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薬剤送達用の治療用ポリ無水物化合物
説明

薬剤送達用の治療用ポリ無水物化合物

【課題】その構造内にカルボン酸基およびアミン基、チオール基、アルコール基またはフェノール基を含む低分子量薬剤分子を連結して重合体薬剤送達システムにするポリ無水物を提供すること。
【解決手段】これらのポリ無水物リンカーを介して重合体薬剤送達システムを生成する方法だけでなく、これらの重合体薬剤送達システムを介して宿主に低分子量薬剤を投与する方法もまた、提供されている。本発明のポリ無水物重合体は、高い溶解性および加工性を示すだけでなく、ラジカル結合または脂肪族結合とは対照的に、加水分解可能な結合(例えば、エステル、アミド、ウレタン、カーバメートおよびカーボネート)を使用することに起因して、分解特性を示す。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の優先権)
本願は、2000年7月27日に出願された米国特許出願第09/627,215号(その内容は、本明細書中で参考として援用されている)の部分継続出願である。
【0002】
(発明の背景)
芳香族無水物または脂肪族無水物を含有する重合体は、種々の用途について、多年にわたって広範囲に研究されている。例えば、1930年代には、繊維工業で使用するために、脂肪族ポリ無水物を含有する繊維が調製された。1950年代中期には、フィルムおよびファィバー形成特性を改良した芳香族ポリ無水物が調製された。さらに最近では、熱安定性および加水分解安定性が高く薬剤持続放出性が大きいポリ無水物を合成する試みがなされている。
【0003】
米国特許第4,757,128号および第4,997,904号は、二酸および酢酸の純粋な単離したプレポリマーから、薬剤持続放出性を改良したポリ無水物を調製することを開示している。しかしながら、それらの生体適合性で生体分解性の芳香族ポリ無水物は、ラジカル結合または脂肪族結合を有し、それにより、さらに多くの親水性モノマー(例えば、セバシン酸)を含有する共重合体に取り込むのでなければ、分解時間が遅い化合物だけでなく、比較的に不溶性の分解生成物が生じる。第’128号特許および第’904号特許で開示された芳香族ポリ無水物はまた、殆どの有機溶媒に不溶性である。米国特許第4,888,176号では、生体分解性の制御放出装置もまた記述されており、これは、脂肪族結合を備えたポリ無水物(これは、20,000より大きい重量平均分子量および0.3dL/gより高い固有の粘度を有する)および生体活性物質から、均一重合体マトリックスとして、生成される。米国特許第4,857,311号では、生物活性化合物を制御して放出する他の生体分解性マトリックス材料が開示されており、これは、脂肪族残基および芳香族残基が均一に分布したポリ無水物重合体を含有する。
【0004】
米国特許第5,264,540号では、創傷閉合装置で使用するためにパラ置換ビス芳香族ジカルボン酸から調製された生体適合性で生体分解性の芳香族ポリ無水物が開示されている。しかしながら、これらの化合物は、融解温度およびガラス転移温度が高く、溶解性が低いので、それにより、加工が困難となる。開示されたポリ無水物はまた、水では加水分解できないラジカル結合または脂肪族結合を含む。
【0005】
整形外科用途および歯科用途で使用するためのポリ無水物重合体マトリックスもまた、記述されている。例えば、米国特許第4,886,870号は、補綴および移植で有用な生体分解性物品を開示しており、これは、生体分解性で親水性のポリ無水物マトリックスを含有する。米国特許第5,902,599号はまた、種々の歯科用途および整形外科用途で使用する生体分解性重合体ネットワークを開示しており、これは、無水物プレポリマーを重合させることにより、形成される。
【0006】
現在では、分解特性、加工特性および溶解性を改良しただけでなくそれらの分解生成物に基づいた有用性を有する生体適合性で生体分解性のポリ無水物が開発されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、高分子薬剤送達システムに入れる重合体骨格連結薬剤分子として働く生体適合性で生物分解性のポリ無水物を提供する。本発明のポリ無水物重合体は、高い溶解性および加工性を示すだけでなく、ラジカル結合または脂肪族結合とは対照的に、加水分解可能な結合(例えば、エステル、アミド、ウレタン、カーバメートおよびカーボネート)を使用することに起因して、分解特性を示す。このポリ無水物骨格は、加水分解すると治療活性化合物を生じる1個またはそれ以上の基を有する。本発明の重合体は、その骨格中にて、1個またはそれ以上の式(I)の単位を含む:
−C(=O)R−X−R−X−R−C(=O)−O− (I)
ここで、各Rは、上記重合体を加水分解すると治療活性化合物を生じる基である;各Xは、別個に、アミド連鎖、チオエステル連鎖またはエステル連鎖である;そしてRは、連結基である;但し、上記治療活性化合物は、オルトヒドロキシアリールカルボン酸ではない。
【0008】
本発明のポリ無水物は、低分子量薬剤分子を連結するのに使用され、この分子は、その分子構造内に、1個のカルボン酸基および少なくとも1個のアミン基、チオール基、アルコール基またはフェノール基を含む。従って、式(I)のポリ無水物は、これらの低分子量の薬剤を含有する高分子薬剤送達システムの重合体骨格として働く。
【0009】
それゆえ、本発明はまた、式(I)のポリ無水物および低分子量薬剤分子を含有する組成物、上記組成物を生成する方法および上記組成物を使用する方法に関し、上記分子は、その構造内に、1個のカルボン酸基および少なくとも1個のアミン基、チオール基、アルコール基またはフェノール基を含み、ここで、上記薬剤の分子は、上記ポリ無水物を介して、互いに連結される。これらの高分子薬剤送達システムは、宿主の任意の部位に制御した様式で薬剤を送達する効果的な手段を提供する。「宿主」との用語は、動物および植物の両方を含むことを意味する。
【0010】
本発明はまた、本発明の重合体および薬学的に受容可能なキャリアを含有する薬学的組成物を提供する。
【0011】
本発明はまた、動物の疾患を治療する治療方法を提供し、上記方法は、このような治療が必要な動物に、本発明の重合体の有効量を投与する工程を包含する。
【0012】
本発明はまた、宿主に生体活性化合物を送達する方法を提供し、上記方法は、上記宿主に、本発明の生体適合性で生体分解性の重合体(これは、上記生体活性化合物に分解する)を投与する工程を包含する。
【0013】
本発明は、医学療法で使用する本発明の重合体だけでなく、哺乳動物(例えば、ヒト)の疾患を治療するのに有用な医薬を製造するための本発明の重合体の使用を提供する。
【0014】
本発明はまた、本発明の重合体を調製するのに有用な方法および中間体(これらは、本明細書中で開示されている)を提供する。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1) 骨格を含む重合体であって、ここで、該骨格は、無水物連鎖を含み、ここで、該骨格は、該重合体を加水分解すると生体活性化合物を生じる1個またはそれ以上の基を含有するが、但し、該生体活性化合物は、オルトヒドロキシアリールカルボン酸ではない、重合体。
(項目2) 前記骨格中にて、1個またはそれ以上の式(I)の単位を含む、項目1に記載の重合体であって:
−C(=O)R−X−R−X−R−C(=O)−O− (I)
ここで、
各Rは、該重合体を加水分解すると生体活性化合物を生じる基であるが、但し、該生体活性化合物は、オルトヒドロキシアリールカルボン酸ではない;
各Xは、別個に、アミド連鎖、チオエステル連鎖またはエステル連鎖である;そして
は、連結基である、重合体。
(項目3) 前記生体活性化合物が、非ステロイド抗炎症薬、抗菌薬、抗真菌薬、抗癌薬、抗血栓薬または免疫抑制薬である、項目1または2に記載の重合体。
