説明

薄膜アセンブリおよび薄膜アセンブリの製造方法

基材(2)および、薄膜技術によって基材上に設けられた少なくとも1つの電子薄膜構成要素(8)、を有する、薄膜アセンブリ(1)であって、ここでベース電極(4)が基材上に提供されており、その上に、薄膜構成要素の一部を形成する、ベース電極薄膜層(21)が、上部トップ電極(9)と併せて配置されており;
この基材(2)は、絶縁材ベース体(3)と、導体層(5)としての金属コーティングと、を有する、従来知られているプリント回路基板(2)から構成され、
この導体層(5)は、ベース電極(4)を形成し、そしてこの目的のために、少なくとも薄膜構成要素(8)の位置上はスムージングされており、および
接触層(18)が、スムージングされ、必要に応じて補強された導体層(5)と、薄膜構成要素(8)の積層薄膜層(21)と、の間に、薄膜技術によって提供されており、ここで接触層が、ベース電極(4)の表面に、物理的または化学的に吸着されている、薄膜アセンブリ。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、基材および、薄膜技術によって基材上に設けられた、少なくとも一つの電子薄膜構成要素、を有する、薄膜アセンブリであって、ベース電極が基材に提供されており、その上に、薄膜構成要素の一部を形成するベース電極薄膜層が、上部トップ電極と併せて配置されている、薄膜アセンブリ、に関する。
【0002】
また本発明は、薄膜技術によって基材に設けられた、少なくとも1つの電子薄膜構成要素を有する、薄膜アセンブリの製造方法にも関する。
【0003】
米国特許第4,839,558には、基材上に設けられたエレクトロルミネセンスエレメントを有するアセンブリが記載されており、これはプリント回路基板としての機能を果たし得、そして他の電子構成要素を有しうる。知られているエレクトロルミネセンスアセンブリは、厚膜構造として基材に設けられており、そして、エッチング後に残された、銅で覆われたベース電極上にプリントされた、エレクトロルミネセンス層を有する。電極を形成する内部酸化スズ層を有する透明なガラスカバーが、この上に、付着剤を用いて、取り付けられている。このような構造は、特に厚さ方向において、比較的大きな寸法を有するという欠点だけでなく、製造が困難であるという欠点も有する。
【0004】
一方、欧州特許出願公開EP1087649 Aには、エレクトロルミネセンスアセンブリを基材に設けること、そして、薄膜技術による封入において、とりわけ有機(無機も含む)発光層が活性エレクトロルミネセンス層として提供されること、が記載されている。同様に、ベース電極が、例えば気相からのデポジットによって基材上に設けられ、そして発光層の上に、伝導材質が、気相から同様にデポジットされ、トップ電極が形成される。ディスプレイ用のエレクトロルミネセンスエレメントのマトリックス様のアセンブリを提供する点からは、トップ電極は直線形で配置され、そしてベース電極は柱形で配置され、そして活性エレクトロルミネセンスエレメントは「ポイントで賢明に(pointwisely)」処理される。エレクトロルミネセンスアセンブリを実現する場合において適用される薄膜技術を考慮すると、ガラス基材が使われ、そしてこれには、個々の薄層の層が容易にとりつけられるように、十分に平坦な表面が提供され、一方で要求される不活性性能を保護する、すなわち物質がガラス材料からそれぞれの薄層構造中へ拡散しないようにされる。しかしながらこのようなガラス基材は、比較的複雑でありそして製造に費用がかかるという不利益があり、そしてさらなる電子構成要素のマウント、とりわけ小型回路アセンブリに際しては、適していない。
【0005】
また、金属コーティング、特に銅コーティング、を絶縁または誘電ベース体上に有する標準的なプリント回路基板は、薄膜技術に適合しない。
【0006】
本発明の目的はこれらの欠点を克服するものであり、簡潔にそして費用効率のよい手法で、また複雑なガラス基材などを必要とすることなく、実現可能な薄膜アセンブリの製造を与える技術を提供するものである。本発明は特に、通常使用されるプリント回路基板、所望の電子薄膜構成要素などの集積化、とりわけエレクトロルミネセンスアセンブリ、での使用を可能にすることを目的とするが、しかし他の電子構成要素で同様に直接にでもよく、またはもちろん、さらに電気構成要素の通常の手法におけるマウンティングも可能である。
【0007】
本発明において、まず定義される薄膜アセンブリは、
基材が、絶縁材ベース体と、導体層としての金属コーティングと、を有する、それ自体知られているプリント回路基板から構成され、
導体層はベース電極を形成し、この目的のため、少なくとも薄膜構成要素の位置上はスムージングされており、および
接触層が、スムージングされ、必要に応じて補強された導体層と、薄膜構成要素の積層薄膜層と、の間に、薄膜技術によって提供されており、ここで接触層が、ベース電極の表面上に物理的または化学的に吸着されている、
ことを特徴とする。
【0008】
本発明において、通常使用されるプリント回路基板は、薄膜システムに適合するように条件付けされている。そうすることで、導体層、すなわちプリント回路基板の金属面は、ベース電極を形成するようにスムージングされておりおよび/または研磨されており、こうして薄膜アセンブリのベースが提供される。必要であれば、こうして得られるベース電極は化学的または電気化学的に補強されていてもよく、このような補強材のとりつけによって、ベース電極の表面の上記のスムージングがなされていてもよい。スムージングは、特に、最大平均表面粗さが10nm、好ましくは3nm、をもたらし、それぞれの粗さ評価は、20×20μm(マイクロ粗さ(micro-roughness))の寸法を有する、技術的に関連する表面に限定される。より大きな外側の広がり(マイクロ粗さ)の不均一さは、薄膜技術において不適切である。
こうして得られた、ベース電極の顕微鏡的にスムースな表面の上に、接触層が存在し、これは好ましくは金属であり、しかし他の無機または有機化学層または半導体層であってもよく、そして、特に、幾つかの機能の役割を果たすことができる:一方、この接触層は、物質が、金属コーティングから、例えば有機エレクトロルミネセンス層を有する積層薄膜アセンブリ中に拡散しないように、金属コーティング(ベース電極)を不導体化するのに役立つ。一方、接触層は、特に接触「促進」層を構成して、薄膜構成要素の活性なまたは不動態の薄膜層と、ベース電極と、の間で、電気接触を増強し、安定化させる。さらに、この接触層は、付着促進改善層も構成し、ベース電極上の薄膜構造の付着力を安定化させ、こうして長期の付着が確保される。
それぞれの接触層自体は、集積化されるそれぞれの薄膜構成要素に応じて選択され、そして一般的に、フォトリソグラフを用いて、および通常の薄膜技術の手法、すなわち熱蒸発、コールドカソードデポジット、スピンコーティングなどによって、パターン化される。接触層は、例えば、特にアルミニウム、金、パラジウムまたは白金などの金属を有し、また、伝導性の懸濁液または溶液、例えばポリアニリン、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸など、を用いて、接触層を作成してもよい。ベース電極を形成する導体層のスムージング、および接触層を設けることによって、それぞれの薄膜構造の良好な付着、同様に適切な電気接触が確保され、こうして誘電ベース体および金属コーティングを有する通常用いられるプリント回路基板における薄膜構造の集積化が可能となる。
