薄型リチウム空気電池用格納容器
【課題】本発明は、リチウム金属やリチウムイオンを含む電解液の爆発的な反応(発火)を抑制し、安全性を高めた薄型リチウム空気電池用格納容器を提供することを課題とする。
【解決手段】薄型リチウム空気電池101を格納する格納室201を備えた薄型リチウム空気電池用格納容器であって、格納室201内に連通する第1のガス管202B及び第2のガス管202Dと、格納室201内に格納する薄型リチウム空気電池101内に連通する第3のガス管202A及び第4のガス管202Cと、第3の配管202Aに格納室201内との連通を開閉制御するバルブ204Cとを有し、第1のガス管202Bに不活性ガス供給源が取り付けられており、第3のガス管202Aに空気又は酸素ガス供給源が取り付けられている薄型リチウム空気電池用格納容器1001を用いることによって前記課題を解決できる。
【解決手段】薄型リチウム空気電池101を格納する格納室201を備えた薄型リチウム空気電池用格納容器であって、格納室201内に連通する第1のガス管202B及び第2のガス管202Dと、格納室201内に格納する薄型リチウム空気電池101内に連通する第3のガス管202A及び第4のガス管202Cと、第3の配管202Aに格納室201内との連通を開閉制御するバルブ204Cとを有し、第1のガス管202Bに不活性ガス供給源が取り付けられており、第3のガス管202Aに空気又は酸素ガス供給源が取り付けられている薄型リチウム空気電池用格納容器1001を用いることによって前記課題を解決できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型リチウム空気電池用格納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
空気電池は、固体正極材(空気極)と、金属箔又は金属微粒子からなる負極材と、液体又は固体の電解質とを有し、前記空気電池内に設けられたガス流路を流れる空気又は酸素ガスを正極活物質として用い、前記金属箔又は金属微粒子を負極活物質として用いる電池である。
【0003】
空気電池技術は複数提案されているが、近年特にリチウム空気電池の研究開発が活発となっている(特許文献1〜6)。充電して繰り返し使える2次電池化ができる上、既に実用化されているリチウムイオン電池に比べ、単位重量あたりのエネルギー密度を大幅に向上させることができるからである。
【0004】
空気電池技術のうち、亜鉛空気電池が実用化されている(特許文献7)。しかし、亜鉛空気電池は充電ができない1次電池で、軽量ながら小容量であるため主として補聴器用に用いられており、大容量化は必要なく、そのため小型な金属製の筐体に格納することで性能を実現している。
【0005】
空気電池の一種として、燃料電池を挙げることができる。燃料電池においては、バイポーラプレートと呼ばれるセパレータを介して、複数のセルが積層される。バイポーラプレートには、負極用の燃料流と正極用の空気流の2つの流路を仕切る機能と、積層されたセルを電気的に直列接続する機能がある(非特許文献1)。
積層した電池セルを大容量にするためには並列接続する必要があるが、バイポーラプレートはその用途には向かない上、非常に厚く、積層した際の体積が大きくなってしまう問題があった。
【0006】
本発明者は、薄型セパレータ及び薄型負極構造体と積層しても、正極構造体内に正極活物質となる空気又は酸素ガスを効率よく取り込むことができる薄型正極構造体を開発した。前記薄型正極構造体を薄型負極構造体及び薄型セパレータとともに用いることにより、大容量で薄型リチウム空気電池を製造できることを見出した。
【0007】
図1は、前記薄型リチウム空気電池の従来の使用方法の一例を示す説明図である。図1に示すように、薄型リチウム電池101は、格納容器2201内に格納されて使用される。格納容器2201はガス排気管2202B及びガス供給管2202Aが取り付けられており、ガス排気管2202Bおよびガス供給管2202A以外の部分は密閉されている。ガス排気管2202Bに接続したポンプ2203により、格納容器2201内を減圧可能とされている。格納容器2201内を減圧後、ガス排気管2202Bのバルブ2204を閉じ、ガス供給部(図示略)からポンプ2203を動作させることにより、格納容器2201内を空気又は酸素ガスで充填することができる。格納容器2201内に空気又は酸素ガスを充填すると、薄型リチウム電池101の収納容器の開口部99から薄型正極構造体内に空気又は酸素ガスを供給することができ、電池反応を開始させることができる。格納容器2201内で、薄型リチウム空気電池101の2つのタブ97、98は、ブレード2205、2206に接続されている。ブレード2205、2206は出力端子2207、2208に接続されており、出力端子2207、2208から薄型リチウム空気電池101で発生させた電力を取り出すことができる。
【0008】
しかし、図1に示した従来型の格納容器2201内部は正極活物質で満たされ、かつ薄型リチウム空気電池101に開口部があるため、内部で電解液もしくは負極材である金属Liが酸素や空気と直接反応する危険性は小さいとは言えず、安全性に関する問題が残されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−192313号公報
【特許文献2】特開2011−96456号公報
【特許文献3】特開2011−108388号公報
【特許文献4】特開2011−108512号公報
【特許文献5】特開2011−96586号公報
【特許文献6】特開2011−96492号公報
【特許文献7】特表2008−502118号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】田川博章「固体酸化物燃料電池と地球環境」、p60、アグネ承風社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、薄型リチウム空気電池の動作時における構成部材の急激な酸化発熱反応(発火)を抑制し、安全性を高めた薄型リチウム空気電池用格納容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記事情を鑑みて、本研究者は試行錯誤して、薄型リチウム空気電池に正極活物質である酸素や空気を効率的に供給しながら、電池の温度や圧力等をセンサでモニタすることにより危険度を認識し、危険な状態においては予め格納容器内に充填しておいた不活性ガスと正極活物質を自動置換して急激な酸化反応の進行を停止することにより、安全性を高められることを見出した。また、不活性ガスを充填した格納容器内の薄型リチウム空気電池に、効率よく空気又は酸素ガスを供給できる連結部材及び連結補助部材を開発し、酸素や空気をさらにセル内部に効率的に輸送することを実現すると同時に、危険な状態における不活性ガスによる自動置換の効率をも高めることができることを見出した。更に、複数の連結部を備えた連結部材及び/又は連結補助部材を用いることにより、複数の薄型リチウム空気電池を直列または並列に接続して出力電圧や容量をさらに高めることができる上、安定に保持し、より安全性を高めることができることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下の構成を有する。
【0013】
(1)薄型リチウム空気電池を格納する格納室を備えた薄型リチウム空気電池用格納容器であって、前記格納室内に連通する第1のガス管及び第2のガス管と、前記格納室内に格納する薄型リチウム空気電池内に連通する第3のガス管及び第4のガス管と、前記第3の配管に前記格納室内との連通を開閉制御するバルブとを有し、前記第1のガス管に不活性ガス供給源が取り付けられており、前記第3のガス管に空気又は酸素ガス供給源が取り付けられていることを特徴とする薄型リチウム空気電池用格納容器。
【0014】
(2)前記格納室内にセンサが備えられ、前記センサが所定の閾値を超えたときに前記バルブを開け、前記薄型リチウム空気電池内に不活性ガスを供給することを特徴とする(1)に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
(3)前記センサがガス成分センサ、圧力センサ及び温度センサのいずれか又はこれらのセンサの組み合わせであることを特徴とする(2)に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
(4)前記第2のガス管及び前記第4のガス管に排気機構が取り付けられていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【0015】
(5)前記第3のガス管及び/又は前記第4のガス管に薄型リチウム空気電池を連結する連結部材が取り付けられていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
(6)前記連結部材が、前記第3のガス管に連結する第1の連結部と、前記第4のガス管に連結する第2の連結部と、前記第1の連結部及び前記第2の連結部に連通するガス流通部と、薄型リチウム空気電池を連結する電池連結部と、を有することを特徴とする(5)に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【0016】
(7)前記連結部材が、前記第3のガス管又は前記第4のガス管に嵌合する第3の連結部と、前記第3の連結部に連通するガス流通部と、薄型リチウム空気電池を連結する電池連結部と、を有することを特徴とする(5)に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
(8)前記電池連結部が、薄型リチウム空気電池の収納容器の開口部を含む部分を嵌合することを特徴とする(5)又は(6)に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【0017】
(9)前記電池連結部が、薄型リチウム空気電池の正極基材を嵌合することを特徴とする(5)又は(6)に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
(10)前記第3のガス管及び前記第4のガス管と連結部材との間に連結補助部材が取り付けられていることを特徴とする(5)〜(9)のいずれかに記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【0018】
(11)前記連結補助部材が、前記第3のガス管又は前記第4のガス管に連結する補助連結部と、前記連結部材に連結する部材連結部と、を有することを特徴とする(10)に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
(12)前記部材連結部が2以上設けられていることを特徴とする(11)に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【発明の効果】
【0019】
本発明の薄型リチウム空気電池用格納容器は、薄型リチウム空気電池を格納する格納室を備えた薄型リチウム空気電池用格納容器であって、前記格納室内に連通する第1のガス管及び第2のガス管と、前記格納室内に格納する薄型リチウム空気電池内に連通する第3のガス管及び第4のガス管と、前記第3のガス管に前記格納室内との連通を開閉制御するバルブと、を有し、前記第1のガス管に不活性ガス供給源が取り付けられており、前記第3のガス管に空気又は酸素ガス供給源が取り付けられている構成なので、電池動作時に不活性ガスを充填した格納容器内に薄型リチウム空気電池を格納することができ、発熱等の不良動作時に電池内部の正極活物質である空気又は酸素を不活性ガスに置換できることができ、電解質あるいは金属Liとの爆発的な反応を抑制し、安全性を高めることができる。また、不活性ガスに満たされた格納室を備えているので、発熱等の異常が急激に発生し、電池内部の空気又は酸素を不活性ガスに置換する工程が間に合わずに薄型リチウム空気電池の爆発が生じたとしても、被害を抑制することができる。
【0020】
本発明の薄型リチウム空気電池用格納容器は、前記格納室内にセンサが備えられ、前記センサが所定の閾値を超えたときに前記バルブを開け、前記薄型リチウム空気電池内に不活性ガスを供給する構成なので、不活性ガスを充填した格納容器内に、薄型リチウム空気電池を格納し、異常時に第3のガス管に取り付けられた開閉バルブを開けることにより、リチウム空気電池内の正極活物質を不活性ガスに置換して、電池反応を停止させ、リチウムの発火を抑制し、安全性を高めることができる。
【0021】
本発明の薄型リチウム空気電池用格納容器は、前記第3のガス管及び/又は前記第4のガス管に薄型リチウム空気電池を連結する連結部材が取り付けられている構成なので、不活性ガスを充填した格納容器内に格納した薄型リチウム空気電池に空気又は酸素ガスを安定に、かつ効率的に供給でき、電解質とリチウムの発火を抑制し、安全性を高めた状態で電池反応をさせることができる。
【0022】
