説明

薄膜太陽電池、及びその製造方法

【課題】バッファ層をドライプロセスを用いて成膜できると共に、効率の高い薄膜太陽電池、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板2上に、裏面電極3、光吸収層4、バッファ層5、透明電極6が順次積層された薄膜太陽電池1であって、バッファ層5が、ZnO1−X(ここで、0≦X≦1)により構成されていることを特徴とする。また、バッファ層5は、光吸収層4との間の電気的マッチングが取れるようにXの値を決定されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜太陽電池、及びその製造方法に関し、特に高効率かつバッファ層をドライプロセスで成膜できる薄膜太陽電池、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高効率の薄膜太陽電池101としては、太陽光を吸収し発電する層である光吸収層102を、Cu(In、Ga)Se(以下、「CIGS」と記載する。また、Cuは銅、Inはインジウム、Gaはガリウム、Seはセレンである。)により構成したものが知られている。
【0003】
薄膜太陽電池101は、図5に示すように、青板ガラスにより構成される基板103上に、Mo(モリブデン)により構成される裏面電極104、CIGSにより構成される光吸収層102、CdS(Cdはカドミウム、Sは硫黄である。)により構成されるバッファ層105、ZnO(Znは亜鉛、Oは酸素である。)により構成される窓層106、酸化インジウムスズ(以下、「ITO」と記載する。)により構成される透明電極107が順次積層されており、さらに裏面電極104と透明電極107との上には、夫々NiCr/Al(Niはニッケル、Crはクロム、Alはアルミニウムである。)から構成される取り出し電極108が成膜されている。このように構成される薄膜太陽電池101は、太陽光が照射されることにより発電し、発電した電力は取り出し電極108より取り出すことができる。
【0004】
ここで、バッファ層105は、CdSにより構成することで光吸収層102との界面における電気的損失を低減することができるが、一方でCdは人体にとって有害であることが知られている。また、裏面電極104、光吸収層102、窓層106、透明電極107、取り出し電極108がドライプロセスにより成膜できることに対し、CdSにより構成されるバッファ層105の成膜は、ウェットプロセスである化学析出法により行わなければならない。そのため、バッファ層105がCdSにより構成される薄膜太陽電池101の製造においては、バッチ処理を行う必要が生じることにより、インライン製造を行うことが困難であり、それ故生産効率が低下してしまうという問題があった。さらに、Cdを含む廃液が大量に生じるという問題もあった。
【0005】
このような問題を鑑みてか、特許文献1には、バッファ層をInS、ZnS、又はZnMgO(Mgはマグネシウムである。)により構成した薄膜太陽電池が開示されている。InS、ZnS、ZnMgOは、Cdを含まないため、人体へ悪影響が及ぶことを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−231744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されるInS、ZnSによりバッファ層を構成する場合は、化学析出法により成膜を行う必要があり、依然としてウェットプロセスを用いなければならないという問題点が残されている。また、ZnMgOによりバッファ層を構成する場合は、ドライプロセスであるスパッタリング法により成膜を行うことができるが、成膜時に光吸収層がダメージを受けること等により、薄膜太陽電池の効率が低下してしまうという問題点が生じる。