールド210の凸状面に対して回転可能に取り付けられる。
【0016】
再使用可能な実施形態に関して、ベース部材200は、シールド210の凸状面上に配置された取り付け部材220を含む。乳首部材100のネック120は取り付け部材220と係合し、ベース部材200を乳首部材100に対して取り外し可能に取り付ける。取り付け部材220とネック120とは、当業者には公知の機械的接続によって取り付けられる。たとえば、この接続は、図1に示すようにネジ式接続とすることができる。この実施形態では、取り付け部材220と、乳首部材100のネック120とは、それぞれネジ式係合部を含む。ネック120が取り付け部材220と係合するとき、ネジ式接続が両者の間に形成され、これによって乳首部材100はベース部材200に対して取り外し可能に取り付けられる。乳首部材100は、ネジを緩めて接続を解除することによって、ベース部材200から取り外すことができる。これによって、必要とあれば、ユーザーは、薄フィルムを乳首部材の貯蔵室内に再装填することが可能となる。その他の接続としては、たとえば(ただしこれに限定されるものではない)、スナップ嵌合(スナップフィット)あるいはバイオネット式ロック嵌合(バイオネットロックフィット)が挙げられる。
【0017】
本発明に係る使い切り実施形態によれば、乳首部材100とベース部材200とは、図2に示すように、単一の成形器具を形成する。乳首部材およびベース部材は一体構造である。これに代えて、乳首部材およびベース部材を別個に成形し、その後、適当な無毒接着剤、圧力嵌めあるいは他の類似の取り付け手段を用いて互いに取り付けてもよい。薄フィルムは、製造時に、おしゃぶりの乳首部内に形成された貯蔵室130内に装填される。使い切り実施形態は、使い捨て式器具として構成される。たとえば、衛生上の理由から、気密密閉パッケージ入りのおしゃぶりを製造することが望ましいであろう。
【0018】
本発明のおしゃぶりの乳首部材は、経口投与を許容する適当な弾性材料から形成できる。そうした材料は当業者には公知である。好適な材料としては、たとえば、ゴムあるいはプラスチック材料、たとえばポリウレタン、シリコーン、アクリル樹脂、ポリエチレンあるいは塩化ビニル樹脂が挙げられる。この材料は、幼児または患者の口腔内へ有効成分を供給可能とするために、多孔性のものであるかあるいは透過性を有するものであることが望ましい。たとえば、乳首部材は、図1、図2、図4、図5a、図6および図7に示すように、一連の穿孔または小孔(たとえば孔105およびスリット106)を含むことができる。孔は、フィルムを溶解させ口腔内に有効成分を放出するために、唾液が乳首部を通過することを可能とするのに十分な大きさである限り、極めて小さなものであってもよい。だが、孔は有効成分の異なる放出特性を実現するために望む限り大きなものであってもよい。たとえば、ある有効成分を素早く放出させることが望ましいであろうし、一方、他の有効成分は、よりゆっくりとした制御された放出によって一層効果的に作用し得る。さらに、異なる放出特性を実現するために、材料はすっかり多孔状であっても、あるいはある領域において選択的に多孔状であってもよい。
【0019】
有効成分は、望ましくは、乳首部材の貯蔵室またはチャンバー内に収容された薄フィルムから放出される。さらに詳しく言うと、幼児または患者が乳首部を吸うことによって、唾液は、乳首部の多孔質材を経て薄フィルムに到達できる。唾液はフィルムを溶解させ、それに含まれる有効成分は口腔内に放出される。さらに、材料は半透明であってもよく、これによってユーザーはフィルムが溶けてしまったかどうかを視覚的に確認できる。乳首部材のサイズおよび形状は、異なる年齢のグループに、あるいは獣医学における使用に関してさまざまな動物に適応させるために変更可能である。
【0020】
