薬品検索棚のシステム
【課題】 薬品調剤棚での処方薬品の検索に要する手間取りをなくし、調剤時間のロスを
減少させる。
【解決手段】 複数種の調剤用薬品を薬品毎に収納する収納区画２を有すると共に各収納
区画２毎に複数の識別可能な検索用指示色を発光する表示装置Ｄを設けた薬品検索棚１と、入力された処方データー毎に前記検索用指示色に対応させて色分けすると共に前記処方データーを編纂して前記各薬品の収納区画２の位置を記憶したテーブルより処方毎データーの調剤薬品を検索する前記薬品検索棚１の制御用コンピュータ１０を備え、前記制御用コンピュータ１０に処方データーが入力されることにより、それぞれの処方データーにて該当する薬品の収納区画２における表示装置Ｄにおいて当該検索用指示色が発光するようにした。
減少させる。
【解決手段】 複数種の調剤用薬品を薬品毎に収納する収納区画２を有すると共に各収納
区画２毎に複数の識別可能な検索用指示色を発光する表示装置Ｄを設けた薬品検索棚１と、入力された処方データー毎に前記検索用指示色に対応させて色分けすると共に前記処方データーを編纂して前記各薬品の収納区画２の位置を記憶したテーブルより処方毎データーの調剤薬品を検索する前記薬品検索棚１の制御用コンピュータ１０を備え、前記制御用コンピュータ１０に処方データーが入力されることにより、それぞれの処方データーにて該当する薬品の収納区画２における表示装置Ｄにおいて当該検索用指示色が発光するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、複数種の調剤用薬品を薬品毎に収納する収納区画を有する薬品調剤棚に関するものであり、詳しくは、薬剤師が調剤するときに使用する薬品検索棚のシステムに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来より、病院や薬局の調剤室には、薬剤師が調剤し易いように、複数種の調剤用薬品を薬品毎に収納するようにした収納区画を有する薬品調剤棚が設置されており、医師が処方箋に記載した処方薬品を薬剤師が処方箋に基づいて収納区画から取り出して調剤している。そして、収納区画の薬品が使用し尽くされてしまうと新しい薬品を収納区画に補充している。
【０００３】
しかしながら、従来の薬品調剤棚による調剤作業は、薬剤師が各調剤用薬品を収納した収納区画の位置の記憶に基づいて個々の処方薬品を検索して行くので、当該薬品の収納区画の検索に手間取ってロスタイムが多くなると共に、その薬品調剤棚での調剤経験の多少によっても調剤時間が著しく左右されていた。また、収納区画の収納薬品に変更があると薬剤師は調剤用薬品の位置の記憶を変更しなければならずその負担も大きかった。
【０００４】
また、調剤行為は薬剤師の注意力に任されており、誤りはその処方の調剤終了後、処方箋と処方された全ての薬品とを照合しなければ発見することが難しく、誤りを発見する為の時間のロスも大きかった。
【０００５】
そこで、特開平７−２４０４４号公報に、処方データーを編纂して前記各薬品の収納区画の位置を記憶したテーブルより処方毎データーの調剤薬品を検索する前記薬品検索棚の制御用コンピュータを備え、前記制御用コンピュータに処方データーが入力されることにより、それぞれの処方データーにて該当する薬品の収納区画における表示装置において当該検索用指示色が発光する薬品保管庫が提示されている。
【０００６】
ところが、この公報に提示されている薬品保管庫は、使用期限を過ぎてしまった収納区画に於ける調剤用薬品の発見は薬剤師の注意力に付託されており、薬剤師の注意力の負担が大きかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特開平７−２４０４４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、処方データーを編纂して前記各薬品の収納区画の位置を記憶したテーブルより処方毎データーの調剤薬品を検索する前記薬品検索棚の制御用コンピュータを備え、前記制御用コンピュータに処方データーが入力されることにより、それぞれの処方データーにて該当する薬品の収納区画における表示装置において当該検索用指示色が発光する薬品検索棚のシステムおいて、使用期限を過ぎてしまった収納区画に於ける調剤用薬品の発見が容易で薬剤師の負担を軽減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
前記課題を解決するためになされた本発明は、複数種の調剤用薬品を薬品毎に収納する
