説明

薄板支持容器用蓋体

【課題】各当接片で各薄板を均一な力で確実に支持する。
【解決手段】内部に薄板を複数枚収納して搬送される薄板支持容器の容器本体を塞ぐ薄板支持容器用蓋体である。上記薄板を支持する薄板押えを、蓋体裏面側に固定される2つの基端支持部と、上記薄板の周縁に沿って複数個配設されて当該薄板に直接に当接される当接片と、上記各基端支持部にそれぞれ支持されて上記複数の当接片のうち両端の当接片の外側端を支持する2つの弾性支持板部と、上記各当接片の間を互いに連接して各当接片を支持する連接支持板部と、当該連接支持板部の上記蓋体裏面に沿うズレを防止して上記蓋体裏面に垂直な方向の変動を許容する支持用部材とを備えて構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体ウエハ、記憶ディスク、液晶ガラス基板等の薄板を収納して保管、輸送、製造工程等において使用される薄板支持容器に用いる薄板支持容器用蓋体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ等の薄板を収納して保管、輸送等するための薄板支持容器は一般に知られている。このような薄板支持容器としては特許文献1に記載のものがある。この薄板支持容器を図2に基づいて説明する。
【0003】
この薄板支持容器1は主に、容器本体2と、この容器本体2の上部開口を塞ぐ蓋体3とから構成されている。容器本体2の内部には、その内部に収納された複数枚の半導体ウエハ4を一定間隔を空けて支持するための薄板支持部6が設けられている。薄板支持部6は、容器本体2を横にした状態(半導体ウエハ4が水平になる状態)のときに各半導体ウエハ4の周縁部をそれぞれ支持する複数の載置板片7と、各載置板片7の間の奥部に設けられ容器本体2を縦にした状態で半導体ウエハ4が溝底部に落ち込んで各載置板片7の中央部で支持するV字型溝(図示せず)とを備えている。
【0004】
上記蓋体3の内側面には、上記薄板支持部6で支持された半導体ウエハ4を蓋体3側から押圧して支持する薄板押え8が設けられている。この薄板押え8には、半導体ウエハ4に嵌合して支持するV字型溝(図示せず)が、半導体ウエハ4の収納枚数に合わせて設けられている。このV字型溝は、その中心位置を薄板支持部6のV字型溝の中心位置に合わせて、左右対称に形成されている。これにより、V字型溝は各半導体ウエハ4を所定位置で支持するようになっている。
【0005】
このような薄板支持容器1では、通常、容器本体2を横にした状態で、半導体ウエハ搬送装置によって半導体ウエハ4が自動的に出し入れされ、蓋体3が取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−122382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述のような薄板支持容器1では、容器本体2を横にした状態のとき、半導体ウエハ4は、薄板支持部6のV字型溝から外れて各載置板片7に載置された状態になる。このため、半導体ウエハ4は薄板支持部6のV字型溝の溝底部から下方へずれた状態になっている。
【0008】
これに対して、蓋体3側の薄板押え8のV字型溝は、容器本体2の薄板支持部6のV字型溝と整合する位置にあるため、半導体ウエハ4が薄板押え8のV字型溝の中心からずれてしまう。このため、容器本体2を横にした状態で蓋体3を取り付ける場合、薄板押え8のV字型溝が半導体ウエハ4の周縁部にスムーズに嵌合できない場合があるという問題がある。
【0009】
また、薄板支持容器1が洗浄されてV字型溝の下側面に塵埃等がほとんど付着していない状態では、半導体ウエハ4は非常に滑りが悪く、下側面に引っ掛かってしまうことがある。この場合、半導体ウエハ4が斜めになってしまうため、薄板押え8のV字型溝が半導体ウエハ4の周縁部にスムーズに嵌合できなくなったり、搬送装置による半導体ウエハ4の自動的な出し入れに支障をきたしたりするという問題がある。
【0010】
また、薄板支持部の載置板片として、図3に示すように、半導体ウエハ4を支持する凸条9A,9B,9Cが設けられることがある。なお、凸条9A,9B,9Cは、いずれか1つが設けられる。係る凸条9の設けられる位置があまり前方すぎると(凸条9Aの位置にすると)、載置板片7の前方部分7Aの内側(図中の左側へ大きく張り出した位置)に凸条9Aを設ける必要があるため、補強が難しく、載置板片7に撓みが生じて半導体ウエハ4の位置ズレが大きくなってしまう。一方、凸条9の設けられる位置があまり奥側すぎると(凸条9Cの位置にすると)、半導体ウエハ4の重さの大部分が凸条9Cに掛かり、V字型溝7Bの下側面に掛かる半導体ウエハ4の重さが小さくなってしまう。これにより、凸条9Cに載置された半導体ウエハ4の摩擦力が大きくなり、薄板支持部6のV字型溝7Bの下側面に載置された半導体ウエハ4の自重によって半導体ウエハ4が下側面に沿って滑る力(半導体ウエハ4を前方へ押しやる力)が小さくなる。この結果、半導体ウエハ4が下側面に引っ掛かって斜めになってしまうため、薄板押え8のV字型溝が半導体ウエハ4の周縁部にスムーズに嵌合できなくなったり、搬送装置による半導体ウエハ4の自動的な出し入れに支障をきたしたりするという問題がある。
