薄葉紙収納箱、薄葉紙収納箱用の厚紙、及び、薄葉紙収納箱の積層品
【課題】内部に収納される薄葉紙積層体Sを一体として簡単に取り出すことができる薄葉紙収納箱10とする。
【解決手段】六面体状の薄葉紙収納箱10について、側面20を、前面13から延出し境界線L1で山折りされた横フラップ22と、上面11から延出し境界線L2で横フラップ22上に山折りされた上フラップ21と、を有し、上フラップ21を引き上げると、側面20が開口し、この開口時においては、下面12から延出する下フラップを有さない構成とされている。
【解決手段】六面体状の薄葉紙収納箱10について、側面20を、前面13から延出し境界線L1で山折りされた横フラップ22と、上面11から延出し境界線L2で横フラップ22上に山折りされた上フラップ21と、を有し、上フラップ21を引き上げると、側面20が開口し、この開口時においては、下面12から延出する下フラップを有さない構成とされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄葉紙収納箱、薄葉紙収納箱用の厚紙、及び、薄葉紙収納箱の積層品に関するものである。特に、内部に収納された薄葉紙積層体を、他の薄葉紙収納箱に詰め替える場合に好適な形態に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ティシュペーパー等の薄葉紙は、積層された状態で、天面に取出口が形成された六面体状の紙箱に収納され、例えば、ボックスティシュなどと呼ばれて市販化される。この種の薄葉紙収納箱としては、取出口から薄葉紙が1枚ずつ引き出され、内部の薄葉紙が全て引き出された後に、折り畳むことができる構造のものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら、例えば、ホテル等においては、新たな宿泊客に対して、内部に薄葉紙が残った使いかけの薄葉紙収納箱を提供するのは好ましくない。また、1,2泊程度では、通常、それほど内部の薄葉紙が減らないため、毎回新しい薄葉紙収納箱を提供するのは、コスト、環境の面から好ましくない。したがって、上記薄葉紙収納箱を、そのままでは使用することができないのが現状である。
【0004】
そこで、現在は、例えば、プラスチックなどからなる薄葉紙収納箱を用意し(例えば、特許文献2参照。)、宿泊客がチェックアウトした後に、当該収納箱内に残った薄葉紙を取り除き、新たに通常よりも積層枚数が減らされた薄葉紙積層体を収納するといった詰替え作業が行われている。
【0005】
そして、かかる詰替え用の薄葉紙積層体は、例えば、樹脂フィルム、紙等で形成された袋状、帯状の包装材や、紐、ゴム、テープなどによって束ねられた状態で、保存、搬送等がされる(例えば、特許文献3参照。)。
【0006】
しかしながら、近年では、積層された薄葉紙が、保存、搬送等の過程において、折れ曲ったり、破損したりすることのないよう、詰替え用の薄葉紙積層体を内部に収納することができる厚紙などで形成された薄葉紙収納箱の開発が検討されている。
【0007】
もちろん、前述した従来の薄葉紙収納箱(紙箱)を、そのまま利用することも考えられる。しかしながら、従来の薄葉紙収納箱は、積層された薄葉紙を1枚ずつ取り出すことを前提として設計されており、一体として取り出すことを前提に設計されていないため、薄葉紙積層体を収納箱内から取り出すのに時間がかかり、包装材やゴムなどによって束ねた現在の形態と比べて極端に詰替え作業の効率が悪くなる。
【特許文献1】特開2006−341925号公報
【特許文献2】特開2002−211662号公報
【特許文献3】特開2000−33978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする主たる課題は、内部に収納される薄葉紙積層体を一体として簡単に取り出すことができる薄葉紙収納箱、薄葉紙収納箱用の厚紙、及び、薄葉紙収納箱の積層品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
上下面、前後面及び両側面で構成される六面体状で、かつ内部に薄葉紙積層体が収納される薄葉紙収納箱であって、
前記両側面の少なくとも一方は、
前記前面から延出し、当該前面との境界線で山折りされた横フラップと、
前記上面から延出し、当該上面との境界線で前記横フラップ上に山折りされた上フラップと、を有し、
前記上フラップを前記前面との境界線を軸に上片として引き上げると、前記側面が開口し、少なくともこの開口時においては、前記下面から延出し、当該下面との境界線で前記横フラップ上に山折りされた下フラップを有さない構成とされている、
ことを特徴とする薄葉紙収納箱。
【0010】
〔請求項2記載の発明〕
前記後面から延出し、当該後面との境界線で山折りされた第2の横フラップを有し、
この第2の横フラップ上に前記上フラップが山折りされている、
請求項1記載の薄葉紙収納箱。
【0011】
〔請求項3記載の発明〕
前記上フラップの下端部が前記下面まで達し、
当該上フラップの下端部、又は、前記下面の当該上フラップの下端部と隣接する部位に、指差込口形成用の切断補助線が形成され、
前記指差込口に指を差し込んで前記上フラップを上片として引き上げると、前記側面が開口する構成とされている、
請求項1又は請求項2記載の薄葉紙収納箱。
【0012】
〔請求項4記載の発明〕
前記下面から延出し、当該下面との境界線に沿って切離し用の切断補助線が形成され、かつ当該境界線で前記横フラップ上に山折りされた下フラップを有し、
この下フラップの上に、前記上フラップの下端部が接合され、
前記下フラップの下端部、又は、前記下面の当該下フラップの下端部と隣接する部位に、指差込口形成用の切断補助線が形成されており、
前記指差込口に指を差し込んで前記下フラップを引き上げると、当該下フラップが、前記下面から前記切離し用の切断補助線で切断されて、前記上フラップとともに上片として引き上げられ、前記側面が開口する構成とされている、
請求項1又は請求項2記載の薄葉紙収納箱。
【0013】
〔請求項5記載の発明〕
前記横フラップと前記前後面との境界線に沿う切離し用の切断補助線が形成されており、
前記横フラップが、前記前後面から前記切離し用の切断補助線で切断されて、前記上片として引き上げられる構成とされている、
請求項3又は請求項4記載の薄葉紙収納箱。
【0014】
〔請求項6記載の発明〕
折り曲げ処理、及び、接合処理を施すと、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄葉紙収納箱が形成される、
ことを特徴とする薄葉紙収納箱用の厚紙。
【0015】
〔請求項7記載の発明〕
請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄葉紙収納箱が、上下に積層された状態でフィルム包装されている、
ことを特徴とする薄葉紙収納箱の積層品。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、内部に収納される薄葉紙積層体を一体として簡単に取り出すことができる薄葉紙収納箱、薄葉紙収納箱用の厚紙、及び、薄葉紙収納箱の積層品となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
〔第1の形態〕
図1に本形態の薄葉紙収納箱10を、図2にその展開状態である薄葉紙収納箱10用の厚紙10´を示した。
