説明

薄葉紙

【課題】強度特性が良好で液透過性及び液拡散性に優れた薄葉紙を提供すること。
【解決手段】本発明の薄葉紙は、第1層とこれに重層する第2層とを具備し、該第1層が最初に液体と接するように使用される薄葉紙である。前記第1層は、繊維粗度0.30mg/m以上の親水性嵩高繊維とパルプ繊維とを含有する。前記第2層は、繊維粗度0.10〜0.20mg/mの特定パルプ繊維と湿潤紙力増強剤とを含有し、且つ該第2層に含有される繊維のフリーネスが450〜700mlである。前記第1層と前記第2層との合計坪量が10〜30g/m2、クレープ率が5〜20%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的低坪量の薄い紙である薄葉紙に関し、特に、液体の吸収に使用する薄葉紙で、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品において、吸収性コアを被覆するコアラップシートとして好適な薄葉紙に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品には、液保持性の吸収体を具備するものがあり、該吸収体として、木材パルプや高吸水性樹脂等を含む吸収性コアと、該吸収性コアの外面を被覆するコアラップシートとを含んで構成されているものが知られている。コアラップシートは、吸収体の製造時には木材パルプや高吸水性樹脂等の吸収体形成材料を受けるためのシートとして働き、製造後には吸収性コアを包んで吸収性コアの形状を安定化する役割などを果たす。コアラップシートとしては、従来、薄葉紙、不織布等の透水性シートが用いられている。
【0003】
また従来、液透過性や液拡散性の向上等の観点から、薄葉紙を、構成・機能の異なる複数の層が積層してなる多層構造とすることが知られている。例えば特許文献1には、吸収性コアを被覆するコアラップシートとして好適な薄葉紙として、嵩高性のセルロース繊維を混合して抄紙し、且つ液体が最初に接する表面層と、これに重層する一以上の基盤層とを有してなる吸収紙が記載されている。特許文献1に記載の吸収紙においては、前記表面層で液体を素早く吸収して前記基盤層に移行させ、前記基盤層は前記表面層からの液体を強力に吸収しその全体に拡散させることができるため、吸収/透過/拡散という液体の流れが理想的であるとされている。
【0004】
また特許文献2には、透過性吸収紙と拡散性吸収紙とが一体化された複合吸収紙が記載されており、前記透過性吸収紙は、繊維粗度0.30mg/m以上の嵩高架橋セルロース繊維と熱溶融性接着繊維とを含有すること、前記拡散性吸収紙は、前記嵩高架橋セルロース繊維と親水性微細繊維と前記熱溶融性接着繊維とを含有すること、並びに前記透過性吸収紙及び前記拡散性吸収紙それぞれの坪量を20〜60g/m2とすることも記載されている。また、特許文献2には、前記嵩高架橋セルロース繊維に関し、液体で濡れた場合でも膨潤したり、強度が低下しないので、これを含んで成る吸収紙は、液体を一時的に吸収する液体吸収空間を安定的に保持し得ることも記載されている。特許文献2によれば、特許文献2に記載の複合吸収紙を、吸収性コアを被覆するコアラップシートとして用いた場合、前記透過性吸収紙で体液を素早く吸収して前記拡散性吸収紙に移行させ、前記拡散性吸収紙は、前記透過性吸収紙からの体液をその全域に迅速に拡散することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−287886号公報
【特許文献2】特開平8−112307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
コアラップシートには、製造時に破れが生じない程度のシート強度と、使用時に液を素早く透過・拡散させ、コアラップシートの下方に配置された吸収性コアに速やかに吸収させる高い液透過性及び液拡散性が要求されるが、コアラップシートのシート強度と液透過性及び液拡散性とは二律背反の関係にあり、両者をバランス良く両立させることは難しいのが現状である。また、吸収体の薄型化が要望される中で、これを構成するコアラップシートにも低坪量化が要望されているところ、コアラップシートの低坪量化はシート強度の低下を招くおそれがあるため、現状のコアラップシートの構成では低坪量化は困難である。
【0007】
従って本発明の課題は、強度特性が良好で液透過性及び液拡散性に優れた薄葉紙を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、2層構造の薄葉紙について種々検討した結果、液体が最初に接触する第1層に、繊維粗度が相対的に大きい親水性嵩高繊維を含有させて、第1層を液透過速度が速く且つ毛管現象を発現し得る高拡散層とすると共に、第1層に重層する第2層に、繊維粗度が相対的に小さいパルプ繊維を含有させて、第2層の液透過速度を第1層に比して遅くすることにより、斯かる第1層と第2層との液透過速度差及び第1層の毛管現象に起因して、薄葉紙全体として液透過性及び液拡散性が大幅に向上することを知見した。
【0009】
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、第1層とこれに重層する第2層とを具備し、該第1層が最初に液体と接するように使用される薄葉紙であって、前記第1層は、繊維粗度0.30mg/m以上の親水性嵩高繊維とパルプ繊維とを含有し、前記第2層は、繊維粗度0.10〜0.20mg/mの特定パルプ繊維と湿潤紙力増強剤とを含有し、且つ該第2層に含有される繊維のフリーネスが450〜700mlであり、前記第1層と前記第2層との合計坪量が10〜30g/m2、クレープ率が5〜20%である薄葉紙を提供することにより、前記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、強度特性が良好で液透過性及び液拡散性に優れた薄葉紙が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、液透過時間の測定方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の薄葉紙について詳細に説明する。本発明の薄葉紙は、第1層とこれに重層する第2層とを具備し、該第1層が最初に液体と接するように使用される。本発明の薄葉紙は、例えば、肌対向面を形成する表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート、及び両シート間に介在配置された吸収性コアを具備する吸収性物品において、該吸収性コアを被覆するコアラップシートとして使用することができる。その場合、表面シートと吸収性コアとの間において、該表面シートと本発明の薄葉紙の第1層とが対向する(該吸収性コアと本発明の薄葉紙の第2層とが対向する)ように該薄葉紙を配置することにより、該第1層が最初に液体(尿等の体液)と接することになる。