収納区画を有すると共に各収納区画毎に複数の識別可能な検索用指示色を発光する表示装置を設けた薬品検索棚と、入力された処方データー毎に前記検索用指示色に対応させて色分けすると共に前記処方データーを編纂して前記各薬品の収納区画の位置を記憶したテーブルより処方毎データーの調剤薬品を検索する前記薬品検索棚の制御用コンピュータを備え、前記制御用コンピュータに処方データーが入力されることにより、それぞれの処方データーにて該当する薬品の収納区画における表示装置において当該検索用指示色が発光するとともに前記表示装置が発光表示される薬品検索棚のシステムにおいて、前記薬品検索棚の収納区画毎に収納薬品の使用期限が過ぎると発光する期限管理用表示装置を設けたことを特徴とする。
【００１０】
これにより、薬剤師は色別に識別できる処方に基づいて、指定色の検索用指示色が発光している表示装置の収納区画から次々と薬品を取り出して行くことで処方の薬品を調剤することができる。
【００１１】
表示装置が発光したとき、前記表示装置に文字、数字、記号、図柄の少なくとも一つが表示されるようにすることにより、収納区画の表示装置からその処方薬品に関わる処方上のより詳しい情報を得ることができる。
【００１２】
また、処方データーを入力する処方入力端末を備えていると共に、前記処方入力端末から処方データーが制御用コンピュータに入力されると、入力処方データーによる処方箋を色分けして出力する印刷機を備えていることから、調剤検索棚から離れた場所で入力された処方データーを色別に識別できる処方箋として出力し、処方箋に基づいて指定色の検索用指示色に従って調剤することができる。
【００１３】
また、薬品検索棚の収納区画毎に収納薬品の使用期限が過ぎると発光する期限管理用表示装置を設け、制御用コンピュータに入力された使用期限が過ぎると自動的にその薬品の収納区画が認識できるようにしておくとよい。
【００１４】
更にまた、各表示装置にリセット釦を設け、薬剤師が収納区画から薬品を取り出した後リセット釦を押して消灯して行くことにより、調剤途中に表示装置を見て処方薬品の検索もれやダブル検索をチェックすることができる。また、表示装置が消されていることにより、新しい薬剤に更新されていることが認識され、安心して調剤することができる。
【発明の効果】
【００１５】
本発明によれば、薬品検索棚の各収納区画毎に複数の識別可能な検索用指示色を発光する表示装置を設け、薬品検索棚の制御用コンピュータに処方データーが入力されると、色分けされたその処方に於いて使用する薬品の収納区画における表示装置において当該検索用指示色が発光するようにしたので、薬剤師は、調剤薬品が収納されている収納区画の位置の記憶に頼ることなく、色別に識別された処方に基づいて指示色が発光している表示装置の収納区画へ行き、薬品を取り出して行くことにより調剤することができる。従って、処方の薬品の収納区画を探すためのロスタイムがなくなり、調剤時間を著しく短縮して顧客の待ち時間を少なくすることができる。
【００１６】
また、薬品検索棚の各収納区画毎に使用期限が過ぎると発光する期限管理用表示装置を設けたので、薬剤師は自動的に期限切れ薬品を感知して期限切れ薬品による調剤を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明の薬品検索棚のシステムの好ましい実施の形態を示す説明図。
【図２】図１のシステムの薬品検索棚における収納区画を示す正面図。
【図３】図１のシステムの薬品検索棚における別の実施の形態の収納区画を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【００１９】
図１乃至図２は、本発明の薬品検索棚のシステムを示すもので、複数種の調剤用薬品を薬品毎に収納する収納区画２を有すると共に各収納区画２毎に色の異なる複数の検索用パイロットランプ３からなる表示装置Ｄを設けた薬品検索棚１と、入力した処方データー毎に前記検索用パイロットランプ３の色に対応させて色分けすると共に処方データーを編纂して前記各薬品の収納区画２の位置を記憶したテーブルより処方毎データーの調剤薬品を検索する前記薬品検索棚１の制御用コンピュータ１０を備えて構成されている。
【００２０】
薬品検索棚１は、複数種の且つ様々な態様の薬品を薬品毎に収納するように区画されており、各収納区画２は、例えば、錠剤やカプセル形態の薬品の収納に適した収納区画２ａや分封袋の薬品の収納に適した収納区画２ｂ、低温保存に好適な引きだし状の収納区画２ｃ等、様々な調剤用薬品の収納保存と取り出しに好適な環境を整えて区画されている。
【００２１】