現在主に行われているプリント回路基板は、この事例では、両面銅コーティングが施されたエポキシ樹脂ベース体から構成される。銅コーティングまたは、一般的な金属コーティングなどは、比較的厚く、そして、有利な手法では、それぞれの薄膜構造に対してクーリングエレメントとしての機能も果たす;このクーリング機能において、銅コーティングはそれに応じた厚さ(または補強)が選択されてもよい。また、同然のことながら、フレキシブルなプリント回路基板を用いることもでき、これは「導体トラックホイル(conduct track foils)」ともいわれており、例えばポリイミド、ポリエチレンナフタレートまたはポリエステルの絶縁材料ベース体を有し、ここで金属コーティング(例えば銅など)が、さらに導体層として提供されていてもよい。
【0009】
上記の「電子」という用語は、特に電子光学システムまたは層、特にエレクトロルミネセンスアセンブリなど、を包含する、広義の意味で理解されるべきであり、それ自体は例えば欧州特許出願公開EP0854662 A、さらに米国特許第4839558および欧州特許出願公開EP1087649 Aの冒頭に記載されている。しかしながら類似の手法として、太陽電池、センサー、そしてとりわけ光学センサー、また温度センサーなど、さらには、ダイオード、トランジスター、電界効果トランジスター、発光ダイオード、抵抗、コンデンサーおよび保護エレメント(例えばスナッバー)などの電子構成要素が、例えば、本発明による技術を含む「電子」薄膜構成要素として考えられる。これ自体は知られていることであるが、これらの薄膜構成要素は、大気の影響に備えて、封入によってそれぞれ保護されていてもよく、ここで、さらに封入でゲッター材料を導入することも実行可能であり、遊離のガス充填容積を封じ込めてもよく、ここでゲッター材料は、ガス容積中に含まれる酸素および/または水を吸収し、こうして、望ましくない化学工程から、薄膜構成要素を保護する。薄膜構成要素としての、エレクトロルミネセンスのまたは光起電性のアセンブリまたは光学センサーの場合には、封入は半透明または透明に作成してもよく、必要に応じて同様に処理されたトップ電極および別個の接触層としてでもよく、さらに、接触増強、安定化および不動態化されていてもよい。
【0010】
エレクトロルミネセンスアセンブリの場合には、それ自体知られた手法における封入は、局所的ベース電極または局所的薄膜構成要素それぞれに配向された、色変換および/または屈折率整合層(index matching layers)を備えていてもよい。
【0011】
通常使用されるプリント回路基板の基材としての使用を考慮すると、有利な手法において本発明によって実行可能であり、そして、局所的ベース電極の最も多様なパターンを提供するためのもたらされる選択肢では、薄膜構成要素システムを構成するエレクトロルミネセンスデバイスが特に有利であり、個々のフィードスルーを有する局所的ベース電極が、絶縁グリッド構造におけるプリント回路基板上に供される場合は、プレーナーエレクトロルミネセンス薄膜システム、同様にプレーナー、を伴ってもよく、またはストリップ形態に抜け目なくまたは符号形態にパターン化された、トップ電極を上述のように配置してもよい。このような配位を伴って、それぞれの薄膜構造およびトップ電極は、個々のエレクトロルミネセンスエレメントにおける制御選択を失うことなく、特に簡潔な手法で、集積化することができる。
【0012】
通常用いられるプリント回路基板の使用における他の利点は、いわゆるビア連結(via connections)であり、これ自体は知られたものであるが、プリント回路基板のベース体を通して、電極の接触に供されうる。このようなフィードスルー、そして特にレーザードリルフィードスルーは、狭く、小型取付であるため、構成要素、とりわけ特に高い密度を有する光電子構成要素、の集積化を可能にし、例えば複数の小さな、密に接するピクセルを有するディスプレイシステム、すなわち高解像度ディスプレイシステム、を得ることが可能となる。しかしながら、機械的な穴またはプラズマエッジの連結に基づくフィードスルーもまた、考慮できる。有利な手法において、ベース電極の連結におけるフィードスルーが、これらのベース電極の下に直接提供される;これは「電極を介した(via-in-electrode)(VIE)」構造といわれる。しかしながら、トップ電極の接触の点において、関連する電極に対して、オフセットの手法でフィードスルーを置くこともまた一般的であり、実行可能であり、これは、プリント回路基板の上方側の上に、パッドを介することによって、構成要素に、水平の電気連結を設置することを必要とする。このような構造は「電極を介さない(via-off-electrode)(VOE)」構造といわれる。
【0013】
プリント回路基板上に幾つかの薄膜構成要素を設ける場合、通常の場合は、薄膜構成要素間のプリント回路基板の金属コーティングのゾーンを排除する必要があり、これにより、例えばフォトレジストなどを含む別の絶縁材が提供され、そして、フォトリソグラフィー工程によって、横方向にパターン化された手法でとりつけられる。このような絶縁材は、ベース電極を含めて、個々の薄膜構成要素を封じ込め、従って互いに関連して同様に絶縁する。この場合、絶縁材のとりつけの前に、通常使用される薄層技術によって設けられた不動態化層によって、金属コーティングまたは導体層に覆われていないプリント回路基板ゾーンに、「接し(close)」させてもよく、そして、プリント回路基板のベース体からでてくる物質による、それぞれの薄膜構成要素の任意の汚染を防止することができる。この不動態化層は、例えば、酸化ケイ素、ゾル−ゲル系またはエポキシ化合物を含みうる。ここでも、それぞれの不動態化層は、もちろん、残りの材料の性質に応じて再び選択してもよく、特に、プリント回路基板のベース体の材料、不動態化は、一般に、フォトリソグラフィカル的に(photolitographically)パターン化され、そして通常の薄膜工程(例えば温度蒸発、スピンコーティング、インクプリント工程またはコールドカソードコーティングなど)によって設けられる。このようなパターン化のかわりに、局所的適用、初期の全表面、不動態化層の一律な適用、例えばラミネートなど、もまた実行可能であり、パターニングは次いでフォトリソグラフィーエッチング技術を用いて実現できる。
【0014】
上述したように、現状の薄膜アセンブリで通常使用されるプリント回路基板の適用性における必須の特性は、導体層においてみることができ、そしてパターニングによって導体層から得られる局所的ベース電極は、低い表面粗さが得られるようにスムージングされている。このスムージングはそれ自体知られている様々な手法によって実現でき、機械的、また電気化学的、化学的、および化学機械的(chemicomechanical)スムージング手法および/またはイオンエッチングによる研磨、同様にこれらの手法の組み合わせなどが考えられる。この点において、特に、例えば、硫酸、硝酸またはクロロ硫酸の使用による化学エッチングによる導体層のスムージングが実行可能である。一方、例えば、アルゴンまたはアルゴンクラスタなどの個々のまたは幾つかの原子または分子の粒子のボンバードメントによって導体層がスムージングされる場合もまた、利点がある。