【0013】
本発明の薄葉紙の主たる特長の1つとして、繊維粗度の異なる2種の繊維を用い、そのうちの相対的に繊維粗度の大きい繊維(繊維粗度0.30mg/m以上の親水性嵩高繊維)を、液体が最初に接触する第1層に含有させ、相対的に繊維粗度の小さい繊維(繊維粗度0.10〜0.20mg/mの特定パルプ繊維)を、第1層に重層する第2層に含有させている点が挙げられる。繊維粗度は、木材パルプのように、繊維の太さが不均一な繊維において、繊維の太さを表す尺度として用いられるものであり、後述するように市販の繊維粗度計を用いて測定される。即ち、本発明の薄葉紙は、太さの異なる2種の繊維を含有し、そのうちの太い繊維(嵩高繊維)を第1層に、細い繊維を第2層に含有している。そのため、第1層は第2層に比して嵩高である。そして、一般に、嵩高な繊維層は、多数の繊維が比較的疎な状態で存在していて、比較的大きな繊維間空隙を多数有しているため、嵩高では無く多数の繊維が比較的密な状態で存在している繊維層に比して、液透過速度が速い。従って、本発明の薄葉紙においては、相対的に嵩高な第1層は、第2層に比して液透過速度が速く、第1層と第2層とで液透過速度に差があり、斯かる液透過速度差が、第1層と第2層との界面又はその近傍での液拡散を引き起こし、それが本発明の薄葉紙による優れた液拡散性の発現に大きく寄与している。
【0014】
また、本発明においては、このような第1層と第2層との液透過速度差を利用した液拡散に加えて、毛管現象による液拡散も利用すべく、第1層に含有させる繊維粗度0.30mg/m以上の太い繊維(嵩高繊維)として、親水性嵩高繊維を用いている。このような構成の本発明の薄葉紙によれば、第1層と第2層との液透過速度差に起因して、第1層と第2層との界面又はその近傍(第1層における該界面の近傍)で液体が面方向に拡散され、こうして拡散された液体は、第1層の毛管現象によって更に面方向に拡散されつつ、第2層に向けて厚み方向に透過していく。第2層自体も、第1層に比して液透過速度は遅いものの、良好な液透過性を有しているので、薄葉紙全体として優れた液透過性及び液拡散性を発現し得る。また、第2層は、後述するように、繊維(特定パルプ繊維)のフリーネスが450〜700mlに設定されていてフィブリル化が進行しており、更に湿潤紙力増強剤が含有されているため、優れた強度特性を有しており、この第2層の優れた強度特性が薄葉紙全体の強度特性の向上に大きく寄与している。以下、本発明の薄葉紙を構成する各層(第1層、第2層)について説明する。
【0015】
第1層に含有される親水性嵩高繊維の繊維粗度は、前述したように0.30mg/m以上であり、好ましくは0.30〜0.40mg/m、更に好ましくは0.32〜0.38mg/mである。親水性嵩高繊維の繊維粗度が0.30mg/m未満では、第1層の嵩高さが不足して、前述した第1層と第2層との液透過速度差が小さくなり、薄葉紙の液拡散性が不十分になるおそれがある。
【0016】
<繊維粗度及び平均繊維長の測定>
繊維粗度計FS−200(KAJAANI ELECTRONICS LTD.製)を用いて測定する。測定対象の繊維は未叩解のものとする。先ず、測定対象の繊維の真の重量を求めるために、該繊維を真空乾燥機内にて100℃で1時間乾燥させ、繊維中に存在している水分を除去する。こうして乾燥させた繊維から1gを正確に量りとる(誤差±0.1mg)。次に、量り取った繊維を、該繊維に極力損傷を与えないように注意しつつ、前記繊維粗度計に付属のミキサーで150mlの水中に完全に離解させ、これを全量が5000mlになるまで水で薄めて希釈液を得た。得られた希釈液から50mlを正確に量りとってこれを繊維粗度測定溶液とし、前記繊維粗度計の操作手順に従って目的とする繊維粗度及び平均繊維長をそれぞれ算出する。尚、平均繊維長の算出には、前記操作手順に基づき下記式により計算された値を用いる。
【0017】
【数1】

【0018】
第1層に含有される親水性嵩高繊維の一例として、嵩高性セルロース繊維が挙げられる。嵩高性セルロース繊維は、捻じれ構造、クリンプ構造、屈曲及び/又は分岐構造等の立体構造を有するセルロース繊維であり、その立体構造により該繊維自体が嵩高である。嵩高性セルロース繊維(親水性嵩高繊維)としては、例えば、セルロース繊維の分子内及び/又は分子間を架橋剤により架橋した架橋セルロース繊維(例えば、HBAとして知られている化学的に架橋されたセルロース繊維);セルロース繊維等をアルカリ処理し、繊維断面を膨潤増大させたマーセル化パルプ(例えば、商品名「ポロセニア」)等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に架橋セルロース繊維は、湿潤状態でもその嵩高性(立体構造)を維持し得るため、本発明で好ましく用いられる。架橋セルロース繊維は、セルロース繊維の分子内及び分子間の双方が架橋されていることが好ましい。嵩高性セルロース繊維(親水性嵩高繊維)の素材となるセルロース繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ、テンセル、リヨセル等の再生セルロース繊維、アセテート等の半合成セルロース繊維等が挙げられる。
【0019】
嵩高性セルロース繊維の製造工程で使用されるセルロース繊維の架橋剤としては、例えば、ジメチロールエチレン尿素、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素等のN−メチロール系化合物;クエン酸、トリカルバリル酸、ブタンテトラカルボン酸等のポリカルボン酸;ポリグリシジルエーテル系化合物等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
架橋剤の使用量は、セルロース繊維100質量部に対して、0.2〜20質量部とすることが好ましい。0.2質量部未満であると、架橋密度が低いため、嵩高性セルロース繊維の湿潤時の弾性率が低く、ヨリ/ヘタリが生じるおそれがあり、20質量部を超えると、嵩高性セルロース繊維が剛直になり過ぎ、応力がかかった時、繊維が脆くなってしまうおそれがある。架橋剤を用いてセルロース繊維を架橋する方法としては、例えば下記i)及びii)の方法が挙げられる。i)架橋剤の水溶液に必要に応じて触媒を添加したものに、セルロース繊維を含浸し、架橋剤水溶液が設計付着量となるように該セルロース繊維を脱水した後、これを架橋温度に加熱する方法。ii)スプレー等により架橋剤水溶液をセルロース繊維に設計付着量となるように散布し、その後、該セルロース繊維を架橋温度に加熱し、架橋反応させる方法。
【0021】
