説明

薄膜蒸着装置及びこれを利用した有機発光表示装置の製造方法

【課題】蒸着工程中に基板と薄膜蒸着装置との精密なアラインが可能である薄膜蒸着装置及びこれを利用した有機発光表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】蒸着源110の一側に配され、第1方向Yに沿って複数個の蒸着源ノズル121が形成された蒸着源ノズル部120と、蒸着源ノズル部120と対向し第2方向Xに沿って複数個のパターニング・スリット151が形成されるパターニング・スリットシート150と、を具備し、該基板が、第1方向Yに沿って移動しつつ蒸着が行われ、該パターニング・スリットシート150は、第1アラインマーク152及び第2アラインマーク153を含み、該基板は、第1アラインパターン502及び第2アラインパターン503を含み、これらを撮影する第1カメラアセンブリ161及び第2カメラアセンブリ162と、をさらに具備する薄膜蒸着装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜蒸着装置及びこれを利用した有機発光表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置のうち、有機発光表示装置は、視野角が広く、コントラストにすぐれるのみならず、応答速度が速いという長所を有しており、次世代ディスプレイ装置として注目を集めている。
【0003】
有機発光表示装置は、互いに対向した第1電極及び第2電極間に、発光層及びこれを含む中間層を具備する。このとき、前記電極及び中間層は、さまざまな方法で形成されうるが、そのうちの1つの方法が独立蒸着方式である。蒸着法を利用して、有機発光表示装置を製作するためには、薄膜などが形成される基板面に、形成される薄膜などのパターンと同じパターンを有するファイン・メタルマスク(FMM:fine metal mask)を密着させ、薄膜などの材料を蒸着して所定パターンの薄膜を形成する。
【0004】
しかし、かようなファイン・メタルマスクを利用する方法は、5G以上のマザーガラス(mother-glass)を使用する大面積化には不適であるという限界がある。すなわち、大面積マスクを使用すれば、自重によってマスクの反り現象が発生するが、この反り現象によるパターンの歪曲が発生しうるためである。これは、パターンに高精細を要求する現在の傾向と背馳するのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一側面は、従来のファイン・メタルマスクを利用した蒸着法の限界を克服するためのものであり、大型基板の量産工程にさらに適し、蒸着工程中に、基板と薄膜蒸着装置との精密なアラインが可能な薄膜蒸着装置及びこれを利用した有機発光表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による薄膜蒸着装置は、基板上に薄膜を形成するための薄膜蒸着装置において、蒸着物質を放射する蒸着源と、前記蒸着源の一側に配され、第1方向に沿って複数個の蒸着源ノズルが形成された蒸着源ノズル部と、前記蒸着源ノズル部と対向するように配され、前記第1方向に対して垂直である第2方向に沿って複数個のパターニング・スリットが形成されるパターニング・スリットシートと、を具備し、前記基板が、前記薄膜蒸着装置に対して、前記第1方向に沿って移動しつつ蒸着が行われ、前記パターニング・スリットシートは、互いに離隔されて配される第1アラインマーク及び第2アラインマークを含み、前記基板は、互いに離隔されて配される第1アラインパターン及び第2アラインパターンを含み、前記薄膜蒸着装置は、前記第1アラインマークと前記第1アラインパターンとを撮影する第1カメラアセンブリと、前記第2アラインマークと前記第2アラインパターンとを撮影する第2カメラアセンブリと、をさらに具備する。
【0007】
本発明において、前記蒸着源、前記蒸着源ノズル部及び前記パターニング・スリットシートは、一体に形成されうる。
本発明において、前記蒸着源、前記蒸着源ノズル部及び前記パターニング・スリットシートは、前記蒸着物質の移動経路をガイドする連結部材によって結合されて一体に形成されうる。
【0008】
本発明において、前記連結部材は、前記蒸着源、前記蒸着源ノズル部及び前記パターニング・スリットシート間の空間を外部から密閉するように形成されうる。
本発明において、前記複数個の蒸着源ノズルは、所定角度チルト(tilt)されるように形成されうる。
【0009】
本発明において、前記複数個の蒸着源ノズルは、前記第1方向に沿って形成された2列の蒸着源ノズルを含み、前記2列の蒸着源ノズルは、互いに対向する方向にチルトされうる。
本発明において、前記複数個の蒸着源ノズルは、前記第1方向に沿って形成された2列の蒸着源ノズルを含み、前記2列の蒸着源ノズルのうち第1側に配された蒸着源ノズルは、パターニング・スリットシートの第2側端部を向くように配され、前記2列の蒸着源ノズルのうち第2側に配された蒸着源ノズルは、パターニング・スリットシートの第1側端部を向くように配されうる。
【0010】
本発明において、前記第1アラインパターンは、前記第1方向に配列された複数個の第1マークからなり、前記第2アラインパターンは、前記第1方向に配列された複数個の第2マークからなり、前記第1アラインパターンと前記第2アラインパターンは、前記第2方向に離隔されうる。
【0011】
本発明において、前記第1マークまたは前記第2マークは、多角形になりうる。
本発明において、前記第1マークまたは前記第2マークは、三角形になりうる。
本発明において、前記第1アラインパターンと前記第2アラインパターンは、歯車状になりうる。
【0012】
本発明において、前記第1カメラアセンブリと前記第2カメラアセンブリとが配列された方向は、前記第1方向に対して垂直でありうる。
本発明において、前記第1カメラアセンブリ及び前記第2カメラアセンブリそれぞれは、前記第1アラインマーク及び第2アラインマークに対応するように、前記基板上に配されうる。
【0013】
本発明において、前記第1カメラアセンブリ及び前記第2カメラアセンブリによって撮影された情報を利用し、前記基板と前記パターニング・スリットシートとのアライン(位置合わせ)程度を判別する制御部をさらに具備できる。
【0014】
本発明において、前記制御部は、前記第1カメラアセンブリによって撮影された前記第1アラインパターンと前記第1アラインマークとの間の第1間隔、及び前記第2カメラアセンブリによって撮影された前記第2アラインパターンと前記第2アラインマートとの間の第2間隔を比較し、前記パターニング・スリットシートと前記基板との、前記第1方向に垂直である第2方向へのアラインを判別できる。
【0015】
本発明において、前記制御部は、前記第1カメラアセンブリによって撮影された前記第1アラインマークと、前記第2カメラアセンブリによって撮影された前記第2アラインマークと、を比較し、前記第1方向に対して、前記パターニング・スリットシートが傾いているか否かを判別できる。
【0016】
本発明において、前記制御部は、前記撮影された第1アラインマークの幅が、前記撮影された第2アラインマークの幅よりさらに広い場合、前記第1方向を基準として、前記第2アラインマーク側に傾いていると判別し、前記撮影された第1アラインマークの幅が、前記撮影された第2アラインマークの幅よりさらに狭い場合、前記第1方向を基準として、前記第1アラインマーク側に傾いていると判別できる。
【0017】
本発明において、前記制御部は、前記第1カメラアセンブリによって撮影された前記第1アラインパターンと、前記第2カメラアセンブリによって撮影された前記第2アラインパターンと、を比較し、前記第1方向に対して、前記基板が傾いているか否かを判別できる。
【0018】
本発明において、前記制御部は、前記撮影された第1アラインパターンの幅が、前記撮影された第2アラインパターンの幅よりさらに広い場合、前記第1方向を基準として、前記第2アラインパターン側に傾いていると判別し、前記撮影された第1アラインパターンの幅が、前記撮影された第2アラインパターンの幅よりさらに狭い場合、前記第1方向を基準として、前記第1アラインパターン側に傾いていると判別できる。
【0019】
本発明において、前記制御部によって判別された前記アライン程度によって、前記基板または前記パターニング・スリットシートを移動させ、前記基板と前記パターニング・スリットシートとをアラインさせることができる。
【0020】
本発明の他の実施形態による薄膜蒸着装置は、基板上に薄膜を形成するための薄膜蒸着装置において、蒸着物質を放射する蒸着源と、前記蒸着源の一側に配され、第1方向に沿って複数個の蒸着源ノズルが形成された蒸着源ノズル部と、前記蒸着源ノズル部と対向するように配され、前記第1方向に沿って複数個のパターニング・スリットが配されるパターニング・スリットシートと、前記蒸着源ノズル部と前記パターニング・スリットシートとの間に、前記第1方向に沿って配され、前記蒸着源ノズル部と前記パターニング・スリットシートとの間の空間を複数個の蒸着空間に区画する複数枚の遮断板を具備する遮断板アセンブリと、を含み、前記薄膜蒸着装置は、前記基板と離隔されるように配され、前記薄膜蒸着装置と前記基板は、互いに相対的に移動し、前記パターニング・スリットシートは、互いに離隔されて配される第1アラインマーク及び第2アラインマークを含み、前記基板は、互いに離隔されて配される第1アラインパターン及び第2アラインパターンを含み、前記薄膜蒸着装置は、前記第1アラインマークと前記第1アラインパターンとを撮影する第1カメラアセンブリと、前記第2アラインマークと前記第2アラインパターンとを撮影する第2カメラアセンブリと、をさらに具備できる。
【0021】
本発明において、前記複数枚の遮断板それぞれは、前記第1方向と実質的に垂直である第2方向に沿って延びるように形成されうる。
本発明において、前記遮断板アセンブリは、複数枚の第1遮断板を具備する第1遮断板アセンブリと、複数枚の第2遮断板を具備する第2遮断板アセンブリと、を含むことができる。
【0022】
本発明において、前記複数枚の第1遮断板及び前記複数枚の第2遮断板それぞれは、前記第1方向と実質的に垂直である第2方向に沿って延びるように形成されうる。
本発明において、前記複数枚の第1遮断板及び前記複数枚の第2遮断板それぞれは、互いに対応するように配されうる。
【0023】
本発明において、前記蒸着源と前記遮断板アセンブリは、互いに離隔されうる。
本発明において、前記遮断板アセンブリと前記パターニング・スリットシートは、互いに離隔されうる。
本発明において、前記第1アラインパターンは、前記第1方向に配列された複数個の第1マークからなり、前記第2アラインパターンは、前記第1方向に配列された複数個の第2マークからなり、前記第1アラインパターンと前記第2アラインパターンは、前記第2方向に離隔されうる。
