説明

薬剤投与具および薬剤容器装着済み薬剤投与具

【課題】 プレフィルドシリンジ内の医療用液体のみが投与されることを防止し、薬剤容器内へのシリンジとの接続操作が容易であり、かつ、シリンジ内に回収し薬剤溶解済み医療用液体の投与も容易に行うことができる薬剤投与具を提供する。
【解決手段】 薬剤容器装着済み薬剤投与具1は、ISO規格に適合しないノズル部35を備えるプレフィルドシリンジ3と、薬剤を収納した薬剤容器4と、薬剤容器に装着されたアダプター2とからなる。アダプターは、ISO規格に適合した医療用具接続部72とシリンジ3のノズル部との接続部とを備えるコネクター7と、中空針状部62とコネクター装着部61とカラー部63とを備える穿刺部材6と、薬剤容器装着部51と中空針状部収納用筒状部54とを有するガイド部材5とからなる。穿刺部材とガイド部材は、穿刺部材による薬剤容器のシール部材42への刺通完了後に係合し、穿刺部材のガイド部材からの離脱を抑制する係合部を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレフィルドシリンジを利用した薬剤投与具および薬剤容器装着済み薬剤投与具に関する。
【背景技術】
【0002】
プレフィルドシリンジとしては、薬液、薬剤溶解液などの医療用液体が充填された状態にて提供される。薬剤溶解液充填プレフィルドシリンジは、凍結乾燥製剤などの用時溶解が必要な粉末製剤を投与する際に用いられる。粉末製剤が収納された薬剤容器(バイアル)に、薬剤溶解液充填プレフィルドシリンジを接続し、シリンジ内の溶解液を薬剤容器に注入し、容器内の粉末製剤を溶解液に溶解させた後、シリンジ内に吸引することにより、投与可能となる。薬剤溶解液充填プレフィルドシリンジの粉末製剤収納薬剤容器への接続は、金属針を用いるのが一般的であるが、最近では、専用のコネクターを用いる製品も提案されている。また、投与準備作業は、医療従事者だけでなく自己注射を必要とする患者自身によって行われる場合がある。特に患者による投与準備は、汚染が危惧される環境、不安定な場所で行われる可能性が少なくない。また、粉末製剤の溶解作業を失念し、プレフィルドシリンジ内の溶解液のみの投与、液漏れや接続部の外れなどを引き起こすおそれがある。
【0003】
特許第4216466号公報(特許文献1)には、以下のものが開示されている。
特許文献1の移転セット20は、特許文献1の図1に示されているように、チューブ状移転部材46と、該チューブ状移転部材に往復動可能に支持されている中央突き刺し部材48と、このアセンブリを覆って密閉するカップ状のキャップ50と、この移転セットを薬剤容器に固定するカラー部材52とを含む四つの構成部品からなっている。特許文献1の図1及び2に示されているように、チューブ状部材46の基端は、好ましくは図2に示されているような、鋭い先端縁56を具えた円形又は環状のシールリップ54を具えている。このチューブ状移転部材46の基端は、以下に述べるキャップ50の同心シールリップ86等の複数のシールリップを具えていることが判るであろう。開示されている実施例においては、チューブ状移転部材46は、更に、以下に詳述する図2に示されている半径方向のコネクター部分58を具えている。ルアーロック (Luer lock)60のようなコネクターが、チューブ状移転部材の開放末端62に隣接して設けられている。
なお、特許文献1の薬剤容器移転セットすなわち流体移転アセンブリは、注射器や静脈注射用(IV)装置等と密閉された薬剤容器との間に流体的連通を確立するように構成されている。注射器と薬剤容器とは従来型のものであり、ISO標準によって製造されている。このため、チューブ状本体部分112のカラー部分すなわちチューブ状延長部129はノズル114の末端部分を越えて延び、その内面は針を注射器に接続するのに通常使用されている雌型のルアーロック又は雌型のねじ山を具えている。
【0004】
また、本件出願人は、特開2007−98109号公報(特許文献2)のものを提案している。
特許文献2の薬剤混注器具1は、ノズル部22を備える外筒2と、ガスケット5と、充填された薬剤8とからなるプレフィルドシリンジ10と、ノズル部に装着可能な混注用針3とからなる。ノズル部22は、内筒部23と、外筒部24と、外筒部の外面に設けられた外側リブ25を備え、内筒部の先端部の外径と外筒部の先端部の内径の差は、0.5mm〜1.5mmであり、外筒部の先端部の内径は、2〜3mmまたは6〜10mmとなっている。混注用針3は、針本体部31と、ノズル部22の外筒部24と内筒部23間に侵入可能な中筒部38と、内面にノズル部のリブ25と係合する内側リブ37を有する筒状部33と、混注用針3の先端より10〜25mm基端側の位置に設けられた側孔36を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4216466号公報
【特許文献2】特開2007−98109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のものでは、注射器は、ISO標準によって製造され、ノズルは、針を注射器に接続するのに通常使用されている雌型のルアーロック又は雌型のねじ山を具えているため、注射器内に薬剤溶解液が充填されている場合、溶解液のみの誤投与を起こす可能性がある。
また、特許文献2のものでは、引用文献1のような注射器内の薬剤溶解液のみの誤投与を起こす可能性はないが、接続されるのが混注用針のみであるため、投与形態が輸液容器内への混合に特定される。
本発明の目的は、プレフィルドシリンジ内に充填された医療用液体のみが投与されることを防止し、薬剤が収納された薬剤容器(バイアル)内へのプレフィルドシリンジの接続操作が容易であり、かつ、シリンジ内に回収された薬剤溶解済み医療用液体の直接投与、間接投与など投与形態を選択可能なプレフィルドシリンジを利用した薬剤投与具および薬剤容器装着済み薬剤投与具を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1)外筒本体部と、該外筒本体部の先端部に設けられ先端が開口し、かつ、ISO規格に適合したノズル部への接続部を有する医療用具への前記接続部への接続が不能な形態を有するノズル部を備える外筒と、前記ノズル部を封止する封止部材と、前記外筒内に摺動可能に収納されたガスケットと、該ガスケットの後端に取り付けられたもしくは取付可能な押子と、前記外筒内に充填された医療用液体とからなるプレフィルドシリンジと、開口部を有する容器本体と該容器本体の前記開口部を封止するシール部材と前記容器本体内に収納された薬剤とからなる薬剤容器の前記シール部材にてシールされた前記開口部に接続可能なアダプターとからなる薬剤投与具であって、前記アダプターは、一端側に設けられ、ISO規格に適合したノズル部への接続部を有する医療用具の前記接続部に接続可能な医療用具接続部と、他端側に設けられ、前記プレフィルドシリンジの前記ノズル部が係合可能なシリンジ接続部とを備えるコネクターと、一端に前記薬剤容器の前記シール部材を貫通可能な刃先部を有する中空針状部と、他端側に設けられ、前記コネクターを着脱可能に接続するコネクター装着部と、前記中空針状部の中央部より他端側を被包する筒状のカラー部とを備える穿刺部材と、前記シール部材にてシールされた前記開口部に接続可能な薬剤容器装着部と、該装着部より延び、かつ、前記穿刺部材の前記中空針状部が内側にかつ前記カラー部が外側を移動可能な中空針状部収納用筒状部とを有するガイド部材とからなり、前記穿刺部材と前記ガイド部材は、前記コネクターに前記シリンジを接続した後、前記シリンジを押し込むことにより、前記穿刺部材は前記ガイド部材内を進行し、前記薬剤容器の前記シール部材を刺通するものであり、かつ、前記穿刺部材と前記ガイド部材は、前記穿刺部材による前記薬剤容器の前記シール部材への刺通完了後に係合し、前記穿刺部材の前記ガイド部材からの離脱を抑制する係合部を備えている薬剤投与具。