【0011】
さらに、蓋体3の内側面に設けられた薄板押え8が、容器本体2内に収納された複数枚の半導体ウエハ4を同時に押圧支持すると、この薄板押え8は各半導体ウエハ4による反発力を受ける。薄板押え8は蓋体3に支持されているが、蓋体3の中央部は強度が弱いため、薄板押え8による複数枚の半導体ウエハ4の押圧支持も中央部が弱くなってしまうという問題がある。
【0012】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、容器本体を横にした状態で、蓋体をスムーズに着脱できると共に薄板をスムーズに出し入れでき、薄板押えの強度を設定値に保つことができる薄板支持容器に用いる薄板支持容器用蓋体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために本発明に係る薄板支持容器用蓋体は、内部に薄板を複数枚収納して搬送される薄板支持容器の容器本体を塞ぐ薄板支持容器用蓋体であって、上記容器本体内に収納された薄板を支持するための薄板押えを備え、当該薄板押えが、蓋体裏面側に固定される2つの基端支持部と、上記薄板の周縁に沿って複数個配設されて当該薄板に直接に当接される当接片と、上記各基端支持部にそれぞれ支持されて上記複数の当接片のうち両端の当接片の外側端を支持する2つの弾性支持板部と、上記各当接片の間を互いに連接して各当接片を支持する連接支持板部と、当該連接支持板部の上記蓋体裏面に沿うズレを防止して上記蓋体裏面に垂直な方向の変動を許容する支持用部材とを備えて構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
連接支持板部の蓋体裏面に沿う方向のズレを防止し、蓋体裏面に垂直な方向の変動を許容して当接片を支持し、当該当接片で薄板を確実に支持する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る薄板支持容器の薄板支持部及びウエハ押えのV字型溝を示す要部拡大図である。
【図2】従来薄板支持容器を示す側面断面図である。
【図3】従来薄板支持容器を示す要部断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る薄板支持容器を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る薄板支持容器を蓋体を外した状態で示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る薄板支持容器の薄板支持部を示す正面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る薄板支持容器の薄板支持部を示す側面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る薄板支持容器の他の薄板支持部を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係る薄板支持容器の他の薄板支持部の取り付け状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態に係る薄板支持容器の他の薄板支持部を示す要部斜視図である。
【図11】本発明の実施形態に係る薄板支持部のV字型溝を示す要部拡大図である。
【図12】本発明の実施形態に係る薄板支持部のV字型溝を示す要部拡大断面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る薄板支持部のV字型溝の溝底部を示す概略断面図である。
【図14】本発明の実施形態に係る薄板支持容器のウエハ押えを示す要部拡大図である。
【図15】本発明の実施形態に係る薄板支持容器の蓋体をその裏面から示す斜視図である。
【図16】本発明の実施形態に係る薄板支持容器の蓋体の要部を示す斜視図である。
【図17】本発明の実施形態に係る薄板支持容器の蓋体の要部を示す断面図である。
【図18】本発明の実施形態に係る薄板支持容器のウエハ押えを示す断面図である。
【図19】本発明の変形例を示す要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。本発明の薄板支持容器は、半導体ウエハ、記憶ディスク、液晶ガラス基板等の薄板を収納して、保管、輸送、製造ライン等における使用に供するための容器である。なお、ここでは、半導体ウエハを収納する薄板支持容器を例に説明する。
【0017】
本実施形態に係る薄板支持容器10は、図4、5に示すように、内部に半導体ウエハ11(図9参照)を複数枚収納する容器本体12と、この容器本体12内の対向する側壁にそれぞれ設けられて内部に収納された半導体ウエハ11を両側から支持する2つの薄板支持部13と、容器本体12を塞ぐ蓋体14と、当該蓋体14の内側面に設けられて半導体ウエハ11を押圧支持する薄板押えとしてのウエハ押え15(図15参照)と、工場内の搬送装置(図示せず)の腕部で把持されるトップフランジ16と、作業者が手で薄板支持容器10を持ち運ぶときに掴む持ち運び用ハンドル17とから構成されている。
【0018】