本形態の厚紙10´は、図2に示すように、それぞれが略長方形状の前面13、上面11、後面14、及び、下面12がこの順に相互に隣接して並び、かつ、相互に隣接する各面11,12,13,14の境界線で山折りすることができるものである。前面13の長手方向一方端部、図示例では両方端部からは、それぞれ略長方形状の横フラップ22が延出する。この横フラップ22は、前面13との境界線L1で山折りすることができる。同様に、上面11の長手方向一方端部、図示例では両方端部からは、それぞれ略長方形状の上フラップ21が延出する。この上フラップ21も、上面11との境界線L2で山折りすることができる。下面12の短手方向一方端部からは、糊代12Aが延出する。
【0018】
従来の薄葉紙収納箱は、天面(11,12)に、ミシン目や、半スリット等からなる取出口形成用の切断補助線が形成されていた。この切断補助線に沿って天面を裂開することで、取出口が形成され、この取出口から収納された薄葉紙を1枚ずつ取り出すことができる。しかしながら、本形態の厚紙10´は、これを組み立ててなる薄葉紙収納箱10が、収納された薄葉紙を1枚ずつ取り出す従来の用途で使用されるものではない。したがって、製造コスト削減、薄葉紙収納箱10の強度向上等の観点から、上面11や下面12等に、取出口形成用の切断補助線が形成されていない方が好ましい。
【0019】
本形態の厚紙10´は、相互に隣接する各面11,12,13,14の境界線や、境界線L1,L2で山折りされ(折り曲げ処理)、また、糊代12Aが前面13の裏面に接着剤等によって接合される(接合処理)などして、薄葉紙収納箱10となるように組み立てられる。この薄葉紙収納箱10は、図1に示すように、上下面11,12、前後面13,14、及び、両側面20,20で構成される六面体状で、かつ、内部に図示しない薄葉紙積層体(積層された薄葉紙)が収納される。
【0020】
なお、本明細書において、「上」,「下」との文言や、「前」,「後」との文言は、単に「一方」,「他方」を意味し、例えば、使用状態や搬送状態等において、「上」であることや、「下」であること、「前」であること、「後」であることまでの意味を含むものではない。
【0021】
本形態の薄葉紙収納箱10は、両側面20の少なくとも一方が、図示例では両方が、前面13から延出し、当該前面13との境界線L1で山折りされた横フラップ22と、上面11から延出し、当該上面11との境界線L2で山折りされた上フラップ21と、を有する。この上フラップ21は、横フラップ22上に(横フラップ22の上端部を覆うように)山折りされ、通常、この横フラップ22に対して接着剤等によって接合される。
【0022】
更に側面20は、下面12から延出し、当該下面12との境界線で横フラップ22上に山折りされる下フラップを有さず、横フラップ22及び上フラップ21で塞がれない間隙29を有する。この間隙29に指を差し込み、上フラップ21を上面11との境界線L2を軸に上片として引き上げると、図3に示すように、側面20が開口する。したがって、この開口30から、薄葉紙収納箱10の内部に収納された図示しない薄葉紙積層体を一体として(積層状態のまま)取り出すことができる。
【0023】
特に、本形態においては、下面12から延出し、当該下面12との境界線で横フラップ22上に山折りされた下フラップを有しないため、この開口時においても当該下フラップが存在しない。したがって、薄葉紙収納箱10を、例えば、開口30側に傾ける等するのみでも、薄葉紙積層体を取り出すことができ、薄葉紙積層体を一体として取り出すに簡易である。しかも、この取出しに際して、薄葉紙積層体が崩れたり、あるいは薄葉紙積層体を構成する一部の薄葉紙が折れ曲ったり、破れたりするおそれもない。この点、側面20の開口時において横フラップ22上に山折りされた下フラップが存在すると、この下フラップと横フラップ22とが掛合して(通常、横フラップ22の下側隅部が下フラップの裏面に引っ掛かる。)開口30の一部が塞がれ、例えば、薄葉紙積層体が崩れるなどして円滑に取り出すための妨げになり、あるいは薄葉紙積層体の一部が横フラップ22や、下フラップに引っ掛かって折れ曲ったり、破れたりするおそれがある。なお、上フラップ21は、指で引き上げられるため、横フラップ22との掛合が防止される。
【0024】
本形態において、間隙29の大きさ(広さ)は、横フラップ22の長さ(延出長)X、及び、上フラップ21の長さ(延出長)Yを変化させることによって、適宜調節することができる。間隙29を小さく(狭く)すれば埃等の異物が混入するおそれが減るが、小さくし過ぎると指を差し込み難くなり作業性が低下する。
【0025】
横フラップ22の長さXは、薄葉紙収納箱10の前後長X´の1/1.2〜1/5.8であるのが好ましく、1/1.3〜1/1.6であるのがより好ましい。横フラップ22の長さXが短過ぎると、異物が混入し易くなるほか、薄葉紙収納箱10が、特に上下方向に関する圧力に弱くなる。他方、横フラップ22の長さXが長過ぎると、異物が混入し難くなるものの、間隙29が前後方向後方に寄り過ぎてしまう。したがって、上フラップ21を引き上げる際に、上フラップ21の後側端部のみに力がかかり、上フラップ21の引き上げに失敗するおそれがある。
【0026】
一方、上フラップ21の長さYは、薄葉紙収納箱10の上下長Y´の1/1.2〜1/5.0であるのが好ましく、1/1.5〜1/3.0であるのがより好ましい。上フラップ21の長さYが短過ぎると、異物が混入し易くなるほか、薄葉紙収納箱10が、特に前後方向に関する圧力に弱くなる。他方、上フラップ21の長さYが長過ぎると、異物が混入し難くなるものの、間隙29に指を差し込み難くなり、作業性が低下する。
【0027】
〔第2の形態〕
図4に本形態の薄葉紙収納箱10を、図5にその展開状態である薄葉紙収納箱10用の厚紙10´を示した。本形態の厚紙10´、及び、薄葉紙収納箱10は、前述第1の形態を改良したものであるため、以下、異なる点を中心に説明する。
【0028】
本形態の厚紙10´は、図5に示すように、前面13のほか、後面14の長手方向一方端部、図示例では両方端部からも、それぞれ略長方形状の横フラップ22が延出する。この第2の横フラップ22も、後面14との境界線L1で山折りすることができる。
【0029】
この厚紙10´を、前述第1の形態と同様に組み立ててなる薄葉紙収納箱10は、図4に示すように、両側面20の少なくとも一方が、図示例では両方が、前面13から延出し、当該前面13との境界線L1で山折りされた横フラップ22と、後面14から延出し、当該後面14との境界線L1で山折りされた横フラップ22と、上面11から延出し、当該上面11との境界線L2で山折りされた上フラップ21と、を有する。この上フラップ21は、2枚の横フラップ22上に(横フラップ22の上端部を覆うように)山折りされ、通常、これらの横フラップ22に対して接着剤等によって接合される。
【0030】
本形態の薄葉紙収納箱10は、横フラップ22を2枚有するため、前述第1の形態の薄葉紙収納箱10と比較して、特に斜め方向(周面20の矩形が歪む方向)に関する圧力に強い。ただし、上フラップ21が、通常、2枚の横フラップ22に対して接合されるため、上フラップ21をより簡易に引き上げたい場合は、前述第1の形態による方が好ましい。なお、横フラップ22を2枚としつつも、その一方にのみ上フラップ21を接合する形態とすれば、第1の形態と同様に、上フラップ21を簡易に引き上げることができる。しかしながら、この形態によると、斜め方向に関する圧力が強くならない。
【0031】
本形態においても、間隙29の大きさ(広さ)は、2枚の横フラップ22の長さ(延出長)X、及び、上フラップ21の長さ(延出長)Yを変化させることによって、適宜調節することができる。間隙29を小さく(狭く)すれば異物が混入するおそれが減るが、小さくし過ぎると指を差し込み難くなり、作業性が低下するのも同様である。