【0015】
局所的ベース電極の補強が提供される場合は、さらに、フォトリソグラフィー手順による残存ゾーンにおいて一時的に、プリント回路基板を前もって不導体化するのが適している。このために設けられる不動態化層は、次いで、それぞれの薄膜構成要素、特に接触層、の適用の前に、再び取り除かれる。
【0016】
導体層がパターン化され、局所的ベース電極が形成される場合、導体層の(特にフォトリソグラフィック)パターニングの前に、さらに、導体層のスムージングを行うことが可能である。
【0017】
既に述べたとおり、リジッドなプリント回路基板のみでなく、フレキシブルなプリント回路基板もまた、本発明による技術に即して実施することができる。現在、このようなフレキシブルなプリント回路基板は、例えば、多面的な形態における機械的にしっかりとしたそして設置面積をとらない連結手法として用いられており、例えば「フラットなリボンケーブル構造」であり、そしてこれは装置の個々の電気構成要素の間の移動可能な連結の設置を可能にするのみでなく、曲げ、折りたたみおよびねじりによる、ハウジングの内部での利用による、プリント回路基板の最適な配置も可能にする。本明細書に記載される技術による、このようなフレキシブルプリント回路基板における、薄膜構成要素の集積化は、現在のところ、例えば通常使用されるリジッドな厚い構成要素の場合であっても、プリント回路基板の補強をもたらすことなく、不動のまたは活性な薄膜構成要素の集積化によるフレキシブルゾーンの利用の選択を提供する。従って、可動な、フレキシブルなそして機械的にしっかりした構成要素を得ることができ、そして薄膜構成要素自体のようなプリント回路基板は、薄膜構成要素の低容量化および低重量化のために、実質的に低い程度で、機械的負荷において応力をうける。フレキシブルなプリント回路基板、結果としてフレキシブルな薄膜アセンブリ、の使用としては、振動、加速などにさらされる、機械的に高度に応力を受けうる弾性電子構成要素;フレキシブルさがその機能性の一部であるような構成要素、例えばキーボードまたはセンサーなど;曲げられる「マウント可能な」折りたたみ回路基板;さらにはロールアップスクリーンなど、幾つかの適用が考えられる。
【0018】
このようなフレキシブルなプリント回路基板を用いて、それぞれの薄膜システムに適合するように、既に注記したように導体層は再び調整される。
そのため、薄膜構成要素のベース電極を形成する導体層は、スムージングされているかまたは研磨されておりそして必要に応じて補強されている;さらに、ベース電極は、構成要素と適切な接触層を備えていてもよく、これは通常の薄膜工程、すなわち熱蒸発、コールドカソードデポジット、スピンコーティングなどによって設けることができる。
一般的に、全ての薄膜工程は、フレキシブルな基材のコーティングに特に適しており、そのためフレキシブルな構造物を形成することができ、
ここで工程中、とりわけ、個々の工程ステーションの間の基材の輸送において、適応調整を必要に応じて行うことができる。
従って、リジッドなプリント回路基板がフレキシブルなプリント回路基板に置き換えられる場合であっても、それぞれの薄膜構成要素の構造の修飾は必要とせず;
そしてまさに、フレキシブルなプリント回路基板の使用によって、活性なフレキシブルシート材料への適用スペクトルの拡張が可能な、薄膜技術であり;
従って、とても小さな構成要素寸法を有する完全にフレキシブルなそして超軽量な薄膜アセンブリの製造が可能となり;そして
振動などの強い機械的応力、そして強い加速または減速に対して、比較的明らかに厚いそして重い通常使用される構成要素と比較して、より大きな範囲で対処することができる。
また、マウントされた折りたたみまたはロールアップ回路基板を得ることができ、すなわち、薄膜アセンブリは、それぞれの装置またはハウジングに対する、電子構成要素の最適な空間適応を可能にする。
フレキシブルな不動態化またはフレキシブルな封入は、いずれも問題となることはないであろう。リジッドなガラスの貼付の代わりに、例えば、薄いガラスラミネート、またはポリマー−酸化物複合層系の使用が実行可能であり、そしてこれらは厚さが薄くても、ガスまたは大気の浸透に対して十分な保護を提供し、そしてそれぞれの薄膜構成要素の何れの汚染も効果的に保護することができる。
フレキシブルなプリント回路基板基材において、封入材料の適した選択および設計もまた、アセンブリ全体のまさに中立面における、集積化された薄膜構成要素の配置を可能にし、低い引っ張り力および圧力のみならず、例えば、薄膜構成要素自体においてシステム全体のたわみの場合、すなわちプリント回路基板/封入の境界層の領域も、考えられ得る。
【0019】
フレキシブルな封入層を、必要に応じて前もって作って、プリント回路基板に取り付けてもよく、ここで例えば、付着促進中間層としての付着層、同様に湿気および空気に対するバリアー層としての不動態化層もまた設けることができる。また、封入層を、必要に応じて、薄膜構成要素の上に、複合体システムとして直接組み立ててもよい。
【0020】
光電子アレイ活性薄膜構成要素またはディスプレイの場合は、(フレキシブルな)封入の適合は、透明または半透明に設計されてもよく、そしてフレキシブルなプリント回路基板は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリアクリルまたはポリエーテルエーテルケトンなど、金属フィルム、金属合金、伝導性金属酸化物(例えばアルミニウムをドープした酸化亜鉛、亜鉛をドープした酸化インジウムなど)、但しこれらのベース材料は透明なまたは半透明な金属フィルムであることを条件とする、および/または伝導性懸濁液または溶液(ポリアニリンまたはポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸に基づく)、を用いて、透明または半透明に作成することもできる。
【0021】
光電子的に活性な薄膜構成要素を含むフレキシブルなプリント回路基板を折りたたむまたは丸めるオプションは、特にディスプレイシステムにおいてとりわけ重要である。この点において、弾性の、機械的にしっかりした、そしてロールアップまたは折りたたみのスクリーン、同様にロールアップまたは折りたたみの光起電性セル、が想定されうる。さらに、ロールアップまたは折りたたみのキーボード、同様にフレキシブルなプリント回路基板を有する薄膜アセンブリが用いられる他の作業制御物、とりわけ、ポータブルな電子装置、いわゆる携帯型、の分野でも非常に有利である。
【0022】
フレキシブルなプリント回路基板を基材として有する薄膜構成要素の製造に関して、いわゆるロール−トゥ−ロール(roll-to-roll)工程が、特に有利な手法として適用可能である。この工程は、リールからほどかれたフレキシブルなプリント回路基板シートを使用しており、前もって作られたフレキシブルな封入シートが供給されそして薄膜構成要素に設けられてもよく、この封入シートは、同様にリールからほどかれてもよい。もちろん、これに関連して、フレキシブルなプリント回路基板またはフレキシブルな封入のいずれかのみがリール材料として提供されてもよい。
