薄膜剥離装置
【課題】移植機への苗の供給が安定すると共に剥離した薄膜の後処理が容易な薄膜剥離装置を提供する。
【解決手段】一対の分離ローラ33によって分離された各薄膜32が巻取り装置34のリール38によって合一されて巻き取られて連続集合鉢体10から連続体11が順次引き出される。したがって、一方の薄膜32の引き出し速度と他方の薄膜32の引き出し速度との速度差が最小限に止められて各薄膜32が切断するのが防止され、苗3の供給を安定させることができる。また、巻き取られた薄膜32が一塊に集約されるので、巻取り後の薄膜32の扱いが容易で、加えて、受け部材43をリール38上方へ動かすだけで一塊の薄膜32をリール38から取除くことができ、後処理が効率化される。
【解決手段】一対の分離ローラ33によって分離された各薄膜32が巻取り装置34のリール38によって合一されて巻き取られて連続集合鉢体10から連続体11が順次引き出される。したがって、一方の薄膜32の引き出し速度と他方の薄膜32の引き出し速度との速度差が最小限に止められて各薄膜32が切断するのが防止され、苗3の供給を安定させることができる。また、巻き取られた薄膜32が一塊に集約されるので、巻取り後の薄膜32の扱いが容易で、加えて、受け部材43をリール38上方へ動かすだけで一塊の薄膜32をリール38から取除くことができ、後処理が効率化される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向する二枚の帯状薄膜を所定間隔で接合して相互の接合部間を鉢体とする連続体を形成して、該連続体を重ね合せると共に該重ね合された連続体の相互間を水溶性接着剤にて貼着して連続集合鉢体を形成して、該連続集合鉢体の各鉢体に育苗された苗を各鉢体から連続的に取り出す薄膜剥離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、対向する二枚の帯状薄膜を所定間隔で接合して相互の接合部間を鉢体とする連続体を形成して、該連続体を重ね合せると共に該重ね合された連続体の相互間を水溶性接着剤にて貼着して連続集合鉢体を形成しておいて、該連続集合鉢体から連続体を引き出して各鉢体から苗を連続的に取り出す薄膜剥離装置が知られている。例えば、特許文献1には、並列に配置された一対の無端状回転体によって連続体を挟み込んで引き出し、該連続体を各薄膜に分離させると共に該各薄膜を両外側へ引っ張り、各薄膜の相互の接合部を剥離させながら剥離された各薄膜を左右の巻取りリールによって巻き取る技術が開示されている。また、特許文献2には、苗載置部から引き出された連続体の二枚の各薄膜を相互に引き剥がす方向へ誘導する一対のガイド部材と、各ガイド部材を迂回させた各薄膜を挟持して引き出す回転引出手段と、該回転引出手段によって引き出された各薄膜を巻き取る一対の巻取りリールと、を備えた薄膜剥離装置の開示がある。
【0003】
上記特許文献1及び2に記載の発明では、分離させた各薄膜を各巻取りリールによって巻き取る機構であるため、各薄膜の巻取り速度、延いては各薄膜の引き出し速度に差が生じた場合、苗が、巻取り速度が速い方の巻取りリール側へ徐々に寄っていき、最終的に薄膜が切断される虞があり、この事態を回避するには、さらに薄膜間の引き出し速度の差を吸収させる機構が必要になり、装置が複雑化すると共に製造コストが増大する。そこで、特許文献3には、分離させた各薄膜を再び合一して引き出すことで各薄膜の引き出し速度に差が生じることを防いだ剥離装置が開示されているが、特許文献3に記載の剥離装置では、一対の回転体によって挟持されて両薄膜が合一されるため、回転体と薄膜との間で滑りが生じた場合、各薄膜の引き出し、延いては移植機への苗の供給が不安定になることがある。また、特許文献3に記載の剥離装置では、回転体の下流の各薄膜を処理する機構をもたないため、作業中、該回転体下流の各薄膜が風で飛散する問題や、巻き取られた薄膜が嵩張り、作業後の処理が面倒であるという問題がある。
【特許文献1】特開昭60−184313号公報
【特許文献2】特開平11−127621号公報
【特許文献3】実公昭49−13460号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、移植機への苗の供給が安定すると共に剥離した薄膜の後処理が容易な薄膜剥離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記第1の目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、対向する二枚の帯状薄膜を所定間隔で接合して相互の接合部間を鉢体とする連続体を形成して、該連続体を重ね合せると共に該重ね合された前記連続体の相互間を水溶性接着剤にて貼着して連続集合鉢体を形成して、各鉢体に種苗が詰められた前記連続体の接合部を順次剥離して前記連続集合鉢体から苗が個別に取り出される薄膜剥離装置であって、前記連続体を分離させた各薄膜を担持する一対のガイド部材と、各ガイド部材によって担持された各薄膜を合一しながら巻き取ることで前記連続集合鉢体から前記連続体が引き出される巻取り手段と、を具備することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の薄膜剥離装置において、各鉢体に種苗が詰められた前記連続体が載置される苗載置部を具備することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の薄膜剥離装置において、前記連続集合鉢体から引き出された前記連続体を前記一対のガイド部材間に案内する案内部材を具備することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の薄膜剥離装置において、前記案内部材は、湾曲且つ相互に外側へ傾倒させた一対の板材を線対称に配置して構成されることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の薄膜剥離装置において、前記巻取り手段は、リールと、該リールに対して巻取り軸方向へ移動可能な受け部材とを備えて、前記リールによって巻き取られた前記受け部材上の薄膜が、前記受け部材を前記リールの上方へ動かすことで、前記リールから取り外されることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の薄膜剥離装置において、前記連続体を分離させた各薄膜の相互の対向面に当接されるスクレーパを具備することを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の薄膜剥離装置において、前記一対のガイド部材が、前記連続体を分離させた各薄膜を各外周面によって担持する一対のフリーローラであることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の薄膜剥離装置において、前記巻取り手段は、前記巻取り軸へ回転動力を伝達して前記リールを回転させる回転動力伝達部材と、該回転動力伝達部材を駆動する駆動部材と、該駆動部材と前記回転動力伝達部材とを相対的に移動可能に結合させる結合手段と、を含む巻取り機構を具備することを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の薄膜剥離装置において、前記結合手段は、前記駆動部材と前記回転動力伝達部材とを摺動可能に結合させるものであることを特徴とする。
【0014】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の薄膜剥離装置において、前記巻取り手段は、前記巻取り機構に設けられて前記リールに巻き取られた前記薄膜に当接されて該リールに巻き取られた前記薄膜の巻取り量を検出する検出部材を備えて、該検出部材によって検出された前記薄膜の巻取り量に応じて、前記駆動部材と前記回転動力伝達部材との摺動量が調節されることを特徴とする。
【0015】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載の薄膜剥離装置において、前記連続集合鉢体から取り出された苗が投入される苗投入口と、該苗投入口に投入される苗の根が切断される根切り手段と、を具備することを特徴とする。
【0016】
したがって、請求項1に記載の薄膜剥離装置では、連続体を分離させた各薄膜が巻取り手段によって合一しながら巻き取られる。これにより、連続集合鉢体から連続体が確実に引き出されると共に、該引き出された連続体を分離させた各薄膜が各ガイド部材に向けて引っ張られ、相互の接合部が剥離されて鉢体から苗が取り出される。なお、請求項1の薄膜剥離装置において、種苗とは、各鉢体にて育苗した野菜等の苗の他、土詰あるいは播種されたのみで発芽前の状態のもの、球根、塊茎、種芋等を含み、当該鉢体に詰められた後に、圃場あるいは植木鉢、仮植用鉢、プランター、その他各種容器等、鉢体を経由して他の場所や物へ移されるあらゆる形態を含む。さらに、このあらゆる形態は、圃場や容器等に移されることなく、そのまま食用や観賞等に使用される形態をも含む。
請求項2に記載の薄膜剥離装置では、苗載置部に載置された連続集合鉢体から連続体が引き出される。
請求項3に記載の薄膜剥離装置では、連続集合鉢体から引き出された連続体が一対のガイド部材間に向けて案内される。
請求項4に記載の薄膜剥離装置では、連続集合鉢体から引き出された連続体の鉢体(苗)が一対の案内部材によって案内されて直立される。
請求項5に記載の薄膜剥離装置では、受け部材をリールの上方へ動かすことで、リールに巻き付けられた薄膜がリールから取り外される。このように構成することにより薄膜がリールに堅く巻かれた場合でも、容易に取り外すことができる。
請求項6に記載の薄膜剥離装置では、連続体を分離させた各薄膜の相互の対向面に付着した土や根等の付着物がスクレーパによって削ぎ落とされる。
請求項7に記載の薄膜剥離装置では、各ローラを自由に回転させることにより、連続体を分離させた各薄膜が円滑に下流へ送り出される。
請求項8に記載の薄膜剥離装置では、駆動部材と回転動力伝達部材とを結合手段によって結合させることにより、駆動部材と回転動力伝達部材とを結合手段を介して相対的に移動させることができる。
請求項9に記載の薄膜剥離装置では、駆動部材と回転動力伝達部材とを結合手段によって結合させることにより、結合手段と駆動部材又は回転動力伝達部材とを摺動させて駆動部材と回転動力伝達部材とを相対的に移動させることができる。
請求項10に記載の薄膜剥離装置では、検出部材によって検出された薄膜の巻取り量に応じて駆動部材と回転動力伝達部材との摺動量が調節される。薄膜剥離装置では、巻取り手段の巻取り動作1サイクル当りのリールの回転量(回転角度)が一定であると、リールに巻き取られた薄膜の巻取り径が大きくなるのに伴って連続集合鉢体から引き出される連続体の引き出し量が増加する。そこで、リールに巻き取られた薄膜の巻取り径が大きくなるのに応じて、駆動部材と回転動力伝達部材との摺動量を増加させることにより、駆動部材による回転動力伝達部材の操作量、すなわち、巻取り手段の1サイクル当りのリールの回転量を減少させる。これにより、連続集合鉢体から引き出される連続体の引き出し量を一定に保持することができる。
請求項11に記載の薄膜剥離装置では、苗の伸びすぎた根が根切り手段によって切断される。
【発明の効果】
【0017】
移植機への苗の供給が安定すると共に剥離した薄膜の後処理が容易な薄膜剥離装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1〜図31に基づいて説明する。なお、第1実施形態では、薄膜剥離装置13を移植機1に運用した場合を説明する。薄膜剥離装置13は、移植機1の本体フレーム4に設けられ、苗載置部9に載置された連続集合鉢体10の一端から連続体11を引き出し、該引き出した連続体11の接合部を順次剥離させて鉢体12から苗3を取り出し、該取り出された苗3が植付け装置8へ供給される構造になっている。移植機1は、手動で圃場2を前方(図1及び図2におけるF方向)へ移動しながら野菜などの苗3を移植するものであって、圃場2に直前に植付けられた苗3を指標に当該移植機1を位置合せした後、直立した操作部5を押し下げて昇降フレーム6を下降させる。これにより、圃場2に直前に植付けられた苗3の周囲が覆土鎮圧装置7によって覆土鎮圧され、この状態で操作部5を後方(図2における右側)へ傾倒させることにより、植付け装置8によって苗3が圃場2に植付けられる構造になっている。
【0019】
図1及び図2に示されるように、移植機1は、四隅に車輪29を配設した本体フレーム4を備えて、該本体フレーム4の中間部には連接機構を介して昇降フレーム6が設けられる。なお、連接機構は、本体フレーム4の幅方向(図1における上下方向)両側に上下に設けられる合計4本のリンク部材14によって構成される。また、移植機1は、本体フレーム4と昇降フレーム6とが付勢部材(本実施例ではコイルばね)によって接続され、これらコイルばねのばね力によって、操作部5がフリーの状態(操作されていない状態)で、昇降フレーム6が本体フレーム4に対して上昇端に保持される。リンク部材14の数量、付勢部材の数量及び種類などは、必要な付勢力に応じて適宜変更可能である。また、操作部5は、昇降フレーム6の後部に軸15の回りに回動可能に設けられ、操作部5と昇降フレーム6との間に張設されたコイルばねのばね力によって、フリーの状態で直立される。そして、移植機1は、操作部5を押し下げて各リンク部材14を各軸14aの回りに回動させることにより、昇降フレーム6が本体フレーム4に対して水平を維持しながら円弧軌道で本体フレーム4に対して下降される構造になっている。本発明においては、本体フレーム4と昇降フレーム6とが連接機構によって連結されていれば良い。例えばスライドレールを介して本体フレーム4と昇降フレーム6とを連結し、昇降フレーム6を昇降させても良い。また、操作部5は、作業者が操作しやすいような形状を適宜選択して良い。
【0020】
覆土鎮圧装置7は、図1〜図3に示されるように、本体フレーム4の幅方向(図1及び図2における左右方向)に延び且つ水平に配置される基部16と、該基部16の両端部に垂設されて各軸17aの回りに回動可能な一対の回動アーム17によって構成されるアーム対と、各回動アーム17の下端部に設けられて軸18aの回りに回転可能な第1ローラ18と、各回動アーム17の中間部に設けられて軸19aの回りに回転可能な第2ローラ19と、を備える。また、覆土鎮圧装置7は、基部16が、昇降フレーム6の後端部(図1及び図2における右側端部)に突設された支柱20に取り付けられ、該支柱20に対する基部16の移植機1の前後方向への取付位置を適宜選択することにより、苗3の植付け間隔が調節される構造になっている。そして、移植機1は、操作部5が押し下げられて昇降フレーム6が下降する過程で、一対の回動アーム17の各第1ローラ18が、直前に植付けられた苗3を相互間に挟んで圃場2に接地される。本実施例においては覆土鎮圧装置7は植付け装置8に対して苗3の植付間隔を空けて昇降フレーム6に設けられている。
【0021】
また、移植機1は、各第1ローラ18が圃場2に接地されると、昇降フレーム6の下降に伴い、一対の回動アーム17を相互に内側へ回動させながら転動し、相互に近接される。そして、昇降フレーム6が下降端に到達した時点(後述する規制板21が圃場2に接地した時点)で、図5及び図6に示されるように、直前に植付けられた苗3の周囲が、一対の回動アーム17のローラ18,19の相互間によって両側から挟み込まれて覆土鎮圧される構造になっている。なお、覆土鎮圧完了後、操作部5が引き上げられて昇降フレーム6が上昇され、各第1ローラ18が圃場2から離反されると、一対の回動アーム17は、自重及び各ローラ18,19の重量のバランスで相互に外側へ回動され、図3に示されるように、開かれた状態に復帰する。
【0022】
図2に示されるように、植付け装置8は、昇降フレーム6の前部中央(昇降フレーム6の図2における左側部分の移植機幅方向中央)に設けられる。また、図7及び図8に示されるように、植付け装置8は、一対の開閉部材22a,22bがくちばし状に組み合わされた開孔器22を備える。該開孔器22は、開閉ピン23に外力の入力がない状態で、図示しない弾性部材の弾性力によって閉じられる。また、開閉ピン23の上端部は、昇降フレーム6の後部に設けられて操作部5と同一の軸15の回りに回動可能に配置されたヨーク24に係合される。そして、移植機1は、操作部5が後方へ操作されて傾倒されるに伴い、ヨーク24が軸15の回りに図2における時計回り方向へ回動される。これにより、図8に示されるように、開閉ピン23が持ち上げられ、一対の開閉部材22a,22bが開かれる構造になっている。なお、ヨーク24は、基部に操作片24aが立設され、操作部5が直立した状態から後方へ操作されることにより、該操作片24aが操作部5の下部に当接され、図9(a)に示されるように、操作部5に従動して軸15の回りに回動される構造になっている。また、図9(c)に示すようにヨーク24に回転軸15aを設けると、図9(c)および図9(d)に示すように、操作部5を上下させることで回転軸15aの回りにヨーク24は回動する。そのため図9(c)のように構成した場合は、昇降フレーム6を昇降させるための操作部5の上下動作とヨーク24の回動を連動させることができる。
【0023】
そして、移植機1は、図1の苗投入口35に投入された苗3が、開孔器22よりも大きく開口した苗受入部80によって受け入れられて開孔器22に収容され、この状態で、昇降フレーム6を下降させて規制板21を圃場2に接地させることにより、図14に示されるように、開孔器22の先端部が圃場2に所定深さだけ減込まれる。この状態で、操作部5が後方へ操作され、開閉ピン23がヨーク24を介して持ち上げられることにより、図15に示されるように、開孔器22が土中で開かれ、該開孔器22に収容された苗3が圃場2の孔に植付けられる構造になっている。ここで、開孔器22の先端部が圃場2に減込まれる(めりこまれる)とは、開孔器22の先端部が土中に進み入ることをいう。また、移植機1は、開孔器22が土中で開かれると、ヨーク24の動作を規制して該開孔器22を開かれた状態でロックするロック機構を備えて、該ロック機構は、所定のカムプロフィールを有するヘッド部25aが形成されたレバー部材25を有する。なお、規制板21は、昇降フレーム6に、上下方向に位置調節可能に設けられる。
【0024】
レバー部材25は、本体フレーム4の左側部(図2における正面側の部分)に配置された上下のリンク部材14のうち上側に配置されたリンク部材14の一端部と昇降フレーム6とを接続すると共にヘッド部25aを貫通するリンクピン26によって、回動可能に支持され、コイルばねのばね力によって、リンクピン26の回りに図2における時計回り方向へ付勢される。また、レバー部材25は、ヘッド部25aが、ヨーク24の先端部に設けられたカムフォロア27に摺接されると共に、端部に突設されたピン25bが下側に配置されたリンク部材14の下側端面に係合される。そして、操作部5が押し下げられて昇降フレーム6が下降される過程において、図11に示されるように、レバー部材25のヘッド部25aに形成された直線部(以下、ヘッド直線部と称する)にカムフォロア27が当接されることにより、レバー部材25の図11における時計回り方向への回動が規制される構造になっている。また、規制板21が接地された状態で操作部5が後方へ操作されることにより、図12に示されるように、ヨーク24が図12における時計回り方向へ回動され、カムフォロア27がヘッド直線部から外れる。
【0025】
そして、レバー部材25が、ピン25bが下側のリンク部材14の端面に当接するまでリンクピン26の回りに図12における時計回り方向へ回動され、カムフォロア27がヘッド部25aの曲線部(以下、ヘッド曲線部と称する)に当接される。これにより、ヨーク24の図12における反時計回り方向への回動動作が阻止され、開孔器22が開いた状態でロックされる構造になっている。また、ロック機構は、操作部5が引き上げられて昇降フレーム6が上昇される過程において、図13に示されるように、ピン25bが下側のリンク部材14に押付けられることによる反力が該ピン25bに作用することにより、レバー部材25が図13における反時計回り方向へ回動される。そして、昇降フレーム6が本体フレーム4に対して所定位置まで上昇された時点で、図10に示されるように、カムフォロア27がヘッド曲線部から外れ、ヨーク24が図10における反時計回り方向へ回動されて開孔器22が閉じられると共にカムフォロア27がレバー部材25のヘッド直線部に再び当接される構造になっている。
【0026】
図1及び図2に示されるように、薄膜剥離装置13は、苗載置部9が本体フレーム4の正面上部に設けられ、該苗載置部9に、連続集合鉢体10を収容した育苗トレイ28がセットされる。そして、薄膜剥離装置13は、苗載置部9を手前側が低くなるように傾斜させたことにより、連続体11が、育苗トレイ28の連続集合鉢体10の手前側(図1における右側)から一列づつ引き出される構造になっている。なお、苗載置部9は地面に対して水平に設けても良く、また図2とは反対に、本体フレーム4の正面上部に手前側が高くなるように傾斜されるようにしても良い。また、薄膜剥離装置13は、苗載置部9の後端部にフリーローラ30が設けられ、該フリーローラ30によって苗載置部9の連続集合鉢体10から引き出された連続体11が、本体フレーム4の天板45上に案内される構造になっている。さらに、薄膜剥離装置13は、本体フレーム4の天板45上の前側部分(図1における左側部分)に、連続集合鉢体10から引き出された連続体11を本体フレーム4の幅方向(図1における上下方向)中央に向けて案内する一対のガイドレール31が設けられる。各ガイドレール31は、本体フレーム4の幅方向両側に対称に配設され、平面視(図1参照)で湾曲されると共に正面視(移植機進行方向の視線)で相互に外側へ傾倒される。これにより、薄膜剥離装置13では、連続集合鉢体10から引き出された連続体11が、一対のガイドレール31によって本体フレーム4の中央に案内されながら直立される構造になっている。