第1層は、親水性嵩高繊維に加えて、パルプ繊維を含有する。第1層にパルプ繊維を含有させる理由は、親水性嵩高繊維の使用により懸念される強度特性の低下をパルプ繊維が親水性嵩高繊維間を繋ぐことによって抑制するためである。特に、第1層において親水性嵩高繊維の含有質量比をパルプ繊維に比して多く設定した場合には、大部分を占める親水性嵩高繊維間で造る高空隙の中にパルプ繊維同士で造る小空隙が若干第1層中に混在する構成が得られ、それによって透過性を保ちつつ毛管力を強化できる。
【0022】
第1層に含有されるパルプ繊維としては、公知のパルプ繊維を特に制限無く用いることができ、例えば、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の木材パルプ;楮、三椏、雁皮等の靱皮繊維;藁、竹、ケナフ、麻等の非木材パルプ等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのパルプ繊維の中でも、特にNBKPは、これを用いて製造される紙の強度が高いため、本発明で好ましく用いられる。本発明で用いるNBKPとしては、この種の紙において通常用いられるNBKPを特に制限無く用いることができる。NBKPとして、パルプの漂白に塩素化合物を使用しないECF(エレメンタリー・クロリンフリー)漂白パルプやTCF(トータル・クロリンフリー)漂白パルプを使用しても良い。
【0023】
第1層における親水性嵩高繊維とパルプ繊維との含有質量比(親水性嵩高繊維/パルプ繊維)は、液拡散性と強度特性とのバランスの観点から、好ましくは4/6〜9/1、更に好ましくは5/5〜8/2である。繊維粗度0.30mg/m以上の親水性嵩高繊維が少なすぎると、第1層の嵩高さが不足して、前述した第1層と第2層との液透過速度差が小さくなり、液拡散性が不十分になるおそれがあり、逆に親水性嵩高繊維が多すぎると、第1層の強度の急激な低下が生じるおそれがある。
【0024】
第1層には、繊維として、前述した繊維粗度0.30mg/m以上の親水性嵩高繊維及びパルプ繊維に加えて、更に、熱融着性接着繊維を含有させることができる。熱融着性接着繊維は、加熱により溶融し相互に接着する繊維であり、これを第1層に含有させることにより、第1層の嵩高構造がより安定的に維持されるようになる。熱融着性接着繊維の含有率は、第1層中の全繊維の乾燥質量に対して、好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下である。
【0025】
熱融着性接着繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸及びその塩等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維、ポリエチレン−ポリエステル複合繊維、低融点ポリエステル−ポリエステル複合繊維、繊維表面が親水性であるポリビニルアルコール−ポリプロピレン複合繊維、ポリビニルアルコール−ポリエステル複合繊維等を挙げることができる。複合繊維を用いる場合には、芯鞘型複合繊維及びサイド・バイ・サイド型複合繊維の何れをも用いることができる。これらの熱融着性接着繊維は、各々単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発明において好ましく用いられる熱溶融性接着繊維としては、ポリビニルアルコール、ポリエステル等を挙げることができる。
【0026】
第1層には、前述した各種繊維に加えて、更に乾燥紙力増強剤を含有させることができる。第1層に含有される乾燥紙力増強剤としては、従来公知のものを特に制限無く用いることができ、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びその塩、ポリアクリルアミド系樹脂及びその塩、カチオン化デンプン、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。CMCあるいはポリアクリルアミド系樹脂の塩としては、それぞれ、ナトリウム塩が主に用いられる。ポリアクリルアミド系樹脂としては、例えば、カチオン性又はアニオン性ポリアクリルアミド(PAM)が挙げられる。これらの乾燥紙力増強剤の中でも、特に、CMC及びその塩、アニオン性PAM及びその塩、PVAが好ましい。
【0027】
後述するように第1層を湿式抄紙法により製造する場合、第1層に紙力増強剤を含有させる方法としては、紙料から繊維を抄いて繊維ウエブとする前に該紙料に紙力増強剤を添加する、いわゆる内添法と、紙料から繊維を抄いて得られた繊維ウエブに、塗布、含浸、噴霧等の種々の付与方法により紙力増強剤を付与する、いわゆる外添法とがあり、本発明では何れの添加方法も利用可能であるが、第1層は、親水性嵩高繊維を含有していることに起因して紙粉や毛羽が発生し易く、また、内添法では紙力増強剤の歩留まりが低下するおそれがあることから、第1層は外添法によって紙力増強剤(乾燥紙力増強剤)が付与されたものであることが好ましい。
【0028】
乾燥紙力増強剤の含有率は、第1層中の全繊維の乾燥質量に対して、好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.2〜2質量%である。乾燥紙力増強剤の含有率が少なすぎると、乾燥紙力増強剤を使用する意義(紙粉や毛羽立ちの防止、乾燥引張強度等の強度特性の向上)が薄れ、乾燥紙力増強剤の含有率が多すぎると、薄葉紙の硬化(風合いの低下)の他、薄葉紙の製造時におけるヤンキードライヤーへの紙の張り付きやメッシュドラムへの紙力増強剤の付着等による、薄葉紙の地合の低下を招くおそれがある。
【0029】
第1層は、前述した繊維(繊維粗度0.30mg/m以上の親水性嵩高繊維、パルプ繊維等)並びに乾燥紙力増強剤以外の他の成分を含有していても良い。他の成分としては、例えば、エポキシ化ポリアミドポリアミン樹脂(PAE)等の湿潤紙力増強剤、タルク等の填料、染料、色顔料、抗菌剤、pH調整剤、歩留り向上剤、耐水化剤、消泡剤等の一般的に抄紙用原材料や添加物として使用されているものが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
第2層は、繊維粗度0.10〜0.20mg/mの特定パルプ繊維を含有する。第2層の特性に関し特に重要なのは、前述したように、第1層よりも液透過速度が遅いことであり、斯かる観点から、本発明においては、第2層を構成する繊維として、第1層の構成繊維(親水性嵩高繊維)に比して繊維粗度の小さい特定パルプ繊維を用い、それによって第2層が第1層よりも嵩高にならないように工夫している。第2層に含有される特定パルプ繊維の繊維粗度は、好ましくは0.12〜0.20mg/m、更に好ましくは0.15〜0.20mg/mである。また、第2層に含有される特定パルプ繊維の平均繊維長は、薄葉紙の地合等の観点から、好ましくは1〜3mm、更に好ましくは2〜2.8mmである。
【0031】
