説明

薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法

【課題】高い電荷移動度を有し、大面積表示装置に対して均一な電気的特性を得ることができる薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁基板上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極上に形成されたSiNxから構成された第1ゲート絶縁膜と、前記第1ゲート絶縁膜の上に形成されたSiOxから構成された第2ゲート絶縁膜と、前記ゲート電極と重畳するように形成され、チャネル部を有する酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層及び前記ゲート電極の上部に形成されたSiOxから構成された保護膜とを含み、前記保護膜はドレイン電極拡張部を露出するコンタクトホールを含む。ここで、前記コンタクトホールは、ドレイン電極拡張部を直接的に露出する部分の保護膜が、その上部の保護膜よりさらに狭い領域を占める形状を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法に関し、特に、酸化物半導体層を含む液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法を提供することである。
【背景技術】
【0002】
通常の液晶表示装置は、電界を利用して液晶の光透過率を調節することによって画像を表示する。このために、液晶表示装置は、複数の画素がマトリックス状に配列された液晶パネルと、液晶パネルを駆動するための駆動回路とを備える。
【0003】
液晶パネルは、互いに対向する薄膜トランジスタアレイ表示板とカラーフィルタアレイ表示板、二つの表示板の間に一定のセルギャップを維持するために位置するスペーサ、及びそのセルギャップに満たされた液晶層を備える。
【0004】
一般に、薄膜トランジスタアレイ表示板は、薄膜トランジスタ(TFT)を保護する保護膜(passivation)、及び薄膜トランジスタ(TFT)と電気的に接続された画素電極(pixel electrode)をさらに含む。この時、薄膜トランジスタ(TFT)と画素電極を電気的に接続するためには、保護膜上にコンタクトホールを形成しなければならず、保護膜のコンタクトホールは、一般に、エッチングエージェント(エッチング作用を引き起こす物質)を用いて保護膜をエッチングして形成する。
【0005】
しかし、エッチングによって開口が形成された保護膜の垂直的な構造が不安定な構造を有する場合、薄膜トランジスタ(TFT)と画素電極との間の電気的な接続関係に問題が発生し、その結果、ピクセル(pixel)の作動不良が発生し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−147039号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の液晶表示装置は、スイッチング素子のチャネル領域を構成する物質により、非晶質シリコン薄膜トランジスタと多結晶シリコン薄膜トランジスタとに区分される。非晶質シリコン薄膜トランジスタは、約0.5cm/Vs程度の低い電荷の移動度を有するが、大面積表示装置に対して均一な電気的特性を実現することができる。反面、多結晶シリコン薄膜トランジスタは、数百cm/Vs程度の高い電荷の移動度を有するが、大面積表示装置に対して均一な電気的特性を実現することが難しい。
【0008】
本発明の目的は、高い電荷移動度を有し、大面積表示装置に対して均一な電気的特性を得ることができる薄膜トランジスタ表示板を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、このような薄膜トランジスタ表示板の効果的な製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の目的は、以上で言及した課題に制限されず、言及されない他の目的は下記記載から当業者に明らかに理解されるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタアレイ表示板は、絶縁基板上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極上に形成されるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を介して、前記ゲート電極と重畳し、チャネル部を有する酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層の上に形成されて、互いに離隔して配置されたソース電極及びドレイン電極と、前記ソース電極及び前記ドレイン電極の上部に形成され、酸化物を含む保護膜とを含み、前記保護膜は、前記ドレイン電極を露出する第1コンタクトホールを有し、前記第1コンタクトホールは底面から上部に向かうほど次第に断面積が広くなる形状を有する。
【0012】
ここで、前記酸化物半導体層は、Zn、In、Ga、Sn、Cd、Ge、Pb、Sr、Ca、Ni、Cu、Sb、Ba、Sc、Y、Nb、Ta、Hf、Nd、12、13、14族金属元素及びこれらの組み合わせから選択した物質の酸化物から構成されるとよく、前記保護膜は、前記酸化物半導体層の上に形成されて、酸化ケイ素(SiOx)、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステンのうちの少なくとも1種からなる第1保護膜と、前記第1保護膜の上に形成されて、SiON、SiNx、及びSiONとSiNxの組み合わせのいずれか1種からなる第2保護膜とを含むとよい。さらに、前記第1保護膜は、50nmから400nm間の厚さを有し、前記第2保護膜は、50nmから400nm間の厚さを有するとよい。