(項目4) 前記生体活性化合物が、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、アセクロフェナック、アセジアスルホン、アルミノプロフェン、アンフェナク、アモキシシリン、アンホテリシンB、アンピシリン、アパルシリン、アピサイクリン、アスポキシリン、アザセリン、アズトレオナム、バンバーマイシン類、ビアペネム、ブロモフェナク、ブシラミン、ブマジゾン、カンジシジン類、カルベニシリン、カルプロフェン、カルモナム、カルジノフィリンA、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、セフブペラゾン、セフクリジン、セフジニル、セフジトレン、セフェピム、セフェタメト、セフィキシム、セフメノキシム、セフミノクス、セフォジジム、セフォニシド、セホペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォテタン、セホチアム、セホゾプラン、セフピミゾール、セフピラミド、セフピロム、セフプロジル、セフロキサジン、セフタジジム、セフテラム、セフチブテン、セフトリアキソン、セフゾナム、セファレキシン、セファログリシン、セファロスポリンC、セファラジン、シプロフロキサシン、クリナフロキサシン、シクラシリン、デノプテリン、ジクロフェナク、エダトレキセート、エフロルニチン、エンフェナミック酸、エノキサシン、エピシリン、エトドラック、フロモキセフ、フルフェナム酸、グレパフロキサシン、ヘタシリン、イミペネム、ロメフロキサシン、ルセンソマイシン、リメサイクリン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メルファラン、メロペネム、メトトレキセート、モキサラクタム、ムピロシン、ミコフェノール酸、ナジフロキサシン、ナタマイシン、ニフルム酸、ノルフロキサシン、ニスタチン、オキサセプロール、パニペネム、パズフロキサシン、ペニシリンN、ピペミド酸、ポドフィリン酸2−エチルヒドラジド、プロコダゾール、プテロプテリン、キナシリン、リチペネム、ロムルチド、S−アデノシルメチオニン、サラゾスルファジミジン、スパルフロキサシン、ストレプトニグリン、スクシスルホン、スルファクリソイジン、スルファロン酸、テイコプラニン、テマフロキサシン、テモシリン、チカルシリン、チゲモナム、トルフェナム酸、N−[[5−[[(1,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソ−6−キナゾリニル)メチル]メチルアミノ]−2−チエニル]カルボニル]−L−グルタミン酸、トスフロキサシン、トロバフロキサシン、ウベニメクスまたはバンコマイシンである、項目1または2に記載の重合体。
(項目5) 前記抗菌化合物が、アセジアスルホン、アンフェナク、アモキシシリン、アンピシリン、アパルシリン、アピサイクリン、アスポキシリン、アズトレオナム、バンバーマイシン類、ビアペネム、カルベニシリン、カルモナム、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、セフブペラゾン、セフクリジン、セフジニル、セフジトレン、セフェピム、セフェタメト、セフィキシム、セフメノキシム、セフミノクス、セフォジジム、セフォニシド、セホペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォテタン、セホチアム、セホゾプラン、セフピミゾール、セフピラミド、セフピロム、セフプロジル、セフロキサジン、セフタジジム、セフテラム、セフチブテン、セフトリアキソン、セフゾナム、セファレキシン、セファログリシン、セファロスポリンC、セファラジン、シプロフロキサシン、クリナフロキサシン、シクラシリン、エノキサシン、エピシリン、フロモキセフ、グレパフロキサシン、ヘタシリン、イミペネム、ロメフロキサシン、リメサイクリン、メロペネム、モキサラクタム、ムピロシン、ナジフロキサシン、ノルフロキサシン、パニペネム、パズフロキサシン、ペニシリンN、ピペミド酸、キナシリン、リチペネム、サラゾスルファジミジン、スパルフロキサシン、スクシスルホン、スルファクリソイジン、スルファロン酸、テイコプラニン、テマフロキサシン、テモシリン、チカルシリン、チゲモナム、トスフロキサシン、トロバフロキサシンまたはバンコマイシンである、項目3に記載の重合体。
(項目6) 前記抗真菌化合物が、アンホテリシンB、アザセリン、カンジシジン類、ルセンソマイシン、ナタマイシンまたはニスタチンである、項目3に記載の重合体。
(項目7) 前記抗癌化合物が、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、アザセリン、カルジノフィリンA、デノプテリン、エダトレキセート、エフロルニチン、メルファラン、メトトレキセート、ミコフェノール酸、ポドフィリン酸2−エチルヒドラジド、プテロプテリン、ストレプトニグリン、N−[[5−[[(1,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソ−6−キナゾリニル)メチル]メチルアミノ]−2−チエニル]カルボニル]−L−グルタミン酸またはウベニメクスである、項目3に記載の重合体。
(項目8) 前記免疫抑制化合物が、ブシラミン、ミコフェノール酸、プロコダゾール、ロムルチドまたはウベニメクスである、項目3に記載の重合体。
(項目9) 前記非ステロイド抗炎症化合物が、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、アセクロフェナック、アルミノプロフェン、ブロムフェナック、ブマジゾン、カルプロフェン、ジクロフェナク、エンフェナミック酸、エトドラック、フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸、オキサセプロール、S−アデノシルメチオニンまたはトルフェナム酸である、項目3に記載の重合体。
(項目10) 前記生体活性化合物が、アモキシシリンまたはセファレキシンである、項目4に記載の重合体。
(項目11) 前記生体活性化合物が、カルビドパまたはレボドパである、項目4に記載の重合体。
(項目12) 本明細書中で図示した式(II)または(III)の重合体である、項目2に記載の重合体。
(項目13) Rが、1〜25個の炭素原子を有する二価の分枝または非分枝の飽和または不飽和炭化水素鎖であり、ここで、該炭素原子の1個またはそれ以上(例えば、1、2、3または4個)が、必要に応じて、(−O−)または(−NR−)で置換され、そして該鎖が、必要に応じて、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルカノイルオキシ、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルチオ、アジド、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールおよびヘテロアリールオキシからなる群から選択される1個またはそれ以上(例えば、1、2、3または4個)の置換基で炭素上で置換されている、項目2に記載の重合体。
(項目14) Rが、1〜25個の炭素原子を有する二価の分枝または非分枝の飽和または不飽和炭化水素鎖であり、ここで、該鎖が、必要に応じて、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルカノイルオキシ、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルチオ、アジド、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールおよびヘテロアリールオキシからなる群から選択される1個またはそれ以上(例えば、1、2、3または4個)の置換基で炭素上で置換されている、項目2に記載の重合体。
(項目15) Rが、ペプチドである、項目2に記載の重合体。
(項目16) Rが、アミノ酸である、項目2に記載の重合体。
(項目17) Rが、1〜25個の炭素原子を有する二価の分枝または非分枝の飽和または不飽和炭化水素鎖であり、ここで、該炭素原子の1個またはそれ以上(例えば、1、2、3または4個)が、必要に応じて、(−O−)または(−NR−)で置換されている、項目2に記載の重合体。
(項目18) Rが、3〜15個の炭素原子を有する二価の分枝または非分枝の飽和または不飽和炭化水素鎖であり、ここで、該炭素原子の1個またはそれ以上(例えば、1、2、3または4個)が、必要に応じて、(−O−)または(−NR−)で置換され、そして該鎖が、必要に応じて、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルカノイルオキシ、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルチオ、アジド、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールおよびヘテロアリールオキシからなる群から選択される1個またはそれ以上(例えば、1、2、3または4個)の置換基で置換されている、項目2に記載の重合体。
(項目19) Rが、3〜15個の炭素原子を有する二価の分枝または非分枝の飽和または不飽和炭化水素鎖であり、ここで、該炭素原子の1個またはそれ以上(例えば、1、2、3または4個)が、必要に応じて、(−O−)または(−NR−)で置換されている、項目2に記載の重合体。
(項目20) Rが、3〜15個の炭素原子を有する二価の分枝または非分枝の飽和または不飽和炭化水素鎖である、項目2に記載の重合体。
(項目21) Rが、3〜15個の炭素原子を有する二価の分枝または非分枝炭化水素鎖である、項目2に記載の重合体。
(項目22) Rが、6〜10個の炭素原子を有する二価の分枝または非分枝炭化水素鎖である、項目2に記載の重合体。
(項目23) Rが、7、8または9個の炭素原子を有する二価炭化水素鎖である、項目2に記載の重合体。
(項目24) Rが、8個の炭素原子を有する二価炭化水素鎖である、項目2に記載の重合体。
(項目25) さらに、前記重合体のマトリックス中に分散された他の治療薬を含有する、項目1に記載の重合体。
(項目26) さらに、前記重合体骨格に取り付けた他の治療薬を含有する、項目1に記載の重合体。