【0024】
本発明において、前記第1マークまたは前記第2マークは、多角形になりうる。
本発明において、前記第1マークまたは前記第2マークは、三角形になりうる。
本発明において、前記第1アラインパターンと前記第2アラインパターンは、歯車状になりうる。
【0025】
本発明において、前記第1カメラアセンブリと前記第2カメラアセンブリとが配列された方向は、前記第1方向に対して垂直でありうる。
本発明において、前記第1カメラアセンブリ及び前記第2カメラアセンブリそれぞれは、前記第1アラインマーク及び第2アラインマークに対応するように、前記基板上に配されうる。
【0026】
本発明において、前記第1カメラアセンブリ及び前記第2カメラアセンブリによって撮影された情報を利用し、前記基板と前記パターニング・スリットシートとのアライン程度を判別する制御部をさらに具備できる。
【0027】
本発明において、前記制御部は、前記第1カメラアセンブリによって撮影された前記第1アラインパターンと前記第1アラインマークとの間の第1間隔、及び前記第2カメラアセンブリによって撮影された前記第2アラインパターンと前記第2アラインマークトとの間の第2間隔を比較し、前記パターニング・スリットシートと前記基板との、前記第1方向に垂直である第2方向へのアラインを判別できる。
【0028】
本発明において、前記制御部は、前記第1カメラアセンブリによって撮影された前記第1アラインマークと、前記第2カメラアセンブリによって撮影された前記第2アラインマークと、を比較し、前記第1方向に対して、前記パターニング・スリットシートが傾いているか否かを判別できる。
【0029】
本発明において、前記制御部は、前記撮影された第1アラインマークの幅が、前記撮影された第2アラインマークの幅よりさらに広い場合、前記第1方向を基準として、前記第2アラインマーク側に傾いていると判別し、前記撮影された第1アラインマークの幅が、前記撮影された第2アラインマークの幅よりさらに狭い場合、前記第1方向を基準として、前記第1アラインマーク側に傾いていると判別できる。
【0030】
本発明において、前記制御部は、前記第1カメラアセンブリによって撮影された前記第1アラインパターンと、前記第2カメラアセンブリによって撮影された前記第2アラインパターンと、を比較し、前記第1方向に対して、前記基板が傾いているか否かを判別できる。
【0031】
本発明において、前記制御部は、前記撮影された第1アラインパターンの幅が、前記撮影された第2アラインパターンの幅よりさらに広い場合、前記第1方向を基準として、前記第2アラインパターン側に傾いていると判別し、前記撮影された第1アラインパターンの幅が、前記撮影された第2アラインパターンの幅よりさらに狭い場合、前記第1方向を基準として、前記第1アラインパターン側に傾いていると判別できる。
【0032】
本発明において、前記制御部によって判別された前記アライン程度によって、前記基板または前記パターニング・スリットシートを移動させ、前記基板と前記パターニング・スリットシートとをアラインさせることができる。
【0033】
本発明の一実施形態による有機発光表示装置の製造方法は、基板上に薄膜を形成する薄膜蒸着装置を利用した有機発光ディスプレイ装置の製造方法において、前記基板が、前記薄膜蒸着装置に対して所定程度離隔されるように配される段階と、前記薄膜蒸着装置と前記基板とのうちいずれか一方が他方に対して相対的に移動しつつ、前記薄膜蒸着装置から放射される蒸着物質が、前記基板上に蒸着される段階と、前記薄膜蒸着装置と前記基板との相対移動中、前記薄膜蒸着装置と前記基板とをアラインさせる段階と、を含むことができる。
【0034】
本発明において、前記蒸着物質が、前記基板に蒸着される段階は、前記基板が、前記薄膜蒸着装置に対して相対的に移動しつつ、前記薄膜蒸着装置から放射される蒸着物質が、前記基板上に連続的に蒸着されうる。
本発明において、前記アライン段階は、前記基板に配されたアラインマークと、前記薄膜蒸着装置に配されたアラインパターンと、をカメラアセンブリで撮影する段階と、前記撮影されたアラインマークと、前記撮影されたアラインパターンと、を比較し、前記基板と前記薄膜蒸着装置とのアライン程度を判別する段階と、前記アライン程度によって、前記基板または前記薄膜蒸着装置を移動させ、前記基板と前記薄膜蒸着装置とをアラインさせる段階と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の薄膜蒸着装置及びこれを利用した有機発光表示装置の製造方法によれば、製造が容易であり、大型基板量産工程に容易に適用され、製造収率及び蒸着効率が向上し、蒸着物質のリサイクルが容易であり、蒸着工程で、基板と薄膜蒸着装置との精密なアラインが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態に係わる薄膜蒸着装置を含む薄膜蒸着システム構成図である。
【図2】図1の変形例を図示したシステム構成図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わる薄膜蒸着装置を概略的に図示した斜視図である。
【図4】図3の薄膜蒸着装置の概略的な側断面図である。
【図5】図3の薄膜蒸着装置の概略的な平断面図である。
【図6】基板とパターニング・スリットシートとの配列を示す平面図である。
【図7】基板とパターニング・スリットシートとが第1方向に沿ってアラインされた場合のアラインパターンとアラインマークとの配列である。
【図8】基板がX軸に移動した場合のアラインパターンとアラインマークとの配列である。
【図9】基板がθ方向に位置ずれした場合のアラインパターンとアラインマークとの配列である。
【図10】本発明の他の実施形態に係わる薄膜蒸着装置を概略的に図示した斜視図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態に係わる薄膜蒸着装置を概略的に図示した斜視図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態に係わる薄膜蒸着装置を概略的に図示した斜視図である。
【図13】図12の薄膜蒸着装置の概略的な側断面図である。
【図14】図12の薄膜蒸着装置の概略的な平断面図である。
【図15】本発明のさらに他の実施形態に係わる薄膜蒸着装置を概略的に図示した斜視図である。
【図16】本発明による薄膜蒸着装置で製造されうる有機発光表示装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付された図面に図示された本発明の実施形態を参照しつつ、本発明について詳細に説明する。図面での要素の形状及びサイズなどは、さらに明確な説明のために誇張され、図面上の同じ符号で表示される要素は、同じ要素である。
図1は、本発明の一実施形態に係わる薄膜蒸着装置を含んだ薄膜蒸着システム構成図であり、図2は、図1の変形例を図示したものである。
【0038】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による薄膜蒸着システムは、ローディング部710、蒸着部730、アンローディング部720、第1循環部610及び第2循環部620を含む。
ローディング部710は、第1ラック712と、導入ロボット714と、導入室716と、第1反転室718と、を含むことができる。
【0039】
第1ラック712には、蒸着がなされる前の基板500が多数枚積載されており、導入ロボット714は、前記第1ラック712から基板500を取って、第2循環部620から移送されてきた静電チャック600に基板500を載せた後、基板500が付着された静電チャック600を導入室716に移す。
【0040】
導入室716に隣接するように1反転室718が備わり、第1反転室718に位置した第1反転ロボット719が静電チャック600を反転させ、静電チャック600を蒸着部730の第1循環部610に装着する。
図1から分かるように、導入ロボット714は、静電チャック600の上面に基板500を載せ、この状態で、静電チャック600は、導入室716に移送され、第1反転ロボット719が静電チャック600を反転させることによって、蒸着部730では、基板500が下を向くように位置する。
【0041】
アンローディング部720の構成は、前述のローディング部710の構成と反対になされる。すなわち、蒸着部730を経た基板500及び静電チャック600を、第2反転室728で、第2反転ロボット729が反転させて搬出室726に移送し、搬出ロボット724が搬出室726から基板500及び静電チャック600を取り出した後、基板500を静電チャック600から分離して第2ラック722に積載する。基板500と分離された静電チャック600は、第2循環部620を介してローディング部710に回送される。
【0042】
しかし、本発明は、必ずしもこれに限定されるものではなく、基板500が静電チャック600に最初固定されるときから、静電チャック600の下面に基板500を固定させ、そのまま蒸着部730に移送させることもできる。その場合、例えば、第1反転室718及び第1反転ロボット719、並びに第2反転室728及び第2反転ロボット729は不要となる。
【0043】
蒸着部730は、少なくとも1つの蒸着用チャンバを具備する。図1による本発明の望ましい一実施形態によれば、前記蒸着部730は、第1チャンバ731を具備し、この第1チャンバ731内に、複数の薄膜蒸着装置100,200,300,400が配される。図1に図示された本発明の望ましい一実施形態によれば、前記第1チャンバ731内に、第1薄膜蒸着装置100、第2薄膜蒸着装置200、第3薄膜蒸着装置300及び第4薄膜蒸着装置400の4つの薄膜蒸着装置が設けられているが、その数は、蒸着物質及び蒸着条件によって可変可能である。前記第1チャンバ731は、蒸着が進められる間、真空に維持される。
【0044】
また、図2による本発明の他の実施形態によれば、前記蒸着部730は、互いに連繋された第1チャンバ731及び第2チャンバ732を含み、第1チャンバ731には、第1薄膜蒸着装置100及び第2薄膜蒸着装置200が、第2チャンバ732には、第3薄膜蒸着蒸着300及び第4薄膜蒸着装置400が配されうる。このとき、チャンバの数が追加されうることは言うまでもない。
【0045】
一方、図1による本発明の望ましい一実施形態によれば、前記基板500が固定された静電チャック600は、第1循環部610によって、少なくとも蒸着部730に、望ましくは、前記ローディング部710、蒸着部730及びアンローディング部720に順次移動し、前記アンローディング部720で基板500と分離された静電チャック600は、第2循環部620によって、前記ローディング部710で送り戻される。