【0008】
(2)前記ガイド部材は、前記中空状針状部収納用筒状部の外方に位置し、かつ、前記薬剤容器装着部より前記中空状針状部収納用筒状部の端部方向に延びる外側ガイド部を備え、前記穿刺部材の前記カラー部は、前記外側ガイド部と前記中空針状部収納用筒状部との間隙を移動するものであり、かつ、前記ガイド部材の前記外側ガイド部と前記穿刺部材が、前記穿刺部材による前記薬剤容器の前記シール部材への刺通完了後に係合し、前記穿刺部材の前記ガイド部材からの離脱を抑制する係合部を備えている上記(1)に記載の薬剤投与具。
(3)前記穿刺部材は、前記カラー部の先端部の内面に設けられた突出部を備え、前記ガイド部材は、前記中空針状部収納用筒状部の外面に設けられ、前記穿刺部材の前記突出部を摺動可能に収納しかつ前記筒状部の軸方向かつ前記薬剤容器装着部側より前記中空状針状部収納用筒状部の端部方向に延びる軸方向溝部と、該軸方向溝部内かつ前記装着部側に位置し、前記穿刺部材の突出部と係合可能な係合部を備えており、前記穿刺部材による前記薬剤容器の前記シール部材への刺通完了後に係合し、前記穿刺部材の前記ガイド部材からの離脱を抑制する係合部は、前記穿刺部材の突出部と前記ガイド部材の前記軸方向溝部内の前記係合部とにより構成されているものである上記(1)または(2)に記載の薬剤投与具。
【0009】
(4)前記穿刺部材は、前記カラー部の先端部の内面に設けられた突出部を備え、前記ガイド部材は、前記中空針状部収納用筒状部の外面に設けられ、前記穿刺部材の前記突出部を摺動可能に収納しかつ前記筒状部の軸方向かつ前記薬剤容器装着部側より前記中空状針状部収納用筒状部の端部方向に延びる軸方向溝部と、該軸方向溝部と連続し、前記筒状部の周方向に延びかつ前記穿刺部材の前記突出部を摺動可能に収納する周方向溝部とを備え、前記穿刺部材の前記突出部は、前記ガイド部材の前記周方向溝部内に位置し、前記穿刺部材の前記カラー部に対する周方向への移動を許容し、かつ、軸方向への移動が規制された状態となっている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の薬剤投与具。
(5)前記穿刺部材は、該穿刺部材を前記ガイド部材の前記中空針状部収納用筒状部の周方向に回転させることにより、前記穿刺部材の前記突出部が前記中空針状部収納用筒状部の軸方向溝部内に移動し、前記穿刺部材の前記ガイド部材の前記装着部方向への移動が可能となるものである上記(4)に記載の薬剤投与具。
(6)前記外筒は、前記ノズル部に設けられた係合用外側リブを備え、前記コネクターは、外側筒状部と該外側筒状部に形成されるとともに、前記係合用外側リブと係合可能な係合用内側リブとを備え、前記穿刺部材の前記突出部を前記ガイド部材の前記周方向溝部から離脱させるための回転方向は、前記外筒のノズル部の前記係合用外側リブを前記コネクターの前記外側筒状部の係合用内側リブとを係合させるための回転方向と同じである上記(5)に記載の薬剤投与具。
(7)前記穿刺部材の前記ガイド部材からの離脱を抑制する係合部は、前記外側ガイド部の自由端側の内面に設けられたリブと、前記穿刺部材の前記コネクター装着部側に設けられ、前記リブと係合する開口部もしくは凹部により構成されている上記(2)ないし(6)のいずれかに記載の薬剤投与具。
(8)前記外側ガイド部は、向かい合うように2つ設けられており、かつ、それぞれの前記自由端側の内面に前記リブが設けられており、前記穿刺部材は、前記コネクター装着部側に向かい合うように設けられ、かつ、前記リブと係合する開口部もしくは凹部を備えている上記(7)に記載の薬剤投与具。
(9)前記外筒のノズル部は、前記外筒本体部の先端面より外方に突出する内筒部と、該内筒部を被包するように設けられた外筒部と、該外筒部の外面に設けられた係合用外側リブを備え、前記コネクターは、前記ノズル部の前記内筒部内に侵入可能な内側筒状部と、前記外筒部を収納可能かつ内面に前記係合用外側リブと係合可能な係合用内側リブとを有する外側筒状部とを備えている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の薬剤投与具。
【0010】
(10)前記ノズル部の前記内筒部の先端部の外径と前記外筒部の先端部の内径の差は、0.5mm〜1.5mmであり、前記外筒部の先端部の内径は、2〜3mmまたは6〜10mmである上記(9)に記載の薬剤投与具。
(11)前記コネクターと前記穿刺部材は、前記穿刺部材の前記コネクター装着部に装着された前記コネクターが前記穿刺部材に対して回転することを規制する回転規制部を備えている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の薬剤投与具。
(12)前記穿刺部材は、該穿刺部材を前記ガイド部材の前記中空針状部収納用筒状部の周方向に回転させることにより、前記穿刺部材の前記突出部が前記中空針状部収納用筒状部の前記軸方向溝部内に移動し、前記穿刺部材の前記ガイド部材の前記装着部方向への移動が可能となるものである上記(3)ないし(11)のいずれかに記載の薬剤投与具。
(13)前記穿刺部材を回転させる前記カラー部の周方向は、前記外筒のノズル部の前記係合用外側リブを前記コネクターの前記外側筒状部の係合用内側リブとを係合させるための回転方向と同じである上記(12)に記載の薬剤投与具。
(14)前記ガイド部材は、前記中空針状部収納用筒状部の外面に設けられた前記周方向溝部と連続し、前記中空針状部収納用筒状部の自由端まで延びかつ前記穿刺部材の前記突出部を摺動可能に収納する誘導用軸方向溝部を備えている上記(4)ないし(13)のいずれかに記載の薬剤投与具。
(15)前記ガイド部材は、前記薬剤容器装着部に設けられ、該装着部に易変形性を付与するためのスリットを備えている上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の薬剤投与具。
(16)上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の薬剤投与具と、前記薬剤容器とからなり、かつ、該薬剤投与具が、前記薬剤容器装着部により前記薬剤容器に装着された状態となっている薬剤容器装着済み薬剤投与具。
【発明の効果】
【0011】
本発明の薬剤投与具は、ISO規格に適合したノズル部への接続部を有する医療用具への接続が不能なプレフィルドシリンジと、薬剤容器への装着部を有するアダプターとからなり、アダプターは、プレフィルドシリンジのノズル部を接続可能かつISO規格に適合したノズル部への接続部を有する医療用具に接続するための医療用具接続部と、プレフィルドシリンジのノズル部への装着部を備えるコネクターと、中空針状部を備え、コネクターを着脱可能に接続する穿刺部材と、薬剤容器装着部と穿刺部材の中空針状部を内側移動可能な中空針状部収納用筒状部を有するガイド部材とからなる。そして、穿刺部材とガイド部材は、コネクターにシリンジを接続し、シリンジを押し込むことにより、穿刺部材はガイド部材内を進行し、薬剤容器の前記シール部材を刺通するものであり、穿刺部材とガイド部材は、穿刺部材による薬剤容器のシール部材への刺通完了後に係合し、穿刺部材のガイド部材からの離脱を抑制する係合部を備えている。
