説明

薄膜塗布方法及びその制御装置

【課題】 基板周縁部ではノズルによる薬液の噴霧密度を低くして塗布することによって、基板全面に亘って膜厚が均一な薄膜の塗布を可能にしようとする薄膜塗布方法及びその制御装置を提供することである。
【解決手段】 薬液を噴霧するノズル1と基板2とを相対移動させて該基板2の表面に薄膜を塗布する方法であって、上記薬液の基板2面に対する噴霧密度が、上記基板2の中心部よりも周縁部2a〜2dで低くなるようにして塗布するようにしたものである。これにより、基板2の周縁端部2aから2dにおける薄膜の盛り上がりを抑制し、基板全面に亘って膜厚の均一化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板に薬液を噴霧して薄膜を塗布する薄膜塗布方法及びその制御装置に関し、詳しくは、基板周縁部では薬液の噴霧密度を低くして塗布することにより、基板全面に亘って膜厚が均一な薄膜の塗布を可能にしようとする薄膜塗布方法及びその制御装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来の薄膜塗布方法としては、平板な基板面上に薬液を所望の量だけ滴下した後、基板を所定の回転速度で回転し、遠心力を利用して薬液を基板全面に塗布すると共に、余分な薬液を基板外に排除して行っていた。また、一定速度の下に二次元的に移動するノズルで薬液を噴射して、基板表面に薄膜を塗布する方法もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従来の薄膜塗布方法においては、程度の差はあるものの、いずれの場合も薬液の表面張力により基板周縁端部で膜厚が厚くなる問題があった。薬液噴霧方式においては、基板端部での薬液の跳ね返りが基板周縁端部の膜厚を厚くしていることも考えられる。
【0004】このように、基板周縁部で膜厚が厚くなる現象は、外部駆動回路との接続を確保するために基板周辺部に微細な電極パターンの形成が必要な液晶表示パネル等において問題となっていた。即ち、電極を形成するためのレジストマスクの膜厚が基板周縁部で厚くなると、露光用のマスクとレジストとの密着性が確保できず、精度の良いレジストマスクの形成が困難となる。そのため、該レジストマスクをマスクとして電極をエッチング形成するときに上記電極が一部無くなってしまったり、または隣接する電極同士が短絡してしまうといった不良の発生原因となっていた。
【0005】そこで、本発明は、このような問題点に対処し、基板周縁部ではノズルによる薬液の噴霧密度を低くして塗布することによって、基板全面に亘って膜厚が均一な薄膜の塗布を可能にしようとする薄膜塗布方法及びその制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明による薄膜塗布方法は、薬液を噴霧するノズルと基板とを相対移動させて該基板の表面に薄膜を塗布する方法であって、上記薬液の基板面に対する噴霧密度が、上記基板の中心部よりも周縁部で低くなるようにして塗布するようにしたものである。
【0007】このような方法により、ノズルで薬液を噴霧しながら基板との間で相対移動させ、基板の周縁部では中心部よりも薬液の基板面に対する噴霧密度が低くなるように塗布する。これにより、基板の周縁端部における薬液の表面張力による盛り上がりを薬液の基板面に対する噴霧密度を低くして相殺し、膜厚を均一化する。
【0008】また、上記基板表面に薄膜を塗布する際のノズルと基板面との間隔を、該基板の中心部に比較して周縁部では離して塗布するようにしたものである。これにより、基板の中心部に比較して周縁部でノズルと基板面との間隔を離し、薬液の基板面に対する噴霧密度を低くする。
【0009】そして、上記ノズルが上記基板の外方より該基板の周縁部の一端部に近づくに伴って、上記基板面に対する該ノズルの間隔を次第に近づけるようにし、上記基板の上方領域にてノズルと基板面の間隔が所定の値に達すると、その間隔を保持して所定の距離だけ移動させ、該ノズルが上記基板の周縁部の他方の端部に近づくに伴って、上記基板面に対する該ノズルの間隔を次第に離しながら上記基板外に上記ノズルを退避させるようにしたものである。これにより、基板面の上方領域ではノズルと基板面との間隔を所定の値に保持し、基板の周縁部から外方に向かっては上記間隔を次第に離すようにする。
【0010】また、上記基板表面に薄膜を塗布する際のノズルの移動速度を、該基板の中心部に比較して周縁部では速くして塗布するようにしたものである。これにより、基板の中心部に比較して周縁部でノズルの移動速度を速くして、薬液の基板面に対する噴霧密度を低くする。
【0011】そして、上記ノズルが前記基板の外方より該基板の周縁部の一端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に遅くし、上記基板面の上方領域にてノズルの移動速度が所定の速度に達すると、その移動速度を保持して所定の距離だけ移動させ、該ノズルが上記基板の周縁部の他方の端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に速くして上記基板外に上記ノズルを退避させるようにしたものである。これにより、基板面の上方領域ではノズルの移動速度を所定の値に保持し、基板の周縁部から外方に向かっては次第に速くする。