容器本体12は、全体をほぼ立方体状に形成されている。この容器本体12は縦にした状態(図4,5の状態)で、周囲の壁となる4枚の側壁部12A,12B,12C,12Dと底板部12Eとから構成され、その上部に開口12Fが設けられている。この容器本体12は、半導体ウエハ11の製造ライン等においてウエハ搬送装置(図示せず)に対向して据え付けられるときには、横置きにされる。この横にした状態で底部となる側壁部12Bの外側には、薄板支持容器10の位置決め手段(図示せず)が設けられている。横置き状態で天井部となる側壁部12Aの外側にはトップフランジ16が着脱自在に取り付けられている。横置き状態で横壁部となる側壁部12C,12Dの外側には持ち運び用ハンドル17が着脱自在に取り付けられる。容器本体12の各側壁部12A,12B,12C,12Dの上端部には、蓋体14が嵌合するための蓋体受け部18が設けられている。蓋体受け部18の四隅には、後述する蓋体14の簡易着脱機構26が嵌合して蓋体14を容器本体12側に固定するための被嵌合部18A、18Bが設けられている。被嵌合部18A、18Bは、複数種類の蓋体14等に対応できるように、各種の簡易着脱機構に対応した形状に形成されている。
【0019】
薄板支持部13は、容器本体12に着脱自在に取り付けられている。この薄板支持部13は図6及び図7に示すように構成されている。薄板支持部13は主に、並列に一定間隔を空けて多数枚配設されて各半導体ウエハ11が1枚ずつ載置して支持される載置板片20と、各載置板片20が並列に一定間隔を空けて配設された状態でこれらを3カ所の位置で一体的に支持する連結板片21と、最奥側の連結板片21Aの内側面(半導体ウエハ11への当接面)に形成された半導体ウエハ11の支持用のV字型溝22とから構成されている。
【0020】
薄板支持部13の裏面には、容器本体12内に設けられた下部支持用突起(図示せず)と嵌合してこの薄板支持部13の下部を支持する下部支持穴部23と、上部支持用突起(図示せず)と嵌合してこの薄板支持部13の上部を支持する上部支持穴部24とが設けられている。
【0021】
上記した薄板支持部13は一例であり、これ以外にも種々の構成の薄板支持部がある。他の薄板支持部の例を図8乃至図10に示す。この薄板支持部28の全体構成は上記薄板支持部13とほぼ同様であり、主に、載置板片29と、連結板片30と、V字型溝31とから構成されている。
【0022】
薄板支持部28の下端(図8中の右側端)には、容器本体12内に設けられた下部支持部33と嵌合した状態で薄板支持部28の下部を固定する下部固定片34と、上部支持用突起(図示せず)と嵌合してこの薄板支持部28の上部を支持する上部固定片(図示せず)と、薄板支持部28を手で持つための取っ手35とが設けられている。
【0023】
載置板片29には、凸条37と、ストッパ38とが設けられている。凸条37は、半導体ウエハ11に直接に接触して半導体ウエハ11を水平に支持するための部材である。凸条37は、載置板片29の奥側(図10中の右側)と前側(図10中の左側)とに2つ(左右で4つ)設けられている。奥側の凸条37は、V字型溝31に面して設けられている。前側の凸条37は、この凸条37に載置された半導体ウエハ11との間の摩擦力と、後述するV字型溝31の下側面31Bに載置された半導体ウエハ11の自重により半導体ウエハ11が下側面31Bに沿って滑る力とが釣り合う位置の前側近傍に設けられている。この摩擦力と滑る力とが釣り合う位置に凸条37を設けると、半導体ウエハ11がV字型溝31の下側面31Bを滑ったり滑らなかったりするため、上記釣り合う位置よりも前側に凸条37を設ける必要がある。そして、凸条37をあまり前方に設けると、従来の問題点のように、載置板片29が撓んで半導体ウエハ11を正確な位置で支持することができなくなるため、凸条37を上記釣り合う位置の前側近傍に設ける。この釣り合う位置の前側近傍(例えば、図3の凸条9Bの位置)の凸条37は、載置板片29の撓み(半導体ウエハ11の位置ズレ)を押さえた状態で、半導体ウエハ11を正確な位置で支持すると共に、この半導体ウエハ11をスムーズに滑らせることができるようになる。
【0024】
ここで、凸条37をの位置を変えて実験した結果を述べる。具体的には、図3に示すように、3つの位置(凸条9A,9B,9Cの位置)で実験した。半導体ウエハ11は300mmで、300mmの半導体ウエハ11用の薄板支持容器10を用いた。半導体ウエハ11が薄板支持容器10内に収納された状態(半導体ウエハ11がV字型溝31の下側面31Bから滑り落ちて4つの凸条37に載置された状態)で、凸条9Aの位置を半導体ウエハ11の中心から69±10mm(図3中の距離A)、凸条9Bの位置を半導体ウエハ11の中心から50±10mm(図3中の距離B)、凸条9Cの位置を半導体ウエハ11の中心から30±10mm(図3中の距離C)とした。この設定値で実験した結果、次のようになった。
【0025】
距離Aの位置の場合は、V字型溝31の下側面31Bでの半導体ウエハ11の滑りは良好、載置板片29(7A)の撓みによるウエハ存在値は難、4つの凸条37に載置された状態でのウエハ存在値は良好であった。距離Bの位置の場合は、V字型溝31の下側面31Bでの半導体ウエハ11の滑りは普通、載置板片29(7A)の撓みによるウエハ存在値は普通、4つの凸条37に載置された状態でのウエハ存在値は普通であった。距離Cの位置の場合は、V字型溝31の下側面31Bでの半導体ウエハ11の滑りは難、載置板片29(7A)の撓みによるウエハ存在値は良好、4つの凸条37に載置された状態でのウエハ存在値は難であった。
