説明

薄膜形成装置

【課題】フィルム基板上に所定間隔で形成された複数のダイオードを有するフィルムダイオードの各ダイオードに、導電性テープを効率よく貼着できるようにした導電性テープ貼付装置を提供する。
【解決手段】フィルム基板上に所定間隔で形成された複数のダイオードを有するフィルムダイオード23の各ダイオードに、導電性テープ25をそれぞれ貼着するための導電性テープ貼付装置10であり、フィルムダイオードが載置されるテーブル12と、導電性テープを所定長さにカットしてフィルムダイオードの各ダイオードに貼着するラベラー19と、テーブルに載置されるフィルムダイオードに対し、ラベラーを相対移動させる移動手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム基板上に所定間隔で形成された複数のダイオードを有するフィルムダイオードの各ダイオードに、導電性テープをそれぞれ貼着するための導電性テープ貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルを電気的に直列接続して、所定の出力が得られるように設計されている。ところが、太陽電池セルは、発電しない状態(太陽電池への太陽光が遮光された状態)では、抵抗が大きくなり、取出し電力が低下するので、太陽光が遮光された箇所に位置する太陽電池セルで、抵抗損失による発熱が起こる可能性があり、熱損傷等につながる懸念がある。
【0003】
そのため、ダイオードを太陽電池セルに対して電気的に並列接続し、太陽電池セルに不具合が発生した時は、電流を該ダイオードからバイパスさせて、取出し電力の低下を防いだり、太陽電池セルの損傷を防止することが行われている。このように結線したダイオードは、バイパスダイオードと呼ばれている。
【0004】
バイパスダイオードとしては、モールドタイプのダイオードを、太陽電池セルの外側に接続してなるものが一般的である。しかしながら、モールドタイプのダイオードの場合、ダイオードを一つずつ太陽電池セルにそれぞれ配設する必要があるので、取り付け作業性が悪い問題点があった。また、ダイオードを太陽電池セルの外側に配設しているので、太陽電池モジュールの発電に寄与しない部分の面積が増加し、面積当たりの発電量が低くなる問題があった。
【0005】
これに対して、特許文献1には、薄膜太陽電池の金属電極層側に、可撓性薄膜上に金属電極、アモルファスシリコン層、金属電極の順に積層してなる保護ダイオードを配設することが開示されている。そして、保護ダイオードを、共通絶縁基板の上に多数作成しておき、太陽電池素子の上に導電ペースト等で接着することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭59−94881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1のように、保護ダイオードを、共通絶縁基板の上に多数作成しておき、太陽電池素子の上に導電ペースト等で接着するには、導電ペーストの正確な塗布、基板どうしの位置合わせ、接着剤の硬化などの工程が必要となり、作業が煩雑となると共に、導電ペーストによる短絡、断線などが起こりやすいという問題がある。
【0008】
これに対して、共通絶縁基板の上に多数作成された保護ダイオードを、導電性テープによって、太陽電池モジュール上の対応する太陽電池セルと接続する方法が考えられる。この方法は、導電性テープを貼るだけでよいので、比較的手軽で、信頼性の高い接続ができるという利点があるが、個々のダイオード毎に導電性テープを貼る作業に時間がかかり、製造ラインのスピードをそこで遅らせてしまうという問題があった。
【0009】
したがって、本発明の目的は、フィルム基板上に所定間隔で形成された複数のダイオードを有するフィルムダイオードの各ダイオードに、導電性テープを効率よく貼着できるようにした導電性テープ貼付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、フィルム基板上に所定間隔で形成された複数のダイオードを有するフィルムダイオードの各ダイオードに、導電性テープをそれぞれ貼着するための導電性テープ貼付装置において、
前記フィルムダイオードが載置されるテーブルと、
前記導電性テープを所定長さにカットして前記フィルムダイオードの各ダイオードに貼着するラベラーと、
前記テーブルに載置されるフィルムダイオードに対し、前記ラベラーを相対移動させる移動手段とを備えていることを特徴とする導電性テープ貼付装置を提供する。
【0011】