【0027】
また、薄膜剥離装置13は、図17に示されるように、一対のガイドレール31の下流に設けられて本体フレーム4の幅方向に所定間隔を空けて配置された一対の分離ローラ33(ガイド部材)を備えて、各分離ローラ33に、連続集合鉢体10から引き出された連続体11を分離させた各薄膜32が担持される。さらに、一対の分離ローラ33の下流には巻取り装置34(巻取り手段)が設けられる。そして、薄膜剥離装置13は、分離された各薄膜32を、巻取り装置34によって合一させて巻き取る。これにより、連続集合鉢体10から連続体11が順次引き出され、一対の分離ローラ33によって、引き出された連続体11の接合部が順次剥離される。そして、引き出された連続体11の鉢体12から苗3が順次取り出され、該取り出された苗3が一対の分離ローラ33間に設けられた苗投入口35に投入される構造になっている。なお、苗投入口35に投入された苗3は、植付け装置8の開孔器22へ供給される。剥離して取り出された苗3の転倒や飛散防止を目的として、投入口35の周囲にカバー用の部材を設けることも可能である。
【0028】
また、薄膜剥離装置13は、一対のガイドレール31と苗投入口35との間に、下流に向けて相互間の間隔が広くなるように配置された一対のガイドバー36が設けられる。さらに、薄膜剥離装置13は、分離させた各薄膜32の各対向面(相互間に鉢体12が形成されていた側の面)に当接され、各薄膜32における各分離ローラ33の直上流の各対向面に付着した付着物(土、根等)を削ぎ落とすスクレーパ37を備える。また、薄膜剥離装置13は、昇降フレーム6の昇降動作に連動させて巻取り装置34のリール38を回転駆動させる巻取り機構を具備する。該巻取り機構は、図18に示されるように、リール38が装着される巻取り軸39と、入力軸にリンク部材Aの一端が接続されると共に出力軸に巻取り軸39が接続され、平面視(図18における紙面視)で時計回り方向の回転力のみが出力される逆転防止機構(本実施例ではワンウェイクラッチ)と、を備える。
【0029】
また、巻取り機構は、略L字状に形成されて肘部が固定軸40の回りに回動可能に支持されるリンク部材Cと、該リンク部材Cにおける一方のアームの端部とリンク部材Aとを連接させるリンク部材Bと、リンク部材Cにおける他方アームの選択された接続部に一端部が接続されると共に水平方向へ案内される移動軸42に他端部が接続されるリンク部材Dと、本体フレーム4の右側(図18における上側)に配置された上下のリンク部材14のうち上側に配置されたリンク部材14の他端部に対して一端部が固定的に接続されるリンク部材Fと、一端部が移動軸42に接続されると共に他端部がリンク部材Fの一端部に接続されるリンク部材Eと、を備える。そして、薄膜剥離装置13は、移植機1の昇降フレーム6が図18及び図19に示される上昇端に位置する状態から下降され、各リンク部材14が図19における時計回り方向へ回動されると、リンク部材F〜Bを介してリンク部材Aが図18における反時計回り方向へ所定角度θ1(図20参照)だけ回動される。
【0030】
これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図18または図20における反時計回り方向へ所定角度θ1だけ回動される。ここで、巻取り機構では、ワンウェイクラッチが、入力軸に入力された図18における反時計回り方向の回転力が出力軸へ伝達されないため、巻取り装置34のリール38が駆動されず、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施されない構造になっている。そして、薄膜剥離装置13は、移植機1の昇降フレーム6が図20及び図21に示される下降端に位置する状態から上昇され、各リンク部材14が図21における反時計回り方向へ回動されると、図22に示されるように、リンク部材F〜Bを介してリンク部材Aが図22における時計回り方向へ所定角度θ1だけ回動され、これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸が、図22における時計回り方向へ所定角度θ1だけ回動される。これにより、巻取り装置34のリール38が時計回り方向へ所定角度θ1だけ回転駆動され、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される構造になっている。
【0031】
なお、薄膜剥離装置13は、リンク部材Cにおける、リンク部材Dの一端部を接続させる接続部を適宜選択することにより、リンク部材Aの時計回り方向への回動量(角度位相θ1)、延いては巻取り装置34における薄膜32の巻取り量及び連続体11の引き出し量が設定される構造になっている。図23及び図24に示されるように、巻取り装置34は、リール38に上下方向へ抜き差し可能に設けられ、該リール38に巻き取られた薄膜32の下側面を支持する受け部材43を備える。そして、巻取り装置34は、受け部材43上に薄膜32が巻き取られ、巻取り完了後、受け部材43をリール38の上方へ動かすことにより、図25に示されるように、巻き取られた薄膜32がリール38から取り外される構造になっている。なお、図17に示されるように、受け部材43はリール38によって支持される。なお、受け部材43の支持はリール38に限らず、天板45上で、または天板45に支持される部材にて行われても良い。
【0032】
また、移植機1は、本体フレーム4の天板45の裏側部分に設けられ、苗投入口35に投入される直前の苗3の根の伸びすぎた部分を切断する根切り機構を備える。該根切り機構は、図26に示されるように、軸46を中心に水平にスイング動作可能な根切り部材47と、軸48の回りに水平に揺動可能に設けられ、一端部(図26における下側端部)が本体フレーム4の後部左側面に突出された揺動アーム49と、該揺動アーム49を平面視(図26参照)で軸48の回りに反時計回り方向へ付勢させるコイルばね50と、本体フレーム4内側にく字状に屈折され、一端部が根切り部材47の先端部に接続されると共に他端部が揺動アーム49の他端部(図26における上側端部)に接続される連接部材51と、を備える。そして、根切り機構は、操作部5が直立した状態から前方へ傾倒される(図27の状態から図29の状態へ移行される)のに伴い、操作部5によって揺動アーム49の一端部が前方(図26における左方向)へ操作され、該揺動アーム49が軸48の回りに時計回り方向へ回動される。
【0033】
これにより、根切り機構は、連接部材51を介して根切り部材47が軸46を中心に時計回り方向へスイング動作され、図28に示されるように、平面視における根切り部材47の前方(あるいは後方)に、該根切り部材47と苗投入口35とによって囲繞される隙間52a(あるいは52b)が形成される。そして、根切り機構は、操作部5が前方へ傾倒された状態から直立される(図29の状態から図27の状態へ移行される)のに伴い、コイルばね50のばね力によって揺動アーム49が軸48の回りに反時計回り方向へ回動され、連接部材51を介して根切り部材47が軸46を中心に反時計回り方向へスイング動作され、苗投入口35に投入される直前の苗3の根の隙間52a(あるいは52b)から垂下した部分が、根切り部材47と苗投入口35周縁とによって切断される構造になっている。すなわち、苗投入口35において、根切り部材47の作用を受けた場合、根は切断される。なお、操作部5が直立した状態から前方へ操作された場合は、図9(b)に示されるように、ヨーク24が操作部5に従動しない構造になっている。さらに、根切り部材47については、軸46を中心に揺動するのではなく、移植機の進行方向に平行に往復動するように構成しても良い。
【0034】
次に、第1実施形態の作用を説明する。
まず、作業者は、圃場2の移植機1を手で押して前進させ、圃場2に直前に植付けられた苗3を指標に移植機1を位置決め(停止)させる。具体的には、昇降フレーム6を下降させて各第1ローラ18を圃場2に接地させた時に、図4及び図17に示されるように、圃場2に直前に植付けられた苗3が、覆土鎮圧装置7の一対の回動アーム17の相互の第1ローラ18間に位置するように、移植機1を位置決めさせる。次に、操作部5を押し下げて昇降フレーム6を下降させ、図12に示されるように、規制板21を圃場2に接地させる。そして、昇降フレーム6が下降する過程で、まず、覆土鎮圧装置7の一対の回動アーム17の各第1ローラ18が、圃場2に直前に植付けられた苗3を挟んで接地される。
【0035】
また、昇降フレーム6が下降するに伴い、一対の回動アーム17の各第1ローラ18が転動しながら相互に近接される。そして、規制板21が圃場2に接地した時点(図12参照)で、図5及び図6に示されるように、圃場2に直前に植付けられた苗3の周囲が各回動アーム17の相互の各ローラ18,19によって両側から挟み込まれて覆土鎮圧されると共に、図31の(a)〜(c)に示されるように、直前に植付けられた苗3が直立する。なお、操作部5を押し下げる力(昇降フレーム6を下降させる力)の一部は覆土鎮圧に利用される。この押し下げ力が作用することにより覆土鎮圧の効果がより高められる。
【0036】
一方、昇降フレーム6を下降させて規制板21を圃場2に接地させると、図12及び図14に示されるように、植付け装置8の開孔器22が、圃場2に所定深さだけ減込まれる。この状態で操作部5を後方へ傾倒させると、ヨーク24によって開閉ピン23が引き上げられる。これにより、図15に示されるように、開孔器22が開かれて該開孔器22に収容された苗3が圃場2に植付けられると共に、ロック機構によってヨーク24が軸15の回りに図12における反時計回り方向へ回動するのが阻止されて開孔器22が開かれた状態でロックされる。次に、操作部5を引き上げて昇降フレーム6を上昇させると、図16に示されるように、開孔器22は開かれた状態のまま上昇し、昇降フレーム6が上昇端に復帰した時点(図10参照)でロック機構が解除され、ヨーク24が軸15の回りに図10における反時計回り方向へ回動可能になることで、開孔器22が閉じられる。
【0037】
他方で、昇降フレーム6を昇降させると、巻取り機構によって巻取り装置34(巻取り手段)の巻取り軸39、延いては該巻取り軸39に装着されたリール38が、図17における時計回り方向へ所定角度θ1だけ回動する。これにより、一対の分離ローラ33によって分離された各薄膜32がリール38によって巻き取られ、苗載置部9に載置された連続集合鉢体10から連続体11が所定長さだけ引き出される。該引き出された連続体11は、一対のガイドレール31によって苗投入口35に向けて案内されながら直立され、下流側の接合部が一対の分離ローラ33によって順次剥離されて各薄膜32に分離される。これにより、展開された連続体11(鉢体12)から苗3が順次取り出され、該取り出された苗3は、一対の分離ローラ33間に設けられた苗投入口35に投入されて植付け装置8の開孔器22に供給(収容)される。なお、各薄膜32に付着した土、根等の付着物は、各分離ローラ33の直上流に配置した各スクレーパ37によって削ぎ落とされる。
【0038】
図37(a)(巻取り初期)〜図37(b)(巻取り終わり)に示すように、リール38に薄膜32が巻き取られていくにつれて、巻取り径Wは大きくなっていく。図37(a)に示すように、薄膜が剥離されてからリールに巻取られるまでには、O+Q=P+R の関係がある。そして、この関係を保ちながら、剥離位置Xは当初の図37(a)における位置から、巻き取られるにしたがって徐々に右に寄っていき、最終的には図37(b)における位置に達することになる。また、巻取り径Wが大きくなるにしたがい、リール1回転当たりについて連続体11が引き出される量も大きくなる。場合によっては、本来所定角度θ1の回動で1個の苗3が取り出されるところ、複数個の苗が取り出される可能性もある。これらのことを考慮に入れ、薄膜剥離装置13についての分離ローラ32、苗投入口35、リール38の寸法および位置関係は、図37(a)〜(b)において剥離位置Xが常に苗投入口35の上になり、所定角度θ1の回動で常に1個の苗が苗投入口35に供給されるよう適宜定めれば良い。
【0039】
また、操作部5を前方へ傾倒させた後に直立状態に復帰させると、根切り部材47が切断動作し、苗投入口35に投入される直前の苗3の根の隙間52a(あるいは52b)から垂下した部分が、根切り部材47と苗投入口35周縁とによって切断される。なお、リール38に巻き取られた各薄膜32は、図25に示されるように、受け部材43をリール38から上方へ動かすことにより、リール38から取り外される。このように構成することにより各薄膜32がリール38に堅く巻かれた場合でも、各薄膜38を容易に取り外すことができる。
【0040】
第1実施形態では以下の効果を奏する。
薄膜剥離装置13は、一対の分離ローラ33によって分離された各薄膜32が巻取り装置34のリール38によって合一されて巻き取られることにより、苗載置部9の連続集合鉢体10から連続体11が順次引き出される。
したがって、薄膜剥離装置13では、分離された一方の薄膜32の引き出し速度と他方の薄膜32の引き出し速度との速度差が最小限に止められ、各薄膜32が切断するのを防ぐことができる。
また、薄膜剥離装置13は、操作部5の操作によって昇降フレーム6が昇降されることにより、該昇降フレーム6の昇降時のエネルギーが巻取り機構によって巻取り装置34の巻取り軸39の駆動力に変換されて各薄膜32が巻き取られるので、従来のモータ等の動力を用いて薄膜32を巻き取る装置と比較して、構成が簡素化される。
したがって、部品点数が減少し、製造コストが削減されると共に装置の信頼性を向上させることができる。また、比較的小さい駆動力で巻取り装置34を駆動することが可能になり、必要に応じて車輪29の回転力、或いは手動等で当該巻取り装置34を駆動することができる。さらに、構造が簡素であることから、簡易な変更を施すことで、半自動移植機等に容易に適用することができる。
また、薄膜剥離装置13は、巻取り装置34によって巻き取られた薄膜32が一塊に集約されるので、従来の装置のように作業中に薄膜32が飛散するようなことがなく、巻取り後の薄膜32の扱いが容易で、加えて、受け部材43をリール38から上方へ動かすだけで一塊の薄膜32をリール38から取除くことができ、後処理(廃棄処理)が効率化される。
【0041】
なお、第1実施形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
図32に示されるように、昇降フレーム6に、少なくとも、植付け装置8、覆土鎮圧装置7、及び操作部5、必要に応じて規制板21、を設けて構成した移植機を単体で用いてもよい。この場合、苗3は作業者の手によって植付け装置8の開孔器22に供給される。
図33に示されるように、覆土鎮圧装置7の一対の回動アーム17の上端部に付勢部材53(コイルばね)を設け、各ローラ18,19に外力が付与されていない場合に、相互のローラ間隔が所定間隔に復帰するように構成してもよい。この場合、覆土鎮圧装置7の動作をより安定させることができる。
覆土鎮圧装置7に用いられる各ローラ18,19の形状は転動面が平面状であることに限らず、例えば、図34に示されるように、転動面に環状の溝54を形成してもよい。
図35に示されるように、覆土鎮圧装置7を交差させて苗3の周囲を該苗3の四方からローラ18によって覆土鎮圧するように構成してもよい。
巻取り装置34のリール38に抜き差しされる受け部材43は、適宜設定すればよく、例えば、図36に示されるように、(a)網状や、(b)トライアングル形状であってもよい。
第1実施形態では操作部5の操作に連動して根切り部材47が駆動されるが、根切り部材47を巻取り装置34に連動させるように構成してもよい。
昇降フレーム6に、圃場2に張られたマルチフィルムに孔をあけるための装置を必要に応じて設けてもよい。この場合、孔あけ装置は、植付け装置8の前方に苗3の植付け間隔をあけて配置される。
第1実施形態では開孔器22をくちばし状に形成してたが、開閉部材22a,22bで構成されていれば形状には限定されず、例えば長方形の板で苗を挟むようにしても良い。また、一対の部材に限らず複数個の部材で構成されていても良く、例えば、逆円錐を鉛直方向に四等分した部材を合わせて構成しても良い。
移植機1の本体フレーム4に車輪29を配設する代わりに、そり状の滑走体又はクローラを配設しても良く、あるいは車輪29とそれらの組み合わせでも良い。また車輪29は必要に応じ4輪から増減させて良い。
操作部5は、作業者が操作しやすいような形状を適宜選択して良い。また、操作部5にクラッチレバーを配置し、ワイヤーケーブルにてヨーク24を操作する構成としても良い。
覆土鎮圧装置7は植付け装置8との間隔を空けずに昇降フレーム6に配置しても良い。このとき、植付け間隔のゲージ用部材を昇降フレーム6に装備することによって、正確な植付け間隔で苗を植えていくことができる。
図17の天板45において、苗の通路に孔または凹凸を設けることによって苗の底から突出した余分な根または土を削ぎ取ることが可能である。
また、図17において、分離ローラ33、苗投入口35、ガイドバー36の形状・寸法・位置関係は、適宜定めることができる。
【0042】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図38〜図46に基いて説明する。なお、上述した第1実施形態と同一又は相当する構成要素には同一の名称及び符号を付与して、重複する詳細な説明を省く。図38及び図39に示されるように、第2実施形態の薄膜剥離装置61は、リンク部材D(駆動部材)とリンク部材C(回転動力伝達部材)とが結合部材62(結合手段)を介して摺動可能に結合される点、リンク部材C(回転動力伝達部材)に、リール38に巻き取られた薄膜32に当接されて当該リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り量を検出する検出部材63が設けられて、該検出部材63によって検出された薄膜32の巻取り量に応じて、結合部材62を介して摺動するリンク部材D(駆動部材)とリンク部材C(回転動力伝達部材)との摺動量(相対移動量)が調節される点において、第1実施形態の薄膜剥離装置13(図1参照)と主要な構成が異なる。なお、薄膜剥離装置61の巻取り機構は、リンク部材C(回転動力伝達部材)とリンク部材D(駆動部材)と結合部材62(結合手段)とを含む。
【0043】
図38に示されるように、リンク部材C(回転動力伝達部材)は、略ブーメラン形に形成されて、その屈折部が固定軸40の回りに回転可能に支持される。また、リンク部材Cは、一方のアームの端部がリンク部材Bに連接される。図40にも示されるように、結合部材62(結合手段)は、略L字形に形成されて、一片62a(略水平に配置された側の片)がリンク部材Cの他方のアームの端部に回動可能に接続される。また、結合部材62の他片62b(略鉛直に配置された側の片)にはブッシュ64が装着されており、該ブッシュ64にはリンク部材D(駆動部材)の一端部(図40における右側の端部)が摺動可能に挿通される。そして、薄膜剥離装置61は、リンク部材Dの一端部(先端部分)にストッパ65が設けられて、該ストッパ65を結合部材62の他片62b(あるいは、ブッシュ64の端面)に当接させることにより、結合部材62に対するリンク部材Dの摺動(相対移動)が規制され、延いては、結合部材62を介するリンク部材Dとリンク部材Cとの相対移動が規制される構造になっている。
【0044】
図38及び図40に示されるように、検出部材63は、リンク部材C(回転動力伝達部材)の上面に立設される。そして、薄膜剥離装置61は、巻取り初期の状態(図37の(a)参照)の時には、リンク部材D(駆動部材)の駆動によってリンク部材Cを固定軸40の回りに図41における時計回り方向へ回動させても、その回動の過程(途中)で検出部材63がリール38に巻き取られた薄膜32に当接しないように、すなわち、リンク部材Dと結合部材62(ブッシュ64)との摺動が起きないように、検出部材63の形状及び配置が設定される。なお、リンク部材Dとブッシュ64との摺動抵抗は、当該リンク部材Dを前進(図41における右方向へ移動)させた時に、リンク部材Dの駆動力を結合部材62を介してリンク部材Cに伝達して、該リンク部材C、延いては、リンク部材B並びにリンク部材Aを駆動することができるように設定される。また、リンク部材Dの他端部(図40における左側の端部)は、ヒンジ66を介してリンク部材Eの端部に接続される。
【0045】
また、薄膜剥離装置61は、リンク部材D(駆動部材)の駆動によってリンク部材C(回転動力伝達部材)が固定軸40の回りに図41における時計回り方向へ回動される過程、すなわち、リンク部材Dが前進(図41における右方向へ移動)して前進端位置に到達するまでの過程で、検出部材63の先端部がリール38に巻き取られた薄膜32に当接されると、当該検出部材63と薄膜32とが当接された時点で、リンク部材Dと結合部材62(ブッシュ64)とが摺動(相対移動)を開始して、これに伴い、リンク部材Cの固定軸40の回りの回動が停止される。したがって、薄膜剥離装置61では、リンク部材Dを前進端位置まで前進させた後、後退端位置(図38に示される元の位置)まで後退させると、ワンウェイクラッチの入力軸が、図41における時計回り方向へ角度θ2(θ1>θ2)だけ回動される。これにより、巻取り装置34のリール38が時計回り方向へ角度θ2だけ回転駆動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される構造になっている。
【0046】
次に、第2実施形態の作用を説明する。