【0013】
また、前記第1コンタクトホールの側壁は、前記第1保護膜での傾度が前記第2保護膜での傾度に比べて緩やかであるとよく、前記第1保護膜は50nmから400nmの間の厚さを有し、前記第2保護膜は50nmから400nm間の厚さを有するとよい。
【0014】
また、前記ゲート絶縁膜は、前記ゲート電極上に形成される第1ゲート絶縁膜と、前記第1ゲート絶縁膜の上に形成される第2ゲート絶縁膜を含むとよい。第2ゲート絶縁膜は、酸化ケイ素(SiOx)、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステンのうちの少なくとも1種からなるとよい。そして、前記第1ゲート絶縁膜は250nmから500nmの間の厚さを有し、前記第2ゲート絶縁膜は30nmから100nm間の厚さを有するとよい。
【0015】
本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタアレイ表示板は、前記ゲート電極に接続されてゲート信号を供給し、ゲートパッド部を有するゲート線を絶縁基板上にさらに含み、前記保護膜及び前記ゲート絶縁膜は前記ゲートパッド部を露出する第2コンタクトホールを有し、前記第2コンタクトホールは底面から上部に向かうほど次第に断面積が広くなる形状を有するとよい。
【0016】
このような本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板は、絶縁基板上にゲート電極を形成する段階と、前記ゲート電極上にゲート絶縁膜を形成する段階と、前記ゲート絶縁膜上に酸化物半導体層を形成する段階と、前記酸化物半導体層上に互いに離隔して配置されたソース電極及びドレイン電極を形成する段階と、前記ドレイン電極を露出する第1コンタクトホールを有し、酸化物を含む保護膜を前記ソース電極及び前記ドレイン電極上に形成する段階とを含む方法によって製造し、前記第1コンタクトホールは底面から上部に向かうほど次第に断面積が広くなる形状を有する。
【0017】
ここで、前記コンタクトホールを形成する段階は、SF/O系のエッチングガスを使用する第1段階と、SF/O系のエッチングガスに加えて炭素(Carbon)を含むフッ素(Fluorine)系のエッチングガスを共に使用する第2段階とから構成できる。
【0018】
ここで、前記炭素(Carbon)を含むフッ素(Fluorine)系のエッチングガスとしては、C、C、CF、及びCHFのうちの少なくとも1種を使用することができる。
【発明の効果】
【0019】
ドレイン電極拡張部を露出するコンタクトホール、及びゲートパッド部を露出するコンタクトホールを、コンタクトホールの底面から上部に向かうほど断面積が次第に広くなる垂直方向に安定した形状の構造に形成することによって、薄膜トランジスタ表示板の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置用薄膜トランジスタアレイ表示板の配置図である。
【図2】図1のA−A´線に沿った断面図である。
【図3】図1のB−B´線に沿った断面図である。
【図4A】本発明の実施形態に係る液晶表示装置用薄膜トランジスタアレイ表示板のコンタクトホールを及びゲートパッド部の製造方法を示す図1のA−A'線及びB−B’線に沿った断面図である。
【図4B】本発明の実施形態に係る液晶表示装置用薄膜トランジスタアレイ表示板のコンタクトホールを及びゲートパッド部の製造方法を示す図1のA−A'線及びB−B’線に沿った断面図である。
【図4C】本発明の実施形態に係る液晶表示装置用薄膜トランジスタアレイ表示板のコンタクトホールを及びゲートパッド部の製造方法を示す図1のA−A'線及びB−B’線に沿った断面図である。
【図5】エッチングガス比率に応じたSiNxとSiOxのエッチング速度及びエッチング選択比の傾向を示すグラフである。
【図6A】実際の工程でコンタクトホールのエッチングを進行した後のコンタクトホール領域を測定した電子顕微鏡断面写真である。
【図6B】実際の工程でコンタクトホールのエッチングを進行した後のゲートパッド部領域を測定した電子顕微鏡断面写真である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付した図面を参照して、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。図面において、本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書の全体にわたって同一または類似する構成要素に対しては同一の参照符号が付されている。また、広く知られている公知技術については、その詳細な説明を省略する。
【0022】
図面において、種々の層、膜、及び領域を明確に表現するために、それらの厚さを拡大して示している。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「すぐ上」にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の「すぐ上」にあるという時には、中間に他の部分がないことを意味する。反対に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下」にあるという時、これは他の部分の「すぐ下」にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分「すぐ下」にあるという時には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0023】