(項目27) 項目1に記載の重合体および薬学的に受容可能なキャリアを含有する、薬学的組成物。
(項目28) 動物の疾患を治療する治療方法であって、このような治療が必要な動物に、項目1に記載の重合体の有効量を投与する工程を包含する、方法。
(項目29) 動物に抗菌効果を生じる治療方法であって、このような治療が必要な動物に、項目5に記載の重合体の有効量を投与する工程を包含する、方法。
(項目30) 動物に抗真菌効果を生じる治療方法であって、このような治療が必要な動物に、項目6に記載の重合体の有効量を投与する工程を包含する、方法。
(項目31) 癌を治療する治療方法であって、このような治療が必要な動物に、項目7に記載の重合体の有効量を投与する工程を包含する、方法。
(項目32) 動物に抗炎症効果を生じる治療方法であって、このような治療が必要な動物に、項目9に記載の重合体の有効量を投与する工程を包含する、方法。
(項目33) 生体活性化合物に分解する生体適合性で生体分解性のポリエステルまたはポリアミドを生成する方法であって、該生体活性化合物は、カルボン酸基またはビス(アシル)クロライドを備えた少なくとも2個のアルコール基またはフェノール基または少なくとも2個のアミン基を含有する生体活性化合物を共重合する工程を包含する、方法。
(項目34) 宿主に生体活性化合物を送達する方法であって、該宿主に、項目1に記載の生体適合性で生体分解性のポリエステルまたはポリアミドを投与する工程を包含する、方法。
(項目35) 医学療法で使用するための、項目1に記載の重合体。
(項目36) 哺乳動物(例えば、ヒト)の疾患を治療するのに有用な医薬を製造するための、項目1に記載の重合体の使用。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(発明の詳細な説明)
(定義)
他に述べられていなければ、以下の定義を使用する:ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである。アルキル、アルコキシなどは、直鎖基および分枝鎖基の両方を意味する;しかし、個々のラジカル(例えば、プロピル)の言及は、その直鎖基だけを含み、「イソプロピル」のような分枝鎖異性体は、具体的に言及する。アリールは、フェニルラジカルまたはオルト縮合二環式炭素環ラジカル(これは、約9個〜10個の環原子を有し、ここで、少なくとも1個の環は、芳香族である)を意味する。ヘテロアリールは、炭素および1〜4個のヘテロ原子(各々は、過酸化水素を含まない酸素、イオウおよびN(X)からなる群から選択され、ここで、Xは、存在しないか、またはH、O、(C〜C)アルキル、フェニルまたはベンジルである)からなる5個または6個の環原子を含有する一環式芳香環の環炭素を介して結合されたラジカルだけでなく、そこから誘導した約8〜10個の環原子のオルト縮合二環式複素環ラジカル(特に、ベンズ誘導体、すなわち、プロピレン、トリメチレンまたはテトラメチレンジラジカルをそこに縮合することにより誘導したもの)を含む。
【0016】
エステル連鎖との用語は、−OC(=O)−または−C(=O)O−を意味する;チオエステルとの用語は、−SC(=O)−または−C(=O)S−を意味する;そしてアミド連鎖との用語は、−N(R)C(=O)−または−C(=O)N(R)−を意味し、ここで、各Rは、適切な有機ラジカル(例えば、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C〜C)アルキルまたはヘテロアリール(C〜C)アルキル)である。ウレタン連鎖またはカーバメート連結との用語は、−OC(=O)N(R)−または−N(R)C(=O)O−を意味し、ここで、各Rは、適切な有機ラジカル(例えば、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C〜C)アルキルまたはヘテロアリール(C〜C)アルキル)であり、そしてカーボネート連鎖との用語は、−OC(=O)O−を意味する。
【0017】
「アミノ酸」と用語は、D形状またはL形状の天然アミノ酸(例えば、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Glu、Gln、Gly、His、Hyl、Hyp、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびVal)の残基だけでなく、非天然アミノ酸(例えば、ホスホセリン、ホスホトレオニン、ホスホチロシン、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタメート;馬尿酸、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、スタチン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、ペニシラミン、オルニチン、シトルリン、α−メチルアラニン、パラ−ベンゾイルフェニルアラニン、フェニルグリシン、プロパルギルグリシン、サルコシンおよび第三級ブチルグリシン)を含む。この用語はまた、通常のアミノ保護基(例えば、アセチルまたはベンジルオキシカルボニル)を有する天然および非天然アミノ酸だけでなく、そのカルボキシ末端で保護された天然および非天然アミノ酸(例えば、(C〜C)アルキル、フェニルまたはベンジルエステルまたはアミドとして;あるいはα−メチルベンジルアミドとして)を含む。他の適切なアミノおよびカルボキシ保護基は、当業者に公知である(例えば、Greene,T.W.;Wutz,P.G.M.「Protecting Groups In Organic Synthesis」2版、1991,New York,John Wiley & sons,Inc.(その内容は、本明細書中で参考として援用されている)を参照)。
【0018】
「宿主」との用語は、動物および植物を含む。
【0019】
「ペプチド」との用語は、2〜35個のアミノ酸(例えば、上で定義したもの)またはペプチジル残基の配列を示す。この配列は、直鎖または環状であり得る。例えば、環状ペプチドは、配列中の2個のシステイン残基間でのジスルフィド架橋の形成から調製できるかそこから生じ得る。好ましくは、ペプチドは、3〜20個または5〜15個のアミノ酸を含有する。ペプチド誘導体は、米国特許第4,612,302号;第4,853,371号;および第4,684,620号で開示されたように、または以下の実施例で記述するように、調製できる。本明細書中で具体的に列挙したペプチド配列では、左にアミノ末端を記載し、そして右にカルボキシル末端を記載している。
【0020】
(本発明の重合体)
本発明の生体適合性で生体分解性のポリ無水物は、生体活性化合物の送達が望ましい種々の用途で有用である。このような用途の例には、医療用途、歯科用途および化粧品用途が挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
本発明の重合体は、有益な物理的および化学的特性を備えた種々の有用な生成物を生成する合成重合体の分野で通例使用される方法に従って、調製され得る。これらの重合体は、ペーストまたは溶媒キャストに容易に加工でき、種々の医用移植片の設計用の異なる外形を備えたフィルム、被覆、微小球体および繊維が得られ、また、圧縮成形および押出で加工され得る。
【0022】
医用移植片用途には、成形品(例えば、血管グラフトおよびステント、骨板、縫合、移植可能センサ、移植可能薬剤送達装置、組織再生用ステント、および公知の時間以内に非毒性成分に分解する他の製品)を形成するためのポリ無水物の使用が挙げられる。
【0023】
本発明の重合体はまた、経口処方および製品(例えば、局所用途のための保湿剤、洗剤、パッド、硬膏、ローション、クリーム、ゲル、軟膏、溶液、シャンプー、日焼け製品および口紅)に取り込むことができる。
【0024】
本発明は、適切に機能化した生体活性化合物から調製した単独重合体を提供するものの、出願人は、1種またはそれ以上の生体活性化合物を含有する重合体の機械的特性および加水分解特性がその重合体骨格に連結基(R)を改変することにより制御できることを発見した。
【0025】
好ましくは、本発明の重合体は、骨格を含み、ここで、生体活性化合物およびリンカー基(R)は、エステル連鎖、チオエステル連鎖、アミド連鎖またはそれらの混合物を介して、共に結合される。このエステル連鎖、チオエステル連鎖および/またはアミド連鎖が存在に起因して、これらの重合体は、生理学的な条件下にて加水分解でき、これらの生体活性化合物を提供する。それゆえ、本発明の重合体は、生体活性化合物の制御放出源として、または生体活性化合物を選定部位に局所送達する媒体として、特に有用であり得る。例えば、本発明の重合体は、患者の体内(すなわち、腫瘍内またはその近く)にある選定部位に治療薬を局所送達するのに使用でき、この場合、この重合体の分解により、この治療薬の局在化し制御した放出が得られる。
【0026】