まず、薄膜32の巻取り初期の状態、すなわち、リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り径Wが小さい状態(図37の(a)参照)の時に、昇降フレーム6を下降させると、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、結合部材62(結合手段)を介してリンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに図38における時計回り方向へ回動される。これにより、リンク部材Bを介してリンク部材Aが図38における反時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図38における反時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。ここでは、ワンウェイクラッチにより、入力軸に入力された図38における反時計回り方向の回転力が出力軸へ伝達されないため、リール38が駆動されず、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しは実施されない。
【0047】
次に、昇降フレーム6を上昇させると、リンク部材F〜Bを介してリンク部材Aが図41における時計回り方向へ角度θ1だけ回動されて、これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸が、図41における時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これにより、リール38が時計回り方向へ角度θ1だけ回転駆動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される。そして、図42に示されるように、リール38にある程度の薄膜32が巻き取られた状態の時に、昇降フレーム6を下降させると、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、結合部材62(結合手段)を介してリンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに時計回り方向へ回動される。そして、図43及び図44に示されるように、検出部材63が薄膜32に当接した時点で、リンク部材Dと結合部材62(ブッシュ64)とが摺動(相対移動)を開始する。これに伴い、リンク部材Cの固定軸40の回りの回動が停止して、リンク部材Aの反時計回り方向への回動が角度θ2(θ1>θ2)で停止する。
【0048】
そして、図45及び図46に示されるように、リンク部材Dが前進端位置に到達した時点では、ストッパ65と該ストッパ65に対向する結合部材62の他片62bとの間にtだけギャップが生じる。この状態で、昇降フレーム6を上昇させると、リンク部材Dが、リンク部材Eによって駆動されて後退(図46における左方向へ移動)する。これに伴い、ストッパ65と結合部材62の他片62bとのギャップtが縮まって、当該ストッパ65が結合部材62の他片62bに当接した時点(図43及び図44参照)から、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、結合部材62(結合手段)を介してリンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに図43における反時計回り方向へ回動する。これに伴い、リンク部材Aが図43における時計回り方向へ回動して、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図43における時計回り方向へ角度θ2(θ1>θ2)だけ回動される。これにより、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される。
【0049】
第2実施形態では以下の効果を奏する。
薄膜剥離装置61は、検出部材63によって検出された薄膜32の巻取り量に応じて、リンク部材D(駆動部材)と結合部材62(結合手段)との摺動量(相対移動量t)が調節される。したがって、リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り径が大きくなるのに応じて、リンク部材Dと結合部材62との摺動量(相対移動量t)を増加させることにより、リンク部材Dによるリンク部材C(回転動力伝達部材)の操作量、すなわち、巻取り装置34(巻取り手段)の1サイクル当りのリール38の回転量θを例えばθ1からθ2へ減少させることにより、連続集合鉢体10から引き出される連続体11の引き出し量を一定に保持することができる。また、巻取り量を検出するためのセンサや該センサの検出信号に基き巻取り軸39を回転駆動させる電動モータ等を使用しないで、薄膜剥離装置61を機械的に構成することができるため、装置61が簡素に構成されて製造コストの増大を防ぐと共にメンテナンスも容易で信頼性の高い装置61を提供することができる。
【0050】
なお、第2実施形態は、巻取り装置34の動作を補助するために、巻取り機構の各部材を付勢部材によって付勢するようにして、薄膜剥離装置61を構成してもよい。
例えば、図59に示されるように、リンク部材Cと本体フレーム4の天板45の所定位置(図59において固定軸40よりも左側の位置)とを引張りコイルばね101(付勢部材)によって接続する。この場合、引張りコイルばね101のばね力によって、リンク部材Cが固定軸40の回りに図59における時計回り方向へ付勢される。
また、図60に示されるように、リンク部材Aとリンク部材Bとを引張りコイルばね102(付勢部材)によって接続する。この場合、引張りコイルばね102のばね力によって、リンク部材Aがワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)の回りに図60における時計回り方向へ付勢される。
また、図61に示されるように、リンク部材Aと本体フレーム4の天板45の所定位置(図61において軸39よりも右側の位置)とを引張りコイルばね103(付勢部材)によって接続する。この場合、引張りコイルばね103のばね力によって、リンク部材Aがワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)の回りに図61における反時計回り方向へ付勢される。
また、図62に示されるように、結合部材62の他片62bとリンク部材Dの外周面に取付けたばね受67との間に圧縮コイルばね104(付勢部材)を介在させる。この場合、圧縮コイルばね104のばね力によって、結合部材62の他片62bがリンク部材Dに取付けられたストッパ65に向けて付勢される。この場合、圧縮コイルばね104のばね力を調節することにより、リンク部材Dと結合部材62との摺動抵抗を調節することができる。なお。ブッシュ64は必要に応じて用いればよい。
また、図63に示されるように、ねじりコイルばね105のばね力によって、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)を図63における時計回り方向へ付勢する。この場合、リンク部材Aが時計回り方向へ付勢される。
【0051】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図47〜図51に基いて説明する。なお、上述した第1実施形態と同一又は相当する構成要素には同一の名称及び符号を付与して、重複する詳細な説明を省く。図47に示されるように、第3実施形態の薄膜剥離装置71は、リンク部材D(駆動部材)とリンク部材C(回転動力伝達部材)とが、該リンク部材Cに設けられた長孔72とリンク部材Dの先端部に設けられて長孔72に摺動可能に係合される軸73とによって構成される結合機構(結合手段)によって結合される点、リンク部材C(回転動力伝達部材)に、リール38に巻き取られた薄膜32に当接されて当該リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り量を検出する検出部材63を設けて、該検出部材63によって検出された薄膜32の巻取り量に応じて、結合機構を介して摺動するリンク部材D(駆動部材)とリンク部材C(回転動力伝達部材)との摺動量が調節される点において、第1実施形態の薄膜剥離装置13(図1参照)と主要な構成が異なる。なお、薄膜剥離装置71の巻取り機構は、リンク部材C(回転動力伝達部材)とリンク部材D(駆動部材)と結合機構(結合手段)とを含む。
【0052】
図47に示されるように、リンク部材C(回転動力伝達部材)は、固定軸40の回りに回転可能に支持されて、一側のアームの端部がリンク部材Bに連接される。また、リンク部材Cは、他側(固定軸40を挟んだアームの反対側)に所定形状の長孔72(結合機構)が形成される。図47及び図50に示されるように、リンク部材D(駆動部材)は、シャフト状に形成されており、一端部(図47及び図50における右側の端部)を直角に曲げて形成した軸73を有すると共に他端部(図47及び図50における左側の端部)がヒンジ66を介してリンク部材Eの端部に接続される。そして、結合機構(結合手段)は、リンク部材Dの軸73を、座金74を介してリンク部材Cの長孔72に摺動可能に係合させることで構成されて、これにより、リンク部材Dはリンク部材Cに摺動(相対移動)可能に結合される構造になっている。
【0053】
図47に示されるように、検出部材63は、リンク部材C(回転動力伝達部材)の上面に立設される。そして、薄膜剥離装置71は、巻取り初期の状態(図37の(a)参照)の時には、リンク部材D(駆動部材)の駆動によってリンク部材Cを固定軸40の回りに図47における時計回り方向へ回動させても、その回動の過程(途中)で検出部材63がリール38に巻き取られた薄膜32に当接しないように、すなわち、リンク部材Dの軸73とリンク部材Cの長孔72(共に結合機構)との摺動が起きないように、検出部材63の形状及び配置が設定される。なお、リンク部材Dの軸73とリンク部材Cの長孔72との摺動抵抗は、当該リンク部材Dを前進(図47における右方向へ移動)させた時に、リンク部材Dの駆動力をリンク部材Cに伝達して、該リンク部材C、延いては、リンク部材B並びにリンク部材Aを駆動することができるように設定される。
【0054】
また、薄膜剥離装置71は、リンク部材D(駆動部材)の駆動によってリンク部材C(回転動力伝達部材)が固定軸40の回りに図47における時計回り方向へ回動される過程、すなわち、リンク部材Dが前進(図47における右方向へ移動)して前進端位置に到達される過程で、図48に示されるように、検出部材63の先端部がリール38に巻き取られた薄膜32に当接されると、当該検出部材63と薄膜32とが当接された時点で、リンク部材Dの軸73とリンク部材Cの長孔72とが摺動(相対移動)を開始して、これに伴い、リンク部材Cの固定軸40の回りの回動が停止される。したがって、薄膜剥離装置71では、リンク部材Dを前進端位置まで前進させた後、後退端位置(図49参照)まで後退させると、ワンウェイクラッチの入力軸が、図49における時計回り方向へ角度θ3(θ1>θ3)だけ回動される。これにより、巻取り装置34のリール38が時計回り方向へ角度θ3だけ回転駆動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される構造になっている。
【0055】
次に、第3実施形態の作用を説明する。
まず、薄膜32の巻取り初期の状態、すなわち、リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り径Wが小さい状態(図37の(a)参照)の時に、昇降フレーム6を下降させると、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、結合機構(結合手段)を介してリンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに図47における時計回り方向へ回動される。これにより、リンク部材Bを介してリンク部材Aが図47における反時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図47における反時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。ここでは、ワンウェイクラッチにより、入力軸に入力された図47における反時計回り方向の回転力が出力軸へ伝達されないため、リール38が駆動されず、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しは実施されない。
【0056】
次に、昇降フレーム6を上昇させると、リンク部材F〜Bを介してリンク部材Aが図47における時計回り方向へ角度θ1だけ回動されて、これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸が、図47における時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これにより、リール38が時計回り方向へ角度θ1だけ回転駆動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される。そして、リール38にある程度の薄膜32が巻き取られた状態の時に、昇降フレーム6を下降させると、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、結合機構(結合手段)を介してリンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに時計回り方向へ回動される。そして、図47に示されるように、検出部材63が薄膜32に当接した時点で、リンク部材Dの軸73(結合機構)とリンク部材Cの長孔72(結合機構)とが摺動(相対移動)を開始する。これに伴い、リンク部材Cの固定軸40の回りの回動が停止して、リンク部材Aの反時計回り方向への回動が角度θ3(θ1>θ3)で停止する。
【0057】
そして、図48及び図51に示されるように、リンク部材Dが前進端位置に到達した時点で、リンク部材Dの軸73は、リンク部材Cの長孔72に対して摺動して変位量tだけ相対移動される。この状態で、昇降フレーム6を上昇させると、リンク部材Dが、リンク部材Eによって駆動されて後退(図48における左方向へ移動)する。これに伴い、リンク部材Dの軸73がリンク部材Cの長孔72に対して摺動して変位量tを0にするように相対移動される。そして、当該軸73と長孔72との変位量tが0になった時点、すなわち、当該軸73が長孔72の図48における左側端部に当接した時点から、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、リンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに図48における反時計回り方向へ回動を開始する。これに伴い、図49に示されるように、リンク部材Aが図49における時計回り方向へ回動されて、これにより、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図49における時計回り方向へ角度θ3(θ1>θ3)だけ回動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される。
【0058】
第3実施形態では以下の効果を奏する。
薄膜剥離装置71は、検出部材63によって検出された薄膜32の巻取り量に応じて、結合機構(結合手段)の摺動量、すなわち、リンク部材D(駆動部材)の軸73とリンク部材Cの長孔72との摺動量(変位量t)が調節される。したがって、リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り径が大きくなるのに応じてリンク部材Dの軸73とリンク部材Cの長孔72との摺動量(変位量t)を増加させることにより、リンク部材Dによるリンク部材C(回転動力伝達部材)の操作量、すなわち、巻取り装置34(巻取り手段)の1サイクル当りのリール38の回転量θを例えばθ1からθ3へ減少させることにより、連続集合鉢体10から引き出される連続体11の引き出し量を一定に保持することができる。また、巻取り量を検出するためのセンサや該センサの検出信号に基き巻取り軸39を回転駆動させる電動モータ等を使用しないで、薄膜剥離装置71を機械的に構成することができるため、装置71が簡素に構成されて製造コストの増大を防ぐと共にメンテナンスも容易で信頼性の高い装置71を提供することができる。
【0059】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態を図52〜図55に基き説明する。なお、上述した第1実施形態と同一又は相当する構成要素には同一の名称及び符号を付与して、重複する詳細な説明を省く。図52に示されるように、第4実施形態の薄膜剥離装置81は、リンク部材C(回転動力伝達部材)の他方のアームの端部にカムフォロア82(結合手段)を設けておいて、該カムフォロア82を移植機1が走行するのに連動して回転するカム83(駆動部材)に当接させるように構成したものである。リンク部材Cは、ばね84のばね力によって図52に示される初期位置に復帰されるように構成される。カムフォロア82は、その詳細な機構の図示を省略するが、リンク部材Cの他方のアームに対して摺動可能、すなわち、移動可能に構成される。カム83は、図示を省略するカム駆動機構を備えており、該カム駆動機構によって移植機1が走行するのに連動して回転することが可能である。
【0060】
次に、第4実施形態の作用を説明する。
まず、薄膜32の巻取り初期の状態、すなわち、リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り径Wが小さい状態(図37の(a)参照)の時に、移植機1を走行させると、カム83(駆動部材)が図52における反時計回り方向へ回転する。これにより、リンク部材C(回転動力伝達部材)が固定軸40の回りに図52における時計回り方向へ回動して、リンク部材Bを介してリンク部材Aが図52における反時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図52における反時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。ここでは、ワンウェイクラッチにより、入力軸に入力された図52における反時計回り方向の回転力が出力軸へ伝達されないため、リール38が駆動されず、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しは実施されない。
【0061】
そして、図53に示されるように、カム83とカムフォロア82との係合が外れると、リンク部材Cがばね84のばね力によって反時計回り方向へ回動して、図52に示される初期位置に復帰される。これにより、リンク部材Aはリンク部材Bを介して図52における時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸が、図52における時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これにより、リール38が時計回り方向へ角度θ1だけ回転駆動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される。そして、リール38にある程度の薄膜32が巻き取られた状態の時に、移植機1を走行させると、リンク部材C(回転動力伝達部材)がカム83(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに時計回り方向へ回動される。そして、図54に示されるように、検出部材63が薄膜32に当接した時点で、カムフォロア82はリンク部材Cの他方のアームに対して摺動、すなわち、固定軸40に向けた方向への移動を開始する。これに伴い、リンク部材Cの固定軸40の回りの回動が停止して、リンク部材Aの反時計回り方向への回動が角度θ4(θ1>θ4)で停止する。
【0062】
そして、図55に示されるように、カム83とカムフォロア82との係合が外れる直前の状態では、カムフォロア82はリンク部材Cのアームに対して摺動して変位量t(図示省略)だけ相対移動される。この状態で、図53に示されるように、カム83とカムフォロア82との係合が外れると、リンク部材Cは、ばね84のばね力によって反時計回り方向へ駆動されて図52に示される初期位置に復帰する。これに伴い、リンク部材Aが図53における時計回り方向へ角度θ4(θ1>θ4)だけ回動される。これにより、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図53における時計回り方向へ角度θ4(θ1>θ4)だけ回動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される。
【0063】
第4実施形態では以下の効果を奏する。
薄膜剥離装置81は、検出部材63によって検出された薄膜32の巻取り量に応じて、カムフォロア82(結合手段)の摺動量が調節される。したがって、リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り径が大きくなるのに応じてリンク部材Cのアームに対するカムフォロア82の摺動量(変位量t)を増加させることにより、カム83(駆動部材)によるリンク部材C(回転動力伝達部材)の操作量、すなわち、巻取り装置34(巻取り手段)の1サイクル当りのリール38の回転量θを例えばθ1からθ4へ減少させることにより、連続集合鉢体10から引き出される連続体11の引き出し量を一定に保持することができる。また、巻取り量を検出するためのセンサや該センサの検出信号に基き巻取り軸39を回転駆動させる電動モータ等を使用しないで、薄膜剥離装置81を機械的に構成することができるため、装置81が簡素に構成されて製造コストの増大を防ぐと共にメンテナンスも容易で信頼性の高い装置81を提供することができる。
