説明

薄膜製造装置のアライメント調整方法、薄膜製造装置、該薄膜製造装置により製造した電気機械変換膜、電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置

【課題】低コスト化を図れる導膜製造装置、製造した電気機械変換素子、液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】第1のアライメント調整工程では着弾位置251をカメラ205で捕捉し着弾位置251がカメラ205の撮影撮影基準位置252に一致するように基板又は液滴吐出ヘッド201を相対的に移動する。第2のアライメント調整工程ではレーザレッドによってレーザ光を照射して照射跡を形成し照射跡をカメラ205で捕捉し照射跡がカメラ205の撮影撮影基準位置252に一致するように基板又はレーザヘッドを相対的に移動する。第3のアライメント調整工程では基板上に予め形成されているアライメントマークを撮像手段205で撮影したアライメントマークの形状に基づいて基板の向きを検知して基板の向きの調整を行いアライメントマークを撮像手段205の撮影基準位置に一致するように基板を移動することで基板の組付け位置の調整を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜製造装置のアライメント調整方法、薄膜製造装置、該薄膜製造装置により製造した電気機械変換膜、電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気機械変換膜を電極で挟むように構成された電気機械変換素子は、例えばインクの液滴を吐出する液体吐出ヘッドを備え、媒体を搬送しながらインク滴を用紙に付着させて画像形成を行うインクジェット記録装置で用いられている。ここでの媒体は「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。また、画像形成装置は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。そして、画像形成とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与する(単に液滴を吐出する)ことをも意味する。また、インクとは、所謂インクに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えばDNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる液体の総称として用いる。
【0003】
そして、上記インクジェット記録装置は、主として、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する吐出室、加圧液室、圧力室、インク流路室と称する液室と、該液室内のインクを吐出するための圧力発生手段とで構成されている。この圧力発生手段として、圧電素子などの電気機械変換素子を用いて吐出室の壁面を形成している振動板を変形変位させることでインク滴を吐出させるピエゾ型の圧力発生手段が知られている。このピエゾ型の圧力発生手段に使用される電気機械変換素子は、下部電極(第1の電極)と、電気機械変換層と、上部電極(第2の電極)とが積層したものからなる。各圧力室にインク吐出の圧力を発生させるのに個別の電気機械変換素子が配置されることになる。電気機械変換層は電気機械変換膜を形成する工程を複数回行って形成される。電気機械変換膜は例えばジルコン酸チタン酸鉛(PZT)が用いられ、これらは複数の金属酸化物を主成分としているので一般に金属複合酸化物と称される。
【0004】
この電気機械変換膜の製造方法としては、スパッタリング法、ゾルゲル法、CVD法、レーザアブレーション法等があるが、これらのうち、ゾルの塗布、乾燥、熱分解、結晶化という工程により成膜するゾルゲル法は、結晶状態の制御性に優れている。このゾルゲル法を用いた電気機械変換膜の製造方法として、特許文献1に記載のものが知られている。この特許文献1の製造方法では、下部電極となる白金は濡れ性が強く、下部電極の表面は親液性の特性を有する親液面となる。そして、上記PZTの成分を含む溶液が下部電極の表面に塗布されると、その表面は濡れ性が弱くなり、疎液性の特性を有する疎液面となる。そして、塗布された上記PZT溶液の膜上にフォトリソグラフィーにより所定のパターンに形成されたフォトレジストを配置し、そのフォトレジストの所定のパターンに合わせたエッチングを行う。具体的には、酸素プラズマの照射又はUV光の照射によりフォトレジストで被覆されずに剥き出しになっている上記PZT溶液の膜を除去し、フォトレジストで被覆されていた上記PZT溶液の膜は残る。その後、加工に用いたフォトレジストを取り除いてフォトレジストによって被覆されていた上記PZT溶液の膜のパターニングを完了する。以上の工程を行うことにより、下部電極上のPZT液が塗布される所定部分以外の表面を疎液面にする表面改質が行われる。
【0005】
次に、上記エッチングによって上記PZT溶液の膜が除去された下部電極上の所定部分に、電気機械変換膜を形成するための原料を含むPZT液の液滴を液滴吐出ヘッドのノズルから滴下する塗布工程を行う。そして、上記所定部分に滴下された上記PZT液の膜のみにレーザ光を照射しながら走査して所定の温度での熱処理を行うレーザ光照射による熱処理工程を行う。具体的には、上記PZT液の膜が形成されたベース基板を固定し、赤外線や紫外線等の不可視光線であるレーザ光のスポット外輪部が所定部分に形成された上記PZT液の膜端部に沿うように、レーザ光を照射しながら走査する。あるいは、ベース基板をXY軸移動ステージ上に設置し、当該XY軸移動ステージをX軸方向−Y軸方向に移動させることによって、固定されたレーザ光の照射位置に下部電極上の所定部分を相対的に走査させて照射する。このレーザ光照射による熱処理工程を行うことにより、上記PZT液を乾燥させ熱分解して結晶化させて、所望パターンの電気機械変換膜を形成することができる。ここでのレーザ光照射による熱処理工程は、上記PZT液を乾燥させる工程、乾燥させた上記PZT液の膜を熱分解させる工程、及び熱分解された上記PZT液の膜を結晶化させる工程を含んでいる。
【0006】
所望の膜厚を有する所望のパターンの電気機械変換膜を得ようとする場合、上記熱処理工程までの製造工程を一度行うことで所望の膜厚の電気機械変換膜を得ようとすると上記熱処理工程において所定の温度より高い温度でのレーザ光による熱処理を行って膜全体を乾燥させるので、レーザ光が当たる電気機械変換膜の表面の温度が内部の温度に比べて非常に高くなる。そして、電気機械変換膜の内部全体に温度差分布が形成されてしまい電気機械変換膜にクラックが発生し易くなる。そのため、上記レーザ光照射による熱処理工程まで終えて形成された電気機械変換膜の上部に上記PZT液を滴下して塗布する塗布工程を行い、所定の温度で上記レーザ光照射による熱処理工程を行う一連の工程を繰り返す。これにより、クラックの発生を抑えながら段階的に電気機械変換膜の膜厚を厚くして所望の膜厚を得ることができる。
【0007】
そして、上記塗布工程では、下部電極上の所定部分に液滴吐出ヘッドのノズルから上記PZT液の液滴を精度良く着弾させるために、製造工程前に液滴吐出ヘッドによる着弾位置が狙った位置になる液滴吐出ヘッドの所定の移動量を取得する第1のアライメント調整工程を行う必要がある。上記レーザ光照射による熱処理工程では、塗布された上記PZT液の液滴にレーザ光を精度良く照射するために、製造工程前にレーザ光源による照射位置が狙った位置となる照射位置への所定の移動量を取得する第2のアライメント調整工程を行う必要がある。そして、上記薄膜製造工程を行う際、基板が所定の位置に組付けられるように基板を回転させあるいはXY軸方向に移動させて基板の組付け位置を調整する第3のアライメント調整工程を行う必要がある。