【0026】
ここで、ウエハ存在値とは、半導体ウエハ11の薄板支持容器10内での理想的位置にどれくらい近いかを表す値である。ウエハ存在値が良好、普通、難とは、半導体ウエハ11の理想的位置からのずれ量を表す指標である。良好、普通、難の3つとも、搬送装置による半導体ウエハ11の自動的出し入れに支障を来さない範囲のずれを表す。支障を来さない範囲内で、理想的位置に最も近い範囲を良好、次第にずれ量が大きくなるのを普通、難と表現した。
【0027】
この結果、300mmの半導体ウエハ11用の薄板支持容器10においては、半導体ウエハ11の中心から50±10mm(距離B)の位置が最も望ましいことが分かる。この距離Bの位置の凸条37は、載置板片29の撓みを押さえた状態で、半導体ウエハ11を正確な位置で支持すると共に、この半導体ウエハ11をスムーズに滑らせることができるようになる。
【0028】
さらに、前後4つの凸条37は、その傾斜角を水平に対して2〜5度下方へ傾斜させて設定されている。この凸条37の傾斜角を水平に対して2〜5度下方へ傾斜させて設定するのは、凸条37の傾斜角をいろいろ変えて実験した結果、この2〜5度の範囲で良好な結果を得たためである。凸条37を水平や上方へ傾斜させると、半導体ウエハ11の裏面に傷を付ける可能性がある。また、下方への傾斜角度を6度以上にすると、半導体ウエハ11を左右へ僅かにずらしても、水平度が大きく変化する。さらに、下方への傾斜角度が小さ過ぎると、摩擦が大きくなって滑りがよくない。このため、半導体ウエハ11の裏面に傷を付ける可能性がなく、半導体ウエハ11の水平度の変化が小さく、さらに半導体ウエハ11の滑りがよい角度として、上記2〜5度の範囲を設定する。具体的な角度は、半導体ウエハ11の大きさや薄板支持容器10の材質等の諸条件に応じて変化するため、諸条件を考慮して実験的に特定する。
【0029】
V字型溝31は、半導体ウエハ11を隣り合う2つの載置板片29の間の中央位置で支持するための部材である。即ち、容器本体12を縦にした状態で、半導体ウエハ11の周縁部がV字型溝31の中央(隣り合う2つの載置板片29の間の中央)に位置する溝底部31Aに嵌合して、半導体ウエハ11を隣り合う2つの載置板片29の間の中央位置で支持するための部材である。V字型溝31は、図10〜13に示すように構成されている。V字型溝31は、下側面31Bと上側面31Cとからなり、断面形状がV字型に形成されている。V字型溝31は載置板片29の最奥側端部(図9中の左側端部)に設けられている。
【0030】
さらに、V字型溝31のうち、容器本体12を横にした状態(半導体ウエハ11が水平になるように配置された状態)で下側に位置する下側面31Bの表面は荒らして仕上げられている。下側面31Bの表面を荒らすとは、下側面31Bの表面全面に10〜15μm程度の凹凸を2万〜3万個/cm2程度の密度で仕上げることをいう。過度に高い精度で下側面31Bを仕上げると、半導体ウエハ11と下側面31Bとが密着しすぎて摩擦抵抗が大きくなって滑りにくくなるのに対して、表面を荒らすと、半導体ウエハ11と下側面31Bとが密着しなくなって摩擦抵抗が小さくなる。このため、下側面31Bの表面を、10〜15μm程度の凹凸が残る状態に荒らして仕上げる。
【0031】
この下側面31Bの表面を荒らして仕上げる手段としては種々のものがある。例えば、PBTやPOMにPTFEやPFAを10%程度混合した材料で、薄板支持部28又はV字型溝31の部分を成形して10〜15μm程度の凹凸を作ってもよい。下側面31Bの表面を研磨やサンドブラスト等によって荒らして仕上げてもよい。また、金型のうち下側面31Bに対応する部分の表面を荒らして10〜15μm程度の凹凸を作ってもよい。下側面31Bの表面に10〜15μm程度の凹凸が2万〜3万個/cm2程度の密度で残る状態に仕上げることができる手段であれば、全ての手段を用いることができる。
【0032】
下側面31Bの表面を荒らす範囲は、下側面31Bのうち、溝底部31Aを除く他の部分である。溝底部31Aは、半導体ウエハ11の周縁部に当接して半導体ウエハ11を支持する必要があるため、滑らない方が望ましい。このため、溝底部31Aは、表面を荒らさず、通常の精度の仕上げとなっている。
【0033】
V字型溝31の溝底部31Aは、両端側と中央側とでその高さを変えて設けられている。具体的には、図13に示すように、多数並んだ各V字型溝31の溝底部31Aのうち、その両端側よりも中央側の溝底部31Aを蓋体14側へ隆起させて設けられている。各溝底部31Aは、円形の一部、楕円形の一部等の曲線状に並んで配設されている。この各溝底部31Aの配列状態を形成する曲線は、ウエハ押え15の撓む形状に合わせる。蓋体14の強度が弱いと、ウエハ押え15が複数の半導体ウエハ11に嵌合して押圧支持するときに、その反動でウエハ押え15が蓋体14と共に撓むが、このとき、撓むウエハ押え15の形状に合わせて各溝底部31Aの配設位置を設定する。これにより、各半導体ウエハ11のウエハ押え15側端部が、ウエハ押え15の撓む形状に合わせて配列されて、この各半導体ウエハ11がウエハ押え15によって均一な力で押圧支持されるようになる。