最初に、図1乃至図3を参照して、本発明の実施形態に係る液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の構造について詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図である。図2は、図1の薄膜トランジスタ表示板のA−A’線に沿った断面図である。図3は、図1の薄膜トランジスタ表示板のB−B’線に沿った断面図である。
【0025】
図1乃至図3を参照すれば、絶縁基板10の上にゲート信号を伝達するゲート配線22、26が形成されている。ゲート配線22、26は、横方向に延びているゲート線22と、ゲート線22に接続されて突起状に形成された薄膜トランジスタのゲート電極26とを含む。
【0026】
そして、絶縁基板10の上にはストレージ電圧を伝達するストレージ配線27、28が形成されている。ストレージ配線27、28は、画素領域を横切ってゲート線22と実質的に平行に形成されたストレージ線28と、ストレージ線28に比べ幅が広く形成されてストレージ線28に接続されたストレージ電極27とを含む。ストレージ電極27は後述する画素電極82と接続されたドレイン電極拡張部67と重畳して、画素の電荷保存能力を向上させるストレージキャパシタ(storage capacitor)を形成する。ストレージ電極27及びストレージ線28の形状及び配置などは多様な形態に変更でき、画素電極82と共通電極(図示せず)の間に形成される液晶キャパシタンスが十分であるか、または画素電極82とゲート線22との重畳によって発生するストレージキャパシタンス(storage capacitance)が十分である場合、ストレージ電極27及びストレージ線28は形成しなくてもよい。
【0027】
ゲート配線22、26、及びストレージ配線27、28は、アルミニウム(Al)とアルミニウム合金などアルミニウム系の金属、銀(Ag)と銀合金など銀系の金属、銅(Cu)と銅合金など銅系の金属、モリブデン(Mo)とモリブデン合金などモリブデン系の金属、クロム(Cr)、チタニウム(Ti)、タンタル(Ta)などで形成できる。また、ゲート配線22、26及びストレージ配線27、28は、物理的性質の異なる二つの導電膜(図示せず)を含む多重膜構造を有することができる。
【0028】
絶縁基板10、ストレージ配線27、28、及びゲート配線22、26の上にはゲート絶縁膜230が形成されている。ゲート絶縁膜230は、ゲート線22上に形成された下部絶縁膜232、及び下部絶縁膜232上に形成されて酸化物半導体層40と接触する上部絶縁膜234からなる。下部絶縁膜232は酸化物半導体層40と接触しないことが好ましい。下部絶縁膜232は窒化物、例えば窒化ケイ素(SiNx)、窒化酸化ケイ素(SiON)、SiONとSiNxとの組み合わせ等で形成され、好ましくは窒化ケイ素で形成されるとよい。上部絶縁膜234は、酸化物半導体層40の電気的特性の劣化を防止するために、酸化物、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステンなどで形成され、好ましくは酸化ケイ素で形成されるとよい。下部絶縁膜232は約250乃至500nmの厚さに形成され、上部絶縁膜234は約30乃至100nmの厚さに形成されるとよい。
【0029】
一般に、水素は酸化物半導体層40と反応すれば、酸化物半導体層40を還元させ、酸化物半導体層40内に酸素空孔(oxygen vacancy)を生成する。このような酸素空孔は、酸化物半導体層40のチャネル部のキャリア(carrier)濃度を増加させる。したがって、ゲート絶縁膜230内に水素の含有量の高い場合、キャリア濃度が増加するようになって、酸化物薄膜トランジスタのしきい電圧(Vth)が負の方向に移動することによって、酸化物半導体層40が導電体と同様の電気的特性を有するようになる。したがって、ゲート絶縁膜230の場合、酸化物半導体層40と接触するため、ゲート絶縁膜230内の水素含有量を低くするのが重要である。
【0030】
酸化物半導体層40と接触する上部絶縁膜234を酸化物、例えば、酸化ケイ素で形成する場合、反応ガスとして水素含有ガスを使用せずに、NOガスまたはOガスを使用するため、上部絶縁膜234内に水素の含有量が殆どなくて、酸化物半導体層40の電気的特性が劣化するのを防止することができる。
【0031】
ゲート絶縁膜230の上には、Zn、In、Ga、Sn、Cd、Ge、Pb、Sr、Ca、Ni、Cu、Sb、Ba、Sc、Y、Nb、Ta、Hf、Nd、12、13、14族金属元素及びこれらの組み合わせから選択される物質の酸化物からなる酸化物半導体層40が形成されている。例えば、酸化物半導体層40としては、ZnO、InZnO、InGaO、InSnO、ZnSnO、GaSnO、GaZnO、GaZnSnOまたはGaInZnOなどの混合酸化物を用いることができる。このような酸化物半導体層40は、水素化非晶質シリコンに比べて電荷の有効移動度(effective mobility)が2乃至100倍程度大きく、オン/オフ電流比が105乃至108の値を有することによって、優れた半導体特性を有している。また、このような酸化物半導体層40においては、バンドギャップ(band gap)が約3.0乃至3.5eVであるため、可視光に対して漏れ光電流が発生しない。したがって、酸化物薄膜トランジスタの瞬間残像を防止でき、酸化物薄膜トランジスタの下に光遮断膜を形成する必要がないことから、液晶表示装置の開口率を高められる。酸化物半導体の特性を向上させるために、周期律表上の3族、4族、5族または遷移元素が追加的に含まれてもよい。また、このような酸化物半導体層40を構成する物質は、後述するデータ配線62、65、66、67とのオーミックコンタクト(ohmic contact)特性が良いため、別途にオーミックコンタクト層を形成する必要がないので、工程時間を短縮することができる。また、酸化物半導体層40は非晶質状態であるが、高い電荷の有効移動度を有しており、既存の非晶質シリコンの製造工程をそのまま適用できることにより、大面積表示装置に対して適用できる。
