薬剤供給具用容器
【課題】必要充分な量の水を容器内に取り入れることができる薬剤供給具用容器を提供する。
【解決手段】薬剤供給具用容器10は、容器内に設けられ薬剤Mを載置する載置部13と、容器内において外側から内側に向かう方向に沿って延在する導水路14と、導水路14の外側に設けられた取水口15と、導水路14の内側に設けられた排水口16と、を備えている。取水口15は、給水受皿2の上面2aを流れる水に対して離間する高さ位置に設けられている。取水口15の内側の辺縁部には、上面2aを流れる水を取水口15内へ取り込むための取水壁22が下方に突出するよう設けられている。これにより、給水受皿2の上面2aを流れる水は、取水口15内に直接流れ込まずにまず取水壁22に当たり、取水壁22に沿って上方へ流れて取水口15へと導かれ、取水口15内へと流れ込む。
【解決手段】薬剤供給具用容器10は、容器内に設けられ薬剤Mを載置する載置部13と、容器内において外側から内側に向かう方向に沿って延在する導水路14と、導水路14の外側に設けられた取水口15と、導水路14の内側に設けられた排水口16と、を備えている。取水口15は、給水受皿2の上面2aを流れる水に対して離間する高さ位置に設けられている。取水口15の内側の辺縁部には、上面2aを流れる水を取水口15内へ取り込むための取水壁22が下方に突出するよう設けられている。これにより、給水受皿2の上面2aを流れる水は、取水口15内に直接流れ込まずにまず取水壁22に当たり、取水壁22に沿って上方へ流れて取水口15へと導かれ、取水口15内へと流れ込む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ用貯水タンクの給水受皿の上面に載置される薬剤供給具用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレ用貯水タンクの給水受皿の上面に載置される薬剤供給具用容器としては、例えば特許文献1〜3に記載されたものが知られている。このような薬剤供給具用容器では、給水受皿に供給される水を上部や側面又は底部から容器内へ取り入れ、この水を容器内で薬剤に接触させて薬剤を溶出させる。そして、薬剤の溶液を水とともにトイレ用貯水タンクへと排出し、トイレ用貯水タンク内に貯留させる。これにより、トイレ洗浄時において、溶液を含んだ水が便器内へと供給される。
【0003】
特に、特許文献1に記載された水洗トイレ用芳香洗浄容器では、上部から取り込んだ水が直接薬剤に接触しないように、下部拡径のテーパ状カップが薬剤上部に設けられている。この水洗トイレ用芳香洗浄容器においては、取水口から容器内部に取り入れられた水は、薬剤を取り囲むガイドリングに沿って拡がり、ガイドリングの切欠からガイドリング内へ供給される。供給された水は、薬剤の下面に接触して当該薬剤を溶融させた後、中央の排水口から排出される。
【0004】
また、特許文献2に記載された水洗トイレ用薬剤供給具では、蓋体に設けられた流入口と薬剤載置部の外周に設けられた流入口とから水が取り入れられ、この水が薬剤に直接接触して薬剤を溶解させる。薬剤が溶解された水は、下るように傾斜する傾斜面を通過して中央の流出口から排出される。
【0005】
また、特許文献3に記載された水洗トイレ用の薬剤容器では、上部容器の取水口を薬剤の上方から外れた位置に設け、取水口から取り入れた水が薬剤に直接降りかからないようにされている。また、この水洗トイレ用の薬剤容器では、調整排出口が設けられており、取り入れられた過剰な水が調整排出口から排出される。さらにまた、薬剤載置部が下部容器の底面と同一面状に連接されており、取り入れられた水を薬剤とスムーズに接触させることが図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平6−87479号公報
【特許文献2】特開平8−270041号公報
【特許文献3】特開2002−167839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述したような薬剤供給具用容器では、例えば上部から水を取り入れる場合、水と薬剤との接触面積が大きくなることから、容器内に流入する水が過剰となり、薬剤の溶出量が過大になるおそれがある。一方、例えば容器側面から水を容器内に取り入れる場合、充分量の水を容器内に流入させることが困難となり、充分量の薬剤を溶出することが困難となるおそれがある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、必要充分な量の水を容器内に取り入れることができる薬剤供給具用容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る薬剤供給具用容器は、トイレ用貯水タンクの給水受皿の上面に載置される薬剤供給具用容器であって、容器内に設けられ、薬剤を載置する載置部と、容器内において外側から内側に向かう方向に沿って延在し、載置部に載置された薬剤と接触するように水を流通させる導水路と、導水路の外側に設けられ、給水受皿の上面を流れる水を容器内へ取り入れるための取水口と、導水路の内側に設けられ、薬剤に接触した水を外部へ排水するための排水口と、を備え、取水口は、給水受皿の上面を流れる水に対して離間する高さ位置に設けられており、取水口の辺縁部には、給水受皿の上面を流れる水を取水口内へ取り込むための取水壁が下方に突出するように設けられていること、を特徴とする。
【0010】
この薬剤供給具用容器では、例えば、給水受皿の上面を流れる水の少なくとも一部は、取水口内に直接流れ込まずにまず取水壁に当たり、取水壁に沿って上方へ駈け上がるように流れて取水口へと導かれ、そして、取水口内へと流れ込むこととなる。このように、取水口内に水が直接流れ込まないことから、容器内に水が過剰に流入するのを抑制することができる。これと共に、取水壁により取水口内へ水が積極的に取り込まれることから、容器内に流入する水量が不十分となるのを抑制することが可能となる。従って、本発明によれば、容器内に取り入れる水量を制御し、必要充分な量の水を容器内に取り入れることが可能となる。
【0011】
また、載置部は、容器内において上方に隆起する底面から成り、且つ上方から見て中央から放射状に延在するように設けられた複数の延在部を有し、導水路は、隣接する一対の延在部間に画設された谷部により構成されていることが好ましい。この場合、導水路では、薬剤の下面と接触するように水が流通されるため、水が過剰に薬剤に接触することを抑制でき、薬剤を安定して溶出することが可能となる。
【0012】
また、上方から見て延在部の外側に隣接し且つ取水口よりも内側の位置には、上方に突出する壁部が設けられていることが好ましい。これにより、取水口から過剰な水が万が一取り入れられた場合でも、導水路から溢れ出る過剰分の水が壁部の外側の壁面により堰き止められるため、過剰分の水が薬剤に直接接触するのを抑制することができる。
【0013】
また、複数の延在部は、上方から見て中央に設けられた排水口から放射状に延在し、載置部は、排水口上に設けられ複数の延在部のうち一部の延在部をその内側で連結する連結部を有することが好ましい。これにより、例えば溶解により薬剤が小さくなった場合でも、薬剤は連結部で確実に載置されるため、薬剤が載置部から落下するのを防止することが可能となる。加えて、連結部が一部の延在部に連結されていることから、全ての延在部に連結される場合に比べ、排水口へ向けて流れる水が連結部で阻害されるのを抑制することができる。