【0012】さらに、上記基板の表面への薄膜塗布は、上記ノズルが上記基板面に沿って往復走査すると共に、該走査方向と直交する方向に移動して上記基板表面の全面に亘って薄膜の塗布を行うようにしたものである。これにより、ノズルを基板面に沿って往復走査させ、さらに該走査方向と直交する方向に移動させて基板表面の全面に亘って薄膜の塗布を行う。
【0013】また、本発明による薄膜塗布制御装置は、薬液を噴霧するノズルを三次元的に移動可能とするものであって、設置した基板のサイズとノズルの移動距離から基板端部までのノズルの移動距離及び基板面に対するノズルの接近距離を演算し、該演算結果に基づいて前記基板面へのノズルの接近状態を制御する制御指令を発する演算部と、上記ノズルの三次元的な駆動動作を制御すると共に、上記演算部の制御指令に基づいて上記ノズルが上記基板の外方より該基板の周縁部の一端部に近づくに伴って、上記基板面に対する該ノズルの間隔を次第に近づけるようにし、上記基板の上方領域にてノズルと基板面の間隔が所定の値に達すると、その間隔を保持して所定の距離だけ移動させ、該ノズルが前記基板の周縁部の他方の端部に近づくに伴って、上記基板面に対する該ノズルの間隔を次第に離しながら上記基板外に上記ノズルを退避させるように制御する駆動制御部と、を備えたものである。
【0014】このような構成により、演算部で設置した基板のサイズとノズルの移動距離から基板端部までのノズルの移動距離及び基板面に対するノズルの接近距離を演算し、該演算結果に基づいて上記基板面へのノズルの接近状態を制御する制御指令を発し、駆動制御部で、上記ノズルの三次元的な駆動動作を制御し、上記演算部の制御指令に基づいて上記ノズルが上記基板の外方より該基板の周縁部の一端部に近づくに伴って、上記基板面に対する該ノズルの間隔を次第に近づけるようにし、上記基板の上方領域にてノズルと基板面の間隔が所定の値に達すると、その間隔を保持して所定の距離だけ移動させ、該ノズルが前記基板の周縁部の他方の端部に近づくに伴って、上記基板面に対する該ノズルの間隔を次第に離しながら上記基板外に上記ノズルを退避させるように制御する。
【0015】また、本発明による薄膜塗布制御装置は、薬液を噴霧するノズルを二次元的に移動可能とするものであって、設置した基板のサイズとノズルの移動距離から基板端部までのノズルの移動距離及び基板面に対するノズルの接近距離を演算し、該演算結果に基づいて前記基板面へのノズルの接近状態を制御する制御指令を発する演算部と、上記ノズルの二次元的な駆動動作を制御すると共に、上記演算部の制御指令に基づいて上記ノズルが上記基板の外方より該基板の周縁部の一端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に遅くし、上記基板面の上方領域にてノズルの移動速度が所定の速度に達すると、その移動速度を保持して所定の距離だけ移動させ、該ノズルが上記基板の周縁部の他方の端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に速くして上記基板外に上記ノズルを退避させるように制御する駆動制御部と、を備えたものである。
【0016】このような構成により、演算部で設置した基板のサイズとノズルの移動距離から基板端部までのノズルの移動距離及び基板面に対するノズルの接近距離を演算し、該演算結果に基づいて前記基板面へのノズルの接近状態を制御する制御指令を発し、制御部で上記ノズルの二次元的な駆動動作を制御すると共に、上記演算部の制御指令に基づいて上記ノズルが上記基板の外方より該基板の周縁部の一端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に遅くし、上記基板面の上方領域にてノズルの移動速度が所定の速度に達すると、その移動速度を保持して所定の距離だけ移動させ、該ノズルが上記基板の周縁部の他方の端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に速くして上記基板外に上記ノズルを退避させるように制御する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明による薄膜塗布方法の実施の形態を示す概略斜視図である。この薄膜塗布方法は、薬液を噴霧するノズル1と基板2とを相対移動させ、薬液の噴霧密度が、上記基板2の中心部よりも周縁端部2a〜2d付近で低くなるようにして塗布するようにしたものである。
【0018】先ず、ノズル1は、図2に示すように、薬液を噴霧しながら基板2の表面に沿って図1におけるX方向へ移動する。このとき、ノズル1は、基板2の外方から基板2の端部2aに近づくに伴って、基板2面に対する間隔を次第に近づけるように下降して行く。ノズル1のこのような動作により、基板2の端部2a近傍部における薬液の噴霧密度は、ノズル1の基板2への接近に伴って次第に高くなって行く。