図２に示すように、各収納区画２には、その収納部４の近傍に制御用コンピュータ１０の信号により点灯する色の異なる複数の検索用パイロットランプ３からなる表示装置Ｄが配設されており、各検索用パイロットランプ３に対応してそれぞれリセット釦５が配設されている。図に於いては、赤、青、緑、黄、オレンジの５色のランプ３が配設されており、薬品検索棚１を見渡すだけで、同時に５種類の処方とその処方の調剤薬品の収納区画２が色別に認識できるようになっている。
【００２２】
また、各収納区画２には、収納薬品の使用期限が過ぎると点灯する期限管理用パイロットランプ６からなる期限管理用表示装置が設けられており、期限管理用パイロットランプ６にもリセット釦７が配設されている。
【００２３】
制御用コンピュータ１０は、医師の手もとや会計に設置された処方入力端末１５および回送されてきた処方箋に基づいて自身の入力装置１１を使って入力された処方データーを入力順に色分けして色で処方を識別できるようにすると共に、処方データーを編纂して薬品検索棚１における各薬品の収納区画２の位置を記憶したテーブルより調剤薬品を処方毎に検索し、検索された薬品の収納区画２の表示装置の当該検索指示色を発光するパイロットランプ３を点灯させるものである。
【００２４】
制御用コンピュータ１０のモニター８には処方別に色分け処理された薬品名や、調剤行為による薬品検索棚における各表示装置Ｄ、６の各パイロットランプ３，６の点灯状況が表示される。
【００２５】
また、制御用コンピュータ１０は期限管理用のタイマーを有しており、収納区画２の調剤薬品の有効期限を入力しておき、期限が過ぎるとその調剤薬品の収納区画２の期限管理用パイロットランプ６が点灯するようになっている。
【００２６】
また、制御用コンピュータ１０には、入力された処方データーを処方箋として色分けして出力する印刷機が備えられており、離れた位置にある処方入力端末１５から入力された処方データーは自動的に処方箋として出力されるようになっている。
【００２７】
本発明の薬品検索棚のシステムは以上のように構成されており、以下その運用方法を説明する。
【００２８】
医師の処方箋に基づく処方データーが処方入力端末１５や自身の入力装置１１から制御用コンピュータ１０に入力されると、該処方データーは入力順に色分け処理され、それぞれの処方にて色分けされたその処方に於いて使用する薬品の収納区画２における表示装置Ｄの当該検索用指示色を発光するパイロットランプ３が点灯する。即ち、例えば、最初に入力された処方は赤として色分けされ、その処方に使用される薬品が収納されている当該収納区画２の表示装置Ｄの赤ランプが点灯する。次に入力された処方は青として色分けされて青ランプが点灯する。検索用パイロットランプ３は処方データーの入力順に次々と点灯していく。
【００２９】
処方データーが調剤検索棚１から離れた場所にある処方入力端末１５から入力された場合、調剤用に使用される処方箋は、割り当てられた色が認識できる処方箋として印刷機１２から出力される。また、回送されてきて制御用コンピュータ１０の入力装置１１から入力された処方箋は、入力によりその処方データーに割り当てられた色が賦与されて他の処方と識別される。処方箋の賦与された色の表示手段は、カラー印刷による色によるものでも、赤、青等の文字によるものでもよい。
【００３０】
調剤を行う薬剤師は、色別に識別される処方に基づいて指示色の検索用パイロットランプ３が点灯している収納区画２へ行って薬品を取り出すと共に、薬品を取り出した後リセット釦５を押して消灯する。
【００３１】
従って、薬剤師は記憶に頼ることなく処方薬品の収納区画２が検索できるので、収納区画２の検索に迷うロスタイムがなくなり調剤作業を迅速に進めることができる。特に、収納区画２の従来の薬品が別の種類の薬品に変わった場合や、新人の薬剤師が着任した場合でも検索に戸惑うことがない。
【００３２】
更に、リセット釦３を確実に消灯していくことにより、調剤作業中に検索した薬品を一々確かめることをしなくても表示装置Ｄの検索用パイロットランプ３を見ることにより、検索もれやダブル検索をチェックすることができる。
【００３３】
一つの処方の調剤が完了すると、調剤検索棚１からその処方の指定色の検索用パイロットランプ３が全て消灯する。その経過状況はモニター８に表示される。
【００３４】
調剤で薬品を使い切ったり、使用期限を過ぎた薬品の取り去った後の収納区画２に新しい薬品を収納するときは、制御用コンピュータ１０へその薬品名や使用期限を入力しておく。使用期限が過ぎると記憶しているその薬品の収納区画２の期限管理用パイロットランプ６が点灯する。
【００３５】
従って、薬剤師は自動的に期限切れ薬品を感知して期限切れ薬品による調剤を防止することができる。また、新しい薬品に交換するときリセット釦７を押して消灯することにより、当該収納区画２が有効期限内にある薬品に更新されていることが認識され、安心して調剤することができる。