【0023】
スムージングおよび/または研磨において、例えばフレキシブルなプリント回路基板をテーブル上で覆うように導いて、またはスムージングされるフレキシブルなプリント回路基板の裏にキャリアーを一時的に配置して、などにより、フレキシブルなプリント回路基板に一時的な補強が提供されてもよい。これらはスムージングおよび/または研磨手順において、基材の堅さを確保することを目的とする。この一時的な補強または堅くする手段は、さらなる製作工程において、任意の望ましい、適切な段階で、再び取り除くことができる。
【0024】
以下において、本発明は、特に好ましい実施態様として詳細に説明されるが、しかしながらこれは限定するものではなく、また図面に関連している。図面は、詳しくは以下を示している:
【0025】
図1Aおよび1Bは、それぞれ、エレクトロルミネセンスデバイスを構成する、薄膜アセンブリの概略的な断面説明図および上面図である;
【0026】
図2A、2Bおよび2Cは、エレクトロルミネセンスデバイスの連続的な作製工程の、図1Bと同様の概略的な上面図である;
【0027】
図2Dは、図1Aと同様の概略的な断面説明図であり、図2Aおよび2Cによる作製工程における中間段階であり、そしてデバイスの完成の前である;
【0028】
図3〜8は、詳細には、通常用いられるプリント回路基板とは異なる、エレクトロルミネセンスデバイスの製造である;
図3Aはプリント回路基板などの概略的な断面であり、図3Bおよび3Cは、金属コーティングのフィードスルーおよびフォトリソグラフィーパターニングによって設けられる、プリント回路基板の調製を概略説明するものである;および
図4Aは、ベース電極の補強の適用の調製における、基材の下方面における不動態化層の適用後の状態を比較断面説明図で表す;
図4Bおよび4Cは、パターン化された金属コーティングにおける補強を設ける工程(図4B)および電極表面のスムージング工程(図4C)、そして不動態化層を取り除いた状態(図4D)を、詳細に表す;
図5A〜5Cは、局所的接触層を製造するためのレジストパターンの適用(図5A)、デポジットされた接触層を有するアセンブリ(図5B)、および、最終的に、一時的なレジストパターンを取り除いた後(割り込みエッジ)の、基材とベース電極と接触層の状態(図5C)を表す;
図6A、6Bおよび6Cは、基材の上方側でパターン化された不動態化層の、局所的、フォトリソグラフィカル的な適用における、連続的な工程を示す;
図7A、7Bおよび7Cは、光電子的に活性な有機層(図7A)、上方光透過性接触層(図7B)および薄膜構成要素アセンブリの完成における上方光不透過性トップ電極(図7C)を設ける個々の工程を示す;
図8A、8Bおよび8Cは、エレクトロルミネセンス薄膜アセンブリにおける封入を設ける最終工程を示しており、付着ビーズを用いて(図8A)、封入層が取り付けられ(図8B)、そして横方向にパターン化された色変換層を集積化する(図8C);
【0029】
図9A〜9Dは、有機光電子薄膜材料を含む光起電性セルを製造する連続的な生産工程である;
【0030】
図10および11は、それぞれ「有機」ダイオード(図10)および電界効果トランジスター(図11)を有する薄膜アセンブリの、類似する概略的な断面説明図である;
【0031】
図12は、概略的な断面説明図において、フレキシブルプリント回路基板を基板として有し、薄膜構成要素上にフレキシブル封入を有する、フレキシブル薄膜アセンブリであり、ここで個々の層の厚さ寸法は、相対関係において縮尺でおおよそ示される;
【0032】
図13Aおよび13Bは、本発明のフレキシブル薄膜アセンブリの、さらに簡略化した概略的な断面説明図であって、無負荷の状態(図13A)および曲げられた状態(図13B)であり、アセンブリの中立面に設けられた薄膜構成要素があり、そしてアセンブリの外の領域では、薄膜構成要素上に、張力も圧力も作用していないのが明らかである;
【0033】
図14は、ロール−トゥ−ロール(roll-to-roll)工程におけるフレキシブル薄膜アセンブリの製造を概略説明する略図である;
【0034】
図15は、フレキシブル薄膜アセンブリの製造における、機械的なスムージングおよび研磨手順の過程中の、一時的に堅くする手段のとりつけを説明する、詳細な見取り図である。
【0035】
図lAは、断面描写におけるエレクトロルミネセンスのデバイス1を構成する薄膜アセンブリを概略的に説明する。このエレクトロルミネセンスデバイス1は、絶縁ベース体3を有する、通常用いられるプリント回路基板2を、基材として有しており、この上に局所的ベース電極4が、パターン化された金属コーティングの残物としてまたはプリント回路基板2の導体層5として設けられている。機械的にまたはレーザーで穴を開けられたフィードスルー6を介した、これらのベース電極4は、基材の下方面に提供された接触部位6’と接続され、これにより適切な制御シグナルが、基材の下方面からベース電極4へ適用されることができる。図1Bにおいて、これらのベース電極4は、例えば、四角面として認識することができ、そして上面図にてグリッド成形された絶縁材構造7によって、互いに分離されている。
【0036】
ベース電極4および絶縁材構造7の上に、有機エレクトロルミネセンス薄膜構造が設けられ、特にプレーナー方式では、薄膜構造は、例えば欧州特許公開EP1087649 Aまたは欧州特許公開EP0854662 Aに記載されるように一般的に構成される(これらの文献の内容は、参照して本明細書に導入されている。)。
【0037】
有機エレクトロルミネセンス層システム8の上に、半透明の、伝導性トップ電極9が(好ましくはプレーナー方式で)設けられ、これは必要に応じてエレメント形態においてストリップ形態である。ここまでに記載されたアセンブリ全体は、半透明封入層10によって、周辺に向かって閉じられており、以下と同様にガス容積11を放出し、カラーコンバーターまたはインデックスマッチング層12は、それ自体知られた方法で、封入層10中にさらに集積化される(欧州特許公開EP0854662 A参照。)。
【0038】
図1Bの概略的上面図から、これらのカラーコンバーターまたはインデックスマッチング層12は、例えば、原色青、緑および赤色の、ストリップ形態で存在することが明らかである(これは図1B中において、異なる網掛けB、G、Rで概略的に示される。)。線方向において(図1Bの説明図による)、これらのカラーポイント:青、緑および赤、は、通常、他のもののそばに設けられ、線方向およびカラム方向の両方におけるこれらのカラーポイントの活性化は、適切な制御シグナルをそれぞれのベース電極4へ設けることによって、フィードスルー6を介して果たされる。一方、プレーナーの様式に適用する場合は、トップ電極9を一定の電位に充電することができる。
【0039】
図2A、2Bおよび2Cは、適正なエレクトロルミネセンスデバイスの製造(封入前)における、製造工程の異なる概略上面図であり、これらの製造工程後に得られた中間製造物は、図2Dの概略断面図で表される。
【0040】