本発明の薄型リチウム空気電池用格納容器は、前記第3のガス管及び前記第4のガス管と連結部材との間に連結補助部材が取り付けられており、前記連結補助部材が、前記第3のガス管又は前記第4のガス管に連結する補助連結部と、前記連結部材に連結する部材連結部と、を有し、前記部材連結部が2以上設けられている構成なので、2以上の薄型リチウム空気電池を安定に固定することができ、安全性を高めた状態で電池反応をさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来型の実施形態である薄型リチウム空気電池格納容器の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器の一例を示す模式図である。
【図3】図2に示す薄型リチウム空気電池の斜視図である。
【図4】図2示す薄型リチウム空気電池の図であって、断面図(a)及び(a)におけるA部拡大図(b)である。
【図5】薄型正極構造体の一例を示す斜視図である。
【図6】図2に示す連結部材の図であって、左側面図(a)、平面図(b)及び正面図(c)である。
【図7】連結部材を取り付けた状態の薄型リチウム空気電池の斜視図である。
【図8】図7に示す連結部材を取り付けた状態の薄型リチウム空気電池の平面図である。
【図9】本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器の別の一例を示す模式図である。
【図10】薄型リチウム空気電池102の斜視図である。
【図11】図10に示す薄型リチウム空気電池102の平面図である。
【図12】図9〜図11に示す連結部材の一例を示す図であって、左側面図(a)、平面図(b)及び正面図(c)である。
【図13】図11のB−B’線における断面図である。
【図14】薄型リチウム空気電池の製造プロセスを説明する図であって、連結部材302A、302Bを取り付け工程図である。
【図15】本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器の更に別の一例を示す模式図である。
【図16】連結補助部材の一例を示す図であって、左側面図(a)、平面図(b)及び正面図(c)である。
【図17】連結補助部材で連結された4枚の薄型リチウム空気電池102の斜視図である。
【図18】実施例1の装置構成を示す模式図である。
【図19】実施例1の異常感知システムの図であって、異常時対応システムにおける各センサからの出力の異常対処動作のシーケンスを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(本発明の第1の実施形態)
<薄型リチウム空気電池用格納容器>
まず、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器について説明する。
図2は、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器の一例を示す模式図である。
図2に示すように、薄型リチウム空気電池用格納容器1001は、薄型リチウム空気電池101を格納可能な格納室201を備えており、第1のガス管202B及び第2のガス管202Dと、第3のガス管202A及び第4のガス管202Cが取り付けられている。格納室201内では、第3のガス管202Aから分岐して第5のガス配管202Eがとりつけられている。
格納室201は密閉型であり、気密性が保たれている。
【0025】
第1のガス管202Bは、格納室201内に連通するように取り付けられている。また、格納室201外の不活性ガス供給源に取り付けられており、ポンプ203Bを操作して、格納室201内に不活性ガスを供給可能とされている。
第2のガス管202Dは、格納室201内に連通するように取り付けられている。また、バルブ204Bを操作して、格納室201内を排気可能とされている。
【0026】
不活性ガス供給源は、不活性ガスタンク、不活性ガス供給ための濃縮器等を有する。不活性ガス供給源として膜分離方式の窒素濃縮器を使う場合は、酸素濃縮器と兼用させてもよい。不活性ガスは、窒素、希ガスである。
【0027】
第3のガス管202Aは、格納室201内の薄型リチウム空気電池101内に連通するように取り付けられている。また、格納室201外の空気又は酸素ガス供給源に取り付けられており、ポンプ203Aを操作して、薄型リチウム空気電池101内に空気又は酸素ガスを供給可能とされている。
第4のガス管202Cは、格納室201内の薄型リチウム空気電池101内に連通するように取り付けられている。バルブ204Aを操作して、格納室201内を排気可能とされている。
第5のガス管202Eは、バルブ204Cを介して第3のガス管202Aと格納室201内を連通するように取り付けられており、バルブ204Cの開閉によりその連通状態を切り替えることができる。電池の正常動作時にはバルブ204Cは閉じられている。
【0028】
空気又は酸素ガス供給源は、酸素ガスタンク、酸素ガス供給ための濃縮器等を有してよい。濃縮器としては、圧縮空気を中空糸状の高分子膜を通すことにより、窒素酸素の透過率差を利用して濃縮する膜分離方式、あるいは活性炭などの吸着材を通すPSA(Pressure Swing Absorption)方式を用いることができる。
【0029】
薄型リチウム空気電池101のタブ97、98はそれぞれ、ブレード205、206に接続されている。ブレード205、206は、出力端子207、208に接続されており、薄型リチウム空気電池101で発生させた電力を出力端子207、208から外部に取り出すことが可能とされている。
【0030】
薄型リチウム空気電池101は、収納容器91と、タブ97、98と、を有している。収納容器91には、開口部99が設けられている。
収納容器91は密閉型であり、気密性が保たれている。収納容器91として、ラミネートパックを用いてもよい。
【0031】
図2に示すように、連結部材301が、薄型リチウム空気電池101と、第3のガス管202Aと、第4のガス管202Cとを連結している。
格納室201内に、センサ210が設置されている。センサ210は配線211により制御機構(図示略)に接続される。制御機構では、閾値を設定して異常を感知できる構成とされている。また、異常を感知した場合、各ガス管に取り付けられたバルブを開閉制御できる構成とされている。センサ210としては、圧力センサ、温度センサ、ガス成分センサのいずれか又はこれらの組み合わせを用いることができる。また、複数のセンサを用いることが好ましい。これらのセンサを設置することにより、内部異常を素早く検知することができる。
【0032】
図3は、図2に示す薄型リチウム空気電池の斜視図である。
図3に示すように、薄型リチウム空気電池101は、収納容器91に収納されており、一端側と他端側からタブ97、98が突出しており、一側面側に開口部99が設けられている。
【0033】
図4は、図3に示す薄型リチウム空気電池の図であって、断面図(a)及び(a)におけるA部拡大図(b)である。
図4(a)に示すように、開口部99から正極基材81が露出されている。また、開口部99から積層体80が露出しないように、隔壁フィルム100が設けられている。
隔壁フィルム100は、有機物もしくは無機物からなる。電解液が存在する電池内部の空間と空気(酸素)が流入する開口部付近の隔壁となる。隔壁フィルム100を設けることにより、漏液と正極活物質が負極周辺に到達することを防止できる。
【0034】
図4(b)に示すように、積層体80は、2つの薄型セパレータ83の間に、3つの単位構造体88が薄型セパレータ83を挟んで積層されてなる。
単位構造体88は、薄型正極構造体86と、薄型セパレータ83と、薄型負極構造体87が積層されてなる。薄型負極構造体87は、負極基材84の両面に負極材85が積層されてなり、薄型正極構造体86は、正極基材81の両面に正極材82が形成されてなる。
【0035】
図5は、薄型正極構造体の一例を示す斜視図である。
図5に示すように、薄型正極構造体86は、集電体として機能する正極基材81の両面に炭素を主成分とする正極材82が形成されてなる。
正極基材81は、略板状であり、両面に溝が形成されている。これらの溝が、その上部に正極材82が配置されることにより、孔部15Aとされている。孔部15Aは正極基材11の側面すべてに連通されている。
【0036】
<連結部材>
図6は、図2に示す連結部材の図であって、左側面図(a)、平面図(b)及び正面図(c)である。
図6に示すように、連結部材301は略円筒状であり、側面に平面視略長方形状に開口された電池連結部301cが設けられている。円筒の先端側には、平面視円形状に開口された第1の連結部301aが設けられている。円筒の他端側には、平面視円形状に開口された第2の連結部301bが設けられている。
【0037】
第1の連結部301a、第2の連結部301b及び電池連結部301cを連通するように、ガス流通部301dが設けられている。
【0038】
図7は、連結部材を取り付けた状態の薄型リチウム空気電池の斜視図である。
図7に示すように、薄型リチウム空気電池101は、一側面に、略円筒状の連結部材301が取り付けられている。
【0039】
図8は、図7に示す連結部材を取り付けた状態の薄型リチウム空気電池の平面図である。
図8に示すように、薄型リチウム空気電池101の一側面は、連結部材301の電池連結部301cに差し込まれ、嵌合されている。前記一側面には、開口部99が設けられている。
図8及び図2で示すように、第1の連結部301aの開口には、第3のガス管202Aが差し込まれ、嵌合される。また、第2の連結部301bの開口には、第4のガス管202Cが差し込まれ、嵌合される。
【0040】
以上の構成により、空気又は酸素ガスは、第3のガス管202Aから、第1の連結部301aを経由して、ガス流通部301d内を流通し、電池連結部301cから開口部99を経由して、薄型リチウム空気電池101内に供給される。このとき、バルブ204Cは閉じられており、第5のガス管202Eから202Aに希ガスは流入しない。
空気又は酸素ガスは、薄型正極構造体86の孔部15A内を流通し、正極材82に取り込まれ、正極材82の細孔内の電解液中のリチウムイオンと電池反応を行う。
反応に関与しない空気又は酸素ガスは、開口部99から電池連結部301cを経由して、ガス流通部301d内を流通し、第2の連結部301bを経由して、第4のガス管202Cから排気される。
【0041】
<薄型リチウム空気電池用格納容器の安全機構>
次に、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器の安全機構について説明する。
まず、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器は、薄型リチウム空気電池用格納容器1001内へ不活性ガスを供給してから(不活性ガス供給工程)、薄型リチウム空気電池へ空気又は酸素ガスを供給して、電池反応をさせる(空気又は酸素ガス供給工程)。薄型リチウム空気電池のまわりを不活性ガスで満たし、爆発を抑制し、安全を確保することができる。具体的には、以下の工程である。
【0042】
(不活性ガス供給工程)
まず、図2に示す薄型リチウム空気電池用格納容器1001において、バルブ204Bを開として、ガス管202Dに接続した真空ポンプ(図示略)を動作させて、格納室201内を排気する。
次に、バルブ204Bを閉とした後、ポンプ203Bを操作して、第1のガス管202Bから格納室201内に不活性ガスを供給する。
不活性ガス供給工程では、バルブ204Bの開閉の割合を操作しながら、第2のガス管202Dからの排気量を調整して、格納室201内の不活性ガス圧を調整することが好ましい。
【0043】
(空気又は酸素ガス供給工程)
次に、204Aを開、204Cを閉として、ガス管202Cに接続された真空ポンプ(図示略)を動作させて、薄型リチウム空気電池101内を排気する。
次に、バルブ204Aを閉とした後、ポンプ203Aを操作して、第3のガス管202Aから薄型リチウム空気電池101内に空気又は酸素ガスを供給する。
空気又は酸素ガス供給工程では、バルブ204Aの開閉の割合を操作しながら、第4のガス管202Cからの排気量を調整して、薄型リチウム空気電池101内の空気又は酸素ガス圧を調整することが好ましい。
【0044】
以上の工程により、電池反応をさせるのに十分な量の空気又は酸素ガスを、薄型リチウム空気電池101内に供給することができる。
【0045】
(不活性ガスによるパージ工程)
また、異常時において、薄型リチウム空気電池内を不活性ガスでパージする安全機構を有する。
異常時は、格納室内のセンサに所定の閾値を設定し、その閾値を超えたときとする。このとき、第3のガス管のバルブを開け、前記薄型リチウム空気電池内に不活性ガスを供給する。これにより、爆発を抑制し、安全を確保することができる。
【0046】
具体的には、発熱等の異常が発生し、放電を緊急停止する必要がある場合には、バルブ204Aを開とし、バルブ202Eを開とすることにより、格納容器201に充満した希ガスにより薄型リチウム空気電池101内に充満した空気もしくは酸素をパージし置換することにより、電池放電動作を停止させることができる。