【0014】
また、取水壁は、その下端が給水受皿の上面に接触するように下方へ突出していることが好ましい。これにより、給水受皿の上面に流れる水の量が少ない場合でも、効率的に水を取水口内へ取り込むことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、必要充分な量の水を容器内に取り入れることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一実施形態に係る薬剤供給具用容器を含む薬剤供給具を示す斜視図である。
【図2】図1の薬剤供給具の分解斜視図である。
【図3】図1の薬剤供給具用容器を示す上方斜視図である。
【図4】図1の薬剤供給具用容器を示す下方斜視図である。
【図5】図1の薬剤供給具用容器を示す平面図である。
【図6】図1の薬剤供給具用容器を示す底面図である。
【図7】図5のVII−VII線に沿っての断面図である。
【図8】図5のVIII−VIII線に沿っての断面図である。
【図9】図1の薬剤供給具用容器の使用状態を示す断面拡大図である。
【図10】フラッシング試験の試験結果を示すグラフである。
【図11】変形例に係る薬剤供給具用容器を示す上方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図1は一実施形態に係る薬剤供給具用容器を含む薬剤供給具を示す斜視図であり、図2は図1の薬剤供給具の分解斜視図である。図1,2に示すように、本実施形態の薬剤供給具用容器10は、トイレ用貯水タンク1の手洗い部としての給水受皿2の上面2aに載置されるオンタンク式のものであり、薬剤供給具100に用いられている。薬剤供給具100は、この薬剤供給具用容器10を容器本体として備えると共に、薬剤供給具用容器10を保持する保持容器110と、保持容器110に着脱可能な上蓋120と、を備えている。
【0019】
薬剤供給具用容器10は、上方に開口し且つ中心軸Gを有する椀状外形を呈しており、給水受皿2の上方の蛇口3から供給された水の一部を容器内へと流通させる(詳しくは、後述)。この薬剤供給具用容器10は、その内部に薬剤Mを収容する。薬剤供給具用容器10の上端には、径方向外側に突出する鍔部30が形成されている。鍔部30の周方向三等配の位置には、保持容器110に係合される切欠部31が設けられている。
【0020】
薬剤Mとしては、例えば円錐台形状を呈する水溶性固形薬剤が用いられている。この薬剤Mは、洗浄成分、芳香成分、消臭成分、殺菌成分、除菌成分、着色成分及び漂白成分の少なくとも1つの成分を含んでいる。なお、薬剤Mの形状は限定されるものではなく、他の錐台形状や柱形状とすることができる。
【0021】
保持容器110は、円環状の枠体であり、薬剤供給具100の下容器を構成する。この保持容器110の内部下端において周方向三等配の位置には、薬剤供給具用容器10を支持するためのものとして、上方に突出する支持片111が設けられている。また、保持容器110の下端で支持片111に対応する周方向三等配の位置には、給水受皿2に当接するものとして、下方へ突出する突起112が設けられている。
【0022】
上蓋120は、扁平な皿形状を呈しており、薬剤供給具100の上容器を構成する。この上蓋120には、薬剤Mの揮発性成分を外部へ拡散させるための揮散口121が複数形成されている。なお、揮散口121の外面側のエッジは、蛇口3から供給された水が降りかかった際に飛散しないように、滑らかな曲面形状を有している。
【0023】
このように構成された薬剤供給具100は、薬剤Mを収容した薬剤供給具用容器10が保持容器110の内孔113に上方から内挿され、支持片111に切欠部31が係合されることで、薬剤供給具用容器10が保持容器110に保持状態で組み付けられた後、保持容器110に上蓋120が取り付けられて組み立てられる。そして、薬剤供給具100は、給水受皿2の流し孔4上において、給水受皿2の上面2aに対し薬剤供給具用容器10の下端面及び保持容器110の突起112が当接され、これにより、給水受皿2に載置される。
【0024】
なお、本実施形態の給水受皿2は、通常用いられる家庭用等の一般用のものとしており、給水受皿2の上面2aは、流し孔4に向かってなだらかに下るように傾斜している。給水受皿2としては、これに限定されず、種々のタイプの給水受皿を用いることができる。また、本実施形態では、蛇口3から供給される水の流量が一般的な流量(例えば2L/min〜9L/min)に設定されているが、特に限定されず、節水型等に設定されていてもよい。また、蛇口3の位置は、薬剤供給具100(薬剤供給具用容器10)に水が直接降りかかる位置としてもよいし、降りかからない位置としてもよい。
【0025】
図3〜8は、一実施形態に係る薬剤供給具用容器を示す各図である。図3〜8に示すように、薬剤供給具用容器10は、截頭円錐外形を呈する容器下部11と、容器下部11の上端に一体に連設され上方側が拡径する略円筒状の本体部12と、を具備している。この容器下部11には、載置部13、導水路14、取水口15及び排水口16が設けられている。
【0026】
載置部13は、薬剤Mを載置する台座部として機能するものである。この載置部13は、延在部17と、連結部18と、を含んで構成されている。延在部17は、容器内において上方に隆起する底面により形成されている。この延在部17は、上方から見て、中央から放射状に扇状を成して延在するように設けられている。
【0027】
ここでの延在部17は、後述の第1排水口19の外周から容器下部11の外周手前まで延設されている。延在部17は、周方向に等間隔で複数(6つ)並置されている。これら複数の延在部17の各上面17aは、中央に向かって下るよう傾斜する平面状とされている。
【0028】
連結部18は、容器内の中央部分(第1排水口19上)に設けられ、複数の延在部17のうちの一部をその径方向内側で連結する。ここでの連結部18は、周方向に互いに隣接しない3つ延在部17を連結しており、上方視においてY字状を呈している。この連結部18の上面18aは、中心軸Gと直交する平面状であって延在部17の上面17aに連続する平面状とされている。
【0029】
導水路14は、容器内に取り入れた水の流れを導く流路であり、隣接する一対の延在部17,17間に画設された谷部により構成されている。つまり、導水路14は、延在部17と同様に、上方から見て中央から放射状に扇状を成して延在するように設けられていると共に、周方向に等間隔で複数並置されている。これにより、上方視において容器内を周方向に等分割(ここでは、12等分割)して成る複数の分割領域には、延在部17と導水路14とが周方向に交互に設けられる。
【0030】
複数の導水路14の底面14aは、中心軸Gと直交する平面状であって同一面上に位置する平面状とされている。導水路14の延在距離(径方向の長さ)は、載置部13の延在部17よりも短くされている。例えば、好ましいとして、導水路14の延在距離は、延在部17の延在距離の2/3程度とされている。このような導水路14は、容器内において載置部13よりも低い高さ位置で径方向外側から内側に向かう方向に沿って延在し、載置部13に載置された薬剤Mの下面と接触するように水を流通させる。
【0031】
取水口15は、給水受皿2の上面2aを流れる水を容器内へ取り入れるための孔部である。この取水口15は、複数の導水路14の径方向外側に隣接して設けられており、当該導水路14と連通する。取水口15は、容器下部11の外形に倣うような斜め下方に開口し、周方向に沿って延在するスリット状とされている。