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決することを目的としてなされたものであり、バッファ層をドライプロセスを用いて成膜できると共に、効率の高い薄膜太陽電池、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の薄膜太陽電池は、基板上に、裏面電極、光吸収層、バッファ層、透明電極が順次積層された薄膜太陽電池であって、前記バッファ層が、ZnO1−X(ここで、0≦X≦1)により構成されることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2の薄膜太陽電池は、前記バッファ層を構成するZnO1−Xが、前記光吸収層との間の電気的マッチングが取れるようにXの値を決定されることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3の薄膜太陽電池の製造方法は、基板上に、裏面電極、光吸収層、ZnO1−X(ここで、0≦X≦1)により構成されるバッファ層、透明電極が順次積層された薄膜太陽電池の製造方法であって、前記バッファ層をスパッタリング法により成膜することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4の薄膜太陽電池の製造方法は、前記バッファ層の成膜を、ZnSを含有する第1スパッタリングターゲットと、ZnOを含有する第2スパッタリングターゲットと、前記第1スパッタリングターゲットと前記第2スパッタリングターゲットとに加える電力を夫々独立に制御できる電源と、を有するスパッタリング装置にて行うことを特徴とする。
【0013】
また、請求項5の薄膜太陽電池の製造方法は、前記バッファ層を成膜中又は成膜後に、熱処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の薄膜太陽電池は、バッファ層がドライプロセスにより成膜可能なZnO1−Xにより構成されている。これにより、本薄膜太陽電池は、裏面電極、光吸収層、透明電極と共に、前記バッファ層もドライプロセスで成膜することができるため、製造をインラインで行うことができ、生産効率を向上させることができる。また、人体に有害なCdを使用しないため安全であり、廃液に係る問題も発生しない。
【0015】
請求項2に記載の薄膜太陽電池は、バッファ層を構成するZnO1−XのXの値を制御することで、光吸収層との間の電気的マッチングをとることができるので、バッファ層と光吸収層との界面における電気的損失を低減できる。これにより、本薄膜太陽電池では、高い効率を実現することができる。
【0016】
請求項3に記載の薄膜太陽電池の製造方法は、ZnO1−Xから構成されるバッファ層をドライプロセスであるスパッタリング法により成膜する。これにより、本薄膜太陽電池の製造方法は、裏面電極、光吸収層、透明電極と共に、前記バッファ層もドライプロセスで成膜することができるので、薄膜太陽電池の生産効率を向上させることができる。また、廃液に係る問題も発生しない。
【0017】
請求項4に記載の薄膜太陽電池の製造方法は、バッファ層の成膜を、ZnSを含有する第1スパッタリングターゲットと、ZnOを含有する第2スパッタリングターゲットとに加える電力を独立に制御できる電源を有するスパッタリング装置にて行うので、成膜されるZnO1−XのXの値を制御することができ、もってバッファ層と光吸収層との間の電気的マッチングをとることができる。これにより、本薄膜太陽電池の製造方法では、高い効率の薄膜太陽電池を製造することができる。
【0018】
請求項5に記載の薄膜太陽電池の製造方法は、バッファ層の成膜中又は成膜後に、熱処理を行うことで、バッファ層を構成するZnO1−XのZnとSを前記光吸収層に拡散させることができ、もって光吸収層とバッファ層との界面における電気的損失を低減させることができる。これにより、本薄膜太陽電池の製造方法では、製造される薄膜太陽電池の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態の薄膜太陽電池の側面模式図。
【図2】薄膜太陽電池の製造方法を示すフローチャート。
【図3】バッファ層を成膜するスパッタリング装置の断面模式図。
【図4】薄膜太陽電池の効率を示すグラフ。
【図5】従来技術の薄膜太陽電池の側面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。本発明の薄膜太陽電池1は、図1に示すように、基板2上の全域に裏面電極3が積層されている。裏面電極3上の所定の領域には太陽光を受けて発電を行う光吸収層4が積層されており、さらに光吸収層4の全域にバッファ層5が、バッファ層5の全域に透明電極6が夫々積層されている。また、裏面電極3上の光吸収層4が成膜されていない部分の一部と、透明電極6上の一部とには、夫々取り出し電極7が積層されており、この取り出し電極7から光吸収層4で発電した電力を取り出すことができる。