【0008】
これらのアライメント調整工程を行う方法として、特許文献2に記載のものが知られている。この特許文献2のアライメント調整方法では、2つのカメラ(撮像手段)を用いる。上記第1のアライメント調整工程及び上記第2のアライメント調整工程では第1、第2のカメラ(撮像手段)を用い、上記第3のアライメント調整工程では第2のカメラ(撮像手段)を用いる。上記第1のアライメント調整工程及び上記第2のアライメント調整工程では、XY軸移動ステージによる基板又は液滴吐出ヘッドを相対的に移動させて、XY軸移動ステージ上に設置した基板に液滴吐出ヘッドから垂直方向にアライメントマーク形成用の溶液を数滴X軸方向に並べて着弾させる。そして、レーザ光を所定の固定位置に照射する。基板又はレーザ光源をX軸方向に相対的に移動させながら必要に応じて第1のカメラのズーム倍率を調整して第1のカメラの撮影範囲内にレーザ光照射による照射スポットを入れる。基板又は液滴吐出ヘッドをX軸方向に相対的に移動させながら必要に応じて第2のカメラのズーム倍率を調整して第2のカメラの撮影範囲内に着弾した各溶液を入れる。照射スポット及び着弾した各溶液をそれぞれ捕捉する。第1のカメラは、赤外線などのレーザ光の照射スポットを認識できる赤外線カメラのような特殊なカメラであり、第2のカメラに比べて高価なカメラである。第2のカメラは、アライメントマーク形成用の溶液や基板に予め形成されているアライメントマークを認識できる描画撮影用のカメラである。そして、第1のカメラで捕捉している照射スポットが、第2のカメラで捕捉している着弾した各溶液にそれぞれ一致するように、XY軸移動ステージによる基板又は照射スポットを相対的に移動させる。照射スポットが着弾した各溶液に一致したときの移動量をそれぞれ記憶しておく。以上により上記第1のアライメント調整工程及び上記第2のアライメント調整工程が終了する。製造工程時では、基板上に液滴吐出ヘッドにより所定の位置に液滴を吐出した後、記憶した各移動量だけXY軸移動ステージによる基板又は照射スポットを相対的に移動させることで、着弾した溶液にレーザ光を照射することができる。
【0009】
上記第3のアライメント調整工程では、基板上に2箇所にアライメントマークをそれぞれ形成し、この2つのアライメントマークを用いる。つまり、上記第1のアライメント調整工程及び上記第2のアライメント調整工程で記憶した移動量のうち2つの移動量に基づいて基板又は液滴吐出ヘッドをそれぞれ相対的に移動させる。そして、第1のアライメント調整工程で吐出した溶液の着弾位置とは異なる基板上の2箇所に液滴吐出ヘッドによってアライメントマーク形成用の溶液を吐出する。上記2つの移動量に基づいてXY軸移動ステージによる基板又は照射スポットをそれぞれ相対的に移動させて2箇所の溶液にレーザ光をそれぞれ照射して乾燥、焼成を行う。これにより、基板上に2つのアライメントマークを形成する。そして、XY軸移動ステージによって基板をY軸方向に移動させて2つのアライメントマークを第2のカメラの撮影範囲内に入れ、2つのアライメントマークを第2のカメラで捕捉する。そして、第2のカメラによって2つのアライメントマークを撮像してその画像を記憶する。以上により第3のアライメント調整工程が終了する。製造工程時で、例えば基板が取り外されて別の工程を行った後に再び薄膜製造工程を行う場合、設置された基板上の2つのアライメントマークを第2のカメラによって捕捉する。そして、第2のカメラによって捕捉した基板上の2つのアライメントマークが、記憶しておいた画像上の2つのアライメントマークに一致するように基板を回転させあるいはXY軸方向に移動させて基板の組付け位置を調整する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献2のアライメント調整方法によれば、第1のカメラでレーザ光の照射スポットを認識し、第2のカメラで着弾したアライメントマーク形成用の溶液や基板上に形成されたアライメントマークを認識している。上述したように、第2のカメラに比べて高価なカメラである第1のカメラに、着弾したアライメントマーク形成用の溶液や基板上に形成されたアライメントマークも認識できる描画撮影機能を持たせ、この描画撮像機能を持つ第1のカメラだけで各アライメント調整工程を行うことができたとしても、機能が増えただけ第1のカメラはより一層高価となる。このため、アライメント調整を行う際に第1のカメラを用いることは、装置の高コスト化につながってしまう。
【0011】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、装置の低コスト化を図ることができる、薄膜製造装置のアライメント調整方法、薄膜製造装置、該薄膜製造装置により製造した電気機械変換膜、電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、XY平面移動可能で、かつ面内回転可能なステージに保持された基板上に薄膜形成用の溶液を液滴吐出ヘッドにより吐出し、基板上に着弾した溶液にレーザ光源によるレーザ光を照射して熱処理を施して薄膜を形成する薄膜製造装置のアライメント調整方法において、前記基板が前記液滴吐出ヘッドの直下になるように前記基板又は前記液滴吐出ヘッドを相対的に任意の基準位置から移動させて前記液滴吐出ヘッドによってアライメントマーク用の溶液を前記基板上に吐出し、着弾したアライメントマーク用の溶液に1台の描画撮影用の撮像手段の撮影基準位置が一致するように前記基板又は前記撮像手段を相対的に移動させたときの着弾したアライメントマーク用の溶液と撮影基準位置との第1の距離を記憶し、前記液滴吐出ヘッドの直下に着弾位置が来るように前記第1の距離に基づいて前記基板又は前記液滴吐出ヘッドを相対的に移動させる第1のアライメント調整工程と、基準位置から前記基板又は前記レーザ光源による照射位置を相対的に移動させて前記レーザ光源によって前記基板上にレーザ光を照射して着弾したアライメントマーク用の溶液の形状と異なる形状の照射跡を形成し、該照射跡に前記撮像手段の撮影基準位置が一致するように前記撮像手段又は前記基板を相対的に移動させたときの照射跡と撮影基準位置との第2の距離を記憶し、前記レーザ光源による照射位置に着弾位置が来るように前記第2の距離に基づいて前記基板又は前記レーザ光源による照射位置を相対的に移動させる第2のアライメント調整工程と、前記基板上に予め形成され、かつ着弾したアライメントマーク用の溶液の形状及び前記照射跡の形状とそれぞれ異なる所定の形状を有するアライメントマークを前記撮像手段で撮像し、撮像した前記アライメントマークの形状に基づいて前記基板の向きを検知して所定の向きになるように前記基板又は前記撮像手段を相対的に回転させたとき回転角度を記憶し、前記アライメントマークの位置が前記撮像手段の撮像基準位置に一致するように前記撮像手段又は前記基板を相対的に移動させたときの前記アライメントマークの前記ステージにおける位置座標を記憶し、前記基板の向きを所定の向きになるように前記回転角度に基づいて前記基板又は前記撮像手段を相対的に回転させ、かつ前記アライメントマークの位置が前記撮像基準位置に一致するように前記基板又は前記撮像手段を相対的に移動させる第3のアライメント調整工程とを有することを特徴とするものである。