【0034】
なお、上述した薄板支持部13の説明では、上記薄板支持部28のV字型溝31、凸条37等について言及しなかったが、薄板支持部13においても同様の部材が設けられている。以下では、薄板支持部28のV字型溝31、凸条37等を基に説明する。
【0035】
蓋体14は、図4,15,16に示すように、ほぼ平板状に形成され、容器本体12の蓋体受け部18に嵌合される。蓋体14の四隅には、簡易着脱機構26が設けられている。この簡易着脱機構26の係止爪(図示せず)が蓋体受け部18の被嵌合部18A、18Bに嵌合して、蓋体14が容器本体12に固定されるようになっている。
【0036】
ウエハ押え15は、図18に示すように、基端支持部40と、弾性支持板部41と、当接片42と、連接支持板部43と、支持用リブ44とから構成されている。
【0037】
基端支持部40は、図14〜図18に示すように、ウエハ押え15の両端にそれぞれ設けられて2つの弾性支持板部41を直接的に支持するための部材である。基端支持部40は、四角棒状に形成されると共に、ウエハ押え15の長手方向全長(図15の上下方向)に亘って形成されている。蓋体14の下側面には2つの鈎状支持部46がそれぞれ設けられている。基端支持部40は、各鈎状支持部46にはめ込まれて、蓋体裏面側に固定されている。
【0038】
弾性支持板部41は、当接片42の外側端を弾性的に支持するための部材である。2つの弾性支持板部41は、容器本体12内に収納される半導体ウエハ11の枚数分だけ並べて設けられている。各弾性支持板部41は、横一列に並べられた状態で基端支持部40にそれぞれ固定されている。弾性支持板部41は、側面形状をS字状に折り曲げられて構成されている。2つの弾性支持板部41は、その基端部を2つの基端支持部40にそれぞれ固定され、先端部に当接片42がそれぞれ取り付けられて、各当接片42を弾性的に支持している。
【0039】
当接片42は、各半導体ウエハ11の周縁部に直接に当接して各半導体ウエハ11を直接的に支持するための部材である。各当接片42の一側面には、図1に示すように、半導体ウエハ11が嵌合するV字型溝48が設けられている。このV字型溝48は、半導体ウエハ11の周縁部を溝底部に嵌合することで、半導体ウエハ11を蓋体14側から支持するようになっている。このV字型溝48のうち、各半導体ウエハ11が水平になるように配置された状態(容器本体12を横にした状態)で、下側に位置する面である下側面48Aを大きくしている。具体的には、傾斜角度を緩やかにして面積を大きくしている。これにより、下側面48Aの下端部を下方へ延ばして形成されている。この結果、下側面48Aの下端部は、下方へずれた状態の半導体ウエハ11よりも下側に位置するように設定されている。なお、半導体ウエハ11が下方へずれた状態とは、容器本体12を横にして、各半導体ウエハ11が、薄板支持部13のV字型溝22から外れて載置板片29に載置された状態(図1の半導体ウエハ11Aの状態)をいう。さらに、下側面48Aは、上記V字型溝31の下側面31Bと同様に、その表面を荒らして仕上げられている。
【0040】
連接支持板部43は、図14〜図18に示すように、2つの当接片42の間を互いに連接して支持するための部材である。連接支持板部43の両端部が各当接片42にそれぞれ接続されて各当接片42を弾性的に支持している。連接支持板部43は、側面形状をほぼU字状に折り曲げて形成されている。具体的には、両側の縦板部43A,43Bと、横板部43Cとから構成されている。縦板部43A,43Bは、蓋体14の裏面に垂直な方向に配設され、ほとんど撓むことなく、各当接片42を支持する。
【0041】
横板部43Cは、弾性的に撓むようになっている。連接支持板部43が各当接片42を弾性的に支持する機能は主に横板部43Cが担っている。横板部43Cは、その両端に縦板部43A,43Bがそれぞれ接続された状態で、蓋体14の裏面に沿う方向に配設されている。横板部43Cは、その中央部を後述する支持用凸条50に支持され、この支持用凸条50を中心にして両端部が撓むようになっている。
【0042】
支持用リブ44は、連接支持板部43を支持して蓋体裏面に沿った方向にズレるのを防止するための支持用部材である。支持用リブ44は、蓋体14の裏面の中央部に設けられている。支持用リブ44は、多数配設されるウエハ押え15の連接支持板部43の全部を覆うように設けられている。具体的には、収納される半導体ウエハ11の枚数分だけ並べて設けられる連接支持板部43を全て嵌合できる長さに設定されている。支持用リブ44は、2つの支持壁部51,52で構成されている。
【0043】
各支持壁部51,52は互いに対向して平行に設けられている。各支持壁部51,52は、支持板片53と、仕切り板片54とから構成されている。
【0044】
支持板片53は、連接支持板部43の縦板部43A,43Bを、半導体ウエハ11の円周方向(図18の左右方向)にずれないように支持するための部材である。支持板片53は、連接支持板部43の縦板部43A,43Bを直接的に支持することで、間接的に各当接片42を、半導体ウエハ11の円周方向にずれないように支持している。