【0019】そして、ノズル1と基板2表面との間隔が所定の値のz1に達するとノズル1は下降を止め、そのz1値を保持したままさらに基板2表面に沿って平行移動を続ける。この場合は、薬液の噴霧密度は一定となる。
【0020】次に、ノズル1は、基板2のX方向寸法x1にほぼ等しい距離だけ平行移動をした後、基板2の他方の端部2bに近づくに伴って次第に上昇し、基板2の表面との間隔を離して行く。そして、そのまま基板2の外方に退避し、予め設定された移動距離x2だけ移動して停止する。ノズル1のこのような動作により、基板2の端部2b近傍部における薬液の噴霧密度は、ノズル1の基板2からの隔離に伴って次第に低くなって行く。
【0021】また、ノズル1は、図1に示すように、X方向の一走査が終了するとY方向へ所定の距離だけ送られ、さらに逆方向から上述と同様のX方向への走査をする。そして、これを繰返しながらノズル1はY方向への移動を行い、基板2の全面に亘って薄膜3の塗布を行う。
【0022】このときノズル1は、図1におけるY方向への移動については、図3に示すような動作をする。即ち、基板2外方から基板2の端部2cに近づくに伴って、一回送る毎にその高さを下げノズル1と基板2表面間の距離を縮めて行く。このときも、前述と同様に、ノズル1の基板2の端部2cへの接近に伴って、薬液の噴霧密度が次第に高くなって行く。
【0023】そして、ノズル1は、基板2面上では所定の距離z1値を保って送られて行きく。このときは、ノズル1と基板2との間隔が一定に保たれているので、薬液の噴霧密度は一定にとなる。
【0024】そして、基板2のY方向寸法y1にほぼ等しい距離だけ移動した後、基板2の他方の端部2dに近づくに伴って、今度は一回送る毎に上昇し、基板2の表面との距離を離して行く。そして、そのまま基板2外方に退避し、予め設定された移動距離y2だけ移動してY方向への送りを停止する。このときも、前述と同様に、ノズル1の基板2の端部2dからの隔離に伴って、薬液の噴霧密度が次第に低くなって行く。
【0025】このように、ノズル1が薬液を噴霧しながら基板2の外方からその周縁端部2a〜2dに近づくときには、ノズル1と基板2の表面との距離を縮めるように動作させ、基板の内方から上記端部2a〜2dに近づき基板2の外方に退避して行くときには、ノズル1と基板2の表面との距離を離すように動作させて薄膜を塗布するようにしているので、基板2の周縁部では薬液の単位面積当たりの噴霧密度が低くなり、薬液の表面張力や薬液の跳ね返りにより基板2の周縁端部2a〜2dで膜厚が盛り上がり厚くなるのを相殺して基板周縁部においても一定の膜厚の薄膜を塗布することができる。
【0026】図4は、本発明による薄膜塗布制御装置の実施の形態を示すブロックである。この薄膜塗布制御装置4は、上述の薄膜塗布方法を実施するのに使用するもので、入力部5と、演算部6と、駆動制御部7と、を備えて構成されている。
【0027】入力部5は、各種制御データを入力する部分であり、基板サイズ入力部8と、X移動距離入力部9と、Y移動距離入力部10と、送り回数入力部11と、Z値入力部12を有している。基板サイズ入力部8は基板のX方向寸法及びY方向寸法を、X移動距離入力部9はノズル1のX方向への移動距離を、Y移動距離入力部10はノズル1のY方向への移動距離を、送り回数入力部11はY方向への送り回数を、またZ値入力部12は基板2面上におけるノズル1の高さを入力する部分であり、これらは、例えば図示省略の表示画面の指示に従ってキーボードの操作により行うようにされている。
【0028】また、演算部6は、設置した基板2のサイズとノズル1の移動距離から基板端部までのノズル1の移動距離及び基板2面に対するノズル1の接近距離を演算し、該演算結果に基づいて基板2面に対するノズル1の接近状態を制御する制御指令を発するものであり、X演算部13、Y演算部14、Z演算部15を有している。
【0029】X演算部13は、上記入力部5の基板サイズ入力部8及びX移動距離入力部9の入力情報並びに後述のX軸モータ16のエンコーダ19からの位置情報に基づいて演算して制御情報を得るものであり、X移動距離入力部9の入力データと、エンコーダ19から得た位置情報に基づくノズル1のX方向の移動距離とが一致したときにX軸モータ16を停止させ、また、Y方向へ一回の送りがされた場合にはその情報をY演算部14より得て、X軸モータ16を反転させる制御指令を後述のX駆動制御部22に発するようにされている。さらに、X演算部13は、基板サイズ入力部8の入力情報とX移動距離入力部9の入力情報とに基づいて、図2に示すノズル1のX方向移動始点Aから基板2の端部2a、または基板2の端部2bからノズル1のX方向移動終点Bまでの距離を演算し、予め設定されたノズル1のX方向の移動速度を元に上記始点Aから基板端部2aまたは基板端部2bから終点Bまでのノズル1の移動時間を求め、この移動時間情報をZ演算部15に伝えるようにされている。