【0032】
ただし、本形態においては、横フラップ22が2枚とされているため、横フラップ22の長さXは、薄葉紙収納箱10の前後長X´の1/2.4〜1/5.8であるのが好ましく、1/2.5〜1/3.3であるのがより好ましい。横フラップ22の長さXが短過ぎると、異物が混入し易くなるほか、薄葉紙収納箱10が、特に上下方向に関する圧力に弱くなる。他方、横フラップ22の長さXが長過ぎると、異物が混入し難くなるものの、間隙29に指を差し込み難くなり、作業性が低下する。なお、本形態においては、横フラップ22が2枚とされているため、横フラップ22の長さXを長くしても、間隙29が前後方向一方に寄り過ぎてしまうことはなく、指の差し込み易さを考慮すれば足りることから、上記好ましい長さが異なっている。
【0033】
〔第3の形態〕
図6に本形態の薄葉紙収納箱10を、図7にその展開状態である薄葉紙収納箱10用の厚紙10´を示した。本形態の厚紙10´、及び、薄葉紙収納箱10も、前述第1の形態や前述第2の形態を改良したものであるため、以下、異なる点を中心に説明する。
【0034】
本形態の厚紙10´は、図7に示すように、上フラップ21の長さYが長くなっている。具体的には、この圧紙10´を組み立ててなる薄葉紙収納箱10の状態において、図6に示すように、当該上フラップ21の下端部(下端縁)が下面12まで達する長さ、つまり薄葉紙収納箱10の上下長Y´と同じ長さになっている。この形態においては、周面20に、第1,第2の形態のような間隙29が存在しないため、異物が混入し難くなる。
【0035】
もっとも、このように周面20に間隙29が存在しないと、間隙29に指を差し込んで上フラップ21を引き上げることができないため、作業性が低下する。そこで、本形態の厚紙10´は、図7に示すように、上フラップ21の境界線L2とは反対側の端部に、指差込口形成用の切断補助線23が形成されている。この切断補助線23は、例えば、ミシン目や、半スリット等からなり、上フラップ21の延出方向に沿う2本の平行線とされている。したがって、圧紙10´を組み立ててなる薄葉紙収納箱10の状態において、上フラップ21の下端部に存在する当該2本の切断補助線23間の部位(指差込部)23Aを押せば、上フラップ21が切断補助線23に沿って裂開し、図8に示すように、指差込口が形成される。この指差込口に指を差し込み、上フラップ21を上片として引き上げることで、図9に示すように、周面20を容易に開口することができる。
【0036】
本形態においては、間隙29が存在しないため、この間隙29の大きさを調節するという観点からは、横フラップ22の長さXを変化させる必要はない。しかしながら、横フラップ22の長さXは、薄葉紙収納箱10の前後長X´の1/2.4〜1/5.8であるのが好ましく、1/2.5〜1/3.3であるのがより好ましい。横フラップ22の長さXが短過ぎると、薄葉紙収納箱10が、特に上下方向に関する圧力に弱くなる。他方、横フラップ22の長さXが長過ぎると、当該横フラップ22と上フラップ21との接合面積が広くなり過ぎるため、上フラップ21を引き上げ難くなり、作業性が低下する。もちろん、当該接合面積のみを狭くして引き上げ易くすることもできるが、接合面積のみを狭くすると、横フラップ22の長さXを長くしても上下方向に関する圧力が強くならず、横フラップ22の長さXを長くする分だけ材料の無駄となる。
【0037】
〔第4の形態〕
図10に本形態の薄葉紙収納箱10を、図11にその展開状態である薄葉紙収納箱10用の厚紙10´を示した。本形態の厚紙10´、及び、薄葉紙収納箱10は、前述第3の形態を改良したものであるため、以下、異なる点を中心に説明する。
【0038】
本形態の薄葉紙収納箱10も、図10に示すように、上フラップ21の下端部が下面12まで達する長さになっており、間隙29に指を差し込んで上フラップ21を引き上げることができない形態になっている。
【0039】
そこで、本形態の厚紙10´は、図11に示すように、下面12の長手方向一方端部、図示例では両方端部に、指差込口形成用の切断補助線24が形成されている。この切断補助線24は、例えば、ミシン目や、半スリット等からなり、長手方向に沿う2本の平行線と、これらを繋ぐ円弧とで構成されている。したがって、圧紙10´を組み立ててなる薄葉紙収納箱10の状態において、下面12の上フラップ21の下端部と隣接する部位に存在する当該切断補助線24で囲まれる部位(指差込部)24Aを押せば、下面12が切断補助線24に沿って裂開し、指差込口が形成される。この指差込口に指を差し込み、指を若干手前に引くような状態で上フラップ21を上片として引き上げれば、容易に側面20が開口する。
【0040】
本形態においても、横フラップ22の長さを変化させることができる点は、第3の形態と同様である。ただし、第3の形態においては、上フラップ21に形成された指差込部23Aを押し込むことができるよう、横フラップ22の長さXに限界が存在した。これに対し、本形態においては、指差込部24Aが下面12に形成されているため、かかる限界が存在しない。
【0041】
〔第5の形態〕
図12に本形態の薄葉紙収納箱10を、図13にその展開状態である薄葉紙収納箱10用の厚紙10´を示した。本形態の厚紙10´、及び、薄葉紙収納箱10は、前述第4の形態を改良したものであるため、以下、異なる点を中心に説明する。
【0042】
本形態の厚紙10´は、図13に示すように、下面12の長手方向一方端部、図示例では両方端部から略長方形状の下フラップ28が延出する。この下フラップ28は、下面12との境界線L2で山折りすることができる。
【0043】
本形態においては、下フラップ28と下面12との境界線L2に沿って、前後方向中央部を除き、ミシン目や、半スリット等からなる切離し用の切断補助線26が形成されている。加えて、下面12の長手方向一方端部、図示例では両方端部には、長手方向に沿う2本の平行線と、これらを繋ぐ円弧とで構成されたミシン目や、半スリット等からなる指差込口形成用の切断補助線25が形成されている。この指差込口形成用の切断補助線25は、下面12の前後方向中央部に形成されており、切離し用の切断補助線26と連続する。
【0044】
この厚紙10´を組み立ててなる薄葉紙収納箱10は、図12に示すように、両側面20の少なくとも一方が、図示例では両方が、前面13から延出し、当該前面13との境界線L1で山折りされた横フラップ22と、後面14から延出し、当該後面14との境界線L1で山折りされた横フラップ22と、上面11から延出し、当該上面11との境界線L2で山折りされた上フラップ21と、下面12から延出し、当該下面12との境界線L2で山折りされた下フラップ28と、を有する。この形態においては、2枚の横フラップ22上に下フラップ28が山折りされ、更にこれらの上から上フラップ21が山折りされている。下フラップ28は、2枚の横フラップ22に対して接着剤等によって接合され、上フラップ21は、当該2枚の横フラップ22に対して接着剤等によって接合されるとともに、その下端部が下フラップ28上に接着剤等によって接合されている。
【0045】
なお、この薄葉紙収納箱10とされた状態において、指差込口形成用の切断補助線25は、下面12の当該下フラップ28の下端部と隣接する部位に、位置する。
【0046】