【0021】
薄膜太陽電池1では、バッファ層5をドライプロセスで成膜可能なZnO1−Xにより構成しているため、裏面電極3、光吸収層4、透明電極6、取り出し電極7の成膜を含め全ての成膜をドライプロセスのみで行うことができる。また、バッファ層5を構成するZnO1−Xは、Xの値を0≦X≦1の範囲で任意の値に制御することができ、これにより、光吸収層4とバッファ層5との間の伝導帯の不連続量を制御して界面におけるキャリア再結合を低減して(以下、このことを、「光吸収層4とバッファ層5との電気的マッチングをとる」という。)、光吸収層4とバッファ層5との界面における電気的損失を低減することができる。これにより、薄膜太陽電池1では、図4に示すように、従来最も効率を高くできるとされるバッファ層5をCdSにより構成した薄膜太陽電池と同程度の効率を得ることができる。
【0022】
上記薄膜太陽電池1は、図2に示す各工程により製造される。まず、S1において、基板2として採用される青板ガラスを超音波洗浄法等により洗浄する。なお、基板2としては白板ガラスを採用することも可能であるが、青板ガラスを採用することにより薄膜太陽電池1のコストを低減できるというメリットがある。基板2には可塑性を持つ材料、たとえば、ステンレス箔、チタン箔、ポリイミドフィルム、アルミ箔、銅箔を使用することもできる。これによってフレキシブル太陽電池を作製することもできる。

【0023】
次に、図2のS2において、基板2上に裏面電極3が成膜される。裏面電極3としてはMoを採用することができ、その膜厚は0.8μm程度である。基板2上への成膜はスパッタリング法、電子ビーム蒸着法等を用いて行われる。なお、裏面電極3としてはMoの他、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、W(タングステン)等を採用してもよい。これらを採用した場合においても、裏面電極3は、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法等を用いて成膜することができる。
【0024】
次に、図2のS3において、裏面電極3上に光吸収層4が成膜される。光吸収層4は、太陽光を吸収して電力に変換する部分であり、薄膜太陽電池1では、高い効率で太陽光を電力に変換できる材料であるCIGSを採用しており、その膜厚は2μm程度である。この光吸収層4の成膜は蒸着法を用いて行う。なお、光吸収層4の成膜は、前記蒸着法の他、セレン化法、電着法、印刷法、スプレー法等により行っても良い。
【0025】
次に、図2のS4において、光吸収層4上にバッファ層5が成膜される。薄膜太陽電池1では、バッファ層5としてZnO1−Xを採用しており、その膜厚は0.1μm程度である。このバッファ層5の成膜は、スパッタリング法を用いて行うことができ、具体的には図3に示すようなスパッタリング装置8を用いて行うことができる。
【0026】
前記スパッタリング装置8は、内部にZnSを含有する第1スパッタリングターゲット9、ZnOを含有する第2スパッタリングターゲット10、シャッター11、12、及び基板2を支持すると共にシャフト13に接続された基板ホルダー14が配設されると共に、側面に図外の真空ポンプが接続された排気口15、及び図外のAr(アルゴン)ガス源が接続されたガス導入口16が設けられたチェンバー17と、第1スパッタリングターゲット9に電気的マッチング調整用のキャパシタ18を介して電力を供給するRF(Radio
Frequency)電源19と、第2スパッタリングターゲット10に電気的マッチング調整用のキャパシタ20を介して電力を供給するRF電源21とにより構成される。
【0027】
前記第1スパッタリングターゲット9と、前記第2スパッタリングターゲット10とは、チェンバー17の下方に並べられた状態で配設される。また、前記RF電源19、21は、互いに独立して出力する電力を設定することができるよう構成されており、第1スパッタリングターゲット9、及び第2スパッタリングターゲット10には、互いに異なる電力を加えることができる。これにより、バッファ層5を成膜する際には、RF電源19より第1スパッタリングターゲット9に供給する電力、及びRF電源21より第2スパッタリングターゲット10に供給する電力を制御して、夫々のスパッタリングレートを調整し、バッファ層5を構成するZnO1−XのXの値を任意に制御することができる。