特に、本発明の薬剤投与具では、プレフィルドシリンジとして、ISO規格に適合したノズル部への接続部を有する医療用具への接続が不能なものとしているため、このシリンジには、一般的な投与手段である注射針ハブ、三方活栓のポートへの接続が不能であるため、プレフィルドシリンジ内の医療用液体が直接投与される可能性は極めて少ない。そして、薬剤剤が収納された薬剤容器に本発明の薬剤投与具のアダプターを装着した後、アダプターのコネクターにプレフィルドシリンジを装着し、プレフィルドシリンジを押し込むことにより、穿刺部材はガイド部材内を進行し、薬剤容器の前記シール部材を刺通し、その後、プレフィルドシリンジのプランジャーを押圧することにより、シリンジ内の医療用液体を薬剤容器内に注入することができる。そして、シリンジのプランジャーを引くことにより、シリンジ内に薬剤が溶解した医療用液体(薬液)を回収することができる。さらに、穿刺部材による薬剤容器のシール部材への刺通完了後に係合部により、穿刺部材のガイド部材からの離脱が抑制されているので、上記の医療用液体の薬剤容器への注入およびシリンジへの回収作業が容易である。また、アダプターのコネクターはシリンジのノズル部に係合しているため、アダプターよりシリンジを離脱させると、シリンジのノズル部にコネクターが装着した状態となるため、コネクターのノズル部を用いることにより、一般的な投与手段である注射針ハブ、三方活栓のポートへの接続が可能となり、シリンジ内に回収された薬剤溶解済み医療用液体を直接投与、間接投与など任意の投与形態による投与が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の薬剤投与具を用いた薬剤容器装着済み薬剤投与具の外観図である。
【図2】図2は、本発明の薬剤投与具のアダプターを装着した状態の薬剤容器の正面図である。
【図3】図3は、図2に示した本発明の薬剤投与具のアダプターを装着した状態の薬剤容器の右側面図である。
【図4】図4は、図3のA−A線断面図である。
【図5】図5は、本発明の薬剤投与具のアダプターの説明図である。
【図6】図6は、本発明の薬剤投与具のアダプターの説明図である。
【図7】図7は、本発明の薬剤投与具のアダプターの説明図である。
【図8】図8は、本発明の薬剤投与具のアダプターに用いられるコネクターの正面図である。
【図9】図9は、図8のコネクターの右側面図である。
【図10】図10は、図8のB−B線断面図である。
【図11】図11は、図8のコネクターの底面図である。
【図12】図12は、図8のコネクターの平面図である。
【図13】図13は、本発明の薬剤投与具のアダプターに用いられる穿刺部材の正面図である。
【図14】図14は、図13の穿刺部材の右側面図である。
【図15】図15は、図13のC−C線断面図である。
【図16】図16は、図13の穿刺部材の平面図である。
【図17】図17は、図13の穿刺部材の底面図である。
【図18】図18は、本発明の薬剤投与具のアダプターに用いられるガイド部材の正面図である。
【図19】図19は、図18のガイド部材の平面図である。
【図20】図20は、図18のガイド部材の底面図である。
【図21】図21は、本発明の薬剤投与具および薬剤容器装着済み薬剤投与具の作用を説明するための説明図である。
【図22】図22は、本発明の薬剤投与具および薬剤容器装着済み薬剤投与具の作用を説明するための説明図である。
【図23】図23は、本発明の薬剤投与具および薬剤容器装着済み薬剤投与具の作用を説明するための説明図である。
【図24】図24は、本発明の薬剤投与具および薬剤容器装着済み薬剤投与具の作用を説明するための説明図である。
【図25】図25は、本発明の薬剤投与具および薬剤容器装着済み薬剤投与具の作用を説明するための説明図である。
【図26】図26は、本発明の薬剤投与具および薬剤容器装着済み薬剤投与具の作用を説明するための説明図である。
【図27】図27は、本発明の薬剤投与具および薬剤容器装着済み薬剤投与具の作用を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の薬剤投与具および薬剤容器装着済み薬剤投与具を図面に示す実施例を用いて説明する。
本発明の薬剤投与具は、外筒本体部31と、外筒本体部31の先端部に設けられ先端が開口し、かつ、ISO規格に適合したノズル部への接続部を有する医療用具への前記接続部への接続が不能な形態を有するノズル部35を備える外筒30と、ノズル部35を封止する封止部材33と、外筒30内に摺動可能に収納されたガスケット34と、ガスケット34の後端に取り付けられたもしくは取付可能な押子32と、外筒30内に充填された医療用液体38とからなるプレフィルドシリンジ3と、開口部を有する容器本体41と容器本体41の開口部を封止するシール部材42と容器本体41内に収納された薬剤43とからなる薬剤容器4のシール部材42にてシールされた開口部に接続可能なアダプター2とからなる。
【0014】
アダプター2は、一端側に設けられ、ISO規格に適合したノズル部への接続部を有する医療用具に接続するための医療用具接続部72と、他端側に設けられ、プレフィルドシリンジ3のノズル部35が係合可能なシリンジ接続部とを備えるコネクター7と、一端に薬剤容器4のシール部材42を貫通可能な刃先部を有する中空針状部62と、他端側に設けられ、コネクター7を着脱可能に接続するコネクター装着部61と、中空針状部62の中央部より他端側を被包する筒状のカラー部63とを備える穿刺部材6と、シール部材42にてシールされた開口部に接続可能な薬剤容器装着部51と、装着部51より延び、かつ、穿刺部材6の中空針状部62が内側にかつカラー部63が外側を移動可能な中空針状部収納用筒状部54とを有するガイド部材5とからなる。
穿刺部材6とガイド部材5は、コネクター7にシリンジ3を接続し、シリンジ3を押し込むことにより、穿刺部材6はガイド部材5内を進行し、薬剤容器のシール部材を刺通するものである。そして、穿刺部材6とガイド部材5は、穿刺部材6による薬剤容器4のシール部材42への刺通完了後に係合し、穿刺部材6のガイド部材5からの離脱を抑制する係合部を備えている。
また、本発明の薬剤容器装着済み薬剤投与具1は、上述した薬剤容器を備えない薬剤投与具と、開口部を有する容器本体41と容器本体41の開口部を封止するシール部材42と容器本体41内に収納された薬剤を有する薬剤容器4とからなり、かつ、薬剤投与具が、薬剤容器装着部51にて薬剤容器4に装着された状態となっているものである。
【0015】
本発明の薬剤容器装着済み薬剤投与具1は、図1ないし図10に示すように、薬剤投与具と、薬剤投与具5が接続された薬剤容器4とからなる。また、本発明の薬剤投与具は、ISO規格に適合したノズル部への接続部を有する医療用具への接続が不能なプレフィルドシリンジ3と、薬剤容器4への装着部を有するアダプター2とからなる。そして、アダプター2は、図1ないし図10に示すように、プレフィルドシリンジ3のノズル部35を接続可能なコネクター7と、中空針状部62を備え、コネクター7を接続可能な穿刺部材6と、薬剤容器装着部51と、穿刺部材6の中空針状部62を内側移動可能な中空針状部収納用筒状部54を有するガイド部材5とからなる。