図2Aにおいて、外側に構造された導体層5’は入手可能であり、ベース電極4のマトリックスを形成する。これらのマトリックス形態で存在するベース電極4の間に、グリッド形状の絶縁材構造物7が、個々のベース電極4を互いに離すように提供される。その後の工程で、図2Bに示されるように、有機エレクトロルミネセンスシステム8が平坦に設けられる(図2Bに加えて図2Dも参照。)。その後、光透過性トップ電極9は、プレーナー様式と同様に、デポジットされ、図2Dによるアセンブリを得ることができる。この点において、ベース電極4の形成における、導体層5のパターニング(図2A参照)は、プリント回路基板2の前処理の事前に行われ、レーザーバイアス(vias)6と接触部位6’を作成することを、付加することもできる。
【0041】
図3Aは、概略的断面説明図であり(同様に、他の形状も概略的断面説明図である)、2重金属コーティング5(上方面)および15(下方面)を有する プリント回路基板2を示しており、それぞれ、例えばエポキシ樹脂などの誘電ベース体3に提供される。金属コーティング5、15は、通常は銅などから作成される。
【0042】
プリント回路基板2は、現在の薄膜アセンブリの基材を構成するものであるが、第1工程でフィードスルー6が設けられ(図3B参照)、このフィードスルーは、隣接して設計された目が詰まったピクセルの観点からは、すなわちエレクトロルミネセンスデバイス1の高解像度容量が製造される場合は、ガルバニック銅コーティングを伴う穴壁を有するレーザー穴として作成できる。この点において、このようなフィードスルーまたはレーザー穴6は、好ましくは、最終的に得られるように、設けられるベース電極4の下にそれぞれ製造され、ベース電極4の狭いマトリックス配置が基材の下部面から適切に制御可能なように設計される。
【0043】
図3Cにおける次の工程は、金属コーティングのフォトリソグラフィックパターニングを包含しており、すなわち、プリント回路基板2のベース体3の上方面および下方面の導体層5、15である。
このようなパターニングはそれ自体通常用いられるものと同様であり、そのため、通常実施される中間工程を記載することなく、その後に得られた構造を図3Cに概略説明することができる。
表面全面の導体層と識別するために、それぞれ得られた上方および下方の導体層構造物は、それぞれ、5’および15’に代えて、5および15と示す。現在、導体層の残存する部分15は、下方面の接触部位6’を形成する。
【0044】
その後に、図4Aから明らかであるように、一時的な不動態化層16が基材の下方面に設けられる。この一時的な不動態化層16は、製造されたベース電極4の位置における、導体層5の化学的または電気化学的な補強の次の適用を考慮して、プリント回路基板2の下方面領域を一時的に不導体化する役割を有する。この不動態化層16は、それ自体知られているフォトリソグラフィカル的な手法により設けることができる。
【0045】
既に記載しているが、その後の工程は、パターン化された導体層5の化学的または電気化学的な補強を包含し、補強層は図4Bにおいて5Aとして示されている。この金属層5Aは、例えば図2Aによるマトリックス配置のように、パターン化された導体層5と併せて、それぞれのベース電極4を形成する。しかしながらこれらのベース電極4は、所望の活性なまたは不動の電子薄膜構成要素、すなわち簡単な場合における光電子ELデバイス1、を構成するには、未だ適していない。なぜならば、このような導体層5の表面は粗く、そしてそれは補強5Aが提供された導体層5の表面であるためである。従って次の工程は、低い表面粗さ、例えば最大平均表面粗さ10nmまたは好ましくは3nm、を実現するために、ベース電極4のスムージングおよび/または研磨を包含する。この平坦な状態を図4Cで図解説明する。スムージングおよび研磨は、例えば機械的、化学的、電気化学的、化学機械的な、またはイオンエッチングによる、通常の手法で行うことができる。記載するまでもないが、これらの加工を組み合わせることも実行可能である。
【0046】
作られる表面粗さは、当然ながら、それぞれの適用の様式、すなわち設けられるそれぞれの薄膜構成要素、に依存し、そのため上記の平均粗さ値からの逸脱もまた考えられ得る。
【0047】
ベース電極4に金属補強5Aが提供されることは必ずしも必要ではないことに注意すべきであり、なぜならば金属コーティング、すなわちプリント回路基板の導体層5、が既に十分に厚い場合などである。さらに、導体層のパターニング(図3C参照)および導体層の表面スムージング(図4C)の順序を変化させることも一般的に意図されることであり、すなわち導体層5’のスムージングを最初に実現し、そしてその後に適切な手法で導体層5’をフォトリソグラフィカル的にエッチングし、ベース電極4、すなわちパターン化された導体層5を形成することもできる。
【0048】
製造段階を完了する工程において、下方の不動態化層16を取り除き、図4Dによる基材構造物が得られることとなる。
【0049】
次の段階で、現在は平坦なベース電極4に、接触層が設けられ、割り込みエッジ17の形態による一時的なレジスト構造が、ベース電極の間の空間に最初に提供される(図5Aに示される。)。その後、得られた構造の上方表面全てが、接触層材料の層18’でコーティングされ、これによって接触層材料が、割り込みエッジ17の下方領域に設けられていないこととなり、そしてその後の取り除き工程(エッチング工程)で、割り込みエッジ17を取り除くことができ、所望の接触層18が、残存する表面領域として残される(図5Bおよび5C参照)。
【0050】
接触層18は、それぞれの薄膜パッケージの、次に設けられるその後の層の電気接触の役目を果たし、同様に、ベース電極4の薄膜パッケージの付着を安定化し、最終的に、保護のために、導体層5または補強5aを不導体化する。しかしながら、接触層18の導入は、導体層5または補強5aそれぞれから、外部物質の相互拡散による、薄膜システムの汚染も考えられ得る。各接触層18の材料は、通常は、設けられるそれぞれの薄膜構成要素に依存して選択され、例えばアルミニウム、金、パラジウムまたは白金、合金などの金属から、あるいは炭素または半導体化合物などから構成されてよく、また伝導性の懸濁液または溶液(例えばポリアニリン、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)から構成されてもよい。
【0051】
接触材料コート18’は、例えば熱蒸発、コールドカソードスパッタリング、電子ビーム蒸着、レーザーパルスによるコーティングなど、通常の薄膜手順によって設けられてよく、同様に、例えば浸漬、スプレー、スピンおよびインクジェットプリントなどの液相からのコーティング方法によって設けられてもよく、これによって、導体層5または補強5a上における接触材料の、物理的または化学的吸着が確保される。
この物理的または化学的吸着は、導体層5、5a上への付着に適切であるか、あるいは導体層5、5aから分離しない。
液相からの均一なコーティング方法を用いて、接触層18の側面パターニングを行うこともでき、例えば導体プレート2をコートした後に、ドライエッチング方法によって行うことができる。このような加工が設けられた場合、割り込みエッジ法によるパターニングを省くことができる。
【0052】