前記緊急時停止動作が異常な発熱反応速度に対して遅れてしまった場合においても、薄型リチウム空気電池101は不活性ガスを充填した格納室201内に格納されているので、薄型リチウム空気電池101内への水分の入り込みは完全に防止され、リチウムの発火を抑制し、従来に比べ安全性を高めて電池反応させることができる。
また、薄型リチウム空気電池101は薄型リチウム空気電池用格納容器1001で覆われているので、仮に薄型リチウム空気電池内で爆発反応等が生じたとしても、被害を防止することができる。
【0047】
(本発明の第2の実施形態)
<薄型リチウム空気電池用格納容器>
図9は、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器の別の一例を示す模式図である。
図9に示すように、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1002は、連結部材302A、302Bが取り付けられた薄型リチウム空気電池102が格納されており、ガス管の配置構成が異なる他は本発明の第1の実施形態と概略同様の構成とされている。
【0048】
図10は、薄型リチウム空気電池102の斜視図である。図11は、図10に示す薄型リチウム空気電池102の平面図である。
図10及び図11に示すように、薄型リチウム空気電池102は、収納容器92に収納されており、一端側と他端側からタブ97、98が突出している。
連結部材302A、302Bは、その大部分が収納容器92の内側にとなるように配置され、それぞれ反対方向に収納容器91から突出するように配置されている。
【0049】
図12は、図9〜図11に示す連結部材の一例を示す図であって、左側面図(a)、平面図(b)及び正面図(c)である。
図12に示すように、連結部材302Aは略円筒状であり、側面に平面視略長方形状に開口された電池連結部302Acが設けられている。先端側には、平面視円形状に開口された第3の連結部302Aaが設けられている。他端側は、閉口されている。第3の連結部302Aa及び電池連結部302Acを連通するように、ガス流通部302Adが設けられている。
【0050】
なお、連結部材302Bも同様の構成である。すなわち、側面に平面視略長方形状に開口された電池連結部が設けられている。先端側には、平面視円形状に開口された第3の連結部が設けられている。他端側は、閉口されている。第3の連結部及び電池連結部を連通するように、ガス流通部が設けられている。
【0051】
図13は、図11のB−B’線における断面図である。
図13に示すように、積層体80は、両側で正極基材81のみが突出するように形成されている。また、正極基材81の突出された部分を嵌合するように連結部材302A、302Bが取り付けられている。また、隔壁フィルム100が正極基材81の間を塞ぐように配置されている。更に、連結部材302A、302B及び積層体80の一部を封止フィルム73が覆っている。
【0052】
封止フィルム73は、正極活物質である空気や酸素に対するバリア性を有するフィルムを用いる。隔壁フィルム100と同じ材質のフィルムを用いることができる。隔壁フィルム100の少なくとも表面は電気的絶縁性の高い材質であることが好ましい。図12では、一部のみを覆うように形成されているが、電気的絶縁性の高い材質の隔壁フィルム100を用いた場合には、積層体80を完全に覆うようにしてもよい。これにより、空気又は酸素ガスの漏洩をより低減でき、電池の反応効率を向上させることができる場合がある。
【0053】
図14は、薄型リチウム空気電池の製造プロセスを説明する図であって、連結部材302A、302Bを取り付け工程図である。
まず、積層体80を用意し、正極基材81の突出された部分の間を隔壁フィルム100で塞ぐ。
次に、図14(a)、(b)に示すように、正極基材81の突出された部分を電池連結部302Ac等で嵌合するように連結部材302A、302Bを取り付ける。
次に、図14(c)に示すように、積層体80及び連結部材302A、302Bを追うように封止フィルム73を貼り付ける。
次に、封止フィルム73を貼り付けた積層体80及び連結部材302A、302Bを収納容器92内に配置して、薄型リチウム空気電池を製造することができる。
【0054】
なお、連結部材302A、302Bの外面に封止フィルム73をあらかじめ貼り付けておくことが好ましい。これにより、組立工程における位置ずれを抑制でき、作業効率を高めることができる。
【0055】
図9で示すように、連結部材302Aの第3の連結部302Aaの開口には、第3のガス管202Aが差し込まれ、嵌合される。また、連結部材302Bの第3の連結部の開口には、第4のガス管202Cが差し込まれ、嵌合される。
【0056】
以上の構成により、空気又は酸素ガスは、第3のガス管202Aから、第3の連結部302Aaを経由して、ガス流通部302Ad内を流通し、電池連結部302Acから正極基材81を経由して、薄型リチウム空気電池102内に供給される。
空気又は酸素ガスは、薄型正極構造体86の孔部15A内を流通し、正極材82に取り込まれ、正極材82の細孔内の電解液中のリチウムイオンと電池反応を行う。
反応に関与しない空気又は酸素ガスは、正極基材81から電池連結部302Acを経由して、ガス流通部302Ad内を流通し、連結部材302Bの第3の連結部を経由して、第4のガス管202Cから排気される。
動作異常時には、第1の実施形態と同様に、バルブ204Aを開とし、バルブ202Eを開とすることにより、格納容器201に充満した希ガスにより薄型リチウム空気電池102内に充満した空気もしくは酸素をパージし置換することにより、電池放電動作を停止させることができる。
本実施形態の構成により、薄型リチウム空気電池102内の空気又は酸素の輸送効率が高まるとともに、動作異常時のガス置換効率も高まることになり、より安全な動作を実現することができる。
【0057】
(本発明の第3の実施形態)
<薄型リチウム空気電池用格納容器>
図15は、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器の更に別の一例を示す模式図である。
図15に示すように、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1003は、4枚の薄型リチウム空気電池102が格納され、これらが連結補助部材303A、303Bで連結されている他は本発明の第2の実施形態と概略同様の構成とされている。
【0058】
図16は、連結補助部材の一例を示す図であって、左側面図(a)、平面図(b)及び正面図(c)である。
図16に示すように、連結補助部材303Aは、6本の円筒状部材が連結された構造である。
図16(a)に示すように、平面視円形状に開口された補助連結部303Aaが設けられている。
図16(b)に示すように、補助連結部303Aaは1本の円筒状部材の先端部分に設けられており、基端側は別の円筒状部材に連結されている。別の円筒状部材には4本の円筒状部材が連結されている。4本の円筒状部材の先端側には、平面視円形状に開口された部材連結部303Ac1、303Ac2、303Ac3、303Ac4が設けられている。
【0059】
別の円筒状部材の内部には、ガス流通部303Adが設けられている。ガス流通部303Adは、補助連結部303Aa、部材連結部303Ac1、303Ac2、303Ac3、303Ac4に連通されている。
【0060】
図17は、連結補助部材で連結された4枚の薄型リチウム空気電池102の斜視図である。4枚の薄型リチウム空気電池102は直列配列となるように、タブ97、98が、タブ接続基材96によって接続されている。また、連結補助部材303A、303Bにより、4枚の薄型リチウム空気電池102が連結されている。
【0061】
連結補助部材303Aは、部材連結部303Ac1、303Ac2、303Ac3、303Ac4で、4枚の薄型リチウム空気電池102の連結部材302Aに嵌合する。
同様に、連結補助部材303Bも、4枚の薄型リチウム空気電池102に嵌合する。連結補助部材303A、303Bにより、4枚の薄型リチウム空気電池102は安定して保持される。
【0062】
連結補助部材303Aは、補助連結部303Aaで、第3のガス管202Aに嵌合する。同様に、連結補助部材303Bも、補助連結部で、第4のガス管202Cに嵌合する。
【0063】
以上の構成により、空気又は酸素ガスは、第3のガス管202Aから、連結補助部材303A、連結部材302A、正極基材81を経由して、薄型リチウム空気電池102内に供給される。
空気又は酸素ガスは、薄型正極構造体86の孔部15A内を流通し、正極材82に取り込まれ、正極材82の細孔内の電解液中のリチウムイオンと電池反応を行う。
反応に関与しない空気又は酸素ガスは、正極基材81、連結部材302B、連結補助部材303Bを経由して、第4のガス管202Cから排気される。動作異常時には、第1の実施形態と同様に、バルブ204Aを開とし、バルブ202Eを開とすることにより、格納容器201に充満した希ガスにより薄型リチウム空気電池102内に充満した空気もしくは酸素をパージし置換することにより、電池放電動作を停止させることができる。
本実施形態の構成により、薄型リチウム空気電池102内の空気又は酸素の輸送効率が高まるとともに、動作異常時のガス置換効率をも高める事により安全な動作と、より高い出力電圧を実現することができる。
【0064】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1001、1002、1003は、薄型リチウム空気電池101、102を格納する格納室201を備えた薄型リチウム空気電池用格納容器であって、格納室201内に連通する第1のガス管202B及び第2のガス管202Dと、格納室201内に格納する薄型リチウム空気電池101、102内に連通する第3のガス管202A及び第4のガス管202Cと、第3のガス管202Aに格納室201内との連通を開閉制御するバルブ204Cとを有し、前記第1のガス管に不活性ガス供給源が取り付けられており、前記第3のガス管に空気又は酸素ガス供給源が取り付けられている構成なので、不活性ガスを格納容器内に効率的に充填するとともに、薄型リチウム空気電池内に空気又は酸素ガスを安定して、かつ、効率的に供給し、不活性ガスを充填した格納容器内に、薄型リチウム空気電池を格納することができ、発熱等の異常時に薄型リチウム空気電池内の空気又は酸素を不活性ガスと置換する機能を有するので、リチウムの発火を抑制し、安全性を高めることができる。また、格納室を備えているので、仮に薄型リチウム空気電池で爆発等が生じたとしても、被害を抑制することができる。
【0065】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1001、1002、1003は、格納室201内にセンサ210が備えられ、センサ210が所定の閾値を超えたときにバルブ204Cを開け、前記薄型リチウム空気電池内に不活性ガスを供給する構成なので、センサが異常を感知したときに、第3の配管に設けたバルブを開けて、第3のガス管内、薄型リチウム空気電池内、および第4のガス管内へ不活性ガスの供給し、不活性ガスで薄型リチウム空気電池内をパージして、爆発反応を抑制することができる。
【0066】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1001、1002、1003は、センサ210がガス成分センサ、圧力センサ及び温度センサのいずれか又はこれらのセンサの組み合わせである構成なので、センサが異常を感知したときに、第3の配管に設けたバルブを開けて、第3のガス管内、薄型リチウム空気電池内、および第4のガス管内へ不活性ガスの供給し、不活性ガスで薄型リチウム空気電池内をパージして、爆発反応を抑制することができる。
【0067】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1001、1002、1003は、第2のガス管202D及び第4のガス管202Cに排気機構が取り付けられている構成なので、第2のガス管からの排気量を調整して、格納室内の不活性ガス圧を調整することができ、第4のガス管からの排気量を調整して、薄型リチウム空気電池内の空気又は酸素ガス圧を調整することができ、不活性ガスを充填した格納容器内に格納した薄型リチウム空気電池に空気又は酸素ガスを安定して、かつ、効率的に供給できる。
【0068】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1001、1002、1003は、第3のガス管202A及び/又は第4のガス管202Cに薄型リチウム空気電池101、102を連結する連結部材301、302A、302Bが取り付けられている構成なので、不活性ガスを充填した格納容器内に格納した薄型リチウム空気電池に空気又は酸素ガスを安定して、かつ、効率的に供給できる。