【0013】
本発明においては、第2のアライメント調整工程において捕捉する対象を照射跡とした。この照射跡は描画された画像であり、描画を認識できる機能を有している描画撮影用の撮像手段で認識することができる。これにより、各アライメント調整工程において捕捉する対象は全て描画撮影用の撮像手段で認識することができるようになる。このため、従来のような赤外線カメラのような高価で特殊なレーザ光撮影用の撮像手段を用いなくてもよく、レーザ光撮影用の撮像手段に比べて低コストな描画撮影用の撮像手段を1台だけで全てのアライメント調整工程を行うことができるようになった。よって、装置の低コスト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、装置の低コスト化を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態の液滴吐出装置の一構成例を示す概略構成図である。
【図2】本実施形態の液滴吐出装置の概略透視斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る電気機械変換膜の形成を伴う電気機械変換素子の製造工程を示す工程断面図である。
【図4】P(分極)−E(電界強度)のヒステリシス曲線を示す特性図である。
【図5】製造方法で製造した電気機械変換素子を用いて構成した液滴吐出ヘッドの一構成例を示す概略構成図である。
【図6】図5の液吐出ヘッドを複数並べた構成例を示す概略構成図である。
【図7】本実施形態の液滴吐出ヘッドにおける電気機械変換膜の製造装置の斜視図である。
【図8】電気機械変換膜製造装置による機能性インクの塗布、加熱及び結晶化の各工程を示す概略図である。
【図9】液滴吐出ヘッドの塗布位置とカメラの撮影範囲内での基準位置とのアライメント調整を説明するための模式図である。
【図10】レーザ光の照射位置とカメラの画像内での基準位置とのアライメント調整を説明するための模式図である。
【図11】移動手段群の座標系と基板の向き、位置のアライメント調整を説明するための模式図である。
【図12】アライメントマークの所定の向きからずれたときの状態を説明するための模式図である。
【図13】SAM膜を除去した電極露出面及びSAM膜を配置したままの表面における純水の接触角の各様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0017】
図1は本発明の実施形態の液滴吐出装置の一構成例を示す概略構成図である。また、図2は本実施形態の液滴吐出装置の概略透視斜視図である。両図に示す本発明の液滴吐出装置の一例であるインクジェット記録装置100は、主に、記録装置本体の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ101と、キャリッジ101に搭載した本発明を実施して製造した液滴吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッドからなる記録ヘッド102と、記録ヘッド102へインクを供給するインクカートリッジ103とを含んで構成される印字機構部104を有している。また、装置本体の下方部には前方側から多数枚の用紙105を積載可能な給紙カセット106を抜き差し自在に装着することができ、また用紙105を手差しで給紙するための手差しトレイ107を開倒することができ、給紙カセット106或いは手差しトレイ107から給送される用紙105を取り込み、印字機構部104によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ108に排紙する。
【0018】
印字機構部104は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド109と従ガイドロッド110とでキャリッジ101を主走査方向に摺動自在に保持し、このキャリッジ101にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッドからなる記録ヘッド102を複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ101には記録ヘッド102に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ103を交換可能に装着している。インクカートリッジ103は上方に大気と連通する大気口、下方には記録ヘッド102へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により記録ヘッド102へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。
【0019】
また、記録ヘッド102としてここでは各色のヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。ここで、キャリッジ101は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド109に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド110に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ101を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ111で回転駆動される駆動プーリ112と従動プーリ113との間にタイミングベルト114を張装し、このタイミングベルト104をキャリッジ101に固定しており、主走査モータ111の正逆回転によりキャリッジ101が往復駆動される。
【0020】
一方、給紙カセット106にセットした用紙105を記録ヘッド102の下方側に搬送するために、給紙カセット106から用紙105を分離給装する給紙ローラ115及びフリクションパッド116と、用紙105を案内するガイド部材117と、給紙された用紙105を反転させて搬送する搬送ローラ118と、この搬送ローラ118の周面に押し付けられる搬送コロ119及び搬送ローラ118からの用紙105の送り出し角度を規定する先端コロ120とを設けている。搬送ローラ118は副走査モータ121によってギヤ列を介して回転駆動される。そして、キャリッジ101の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ118から送り出された用紙105を記録ヘッド102の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材122を設けている。この印写受け部材122の用紙搬送方向下流側には、用紙105を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ123、拍車124を設け、さらに用紙105を排紙トレイ108に送り出す排紙ローラ125及び拍車126と、排紙経路を形成するガイド部材127、128とを配設している。
【0021】
記録時には、キャリッジ101を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド102を駆動することにより、停止している用紙105にインクを吐出して1行分を記録し、用紙105を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙105の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙105を排紙する。