【0045】
仕切り板片54は、多数配設される連接支持板部43を個別に仕切るための板片である。各仕切り板片54は、最外側及び各連接支持板部43の間にそれぞれ位置して設けられている。これにより、各仕切り板片54が各連接支持板部43をその幅方向両側から支持している。これにより、各仕切り板片54は、連接支持板部43を直接的に支持することで、間接的に各当接片42を、半導体ウエハ11の円周方向と直交する方向にずれないように支持している。
【0046】
上記支持板片53と仕切り板片54とで、連接支持板部43を周囲(容器本体12内に収納された半導体ウエハ11の円周方向と直交する方向)から挟んで個別に支持することで、連接支持板部43の蓋体裏面に沿う方向のズレを防止し、蓋体裏面に垂直な方向の変動を許容するようになっている。
【0047】
支持板片53及び仕切り板片54と、連接支持板部43との間は、僅かな隙間が空くように設定され、小さい振動のとき接触しないようになっている。即ち、半導体ウエハ11が僅かに振動する程度のときには、連接支持板部43は、支持板片53及び仕切り板片54と接触しないで撓んで振動を吸収するようになっている。振動が激しくなったときには、各当接片42を介して連接支持板部43も激しく振動するため、連接支持板部43は支持板片53及び仕切り板片54に接触して支持されるようになっている。
【0048】
支持用リブ44の2つの支持壁部51,52の間には、支持用凸条50が設けられている。支持用凸条50は、各連接支持板部43に直接当接して支持するための部材である。具体的には、各連接支持板部43の横板部43Cの中央部が支持用凸条50に当接して支持され、横板部43Cの両端部が自由に撓むことができるようになっている。支持用凸条50は、互いに対向して平行に設けられた2つの支持壁部51,52の間の中央部にこれら支持壁部51,52と平行でかつほぼ同じ長さに設けられている。
【0049】
支持用凸条50は図17に示すようになっている。即ち、両側に位置する当接片42に比べて中央側に位置する当接片42を半導体ウエハ11側へ隆起させるように、両側を薄く、中央側を厚く成形されている。本実施形態では、全体を弓なりに湾曲して形成されている。これにより、ウエハ押え15が蓋体14に取り付けられた状態で、各連接支持板部43との間隔が、両側で広く、中央側で狭くなるように設定されている。この支持用凸条50の具体的な寸法は、薄板支持部28のV字型溝31の溝底部31Aとの兼ね合いで、蓋体14の撓み量に応じて適宜設定される。
【0050】
支持用凸条50をこのように形成するのは次の理由による。容器本体12内に複数枚の半導体ウエハ11を収納した状態で蓋体14を取り付けると、蓋体14に一定の反発力が作用する。蓋体裏面に取り付けられたウエハ押え15は、各半導体ウエハ11を1枚ずつ一定の力で支持するため、半導体ウエハ11の直径が大きくなってその1枚の半導体ウエハ11を支持する力が大きくなればなるほど、また枚数が多くなればなるほど、ウエハ押え15を押し返す反発力も大きくなる。この反発力により、ウエハ押え15が取り付けられた蓋体14が外側へ多少撓むようになる。そして、蓋体14が外側へ撓むと、ウエハ押え15で半導体ウエハ11を支持する力が中央部で弱くなってしまう。この半導体ウエハ11を支持する力の不均一を解消するために、支持用凸条50が設けられている。中央側を厚くした支持用凸条50によって蓋体14の撓みが吸収され、ウエハ押え15が各半導体ウエハ11を均等な力で支持するようになっている。
【0051】
以上のように構成された薄板支持容器は次のように作用する。
【0052】
容器本体12を横にした状態で、半導体ウエハ11が搬送装置等で容器本体12内に挿入されると、半導体ウエハ11は薄板支持部28の載置板片29に載置される。このとき、半導体ウエハ11は、載置板片29の4つの凸条37に載置される。半導体ウエハ11が少し奥に入りすぎた場合は、半導体ウエハ11の奥側の周縁がV字型溝31の下側面31Bに乗ることがある。この場合は、図12に示すように、下側面31Bに乗った半導体ウエハ11が自重によって傾斜した下側面31Bに沿って下方へ落ちる。これにより、半導体ウエハ11は、載置板片29の4つの凸条37に確実に支持されて、容器本体12内で水平に整然と並ぶ。
【0053】
この状態で、蓋体14が取り付けられると、蓋体14のウエハ押え15が各半導体ウエハ11に当接する。このとき、ウエハ押え15のV字型溝48の下側面48Aの下端部は、載置板片29に載置された半導体ウエハ11よりも下側に位置するため、この下側面48Aが半導体ウエハ11をすくい上げてV字型溝48の溝底部まで案内する。即ち、各当接片42のV字型溝48が各半導体ウエハ11の周縁部に個別に嵌合し、各半導体ウエハ11の周縁部をV字型溝48の溝底部に案内する。
【0054】
これと同時に、各半導体ウエハ11が容器本体12の奥側へ押されて、各半導体ウエハ11の周縁部が薄板支持部28のV字型溝31の下側面31Bに沿って押し上げられる。これにより、各半導体ウエハ11は載置板片29からV字型溝31の溝底部31Aへ案内される。
【0055】