この形態においては、指差込口形成用の切断補助線25で囲まれた部位(指差込部)25Aを押せば、下面12が切断補助線25に沿って裂開し、指差込口が形成される。したがって、この指差込口に指を差し込んで下フラップ28を引き上げると、図14に示すように、下フラップ28が下面12から切離し用の切断補助線26で切断されて、この下フラップ28がこれに接合された上フラップ21とともに、上片として引き上げられ、側面20が開口する。この形態においては、少なくとも側面20の開口時において、下面12から延出し、当該下面12との境界線L2で横フラップ22上に山折りされた下フラップ28を有さない状態となるため、前述当初から下フラップ28を有さない形態と同様に、薄葉紙積層体を円滑に取り出すことができ、薄葉紙の折れ曲りや、破れも防止される。また、この形態においては、前述第4の形態と異なり、指差込部25Aが下フラップ28と一体のまま上片として引き上げられるため、別ピースとならず、指差込部25Aを別途片付ける等の作業が必要とならないとの利点を有する。
【0047】
本形態の厚紙10´、及び、薄葉紙収納箱10においては、指差込口が下面12に形成されるが、下フラップ28の下端部に指差込口が形成されてもよい(前述第3の形態参照。ただし、第3の形態においては、上フラップ21の下端部が下面12まで達しているため、上フラップ21の下端部に形成されている。)。
【0048】
〔第6の形態〕
図15に本形態の薄葉紙収納箱10を示した。本形態の薄葉紙収納箱10、及び、これを組み立てる前の図示しない厚紙10´は、前述第5の形態を改良したものであるため、以下、異なる点を中心に説明する。
【0049】
本形態の図示しない厚紙10´は、前面13と横フラップ22との境界線L1、及び、後面14と横フラップ22との境界線L1に沿って、ミシン目や、半スリット等からなる切離し用の切断補助線が形成されている。したがって、指差込口形成用の切断補助線25を裂開して形成した指差込口に指を差し込んで下フラップ28を引き上げると、下フラップ28が下面12から切離し用の切断補助線26で切断されるとともに、2枚の横フラップ22がそれぞれ前面13及び後面14から切離し用の切断補助線で切断されて、この下フラップ28及び2枚の横フラップ22が上フラップ21とともに、上片として引き上げられ、側面20が開口する。この形態においては、側面20の開口時において、側面20を塞ぐものが何もなくなるため、薄葉紙積層体の円滑な取出し、折れ曲り・破損の防止という観点からは、最も優れる。
【0050】
〔薄葉紙収納箱の積層品〕
以上で説明した薄葉紙収納箱10は、例えば、第1の形態の場合を例として図16に示すように、内部に薄葉紙積層体Sが収納された状態において上下に複数、図示例では5つ積層された状態で、例えば、PE、PP等からなるフィルム101で包装して、薄葉紙収納箱の積層品100とすることができる。この形態によると、トラック等による大量搬送が可能でありながら、包装紙等で薄葉紙を束ねた従来の形態と異なり、薄葉紙の折れ曲りや破損も防止される。また、薄葉紙収納箱10が、側面20に間隙29を有する場合であっても、搬送過程等において、埃等の異物が混入するおそれもない。
【0051】
〔その他〕
○ 以上で説明した側面20の形態は、薄葉紙積層体を簡易に取り出すことができるようにするという観点からは、一方のみに適用すれば足りる。ただし、通常は、薄葉紙積層体を取り出した後、薄葉紙収納箱10を折り畳むことになるため、この折り畳みを容易にするという観点からは、両方に適用する方が好ましい。両方に適用した場合は、薄葉紙積層体を取り出すに際して、両側面20のどちらが取出口となるかを確認する作業が不要となる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、内部に収納された薄葉紙積層体を、他の薄葉紙収納箱に詰め替える場合に好適な薄葉紙収納箱、薄葉紙収納箱用の厚紙、及び、薄葉紙収納箱の積層品として、適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1の形態の薄葉紙収納箱である。
【図2】第1の形態の厚紙である。
【図3】側面開口時の第1の形態の薄葉紙収納箱である。
【図4】第2の形態の薄葉紙収納箱である。
【図5】第2の形態の厚紙である。
【図6】第3の形態の薄葉紙収納箱である。
【図7】第3の形態の厚紙である。
【図8】指差込口形成時の第3の形態の薄葉紙収納箱である。
【図9】側面開口時の第3の形態の薄葉紙収納箱である。
【図10】第4の形態の薄葉紙収納箱である。
【図11】第4の形態の厚紙である。
【図12】第5の形態の薄葉紙収納箱である。
【図13】第5の形態の厚紙である。
【図14】側面開口時の第5の形態の薄葉紙収納箱である。
【図15】側面開口時の第6の形態の薄葉紙収納箱である。
【図16】薄葉紙収納箱の積層品である。
【符号の説明】
【0054】
10…薄葉紙収納箱、10´…厚紙、11…上面、12…下面、12A…糊代、13…前面、14…後面、20…側面、21…上フラップ、22…横フラップ、23,24,25,26…切断補助線、28…下フラップ、29…間隙、30…開口、100…薄葉紙収納箱の積層品、L1,L2…境界線,S…薄葉紙積層体。
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄葉紙収納箱、薄葉紙収納箱用の厚紙、及び、薄葉紙収納箱の積層品に関するものである。特に、内部に収納された薄葉紙積層体を、他の薄葉紙収納箱に詰め替える場合に好適な形態に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ティシュペーパー等の薄葉紙は、積層された状態で、天面に取出口が形成された六面体状の紙箱に収納され、例えば、ボックスティシュなどと呼ばれて市販化される。この種の薄葉紙収納箱としては、取出口から薄葉紙が1枚ずつ引き出され、内部の薄葉紙が全て引き出された後に、折り畳むことができる構造のものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら、例えば、ホテル等においては、新たな宿泊客に対して、内部に薄葉紙が残った使いかけの薄葉紙収納箱を提供するのは好ましくない。また、1,2泊程度では、通常、それほど内部の薄葉紙が減らないため、毎回新しい薄葉紙収納箱を提供するのは、コスト、環境の面から好ましくない。したがって、上記薄葉紙収納箱を、そのままでは使用することができないのが現状である。
【0004】
そこで、現在は、例えば、プラスチックなどからなる薄葉紙収納箱を用意し(例えば、特許文献2参照。)、宿泊客がチェックアウトした後に、当該収納箱内に残った薄葉紙を取り除き、新たに通常よりも積層枚数が減らされた薄葉紙積層体を収納するといった詰替え作業が行われている。
【0005】
そして、かかる詰替え用の薄葉紙積層体は、例えば、樹脂フィルム、紙等で形成された袋状、帯状の包装材や、紐、ゴム、テープなどによって束ねられた状態で、保存、搬送等がされる(例えば、特許文献3参照。)。
【0006】
しかしながら、近年では、積層された薄葉紙が、保存、搬送等の過程において、折れ曲ったり、破損したりすることのないよう、詰替え用の薄葉紙積層体を内部に収納することができる厚紙などで形成された薄葉紙収納箱の開発が検討されている。
【0007】
もちろん、前述した従来の薄葉紙収納箱(紙箱)を、そのまま利用することも考えられる。しかしながら、従来の薄葉紙収納箱は、積層された薄葉紙を1枚ずつ取り出すことを前提として設計されており、一体として取り出すことを前提に設計されていないため、薄葉紙積層体を収納箱内から取り出すのに時間がかかり、包装材やゴムなどによって束ねた現在の形態と比べて極端に詰替え作業の効率が悪くなる。
