説明

薬剤容器

【課題】掛け止め可能としつつ掛け止め時の使用スペースを抑えることができる薬剤容器を提供する。
【解決手段】ケース本体21の上壁33の上縁に突出部71を設け、突出部71の左側の幅広部82から第一延出片91を延出する。右側の幅広部82から第二延出片92を延出し、両延出片91,92をケース本体21に沿って延設する。第一延出片91の左上腕部101に左折曲部121を設定し、左凹溝122で構成する。第二延出片92の右上腕部141に右折曲部161を設定し、右凹溝162で構成する。各凹溝122,162で構成された各折曲部121,161で各延出片91,92を折曲した状態で、各延出片91,92とケース本体21間に壁面挿入空間131を形成可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤を収容した薬剤容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷蔵庫では脱臭剤が使用されている。
【0003】
この従来型の脱臭剤としては、直方体形状に形成されており、棚面に載置して使用するように構成されている。
【0004】
このタイプの脱臭剤は、棚面に設置スペースが必要となるため、庫内の利用効率が低下するという問題があった。
【0005】
そこで、庫内の壁面に両面テープで貼着するタイプの脱臭容器が知られている(例えば、特許文献1)。
【0006】
このタイプの脱臭容器では、両面テープを利用して壁面に貼着固定でき、棚面の有効利用を図れるが、交換時にテープの残渣が壁面に残り、壁面が汚れるという問題があった。また、この脱臭容器には、吊り下げ用孔が設けられているが、庫内にフック等が無ければ使用できない。
【0007】
これを解消するために、容器本体にフックが設けられた芳香剤容器が知られている(例えば、特許文献1)。この芳香剤容器は、サンバイザー取付用フックを備えており、該サンバイザー取付用フックは、容器本体から大きく湾曲した後直線状に延出した押圧片部で構成されている。
【0008】
これにより、ある程度厚みのある部位であっても、前記湾曲部が形成する幅寸法以内であれば、当該芳香剤容器を固定できるように構成されている。
【0009】
【特許文献1】登録実用新案第3021757号公報
【特許文献2】特開2006−271811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような芳香剤容器のサンバイザー取付用フックでは、湾曲部によって所定の厚み寸法を有してしまう。
【0011】
このため、ドアポケットの薄肉の壁面に掛け止めする場合であっても、前記湾曲部の厚み寸法を必要とするため、ドアポケット内部のスペースが利用できなくなるという新たな問題が発生してしまう。
【0012】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、掛け止め可能としつつ掛け止め時の使用スペースを抑えることができる薬剤容器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の薬剤容器にあっては、薬剤が保持されるケース本体を備えた薬剤容器において、前記ケース本体の縁部に基端部が連設された延出片を前記縁部に沿って延設し、前記延出片の基端側に当該延出片を折曲する折曲部を設定して、該折曲部で前記延出片を折曲した状態で該延出片と前記ケース本体との間に壁面挿入空間を形成可能に構成するとともに、前記延出片を壁面の一方の面に配置しかつ前記ケース本体を前記壁面の他方の面に配置した状態で当該ケース本体を前記壁面に掛止可能に構成した。
【0014】
すなわち、この薬剤容器を使用する際には、ケース本体の縁部に沿って延在する延出片を、基端側に設定された折曲部にて折曲して、前記延出片と前記ケース本体との間に壁面挿入空間を形成する。
【0015】
この状態において、例えばドアポケットの壁面を前記壁面挿入空間に挿入する。これにより、前記ケース本体を前記壁面の表面側に沿って配置するとともに、前記延出片を壁面の例えば裏側に配置した状態で当該ケース本体は前記壁面に掛止され、吊り下げれた状態で位置決めされる。
【0016】
このとき、薬剤を保持した前記ケース本体は、ドアポケットの前記壁面の外側に配置される。
【0017】
また、請求項2の薬剤容器においては、前記ケース本体の前記縁部に外方に突出した突出部を設け、該突出部より一方側に延出する第一延出片と前記突出部より他方側に延出する第二延出片とで前記延出片を構成した。
【0018】