【0022】
また、キャリッジ101の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド102の吐出不良を回復するための回復装置129を配置している。回復装置129はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ101は印字待機中にはこの回復装置129側に移動されてキャッピング手段で記録ヘッド102をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0023】
このように、このインクジェット記録装置は、本実施形態のインクジェットヘッドを搭載しているので、振動板駆動不良によるインク滴吐出不良がなく、安定したインク滴吐出特性が得られて画像品質が向上する。
【0024】
次に、本発明の実施形態の電気機械変換膜の製造工程について説明する。なお、本実施形態では、圧電定数d31の変形を利用した横振動(ベンドモード)型の電気機械変換膜を有する電気機械変換素子を例として説明するが、本発明はこの型の電気機械変換膜に限定されることなく適用可能である。
【0025】
電気機械変換膜がPZT膜の場合、酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドチタン、ノルマルブトキシドジルコニウムを出発材料として合成したPZT前駆体溶液を用いることができる。酢酸鉛の結晶水はメトキシエタノールに溶解した後、脱水する。化学量論的組成に対し鉛量を10モル%過剰にしてある。これは熱処理中のいわゆる鉛抜けによる結晶性低下を防ぐためである。イソプロポキシドチタン、ノルマルブトキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、上記酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と均一に混合することによりPZT前駆体溶液を合成することができる。このPZT前駆体溶液のPZT濃度は例えば0.1モル/リットルにする。
【0026】
また、電気機械変換膜がPZT膜の場合のPZT前駆体溶液は、非特許文献1に記載されている、酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒としてメトキシエタノールに溶解させ、均一溶液として得るようにしてもよい。上記PZT前駆体溶液は「ゾルゲル液」とも呼ばれる。
【0027】
PZTとは、ジルコン酸鉛(PbZrO)とチタン酸鉛(PbTiO)の固溶体で、その比率により特性が異なる。一般的に優れた圧電特性を示す組成はPbZrOとPbTiOの比率が53:47の割合で、化学式で示すとPb(Zr0.53,Ti0.47)O、一般にPZT(53/47)と示される。酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物の出発材料は、この化学式に従って秤量される。金属アルコキシド化合物は大気中の水分により容易に加水分解してしまうので、前駆体溶液に安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定化剤を適量、添加してもよい。
【0028】
PZT以外の複合酸化物としてはチタン酸バリウムなどが挙げられ、この場合はバリウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒に溶解させることでチタン酸バリウム前駆体溶液を作製することも可能である。
【0029】
また、下地となる基板上の第1の電極の表面に電気機械変換膜としてのパターン化したPZT膜を得る場合、上記溶液を塗布液として液滴吐出方式で塗布することにより塗膜を形成し、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各々の熱処理を施すことでパターン化したPZT膜が得られる。塗膜から結晶化膜への変態には体積収縮が伴うので、クラックフリーな膜を得るには一度の工程で100[nm]以下の膜厚が得られるようにするのが好ましい。そして、前駆体濃度は、電気機械変換膜の成膜面積とPZT前駆体溶液の塗布量との関係から適正化するように調整するのが好ましい。また、液滴吐出装置の電気機械変換素子として用いる場合、このPZT膜の膜厚は1[μm]〜2[μm]が要求される。この膜厚を得るには十数回、工程を繰り返すことになる。
【0030】
更に、ゾルゲル法によるパターン化した電気機械変換層の形成の場合には、下地となる基板の濡れ性を制御したPZT前駆体溶液の塗り分けをする。これは、非特許文献2に示されているアルカンチオールが特定金属上に自己配列する現象を利用したものであり、まず、基板の白金族金属の表面に、チオールのSAM(Self assembled monolayer)膜を形成する。SAM膜上はアルキル基が配置しているので、疎液性になる。このSAM膜は、例えば周知のフォトリソグラフィ・エッチングにより、フォトレジストを用いてパターニングすることができる。レジスト剥離後も、パターン化SAM膜は残っているので、この部位は疎液性になっている。一方、SAM膜が除去された部位は白金表面が露出しているため、親液性になっている。この表面エネルギーのコントラストを利用してPZT前駆体溶液の塗り分けをすることができる。本実施形態では、上記SAM膜を、PZT前駆体溶液を塗布しない領域に選択的に形成した後、以下に示すように、PZT前駆体溶液の消費量を低減することができる液滴吐出方式による塗工(インクジェット塗工)でPZT前駆体溶液を選択的に塗布している。
【0031】
図3は本発明の一実施形態に係る電気機械変換膜の形成を伴う電気機械変換素子の製造工程を示す工程断面図である。同図の(a)に示す基板11の表面(上面)には、チオールとの反応性に優れた第1の電極としての図示しない白金族金属からなる白金電極が、例えばスパッタ法により形成されている。この基板11の白金電極の表面に、同図の(b)に示すようにSAM膜12が形成される。SAM膜12は、アルカンチオール液に基板11をディップして自己配列させることで得られる。本例では、CH(CH)−SHのアルカンチオールの分子を一般的な有機溶媒(アルコール、アセトン、トルエンなど)に所定濃度(例えば数[mol/l])で溶解させたアルカンチオール液を用いた。このアルカンチオール液に基板11を浸漬させ、所定時間後に取り出した後、余剰な分子を溶媒で置換洗浄し乾燥することにより、白金電極の表面にSAM膜12を形成することができる。次に、同図の(c)に示すように、フォトリソグラフィーによりフォトレジスト13をパターン形成し、同図の(d)に示すようにドライエッチング(例えば、酸素プラズマの照射又はUV光の照射)によりSAM膜12を除去し、加工に用いたフォトレジスト13を除去してSAM膜12のパターニングを終了する。このように形成されたSAM膜12は、純水に対する接触角が例えば92度であり、疎液性を示す。一方、SAM膜12が除去されて露出した基板11の白金電極の表面は、純水に対する接触角が例えば54度であり、親液性を示す。
【0032】
次に、図3の(a)〜(d)に示す工程を行った後、PZT前駆体溶液の液滴をノズルから吐出させる液滴吐出方式、具体的には液滴吐出ヘッド14によりPZT前駆体溶液15が塗布される(図3の(e)参照)。このPZT前駆体溶液15の塗布は、疎液部であるSAM膜上にはPZT膜16が形成されず、SAM膜を除去された親液部のみにPZT膜が形成されるように行われる。最後に、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各々の熱処理を施すことで電気機械変換膜17が得られる(図3の(f)参照)。