図1は、本発明の薬剤投与具を用いた薬剤容器装着済み薬剤投与具の提供される状態の外観図であり、後述するように、穿刺部材6が中空針状部収納用筒状部54の下方に移動不能となっている状態を図示している。これに対して図2は、本発明の薬剤投与具のアダプターを装着した状態の薬剤容器の正面図を示すものであり、図1に対して、穿刺部材6が中空針状部収納用筒状部54の中心軸に対して約90度回転し、穿刺部材6が中空針状部収納用筒状部54の下方に移動可能の状態を図示している。
【0016】
最初に、プレフィルドシリンジ3について、図1、図23ないし図27を用いて説明する。
プレフィルドシリンジ3は、外筒本体部31と、外筒本体部31の先端部に設けられ先端が開口し、かつ、ISO規格に適合したノズル部への接続部を有する医療用具への接続が不能な形態を有するノズル部35を備える外筒30と、ノズル部35を封止する封止部材33(具体的には、取り外し可能なキャップ)と、外筒30内に摺動可能に収納されたガスケット34と、ガスケット34の後端に取り付けられたもしくは取付可能な押子32と、外筒30内に充填された医療用液体38とからなる。
外筒30は、透明もしくは半透明材料により、必要に応じて、酸素透過性、水蒸気透過性の少ない材料により形成された筒状体である。
外筒30は、外筒本体部31と、外筒本体部31の先端部に設けられたノズル部35と、外筒本体部31の後端部に設けられたフランジを備える。
外筒本体部31は、ガスケット34を液密かつ摺動可能に収納するほぼ筒状の部分であり、ノズル部35は、外筒本体部31より小径の筒状部となっている。また、外筒本体部31の先端部(肩部)は、ノズル部35に向かってテーパー状に縮径している。
【0017】
フランジは、図1、図27に示すように、外筒本体部31の後端全周より垂直方向に突出するように形成された楕円ドーナツ状の円盤部である。フランジは、向かい合う幅広となった2つの把持部を備え、さらに、把持部の先端面側には、複数のリブが形成されている。また、フランジの後端面は、周縁および外筒後端部がリブ部分以外となる部分は凹部となっている。
ノズル部35は、ISO規格に適合したノズル部への接続部を有する医療用具への接続が不能形態となっている。つまり、ノズル部35は、ISO規格(ISO594−1:1986、ISO594−2:1986)に準拠しないものとなっている。このため、このシリンジ3は、ISO規格に適合したノズル部への接続部を有する医療用具、例えば、注射針等のハブ、三方活栓のポートなどへの接続が不能である。このため、このプレフィルドシリンジ内の医療用液体の投与は極めて困難である。
この実施例のシリンジ3では、図23ないし図27に示すように、ノズル部35は、外筒本体部31の先端面より外方に突出する内筒部36と、内筒部36を被包するように設けられた外筒部37と、外筒部37の外面に設けられた係合用外側リブ39を備えている。
【0018】
そして、ノズル部35は、ISO規格が採用している6%テーパーを備えず、かつ外筒部37と内筒部36間が狭小に形成されることにより、6%テーパーを有するISO規格準拠の医療用雌型接続部(例えば、注射針等のハブ、三方活栓のポート)が接続不能な形態となっている。ISO規格準拠の医療用雌型接続部とは、ISO594−1:1986にある「注射筒、注射針や他の医療用具の6%(約3.43°)テーパーとの接合部の合致−パート1:一般的要求事項」を示すものである。
ISO594−1:1986に規定される規格(通常規格)の医療用雌形接続部の端部は、内径が4.270mm〜4.315mm、外径が最大6.73mmである。そして、このシリンジ3では、内筒部の先端部の外径と外筒部の先端部の内径の直径の差および外筒部の先端部の内径が、上述したものとなっているので、上記のISO594−1:1986に規定される規格の医療用雌型接続部のシリンジのノズル部35の外筒部37と内筒部36との間への侵入を防止する。
【0019】
具体的には、内筒部36は、実質的にテーパーを持たない円筒状となっている。ここで実質的にテーパーを持たないとは、0〜5.5%(0〜約3.15°)程度のテーパーを有するものを含む概念である。同様に、外筒部37も実質的にテーパーを持たない円筒状となっている。ここで実質的にテーパーを持たないとは、0〜5.5%(0〜約3.15°)程度のテーパーを有するものを含む概念である。そして、ノズル部35の内筒部36の外径と外筒部37の内径との差は、0.5〜1.5mmであることが好ましく、さらには0.6〜1.0mmであることが好ましい。このようにすることにより、医療用雌型接続部の外筒部37と内筒部36との間への侵入を防止する。また、内筒部36の先端は、外筒部37の先端より若干突出していることが好ましい。突出長としては、1.5mm以下であることが好ましい。また、内筒部36の軸方向の長さとしては、6.5〜9.0mm程度が好ましい。
そして、外筒部の外面には、係合用外側リブ39が設けられている。この実施例では、螺旋状リブとなっている。具体的には、2本の螺旋状のものとなっている。
【0020】
また、外筒30のノズル部35は、封止部材33によりシールされている。この実施例では、封止部材として、取り外し可能なキャップ33が用いられている。なお、封止部材としては、ノズル部35の内筒部36の先端面を封止する剥離可能なフィルム状のものであってもよい。
外筒30の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタージエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフターレート等のポリエステル、環状ポリオレフィンのような各種樹脂が挙げられるが、その中でも成形が容易で耐熱性があることから、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンのような樹脂が好ましい。また、外筒30の形成材料としては、密封性を高めるために、キャップ33より相対的に硬度が高い樹脂を使用することが好ましい。このようにすると、ノズルへのキャップの取り付けの際、螺合操作に伴ってキャップがノズルに密着し、より密封性を高めることができる。
【0021】
ガスケット34は、図27に示すようにほぼ同一外径にて延びる本体部と、この本体部に設けられた複数の環状リブ(この実施例では2つ、2つ以上であれば、液密性と摺動性を満足できれば適宜数としてもよい)を備え、これらリブが、外筒30の内面に液密に接触する。また、ガスケット34の先端面は、外筒30の先端内面に当接した時に、両者間に極力隙間を形成しないように、外筒30の先端内面形状に対応した形状となっている。
ガスケット34の形成材料としては、弾性を有するゴム(例えば、ブチルゴム、ラテックスゴム、シリコーンゴム、スチレンブタージエンゴムなど)、合成樹脂(例えば、SBSエラストマー、SEBSエラストマー等のスチレン系エラストマー、エチレン−αオレフィン共重合体エラストマー等のオレフィン系エラストマーなど)等を使用することが好ましい。