すなわち、前記ケース本体の前記縁部に設けられた突出部からは、離反方向に延出する第一及び第二延出片が設けられており、これらによって前記延出片が構成されている。
【0019】
このため、前記両延出片を、例えばドアポケットの壁面裏側に配置した状態では、前記壁面の表側に配置されたケース本体は、その一方側に延出した前記第一延出片によって一方側が掛止されるとともに、他方側に延出した第二延出片によって他方側が掛止される。
【0020】
さらに、請求項3の薬剤容器では、前記延出片の前記折曲部を、当該延出片を横断する凹溝で構成し、該凹溝を前記延出片が折曲される折曲方向側の面に設定した。
【0021】
これにより、前記延出片の前記折り曲げ方向への折り曲げが前記折曲部を構成する凹溝によって容易に行われる。
【0022】
そして、該凹溝が逆側面に形成された場合と比較して、前記延出片の不用意な折れを防止しつつ、弾性変形による反力が得られる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明の請求項1の薬剤容器にあっては、ケース本体の縁部に沿って延在する延出片を基端側に設定された折曲部で折曲し、前記延出片と前記ケース本体との間に壁面挿入空間を形成するとともに、この壁面挿入空間に、例えばドアポケットの壁面を挿入することで、前記壁面の例えば表面側に沿って配置された前記ケース本体を、前記壁面の裏側に配置された前記延出片によって前記壁面に掛け止めして吊り下げた状態でセットすることができる。
【0024】
このため、ケース本体を両面テープで壁面に貼着して固定するタイプと比較して、使用後の壁面の汚れを防止することができる。
【0025】
また、掛止する壁面の厚み寸法に合わせて前記延出片の折曲角度を調整することで、当該延出片の前記壁面裏側への突出量を抑えることができる。
【0026】
このため、ケース本体に大きく湾曲した湾曲部を介して設けられた直線状の押圧片部を、例えばドアポケットの壁面に係止する場合と比較して、ドアポケット内側への押圧片部の突出量を抑えることができる。
【0027】
したがって、前記ケース本体への掛け止めを可能としつつ、掛け止め時の使用スペースを抑えることができる。
【0028】
また、請求項2の薬剤容器においては、前記ケース本体の縁部に設けられた突出部からは、離反方向に延出する第一及び第二延出片が設けられており、例えばドアポケットの壁面裏側にセットした状態において、該壁面の表側に配置されたケース本体の一方側を、その一方側に延出した前記第一延出片によって掛止できるとともに、当該ケース本体の他方側を他方側に延出した第二延出片によって掛止できる。
【0029】
これにより、前記ケース本体を両側から支持することができ、当該ケース本体の不用意な傾きを防止することができる。
【0030】
さらに、請求項3の薬剤容器では、前記延出片の前記折曲部を、当該延出片を横断する凹溝で構成し、該凹溝を前記延出片が折曲される折曲方向側の面に設定したので、前記延出片の前記折り曲げ方向への折り曲げを容易に行うことができる。
【0031】
このとき、前記凹溝が逆側面に形成された場合と比較して、前記延出片の不用意な折れを防止でき、耐久性の向上を図ることができる。また、前記凹溝で構成された前記折曲部の弾性変形による反力を前記延出片に付与することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図で、(a)は正面図であり、(b)は一部断面図である。
【図2】同一実施の形態を示す図で、(a)は上面を示す図であり、(b)は背面図である。
【図3】同一実施の形態を示す図で、(a)は要部を示す断面図であり、(b)は側面図である。
【図4】同一実施の形態のカートリッジを示す図で、(a)は正面図であり、(b)は下面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。
【0034】
図1は、本実施の形態にかかる薬剤容器1を示す図であり、該薬剤容器1は、冷蔵庫で使用され、脱臭機能や消臭機能を備えている。
【0035】
この薬剤容器1は、図1から図3に示した薬剤容器本体11と、図4に示したように、該薬剤容器本体11に交換可能にセットされるカートリッジ12とによって構成されている。
【0036】
前記薬剤容器本体11は、プラスチック製であり、インジェクション成型されている。この薬剤容器本体11は、図1の(a)に示したように、そのケース本体21が横長の長方形状に形成されており、図1の(b)にも示したように、後方Rへ向けて開口した容器状に形成されている。
【0037】