乳首部材100内の貯蔵室130は薄フィルムを収容するのに適したものである。貯蔵室は、乳首部材を中空とするようなものか、あるいは一片の薄フィルムにぴったり合うサイズとなったチャンバーであってもよい。概して、フィルムは、乾燥時、約3μmないし約250μmの、すなわち約0.1ミル(mil)ないし約10ミル(mil)の厚みを有する。望ましくは乾燥フィルムは約2ミルないし約8ミルの、より好ましくは約3ミルないし約6ミルの厚みを有する。したがって、貯蔵室は、約0.1ミルよりも僅かに大きな値から約10ミルよりも僅かに大きな値までの厚みを有することができる。貯蔵室は、薄フィルム自体を収容するのに適した、いかなる形状を有することもできる。たとえば、図3に示すように、貯蔵室130は概して平坦な形状を有することができる。図5bに示すものでは、乳首部材は概して中空である。貯蔵室は直角あるいは丸みのある縁部を有することができる。
【0021】
ある実施形態では、一度に1枚以上のフィルムを収容するために、乳首部材が複数の貯蔵室を含むことが好ましいであろう。たとえば、幼児または患者に、同時に、一つ以上の有効成分を供給することが望ましいであろう。この場合、それぞれ異なる有効成分を含む個々のフィルムは、乳首部材の別個の貯蔵室内に装填することができる。これに代えて、水などの液体を一つの貯蔵室に含み、そしてフィルムを他の貯蔵室に含むことも好ましいであろう。液体は、幼児または患者が乳首部材を吸うときに、フィルムの迅速な溶解を促進する。他の実施形態では、幼児または患者の唾液は液体源として機能する。
【0022】
フィルムは貯蔵室内で自立していてもよく、あるいは図6に示すように、保持機構、たとえば(ただしこれに限定されない)クリップあるいは保持フィンガーによって適所に保持することができる。図6に示すように、保持フィンガー125は乳首部材100の内面に配置されている。これに代えて、保持フィンガー125を、図7に示すように、ベース部材200の凹状面上に配置することもできる。これによってフィルムは、いったん乳首部材がベース部材に取り付けられると、貯蔵室内の適所に保持される。ここで、代替的保持手段も考えられ、それは当業者には明白であろう。
【0023】
ある実施形態では、フィルムは、乳首部材内にぴったりと嵌まりかつそれと係合するよう、前もって成形された巻回形状を有していてもよい。これに代えて、フィルムを平坦な形状で製造し、そして乳首部材内への装填のために丸めることもできる。丸められた(巻回された)フィルムは、乳首部材の一部にあるいはその内面全体に当接するようなものとすることができる。
【0024】
本発明の他の実施形態によれば、おしゃぶりの乳首部材は、図4に示すように、乳首部の外面のフラップ140によって形成された少なくとも一つのチャンバーを備える。たとえば、一つ以上のフラップ140は、乳首部材の表面の小さな切込みによって形成できる。薄フィルムをそれぞれのフラップに差し込むことができる。上述した実施形態と同様に、乳首部材の素材は多孔状のものであってもよく、これによってフィルムから口腔内へ有効成分の放出が可能となる。
【0025】
本発明のさらに他の実施形態は、図6に示すような、哺乳ビンに対して取り付けるための乳首部材を提供する。上記実施形態に関して説明したように、乳首部材100は、有効成分を含む薄フィルムを収容するよう構成された貯蔵室130を備えることができる。さらに詳しく言うと、乳首部材100は図6から分かるように中空である。フィルムは乳首部材のベース115から中空乳首部材の中に装填され、そして保持フィンガー125によって乳首部の内面に対して適所で保持される。乳首部自体の内面に対してフィルムを保持することによって唾液または液体が迅速にフィルムに達することが可能となり、これは有効成分の素早い放出の助けとなる。乳首部材も同様に、図6に孔105によって示すように、多孔質または透過性材料から形成される。ビンの中の液体を飲むために幼児が乳首部を吸うとき、幼児の唾液および液体がフィルムを溶解させるために協働で作用し、これによって有効成分が口腔内に放出される。哺乳ビン用の乳首部材は、使い捨てとすることも、あるいは必要に応じて別なフィルムを再装填することによって再使用可能とすることもできる。
【0026】