これにより、容器本体12に蓋体14を取り付ける場合に、蓋体14を微調整しなくても、容易に取り付けることができるようになる。この結果、蓋体14の着脱を着脱装置等を用いて、容易に自動化することができるようになる。
【0056】
さらに、容器本体12に蓋体14を取り付けると、ウエハ押え15が各半導体ウエハ11を押圧支持する反動として、ウエハ押え15及び蓋体14が撓むが、V字型溝31の溝底部31A及び支持用凸条50は、このウエハ押え15等の撓む形状に合わせて配設されているため、各半導体ウエハ11を均等な力で押圧支持する。
【0057】
一方、容器本体12に複数の半導体ウエハ11が収納されて蓋体14が取り付けられている状態から蓋体14を取り外すと、半導体ウエハ11を押さえていたものがなくなる。このため、半導体ウエハ11はその周縁部が薄板支持部28のV字型溝31の下側面31Bに沿って滑り落ちて、4つの凸条37の上に載置される。
【0058】
このとき、V字型溝31の下側面31Bは表面を荒らして仕上げられ、凸条37は2〜5度の範囲で傾斜させて設けられているため、半導体ウエハ11はその周縁部が下側面 に乗った状態から確実に滑り落ちて4つの凸条37の上に載置される。さらに、前側の凸条37が上記摩擦力と滑る力とが釣り合う位置に設けられているため、載置板片29が撓むことはなく、半導体ウエハ11は水平に正確な位置に載置される。
【0059】
これにより、容器本体12を横にして蓋体14が取り外された状態で、各半導体ウエハ11は水平で正確な位置に支持されている。これにより、搬送装置で出し入れする場合に、搬送装置のフォーク部が半導体ウエハ11に接触することもなくなる。
【0060】
[変形例]
(1) 上記実施形態では、ウエハ押え15のV字型溝48の下側面48Aを大きくする態様として、傾斜角度を緩やかにして面積を大きくしたが、この下側面48Aの傾斜角度を変えずに面積を大きくしてもよい。容器本体12を横にして半導体ウエハ11が載置板片29に載置された状態で、下側面48Aの下端部が半導体ウエハ11よりも下側に位置して半導体ウエハ11をすくい上げることができるように下側面48Aを大きくする態様であればよく、このように形成された下側面48Aすべてが本発明に含まれる。
【0061】
また、V字型溝48の下側面48Aを大きくせず、図19に示すように上下の両側面を上下対称にして、V字型溝48を下側(容器本体12を横にした状態の下側)へずらして設けてもよい。即ち、V字型溝48の溝底部を通る中心線Aを、薄板支持部13のV字型溝22の中心線Bよりも下側へずらして設けてもよい。また、下側面48Aを大きくした上で、V字型溝48を下側へずらすようにしてもよい。V字型溝48をずらす量はウエハ押え15の寸法等の種々の条件によって相違するが、少なくともV字型溝48の下側面48Aの下端部が半導体ウエハ11よりも下側に位置して半導体ウエハ11をすくい上げることができる位置までV字型溝48をずらす。通常は、V字型溝48の幅の20%程度下側へずらす。なお、V字型溝48の下側面48Aの下端部が半導体ウエハ11よりも下側になる位置は、半導体ウエハ11の寸法等の種々の条件によって異なるので、それぞれに応じて適宜設定する。このため、V字型溝48の幅の19%以下であったり、21%以上である場合もある。
【0062】
この場合も、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0063】
(2) 上記実施形態では、ウエハ押え15のV字型溝48を正確なV字型に形成したが、このV字型溝48の形状としては正確なV字型に限る必要はない。段階的に角度を変えたV字型溝や、U字型に近い形状の溝、ほとんどU字型の溝、その他の形状の溝でもよい。下側面48Aの下端部が半導体ウエハ11よりも下側に位置して半導体ウエハ11をすくい上げることができる機能を備えたV字型溝全てが含まれる。下側面48Aも平坦面状に限る必要はない。半導体ウエハ11をすくい上げる形状であればよい。
【0064】
この場合も、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0065】
(3) 上記実施形態では、容器本体内に収納された薄板を支持するための薄板押えとしてのウエハ押え15を例に説明したが、本発明はこれに限らず、他の構造の薄板押えにも適用することができる。この場合も、上記実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【0066】
(4) 上記実施形態では、各半導体ウエハ11を均等な力で支持する対策(蓋体14側の対策)としてウエハ押え15の支持用凸条50の厚みを変えたが、ウエハ押え15の強度を変えるようにしてもよい。具体的には、弾性支持板部41及び連接支持板部43の縦板部43A,43Bの厚さを変える。中央側の弾性支持板部41及び連接支持板部43の縦板部43A,43Bの厚さを、両端側よりも厚くして補強する。これにより、蓋体14が撓んで弱くなる分を補う。基端支持部40の厚さを変えて蓋体14が撓み難くしてもよい。この場合も、上記実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【0067】