【００３６】
図３は、本発明の薬品検索棚のシステムにおける表示装置Ｄの別の実施の形態を示しており、表示装置Ｄにカラー液晶板９を使用している。
【００３７】
これにより、表示装置Ｄには検索用指示色の発光と共に指示色を使って文字、数字、記号、図柄等のデジタル表示が可能となり、表示装置に処方箋の受付番号や患者名、薬品名等を表示することにより、薬剤師が収納区画２の表示装置Ｄからその方薬品に関わる処方上のより詳しい情報を得ることができる。
【００３８】
尚、表示装置Ｄにおける発光手段は、既述したパイロットランプ３や液晶板９に限るものではなく、発光ダイオード等、その他の手段を用いてもよい。
【符号の説明】
【００３９】
１ 薬品検索棚，２ 収納区画，３ 検索用パイロットランプ，５ リセット釦，６ 期限
管理用パイロットランプ，７ リセット釦，１０ 制御用コンピュータ，１２ 印刷機，１
５ 処方入力端末，Ｄ 表示装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、複数種の調剤用薬品を薬品毎に収納する収納区画を有する薬品調剤棚に関するものであり、詳しくは、薬剤師が調剤するときに使用する薬品検索棚のシステムに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来より、病院や薬局の調剤室には、薬剤師が調剤し易いように、複数種の調剤用薬品を薬品毎に収納するようにした収納区画を有する薬品調剤棚が設置されており、医師が処方箋に記載した処方薬品を薬剤師が処方箋に基づいて収納区画から取り出して調剤している。そして、収納区画の薬品が使用し尽くされてしまうと新しい薬品を収納区画に補充している。
【０００３】
しかしながら、従来の薬品調剤棚による調剤作業は、薬剤師が各調剤用薬品を収納した収納区画の位置の記憶に基づいて個々の処方薬品を検索して行くので、当該薬品の収納区画の検索に手間取ってロスタイムが多くなると共に、その薬品調剤棚での調剤経験の多少によっても調剤時間が著しく左右されていた。また、収納区画の収納薬品に変更があると薬剤師は調剤用薬品の位置の記憶を変更しなければならずその負担も大きかった。
【０００４】
また、調剤行為は薬剤師の注意力に任されており、誤りはその処方の調剤終了後、処方箋と処方された全ての薬品とを照合しなければ発見することが難しく、誤りを発見する為の時間のロスも大きかった。
【０００５】
そこで、特開平７−２４０４４号公報に、処方データーを編纂して前記各薬品の収納区画の位置を記憶したテーブルより処方毎データーの調剤薬品を検索する前記薬品検索棚の制御用コンピュータを備え、前記制御用コンピュータに処方データーが入力されることにより、それぞれの処方データーにて該当する薬品の収納区画における表示装置において当該検索用指示色が発光する薬品保管庫が提示されている。
【０００６】
ところが、この公報に提示されている薬品保管庫は、使用期限を過ぎてしまった収納区画に於ける調剤用薬品の発見は薬剤師の注意力に付託されており、薬剤師の注意力の負担が大きかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特開平７−２４０４４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、処方データーを編纂して前記各薬品の収納区画の位置を記憶したテーブルより処方毎データーの調剤薬品を検索する前記薬品検索棚の制御用コンピュータを備え、前記制御用コンピュータに処方データーが入力されることにより、それぞれの処方データーにて該当する薬品の収納区画における表示装置において当該検索用指示色が発光する薬品検索棚のシステムおいて、使用期限を過ぎてしまった収納区画に於ける調剤用薬品の発見が容易で薬剤師の負担を軽減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
前記課題を解決するためになされた本発明は、複数種の調剤用薬品を薬品毎に収納する
収納区画を有すると共に各収納区画毎に複数の識別可能な検索用指示色を発光する表示装置を設けた薬品検索棚と、入力された処方データー毎に前記検索用指示色に対応させて色分けすると共に前記処方データーを編纂して前記各薬品の収納区画の位置を記憶したテーブルより処方毎データーの調剤薬品を検索する前記薬品検索棚の制御用コンピュータを備え、前記制御用コンピュータに処方データーが入力されることにより、それぞれの処方データーにて該当する薬品の収納区画における表示装置において当該検索用指示色が発光するとともに前記表示装置が発光表示される薬品検索棚のシステムにおいて、前記薬品検索棚の収納区画毎に収納薬品の使用期限が過ぎると発光する期限管理用表示装置を設けたことを特徴とする。