【0033】
上記図3の方法では、上記図3の(a)〜(d)及び液滴吐出方式によるPZT前駆体溶液の塗布、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各熱処理を1回ずつ実行して所定膜厚の電気機械変換膜を得る場合について示したが、上記図3の(a)〜(d)、液滴吐出方式によるPZT前駆体溶液の塗布の図3の(e)、及び溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各熱処理の図3の(f)を、所定回数(2回以上)繰り返して実行して薄めに設定した電気機械変換膜を多層に重ねて形成し、所定膜厚の電気機械変換膜を得るようにしてもよい。この場合、電気機械変換膜のクラックの発生をより確実に防止できる。
【0034】
また、上記図3の方法では、第1の電極上のPZT前駆体溶液が塗布される所定部分以外の表面をSAM膜によって疎液面にする表面改質を行っているが、第1の電極の表面が疎液面の場合は、その第1の電極上のPZT前駆体溶液が塗布される所定部分の表面を親液面にする表面改質を行ってもよい。
【0035】
上述した製造工程を15回繰り返し500[nm]の膜を得た。このとき作製された膜にクラックなどの不良は生じなかった。さらに、15回のPZT前駆体の選択塗布とレーザ照射を行い、結晶化処理をした。膜にクラックなどの不良は生じなかった。膜厚は1000[nm]に達した。このパターン化膜に上部電極(白金)を成膜し電気特性、電気機械変換能(圧電定数)の評価を行った。その結果、図4のP(分極)−E(電界強度)のヒステリシス曲線が得られた。膜の比誘電率は1220、誘電損失は0.02、残留分極は19.3[μC/cm]、抗電界は36.5[kV/cm]であり、通常のセラミック焼結体と同等の特性を持っていることがわかった。また、電気−機械変換能は電界印加による変形量をレーザードップラー振動計で計測し、シミュレーションによる合わせ込みから算出した。その圧電定数d31は120[pm/V]となり、こちらもセラミック焼結体と同等の値であった。この値は液体吐出ヘッドに用いる圧電素子として十分設計できうる特性値である。電極膜として白金やSrRuOやLaNiOなどの酸化物を溶媒に溶かし、インクジェット法で塗布、レーザ照射することで圧電体層と同様に電極膜も形成することができる。
【0036】
図5は上記製造方法で製造した電気機械変換素子を用いて構成した液滴吐出ヘッドの一構成例を示す概略構成図である。図示の例では、液室基板となるシリコン基板20上に、振動板30、密着層41及び下部電極(第1の電極)42を積層し、その下部電極(第1の電極)42上の所定部分に、上記簡便な製造方法により、バルクセラミックスと同等の性能を持つ電気機械変換素子(PZT素子)43及び上部電極44をパターン化して形成することができる。その後、シリコン基板20の裏面(図中の下面)からエッチング除去工程により液室22aを形成し、ノズル孔21を有するノズル板22を接合することにより、液体吐出ヘッド50を作製することができる。なお、図中には液体供給手段、流路、流体抵抗についての記述は省略した。また、図5の液滴吐出ヘッド50は、図6に示すように複数個並べるように構成することもできる。
【0037】
図7は本実施形態の液滴吐出ヘッドにおける電気機械変換膜の製造装置の斜視図である。同図に示す電気機械変換膜製造装置200は、機能性インクを基板上に塗布するための液滴吐出ヘッド201と、基板202を保持するステージ203と、塗布された機能性インクを加熱、結晶化するためのレーザヘッド204と、アライメントするためのカメラ205と、基板の向きを調整するθ軸移動手段206と、基板をスキャン軸方向に移動させるスキャン軸移動手段207と、基板をフィード軸方向に移動させるフィード軸移動手段208とを有する。スキャン軸は図中のX軸に、フィード軸は図中のY軸に相当する。液滴吐出ヘッド201は液滴吐出ヘッド支持部材209に支持されている。この液滴吐出ヘッド201には図示されていない各インクタンクから各々機能性材料インク供給用パイプからインクが供給される。基板202を保持するステージ203には図示されていない真空、静電気などの吸着手段が付随しており、基板202をステージ203上に固定することができる。レーザヘッド204はレーザヘッド支持部材210に支持されている。レーザヘッド204は多チャンネルのものでも、単一口のものでも構わないが、多チャンネルのものが好ましい。レーザ光204−1の波長は赤外線の領域もしくは紫外線の領域が好ましく、該当基板もしくは基板上に成膜された層の吸収係数の高い波長であればより一層好ましい。カメラ205はカメラ支持部材211に支持されている。カメラ205は、画素数が多い方が好ましい。これにより、広い領域を撮影できるのでアライメントに要する時間を短縮化でき、また、高解像度で撮影できるので、アライメントマークを精度よく認識できる。画素数の多いカメラは、例えば、Edmund社製1/2型プログレッシブスキャンCMOSカメラ(型番:EO-5012、画素数:約500万画素)などがある。また、このようなカメラでは、ピクセルサイズが縦2.2[μm]×縦2.2[μm]のカメラがある。このカメラを使って、例えば一般的なレンズ倍率5倍の顕微鏡タイプのレンズを装着した場合、約1mm角四方の領域を約0.4[μm]の解像度で撮影することができる。
【0038】
基板202を保持するステージ203はθ軸移動手段206上に設置されており、基板の向きを調整することができる。このθ軸移動手段206は回転量を検知、記録できるようにエンコーダー機能を有していることが好ましい。さらに、θ軸移動手段206は、スキャン軸移動手段207上に設置されており、機能性インクのパターン上の塗布・加熱・結晶化を行うために基板202を移動させることができる。そして、スキャン軸駆動手段207とフィード軸駆動手段208は移動量を検知、記録できるようにエンコーダー機能を有していることが好ましい。
【0039】
図7に示す電気機械変換膜製造装置200による機能性インクの塗布・加熱・結晶化工程を図8に示す。先ず、図8の(a)のようにスキャン軸移動手段207及びフィード軸駆動手段208を用いて液滴吐出ヘッド直下に基板202を移動させ、任意のパターンを基板202上に塗布する。その後、図8の(b)のように基板202をレーザヘッド204の直下に移動して、レーザを照射することにより機能性インクの加熱・結晶化する。この工程は所望の膜厚になるまで繰り返される。
【0040】
以上説明した工程が任意の場所で実施できるように、機能性インクの塗布位置及びレーザ光の照射位置は、スキャン軸方向(図8中の左右方向)、フィード軸方向(図8中の前後方向)に調整できる。更に、機能性インクの塗布、加熱、結晶化プロセスを効率的に実施するために、θ軸方向(スキャン軸−フィード軸平面内の回転)の調整ができる。以上説明した工程において、液滴吐出ヘッド201及びレーザヘッド204が移動してもよく、この場合は基板が固定されていてもよい。また、レーザヘッド204は固定されており、レーザ光をミラー等で走査してもよい。
【0041】
次に、機能性インクをパターン上に塗布、加熱、結晶化するためのアライメント調整工程について説明する。この工程には、次の3つのアライメント調整工程がある。