【特許文献1】特開2006−341925号公報
【特許文献2】特開2002−211662号公報
【特許文献3】特開2000−33978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする主たる課題は、内部に収納される薄葉紙積層体を一体として簡単に取り出すことができる薄葉紙収納箱、薄葉紙収納箱用の厚紙、及び、薄葉紙収納箱の積層品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
上下面、前後面及び両側面で構成される六面体状で、かつ内部に薄葉紙積層体が収納される薄葉紙収納箱であって、
前記両側面の少なくとも一方は、
前記前面から延出し、当該前面との境界線で山折りされた横フラップと、
前記上面から延出し、当該上面との境界線で前記横フラップ上に山折りされた上フラップと、を有し、
前記上フラップを前記前面との境界線を軸に上片として引き上げると、前記側面が開口し、少なくともこの開口時においては、前記下面から延出し、当該下面との境界線で前記横フラップ上に山折りされた下フラップを有さない構成とされている、
ことを特徴とする薄葉紙収納箱。
【0010】
〔請求項2記載の発明〕
前記後面から延出し、当該後面との境界線で山折りされた第2の横フラップを有し、
この第2の横フラップ上に前記上フラップが山折りされている、
請求項1記載の薄葉紙収納箱。
【0011】
〔請求項3記載の発明〕
前記上フラップの下端部が前記下面まで達し、
当該上フラップの下端部、又は、前記下面の当該上フラップの下端部と隣接する部位に、指差込口形成用の切断補助線が形成され、
前記指差込口に指を差し込んで前記上フラップを上片として引き上げると、前記側面が開口する構成とされている、
請求項1又は請求項2記載の薄葉紙収納箱。
【0012】
〔請求項4記載の発明〕
前記下面から延出し、当該下面との境界線に沿って切離し用の切断補助線が形成され、かつ当該境界線で前記横フラップ上に山折りされた下フラップを有し、
この下フラップの上に、前記上フラップの下端部が接合され、
前記下フラップの下端部、又は、前記下面の当該下フラップの下端部と隣接する部位に、指差込口形成用の切断補助線が形成されており、
前記指差込口に指を差し込んで前記下フラップを引き上げると、当該下フラップが、前記下面から前記切離し用の切断補助線で切断されて、前記上フラップとともに上片として引き上げられ、前記側面が開口する構成とされている、
請求項1又は請求項2記載の薄葉紙収納箱。
【0013】
〔請求項5記載の発明〕
前記横フラップと前記前後面との境界線に沿う切離し用の切断補助線が形成されており、
前記横フラップが、前記前後面から前記切離し用の切断補助線で切断されて、前記上片として引き上げられる構成とされている、
請求項3又は請求項4記載の薄葉紙収納箱。
【0014】
〔請求項6記載の発明〕
折り曲げ処理、及び、接合処理を施すと、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄葉紙収納箱が形成される、
ことを特徴とする薄葉紙収納箱用の厚紙。
【0015】
〔請求項7記載の発明〕
請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄葉紙収納箱が、上下に積層された状態でフィルム包装されている、
ことを特徴とする薄葉紙収納箱の積層品。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、内部に収納される薄葉紙積層体を一体として簡単に取り出すことができる薄葉紙収納箱、薄葉紙収納箱用の厚紙、及び、薄葉紙収納箱の積層品となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
〔第1の形態〕
図1に本形態の薄葉紙収納箱10を、図2にその展開状態である薄葉紙収納箱10用の厚紙10´を示した。
本形態の厚紙10´は、図2に示すように、それぞれが略長方形状の前面13、上面11、後面14、及び、下面12がこの順に相互に隣接して並び、かつ、相互に隣接する各面11,12,13,14の境界線で山折りすることができるものである。前面13の長手方向一方端部、図示例では両方端部からは、それぞれ略長方形状の横フラップ22が延出する。この横フラップ22は、前面13との境界線L1で山折りすることができる。同様に、上面11の長手方向一方端部、図示例では両方端部からは、それぞれ略長方形状の上フラップ21が延出する。この上フラップ21も、上面11との境界線L2で山折りすることができる。下面12の短手方向一方端部からは、糊代12Aが延出する。
【0018】
従来の薄葉紙収納箱は、天面(11,12)に、ミシン目や、半スリット等からなる取出口形成用の切断補助線が形成されていた。この切断補助線に沿って天面を裂開することで、取出口が形成され、この取出口から収納された薄葉紙を1枚ずつ取り出すことができる。しかしながら、本形態の厚紙10´は、これを組み立ててなる薄葉紙収納箱10が、収納された薄葉紙を1枚ずつ取り出す従来の用途で使用されるものではない。したがって、製造コスト削減、薄葉紙収納箱10の強度向上等の観点から、上面11や下面12等に、取出口形成用の切断補助線が形成されていない方が好ましい。
【0019】
本形態の厚紙10´は、相互に隣接する各面11,12,13,14の境界線や、境界線L1,L2で山折りされ(折り曲げ処理)、また、糊代12Aが前面13の裏面に接着剤等によって接合される(接合処理)などして、薄葉紙収納箱10となるように組み立てられる。この薄葉紙収納箱10は、図1に示すように、上下面11,12、前後面13,14、及び、両側面20,20で構成される六面体状で、かつ、内部に図示しない薄葉紙積層体(積層された薄葉紙)が収納される。
【0020】
なお、本明細書において、「上」,「下」との文言や、「前」,「後」との文言は、単に「一方」,「他方」を意味し、例えば、使用状態や搬送状態等において、「上」であることや、「下」であること、「前」であること、「後」であることまでの意味を含むものではない。
【0021】
本形態の薄葉紙収納箱10は、両側面20の少なくとも一方が、図示例では両方が、前面13から延出し、当該前面13との境界線L1で山折りされた横フラップ22と、上面11から延出し、当該上面11との境界線L2で山折りされた上フラップ21と、を有する。この上フラップ21は、横フラップ22上に(横フラップ22の上端部を覆うように)山折りされ、通常、この横フラップ22に対して接着剤等によって接合される。
【0022】
更に側面20は、下面12から延出し、当該下面12との境界線で横フラップ22上に山折りされる下フラップを有さず、横フラップ22及び上フラップ21で塞がれない間隙29を有する。この間隙29に指を差し込み、上フラップ21を上面11との境界線L2を軸に上片として引き上げると、図3に示すように、側面20が開口する。したがって、この開口30から、薄葉紙収納箱10の内部に収納された図示しない薄葉紙積層体を一体として(積層状態のまま)取り出すことができる。
【0023】