【0032】
排水口16は、薬剤Mに接触した水を外部へ排水するための孔部であり、第1〜第3排水口19〜21を含んで構成されている。第1排水口19は、容器下部11の下端面に設けられ、下方へ開口する円形孔とされている。この第1排水口19は、上方視において中央部分に位置し、複数の延在部17の径方向内側に隣接するように形成されている。
【0033】
第2排水口20は、導水路14の径方向内側に隣接する位置で且つ第1排水口19の外側に設けられている。この第2排水口20は、複数の導水路14の底面14aにおける径方向内側を切り欠くようにして形成されている。
【0034】
第3排水口21は、複数の延在部17の径方向内側に設けられている。この第3排水口21は、複数の延在部17の上面17aにおける径方向内側の一部を切り欠くようにして形成されている。ここでの第3排水口21は、上記連結部18が連結されていない延在部17のみに形成されている。
【0035】
ここで、本実施形態の取水口15は、給水受皿2の上面2aを流れる水に対して離間する高さ位置に設けられている(図9参照)。具体的には、取水口15は、給水受皿2の上面2aを流れる水の少なくとも一部が直接流れ込まないように、容器下部11の下端から所定距離以上高い位置に設けられており、好ましいとして、5mm以上高い位置に設けられている。ここでは、取水口15は、上下方向における薬剤供給具用容器10の中央部下寄り位置に設けられている。
【0036】
そして、この取水口15における径方向内側の辺縁部には、給水受皿2の上面2aを流れる水を取水口15内へ取り込むための取水壁22が、下方に真っ直ぐ突出するように設けられている。つまり、取水口15の辺縁部には、導水路14の底面14aと連続するように取水壁22が垂下されている。この取水壁22は、取水口15の横幅全域に設けられている。具体的には、取水壁22は、取水口15の周方向一端から他端に亘って、取水口15の形状に倣うように周方向に湾曲して延びている。
【0037】
この取水壁22は、複数の取水口15の全てに設けられている。また、取水壁22は、その下端が給水受皿2の上面2aに接触するように下方へ突出している。ここでの取水壁22の下端の高さ位置は、容器下部11の下端よりも高くされている。
【0038】
また、載置部13の延在部17における外周部には、壁部23が立設されている。具体的には、上方から見て延在部17の径方向外側に隣接し且つ取水口15よりも径方向内側の位置に、上方に向かって真っ直ぐ突出する壁部23が設けられている。この壁部23は、周方向における延在部17の一端から他端に亘り、周方向に沿って延在している。
【0039】
以上のように構成された薬剤供給具用容器10は、薬剤Mが載置部13に載置されて収容された状態で給水受皿2の上面2aに設置される。そして、蛇口3から水が供給された際、図9に示すように、例えば、上面2aを流れる水Wの一部は、薬剤供給具用容器10内を通過せずにそのまま流し孔4からトイレ用貯水タンク1へ流入される一方、上面2aを流れる水Wの他部は、取水口15を介して薬剤供給具用容器10内へ取り入れられる。
【0040】
取り入れられた水Wは、導水路14によって薬剤Mの下方にて径方向外側から内側へと流れながら薬剤Mの下面と接触し、薬剤Mを適量だけ溶解・溶出させる。その後、薬剤Mの溶液は水Wとともに排水口16から排出され、流し孔4からトイレ用貯水タンク1へ流入される。
【0041】
ここで、本実施形態においては、上述したように、上面2aを流れる水Wに対して離間する高さ位置に取水口15が設けられており、この取水口15の辺縁部には下方に突出する取水壁22が設けられていることから、上面2aを流れる水Wが薬剤供給具用容器10内に取り入れられる際、当該水Wは、取水口15内に直接流れ込まずに、まず取水壁22に当たる。そして、流向が略90°変えられ、取水壁22に沿って上方へ垂直に駈け上がるように流れて取水口15へと導かれ、取水口15内へと必要量流れ込む。その後、流向が再び略90°変えられ、導水路14により径方向内側に向かって水平に流れることとなる。
【0042】
従って、本実施形態によれば、取水口15内に水Wが直接流れ込まないようにし、容器内に水Wが過剰に流入(オーバーフロー)するのを抑制しながら、取水壁22により取水口15内へ水Wが積極的に取り込まれるようにし、容器内に流入する水量が不十分となるのを抑制することができる。よって、容器内に取り入れる水量を好適に制御し、必要充分な量の水Wを容器内に取り入れることが可能となる。その結果、適切な量の薬剤Mを溶出することができ、薬剤Mの溶解性を安定させることが可能となる。
【0043】
なお、取り込まれた水Wの流速が早い場合、薬剤Mが過度に溶出してしまうことが懸念されるが、本実施形態では、取水口15及び取水壁22により、この流速をも適当な速さに制御することができる。よって、この点においても、本実施形態は有効なものといえる。ちなみに、取水壁22は、複数設けられており、さらに、取水口15の横幅全域に設けられていることから、水Wを取水口15内へ取り込むという取水壁22の上記作用効果は効果的に奏される。
【0044】
また、本実施形態では、上述したように、導水路14において水Wが薬剤Mの下面と接触するように流通されるため、水Wが過剰に薬剤Mに接触するのを抑制することができ、薬剤Mを安定して溶出することが可能となる。
【0045】
また、本実施形態では、上述したように、延在部17の径方向外側に隣接し且つ取水口15よりも径方向内側の位置に、壁部23が設けられている。これにより、取水口15から過剰な水Wが万が一取り入れられた場合、導水路14から溢れ出る過剰分の水Wは壁部23の外側の壁面により堰き止められる(プールされる)ため、過剰分の水Wが薬剤Mに直接接触するのを抑制することができ、薬剤Mの過度な溶解を防ぐことができる。なお、このとき、堰きとめられた過剰分の水Wは、例えば隣接する導水路14の取水口15へ向かって流れ、この取水口15を介して外部へ排水されることになる。また、この壁部23によれば、載置部13に載置された薬剤Mを位置決めすることができ、薬剤Mの移動(ズレ)を防ぐことも可能となる。
【0046】
また、本実施形態では、上述したように、容器内において中央部分の第1排水口19上に、載置部13の連結部18が設けられている。よって、例えば溶解により薬剤Mが小さくなったときでも、薬剤Mが連結部18で確実に載置され、薬剤Mが載置部13から落下するのを防止できる。併せて、連結部18は、一部の延在部17のみに連結されて上方視Y字状とされていることから、その欠けた部分から水Wを通して第1排水口19へ流すことができる。よって、第1排水口19へ向かって流れる水Wが連結部18で阻害されるのを抑制できる。すなわち、連結部18によれば、第1排水口19からの排水を阻害することなく薬剤Mを確実に載置させることが可能となる。
【0047】
また、本実施形態では、上述したように、取水壁22の下端が給水受皿2の上面2aに接触するように下方へ突出している。これにより、給水受皿2の上面2aに流れる水の量が少ない場合でも、効率的に水Wを取水口15内へ取り込むことができる。
【0048】
また、本実施形態では、上述したように、導水路14の延在距離が載置部13の延在部17よりも短くされているため、水Wが過剰に薬剤Mに接触することを一層抑制することができる。
【0049】