前記ケース本体21は、前面を構成する長方形状の前壁面31と、該前壁面31の周縁に起立した周壁32とによって形成されている。該周壁32は、前記前壁面31の上縁に起立した上壁33と、前記前壁面31の下縁に起立した下壁34と、前記前壁面31の左縁に起立して前記上壁33及び前記下壁34を連設する左側壁35と、前記前壁面31の右縁に起立して前記上壁33及び前記下壁34を連設する右側壁36とによって構成されている。
【0038】
前記前壁面31には、複数の円形穴が等間隔をおいて縦横に配置されており、この円形穴には、当該前壁面31を貫通した貫通穴41,・・・と、凹部で形成されたダミー穴42,・・・とで構成されている。また、図3(b)に示したように、前記右側壁36の中央部には、矩形状の右切欠部43が形成されており、図3の(a)に示したように、前記左側壁35の中央部には、矩形状の左切欠部44が形成されている。
【0039】
これにより、前記カートリッジ12に収容された薬剤と外部との通流経路が前記各貫通穴41,・・・及び前記各切欠部43,44によって確保されている。
【0040】
前記上壁33には、図1及び図2に示したように、上開口部51,51が二箇所に設けられており、両上開口部51,51間には、内側へ突出した上押さえリブ52,52a,52が三箇所に形成されている。中央に設けられた上押さえリブ52aの基端側には、上切欠穴51aが形成されており、前記上押さえリブ52aと前記前壁面31との間には、間隙が形成されている。
【0041】
同様に、前記下壁34にも、下開口部53,53が、前記上壁33の前記上開口部51,51と対向する位置に設けられており、両下開口部3,53間にも、内側に突出した下押さえリブ54,54a,54が三箇所に形成されている。中央に設けられた下押さえリブ54aの基端側には、下切欠穴53aが形成されており、前記下押さえリブ54aと前記前壁面31との間には、間隙が形成されている。
【0042】
また、前記右側壁36には、図2の(b)に示したように、内側に突出した右押さえリブ61,61が二箇所に形成されており、前記左側壁35にも、図2の(b)及び図3の(a)に示したように、内側に突出した左押さえリブ62,62が二箇所に形成されている。
【0043】
これにより、当該ケース本体21にセットされた前記カートリッジ12を、前記各リブ52,52,54,54,61,61,62,62によって、その周囲から挟持して固定するとともに、中央に設けられた各リブ52a,54a先端と前記前壁面31との間に前記カートリッジ12の後述する周縁フランジ202を挟持した状態で保持できるように構成されている。
【0044】
前記上壁33の上縁には、図1及び図2に示したように、直交して上方へ向けて延出した突出部71が中央部に一体形成されている。該突出部71は横長に形成されており、図2の(a)に示したように、該突出部71には、前記前壁面31側へ向けて膨出形成された凸ビード72,・・・が三箇所に形成されている。各凸ビード72,・・・の端部は、前記上壁33に連設されており、該上壁33に対する当該突出部71の不用意な折曲が防止できるように構成されている。
【0045】
前記突出部71の両端部には、図1及び図2に示したように、当該突出部71の一般部81より幅広の幅広部82,82が形成されており、各幅広部82,82は、両側に配置された凸ビード72,72より側方に形成されている。
【0046】
左方に配置された前記幅広部82の左端部からは、第一延出片91が延出しており、右方に配置された前記幅広部82の右端部からは、第二延出片92が延出している。
【0047】
これにより、前記ケース本体21の縁部に設けられた前記突出部71には、前記各延出片91,92の基端部が連設されており、両延出片91,92によって本発明の延出片が構成されている。
【0048】
前記第一延出片91は、図1の(a)に示したように、前記上壁33に沿って延在する左上腕部101と、該左上腕部101より下方へ向けて屈曲した後、前記左側壁35に沿って延在する左側腕部102とによって構成されている。前記左上腕部101と前記上壁33間及び前記左側腕部102と前記左側壁35間には、間隙103が形成されている。
【0049】
この第一延出片91は、図2の(b)に示したように、周縁部に周縁フランジ111が一体形成されており、その中央部には、中央フランジ112が一体形成されている。該中央フランジ112の中途部には、円形フランジ113,・・・が三箇所に形成されており、当該中央フランジ112の両端は、前記周縁フランジ111に連設されている。これにより、当該第一延出片91は、前記各フランジ111,112,113,・・・によって補強されている。