第2層に含有される特定パルプ繊維としては、繊維粗度が前記範囲にあるパルプ繊維を用いることができ、このパルプ繊維としては、公知のパルプ繊維を特に制限無く用いることができ、例えば、第1層に含有されるパルプ繊維(NBKP等)と同様のものを用いることができる。従って、本発明においては、第2層に含有される特定パルプ繊維と第1層に含有されるパルプ繊維とが同じになる場合があり得る。第1層に含有される繊維粗度0.30mg/m以上の親水性嵩高繊維は、通常、セルロース繊維に特定処理(架橋剤による処理、アルカリ処理等)を施すことによって製造されるのに対し、第2層に含有される繊維粗度0.10〜0.20mg/mの特定パルプ繊維は、通常、そのような特定処理は不要である。従って、繊維粗度が0.10〜0.20mg/mの範囲にあるNBKP等を、そのまま第2層の特定パルプ繊維として用いることができる。
【0032】
第2層には、繊維として、繊維粗度0.10〜0.20mg/mの特定パルプ繊維に加えて、更に、繊維粗度が前記範囲外にある他の繊維を含有させることもできる。但し、前述した第1層との液透過速度差をより確実に生じさせ、それによって薄葉紙全体として優れた液透過性及び液拡散性を得る観点から、特定パルプ繊維以外の他の繊維の含有率は、第2層中30質量%以下とすることが好ましく、0質量%、即ち、第2層中の繊維としては特定パルプ繊維のみを用いることが更に好ましい。特定パルプ繊維の含有率は、第2層中、好ましくは70〜100質量%、更に好ましくは80〜100質量%である。
【0033】
第2層に含有される繊維のフリーネス(第2層に含有される繊維が特定パルプ繊維のみである場合は、特定パルプ繊維のフリーネス)は450〜700mlであり、好ましくは480〜680ml、更に好ましくは480〜650mlである。フリーネスは、JIS P8121に規定するカナダ標準ろ水度(C.S.F.)で示される値であり、繊維の叩解(水の存在下で繊維を機械的に叩き、磨砕する処理)の度合いを示す値である。繊維の叩解は、繊維を分散させた紙料(スラリー)に対して、ビーダー、ディスクリファイナー等の公知の叩解機を用いて常法に従って実施することができる。通常、繊維のフリーネスの値が小さいほど、叩解の度合いが強く、叩解による繊維の損傷が大きくてフィブリル化が進行している。フリーネスが前記範囲にある繊維(前記特定パルプ繊維)は、フィブリル化が進行しているため繊維どうしが絡み合い易く、そのため、薄葉紙(第2層)の低坪量化を図った場合に、繊維の繊維間結合点の数が減少しても、各繊維間結合の強度は、フリーネスが700mlを超え相対的にフィブリル化が進行していない繊維に比して高い。一方、フリーネスが450ml未満の場合は、繊維の絡み合いによる強度改善効果は飽和しており、また、繊維の切断が促進され、透過時間が遅くなるおそれがある。従って、フリーネスが450〜700mlである繊維(特定パルプ繊維)を含有する第2層は、良好な強度特性(引張強度)及び液透過性を有し得る。
【0034】
第2層は、特定パルプ繊維に加えて、更に湿潤紙力増強剤を含有する。第2層に含有される湿潤紙力増強剤としては、従来公知のものを特に制限無く用いることができ、例えば、エポキシ化ポリアミドポリアミン樹脂(PAE)、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、ジアルデヒドデンプン、ポリエチレンアミン、メチロール化ポリアミド等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの湿潤紙力増強剤の中でも、特にPAEは、これを用いて製造される紙の湿潤紙力強度が高いため、本発明で好ましく用いられる。
【0035】
湿潤紙力増強剤の含有率は、第2層中の全繊維の乾燥質量に対して、好ましくは0.2〜2質量%、更に好ましくは0.5〜1質量%である。湿潤紙力増強剤の含有率が少なすぎると、湿潤紙力増強剤を使用する意義(湿潤引張強度等の強度特性の向上)が薄れ、湿潤紙力増強剤の含有率が多すぎると、薄葉紙の硬化(風合いの低下)の他、薄葉紙の製造時におけるヤンキードライヤーへの紙の張り付きやメッシュドラムへの紙力増強剤の付着等による、薄葉紙の地合の低下を招くおそれがある。
【0036】
第2層は、繊維粗度0.10〜0.20mg/mの特定パルプ繊維及び湿潤紙力増強剤以外の他の成分を含有していても良い。他の成分としては、例えば、CMC等の乾燥紙力増強剤、タルク等の填料、染料、色顔料、抗菌剤、pH調整剤、歩留り向上剤、耐水化剤、消泡剤等の一般的に抄紙用原材料や添加物として使用されているものが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0037】
本発明の薄葉紙を構成する第1層及びこれに重層する第2層は、それぞれ、公知の湿式抄紙法によって製造することができる。湿式抄紙法は、繊維の水分散液からなる紙料(スラリー)を調製する紙料調製工程と、紙料から繊維を抄いて繊維ウエブとしたものを搬送しながら乾燥する抄紙工程とを有するものである。抄紙工程は、通常、ワイヤパート、プレスパート、ドライヤーパート、サイズプレス、カレンダパート等に分けられ、順次実施される。湿式抄紙法は、例えば、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オントップ抄紙機、ハイブリッド抄紙機又は丸網抄紙機等の抄紙機を用いて常法に従って実施することができる。
【0038】
本発明の薄葉紙において、第1層と第2層とは一体化されている。第1層と第2層とを一体化させる方法としては、両者が一体化できれば特に限定されるものではなく、例えば、湿式抄紙法により別々に製造した乾燥状態の第1層と第2層とを重ね合わせて積層体を得、該積層体を一対のエンボスロールに通して押圧し両者を一体化させる方法、あるいは粘着剤や接着剤等の接合手段によって両者を一体化させる方法等を採用することができる。前者の方法において、積層体は、第1層側から第2層側に押圧されても良く、これとは逆方向に押圧されても良い。前者の方法で得られた薄葉紙には、通常、第1層及び第2層が一体的に凹陥してなる凹部が形成される。
【0039】
本発明においては、第1層と第2層とを一体化させる方法としては、湿式抄紙過程で得られる第1層及び第2層それぞれの湿潤状態の繊維ウエブを、引き続き湿式抄紙過程で一体化させる方法が好ましい。このような方法で両層を一体化させると、両層の繊維が一層緊密に絡み合って、両層間での液体の移動がスムースに行われる。第1層と第2層とを湿式抄紙過程で一体化させる方法の具体例としては、次の方法が挙げられる。即ち、第1層形成用のスラリーを抄紙機に供給し、ワイヤー上に紙層(繊維ウエブ)を形成させる。これとは別に、第2層形成用のスラリーを別の抄紙機に供給し、ワイヤー上に紙層(繊維ウエブ)を形成させる。これらの紙層(繊維ウエブ)をそれぞれのワイヤーから取り上げ、湿潤状態のまま両者を重ね合わせ、引き続きこれを圧搾脱水、乾燥することによって、第1層と第2層とが一体化した薄葉紙が得られる。