ところで、薬剤Mの下面と接触させながら径方向外側から内側へ中心部まで水Wを流通させる場合、中心部で水Wの薬剤M濃度が過剰に高くなってしまう場合がある。この点、本実施形態では、上述したように、導水路14の径方向内側に第2排水口20がさらに設けられているため、薬剤M濃度が過剰に高くなる前の水Wを第2排水口から排水することができる。よって、排水される水Wの薬剤M濃度を適正に保つことが可能となる。
【0050】
また、本実施形態では、上述したように、載置部13の延在部17の径方向内側に第3排水口21がさらに設けられている。よって、過剰な水Wが容器内に取り入れられた場合でも、当該水Wを第3排水口21を介して排出させることができ、薬剤供給具用容器10の浮きを防止することが可能となる。
【0051】
以上、説明した薬剤供給具用容器10に関し、取水壁22の有無による容器内への水Wの流入し易さについて、比較試験を行った。具体的には、上記薬剤供給具用容器10である実施例と、取水壁22を備えない以外は薬剤供給具用容器10と同様な比較例と、を下記条件の下で使用し、フラッシング試験(薬剤供給具用容器10を給水受皿2に設置し、洗浄を繰り返す試験)を行った。なお、ここでは、試験の便宜上、複数の取水口15のうち1つ以外を閉塞して使用している。
<条件>
タンクのタイプ:S791B(TOTO株式会社社製,品番)
気温:25℃
水温:25℃
流水量:3L
フラッシングの間隔:1時間当たり1回(1日当たり24回)
【0052】
図10は、フラッシング試験の試験結果を示すグラフである。図10(b)中の残量は、容器内の薬剤Mの残量を表し、図10(b)中の薬剤溶出量は、比較例の薬剤量を100としたときの実施例の薬剤減少量を%表示で表している。図10に示すように、本実施形態に係る実施例は、比較例に比べ薬剤流出量が多くなっている。これにより、取水壁22を設けることで、給水受皿2の上面2aを流れる水Wを容器内へ必要量取り入れ、薬剤Mを好適に溶解できる(すなわち、取水壁22が設けられていないと、充分量の水Wが取り入れられず、薬剤Mの溶解が不十分になる)のを確認することができた。換言すると、比較例では、取水口15から水Wが取り込まれ難くなっているのを確認することができた。
【0053】
なお、図10中において、試験初期の製剤減少量が小さいのは、薬剤Mが水Wを取り込み膨張したことによるものである。また、試験後期では、容器内に水Wが残存することや薬剤Mが一気に溶け出す現象が生じることから、フラッシング回数100〜200間付近が薬剤流出量の評価に適した箇所だと考えられる。
【0054】
ちなみに、トイレ用貯水タンク1内の水Wの薬剤M濃度を吸光度で比較すると、実施例では吸光度が0.021であるのに対し、比較例では吸光度が0.007であった。これによっても、本実施形態では、給水受皿2の上面2aを流れる水Wを容器内へ必要量取り入れて薬剤Mを好適に溶解できることを確認することができた。
【0055】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
【0056】
図11は、変形例に係る薬剤供給具用容器を示す上方斜視図である。例えば図11に示すように、変形例に係る薬剤供給具用容器210は、上記実施形態のように保持容器110及び上蓋120(図2参照)と共に用いられるものではなく、上蓋220が直接装着されて使用される。なお、この薬剤供給具用容器210は、流し孔4に嵌挿するためのものとして、下端面から下方へ突出する脚211を有している。上蓋220は、上記揮散口121(図2参照)を備えず、外部から上蓋220を介して水Wが流入しないよう構成されている。
【0057】
このような変形例に係る薬剤供給具用容器210においても、容器内に取り入れる水量を制御し、必要充分な量の水Wを容器内に取り入れるという上記作用効果が奏される。ちなみに、変形例に係る薬剤供給具用容器210では、脚211が設けられていない場合もあり、一方で、上記実施形態の薬剤供給具用容器10では、脚211が設けられていてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、取水口15がスリット状に形成されているが、例えば円形状や長円状とされていてもよい。さらにまた、上記実施形態では、取水口15が斜め下方に開口されているが、横方向(径方向)や下方に開口されていてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、取水口15の内側の辺縁部に取水壁22が設けられているが、例えば取水口15が横方向に開口する場合には、当該取水口15の下側の辺縁部に取水壁22が設けられていればよく、つまり、導水路14の底面14aと連続する側の辺縁部に取水壁22が設けられていればよい。要は、取水壁22は、給水受皿2の上面2aを流れる水Wを取込み可能に取水口15の辺縁部に設けられていればよい。
【0060】
また、取水口15が設けられる高さ位置は、上記に限定されるものではなく、例えば、給水受皿2の上面2aの形状及び蛇口3から供給される水Wの流量等に基づいて、給水受皿2の上面2aを流れる水に対し離間可能に適宜設定することができる。
【0061】
また、上記施形態では、取水壁22の下端が給水受皿2の上面2aに接触しないように下方へ突出していてもよい。この場合、取水壁22に当たった水Wの流れで容器自体がずれる又は倒れるのを抑制することが可能となる。
【0062】
また、上記実施形態の薬剤供給具用容器10では、上蓋120の揮散口121から流れ込んだ水が薬剤Mに直接あたるのを防止するため、載置された薬剤Mを覆うように例えば不織布やプラスティックフィルム等を貼り付けてもよいし、当該薬剤Mを収容するようにカップ状の成形品を別途設置してもよい。
【符号の説明】
【0063】
1…トイレ用貯水タンク、2…給水受皿、2a…上面、10…薬剤供給具用容器、13…載置部、14…導水路、14a…導水路の底面、15…取水口、16…排水口、17…延在部、18連結部、22…取水壁、23…壁部、M…薬剤、W…水。
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ用貯水タンクの給水受皿の上面に載置される薬剤供給具用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレ用貯水タンクの給水受皿の上面に載置される薬剤供給具用容器としては、例えば特許文献1〜3に記載されたものが知られている。このような薬剤供給具用容器では、給水受皿に供給される水を上部や側面又は底部から容器内へ取り入れ、この水を容器内で薬剤に接触させて薬剤を溶出させる。そして、薬剤の溶液を水とともにトイレ用貯水タンクへと排出し、トイレ用貯水タンク内に貯留させる。これにより、トイレ洗浄時において、溶液を含んだ水が便器内へと供給される。
【0003】
特に、特許文献1に記載された水洗トイレ用芳香洗浄容器では、上部から取り込んだ水が直接薬剤に接触しないように、下部拡径のテーパ状カップが薬剤上部に設けられている。この水洗トイレ用芳香洗浄容器においては、取水口から容器内部に取り入れられた水は、薬剤を取り囲むガイドリングに沿って拡がり、ガイドリングの切欠からガイドリング内へ供給される。供給された水は、薬剤の下面に接触して当該薬剤を溶融させた後、中央の排水口から排出される。
【0004】
また、特許文献2に記載された水洗トイレ用薬剤供給具では、蓋体に設けられた流入口と薬剤載置部の外周に設けられた流入口とから水が取り入れられ、この水が薬剤に直接接触して薬剤を溶解させる。薬剤が溶解された水は、下るように傾斜する傾斜面を通過して中央の流出口から排出される。