【0046】
前記第1循環部610は、前記蒸着部730を通過するとき、前記第1チャンバ731を貫通するように備わり、前記第2循環部620は、静電チャックが移送されるように備わる。
図3は、本発明の薄膜蒸着装置の一実施形態を概略的に図示した斜視図であり、図4は、図3の薄膜蒸着装置の概略的な側面図であり、図5は、図3の薄膜蒸着装置の概略的な平面図である。
【0047】
図3ないし図5を参照すれば、本発明の一実施形態に係わる薄膜蒸着装置100は、蒸着源110、蒸着源ノズル部120、パターニング・スリットシート150、第1カメラアセンブリ161及び第2カメラアセンブリ162、並びに制御部170を含む。
詳細には、蒸着源110から放出された蒸着物質115が、蒸着源ノズル部120及びパターニング・スリットシート150を通過し、基板500に所望のパターンに蒸着されるために、基本的に、第1チャンバ731(図1)内部は、FMM(fine metal mask)蒸着法と同じ高真空状態を維持しなければならない。また、パターニング・スリットシート150の温度が、蒸着源110の温度より十分に低くなければならない(約100゜以下)。なぜならば、パターニング・スリットシート150の温度が十分に低くなってこそ、温度によるパターニング・スリットシート150の熱膨張問題を最小化できるからである。
【0048】
かような第1チャンバ731内には、被蒸着体である基板500が配される。前記基板500は、平板表示装置用基板になりうるが、多数の平板表示装置を形成できるマザーガラス(mother-glass)のような大面積基板が適用されうる。
ここで、本発明の一実施形態では、基板500が、薄膜蒸着装置100に対して相対的に移動しつつ蒸着が進められることを一特徴とする。
【0049】
詳細には、既存のFMM蒸着法では、FMMサイズが基板サイズと同一に形成されねばならない。従って、基板サイズが増大するほど、FMMも大型化され、それによって、FMM製作が容易ではなく、FMMを引っ張って、精密なパターンにアライン(align)させるのも容易ではないという問題点が存在した。
【0050】
かような問題点を解決するために、本発明の一実施形態に係わる薄膜蒸着装置100は、薄膜蒸着装置100と基板500とが互いに相対的に移動しつつ蒸着がなされることを一特徴とする。言い換えれば、薄膜蒸着装置100と対向するように配された基板500が、Y軸方向に沿って移動しつつ連続的に蒸着を行う。すなわち、基板500が、図6の矢印A方向(第1方向)に移動しつつ、スキャニング(scanning)方式で蒸着が行われるのである。
【0051】
本発明の薄膜蒸着装置100では、従来のFMMに比べて、はるかに小さくパターニング・スリットシート150を設けることができる。すなわち、本発明の薄膜蒸着装置100の場合、基板500が、Y軸方向に沿って移動しつつ、連続的に、すなわちスキャニング方式で蒸着を行うために、パターニング・スリットシート150のX軸方向及びY軸方向の長さは、基板500の長さよりはるかに短く形成できるのである。このように、従来のFMMに比べて、はるかに小さくパターニング・スリットシート150を設けることができるために、本発明のパターニング・スリットシート150は、その製造が容易である。すなわち、パターニング・スリットシート150のエッチング作業や、その後の精密引っ張り作業及び溶接作業、移動作業及び洗浄作業などのあらゆる工程で、小サイズのパターニング・スリットシート150が、FMM蒸着法に比べて有利である。またこれは、ディスプレイ装置が大型化されるほどさらに有利になる。
【0052】
一方、チャンバ内で、前記基板500と対向する側には、蒸着物質115が収納及び加熱される蒸着源110が配される。前記蒸着源110内に収納されている蒸着物質115が気化されることによって、基板500に蒸着がなされる。
詳細には、蒸着源110は、その内部に蒸着物質115が充填されるルツボ112と、ルツボ112を加熱させ、ルツボ112内部に充填された蒸着物質115を、ルツボ112の一側、詳細には、蒸着源ノズル部120側に蒸発させるための冷却ブロック111と、を含む。冷却ブロック111は、ルツボ112からの熱が、外部、すなわち第1チャンバ内部への発散を最大限抑制するためのものであり、この冷却ブロック111には、ルツボ111を加熱させるヒータ(図示せず)が含まれている。
【0053】
蒸着源110の一側、詳細には、蒸着源110から基板500に向かう側には、蒸着源ノズル部120が配される。そして、蒸着源ノズル部120には、Y軸方向、すなわち基板500のスキャン方向に沿って、複数個の蒸着源ノズル121が形成される。ここで、前記複数個の蒸着源ノズル121は、等間隔に形成されうる。蒸着源110内で気化された蒸着物質115は、かような蒸着源ノズル部120を通過し、被蒸着体である基板500側に向かうのである。このように、蒸着源ノズル部120上に、Y軸方向すなわち基板500のスキャン方向に沿って、複数個の蒸着源ノズル121が形成される場合、パターニング・スリットシート150のそれぞれのパターニング・スリット151を通過する蒸着物質によって形成されるパターンのサイズは、蒸着源ノズル121の1つのサイズにのみ影響を受けるので(すなわち、X軸方向には、蒸着源ノズル121が一つだけ存在する)、陰影(shadow)が発生しない。また、多数個の蒸着源ノズル121がスキャン方向に存在するので、個別蒸着源ノズル間にフラックス(flux)差が発生しても、その差が相殺され、蒸着均一度が一定に維持されるという効果を得ることができる。
【0054】
一方、蒸着源110と基板500との間には、パターニング・スリットシート150及びフレーム155がさらに備わる。フレーム155は、ほぼ窓枠のような形態に形成され、その内側に、パターニング・スリットシート150が結合される。そして、パターニング・スリットシート150には、X軸方向に沿って、複数個のパターニング・スリット151が形成される。蒸着源110内で気化された蒸着物質115は、蒸着源ノズル部120及びパターニング・スリットシート150を通過し、被蒸着体である基板500側に向かう。このとき、前記パターニング・スリットシート150は、従来のFMM、特にストライプ・タイプ(stripe type)のマスクの製造方法と同じ方法であるエッチングを介して製作されうる。このとき、蒸着源ノズル121の総個数より、パターニング・スリット151の総個数がさらに多く形成されうる。
【0055】
一方、前述の蒸着源110(及びこれと結合された蒸着源ノズル部120)と、パターニング・スリットシート150は、互いに一定程度離隔されるように形成され、蒸着源110(及びこれと結合された蒸着源ノズル部120)と、パターニング・スリットシート150は、第1連結部材135によって互いに連結されうる。すなわち、蒸着源110、蒸着源ノズル部120及びパターニング・スリットシート150が、第1連結部材135によって連結され、互いに一体に形成されうるのである。ここで、第1連結部材135は、蒸着源ノズル121を介して排出される蒸着物質を分散させないように、蒸着物質の移動経路をガイドすることができる。図面には、第1連結部材135が蒸着源110、蒸着源ノズル部120及びパターニング・スリットシート150の左右方向にのみ形成され、蒸着物質のX軸方向だけをガイドすると図示されているが、これは、図示の便宜のためのものであり、本発明の思想は、これにのみ制限されるものではなく、第1連結部材135がボックス状の密閉型に形成され、蒸着物質のX軸方向及びY軸方向への移動を同時にガイドすることもできる。
【0056】
前述のように、本発明の一実施形態に係わる薄膜蒸着装置100は、基板500に対して相対的に移動しつつ蒸着を行い、このように、薄膜蒸着装置100が基板500に対して相対的に移動するために、パターニング・スリットシート150は、基板500から一定程度離隔されるように形成される。
【0057】
詳細には、従来のFMM蒸着法では、基板に陰影を生じさせないために、基板にマスクを密着させて蒸着工程を進めた。しかし、そのように、基板にマスクを密着させる場合、基板とマスクとの接触による不良問題が発生するという問題点が存在した。また、マスクを基板に対して移動させられないために、マスクが基板と同じサイズに形成されねばならない。従って、ディスプレイ装置が大型化されることによって、マスクのサイズも大きくならなければならないが、かような大型マスクを形成することが容易ではないという問題点が存在した。
【0058】
かような問題点を解決するために、本発明の一実施形態に係わる薄膜蒸着装置100では、パターニング・スリットシート150を、被蒸着体である基板500と所定間隔をおいて離隔されるように配する。
かような本発明によって、マスクを基板より小さく形成した後、マスクを基板に対して移動させつつ蒸着を行うことにより、マスク製作が容易になるという効果を得ることができる。また、基板とマスクとの接触による不良を防止する効果を得ることができる。また、工程で、基板とマスクとを密着させる時間が不要であるために、製造速度が速まるという効果を得ることができる。
【0059】
本発明の一実施形態に係わる薄膜蒸着装置100は、基板500とパターニング・スリットシート150とのアラインのために、第1アラインパターン502及び第2アラインパターン503、第1アラインマーク152及び第2アラインマーク153、第1カメラアセンブリ161及び第2カメラアセンブリ162、並びに制御部170を具備できる。
【0060】
第1アラインパターン502及び第2アラインパターン503は、基板500の移送方向Pに沿って、基板500上に形成される。第1アラインパターン502及び第2アラインパターン503は、互いに離隔されて基板500の両端部に形成されうる。第1アラインパターン502は、基板500の移送方向Pに沿って配列された複数個の第1マーク502aからなり、第2アラインパターン503は、前記移送方向Pに沿って配列された複数個の第2マーク503aからなりうる。第1マーク502a及び第2マーク503aは、多角形であって、図3に図示されているように、直角三角形でありうる。第1マーク502a及び第2マーク503aが直角三角形である場合、図3に図示されているように、斜辺が基板500の外郭部を向くように配されうる。この場合、第1アラインパターン502及び第2アラインパターン503は、歯車状でありうる。
【0061】