【0028】
前記シャッター11、12は、第1スパッタリングターゲット9、及び第2スパッタリングターゲット10の上方に配設されており、バッファ層5を成膜する時以外に、それらからのスパッタが飛散しないようにするためのものである。なおシャッター11、12は、バッファ層5を成膜する際に第1スパッタリングターゲット9、及び第2スパッタリングターゲット10の上方から取り除かれる。
【0029】
前記基板ホルダー14は、チェンバー17の上方に配設され、裏面電極3、光吸収層4が成膜された基板2を光吸収層4が下向きとなるように保持する。基板ホルダー14は、図外の回転駆動源にシャフト13を介して接続されており、保持している基板2が第1スパッタリングターゲット9上と、第2スパッタリングターゲット10とを交互に通過するように回転する。
【0030】
スパッタリング装置8を用いたバッファ層5の成膜は、所定流量のArが、チェンバー17内を流れるよう排気口15に接続されている真空ポンプとガス導入口16に接続されているArガス源を調整すると共に、シャッター11、12を第1スパッタリングターゲット9、及び第2スパッタリングターゲット10の上方から取り除く。その後、基板ホルダー14をシャフト13を介して接続されている回転駆動源により回転させつつ、第1スパッタリングターゲット9にRF電源19より、また第2スパッタリングターゲット10にRF電源21より電力を供給することにより行われる。
【0031】
このバッファ層5の成膜中あるいは成膜後において、基板2を加熱して熱処理してもよい。このことにより、バッファ層5を構成するZnO1−XのZn、及びSが、光吸収層4を構成するCIGS内へ拡散して、光吸収層4とバッファ層5との界面における電気的損失が低減するので、薄膜太陽電池1の効率は向上する。
【0032】
次に、図2のS5において、バッファ層5上に透明電極6が成膜される。透明電極6としては、ITOを採用しており、その膜厚は0.1μm程度である。このITOの成膜は、スパッタリング法を用いて行うことができる。なお、透明電極6としては、ITOの他、ZnO:Al、ZnO:B(Bは、ホウ素である。)を採用することができ、これらはスパッタリング法の他、有機金属気相成長法(MOCVD)を用いて成膜できる。
【0033】
次に、図2のS6において、裏面電極3上、及び透明電極6上に取り出し電極7が成膜される。取り出し電極7としては、NiCr/Alを採用しており、その膜厚はNiCrが0.05μm、Alが0.2μm程度である。このNiCr/Alの成膜は、抵抗加熱蒸着法を用いて行うことができる。なお、薄膜太陽電池1をパネルとする場合等において、取り出し電極7が不要な場合は、本工程を省略することができる。
【0034】
以上のような工程を経て製造される薄膜太陽電池1は、全ての成膜プロセスがドライプロセスにて行うことができる。そのため、インライン作業にて製造を行うことができ、製造効率を高めることができる。さらに、薄膜太陽電池1では、バッファ層5をCdS等化学析出法を用いて成膜する従来の薄膜太陽電池のような廃液に係る問題が生じず、またCdを使用しないことにより人体へ悪影響が及ぶ危険性も生じない。
【0035】
また、ZnO1−Xは、CdSに対して、禁制帯幅が大きいため、太陽光の短波長の吸収が少ない。即ち、バッファ層5にZnO1−Xを採用することで、CdSを採用する場合と比べて、太陽光の短波長成分をロスすることなく光吸収層4に到達させることができることになる。このことは、薄膜太陽電池1の効率を向上させることにつながる。
【0036】
ここで、薄膜太陽電池1の効率は、横軸にバッファ層5を構成するZnO1−XのXの値を、縦軸に薄膜太陽電池1の効率を表した図4に示すようにXの値に依存する。これは、Xの値により光吸収層4とバッファ層5との電気的マッチングが変化するからである。薄膜太陽電池1の効率は、Xの値が0.12から0.43の範囲で高くなり、Xの値が0.18の時に光吸収層4とバッファ層5との電気的マッチングが最も取れた状態となってピークの値をとる。このピーク時の値は11.1%であり、薄膜太陽電池1では、従来最も効率を高くできるとされるバッファ層5をCdSにより構成した薄膜太陽電池と同程度の効率を実現できる。
【0037】