【0005】
また、特許文献3に記載された水洗トイレ用の薬剤容器では、上部容器の取水口を薬剤の上方から外れた位置に設け、取水口から取り入れた水が薬剤に直接降りかからないようにされている。また、この水洗トイレ用の薬剤容器では、調整排出口が設けられており、取り入れられた過剰な水が調整排出口から排出される。さらにまた、薬剤載置部が下部容器の底面と同一面状に連接されており、取り入れられた水を薬剤とスムーズに接触させることが図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平6−87479号公報
【特許文献2】特開平8−270041号公報
【特許文献3】特開2002−167839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述したような薬剤供給具用容器では、例えば上部から水を取り入れる場合、水と薬剤との接触面積が大きくなることから、容器内に流入する水が過剰となり、薬剤の溶出量が過大になるおそれがある。一方、例えば容器側面から水を容器内に取り入れる場合、充分量の水を容器内に流入させることが困難となり、充分量の薬剤を溶出することが困難となるおそれがある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、必要充分な量の水を容器内に取り入れることができる薬剤供給具用容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る薬剤供給具用容器は、トイレ用貯水タンクの給水受皿の上面に載置される薬剤供給具用容器であって、容器内に設けられ、薬剤を載置する載置部と、容器内において外側から内側に向かう方向に沿って延在し、載置部に載置された薬剤と接触するように水を流通させる導水路と、導水路の外側に設けられ、給水受皿の上面を流れる水を容器内へ取り入れるための取水口と、導水路の内側に設けられ、薬剤に接触した水を外部へ排水するための排水口と、を備え、取水口は、給水受皿の上面を流れる水に対して離間する高さ位置に設けられており、取水口の辺縁部には、給水受皿の上面を流れる水を取水口内へ取り込むための取水壁が下方に突出するように設けられていること、を特徴とする。
【0010】
この薬剤供給具用容器では、例えば、給水受皿の上面を流れる水の少なくとも一部は、取水口内に直接流れ込まずにまず取水壁に当たり、取水壁に沿って上方へ駈け上がるように流れて取水口へと導かれ、そして、取水口内へと流れ込むこととなる。このように、取水口内に水が直接流れ込まないことから、容器内に水が過剰に流入するのを抑制することができる。これと共に、取水壁により取水口内へ水が積極的に取り込まれることから、容器内に流入する水量が不十分となるのを抑制することが可能となる。従って、本発明によれば、容器内に取り入れる水量を制御し、必要充分な量の水を容器内に取り入れることが可能となる。
【0011】
また、載置部は、容器内において上方に隆起する底面から成り、且つ上方から見て中央から放射状に延在するように設けられた複数の延在部を有し、導水路は、隣接する一対の延在部間に画設された谷部により構成されていることが好ましい。この場合、導水路では、薬剤の下面と接触するように水が流通されるため、水が過剰に薬剤に接触することを抑制でき、薬剤を安定して溶出することが可能となる。
【0012】
また、上方から見て延在部の外側に隣接し且つ取水口よりも内側の位置には、上方に突出する壁部が設けられていることが好ましい。これにより、取水口から過剰な水が万が一取り入れられた場合でも、導水路から溢れ出る過剰分の水が壁部の外側の壁面により堰き止められるため、過剰分の水が薬剤に直接接触するのを抑制することができる。
【0013】
また、複数の延在部は、上方から見て中央に設けられた排水口から放射状に延在し、載置部は、排水口上に設けられ複数の延在部のうち一部の延在部をその内側で連結する連結部を有することが好ましい。これにより、例えば溶解により薬剤が小さくなった場合でも、薬剤は連結部で確実に載置されるため、薬剤が載置部から落下するのを防止することが可能となる。加えて、連結部が一部の延在部に連結されていることから、全ての延在部に連結される場合に比べ、排水口へ向けて流れる水が連結部で阻害されるのを抑制することができる。
【0014】
また、取水壁は、その下端が給水受皿の上面に接触するように下方へ突出していることが好ましい。これにより、給水受皿の上面に流れる水の量が少ない場合でも、効率的に水を取水口内へ取り込むことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、必要充分な量の水を容器内に取り入れることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一実施形態に係る薬剤供給具用容器を含む薬剤供給具を示す斜視図である。
【図2】図1の薬剤供給具の分解斜視図である。
【図3】図1の薬剤供給具用容器を示す上方斜視図である。
【図4】図1の薬剤供給具用容器を示す下方斜視図である。
【図5】図1の薬剤供給具用容器を示す平面図である。
【図6】図1の薬剤供給具用容器を示す底面図である。
【図7】図5のVII−VII線に沿っての断面図である。
【図8】図5のVIII−VIII線に沿っての断面図である。
【図9】図1の薬剤供給具用容器の使用状態を示す断面拡大図である。
【図10】フラッシング試験の試験結果を示すグラフである。
【図11】変形例に係る薬剤供給具用容器を示す上方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図1は一実施形態に係る薬剤供給具用容器を含む薬剤供給具を示す斜視図であり、図2は図1の薬剤供給具の分解斜視図である。図1,2に示すように、本実施形態の薬剤供給具用容器10は、トイレ用貯水タンク1の手洗い部としての給水受皿2の上面2aに載置されるオンタンク式のものであり、薬剤供給具100に用いられている。薬剤供給具100は、この薬剤供給具用容器10を容器本体として備えると共に、薬剤供給具用容器10を保持する保持容器110と、保持容器110に着脱可能な上蓋120と、を備えている。
【0019】
薬剤供給具用容器10は、上方に開口し且つ中心軸Gを有する椀状外形を呈しており、給水受皿2の上方の蛇口3から供給された水の一部を容器内へと流通させる(詳しくは、後述)。この薬剤供給具用容器10は、その内部に薬剤Mを収容する。薬剤供給具用容器10の上端には、径方向外側に突出する鍔部30が形成されている。鍔部30の周方向三等配の位置には、保持容器110に係合される切欠部31が設けられている。
【0020】
薬剤Mとしては、例えば円錐台形状を呈する水溶性固形薬剤が用いられている。この薬剤Mは、洗浄成分、芳香成分、消臭成分、殺菌成分、除菌成分、着色成分及び漂白成分の少なくとも1つの成分を含んでいる。なお、薬剤Mの形状は限定されるものではなく、他の錐台形状や柱形状とすることができる。
【0021】
保持容器110は、円環状の枠体であり、薬剤供給具100の下容器を構成する。この保持容器110の内部下端において周方向三等配の位置には、薬剤供給具用容器10を支持するためのものとして、上方に突出する支持片111が設けられている。また、保持容器110の下端で支持片111に対応する周方向三等配の位置には、給水受皿2に当接するものとして、下方へ突出する突起112が設けられている。