特に、本形態においては、下面12から延出し、当該下面12との境界線で横フラップ22上に山折りされた下フラップを有しないため、この開口時においても当該下フラップが存在しない。したがって、薄葉紙収納箱10を、例えば、開口30側に傾ける等するのみでも、薄葉紙積層体を取り出すことができ、薄葉紙積層体を一体として取り出すに簡易である。しかも、この取出しに際して、薄葉紙積層体が崩れたり、あるいは薄葉紙積層体を構成する一部の薄葉紙が折れ曲ったり、破れたりするおそれもない。この点、側面20の開口時において横フラップ22上に山折りされた下フラップが存在すると、この下フラップと横フラップ22とが掛合して(通常、横フラップ22の下側隅部が下フラップの裏面に引っ掛かる。)開口30の一部が塞がれ、例えば、薄葉紙積層体が崩れるなどして円滑に取り出すための妨げになり、あるいは薄葉紙積層体の一部が横フラップ22や、下フラップに引っ掛かって折れ曲ったり、破れたりするおそれがある。なお、上フラップ21は、指で引き上げられるため、横フラップ22との掛合が防止される。
【0024】
本形態において、間隙29の大きさ(広さ)は、横フラップ22の長さ(延出長)X、及び、上フラップ21の長さ(延出長)Yを変化させることによって、適宜調節することができる。間隙29を小さく(狭く)すれば埃等の異物が混入するおそれが減るが、小さくし過ぎると指を差し込み難くなり作業性が低下する。
【0025】
横フラップ22の長さXは、薄葉紙収納箱10の前後長X´の1/1.2〜1/5.8であるのが好ましく、1/1.3〜1/1.6であるのがより好ましい。横フラップ22の長さXが短過ぎると、異物が混入し易くなるほか、薄葉紙収納箱10が、特に上下方向に関する圧力に弱くなる。他方、横フラップ22の長さXが長過ぎると、異物が混入し難くなるものの、間隙29が前後方向後方に寄り過ぎてしまう。したがって、上フラップ21を引き上げる際に、上フラップ21の後側端部のみに力がかかり、上フラップ21の引き上げに失敗するおそれがある。
【0026】
一方、上フラップ21の長さYは、薄葉紙収納箱10の上下長Y´の1/1.2〜1/5.0であるのが好ましく、1/1.5〜1/3.0であるのがより好ましい。上フラップ21の長さYが短過ぎると、異物が混入し易くなるほか、薄葉紙収納箱10が、特に前後方向に関する圧力に弱くなる。他方、上フラップ21の長さYが長過ぎると、異物が混入し難くなるものの、間隙29に指を差し込み難くなり、作業性が低下する。
【0027】
〔第2の形態〕
図4に本形態の薄葉紙収納箱10を、図5にその展開状態である薄葉紙収納箱10用の厚紙10´を示した。本形態の厚紙10´、及び、薄葉紙収納箱10は、前述第1の形態を改良したものであるため、以下、異なる点を中心に説明する。
【0028】
本形態の厚紙10´は、図5に示すように、前面13のほか、後面14の長手方向一方端部、図示例では両方端部からも、それぞれ略長方形状の横フラップ22が延出する。この第2の横フラップ22も、後面14との境界線L1で山折りすることができる。
【0029】
この厚紙10´を、前述第1の形態と同様に組み立ててなる薄葉紙収納箱10は、図4に示すように、両側面20の少なくとも一方が、図示例では両方が、前面13から延出し、当該前面13との境界線L1で山折りされた横フラップ22と、後面14から延出し、当該後面14との境界線L1で山折りされた横フラップ22と、上面11から延出し、当該上面11との境界線L2で山折りされた上フラップ21と、を有する。この上フラップ21は、2枚の横フラップ22上に(横フラップ22の上端部を覆うように)山折りされ、通常、これらの横フラップ22に対して接着剤等によって接合される。
【0030】
本形態の薄葉紙収納箱10は、横フラップ22を2枚有するため、前述第1の形態の薄葉紙収納箱10と比較して、特に斜め方向(周面20の矩形が歪む方向)に関する圧力に強い。ただし、上フラップ21が、通常、2枚の横フラップ22に対して接合されるため、上フラップ21をより簡易に引き上げたい場合は、前述第1の形態による方が好ましい。なお、横フラップ22を2枚としつつも、その一方にのみ上フラップ21を接合する形態とすれば、第1の形態と同様に、上フラップ21を簡易に引き上げることができる。しかしながら、この形態によると、斜め方向に関する圧力が強くならない。
【0031】
本形態においても、間隙29の大きさ(広さ)は、2枚の横フラップ22の長さ(延出長)X、及び、上フラップ21の長さ(延出長)Yを変化させることによって、適宜調節することができる。間隙29を小さく(狭く)すれば異物が混入するおそれが減るが、小さくし過ぎると指を差し込み難くなり、作業性が低下するのも同様である。
【0032】
ただし、本形態においては、横フラップ22が2枚とされているため、横フラップ22の長さXは、薄葉紙収納箱10の前後長X´の1/2.4〜1/5.8であるのが好ましく、1/2.5〜1/3.3であるのがより好ましい。横フラップ22の長さXが短過ぎると、異物が混入し易くなるほか、薄葉紙収納箱10が、特に上下方向に関する圧力に弱くなる。他方、横フラップ22の長さXが長過ぎると、異物が混入し難くなるものの、間隙29に指を差し込み難くなり、作業性が低下する。なお、本形態においては、横フラップ22が2枚とされているため、横フラップ22の長さXを長くしても、間隙29が前後方向一方に寄り過ぎてしまうことはなく、指の差し込み易さを考慮すれば足りることから、上記好ましい長さが異なっている。
【0033】
〔第3の形態〕
図6に本形態の薄葉紙収納箱10を、図7にその展開状態である薄葉紙収納箱10用の厚紙10´を示した。本形態の厚紙10´、及び、薄葉紙収納箱10も、前述第1の形態や前述第2の形態を改良したものであるため、以下、異なる点を中心に説明する。
【0034】
本形態の厚紙10´は、図7に示すように、上フラップ21の長さYが長くなっている。具体的には、この圧紙10´を組み立ててなる薄葉紙収納箱10の状態において、図6に示すように、当該上フラップ21の下端部(下端縁)が下面12まで達する長さ、つまり薄葉紙収納箱10の上下長Y´と同じ長さになっている。この形態においては、周面20に、第1,第2の形態のような間隙29が存在しないため、異物が混入し難くなる。
【0035】
もっとも、このように周面20に間隙29が存在しないと、間隙29に指を差し込んで上フラップ21を引き上げることができないため、作業性が低下する。そこで、本形態の厚紙10´は、図7に示すように、上フラップ21の境界線L2とは反対側の端部に、指差込口形成用の切断補助線23が形成されている。この切断補助線23は、例えば、ミシン目や、半スリット等からなり、上フラップ21の延出方向に沿う2本の平行線とされている。したがって、圧紙10´を組み立ててなる薄葉紙収納箱10の状態において、上フラップ21の下端部に存在する当該2本の切断補助線23間の部位(指差込部)23Aを押せば、上フラップ21が切断補助線23に沿って裂開し、図8に示すように、指差込口が形成される。この指差込口に指を差し込み、上フラップ21を上片として引き上げることで、図9に示すように、周面20を容易に開口することができる。
【0036】
本形態においては、間隙29が存在しないため、この間隙29の大きさを調節するという観点からは、横フラップ22の長さXを変化させる必要はない。しかしながら、横フラップ22の長さXは、薄葉紙収納箱10の前後長X´の1/2.4〜1/5.8であるのが好ましく、1/2.5〜1/3.3であるのがより好ましい。横フラップ22の長さXが短過ぎると、薄葉紙収納箱10が、特に上下方向に関する圧力に弱くなる。他方、横フラップ22の長さXが長過ぎると、当該横フラップ22と上フラップ21との接合面積が広くなり過ぎるため、上フラップ21を引き上げ難くなり、作業性が低下する。もちろん、当該接合面積のみを狭くして引き上げ易くすることもできるが、接合面積のみを狭くすると、横フラップ22の長さXを長くしても上下方向に関する圧力が強くならず、横フラップ22の長さXを長くする分だけ材料の無駄となる。
【0037】