【0064】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態を図56〜図58に基いて説明する。なお、上述した第1実施形態と同一又は相当する構成要素には同一の名称及び符号を付与して、重複する詳細な説明を省く。図56及び図57に示されるように、第5実施形態の薄膜剥離装置91は、リンク部材D(駆動部材)とリンク部材C(回転動力伝達部材)とが結合部材92(結合手段)を介して摺動可能に結合される点、リンク部材C(回転動力伝達部材)に、リール38に巻き取られた薄膜32に当接されて当該リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り量を検出する検出部材63が設けられて、該検出部材63によって検出された薄膜32の巻取り量に応じて、結合部材92を介して摺動するリンク部材D(駆動部材)とリンク部材C(回転動力伝達部材)との摺動量(相対移動量)が調節される点において、第1実施形態の薄膜剥離装置13(図1参照)と主要な構成が異なる。なお、薄膜剥離装置91の巻取り機構は、リンク部材C(回転動力伝達部材)とリンク部材D(駆動部材)と結合部材92(結合手段)とを含む。
【0065】
図56に示されるように、リンク部材C(回転動力伝達部材)は、略ブーメラン形に形成されて、その屈折部が固定軸40の回りに回転可能に支持される。また、リンク部材Cは、一方のアームの端部がリンク部材Bに連接される。図58にも示されるように、結合部材92(結合手段)は、長丸形に形成されて、一端部92aがリンク部材Cの他方のアームの端部に回動(つまり摺動)可能に接続されると共に他端部92bがリンク部材Dの一端部(図56における右側の端部)に回動(つまり摺動)可能に接続される。また、結合部材92は、リンク部材Cの他方のアームに設けられたストッパ93によって、回動軸94の回りの図56における反時計回り方向への回動が、当該結合部材92とリンク部材Cの他方のアームとが直線状に配置された状態までに規制される構造になっている。
【0066】
薄膜剥離装置91は、検出部材63がリンク部材C(回転動力伝達部材)の上面に立設されて、巻取り初期の状態(図37の(a)参照)の時には、リンク部材D(駆動部材)の駆動によってリンク部材Cを固定軸40の回りに図56における時計回り方向へ回動させても、その回動の過程(途中)で検出部材63がリール38に巻き取られた薄膜32に当接しないように、すなわち、リンク部材Dと結合部材92(結合手段)とが摺動つまり回動軸94の回りに回動(相対移動)しないように、検出部材63の形状及び配置が設定される。なお、リンク部材Cと結合部材92との回動時の摺動抵抗は、当該リンク部材Dを前進(図56における右方向へ移動)させた時に、リンク部材Dの駆動力を結合部材92を介してリンク部材Cに伝達して、該リンク部材C、延いては、リンク部材B並びにリンク部材Aを駆動することができるように設定される。また、リンク部材Dの他端部(図56における左側の端部)は、ヒンジ66を介してリンク部材Eの端部に接続される。
【0067】
また、薄膜剥離装置91は、リンク部材D(駆動部材)の駆動によってリンク部材C(回転動力伝達部材)が固定軸40の回りに図56における時計回り方向へ回動される過程、すなわち、リンク部材Dが前進(図56における右方向へ移動)して前進端位置に到達するまでの過程で、図57に示されるように、検出部材63の先端部がリール38に巻き取られた薄膜32に当接されると、当該検出部材63と薄膜32とが当接された時点で、図58に示されるように、リンク部材Cと結合部材92(結合手段)とが摺動すなわち回動軸94の回りに回動(相対移動)を開始して、これに伴い、リンク部材Cの固定軸40の回りの回動が停止される。したがって、薄膜剥離装置91では、リンク部材Dを前進端位置まで前進させた後、後退端位置(図56に示される元の位置)まで後退させると、ワンウェイクラッチの入力軸が、図58における時計回り方向へ角度θ5(θ1>θ5)だけ回動される。これにより、巻取り装置34のリール38が時計回り方向へ角度θ5だけ回転駆動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される構造になっている。
【0068】
次に、第5実施形態の作用を説明する。
まず、薄膜32の巻取り初期の状態、すなわち、リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り径Wが小さい状態(図37の(a)参照)の時に、昇降フレーム6を下降させると、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、結合部材92(結合手段)を介してリンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに時計回り方向へ回動される。これにより、リンク部材Bを介してリンク部材Aが図56における反時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図56における反時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。ここでは、ワンウェイクラッチにより、入力軸に入力された図56における反時計回り方向の回転力が出力軸へ伝達されないため、リール38が駆動されず、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しは実施されない。
【0069】
次に、昇降フレーム6を上昇させると、リンク部材F〜B、ならびにストッパ93によって回動軸94の回りの回動が規制された結合部材92を介してリンク部材Aが図56における時計回り方向へ角度θ1だけ回動されて、これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸が、図56における時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これにより、リール38が時計回り方向へ角度θ1だけ回転駆動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される。そして、図56に示されるように、リール38にある程度の薄膜32が巻き取られた状態の時に、昇降フレーム6を下降させると、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、結合部材92(結合手段)を介してリンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに時計回り方向へ回動される。そして、図57及び図58に示されるように、検出部材63が薄膜32に当接した時点で、リンク部材Cと結合部材92(結合手段)とが摺動すなわち回動軸94の回りに回動(相対移動)を開始する。これに伴い、リンク部材Cの固定軸40の回りの回動が停止して、リンク部材Aの図58における反時計回り方向への回動が角度θ5(θ1>θ5)で停止する。
【0070】
そして、図58に示されるリンク部材Dが前進端位置に位置した状態から、昇降フレーム6を上昇させると、リンク部材Dが、リンク部材Eによって駆動されて後退(図58における左方向へ移動)する。これに伴い、結合部材92がリンク部材Cに対して回動軸94の回りに図58における反時計回り方向へ回動して、当該結合部材92の側端面がストッパ93に当接した時点(図57参照)から、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、結合部材92(結合手段)を介してリンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに図57における反時計回り方向へ回動する。これに伴い、リンク部材Aが図57における時計回り方向へ回動して、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図57における時計回り方向へ角度θ5(θ1>θ5)だけ回動される。これにより、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される。
【0071】
第5実施形態では以下の効果を奏する。
薄膜剥離装置91は、検出部材63によって検出された薄膜32の巻取り量に応じて、リンク部材D(駆動部材)と結合部材92(結合手段)との摺動量すなわち回動量(相対移動量)が調節される。したがって、リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り径が大きくなるのに応じて、リンク部材Dと結合部材92との摺動量すなわち回動量(相対移動量)を増加させることにより、リンク部材Dによるリンク部材C(回転動力伝達部材)の操作量、すなわち、巻取り装置34(巻取り手段)の1サイクル当りのリール38の回転量θを例えばθ1からθ5へ減少させることにより、連続集合鉢体10から引き出される連続体11の引き出し量を一定に保持することができる。また、巻取り量を検出するためのセンサや該センサの検出信号に基き巻取り軸39を回転駆動させる電動モータ等を使用しないで、薄膜剥離装置91を機械的に構成することができるため、装置91が簡素に構成されて製造コストの増大を防ぐと共にメンテナンスも容易で信頼性の高い装置91を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】薄膜剥離装置を運用した移植機の平面図である。
【図2】薄膜剥離装置を運用した移植機の左側面図である。
【図3】移植機の位置決め時の指標となる覆土鎮圧装置と苗との位置関係を示す正面図である。
【図4】図3における平面図であって、特に覆土鎮圧装置をローラのみで示した図である。
【図5】覆土鎮圧装置によって苗の周囲が覆土鎮圧される様子を示す正面図である。
【図6】図5における平面図であって、特に覆土鎮圧装置をローラのみで示した図である。
【図7】開孔器の正面図であって、特に開閉部材が閉じられた状態を示す図である。
【図8】開孔器の正面図であって、特に開閉ピンが持ち上げられて開閉部材が開かれた状態を示す図である。
【図9】ヨークの動作説明図であって、(a)は操作部が後方へ操作(傾倒)された場合のヨークの動作を示し、(b)は操作部が前方へ操作(傾倒)された場合のヨークの動作を示す。また、(c)と(d)はヨークに別個に回転軸を設けたときの動作を示す図である。
【図10】操作部の操作に連動する各部の状態を示す左側面図であって、操作部が操作されていない状態を示す図である。
【図11】図10の状態から操作部を押し下げて昇降フレームを中間位置まで下降させた状態を示す図である。
【図12】図11の状態から操作部をさらに押し下げて規制板を圃場に接地させ、その接地後、操作部を後方へ操作した状態を示す図である。
【図13】図12の状態から操作部を引き上げて昇降フレームを中間まで上昇させた状態を示す図である。
【図14】図12の状態における開孔器の正面図であって、特に開閉部材が閉じられた状態を示す図である。
【図15】図12の状態における開孔器の正面図であって、特に開閉部材が開かれた状態を示す図である。
【図16】ロック機構によって開閉部材が開かれた状態でロックされた開孔器の正面図である。
【図17】第1実施形態の薄膜剥離装置の概略構成を説明する平面図である。
【図18】第1実施形態の薄膜剥離装置の巻取り装置の動作説明図であって、昇降フレームが上昇端に位置する場合を示す平面図である。
【図19】図18に対応する巻取り機構の状態を示す移植機の左側面図である。
【図20】第1実施形態の薄膜剥離装置の巻取り装置の動作説明図であって、昇降フレームが下降端に位置する場合を示す平面図である。
【図21】図20に対応する巻取り機構の状態を示す移植機の左側面図である。
【図22】第1実施形態の薄膜剥離装置の巻取り装置の動作説明図であって、昇降フレームを下降端から上昇端へ移動させた場合を示す平面図である。
【図23】第1実施形態の巻取り装置の平面図であって、特に薄膜の巻取りが完了したリールを示す図である。
【図24】図23における左側面図である。
【図25】図24の状態でリールに対して受け板を持ち上げることで、リールに巻回された使用済みの薄膜が受け板と共にリールから取り外される様子を示す図である。
【図26】根切り機構の動作説明図であって、操作部が操作される前の状態を示す平面図である。
【図27】図26に対応する根切り機構の状態を示す移植機の左側面図である。
【図28】根切り機構の動作説明図であって、操作部が前方へ操作された状態を示す平面図である。
【図29】図28に対応する根切り機構の状態を示す移植機の左側面図である。
【図30】図28の状態から操作部が直立状態に戻された場合の、根切り機構の各要素の動作を説明する平面図である。
【図31】覆土鎮圧装置によって苗の植付け姿勢が矯正される様子を、(a)、(b)、(c)を以って段階的に示した図である。
【図32】第1実施形態の他の実施形態の説明図であって、移植機から主要部のみを取り出して用いる場合の図である。
【図33】第1実施形態の他の実施形態の説明図であって、付勢部材によって一対の回動アームが元の状態に復帰される覆土鎮圧装置を示す平面図である。
【図34】第1実施形態の他の実施形態の説明図であって、覆土鎮圧装置において転動面に溝が設けられたローラを示す平面図である。
【図35】第1実施形態の他の実施形態の説明図であって、覆土鎮圧装置において苗の四方から覆土鎮圧する場合のローラの配置を示す平面図である。
【図36】第1実施形態の薄膜剥離装置の巻取り装置における受け板の他の実施形態を示す図であって、(a)は受け板が網状の場合を示し、(b)は受け板がトライアングル状の場合を示す。
【図37】第1実施形態の薄膜剥離装置の巻取りの状態を示す模式図であって、(a)は巻取り初期、(b)は巻取り終わりの場合を示す。
【図38】第2実施形態の薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Dが後退端位置に位置する状態を示す図である。
【図39】図38における側面図である。
【図40】第2実施形態の薄膜剥離装置の説明図であって、特に、図38の状態における巻取り機構の状態並びにリールに巻き取られた薄膜との位置関係を示す図である。
【図41】第2実施形態の薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Dが前進端位置に位置する状態を示す図である。
【図42】第2実施形態の薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Dが後退端位置に位置して、さらにリールに薄膜がある程度巻き取られた状態を示す図である。
【図43】図42の状態からリンク部材Dが前進されて検出部材がリールに巻き取られた薄膜に当接された状態を示す図である。
【図44】図40の状態からリンク部材Dが前進されて検出部材がリールに巻き取られた薄膜に当接された状態を示す図である。
【図45】図43の状態からリンク部材Dがさらに前進されて前進端位置に到達した状態を示す図である。
【図46】図44の状態からリンク部材Dがさらに前進されて前進端位置に到達した状態を示す図である。
【図47】第3実施形態の薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Dが後退端位置に位置する状態を示す図である。
【図48】図47の状態からリンク部材Dが前進されて前進端位置に到達した状態を示す図である。
【図49】図48の状態からリンク部材Dが後退されて後退端位置に到達した状態を示す図である。
【図50】図47の状態におけるリンク部材Dの軸とリンク部材Cの長孔との相対位置を示す図である。
【図51】図48の状態におけるリンク部材Dの軸とリンク部材Cの長孔との相対位置を示す図である。
【図52】第4実施形態の薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Cが初期位置に位置する状態を示す図である。
【図53】図52の状態でカムが回転して検出部材がリールに巻き取られた薄膜に当接された状態を示す図である。
【図54】図53の状態からさらにカムが回転してカムとカムフォロアとの係合が外れる直前の状態を示す図である。
【図55】図53の状態からさらにカムが回転してカムとカムフォロアとの係合が外れてリンク部材Cが初期位置に復帰した状態を示す図である。
【図56】第5実施形態の薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Dが後退端位置に位置する状態を示す図である。
【図57】図56の状態からリンク部材Dが前進されて検出部材がリールに巻き取られた薄膜に当接された状態を示す図である。
【図58】第5実施形態の薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Dが前進端位置に位置する状態を示す図である。
【図59】第2実施形態の他の態様を示す薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Cと本体フレームの天板とを引張りコイルばねによって接続した態様を示す図である。
【図60】第2実施形態の他の態様を示す薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Aとリンク部材Bとを引張りコイルばねによって接続した態様を示す図である。
【図61】第2実施形態の他の態様を示す薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Aと本体フレームの天板とを引張りコイルばねによって接続した態様を示す図である。
【図62】第2実施形態の他の態様を示す薄膜剥離装置の平面図であって、特に、結合部材の他片とリンク部材Dの外周面に取付けたばね受との間に圧縮コイルばねを介在させた態様を示す図である。
【図63】第2実施形態の他の態様を示す薄膜剥離装置の平面図であって、特に、ねじりコイルばねのばね力によって、ワンウェイクラッチの入力軸を時計回り方向へ付勢させた態様を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
1 移植機、3 苗、5 操作部、9 苗載置部、10 連続集合鉢体、11 連続体、12 鉢体、13 薄膜剥離装置、32 薄膜、33 分離ローラ(ガイド部材)、34 巻取り装置(巻取り手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向する二枚の帯状薄膜を所定間隔で接合して相互の接合部間を鉢体とする連続体を形成して、該連続体を重ね合せると共に該重ね合された連続体の相互間を水溶性接着剤にて貼着して連続集合鉢体を形成して、該連続集合鉢体の各鉢体に育苗された苗を各鉢体から連続的に取り出す薄膜剥離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、対向する二枚の帯状薄膜を所定間隔で接合して相互の接合部間を鉢体とする連続体を形成して、該連続体を重ね合せると共に該重ね合された連続体の相互間を水溶性接着剤にて貼着して連続集合鉢体を形成しておいて、該連続集合鉢体から連続体を引き出して各鉢体から苗を連続的に取り出す薄膜剥離装置が知られている。例えば、特許文献1には、並列に配置された一対の無端状回転体によって連続体を挟み込んで引き出し、該連続体を各薄膜に分離させると共に該各薄膜を両外側へ引っ張り、各薄膜の相互の接合部を剥離させながら剥離された各薄膜を左右の巻取りリールによって巻き取る技術が開示されている。また、特許文献2には、苗載置部から引き出された連続体の二枚の各薄膜を相互に引き剥がす方向へ誘導する一対のガイド部材と、各ガイド部材を迂回させた各薄膜を挟持して引き出す回転引出手段と、該回転引出手段によって引き出された各薄膜を巻き取る一対の巻取りリールと、を備えた薄膜剥離装置の開示がある。
【0003】
上記特許文献1及び2に記載の発明では、分離させた各薄膜を各巻取りリールによって巻き取る機構であるため、各薄膜の巻取り速度、延いては各薄膜の引き出し速度に差が生じた場合、苗が、巻取り速度が速い方の巻取りリール側へ徐々に寄っていき、最終的に薄膜が切断される虞があり、この事態を回避するには、さらに薄膜間の引き出し速度の差を吸収させる機構が必要になり、装置が複雑化すると共に製造コストが増大する。そこで、特許文献3には、分離させた各薄膜を再び合一して引き出すことで各薄膜の引き出し速度に差が生じることを防いだ剥離装置が開示されているが、特許文献3に記載の剥離装置では、一対の回転体によって挟持されて両薄膜が合一されるため、回転体と薄膜との間で滑りが生じた場合、各薄膜の引き出し、延いては移植機への苗の供給が不安定になることがある。また、特許文献3に記載の剥離装置では、回転体の下流の各薄膜を処理する機構をもたないため、作業中、該回転体下流の各薄膜が風で飛散する問題や、巻き取られた薄膜が嵩張り、作業後の処理が面倒であるという問題がある。
【特許文献1】特開昭60−184313号公報
【特許文献2】特開平11−127621号公報