【0022】
上蓋120は、扁平な皿形状を呈しており、薬剤供給具100の上容器を構成する。この上蓋120には、薬剤Mの揮発性成分を外部へ拡散させるための揮散口121が複数形成されている。なお、揮散口121の外面側のエッジは、蛇口3から供給された水が降りかかった際に飛散しないように、滑らかな曲面形状を有している。
【0023】
このように構成された薬剤供給具100は、薬剤Mを収容した薬剤供給具用容器10が保持容器110の内孔113に上方から内挿され、支持片111に切欠部31が係合されることで、薬剤供給具用容器10が保持容器110に保持状態で組み付けられた後、保持容器110に上蓋120が取り付けられて組み立てられる。そして、薬剤供給具100は、給水受皿2の流し孔4上において、給水受皿2の上面2aに対し薬剤供給具用容器10の下端面及び保持容器110の突起112が当接され、これにより、給水受皿2に載置される。
【0024】
なお、本実施形態の給水受皿2は、通常用いられる家庭用等の一般用のものとしており、給水受皿2の上面2aは、流し孔4に向かってなだらかに下るように傾斜している。給水受皿2としては、これに限定されず、種々のタイプの給水受皿を用いることができる。また、本実施形態では、蛇口3から供給される水の流量が一般的な流量(例えば2L/min〜9L/min)に設定されているが、特に限定されず、節水型等に設定されていてもよい。また、蛇口3の位置は、薬剤供給具100(薬剤供給具用容器10)に水が直接降りかかる位置としてもよいし、降りかからない位置としてもよい。
【0025】
図3〜8は、一実施形態に係る薬剤供給具用容器を示す各図である。図3〜8に示すように、薬剤供給具用容器10は、截頭円錐外形を呈する容器下部11と、容器下部11の上端に一体に連設され上方側が拡径する略円筒状の本体部12と、を具備している。この容器下部11には、載置部13、導水路14、取水口15及び排水口16が設けられている。
【0026】
載置部13は、薬剤Mを載置する台座部として機能するものである。この載置部13は、延在部17と、連結部18と、を含んで構成されている。延在部17は、容器内において上方に隆起する底面により形成されている。この延在部17は、上方から見て、中央から放射状に扇状を成して延在するように設けられている。
【0027】
ここでの延在部17は、後述の第1排水口19の外周から容器下部11の外周手前まで延設されている。延在部17は、周方向に等間隔で複数(6つ)並置されている。これら複数の延在部17の各上面17aは、中央に向かって下るよう傾斜する平面状とされている。
【0028】
連結部18は、容器内の中央部分(第1排水口19上)に設けられ、複数の延在部17のうちの一部をその径方向内側で連結する。ここでの連結部18は、周方向に互いに隣接しない3つ延在部17を連結しており、上方視においてY字状を呈している。この連結部18の上面18aは、中心軸Gと直交する平面状であって延在部17の上面17aに連続する平面状とされている。
【0029】
導水路14は、容器内に取り入れた水の流れを導く流路であり、隣接する一対の延在部17,17間に画設された谷部により構成されている。つまり、導水路14は、延在部17と同様に、上方から見て中央から放射状に扇状を成して延在するように設けられていると共に、周方向に等間隔で複数並置されている。これにより、上方視において容器内を周方向に等分割(ここでは、12等分割)して成る複数の分割領域には、延在部17と導水路14とが周方向に交互に設けられる。
【0030】
複数の導水路14の底面14aは、中心軸Gと直交する平面状であって同一面上に位置する平面状とされている。導水路14の延在距離(径方向の長さ)は、載置部13の延在部17よりも短くされている。例えば、好ましいとして、導水路14の延在距離は、延在部17の延在距離の2/3程度とされている。このような導水路14は、容器内において載置部13よりも低い高さ位置で径方向外側から内側に向かう方向に沿って延在し、載置部13に載置された薬剤Mの下面と接触するように水を流通させる。
【0031】
取水口15は、給水受皿2の上面2aを流れる水を容器内へ取り入れるための孔部である。この取水口15は、複数の導水路14の径方向外側に隣接して設けられており、当該導水路14と連通する。取水口15は、容器下部11の外形に倣うような斜め下方に開口し、周方向に沿って延在するスリット状とされている。
【0032】
排水口16は、薬剤Mに接触した水を外部へ排水するための孔部であり、第1〜第3排水口19〜21を含んで構成されている。第1排水口19は、容器下部11の下端面に設けられ、下方へ開口する円形孔とされている。この第1排水口19は、上方視において中央部分に位置し、複数の延在部17の径方向内側に隣接するように形成されている。
【0033】
第2排水口20は、導水路14の径方向内側に隣接する位置で且つ第1排水口19の外側に設けられている。この第2排水口20は、複数の導水路14の底面14aにおける径方向内側を切り欠くようにして形成されている。
【0034】
第3排水口21は、複数の延在部17の径方向内側に設けられている。この第3排水口21は、複数の延在部17の上面17aにおける径方向内側の一部を切り欠くようにして形成されている。ここでの第3排水口21は、上記連結部18が連結されていない延在部17のみに形成されている。
【0035】
ここで、本実施形態の取水口15は、給水受皿2の上面2aを流れる水に対して離間する高さ位置に設けられている(図9参照)。具体的には、取水口15は、給水受皿2の上面2aを流れる水の少なくとも一部が直接流れ込まないように、容器下部11の下端から所定距離以上高い位置に設けられており、好ましいとして、5mm以上高い位置に設けられている。ここでは、取水口15は、上下方向における薬剤供給具用容器10の中央部下寄り位置に設けられている。
【0036】
そして、この取水口15における径方向内側の辺縁部には、給水受皿2の上面2aを流れる水を取水口15内へ取り込むための取水壁22が、下方に真っ直ぐ突出するように設けられている。つまり、取水口15の辺縁部には、導水路14の底面14aと連続するように取水壁22が垂下されている。この取水壁22は、取水口15の横幅全域に設けられている。具体的には、取水壁22は、取水口15の周方向一端から他端に亘って、取水口15の形状に倣うように周方向に湾曲して延びている。
【0037】
この取水壁22は、複数の取水口15の全てに設けられている。また、取水壁22は、その下端が給水受皿2の上面2aに接触するように下方へ突出している。ここでの取水壁22の下端の高さ位置は、容器下部11の下端よりも高くされている。
【0038】
また、載置部13の延在部17における外周部には、壁部23が立設されている。具体的には、上方から見て延在部17の径方向外側に隣接し且つ取水口15よりも径方向内側の位置に、上方に向かって真っ直ぐ突出する壁部23が設けられている。この壁部23は、周方向における延在部17の一端から他端に亘り、周方向に沿って延在している。
【0039】
以上のように構成された薬剤供給具用容器10は、薬剤Mが載置部13に載置されて収容された状態で給水受皿2の上面2aに設置される。そして、蛇口3から水が供給された際、図9に示すように、例えば、上面2aを流れる水Wの一部は、薬剤供給具用容器10内を通過せずにそのまま流し孔4からトイレ用貯水タンク1へ流入される一方、上面2aを流れる水Wの他部は、取水口15を介して薬剤供給具用容器10内へ取り入れられる。