【0040】
また、第1層と第2層とを湿式抄紙過程で一体化させる方法の別の具体例としては、次の方法が挙げられる。即ち、第1層形成用のスラリーと第2層形成用のスラリーとを、それぞれ2列の抄紙ノズルから一度にワイヤー上に供給して、2層構造の紙層(繊維ウエブ)を形成する。次いで、この紙層(繊維ウエブ)をワイヤーから取り上げ、圧搾脱水、乾燥することによって、第1層と第2層とが一体化した薄葉紙が得られる。
【0041】
本発明の薄葉紙は、第1層側から第2層側に向かって厚み方向に押圧されてなる被押圧部を有していても良く、該被押圧部を複数有していることが特に好ましい。前記被押圧部は、公知のエンボス加工等により形成することができる。前記被押圧部においては、少なくとも薄葉紙の第1層側が凹部となっており、エンボス加工条件等によっては、第2層側における該凹部に対応する部分が凸状に隆起している。前記被押圧部を有する薄葉紙は、(1)特に第1層に起因する紙粉の飛散が効果的に防止される、(2)前記被押圧部(凹部)と押圧されていない部分(平坦部)とがそれぞれ複数混在することにより、薄葉紙の面方向に空隙の粗密構造が構成され、それによって毛管力が強化される、(3)第1層と第2層との界面接着力が強化される等の効果を奏し得る。
【0042】
本発明の薄葉紙は、厚みの薄い吸収体のコアラップシートに適したものとする等の観点から、坪量を比較的低く設定しており、具体的には、第1層と第2層との合計坪量が10〜30g/m2であり、好ましくは12〜25g/m2、更に好ましくは15〜20g/m2である。坪量がこのように低いと紙力の低下が懸念されるが、本発明では、前述した薄葉紙の構成(特に第2層の構成)の採用により斯かる懸念を払拭している。薄葉紙の坪量が10g/m2未満では、紙力が著しく低下するおそれがあり、また、薄葉紙の坪量が30g/m2超では、薄葉紙が硬くなるおそれがある。第1層の坪量は、好ましくは10〜22g/m2、更に好ましくは10〜18g/m2であり、第2層の坪量は、好ましくは8〜15g/m2、更に好ましくは8〜12g/m2である。
【0043】
薄葉紙(第1層、第2層)の坪量は、次のようにして測定される。JIS P8111の条件にてサンプル(薄葉紙又は第1層若しくは第2層)の調湿を行った後、サンプルから10cm四方(面積100cm2)の測定片を切り出し、該測定片の重量を少数点以下2桁の天秤にて測定し、その測定値を面積で除して該測定片の坪量を算出する。サンプルから切り出した10枚の測定片について、前記手順に従って坪量を算出し、それらの平均値をサンプルの坪量とする。第1層と第2層とが重層した状態で一体化して薄葉紙を構成している場合は、該薄葉紙から第1層を引き剥がし、残った第2層について、前記手順に従ってその坪量(第2層単独の坪量)を測定し、また、別途前記手順に従って測定した該薄葉紙の坪量から該第2層単独の坪量を差し引いて、引き剥がした第1層単独の坪量を算出する。
【0044】
本発明の薄葉紙は、クレープ(ちりめん状のシワ)を有しており、そのクレープ率が5〜20%に設定されている。本発明の薄葉紙におけるクレープは、ドライヤーパートにおけるヤンキードライヤー等から乾燥状態の繊維ウエブ(薄葉紙)をドクターナイフ等で剥離する際に生じる、ドライクレープであることが好ましい。クレープ率は、次のようにして測定される。
【0045】
<クレープ率の測定方法>
測定対象シート(薄葉紙)から長さ方向(測定対象シートの製造時の搬送方向、MD)に200mm、幅方向(MDに直交する方向、CD)に100mmの矩形形状を切り出してサンプルとする。この矩形形状のサンプルを10分間水中に浸漬した直後のMDの長さCを測定し、次式によりクレープ率を算出する。 クレープ率(%)={(C−200)/200}×100 例えば、10分間浸漬後のMDの長さCが220mmであった場合、前記式により算出される当該シートのクレープ率は10%である。
【0046】
クレープを有する薄葉紙は、クレープを有しない薄葉紙に比して液透過性が高く、また、クレープ率が高くなるほど液透過性が高まる。但し、クレープ率が高くなると、強度特性(引張強度)は低下する傾向がある。本発明においては、斯かる知見に基づき、液透過性と強度特性とのバランスの観点から、薄葉紙のクレープ率を5〜20%、好ましくは8〜18%、更に好ましくは10〜15%としている。
【0047】
前述した構成を有する本発明の薄葉紙は、下記方法で測定される液透過時間が、好ましくは1〜4秒、更に好ましくは1〜3秒であり、且つ第1層の該液透過時間と第2層の該液透過時間との差が、好ましくは0.5〜3秒、更に好ましくは0.5〜2秒である。液透過時間は、液透過速度の指標となるものであり、液透過時間が短いほど液透過速度が速いとみなされ、液透過性に優れるとして高評価となる。液透過時間が前記範囲(1〜4秒)にある薄葉紙は、液透過性に優れており、例えば該薄葉紙を、使い捨ておむつ等の吸収性物品における吸収性コアを被覆するコアラップシートに適用した場合には、尿等の排泄液を、着用者の肌と表面シートとの間に貯めることなく素早く透過させて吸収性コアに速やかに吸収させることが可能となり、吸収性物品の防漏性の向上が期待できる。また、前述したように、特に薄葉紙全体の液拡散性の向上に関しては、第1層と第2層との液透過速度差に起因する、第1層と第2層との界面又はその近傍(第1層における該界面の近傍)での液体の面方向への拡散が重要であり、斯かる界面又はその近傍での液拡散をより確実に発現させる観点から、第1層と第2層との液透過時間差は前記範囲(0.5〜3秒)にあることが好ましい。
【0048】
<液透過時間の測定方法>
図1に示すように、上下端が開口している内径35mmの2本の円筒91,92を、両円筒91,92の軸を一致させて上下に配し、8cm四方の測定サンプルS(薄葉紙又は第1層若しくは第2層)を上下の円筒91,92間に挟み込む。このとき、上側の円筒91の下端及び下側の円筒92の上端に設けられた環状のフランジ部にクリップ93を嵌合させ、上下の円筒91,92を連結させることが好ましい。符号94は、円筒91,92の内径と同径同形状の貫通孔を有するゴム製等のパッキンである。このように、上下の円筒91,92で測定サンプルSを挟持固定した状態で、上側の円筒91内に、図1中符合Wで示す生理食塩水(塩化ナトリウム濃度0.9質量%の水溶液)を40g±1g供給する。供給された生理食塩水は、測定サンプルSを透過するか又は測定サンプルSに吸収されて上側の円筒91内からなくなる。生理食塩水の供給開始時から、生理食塩水の水面が測定サンプルSの表面(上側の円筒91側の面)と同位置になるまでの時間を測定し、その時間を液透過時間とする。
【0049】