【0022】
そして、ガスケット34には、その後端部より内部に延びる凹部が設けられ、この凹部は、雌ねじ状となっており、押子32の先端部に形成された突出部の外面に形成された雄ねじ部と螺合可能となっている。両者が螺合することにより、押子32は、ガスケット34より離脱しない。なお、押子32は、取り外しておき、使用時に取り付けるようにしてもよい。
押子32は、上述したように、先端部に筒状に突出する突出部を備え、突出部の外面には雄ねじが形成されている。また、押子32は、断面十字状の軸方向に延びる本体部と、後端部に設けられた押圧用の円盤部と、本体部の途中に設けられたリブを備えている。
プレフィルドシリンジ3内に充填される医療用液体38としては、注射用蒸留水、生理食塩水などの薬剤溶解液、さらには、薬剤(例えば、ビタミン剤、ミネラル類)を含有するとともに、薬剤容器内の粉末製剤の溶解が可能な薬液でもあっってもよい。
【0023】
次に、コネクター7について、図4ないし図12、図24および図27を参照して説明する。
コネクター7は、図4ないし図12、図24および図27に示すように、一端側に設けられ、ISO規格に適合したノズル部への接続部を有する医療用具に接続するための医療用具接続部72と、他端側に設けられ、プレフィルドシリンジ3のノズル部35と係合可能なシリンジ接続部とを備える。
コネクター7は、図4ないし図12に示すように、本体部71と、本体部71より突出する筒状の医療用具接続部72と、本体部に内部に設けられ、医療用具接続部72内と連通しかつその反対方向に延びる内筒部76とを備えている。医療用具接続部72は、ISO規格に適合したノズル部への接続部を有する医療用具に接続可能となっている。具体的には、医療用具接続部72は、ISO594−1に準拠した6%テーパーを有するノズル部となっており、ISO規格準拠の医療用雌型接続部(例えば、注射針等のハブ、三方活栓のポート)が接続可能となっている。
【0024】
そして、本体部71内にシリンジ接続部が形成されている。内筒部76は、図20ないし図27、特に、図24に示すように、シリンジ3のノズル部35の内筒部36を収納可能となっており、収納状態にて両者は液密状態となっている。
本体部71は、図4ないし図12に示すように、内筒部76を被包する筒状外筒部であり、端部にフランジ73を備えている。また、本体部71と内筒部76間に、シリンジのノズル部35の外筒部37を収納可能となっている。本体部71の基端部(フランジ側部分)の内面には、シリンジ3のノズル部35の外筒本体部31の外面に設けられた係合用外側リブ39と係合する係合用内側リブ75を備えている。この実施例のものでは、係合用内側リブ75は、係合用外側リブ39の螺旋形態に対応した短い螺旋状のものとなっている。また、係合用内側リブ75は、図10に示すように、向かい合うように2つ設けられている。本体部71は、側面に設けられ、本体部71の先端(ノズル側)から所定長基端側(フランジ側)に延びる窓部77を備えている。この実施例のものでは、窓部77は、向かい合うように2つ設けられており、内筒部76を外部より視認可能となっている。また、本体部には、側面に設けられた平坦部74とその端部(フランジ側)に設けられたリブ78と、平坦部74の両側部に設けられたスリット79からなる後述する穿刺部材6のコネクター装着部61への装着部を備えている。このため、この実施例の薬剤投与具1では、コネクター7と穿刺部材6は、穿刺部材6のコネクター装着部に装着されたコネクター7が穿刺部材6に対して回転することを規制する。そして、上記の装着部を備えることにより、穿刺部材6のコネクター装着部61に装着されたコネクターの回転を規制しかつ不用意な離脱を防止する。なお、この実施例では、コネクターは、平坦部74、平坦部74の端部(フランジ側)に設けられたリブ78、平坦部74の両側部に設けられたスリット79のそれぞれは、向かい合うように2つ設けられている。
【0025】
次に、穿刺部材6について、図4ないし図7、図13ないし図17、図24および図27を参照して説明する。
穿刺部材6は、一端に薬剤容器4のシール部材42を貫通可能な刃先部を有する中空針状部62と、他端側に設けられ、コネクター7を着脱可能に接続するコネクター装着部61と、中空針状部62の中央部より他端側を被包する筒状のカラー部63とを備えている。
コネクター装着部61は、短い筒状部であり、その一端より、中空針状部62が所定長延びるものとなっており、他端部にフランジ64を備えている。ま。また、中空針状部62は、コネクター装着部61より、外径、内径ともに小さいものとなっている。
コネクター装着部61は、内部にコネクター7のフランジ部付近を除く部分を着脱可能に収納する。なお、コネクター7を穿刺部材6に装着すると、医療用具接続部(ノズル部)72は、図4ないし図7に示すように、中空状針状部62の基端部内に侵入するものとなっている。また、コネクター装着部61内には、コネクター7の穿刺部材6への装着時に、両者間により狭圧されるシール部材99が配置されている。このため、コネクター7は穿刺部材6に液密に装着されている。なお、コネクター7と穿刺部材6間の液密状態の形成は、図4に示すように、中空状針状部62の基端部の内面と、基端部内に侵入した医療用具接続部(ノズル部)72の外面間の接触により形成してもよい。また、コネクター装着部61は、図14に示すように、側面内側に設けられた平坦部95を備えている。また、この実施例では、平坦部95は、向かい合うように2つ設けられている。また、平坦部95は、内面のみならず外面も平坦なものとなっている。さらに、平坦部95の端部(フランジ側)には、スロット(開口部)69が設けられている。このスロット69は、コネクターの平坦部74の端部に設けられたリブ78と係合するものとなっている。この実施例では、スロット69も向かい合うように2つ設けられている。
さらに、穿刺部材6は、コネクター装着部61の中空針状部側に設けられたスロット(開口部)67を備えている。また、この実施例では、スロット67は、向かい合うように2つ設けられている。そして、スロット67の基端側(フランジ側)にリブ98を備えている。リブ98は、コネクター7を穿刺部材6に装着する際、窓部77内に侵入し、窓部77の側壁と係合するものとなっている。この実施例では、リブ98は、スロット67側が高く、基端側(フランジ側)に向かって低くなる傾斜リブとなっている。また、リブ98は、向かい合うように2つ設けられている。
【0026】
カラー部63は、中空針状部62の中央部より他端側を被包する筒状体である。具体的には、カラー部63は、コネクター装着部61の端部より、中空針状部62と平行にかつ中空針状部62の刃先方向に延びており、中空針状部62の中央部を若干越えた位置にて終端している。そして、この実施例のものでは、穿刺部材6は、カラー部63の先端部の内面に設けられた突出部96を備えている。また、この実施例では、突出部96は、向かい合うように2つ設けられている。さらに、カラー部63は、上述した突出部よりコネクター装着部61方向に所定長、具体的には、ほぼコネクター装着部61まで)伸びる、窓部65を備えている。また、この実施例では、窓部65は、向かい合うように2つ設けられている。