【0040】
取り入れられた水Wは、導水路14によって薬剤Mの下方にて径方向外側から内側へと流れながら薬剤Mの下面と接触し、薬剤Mを適量だけ溶解・溶出させる。その後、薬剤Mの溶液は水Wとともに排水口16から排出され、流し孔4からトイレ用貯水タンク1へ流入される。
【0041】
ここで、本実施形態においては、上述したように、上面2aを流れる水Wに対して離間する高さ位置に取水口15が設けられており、この取水口15の辺縁部には下方に突出する取水壁22が設けられていることから、上面2aを流れる水Wが薬剤供給具用容器10内に取り入れられる際、当該水Wは、取水口15内に直接流れ込まずに、まず取水壁22に当たる。そして、流向が略90°変えられ、取水壁22に沿って上方へ垂直に駈け上がるように流れて取水口15へと導かれ、取水口15内へと必要量流れ込む。その後、流向が再び略90°変えられ、導水路14により径方向内側に向かって水平に流れることとなる。
【0042】
従って、本実施形態によれば、取水口15内に水Wが直接流れ込まないようにし、容器内に水Wが過剰に流入(オーバーフロー)するのを抑制しながら、取水壁22により取水口15内へ水Wが積極的に取り込まれるようにし、容器内に流入する水量が不十分となるのを抑制することができる。よって、容器内に取り入れる水量を好適に制御し、必要充分な量の水Wを容器内に取り入れることが可能となる。その結果、適切な量の薬剤Mを溶出することができ、薬剤Mの溶解性を安定させることが可能となる。
【0043】
なお、取り込まれた水Wの流速が早い場合、薬剤Mが過度に溶出してしまうことが懸念されるが、本実施形態では、取水口15及び取水壁22により、この流速をも適当な速さに制御することができる。よって、この点においても、本実施形態は有効なものといえる。ちなみに、取水壁22は、複数設けられており、さらに、取水口15の横幅全域に設けられていることから、水Wを取水口15内へ取り込むという取水壁22の上記作用効果は効果的に奏される。
【0044】
また、本実施形態では、上述したように、導水路14において水Wが薬剤Mの下面と接触するように流通されるため、水Wが過剰に薬剤Mに接触するのを抑制することができ、薬剤Mを安定して溶出することが可能となる。
【0045】
また、本実施形態では、上述したように、延在部17の径方向外側に隣接し且つ取水口15よりも径方向内側の位置に、壁部23が設けられている。これにより、取水口15から過剰な水Wが万が一取り入れられた場合、導水路14から溢れ出る過剰分の水Wは壁部23の外側の壁面により堰き止められる(プールされる)ため、過剰分の水Wが薬剤Mに直接接触するのを抑制することができ、薬剤Mの過度な溶解を防ぐことができる。なお、このとき、堰きとめられた過剰分の水Wは、例えば隣接する導水路14の取水口15へ向かって流れ、この取水口15を介して外部へ排水されることになる。また、この壁部23によれば、載置部13に載置された薬剤Mを位置決めすることができ、薬剤Mの移動(ズレ)を防ぐことも可能となる。
【0046】
また、本実施形態では、上述したように、容器内において中央部分の第1排水口19上に、載置部13の連結部18が設けられている。よって、例えば溶解により薬剤Mが小さくなったときでも、薬剤Mが連結部18で確実に載置され、薬剤Mが載置部13から落下するのを防止できる。併せて、連結部18は、一部の延在部17のみに連結されて上方視Y字状とされていることから、その欠けた部分から水Wを通して第1排水口19へ流すことができる。よって、第1排水口19へ向かって流れる水Wが連結部18で阻害されるのを抑制できる。すなわち、連結部18によれば、第1排水口19からの排水を阻害することなく薬剤Mを確実に載置させることが可能となる。
【0047】
また、本実施形態では、上述したように、取水壁22の下端が給水受皿2の上面2aに接触するように下方へ突出している。これにより、給水受皿2の上面2aに流れる水の量が少ない場合でも、効率的に水Wを取水口15内へ取り込むことができる。
【0048】
また、本実施形態では、上述したように、導水路14の延在距離が載置部13の延在部17よりも短くされているため、水Wが過剰に薬剤Mに接触することを一層抑制することができる。
【0049】
ところで、薬剤Mの下面と接触させながら径方向外側から内側へ中心部まで水Wを流通させる場合、中心部で水Wの薬剤M濃度が過剰に高くなってしまう場合がある。この点、本実施形態では、上述したように、導水路14の径方向内側に第2排水口20がさらに設けられているため、薬剤M濃度が過剰に高くなる前の水Wを第2排水口から排水することができる。よって、排水される水Wの薬剤M濃度を適正に保つことが可能となる。
【0050】
また、本実施形態では、上述したように、載置部13の延在部17の径方向内側に第3排水口21がさらに設けられている。よって、過剰な水Wが容器内に取り入れられた場合でも、当該水Wを第3排水口21を介して排出させることができ、薬剤供給具用容器10の浮きを防止することが可能となる。
【0051】
以上、説明した薬剤供給具用容器10に関し、取水壁22の有無による容器内への水Wの流入し易さについて、比較試験を行った。具体的には、上記薬剤供給具用容器10である実施例と、取水壁22を備えない以外は薬剤供給具用容器10と同様な比較例と、を下記条件の下で使用し、フラッシング試験(薬剤供給具用容器10を給水受皿2に設置し、洗浄を繰り返す試験)を行った。なお、ここでは、試験の便宜上、複数の取水口15のうち1つ以外を閉塞して使用している。
<条件>
タンクのタイプ:S791B(TOTO株式会社社製,品番)
気温:25℃
水温:25℃
流水量:3L
フラッシングの間隔:1時間当たり1回(1日当たり24回)
【0052】
図10は、フラッシング試験の試験結果を示すグラフである。図10(b)中の残量は、容器内の薬剤Mの残量を表し、図10(b)中の薬剤溶出量は、比較例の薬剤量を100としたときの実施例の薬剤減少量を%表示で表している。図10に示すように、本実施形態に係る実施例は、比較例に比べ薬剤流出量が多くなっている。これにより、取水壁22を設けることで、給水受皿2の上面2aを流れる水Wを容器内へ必要量取り入れ、薬剤Mを好適に溶解できる(すなわち、取水壁22が設けられていないと、充分量の水Wが取り入れられず、薬剤Mの溶解が不十分になる)のを確認することができた。換言すると、比較例では、取水口15から水Wが取り込まれ難くなっているのを確認することができた。
【0053】
なお、図10中において、試験初期の製剤減少量が小さいのは、薬剤Mが水Wを取り込み膨張したことによるものである。また、試験後期では、容器内に水Wが残存することや薬剤Mが一気に溶け出す現象が生じることから、フラッシング回数100〜200間付近が薬剤流出量の評価に適した箇所だと考えられる。
【0054】
ちなみに、トイレ用貯水タンク1内の水Wの薬剤M濃度を吸光度で比較すると、実施例では吸光度が0.021であるのに対し、比較例では吸光度が0.007であった。これによっても、本実施形態では、給水受皿2の上面2aを流れる水Wを容器内へ必要量取り入れて薬剤Mを好適に溶解できることを確認することができた。
【0055】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