その後に、上方の不動態化層の適用が行われ、それの上に配置されたベース電極4(加えて接触層18)の間の領域が不導体化され、そしてこれにより、それぞれの薄膜構成要素の設けられた薄膜パッケージへの、これらの領域を介した、プリント回路基板2のベース体からの物質の浸透が防がれる。最終的に、新たな、一時的なレジスト構造19が、図6Aによる第1工程で、ベース電極4上の接触層18上に設けられ、その後、不動態化層20の材料がデポジットされる(図6B参照)。その後、レジスト層と不動態化層とが、ベース電極4上からフォトリソグラフィカル的に取り除かれ、そしてプリント回路基板2の絶縁材ベース体3のベース材料が暴露されている場所で、パターン化された不動態化層20のみが中間領域に残される(図6C参照)。不動態化層20に提供されたウィンドウ20’を介して、接触層18が、これの下に配置されたベース電極と併せて露出される。当然ながら、不動態化層20は、適切な場合のみに設けてもよく、またはベース体3の誘電材料からの拡散による、物質による特定の薄膜パッケージの用意された混入が懸念される場合に設けてもよい。このような物質の拡散が懸念されない場合であっても、不動態化層20の適用を行ってもよいが、他の絶縁材構造(図lAおよび1Bの7)をベース電極4の間に提供してもよい。不動態化層20の材料は、用いられる材料の機能として選択されるが、特にベース体3の材料から選択される。上述の通り、フォトリソグラフィーによって適切にパターン化され(図6Aおよび6B参照)、そして不動態化層20の材料は、熱蒸発、コールドカソードスパッタリングなどの通常の薄膜技術によって設けることができ、ベース体3上の不動態化材料の物理的または化学的吸着が、付着に十分な範囲で確保される。不動態化層20の材料は、例えば二酸化ケイ素、ゾル−ゲル系またはエポキシ化合物であってよい。
【0053】
図6A〜6Cに示される技術の代わりとして、例えばラミネート形態などの、不動態化材料の均一な適用を、表面全体に仮に提供することも実行可能であり、その後に、図6Cによる構造が最終的に得られるように、この不動態化層をフォトリソグラフィカル的にパターン化してもよい。
【0054】
こうして得られたアセンブリは、ここで、所望の薄膜構成要素8を積み重ねるために、薄膜技術によってそれぞれの電子層を適用できる状態であり、簡単な場合には、光電子的に活性な、有機薄膜構造を構成する;エレクトロルミネセンス(EL)デバイス1(図1A参照)を得るために、1つまたは幾つかの光電子的に活性な有機層21が、図6Cにより調製された基材上にデポジットされ、図7Aにおけるアセンブリが得られる。明らかであるとおり、有機EL材料は、例えば表面の全面積にデポジットされ、これは特に簡便な生産を提供する。(必要に応じて複数層の)有機EL薄膜システム21(これの厚さは数nm〜数百nmの範囲であり得る)と同様に、透明なまたは半透明な接触層22が、プレーナー様式においてその後に設けられる(図7B参照);その後に設けられる透明なまたは半透明なトップ電極9もまた、平坦に設けられる(図7C参照)。また、バリエーションとして、上方の接触層22を、トップ電極9と同様に、完面的(holohedrally)よりはストリップ形態(strip-wisely)でまたは符号形態(symbolwisely)でパターン化することも実行可能である。
【0055】
エレクトロルミネセンスデバイス1の実現に用いられる、有機光電子的活性層材料の例として、ポリおよびオリゴフェニル類、アリールアミン類、ポリおよびオリゴアゾメチン類が挙げられる。トップ電極9と同様に、透明なまたは半透明な接触層22として、透明なまたは半透明な金属、合金、半導体化合物(層厚さ50nm以下)、伝導性金属酸化物(例えばアルミニウムをドープした酸化亜鉛、亜鉛をドープした酸化インジウムなど)、伝導性のゾル−ゲル系および/または伝導性の懸濁液および溶液(ポリアニリン、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸ベースのもの)を用いることができる。
【0056】
最終的に、こうして得られた薄膜アセンブリ(図7C参照)は、保護カバーが別途提供され、最後に、ガスおよび湿気が不透製の付着ビーズ23が、まず周辺に設けられる(図8A参照)。この付着ビーズ23の上面に、光透過性の封入層10がその後に設けられ、薄膜構成要素26を適切に封入する、そしてこれはベース電極4、接触層18、薄膜構造8、上方接触層22およびトップ電極9を有しており、ガス容積25が残されており、ここで酸素および/または水または湿気のゲッター材料を、それ自体知られた手法により含めてもよい。
【0057】
図8Cで説明されるように、側面にパターン化された色変換層12(図8Cのかわりに図1Aおよび1Bも参照できる)もまた、必要に応じて、ガス容積25および個々の薄膜構成要素26の上方に、封入層10において集積され得る。
【0058】
この手法によって、所望の薄膜アセンブリが完成し、接触部位6’上において必要とされる制御連結が提供される。所望の制御機能を実現するために、プリント回路基板2の上に、他の構成要素を、それ自体知られた手法によりマウントしてもよく、これについては詳細記載を省く。
【0059】
図9A〜9Dは、生産工程が異なる、他の典型的な実施態様を説明するものであり、すなわち薄膜アセンブリが、有機、光電子活性層システムから作成された光起電性セルを有するものであり、そしてこの製造は、一般的に、上記の図3A〜8Cを参照して、同様に実行可能である。
【0060】
詳細には、所望の光電子的に活性な有機層システム21を、適切なベース電極4(それぞれ、パターン化された導体層5、補強5Aおよび接触層18を、図7Aで解明されたのと同様の手法により、有している)上にデポジットさせ、ここで光透過性接触層22(図9B参照)、そしてその上に光透過性トップ電極9(図9C参照)が、再び平坦にデポジットされていてもよい。最終的に、図8Aおよび8Bで既に説明されたのと同様の手法で、周辺のガスおよび湿気を透過しないビーズ23を備える、光透過性封入層10が、図9Dで説明されるように付着されうる。
【0061】
図10は、プリント回路基板2に集積された有機ダイオード30の形態における、他の典型的な実施態様を説明しており、ここで適切な有機ダイオード薄膜システム21’が、上記と同様の手法で、再び、接触層18を有するベース電極4上に設けられる。上面に、上方接触層22’があり、これはこの事例では光透過性でなくてもよく、そしてトップ電極9’もまた光透過性でなくてもよい。加えて図10から理解されるように、パターン化された下方の金属コーティング15およびプリント回路基板2のベース体3、さらに堅固な付着ビーズ23そして封入層10’もまた、この事例では不透明な構造形で実行可能である。
【0062】
幾つかは同様に、図11によるトランジスター構造40でそのままの状態であり、ここで接触層18’は。ベース電極4(これはパターン化された上方導体層5および補強5Aを有している)の上方に再び設けられ、そしてこの接触層18’は、例えば、形成された電界効果構造40のゲート接触を形成する。トランジスター構造40の接触層18’の上に、絶縁材層41中に、例えば酸化アルミニウムが処理され、それの上に有機的に活性な層21’が順次設けられ、そしてソース接触層42と通じ、一方で接触層43を排出させる。これらの接触は、トランジスター構造40の側面に配置された、ベース電極4、4を介して、そしてそれぞれフィードスルー6、6および接触部位6’と、下方で接続され。