【特許文献3】実公昭49−13460号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、移植機への苗の供給が安定すると共に剥離した薄膜の後処理が容易な薄膜剥離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記第1の目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、対向する二枚の帯状薄膜を所定間隔で接合して相互の接合部間を鉢体とする連続体を形成して、該連続体を重ね合せると共に該重ね合された前記連続体の相互間を水溶性接着剤にて貼着して連続集合鉢体を形成して、各鉢体に種苗が詰められた前記連続体の接合部を順次剥離して前記連続集合鉢体から苗が個別に取り出される薄膜剥離装置であって、前記連続体を分離させた各薄膜を担持する一対のガイド部材と、各ガイド部材によって担持された各薄膜を合一しながら巻き取ることで前記連続集合鉢体から前記連続体が引き出される巻取り手段と、を具備することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の薄膜剥離装置において、各鉢体に種苗が詰められた前記連続体が載置される苗載置部を具備することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の薄膜剥離装置において、前記連続集合鉢体から引き出された前記連続体を前記一対のガイド部材間に案内する案内部材を具備することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の薄膜剥離装置において、前記案内部材は、湾曲且つ相互に外側へ傾倒させた一対の板材を線対称に配置して構成されることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の薄膜剥離装置において、前記巻取り手段は、リールと、該リールに対して巻取り軸方向へ移動可能な受け部材とを備えて、前記リールによって巻き取られた前記受け部材上の薄膜が、前記受け部材を前記リールの上方へ動かすことで、前記リールから取り外されることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の薄膜剥離装置において、前記連続体を分離させた各薄膜の相互の対向面に当接されるスクレーパを具備することを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の薄膜剥離装置において、前記一対のガイド部材が、前記連続体を分離させた各薄膜を各外周面によって担持する一対のフリーローラであることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の薄膜剥離装置において、前記巻取り手段は、前記巻取り軸へ回転動力を伝達して前記リールを回転させる回転動力伝達部材と、該回転動力伝達部材を駆動する駆動部材と、該駆動部材と前記回転動力伝達部材とを相対的に移動可能に結合させる結合手段と、を含む巻取り機構を具備することを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の薄膜剥離装置において、前記結合手段は、前記駆動部材と前記回転動力伝達部材とを摺動可能に結合させるものであることを特徴とする。
【0014】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の薄膜剥離装置において、前記巻取り手段は、前記巻取り機構に設けられて前記リールに巻き取られた前記薄膜に当接されて該リールに巻き取られた前記薄膜の巻取り量を検出する検出部材を備えて、該検出部材によって検出された前記薄膜の巻取り量に応じて、前記駆動部材と前記回転動力伝達部材との摺動量が調節されることを特徴とする。
【0015】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載の薄膜剥離装置において、前記連続集合鉢体から取り出された苗が投入される苗投入口と、該苗投入口に投入される苗の根が切断される根切り手段と、を具備することを特徴とする。
【0016】
したがって、請求項1に記載の薄膜剥離装置では、連続体を分離させた各薄膜が巻取り手段によって合一しながら巻き取られる。これにより、連続集合鉢体から連続体が確実に引き出されると共に、該引き出された連続体を分離させた各薄膜が各ガイド部材に向けて引っ張られ、相互の接合部が剥離されて鉢体から苗が取り出される。なお、請求項1の薄膜剥離装置において、種苗とは、各鉢体にて育苗した野菜等の苗の他、土詰あるいは播種されたのみで発芽前の状態のもの、球根、塊茎、種芋等を含み、当該鉢体に詰められた後に、圃場あるいは植木鉢、仮植用鉢、プランター、その他各種容器等、鉢体を経由して他の場所や物へ移されるあらゆる形態を含む。さらに、このあらゆる形態は、圃場や容器等に移されることなく、そのまま食用や観賞等に使用される形態をも含む。
請求項2に記載の薄膜剥離装置では、苗載置部に載置された連続集合鉢体から連続体が引き出される。
請求項3に記載の薄膜剥離装置では、連続集合鉢体から引き出された連続体が一対のガイド部材間に向けて案内される。
請求項4に記載の薄膜剥離装置では、連続集合鉢体から引き出された連続体の鉢体(苗)が一対の案内部材によって案内されて直立される。
請求項5に記載の薄膜剥離装置では、受け部材をリールの上方へ動かすことで、リールに巻き付けられた薄膜がリールから取り外される。このように構成することにより薄膜がリールに堅く巻かれた場合でも、容易に取り外すことができる。
請求項6に記載の薄膜剥離装置では、連続体を分離させた各薄膜の相互の対向面に付着した土や根等の付着物がスクレーパによって削ぎ落とされる。
請求項7に記載の薄膜剥離装置では、各ローラを自由に回転させることにより、連続体を分離させた各薄膜が円滑に下流へ送り出される。
請求項8に記載の薄膜剥離装置では、駆動部材と回転動力伝達部材とを結合手段によって結合させることにより、駆動部材と回転動力伝達部材とを結合手段を介して相対的に移動させることができる。
請求項9に記載の薄膜剥離装置では、駆動部材と回転動力伝達部材とを結合手段によって結合させることにより、結合手段と駆動部材又は回転動力伝達部材とを摺動させて駆動部材と回転動力伝達部材とを相対的に移動させることができる。
請求項10に記載の薄膜剥離装置では、検出部材によって検出された薄膜の巻取り量に応じて駆動部材と回転動力伝達部材との摺動量が調節される。薄膜剥離装置では、巻取り手段の巻取り動作1サイクル当りのリールの回転量(回転角度)が一定であると、リールに巻き取られた薄膜の巻取り径が大きくなるのに伴って連続集合鉢体から引き出される連続体の引き出し量が増加する。そこで、リールに巻き取られた薄膜の巻取り径が大きくなるのに応じて、駆動部材と回転動力伝達部材との摺動量を増加させることにより、駆動部材による回転動力伝達部材の操作量、すなわち、巻取り手段の1サイクル当りのリールの回転量を減少させる。これにより、連続集合鉢体から引き出される連続体の引き出し量を一定に保持することができる。
請求項11に記載の薄膜剥離装置では、苗の伸びすぎた根が根切り手段によって切断される。
【発明の効果】
【0017】
移植機への苗の供給が安定すると共に剥離した薄膜の後処理が容易な薄膜剥離装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1〜図31に基づいて説明する。なお、第1実施形態では、薄膜剥離装置13を移植機1に運用した場合を説明する。薄膜剥離装置13は、移植機1の本体フレーム4に設けられ、苗載置部9に載置された連続集合鉢体10の一端から連続体11を引き出し、該引き出した連続体11の接合部を順次剥離させて鉢体12から苗3を取り出し、該取り出された苗3が植付け装置8へ供給される構造になっている。移植機1は、手動で圃場2を前方(図1及び図2におけるF方向)へ移動しながら野菜などの苗3を移植するものであって、圃場2に直前に植付けられた苗3を指標に当該移植機1を位置合せした後、直立した操作部5を押し下げて昇降フレーム6を下降させる。これにより、圃場2に直前に植付けられた苗3の周囲が覆土鎮圧装置7によって覆土鎮圧され、この状態で操作部5を後方(図2における右側)へ傾倒させることにより、植付け装置8によって苗3が圃場2に植付けられる構造になっている。
【0019】
図1及び図2に示されるように、移植機1は、四隅に車輪29を配設した本体フレーム4を備えて、該本体フレーム4の中間部には連接機構を介して昇降フレーム6が設けられる。なお、連接機構は、本体フレーム4の幅方向(図1における上下方向)両側に上下に設けられる合計4本のリンク部材14によって構成される。また、移植機1は、本体フレーム4と昇降フレーム6とが付勢部材(本実施例ではコイルばね)によって接続され、これらコイルばねのばね力によって、操作部5がフリーの状態(操作されていない状態)で、昇降フレーム6が本体フレーム4に対して上昇端に保持される。リンク部材14の数量、付勢部材の数量及び種類などは、必要な付勢力に応じて適宜変更可能である。また、操作部5は、昇降フレーム6の後部に軸15の回りに回動可能に設けられ、操作部5と昇降フレーム6との間に張設されたコイルばねのばね力によって、フリーの状態で直立される。そして、移植機1は、操作部5を押し下げて各リンク部材14を各軸14aの回りに回動させることにより、昇降フレーム6が本体フレーム4に対して水平を維持しながら円弧軌道で本体フレーム4に対して下降される構造になっている。本発明においては、本体フレーム4と昇降フレーム6とが連接機構によって連結されていれば良い。例えばスライドレールを介して本体フレーム4と昇降フレーム6とを連結し、昇降フレーム6を昇降させても良い。また、操作部5は、作業者が操作しやすいような形状を適宜選択して良い。
【0020】
覆土鎮圧装置7は、図1〜図3に示されるように、本体フレーム4の幅方向(図1及び図2における左右方向)に延び且つ水平に配置される基部16と、該基部16の両端部に垂設されて各軸17aの回りに回動可能な一対の回動アーム17によって構成されるアーム対と、各回動アーム17の下端部に設けられて軸18aの回りに回転可能な第1ローラ18と、各回動アーム17の中間部に設けられて軸19aの回りに回転可能な第2ローラ19と、を備える。また、覆土鎮圧装置7は、基部16が、昇降フレーム6の後端部(図1及び図2における右側端部)に突設された支柱20に取り付けられ、該支柱20に対する基部16の移植機1の前後方向への取付位置を適宜選択することにより、苗3の植付け間隔が調節される構造になっている。そして、移植機1は、操作部5が押し下げられて昇降フレーム6が下降する過程で、一対の回動アーム17の各第1ローラ18が、直前に植付けられた苗3を相互間に挟んで圃場2に接地される。本実施例においては覆土鎮圧装置7は植付け装置8に対して苗3の植付間隔を空けて昇降フレーム6に設けられている。
【0021】
また、移植機1は、各第1ローラ18が圃場2に接地されると、昇降フレーム6の下降に伴い、一対の回動アーム17を相互に内側へ回動させながら転動し、相互に近接される。そして、昇降フレーム6が下降端に到達した時点(後述する規制板21が圃場2に接地した時点)で、図5及び図6に示されるように、直前に植付けられた苗3の周囲が、一対の回動アーム17のローラ18,19の相互間によって両側から挟み込まれて覆土鎮圧される構造になっている。なお、覆土鎮圧完了後、操作部5が引き上げられて昇降フレーム6が上昇され、各第1ローラ18が圃場2から離反されると、一対の回動アーム17は、自重及び各ローラ18,19の重量のバランスで相互に外側へ回動され、図3に示されるように、開かれた状態に復帰する。
【0022】
図2に示されるように、植付け装置8は、昇降フレーム6の前部中央(昇降フレーム6の図2における左側部分の移植機幅方向中央)に設けられる。また、図7及び図8に示されるように、植付け装置8は、一対の開閉部材22a,22bがくちばし状に組み合わされた開孔器22を備える。該開孔器22は、開閉ピン23に外力の入力がない状態で、図示しない弾性部材の弾性力によって閉じられる。また、開閉ピン23の上端部は、昇降フレーム6の後部に設けられて操作部5と同一の軸15の回りに回動可能に配置されたヨーク24に係合される。そして、移植機1は、操作部5が後方へ操作されて傾倒されるに伴い、ヨーク24が軸15の回りに図2における時計回り方向へ回動される。これにより、図8に示されるように、開閉ピン23が持ち上げられ、一対の開閉部材22a,22bが開かれる構造になっている。なお、ヨーク24は、基部に操作片24aが立設され、操作部5が直立した状態から後方へ操作されることにより、該操作片24aが操作部5の下部に当接され、図9(a)に示されるように、操作部5に従動して軸15の回りに回動される構造になっている。また、図9(c)に示すようにヨーク24に回転軸15aを設けると、図9(c)および図9(d)に示すように、操作部5を上下させることで回転軸15aの回りにヨーク24は回動する。そのため図9(c)のように構成した場合は、昇降フレーム6を昇降させるための操作部5の上下動作とヨーク24の回動を連動させることができる。
【0023】
そして、移植機1は、図1の苗投入口35に投入された苗3が、開孔器22よりも大きく開口した苗受入部80によって受け入れられて開孔器22に収容され、この状態で、昇降フレーム6を下降させて規制板21を圃場2に接地させることにより、図14に示されるように、開孔器22の先端部が圃場2に所定深さだけ減込まれる。この状態で、操作部5が後方へ操作され、開閉ピン23がヨーク24を介して持ち上げられることにより、図15に示されるように、開孔器22が土中で開かれ、該開孔器22に収容された苗3が圃場2の孔に植付けられる構造になっている。ここで、開孔器22の先端部が圃場2に減込まれる(めりこまれる)とは、開孔器22の先端部が土中に進み入ることをいう。また、移植機1は、開孔器22が土中で開かれると、ヨーク24の動作を規制して該開孔器22を開かれた状態でロックするロック機構を備えて、該ロック機構は、所定のカムプロフィールを有するヘッド部25aが形成されたレバー部材25を有する。なお、規制板21は、昇降フレーム6に、上下方向に位置調節可能に設けられる。
【0024】
レバー部材25は、本体フレーム4の左側部(図2における正面側の部分)に配置された上下のリンク部材14のうち上側に配置されたリンク部材14の一端部と昇降フレーム6とを接続すると共にヘッド部25aを貫通するリンクピン26によって、回動可能に支持され、コイルばねのばね力によって、リンクピン26の回りに図2における時計回り方向へ付勢される。また、レバー部材25は、ヘッド部25aが、ヨーク24の先端部に設けられたカムフォロア27に摺接されると共に、端部に突設されたピン25bが下側に配置されたリンク部材14の下側端面に係合される。そして、操作部5が押し下げられて昇降フレーム6が下降される過程において、図11に示されるように、レバー部材25のヘッド部25aに形成された直線部(以下、ヘッド直線部と称する)にカムフォロア27が当接されることにより、レバー部材25の図11における時計回り方向への回動が規制される構造になっている。また、規制板21が接地された状態で操作部5が後方へ操作されることにより、図12に示されるように、ヨーク24が図12における時計回り方向へ回動され、カムフォロア27がヘッド直線部から外れる。
【0025】
そして、レバー部材25が、ピン25bが下側のリンク部材14の端面に当接するまでリンクピン26の回りに図12における時計回り方向へ回動され、カムフォロア27がヘッド部25aの曲線部(以下、ヘッド曲線部と称する)に当接される。これにより、ヨーク24の図12における反時計回り方向への回動動作が阻止され、開孔器22が開いた状態でロックされる構造になっている。また、ロック機構は、操作部5が引き上げられて昇降フレーム6が上昇される過程において、図13に示されるように、ピン25bが下側のリンク部材14に押付けられることによる反力が該ピン25bに作用することにより、レバー部材25が図13における反時計回り方向へ回動される。そして、昇降フレーム6が本体フレーム4に対して所定位置まで上昇された時点で、図10に示されるように、カムフォロア27がヘッド曲線部から外れ、ヨーク24が図10における反時計回り方向へ回動されて開孔器22が閉じられると共にカムフォロア27がレバー部材25のヘッド直線部に再び当接される構造になっている。
【0026】
図1及び図2に示されるように、薄膜剥離装置13は、苗載置部9が本体フレーム4の正面上部に設けられ、該苗載置部9に、連続集合鉢体10を収容した育苗トレイ28がセットされる。そして、薄膜剥離装置13は、苗載置部9を手前側が低くなるように傾斜させたことにより、連続体11が、育苗トレイ28の連続集合鉢体10の手前側(図1における右側)から一列づつ引き出される構造になっている。なお、苗載置部9は地面に対して水平に設けても良く、また図2とは反対に、本体フレーム4の正面上部に手前側が高くなるように傾斜されるようにしても良い。また、薄膜剥離装置13は、苗載置部9の後端部にフリーローラ30が設けられ、該フリーローラ30によって苗載置部9の連続集合鉢体10から引き出された連続体11が、本体フレーム4の天板45上に案内される構造になっている。さらに、薄膜剥離装置13は、本体フレーム4の天板45上の前側部分(図1における左側部分)に、連続集合鉢体10から引き出された連続体11を本体フレーム4の幅方向(図1における上下方向)中央に向けて案内する一対のガイドレール31が設けられる。各ガイドレール31は、本体フレーム4の幅方向両側に対称に配設され、平面視(図1参照)で湾曲されると共に正面視(移植機進行方向の視線)で相互に外側へ傾倒される。これにより、薄膜剥離装置13では、連続集合鉢体10から引き出された連続体11が、一対のガイドレール31によって本体フレーム4の中央に案内されながら直立される構造になっている。
【0027】
また、薄膜剥離装置13は、図17に示されるように、一対のガイドレール31の下流に設けられて本体フレーム4の幅方向に所定間隔を空けて配置された一対の分離ローラ33(ガイド部材)を備えて、各分離ローラ33に、連続集合鉢体10から引き出された連続体11を分離させた各薄膜32が担持される。さらに、一対の分離ローラ33の下流には巻取り装置34(巻取り手段)が設けられる。そして、薄膜剥離装置13は、分離された各薄膜32を、巻取り装置34によって合一させて巻き取る。これにより、連続集合鉢体10から連続体11が順次引き出され、一対の分離ローラ33によって、引き出された連続体11の接合部が順次剥離される。そして、引き出された連続体11の鉢体12から苗3が順次取り出され、該取り出された苗3が一対の分離ローラ33間に設けられた苗投入口35に投入される構造になっている。なお、苗投入口35に投入された苗3は、植付け装置8の開孔器22へ供給される。剥離して取り出された苗3の転倒や飛散防止を目的として、投入口35の周囲にカバー用の部材を設けることも可能である。
【0028】
また、薄膜剥離装置13は、一対のガイドレール31と苗投入口35との間に、下流に向けて相互間の間隔が広くなるように配置された一対のガイドバー36が設けられる。さらに、薄膜剥離装置13は、分離させた各薄膜32の各対向面(相互間に鉢体12が形成されていた側の面)に当接され、各薄膜32における各分離ローラ33の直上流の各対向面に付着した付着物(土、根等)を削ぎ落とすスクレーパ37を備える。また、薄膜剥離装置13は、昇降フレーム6の昇降動作に連動させて巻取り装置34のリール38を回転駆動させる巻取り機構を具備する。該巻取り機構は、図18に示されるように、リール38が装着される巻取り軸39と、入力軸にリンク部材Aの一端が接続されると共に出力軸に巻取り軸39が接続され、平面視(図18における紙面視)で時計回り方向の回転力のみが出力される逆転防止機構(本実施例ではワンウェイクラッチ)と、を備える。
【0029】
また、巻取り機構は、略L字状に形成されて肘部が固定軸40の回りに回動可能に支持されるリンク部材Cと、該リンク部材Cにおける一方のアームの端部とリンク部材Aとを連接させるリンク部材Bと、リンク部材Cにおける他方アームの選択された接続部に一端部が接続されると共に水平方向へ案内される移動軸42に他端部が接続されるリンク部材Dと、本体フレーム4の右側(図18における上側)に配置された上下のリンク部材14のうち上側に配置されたリンク部材14の他端部に対して一端部が固定的に接続されるリンク部材Fと、一端部が移動軸42に接続されると共に他端部がリンク部材Fの一端部に接続されるリンク部材Eと、を備える。そして、薄膜剥離装置13は、移植機1の昇降フレーム6が図18及び図19に示される上昇端に位置する状態から下降され、各リンク部材14が図19における時計回り方向へ回動されると、リンク部材F〜Bを介してリンク部材Aが図18における反時計回り方向へ所定角度θ1(図20参照)だけ回動される。
【0030】
これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図18または図20における反時計回り方向へ所定角度θ1だけ回動される。ここで、巻取り機構では、ワンウェイクラッチが、入力軸に入力された図18における反時計回り方向の回転力が出力軸へ伝達されないため、巻取り装置34のリール38が駆動されず、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施されない構造になっている。そして、薄膜剥離装置13は、移植機1の昇降フレーム6が図20及び図21に示される下降端に位置する状態から上昇され、各リンク部材14が図21における反時計回り方向へ回動されると、図22に示されるように、リンク部材F〜Bを介してリンク部材Aが図22における時計回り方向へ所定角度θ1だけ回動され、これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸が、図22における時計回り方向へ所定角度θ1だけ回動される。これにより、巻取り装置34のリール38が時計回り方向へ所定角度θ1だけ回転駆動され、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される構造になっている。