〔第4の形態〕
図10に本形態の薄葉紙収納箱10を、図11にその展開状態である薄葉紙収納箱10用の厚紙10´を示した。本形態の厚紙10´、及び、薄葉紙収納箱10は、前述第3の形態を改良したものであるため、以下、異なる点を中心に説明する。
【0038】
本形態の薄葉紙収納箱10も、図10に示すように、上フラップ21の下端部が下面12まで達する長さになっており、間隙29に指を差し込んで上フラップ21を引き上げることができない形態になっている。
【0039】
そこで、本形態の厚紙10´は、図11に示すように、下面12の長手方向一方端部、図示例では両方端部に、指差込口形成用の切断補助線24が形成されている。この切断補助線24は、例えば、ミシン目や、半スリット等からなり、長手方向に沿う2本の平行線と、これらを繋ぐ円弧とで構成されている。したがって、圧紙10´を組み立ててなる薄葉紙収納箱10の状態において、下面12の上フラップ21の下端部と隣接する部位に存在する当該切断補助線24で囲まれる部位(指差込部)24Aを押せば、下面12が切断補助線24に沿って裂開し、指差込口が形成される。この指差込口に指を差し込み、指を若干手前に引くような状態で上フラップ21を上片として引き上げれば、容易に側面20が開口する。
【0040】
本形態においても、横フラップ22の長さを変化させることができる点は、第3の形態と同様である。ただし、第3の形態においては、上フラップ21に形成された指差込部23Aを押し込むことができるよう、横フラップ22の長さXに限界が存在した。これに対し、本形態においては、指差込部24Aが下面12に形成されているため、かかる限界が存在しない。
【0041】
〔第5の形態〕
図12に本形態の薄葉紙収納箱10を、図13にその展開状態である薄葉紙収納箱10用の厚紙10´を示した。本形態の厚紙10´、及び、薄葉紙収納箱10は、前述第4の形態を改良したものであるため、以下、異なる点を中心に説明する。
【0042】
本形態の厚紙10´は、図13に示すように、下面12の長手方向一方端部、図示例では両方端部から略長方形状の下フラップ28が延出する。この下フラップ28は、下面12との境界線L2で山折りすることができる。
【0043】
本形態においては、下フラップ28と下面12との境界線L2に沿って、前後方向中央部を除き、ミシン目や、半スリット等からなる切離し用の切断補助線26が形成されている。加えて、下面12の長手方向一方端部、図示例では両方端部には、長手方向に沿う2本の平行線と、これらを繋ぐ円弧とで構成されたミシン目や、半スリット等からなる指差込口形成用の切断補助線25が形成されている。この指差込口形成用の切断補助線25は、下面12の前後方向中央部に形成されており、切離し用の切断補助線26と連続する。
【0044】
この厚紙10´を組み立ててなる薄葉紙収納箱10は、図12に示すように、両側面20の少なくとも一方が、図示例では両方が、前面13から延出し、当該前面13との境界線L1で山折りされた横フラップ22と、後面14から延出し、当該後面14との境界線L1で山折りされた横フラップ22と、上面11から延出し、当該上面11との境界線L2で山折りされた上フラップ21と、下面12から延出し、当該下面12との境界線L2で山折りされた下フラップ28と、を有する。この形態においては、2枚の横フラップ22上に下フラップ28が山折りされ、更にこれらの上から上フラップ21が山折りされている。下フラップ28は、2枚の横フラップ22に対して接着剤等によって接合され、上フラップ21は、当該2枚の横フラップ22に対して接着剤等によって接合されるとともに、その下端部が下フラップ28上に接着剤等によって接合されている。
【0045】
なお、この薄葉紙収納箱10とされた状態において、指差込口形成用の切断補助線25は、下面12の当該下フラップ28の下端部と隣接する部位に、位置する。
【0046】
この形態においては、指差込口形成用の切断補助線25で囲まれた部位(指差込部)25Aを押せば、下面12が切断補助線25に沿って裂開し、指差込口が形成される。したがって、この指差込口に指を差し込んで下フラップ28を引き上げると、図14に示すように、下フラップ28が下面12から切離し用の切断補助線26で切断されて、この下フラップ28がこれに接合された上フラップ21とともに、上片として引き上げられ、側面20が開口する。この形態においては、少なくとも側面20の開口時において、下面12から延出し、当該下面12との境界線L2で横フラップ22上に山折りされた下フラップ28を有さない状態となるため、前述当初から下フラップ28を有さない形態と同様に、薄葉紙積層体を円滑に取り出すことができ、薄葉紙の折れ曲りや、破れも防止される。また、この形態においては、前述第4の形態と異なり、指差込部25Aが下フラップ28と一体のまま上片として引き上げられるため、別ピースとならず、指差込部25Aを別途片付ける等の作業が必要とならないとの利点を有する。
【0047】
本形態の厚紙10´、及び、薄葉紙収納箱10においては、指差込口が下面12に形成されるが、下フラップ28の下端部に指差込口が形成されてもよい(前述第3の形態参照。ただし、第3の形態においては、上フラップ21の下端部が下面12まで達しているため、上フラップ21の下端部に形成されている。)。
【0048】
〔第6の形態〕
図15に本形態の薄葉紙収納箱10を示した。本形態の薄葉紙収納箱10、及び、これを組み立てる前の図示しない厚紙10´は、前述第5の形態を改良したものであるため、以下、異なる点を中心に説明する。
【0049】
本形態の図示しない厚紙10´は、前面13と横フラップ22との境界線L1、及び、後面14と横フラップ22との境界線L1に沿って、ミシン目や、半スリット等からなる切離し用の切断補助線が形成されている。したがって、指差込口形成用の切断補助線25を裂開して形成した指差込口に指を差し込んで下フラップ28を引き上げると、下フラップ28が下面12から切離し用の切断補助線26で切断されるとともに、2枚の横フラップ22がそれぞれ前面13及び後面14から切離し用の切断補助線で切断されて、この下フラップ28及び2枚の横フラップ22が上フラップ21とともに、上片として引き上げられ、側面20が開口する。この形態においては、側面20の開口時において、側面20を塞ぐものが何もなくなるため、薄葉紙積層体の円滑な取出し、折れ曲り・破損の防止という観点からは、最も優れる。
【0050】
〔薄葉紙収納箱の積層品〕
以上で説明した薄葉紙収納箱10は、例えば、第1の形態の場合を例として図16に示すように、内部に薄葉紙積層体Sが収納された状態において上下に複数、図示例では5つ積層された状態で、例えば、PE、PP等からなるフィルム101で包装して、薄葉紙収納箱の積層品100とすることができる。この形態によると、トラック等による大量搬送が可能でありながら、包装紙等で薄葉紙を束ねた従来の形態と異なり、薄葉紙の折れ曲りや破損も防止される。また、薄葉紙収納箱10が、側面20に間隙29を有する場合であっても、搬送過程等において、埃等の異物が混入するおそれもない。
【0051】
〔その他〕
○ 以上で説明した側面20の形態は、薄葉紙積層体を簡易に取り出すことができるようにするという観点からは、一方のみに適用すれば足りる。ただし、通常は、薄葉紙積層体を取り出した後、薄葉紙収納箱10を折り畳むことになるため、この折り畳みを容易にするという観点からは、両方に適用する方が好ましい。両方に適用した場合は、薄葉紙積層体を取り出すに際して、両側面20のどちらが取出口となるかを確認する作業が不要となる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、内部に収納された薄葉紙積層体を、他の薄葉紙収納箱に詰め替える場合に好適な薄葉紙収納箱、薄葉紙収納箱用の厚紙、及び、薄葉紙収納箱の積層品として、適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1の形態の薄葉紙収納箱である。