【0030】また、Y演算部14は、上記入力部5のY移動距離入力部10、送り回数入力部11及び基板サイズ入力部8の入力情報並びに後述のY軸モータ17のエンコーダ20からの位置情報に基づいて演算して制御情報を得るものであり、Y移動距離入力部10の入力データと、エンコーダ20から得た位置情報に基づくノズル1のY方向の移動距離とが一致したときにY軸モータ17の送り動作を停止させると共に、送り回数入力部11の入力情報と基板サイズ入力部8の情報よりY方向への一回の送り幅を演算しその制御指令を後述のY駆動制御部23に発するようにされている。さらに、Y演算部14は、基板サイズ入力部8の入力情報とY移動距離入力部10の入力情報とに基づいて、図3に示すノズル1のY方向送り開始位置Cから基板2の端部2c、または基板2の端部2dからノズル1のY方向送り終了位置Dまでの距離を演算して、上記送り幅を元にその間にY方向への送りが何回行われるかを演算し、その送り回数情報を後述のZ演算部15に伝えるようにされている。
【0031】そして、Z演算部15は、後述のZ軸モータ18のエンコーダ21から得たノズル1のZ方向の位置情報、X演算部13及びY演算部14から得た情報並びに上記入力部5のZ値入力部12の入力情報に基づいて演算して制御情報を得るものであり、Z値入力部12の入力情報からノズル1のZ方向への下降距離または上昇距離を演算し、当該距離情報とX演算部13から得た上記移動時間情報に基づいてノズル1のZ方向への下降または上昇速度を演算して速度の制御指令を、またエンコーダ21からのノズル1の位置情報とZ値入力部12における設定値とが一致したときZ軸モータ18を停止させる制御指令を後述のZ駆動制御部24に発するようにされている。さらに、Z演算部15は、Y演算部14から得た上記送り回数情報を元にY方向送り一回毎のノズル1と基板2表面からの高さを演算して求め、エンコーダ21の位置情報に基づいてノズル1の高さを制御する制御指令を後述のZ駆動制御部24に発するようにされている。
【0032】また、駆動制御部7は、ノズル1の三次元的な駆動動作を制御すると共に、上記演算部6からの制御指令に基づいて上記ノズル1が上記基板2の外方より該基板2の周縁部の一端部に近づくに伴って、該ノズル1を上記基板2面に近づけるようにし、該ノズル1が上記基板2面に沿って平行移動して上記基板2の他の端部に近づくに伴って、該ノズル1を上記基板2面から離すようにして該ノズル1を上記基板2外方に退避させるように制御するものであり、ノズル1をX方向へ移動させるX軸モータ16と、Y方向へ移動させるY軸モータ17と、Z方向へ移動させるZ軸モータ18とを有し、各モータ16〜18はそれぞれ移動距離を計測するためのエンコーダ19,20,21を備えている。
【0033】エンコーダ19〜21はロータリーエンコーダまたはリニアエンコーダ等が適用でき、各モータ16〜18の駆動に基づくノズル1の位置情報を該エンコーダ19〜21で得て上記演算部6に送るようにしている。また、X駆動制御部22、Y駆動制御部23、Z駆動制御部24は演算部6からの制御指令に基づいて動作し、各モータ16〜18を駆動してノズル1に所定の三次元的動作を行わせるようにしている。
【0034】次に、このように構成された薄膜塗布制御装置4の動作について図5及び図6のフローチャートを参照して説明する。図5は、ノズル1のX方向への移動動作の手順を示しており、先ず、X方向の基板サイズ、X移動距離及びZ値等の制御データが入力される(ステップS1)。データ入力は、図4に示す入力部5の基板サイズ入力部8、X移動距離入力部9及びZ値入力部12の操作により行われる。このとき、X演算部13において、入力されたX方向の基板サイズx1及びノズル1のX方向の移動距離x2のデータに基づいて演算がされ、図2に示すノズル1の移動始点Aから基板2の端部2aまでの距離である(x2−x1)/2が求められる。また、予め設定されたノズル1のX方向移動速度によりノズル1の移動始点Aから基板端部2aまでの移動時間が演算される。また、Z演算部19では、入力されたZ値のz1とノズル1の移動開始点Aの高さz2によりノズル1の下降距離である(z2−z1)が求められ、前述のノズル1の移動始点Aから基板端部2aまでの移動時間情報をX演算部13より得て、ノズル1の下降速度が演算され設定される。これにより、ノズル1はスタンバイ状態にされる(ステップS2)。
【0035】次に、図示省略のスタートスイッチがONされる(ステップS3)。これにより、ノズル1から薬液の噴射が始まる(ステップS4)。同時にX軸モータ16の正転がONし(ステップS5)、ノズル1のX方向への移動が所定の速度で開始される。また、Z軸モータ18の正転もONし(ステップS6)、ノズル1が上記設定された速度で下降をする(ステップS7)。
【0036】そして、ステップS8ではノズル1の高さZが最初に入力された設定値のz1に到達したか否かがエンコーダ21の位置情報に基づいてZ演算部15で判断される。ここで、“No”判定の場合にはステップS7に戻り、Z=z1となるまでノズル1は下降を続ける。Z=z1となった場合(Yes判定)は、ステップS9に進んでZ演算部15より停止指令をZ駆動制御部24に発してZ軸モータ18がOFFされる。