【0063】
同様の手法で、他の薄膜構成要素、すなわち活性および不動構成要素の両方が、プリント回路基板基材2上に直接積み重ねられてもよく、または同様に集積されてもよく、そしてここで、パターン化され、必要に応じて補強された導体層5のそれぞれのスムージング(および5A、それぞれ)、さらにはベース電極4または下方面電極のスムージングの実行が必須である。薄膜構造間での接触および安定した付着を確立する、所望の接触層が、平坦なまたは研磨されたベース電極の上に設けられる。それ自体通常使用されそして本発明の技術によってプリント回路基板に集積されうる他の構成要素として、例えばセンサーが挙げられ、ここで光学センサーの場合は、それぞれの光透過性上方接触層、電極および封入層が提供される必要がある。
【0064】
前述の技術は、リジッドなプリント回路基板、そしてフレキシブルなプリント回路基板の両方に、実質的に同一の方法で適用することができる。フレキシブルなプリント回路基板2では、例えば、フレキシブルな、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエステルまたはポリエーテルエーテルケトンフィルムなどの絶縁ベース体3を有し、そして同様の手法で、金属層(特に銅)を、伝導性層5の片面および両面の両方に提供することができる。
【0065】
最終的に全体がフレキシブルオーバーロールアセンブリを得る目的で、上記技術に対して事実上の改変なく、薄膜構造8、同様に接触層18およびトップ電極9、そして非常に薄い、薄膜システム8が、有利な手法において、このようなフレキシブル構造に特に適しており、さらにリジッドでないガラスが貼り付けられる封入10を確保する範囲での適合も必要であり、一方でフレキシブルな薄いガラスラミネーターまたはポリマー−酸化物コンポジット層システムまたは同様のフレキシブル封入層10が挿入可能である。
【0066】
フレキシブル材料のこのような封入層10を、フレキシブルプリント回路基板2上に設けることができ、またはこれの上にとりつけられた薄膜システム8に、付着中間層44を介して設けることができ、同様に湿気および空気に対するバリアー層として作用する不動態化層45にも設けることができる。図12において概略的に説明する。図12の説明図において、相対厚さ割合を可能な限り表していることに留意すべきであり、ここで薄膜構成要素8は、フレキシブル薄膜アセンブリ全体の中立面となっている。これはアセンブリ全体のほぼ中心平面であり、材料および形状(とりわけ封入層10の)、同様にフレキシブルプリント回路基板2に依存する。
【0067】
フレキシブルな種類のこのような薄膜アセンブリを図解するが、さらにより簡潔にした形態で図13Aに示し、そして図13Bにおいて、この薄膜アセンブリの、曲がったまたは部分的に折りたたまれた状態を示す。後者の事例では、引っ張り力は曲げられた領域において材料の外面に作用し、これを図13Bにおいて矢印46として図解する。ここで図13Bにおいて矢印47で示された力は、曲げられた領域において内面側に作用する。中立面48は、薄膜システム8で好ましく配置されるものであるが、このような曲げにおいても実質的に力が作用せず、そのため、アセンブリ全体が曲げられた場合であっても、引っ張り力または圧力は薄膜構成要素8自体には生じない。
【0068】
図14は、いわゆるロール−トゥ−ロール工程における、フレキシブルプリント回路基板を有する薄膜アセンブリの生産を概略的に示す。ここで、フレキシブルな金属で覆われたベース材料(例えば銅で覆われたポリイミドフィルムなど)が、スターティングリールからプロセスチャンバーまたはステーション51へ、フレキシブルプリント回路基板シート2’として供給され、そしてフォトリソグラフィックパターニングが行われ、そして金属コーティング5の補強5A、すなわち導体層が、前述の通り設けられる。
【0069】
次いでシート材料2’を、プロセスチャンバーまたはステーション52に、ローラーを介して供給し、そして金属コーティング5、5Aは平坦であるかおよび/または研磨される。このプロセスチャンバー52に入る前に、フレキシブルプリント回路基板シート2’を、背面において、フレキシブルキャリアーホイル53(これはリール54からほどかれる)を用いて堅くしてもよい。プロセスチャンバー52を経た後、一時的に堅くするために提供された、このフレキシブルキャリアーホイル53を、リール55で巻き取ることができる。記載するまでもないが、キャリアーホイル53は、製造工程のより後の段階で取り除いてもよい。
【0070】
スムージングまたは研磨手順において、シート材料2’は、プロセスチャンバー52内で、必要に応じて平坦なテーブル56に導かれてもよく、これによりシート材料2’の実質的に有効に堅くすることまたは支持することを確保することができる。
【0071】
次いで、シート材料2’を、工程領域またはプロセスチャンバー57に入れて、例えば図4〜6によって原理を上述されるように、ここで研磨された金属コーティング5、5Aが完成し(接触層18)そして不導体化される(不動態化層20)。
【0072】
プロセスステーションまたはチャンバー58において、(活性または不動)薄膜層(例えば21)、上方の、そして例えば光透過性接触層22、そして必要に応じて同様に光透過性トップ電極9を用いて、フレキシブルプリント回路基板2のコーティングが行われ、完了することにより薄膜構成要素が得られる。活性(または必要に応じて不動)薄膜層は、それ自体知られた有機または無機材料を含んでもよい。
【0073】
最終的に、フレキシブルプリント回路基板2、すなわちシート材料2’、を、プロセスステーション59において封入層10でコーティングしてもよく、そしてこれは好ましくはシート材料としてリール60からほどかれ、フレキシブルプリント回路基板2’に供給されそしてその上にラミネートされる。最後に、こうして得られたシート材料61、すなわちフレキシブルプリント回路基板およびフレキシブル封入を有するフレキシブル薄膜アセンブリ、は、リール62に巻き取られ、その後の切断または成型工程に向けて準備される。
【0074】
上記および図13Aおよび13Bで説明したように、プロセスステーション59において、フレキシブルプリント回路基板シート上に、封入層がラミネートされる場合は、薄膜構成要素を中立面48に置くように、封入10が講じられるのが有利である。これによって、薄膜システム8は、その後のシステム全体の曲げにおいて、何れの機械的な力に事実上曝されることがないよう確保され、これにより剥離および部分クラックを避けることができる。
【0075】
図15は、プロセスステーション52における機械的スムージングおよび研磨手順を、より詳細に図解しており、それぞれスムージングおよび研磨ロール63、64を有し、または類似物が概略的に示されている。上記の通り、フレキシブルプリント回路基板2’を、一時的なキャリアーフィルム53を用いて、その背面で堅くし、そしてさらに、スムージングまたはラッピングおよび研磨ロールまたはディスク63、64において、支持体として役割を果たす、平坦な研磨テーブル56上に導く。上述のとおり、キャリアーホイル53を、このスムージング手順の後にすぐに取り除いてもよく、またより遅くにプリント回路基板シート2’から取り除いてもよい。
【図1A】