現在、低分子量薬剤分子用のリンカーとして働く生体分解性で生体適合性のポリ無水物が開発されている。本発明のポリ無水物を介して低分子量薬剤を連結した組成物は、種々の用途で有用であり、ここで、制御した様式で薬剤を送達するのが望ましい。本発明の目的上、「低分子量薬剤」とは、それらの分子構造内に、1個のカルボン酸基および少なくとも1個のアミン基、チオール基、アルコール基またはフェノール基を有する任意の化合物を含むことを意味し、ここで、この化合物は、立証された生理学的活性および約1000ダルトン以下の分子量を有する。
【0027】
1実施形態では、本発明のポリ無水物は、Conix,Macromol.Synth.,2,95〜99(1996)で記述された方法により、調製される。この方法では、ジカルボン酸は、還流温度で、過剰の無水酢酸中にて、アセチル化されるのに続いて、得られたカルボン酸無水物は、180℃で、2〜3時間にわたって、融解縮合される。得られた重合体は、塩化メチレンからジエチルエーテルへと沈殿させることにより、単離される。記述した方法は、事実上、ビス芳香族ジカルボン酸無水物を芳香族ポリ無水物へと重合する通常の方法である。
【0028】
本発明のポリ無水物は、約1500ダルトンから約100,000ダルトンまでの平均分子量(これは、狭い分子量のポリスチレン標準と比較して、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により算出される)を有する。好ましい芳香族ポリ無水物は、約1500ダルトンから約50,000ダルトンまでの平均分子量(これは、狭い分子量のポリスチレン標準と比較して、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により算出される)を有する。好ましいアゾ重合体は、約1500ダルトンから約35,000ダルトンまでの平均分子量を有する。
【0029】
(生体活性化合物)
本発明のポリ無水化合物は、複数の低分子量薬剤用の分解性高分子薬剤送達システムの重合体骨格として働くことができることを見出した。これらのポリ無水物を介して分解性共重合体に連結できる薬剤は、以下の特性を有する。これらの薬剤は、約1,000ダルトン以下の比較的に低い分子量を有する。この薬剤は、その分子構造内に、1個のカルボン酸基を含有しなければならない。それに加えて、この薬剤は、その構造内に、少なくとも1個のカルボン酸(−COOH)基、アミン(−NHR)基、チオール(−SH)基、アルコール(−OH)基またはフェノール(−Ph−OH)基を含有しなければならない。
【0030】
「生体活性化合物」との用語は、動物(例えば、哺乳動物(例えば、ヒト))に投与したときに治療上望ましい効果を生じる治療薬を含む。本発明の重合体に取り込むことができる生体活性化合物には、適切に機能化した鎮痛薬、麻酔薬、抗パーキンソン病薬、抗感染薬、抗ざ瘡薬、抗生物質、抗コリン作用薬、抗凝血薬、抗痙攣薬、抗糖尿病薬、抗運動障害薬、抗繊維形成薬、抗真菌薬、抗緑内障薬、抗炎症薬、抗新生物薬、抗骨粗鬆症薬、抗パジェット病薬、抗胞子薬(antisporatics)、下熱剤、防腐剤/消毒薬、抗血栓薬、骨吸収阻害剤、カルシウム調節剤、心保護薬、心血管薬、中枢神経刺激薬、コリンエステラーゼ阻害剤、避妊薬、脱臭剤、ドーパミンレセプタアゴニスト、勃起障害薬、排卵誘発剤、胃腸薬、痛風薬、ホルモン、催眠薬、免疫調節薬、免疫抑制薬、角質溶解薬、偏頭痛薬、酔い止め薬、筋弛緩剤、ヌクレオシド類似物、肥満治療薬、点眼薬、骨粗鬆症治療薬、副交感神経遮断薬、副交感神経作動薬、プロスタグランジン、精神治療薬、呼吸器薬、硬化薬、鎮静薬、皮膚および粘膜薬、喫煙停止薬、交感神経遮断薬、合成抗菌薬、紫外線遮断薬、尿路薬、膣薬および血管拡張薬が挙げられる(Physicians’Desk Reference,55版、2001,Medical Economics Company,Inc.,Montvale,New Jersey,201〜202ページを参照)。
【0031】
好ましい実施形態では、その構造内に必要な官能基を備えた低分子量薬剤の適切な例は、以下を含めた(それらに限定されないが)殆ど全ての種類の薬剤で見出される:鎮痛薬、麻酔薬、抗ざ瘡薬、抗生物質、合成抗菌薬、抗コリン作用薬、抗凝血薬、抗運動障害薬、抗繊維形成薬、抗真菌薬、抗緑内障薬、抗炎症薬、抗新生物薬、抗骨粗鬆症薬、抗パジェット病薬、抗パーキンソン病薬、抗胞子薬、下熱剤、防腐剤/消毒薬、抗血栓薬、骨吸収阻害剤、カルシウム調節剤、角質溶解薬、硬化薬および紫外線遮断薬。
【0032】
これらの生体活性化合物はまた、その重合体の特性を改良する(例えば、分枝する、架橋する、この重合体に他の分子(例えば、他の生体活性化合物)を付加する、この重合体の溶解性を変える、またはこの重合体の生体内分布を引き起こす)のに使用できる他の官能基(これらは、水酸基、メルカプト基、アミン基およびカルボン酸ならびに他のものが挙げられる)を含有できる。治療薬の一覧表は、例えば、以下で見られる:Physicians’Desk Reference,55版、2001,Medical Economics Company,Inc.,Montvale,New Jersey;USPN Dictionary of USAN and International Drug Names,2000,The United States Pharmacopeial Convention,Inc.,Rockville,Maryland;およびThe Merck Index,12版、1996,Merck & Co.,Inc.,Whitehouse Station,New Jersey。当業者は、本発明の重合体に取り込むのに必要な官能基を有する治療薬をこれらの一覧表から容易に選択できる。
【0033】
本発明で使用するのに適切な抗菌化合物の例には、4−スルファニルアミドサリチル酸、アセジアスルホン、アンフェナク、アモキシシリン、アンピシリン、アパルシリン、アピサイクリン、アスポキシリン、アズトレオナム、バンバーマイシン類、ビアペネム、カルベニシリン、カルモナム、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、セフブペラゾン、セフクリジン、セフジニル、セフジトレン、セフェピム、セフェタメト、セフィキシム、セフメノキシム、セフミノクス、セフォジジム、セフォニシド、セホペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォテタン、セホチアム、セホゾプラン、セフピミゾール、セフピラミド、セフピロム、セフプロジル、セフロキサジン、セフタジジム、セフテラム、セフチブテン、セフトリアキソン、セフゾナム、セファレキシン、セファログリシン、セファロスポリンC、セファラジン、シプロフロキサシン、クリナフロキサシン、シクラシリン、エノキサシン、エピシリン、フロモキセフ、グレパフロキサシン、ヘタシリン、イミペネム、ロメフロキサシン、リメサイクリン、メロペネム、モキサラクタム、ムピロシン、ナジフロキサシン、ノルフロキサシン、パニペネム、パズフロキサシン、ペニシリンN、ピペミド酸、キナシリン、リチペネム、サラゾスルファジミジン、スパルフロキサシン、スクシスルホン、スルファクリソイジン、スルファロン酸、テイコプラニン、テマフロキサシン、テモシリン、チカルシリン、チゲモナム、トスフロキサシン、トロバフロキサシン、バンコマイシンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
本発明で使用するのに適切な抗真菌化合物の例には、アンホテリシンB、アザセリン、カンジシジン類、ルセンソマイシン、ナタマイシン、ニスタチンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
本発明で使用するのに適切な抗新生物化合物の例には、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、アザセリン、カルジノフィリンA、デノプテリン、エダトレキセート、エフロルニチン、メルファラン、メトトレキセート、ミコフェノール酸、ポドフィリン酸2−エチルヒドラジド、プテロプテリン、ストレプトニグリン、Tomudex(登録商標)(N−[[5−[[(1,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソ−6−キナゾリニル)メチル]メチルアミノ]−2−チエニル]カルボニル]−L−グルタミン酸)、ウベニメクスなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
本発明で使用するための抗血栓化合物の例には、アルガトロバン、イロプロスト、ラミフィバン、タプロステン、チロフィバンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
本発明で使用するのに適切な免疫抑制化合物の例には、ブシラミン、ミコフェノール酸、プロコダゾール、ロムルチド、ウベニメクスなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