【0037】その後、ノズル1は図2に示すように、高さz1を保持して基板2の表面に沿って移動を続ける。そして、この間ずっとX方向移動距離が(x1+x2)/2、即ち基板2の端部2bに達したか否かの判定がエンコーダ19の位置情報に基づいてX演算部13で行われる(ステップS10)。ここで、“No”判定の場合には“Yes”判定となるまでノズル1の移動は続く。
【0038】ステップS10において“Yes”判定となるとステップS11に進んで、その情報がZ演算部15に送られ、さらにZ駆動制御部24を制御してZ軸モータ18の逆転がONされる。そして、ノズル1は上昇を開始する(ステップS12)。次に、ステップS13ではノズル1が最上部に達したか否かの判定がエンコーダ21の位置情報に基づいてZ演算部15で行われ、“No”判定が“Yes”判定に変わるまでノズル1の上昇が続く。ここで、“Yes”判定となるとZ演算部15より停止指令がZ駆動制御部24に発せられZ軸モータ18がOFFされる。また、同時にエンコーダ19による位置情報に基づいてX方向のノズル1の位置をX演算部13で判断し、上記位置情報が予め設定されたX方向への移動距離x2と一致したときX軸モータ16の停止指令をX駆動制御部22に発しX軸モータ16を0FFする。さらに、薬液噴射もOFFされる(ステップS14)。
【0039】なお、ステップS1で基板サイズの値としてx1よりも小さい値を入力することによって、ノズル1の最下点z1に達するX方向位置及びノズル1の上昇を開始するX方向位置が基板2の端部2a及び2bよりも内側の位置とすることができる。従って、基板サイズの入力値は必ずしも実際の基板サイズを入力する必要はなく、基板端部における塗布膜厚との関係から実験的に決められるものである。
【0040】次に、ノズル1のY方向への移動動作の手順を図6を参照して説明する。先ず、ステップS20において、Y方向の基板サイズ、Y移動距離、送り回数及びZ値等の制御データが入力される。データ入力は、図4R>4に示す入力部5の基板サイズ入力部8、Y移動距離入力部10、送り回数入力部11及びZ値入力部12の操作により行われる。このとき、Y演算部14において、入力されたY方向の基板サイズy1及びノズル1のY方向への移動距離y2のデータに基づいて演算がされ、図3R>3に示すノズル1の送り開始位置Cから基板2の端部2cまでの距離である(y2−y1)/2が求められる。また、Y方向の移動距離y2と送り回数とにより一回の送り幅が割り出され、これを元に上記送り開始位置Cから基板端部2cまでの間に何回の送りがなされるかが演算される(ステップS21)。また、Z演算部15では、入力されたZ値のz1とノズル1の送り開始位置Cの高さz2とによりノズル1の下降距離である(z2−z1)が求められ、前述のノズル1の送り開始位置Cから基板端部2cまでの送り回数情報をY演算部14より得て、Y方向送りの各回毎の基板2表面に対するノズル1の高さZが演算され設定される。これを一般式で表すと、送り開始位置Cから基板端部2cまでの送り回数をnとしi回目の送りに対するノズル1の高さZは、

となる。ここで、nは正の整数、iは0〜nである。
【0041】ステップS22では、X方向への最初の薬液塗布が行われる。このとき、Y軸モータ17はOFFされ、ノズル1の高さは(1)式に基づいてZ演算部部15で演算され設定される。具体的には、Y方向の送りがなされていないためi=0であり、ノズル1の高さZはz2となる。
【0042】次に、Y演算部14からの制御指令に基づいてY駆動制御部23が動作しY軸モータ17の正転をONし(ステップS23)、Y方向への1回目のノズル1の送りがされる(ステップS24)。このとき、Z演算部15ではY演算14からのY方向への送り回数情報を得て、(1)式にに基づいて、i=nであるか否かが判定される(ステップS25)。ここで、“No”判定の場合は、ステップS22に戻って、(1)式に基づくノズル1の高さがエンコーダ21の位置情報を得てZ駆動制御部24を制御して設定され、引き続きX方向への薬液塗布が行われる。そして、i=nとなるまでステップS22〜S25が繰返される。
【0043】ステップS25において、“Yes”判定となった場合は、ステップS26に進んでY演算部14の制御指令に基づいてY駆動制御部23が制御されY軸モータ17が正転をONし、ノズル1がY方向へ1回送られる(ステップS27)。ここで、エンコーダ20の位置情報に基づいて所定の送り幅だけノズル1が送られるとY演算部14より停止指令がY駆動制御部23に発せられ、Y軸モータ17はOFFする。一方、ノズル1の高さZは、エンコーダ21の位置情報に基づいてZ演算部15によりZ駆動制御部24を制御してZ軸モータ18を駆動しz1値に設定される。この状態でX方向の薬液塗布がなされる(ステップS28)。そして、ステップS29ではY方向のノズル1の移動距離が(y1+y2)/2となったか否かがエンコーダ20の位置情報に基づいてY演算部14で判定される。即ち、ノズル1が基板2の端部2dに達したか否かの判定が行われる。ここで、“No”判定の場合は、ステップS26に戻り、“Yes”判定となるまでステップS26〜S29が繰返される。そして、“Yes”判定となるとステップS30に進む。