本発明の実施形態で用いられる有効成分は、それを必要とする幼児または患者に対して投与するのに適した、いかなるものであってもよい。望ましくは有効成分は、固形状のもの、たとえば粒子、パウダー、溶解性タブレット、あるいは最も好ましくは薄フィルムである。非限定的な有効成分の例としては、製薬および化粧有効成分、薬品、薬物、ブタクサ花粉・胞子・微生物・種子のようなアンチゲンまたはアレルゲン、口内洗浄剤成分、香味料(フレーバー)、芳香料、酵素、保存薬(防腐剤)、甘味料、着色剤、スパイス、ビタミンおよびサプリメントならびにその組み合わせが挙げられる。適当な有効成分は、本出願人による、2002年2月14日に提出された同時係属米国出願第10,074,272号明細書、2004年1月30日に提出された同時係属米国出願第10/768,809号明細書、そして2004年5月28日に提出された同時係属米国出願第10/856,176号明細書に、より完全に開示されている(その全体がこの引用によって本明細書に組み込まれる)。幼児への供給に特に好適な有効成分としては、アスピリン、ベンゾカイン、リドカイン、ジフェンヒドラミン、シメチコン、ビタミンおよび感冒・咳薬が挙げられる。他の好適な有効成分としては、たとえばフェンタニルを含む麻薬性鎮痛薬などの痛み治療用の薬剤が挙げられる。ある実施形態は非常用あるいは解毒用途に適合させられ、したがってたとえば有効成分として解毒剤を含む。他の実施形態では、たとえば(ただしこれに限定されない)インフルエンザおよび西ナイルウイルスワクチンのような粘膜作用ワクチンを含むことも望ましいであろう。
【0027】
有効成分を含む薄フィルムは、先に言及した米国出願第10,074,272号明細書、第10/768,809号明細書および第10/856,176号明細書に開示されたフィルムであってもよい。これらの出願は、薄フィルムおよびそうしたフィルムの製造方法を詳細に説明するものである。
【0028】
さらに、さまざまな任意の成分を、先に言及した米国出願第10,074,272号明細書、第10/768,809号明細書および第10/856,176号明細書に開示したように、薄フィルムに混ぜ込むことができる。非限定的な例としては、泡消し剤、顔料、着色剤、甘味料、香味料などを挙げることができる。
【0029】
本発明はまた、幼児または患者の口腔に有効成分を供給するための方法に関する。それによれば、有効成分を含む少なくとも1枚の薄フィルムが提供される。薄フィルムは多孔状の乳首部材の貯蔵室またはチャンバー内に装填できる。フィルムは、乳首部材のネックを経て装填できる。フィルムは自立していてもよく、あるいは保持部材によって適所に留められるか保持されてもよい。使い切り(すなわち使い捨て)実施形態では、最終おしゃぶり器具がベース部材と共に製造される。再使用可能な実施形態では、多孔状の乳首部材はベース部材に取り付けることができ、これによっておしゃぶり器具が形成される。乳首部材およびベース部材が結合されるか、あるいは使い捨て式おしゃぶりとして製造されると、おしゃぶりは幼児または患者に経口投与できる。幼児または患者の唾液が多孔状の乳首部材に浸透し、薄フィルムを溶解させる。ある実施形態によれば、フィルムの溶解は貯蔵室またはチャンバーを湿らせることによって促進される。フィルムに含まれる有効成分は、これによって幼児または患者の口腔内に放出される。
【0030】
薄フィルムが溶解し、有効成分が完全に放出されると、幼児または患者の口腔から、おしゃぶりは取り出されることになる。先に説明したように、乳首部材を形成する部材は半透明とすることができ、これによってユーザーはフィルムが十分に消費されたかどうかを確認できるようになる。再使用可能な実施形態では、乳首部材は、必要に応じて他の薄フィルムの投与のためにベース部材から取り外されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態による再使用可能なおしゃぶりの側面図である。
【図2】本発明の一実施形態による使い切りおしゃぶりの側面図である。
【図3】図1の線3‐3に沿って取った乳首部材内の貯蔵室の断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による貯蔵室またはチャンバーにアクセスするための挿入フラップを備えたおしゃぶりの側面図である。