本発明によれば、テーブルに載置されるフィルムダイオードに対し、移動手段によってラベラーを相対移動させながら、導電性テープを所定長さにカットしてフィルムダイオードの各ダイオードにそれぞれ貼着することができ、例えば太陽電池モジュール等の製造ラインで、太陽電池モジュールの各太陽電池セルと、フィルムダイオードの各ダイオードとを導電性テープによって接続しようとする際、フィルムダイオードの各ダイオードに導電性テープを自動的に効率よく貼付することができるため、メインの製造ラインの律速段階となることを防ぐことができる。
【0012】
本発明の導電性テープ貼付装置の一つの好ましい態様においては、前記テーブルには、前記フィルムダイオードと、その少なくとも一側に配置された剥離シートとが載置され、前記ラベラーは、前記導線性テープを前記フィルムダイオードの対応するダイオードと前記剥離シートとに亘って貼付するように構成されている。
【0013】
この態様によれば、フィルムダイオードの各ダイオードと、フィルムダイオードの側方に配置された剥離シートとに亘るように導電性テープを予め貼付しておき、フィルムダイオードを太陽電池モジュールに接続する際には、剥離シートを剥がしてフィルムダイオードを太陽電池モジュール上に位置決めして、導電性テープの剥離シートに貼付されていた部分を、太陽電池モジュールの対応する太陽電池セルに接合することにより、効率よく接続することができ、メインの製造ラインでの作業時間を大幅に短縮できる。
【0014】
また、本発明の導電性テープ貼付装置の別の好ましい態様においては、前記テーブルには、基板上に複数の太陽電池セルが所定間隔で形成された太陽電池モジュールと、該太陽電池モジュール上に前記各太陽電池セルに各ダイオードが整合するように、前記太陽電池モジュール上に載置された前記フィルムダイオードとが載置され、前記ラベラーは、前記フィルムダイオードの各ダイオードと前記太陽電池セルの対応する太陽電池セルとが電気的に接続されるように、前記導線性テープを貼付するように構成されている。
【0015】
この態様によれば、太陽電池モジュール上にフィルムダイオードを、各太陽電池セルに各ダイオードが整合するように載置し、その状態でフィルムダイオードの各ダイオードと太陽電池セルの対応する太陽電池セルとが電気的に接続されるように、導線性テープをダイレクトに貼付するので、作業工数を少なくして、導電性テープを用いた接続作業の効率を高めることができる。
【0016】
また、本発明の導電性テープ貼付装置の好ましい態様においては、前記移動手段は、前記テーブルを所定間隔で間欠移動させる手段からなり、前記ラベラーは、前記テーブルの移動経路上に配置されている。
【0017】
この態様によれば、フィルムダイオードの各ダイオードの配列間隔に合わせて、テーブルを所定間隔で間欠移動させながら、ラベラーによって導電性テープを貼付することにより、各ダイオードに導電性テープを貼付できる。
【0018】
また、本発明の導電性テープ貼付装置においては、前記フィルムダイオードを収容する第1ストッカーと、前記導電性テープを貼着されたフィルムダイオードを収容する第2ストッカーと、前記フィルムダイオードを前記第1ストッカー、前記テーブル及び前記第2ストッカー間で移動させるピックアップ装置とを備えていることが好ましい。
【0019】
この態様によれば、第1ストッカーからフィルムダイオードをピックアップしてテーブル上に移動させ、テーブル上でラベラーによって導電性テープを貼付し、導電性テープを貼付されたフィルムダイオードをピックアップして、第2ストッカーに移動させることができる。
【0020】
更に、本発明の導電性テープ貼付装置の別の好ましい態様においては、前記移動手段は、前記ラベラーを、前記テーブル上でX軸方向及び/又はY軸方向に移動させる手段からなる。
【0021】
この態様によれば、ラベラーをテーブル上でX軸方向及び/又はY軸方向に移動させながら、フィルムダイオードの各ダイオードに導電性テープを貼付することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、テーブルに載置されるフィルムダイオードに対し、移動手段によってラベラーを相対移動させながら、導電性テープを所定長さにカットしてフィルムダイオードの各ダイオードにそれぞれ貼着することができ、フィルムダイオードの各ダイオードに導電性テープを自動的に効率よく貼付することができるため、太陽電池モジュールなどのメインの製造ラインの律速段階となることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明による導電性テープ貼付装置の一実施形態を示す平面図である。
【図2】同導電性テープ貼付装置の正面図である。
【図3】同導電性テープ貼付装置の第1ストッカーを示す平面図である。
【図4】同導電性テープ貼付装置において、第1ストッカーからフィルムダイオード及び剥離シートをピックアップする状態を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図5】同導電性テープ貼付装置において、フィルムダイオード及び剥離シートをテーブル上に移動する状態を示す平面図である。