【0069】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1001は、連結部材301が、第3のガス管202Aに連結する第1の連結部301aと、第4のガス管202Cに連結する第2の連結部301bと、第1の連結部301a及び第2の連結部301bに連通するガス流通部301dと、薄型リチウム空気電池101を連結する電池連結部301cと、を有する構成なので、不活性ガスを充填した格納容器内に格納した薄型リチウム空気電池に空気又は酸素ガスを安定して、かつ、効率的に供給できる。
【0070】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1002、1003は、前記連結部材302A、302Bが、第3のガス管202A又は第4のガス管202Cに嵌合する第3の連結部302Aaと、第3の連結部302Aaに連通するガス流通部302Adと、薄型リチウム空気電池102を連結する電池連結部302Acと、を有する構成なので、不活性ガスを充填した格納容器内に格納した薄型リチウム空気電池に空気又は酸素ガスを安定して、かつ、効率的に供給できる。
【0071】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器は1001、電池連結部301cが、薄型リチウム空気電池101の収納容器91の開口部99を含む部分を嵌合する構成なので、不活性ガスを充填した格納容器内に格納した薄型リチウム空気電池に空気又は酸素ガスを安定して、かつ、効率的に供給できる。
【0072】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1002、1003は、電池連結部302Acが、薄型リチウム空気電池102の正極基材81を嵌合する構成なので、不活性ガスを充填した格納容器内に格納した薄型リチウム空気電池に空気又は酸素ガスを安定して、かつ、効率的に供給できる。
【0073】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1003は、第3のガス管202A及び第4のガス管202Cと連結部材302A、302Bとの間に連結補助部材303A、303Bが取り付けられている構成なので、2以上の薄型リチウム空気電池を安定に固定することができる。
【0074】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1003は、連結補助部材303A、303Bが、第3のガス管202A及び第4のガス管202Cに連結する補助連結部303Aaと、前記連結部材302A、302Bに連結する部材連結部303Ac1、303Ac2、303Ac3、303Ac4と、を有する構成なので、2以上の薄型リチウム空気電池を安定に固定することができる。
【0075】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1003は、部材連結部303Ac1、303Ac2、303Ac3、303Ac4が4つ設けられている構成なので、4個の薄型リチウム空気電池を安定に固定することができ、安全性を高めた状態で電池反応をさせることができる。
【0076】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で、種々変更して実施することができる。本実施形態の具体例を以下の実施例で示す。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0077】
(実施例1)
<薄型空気リチウム空気電池用格納容器>
図18は、実施例1の装置構成を示す模式図である。
まず、本発明の第2の実施形態で示した薄型空気リチウム空気電池を1個用意した。この収納容器としてはラミネートパッケージを用いた。
【0078】
次に、図18に示すように、連結補助部材をそれぞれ第3のガス管及び第4のガス管に接続してから、出力端子を有する薄型空気リチウム空気電池用格納容器内に格納した。
【0079】
次に、第1のガス管を外部の不活性ガスの供給システムに接続し、第3のガス管を外部の酸素供給ための濃縮器(空気又は酸素ガス供給源:正極活物質供給源)に接続した。
【0080】
次に、ガス供給・排気システムに必要なポンプ及びバルブを接続した。
次に、内部異常検知のための圧力、温度、ガス成分センサを接続した。
【0081】
酸素ガス流路内のガス成分モニタとしてCO2検知器を用いた。その理由は、異常動作に伴い炭化水素系の電解質の分解が起こると予想したからである。
薄型空気リチウム空気電池用格納容器本体にも容器内部の圧力センサ、ガス成分センサを設置し、排気用の排気ポンプおよびバルブを設置した。圧力センサのモニタ値によって排気をするシステムとし、別途防爆弁も追加した(図示略)。圧力センサの異常や動作不良がありうるので、二重の安全性をもたせた。
【0082】
<薄型空気リチウム空気電池用格納容器の安全機構>
次に、格納容器内に不活性ガスを供給してから、ポンプ及びバルブを操作して、薄型空気リチウム空気電池用格納容器内の不活性ガス圧を所定値に保持した。
次に、薄型空気リチウム空気電池内に空気又は酸素ガスを供給してから、ポンプ及びバルブを操作して、薄型空気リチウム空気電池内の空気又は酸素ガス圧を所定値に保持した。
この状態で、電池反応を行った。
【0083】
通常放電時は、酸素供給律速状態を解消するため、酸素ガス流路の圧力を圧力センサでモニタしながら、カットバルブの開閉および圧送ポンプを制御して、ガス圧力を調整し、加圧状態とした。
【0084】
薄型空気リチウム空気電池用格納容器には、異常時対応システムを取り付けた(図示略)。薄型空気リチウム空気電池用格納容器内で異常が生じたときは、異常対処モードの動作に移行する。
具体的には、放電時および充電時とも、積層ラミパッケージ表面に設置された温度センサの温度上昇、ラミパッケージ内酸素ガス流路の圧力異常(圧力センサで検知)、および酸素ガス流路のガス成分異常(CO2センサで検知)のいずれかが発生した時点で、異常対処モード1の動作に移行する。収納容器本体の圧力異常(圧力センサで検知)、収納容器本体内部のガス成分異常(CO2センサで検知)のいずれかも発生した場合には、異常対処モード2の動作に移行する。
【0085】
<異常感知システム>
図19は、実施例1の異常感知システムの信号系統図であって、異常時対応システムにおける各センサからの出力の異常対処動作のシーケンスを示す概略図である。
図19に示すように、異常時対応システムへ入力される各センサからのアナログ信号は所定の閾値を超えると、ポンプ駆動用(電磁)リレー1〜3にて、圧送ポンプ1、2、排気ポンプのオンオフを行い、バルブ駆動用マニホールド1〜7にて、バルブ1〜7の開閉動作を行う構成とした。
【0086】
表1は、各供給装置、ポンプ、バルブの動作シーケンスである。通常放電時、放電異常時、通常充電時、充電異常時にわけ、かつ格納容器内には異常がないモード1と格納容器内部にも異常を検知したモード2にわけて示している。
【0087】
【表1】
【0088】
異常時の基本動作は、酸素濃縮器および圧送ポンプの停止、カットバルブの閉鎖・開動作である。
具体的には、モード1の異常時の基本動作は、ポンプ駆動用(電磁)リレー2を用いて圧送ポンプ2を停止、バルブ駆動用マニホールド2にてバルブ2を閉鎖、バルブ駆動用マニホールド4にてバルブ4を開動作、となる。排気ポンプ1は動作し続ける。
不活性ガスの供給系としては、ポンプ駆動用(電磁)リレー1にて圧送ポンプ1を動作、バルブ駆動用マニホールド1にてバルブ1は開状態を維持する。
排ガス系についてはバルブ駆動用マニホールド5にてバルブ5、バルブ駆動用マニホールド6にてバルブ6の開動作を開け、排気ポンプを動作させる。モード1については、薄型リチウム空気電池内部の異常であるため、バルブ8は閉状態を維持する。以上の動作により、薄型リチウム空気電池内の酸素の分圧(濃度)を一気に低減して、発火、爆発等の制御不能な危険な状態を回避できた。
モード2は、格納容器内部の圧力センサ2もしくはガス成分センサ2の異常により移行する。この場合には格納容器内部も排気する必要があるため、モード1の動作に加え、バルブ駆動用マニホールド8にてバルブ8、バルブ駆動用マニホールド10にてバルブ10を開動作、排気ポンプ2を動作させる。以上により、薄型リチウム空気電池内部および格納容器内部を同時に不活性ガスで置換することができ、発火等の危険な状態を回避できた。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、動作時の急激な酸化発熱反応(発火)を抑制し、安全性を高めた薄型リチウム空気電池用格納容器に関するものであり、電池産業、エネルギー産業等に利用可能性がある。
【符号の説明】
【0090】
15A…孔部、73…封止フィルム、80…積層体、81…正極基材、82…正極材、83…セパレータ、84…負極基材、85…負極材、86…薄型正極構造体、87…薄型負極構造体、88…単位構造部、91、92…収納容器、96…タブ接続部材、97、98…タブ、99…開口部、100…隔壁フィルム、101、102…薄型リチウム空気電池、201…格納室、202A…第3のガス管、202B…第1のガス管、202C…第3のガス管、202D…第2のガス管、202E…第5のガス管、203A、203B…圧送ポンプ、204A、204B、204C…バルブ、205、206…ブレード、207、208…出力端子、210…センサ、211…配線、301…連結部材、301a…第1の連結部、301b…第2の連結部、301c…電池連結部、301d…ガス流通部、302A…連結部材、302Aa…第3の連結部、302Ac…電池連結部、302Ad…ガス流通部、302B…連結部材、303A…連結補助部材、303Aa…補助連結部、303Ac1、303Ac2、303Ac3、303Ac4…部材連結部、303Ad…ガス流通部、303B…連結補助部材、1001、1002…薄型リチウム空気電池用格納容器、2201…格納容器、2202A、2202B…ガス管、2203…ポンプ、2204…バルブ、2205、2206…ブレード、2007、2208…出力端子。
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型リチウム空気電池用格納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
空気電池は、固体正極材(空気極)と、金属箔又は金属微粒子からなる負極材と、液体又は固体の電解質とを有し、前記空気電池内に設けられたガス流路を流れる空気又は酸素ガスを正極活物質として用い、前記金属箔又は金属微粒子を負極活物質として用いる電池である。
【0003】
空気電池技術は複数提案されているが、近年特にリチウム空気電池の研究開発が活発となっている(特許文献1〜6)。充電して繰り返し使える2次電池化ができる上、既に実用化されているリチウムイオン電池に比べ、単位重量あたりのエネルギー密度を大幅に向上させることができるからである。
【0004】
空気電池技術のうち、亜鉛空気電池が実用化されている(特許文献7)。しかし、亜鉛空気電池は充電ができない1次電池で、軽量ながら小容量であるため主として補聴器用に用いられており、大容量化は必要なく、そのため小型な金属製の筐体に格納することで性能を実現している。
【0005】
空気電池の一種として、燃料電池を挙げることができる。燃料電池においては、バイポーラプレートと呼ばれるセパレータを介して、複数のセルが積層される。バイポーラプレートには、負極用の燃料流と正極用の空気流の2つの流路を仕切る機能と、積層されたセルを電気的に直列接続する機能がある(非特許文献1)。
積層した電池セルを大容量にするためには並列接続する必要があるが、バイポーラプレートはその用途には向かない上、非常に厚く、積層した際の体積が大きくなってしまう問題があった。
【0006】
本発明者は、薄型セパレータ及び薄型負極構造体と積層しても、正極構造体内に正極活物質となる空気又は酸素ガスを効率よく取り込むことができる薄型正極構造体を開発した。前記薄型正極構造体を薄型負極構造体及び薄型セパレータとともに用いることにより、大容量で薄型リチウム空気電池を製造できることを見出した。
【0007】
図1は、前記薄型リチウム空気電池の従来の使用方法の一例を示す説明図である。図1に示すように、薄型リチウム電池101は、格納容器2201内に格納されて使用される。格納容器2201はガス排気管2202B及びガス供給管2202Aが取り付けられており、ガス排気管2202Bおよびガス供給管2202A以外の部分は密閉されている。ガス排気管2202Bに接続したポンプ2203により、格納容器2201内を減圧可能とされている。格納容器2201内を減圧後、ガス排気管2202Bのバルブ2204を閉じ、ガス供給部(図示略)からポンプ2203を動作させることにより、格納容器2201内を空気又は酸素ガスで充填することができる。格納容器2201内に空気又は酸素ガスを充填すると、薄型リチウム電池101の収納容器の開口部99から薄型正極構造体内に空気又は酸素ガスを供給することができ、電池反応を開始させることができる。格納容器2201内で、薄型リチウム空気電池101の2つのタブ97、98は、ブレード2205、2206に接続されている。ブレード2205、2206は出力端子2207、2208に接続されており、出力端子2207、2208から薄型リチウム空気電池101で発生させた電力を取り出すことができる。