【0032】
本実施形態の酸化物薄膜トランジスタの場合には、酸化物半導体層40とデータ配線62、65、66、67のパターン形状が互いに異なる。しかし、4枚のマスク工程を適用する場合、酸化物半導体層40は酸化物薄膜トランジスタのチャネル領域を除いては、データ配線62、65、66、67と実質的に同一の形状にパターニングできる。これは、酸化物半導体層40とデータ配線62、65、66、67を一つのエッチングマスクを利用してパターニングするためである。本実施形態では5枚のマスク工程によって製造された構造を例示しているが、本発明はこれに限定されず、5枚のマスク工程とは異なる工程、例えば、3枚または4枚のマスク工程にも本発明を適用できるのは、当業者に明らかである。
【0033】
酸化物半導体層40及びゲート絶縁膜230の上にはデータ配線62、65、66、67が形成されている。データ配線62、65、66、67は、縦方向に形成されてゲート線22と交差して画素を定義するデータ線62、データ線62から枝(branch)状に分岐されて酸化物半導体層40の上部まで延長されているソース電極65、ソース電極65と分離され、ゲート電極26または酸化物薄膜トランジスタのチャネル部を挟んでソース電極65と対向するように酸化物半導体層40の上部に形成されているドレイン電極66、及びドレイン電極66から延長されてストレージ電極27と重畳する広い面積のドレイン電極拡張部67を含む。
【0034】
このようなデータ配線62、65、66、67は、酸化物半導体層40と直接接触してオーミックコンタクトを形成する物質で構成できる。即ち、酸化物半導体層40とオーミックコンタクトを形成するために、データ配線62、65、66、67はニッケル(Ni)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、モルルブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ベリリウム(Be)、ニオブ(Nb)、金(Au)、鉄(Fe)、セレン(Se)、またはタンタル(Ta)等からなる単一膜または多重膜構造を有することができる。また、前記金属にチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、白金(Pt)、ハフニウム(Hf)、酸素(O)、窒素(N)から選択された1種以上の元素が含まれている合金も適用可能である。
【0035】
ソース電極65は酸化物半導体層40と少なくとも一部分が重畳し、ドレイン電極66は酸化物薄膜トランジスタのチャネル部を挟んでソース電極65と対向し、酸化物半導体層40と少なくとも一部分が重畳する。
【0036】
ドレイン電極拡張部67は、ストレージ電極27と重畳するように形成され、ゲート絶縁膜230を介在してストレージ電極27と共にストレージキャパシタを形成する。ストレージ電極27を形成しない場合、ドレイン電極拡張部67を形成しなくてもよい。
【0037】
データ配線62、65、66、67及びこれによって露出した酸化物半導体層40の上部には保護膜170が形成されている。上記したゲート絶縁膜230の形成過程で説明したように、酸化物半導体層40と接触する保護膜170内の水素含有量を低くするのが重要である。したがって、保護膜170は、酸化物半導体層40と接触する下部保護膜172、及び酸化物半導体層40と接触しないように下部保護膜172上に形成された上部保護膜174からなる。下部保護膜172は、酸化物半導体層40の電気的特性の劣化を防止するために酸化物、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステンなどで形成され、好ましくは酸化ケイ素で形成されるとよい。上部保護膜174は窒化物、例えば、窒化ケイ素、窒素酸化ケイ素(SiON)、SiONとSiNxとの組み合わせ等で形成され、好ましくは窒化ケイ素で形成されるとよい。下部保護膜172は、約50乃至400nmの厚さに形成され、上部保護膜174は約50乃至400nmの厚さに形成されるとよい。
【0038】
酸化物半導体層40と接触する下部保護膜172を酸化物、例えば酸化ケイ素で形成する場合、反応ガスとして水素含有ガスを使用せずに、NOガスまたはOガスを使用するため、下部保護膜172内に水素の含有量が殆どなくて、酸化物半導体層40の電気的特性が劣化するのを防止することができる。この時、酸化ケイ素のみで形成された保護膜の厚さは350nm以上に形成するとよい。
【0039】
保護膜170には、ドレイン電極拡張部67を露出するコンタクトホール77が形成されている。前記コンタクトホール77を形成する過程で、図3に示すように、ゲートパッド部を露出するコンタクトホール106を共に形成する。
【0040】