第1アラインマーク152及び第2アラインマーク153は、パターニング・スリットシート150の両端部に形成されうる。第1アラインマーク152及び第2アラインマーク153は、前記移送方向Pに垂直である方向(第2方向)に互いに離隔されて形成されうる。第1アラインマーク152及び第2アラインマーク153は、多角形であって、図3に図示されているように、直角三角形でありうる。第1アラインマーク152及び第2アラインマーク153が直角三角形である場合、図3に図示されているように、斜辺がパターニング・スリット151に向かうように形成されうる。
【0062】
基板500とパターニング・スリットシート150とが正しくアラインされた場合、第1アラインマーク152及び第2アラインマーク153は、第1アラインパターン502と第2アラインパターン503との間に位置する。これについては後述する。
【0063】
第1カメラアセンブリ161は、第1アラインマーク152に対応するように、基板500上に配され、第2カメラアセンブリ162は、第2アラインマーク153に対応するように、基板500上に配されうる。第1カメラアセンブリ161は、基板500上で、第1アラインパターン502と第1アラインマーク152とを撮影し、第2カメラアセンブリ162は、基板500上で、第2アラインパターン502と第2アラインマーク152とを撮影できる。基板500は、透明であるので、第1カメラアセンブリ161及び第2カメラアセンブリ162が、基板500を介して、第1アラインマーク152及び第2アラインマーク153を撮影することが可能である。第1カメラアセンブリ161及び第2カメラアセンブリ162が配列された方向は、前記移送方向Pに垂直である方向(第2方向)でありうる。
【0064】
制御部170は、第1カメラアセンブリ161及び第2カメラアセンブリ162によって撮影された情報を分析し、基板500とパターニング・スリットシート150とのアライン程度を判別し、前記アライン程度によって、基板500またはパターニング・スリットシート150を移動させることができる駆動部(図示せず)を制御できる。
図6ないし図9を参照して、基板500とパターニング・スリットシート150とのアラインについて説明する。
【0065】
図6は、第1カメラアセンブリ161及び第2カメラアセンブリ162から見た基板500とパターニング・スリットシート150との平面図である。
図6を参照すれば、基板500は、Y軸方向に移送される。第1アラインパターン502及び第2アラインパターン503は、基板500の移送方向であるY方向と平行するように形成され、第1アラインパターン502と第2アラインパターン503は、Y方向に垂直である方向(第2方向)に互いに離隔され、基板500の両端部に配されうる。
【0066】
パターニング・スリットシート150上に形成された第1アラインマーク152及び第2アラインマーク153は、前記第2方向に互いに離隔されており、第1アラインパターン502と第2アラインパターン503との間に配されうる。
図7は、基板500とパターニング・スリットシート150とが正しくアラインされた状態の第1アラインパターン502及び第2アラインパターン503と、第1アラインマーク152及び第2アラインマーク153と、を図示している。
【0067】
図7を参照すれば、第1カメラアセンブリ161の撮像素子161aと、第2カメラアセンブリ162の撮像素子162aは、前記第2方向(X軸方向)に沿って配され、第1アラインパターン502及び第2アラインパターン503と、第1アラインマーク152及び第2アラインマーク153と、を撮影する。基板500とパターニング・スリットシート150とが正しくアラインされた状態である場合、第1アラインパターン502と第1アラインマーク152との間隔Aと、第2アラインパターン503と第2アラインマーク153との間隔A’とが同一である。また、第1カメラアセンブリ161によって撮影された第1アラインパターン502の幅Bと、カメラアセンブリ162によって撮影された第2アラインパターン503の幅B’とが同一である。第1カメラアセンブリ161によって撮影された第1アラインマーク152の幅Cと、カメラアセンブリ162によって撮影された第2アラインマーク153の幅C’とが同一である。
【0068】
図8は、基板500が−X軸方向に移動した場合の第1アラインパターン502及び第2アラインパターン503と、第1アラインマーク152及び第2アラインマーク153と、を図示している。
図8を参照すれば、基板500が−X軸方向に移動した場合、第1アラインパターン502と第1アラインマーク152との間隔Aが、第2アラインパターン503と第2アラインマーク153との間隔A’より狭くなる。しかし、第1カメラアセンブリ161によって撮影された第1アラインパターン502の幅Bと、カメラアセンブリ162によって撮影された第2アラインパターン503の幅B’とが同一であり、第1カメラアセンブリ161によって撮影された第1アラインマーク152の幅Cと、カメラアセンブリ162によって撮影された第2アラインマーク153の幅C’とが同一である。
【0069】
基板500が−X軸方向に移動した場合、制御部170は、基板500をX軸方向に(A’−A)/2の距離ほど移動させるように駆動部(図示せず)を制御する。
図9は、基板500がθ方向に位置ずれした場合の第1アラインパターン502及び第2アラインパターン503と、第1アラインマーク152及び第2アラインマーク153と、を図示している。基板500がθ方向に位置ずれした場合は、基板500がZ軸(図3)を中心に、逆時計回り方向(θ方向)または時計回り方向(−θ方向)に移動した場合を意味する。
【0070】
図9を参照すれば、基板500がθ方向(逆時計回り方向)に位置ずれした場合、第1カメラアセンブリ161によって撮影された第1アラインマーク152の幅Cと、カメラアセンブリ162によって撮影された第2アラインマーク153の幅C’とが同一であるが、第1カメラアセンブリ161によって撮影された第1アラインパターン502の幅Bは、アセンブリ162によって撮影された第2アラインパターン503の幅B’より狭くなる。基板500の位置ずれ程度は、Arctan((B’−B)/A)に該当する。かような場合、制御部170は、基板500を−θ方向(時計回り方向)にArctan((B’−B)/A)の角度ほど移動させるように、駆動部(図示せず)を制御する。
【0071】
図面には図示されていないが、パターニング・スリットシート150がθ方向に位置ずれした場合、第1カメラアセンブリ161によって撮影された第1アラインマーク152の幅Cが、カメラアセンブリ162によって撮影された第2アラインマーク153の幅C’より小さくなるのである。この場合、制御部170は、パターニング・スリットシート150を−θ方向(時計回り方向)にArctan((C’−C)/A)の角度ほど移動させるように、駆動部(図示せず)を制御する。
【0072】
このように、本発明の一実施形態による薄膜蒸着装置100は、基板500が移送方向に垂直である方向(第2方向)に移動した場合だけではなく、移送方向(第1方向)に対して位置ずれした場合にも、基板500とアラインパターニング・スリットシート150とのアラインを制御できる。
【0073】
図10は、本発明の薄膜蒸着装置の他の実施形態を示す図面である。図面を参照すれば、本発明の他の実施形態による薄膜蒸着装置は、蒸着源110、蒸着源ノズル部120及びパターニング・スリットシート150を含む。ここで、蒸着源110は、その内部に蒸着物質115が充填されるルツボ112と、ルツボ112を加熱させてルツボ112内部に充填された蒸着物質115を、蒸着源ノズル部120’側に蒸発させるための冷却ブロック111と、を含む。一方、蒸着源110の一側には、蒸着源ノズル部120’が配され、蒸着源ノズル部120’には、Y軸方向に沿って、複数個の蒸着源ノズル121’が形成される。一方、蒸着源110と基板500との間には、パターニング・スリットシート150及びフレーム155がさらに備わり、パターニング・スリットシート150には、X軸方向に沿って、複数個のパターニング・スリット151が形成される。そして、蒸着源110、蒸着源ノズル部120’及びパターニング・スリットシート150は、第1連結部材135によって結合される。
【0074】
本実施形態では、蒸着源ノズル部120’に形成された複数個の蒸着源ノズル121’が所定角度チルトされて配されるという点で、図3に図示された薄膜蒸着装置と区別される。詳細には、蒸着源ノズル121’は、2列の蒸着源ノズル121a,121bからなり、前記2列の蒸着源ノズル121a,121bは、互いに交互に配される。このとき、蒸着源ノズル121a,121bは、XZ平面上で、所定角度傾くようにチルトされて形成されうる。
【0075】
本実施形態では、蒸着源ノズル121a,121bが所定角度チルトされて配されるようにする。ここで、第1列の蒸着源ノズル121aは、第2列の蒸着源ノズル121bに向くようにチルトされ、第2列の蒸着源ノズル121bは、第1列の蒸着源ノズル121aに向くようにチルトされうる。言い換えれば、左側列に配された蒸着源ノズル121aは、パターニング・スリットシート150の右側端部を向くように配され、右側列に配された蒸着源ノズル121bは、パターニング・スリットシート150の左側端部を向くように配されうる。
【0076】
かような構成によって、基板の中央及び終端部分での成膜厚差が小さくなり、全体的な蒸着物質の厚みが均一になるように制御でき、さらには材料利用効率が上昇する効果を得ることができる。
図11は、本発明の薄膜蒸着装置のさらに他の実施形態を示す図面である。図面を参照すれば、本発明のさらに他の実施形態による薄膜蒸着装置は、図3ないし図5で説明した薄膜蒸着装置が複数個備わることを一特徴とする。言い換えれば、本発明の一実施形態に係わる薄膜蒸着装置は、赤色発光層(R)材料、緑色発光層(G)材料、青色発光層(B)材料が一度に放射されるマルチ蒸着源(multi source)を具備できる。
【0077】
詳細には、本実施形態は、第1薄膜蒸着装置101、第2薄膜蒸着装置102及び第3薄膜蒸着装置103を含む。かような第1薄膜蒸着装置101、第2薄膜蒸着装置102及び第3薄膜蒸着装置103それぞれの構成は、図3ないし図5で説明した薄膜蒸着装置と同一であるので、ここでは、その詳細な説明は省略する。
ここで、第1薄膜蒸着装置101、第2薄膜蒸着装置102及び第3薄膜蒸着装置103の蒸着源には、互いに異なる蒸着物質が備わりうる。例えば、第1薄膜蒸着装置101には、赤色発光層(R)の材料になる蒸着物質が備わり、第2薄膜蒸着装置102には、緑色発光層(G)の材料になる蒸着物質が備わり、第3薄膜蒸着装置103には、青色発光層Bの材料になる蒸着物質が備わりうる。
【0078】