【図6】同導電性テープ貼付装置において、テーブルをラベラーの下方に移動させる状態を示す平面図である。
【図7】同導電性テープ貼付装置において、テーブルを間欠的に移動させつつ、ラベラーによってテープを所定間隔で貼着する状態を示す平面図である。
【図8】同導電性テープ貼付装置において、フィルムダイオードの各ダイオードに、ラベラーによってテープを貼付した状態を示す平面図である。
【図9】同導電性テープ貼付装置において、テーブルを元の位置に戻した状態を示す平面図である。
【図10】同導電性テープ貼付装置において、テープを貼付したフィルムダイオードをテーブルから第2ストッカーに移動すると共に、第1ストッカーから新たなフィルムダイオードをテーブル上に移動する状態を示す平面図である。
【図11】本発明による導電性テープ貼付装置の他の実施形態を示す平面図である。
【図12】太陽電池モジュールにフィルムダイオードを接合する方法の一例を示す説明図である。
【図13】フィルムダイオードの側部に剥離シートを配設し、導電性テープを予め接合する手順を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図12に示すように、太陽電池モジュール21には複数の太陽電池セル22が所定間隔で配列されており、これらは電気的に直列接続されている。一方、フィルムダイオード23には、複数のダイオード24が、上記太陽電池セル22に対応する配列間隔で設けられている。そして、いずれかの太陽電池セル22に光が当たらず、抵抗が大きくなり、取出し電力が低下したとき、抵抗損失による発熱を防止するため、各太陽電池セル22を対応するダイオード24でバイパスするように、太陽電池セル22と対応するダイオード24とを導電性テープ25で接続する。本発明は、この導電性テープ25の貼付作業を自動的に効率よく行うための導電性テープ貼付装置を提供するものである。
【0025】
なお、フィルムダイオード23のフィルム基板としては、例えばポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、アラミドなどの可撓性フィルム基板が好ましく用いられる。そして、フィルムダイオード23は、このフィルム基板上に、第1電極層、半導体層、第2電極層等を積層し、パターニングすることによって、複数のダイオード24を所定間隔で形成することにより製造できる。
【0026】
以下図面を参照して本発明による導電性テープ貼付装置の実施形態を説明する。図1〜10には、本発明による導電性テープ貼付装置の一実施形態が示されている。なお、図1〜10では特に図示しないが、フィルムダイオード23には、図13に示すように、複数のダイオード24が、太陽電池セル22に対応する配列間隔で設けられている。
【0027】
図1、2に示すように、この導電性テープ貼付装置10は、第1ストッカー11,テーブル12,第2ストッカー13を有している。テーブル12は、移動レール14に沿ってX軸方向に移動可能とされている。この実施形態では、テーブル12の移動レール14と、該移動レール14に沿ってテーブル12を移動させる駆動手段とが、本発明におけるラベラーの移動手段を構成している。テーブル12が初期位置にあるとき、第1ストッカー11,第2ストッカー13は、テーブル12の両側に位置している。
【0028】
これらの第1ストッカー11,テーブル12,第2ストッカー13の上方には、ピックアップ装置15が配置されている。ピックアップ装置15は、テーブル12が初期位置にある状態で、第1ストッカー11,テーブル12,第2ストッカー13の長さ方向の中間部で、Y軸方向に配設されたY軸方向移動装置本体27と、このY軸方向移動装置本体27にY軸方向に移動可能に取付けられたY軸可動ベース28と、このY軸可動ベース28に取付けられた上下シリンダ16とを有している。
【0029】
そして、上下シリンダ16の作動軸には、X軸方向に伸びる支持アーム17が取付けられており、支持アーム17には、その長さ方向に所定間隔でY軸方向に伸びる支持板18が取付けられている。また、各支持板18には、複数本、この実施形態では4本の吸引管29が取付けられている。各吸引管29は、その吸引孔を下方に向けて配置されている。なお、支持アーム17、支持板18、吸引管29の各セットは、上下シリンダ16の作動軸に図示しない支持板を介して、2箇所に支持アーム17をほぼ平行にして取付けられており、一方のセットの支持アーム17,支持板18,吸引管29が、第1ストッカー11又はテーブル12上に配置されるとき、他方のセットの支持アーム17,支持板18,吸引管29は、それと隣接するテーブル12又は第2ストッカー13上に配置されるようになっている。
【0030】