保護膜170の上には、コンタクトホール77を通じてドレイン電極66と電気的に接続する画素電極82が形成されている。画素電極82は、ITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電体、またはアルミニウムなどの反射性導電体で形成することができる。
【0041】
データ電圧が印加された画素電極82は、薄膜トランジスタ表示板と対向する上部表示板の共通電極と共に電界を生成することにより、画素電極82と共通電極との間の液晶層の液晶分子の配列を決定する。
【0042】
このような本発明の実施形態に係る液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板では、上述したゲート絶縁膜230及び保護膜170の形成過程で説明したように、酸化物半導体層40と接触するゲート絶縁膜230及び保護膜170内の水素含有量を低くするのが重要である。したがって、酸化物半導体層40と直接的に接触する絶縁膜及び保護膜は、酸化物半導体層40の電気的特性の劣化を防止するために酸化物で形成され、生産性を考慮して窒化物と共に多層膜で構成される。しかし、上記酸化物と窒化物の多層膜でゲート絶縁膜230及び保護膜170を成膜する場合、ドレイン電極拡張部67を露出するコンタクトホール77を形成する時、ゲート絶縁膜230及び保護膜170は、相対的にエッチング速度が低い酸化物が多層膜の中間に挟まっている構造となる。したがって、ゲート絶縁膜230及び保護膜170は、エッチングによって形成されたコンタクトホールの垂直的な構造が不安定な構造、例えば、下側の幅が上側の幅より広い構造を有することもあり、結果的に薄膜トランジスタ(TFT)及び画素電極の間の電気的な接続関係に問題が発生し得る。
【0043】
したがって、本発明の他の実施形態では、酸化物半導体におけるコンタクトホールの形成において、工程改善のための方案を提示する。即ち、本発明では、ドレイン電極拡張部を露出するコンタクトホールを形成時、エッチング工程を2段階に分けることによって、コンタクトホールが垂直的に安定した構造、例えば、底面から上部に向かうほど断面積が次第に広くなる逆梯形状の構造を有する。
【0044】
以下、図4A乃至図4Cを参照して、本発明の他の実施形態による酸化物半導体におけるコンタクトホールの形成方法について詳細に説明する。図4Aは、コンタクトホールの形成時、同時にパターニングされるドレイン電極拡張部を露出するコンタクトホール及びゲートパッド部を示した断面図である。図4B及び図4Cは、それぞれ第1段階及び第2段階のコンタクトホールのエッチング後に、ドレイン電極拡張部を露出するコンタクトホール及びゲートパッド部を露出するコンタクトホールを示した断面図である。
【0045】
まず、図4Aに示したように、ゲート絶縁膜230はゲート線22上に形成された下部絶縁膜232、及び下部絶縁膜232上に形成されて、酸化物半導体層40と接触する上部絶縁膜234で形成される。下部絶縁膜232は酸化物半導体層40と接触しないことが好ましい。下部絶縁膜232は窒化物、例えば、窒化ケイ素、窒化酸化ケイ素(SiON)、SiONとSiNxとの組み合わせ等で形成でき、好ましくは窒化ケイ素で形成できる。上部絶縁膜234は、酸化物半導体層40の電気的特性の劣化を防止するために酸化物、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステンなどで形成され、好ましくは酸化ケイ素で形成されるとよい。下部絶縁膜232は約50乃至200nmの厚さに形成され、上部絶縁膜234は約50乃至200nmの厚さに形成されるとよい。
【0046】
ゲート絶縁膜230の上にはデータ配線62、65、66、67が形成されている。このようなデータ配線62、65、66、67は、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ベリリウム(Be)、ニオブ(Nb)、金(Au)、鉄(Fe)、セレン(Se)、またはタンタル(Ta)等からなる単一膜または多重膜構造を有することができる。また、上記金属にチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、白金(Pt)、ハフニウム(Hf)、酸素(O)、窒素(N)から選択された1種以上の元素が含まれている合金も適用可能である。
【0047】
データ配線62、65、66、67の上部には保護膜170が形成されている。上記したゲート絶縁膜230の形成過程で説明したように、酸化物半導体層40と接触する保護膜170内の水素含有量を低くするのが重要である。したがって、保護膜170は、酸化物半導体層40と接触する下部保護膜172、及び酸化物半導体層40と接触しないように下部保護膜172上に形成された上部保護膜174からなる。下部保護膜172は、酸化物半導体層40の電気的特性の劣化を防止するために酸化物、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステンなどで形成され、好ましくは酸化ケイ素で形成されるとよい。上部保護膜174は窒化物、例えば、窒化ケイ素、窒化酸化ケイ素(SiON)、SiONとSiNxとの組み合わせ等で形成され、好ましくは窒化ケイ素で形成されるとよい。下部保護膜172は約250乃至500nmの厚さに形成され、上部保護膜174は約30乃至100nmの厚さに形成されるとよい。
【0048】
酸化物半導体層40と接触する下部保護膜172を酸化物、例えば、酸化ケイ素で形成する場合、反応ガスとして水素含有ガスを使用せずに、NOガスまたはOガスを使用するため、下部保護膜172内に水素の含有量が殆どなくて、酸化物半導体層40の電気的特性が劣化するのを防止することができる。この時、酸化ケイ素のみで形成された保護膜の厚さは350nm以上に形成するとよい。