【0008】
しかし、図1に示した従来型の格納容器2201内部は正極活物質で満たされ、かつ薄型リチウム空気電池101に開口部があるため、内部で電解液もしくは負極材である金属Liが酸素や空気と直接反応する危険性は小さいとは言えず、安全性に関する問題が残されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−192313号公報
【特許文献2】特開2011−96456号公報
【特許文献3】特開2011−108388号公報
【特許文献4】特開2011−108512号公報
【特許文献5】特開2011−96586号公報
【特許文献6】特開2011−96492号公報
【特許文献7】特表2008−502118号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】田川博章「固体酸化物燃料電池と地球環境」、p60、アグネ承風社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、薄型リチウム空気電池の動作時における構成部材の急激な酸化発熱反応(発火)を抑制し、安全性を高めた薄型リチウム空気電池用格納容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記事情を鑑みて、本研究者は試行錯誤して、薄型リチウム空気電池に正極活物質である酸素や空気を効率的に供給しながら、電池の温度や圧力等をセンサでモニタすることにより危険度を認識し、危険な状態においては予め格納容器内に充填しておいた不活性ガスと正極活物質を自動置換して急激な酸化反応の進行を停止することにより、安全性を高められることを見出した。また、不活性ガスを充填した格納容器内の薄型リチウム空気電池に、効率よく空気又は酸素ガスを供給できる連結部材及び連結補助部材を開発し、酸素や空気をさらにセル内部に効率的に輸送することを実現すると同時に、危険な状態における不活性ガスによる自動置換の効率をも高めることができることを見出した。更に、複数の連結部を備えた連結部材及び/又は連結補助部材を用いることにより、複数の薄型リチウム空気電池を直列または並列に接続して出力電圧や容量をさらに高めることができる上、安定に保持し、より安全性を高めることができることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下の構成を有する。
【0013】
(1)薄型リチウム空気電池を格納する格納室を備えた薄型リチウム空気電池用格納容器であって、前記格納室内に連通する第1のガス管及び第2のガス管と、前記格納室内に格納する薄型リチウム空気電池内に連通する第3のガス管及び第4のガス管と、前記第3の配管に前記格納室内との連通を開閉制御するバルブとを有し、前記第1のガス管に不活性ガス供給源が取り付けられており、前記第3のガス管に空気又は酸素ガス供給源が取り付けられていることを特徴とする薄型リチウム空気電池用格納容器。
【0014】
(2)前記格納室内にセンサが備えられ、前記センサが所定の閾値を超えたときに前記バルブを開け、前記薄型リチウム空気電池内に不活性ガスを供給することを特徴とする(1)に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
(3)前記センサがガス成分センサ、圧力センサ及び温度センサのいずれか又はこれらのセンサの組み合わせであることを特徴とする(2)に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
(4)前記第2のガス管及び前記第4のガス管に排気機構が取り付けられていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【0015】
(5)前記第3のガス管及び/又は前記第4のガス管に薄型リチウム空気電池を連結する連結部材が取り付けられていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
(6)前記連結部材が、前記第3のガス管に連結する第1の連結部と、前記第4のガス管に連結する第2の連結部と、前記第1の連結部及び前記第2の連結部に連通するガス流通部と、薄型リチウム空気電池を連結する電池連結部と、を有することを特徴とする(5)に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【0016】
(7)前記連結部材が、前記第3のガス管又は前記第4のガス管に嵌合する第3の連結部と、前記第3の連結部に連通するガス流通部と、薄型リチウム空気電池を連結する電池連結部と、を有することを特徴とする(5)に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
(8)前記電池連結部が、薄型リチウム空気電池の収納容器の開口部を含む部分を嵌合することを特徴とする(5)又は(6)に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【0017】
(9)前記電池連結部が、薄型リチウム空気電池の正極基材を嵌合することを特徴とする(5)又は(6)に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
(10)前記第3のガス管及び前記第4のガス管と連結部材との間に連結補助部材が取り付けられていることを特徴とする(5)〜(9)のいずれかに記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【0018】
(11)前記連結補助部材が、前記第3のガス管又は前記第4のガス管に連結する補助連結部と、前記連結部材に連結する部材連結部と、を有することを特徴とする(10)に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
(12)前記部材連結部が2以上設けられていることを特徴とする(11)に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【発明の効果】
【0019】
本発明の薄型リチウム空気電池用格納容器は、薄型リチウム空気電池を格納する格納室を備えた薄型リチウム空気電池用格納容器であって、前記格納室内に連通する第1のガス管及び第2のガス管と、前記格納室内に格納する薄型リチウム空気電池内に連通する第3のガス管及び第4のガス管と、前記第3のガス管に前記格納室内との連通を開閉制御するバルブと、を有し、前記第1のガス管に不活性ガス供給源が取り付けられており、前記第3のガス管に空気又は酸素ガス供給源が取り付けられている構成なので、電池動作時に不活性ガスを充填した格納容器内に薄型リチウム空気電池を格納することができ、発熱等の不良動作時に電池内部の正極活物質である空気又は酸素を不活性ガスに置換できることができ、電解質あるいは金属Liとの爆発的な反応を抑制し、安全性を高めることができる。また、不活性ガスに満たされた格納室を備えているので、発熱等の異常が急激に発生し、電池内部の空気又は酸素を不活性ガスに置換する工程が間に合わずに薄型リチウム空気電池の爆発が生じたとしても、被害を抑制することができる。
【0020】
本発明の薄型リチウム空気電池用格納容器は、前記格納室内にセンサが備えられ、前記センサが所定の閾値を超えたときに前記バルブを開け、前記薄型リチウム空気電池内に不活性ガスを供給する構成なので、不活性ガスを充填した格納容器内に、薄型リチウム空気電池を格納し、異常時に第3のガス管に取り付けられた開閉バルブを開けることにより、リチウム空気電池内の正極活物質を不活性ガスに置換して、電池反応を停止させ、リチウムの発火を抑制し、安全性を高めることができる。
【0021】
本発明の薄型リチウム空気電池用格納容器は、前記第3のガス管及び/又は前記第4のガス管に薄型リチウム空気電池を連結する連結部材が取り付けられている構成なので、不活性ガスを充填した格納容器内に格納した薄型リチウム空気電池に空気又は酸素ガスを安定に、かつ効率的に供給でき、電解質とリチウムの発火を抑制し、安全性を高めた状態で電池反応をさせることができる。
【0022】
本発明の薄型リチウム空気電池用格納容器は、前記第3のガス管及び前記第4のガス管と連結部材との間に連結補助部材が取り付けられており、前記連結補助部材が、前記第3のガス管又は前記第4のガス管に連結する補助連結部と、前記連結部材に連結する部材連結部と、を有し、前記部材連結部が2以上設けられている構成なので、2以上の薄型リチウム空気電池を安定に固定することができ、安全性を高めた状態で電池反応をさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来型の実施形態である薄型リチウム空気電池格納容器の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器の一例を示す模式図である。
【図3】図2に示す薄型リチウム空気電池の斜視図である。
【図4】図2示す薄型リチウム空気電池の図であって、断面図(a)及び(a)におけるA部拡大図(b)である。
【図5】薄型正極構造体の一例を示す斜視図である。
【図6】図2に示す連結部材の図であって、左側面図(a)、平面図(b)及び正面図(c)である。
【図7】連結部材を取り付けた状態の薄型リチウム空気電池の斜視図である。
【図8】図7に示す連結部材を取り付けた状態の薄型リチウム空気電池の平面図である。
【図9】本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器の別の一例を示す模式図である。
【図10】薄型リチウム空気電池102の斜視図である。
【図11】図10に示す薄型リチウム空気電池102の平面図である。
【図12】図9〜図11に示す連結部材の一例を示す図であって、左側面図(a)、平面図(b)及び正面図(c)である。
【図13】図11のB−B’線における断面図である。
【図14】薄型リチウム空気電池の製造プロセスを説明する図であって、連結部材302A、302Bを取り付け工程図である。
【図15】本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器の更に別の一例を示す模式図である。
【図16】連結補助部材の一例を示す図であって、左側面図(a)、平面図(b)及び正面図(c)である。
【図17】連結補助部材で連結された4枚の薄型リチウム空気電池102の斜視図である。
【図18】実施例1の装置構成を示す模式図である。
【図19】実施例1の異常感知システムの図であって、異常時対応システムにおける各センサからの出力の異常対処動作のシーケンスを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(本発明の第1の実施形態)
<薄型リチウム空気電池用格納容器>
まず、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器について説明する。
図2は、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器の一例を示す模式図である。
図2に示すように、薄型リチウム空気電池用格納容器1001は、薄型リチウム空気電池101を格納可能な格納室201を備えており、第1のガス管202B及び第2のガス管202Dと、第3のガス管202A及び第4のガス管202Cが取り付けられている。格納室201内では、第3のガス管202Aから分岐して第5のガス配管202Eがとりつけられている。
格納室201は密閉型であり、気密性が保たれている。
【0025】
第1のガス管202Bは、格納室201内に連通するように取り付けられている。また、格納室201外の不活性ガス供給源に取り付けられており、ポンプ203Bを操作して、格納室201内に不活性ガスを供給可能とされている。
第2のガス管202Dは、格納室201内に連通するように取り付けられている。また、バルブ204Bを操作して、格納室201内を排気可能とされている。
【0026】
不活性ガス供給源は、不活性ガスタンク、不活性ガス供給ための濃縮器等を有する。不活性ガス供給源として膜分離方式の窒素濃縮器を使う場合は、酸素濃縮器と兼用させてもよい。不活性ガスは、窒素、希ガスである。
【0027】
第3のガス管202Aは、格納室201内の薄型リチウム空気電池101内に連通するように取り付けられている。また、格納室201外の空気又は酸素ガス供給源に取り付けられており、ポンプ203Aを操作して、薄型リチウム空気電池101内に空気又は酸素ガスを供給可能とされている。
第4のガス管202Cは、格納室201内の薄型リチウム空気電池101内に連通するように取り付けられている。バルブ204Aを操作して、格納室201内を排気可能とされている。
第5のガス管202Eは、バルブ204Cを介して第3のガス管202Aと格納室201内を連通するように取り付けられており、バルブ204Cの開閉によりその連通状態を切り替えることができる。電池の正常動作時にはバルブ204Cは閉じられている。
【0028】