すなわち、従来の有機発光ディスプレイ装置の製造方法では、各色相別に別途のチャンバとマスクとを具備することが一般的であったが、本発明の一実施形態に係わる薄膜蒸着装置を利用すれば、1つのマルチソースで、赤色発光層(R)、緑色発光層(G)及び青色発光層(B)を一度に蒸着できるのである。従って、有機発光ディスプレイ装置の生産時間が画期的に短縮されると同時に、備わるべきチャンバ数が減少することによって、設備コストもまた顕著に節減されるという効果を得ることができる。
【0079】
この場合、図面には詳細に図示されていないが、第1薄膜蒸着装置101、第2薄膜蒸着装置102及び第3薄膜蒸着装置103のパターニング・スリットシートは、互いに一定程度オフセット(offset)されて配されることによって、その蒸着領域が重畳されないようにすることができる。言い換えれば、第1薄膜蒸着装置101が赤色発光層(R)の蒸着を担当し、第2薄膜蒸着装置102が緑色発光層(G)の蒸着を担当し、第3薄膜蒸着装置103が青色発光層Bの蒸着を担当する場合、第1薄膜蒸着装置101のパターニング・スリット151と、第2薄膜蒸着装置102のパターニング・スリット251と、第3薄膜蒸着装置103のパターニング・スリット351とが、互いに同一線上に位置しないように配されることによって、基板上の互いに異なる領域に、それぞれ赤色発光層(R)、緑色発光層(G)、青色発光層Bを形成させることができる。
【0080】
ここで、赤色発光層(R)の材料になる蒸着物質と、緑色発光層(G)の材料になる蒸着物質と、青色発光層Bの材料になる蒸着物質は、互いに気化される温度が異なるので、前記第1薄膜蒸着装置101の蒸着源110の温度と、前記第2薄膜蒸着装置102の蒸着源の温度と、前記第3薄膜蒸着装置103の蒸着源の温度とが、互いに異なるように設定されることも可能である。
一方、図面には、薄膜蒸着装置が3個備わると図示されているが、本発明の思想は、これに制限されるものではない。すなわち、本発明の一実施形態に係わる薄膜蒸着装置は、薄膜蒸着装置を多数個具備でき、前記多数個の薄膜蒸着装置それぞれに、互いに異なる物質を具備できる。例えば、薄膜蒸着装置を5個具備し、それぞれの薄膜蒸着装置に、赤色発光層(R)、緑色発光層(G)、青色発光層(B)、赤色発光層の補助層(R’)及び緑色発光層の補助層(G’)を具備することができる。
【0081】
このように、複数個の薄膜蒸着装置を具備し、多数個の薄膜層を一度に形成できるようにすることによって、製造収率及び蒸着効率が向上するという効果を得ることができる。また、製造工程が簡単になり、製造コストが節減されるという効果を得ることができる。
図12は、本発明の薄膜蒸着装置のさらに他の実施形態を概略的に図示した斜視図であり、図13は、図12の薄膜蒸着装置の概略的な側断面図であり、図14は、図12の薄膜蒸着装置の概略的な平断面図である。
【0082】
図12ないし図14を参照すれば、本発明のさらに他の実施形態に係わる薄膜蒸着装置100”は、蒸着源110、蒸着源ノズル部120”、遮断板アセンブリ130及びパターニング・スリット151を含む。
ここで、図12ないし図14には、説明の便宜のためにチャンバを図示していないが、図12ないし図14のあらゆる構成は、適切な真空度が維持されるチャンバ内に配されることが望ましい。これは、蒸着物質の直進性を確保するためである。
【0083】
かようなチャンバ内には、被蒸着体である基板500が、静電チャック600(図1)によって移送される。前記基板500は、平板表示装置用基板になりうるが、多数の平板表示装置を形成できるマザーガラスのような大面積基板が適用されうる。
ここで、本発明の一実施形態では、基板500が薄膜蒸着装置100”に対して相対的に移動するが、望ましくは、薄膜蒸着装置100”に対して基板500がP方向に移動するようにすることができる。
【0084】
前述の第1実施形態のように、本発明の薄膜蒸着装置100”では、従来のFMMに比べて、はるかに小さくパターニング・スリットシート150を設けることができる。すなわち、本発明の薄膜蒸着装置100”の場合、基板500がY軸方向に沿って移動しつつ、連続的に、すなわちスキャニング方式で蒸着を行うために、パターニング・スリットシート150のX軸方向への幅、及び基板500のX軸方向への幅のみ実質的に同一に形成されれば、パターニング・スリットシート150のY軸方向の長さは、基板500の長さよりはるかに短く形成されても差し支えない。もちろん、パターニング・スリットシート150のX軸方向への幅が、基板500のX軸方向への幅より短く形成されても、基板500と薄膜蒸着装置100との相対的移動によるスキャニング方式によって、十分に基板500全体に対して蒸着が可能である。
【0085】
このように、従来のFMMに比べて、はるかに小さくパターニング・スリットシート150を設けることができるために、本発明のパターニング・スリットシート150は、その製造が容易である。すなわち、パターニング・スリットシート150のエッチング作業や、その後の精密引っ張り作業及び溶接作業、移動作業及び洗浄作業などのあらゆる工程で、小サイズのパターニング・スリットシート150がFMM蒸着法に比べて有利である。また、これは、ディスプレイ装置が大型化されるほどさらに有利になる。
【0086】
一方、チャンバ内で前記基板500と対向する側には、蒸着物質115が収納及び加熱される蒸着源110が配される。
前記蒸着源110は、その内部に蒸着物質115が充填されるルツボ112と、このルツボ112を取り囲む冷却ブロック111と、が備わる。冷却ブロック111は、ルツボ112からの熱が外部、すなわち、チャンバ内部に発散されることを最大限抑制するためのものであり、この冷却ブロック111には、ルツボ111を加熱させるヒータ(図示せず)が含まれている。
【0087】
蒸着源110の一側、詳細には蒸着源110から基板500に向かう側には、蒸着源ノズル部120”が配される。そして、蒸着源ノズル部120”には、X軸方向に沿って、複数個の蒸着源ノズル121”が形成される。ここで、前記複数個の蒸着源ノズル121”は、等間隔で形成されうる。蒸着源110内で気化された蒸着物質115は、かような蒸着源ノズル部120”の蒸着源ノズル121”を通過し、被蒸着体である基板500側に向かうのである。
蒸着源ノズル部120”の一側には、遮断板アセンブリ130が備わる。前記遮断板アセンブリ130は、複数枚の遮断板131と、遮断板131の外側に備わる遮断板フレーム132と、を含む。前記複数枚の遮断板131は、X軸方向に沿って互いに平行に配されうる。ここで、前記複数枚の遮断板131は、等間隔で形成されうる。また、それぞれの遮断板131は、図面で見るとき、YZ平面に沿って延びており、望ましくは、長方形で備わりうる。このように配された複数枚の遮断板131は、蒸着源ノズル部120”とパターニング・スリット150との間の空間を、複数個の蒸着空間S(図14)に区画する。すなわち、本発明の一実施形態に係わる薄膜蒸着装置100”は、前記遮断板131によって、図14から分かるように、蒸着物質が噴射されるそれぞれの蒸着源ノズル121”別に蒸着空間Sが分離される。
【0088】
ここで、それぞれの遮断板131は、互いに隣接している蒸着源ノズル121”間に配されうる。これは言い換えれば、互いに隣接している遮断板131間に、1つの蒸着源ノズル121”が配されるのである。望ましくは、蒸着源ノズル121”は、互いに隣接している遮断板131間の真ん中に位置しうる。しかし、本発明は、必ずしもそれに限定されるものではなく、互いに隣接している遮断板131間に、複数の蒸着源ノズル121”が配置しても差し支えない。ただし、その場合にも、複数の蒸着源ノズル121”を、互いに隣接している遮断板131間の真ん中に位置させることが望ましい。
【0089】
このように、遮断板131が、蒸着源ノズル部120”とパターニング・スリットシート150との間の空間を複数個の蒸着空間Sに区画することによって、1つの蒸着源ノズル121”から排出される蒸着物質は、他の蒸着源ノズル121”から排出された蒸着物質と混合されず、パターニング・スリット151を通過して、基板500に蒸着されるのである。すなわち、前記遮断板131は、各蒸着源ノズル121”を介して排出される蒸着物質を分散させずに直進性を維持するように、蒸着物質のX軸方向の移動経路をガイドする役割を行う。
【0090】
このように、遮断板131を具備して、蒸着物質の直進性を確保することによって、基板に形成される陰影のサイズを大幅に縮めることができ、従って、薄膜蒸着装置100”と基板500とを一定程度離隔させることが可能になる。これについては、後に詳細に記述する。
一方、前記複数枚の遮断板131の外側には、遮断板フレーム132がさらに備わりうる。遮断板フレーム132は、複数枚の遮断板131の側面にそれぞれ備わり、複数枚の遮断板131の位置を固定すると同時に、蒸着源ノズル121”を介して排出される蒸着物質をY軸方向に分散させないように、蒸着物質のY軸方向の移動経路をガイドする役割を行う。
【0091】
前記蒸着源ノズル部120”と遮断板アセンブリ130は、一定程度離隔されたことが望ましい。これにより、蒸着源110”から発散される熱が、遮断板アセンブリ130に伝わることを防止できる。しかし、本発明の思想は、これに制限されるものではない。すなわち、蒸着源ノズル部120”と遮断板アセンブリ130との間に、適切な断熱手段が備わる場合、蒸着源ノズル部120”と遮断板アセンブリ130とが結合して接触することが可能である。
【0092】
一方、前記遮断板アセンブリ130は、薄膜蒸着装置100”から着脱自在に形成されうる。本発明の一実施形態に係わる薄膜蒸着装置100”では、遮断板アセンブリ130を利用して、蒸着空間を外部空間と分離したので、基板500に蒸着されていない蒸着物質は、ほとんど遮断板アセンブリ130内に蒸着される。従って、遮断板アセンブリ130を、薄膜蒸着装置100から着脱自在に形成し、長時間の蒸着後に、遮断板アセンブリ130に蒸着物質が多くたまれば、遮断板アセンブリ130を薄膜蒸着装置100から分離し、別途の蒸着物質リサイクル装置に入れて蒸着物質を回収できる。かような構成を介して、蒸着物質リサイクル率を高めることによって、蒸着効率が向上し、かつ製造コストが節減されるという効果を得ることができる。
【0093】
一方、蒸着源110と基板500との間には、パターニング・スリットシート150及びフレーム155がさらに備わる。前記フレーム155は、ほぼ窓枠のような形態に形成され、その内側に、パターニング・スリットシート150が結合される。そして、パターニング・スリットシート150には、X軸方向に沿って、複数個のパターニング・スリット151が形成される。各パターニング・スリット151は、Y軸方向に沿って延びている。蒸着源110内で気化されて、蒸着源ノズル121を通過した蒸着物質115は、パターニング・スリット151を通過して、被蒸着体である基板500方向に向かう。
【0094】