【0049】
保護膜170には、ドレイン電極拡張部67を露出するコンタクトホール77を形成するために、図4Aに示したように、感光性フォトレジストを全面塗布した後、露光及び現像工程によって感光膜パターン(PR)を形成する。
【0050】
次に、図4Bに示したように、乾式エッチングを利用して、第1段階のコンタクトホールのパターニングを行う。本実施形態による第1段階のコンタクトホールのパターニングは、エッチングエージェントとしてSF/O系を使用するドライエッチングを利用することを特徴とする。主なエッチングエージェントとしてはSF/O系のガスが用いられ、機能性ガスとしてN、Ar、He、H等を共に添加することもできる。図4Bを参照すれば、本実施形態による第1段階のコンタクトホールのパターニングは、エッチングエージェントとしてSF/O系のエッチングガスを用いて、ゲートパッド部の下部窒化膜がエッチングされる前まで行う。即ち、第1段階のコンタクトホールのパターニングでは、SF/O系のエッチングガスを用いると共に、高い工程圧力まで工程の拡張が可能であるので、生産時間の大幅な減少が可能である。
【0051】
次に、図4Cに示したように、ドライエッチングを利用して第2段階のコンタクトホールのパターニングを行う。本実施形態による第2段階のコンタクトホールのパターニングは、エッチングエージェントとして第1段階で使用されたSF/O系のガスに加え、炭素(Carbon)を含むフッ素(Fluorine)系のガスを使用するドライエッチングを利用する。ここで、炭素(Carbon)を含むフッ素(Fluorine)系のエッチングガスは、C、C、CF、及びCHF等のようなCとFの化合物を含み、主なエッチングエージェントとしては炭素(Carbon)を含むフッ素(Fluorine)系のガスが用いられ、機能性ガスとしてN、Ar、He、Hなどを共に添加することもできる。
【0052】
図5は、炭素を含むフッ素系のエッチングガスとしてCを、1段階で使用されたSF/O系のガスに加えて共にエッチングエージェントとして使用した時のSiNxのエッチング速度、SiOxのエッチング速度、及びエッチング選択比(SiNxエッチング速度/SiOxエッチング速度)を示すグラフである。図5に示したように、炭素を含むフッ素系のガス比率が高くなることによって、SiNxのエッチング速度が減少しながら、選択比が減少する傾向が確認できる。
【0053】
したがって、本実施形態による第2段階のコンタクトホールのパターニングは、エッチングエージェントとしてSF/O系のエッチングガスに加え、炭素(Carbon)を含むフッ素(Fluorine)系のエッチングガスを使用する。この時、ゲート絶縁膜230及び保護膜170を構成する酸化物と窒化物のエッチング選択比は2以下に調節し、この際の炭素を含むフッ素系ガスの流量比は総流量対比25%以上であることが好ましい。
【0054】
図4Cを参照すれば、エッチングエージェントとしてSF/O系のエッチングガスに加え、炭素(Carbon)を含むフッ素(Fluorine)系のエッチングガスを使用して第2段階のコンタクトホールのパターニングを行えば、第1段階のコンタクトホールのパターニングで酸化物と窒化物のエッチング速度の差によって発生した酸化物チップ(tip)の領域が除去され、酸化物と窒化物のエッチング選択比が大きくないことで、酸化物下部の窒化物層のアンダーカット(under cut)の発生を防止することができる。即ち、底面から上部に向かうほど断面積が次第に広くなる垂直的に安定した構造のコンタクトホールが形成される。このように、第2段階のコンタクトホールのパターニングまで進行すれば、図4Cに示したように、逆梯形状のコンタクトホールが形成され、コンタクトホールの側壁は、窒化シリコン膜での傾度に比べ、酸化シリコン膜での傾度がさらに緩やかな構造を有する。ゲートパッド部を露出するコンタクトホールの場合、下から窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜が順序積層された絶縁膜を貫いていることによって、コンタクトホールの側壁は、急な第1傾斜、第1傾斜より緩やかな第2傾斜、第2傾斜より急な第3傾斜が交互に現れる。ここで、第3傾斜は第1傾斜と同等な傾度を有することができる。ここで、第1傾斜と第3傾斜はコンタクトホールの底面を基準として30度乃至80度の間に形成され、第2傾斜は10度乃至70度の間に形成される。
【0055】
結果的に、実際の工程に適用した図6を参照すれば、ドレイン電極拡張部を露出するコンタクトホール(図6A)やゲートパッド部を露出するコンタクトホール(図6B)において、コンタクトホールの底面から上部に向かうほど断面積が次第に広くなる垂直的に安定した形状の構造を有することが確認できる。
【0056】
以上、実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び要旨から逸脱しない範囲内で、本発明を種々に修正及び変更させることができることを理解するはずである。
【符号の説明】
【0057】
22、26 ゲート配線
27、28 ストレージ配線
67 ドレイン電極拡張部
82 画素電極
230 ゲート絶縁膜
40 酸化物半導体層
170 保護膜
77、106 コンタクトホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板上に形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極上に形成されるゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜を介して、前記ゲート電極と重畳し、チャネル部を有する酸化物半導体層と、