【図5a】本発明の一実施形態による中空貯蔵室を備えた再使用可能な乳首部材の側面図である。
【図5b】図5aの線5‐5に沿って取った乳首部材内の貯蔵室の断面図である。
【図6】本発明の一実施形態による哺乳ビン用の乳首部の側面図である。
【図7】本発明の一実施形態によるベース部上に保持フィンガーを備える再使用可能なおしゃぶりの側面図である。
【図8】本発明の一実施形態による乳首部材のネック内にぴったり嵌まるよう構成された中実プラグの側面図である。
【符号の説明】
【0032】
10 おしゃぶり
100 乳首部材
105 孔
106 スリット
110 乳首部
115 ベース
120 ネック
125 保持フィンガー
130 貯蔵室
140 フラップ
200 ベース部材
210 シールド
220 取り付け部材
230 ハンドル部材
300 中実プラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幼児または患者に有効成分を供給するための再使用可能な、おしゃぶりであって、
乳首部とネックとを具備してなると共に、有効成分を具備してなる薄フィルムを収容するための少なくとも一つの貯蔵室を内部に有する有孔状の乳首部材と、
前記乳首部材の前記ネックに対して取り外し可能に取り付けられ、かつ幼児の口腔の外に留まるよう構成されたベース部材と、を具備してなることを特徴とする再使用可能なおしゃぶり。
【請求項2】
前記ベース部材は、
凹状面および凸状面を有するシールドと、
前記乳首部材との係合のため前記シールドの前記凹状面の上に配置される取り付け部材と、を具備してなることを特徴とする請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項3】
前記ネックおよび前記取り付け部材は、ネジ式係合部を具備してなることを特徴とする請求項2に記載のおしゃぶり。
【請求項4】
前記ネックおよび前記取り付け部材は、スナップ嵌合するようになっていることを特徴とする請求項2に記載のおしゃぶり。
【請求項5】
前記ネックおよび前記取り付け部材は、バイオネット式ロック嵌合するようになっていることを特徴とする請求項2に記載のおしゃぶり。
【請求項6】
前記ベース部材は、前記シールドの前記凸状面に対して取り付けられたハンドルをさらに具備してなることを特徴とする請求項2に記載のおしゃぶり。
【請求項7】
前記貯蔵室は、約0.1ミル(mil)ないし約10ミル(mil)の厚みを有する薄フィルムを収容するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項8】
前記乳首部材の前記ネック内にぴったり嵌まる形状となった中実プラグをさらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項9】
幼児または患者に有効成分を供給するための再使用可能な、おしゃぶりであって、
乳首部とネックとを具備してなると共に、その内部に少なくとも一つの貯蔵室を有する有孔状の乳首部材と、
前記貯蔵室内に収容された薄フィルムであって、有効成分を具備してなる薄フィルムと、
前記乳首部材の前記ネックに対して取り外し可能に取り付けられ、かつ幼児の口腔の外に留まるよう構成されたベース部材と、を具備してなることを特徴とする再使用可能なおしゃぶり。
【請求項10】
有効成分は、製薬剤、化粧剤、薬品、薬物、解毒剤、ワクチン、アンチゲンまたはアレルゲン、口内洗浄剤成分、香味料、芳香料、酵素、保存薬、甘味料、着色剤、スパイス、ビタミン、およびその組み合わせからなる群から選ばれたものであることを特徴とする請求項9に記載のおしゃぶり。
【請求項11】
有効成分は、アスピリン、ベンゾカイン、リドカイン、ジフェンヒドラミン、シメチコン、ビタミン、感冒・咳薬、およびその組み合わせからなる群から選ばれたものであることを特徴とする請求項9に記載のおしゃぶり。
【請求項12】
有効成分はフェンタニルを具備してなることを特徴とする請求項9に記載のおしゃぶり。
【請求項13】
前記薄フィルムは巻回形状を有することを特徴とする請求項9に記載のおしゃぶり。
【請求項14】
幼児または患者に有効成分を供給するための使い切りおしゃぶりであって、