空気又は酸素ガス供給源は、酸素ガスタンク、酸素ガス供給ための濃縮器等を有してよい。濃縮器としては、圧縮空気を中空糸状の高分子膜を通すことにより、窒素酸素の透過率差を利用して濃縮する膜分離方式、あるいは活性炭などの吸着材を通すPSA(Pressure Swing Absorption)方式を用いることができる。
【0029】
薄型リチウム空気電池101のタブ97、98はそれぞれ、ブレード205、206に接続されている。ブレード205、206は、出力端子207、208に接続されており、薄型リチウム空気電池101で発生させた電力を出力端子207、208から外部に取り出すことが可能とされている。
【0030】
薄型リチウム空気電池101は、収納容器91と、タブ97、98と、を有している。収納容器91には、開口部99が設けられている。
収納容器91は密閉型であり、気密性が保たれている。収納容器91として、ラミネートパックを用いてもよい。
【0031】
図2に示すように、連結部材301が、薄型リチウム空気電池101と、第3のガス管202Aと、第4のガス管202Cとを連結している。
格納室201内に、センサ210が設置されている。センサ210は配線211により制御機構(図示略)に接続される。制御機構では、閾値を設定して異常を感知できる構成とされている。また、異常を感知した場合、各ガス管に取り付けられたバルブを開閉制御できる構成とされている。センサ210としては、圧力センサ、温度センサ、ガス成分センサのいずれか又はこれらの組み合わせを用いることができる。また、複数のセンサを用いることが好ましい。これらのセンサを設置することにより、内部異常を素早く検知することができる。
【0032】
図3は、図2に示す薄型リチウム空気電池の斜視図である。
図3に示すように、薄型リチウム空気電池101は、収納容器91に収納されており、一端側と他端側からタブ97、98が突出しており、一側面側に開口部99が設けられている。
【0033】
図4は、図3に示す薄型リチウム空気電池の図であって、断面図(a)及び(a)におけるA部拡大図(b)である。
図4(a)に示すように、開口部99から正極基材81が露出されている。また、開口部99から積層体80が露出しないように、隔壁フィルム100が設けられている。
隔壁フィルム100は、有機物もしくは無機物からなる。電解液が存在する電池内部の空間と空気(酸素)が流入する開口部付近の隔壁となる。隔壁フィルム100を設けることにより、漏液と正極活物質が負極周辺に到達することを防止できる。
【0034】
図4(b)に示すように、積層体80は、2つの薄型セパレータ83の間に、3つの単位構造体88が薄型セパレータ83を挟んで積層されてなる。
単位構造体88は、薄型正極構造体86と、薄型セパレータ83と、薄型負極構造体87が積層されてなる。薄型負極構造体87は、負極基材84の両面に負極材85が積層されてなり、薄型正極構造体86は、正極基材81の両面に正極材82が形成されてなる。
【0035】
図5は、薄型正極構造体の一例を示す斜視図である。
図5に示すように、薄型正極構造体86は、集電体として機能する正極基材81の両面に炭素を主成分とする正極材82が形成されてなる。
正極基材81は、略板状であり、両面に溝が形成されている。これらの溝が、その上部に正極材82が配置されることにより、孔部15Aとされている。孔部15Aは正極基材11の側面すべてに連通されている。
【0036】
<連結部材>
図6は、図2に示す連結部材の図であって、左側面図(a)、平面図(b)及び正面図(c)である。
図6に示すように、連結部材301は略円筒状であり、側面に平面視略長方形状に開口された電池連結部301cが設けられている。円筒の先端側には、平面視円形状に開口された第1の連結部301aが設けられている。円筒の他端側には、平面視円形状に開口された第2の連結部301bが設けられている。
【0037】
第1の連結部301a、第2の連結部301b及び電池連結部301cを連通するように、ガス流通部301dが設けられている。
【0038】
図7は、連結部材を取り付けた状態の薄型リチウム空気電池の斜視図である。
図7に示すように、薄型リチウム空気電池101は、一側面に、略円筒状の連結部材301が取り付けられている。
【0039】
図8は、図7に示す連結部材を取り付けた状態の薄型リチウム空気電池の平面図である。
図8に示すように、薄型リチウム空気電池101の一側面は、連結部材301の電池連結部301cに差し込まれ、嵌合されている。前記一側面には、開口部99が設けられている。
図8及び図2で示すように、第1の連結部301aの開口には、第3のガス管202Aが差し込まれ、嵌合される。また、第2の連結部301bの開口には、第4のガス管202Cが差し込まれ、嵌合される。
【0040】
以上の構成により、空気又は酸素ガスは、第3のガス管202Aから、第1の連結部301aを経由して、ガス流通部301d内を流通し、電池連結部301cから開口部99を経由して、薄型リチウム空気電池101内に供給される。このとき、バルブ204Cは閉じられており、第5のガス管202Eから202Aに希ガスは流入しない。
空気又は酸素ガスは、薄型正極構造体86の孔部15A内を流通し、正極材82に取り込まれ、正極材82の細孔内の電解液中のリチウムイオンと電池反応を行う。
反応に関与しない空気又は酸素ガスは、開口部99から電池連結部301cを経由して、ガス流通部301d内を流通し、第2の連結部301bを経由して、第4のガス管202Cから排気される。
【0041】
<薄型リチウム空気電池用格納容器の安全機構>
次に、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器の安全機構について説明する。
まず、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器は、薄型リチウム空気電池用格納容器1001内へ不活性ガスを供給してから(不活性ガス供給工程)、薄型リチウム空気電池へ空気又は酸素ガスを供給して、電池反応をさせる(空気又は酸素ガス供給工程)。薄型リチウム空気電池のまわりを不活性ガスで満たし、爆発を抑制し、安全を確保することができる。具体的には、以下の工程である。
【0042】
(不活性ガス供給工程)
まず、図2に示す薄型リチウム空気電池用格納容器1001において、バルブ204Bを開として、ガス管202Dに接続した真空ポンプ(図示略)を動作させて、格納室201内を排気する。
次に、バルブ204Bを閉とした後、ポンプ203Bを操作して、第1のガス管202Bから格納室201内に不活性ガスを供給する。
不活性ガス供給工程では、バルブ204Bの開閉の割合を操作しながら、第2のガス管202Dからの排気量を調整して、格納室201内の不活性ガス圧を調整することが好ましい。
【0043】
(空気又は酸素ガス供給工程)
次に、204Aを開、204Cを閉として、ガス管202Cに接続された真空ポンプ(図示略)を動作させて、薄型リチウム空気電池101内を排気する。
次に、バルブ204Aを閉とした後、ポンプ203Aを操作して、第3のガス管202Aから薄型リチウム空気電池101内に空気又は酸素ガスを供給する。
空気又は酸素ガス供給工程では、バルブ204Aの開閉の割合を操作しながら、第4のガス管202Cからの排気量を調整して、薄型リチウム空気電池101内の空気又は酸素ガス圧を調整することが好ましい。
【0044】
以上の工程により、電池反応をさせるのに十分な量の空気又は酸素ガスを、薄型リチウム空気電池101内に供給することができる。
【0045】
(不活性ガスによるパージ工程)
また、異常時において、薄型リチウム空気電池内を不活性ガスでパージする安全機構を有する。
異常時は、格納室内のセンサに所定の閾値を設定し、その閾値を超えたときとする。このとき、第3のガス管のバルブを開け、前記薄型リチウム空気電池内に不活性ガスを供給する。これにより、爆発を抑制し、安全を確保することができる。
【0046】
具体的には、発熱等の異常が発生し、放電を緊急停止する必要がある場合には、バルブ204Aを開とし、バルブ202Eを開とすることにより、格納容器201に充満した希ガスにより薄型リチウム空気電池101内に充満した空気もしくは酸素をパージし置換することにより、電池放電動作を停止させることができる。
前記緊急時停止動作が異常な発熱反応速度に対して遅れてしまった場合においても、薄型リチウム空気電池101は不活性ガスを充填した格納室201内に格納されているので、薄型リチウム空気電池101内への水分の入り込みは完全に防止され、リチウムの発火を抑制し、従来に比べ安全性を高めて電池反応させることができる。
また、薄型リチウム空気電池101は薄型リチウム空気電池用格納容器1001で覆われているので、仮に薄型リチウム空気電池内で爆発反応等が生じたとしても、被害を防止することができる。
【0047】
(本発明の第2の実施形態)
<薄型リチウム空気電池用格納容器>
図9は、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器の別の一例を示す模式図である。
図9に示すように、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1002は、連結部材302A、302Bが取り付けられた薄型リチウム空気電池102が格納されており、ガス管の配置構成が異なる他は本発明の第1の実施形態と概略同様の構成とされている。
【0048】
図10は、薄型リチウム空気電池102の斜視図である。図11は、図10に示す薄型リチウム空気電池102の平面図である。
図10及び図11に示すように、薄型リチウム空気電池102は、収納容器92に収納されており、一端側と他端側からタブ97、98が突出している。
連結部材302A、302Bは、その大部分が収納容器92の内側にとなるように配置され、それぞれ反対方向に収納容器91から突出するように配置されている。
【0049】
図12は、図9〜図11に示す連結部材の一例を示す図であって、左側面図(a)、平面図(b)及び正面図(c)である。
図12に示すように、連結部材302Aは略円筒状であり、側面に平面視略長方形状に開口された電池連結部302Acが設けられている。先端側には、平面視円形状に開口された第3の連結部302Aaが設けられている。他端側は、閉口されている。第3の連結部302Aa及び電池連結部302Acを連通するように、ガス流通部302Adが設けられている。
【0050】
なお、連結部材302Bも同様の構成である。すなわち、側面に平面視略長方形状に開口された電池連結部が設けられている。先端側には、平面視円形状に開口された第3の連結部が設けられている。他端側は、閉口されている。第3の連結部及び電池連結部を連通するように、ガス流通部が設けられている。
【0051】
図13は、図11のB−B’線における断面図である。
図13に示すように、積層体80は、両側で正極基材81のみが突出するように形成されている。また、正極基材81の突出された部分を嵌合するように連結部材302A、302Bが取り付けられている。また、隔壁フィルム100が正極基材81の間を塞ぐように配置されている。更に、連結部材302A、302B及び積層体80の一部を封止フィルム73が覆っている。
【0052】
封止フィルム73は、正極活物質である空気や酸素に対するバリア性を有するフィルムを用いる。隔壁フィルム100と同じ材質のフィルムを用いることができる。隔壁フィルム100の少なくとも表面は電気的絶縁性の高い材質であることが好ましい。図12では、一部のみを覆うように形成されているが、電気的絶縁性の高い材質の隔壁フィルム100を用いた場合には、積層体80を完全に覆うようにしてもよい。これにより、空気又は酸素ガスの漏洩をより低減でき、電池の反応効率を向上させることができる場合がある。
【0053】
図14は、薄型リチウム空気電池の製造プロセスを説明する図であって、連結部材302A、302Bを取り付け工程図である。
まず、積層体80を用意し、正極基材81の突出された部分の間を隔壁フィルム100で塞ぐ。
次に、図14(a)、(b)に示すように、正極基材81の突出された部分を電池連結部302Ac等で嵌合するように連結部材302A、302Bを取り付ける。
次に、図14(c)に示すように、積層体80及び連結部材302A、302Bを追うように封止フィルム73を貼り付ける。
次に、封止フィルム73を貼り付けた積層体80及び連結部材302A、302Bを収納容器92内に配置して、薄型リチウム空気電池を製造することができる。
【0054】
なお、連結部材302A、302Bの外面に封止フィルム73をあらかじめ貼り付けておくことが好ましい。これにより、組立工程における位置ずれを抑制でき、作業効率を高めることができる。
【0055】
図9で示すように、連結部材302Aの第3の連結部302Aaの開口には、第3のガス管202Aが差し込まれ、嵌合される。また、連結部材302Bの第3の連結部の開口には、第4のガス管202Cが差し込まれ、嵌合される。
【0056】
以上の構成により、空気又は酸素ガスは、第3のガス管202Aから、第3の連結部302Aaを経由して、ガス流通部302Ad内を流通し、電池連結部302Acから正極基材81を経由して、薄型リチウム空気電池102内に供給される。