尚、薄葉紙の第1層、第2層それぞれについて単独で液透過時間を測定する場合、薄葉紙から第1層、第2層を引き剥がし、それを測定サンプルとするが、各層を引き剥がすことが困難な場合は、第1層、第2層に相当するシートを別途作製し、その作製したシートを測定サンプルとする。別途作製するシートは、薄葉紙における第1層又は第2層と同一組成とし、抄紙速度、プレスロール圧、タッチロール圧、パルプスラリー濃度等の機械条件(抄紙条件)の他、厚み、密度、含水率、クレープ率等のシート特性も可能なかぎり同一にする。
【0050】
また、本発明の薄葉紙のクレム吸水量は、好ましくは0.2g/30sec・15mm以上、更に好ましくは0.2〜0.4g/30sec・15mmである。薄葉紙のクレム吸水量が斯かる範囲にあることは、その内部に高空隙な構造が形成されていることによるところが大きく、その高空隙な構造の形成は、特に第1層の親水性嵩高繊維の使用によるところが大きい。クレム吸水量が斯かる範囲にある薄葉紙は、実用上十分な液透過性及び液拡散性を有しており、例えば該薄葉紙を、使い捨ておむつ等の吸収性物品における吸収性コアを被覆するコアラップシートに適用した場合には、尿等の体液をコアラップシートの下方に配置された吸収性コアに速やかに吸収させることが可能となり、液吸収性が向上する。クレム吸水量は、JIS P8141に規定する、紙のクレム法による吸水度試験方法に準じ、次のようにして測定される。
【0051】
<クレム吸水量の測定方法>
測定対象シート(薄葉紙)を室温23℃±2℃、相対湿度50%RH±2%の環境下で12時間放置して一定状態になるよう調湿する。調湿後のシートから、MDに150mm、CDに15mmの寸法の長方形形状を切り出し、この切り出された長方形形状をサンプルとする。サンプルの一方の短辺から長手方向内方に5mm離間した位置に、該短辺と平行な直線(標線)を鉛筆で引く。そして、サンプルの長辺が垂直になるように該サンプルを電子天秤の下部に吊り下げ、この吊り下げ状態を保持したままで該サンプルを前記標線まで素早く測定液(生理食塩水)中に入れる。尚、サンプルは、前記標線(鉛筆で引いた直線)が前記測定液に近くなるように吊り下げる。そして、サンプルを測定液中に入れてから30秒後の該サンプルの重量増加分を電子天秤で測定し、その測定値をクレム吸水量(g/30sec.15mm)とする。クレム吸水量が多いほど高評価となる。尚、電子天秤には、市販の電子天秤データ取り込みソフト(商品名 RsCom Ver2.40:(株)エー・アンド・デイ社製)がインストールされたパーソナルコンピュータが電気的に接続されており、これによりサンプルの重量変化を記録することができる。
【0052】
また、本発明の薄葉紙の製造時の搬送方向(Machine Direction、略してMD)の乾燥引張強度は、好ましくは600cN/25mm以上、更に好ましくは650〜1500cN/25mmであり、また、本発明の薄葉紙のMDに直交する方向(Cross machine Direction、略してCD)の湿潤引張強度は、好ましくは50cN/25mm以上、更に好ましくは60〜120cN/25mmである。乾燥引張強度及び湿潤引張強度がそれぞれ前記範囲にある薄葉紙は、実用上十分な強度を有しており、例えば該薄葉紙を、使い捨ておむつ等の吸収性物品における吸収性コアを被覆するコアラップシートに適用した場合には、吸収性物品の製造時及び使用時にコアラップシート(薄葉紙)が破れる等の不都合を起こし難い。特に、薄葉紙のMDの乾燥引張強度が前記範囲にあることは、主として、薄葉紙の製造時の搬送テンションや紙継ぎにおける急激なテンション変動において薄葉紙が破れるという不都合の防止に寄与し、また、薄葉紙のCDの湿潤引張強度が前記範囲にあることは、主として、薄葉紙を吸収性物品においてコアラップシートとして使用した場合に、吸収性物品の着用者(乳幼児等)の体液排泄後の動きや摩擦等によってコアラップシートが破けて吸収性コアの形成材料(木材パルプや高吸水性樹脂等)が表面シート上に出てくるという不都合の防止に寄与する。薄葉紙のMDの乾燥引張強度及びCDの湿潤引張強度がそれぞれ前記範囲にあることは、特に第2層の存在によるところが大きく、第2層の優れた引張強度特性は、第2層中の繊維(特定パルプ繊維)のフリーネスが前記特定範囲にあること、及び第2層に湿潤紙力増強剤が含有されていることによるところが大きい。乾燥引張強度及び湿潤引張強度はそれぞれ次のようにして測定される。
【0053】
<乾燥引張強度の測定方法>
測定対象シート(薄葉紙)を室温23℃±2℃、相対湿度50%RH±2%の環境下で12時間放置して一定状態になるよう調湿する。調湿後のシートから、MDに150mm、CDに25mmの寸法の長方形形状を切り出し、この切り出された長方形形状をサンプルとする。このサンプルを、そのMDが引張方向となるように引張試験機(島津製作所製オートグラフAG−1kN)のチャックに無張力で取り付ける。チャック間距離は100mmとする。サンプルを300mm/分の引張速度で引っ張り、サンプルが破断するまでの最大強度を測定する。測定は5回行い、これらの平均値をMDの乾燥引張強度とする。
【0054】
<湿潤引張強度の測定方法>
前記<乾燥引張強度の測定方法>と同様の手順で測定対象シート(薄葉紙)のサンプルを用意する。このサンプルを、そのCDが引張方向となるように引張試験機(島津製作所製オートグラフAG−1kN)のチャックに無張力で取り付け、筆先が水で湿らされた筆の該筆先により、サンプルの一面に引張方向の全長に亘って約10mmの幅で水を塗布してサンプルを湿潤状態とした後、サンプルを300mm/分の引張速度で引っ張り、サンプルが破断するまでの最大強度を測定する。測定は5回行い、これらの平均値をCDの湿潤引張強度とする。
【0055】
本発明の薄葉紙は、強度特性(引張強度)が良好で液透過性及び液拡散性に優れており、そのような特長が活かされる種々の用途に好適である。特に、本発明の薄葉紙は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品において、液保持性の吸収性コアを被覆するコアラップシートとして好適であり、排泄液が、尿等の比較的低粘性の場合のみならず、軟便等の比較的高粘性の場合であっても、排泄液を素早く透過・拡散させて吸収性コアに吸収させることができ、吸収性物品の防漏性の向上に寄与し得る。本発明の薄葉紙は、特に排泄液が尿等の比較的低粘性の場合に有効であり、従って、使い捨ておむつにおけるコアラップシートとして特に有用である。
【0056】