テーブル12の移動レール14に沿った移動経路上方には、ラベラー19が配置されている。ラベラー19には、テープ貼付ヘッド20が昇降可能に配置されている。ラベラー19は、導電性テープ25を引き出して所定長さに切断し、テープ貼付ヘッド20に受け渡し、テープ貼付ヘッド20が下降して導電性テープを貼着するようになっている。
【0031】
この実施形態の導電性テープ貼付装置10は、図13に示すように、フィルムダイオード23の両側に剥離シート26を配置することで、各ダイオード24に導電性テープ25が取り付いているフィルムダイオード23を先に製造しておいて、後工程で、各太陽電池セル22に、フィルムダイオード23に取り付いている導電性テープ25を貼着するようにすることができる。こうして、予めフィルムダイオード23の各ダイオード24に導電性テープ25を貼着しておくことにより、フィルムダイオード23を太陽電池モジュール21に接合する際には、剥離シート26を剥がして、導電性テープ25を一度に貼着することができるので、作業性を良好にして、太陽電池モジュールなどのメインの製造ラインの律速段階となることを防ぐことができる。なお、剥離シート26をフィルムダイオード23の一側にのみ配置して、導電性テープ25をフィルムダイオード23の一側だけに貼着してもよい。
【0032】
次に、この導電性テープ貼付装置10により、フィルムダイオード23と剥離シート26とに、導電性テープ25を貼着する手順について説明する。
【0033】
まず、前記第1ストッカー11には、フィルムダイオード23と、その両側に配置される剥離シート26とが、複数枚積層されて収容されている。また、テーブル12は、導電性テープ25の貼着作業を行う部分となる。第2ストッカー13は、導電性テープ25を貼着されたフィルムダイオード23と剥離シート26とを、収容する部分となる。
【0034】
図3に示すように、第1ストッカー11には、フィルムダイオード23と、その両側に配置される剥離シート26とが、複数枚積層されて収容されている。なお、図中、第1ストッカー11は、位置出しガイド45と位置出しピン46とによって位置決めされる。
【0035】
この状態で、図4に示すように、ピックアップ装置15のY軸可動ベース28がY軸方向の第1ストッカー11側に移動し、支持アーム17、支持板18及び吸引管29が、第1ストッカー11の上方に位置する。このとき、各支持板18に装着された4つの吸引管29のうち、外側の2つは、対応する剥離シート26の上方に位置し、内側の2つは、フィルムダイオード23の上方に位置している。この状態で上下シリンダ16により、吸引管29が下降してフィルムダイオード23及び剥離シート26に当接して、それらを吸着し、その状態で上昇する。これによって、第1ストッカー11にストックされたフィルムダイオード23,剥離シート26の最上部のものがピックアップされる。
【0036】
次に、図5に示すように、ピックアップ装置15のY軸可動ベース28がY軸方向の第2ストッカー13側に移動し、ピックアップされたフィルムダイオード23,剥離シート26をテーブル12の上方に移動させる。この状態で上下シリンダ16が下降して、吸引管29に保持されたフィルムダイオード23,剥離シート26を解除して、テーブル12上にフィルムダイオード23,剥離シート26を載置する。
【0037】
この状態で、図6に示すように、テーブル12が移動レール14に沿って、X軸方向に沿ってラベラー19の方向に移動し始める。そして、図7に示すように、フィルムダイオード23のダイオード24(ダイオード24については図13を参照)がラベラー19の上方に位置すると、テーブル12が所定間隔、すなわちダイオード24の配列間隔で間欠的に移動し、各ダイオード24に対して、ラベラー19により、導電性テープ25が貼付される。導電性テープ25は、図13に示されるように、その一端部を各ダイオード24に貼着され、他端部をフィルムダイオード23の側辺から突出させて、剥離シート26上に貼付される。図8、13は、こうして、フィルムダイオード23の全てのダイオード24に、導電性テープ25を貼付した状態を示している。
【0038】
こうして、フィルムダイオード23の全てのダイオード24に導電性テープ25を貼付した後、図9に示すように、テーブル12が移動レール14に沿って、先ほどとは逆方向に移動し、初期位置に復帰する。そして、ピックアップ装置15のY軸可動ベース28がY軸方向に沿って、第1ストッカー11側に移動し、一方のセットの支持アーム17,支持板18,吸引管29が第1ストッカー11上に配置され、他方のセットの支持アーム17、支持板18、吸引管29がテーブル12上に配置される。この状態で上下シリンダ16により、それぞれの支持アーム17,支持板18,吸引管29が下降し、一方のセットは第1ストッカー11のフィルムダイオード23、剥離シート26を吸着保持し、他方のセットはテーブル12上の導電性テープ25を貼着されたフィルムダイオード23,剥離シート26を吸着保持する。そして、上下シリンダ16により上昇して、それらをピックアップする。