本発明で使用するのに適切なNSAID化合物の例には、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、アセクロフェナック、アルミノプロフェン、ブロムフェナック、ブマジゾン、カルプロフェン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エンフェナム酸、エトドラック、フェンドサール、フルフェナム酸、ゲンチジン酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メサラミン、ニフルム酸、オルサラジン、オキサセプロール、S−アデノシルメチオニン、サリチル酸、サルサラート、スルファサラジン、トルフェナム酸などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
(連結基「R」)
本発明の重合体内の連結基「R」の性質は、本発明の重合体が選択した治療用途に受容可能な機械的特性および放出動態を有するという条件で、重要ではない。連結基Rは、典型的には、約25ダルトン〜約400ダルトンの分子量を有する二価有機ラジカルである。さらに好ましくは、Rは、約40ダルトン〜約200ダルトンの分子量を有する。
【0040】
連結基Rは、典型的には、標準結合長および角度を使用して、約5オングストローム〜約100オングストロームの長さを有する。さらに好ましくは、連結基Rは、約10オングストローム〜約50オングストロームの長さを有する。
【0041】
この連結基は、生体不活性であり得るか、またはそれ自体、生体活性を有し得る。この連結基はまた、その重合体の特性を改良する(例えば、分枝する、架橋する、この重合体に他の分子(例えば、他の生体活性化合物)を付加する、この重合体の溶解性を変える、またはこの重合体の生体内分布を引き起こす)のに使用できる他の官能基(これらは、水酸基、メルカプト基、アミン基、カルボン酸ならびに他のものが挙げられる)を含有できる。
【0042】
(特定値および好ましい値)
ラジカル、置換基、基および範囲について本明細書中で記載した特定値および好ましい値は、例示のためのみである;それらは、他の規定値、またはこれらのラジカルおよび置換基について規定した範囲内の他の値を除外するものではない。
【0043】
具体的には、(C〜C)アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二級ブチル、ペンチル、3−ペンチルまたはヘキシルであり得る;(C〜C)シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり得る;(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルは、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロプロピルエチル、2−シクロブチルエチル、2−シクロペンチルエチルまたは2−シクロヘキシルエチルであり得る;(C〜C)アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、第二級ブトキシ、ペントキシ、3−ペントキシまたはヘキシルオキシであり得る;(C〜C)アルカノイルは、アセチル、プロパノイルまたはブタノイルであり得る;(C〜C)アルコキシカルボニルは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニルまたはヘキシルオキシカルボニルであり得る;(C〜C)アルキルチオは、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、ペンチルチオまたはヘキシルチオであり得る;(C〜C)アルカノイルオキシは、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、イソブタノイルオキシ、ペンタノイルオキシまたはヘキサノイルオキシであり得る;アリールは、フェニル、インデニルまたはナフチルであり得る;そしてヘテロアリールは、フリル、イミダゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピロリル、ピラジニル、テトラゾリル、ピリジル(またはそのN−オキシド)、チエニル、ピリミジニル(またはそのN−オキシド)、インドリル、イソキノリル(またはそのN−オキシド)またはキノリル(またはそのN−オキシド)であり得る。
【0044】
本発明の重合体に取り込むことができる特定の生体活性化合物は、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、アセクロフェナック、アセジアスルホン、アルミノプロフェン、アンフェナク、アモキシシリン、アンホテリシンB、アンピシリン、アパルシリン、アピサイクリン、アスポキシリン、アザセリン、アズトレオナム、バンバーマイシン類、ビアペネム、ブロムフェナック、ブシラミン、ブマジゾン、カンジシジン類、カルベニシリン、カルプロフェン、カルモナム、カルジノフィリンA、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、セフブペラゾン、セフクリジン、セフジニル、セフジトレン、セフェピム、セフェタメト、セフィキシム、セフメノキシム、セフミノクス、セフォジジム、セフォニシド、セホペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォテタン、セホチアム、セホゾプラン、セフピミゾール、セフピラミド、セフピロム、セフプロジル、セフロキサジン、セフタジジム、セフテラム、セフチブテン、セフトリアキソン、セフゾナム、セファレキシン、セファログリシン、セファロスポリンC、セファラジン、シプロフロキサシン、クリナフロキサシン、シクラシリン、デノプテリン、ジクロフェナク、エダトレキセート、エフロルニチン、エンフェナム酸、エノキサシン、エピシリン、エトドラック、フロモキセフ、フルフェナム酸、グレパフロキサシン、ヘタシリン、イミペネム、ロメフロキサシン、ルセンソマイシン、リメサイクリン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メルファラン、メロペネム、メトトレキセート、モキサラクタム、ムピロシン、ミコフェノール酸、ナジフロキサシン、ナタマイシン、ニフルム酸、ノルフロキサシン、ニスタチン、オキサセプロール、パニペネム、パズフロキサシン、ペニシリンN、ピペミド酸、ポドフィリン酸2−エチルヒドラジド、プロコダゾール、プテロプテリン、キナシリン、リチペネム、ロムルチド、S−アデノシルメチオニン、サラゾスルファジミジン、スパルフロキサシン、ストレプトニグリン、スクシスルホン、スルファクリソイジン、スルファロン酸、テイコプラニン、テマフロキサシン、テモシリン、チカルシリン、チゲモナム、トルフェナム酸、Tomudex(登録商標)(N−[[5−[[(1,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソ−6−キナゾリニル)メチル]メチルアミノ]−2−チエニル]カルボニル]−L−グルタミン酸)、トスフロキサシン、トロバフロキサシン、ウベニメクスまたはバンコマイシンである。
【0045】
の他の特定値は、1〜20個の炭素原子を有する二価の分枝または非分枝の飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、ここで、この鎖は、必要に応じて、炭素上において、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルカノイルオキシ、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルチオ、アジド、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールおよびヘテロアリールオキシからなる群から選択される1個またはそれ以上(例えば、1、2、3または4個)の置換基で置換されている。
【0046】
の他の特定値は、アミノ酸である。
【0047】
の他の特定値は、ペプチドである。
【0048】
の他の特定値は、1〜20個の炭素原子を有する二価の分枝または非分枝の飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、ここで、この炭素原子の1個またはそれ以上(例えば、1、2、3または4個)は、必要に応じて、(−O−)または(−NR−)で置換されている。
【0049】
のさらに他の特定値は、3〜15個の炭素原子を有する二価の分枝または非分枝の飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、ここで、この炭素原子の1個またはそれ以上(例えば、1、2、3または4個)は、必要に応じて、炭素上において、(−O−)または(−NR−)で置換され、そしてこの鎖は、必要に応じて、炭素上において、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルカノイルオキシ、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルチオ、アジド、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールおよびヘテロアリールオキシからなる群から選択される1個またはそれ以上(例えば、1、2、3または4個)の置換基で置換されている。