本発明の薄葉紙を用いた本発明の吸収性物品の一例として、吸収性コア及びこれを被覆するコアラップシートを含んで構成される吸収性物品であって、該コアラップシートが、前述した本発明の薄葉紙であるものが挙げられる。より具体的には、本発明の吸収性物品は、肌対向面を形成する液透過性の表面シート、非肌対向面を形成する液不透過性ないし撥水性の裏面シート、及びこれら両シート間に配置された液保持性の吸収体を具備し、該吸収体が、前記吸収性コア及び前記コアラップシート(本発明の薄葉紙)を含んで構成されている。前記コアラップシート(本発明の薄葉紙)は、少なくとも前記吸収性コアの肌対向面を被覆することが好ましい。その場合、前記表面シートと前記吸収性コアとの間において、該表面シートと本発明の薄葉紙の第1層とが対向する(該吸収性コアと本発明の薄葉紙の第2層とが対向する)ように該薄葉紙を配置することにより、該第1層が最初に液体(尿等の体液)と接することになる。尚、肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収性コア)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。前記表面シート、前記裏面シート及び前記吸収性コアとしては、それぞれ、この種の吸収性物品において通常用いられているものを特に制限無く用いることができる。本発明の吸収性物品は、展開型あるいはパンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等に適用できる。
【実施例】
【0057】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
【0058】
〔実施例1〕
親水性嵩高繊維及び特定パルプ繊維(パルプ繊維A)を、両繊維の含有質量比(親水性嵩高繊維/特定パルプ繊維)が80/20となるように混合して繊維の集合体を得、該集合体を水中に均一に分散させて、繊維濃度2質量%のスラリー(紙料)を調製し、該スラリーを叩解機にかけて、該集合体のフリーネスを820mlに調整したものを、第1層用スラリーとした。
また、特定パルプ繊維(パルプ繊維A)を水中に均一に分散させて、繊維濃度2質量%のスラリー(紙料)を調製し、該スラリーを叩解機にかけて、特定パルプ繊維のフリーネスを500mlに調整した後、湿潤紙力増強剤としてPAEを所定量投入し、各成分が均一になるように十分に撹拌後、更に、乾燥紙力増強剤としてのPVAを含むPVA水溶液中を所定量投入し、各成分が均一になるように十分撹拌して、固形分濃度0.1質量%の第2層用スラリーを調製した。
前記第1層用スラリー及び前記第2層用スラリーを、それぞれ、ワイヤー目開き径90μm(166メッシュ)の金網抄紙ワイヤー上に散布し、金網抄紙ワイヤー上に紙層を形成させ、サクションボックスを用いて6ml/(cm2・sec)の速度で該紙層を脱水した後、第1層用スラリーから得られた湿潤状態の第1紙層と第2層用スラリーから得られた湿潤状態の第2紙層とを、湿潤状態のまま重ね合わせ、引き続きこれを圧搾脱水し、更にドライヤーで乾燥させ、乾燥面からドクターブレードで紙層をはがしながら、ドライヤーと巻き取りの速比をつけてクレープを付与した。こうして得られた2層構造の薄葉紙(クレープ紙)を実施例1のサンプルとした。
【0059】
〔実施例2〜5及び比較例3〕
組成等を下記表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして2層構造の薄葉紙(クレープ紙)を製造し、それらを実施例2〜5及び比較例3のサンプルとした。尚、実施例4では、第1層の構成繊維として、特定パルプ繊維(パルプ繊維A)に代えて、特定パルプ繊維ではないパルプ繊維Bを用いて繊維の集合体を得、該集合体を水中に均一に分散させて、繊維濃度2質量%のスラリー(紙料)を調製し、該スラリーを叩解機にかけて、該集合体のフリーネスを780mlに調整したものを、第1層用スラリーとした。また、比較例3は、実施例1とは逆に、特定パルプ繊維(パルプ繊維A)のみからなる層を第1層(最初に液体と接する層)、親水性嵩高繊維及び特定パルプ繊維(パルプ繊維A)からなる層を第2層としたものであり、その構成自体は実施例1と同じである。
【0060】
〔比較例1〕
親水性嵩高繊維及びパルプ繊維を、両繊維の含有質量比(親水性嵩高繊維/パルプ繊維)が80/20となるように混合して繊維の集合体を得、該集合体を水中に均一に分散させて、繊維濃度2質量%のスラリー(紙料)を調製し、該スラリーを叩解機にかけて、該集合体のフリーネスを820mlに調整した。このスラリーを希釈しながら、湿潤紙力増強剤としてPAEを所定量投入し、各成分が均一になるように十分に撹拌した後、更に、乾燥紙力増強剤としてのPVAを含むPVA水溶液中を所定量投入し、各成分が均一になるように十分撹拌して、固形分濃度0.1質量%のスラリーを調製した。こうして得られたスラリーを、ワイヤー目開き径90μm(166メッシュ)の金網抄紙ワイヤー上に散布し、金網抄紙ワイヤー上に紙層を形成させ、サクションボックスを用いて6ml/(cm2・sec)の速度で該紙層を脱水した後、該紙層をドライヤーで乾燥させ、乾燥面からドクターブレードで紙層をはがしながら、ドライヤーと巻き取りの速比をつけてクレープを付与した。こうして得られた単層構造の薄葉紙(クレープ紙)を比較例1のサンプルとした。尚、下記表1及び表2では、比較例1の「単層」の組成等を、第1層の欄に記載した。
【0061】
〔比較例2〕
特定パルプ繊維(パルプ繊維A)を水中に均一に分散させて、繊維濃度2質量%のスラリー(紙料)を調製し、このスラリーを叩解機にかけて、特定パルプ繊維(パルプ繊維A)のフリーネスを500mlに調整した。更に、このスラリーを希釈しながら、湿潤紙力増強剤としてPAEを所定量投入し、各成分が均一になるように十分に撹拌し、固形分濃度0.1質量%のスラリーを調製した。こうして得られたスラリーを、ワイヤー目開き径90μm(166メッシュ)の金網抄紙ワイヤー上に散布し、金網抄紙ワイヤー上に紙層を形成させ、サクションボックスを用いて6ml/(cm2・sec)の速度で該紙層を脱水した後、該紙層をドライヤーで乾燥させ、乾燥面からドクターブレードで紙層をはがしながら、ドライヤーと巻き取りの速比をつけてクレープを付与した。こうして得られた単層構造の薄葉紙(クレープ紙)を比較例2のサンプルとした。尚、下記表1及び表2では、比較例2の「単層」の組成等を、第2層の欄に記載した。
【0062】
下記表1中、繊維の欄における数値(質量%)は、第1層又は第2層中の全繊維に占める当該繊維の割合(質量基準)を意味し、繊維以外の成分(添加剤)の欄における数値(質量%)は、第1層又は第2層中の全繊維の乾燥質量に対する当該成分の割合(質量基準)を意味する。また、下記表1中の各成分の詳細は次の通り。
・親水性嵩高繊維:繊維粗度0.32mg/mのHBA。
・パルプ繊維A(特定パルプ繊維):繊維粗度0.15mg/mのNBKP(商品名「Cariboo」、Cariboo Pulp and Paper Company製)。
・パルプ繊維B(非特定パルプ繊維):繊維粗度0.06mg/mのLBKP(商品名「Riau」、Asia Pacific Resources International Limited製)。