アライメント調整工程A:液滴吐出ヘッドの塗布位置とカメラの撮影範囲内での基準位置との距離のアライメント
アライメント調整工程B:レーザ光の照射位置とカメラの撮影範囲内での基準位置との距離のアライメント
アライメント調整工程C:移動手段群であるスキャン軸駆動手段とフィード軸駆動手段の座標系と基板の向きや位置のアライメント
【0042】
はじめに、液滴吐出ヘッドの塗布位置とカメラの撮影範囲内での基準位置との距離のアライメント調整工程Aについて説明する。図9は液滴吐出ヘッドの塗布位置とカメラの撮影範囲内での基準位置とのアライメント調整を説明するための模式図である。
【0043】
先ず、ステージ203を液滴吐出ヘッド201の直下に移動させ、液滴吐出ヘッド201から液を吐出させる。このときのスキャン軸駆動手段207、フィード軸駆動手段208の位置を(XIJ、YIJ)とする。このとき液滴が着弾した着弾位置は液滴吐出ヘッド201の着弾位置251である。そして、液滴がステージに着弾後、着弾した液滴がカメラ205の撮影基準位置252に来るようにステージ203を移動させる。この時のスキャン軸駆動手段207、フィード軸駆動手段208の位置を(XC、YC)とする。液滴吐出ヘッドの着弾位置251とカメラ205の撮影範囲内での撮影基準位置252との距離(ΔXa、ΔYa)は、ΔXa=XIJ−XC、ΔYa=YIJ−YC、となる。これにより、液滴吐出ヘッドの着弾位置251とカメラ205の撮影範囲内での撮影基準位置252との距離のアライメントが完了する。このアライメント調整工程は、装置構築時に行う。また、このアライメント調整工程は装置交換時、および定期的に行うことが好ましい。更に、このアライメント調整工程で塗布する液がパターン塗布に使用する液と同一であることが好ましい。
【0044】
次に、レーザ光の照射位置とカメラの画像内での基準位置との距離のアライメント調整工程Bについて説明する。図10はレーザ光の照射位置とカメラの画像内での基準位置とのアライメント調整を説明するための模式図である。
【0045】
先ず、ステージ203をレーザヘッド204の直下に移動させ、レーザヘッド204からレーザ光を照射し、照射位置の痕跡を残す。このとき、レーザ光が照射された場所を認識できるように、ステージ203上にはレーザ光に反応する感光紙等を固定しておくことが望ましい。このときのスキャン軸駆動手段207、フィード軸駆動手段208の位置を(XL、YL)とする。このときレーザ光が照射された位置がレーザ光の照射位置261である。そして、レーザ光を照射後、照射位置の痕跡がカメラ205の基準点位置252に来るようにステージ203を移動させる。この時のスキャン軸駆動手段207、フィード軸駆動手段208の位置を(X’C、Y’C)とする。レーザ光の照射位置261とカメラ205の撮影範囲内での撮影基準位置252との距離の(ΔX、ΔY)を、ΔX=XL−X’C、ΔY=YL−Y’C、とする。これにより、レーザ光の照射位置261とカメラ205の撮影範囲内での基準位置251との距離のアライメントが完了する。このアライメント調整工程は、装置構築時に行う。さらに、このアライメント調整工程は装置交換時、及び定期的に行うことが好ましい。
【0046】
次に、スキャン軸駆動手段207及びフィード軸駆動手段208の移動手段群の座標系と基板の向き、位置のアライメント調整工程Cについて説明する。図11は移動手段群の座標系と基板の向き、設置位置のアライメント調整を説明するための模式図である。
【0047】
先ず、基板202をステージ203上に固定し、図11の(a)のように基板202上に予め形成されたアライメントマーク271がカメラの撮影範囲253内に来るように基板202を移動し、アライメントマーク271を捕捉する。そして、捕捉したアライメントマーク271の形状に基づいて基板202の向きを検知し、図11の(b)のように基板202の向きを所定の向きになるようにθ方向に回転させる。次に、図11の(c)のように、アライメントマーク271をカメラの撮影範囲内での撮影基準位置252に移動する。この時のスキャン軸駆動手段207、フィード軸駆動手段208の位置を(X"C、Y"C)とする。これにより、スキャン軸駆動手段207とフィード軸駆動手段208の座標系と基板の向き、設置位置のアライメントが完了する。このとき、アライメントマーク271は、その形状の中に、基板202の向きを認識しやすいように直線部分を有している方が好ましい。
【0048】
3つのアライメントを実施することにより、基板上の所定の位置に機能性インクを塗布し、その位置にレーザ光を照射することができる。例えば、基板202上に予め形成されたアライメントマーク271を元に基板202の向きが所定の向きになるように基板202を回転させる。そして、アライメントマーク271から距離(ΔXP、ΔYP)離れた位置に塗布する場合、スキャン軸駆動手段207及びフィード軸駆動手段208を(X"C−ΔX’P+ΔXa、Y"C−ΔY’P+ΔYa)となるように移動することで、パターンの塗布位置に機能性インクが塗布される。また、スキャン軸駆動手段207及びフィード軸駆動手段208を(X"C−ΔX’P+ΔX、Y"C−ΔY’P+ΔY)となるように移動することで、基板上での塗布位置にレーザが照射される。
【0049】
ここで、アライメントマークが1つのとき、アライメントマークの大きさは大きくする。この方が、大きさが大きいほど基板の傾きを精度良く認識することができる。図12はアライメントマークが1つの場合において、アライメントマークの所定の向きからずれたときの状態を説明するための模式図である。同図に示すアライメントマークは十字の形状をなすマークであるがこれに限定する必要はない。同図において、アライメントマーク272は、所定の向きのアライメントマーク271に対してズレ角Δθ回転したものである。そして、アライメントマーク271とアライメントマーク272とのズレ量Dは、基板の傾きを求めるのに使用するアライメントマークの横直線部分の長さをLとすると、L×sinΔθとなる。つまり、アライメントマークの横直線部分の長さLが大きいほどアライメントマークのズレ量Dを大きくなる。小さな角度のズレでもアライメントマークの横直線部分の長さを大きくしておけば認識しやすくなる。
【0050】
また、2つのアライメントマークを使用し、長さLを2つのアライメントマーク間の距離とすることで、基板の向きを所定の向きにすることができる。これにより、パターンを塗布できる領域を広く確保することができる。このとき、アライメントマーク間距離は長い方がよく、少なくとも接する外接円の直径の半分以上あることが好ましい。アライメントマークの位置は、パターンを塗布できる領域が広くすることができるので、基板の端部にある方が望ましい。アライメントマークの大きさは、パターンを塗布できる領域を広くするために、カメラで認識できる大きさ以上であれば小さい方がよい。このとき、アライメントマークの大きさは塗布されるパターンの短幅よりも小さいことが好ましい。これにより、アライメントマークの位置精度は少なくともパターンの短幅以下にすることできる。アライメントマークが複数存在する場合、アライメントマークの形状は同一でもよいが、個々のアライメントマークの形状は異なる方が好ましい。この方が、特定のアライメントマークの認識に要する時間を短縮できる。また、アライメントマークを誤認することがないので、歩留まりを向上することができる。
【0051】