【0044】ステップS30では、Y軸モータ17をOFFし、ステップS22と同様にしてノズル1の上昇時におけるY方向への送りの、各回毎のノズル1の高さZが図4のZ演算部15で演算され設定される。これを一般式で表すと、基板端部2dから送り終了位置Dまでの送り回数をnとしi回目の送りに対するノズル1の高さZは、

となる。ここで、nは正の整数、iは0〜nである。
【0045】ステップS30では、i=0であるため(2)式によりノズル1の高さZはz1となり、Z=z1におけるX方向の最後の薬液塗布が行われる。そして、その薬液塗布が終了するとY軸モータ17が正転し(ステップS31)、ノズル1を送る(ステップS32)。
【0046】次に、ステップS33では、i=nか否かがY演算部14からの送り回数情報に基づいてZ演算部15で判定される。ここで、“No”判定の場合はステップS30に戻り、“Yes”判定となるまでステップS30〜S33が繰返され、ノズル1は前述と同様に制御されY方向へ一回送られる度に所定の高さに上昇して行く。そして、“Yes”判定となるとY軸モータ17はOFFし、ノズル1のY方向への送り動作は全て終了し(ステップS34)、ノズル1は最上部に達する(図3R>3参照)。
【0047】なお、X方向へのノズル1の移動動作と同様に、ステップS20で基板サイズの値としてy1よりも小さい値を入力することによって、ノズル1の最下点z1に達するY方向位置及びノズル1の上昇を開始するY方向位置が基板2の端部2c及び2dよりも内側の位置とすることができる。従って、基板サイズの入力値は必ずしも実際の基板サイズを入力する必要はなく、基板端部における塗布膜厚との関係から実験的に決められるものである。
【0048】上述した図5に示すノズル1のX方向への移動動作と、図6に示すY方向への送り動作を組合わせることにより基板2の表面全体に亘って均一な薄膜塗布が可能となる。
【0049】このように、この薄膜塗布制御装置4は、図1に示すように、基板周縁部においてノズル1と基板2の表面との距離を離すようにして薬液を噴霧するように制御するものであり、基板2の周縁部で薬液の単位面積当たりの噴霧密度を低くでき、薬液の表面張力により基板2の周縁端部2a〜2dで薄膜の膜厚が厚くなるのを相殺して薄膜塗布をすることができる。従って、基板全面に亘って均一な薄膜形成が可能となる。
【0050】ノズル1に三次元的動作をさせるための装置としては、例えば図7に示すアーム式ロボットや図8に示すような3次元駆動装置が適用できる。図7のアーム式ロボットは、アーム25,26,27の回転運動によりXY平面(X軸を含み紙面に垂直な平面)内の二次元動作を行わせると共に、昇降軸28によりノズル1をZ方向へ移動させるものである。アーム25,26,27の回転角度及び回転方向をそれぞれ独立に制御することによりノズル1に直線的移動をさせることができる。また、アーム25,26,27の回転速度を制御することによりノズル1の移動速度も制御することができる。
【0051】また、図8の三次元駆動装置は、平行に配置されたY軸方向のガイド軸29に沿って移動するY軸駆動部30と、該Y軸駆動部30上に立設したZ軸方向のガイド軸31に沿って移動するZ軸駆動部32と、対向して配置した該Z軸駆動部32を連結するX方向のガイド軸33と、該ガイド軸33に沿って移動するX軸駆動部34とを有し、該X軸駆動部34にノズル1を備えたものである。
【0052】なお、図8の三次元駆動装置は、Z軸方向への移動機能のみを備え、ノズル1に対向して配設した図示省略の基板をX方向、Y方向へ移動させるようにすることもできる。また、X方向への移動のみを基板側で行うようにさせてもよい。
【0053】また、薬液の噴霧密度が、基板の中心部よりも周縁端部付近で低くなるようにして塗布する方法は、上述した方法に限らず、例えば、ノズル移動速度を基板の中心部に比較して周縁部では速くするようにして塗布するようにしてもよい。具体的には、上記ノズルが前記基板の外方より該基板の周縁部の一端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に遅くし、上記基板面の上方領域にてノズルの移動速度が所定の速度に達すると、その移動速度を保持して所定の距離だけ移動させ、該ノズルが上記基板の周縁部の他方の端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に速くして上記基板外に上記ノズルを退避させるようにしても本発明の目的を達成することができる。この場合、前述の実施の形態と異なりノズルと基板とは薄膜塗布期間中一定の距離に保持されている。