なお、図4に示すXの値に対する薄膜太陽電池1の効率の依存性は、光吸収層4を構成するCIGSの組成をGa/(In+Ga)を0.29、またCu/(In+Ga)を0.91とした場合のものである。このXの値に対する薄膜太陽電池1の効率の依存性は、光吸収層4を構成するCIGSの組成によって変化する。即ち、光吸収層4を構成するCIGSの組成により、光吸収層4とバッファ層5との電気的マッチングが取れるXの値は変化することになる。このことより、薄膜太陽電池1では、光吸収層4を構成するCIGSの組成に応じて、バッファ層5を構成するZnO1−XのXの値を制御して、光吸収層4とバッファ層5との電気的マッチングを取り、それらの界面における電気的損失を低減させることもできる。このことは、このような制御ができないCdSから構成されるバッファ層5を採用した薄膜太陽電池対する本薄膜太陽電池1の大きな利点である。
【0038】
また、ZnO1−Xから構成されるバッファ層5の成膜は、ZnSを含有する第1スパッタリングターゲット9、及びZnOを含有する第2スパッタリングターゲット10を用いて行う。この第1スパッタリングターゲット9に印加する電力は、ZnMgOから構成されるバッファ層5の成膜時に使用するMgOを含有する図外のスパッタリングターゲットに印加する電力に対して低い値でよい。従って、ZnO1−Xから構成されるバッファ層5の成膜時の光吸収層4が受けるスパッタリングダメージは、ZnMgOから構成されるバッファ層5の成膜時の光吸収層4が受けるスパッタリングダメージより小さくなる。このスパッタリングダメージは、光吸収層4とバッファ層5との界面における電気的損失を増大させる要因となるため、薄膜太陽電池1ではZnMgOから構成されるバッファ層5を有する薄膜太陽電池と比べて効率を高めることができる。
【0039】
なお、本実施の形態で示した薄膜太陽電池1は、本発明に係る薄膜太陽電池の一態様にすぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、光吸収層4をCu(In,Ga)(Se,S)、Cu(In,Al)Se、Cu(In,Al)(Se,S)、CuIn(Se,S)、CuInS、Cu(In,Ga)S2、Cu(In,Al)S、CuZnSnSe、CuZnSnS等により構成した場合でも、バッファ層5をZnO1−Xにより構成することで、上記同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係る薄膜太陽電池1は、効率の高い薄膜太陽電池として利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 薄膜太陽電池
2 基板
3 裏面電極
4 光吸収層
5 バッファ層
6 透明電極
8 スパッタリング装置
9 第1スパッタリングターゲット
10 第2スパッタリングターゲット
19、21 RF電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、裏面電極、光吸収層、バッファ層、透明電極が順次積層された薄膜太陽電池であって、
前記バッファ層が、ZnO1−X(ここで、0≦X≦1)により構成されることを特徴とする薄膜太陽電池。
【請求項2】
前記バッファ層を構成するZnO1−Xが、前記光吸収層との間の電気的マッチングが取れるようにXの値を決定されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池。
【請求項3】
基板上に、裏面電極、光吸収層、ZnO1−X(ここで、0≦X≦1)により構成されるバッファ層、透明電極が順次積層された薄膜太陽電池の製造方法であって、
前記バッファ層をスパッタリング法により成膜することを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
【請求項4】
前記バッファ層の成膜を、ZnSを含有する第1スパッタリングターゲットと、ZnOを含有する第2スパッタリングターゲットと、前記第1スパッタリングターゲットと前記第2スパッタリングターゲットとに加える電力を夫々独立に制御できる電源と、を有するスパッタリング装置にて行うことを特徴とする請求項3記載の薄膜太陽電池の製造方法。
【請求項5】
前記バッファ層を成膜中又は成膜後に、熱処理を行うことを特徴とする請求項3又は4に記載の薄膜太陽電池の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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