前記酸化物半導体層の上に形成されて、互いに離隔して配置されたソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極の上部に形成され、酸化物を含む保護膜とを含み、
前記保護膜は、前記ドレイン電極を露出する第1コンタクトホールを有し、
前記第1コンタクトホールは、底面から上部に向かうほど次第に断面積が広くなる形状を有する、薄膜トランジスタ表示板。
【請求項2】
前記保護膜は、前記酸化物半導体層の上に形成されて、酸化ケイ素(SiOx)、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステンのうちの少なくとも1種からなる第1保護膜と、前記第1保護膜の上に形成されて、SiON、SiNx、及びSiONとSiNxとの組み合わせのいずれか1種からなる第2保護膜とを含む、請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項3】
前記第1コンタクトホールの側壁は前記第1保護膜での傾度が前記第2保護膜での傾度に比べて緩やかである、請求項2に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項4】
前記ゲート絶縁膜は、前記ゲート電極上に形成される第1ゲート絶縁膜と、前記第1ゲート絶縁膜の上に形成される第2ゲート絶縁膜を含み、
前記第2ゲート絶縁膜は、酸化ケイ素(SiOx)、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステンのうちの少なくとも1種からなる、請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項5】
前記第1ゲート絶縁膜は250nmから500nm間の厚さを有し、前記第2ゲート絶縁膜は30nmから100nm間の厚さを有する、請求項4に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項6】
前記酸化物半導体層は、Zn、In、Ga、Sn、Cd、Ge、Pb、Sr、Ca、Ni、Cu、Sb、Ba、Sc、Y、Nb、Ta、Hf、Nd、12、13、14族金属元素及びこれらの組み合わせから選択した物質の酸化物を含む、請求項1乃至5に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項7】
前記ゲート電極に接続してゲート信号を供給し、ゲートパッド部を有するゲート線を絶縁基板上にさらに含み、
前記保護膜及び前記ゲート絶縁膜は、前記ゲートパッド部を露出する第2コンタクトホールを有し、
前記第2コンタクトホールは、底面から上部に向かうほど次第に断面積が広くなる形状を有する、請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項8】
前記保護膜は、前記酸化物半導体層の上に形成されており、酸化ケイ素(SiOx)、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステンのうちの少なくとも1種からなる第1保護膜と、前記第1保護膜の上に形成されており、SiON、SiNx、及びSiONとSiNxの組み合わせのいずれか1種からなる第2保護膜とを含み、
前記第2コンタクトホールの側壁は、底面から上部に向かって第1傾斜、前記第1傾斜より緩やかな第2傾斜、及び前記第2傾斜より急な第3傾斜を有する、請求項7に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項9】
前記ゲート絶縁膜は、前記ゲート電極上に形成される第1ゲート絶縁膜と、前記第1ゲート絶縁膜の上に形成される第2ゲート絶縁膜を含み、
前記第2ゲート絶縁膜は、酸化ケイ素(SiOx)、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステンのうちの少なくとも1種からなる、請求項7または8に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項10】
前記第1ゲート絶縁膜は250nmから500nm間の厚さを有し、前記第2ゲート絶縁膜は30nmから100nm間の厚さを有する、請求項9に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項11】
前記第1保護膜は、50nmから400nm間の厚さを有し、前記第2保護膜は、50nmから400nm間の厚さを有する、請求項2または8に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項12】
絶縁基板上にゲート電極を形成する段階と、
前記ゲート電極上にゲート絶縁膜を形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜上に酸化物半導体層を形成する段階と、
前記酸化物半導体層上に互いに離隔して配置されたソース電極及びドレイン電極を形成する段階と、
前記ドレイン電極を露出する第1コンタクトホールを有し、酸化物を含む保護膜を前記ソース電極及び前記ドレイン電極上に形成する段階と
を含み、
前記第1コンタクトホールは底面から上部に向かうほど次第に断面積が広くなる形状を有する薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項13】