この実施例では、中空状針状部62は、図4、図13ないし図17に示すように、先端側より、鋭角の刃先部を形成するテーパー角を有する第1領域と、この第1領域と連続し、なだらかなテーパー角もしくは実質的にテーパー角を持たない第2領域と、この第2領域と連続し、第2領域のテーパー角より所定角大きいテーパー角を有する第3領域と、この第3領域と連続し、なだらかなテーパー角もしくは実質的にテーパー角を持たない第4領域を有するものとなっていることが好ましい。
第1領域のテーパー角(テーパー拡がり角)としては、90°以下が好ましく、長さは、2.0〜5.0mmが好ましい。第2の領域のテーパー角(テーパー拡がり角)としては、0°〜10°が好ましく、長さは、5.0〜20.0mmが好ましい。第3領域のテーパー角(テーパー拡がり角)としては、20°〜90°が好ましく、長さは、2.0〜5.0mmが好ましく、第3領域の開始端は、中空針状部の先端より10〜25mm基端側であることが好ましい。また、第4領域のテーパー角(テーパー拡がり角)としては、0°〜10°が好ましく、長さは、10〜20mmが好ましい。
そして、中空針状部の先端部、具体的には、刃先部の側面に側孔62aが設けられており、中空針状部内と外部とを接続している。
【0027】
次に、ガイド部材5について、図1ないし図7、図18ないし図20、図24ないし図26を参照して説明する。
ガイド部材5は、シール部材42にてシールされた開口部に接続可能な薬剤容器装着部51と、装着部51より延び、かつ、穿刺部材6の中空針状部62が内側にかつカラー部63が外側を移動可能な中空針状部収納用筒状部54とを有する。
薬剤容器装着部51は、比較的大径の短い筒状部となっており、内部に、シール部材42にてシールされた薬剤容器の開口部を収納可能となってる。また、薬剤容器装着部51の側部には、内方に突出し、薬剤容器の開口部の下部(薬剤容器の首部の下部)と係合する爪部58を備えている。また、薬剤容器装着部51の爪部58の上部側(中空針状部収納用筒状部側)は、窓部89となっている。そして、この実施例では、装着部51に易変形性を付与するためのスリット81が設けられている。この実施例では、スリット81は、上記の爪部および窓部の両サイドに装着部の下端より上部側(中空針状部収納用筒状部側)に延びるものとなっている。そして、この実施例では、爪部58、窓部89,スリット81は、向かい合うように2組設けられている。具体的には、スリット81は、図20に示すように4本設けられており、スリット81は、薬剤容器装着部51の上面に到達し、さらに、向かい合うスリット方向に所定長延びるものとなっている。この実施例では、スリット81は、薬剤容器装着部51の側部には、箱状のサイド部55、56が設けられており、ガイド部材51の薬剤容器4への装着時の操作部として機能する。
【0028】
中空針状部収納用筒状部54は、薬剤容器装着部51の上面の中心部より突出する同一外径の筒状部である。この実施例では、ガイド部材5は、中空針状部収納用筒状部54の開口端側の外面に設けられ、中空針状部収納用筒状部54の軸方向かつ薬剤容器装着部51側より中空状針状部収納用筒状部54の端部(自由端)方向に延び、かつ穿刺部材6のカラー部63の突出部96を摺動可能に収納する軸方向溝部86を備えている。そして、この実施例では、さらに、軸方向溝部86内かつ装着部51側に位置し、穿刺部材6の突出部96と係合可能な係合リブ87を備えている。この実施例では、穿刺部材6のガイド部材5からの離脱を抑制する係合部は、穿刺部材6の突出部96とガイド部材5の軸方向溝部86内の係合リブ87とにより構成されている。係合リブ87は、溝部の底面に対して突出するリブ状部分である。穿刺部材6の突出部96は、中空針状部収納用筒状部54の軸方向溝部86を摺動しながら移動し、係合リブ87を乗り越え、軸方向溝端部86aに侵入することにより、係合し、穿刺部材6の離脱(後退)を防止する。
さらに、この実施例では、ガイド部材5は、中空針状部収納用筒状部54の開口端側の外面に設けられ、筒状部54の周方向に延びかつ穿刺部材6の突出部96を摺動可能に収納する周方向溝部85を備えている。この周方向溝部85は、上述した軸方向溝部86の端部とつながっている。さらに、この実施例では、ガイド部材5は、中空針状部収納用筒状部54の外面に設けられた周方向溝部と連続し、中空針状部収納用筒状部54の自由端まで延びかつ穿刺部材6の突出部96を摺動可能に収納する誘導用軸方向溝部88を備えている。このため、中空針状部収納用筒状部54の、中空針状部収納用筒状部54の周方向溝部85への穿刺部材6の突出部96の誘導が容易となる。そして、この実施例では、軸方向溝部86、係合リブ87、周方向溝部85、誘導用軸方向溝部88は、それぞれ向かい合う位置に2つ設けられている。
【0029】
本発明の薬剤投与具1は、コネクター7にシリンジ3を接続し、シリンジ3を押し込むことにより、穿刺部材6はガイド部材5内を進行し、薬剤容器4のシール部材42を刺通する。そして、穿刺部材6とガイド部材5は、穿刺部材6による薬剤容器4のシール部材42への刺通完了後に係合し、穿刺部材6のガイド部材5からの離脱を抑制する係合部を備えている。
この実施例の薬剤投与具1では、穿刺部材6は、上述したように、カラー部63の先端部の内面に設けられた突出部96を備え、ガイド部材5は、中空針状部収納用筒状部54の外面に設けられ、開口端側より装着部51方向に延びかつ穿刺部材6の突出部96を摺動可能に収納する軸方向溝部86と、軸方向溝部86内かつ装着部51側に位置し、穿刺部材6の突出部96と係合可能な係合リブ87を備えている。上記の穿刺部材のガイド部材からの離脱を抑制する係合部は、穿刺部材6の突出部96とガイド部材5の軸方向溝部86内の係合リブ87とにより構成されている。
また、この実施例では、ガイド部材5は、中空状針状部収納用筒状部54の外方に位置し、中空状針状部収納用筒状部54の端部方向(自由端方向)に延びる外側ガイド部52を備えている。そして、穿刺部材6のカラー部63は、外側ガイド部52と中空針状部収納用筒状部54間を移動する。ガイド部材5の外側ガイド部52と穿刺部材6は、穿刺部材6が薬剤容器4のシール部材42への刺通完了後に係合し、穿刺部材6のガイド部材5からの離脱を抑制する係合部(離脱抑制係合部)を備えている。
【0030】
具体的には、この実施例では、ガイド部材5は、弾性変形可能な薄板状部材により形成された外側ガイド部52と、この外側ガイド部52の向かい合うように設けられた第2の外側ガイド部53を備えている。そして、穿刺部材6のカラー部63は、外側ガイド部52および外側ガイド部53の内側かつ中空針状部収納用筒状部54の外側を移動する。そして、外側ガイド部52の自由端側の内面(自由端より若干装着部側の内面)に係合用リブ52aが設けられている。同様に、外側ガイド部53の自由端側の内面(自由端より若干装着部側の内面)にも係合用リブ53aが設けられている。そして、図24に示すように、この係合用リブ52a、53aは、穿刺部材5の平坦部74の端部(フランジ側)に設けられたスロット(開口部)69と係合可能となっている。よって、この実施例の薬剤投与具では、穿刺部材のガイド部材からの離脱を抑制する係合部は、外側ガイド部52,53の係合用リブ52a、53aと、穿刺部材5のスロット(開口部)69とにより構成されている。上述したように、この実施例の薬剤投与具では、穿刺部材のガイド部材からの離脱を抑制する係合部として、2組の構成を有している。このように2組の係合手段を備えることが好ましいが、いずれか一方のみであってもよい。また、穿刺部材6側の係合部は、上述したスロット(開口部)に限定されるものではなく、穿刺部材6の外面に形成された凹部であってもよい。また、外側ガイド部52および外側ガイド部53の自由端側部分は、図3に示すように平板状に大きく広がる拡幅部となっている。