【0050】
この第一延出片91の前記左上腕部101には、前記当該第一延出片91を折曲する為の左折曲部121が基端側に設定されている。該左折曲部121は、当該第一延出片91を横断する断面円弧状の左凹溝122で構成されており、該左凹溝122は、当該第一延出片91が折曲される折曲方向123側の折曲側面124に凹設されている。
【0051】
これにより、図2の(a)に示したように、前記左凹溝122で構成された前記左折曲部121において、当該第一延出片91を折曲した状態では、該第一延出片91と前記ケース本体21との間に壁面挿入空間131を形成できるように構成されており、前記第一延出片91を、例えば冷蔵庫のドア内側に設けられたドアポケット132の壁面133裏側に配置し、かつ前記ケース本体21を前記壁面133の表面側に配置した状態で、当該ケース本体21を前記第一延出片91によって前記壁面133に掛け止めできるように構成されている。
【0052】
前記第二延出片92は、図1に示したように、前記上壁33に沿って延在する右上腕部141と、該右上腕部141より下方へ向けて屈曲した後、前記右側壁36に沿って延在する右側腕部142とによって構成されている。前記右上腕部141と前記上壁33間及び前記右側腕部142と前記右側壁36間には、間隙143が形成されている。
【0053】
この第二延出片92は、図2の(b)にも示したように、周縁部に周縁フランジ151が一体形成されており、その中央部には、中央フランジ152が一体形成されている。該中央フランジ152の中途部には、円形フランジ153,・・・が三箇所に形成されており、当該中央フランジ152の両端は、前記周縁フランジ151に連設されている。これにより、当該第二延出片92は、前記各フランジ151,152,153,・・・によって補強されている。
【0054】
この第二延出片92の前記右上腕部141には、図2に示したように、前記当該第二延出片92を折曲する為の右折曲部161が基端側に設定されている。該右折曲部161は、当該第二延出片92を横断する断面円弧状の右凹溝162で構成されており、該右凹溝162は、当該第二延出片92が折曲される折曲方向123側の前記折曲側面124に凹設されている。
【0055】
これにより、前記右凹溝162で構成された前記右折曲部161において、当該第二延出片92を折曲した状態では、該第二延出片92と前記ケース本体21との間に壁面挿入空間131を形成できるように構成されており、前記第二延出片92を、例えば冷蔵庫のドアポケット132における壁面133の裏側に配置し、かつ前記ケース本体21の前記ケース本体21を前記壁面133の表面側に配置した状態で、当該ケース本体21を前記第二延出片92によって前記壁面133に掛け止めできるように構成されている。
【0056】
一方、前記カートリッジ12は、図4に示したように、横長の長方形状に形成されており、前記ケース本体21内に収容できる大きさに設定されている。該カートリッジ12も容器状に形成されており、当該カートリッジ12内には、ゲル状の脱臭消臭剤が充填されている。
【0057】
このカートリッジ12の周壁201の上縁には、側方へ延出した周縁フランジ202が一体形成されており、該周縁フランジ202には、当該カートリッジ12の上面開口部203を閉鎖する図外のシートが剥離可能に貼着されるように構成されている。
【0058】
これにより、当該カートリッジ12を使用する際には、前記周縁フランジ202から前記シートを剥離することで、前記上面開口部203を開放できるように構成されており、この開放状態において、前記上面開口部203が前記ケース本体21の前記前壁面31と対向するように配置するとともに、当該カートリッジ12を前記ケース本体21内にセットすることで、薬剤を備えた前記カートリッジ12を前記ケース本体21内に交換可能に保持できるように構成されている。
【0059】
以上の構成にかかる本実施の形態において、前記薬剤容器1を使用する際には、ケース本体21の縁部に沿って延在する各延出片91,92を、基端側に設定された各折曲部121,161にて折曲して、前記各延出片91,92と前記ケース本体21との間に壁面挿入空間131を形成する。
【0060】
この状態において、例えばドアポケット132の壁面133を前記壁面挿入空間131に挿入する。これにより、前記ケース本体21を前記壁面133の表面側に沿って配置するとともに、前記両延出片91,92を前記壁面133の裏側に配置した状態で、当該ケース本体21を、前記壁面133に掛け止めし、吊り下げた状態でセットすることができる。
【0061】