そして、シリコンウェハに熱酸化膜(膜厚1[μm])を形成し、密着層としてチタン膜(膜厚50[nm])をスパッタ成膜した。引続き下部電極として白金膜(膜厚200[nm])スパッタ成膜した。アルカンチオールにCH(CH−SHを用い、濃度0.01[mol/l](溶媒:イソプロピルアルコール)溶液に浸漬させ、SAM処理を行った。その後、イソプロピルアルコールで洗浄、乾燥後、パターニングの工程に移る。
【0052】
SAM処理後の疎液性は接触角測定を行い、SAM膜上での水の接触角は92.2°であった。一方、SAM処理前の白金スパッタ膜のそれは5°以下(完全濡れ)であり、SAM膜処理がなされたことがわかる。
【0053】
東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィーでレジストパターンを形成した後、酸素プラズマ処理を行い露出部のSAM膜を除去した。処理後の残渣レジストはアセトンにて溶解除去し、同様の接触角評価を行ったところ、除去部では5°以下(完全濡れ)、レジストでカバーされていた部位のそれは92.4°の値を示し、SAM膜のパターン化がなされたことを確認した。
【0054】
他方式のパターニングとして、同様のレジストワークにより予めレジストパターンを形成し、同様のSAM膜処理を実施後、アセトンにてレジストを除去し、接触角を測定した。レジストカバーされた白金膜上の接触角は5°以下(完全濡れ)、他の部位のそれは92.0°となり、SAM膜のパターン化がなされたことを確認した。
【0055】
もう一つの他方式として、シャドウマスクを用いた紫外線照射を行った。用いた紫外線はエキシマランプによる波長176[nm]の真空紫外光を10分間照射した。照射部の接触角は5°以下(完全濡れ)であった(図13の(a)参照)、未照射部のそれは92.2°であり(図13の(b)参照)SAM膜のパターン化がなされたことを確認した。
【0056】
圧電層としてPZT(53/47)を成膜する。前駆体塗布液の合成は、出発材料に酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムを用いた。酢酸鉛の結晶水はメトキシエタノールに溶解後、脱水した。化学両論組成に対し鉛量を10モル%過剰にしてある。これは熱処理中のいわゆる鉛抜けによる結晶性低下を防ぐためである。
【0057】
イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、先記の酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と混合することでPZT前駆体溶液を合成した。このPZT濃度は0.1モ[mol/l]にした。
【0058】
一度のゾルゲル成膜で得られる膜厚は100[nm]が好ましく、前駆体濃度は成膜面積と前駆体塗布量の関係から適正化される。従って、0.1[mol/l]に限定されるものではない。この前駆体溶液を先のパターン化SAM膜上にインクジェット法で塗布した。インクジェット法によりSAM膜上には液滴を吐出せず親液部のみ吐出することで接触角のコントラストにより親液部上にのみ塗膜ができた。この塗膜に際して、膜厚に応じた出力でレーザ照射を行うことで基板を加熱しパターニングされた前駆体インクの乾燥、結晶化を行い、図3の(f)に示す電気機械変換膜17を得た。
【0059】
このように、このインクジェット記録装置においては本発明を実施したインクジェットヘッドを搭載しているので、振動板駆動不良によるインク滴吐出不良がなく、安定したインク滴吐出特性が得られて、画像品質が向上する。
【0060】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
第1のアライメント調整工程では、基板が液滴吐出ヘッドの直下になるように基板又は液滴吐出ヘッドを相対的に任意の基準位置から移動させて液滴吐出ヘッドによってアライメントマーク用の溶液を基板上に吐出し、着弾したアライメントマーク用の溶液に1台の描画撮影用の撮像手段の撮影基準位置が一致するように基板又は撮像手段を相対的に移動させたときの第1の移動量を記憶し、液滴吐出ヘッドの直下に着弾位置が来るように第1の移動量に基づいて基板又は液滴吐出ヘッドを相対的に移動させる。第2のアライメント調整工程では、基準位置から基板又はレーザ光源による照射位置を相対的に移動させてレーザ光源によって基板上にレーザ光を照射して照射跡を形成し、該照射跡に撮像手段の撮影基準位置が一致するように基板又は撮像手段を相対的に移動させたときの第2の移動量を記憶し、レーザ光源による照射位置に着弾位置が来るように第2の移動量に基づいて基板又はレーザ光源による照射位置を相対的に移動させる。第3のアライメント調整工程では、基板上に予め形成されているアライメントマークを撮像手段で撮像し、撮像した前記アライメントマークの形状に基づいて基板の向きを検知して所定の向きになるように基板又は撮像手段を相対的に回転させたとき回転角度を記憶し、アライメントマークの位置が撮像手段の撮像基準位置に一致するように撮像手段又は基板を相対的に移動させたときのアライメントマークのステージにおける位置座標を記憶し、基板の向きを所定の向きになるように回転角度に基づいて基板又は撮像手段を相対的に回転させ、かつアライメントマークの位置が撮像基準位置に一致するように位置座標に基づいて基板又は撮像手段を相対的に移動させる。これによれば、上記実施形態について説明したように、第2のアライメント調整工程において捕捉する対象を基板上に感光紙などを貼り付けその感光紙に痕跡が残る照射跡とした。この照射跡は描画された画像であり、描画を認識できる機能を有しているカメラ205で認識することができる。これにより、各アライメント調整工程において捕捉する対象は全て描画撮影用のカメラ205で認識することができるようになる。このため、従来のような赤外線カメラのような高価で特殊なレーザ光撮影用の撮像手段を用いなくてもよく、レーザ光撮影用の撮像手段に比べて低コストな描画撮影用のカメラ205を1台だけで全てのアライメント工程を行うことができるようになった。よって、低コスト化が図ることができる。
(態様B)
(態様A)において、アライメントマークの形状には直線部分を有する。これによれば、上記実施形態について説明したように、アライメントマーク271の向きが認識しやすく、基板202の向きの認識精度が向上しているので、パターンの塗布精度が向上する。
(態様C)
(態様A)又は(態様B)において、アライメントマークが1つ形成されており、アライメントマークは基板の大きさと略同じである。これによれば、上記実施形態について説明したように、アライメントマーク271が大きく、アライメントマーク271の向きの認識精度がよくなり、基板202の向きの認識精度が向上しているので、パターンの塗布精度が向上する。
(態様D)
(態様A)又は(態様B)において、アライメントマークが複数形成されている。これによれば、上記実施形態について説明したように、基板202に対してアライメントマーク271が占めるスペースを削減した状態で高精度な基板の向きの認識を実現できるので、1枚の基板202の多くのパターンを塗布することができ、生産コストを下げることができる。
(態様E)
(態様D)において、少なくとも1組以上の各アライメントマークの間の長さが、基板が接する外接円の直径の半分よりも長い。これによれば、上記実施形態について説明したように、離れた位置にある複数のアライメントマークを使うことで基板の向きの認識精度が向上しているので、パターンの塗布精度が向上する。
(態様F)