空気又は酸素ガスは、薄型正極構造体86の孔部15A内を流通し、正極材82に取り込まれ、正極材82の細孔内の電解液中のリチウムイオンと電池反応を行う。
反応に関与しない空気又は酸素ガスは、正極基材81から電池連結部302Acを経由して、ガス流通部302Ad内を流通し、連結部材302Bの第3の連結部を経由して、第4のガス管202Cから排気される。
動作異常時には、第1の実施形態と同様に、バルブ204Aを開とし、バルブ202Eを開とすることにより、格納容器201に充満した希ガスにより薄型リチウム空気電池102内に充満した空気もしくは酸素をパージし置換することにより、電池放電動作を停止させることができる。
本実施形態の構成により、薄型リチウム空気電池102内の空気又は酸素の輸送効率が高まるとともに、動作異常時のガス置換効率も高まることになり、より安全な動作を実現することができる。
【0057】
(本発明の第3の実施形態)
<薄型リチウム空気電池用格納容器>
図15は、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器の更に別の一例を示す模式図である。
図15に示すように、本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1003は、4枚の薄型リチウム空気電池102が格納され、これらが連結補助部材303A、303Bで連結されている他は本発明の第2の実施形態と概略同様の構成とされている。
【0058】
図16は、連結補助部材の一例を示す図であって、左側面図(a)、平面図(b)及び正面図(c)である。
図16に示すように、連結補助部材303Aは、6本の円筒状部材が連結された構造である。
図16(a)に示すように、平面視円形状に開口された補助連結部303Aaが設けられている。
図16(b)に示すように、補助連結部303Aaは1本の円筒状部材の先端部分に設けられており、基端側は別の円筒状部材に連結されている。別の円筒状部材には4本の円筒状部材が連結されている。4本の円筒状部材の先端側には、平面視円形状に開口された部材連結部303Ac1、303Ac2、303Ac3、303Ac4が設けられている。
【0059】
別の円筒状部材の内部には、ガス流通部303Adが設けられている。ガス流通部303Adは、補助連結部303Aa、部材連結部303Ac1、303Ac2、303Ac3、303Ac4に連通されている。
【0060】
図17は、連結補助部材で連結された4枚の薄型リチウム空気電池102の斜視図である。4枚の薄型リチウム空気電池102は直列配列となるように、タブ97、98が、タブ接続基材96によって接続されている。また、連結補助部材303A、303Bにより、4枚の薄型リチウム空気電池102が連結されている。
【0061】
連結補助部材303Aは、部材連結部303Ac1、303Ac2、303Ac3、303Ac4で、4枚の薄型リチウム空気電池102の連結部材302Aに嵌合する。
同様に、連結補助部材303Bも、4枚の薄型リチウム空気電池102に嵌合する。連結補助部材303A、303Bにより、4枚の薄型リチウム空気電池102は安定して保持される。
【0062】
連結補助部材303Aは、補助連結部303Aaで、第3のガス管202Aに嵌合する。同様に、連結補助部材303Bも、補助連結部で、第4のガス管202Cに嵌合する。
【0063】
以上の構成により、空気又は酸素ガスは、第3のガス管202Aから、連結補助部材303A、連結部材302A、正極基材81を経由して、薄型リチウム空気電池102内に供給される。
空気又は酸素ガスは、薄型正極構造体86の孔部15A内を流通し、正極材82に取り込まれ、正極材82の細孔内の電解液中のリチウムイオンと電池反応を行う。
反応に関与しない空気又は酸素ガスは、正極基材81、連結部材302B、連結補助部材303Bを経由して、第4のガス管202Cから排気される。動作異常時には、第1の実施形態と同様に、バルブ204Aを開とし、バルブ202Eを開とすることにより、格納容器201に充満した希ガスにより薄型リチウム空気電池102内に充満した空気もしくは酸素をパージし置換することにより、電池放電動作を停止させることができる。
本実施形態の構成により、薄型リチウム空気電池102内の空気又は酸素の輸送効率が高まるとともに、動作異常時のガス置換効率をも高める事により安全な動作と、より高い出力電圧を実現することができる。
【0064】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1001、1002、1003は、薄型リチウム空気電池101、102を格納する格納室201を備えた薄型リチウム空気電池用格納容器であって、格納室201内に連通する第1のガス管202B及び第2のガス管202Dと、格納室201内に格納する薄型リチウム空気電池101、102内に連通する第3のガス管202A及び第4のガス管202Cと、第3のガス管202Aに格納室201内との連通を開閉制御するバルブ204Cとを有し、前記第1のガス管に不活性ガス供給源が取り付けられており、前記第3のガス管に空気又は酸素ガス供給源が取り付けられている構成なので、不活性ガスを格納容器内に効率的に充填するとともに、薄型リチウム空気電池内に空気又は酸素ガスを安定して、かつ、効率的に供給し、不活性ガスを充填した格納容器内に、薄型リチウム空気電池を格納することができ、発熱等の異常時に薄型リチウム空気電池内の空気又は酸素を不活性ガスと置換する機能を有するので、リチウムの発火を抑制し、安全性を高めることができる。また、格納室を備えているので、仮に薄型リチウム空気電池で爆発等が生じたとしても、被害を抑制することができる。
【0065】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1001、1002、1003は、格納室201内にセンサ210が備えられ、センサ210が所定の閾値を超えたときにバルブ204Cを開け、前記薄型リチウム空気電池内に不活性ガスを供給する構成なので、センサが異常を感知したときに、第3の配管に設けたバルブを開けて、第3のガス管内、薄型リチウム空気電池内、および第4のガス管内へ不活性ガスの供給し、不活性ガスで薄型リチウム空気電池内をパージして、爆発反応を抑制することができる。
【0066】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1001、1002、1003は、センサ210がガス成分センサ、圧力センサ及び温度センサのいずれか又はこれらのセンサの組み合わせである構成なので、センサが異常を感知したときに、第3の配管に設けたバルブを開けて、第3のガス管内、薄型リチウム空気電池内、および第4のガス管内へ不活性ガスの供給し、不活性ガスで薄型リチウム空気電池内をパージして、爆発反応を抑制することができる。
【0067】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1001、1002、1003は、第2のガス管202D及び第4のガス管202Cに排気機構が取り付けられている構成なので、第2のガス管からの排気量を調整して、格納室内の不活性ガス圧を調整することができ、第4のガス管からの排気量を調整して、薄型リチウム空気電池内の空気又は酸素ガス圧を調整することができ、不活性ガスを充填した格納容器内に格納した薄型リチウム空気電池に空気又は酸素ガスを安定して、かつ、効率的に供給できる。
【0068】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1001、1002、1003は、第3のガス管202A及び/又は第4のガス管202Cに薄型リチウム空気電池101、102を連結する連結部材301、302A、302Bが取り付けられている構成なので、不活性ガスを充填した格納容器内に格納した薄型リチウム空気電池に空気又は酸素ガスを安定して、かつ、効率的に供給できる。
【0069】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1001は、連結部材301が、第3のガス管202Aに連結する第1の連結部301aと、第4のガス管202Cに連結する第2の連結部301bと、第1の連結部301a及び第2の連結部301bに連通するガス流通部301dと、薄型リチウム空気電池101を連結する電池連結部301cと、を有する構成なので、不活性ガスを充填した格納容器内に格納した薄型リチウム空気電池に空気又は酸素ガスを安定して、かつ、効率的に供給できる。
【0070】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1002、1003は、前記連結部材302A、302Bが、第3のガス管202A又は第4のガス管202Cに嵌合する第3の連結部302Aaと、第3の連結部302Aaに連通するガス流通部302Adと、薄型リチウム空気電池102を連結する電池連結部302Acと、を有する構成なので、不活性ガスを充填した格納容器内に格納した薄型リチウム空気電池に空気又は酸素ガスを安定して、かつ、効率的に供給できる。
【0071】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器は1001、電池連結部301cが、薄型リチウム空気電池101の収納容器91の開口部99を含む部分を嵌合する構成なので、不活性ガスを充填した格納容器内に格納した薄型リチウム空気電池に空気又は酸素ガスを安定して、かつ、効率的に供給できる。
【0072】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1002、1003は、電池連結部302Acが、薄型リチウム空気電池102の正極基材81を嵌合する構成なので、不活性ガスを充填した格納容器内に格納した薄型リチウム空気電池に空気又は酸素ガスを安定して、かつ、効率的に供給できる。
【0073】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1003は、第3のガス管202A及び第4のガス管202Cと連結部材302A、302Bとの間に連結補助部材303A、303Bが取り付けられている構成なので、2以上の薄型リチウム空気電池を安定に固定することができる。
【0074】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1003は、連結補助部材303A、303Bが、第3のガス管202A及び第4のガス管202Cに連結する補助連結部303Aaと、前記連結部材302A、302Bに連結する部材連結部303Ac1、303Ac2、303Ac3、303Ac4と、を有する構成なので、2以上の薄型リチウム空気電池を安定に固定することができる。
【0075】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器1003は、部材連結部303Ac1、303Ac2、303Ac3、303Ac4が4つ設けられている構成なので、4個の薄型リチウム空気電池を安定に固定することができ、安全性を高めた状態で電池反応をさせることができる。
【0076】
本発明の実施形態である薄型リチウム空気電池用格納容器は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で、種々変更して実施することができる。本実施形態の具体例を以下の実施例で示す。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0077】
(実施例1)
<薄型空気リチウム空気電池用格納容器>
図18は、実施例1の装置構成を示す模式図である。
まず、本発明の第2の実施形態で示した薄型空気リチウム空気電池を1個用意した。この収納容器としてはラミネートパッケージを用いた。
【0078】
次に、図18に示すように、連結補助部材をそれぞれ第3のガス管及び第4のガス管に接続してから、出力端子を有する薄型空気リチウム空気電池用格納容器内に格納した。
【0079】
次に、第1のガス管を外部の不活性ガスの供給システムに接続し、第3のガス管を外部の酸素供給ための濃縮器(空気又は酸素ガス供給源:正極活物質供給源)に接続した。
【0080】
次に、ガス供給・排気システムに必要なポンプ及びバルブを接続した。
次に、内部異常検知のための圧力、温度、ガス成分センサを接続した。
【0081】
酸素ガス流路内のガス成分モニタとしてCO2検知器を用いた。その理由は、異常動作に伴い炭化水素系の電解質の分解が起こると予想したからである。
薄型空気リチウム空気電池用格納容器本体にも容器内部の圧力センサ、ガス成分センサを設置し、排気用の排気ポンプおよびバルブを設置した。圧力センサのモニタ値によって排気をするシステムとし、別途防爆弁も追加した(図示略)。圧力センサの異常や動作不良がありうるので、二重の安全性をもたせた。
【0082】
<薄型空気リチウム空気電池用格納容器の安全機構>