(5)上記実施形態では、V字型溝31の溝底部31Aの位置を調整したが、この場合、溝底部31Aの位置だけを調整しても、溝底部31Aを含むV字型溝31の位置を調整してもよい。V字型溝31自体の位置を調整する場合としては、薄板支持部28を成形するときに、V字型溝31の位置をその中央側が蓋体14側へ隆起するように設計してもよい。また、V字型溝31の位置は蓋体14側へ隆起させずに直線上に配列するように薄板支持部28を成形し、薄板支持部28を容器本体12に取り付けるときに、薄板支持部28を変形させるようにしてもよい。具体的には、薄板支持部28の中央側であって薄板支持部28側又は容器本体12側に、突起等の薄板支持部28を変形させるものを設けてもよい。この場合も、上記実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【0068】
(6) 上記実施形態では、支持用凸条50を、その両側を薄く、中央側を厚く成形すると共に、V字型溝31の溝底部31Aを、その両端側よりも中央側の溝底部31Aを蓋体14側へ隆起させて設けたが、これらはいずれか一方のみでもよい。この場合も、上記実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【0069】
(7) 上記実施形態では、V字型溝31の下側面31Bの表面を荒らして仕上げたが、V字型溝31の上下両側面の表面を荒らして仕上げてもよい。この場合も、上記実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0070】
10:薄板支持容器、11:半導体ウエハ、12:容器本体、12A,12B,12C,12D:側壁部、12E:底板部、12F:開口、13:薄板支持部、14:蓋体、15:ウエハ押え、16:トップフランジ、17:持ち運び用ハンドル、18:蓋体受け部、18A、18B:被嵌合部、20:載置板片、21:連結板片、21A:連結板片、22:V字型溝、23:下部支持穴部、24:上部支持穴部、26:簡易着脱機構、28:薄板支持部、29:載置板片、30:連結板片、31:V字型溝、31A:溝底部、31B:下側面、31C:上側面、33:下部支持部、34:下部固定片、35:取っ手、37:凸条、38:ストッパ、40:基端支持部、41:弾性支持板部、42:当接片、43:連接支持板部、43A,43B:縦板部、43C:横板部、44:支持用リブ、46:鈎状支持部、47:半導体ウエハ、48:V字型溝、48A:下側面、50:支持用凸条、51,52:支持壁部、53:支持板片、54:仕切り板片。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に薄板を複数枚収納して搬送される薄板支持容器の容器本体を塞ぐ薄板支持容器用蓋体であって、
上記容器本体内に収納された薄板を支持するための薄板押えを備え、
当該薄板押えが、蓋体裏面側に固定される2つの基端支持部と、上記薄板の周縁に沿って複数個配設されて当該薄板に直接に当接される当接片と、上記各基端支持部にそれぞれ支持されて上記複数の当接片のうち両端の当接片の外側端を支持する2つの弾性支持板部と、上記各当接片の間を互いに連接して各当接片を支持する連接支持板部と、当該連接支持板部の上記蓋体裏面に沿うズレを防止して上記蓋体裏面に垂直な方向の変動を許容する支持用部材とを備えて構成されたことを特徴とする薄板支持容器用蓋体。
【請求項2】
請求項1に記載の薄板支持容器用蓋体において、
上記支持用部材が、上記各連接支持板部を上記蓋体裏面に沿ってズレないように個別に支持する支持用リブを備えて構成されたことを特徴とする薄板支持容器用蓋体。
【請求項3】
請求項1に記載の薄板支持容器用蓋体において、
上記当接片が、上記薄板の周縁に沿って複数個配設されると共に並列に複数配設されて上記複数の薄板にそれぞれ直接に当接され、
上記並列の各当接片が、その両側に位置するものに比べて中央側に位置するものを上記薄板側へ隆起させて配設されたことを特徴とする薄板支持容器用蓋体。
【請求項4】
請求項3に記載の薄板支持容器用蓋体において、
上記各当接片を支持する各連接支持板部が、両側に位置する上記当接片に比べて中央側に位置する上記当接片を上記薄板側へ隆起させるように、形成されたことを特徴とする薄板支持容器用蓋体。
【請求項5】
請求項3に記載の薄板支持容器用蓋体において、
上記蓋体裏面側に設けられ上記連接支持板部に当接して当該連接支持板部を支持する支持用凸条を備え、
当該支持用凸条を、両側に位置する上記当接片に比べて中央側に位置する上記当接片を上記薄板側へ隆起させるように形成されたことを特徴とする薄板支持容器用蓋体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−54984(P2011−54984A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242326(P2010−242326)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【分割の表示】特願2003−421482(P2003−421482)の分割
【原出願日】平成15年12月18日(2003.12.18)
【出願人】(000140890)ミライアル株式会社 (74)
【Fターム(参考)】