【0056】
図11は、変形例に係る薬剤供給具用容器を示す上方斜視図である。例えば図11に示すように、変形例に係る薬剤供給具用容器210は、上記実施形態のように保持容器110及び上蓋120(図2参照)と共に用いられるものではなく、上蓋220が直接装着されて使用される。なお、この薬剤供給具用容器210は、流し孔4に嵌挿するためのものとして、下端面から下方へ突出する脚211を有している。上蓋220は、上記揮散口121(図2参照)を備えず、外部から上蓋220を介して水Wが流入しないよう構成されている。
【0057】
このような変形例に係る薬剤供給具用容器210においても、容器内に取り入れる水量を制御し、必要充分な量の水Wを容器内に取り入れるという上記作用効果が奏される。ちなみに、変形例に係る薬剤供給具用容器210では、脚211が設けられていない場合もあり、一方で、上記実施形態の薬剤供給具用容器10では、脚211が設けられていてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、取水口15がスリット状に形成されているが、例えば円形状や長円状とされていてもよい。さらにまた、上記実施形態では、取水口15が斜め下方に開口されているが、横方向(径方向)や下方に開口されていてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、取水口15の内側の辺縁部に取水壁22が設けられているが、例えば取水口15が横方向に開口する場合には、当該取水口15の下側の辺縁部に取水壁22が設けられていればよく、つまり、導水路14の底面14aと連続する側の辺縁部に取水壁22が設けられていればよい。要は、取水壁22は、給水受皿2の上面2aを流れる水Wを取込み可能に取水口15の辺縁部に設けられていればよい。
【0060】
また、取水口15が設けられる高さ位置は、上記に限定されるものではなく、例えば、給水受皿2の上面2aの形状及び蛇口3から供給される水Wの流量等に基づいて、給水受皿2の上面2aを流れる水に対し離間可能に適宜設定することができる。
【0061】
また、上記施形態では、取水壁22の下端が給水受皿2の上面2aに接触しないように下方へ突出していてもよい。この場合、取水壁22に当たった水Wの流れで容器自体がずれる又は倒れるのを抑制することが可能となる。
【0062】
また、上記実施形態の薬剤供給具用容器10では、上蓋120の揮散口121から流れ込んだ水が薬剤Mに直接あたるのを防止するため、載置された薬剤Mを覆うように例えば不織布やプラスティックフィルム等を貼り付けてもよいし、当該薬剤Mを収容するようにカップ状の成形品を別途設置してもよい。
【符号の説明】
【0063】
1…トイレ用貯水タンク、2…給水受皿、2a…上面、10…薬剤供給具用容器、13…載置部、14…導水路、14a…導水路の底面、15…取水口、16…排水口、17…延在部、18連結部、22…取水壁、23…壁部、M…薬剤、W…水。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ用貯水タンクの給水受皿の上面に載置される薬剤供給具用容器であって、
容器内に設けられ、薬剤を載置する載置部と、
容器内において外側から内側に向かう方向に沿って延在し、前記載置部に載置された前記薬剤と接触するように水を流通させる導水路と、
前記導水路の外側に設けられ、前記給水受皿の上面を流れる水を容器内へ取り入れるための取水口と、
前記導水路の内側に設けられ、前記薬剤に接触した水を外部へ排水するための排水口と、を備え、
前記取水口は、前記給水受皿の前記上面を流れる水に対して離間する高さ位置に設けられており、
前記取水口の辺縁部には、前記給水受皿の前記上面を流れる水を前記取水口内へ取り込むための取水壁が下方に突出するように設けられていること、を特徴とする薬剤供給具用容器。
【請求項2】
前記載置部は、容器内において上方に隆起する底面から成り、且つ上方から見て中央から放射状に延在するように設けられた複数の延在部を有し、
前記導水路は、隣接する一対の前記延在部間に画設された谷部により構成されていること、を特徴とする請求項1記載の薬剤供給具用容器。
【請求項3】
上方から見て前記延在部の外側に隣接し且つ前記取水口よりも内側の位置には、上方に突出する壁部が設けられていること、を特徴とする請求項2記載の薬剤供給具用容器。
【請求項4】
複数の前記延在部は、上方から見て中央に設けられた前記排水口から放射状に延在し、
前記載置部は、前記排水口上に設けられ複数の前記延在部のうち一部の延在部をその内側で連結する連結部を有すること、を特徴とする請求項2又は3記載の薬剤供給具用容器。
【請求項5】
前記取水壁は、その下端が前記給水受皿の前記上面に接触するように下方へ突出していること、を特徴とする請求項1〜4の何れか一項記載の薬剤供給具用容器。
【請求項1】
トイレ用貯水タンクの給水受皿の上面に載置される薬剤供給具用容器であって、
容器内に設けられ、薬剤を載置する載置部と、
容器内において外側から内側に向かう方向に沿って延在し、前記載置部に載置された前記薬剤と接触するように水を流通させる導水路と、
前記導水路の外側に設けられ、前記給水受皿の上面を流れる水を容器内へ取り入れるための取水口と、
前記導水路の内側に設けられ、前記薬剤に接触した水を外部へ排水するための排水口と、を備え、
前記取水口は、前記給水受皿の前記上面を流れる水に対して離間する高さ位置に設けられており、
前記取水口の辺縁部には、前記給水受皿の前記上面を流れる水を前記取水口内へ取り込むための取水壁が下方に突出するように設けられていること、を特徴とする薬剤供給具用容器。
【請求項2】
前記載置部は、容器内において上方に隆起する底面から成り、且つ上方から見て中央から放射状に延在するように設けられた複数の延在部を有し、
前記導水路は、隣接する一対の前記延在部間に画設された谷部により構成されていること、を特徴とする請求項1記載の薬剤供給具用容器。
【請求項3】
上方から見て前記延在部の外側に隣接し且つ前記取水口よりも内側の位置には、上方に突出する壁部が設けられていること、を特徴とする請求項2記載の薬剤供給具用容器。
【請求項4】
複数の前記延在部は、上方から見て中央に設けられた前記排水口から放射状に延在し、
前記載置部は、前記排水口上に設けられ複数の前記延在部のうち一部の延在部をその内側で連結する連結部を有すること、を特徴とする請求項2又は3記載の薬剤供給具用容器。
【請求項5】
前記取水壁は、その下端が前記給水受皿の前記上面に接触するように下方へ突出していること、を特徴とする請求項1〜4の何れか一項記載の薬剤供給具用容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−112977(P2013−112977A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259173(P2011−259173)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000100539)アース製薬株式会社 (191)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000100539)アース製薬株式会社 (191)
【Fターム(参考)】
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