【0031】
なお、薄膜剥離装置13は、リンク部材Cにおける、リンク部材Dの一端部を接続させる接続部を適宜選択することにより、リンク部材Aの時計回り方向への回動量(角度位相θ1)、延いては巻取り装置34における薄膜32の巻取り量及び連続体11の引き出し量が設定される構造になっている。図23及び図24に示されるように、巻取り装置34は、リール38に上下方向へ抜き差し可能に設けられ、該リール38に巻き取られた薄膜32の下側面を支持する受け部材43を備える。そして、巻取り装置34は、受け部材43上に薄膜32が巻き取られ、巻取り完了後、受け部材43をリール38の上方へ動かすことにより、図25に示されるように、巻き取られた薄膜32がリール38から取り外される構造になっている。なお、図17に示されるように、受け部材43はリール38によって支持される。なお、受け部材43の支持はリール38に限らず、天板45上で、または天板45に支持される部材にて行われても良い。
【0032】
また、移植機1は、本体フレーム4の天板45の裏側部分に設けられ、苗投入口35に投入される直前の苗3の根の伸びすぎた部分を切断する根切り機構を備える。該根切り機構は、図26に示されるように、軸46を中心に水平にスイング動作可能な根切り部材47と、軸48の回りに水平に揺動可能に設けられ、一端部(図26における下側端部)が本体フレーム4の後部左側面に突出された揺動アーム49と、該揺動アーム49を平面視(図26参照)で軸48の回りに反時計回り方向へ付勢させるコイルばね50と、本体フレーム4内側にく字状に屈折され、一端部が根切り部材47の先端部に接続されると共に他端部が揺動アーム49の他端部(図26における上側端部)に接続される連接部材51と、を備える。そして、根切り機構は、操作部5が直立した状態から前方へ傾倒される(図27の状態から図29の状態へ移行される)のに伴い、操作部5によって揺動アーム49の一端部が前方(図26における左方向)へ操作され、該揺動アーム49が軸48の回りに時計回り方向へ回動される。
【0033】
これにより、根切り機構は、連接部材51を介して根切り部材47が軸46を中心に時計回り方向へスイング動作され、図28に示されるように、平面視における根切り部材47の前方(あるいは後方)に、該根切り部材47と苗投入口35とによって囲繞される隙間52a(あるいは52b)が形成される。そして、根切り機構は、操作部5が前方へ傾倒された状態から直立される(図29の状態から図27の状態へ移行される)のに伴い、コイルばね50のばね力によって揺動アーム49が軸48の回りに反時計回り方向へ回動され、連接部材51を介して根切り部材47が軸46を中心に反時計回り方向へスイング動作され、苗投入口35に投入される直前の苗3の根の隙間52a(あるいは52b)から垂下した部分が、根切り部材47と苗投入口35周縁とによって切断される構造になっている。すなわち、苗投入口35において、根切り部材47の作用を受けた場合、根は切断される。なお、操作部5が直立した状態から前方へ操作された場合は、図9(b)に示されるように、ヨーク24が操作部5に従動しない構造になっている。さらに、根切り部材47については、軸46を中心に揺動するのではなく、移植機の進行方向に平行に往復動するように構成しても良い。
【0034】
次に、第1実施形態の作用を説明する。
まず、作業者は、圃場2の移植機1を手で押して前進させ、圃場2に直前に植付けられた苗3を指標に移植機1を位置決め(停止)させる。具体的には、昇降フレーム6を下降させて各第1ローラ18を圃場2に接地させた時に、図4及び図17に示されるように、圃場2に直前に植付けられた苗3が、覆土鎮圧装置7の一対の回動アーム17の相互の第1ローラ18間に位置するように、移植機1を位置決めさせる。次に、操作部5を押し下げて昇降フレーム6を下降させ、図12に示されるように、規制板21を圃場2に接地させる。そして、昇降フレーム6が下降する過程で、まず、覆土鎮圧装置7の一対の回動アーム17の各第1ローラ18が、圃場2に直前に植付けられた苗3を挟んで接地される。
【0035】
また、昇降フレーム6が下降するに伴い、一対の回動アーム17の各第1ローラ18が転動しながら相互に近接される。そして、規制板21が圃場2に接地した時点(図12参照)で、図5及び図6に示されるように、圃場2に直前に植付けられた苗3の周囲が各回動アーム17の相互の各ローラ18,19によって両側から挟み込まれて覆土鎮圧されると共に、図31の(a)〜(c)に示されるように、直前に植付けられた苗3が直立する。なお、操作部5を押し下げる力(昇降フレーム6を下降させる力)の一部は覆土鎮圧に利用される。この押し下げ力が作用することにより覆土鎮圧の効果がより高められる。
【0036】
一方、昇降フレーム6を下降させて規制板21を圃場2に接地させると、図12及び図14に示されるように、植付け装置8の開孔器22が、圃場2に所定深さだけ減込まれる。この状態で操作部5を後方へ傾倒させると、ヨーク24によって開閉ピン23が引き上げられる。これにより、図15に示されるように、開孔器22が開かれて該開孔器22に収容された苗3が圃場2に植付けられると共に、ロック機構によってヨーク24が軸15の回りに図12における反時計回り方向へ回動するのが阻止されて開孔器22が開かれた状態でロックされる。次に、操作部5を引き上げて昇降フレーム6を上昇させると、図16に示されるように、開孔器22は開かれた状態のまま上昇し、昇降フレーム6が上昇端に復帰した時点(図10参照)でロック機構が解除され、ヨーク24が軸15の回りに図10における反時計回り方向へ回動可能になることで、開孔器22が閉じられる。
【0037】
他方で、昇降フレーム6を昇降させると、巻取り機構によって巻取り装置34(巻取り手段)の巻取り軸39、延いては該巻取り軸39に装着されたリール38が、図17における時計回り方向へ所定角度θ1だけ回動する。これにより、一対の分離ローラ33によって分離された各薄膜32がリール38によって巻き取られ、苗載置部9に載置された連続集合鉢体10から連続体11が所定長さだけ引き出される。該引き出された連続体11は、一対のガイドレール31によって苗投入口35に向けて案内されながら直立され、下流側の接合部が一対の分離ローラ33によって順次剥離されて各薄膜32に分離される。これにより、展開された連続体11(鉢体12)から苗3が順次取り出され、該取り出された苗3は、一対の分離ローラ33間に設けられた苗投入口35に投入されて植付け装置8の開孔器22に供給(収容)される。なお、各薄膜32に付着した土、根等の付着物は、各分離ローラ33の直上流に配置した各スクレーパ37によって削ぎ落とされる。
【0038】
図37(a)(巻取り初期)〜図37(b)(巻取り終わり)に示すように、リール38に薄膜32が巻き取られていくにつれて、巻取り径Wは大きくなっていく。図37(a)に示すように、薄膜が剥離されてからリールに巻取られるまでには、O+Q=P+R の関係がある。そして、この関係を保ちながら、剥離位置Xは当初の図37(a)における位置から、巻き取られるにしたがって徐々に右に寄っていき、最終的には図37(b)における位置に達することになる。また、巻取り径Wが大きくなるにしたがい、リール1回転当たりについて連続体11が引き出される量も大きくなる。場合によっては、本来所定角度θ1の回動で1個の苗3が取り出されるところ、複数個の苗が取り出される可能性もある。これらのことを考慮に入れ、薄膜剥離装置13についての分離ローラ32、苗投入口35、リール38の寸法および位置関係は、図37(a)〜(b)において剥離位置Xが常に苗投入口35の上になり、所定角度θ1の回動で常に1個の苗が苗投入口35に供給されるよう適宜定めれば良い。
【0039】
また、操作部5を前方へ傾倒させた後に直立状態に復帰させると、根切り部材47が切断動作し、苗投入口35に投入される直前の苗3の根の隙間52a(あるいは52b)から垂下した部分が、根切り部材47と苗投入口35周縁とによって切断される。なお、リール38に巻き取られた各薄膜32は、図25に示されるように、受け部材43をリール38から上方へ動かすことにより、リール38から取り外される。このように構成することにより各薄膜32がリール38に堅く巻かれた場合でも、各薄膜38を容易に取り外すことができる。
【0040】
第1実施形態では以下の効果を奏する。
薄膜剥離装置13は、一対の分離ローラ33によって分離された各薄膜32が巻取り装置34のリール38によって合一されて巻き取られることにより、苗載置部9の連続集合鉢体10から連続体11が順次引き出される。
したがって、薄膜剥離装置13では、分離された一方の薄膜32の引き出し速度と他方の薄膜32の引き出し速度との速度差が最小限に止められ、各薄膜32が切断するのを防ぐことができる。
また、薄膜剥離装置13は、操作部5の操作によって昇降フレーム6が昇降されることにより、該昇降フレーム6の昇降時のエネルギーが巻取り機構によって巻取り装置34の巻取り軸39の駆動力に変換されて各薄膜32が巻き取られるので、従来のモータ等の動力を用いて薄膜32を巻き取る装置と比較して、構成が簡素化される。
したがって、部品点数が減少し、製造コストが削減されると共に装置の信頼性を向上させることができる。また、比較的小さい駆動力で巻取り装置34を駆動することが可能になり、必要に応じて車輪29の回転力、或いは手動等で当該巻取り装置34を駆動することができる。さらに、構造が簡素であることから、簡易な変更を施すことで、半自動移植機等に容易に適用することができる。
また、薄膜剥離装置13は、巻取り装置34によって巻き取られた薄膜32が一塊に集約されるので、従来の装置のように作業中に薄膜32が飛散するようなことがなく、巻取り後の薄膜32の扱いが容易で、加えて、受け部材43をリール38から上方へ動かすだけで一塊の薄膜32をリール38から取除くことができ、後処理(廃棄処理)が効率化される。
【0041】
なお、第1実施形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
図32に示されるように、昇降フレーム6に、少なくとも、植付け装置8、覆土鎮圧装置7、及び操作部5、必要に応じて規制板21、を設けて構成した移植機を単体で用いてもよい。この場合、苗3は作業者の手によって植付け装置8の開孔器22に供給される。
図33に示されるように、覆土鎮圧装置7の一対の回動アーム17の上端部に付勢部材53(コイルばね)を設け、各ローラ18,19に外力が付与されていない場合に、相互のローラ間隔が所定間隔に復帰するように構成してもよい。この場合、覆土鎮圧装置7の動作をより安定させることができる。
覆土鎮圧装置7に用いられる各ローラ18,19の形状は転動面が平面状であることに限らず、例えば、図34に示されるように、転動面に環状の溝54を形成してもよい。
図35に示されるように、覆土鎮圧装置7を交差させて苗3の周囲を該苗3の四方からローラ18によって覆土鎮圧するように構成してもよい。
巻取り装置34のリール38に抜き差しされる受け部材43は、適宜設定すればよく、例えば、図36に示されるように、(a)網状や、(b)トライアングル形状であってもよい。
第1実施形態では操作部5の操作に連動して根切り部材47が駆動されるが、根切り部材47を巻取り装置34に連動させるように構成してもよい。
昇降フレーム6に、圃場2に張られたマルチフィルムに孔をあけるための装置を必要に応じて設けてもよい。この場合、孔あけ装置は、植付け装置8の前方に苗3の植付け間隔をあけて配置される。
第1実施形態では開孔器22をくちばし状に形成してたが、開閉部材22a,22bで構成されていれば形状には限定されず、例えば長方形の板で苗を挟むようにしても良い。また、一対の部材に限らず複数個の部材で構成されていても良く、例えば、逆円錐を鉛直方向に四等分した部材を合わせて構成しても良い。
移植機1の本体フレーム4に車輪29を配設する代わりに、そり状の滑走体又はクローラを配設しても良く、あるいは車輪29とそれらの組み合わせでも良い。また車輪29は必要に応じ4輪から増減させて良い。
操作部5は、作業者が操作しやすいような形状を適宜選択して良い。また、操作部5にクラッチレバーを配置し、ワイヤーケーブルにてヨーク24を操作する構成としても良い。
覆土鎮圧装置7は植付け装置8との間隔を空けずに昇降フレーム6に配置しても良い。このとき、植付け間隔のゲージ用部材を昇降フレーム6に装備することによって、正確な植付け間隔で苗を植えていくことができる。
図17の天板45において、苗の通路に孔または凹凸を設けることによって苗の底から突出した余分な根または土を削ぎ取ることが可能である。
また、図17において、分離ローラ33、苗投入口35、ガイドバー36の形状・寸法・位置関係は、適宜定めることができる。
【0042】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図38〜図46に基いて説明する。なお、上述した第1実施形態と同一又は相当する構成要素には同一の名称及び符号を付与して、重複する詳細な説明を省く。図38及び図39に示されるように、第2実施形態の薄膜剥離装置61は、リンク部材D(駆動部材)とリンク部材C(回転動力伝達部材)とが結合部材62(結合手段)を介して摺動可能に結合される点、リンク部材C(回転動力伝達部材)に、リール38に巻き取られた薄膜32に当接されて当該リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り量を検出する検出部材63が設けられて、該検出部材63によって検出された薄膜32の巻取り量に応じて、結合部材62を介して摺動するリンク部材D(駆動部材)とリンク部材C(回転動力伝達部材)との摺動量(相対移動量)が調節される点において、第1実施形態の薄膜剥離装置13(図1参照)と主要な構成が異なる。なお、薄膜剥離装置61の巻取り機構は、リンク部材C(回転動力伝達部材)とリンク部材D(駆動部材)と結合部材62(結合手段)とを含む。
【0043】
図38に示されるように、リンク部材C(回転動力伝達部材)は、略ブーメラン形に形成されて、その屈折部が固定軸40の回りに回転可能に支持される。また、リンク部材Cは、一方のアームの端部がリンク部材Bに連接される。図40にも示されるように、結合部材62(結合手段)は、略L字形に形成されて、一片62a(略水平に配置された側の片)がリンク部材Cの他方のアームの端部に回動可能に接続される。また、結合部材62の他片62b(略鉛直に配置された側の片)にはブッシュ64が装着されており、該ブッシュ64にはリンク部材D(駆動部材)の一端部(図40における右側の端部)が摺動可能に挿通される。そして、薄膜剥離装置61は、リンク部材Dの一端部(先端部分)にストッパ65が設けられて、該ストッパ65を結合部材62の他片62b(あるいは、ブッシュ64の端面)に当接させることにより、結合部材62に対するリンク部材Dの摺動(相対移動)が規制され、延いては、結合部材62を介するリンク部材Dとリンク部材Cとの相対移動が規制される構造になっている。
【0044】
図38及び図40に示されるように、検出部材63は、リンク部材C(回転動力伝達部材)の上面に立設される。そして、薄膜剥離装置61は、巻取り初期の状態(図37の(a)参照)の時には、リンク部材D(駆動部材)の駆動によってリンク部材Cを固定軸40の回りに図41における時計回り方向へ回動させても、その回動の過程(途中)で検出部材63がリール38に巻き取られた薄膜32に当接しないように、すなわち、リンク部材Dと結合部材62(ブッシュ64)との摺動が起きないように、検出部材63の形状及び配置が設定される。なお、リンク部材Dとブッシュ64との摺動抵抗は、当該リンク部材Dを前進(図41における右方向へ移動)させた時に、リンク部材Dの駆動力を結合部材62を介してリンク部材Cに伝達して、該リンク部材C、延いては、リンク部材B並びにリンク部材Aを駆動することができるように設定される。また、リンク部材Dの他端部(図40における左側の端部)は、ヒンジ66を介してリンク部材Eの端部に接続される。
【0045】
また、薄膜剥離装置61は、リンク部材D(駆動部材)の駆動によってリンク部材C(回転動力伝達部材)が固定軸40の回りに図41における時計回り方向へ回動される過程、すなわち、リンク部材Dが前進(図41における右方向へ移動)して前進端位置に到達するまでの過程で、検出部材63の先端部がリール38に巻き取られた薄膜32に当接されると、当該検出部材63と薄膜32とが当接された時点で、リンク部材Dと結合部材62(ブッシュ64)とが摺動(相対移動)を開始して、これに伴い、リンク部材Cの固定軸40の回りの回動が停止される。したがって、薄膜剥離装置61では、リンク部材Dを前進端位置まで前進させた後、後退端位置(図38に示される元の位置)まで後退させると、ワンウェイクラッチの入力軸が、図41における時計回り方向へ角度θ2(θ1>θ2)だけ回動される。これにより、巻取り装置34のリール38が時計回り方向へ角度θ2だけ回転駆動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される構造になっている。
【0046】
次に、第2実施形態の作用を説明する。
まず、薄膜32の巻取り初期の状態、すなわち、リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り径Wが小さい状態(図37の(a)参照)の時に、昇降フレーム6を下降させると、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、結合部材62(結合手段)を介してリンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに図38における時計回り方向へ回動される。これにより、リンク部材Bを介してリンク部材Aが図38における反時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図38における反時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。ここでは、ワンウェイクラッチにより、入力軸に入力された図38における反時計回り方向の回転力が出力軸へ伝達されないため、リール38が駆動されず、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しは実施されない。
【0047】
次に、昇降フレーム6を上昇させると、リンク部材F〜Bを介してリンク部材Aが図41における時計回り方向へ角度θ1だけ回動されて、これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸が、図41における時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これにより、リール38が時計回り方向へ角度θ1だけ回転駆動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される。そして、図42に示されるように、リール38にある程度の薄膜32が巻き取られた状態の時に、昇降フレーム6を下降させると、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、結合部材62(結合手段)を介してリンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに時計回り方向へ回動される。そして、図43及び図44に示されるように、検出部材63が薄膜32に当接した時点で、リンク部材Dと結合部材62(ブッシュ64)とが摺動(相対移動)を開始する。これに伴い、リンク部材Cの固定軸40の回りの回動が停止して、リンク部材Aの反時計回り方向への回動が角度θ2(θ1>θ2)で停止する。
【0048】
そして、図45及び図46に示されるように、リンク部材Dが前進端位置に到達した時点では、ストッパ65と該ストッパ65に対向する結合部材62の他片62bとの間にtだけギャップが生じる。この状態で、昇降フレーム6を上昇させると、リンク部材Dが、リンク部材Eによって駆動されて後退(図46における左方向へ移動)する。これに伴い、ストッパ65と結合部材62の他片62bとのギャップtが縮まって、当該ストッパ65が結合部材62の他片62bに当接した時点(図43及び図44参照)から、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、結合部材62(結合手段)を介してリンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに図43における反時計回り方向へ回動する。これに伴い、リンク部材Aが図43における時計回り方向へ回動して、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図43における時計回り方向へ角度θ2(θ1>θ2)だけ回動される。これにより、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される。
【0049】
第2実施形態では以下の効果を奏する。