【0050】
のさらに他の特定値は、3〜15個の炭素原子を有する二価の分枝または非分枝の飽和または不飽和の炭化水素鎖であり、ここで、この炭素原子の1個またはそれ以上(例えば、1、2、3または4個)は、必要に応じて、(−O−)または(−NR−)で置換されている。
【0051】
のさらに他の特定値は、3〜15個の炭素原子を有する二価の分枝または非分枝の飽和または不飽和の炭化水素鎖である。
【0052】
のさらに他の特定値は、3〜15個の炭素原子を有する二価の分枝または非分枝の炭化水素鎖である。
【0053】
の好ましい値は、6〜10個の炭素原子を有する二価の分枝または非分枝の炭化水素鎖である。
【0054】
のさらに好ましい値は、7、8または9個の炭素原子を有する二価炭化水素鎖である。
【0055】
の最も好ましい値は、8個の炭素原子を有する二価炭化水素鎖である。
【0056】
本発明の特定のポリ無水物リンカーは、式(I)の構造を含む:
【0057】
【化1】

ここで、Rは、アルキル、シクロアルキル、置換アルキル、芳香族、置換芳香族、ラクタムおよびラクトンからなる群から選択される;Xは、アミド、チオアミド、エステルおよびチオエステルからなる群から選択される;そしてRは、−(CH−で表わされるアルキルであり、ここで、nは、1〜20である。
【0058】
本発明の特定のポリ無水物重合体には、α−ヒドロキシカルボン酸ではない生体活性化合物が挙げられる。
【0059】
本発明の特定のポリ無水物重合体には、オルトヒドロキシアリールカルボン酸ではない生体活性化合物が挙げられる。
【0060】
このような重合体(ここで、各Rは、この重合体を加水分解すると異なる生体活性化合物を生じる基である)は、2種の治療剤の組合せを動物に投与するのに特に有用である。
【0061】
ポリ無水物化合物の好ましい群には、少なくとも1個の遊離カルボン酸基と少なくとも1個のアルコール基、カルボン酸基またはアミン基とを含有する化合物から構成された重合体が挙げられ、これらは、自己重合できる反応か、カルボン酸基、アルコール基またはアミン基またはビス(アシル)クロライドと共重合できる反応に利用可能である。
【0062】
(処方)
本発明の重合体は、薬学的組成物に処方でき、そして選択した投与経路(すなわち、経口、直腸内または非経口、静脈内、筋肉内、腹腔内、脊髄内、頭蓋内、局所、眼内または皮下経路)に適合された種々の形態で、哺乳動物宿主(例えば、患者)に投与できる。ある種の投与経路には、この重合体は、好都合には、微粉粒子として処方できる。
【0063】
それゆえ、本発明の化合物は、薬学的に受容可能なビヒクル(例えば、不活性希釈剤または吸収できる食用キャリア)と共に、全身投与(例えば、経口投与)され得る。それらは、軟殻または硬殻のゼラチンカプセルに封入され得るか、錠剤に圧縮され得るか、または病人食(food of the patient’s diet)に直接組み込まれ得る。経口療法投与のためには、この活性化合物は、1種またはそれ以上の賦形剤と配合され、そして摂取可能な錠剤、舌下錠、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、カシュ剤などの形態で使用され得る。このような組成物および製剤は、少なくとも0.1重量%の重合体を含有する。これらの組成物および製剤の割合は、もちろん、変えられ得、好都合には、この単位投薬形態の約2重量%と約80重量%の間、好ましくは、約2重量%と約60重量%の間であり得る。このような治療に有用な組成物中の重合体の量は、有効投薬レベルが得られるような量である。
【0064】
これらの錠剤、トローチ、丸剤、カプセルなどはまた、以下を含有し得る:結合剤(例えば、トラガカントガム、アラビアゴム、トウモロコシデンプンまたはゼラチン);賦形剤(例えば、リン酸二カルシウム);崩壊剤(例えば、コーンスターチ、片栗粉、アルギン酸など);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);および甘味料(例えば、スクロース、フルクトース、ラクトースまたはアスパルテーム)または香料(例えば、ハッカ、冬緑油、またはチェリー香料)。この投薬単位形態がカプセルのとき、それは、上記種類の物質に加えて、液状キャリア(例えば、植物油またはポリエチレングリコール)を含有し得る。種々の他の物質は、被覆として、またはそうでなければ、この固体単位投薬形態の物理的形態を変更するために、存在し得る。例えば、錠剤、丸剤、またはカプセルは、ゼラチン、ワックス、シェラック、ショ糖などで被覆され得る。シロップまたはエリキシル剤は、この活性化合物、甘味料としてのスクロースまたはフルクトース、防腐剤としてのメチルパラベンおよびプロピルパラベン、染料および香料(例えば、チェリーまたはオレンジ香料)を含有し得る。もちろん、任意の単位投薬形態を調製する際に使用される任意の物質は、薬学的に受容可能であって、かつ使用する量で、実質的に非毒性であるべきである。さらに、この活性化合物は、持続放出製剤および装置に組み込まれ得る。
【0065】
この重合体はまた、注入または注射により、静脈内、脊髄内、頭蓋内または腹腔内で投与され得る。この重合体の溶液は、適切な溶媒(例えば、アルコール)で調製でき、必要に応じて、非毒性界面活性剤と混合できる。分散液もまた、グリセロール、液状ポリエチレングリコール、トリアセチンおよびそれらの混合物中にて、およびオイル中にて、調製できる。通常の保存および使用条件下では、これらの製剤は、微生物の成長を防止するために、防腐剤を含有する。
【0066】
注入または注射に適切な薬剤投薬形態には、滅菌溶液または分散液、あるいは滅菌注射可能もしくは注入可能な溶液もしくは分散液を即座に調製するために適合した活性成分を含む重合体を含む滅菌粉末(必要に応じてリポソームにカプセル化される)が挙げられる。いずれの場合でも、その最終的な投薬形態は、製造および保存条件下にて、無菌、流体かつ安定でなければならない。この液体キャリアまたはビヒクルは、溶媒または液状分散媒体であり得、これは、例えば、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液状ポリエチレングリコールなど)、植物油、非毒性グリセリルエステル、およびそれらの適切な混合物を含有する。その適切な流動性は、例えば、リポソームの形成、分散液の場合にて必要な粒径の維持により、そして界面活性剤の使用により、維持できる。微生物の作用は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなど)により、防止できる。多くの場合、等張剤(例えば、糖、緩衝液または塩化ナトリウム)を含有させることが好ましい。これらの注射可能組成物は、その組成物中にて吸収遅延剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を使用することにより、吸収が延長できる。
【0067】
滅菌注射可能溶液は、必要なら、上で列挙した種々の他の成分と共に、適切な溶媒中にて、必要な量で、重合体を組み込むこと、続いて、フィルター滅菌することにより、調製される。滅菌注射可能溶液の調製用の滅菌粉末の場合には、好ましい調製方法には、真空乾燥法および凍結乾燥法があり、これらは、この活性成分の粉末および追加の所望成分(これは、先に滅菌濾過した溶液中に存在している)を生じる。
【0068】
局所投与には、本発明の重合体は、純粋な形態で塗布できる。しかしながら、一般には、皮膚科学的に受容可能なキャリア(これは、固形または液状であり得る)と組み合わせて、組成物または処方として、それらを投与するのが望ましい。
【0069】
有用な固形キャリアには、細かく分割した固体(例えば、タルク、粘土、微結晶セルロース、シリカ、アルミナなど)が挙げられる。有用な液状キャリアには、アルコールまたはグリコール、あるいは水−アルコール/グリコールブレンドが挙げられ、この中に、本発明の化合物は、必要に応じて非毒性界面活性剤の助けを借りて、有効レベルで、溶解または分散され得る。所定用途のためにそれらの特性を最適にするために、補助剤(例えば、芳香剤および追加抗菌薬)が添加できる。得られた液状組成物を、吸収パッドから適用できるか、包帯具および他の包帯剤に含浸するように使用できるか、またはポンプ型噴霧器もしくはエアロゾル噴霧器を使用して患部に噴霧できる。
【0070】
増粘剤(例えば、合成重合体、脂肪酸、脂肪酸塩およびエステル、脂肪アルコール、改変セルロースまたは改変鉱物)もまた、使用者の皮膚に直接適用するために、塗布可能なペースト、ゲル、軟膏、石鹸などを形成するために、液状キャリアと共に使用できる。
【0071】
本発明の重合体を皮膚に送達できる有用な皮膚科用組成物の例は、当該技術分野で公知である;例えば、Jacquetら(米国特許第4,608,392号)、Geria(米国特許4,992,478号)、Smithら(米国特許4,559,157号)およびWortzman(米国特許4,820,508号)を参照。