【0054】また、上記の薄膜塗布方法に使用される薄膜塗布制御装置は、薬液を噴霧するノズルを二次元的に移動可能とするものであって、設置した基板のサイズとノズルの移動距離から基板端部までのノズルの移動距離及び基板面に対するノズルの接近距離を演算し、該演算結果に基づいて前記基板面へのノズルの接近状態を制御する制御指令を発する演算部と、上記ノズルの二次元的な駆動動作を制御すると共に、上記演算部の制御指令に基づいて上記ノズルが上記基板の外方より該基板の周縁部の一端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に遅くし、上記基板面の上方領域にてノズルの移動速度が所定の速度に達すると、その移動速度を保持して所定の距離だけ移動させ、該ノズルが上記基板の周縁部の他方の端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に速くして上記基板外に上記ノズルを退避させるように制御する駆動制御部と、を備えて構成することによって実現することができる。
【0055】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されたので、請求項1に係る薄膜塗布方法によれば、ノズルで薬液を噴霧しながら基板との間で相対移動させ、基板の周縁部では中心部よりも薬液の基板面に対する噴霧密度が低くなるように塗布する。これにより、基板の周縁端部における薬液の表面張力による盛り上がりを薬液の基板面に対する噴霧密度を低くして相殺し、膜厚を均一化することができる。これにより、基板周縁部における微細なパターン形成も歩留まり良く行うことができる。
【0056】また、請求項2または3に係る発明によれば、基板の中心部に比較して周縁部ではノズルと基板面との間隔を離すことによって、薬液の基板面に対する噴霧密度を低くすることができる。従って、基板周縁端部における膜厚の盛り上がりを抑制して均一な薄膜塗布が可能となる。
【0057】さらに、請求項4または5に係る発明によれば、基板の中心部に比較して周縁部でノズルの移動速度を速くすることによって、薬液の基板面に対する噴霧密度を低くすることができる。従って、これによっても基板周縁端部における膜厚の盛り上がりを抑制して均一な薄膜塗布が可能となる。
【0058】そして、請求項6に係る発明によれば、ノズルを基板面に沿って往復走査させ、さらに該走査方向と直交する方向に移動させることができる。従って、基板表面の全面に亘って薄膜の塗布を行うことができる。
【0059】また、請求項7に係る薄膜塗布制御装置によれば、演算部で設置した基板のサイズとノズルの移動距離から基板端部までのノズルの移動距離及び基板面に対するノズルの接近距離を演算し、該演算結果に基づいて前記基板面へのノズルの接近状態を制御する制御指令を発し、制御部で上記ノズルの二次元的な駆動動作を制御すると共に、上記演算部の制御指令に基づいて上記ノズルが上記基板の外方より該基板の周縁部の一端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に遅くし、上記基板面の上方領域にてノズルの移動速度が所定の速度に達すると、その移動速度を保持して所定の距離だけ移動させ、該ノズルが上記基板の周縁部の他方の端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に速くして上記基板外に上記ノズルを退避させるように制御することができる。これにより、基板の周縁端部における薬液の表面張力による盛り上がりを薬液の基板面に対する噴霧密度を低くして相殺し、膜厚を均一化することができる。
【0060】また請求項8に係る薄膜塗布制御装置によれば、演算部で設置した基板のサイズとノズルの移動距離から基板端部までのノズルの移動距離及び基板面に対するノズルの接近距離を演算し、該演算結果に基づいて前記基板面へのノズルの接近状態を制御する制御指令を発し、制御部で上記ノズルの二次元的な駆動動作を制御すると共に、上記演算部の制御指令に基づいて上記ノズルが上記基板の外方より該基板の周縁部の一端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に遅くし、上記基板面の上方領域にてノズルの移動速度が所定の速度に達すると、その移動速度を保持して所定の距離だけ移動させ、該ノズルが上記基板の周縁部の他方の端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に速くして上記基板外に上記ノズルを退避させるように制御することができる。これによっても、基板の周縁端部における薬液の表面張力による盛り上がりを薬液の基板面に対する噴霧密度を低くして相殺し、膜厚を均一化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による薄膜塗布方法の実施の形態を示す概略斜視図である。
【図2】 図1におけるO−O線矢視図である。
【図3】 図1におけるP−P線矢視図である。
【図4】 本発明による薄膜塗布制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】 ノズルの図2に示す移動動作を説明するフローチャートである。