前記パターニング・スリットシート150は、金属薄板から形成され、引っ張られた状態でフレーム155に固定される。前記パターニング・スリット151は、ストライプ・タイプで、パターニング・スリットシート150にエッチングを介して形成される。
ここで、本発明の一実施形態に係わる薄膜蒸着装置100”は、蒸着源ノズル121”の総個数より、パターニング・スリット151の総個数がさらに多く形成される。また、互いに隣接している2枚の遮断板131間に配された蒸着源ノズル121”の個数より、パターニング・スリット151の個数がさらに多く形成される。前記パターニング・スリット151の個数は、基板500に形成される蒸着パターンの個数に対応させることが望ましい。
【0095】
一方、前述の遮断板アセンブリ130と、パターニング・スリットシート150は、互いに一定程度離隔されるように形成され、遮断板アセンブリ130と、パターニング・スリットシート150は、別途の第2連結部材133によって互いに連結されうる。詳細には、高温状態の蒸着源110”によって、遮断板アセンブリ130の温度は、最大100℃以上上昇するために、上昇した遮断板アセンブリ130の温度が、パターニング・スリットシート150に伝わらないように、遮断板アセンブリ130と、パターニング・スリットシート150とを一定程度離隔させるのである。
【0096】
前述のように、本発明の一実施形態に係わる薄膜蒸着装置100”は、基板500に対して相対的に移動しつつ蒸着を行い、このように、薄膜蒸着装置100が基板500に対して相対的に移動するために、パターニング・スリットシート150は、基板500から一定程度離隔されるように形成される。そして、パターニング・スリットシート150と基板500とを離隔させる場合に発生する陰影問題を解決するために、蒸着源ノズル部120とパターニング・スリットシート150との間に遮断板131を具備し、蒸着物質の直進性を確保することによって、基板に形成される陰影のサイズを大幅に縮小させたものである。
【0097】
従来のFMM蒸着法では、基板に陰影を生じさせないために、基板にマスクを密着させて蒸着工程を進めた。しかし、このように基板にマスクを密着させる場合、基板とマスクとの接触によって、基板にすでに形成されていたパターンが引っかかれるというような不良が発生するという問題点が存在した。また、マスクを基板に対して移動させられないために、マスクが基板と同じサイズに形成されねばならない。従って、ディスプレイ装置が大型化されることによって、マスクのサイズも大きくならなければならないが、かような大型マスクを形成することが容易ではないという問題点が存在した。
【0098】
かような問題点を解決するために、本発明の一実施形態に係わる薄膜蒸着装置100”では、パターニング・スリットシート150を、被蒸着体である基板500と所定間隔をおいて離隔されるように配する。これは、遮断板131を具備し、基板500に生成される陰影を小さくすることによって実現可能になる。
かような本発明によって、パターニング・スリットシートを基板より小さく形成した後、このパターニング・スリットシートを基板に対して相対移動させることによって、従来のFMM法のように大きいマスクを製作する必要がなくなったのである。また、基板とパターニング・スリットシートとが離隔されているために、相互接触による不良を防止する効果を得ることができる。また工程で、基板とパターニング・スリットシートとを密着させる時間が不要であるために、製造速度が向上するという効果を得ることができる。
【0099】
図15は、本発明の薄膜蒸着装置のさらに他の実施形態を概略的に図示した斜視図である。
図15に図示された実施形態に係わる薄膜蒸着装置100”’は、蒸着源110、蒸着源ノズル部120”、第1遮断板アセンブリ130、第2遮断板アセンブリ140、パターニング・スリットシート150を含む。
【0100】
ここで、図15には、説明の便宜のためにチャンバを図示していないが、図15のあらゆる構成は、適切な真空度が維持されるチャンバ内に配されることが望ましい。これは、蒸着物質の直進性を確保するためである。
かようなチャンバ(図示せず)内には、被蒸着体である基板500が配される。そして、チャンバ(図示せず)内で、基板500と対向する側には、蒸着物質115が収納及び加熱される蒸着源110が配される。
【0101】
蒸着源110及びパターニング・スリットシート150の詳細な構成は、前述の図12による実施形態と同一であるので、詳細な説明を省略する。そして、前記第一遮断板アセンブリ130は、図12による実施形態の遮断板アセンブリと同一であるので、やはり詳細な説明は省略する。
本実施形態では、第1遮断板アセンブリ130の一側に、第2遮断板アセンブリ140が備わる。前記第2遮断板アセンブリ140は、複数枚の第2遮断板141と、第2遮断板141外側に備わる第2遮断板フレーム142と、を含む。
【0102】
前記複数枚の第2遮断板141は、X軸方向に沿って互いに平行に備わりうる。そして、前記複数枚の第2遮断板141は、等間隔で形成されうる。また、それぞれの第2遮断板141は、図面から分かるように、YZ平面と平行に、言い換えれば、X軸方向に垂直になるように形成される。
【0103】
このように配された複数枚の第1遮断板131及び第2遮断板141は、蒸着源ノズル部120とパターニング・スリットシート150との間の空間を区画する役割を行う。すなわち、前記第1遮断板131及び第2遮断板141によって、蒸着物質が噴射されるそれぞれの蒸着源ノズル121別に、蒸着空間が分離されることを一特徴とする。
【0104】
ここで、それぞれの第2遮断板141は、それぞれの第1遮断板131と一対一で対応するように配されうる。言い換えれば、それぞれの第2遮断板141は、それぞれの第1遮断板131とアラインされ、互いに平行に配されうる。すなわち、互いに対応する第1遮断板131と第2遮断板141は、互いに同じ平面上に位置するのである。図面には、第1遮断板131の幅と、第2遮断板141のX軸方向の幅とが同じであると図示されているが、本発明の思想は、これに制限されるものではない。すなわち、パターニング・スリット151との精密なアラインが要求される第2遮断板141は、相対的に薄く形成される一方、精密なアラインが要求されない第1遮断板131は、相対的に厚く形成され、その製造を容易にすることも可能である。
【0105】
以上で説明したような薄膜蒸着装置100”’は、図1から分かるように、第1チャンバ731内に複数個が連続して配されうる。この場合、各薄膜蒸着装置100”’は、互いに異なる蒸着物質を蒸着させることができ、このとき、各薄膜蒸着装置100”’のパターニング・スリットのパターンが、互いに異なるパターンになるようにして、例えば、赤色、緑色、青色の画素を一括蒸着するような成膜工程を進めることができる。
図16は、本発明の蒸着装置を利用して製造されたアクティブ・マトリックス型有機発光表示装置の断面を図示したものである。
【0106】
図16を参照すれば、前記アクティブ・マトリックス型の有機発光表示装置は、基板30上に形成される。前記基板30は、透明な素材、例えばガラス材、プラスチック材または金属材から形成されうる。前記基板30上には、全体的にバッファ層のような絶縁膜31が形成されている。
前記絶縁膜31上には、図16から分かるように、TFT(thin film transistor)40と、キャパシタ50と、有機発光素子60と、が形成される。
【0107】
前記絶縁膜31の上面には、所定パターンに配列された半導体活性層41が形成されている。前記半導体活性層41は、ゲート絶縁膜32によって埋め込まれている。前記活性層41は、p型またはn型の半導体によって備わりうる。
前記ゲート絶縁膜32の上面には、キャパシタ50の第1キャパシタ電極51;前記活性層41と対応するところに、TFT 40のゲート電極42;が形成される。そして、前記第1キャパシタ電極51と前記ゲート電極42とを覆うように、層間絶縁膜33が形成される。前記層間絶縁膜33が形成された後には、ドライエッチングのようなエッチング工程によって、前記ゲート絶縁膜32と層間絶縁膜33とをエッチングしてコンタクトホールを形成させ、前記活性層41の一部が現れるようにする。
【0108】
次に、前記層間絶縁膜33上に、第2キャパシタ電極52とソース/ドレイン電極43とが形成される。前記ソース/ドレイン電極43は、コンタクトホールを介して露出された活性層41に接触されるように形成される。前記第2キャパシタ電極52と前記ソース/ドレイン電極43とを覆うように、保護膜34が形成され、エッチング工程を介して、前記ドレイン電極43の一部が現れるようにする。前記保護膜34上には、保護膜34の平坦化のために、別途の絶縁膜をさらに形成することもできる。
【0109】
一方、前記有機発光素子60は、電流の流れによって、赤色、緑色、青色の光を発光させて所定の画像情報を表示するためのものであり、前記保護膜34上に、第1電極61を形成する。前記第1電極61は、TFT 40のドレイン電極43と電気的に連結される。
そして、前記第1電極61を覆うように、画素定義膜35が形成される。この画素定義膜35に、所定の開口64を形成した後、この開口64によって限定された領域内に、有機発光膜63を形成する。有機発光膜63上には、第2電極62を形成する。
【0110】
前記画素定義膜35は、各画素を区画するものであり、有機物によって形成され、第1電極61が形成されている基板の表面、特に、保護層34の表面を平坦化する。
前記第1電極61と第2電極62は、互いに絶縁されており、有機発光膜63に互いに異なる極性の電圧を加えて発光させる。
前記有機発光膜63は、低分子または高分子の有機物が使われうる、低分子有機物を使用する場合、ホール注入層(HIL:hole injection layer)、ホール輸送層(HTL:hole transport layer)、発光層(EML:emission layer)、電子輸送層(ETL:electron transport layer)、電子注入層(EIL:electron injection layer)などが、単一あるいは複合の構造で積層されて形成され、使用可能な有機材料も、銅フタロシアニン(CuPc)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)などを始めとして多様に適用可能である。それら低分子有機物は、図1ないし図16での蒸着装置及び蒸着ソースユニットを利用して真空蒸着の方法で形成されうる。
【0111】
まず、画素定義膜35に開口64を形成した後、この基板30を、図1のようにチャンバ内に移送する。そして、第1蒸着ソースと第2蒸着ソースとに目標有機物を収納した後、蒸着する。このとき、ホストとドーパントとを同時に蒸着させる場合には、第1蒸着ソースと第2蒸着ソースとに、それぞれホスト物質とドーパント物質とを収納して蒸着する。