【0072】
(投薬量)
これらの重合体の有用な投薬量は、それらのインビトロ活性、動物モデルにおける治療剤のインビボ活性を比較することにより、決定できる。マウスおよび他の動物における有効投薬量をヒトに対して推定する方法は、当該技術分野で公知である;例えば、米国特許第4,938,949号を参照。さらに、有効投薬量は、種々の生理学的条件下での所定重合体の加水分解速度を測定することにより、決定できる。治療で使用するのに必要な重合体の量は、選択される特定の重合体だけでなく投与経路、治療する病気の性質、患者の年齢および状態と共に変わり、最終的には、付き添う医師または臨床医の自由裁量である。
【0073】
所望の用量は、好都合には、単一用量として、または適当な間隔(例えば、1日2回、3回、4回またはそれ以上の副用量)で投与される分割用量として、提示され得る。この副用量それ自体は、例えば、多数の個々の大まかに間隔を開けた投与にさらに分割され得る。
【0074】
(組合せ療法)
本発明の重合体はまた、治療剤の組合せを動物に投与するのに有用である。このような組合せ療法は、以下の様式で実行できる:1)第二治療剤を、本発明の重合体の重合体マトリックス内に分散でき、この重合体が分解すると放出され得る;2)第二治療剤を、生理学的条件下にて加水分解して第二治療剤を放出する結合で、本発明の重合体に付加できる(すなわち、その重合体の骨格にではなく);3)本発明の重合体を、2種の治療剤を重合体骨格に取り込むことができる(例えば、1種以上の式(I)の単位を含有する重合体);または4)本発明の2種の重合体を、それぞれ異なる治療剤と共に、一緒に(または短時間以内に)投与できる。
【0075】
それゆえ、本発明はまた、本発明の重合体および第二治療剤(これは、本発明の重合体の重合体マトリックス内に分散されている)を含有する薬学的組成物を提供する。本発明はまた、(例えば、生理学的な条件下にて加水分解して第二治療剤を放出する結合で)重合体に付加された第二治療剤を有する本発明の重合体を含有する、薬学的組成物を提供する。
【0076】
本発明の重合体はまた、所定の状態を処置するのに有効な他の治療剤と組み合わせて投与されて、組合せ療法を提供し得る。それゆえ、本発明はまた、哺乳動物における疾患を処置する方法を提供し、この方法は、本発明の重合体および他の治療剤の組合せの有効量を投与する工程を包含する。本発明はまた、本発明の重合体、他の治療剤および薬学的に受容可能なキャリアを含有する薬学的組成物を提供する。
【0077】
(本発明の重合体の調製)
本発明のポリ無水物重合体を調製するプロセスは、本発明のさらなる実施態様として提供され、そして以下の手順により、例示され、ここで、一般的な基の意味は、他に限定されていなければ、上で示したとおりである。
【0078】
例えば、本発明の重合体は、式(Z−R−Z)の生物学的に活性な化合物および式Y−R−Yのリンカー前駆体から、スキームIで図示したようにして調製でき、ここで、ZおよびZのうち1個は、カルボン酸基であり、そして他の基であるY、Y、ZおよびZは、別個に、以下の表の値から選択される。
【0079】
【化2】

この生物学的に活性な化合物およびリンカー前駆体は、周知の合成技術(例えば、縮合)を使用して重合して、本発明の重合体(I)を提供し得、ここで、各Xは、別個に、エステル結合、チオエステル結合またはアミド結合である。
【0080】
この生物学的に活性な化合物の反応性官能基(ZまたはZ)に依存して、対応する官能基(YまたはY)は、その重合体骨格でエステル結合、チオエステル結合またはアミド結合を生じるように、以下の表から選択できる。
【0081】
【表1】

当業者に明らかなように、スキームIで図示した反応(および以下のスキームII〜XVで図示した反応)中には、適当な保護基が使用できる。例えば、この生物学的に活性な化合物またはリンカー前駆体に存在している他の官能基は、重合中に保護でき、その保護基は、引き続いて除去されて、本発明の重合体が提供できる。適当な保護基ならびにそれらの組み込み方法および除去方法は、当該技術分野で周知である(例えば、Greene,T.W.;Wutz,P.G.M.「Protecting Groups In Organic Synthesis」2版、1991,New York,John Wiley & sons,Inc.を参照)。
【0082】
さらに、カルボン酸は、水酸基、メルカプト基またはアミン基と反応させて、エステル結合、チオエステル結合またはアミド結合を提供するとき、例えば、対応する酸塩化物を形成することにより、その反応前に、このカルボン酸基を活性化できる。カルボン酸を活性化する多数の方法、およびエステル結合、チオエステル結合またはアミド結合を調製する多数の方法は、当該技術分野で公知である(例えば、Advanced Organic Chemistry:Reaction Mechanisms and Structure,4版、Jerry March,John Wiley & Sons,419〜437ページおよび1281ページを参照)。
【0083】
本発明のポリ無水物/ポリエステルは、スキーム2で図示しているように、式(HOOC−R−OH)のヒドロキシ/カルボン酸含有化合物および式HOOC−R−COOHのリンカー前駆体から形成できる。
【0084】
【化3】

本発明のポリ無水物/ポリアミドは、スキーム2の生物学的に活性なヒドロキシ/カルボン酸化合物を、適当な生物学的に活性なアミン/カルボン酸化合物で置換することにより、スキーム2で図示したものと類似した手順を使用して、調製できる。
【0085】
本発明のポリ無水物/ポリチオエステルは、スキーム2の生物学的に活性なヒドロキシ/カルボン酸化合物を、適当なメルカプト/カルボン酸化合物で置換することにより、スキーム2で図示したものと類似した手順を使用して、調製できる。
【0086】
あるいは、本発明のポリ無水物/ポリエステルは、スキーム3で図示しているように、式HOOC−R−COOHのジカルボン酸含有化合物および式(HO−R−OH)のジオールリンカー前駆体から調製できる。
【0087】
【化4】

本発明のポリ無水物/ポリアミドは、スキーム3のジオールリンカー化合物を、適当なジアミン化合物で置換することにより、スキーム2で図示したものと類似した手順を使用して、調製できる。
【0088】
本発明のポリ無水物/ポリチオエステルは、スキーム3のジオールリンカー化合物を、適当なジメルカプト化合物で置換することにより、スキーム2で図示したものと類似した手順を使用して、調製できる。
【0089】
本発明の他の重合体は、所望の重合体を調製するのに適当な基を有する出発物質を用いて、本明細書中で記述した反応を使用して形成できる。
【0090】
本発明の重合体薬物送達システムは、プロトン核磁気共鳴(NMR)分光法、赤外(IR)分光法、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、示差走査熱量測定(DSC)および熱重量分析(TGA)により、特徴付けることができる。赤外分光法には、試料は、NaClプレート上で溶媒キャストすることにより、作製される。Hおよび13C NMR分光法は、内部標準として溶媒を使い、CDClまたはDMSO−dの溶液中で得られる。
【0091】
GPCは、分子量および多分散性を決定するために実行される。この方法では、試料は、テトラヒドロフランに溶解され、そして0.5mL/分の流速で、混合床カラム(PEPLゲル、5μmの混合床)を通って溶出される。これらの試料(約5mg/mL)は、カラムに注入する前に、テトラヒドロフランに溶解し、そして0.5μmPTFE注射器フィルターを使用して濾過するのが好ましい。分子量は、狭い分子量のポリスチレン標準(Polysciences,Inc.)と比較して、決定される。
【0092】
熱分析はまた、Perkin−Elmerシステム(これは、PE AD−4自動平衡機構およびPyris 1 DSC分析器を備えたTGA7熱重量分析器からなる)のようなシステムを使用して、実行できる。このシステムでは、DEC Venturis 5100コンピュータでデータ分析を実行するために、Pyrisソフトウェアが使用される。DSCには、5〜10mgの平均試料重量が、30psiの流速のNで、10℃/分で加熱される。TGAには、10mgの平均試料重量が、8psiの流速のNで、20℃/分で加熱される。定着滴接触角度の測定値は、蒸留水を使用して、NRL Goniometer(Rame−hart)を使って得られる。重合体の塩化メチレン溶液(10重量/容量%)は、5,000rpmで、30秒間にわたって、ガラススリップ上に回転被覆される。
【0093】