【図1B】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図2D】

【図3A】

【図3B】

【図3C】

【図4A】

【図4B】

【図4C】

【図4D】

【図5A】

【図5B】

【図5C】

【図6A】

【図6B】

【図6C】

【図7A】

【図7B】

【図7C】

【図8A】

【図8B】

【図8C】

【図9A】

【図9B】

【図9C】

【図9D】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13A】

【図13B】

【図14】

【図15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材、および薄膜技術によって基材に設けられた少なくとも1つの電子薄膜構成要素、を有し、ベース電極(4)が基材上に提供され、その上に、該薄膜構成要素の一部を形成するベース電極薄膜層(21)が上部トップ電極(9)と併せて配置されている薄膜アセンブリであって、
該基材は、絶縁材ベース体(3)と、導体層(5)としての金属コーティングと、を有するプリント回路基板(2)から構成され;
該導体層(5)はベース電極(4)を形成し、そしてこの目的のために少なくとも薄膜構成要素の位置上はスムージングされており;および
薄膜技術における接触層(18)が、スムージングされ、必要に応じて補強された、導体層(5)と、薄膜構成要素の積層薄膜層(21)と、の間に提供されており、該接触層は、ベース電極(4)の表面上に、物理的または化学的に吸着されていることを特徴とする薄膜アセンブリ。
【請求項2】
ビア連結は、プリント回路基板(2)において、プリント回路基板(2)のベース体(3)を通じて、電極の電子接触に提供されることを特徴とする、請求項1記載の薄膜アセンブリ。
【請求項3】
ベース電極(4)に対するフィードスルー(6)が、プリント回路基板(2)において、ベース電極(4)の下方に直接提供されていることを特徴とする、請求項1または2記載の薄膜アセンブリ。
【請求項4】
スムージングされた導体層(5)であって、20×20μm(ミクロ粗さ)の寸法を有する表面積を超えるものは、最大平均表面粗さが10nm、好ましくは3nmを示すことを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項5】
接触層(22)もトップ電極(9)の下方に提供されていることを特徴とする、請求項1〜4いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項6】
接触層(18;22)も、電極における不動態化層を構成することを特徴とする、請求項1〜5いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項7】
接触層(18;22)も電極と隣接する薄膜層との間の付着における安定層を構成することを特徴とする、請求項1〜5いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項8】
接触層(18;22)が、例えばアルミニウム、金、パラジウム、白金または合金から作成される金属層、あるいは炭素または半導体化合物であることを特徴とする、請求項1〜7いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項9】
接触層(18; 22)が、例えばポリアニリン、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸をベースとする、伝導性懸濁液または溶液から形成されることを特徴とする、請求項1〜7いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項10】
薄膜不動態化層(20)が、導体層(5)に覆われていない、暴露されたベース体領域に設けられており、該不動態化層は、ベース体(3)から浮上する物質による、それぞれの薄膜構成要素の汚染を防止することを特徴とする、請求項1〜9いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項11】
前記不動態化層(20)が、二酸化ケイ素、ゾル−ゲル系またはエポキシ化合物から作成されることを特徴とする、請求項10記載の薄膜アセンブリ。
【請求項12】
トップ電極(9)および、必要に応じてそれの下に設けられた接触層(22)が、少なくとも半透明に、好ましくは透明に設計されていることを特徴とする、請求項1〜11いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項13】
エレクトロルミネセンスデバイスが、薄膜構成要素(24)として提供されていることを特徴とする、請求項12記載の薄膜アセンブリ。
【請求項14】
個々のフィードスルー(6)を有する局所的ベース電極(4)が、絶縁グリッド構造内で、プリント回路基板(2)上に提供されており、
プレーナーと同様にプレーナーエレクトロルミネセンス薄膜システム、またはストリップ形態であるいは符号形態でパターン化されたトップ電極(9)が、その上に配置されていることを特徴とする、請求項13記載の薄膜アセンブリ。
【請求項15】
発光ダイオードが、薄膜構成要素として提供されていることを特徴とする、請求項12記載の薄膜アセンブリ。
【請求項16】
光起電性アセンブリが、薄膜構成要素として提供されていることを特徴とする、請求項12記載の薄膜アセンブリ。
【請求項17】
センサー、特に光学センサーまたは温度センサー、が、薄膜構成要素として提供されていることを特徴とする、請求項1〜12いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項18】
ダイオード(30)が、薄膜構成要素として提供されていることを特徴とする、請求項1〜12いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項19】
トランジスター、特に電界効果トランジスター(40)が、薄膜構成要素として提供されていることを特徴とする、請求項1〜12いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項20】
スナッバーが、薄膜構成要素として提供されていることを特徴とする、請求項1〜12いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項21】
抵抗および/またはコンデンサーが、薄膜構成要素として提供されていることを特徴とする、請求項1〜12いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項22】
封入(10)が、薄膜構成要素と関連していることを特徴とする、請求項1〜21いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項23】
前記封入(10)が半透明または透明に設計されていることを特徴とする、請求項22記載の薄膜アセンブリ。
【請求項24】
封じ込められたガス容積(11)が封入(10)に存在することを特徴とする、請求項22または23記載の薄膜アセンブリ。
【請求項25】
封入が、局所的ベース電極と一直線上に、色変換および/またはインデックスマッチング層(12)を備えることを特徴とする、請求項23または24記載の薄膜アセンブリ。
【請求項26】
プリント回路基板(2)が、それ自体知られているフレキシブルプリント回路基板であることを特徴とする、請求項1〜25いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項27】
薄膜構成要素がフレキシブル構造を有することを特徴とする、請求項26記載の薄膜アセンブリ。
【請求項28】
封入(10)がフレキシブルであり、例えば薄いガラスラミネートまたはポリマー−酸化物複合層系からなることを特徴とする、請求項22〜25いずれかにかかる範囲における、請求項26または27記載の薄膜アセンブリ。
【請求項29】
前記封入(10)が、付着促進層(44)を介して薄膜構成要素(8)にとりつけられていることを特徴とする、請求項28記載の薄膜アセンブリ。
【請求項30】
前記封入(10)が、湿気および空気に対するバリアー層として作用する不動態化層(45)を介して、薄膜構成要素(8)の上に、必要に応じて付着−促進層(44)の上に提供されていることを特徴とする、請求項28または29記載の薄膜アセンブリ。
【請求項31】
薄膜構成要素(8)が、フレキシブルプリント回路基板(2)とフレキシブル封入(10)との間に、中立面(48)において提供されていることを特徴とする、請求項28〜30いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項32】
フレキシブルプリント回路基板(2)が透明または半透明であることを特徴とする、請求項26〜31いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項33】
ロールアップまたは折りたたみシート材料(61)としての構造形を特徴とする、請求項26〜32いずれかに記載の薄膜アセンブリ。
【請求項34】
絶縁材ベース体および、導体層としての金属コーティング、を有するプリント回路基板が用いられ;
該導体層が、薄膜構成要素における少なくとも1つのベース電極を形成する目的で、少なくとも局所的にスムージングされており、必要に応じて補強のとりつけがされており;および、
接触層が、それの上に残存する薄膜構成要素をとりつける前に、薄膜技術によってベース電極上に設けられている;
ことを特徴とする、
薄膜技術によって基材上に設けられた、少なくとも1つの電子薄膜構成要素を有する、薄膜アセンブリの製造方法。
【請求項35】
導体層が、例えばラッピング、研削または研磨などの機械的方法によってスムージングされていることを特徴とする、請求項34記載の方法。
【請求項36】
導体層が電気化学的研磨によってスムージングされていることを特徴とする、請求項34記載の方法。
【請求項37】
導体層が化学機械的研磨によってスムージングされていることをを特徴とする、請求項34記載の方法。
【請求項38】
導体層が、例えば硫酸、硝酸またはクロモ硫酸を用いる化学エッチングによってスムージングされていることを特徴とする、請求項34記載の方法。
【請求項39】
導体層がイオンエッチングによってスムージングされていることを特徴とする、請求項34記載の方法。
【請求項40】
導体層が、個々のまたは幾つかの原子または分子、例えばアルゴンまたはアルゴンクラスタなど、の粒子を用いるボンバードメントによってスムージングされていることを特徴とする、請求項34記載の方法。
【請求項41】
導体層が、最大平均表面粗さ10nmに、好ましくは3nmに、20×20μmの寸法を有する表面積を超えてスムージングされていることを特徴とする、請求項34〜40いずれかに記載の方法。
【請求項42】
導体層が電気化学的に補強されていることを特徴とする、請求項34〜41いずれかに記載の方法。
【請求項43】
プリント回路基板が、残存する領域において、導体層を局所的に補強する前に、フォトリソグラフィーによって一時的に不導体化されていることを特徴とする、請求項34〜42いずれかに記載の方法。
【請求項44】
導体層に覆われていないベース体領域が、残存する薄膜構成要素をとりつける前に、フォトリトグラフィカル的に補助された薄膜技術によって不導体化されていることを特徴とする、請求項34〜43いずれかに記載の方法。
【請求項45】
不動態化層が熱蒸発によって設けられることを特徴とする、請求項43または44記載の方法。
【請求項46】
不動態化層が、コールドカソードコーティングによって設けられることを特徴とする、請求項43または44記載の方法。
【請求項47】
フレキシブルプリント回路基板が、基材として用いられることを特徴とする、請求項34〜46いずれかに記載の方法。
【請求項48】
フレキシブルプリント回路基板が、少なくともスムージング中に、堅くされた層によっておよび/またはテーブル上に導かれることによって一時的に支持されることを特徴とする、請求項47記載の方法。
【請求項49】
リールからほどかれたフレキシブルプリント回路基板シートが用いられることを特徴とする、請求項47または48記載の方法。
【請求項50】
前もって作られたフレキシブル封入シートが、薄膜構成要素を備えたフレキシブルプリント回路基板シート上に設けられることを特徴とする、請求項47〜49いずれかに記載の方法。
【請求項51】
封入シートがリールからほどかれることを特徴とする、請求項50記載の方法。

【公表番号】特表2007−505484(P2007−505484A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525565(P2006−525565)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【国際出願番号】PCT/AT2004/000308
【国際公開番号】WO2005/025282
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(505420013)アーテー・ウント・エス・オーストリア・テヒノロギー・ウント・ジュステームテッヒニク・アクチェンゲゼルシャフト (19)
【氏名又は名称原語表記】AT & S AUSTRIA TECHNOLOGIE & SYSTEMTECHNIK AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】