薄膜剥離装置61は、検出部材63によって検出された薄膜32の巻取り量に応じて、リンク部材D(駆動部材)と結合部材62(結合手段)との摺動量(相対移動量t)が調節される。したがって、リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り径が大きくなるのに応じて、リンク部材Dと結合部材62との摺動量(相対移動量t)を増加させることにより、リンク部材Dによるリンク部材C(回転動力伝達部材)の操作量、すなわち、巻取り装置34(巻取り手段)の1サイクル当りのリール38の回転量θを例えばθ1からθ2へ減少させることにより、連続集合鉢体10から引き出される連続体11の引き出し量を一定に保持することができる。また、巻取り量を検出するためのセンサや該センサの検出信号に基き巻取り軸39を回転駆動させる電動モータ等を使用しないで、薄膜剥離装置61を機械的に構成することができるため、装置61が簡素に構成されて製造コストの増大を防ぐと共にメンテナンスも容易で信頼性の高い装置61を提供することができる。
【0050】
なお、第2実施形態は、巻取り装置34の動作を補助するために、巻取り機構の各部材を付勢部材によって付勢するようにして、薄膜剥離装置61を構成してもよい。
例えば、図59に示されるように、リンク部材Cと本体フレーム4の天板45の所定位置(図59において固定軸40よりも左側の位置)とを引張りコイルばね101(付勢部材)によって接続する。この場合、引張りコイルばね101のばね力によって、リンク部材Cが固定軸40の回りに図59における時計回り方向へ付勢される。
また、図60に示されるように、リンク部材Aとリンク部材Bとを引張りコイルばね102(付勢部材)によって接続する。この場合、引張りコイルばね102のばね力によって、リンク部材Aがワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)の回りに図60における時計回り方向へ付勢される。
また、図61に示されるように、リンク部材Aと本体フレーム4の天板45の所定位置(図61において軸39よりも右側の位置)とを引張りコイルばね103(付勢部材)によって接続する。この場合、引張りコイルばね103のばね力によって、リンク部材Aがワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)の回りに図61における反時計回り方向へ付勢される。
また、図62に示されるように、結合部材62の他片62bとリンク部材Dの外周面に取付けたばね受67との間に圧縮コイルばね104(付勢部材)を介在させる。この場合、圧縮コイルばね104のばね力によって、結合部材62の他片62bがリンク部材Dに取付けられたストッパ65に向けて付勢される。この場合、圧縮コイルばね104のばね力を調節することにより、リンク部材Dと結合部材62との摺動抵抗を調節することができる。なお。ブッシュ64は必要に応じて用いればよい。
また、図63に示されるように、ねじりコイルばね105のばね力によって、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)を図63における時計回り方向へ付勢する。この場合、リンク部材Aが時計回り方向へ付勢される。
【0051】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図47〜図51に基いて説明する。なお、上述した第1実施形態と同一又は相当する構成要素には同一の名称及び符号を付与して、重複する詳細な説明を省く。図47に示されるように、第3実施形態の薄膜剥離装置71は、リンク部材D(駆動部材)とリンク部材C(回転動力伝達部材)とが、該リンク部材Cに設けられた長孔72とリンク部材Dの先端部に設けられて長孔72に摺動可能に係合される軸73とによって構成される結合機構(結合手段)によって結合される点、リンク部材C(回転動力伝達部材)に、リール38に巻き取られた薄膜32に当接されて当該リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り量を検出する検出部材63を設けて、該検出部材63によって検出された薄膜32の巻取り量に応じて、結合機構を介して摺動するリンク部材D(駆動部材)とリンク部材C(回転動力伝達部材)との摺動量が調節される点において、第1実施形態の薄膜剥離装置13(図1参照)と主要な構成が異なる。なお、薄膜剥離装置71の巻取り機構は、リンク部材C(回転動力伝達部材)とリンク部材D(駆動部材)と結合機構(結合手段)とを含む。
【0052】
図47に示されるように、リンク部材C(回転動力伝達部材)は、固定軸40の回りに回転可能に支持されて、一側のアームの端部がリンク部材Bに連接される。また、リンク部材Cは、他側(固定軸40を挟んだアームの反対側)に所定形状の長孔72(結合機構)が形成される。図47及び図50に示されるように、リンク部材D(駆動部材)は、シャフト状に形成されており、一端部(図47及び図50における右側の端部)を直角に曲げて形成した軸73を有すると共に他端部(図47及び図50における左側の端部)がヒンジ66を介してリンク部材Eの端部に接続される。そして、結合機構(結合手段)は、リンク部材Dの軸73を、座金74を介してリンク部材Cの長孔72に摺動可能に係合させることで構成されて、これにより、リンク部材Dはリンク部材Cに摺動(相対移動)可能に結合される構造になっている。
【0053】
図47に示されるように、検出部材63は、リンク部材C(回転動力伝達部材)の上面に立設される。そして、薄膜剥離装置71は、巻取り初期の状態(図37の(a)参照)の時には、リンク部材D(駆動部材)の駆動によってリンク部材Cを固定軸40の回りに図47における時計回り方向へ回動させても、その回動の過程(途中)で検出部材63がリール38に巻き取られた薄膜32に当接しないように、すなわち、リンク部材Dの軸73とリンク部材Cの長孔72(共に結合機構)との摺動が起きないように、検出部材63の形状及び配置が設定される。なお、リンク部材Dの軸73とリンク部材Cの長孔72との摺動抵抗は、当該リンク部材Dを前進(図47における右方向へ移動)させた時に、リンク部材Dの駆動力をリンク部材Cに伝達して、該リンク部材C、延いては、リンク部材B並びにリンク部材Aを駆動することができるように設定される。
【0054】
また、薄膜剥離装置71は、リンク部材D(駆動部材)の駆動によってリンク部材C(回転動力伝達部材)が固定軸40の回りに図47における時計回り方向へ回動される過程、すなわち、リンク部材Dが前進(図47における右方向へ移動)して前進端位置に到達される過程で、図48に示されるように、検出部材63の先端部がリール38に巻き取られた薄膜32に当接されると、当該検出部材63と薄膜32とが当接された時点で、リンク部材Dの軸73とリンク部材Cの長孔72とが摺動(相対移動)を開始して、これに伴い、リンク部材Cの固定軸40の回りの回動が停止される。したがって、薄膜剥離装置71では、リンク部材Dを前進端位置まで前進させた後、後退端位置(図49参照)まで後退させると、ワンウェイクラッチの入力軸が、図49における時計回り方向へ角度θ3(θ1>θ3)だけ回動される。これにより、巻取り装置34のリール38が時計回り方向へ角度θ3だけ回転駆動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される構造になっている。
【0055】
次に、第3実施形態の作用を説明する。
まず、薄膜32の巻取り初期の状態、すなわち、リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り径Wが小さい状態(図37の(a)参照)の時に、昇降フレーム6を下降させると、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、結合機構(結合手段)を介してリンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに図47における時計回り方向へ回動される。これにより、リンク部材Bを介してリンク部材Aが図47における反時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図47における反時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。ここでは、ワンウェイクラッチにより、入力軸に入力された図47における反時計回り方向の回転力が出力軸へ伝達されないため、リール38が駆動されず、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しは実施されない。
【0056】
次に、昇降フレーム6を上昇させると、リンク部材F〜Bを介してリンク部材Aが図47における時計回り方向へ角度θ1だけ回動されて、これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸が、図47における時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これにより、リール38が時計回り方向へ角度θ1だけ回転駆動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される。そして、リール38にある程度の薄膜32が巻き取られた状態の時に、昇降フレーム6を下降させると、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、結合機構(結合手段)を介してリンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに時計回り方向へ回動される。そして、図47に示されるように、検出部材63が薄膜32に当接した時点で、リンク部材Dの軸73(結合機構)とリンク部材Cの長孔72(結合機構)とが摺動(相対移動)を開始する。これに伴い、リンク部材Cの固定軸40の回りの回動が停止して、リンク部材Aの反時計回り方向への回動が角度θ3(θ1>θ3)で停止する。
【0057】
そして、図48及び図51に示されるように、リンク部材Dが前進端位置に到達した時点で、リンク部材Dの軸73は、リンク部材Cの長孔72に対して摺動して変位量tだけ相対移動される。この状態で、昇降フレーム6を上昇させると、リンク部材Dが、リンク部材Eによって駆動されて後退(図48における左方向へ移動)する。これに伴い、リンク部材Dの軸73がリンク部材Cの長孔72に対して摺動して変位量tを0にするように相対移動される。そして、当該軸73と長孔72との変位量tが0になった時点、すなわち、当該軸73が長孔72の図48における左側端部に当接した時点から、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、リンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに図48における反時計回り方向へ回動を開始する。これに伴い、図49に示されるように、リンク部材Aが図49における時計回り方向へ回動されて、これにより、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図49における時計回り方向へ角度θ3(θ1>θ3)だけ回動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される。
【0058】
第3実施形態では以下の効果を奏する。
薄膜剥離装置71は、検出部材63によって検出された薄膜32の巻取り量に応じて、結合機構(結合手段)の摺動量、すなわち、リンク部材D(駆動部材)の軸73とリンク部材Cの長孔72との摺動量(変位量t)が調節される。したがって、リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り径が大きくなるのに応じてリンク部材Dの軸73とリンク部材Cの長孔72との摺動量(変位量t)を増加させることにより、リンク部材Dによるリンク部材C(回転動力伝達部材)の操作量、すなわち、巻取り装置34(巻取り手段)の1サイクル当りのリール38の回転量θを例えばθ1からθ3へ減少させることにより、連続集合鉢体10から引き出される連続体11の引き出し量を一定に保持することができる。また、巻取り量を検出するためのセンサや該センサの検出信号に基き巻取り軸39を回転駆動させる電動モータ等を使用しないで、薄膜剥離装置71を機械的に構成することができるため、装置71が簡素に構成されて製造コストの増大を防ぐと共にメンテナンスも容易で信頼性の高い装置71を提供することができる。
【0059】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態を図52〜図55に基き説明する。なお、上述した第1実施形態と同一又は相当する構成要素には同一の名称及び符号を付与して、重複する詳細な説明を省く。図52に示されるように、第4実施形態の薄膜剥離装置81は、リンク部材C(回転動力伝達部材)の他方のアームの端部にカムフォロア82(結合手段)を設けておいて、該カムフォロア82を移植機1が走行するのに連動して回転するカム83(駆動部材)に当接させるように構成したものである。リンク部材Cは、ばね84のばね力によって図52に示される初期位置に復帰されるように構成される。カムフォロア82は、その詳細な機構の図示を省略するが、リンク部材Cの他方のアームに対して摺動可能、すなわち、移動可能に構成される。カム83は、図示を省略するカム駆動機構を備えており、該カム駆動機構によって移植機1が走行するのに連動して回転することが可能である。
【0060】
次に、第4実施形態の作用を説明する。
まず、薄膜32の巻取り初期の状態、すなわち、リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り径Wが小さい状態(図37の(a)参照)の時に、移植機1を走行させると、カム83(駆動部材)が図52における反時計回り方向へ回転する。これにより、リンク部材C(回転動力伝達部材)が固定軸40の回りに図52における時計回り方向へ回動して、リンク部材Bを介してリンク部材Aが図52における反時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図52における反時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。ここでは、ワンウェイクラッチにより、入力軸に入力された図52における反時計回り方向の回転力が出力軸へ伝達されないため、リール38が駆動されず、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しは実施されない。
【0061】
そして、図53に示されるように、カム83とカムフォロア82との係合が外れると、リンク部材Cがばね84のばね力によって反時計回り方向へ回動して、図52に示される初期位置に復帰される。これにより、リンク部材Aはリンク部材Bを介して図52における時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸が、図52における時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これにより、リール38が時計回り方向へ角度θ1だけ回転駆動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される。そして、リール38にある程度の薄膜32が巻き取られた状態の時に、移植機1を走行させると、リンク部材C(回転動力伝達部材)がカム83(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに時計回り方向へ回動される。そして、図54に示されるように、検出部材63が薄膜32に当接した時点で、カムフォロア82はリンク部材Cの他方のアームに対して摺動、すなわち、固定軸40に向けた方向への移動を開始する。これに伴い、リンク部材Cの固定軸40の回りの回動が停止して、リンク部材Aの反時計回り方向への回動が角度θ4(θ1>θ4)で停止する。
【0062】
そして、図55に示されるように、カム83とカムフォロア82との係合が外れる直前の状態では、カムフォロア82はリンク部材Cのアームに対して摺動して変位量t(図示省略)だけ相対移動される。この状態で、図53に示されるように、カム83とカムフォロア82との係合が外れると、リンク部材Cは、ばね84のばね力によって反時計回り方向へ駆動されて図52に示される初期位置に復帰する。これに伴い、リンク部材Aが図53における時計回り方向へ角度θ4(θ1>θ4)だけ回動される。これにより、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図53における時計回り方向へ角度θ4(θ1>θ4)だけ回動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される。
【0063】
第4実施形態では以下の効果を奏する。
薄膜剥離装置81は、検出部材63によって検出された薄膜32の巻取り量に応じて、カムフォロア82(結合手段)の摺動量が調節される。したがって、リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り径が大きくなるのに応じてリンク部材Cのアームに対するカムフォロア82の摺動量(変位量t)を増加させることにより、カム83(駆動部材)によるリンク部材C(回転動力伝達部材)の操作量、すなわち、巻取り装置34(巻取り手段)の1サイクル当りのリール38の回転量θを例えばθ1からθ4へ減少させることにより、連続集合鉢体10から引き出される連続体11の引き出し量を一定に保持することができる。また、巻取り量を検出するためのセンサや該センサの検出信号に基き巻取り軸39を回転駆動させる電動モータ等を使用しないで、薄膜剥離装置81を機械的に構成することができるため、装置81が簡素に構成されて製造コストの増大を防ぐと共にメンテナンスも容易で信頼性の高い装置81を提供することができる。
【0064】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態を図56〜図58に基いて説明する。なお、上述した第1実施形態と同一又は相当する構成要素には同一の名称及び符号を付与して、重複する詳細な説明を省く。図56及び図57に示されるように、第5実施形態の薄膜剥離装置91は、リンク部材D(駆動部材)とリンク部材C(回転動力伝達部材)とが結合部材92(結合手段)を介して摺動可能に結合される点、リンク部材C(回転動力伝達部材)に、リール38に巻き取られた薄膜32に当接されて当該リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り量を検出する検出部材63が設けられて、該検出部材63によって検出された薄膜32の巻取り量に応じて、結合部材92を介して摺動するリンク部材D(駆動部材)とリンク部材C(回転動力伝達部材)との摺動量(相対移動量)が調節される点において、第1実施形態の薄膜剥離装置13(図1参照)と主要な構成が異なる。なお、薄膜剥離装置91の巻取り機構は、リンク部材C(回転動力伝達部材)とリンク部材D(駆動部材)と結合部材92(結合手段)とを含む。
【0065】
図56に示されるように、リンク部材C(回転動力伝達部材)は、略ブーメラン形に形成されて、その屈折部が固定軸40の回りに回転可能に支持される。また、リンク部材Cは、一方のアームの端部がリンク部材Bに連接される。図58にも示されるように、結合部材92(結合手段)は、長丸形に形成されて、一端部92aがリンク部材Cの他方のアームの端部に回動(つまり摺動)可能に接続されると共に他端部92bがリンク部材Dの一端部(図56における右側の端部)に回動(つまり摺動)可能に接続される。また、結合部材92は、リンク部材Cの他方のアームに設けられたストッパ93によって、回動軸94の回りの図56における反時計回り方向への回動が、当該結合部材92とリンク部材Cの他方のアームとが直線状に配置された状態までに規制される構造になっている。
【0066】
薄膜剥離装置91は、検出部材63がリンク部材C(回転動力伝達部材)の上面に立設されて、巻取り初期の状態(図37の(a)参照)の時には、リンク部材D(駆動部材)の駆動によってリンク部材Cを固定軸40の回りに図56における時計回り方向へ回動させても、その回動の過程(途中)で検出部材63がリール38に巻き取られた薄膜32に当接しないように、すなわち、リンク部材Dと結合部材92(結合手段)とが摺動つまり回動軸94の回りに回動(相対移動)しないように、検出部材63の形状及び配置が設定される。なお、リンク部材Cと結合部材92との回動時の摺動抵抗は、当該リンク部材Dを前進(図56における右方向へ移動)させた時に、リンク部材Dの駆動力を結合部材92を介してリンク部材Cに伝達して、該リンク部材C、延いては、リンク部材B並びにリンク部材Aを駆動することができるように設定される。また、リンク部材Dの他端部(図56における左側の端部)は、ヒンジ66を介してリンク部材Eの端部に接続される。
【0067】
また、薄膜剥離装置91は、リンク部材D(駆動部材)の駆動によってリンク部材C(回転動力伝達部材)が固定軸40の回りに図56における時計回り方向へ回動される過程、すなわち、リンク部材Dが前進(図56における右方向へ移動)して前進端位置に到達するまでの過程で、図57に示されるように、検出部材63の先端部がリール38に巻き取られた薄膜32に当接されると、当該検出部材63と薄膜32とが当接された時点で、図58に示されるように、リンク部材Cと結合部材92(結合手段)とが摺動すなわち回動軸94の回りに回動(相対移動)を開始して、これに伴い、リンク部材Cの固定軸40の回りの回動が停止される。したがって、薄膜剥離装置91では、リンク部材Dを前進端位置まで前進させた後、後退端位置(図56に示される元の位置)まで後退させると、ワンウェイクラッチの入力軸が、図58における時計回り方向へ角度θ5(θ1>θ5)だけ回動される。これにより、巻取り装置34のリール38が時計回り方向へ角度θ5だけ回転駆動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される構造になっている。