本発明の重合体薬物送達システムの分解および薬物放出プロフィールもまた、常套的に決定できる。それらの実験には、これらの重合体は、(それらの性質に依存して)、フィルム、ペレット、ミクロスフェア、ナノスフェアまたは繊維のいずれかに加工される。加工後、それらの物質は、加工中に何らかの物理化学的な変化が起こったかどうかを決定するために、特徴付けられる。均一に加工し、秤量し、そして特徴付けた試料は、次いで、酸性、中性および塩基性のリン酸緩衝液(生理学的な範囲をシミュレートするように選択した条件)で、3連で、分解される。この緩衝液は、定期的に除去されて、流し条件をシミュレートするように、新鮮な媒体で置き換えられる。使用済み緩衝液は、HPLCで分析されて、この薬剤の累積的な放出を測定する。規定の期間で、この緩衝液から試料が取り出されて、表面乾燥(ブロット)される。それらは、次いで、秤量されて、水の取り込みを測定する。この時点で、その接触角(水和時)もまた測定されて、分解中の疎水性の変化を決定する。これらの試料は、次いで、減圧下にて完全に乾燥され、そして秤量されて、それらの質量損失を測定する。再度、接触角(乾燥時)が測定されて、その乾燥物質の疎水性を決定し、そしてそれがどの程度水和物質の疎水性に匹敵するかを決定する。これらの分解生成物の累積的な放出を一定期間プロットすることにより、その分解動態が規定できる。一定時間の湿潤および乾燥重合体の重量により、その物質がバルク浸食でしているか表面浸食しているかが明らかとなる。もし、水の取り込みの増大があるなら、この重合体はバルク浸食していると決定できるのに対して、もし、水の取り込みが殆どまたは全くないなら、この物質は、表面浸食していると見なされる。乾燥重量対時間の変化をプロットすることにより、この重合体が浸食される場合の、重合体による質量損失が決定できる。この情報により、この物質がいかにして分解しているかのさらに深い洞察が得られる。分子量対時間の変化もまた、その分解結果を支持するために検査される。
【0094】
本発明のポリ無水物化合物は、合成重合体の分野で通例使用され、そして有益な物理的および化学的特性を備えた種々の薬物送達生成物を生成するために使用される公知方法に従って、単離され得る。本発明のポリ無水物化合物を含有する重合体薬物送達システムは、ペーストまたは溶媒キャストに容易に加工でき、種々の医用移植片の設計用の異なる幾何学的形状を備えたフィルム、被覆、ミクロスフェアおよび繊維が得られ、また、圧縮成形および押出で加工され得る。医用移植片適用には、成形品(例えば、血管グラフトおよびステント、骨板、縫合、移植可能センサ、移植可能薬物送達デバイス、組織再生用ステント、および既知の時間内に移植部位で選定低分子量薬物を送達しつつ無害に分解する他の製品)を形成するためのポリ無水物の使用が挙げられる。本発明のポリ無水物を介して結合される薬物はまた、経口処方物および製品(例えば、局所用途のための皮膚保湿剤、洗剤、パッド、硬膏、ローション、クリーム、ゲル、軟膏、溶液、シャンプー、日焼け製品および口紅)に取り込むことができる。
【0095】
宿主に投与して選択された用途に有効な重合体薬物の量は、過度の実験なしに、当業者により容易に決定できる。この量は、事実上、化学量論的に、選択した用途に有効な処置をもたらす公知の薬物量に対応している。
【0096】
本発明はまた、このポリ無水物を介して連結された低分子量薬物の送達が望ましい任意の用途で、組成物を使用する方法に関し、この組成物は、この低分子量薬物を含有する。送達経路は、投与する薬物および処置する疾患に応じて、選択される。例えば、低分子量薬物(例えば、アモキシシリンまたはセファレキシン)を連結する式(I)のポリ無水物を含有する本発明の組成物は、細菌感染を処置するために、経口的または局所的に投与できる。同様に、低分子量薬物(例えば、カルビドパまたはレボドパ)を連結する式(I)のポリ無水物を含有する本発明の組成物は、パーキンソン病の症状を軽減するために、この病気に罹っている患者に、経口的に投与できる。
【0097】
本発明の1実施態様では、式(I)のポリ無水物は、2種の異なる低分子量薬物を、単一の重合体薬物送達システムに連結するのに使用される。例えば、式(I)のポリ無水物は、カルビドパの薬物分子およびレボドパの薬物分子が単一の高分子薬物送達システムを介して同時に送達できるように両方の薬物を連結するのに使用できる。
【0098】
本発明の他の実施態様は、その構造内に1個のカルボン酸基および少なくとも1個のアミン基、チオール基、アルコール基またはフェノール基を含む低分子量薬物分子を、重合体薬物送達システムに連結してする方法を含み、この方法は、以下の工程を包含する:(a)この低分子量薬物分子のカルボン酸基を保護する工程;(b)この低分子量薬物分子に、式(IV):
【0099】
【化5】

の塩素化ポリ無水物リンカーを添加する工程であって、ここで、nは、1〜20である(その結果、薬物分子は、式(IV)のポリ無水物リンカーの塩素基を置換し、そのアミン基、チオール基、アルコール基またはフェノール基を介して、このリンカーに結合する)工程;および(c)その保護基が除去されるように、連結した薬物分子を熱または減圧に晒す工程。式(IV)の好ましい化合物では、nは、6〜8である。
【0100】
本発明の無水物重合体中での薬物の連結は、以下のスキームで示される。この低分子量薬物分子のカルボン酸基は、好ましくは、アセチル化によって保護される。保護された薬物分子は、次いで、必要に応じて、活性化形状(例えば、塩素化形状)で、式(IV)のリンカーに晒され、この薬物分子のアミン基、チオール基、アルコール基またはフェノール基を介して、このリンカー(R)に結合する。この薬物およびリンカーは、次いで、熱および/または減圧に晒されて、これらの保護基が除去され、それにより、重合体薬物送達システムが得られる。本発明の重合体は、約10〜約30個の反復単位を有する。
【0101】
その構造内に単一のカルボン酸基および少なくとも1個のアミン基、チオール基、アルコール基またはフェノール基を有するという構造上の必要条件を満たす低分子量薬物の連結は、以下の実施例1および2で例示される。
【0102】
(実施例1 アモキシシリン重合体の合成)
本発明のポリ無水物中のアモキシシリン連鎖は、図式1で示されている。この低分子量薬剤分子のカルボン酸基を、好ましくは、アセチル化によって、保護する。保護した薬剤分子は、次いで、塩素化形態の式(IV)のリンカーに晒す(ここで、nは、8である)。これらの薬剤分子に由来するアミン基により、式(IV)のジアシルハライドのクロライド基を置換し、この薬剤分子のアミン基を介して、リンカー(R)に結合する。連結した薬剤を、熱および/または真空に晒して、この保護基を除去し、それにより、重合体薬剤送達システムを得る。
【0103】
【化6】


(実施例2 セファレキシン重合体の合成)
セファレキシン重合体は、図式2に示すように、調製する。セファレキシンのカルボン酸基を、まず最初に、例えば、ベンジル基で保護する。この薬剤を、次いで、塩化セバコイル(式(IV)、ここで、nは、8である)に連結する。この連鎖に続いて、これらの保護基を除去して、カルボン酸を生成し、これを、次いで、アセチル化して、モノマーを生成する。このモノマーを、溶融物として、重合する。
【0104】
【化7】


(実施例3)
他の重合体薬剤送達システムは、本発明の式(I)のポリ無水物リンカーを介して、この方法に従って調製され得る。これらには、カルビドパ送達システム、レボドパ送達システムおよびアムテナク送達システムが挙げられるが、これらに限定されない。このカルビドパおよびレボドパ送達システムのホモ重合体は、それぞれ、式(V)および(VI)に示される。
【0105】
【化8】

これらの構造は、ホモ重合体を示しているものの、このような薬剤の共重合体もまた、本明細書中で提示した教示に基づいて、慣用的に調製され得る。さらに、式(I)のポリ無水物と、構造上の必要条件(すなわち、1個のカルボン酸基、少なくとも1個のアミン基、チオール基、アルコール基またはフェノール基)を満たしかつ約1000ダルトン以下の分子量を有する他の薬剤とを含有する重合体薬剤送達システムもまた、開示した方法によって、慣用的に調製され得る。
【0106】
(活性)
本発明の重合体が所定の治療効果を生じる能力は、当業者に周知のインビトおよびインビボ薬理学的モデルを使用して、決定され得る。
【0107】
全ての刊行物、特許および特許文献の内容(2000年7月27日に出願された米国仮特許出願第60/220,998号の全内容を含めて)は、個々に援用されているごとく、本明細書中で参考として援用されている。本発明は、種々の具体的かつ好ましい実施態様および技術に関連して、記述されている。しかしながら、本発明の精神および範囲内にとどまる多くの変更および改良を行い得ることが理解できるはずである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【公開番号】特開2012−77095(P2012−77095A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−10416(P2012−10416)
【出願日】平成24年1月20日(2012.1.20)
【分割の表示】特願2002−515319(P2002−515319)の分割
【原出願日】平成13年7月27日(2001.7.27)
【出願人】(302044432)ラトガーズ,ザ ステイト ユニバーシティ (3)
【Fターム(参考)】