(態様A)〜(態様D)のいずれの薄膜製造装置のアライメント調整方法を用いてアライメントを調整する。これによれば、上記実施形態について説明したように、高価なカメラが1台で済むので装置全体の低コスト化が図れ、かつ装置内に占める設置スペースが減り小型化を図ることができる。
(態様G)
(態様F)の薄膜製造装置を用いて電気機械変換膜を形成する溶液を液滴吐出ヘッドにより吐出し、基板上に着弾した溶液にレーザ光源によりレーザ光を照射して熱処理を施して製造する。これによれば、上記実施形態について説明したように、製造コストを抑えられるため、製造される電気機械変換膜を低コストとすることができる。
(態様H)
(態様G)の電気機械変換膜に第1の電極上を形成した後、その第1の電極上に形成した電気機械変換膜を挟むように第2の電極を配置する第2電極を有する。これによれば、上記実施形態について説明したように、製造コストを抑えられるため、製造される電気機械変換素子を低コストとすることができる。
(態様I)
(態様H)の電気機械変換素子を備えた。これによれば、上記実施形態について説明したように、製造コストを抑えられるため、製造される液滴吐出ヘッドを低コストとすることができる。
(態様J)
(態様I)の液滴吐出ヘッドを備えた。これによれば、上記実施形態について説明したように、製造コストを抑えられるため、製造される液滴吐出装置を低コストとすることができる。
【符号の説明】
【0061】
11 基板
12 SAM膜
13 フォトレジスト
14 液滴吐出ヘッド
15 PZT前駆体溶液
16 PZT膜
17 電気機械変換膜
20 シリコン基板
21 ノズル孔
22 ノズル板
22a 液室
30 振動板
41 密着層
42 下部電極
43 電気機械変換素子
44 上部電極
50 液体吐出ヘッド
100 インクジェット記録装置
200 電気機械変換膜製造装置
201 液滴吐出ヘッド
202 基板
203 ステージ
204 レーザヘッド
205 カメラ
206 θ軸移動手段
207 スキャン軸移動手段
208 フィード軸移動手段
209 液滴吐出ヘッド支持部材
210 レーザヘッド支持部材
211 カメラ支持部材
251 着弾位置
252 撮影基準位置
253 撮影範囲
261 照射位置
271 アライメントマーク
272 塗布部分
273 アライメントマーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】
【特許文献1】特開2008−187302号公報
【特許文献2】特許第4353145号公報
【非特許文献】
【0063】
【非特許文献1】K.D.Budd, S.K.Dey and D.A.Payne,Proc.Brit.Ceram.Soc.36,107(1985)
【非特許文献2】A.Kumar and G.M.Whitesides, Appl.Phys.Lett.,63,2002(1993)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
XY平面移動可能で、かつ面内回転可能なステージに保持された基板上に薄膜形成用の溶液を液滴吐出ヘッドにより吐出し、基板上に着弾した溶液にレーザ光源によるレーザ光を照射して熱処理を施して薄膜を形成する薄膜製造装置のアライメント調整方法において、
前記基板が前記液滴吐出ヘッドの直下になるように前記基板又は前記液滴吐出ヘッドを相対的に任意の基準位置から移動させて前記液滴吐出ヘッドによってアライメントマーク用の溶液を前記基板上に吐出し、着弾したアライメントマーク用の溶液に1台の描画撮影用の撮像手段の撮影基準位置が一致するように前記基板又は前記撮像手段を相対的に移動させたときの第1の移動量を記憶し、前記液滴吐出ヘッドの直下に着弾位置が来るように前記第1の移動量に基づいて前記基板又は前記液滴吐出ヘッドを相対的に移動させる第1のアライメント調整工程と、
基準位置から前記基板又は前記レーザ光源による照射位置を相対的に移動させて前記レーザ光源によって前記基板上にレーザ光を照射して照射跡を形成し、該照射跡に前記撮像手段の撮影基準位置が一致するように前記基板又は前記撮像手段を相対的に移動させたときの第2の移動量を記憶し、前記レーザ光源による照射位置に着弾位置が来るように前記第2の移動量に基づいて前記基板又は前記レーザ光源による照射位置を相対的に移動させる第2のアライメント調整工程と、
前記基板上に予め形成されているアライメントマークを前記撮像手段で撮像し、撮像した前記アライメントマークの形状に基づいて前記基板の向きを検知して所定の向きになるように前記基板又は前記撮像手段を相対的に回転させたとき回転角度を記憶し、前記アライメントマークの位置が前記撮像手段の撮像基準位置に一致するように前記撮像手段又は前記基板を相対的に移動させたときの前記アライメントマークの前記ステージにおける位置座標を記憶し、前記基板の向きを所定の向きになるように前記回転角度に基づいて前記基板又は前記撮像手段を相対的に回転させ、かつ前記アライメントマークの位置が前記撮像基準位置に一致するように前記位置座標に基づいて前記基板又は前記撮像手段を相対的に移動させる第3のアライメント調整工程と
を有することを特徴とする薄膜製造装置のアライメント調整方法。
【請求項2】
請求項1記載の薄膜製造装置のアライメント方法において、
前記アライメントマークの形状には直線部分を有することを特徴とする薄膜製造装置のアライメント調整方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の薄膜製造装置のアライメント方法において、
前記アライメントマークが1つ形成されており、前記アライメントマークは前記基板の大きさと略同じであることを特徴とする薄膜製造装置のアライメント調整方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の薄膜製造装置のアライメント方法において、
前記アライメントマークが複数形成されていることを特徴とする薄膜製造装置のアライメント調整方法。
【請求項5】
請求項4記載の薄膜製造装置のアライメント方法において、
少なくとも1組以上の前記各アライメントマークの間の長さが、前記基板が接する外接円の直径の半分よりも長いことを特徴とする薄膜製造装置のアライメント調整方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜製造装置のアライメント調整方法を用いてアライメントを調整することを特徴とする薄膜製造装置。
【請求項7】
請求項6記載の薄膜製造装置を用いて、電気機械変換膜を形成する溶液を液滴吐出ヘッドにより吐出し、基板上に着弾した溶液にレーザ光源によりレーザ光を照射して熱処理を施して製造することを特徴とする電気機械変換膜。
【請求項8】
請求項7記載の電気機械変換膜に第1の電極上を形成した後、その第1の電極上に形成した電気機械変換膜を挟むように第2の電極を配置する第2電極を有することを特徴とする電気機械変換素子。
【請求項9】
請求項8の電気機械変換素子を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項10】
請求項9の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2013−63371(P2013−63371A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202338(P2011−202338)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】