【0031】
そして、この実施例の薬剤投与具1では、上述したように、穿刺部材6は、カラー部63の先端部の内面に設けられた突出部96を備え、ガイド部材5は、中空針状部収納用筒状部54の外面に設けられた周方向溝部85と、周方向溝部85と連続する軸方向溝部86とを備えるとともに、穿刺部材6の突出部96が、ガイド部材5の周方向溝部88内に位置し、穿刺部材6のカラー部63に対する周方向への移動を許容し、かつ、軸方向への移動が規制された状態となっている。このため、この状態では、穿刺部材6は、薬剤容器4のシール部材42を穿刺する方向には移動しないものとなってる。
そして、この実施例の薬剤投与具1では、穿刺部材6は、穿刺部材6をガイド部材5の中空針状部収納用筒状部54の周方向に回転させることにより、穿刺部材6の突出部96が中空針状部収納用筒状部54の軸方向溝部86内に移動し、穿刺部材6のガイド部材5の装着部51方向への移動が可能となるものとなっている。さらに、穿刺部材6の突出部をガイド部材の周方向溝部から軸方向溝部へ移行させるための回転方向は、シリンジ3の外筒31のノズル部35の係合用外側リブ39をコネクター7の外側筒状部71の係合用内側リブ75とを係合させるための回転方向と同じものとなっている。このため、シリンジ3のコネクター7への装着作業であるシリンジの回転操作を行うことにより、継続的(自動的)に、穿刺部材6の突出部が、ガイド部材の周方向溝部から軸方向溝部に移行する。
【0032】
薬剤容器4は、開口部を有する容器本体41と、容器本体41の開口部を封止するシール部材42と、容器本体41内に収納された薬剤43とからなる。
容器本体41としては、開口部を有し、内部に薬剤43を収納可能なものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、硬質もしくは半硬質合成樹脂製容器、ガラス容器などが使用される。開口部をシールするシール部材としては、穿刺部材6の中空針状部62による穿刺(刺通)が可能なものであればどのようなものでもよい。シール部材としては、例えば、弾性を有するゴム(例えば、ブチルゴム、ラテックスゴム、シリコーンゴム、スチレンブタージエンゴムなど)、合成樹脂(例えば、SBSエラストマー、SEBSエラストマー等のスチレン系エラストマー、エチレン−αオレフィン共重合体エラストマー等のオレフィン系エラストマーなど)等を使用することが好ましい。
薬剤としては、プレフィルドシリンジ内に充填される医療用液体(具体的には、溶解液)に溶解するものであれば、粉末状薬剤、凍結乾燥薬剤、固形状薬剤、液状薬剤などどのようなものであってもよい。薬剤としては、例えば、ビターミン剤(総合ビタミン剤)、各種アミノ酸、ヘパリンのような抗血栓剤、インシュリン、抗生物質、抗腫瘍剤、鎮痛剤、強心剤、静注麻酔剤、抗パーキンソン剤、潰瘍治療剤、副腎皮質ホルモン剤、不整脈用剤等が挙げられる。
【0033】
次に、本発明の薬剤投与具および薬剤容器装着済み薬剤投与具の作用を図1、図21ないし図27を用いて説明する。
この例では、薬剤容器装着済み薬剤投与具1が用いられている。
薬剤容器装着済み薬剤投与具1は、図1に示すように、薬剤容器4にアダプター2が装着され、プレフィルドシリンジ3は、ノズル部にキャップ33が装着された状態にて、セットで提供される。
そして、図21に示すように、プレフィルドシリンジ3のキャップ33を取り外した後、シリンジ3のノズル部をアダプター2のコネクター7の後端部内に挿入する。そして、シリンジ3のノズル部をアダプター2のコネクター7の後端部内に挿入後、回転させることにより、シリンジ3のノズル部35の外筒本体部31の外面に設けられた係合用外側リブ39とコネクター7の本体部71の端部内面に設けられた係合用内側リブ75とが係合し、プレフィルドシリンジ3がアダプター2に装着されるとともに、シリンジの先端部にコネクターが装着された状態となる。そして、シリンジの上記の装着のための回転操作を継続することにより、シリンジ3とともにシリンジに装着されたコネクター7およびコネクター7が装着されている穿刺部材6が若干回転(約90度)する。これにより、穿刺部材6のカラー部63の突出部96が、ガイド部材5の中空針状部収納用筒状部54の周方向溝部85から軸方向溝部85に移行する。図22はその状態の外観図でり、図23は、その状態の断面図である。そして、シリンジ3を薬剤容器4方向に押すことにより、図24に示すように、シリンジ3,コネクター7および穿刺部材6は、薬剤容器4方向に進行し、穿刺部材6の中空針状部62は、薬剤容器4のシール部材42を刺通し、その先端部が、薬剤容器内に到達する。そして、シリンジ3のプランジャーを押圧することにより、シリンジ3内の医療用液体(溶解液)が、薬剤容器内に流入する。図25にその状態が図示されている。そして、適宜、混和操作を行った後、図26に示すように、薬剤容器4を上方にして、シリンジ3のプランジャー32を引くことにより、薬剤容器内の薬剤溶解済み液体45は、シリンジ内に回収される。穿刺部材6による薬剤容器4のシール部材42への刺通完了後には、穿刺部材6の突出部96とガイド部材5の軸方向溝部86内の係合リブ87が係合しているため、穿刺部材6のガイド部材5からの離脱が抑制されているので、上記の医療用液体の薬剤容器への注入およびシリンジへの回収作業が容易である。そして、アダプター2のコネクター4はシリンジ3のノズル部に係合しているため、アダプター2よりシリンジ3を引くと、図27に示すように、シリンジ3のノズル部35にコネクター7が装着した状態となるため、コネクター7のノズル部72を用いることにより、一般的な投与手段である注射針ハブ、三方活栓のポートへの接続が可能となり、シリンジ内に回収された薬剤溶解済み医療用液体を直接投与、間接投与など任意の投与形態による投与が可能となる。
【符号の説明】
【0034】
1 薬剤容器装着済み薬剤投与具
2 アダプター
3 プレフィルドシリンジ
4 薬剤容器
5 ガイド部材
6 穿刺部材
7 コネクター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒本体部と、該外筒本体部の先端部に設けられ先端が開口し、かつ、ISO規格に適合したノズル部への接続部を有する医療用具への前記接続部への接続が不能な形態を有するノズル部を備える外筒と、前記ノズル部を封止する封止部材と、前記外筒内に摺動可能に収納されたガスケットと、該ガスケットの後端に取り付けられたもしくは取付可能な押子と、前記外筒内に充填された医療用液体とからなるプレフィルドシリンジと、開口部を有する容器本体と該容器本体の前記開口部を封止するシール部材と前記容器本体内に収納された薬剤とからなる薬剤容器の前記シール部材にてシールされた前記開口部に接続可能なアダプターとからなる薬剤投与具であって、
前記アダプターは、一端側に設けられ、ISO規格に適合したノズル部への接続部を有する医療用具の前記接続部に接続可能な医療用具接続部と、他端側に設けられ、前記プレフィルドシリンジの前記ノズル部が係合可能なシリンジ接続部とを備えるコネクターと、