【0068】
次に、第5実施形態の作用を説明する。
まず、薄膜32の巻取り初期の状態、すなわち、リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り径Wが小さい状態(図37の(a)参照)の時に、昇降フレーム6を下降させると、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、結合部材92(結合手段)を介してリンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに時計回り方向へ回動される。これにより、リンク部材Bを介してリンク部材Aが図56における反時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図56における反時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。ここでは、ワンウェイクラッチにより、入力軸に入力された図56における反時計回り方向の回転力が出力軸へ伝達されないため、リール38が駆動されず、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しは実施されない。
【0069】
次に、昇降フレーム6を上昇させると、リンク部材F〜B、ならびにストッパ93によって回動軸94の回りの回動が規制された結合部材92を介してリンク部材Aが図56における時計回り方向へ角度θ1だけ回動されて、これに伴い、ワンウェイクラッチの入力軸が、図56における時計回り方向へ角度θ1だけ回動される。これにより、リール38が時計回り方向へ角度θ1だけ回転駆動されて、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される。そして、図56に示されるように、リール38にある程度の薄膜32が巻き取られた状態の時に、昇降フレーム6を下降させると、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、結合部材92(結合手段)を介してリンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに時計回り方向へ回動される。そして、図57及び図58に示されるように、検出部材63が薄膜32に当接した時点で、リンク部材Cと結合部材92(結合手段)とが摺動すなわち回動軸94の回りに回動(相対移動)を開始する。これに伴い、リンク部材Cの固定軸40の回りの回動が停止して、リンク部材Aの図58における反時計回り方向への回動が角度θ5(θ1>θ5)で停止する。
【0070】
そして、図58に示されるリンク部材Dが前進端位置に位置した状態から、昇降フレーム6を上昇させると、リンク部材Dが、リンク部材Eによって駆動されて後退(図58における左方向へ移動)する。これに伴い、結合部材92がリンク部材Cに対して回動軸94の回りに図58における反時計回り方向へ回動して、当該結合部材92の側端面がストッパ93に当接した時点(図57参照)から、リンク部材C(回転動力伝達部材)が、結合部材92(結合手段)を介してリンク部材D(駆動部材)によって駆動されて固定軸40の回りに図57における反時計回り方向へ回動する。これに伴い、リンク部材Aが図57における時計回り方向へ回動して、ワンウェイクラッチの入力軸(軸39に同じ)が、図57における時計回り方向へ角度θ5(θ1>θ5)だけ回動される。これにより、薄膜32の巻取り及び連続体11の引き出しが実施される。
【0071】
第5実施形態では以下の効果を奏する。
薄膜剥離装置91は、検出部材63によって検出された薄膜32の巻取り量に応じて、リンク部材D(駆動部材)と結合部材92(結合手段)との摺動量すなわち回動量(相対移動量)が調節される。したがって、リール38に巻き取られた薄膜32の巻取り径が大きくなるのに応じて、リンク部材Dと結合部材92との摺動量すなわち回動量(相対移動量)を増加させることにより、リンク部材Dによるリンク部材C(回転動力伝達部材)の操作量、すなわち、巻取り装置34(巻取り手段)の1サイクル当りのリール38の回転量θを例えばθ1からθ5へ減少させることにより、連続集合鉢体10から引き出される連続体11の引き出し量を一定に保持することができる。また、巻取り量を検出するためのセンサや該センサの検出信号に基き巻取り軸39を回転駆動させる電動モータ等を使用しないで、薄膜剥離装置91を機械的に構成することができるため、装置91が簡素に構成されて製造コストの増大を防ぐと共にメンテナンスも容易で信頼性の高い装置91を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】薄膜剥離装置を運用した移植機の平面図である。
【図2】薄膜剥離装置を運用した移植機の左側面図である。
【図3】移植機の位置決め時の指標となる覆土鎮圧装置と苗との位置関係を示す正面図である。
【図4】図3における平面図であって、特に覆土鎮圧装置をローラのみで示した図である。
【図5】覆土鎮圧装置によって苗の周囲が覆土鎮圧される様子を示す正面図である。
【図6】図5における平面図であって、特に覆土鎮圧装置をローラのみで示した図である。
【図7】開孔器の正面図であって、特に開閉部材が閉じられた状態を示す図である。
【図8】開孔器の正面図であって、特に開閉ピンが持ち上げられて開閉部材が開かれた状態を示す図である。
【図9】ヨークの動作説明図であって、(a)は操作部が後方へ操作(傾倒)された場合のヨークの動作を示し、(b)は操作部が前方へ操作(傾倒)された場合のヨークの動作を示す。また、(c)と(d)はヨークに別個に回転軸を設けたときの動作を示す図である。
【図10】操作部の操作に連動する各部の状態を示す左側面図であって、操作部が操作されていない状態を示す図である。
【図11】図10の状態から操作部を押し下げて昇降フレームを中間位置まで下降させた状態を示す図である。
【図12】図11の状態から操作部をさらに押し下げて規制板を圃場に接地させ、その接地後、操作部を後方へ操作した状態を示す図である。
【図13】図12の状態から操作部を引き上げて昇降フレームを中間まで上昇させた状態を示す図である。
【図14】図12の状態における開孔器の正面図であって、特に開閉部材が閉じられた状態を示す図である。
【図15】図12の状態における開孔器の正面図であって、特に開閉部材が開かれた状態を示す図である。
【図16】ロック機構によって開閉部材が開かれた状態でロックされた開孔器の正面図である。
【図17】第1実施形態の薄膜剥離装置の概略構成を説明する平面図である。
【図18】第1実施形態の薄膜剥離装置の巻取り装置の動作説明図であって、昇降フレームが上昇端に位置する場合を示す平面図である。
【図19】図18に対応する巻取り機構の状態を示す移植機の左側面図である。
【図20】第1実施形態の薄膜剥離装置の巻取り装置の動作説明図であって、昇降フレームが下降端に位置する場合を示す平面図である。
【図21】図20に対応する巻取り機構の状態を示す移植機の左側面図である。
【図22】第1実施形態の薄膜剥離装置の巻取り装置の動作説明図であって、昇降フレームを下降端から上昇端へ移動させた場合を示す平面図である。
【図23】第1実施形態の巻取り装置の平面図であって、特に薄膜の巻取りが完了したリールを示す図である。
【図24】図23における左側面図である。
【図25】図24の状態でリールに対して受け板を持ち上げることで、リールに巻回された使用済みの薄膜が受け板と共にリールから取り外される様子を示す図である。
【図26】根切り機構の動作説明図であって、操作部が操作される前の状態を示す平面図である。
【図27】図26に対応する根切り機構の状態を示す移植機の左側面図である。
【図28】根切り機構の動作説明図であって、操作部が前方へ操作された状態を示す平面図である。
【図29】図28に対応する根切り機構の状態を示す移植機の左側面図である。
【図30】図28の状態から操作部が直立状態に戻された場合の、根切り機構の各要素の動作を説明する平面図である。
【図31】覆土鎮圧装置によって苗の植付け姿勢が矯正される様子を、(a)、(b)、(c)を以って段階的に示した図である。
【図32】第1実施形態の他の実施形態の説明図であって、移植機から主要部のみを取り出して用いる場合の図である。
【図33】第1実施形態の他の実施形態の説明図であって、付勢部材によって一対の回動アームが元の状態に復帰される覆土鎮圧装置を示す平面図である。
【図34】第1実施形態の他の実施形態の説明図であって、覆土鎮圧装置において転動面に溝が設けられたローラを示す平面図である。
【図35】第1実施形態の他の実施形態の説明図であって、覆土鎮圧装置において苗の四方から覆土鎮圧する場合のローラの配置を示す平面図である。
【図36】第1実施形態の薄膜剥離装置の巻取り装置における受け板の他の実施形態を示す図であって、(a)は受け板が網状の場合を示し、(b)は受け板がトライアングル状の場合を示す。
【図37】第1実施形態の薄膜剥離装置の巻取りの状態を示す模式図であって、(a)は巻取り初期、(b)は巻取り終わりの場合を示す。
【図38】第2実施形態の薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Dが後退端位置に位置する状態を示す図である。
【図39】図38における側面図である。
【図40】第2実施形態の薄膜剥離装置の説明図であって、特に、図38の状態における巻取り機構の状態並びにリールに巻き取られた薄膜との位置関係を示す図である。
【図41】第2実施形態の薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Dが前進端位置に位置する状態を示す図である。
【図42】第2実施形態の薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Dが後退端位置に位置して、さらにリールに薄膜がある程度巻き取られた状態を示す図である。
【図43】図42の状態からリンク部材Dが前進されて検出部材がリールに巻き取られた薄膜に当接された状態を示す図である。
【図44】図40の状態からリンク部材Dが前進されて検出部材がリールに巻き取られた薄膜に当接された状態を示す図である。
【図45】図43の状態からリンク部材Dがさらに前進されて前進端位置に到達した状態を示す図である。
【図46】図44の状態からリンク部材Dがさらに前進されて前進端位置に到達した状態を示す図である。
【図47】第3実施形態の薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Dが後退端位置に位置する状態を示す図である。
【図48】図47の状態からリンク部材Dが前進されて前進端位置に到達した状態を示す図である。
【図49】図48の状態からリンク部材Dが後退されて後退端位置に到達した状態を示す図である。
【図50】図47の状態におけるリンク部材Dの軸とリンク部材Cの長孔との相対位置を示す図である。
【図51】図48の状態におけるリンク部材Dの軸とリンク部材Cの長孔との相対位置を示す図である。
【図52】第4実施形態の薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Cが初期位置に位置する状態を示す図である。
【図53】図52の状態でカムが回転して検出部材がリールに巻き取られた薄膜に当接された状態を示す図である。
【図54】図53の状態からさらにカムが回転してカムとカムフォロアとの係合が外れる直前の状態を示す図である。
【図55】図53の状態からさらにカムが回転してカムとカムフォロアとの係合が外れてリンク部材Cが初期位置に復帰した状態を示す図である。
【図56】第5実施形態の薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Dが後退端位置に位置する状態を示す図である。
【図57】図56の状態からリンク部材Dが前進されて検出部材がリールに巻き取られた薄膜に当接された状態を示す図である。
【図58】第5実施形態の薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Dが前進端位置に位置する状態を示す図である。
【図59】第2実施形態の他の態様を示す薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Cと本体フレームの天板とを引張りコイルばねによって接続した態様を示す図である。
【図60】第2実施形態の他の態様を示す薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Aとリンク部材Bとを引張りコイルばねによって接続した態様を示す図である。
【図61】第2実施形態の他の態様を示す薄膜剥離装置の平面図であって、特に、リンク部材Aと本体フレームの天板とを引張りコイルばねによって接続した態様を示す図である。
【図62】第2実施形態の他の態様を示す薄膜剥離装置の平面図であって、特に、結合部材の他片とリンク部材Dの外周面に取付けたばね受との間に圧縮コイルばねを介在させた態様を示す図である。
【図63】第2実施形態の他の態様を示す薄膜剥離装置の平面図であって、特に、ねじりコイルばねのばね力によって、ワンウェイクラッチの入力軸を時計回り方向へ付勢させた態様を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
1 移植機、3 苗、5 操作部、9 苗載置部、10 連続集合鉢体、11 連続体、12 鉢体、13 薄膜剥離装置、32 薄膜、33 分離ローラ(ガイド部材)、34 巻取り装置(巻取り手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する二枚の帯状薄膜を所定間隔で接合して相互の接合部間を鉢体とする連続体を形成して、該連続体を重ね合せると共に該重ね合された前記連続体の相互間を水溶性接着剤にて貼着して連続集合鉢体を形成して、各鉢体に種苗が詰められた前記連続体の接合部を順次剥離して前記連続集合鉢体から苗が個別に取り出される薄膜剥離装置であって、
前記連続体を分離させた各薄膜を担持する一対のガイド部材と、
各ガイド部材によって担持された各薄膜を合一しながら巻き取ることで前記連続集合鉢体から前記連続体が引き出される巻取り手段と、
を具備することを特徴とする薄膜剥離装置。
【請求項2】
各鉢体に種苗が詰められた前記連続体が載置される苗載置部を具備することを特徴とする請求項1に記載の薄膜剥離装置。
【請求項3】
前記連続集合鉢体から引き出された前記連続体を前記一対のガイド部材間に案内する案内部材を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜剥離装置。
【請求項4】
前記案内部材は、
湾曲且つ相互に外側へ傾倒させた一対の板材を線対称に配置して構成されることを特徴とする請求項3に記載の薄膜剥離装置。
【請求項5】
前記巻取り手段は、
リールと、該リールに対して巻取り軸方向へ移動可能な受け部材とを備えて、
前記リールによって巻き取られた前記受け部材上の薄膜が、前記受け部材を前記リールの上方へ動かすことで、前記リールから取り外されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薄膜剥離装置。
【請求項6】
前記連続体を分離させた各薄膜の相互の対向面に当接されるスクレーパを具備することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の薄膜剥離装置。
【請求項7】
前記一対のガイド部材が、前記連続体を分離させた各薄膜を各外周面によって担持する一対のフリーローラであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の薄膜剥離装置。
【請求項8】
前記巻取り手段は、
前記巻取り軸へ回転動力を伝達して前記リールを回転させる回転動力伝達部材と、
該回転動力伝達部材を駆動する駆動部材と、
該駆動部材と前記回転動力伝達部材とを相対的に移動可能に結合させる結合手段と、
を含む巻取り機構を具備することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の薄膜剥離装置。
【請求項9】
前記結合手段は、前記駆動部材と前記回転動力伝達部材とを摺動可能に結合させるものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の薄膜剥離装置。
【請求項10】
前記巻取り手段は、
前記巻取り機構に設けられて前記リールに巻き取られた前記薄膜に当接されて該リールに巻き取られた前記薄膜の巻取り量を検出する検出部材を備えて、該検出部材によって検出された前記薄膜の巻取り量に応じて、前記駆動部材と前記回転動力伝達部材との摺動量が調節されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の薄膜剥離装置。
【請求項11】
前記連続集合鉢体から取り出された苗が投入される苗投入口と、
該苗投入口に投入される苗の根が切断される根切り手段と、
を具備することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の薄膜剥離装置。
【請求項1】
対向する二枚の帯状薄膜を所定間隔で接合して相互の接合部間を鉢体とする連続体を形成して、該連続体を重ね合せると共に該重ね合された前記連続体の相互間を水溶性接着剤にて貼着して連続集合鉢体を形成して、各鉢体に種苗が詰められた前記連続体の接合部を順次剥離して前記連続集合鉢体から苗が個別に取り出される薄膜剥離装置であって、
前記連続体を分離させた各薄膜を担持する一対のガイド部材と、
各ガイド部材によって担持された各薄膜を合一しながら巻き取ることで前記連続集合鉢体から前記連続体が引き出される巻取り手段と、
を具備することを特徴とする薄膜剥離装置。
【請求項2】
各鉢体に種苗が詰められた前記連続体が載置される苗載置部を具備することを特徴とする請求項1に記載の薄膜剥離装置。
【請求項3】
前記連続集合鉢体から引き出された前記連続体を前記一対のガイド部材間に案内する案内部材を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜剥離装置。
【請求項4】
前記案内部材は、
湾曲且つ相互に外側へ傾倒させた一対の板材を線対称に配置して構成されることを特徴とする請求項3に記載の薄膜剥離装置。
【請求項5】
前記巻取り手段は、
リールと、該リールに対して巻取り軸方向へ移動可能な受け部材とを備えて、
前記リールによって巻き取られた前記受け部材上の薄膜が、前記受け部材を前記リールの上方へ動かすことで、前記リールから取り外されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薄膜剥離装置。
【請求項6】
前記連続体を分離させた各薄膜の相互の対向面に当接されるスクレーパを具備することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の薄膜剥離装置。
【請求項7】
前記一対のガイド部材が、前記連続体を分離させた各薄膜を各外周面によって担持する一対のフリーローラであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の薄膜剥離装置。
【請求項8】
前記巻取り手段は、
前記巻取り軸へ回転動力を伝達して前記リールを回転させる回転動力伝達部材と、
該回転動力伝達部材を駆動する駆動部材と、
該駆動部材と前記回転動力伝達部材とを相対的に移動可能に結合させる結合手段と、
を含む巻取り機構を具備することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の薄膜剥離装置。
【請求項9】
前記結合手段は、前記駆動部材と前記回転動力伝達部材とを摺動可能に結合させるものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の薄膜剥離装置。
【請求項10】
前記巻取り手段は、
前記巻取り機構に設けられて前記リールに巻き取られた前記薄膜に当接されて該リールに巻き取られた前記薄膜の巻取り量を検出する検出部材を備えて、該検出部材によって検出された前記薄膜の巻取り量に応じて、前記駆動部材と前記回転動力伝達部材との摺動量が調節されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の薄膜剥離装置。
【請求項11】
前記連続集合鉢体から取り出された苗が投入される苗投入口と、
該苗投入口に投入される苗の根が切断される根切り手段と、
を具備することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の薄膜剥離装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【公開番号】特開2008−29326(P2008−29326A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−128276(P2007−128276)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000231981)日本甜菜製糖株式会社 (58)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000231981)日本甜菜製糖株式会社 (58)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]