次に、格納容器内に不活性ガスを供給してから、ポンプ及びバルブを操作して、薄型空気リチウム空気電池用格納容器内の不活性ガス圧を所定値に保持した。
次に、薄型空気リチウム空気電池内に空気又は酸素ガスを供給してから、ポンプ及びバルブを操作して、薄型空気リチウム空気電池内の空気又は酸素ガス圧を所定値に保持した。
この状態で、電池反応を行った。
【0083】
通常放電時は、酸素供給律速状態を解消するため、酸素ガス流路の圧力を圧力センサでモニタしながら、カットバルブの開閉および圧送ポンプを制御して、ガス圧力を調整し、加圧状態とした。
【0084】
薄型空気リチウム空気電池用格納容器には、異常時対応システムを取り付けた(図示略)。薄型空気リチウム空気電池用格納容器内で異常が生じたときは、異常対処モードの動作に移行する。
具体的には、放電時および充電時とも、積層ラミパッケージ表面に設置された温度センサの温度上昇、ラミパッケージ内酸素ガス流路の圧力異常(圧力センサで検知)、および酸素ガス流路のガス成分異常(CO2センサで検知)のいずれかが発生した時点で、異常対処モード1の動作に移行する。収納容器本体の圧力異常(圧力センサで検知)、収納容器本体内部のガス成分異常(CO2センサで検知)のいずれかも発生した場合には、異常対処モード2の動作に移行する。
【0085】
<異常感知システム>
図19は、実施例1の異常感知システムの信号系統図であって、異常時対応システムにおける各センサからの出力の異常対処動作のシーケンスを示す概略図である。
図19に示すように、異常時対応システムへ入力される各センサからのアナログ信号は所定の閾値を超えると、ポンプ駆動用(電磁)リレー1〜3にて、圧送ポンプ1、2、排気ポンプのオンオフを行い、バルブ駆動用マニホールド1〜7にて、バルブ1〜7の開閉動作を行う構成とした。
【0086】
表1は、各供給装置、ポンプ、バルブの動作シーケンスである。通常放電時、放電異常時、通常充電時、充電異常時にわけ、かつ格納容器内には異常がないモード1と格納容器内部にも異常を検知したモード2にわけて示している。
【0087】
【表1】
【0088】
異常時の基本動作は、酸素濃縮器および圧送ポンプの停止、カットバルブの閉鎖・開動作である。
具体的には、モード1の異常時の基本動作は、ポンプ駆動用(電磁)リレー2を用いて圧送ポンプ2を停止、バルブ駆動用マニホールド2にてバルブ2を閉鎖、バルブ駆動用マニホールド4にてバルブ4を開動作、となる。排気ポンプ1は動作し続ける。
不活性ガスの供給系としては、ポンプ駆動用(電磁)リレー1にて圧送ポンプ1を動作、バルブ駆動用マニホールド1にてバルブ1は開状態を維持する。
排ガス系についてはバルブ駆動用マニホールド5にてバルブ5、バルブ駆動用マニホールド6にてバルブ6の開動作を開け、排気ポンプを動作させる。モード1については、薄型リチウム空気電池内部の異常であるため、バルブ8は閉状態を維持する。以上の動作により、薄型リチウム空気電池内の酸素の分圧(濃度)を一気に低減して、発火、爆発等の制御不能な危険な状態を回避できた。
モード2は、格納容器内部の圧力センサ2もしくはガス成分センサ2の異常により移行する。この場合には格納容器内部も排気する必要があるため、モード1の動作に加え、バルブ駆動用マニホールド8にてバルブ8、バルブ駆動用マニホールド10にてバルブ10を開動作、排気ポンプ2を動作させる。以上により、薄型リチウム空気電池内部および格納容器内部を同時に不活性ガスで置換することができ、発火等の危険な状態を回避できた。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、動作時の急激な酸化発熱反応(発火)を抑制し、安全性を高めた薄型リチウム空気電池用格納容器に関するものであり、電池産業、エネルギー産業等に利用可能性がある。
【符号の説明】
【0090】
15A…孔部、73…封止フィルム、80…積層体、81…正極基材、82…正極材、83…セパレータ、84…負極基材、85…負極材、86…薄型正極構造体、87…薄型負極構造体、88…単位構造部、91、92…収納容器、96…タブ接続部材、97、98…タブ、99…開口部、100…隔壁フィルム、101、102…薄型リチウム空気電池、201…格納室、202A…第3のガス管、202B…第1のガス管、202C…第3のガス管、202D…第2のガス管、202E…第5のガス管、203A、203B…圧送ポンプ、204A、204B、204C…バルブ、205、206…ブレード、207、208…出力端子、210…センサ、211…配線、301…連結部材、301a…第1の連結部、301b…第2の連結部、301c…電池連結部、301d…ガス流通部、302A…連結部材、302Aa…第3の連結部、302Ac…電池連結部、302Ad…ガス流通部、302B…連結部材、303A…連結補助部材、303Aa…補助連結部、303Ac1、303Ac2、303Ac3、303Ac4…部材連結部、303Ad…ガス流通部、303B…連結補助部材、1001、1002…薄型リチウム空気電池用格納容器、2201…格納容器、2202A、2202B…ガス管、2203…ポンプ、2204…バルブ、2205、2206…ブレード、2007、2208…出力端子。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄型リチウム空気電池を格納する格納室を備えた薄型リチウム空気電池用格納容器であって、
前記格納室内に連通する第1のガス管及び第2のガス管と、
前記格納室内に格納する薄型リチウム空気電池内に連通する第3のガス管及び第4のガス管と、
前記第3の配管に前記格納室内との連通を開閉制御するバルブとを有し、
前記第1のガス管に不活性ガス供給源が取り付けられており、
前記第3のガス管に空気又は酸素ガス供給源が取り付けられていることを特徴とする薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項2】
前記格納室内にセンサが備えられ、前記センサが所定の閾値を超えたときに前記バルブを開け、前記薄型リチウム空気電池内に不活性ガスを供給することを特徴とする請求項1に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項3】
前記センサがガス成分センサ、圧力センサ及び温度センサのいずれか又はこれらのセンサの組み合わせであることを特徴とする請求項2に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項4】
前記第2のガス管及び前記第4のガス管に排気機構が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項5】
前記第3のガス管及び/又は前記第4のガス管に薄型リチウム空気電池を連結する連結部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項6】
前記連結部材が、前記第3のガス管に連結する第1の連結部と、前記第4のガス管に連結する第2の連結部と、前記第1の連結部及び前記第2の連結部に連通するガス流通部と、薄型リチウム空気電池を連結する電池連結部と、を有することを特徴とする請求項5に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項7】
前記連結部材が、前記第3のガス管又は前記第4のガス管に嵌合する第3の連結部と、前記第3の連結部に連通するガス流通部と、薄型リチウム空気電池を連結する電池連結部と、を有することを特徴とする請求項5に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項8】
前記電池連結部が、薄型リチウム空気電池の収納容器の開口部を含む部分を嵌合することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項9】
前記電池連結部が、薄型リチウム空気電池の正極基材を嵌合することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項10】
前記第3のガス管及び前記第4のガス管と連結部材との間に連結補助部材が取り付けられていることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項11】
前記連結補助部材が、前記第3のガス管又は前記第4のガス管に連結する補助連結部と、前記連結部材に連結する部材連結部と、を有することを特徴とする請求項10に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項12】
前記部材連結部が2以上設けられていることを特徴とする請求項11に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項1】
薄型リチウム空気電池を格納する格納室を備えた薄型リチウム空気電池用格納容器であって、
前記格納室内に連通する第1のガス管及び第2のガス管と、
前記格納室内に格納する薄型リチウム空気電池内に連通する第3のガス管及び第4のガス管と、
前記第3の配管に前記格納室内との連通を開閉制御するバルブとを有し、
前記第1のガス管に不活性ガス供給源が取り付けられており、
前記第3のガス管に空気又は酸素ガス供給源が取り付けられていることを特徴とする薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項2】
前記格納室内にセンサが備えられ、前記センサが所定の閾値を超えたときに前記バルブを開け、前記薄型リチウム空気電池内に不活性ガスを供給することを特徴とする請求項1に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項3】
前記センサがガス成分センサ、圧力センサ及び温度センサのいずれか又はこれらのセンサの組み合わせであることを特徴とする請求項2に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項4】
前記第2のガス管及び前記第4のガス管に排気機構が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項5】
前記第3のガス管及び/又は前記第4のガス管に薄型リチウム空気電池を連結する連結部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項6】
前記連結部材が、前記第3のガス管に連結する第1の連結部と、前記第4のガス管に連結する第2の連結部と、前記第1の連結部及び前記第2の連結部に連通するガス流通部と、薄型リチウム空気電池を連結する電池連結部と、を有することを特徴とする請求項5に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項7】
前記連結部材が、前記第3のガス管又は前記第4のガス管に嵌合する第3の連結部と、前記第3の連結部に連通するガス流通部と、薄型リチウム空気電池を連結する電池連結部と、を有することを特徴とする請求項5に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項8】
前記電池連結部が、薄型リチウム空気電池の収納容器の開口部を含む部分を嵌合することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項9】
前記電池連結部が、薄型リチウム空気電池の正極基材を嵌合することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項10】
前記第3のガス管及び前記第4のガス管と連結部材との間に連結補助部材が取り付けられていることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項11】
前記連結補助部材が、前記第3のガス管又は前記第4のガス管に連結する補助連結部と、前記連結部材に連結する部材連結部と、を有することを特徴とする請求項10に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【請求項12】
前記部材連結部が2以上設けられていることを特徴とする請求項11に記載の薄型リチウム空気電池用格納容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−109959(P2013−109959A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254162(P2011−254162)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度、文部科学省、科学技術試験研究委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度、文部科学省、科学技術試験研究委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【Fターム(参考)】
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