一端に前記薬剤容器の前記シール部材を貫通可能な刃先部を有する中空針状部と、他端側に設けられ、前記コネクターを着脱可能に接続するコネクター装着部と、前記中空針状部の中央部より他端側を被包する筒状のカラー部とを備える穿刺部材と、
前記シール部材にてシールされた前記開口部に接続可能な薬剤容器装着部と、該装着部より延び、かつ、前記穿刺部材の前記中空針状部が内側にかつ前記カラー部が外側を移動可能な中空針状部収納用筒状部とを有するガイド部材とからなり、
前記穿刺部材と前記ガイド部材は、前記コネクターに前記シリンジを接続した後、前記シリンジを押し込むことにより、前記穿刺部材は前記ガイド部材内を進行し、前記薬剤容器の前記シール部材を刺通するものであり、かつ、前記穿刺部材と前記ガイド部材は、前記穿刺部材による前記薬剤容器の前記シール部材への刺通完了後に係合し、前記穿刺部材の前記ガイド部材からの離脱を抑制する係合部を備えていることを特徴とする薬剤投与具。
【請求項2】
前記ガイド部材は、前記中空状針状部収納用筒状部の外方に位置し、かつ、前記薬剤容器装着部より前記中空状針状部収納用筒状部の端部方向に延びる外側ガイド部を備え、前記穿刺部材の前記カラー部は、前記外側ガイド部と前記中空針状部収納用筒状部との間隙を移動するものであり、かつ、前記ガイド部材の前記外側ガイド部と前記穿刺部材が、前記穿刺部材による前記薬剤容器の前記シール部材への刺通完了後に係合し、前記穿刺部材の前記ガイド部材からの離脱を抑制する係合部を備えている請求項1に記載の薬剤投与具。
【請求項3】
前記穿刺部材は、前記カラー部の先端部の内面に設けられた突出部を備え、前記ガイド部材は、前記中空針状部収納用筒状部の外面に設けられ、前記穿刺部材の前記突出部を摺動可能に収納しかつ前記筒状部の軸方向かつ前記薬剤容器装着部側より前記中空状針状部収納用筒状部の端部方向に延びる軸方向溝部と、該軸方向溝部内かつ前記装着部側に位置し、前記穿刺部材の突出部と係合可能な係合部を備えており、前記穿刺部材による前記薬剤容器の前記シール部材への刺通完了後に係合し、前記穿刺部材の前記ガイド部材からの離脱を抑制する係合部は、前記穿刺部材の突出部と前記ガイド部材の前記軸方向溝部内の前記係合部とにより構成されているものである請求項1または2に記載の薬剤投与具。
【請求項4】
前記穿刺部材は、前記カラー部の先端部の内面に設けられた突出部を備え、前記ガイド部材は、前記中空針状部収納用筒状部の外面に設けられ、前記穿刺部材の前記突出部を摺動可能に収納しかつ前記筒状部の軸方向かつ前記薬剤容器装着部側より前記中空状針状部収納用筒状部の端部方向に延びる軸方向溝部と、該軸方向溝部と連続し、前記筒状部の周方向に延びかつ前記穿刺部材の前記突出部を摺動可能に収納する周方向溝部とを備え、前記穿刺部材の前記突出部は、前記ガイド部材の前記周方向溝部内に位置し、前記穿刺部材の前記カラー部に対する周方向への移動を許容し、かつ、軸方向への移動が規制された状態となっている請求項1ないし3のいずれかに記載の薬剤投与具。
【請求項5】
前記穿刺部材は、該穿刺部材を前記ガイド部材の前記中空針状部収納用筒状部の周方向に回転させることにより、前記穿刺部材の前記突出部が前記中空針状部収納用筒状部の軸方向溝部内に移動し、前記穿刺部材の前記ガイド部材の前記装着部方向への移動が可能となるものである請求項4に記載の薬剤投与具。
【請求項6】
前記外筒は、前記ノズル部に設けられた係合用外側リブを備え、前記コネクターは、外側筒状部と該外側筒状部に形成されるとともに、前記係合用外側リブと係合可能な係合用内側リブとを備え、前記穿刺部材の前記突出部を前記ガイド部材の前記周方向溝部から離脱させるための回転方向は、前記外筒のノズル部の前記係合用外側リブを前記コネクターの前記外側筒状部の係合用内側リブとを係合させるための回転方向と同じである請求項5に記載の薬剤投与具。
【請求項7】
前記穿刺部材の前記ガイド部材からの離脱を抑制する係合部は、前記外側ガイド部の自由端側の内面に設けられたリブと、前記穿刺部材の前記コネクター装着部側に設けられ、前記リブと係合する開口部もしくは凹部により構成されている請求項2ないし6のいずれかに記載の薬剤投与具。
【請求項8】
前記外側ガイド部は、向かい合うように2つ設けられており、かつ、それぞれの前記自由端側の内面に前記リブが設けられており、前記穿刺部材は、前記コネクター装着部側に向かい合うように設けられ、かつ、前記リブと係合する開口部もしくは凹部を備えている請求項7に記載の薬剤投与具。
【請求項9】
前記外筒のノズル部は、前記外筒本体部の先端面より外方に突出する内筒部と、該内筒部を被包するように設けられた外筒部と、該外筒部の外面に設けられた係合用外側リブを備え、前記コネクターは、前記ノズル部の前記内筒部内に侵入可能な内側筒状部と、前記外筒部を収納可能かつ内面に前記係合用外側リブと係合可能な係合用内側リブとを有する外側筒状部とを備えている請求項1ないし8のいずれかに記載の薬剤投与具。
【請求項10】
前記ノズル部の前記内筒部の先端部の外径と前記外筒部の先端部の内径の差は、0.5mm〜1.5mmであり、前記外筒部の先端部の内径は、2〜3mmまたは6〜10mmである請求項9に記載の薬剤投与具。
【請求項11】
前記コネクターと前記穿刺部材は、前記穿刺部材の前記コネクター装着部に装着された前記コネクターが前記穿刺部材に対して回転することを規制する回転規制部を備えている請求項1ないし10のいずれかに記載の薬剤投与具。
【請求項12】
前記穿刺部材は、該穿刺部材を前記ガイド部材の前記中空針状部収納用筒状部の周方向に回転させることにより、前記穿刺部材の前記突出部が前記中空針状部収納用筒状部の前記軸方向溝部内に移動し、前記穿刺部材の前記ガイド部材の前記装着部方向への移動が可能となるものである請求項3ないし11のいずれかに記載の薬剤投与具。
【請求項13】
前記穿刺部材を回転させる前記カラー部の周方向は、前記外筒のノズル部の前記係合用外側リブを前記コネクターの前記外側筒状部の係合用内側リブとを係合させるための回転方向と同じである請求項12に記載の薬剤投与具。
【請求項14】
前記ガイド部材は、前記中空針状部収納用筒状部の外面に設けられた前記周方向溝部と連続し、前記中空針状部収納用筒状部の自由端まで延びかつ前記穿刺部材の前記突出部を摺動可能に収納する誘導用軸方向溝部を備えている請求項4ないし13のいずれかに記載の薬剤投与具。
【請求項15】
前記ガイド部材は、前記薬剤容器装着部に設けられ、該装着部に易変形性を付与するためのスリットを備えている請求項1ないし14のいずれかに記載の薬剤投与具。
【請求項16】
請求項1ないし15のいずれかに記載の薬剤投与具と、前記薬剤容器とからなり、かつ、該薬剤投与具が、前記薬剤容器装着部により前記薬剤容器に装着された状態となっている薬剤容器装着済み薬剤投与具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−72440(P2011−72440A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225637(P2009−225637)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】