・紙力増強剤:PVA(乾燥紙力増強剤、クラレ株式会社製、商品名「VPB107−1」)、CMC(乾燥紙力増強剤、第一製薬工業製、商品名「WS−C」)、PAE(湿潤紙力増強剤、星光PMC株式会社製、商品名「WS4030」)。
【0063】
【表1】

【0064】
〔評価〕
実施例及び比較例の各サンプル(薄葉紙)について、液透過時間、クレム吸水量、MDの乾燥引張強度、CDの湿潤引張強度を前記方法によって測定し、最大吸収量を下記測定方法によって測定した。それらの結果を下記表2に示す。
【0065】
<最大吸収量の測定方法>
パルプ7gと高吸水性樹脂粒子(サンダイヤ製、IM997)10gとを混合積繊して得られた矩形形状の吸収性コア(縦10cm、横35cm)を、寸法のみが異なる大小2枚のサンプル(薄葉紙)で被覆して吸収体を得、更に該吸収体を、表面シート(坪量30g/m2のエアースルー不織布)と裏面シート(坪量20g/m2の透湿フィルム)との間に介在配置させたものを測定サンプルとした。測定サンプルにおいて、表面シート及び裏面シートは互いに同形状・同寸法とし、また、各構成部材どうしをホットメルト型接着剤で接合した。大小2枚のサンプルによる吸収性コアの被覆は次のようにした。即ち、吸収性コアにおける表面シートとの対向面(肌対向面)の全域を小サンプルで被覆し、また、該吸収性コアにおける裏面シートとの対向面(非肌対向面)の全域を大サンプルで被覆し、更に大サンプルの余剰部分(吸収性コアの被覆に使用されていない部分)を、該吸収性コアの肌対向面を被覆している小サンプル上に巻き上げた。大小2枚のサンプルが第1層及び第2層からなる2層構造を有している場合、小サンプルは、第1層が表面シートと対向するように配置(第2層が吸収性コアと対向するように配置)し、大サンプルは、第1層が吸収性コアと対向するように配置(第2層が吸収体の外面を形成するように配置)する。
【0066】
そして、傾斜度20°の平滑な斜面を有する試験台の該斜面上に、前記手順により作製した測定サンプルを、前記裏面シートが該斜面と対向し且つ該測定サンプルの長手方向が該斜面の傾斜方向と一致するように載置し、該測定サンプルの斜面上方側に位置する短辺から長手方向に11cm離間した部位の幅方向中央部に、40gの生理食塩水を注入速度5g/秒で注入する。生理食塩水の注入開始から5分経過後に、測定サンプルの生理食塩水注入部位に40gの生理食塩水を注入速度5g/秒で再度注入し、斯かる生理食塩水の注入作業を、該測定サンプルに漏れが確認されるまで繰り返す。生理食塩水が測定サンプルの斜面下方側の短辺から漏れ出すのを目視確認した時点での生理食塩水の注入量を、目的とする最大吸収量とする。最大吸収量の値が大きいほど、吸収容量が大きく高評価となる。
【0067】
【表2】

【0068】
表2に示す通り、実施例の薄葉紙は何れもクレム吸水量が0.2g/30sec・15mm以上であり、このことから、実施例の薄葉紙は、その内部に高空隙な構造が形成されていて液透過性及び液拡散性に優れるものであることは明白であり、この優れた液透過性及び液拡散性は、最大吸収量の値が比較的大きいことからも裏付けられる。また、実施例の薄葉紙は、何れもMDの乾燥引張強度が600cN/25mm以上、CDの湿潤引張強度が50cN/25mm以上であり、液透過性及び液拡散性のみならず、強度特性にも優れることが明白である。これに対し、比較例1及び2は、何れも単層構造であるため、特定の第1層及び第2層からなる2層構造の実施例に比して、比較例1では、強度特性に劣る結果となり、比較例2では液透過性及び液拡散性に劣る結果となり、両特性の両立は実現できていない。また、比較例3は、実施例1と薄葉紙の構成自体は同じであるものの、前記<最大吸収量の測定方法>において、実施例1とは逆に、特定パルプ繊維(パルプ繊維A)のみからなる層を第1層(最初に液体と接する層)、親水性嵩高繊維及び特定パルプ繊維(パルプ繊維A)からなる層を第2層としたため、液の透過拡散がスムースに行われず、そのため最大吸収量に劣る結果となった。
【符号の説明】
【0069】
91,92 円筒
93 クリップ
94 パッキン
S 測定サンプル
W 生理食塩水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1層とこれに重層する第2層とを具備し、該第1層が最初に液体と接するように使用される薄葉紙であって、
前記第1層は、繊維粗度0.30mg/m以上の親水性嵩高繊維とパルプ繊維とを含有し、
前記第2層は、繊維粗度0.10〜0.20mg/mの特定パルプ繊維と湿潤紙力増強剤とを含有し、且つ該第2層に含有される繊維のフリーネスが450〜700mlであり、
前記第1層と前記第2層との合計坪量が10〜30g/m2、クレープ率が5〜20%である薄葉紙。
【請求項2】
前記薄葉紙の下記方法で測定される液透過時間が1〜4秒であり、且つ前記第1層の該液透過時間と前記第2層の該液透過時間との差が0.5〜3秒である請求項1記載の薄葉紙。
<液透過時間の測定方法>
上下端が開口している内径35mmの2本の円筒を、両円筒の軸を一致させて上下に配し、8cm四方の測定サンプルを上下の円筒間に挟み込み、その状態で、上側の円筒内に生理食塩水を40g±1g供給する。供給された生理食塩水は、測定サンプルを透過するか又は測定サンプルに吸収されて上側の円筒内からなくなる。生理食塩水の供給開始時から、生理食塩水の水面が測定サンプルの表面と同位置になるまでの時間を測定し、その時間を液透過時間とする。
【請求項3】
前記薄葉紙のクレム吸水量が0.2g/30sec・15mm以上である請求項1又は2記載の薄葉紙。
【請求項4】
前記薄葉紙の製造時の搬送方向の乾燥引張強度が600cN/25mm以上、該搬送方向に直交する方向の湿潤引張強度が50cN/25mm以上である請求項1〜3の何れか一項に記載の薄葉紙。
【請求項5】
前記第1層における前記親水性嵩高繊維と前記パルプ繊維との含有質量比が、前者/後者=4/6〜9/1である請求項1〜4の何れか一項に記載の薄葉紙。
【請求項6】
前記第1層は、該第1層中の全繊維に対して熱融着性接着繊維を1〜10質量%含有する請求項1〜5の何れか一項に記載の薄葉紙。
【請求項7】
前記第1層は乾燥紙力増強剤を含有する請求項1〜6の何れか一項に記載の薄葉紙。

【図1】
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【公開番号】特開2013−102930(P2013−102930A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248457(P2011−248457)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】