かような有機発光膜を形成した後には、第2電極62をやはり同じ蒸着工程で形成できる。
【0112】
一方、前記第1電極61は、アノード電極の機能を行い、前記第2電極62は、カソード電極の機能を行うことができるが、もちろん、それら第1電極61と第2電極62との極性は、反対になっても差し支えない。そして、第1電極61は、各画素の領域に対応するようにパターンされ、第2電極62は、あらゆる画素を覆うように形成されうる。
【0113】
前記第1電極61は、透明電極または反射型電極として備わりうるが、透明電極として使われるときには、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ZnOまたはInによって備わり、反射型電極として使われるときにはAg、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、及びそれらの化合物で反射層を形成した後、その上に、ITO、IZO、ZnOまたはInで透明電極層を形成できる。かような第1電極61は、スパーッタリング法などによって成膜された後、フォトリソグラフィ法などによって、パターニングされる。
【0114】
一方、前記第2電極62も、透明電極または反射型電極として備わりうるが、透明電極として使われるときには、該第2電極62がカソード電極として使われるので、仕事関数が小さい金属、すなわち、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Ag、Mg、及びそれらの化合物が有機発光膜63側に向くように蒸着された後、その上に、ITO、IZO、ZnOまたはInなどで補助電極層やバス電極ラインを形成できる。そして、反射型電極として使われるときには、上記のLi、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Ag、Mg、及びそれらの化合物を全面蒸着して形成する。このとき、蒸着は、前述の有機発光膜63の場合と同様な方法で行うことができる。
【0115】
本発明は、それ以外にも、有機TFTの有機膜または無機膜などの蒸着にも使用でき、その他、多様な素材の成膜工程に適用可能である。
本発明は、図面に図示された実施形態を参考にして説明したが、それらは例示的なものに過ぎず、本技術分野の当業者であるならば、それらから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解することが可能であろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決まるものである。
【符号の説明】
【0116】
30 基板
31 絶縁膜
32 ゲート絶縁膜
33 層間絶縁膜
34 保護膜
35 画素定義膜
40 TFT
41 活性層
42 ゲート電極
43 ソース/ドレイン電極
50 キャパシタ
51 第1キャパシタ電極
52 第2キャパシタ電極
60 有機発光素子
61 第1電極
62 第2電極
63 有機発光膜
64 開口
100,101,102,103,200,300,400 薄膜蒸着装置
110 蒸着源
111 冷却ブロック
112 ルツボ
115 蒸着物質
120 蒸着源ノズル部
121 蒸着源ノズル
135 第1連結部材
150 パターニング・スリットシート
151 パターニング・スリット
152 第1アラインマーク
153 第2アラインマーク
155 フレーム
161 第1カメラアセンブリ
162 第2カメラアセンブリ
170 制御部
500 基板
502 第1アラインパターン
502a 第1マーク
503 第2アラインパターン
503a 第2マーク
600 静電チャック
610 第1循環部
620 第2循環部
710 ローディング部
712 第1ラック
714 導入ロボット
716 導入室
718 第1反転室
719 第1反転ロボット
720 アンローディング部
722 第2ラック
724 搬出ロボット
726 搬出室
728 第2反転室
729 第2反転ロボット
730 蒸着部
731 第1チャンバ
732 第2チャンバ
P 基板の移送方向
S 蒸着空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に薄膜を形成するための薄膜蒸着装置において、
蒸着物質を放射する蒸着源と、
前記蒸着源の一側に配され、第1方向に沿って複数個の蒸着源ノズルが形成された蒸着源ノズル部と、
前記蒸着源ノズル部と対向するように配され、前記第1方向に対して垂直である第2方向に沿って複数個のパターニング・スリットが形成されるパターニング・スリットシートと、を具備し、
前記基板が、前記薄膜蒸着装置に対して、前記第1方向に沿って移動しつつ蒸着が行われ、
前記パターニング・スリットシートは、互いに離隔されて配される第1アラインマーク及び第2アラインマークを含み、
前記基板は、互いに離隔されて配される第1アラインパターン及び第2アラインパターンを含み、
前記薄膜蒸着装置は、前記第1アラインマークと前記第1アラインパターンとを撮影する第1カメラアセンブリと、前記第2アラインマークと前記第2アラインパターンとを撮影する第2カメラアセンブリと、をさらに具備することを特徴とする薄膜蒸着装置。
【請求項2】
前記蒸着源、前記蒸着源ノズル部及び前記パターニング・スリットシートは、一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項3】
前記蒸着源、前記蒸着源ノズル部及び前記パターニング・スリットシートは、前記蒸着物質の移動経路をガイドする連結部材によって結合されて一体に形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項4】
前記連結部材は、前記蒸着源、前記蒸着源ノズル部及び前記パターニング・スリットシート間の空間を外部から密閉するように形成されることを特徴とする請求項3に記載の薄膜蒸着装置
【請求項5】
前記複数個の蒸着源ノズルは、所定角度チルトされるように形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項6】
前記複数個の蒸着源ノズルは、前記第1方向に沿って形成された2列の蒸着源ノズルを含み、前記2列の蒸着源ノズルは、互いに対向する方向にチルトされていることを特徴とする請求項5に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項7】
前記複数個の蒸着源ノズルは、前記第1方向に沿って形成された2列の蒸着源ノズルを含み、
前記2列の蒸着源ノズルのうち第1側に配された蒸着源ノズルは、パターニング・スリットシートの第2側端部を向くように配され、
前記2列の蒸着源ノズルのうち第2側に配された蒸着源ノズルは、パターニング・スリットシートの第1側端部を向くように配されることを特徴とする請求項5に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項8】
前記第1アラインパターンは、前記第1方向に配列された複数個の第1マークからなり、
前記第2アラインパターンは、前記第1方向に配列された複数個の第2マークからなり、
前記第1アラインパターンと前記第2アラインパターンは、前記第2方向に離隔されたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項9】
前記第1マークまたは前記第2マークは、多角形になることを特徴とする請求項8に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項10】
前記第1マークまたは前記第2マークは、三角形になることを特徴とする請求項9に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項11】
前記第1アラインパターンと前記第2アラインパターンは、歯車状になることを特徴とする請求項9に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項12】
前記第1カメラアセンブリと前記第2カメラアセンブリとが配列された方向は、前記第1方向に対して垂直であることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項13】
前記第1カメラアセンブリ及び前記第2カメラアセンブリそれぞれは、前記第1アラインマーク及び第2アラインマークに対応するように、前記基板上に配されることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項14】
前記第1カメラアセンブリ及び前記第2カメラアセンブリによって撮影された情報を利用し、前記基板と前記パターニング・スリットシートとのアライン程度を判別する制御部をさらに具備したことを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記第1カメラアセンブリによって撮影された前記第1アラインパターンと前記第1アラインマークとの間の第1間隔、及び前記第2カメラアセンブリによって撮影された前記第2アラインパターンと前記第2アラインマートとの間の第2間隔を比較し、前記パターニング・スリットシートと前記基板との、前記第1方向に垂直である第2方向へのアラインを判別することを特徴とする請求項14に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記第1カメラアセンブリによって撮影された前記第1アラインマークと、前記第2カメラアセンブリによって撮影された前記第2アラインマークと、を比較し、前記第1方向に対して、前記パターニング・スリットシートが傾いているか否かを判別することを特徴とする請求項14に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記撮影された第1アラインマークの幅が、前記撮影された第2アラインマークの幅よりさらに広い場合、前記第1方向を基準として、前記第2アラインマーク側に傾いていると判別し、前記撮影された第1アラインマークの幅が、前記撮影された第2アラインマークの幅よりさらに狭い場合、前記第1方向を基準として、前記第1アラインマーク側に傾いていると判別することを特徴とする請求項16に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記第1カメラアセンブリによって撮影された前記第1アラインパターンと、前記第2カメラアセンブリによって撮影された前記第2アラインパターンと、を比較し、前記第1方向に対して、前記基板が傾いているか否かを判別することを特徴とする請求項14に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項19】