【0039】
次いで、図10に示すように、ピックアップ装置15のY軸可動ベース28がY軸方向に沿って、第2ストッカー13側に移動し、一方のセットの支持アーム17,支持板18,吸引管29によって保持された新たなフィルムダイオード23,剥離シート26をテーブル12上に配置し、他方のセットの支持アーム17,支持板18,吸引管29によって保持された導電性テープ25を貼着されたフィルムダイオード23,剥離シート26を第2ストッカー13上に配置する。そして、上下シリンダ16により下降して、それらをテーブル12,第2ストッカー13上に載置する。
【0040】
このような工程を繰り返すことにより、フィルムダイオード23,剥離シート26に導電性テープ25を自動的に貼着して、第2ストッカー13にストックすることができる。そして、太陽電池モジュール21の製造ラインにおいて、フィルムダイオード23を接続する工程に際しては、剥離シート26を剥がして、導電性テープ25を貼着されたフィルムダイオード23を、太陽電池モジュール21上に位置決めして載置し、導電性テープ25を押し付けるだけで、各ダイオード24を対応する太陽電池セル22に導電性テープ25によって接続することができる。その結果、導電性テープ25の貼着工程が太陽電池モジュール21の製造ラインの律速段階となることを防止し、太陽電池モジュール21の生産性を高めることができる。
【0041】
図11には、本発明による導電性テープ貼付装置の他の実施形態が示されている。この実施形態では、太陽電池モジュール21上に、フィルムダイオード23を位置決めして載置し、その状態で太陽電池モジュール21の各太陽電池セル22と、フィルムダイオード23の対応する各ダイオード24とを、導電性テープ25によって接続する作業を行うようになっている。
【0042】
この導電性テープ貼付装置30は、回転軸33に回転可能に支持されて、図示しない駆動装置によって回転する、互いに連結された2つのテーブル31,32を有している。各テーブル31,32は、回転によって、テーブル貼付エリア34とセッティングエリア35とに交互に配置されるようになっている。
【0043】
テーブル貼付エリア34には、テープ切出装置37が配置されており、テープ切出装置37は、導電性テープ25を所定長さに切断して導電性テープ載置台38に載置する。また、テーブル貼付エリア34に配置されるテーブル31、32の上方には、X軸移動レール39が配設されており、このX軸移動レール39にX軸可動ベース40が移動可能に装着されている。この実施形態では2つのX軸可動ベース40が装着され、それぞれ図示しない駆動機構によって、X軸移動レール39に沿って移動するようになっている。各X軸可動ベース40には、テープ吸着貼付ヘッド41が取付けられており、このテープ吸着貼付ヘッド41は、導電性テープ載置台38から吸着によりピックアップした導電性テープ25を、太陽電池セル22及びフィルムダイオード23の所定箇所に貼付するようになっている。なお、この実施形態では、テープ切出装置37、導電性テープ載置台38及びテープ吸着貼付ヘッド41が、本発明におけるラベラーを構成している。また、X軸移動レール39及びX軸可動ベース40が、本発明におけるラベラーの移動手段を構成している。ただし、移動手段は、ラベラーをX軸方向及びY軸方向に移動させる構造を有するものであってもよい。
【0044】
次に、この導電性テープ貼付装置30により、太陽電池モジュール21とフィルムダイオード23に導電性テープ25を貼付する手順について説明すると、作業者Hはセッティングエリア35に位置し、セッティングエリア35に配置されたテーブル31又は32上に、太陽電池モジュール21とフィルムダイオード23とを対応する太陽電池セル22及びダイオード24が整合するように位置決めしてセットする。
【0045】
こうして太陽電池モジュール21,フィルムダイオード23が位置決めされてセットされると、テーブル31,32が回転軸33を中心に180°回転し、セッティングエリア35に配置されていたテーブル31又は32は、反対側のテーブル貼付エリア34に位置する。テーブル貼付エリア34では、テープ切出装置37が導電性テープ25を所定長さに切断して導電性テープ載置台38上に載置する。そして、X軸可動ベース40が移動して、テープ吸着貼付ヘッド41が導電性テープ載置台38上の導電性テープ25を吸着保持し、再びX軸可動ベース40が移動して、テープ吸着貼付ヘッド41を太陽電池モジュール21上の太陽電池セル22と、それに対応するフィルムダイオード23上のダイオード24の上方に、テープ吸着貼付ヘッド41を位置させる。
【0046】