このため、ケース本体を両面テープで壁面に貼着して固定するタイプと比較して、使用後での庫内壁面の汚れを防止することができる。
【0062】
また、掛止する壁面133の厚み寸法に合わせて前記各延出片91,92の折曲角度を調整することで、前記各延出片91,92の前記壁面133裏側への突出量を抑えることができる。
【0063】
このため、ケース本体に大きく湾曲した湾曲部を介して設けられた直線状の押圧片部を、例えばドアポケットの壁面に係止する場合と比較して、ドアポケット内側への押圧片部の突出量を抑えることができる。
【0064】
したがって、前記ケース本体21への掛け止めを可能としつつ、掛け止め時の使用スペースを抑えることができる。
【0065】
このとき、薬剤を有するカートリッジ12を保持した前記ケース本体21は、前記壁面133より冷蔵庫の内側に配置される。また、この内側を向く前記前壁面31には、前記カートリッジ12の上面開口部203に連通する貫通穴41,・・・が設けられており、この上面開口部203との連通状態は、前記ケース本体21側部の各切欠部43,44によっても確保されている。
【0066】
このため、前記カートリッジ12内の薬剤による効果を庫内に広げることができる。
【0067】
また、前記ケース本体21の縁部には、突出部71が設けられており、該突出部71からは、前記各延出片91,92が左右離反方向に延出している。
【0068】
このため、前記両延出片91,92を、例えばドアポケット132の壁面133裏側に配置した状態では、該壁面133の表側に配置されたケース本体21は、その左側に延出した前記第一延出片91によって左側が掛止されるとともに、右側に延出した第二延出片92によって右側が掛止される。
【0069】
これにより、前記ケース本体21を左右両側から支持することができ、当該ケース本体21の不用意な傾きを防止することができる。
【0070】
一方、前記各延出片91,92の前記各折曲部121,161を、当該延出片91,92を横断する各凹溝122,162で構成し、各凹溝122,162を前記各延出片91,92が折曲される折曲方向123側の折曲側面124に設定したので、前記各延出片91,92の前記折曲方向123への折り曲げを容易に行うことができる。
【0071】
このとき、前記凹溝122,162が逆側面に形成された場合と比較して、前記各延出片91,92の不用意な折れを防止でき、耐久性の向上を図ることができる。また、前記各凹溝122,162で構成された前記各折曲部121,161の弾性変形による反力を、前記各延出片91,92が元の直線状態に戻ろうとする力として付与することもできる。
【符号の説明】
【0072】
1 薬剤容器
21 ケース本体
71 突出部
91 第一延出片
92 第二延出片
121 左折曲部
122 左凹溝
123 折曲方向
124 折曲側面
131 壁面挿入空間
132 ドアポケット
133 壁面
161 右折曲部
162 右凹溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤が保持されるケース本体を備えた薬剤容器において、
前記ケース本体の縁部に基端部が連設された延出片を前記縁部に沿って延設し、前記延出片の基端側に当該延出片を折曲する折曲部を設定して、該折曲部で前記延出片を折曲した状態で該延出片と前記ケース本体との間に壁面挿入空間を形成可能に構成するとともに、
前記延出片を壁面の一方の面に配置しかつ前記ケース本体を前記壁面の他方の面に配置した状態で当該ケース本体を前記壁面に掛止可能に構成したことを特徴とする薬剤容器。
【請求項2】
前記ケース本体の前記縁部に外方に突出した突出部を設け、該突出部より一方側に延出する第一延出片と前記突出部より他方側に延出する第二延出片とで前記延出片を構成したことを特徴とする請求項1記載の薬剤容器。
【請求項3】
前記延出片の前記折曲部を、当該延出片を横断する凹溝で構成し、該凹溝を前記延出片が折曲される折曲方向側の面に設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の薬剤容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−14373(P2013−14373A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149926(P2011−149926)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000102544)エステー株式会社 (127)
【Fターム(参考)】