前記制御部は、前記撮影された第1アラインパターンの幅が、前記撮影された第2アラインパターンの幅よりさらに広い場合、前記第1方向を基準として、前記第2アラインパターン側に傾いていると判別し、前記撮影された第1アラインパターンの幅が、前記撮影された第2アラインパターンの幅よりさらに狭い場合、前記第1方向を基準として、前記第1アラインパターン側に傾いていると判別することを特徴とする請求項18に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項20】
前記制御部によって判別された前記アライン程度によって、前記基板または前記パターニング・スリットシートを移動させ、前記基板と前記パターニング・スリットシートとをアラインさせることを特徴とする請求項14に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項21】
基板上に薄膜を形成するための薄膜蒸着装置において、
蒸着物質を放射する蒸着源と、
前記蒸着源の一側に配され、第1方向に沿って複数個の蒸着源ノズルが形成された蒸着源ノズル部と、
前記蒸着源ノズル部と対向するように配され、前記第1方向に沿って複数個のパターニング・スリットが配されるパターニング・スリットシートと、
前記蒸着源ノズル部と前記パターニング・スリットシートとの間に、前記第1方向に沿って配され、前記蒸着源ノズル部と前記パターニング・スリットシートとの間の空間を複数個の蒸着空間に区画する複数枚の遮断板を具備する遮断板アセンブリと、を含み、
前記薄膜蒸着装置は、前記基板と離隔されるように配され、
前記薄膜蒸着装置と前記基板は、互いに相対的に移動し、
前記パターニング・スリットシートは、互いに離隔されて配される第1アラインマーク及び第2アラインマークを含み、
前記基板は、互いに離隔されて配される第1アラインパターン及び第2アラインパターンを含み、
前記薄膜蒸着装置は、前記第1アラインマークと前記第1アラインパターンとを撮影する第1カメラアセンブリと、前記第2アラインマークと前記第2アラインパターンとを撮影する第2カメラアセンブリと、をさらに具備することを特徴とする薄膜蒸着装置。
【請求項22】
前記複数枚の遮断板それぞれは、前記第1方向と実質的に垂直である第2方向に沿って延びるように形成されたことを特徴とする請求項21に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項23】
前記遮断板アセンブリは、複数枚の第1遮断板を具備する第1遮断板アセンブリと、複数枚の第2遮断板を具備する第2遮断板アセンブリと、を含むことを特徴とする請求項21に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項24】
前記複数枚の第1遮断板及び前記複数枚の第2遮断板それぞれは、前記第1方向と実質的に垂直である第2方向に沿って延びるように形成されたことを特徴とする請求項23に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項25】
前記複数枚の第1遮断板及び前記複数枚の第2遮断板それぞれは、互いに対応するように配されることを特徴とする請求項24に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項26】
前記蒸着源と前記遮断板アセンブリは、互いに離隔されたことを特徴とする請求項21に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項27】
前記遮断板アセンブリと前記パターニング・スリットシートは、互いに離隔されたことを特徴とする請求項21に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項28】
前記第1アラインパターンは、前記第1方向に配列された複数個の第1マークからなり、
前記第2アラインパターンは、前記第1方向に配列された複数個の第2マークからなり、
前記第1アラインパターンと前記第2アラインパターンは、前記第2方向に離隔されたことを特徴とする請求項21に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項29】
前記第1マークまたは前記第2マークは、多角形になることを特徴とする請求項28に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項30】
前記第1マークまたは前記第2マークは、三角形になることを特徴とする請求項29に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項31】
前記第1アラインパターンと前記第2アラインパターンは、歯車状になることを特徴とする請求項29に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項32】
前記第1カメラアセンブリと前記第2カメラアセンブリとが配列された方向は、前記第1方向に対して垂直であることを特徴とする請求項21に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項33】
前記第1カメラアセンブリ及び前記第2カメラアセンブリのそれぞれは、前記第1アラインマーク及び第2アラインマークに対応するように、前記基板上に配されることを特徴とする請求項21に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項34】
前記第1カメラアセンブリ及び前記第2カメラアセンブリによって撮影された情報を利用し、前記基板と前記パターニング・スリットシートとのアライン程度を判別する制御部をさらに具備したことを特徴とする請求項21に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項35】
前記制御部は、前記第1カメラアセンブリによって撮影された前記第1アラインパターンと前記第1アラインマークとの間の第1間隔、及び前記第2カメラアセンブリによって撮影された前記第2アラインパターンと前記第2アラインマートとの間の第2間隔を比較し、前記パターニング・スリットシートと前記基板との、前記第1方向に垂直である第2方向へのアラインを判別することを特徴とする請求項24に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項36】
前記制御部は、前記第1カメラアセンブリによって撮影された前記第1アラインマークと、前記第2カメラアセンブリによって撮影された前記第2アラインマークと、を比較し、前記第1方向に対して、前記パターニング・スリットシートが傾いているか否かを判別することを特徴とする請求項24に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項37】
前記制御部は、前記撮影された第1アラインマークの幅が、前記撮影された第2アラインマークの幅よりさらに広い場合、前記第1方向を基準として、前記第2アラインマーク側に傾いていると判別し、前記撮影された第1アラインマークの幅が、前記撮影された第2アラインマークの幅よりさらに狭い場合、前記第1方向を基準として、前記第1アラインマーク側に傾いていると判別することを特徴とする請求項26に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項38】
前記制御部は、前記第1カメラアセンブリによって撮影された前記第1アラインパターンと、前記第2カメラアセンブリによって撮影された前記第2アラインパターンと、を比較し、前記第1方向に対して、前記基板が傾いているか否かを判別することを特徴とする請求項24に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項39】
前記制御部は、前記撮影された第1アラインパターンの幅が、前記撮影された第2アラインパターンの幅よりさらに広い場合、前記第1方向を基準として、前記第2アラインパターン側に傾いていると判別し、前記撮影された第1アラインパターンの幅が、前記撮影された第2アラインパターンの幅よりさらに狭い場合、前記第1方向を基準として、前記第1アラインパターン側に傾いていると判別することを特徴とする請求項28に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項40】
前記制御部によって判別された前記アライン程度によって、前記基板または前記パターニング・スリットシートを移動させ、前記基板と前記パターニング・スリットシートとをアラインさせることを特徴とする請求項24に記載の薄膜蒸着装置。
【請求項41】
基板上に薄膜を形成する薄膜蒸着装置を利用した有機発光ディスプレイ装置の製造方法において、
前記基板が、前記薄膜蒸着装置に対して所定程度離隔されるように配される段階と、
前記薄膜蒸着装置と前記基板とのうちいずれか一方が他方に対して相対的に移動しつつ、前記薄膜蒸着装置から放射される蒸着物質が、前記基板上に蒸着される段階と、
前記薄膜蒸着装置と前記基板との相対移動中、前記薄膜蒸着装置と前記基板とをアラインさせる段階と、を含む有機発光表示装置の製造方法。
【請求項42】
前記蒸着物質が、前記基板に蒸着される段階は、
前記基板が、前記薄膜蒸着装置に対して相対的に移動しつつ、前記薄膜蒸着装置から放射される蒸着物質が、前記基板上に連続的に蒸着されることを特徴とする請求項41に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項43】
前記アライン段階は、
前記基板に配されたアラインマークと、前記薄膜蒸着装置に配されたアラインパターンと、をカメラアセンブリで撮影する段階と、
前記撮影されたアラインマークと、前記撮影されたアラインパターンと、を比較し、前記基板と前記薄膜蒸着装置とのアライン程度を判別する段階と、
前記アライン程度によって、前記基板または前記薄膜蒸着装置を移動させ、前記基板と前記薄膜蒸着装置とをアラインさせる段階と、を含むことを特徴とする請求項41に記載の有機発光表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−23026(P2012−23026A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118686(P2011−118686)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】