前記第1コンタクトホールを形成する段階は、SF/O系のエッチングガスを使用する第1段階と、前記第1段階で使用されたエッチングガスに加え、炭素(Carbon)を含むフッ素(Fluorine)系のエッチングガスを使用する第2段階とを含む、請求項12に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項14】
前記炭素(Carbon)を含むフッ素(Fluorine)系のエッチングガスとしては、C、C、CF、及びCHFのうちの少なくとも1種を使用する、請求項13に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項15】
前記保護膜は、前記酸化物半導体層の上に形成されて、酸化ケイ素(SiOx)、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステンのうちの少なくとも1種からなる第1保護膜と、前記第1保護膜の上に形成されて、SiON、SiNx、及びSiONとSiNxとの組み合わせのいずれか1種からなる第2保護膜とを含む、請求項14に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項16】
前記ゲート絶縁膜を形成する段階は、前記ゲート電極上に第1ゲート絶縁膜を形成する段階と、前記第1ゲート絶縁膜上に酸化ケイ素(SiOx)、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステンのうちの少なくとも1種からなる第2ゲート絶縁膜を形成する段階とを含み、
前記第1ゲート絶縁膜は250nmから500nm間の厚さを有し、前記第2ゲート絶縁膜は30nmから100nm間の厚さを有する、請求項12に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項17】
前記ゲート電極を形成する段階において、前記ゲート電極に接続されてゲート信号を供給し、ゲートパッド部を有するゲート線を形成し、
前記保護膜を形成する段階において、前記保護膜及び前記ゲート絶縁膜を貫いて前記ゲートパッド部を露出し、底面から上部に向かうほど次第に断面積が広くなる形状を有する第2コンタクトホールを形成する、請求項12に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項18】
前記開口部を形成する段階は、SF/O系のエッチングガスを使用する第1段階と、前記第1段階で使用されたエッチングガスに加え、炭素(Carbon)を含むフッ素(Fluorine)系のエッチングガスを使用する第2段階とを含む、請求項17に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項19】
前記炭素(Carbon)を含むフッ素(Fluorine)系のエッチングガスとしては、 C、C、CF、及びCHFのうちの少なくとも1種を使用する、請求項18に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項20】
前記保護膜を形成する段階は、酸化ケイ素(SiOx)、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステンのうちの少なくとも1種からなる第1保護膜を前記酸化物半導体層の上に形成する段階と、SiON、SiNx、及びSiONとSiNxの組み合わせのいずれか1種からなる第2保護膜を前記第1保護膜の上に形成する段階とを含み、
前記第2コンタクトホールの側壁は、底面から上部に向かって第1傾斜、前記第1傾斜より緩やかな第2傾斜、及び前記第2傾斜より急な第3傾斜を有する、請求項17に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項21】
前記ゲート絶縁膜を形成する段階は、前記ゲート電極上に第1ゲート絶縁膜を形成する段階と、前記第1ゲート絶縁膜上に酸化ケイ素(SiOx)、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化タングステンのうちの少なくとも1種からなる第2ゲート絶縁膜を形成する段階とを含み、
前記第1ゲート絶縁膜は250nmから500nm間の厚さを有し、前記第2ゲート絶縁膜は30nmから100nm間の厚さを有する、請求項19に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項22】
前記第1保護膜は、50nmから400nm間の厚さを有し、前記第2保護膜は、50nmから400nm間の厚さを有する、請求項15または20に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図4C】
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【図6A】
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【図6B】
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【公開番号】特開2011−258949(P2011−258949A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123767(P2011−123767)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】