幼児の口腔の外に留まるよう構成されたベース部材であって、凹状面および凸状面を有するシールドを具備してなるベース部材と、
前記ベース部材の前記凹状面上に配置される有孔状の乳首部材であって、その内部に少なくとも一つの貯蔵室を有する乳首部材と、
前記貯蔵室内に収容された薄フィルムであって、有効成分を具備してなる薄フィルムと、を具備してなることを特徴とする使い切りおしゃぶり。
【請求項15】
おしゃぶりを収容する気密密閉パッケージをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載のおしゃぶり。
【請求項16】
幼児または患者に有効成分を供給するための再使用可能な、おしゃぶりであって、
幼児の口腔の外に留まるよう構成されたベース部材であって、凹状面および凸状面を有するシールドを具備してなるベース部材と、
前記ベース部材の前記凹状面上に配置される有孔状の乳首部材であって、有効成分を具備してなる薄フィルムを収容するための少なくとも一つのチャンバーを形成する少なくとも一つのフラップを有する乳首部材と、を具備してなることを特徴とする再使用可能なおしゃぶり。
【請求項17】
前記少なくとも一つのフラップは前記乳首部の外面に配置されており、前記チャンバー内に前記フィルムを配置することを可能とするようになっていることを特徴とする請求項16に記載の再使用可能なおしゃぶり。
【請求項18】
前記少なくとも一つのチャンバー内に収容された少なくとも一つの薄フィルムをさらに具備してなり、前記フィルムは有効成分を具備してなることを特徴とする請求項16に記載の再使用可能なおしゃぶり。
【請求項19】
幼児に有効成分を供給するための哺乳ビン乳首部であって、
乳首部およびネックを具備してなりかつその内部に少なくとも一つの貯蔵室を有する有孔状の乳首部材であって、前記ネックが哺乳ビンに対して取り外し可能に取り付けられるよう構成されている乳首部材と、
前記貯蔵室内に収容された薄フィルムであって、有効成分を具備してなる薄フィルムと、を具備してなることを特徴とする哺乳ビン乳首部。
【請求項20】
幼児または患者に有効成分を供給するための方法であって、
有効成分を具備してなる薄フィルムを提供するステップと、
有効成分を具備してなる薄フィルムを収容するための貯蔵室またはチャンバーを有する、おしゃぶりの有孔状の乳首部材を提供するステップと、
前記薄フィルムを、前記有孔状の乳首部材の前記貯蔵室またはチャンバー内に装填するステップと、
幼児または患者に、おしゃぶりを経口投与し、これによって前記薄フィルムを溶解させて、口腔内に有効成分が放出されることを可能とするステップと、を具備することを特徴とする方法。
【請求項21】
前記薄フィルムを収容する前記貯蔵室またはチャンバーを濡らし、前記フィルムの溶解を促進させるステップをさらに具備してなることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記有孔状の乳首部材は、液体を収容する貯蔵室またはチャンバーをさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記有孔状の乳首部材をベース部材に対して取り付けるステップをさらに具備してなり、前記乳首部材は前記ベース部材上に配置された取り付け部材と係合するネックを具備してなるものであることを特徴とする請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−512216(P2008−512216A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531464(P2007−531464)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/032746
【国際公開番号】WO2006/031887
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(504322976)モノソル・アールエックス・エルエルシー (12)
【Fターム(参考)】