【図6】 ノズルの図3に示す移動動作を説明するフローチャートである。
【図7】 ノズルをアーム式ロボットに搭載した例を示す概略正面図である。
【図8】 ノズルを三次元駆動装置に搭載した例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1…ノズル
2…基板
2a〜2d…端部
4…薄膜塗布制御装置
6…演算部
7…駆動制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】薬液を噴霧するノズルと基板とを相対移動させて該基板の表面に薄膜を塗布する方法であって、前記薬液の基板面に対する噴霧密度が、前記基板の中心部よりも周縁部で低くなるようにして塗布することを特徴とする薄膜塗布方法。
【請求項2】前記基板表面に薄膜を塗布する際のノズルと基板面との間隔を、該基板の中心部に比較して周縁部では離して塗布することを特徴とする請求項1記載の薄膜塗布方法。
【請求項3】前記ノズルが前記基板の外方より該基板の周縁部の一端部に近づくに伴って、前記基板面に対する該ノズルの間隔を次第に近づけるようにし、前記基板の上方領域にてノズルと基板面の間隔が所定の値に達すると、その間隔を保持して所定の距離だけ移動させ、該ノズルが前記基板の周縁部の他方の端部に近づくに伴って、前記基板面に対する該ノズルの間隔を次第に離しながら前記基板外に前記ノズルを退避させることを特徴とする請求項2記載の薄膜塗布方法。
【請求項4】前記基板表面に薄膜を塗布する際のノズルの移動速度を、該基板の中心部に比較して周縁部では速くして塗布することを特徴とする請求項1記載の薄膜塗布方法。
【請求項5】前記ノズルが前記基板の外方より該基板の周縁部の一端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に遅くし、前記基板面の上方領域にてノズルの移動速度が所定の速度に達すると、その移動速度を保持して所定の距離だけ移動させ、該ノズルが前記基板の周縁部の他方の端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に速くして前記基板外に前記ノズルを退避させる請求項4記載の薄膜塗布方法。
【請求項6】前記基板の表面への薄膜塗布は、前記ノズルが前記基板面に沿って往復走査すると共に、該走査方向と直交する方向に移動して前記基板表面の全面に亘って薄膜の塗布を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜塗布方法。
【請求項7】薬液を噴霧するノズルを三次元的に移動可能とする薄膜塗布制御装置であって、設置した基板のサイズとノズルの移動距離から基板端部までのノズルの移動距離及び基板面に対するノズルの接近距離を演算し、該演算結果に基づいて前記基板面へのノズルの接近状態を制御する制御指令を発する演算部と、前記ノズルの三次元的な駆動動作を制御すると共に、前記演算部の制御指令に基づいて前記ノズルが前記基板の外方より該基板の周縁部の一端部に近づくに伴って、前記基板面に対する該ノズルの間隔を次第に近づけるようにし、前記基板の上方領域にてノズルと基板面の間隔が所定の値に達すると、その間隔を保持して所定の距離だけ移動させ、該ノズルが前記基板の周縁部の他方の端部に近づくに伴って、前記基板面に対する該ノズルの間隔を次第に離しながら前記基板外に前記ノズルを退避させるように制御する駆動制御部と、を備えたことを特徴とする薄膜塗布制御装置。
【請求項8】薬液を噴霧するノズルを二次元的に移動可能とする薄膜塗布制御装置であって、設置した基板のサイズとノズルの移動距離から基板端部までのノズルの移動距離及び基板面に対するノズルの接近距離を演算し、該演算結果に基づいて前記基板面へのノズルの接近状態を制御する制御指令を発する演算部と、前記ノズルの二次元的な駆動動作を制御すると共に、前記演算部の制御指令に基づいて前記ノズルが前記基板の外方より該基板の周縁部の一端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に遅くし、前記基板面の上方領域にてノズルの移動速度が所定の速度に達すると、その移動速度を保持して所定の距離だけ移動させ、該ノズルが前記基板の周縁部の他方の端部に近づくに伴って、該ノズルの移動速度を次第に速くして前記基板外に前記ノズルを退避させるように制御する駆動制御部と、を備えたことを特徴とする薄膜塗布制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2003−320299(P2003−320299A)
【公開日】平成15年11月11日(2003.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−128894(P2002−128894)
【出願日】平成14年4月30日(2002.4.30)
【出願人】(391061510)株式会社藤森技術研究所 (20)
【出願人】(501423816)株式会社エヌシーエス (7)
【Fターム(参考)】