【図2】第1の形態の厚紙である。
【図3】側面開口時の第1の形態の薄葉紙収納箱である。
【図4】第2の形態の薄葉紙収納箱である。
【図5】第2の形態の厚紙である。
【図6】第3の形態の薄葉紙収納箱である。
【図7】第3の形態の厚紙である。
【図8】指差込口形成時の第3の形態の薄葉紙収納箱である。
【図9】側面開口時の第3の形態の薄葉紙収納箱である。
【図10】第4の形態の薄葉紙収納箱である。
【図11】第4の形態の厚紙である。
【図12】第5の形態の薄葉紙収納箱である。
【図13】第5の形態の厚紙である。
【図14】側面開口時の第5の形態の薄葉紙収納箱である。
【図15】側面開口時の第6の形態の薄葉紙収納箱である。
【図16】薄葉紙収納箱の積層品である。
【符号の説明】
【0054】
10…薄葉紙収納箱、10´…厚紙、11…上面、12…下面、12A…糊代、13…前面、14…後面、20…側面、21…上フラップ、22…横フラップ、23,24,25,26…切断補助線、28…下フラップ、29…間隙、30…開口、100…薄葉紙収納箱の積層品、L1,L2…境界線,S…薄葉紙積層体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下面、前後面及び両側面で構成される六面体状で、かつ内部に薄葉紙積層体が収納される薄葉紙収納箱であって、
前記両側面の少なくとも一方は、
前記前面から延出し、当該前面との境界線で山折りされた横フラップと、
前記上面から延出し、当該上面との境界線で前記横フラップ上に山折りされた上フラップと、を有し、
前記上フラップを前記前面との境界線を軸に上片として引き上げると、前記側面が開口し、少なくともこの開口時においては、前記下面から延出し、当該下面との境界線で前記横フラップ上に山折りされた下フラップを有さない構成とされている、
ことを特徴とする薄葉紙収納箱。
【請求項2】
前記後面から延出し、当該後面との境界線で山折りされた第2の横フラップを有し、
この第2の横フラップ上に前記上フラップが山折りされている、
請求項1記載の薄葉紙収納箱。
【請求項3】
前記上フラップの下端部が前記下面まで達し、
当該上フラップの下端部、又は、前記下面の当該上フラップの下端部と隣接する部位に、指差込口形成用の切断補助線が形成され、
前記指差込口に指を差し込んで前記上フラップを上片として引き上げると、前記側面が開口する構成とされている、
請求項1又は請求項2記載の薄葉紙収納箱。
【請求項4】
前記下面から延出し、当該下面との境界線に沿って切離し用の切断補助線が形成され、かつ当該境界線で前記横フラップ上に山折りされた下フラップを有し、
この下フラップの上に、前記上フラップの下端部が接合され、
前記下フラップの下端部、又は、前記下面の当該下フラップの下端部と隣接する部位に、指差込口形成用の切断補助線が形成されており、
前記指差込口に指を差し込んで前記下フラップを引き上げると、当該下フラップが、前記下面から前記切離し用の切断補助線で切断されて、前記上フラップとともに上片として引き上げられ、前記側面が開口する構成とされている、
請求項1又は請求項2記載の薄葉紙収納箱。
【請求項5】
前記横フラップと前記前後面との境界線に沿う切離し用の切断補助線が形成されており、
前記横フラップが、前記前後面から前記切離し用の切断補助線で切断されて、前記上片として引き上げられる構成とされている、
請求項3又は請求項4記載の薄葉紙収納箱。
【請求項6】
折り曲げ処理、及び、接合処理を施すと、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄葉紙収納箱が形成される、
ことを特徴とする薄葉紙収納箱用の厚紙。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄葉紙収納箱が、上下に積層された状態でフィルム包装されている、
ことを特徴とする薄葉紙収納箱の積層品。
【請求項1】
上下面、前後面及び両側面で構成される六面体状で、かつ内部に薄葉紙積層体が収納される薄葉紙収納箱であって、
前記両側面の少なくとも一方は、
前記前面から延出し、当該前面との境界線で山折りされた横フラップと、
前記上面から延出し、当該上面との境界線で前記横フラップ上に山折りされた上フラップと、を有し、
前記上フラップを前記前面との境界線を軸に上片として引き上げると、前記側面が開口し、少なくともこの開口時においては、前記下面から延出し、当該下面との境界線で前記横フラップ上に山折りされた下フラップを有さない構成とされている、
ことを特徴とする薄葉紙収納箱。
【請求項2】
前記後面から延出し、当該後面との境界線で山折りされた第2の横フラップを有し、
この第2の横フラップ上に前記上フラップが山折りされている、
請求項1記載の薄葉紙収納箱。
【請求項3】
前記上フラップの下端部が前記下面まで達し、
当該上フラップの下端部、又は、前記下面の当該上フラップの下端部と隣接する部位に、指差込口形成用の切断補助線が形成され、
前記指差込口に指を差し込んで前記上フラップを上片として引き上げると、前記側面が開口する構成とされている、
請求項1又は請求項2記載の薄葉紙収納箱。
【請求項4】
前記下面から延出し、当該下面との境界線に沿って切離し用の切断補助線が形成され、かつ当該境界線で前記横フラップ上に山折りされた下フラップを有し、
この下フラップの上に、前記上フラップの下端部が接合され、
前記下フラップの下端部、又は、前記下面の当該下フラップの下端部と隣接する部位に、指差込口形成用の切断補助線が形成されており、
前記指差込口に指を差し込んで前記下フラップを引き上げると、当該下フラップが、前記下面から前記切離し用の切断補助線で切断されて、前記上フラップとともに上片として引き上げられ、前記側面が開口する構成とされている、
請求項1又は請求項2記載の薄葉紙収納箱。
【請求項5】
前記横フラップと前記前後面との境界線に沿う切離し用の切断補助線が形成されており、
前記横フラップが、前記前後面から前記切離し用の切断補助線で切断されて、前記上片として引き上げられる構成とされている、
請求項3又は請求項4記載の薄葉紙収納箱。
【請求項6】
折り曲げ処理、及び、接合処理を施すと、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄葉紙収納箱が形成される、
ことを特徴とする薄葉紙収納箱用の厚紙。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄葉紙収納箱が、上下に積層された状態でフィルム包装されている、
ことを特徴とする薄葉紙収納箱の積層品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−234610(P2009−234610A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82464(P2008−82464)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
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