次いで、テープ吸着貼付ヘッド41が、導電性テープ25を太陽電池モジュール21上の太陽電池セル22と、それに対応するフィルムダイオード23上のダイオード24とに押し付けて貼付し、太陽電池セル22とダイオード24とを導電性テープ25によって接続する。X軸可動ベース40は、所定間隔で間欠的に移動し、テープ吸着貼付ヘッド41によって、太陽電池モジュール21上の各太陽電池セル22と、それぞれに対応するフィルムダイオード23上の各ダイオード24とに導電性テープ25が貼付される。こうして、太陽電池モジュール21上に位置決めして設置されたフィルムダイオード23を、導電性テープ25によって太陽電池モジュール21に接続することができる。
【0047】
この実施形態の導電性テープ貼付装置30によれば、太陽電池モジュール21の各太陽電池セル22に、フィルムダイオード23の対応する各ダイオード24を、直接導電性テープ25で接続できるので、剥離シート26等を用いる必要がなく、作業性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0048】
10 導電性テープ貼付装置
11 第1ストッカー
12 テーブル
13 第2ストッカー
14 移動レール
15 ピックアップ装置
16 上下シリンダ
17 支持アーム
18 支持板
19 ラベラー
20 テープ貼付ヘッド
21 太陽電池モジュール
22 太陽電池セル
23 フィルムダイオード
24 ダイオード
25 導電性テープ
26 剥離シート
27 Y軸方向移動装置本体
28 Y軸可動ベース
29 吸引管
30 導電性テープ貼付装置
31,32 テーブル
33 回転軸
34 テープ貼付エリア
35 セッティングエリア
37 テープ切出装置
38 導電性テープ載置台
39 X軸移動レール
40 X軸可動ベース
41 テープ吸着貼付ヘッド
45 位置出しガイド
46 位置出しピン
H 作業者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム基板上に所定間隔で形成された複数のダイオードを有するフィルムダイオードの各ダイオードに、導電性テープをそれぞれ貼着するための導電性テープ貼付装置において、
前記フィルムダイオードが載置されるテーブルと、
前記導電性テープを所定長さにカットして前記フィルムダイオードの各ダイオードに貼着するラベラーと、
前記テーブルに載置されるフィルムダイオードに対し、前記ラベラーを相対移動させる移動手段とを備えていることを特徴とする導電性テープ貼付装置。
【請求項2】
前記テーブルには、前記フィルムダイオードと、その少なくとも一側に配置された剥離シートとが載置され、
前記ラベラーは、前記導線性テープを前記フィルムダイオードの対応するダイオードと前記剥離シートとに亘って貼付するように構成されている請求項1記載の導電性テープ貼付装置。
【請求項3】
前記テーブルには、基板上に複数の太陽電池セルが所定間隔で形成された太陽電池モジュールと、該太陽電池モジュール上に前記各太陽電池セルに各ダイオードが整合するように、前記太陽電池モジュール上に載置された前記フィルムダイオードとが載置され、
前記ラベラーは、前記フィルムダイオードの各ダイオードと前記太陽電池セルの対応する太陽電池セルとが電気的に接続されるように、前記導線性テープを貼付するように構成されている請求項1記載の導電性テープ貼付装置。
【請求項4】
前記移動手段は、前記テーブルを所定間隔で間欠移動させる手段からなり、前記ラベラーは、前記テーブルの移動経路上に配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性テープ貼付装置。
【請求項5】
前記フィルムダイオードを収容する第1ストッカーと、前記導電性テープを貼着されたフィルムダイオードを収容する第2ストッカーと、前記フィルムダイオードを前記第1ストッカー、前記テーブル及び前記第2ストッカー間で移動させるピックアップ装置とを備えている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性テープ貼付装置。
【請求項6】
前記移動手段は、前記ラベラーを、前記テーブル上でX軸方向及び/又はY軸方向に移動させる手段からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性テープ貼付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−16614(P2013−16614A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148019(P2011−148019)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】