【００１０】
これにより、薬剤師は色別に識別できる処方に基づいて、指定色の検索用指示色が発光している表示装置の収納区画から次々と薬品を取り出して行くことで処方の薬品を調剤することができる。
【００１１】
表示装置が発光したとき、前記表示装置に文字、数字、記号、図柄の少なくとも一つが表示されるようにすることにより、収納区画の表示装置からその処方薬品に関わる処方上のより詳しい情報を得ることができる。
【００１２】
また、処方データーを入力する処方入力端末を備えていると共に、前記処方入力端末から処方データーが制御用コンピュータに入力されると、入力処方データーによる処方箋を色分けして出力する印刷機を備えていることから、調剤検索棚から離れた場所で入力された処方データーを色別に識別できる処方箋として出力し、処方箋に基づいて指定色の検索用指示色に従って調剤することができる。
【００１３】
また、薬品検索棚の収納区画毎に収納薬品の使用期限が過ぎると発光する期限管理用表示装置を設け、制御用コンピュータに入力された使用期限が過ぎると自動的にその薬品の収納区画が認識できるようにしておくとよい。
【００１４】
更にまた、各表示装置にリセット釦を設け、薬剤師が収納区画から薬品を取り出した後リセット釦を押して消灯して行くことにより、調剤途中に表示装置を見て処方薬品の検索もれやダブル検索をチェックすることができる。また、表示装置が消されていることにより、新しい薬剤に更新されていることが認識され、安心して調剤することができる。
【発明の効果】
【００１５】
本発明によれば、薬品検索棚の各収納区画毎に複数の識別可能な検索用指示色を発光する表示装置を設け、薬品検索棚の制御用コンピュータに処方データーが入力されると、色分けされたその処方に於いて使用する薬品の収納区画における表示装置において当該検索用指示色が発光するようにしたので、薬剤師は、調剤薬品が収納されている収納区画の位置の記憶に頼ることなく、色別に識別された処方に基づいて指示色が発光している表示装置の収納区画へ行き、薬品を取り出して行くことにより調剤することができる。従って、処方の薬品の収納区画を探すためのロスタイムがなくなり、調剤時間を著しく短縮して顧客の待ち時間を少なくすることができる。
【００１６】
また、薬品検索棚の各収納区画毎に使用期限が過ぎると発光する期限管理用表示装置を設けたので、薬剤師は自動的に期限切れ薬品を感知して期限切れ薬品による調剤を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明の薬品検索棚のシステムの好ましい実施の形態を示す説明図。
【図２】図１のシステムの薬品検索棚における収納区画を示す正面図。
【図３】図１のシステムの薬品検索棚における別の実施の形態の収納区画を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【００１９】
図１乃至図２は、本発明の薬品検索棚のシステムを示すもので、複数種の調剤用薬品を薬品毎に収納する収納区画２を有すると共に各収納区画２毎に色の異なる複数の検索用パイロットランプ３からなる表示装置Ｄを設けた薬品検索棚１と、入力した処方データー毎に前記検索用パイロットランプ３の色に対応させて色分けすると共に処方データーを編纂して前記各薬品の収納区画２の位置を記憶したテーブルより処方毎データーの調剤薬品を検索する前記薬品検索棚１の制御用コンピュータ１０を備えて構成されている。
【００２０】
薬品検索棚１は、複数種の且つ様々な態様の薬品を薬品毎に収納するように区画されており、各収納区画２は、例えば、錠剤やカプセル形態の薬品の収納に適した収納区画２ａや分封袋の薬品の収納に適した収納区画２ｂ、低温保存に好適な引きだし状の収納区画２ｃ等、様々な調剤用薬品の収納保存と取り出しに好適な環境を整えて区画されている。
【００２１】
図２に示すように、各収納区画２には、その収納部４の近傍に制御用コンピュータ１０の信号により点灯する色の異なる複数の検索用パイロットランプ３からなる表示装置Ｄが配設されており、各検索用パイロットランプ３に対応してそれぞれリセット釦５が配設されている。図に於いては、赤、青、緑、黄、オレンジの５色のランプ３が配設されており、薬品検索棚１を見渡すだけで、同時に５種類の処方とその処方の調剤薬品の収納区画２が色別に認識できるようになっている。
【００２２】
また、各収納区画２には、収納薬品の使用期限が過ぎると点灯する期限管理用パイロットランプ６からなる期限管理用表示装置が設けられており、期限管理用パイロットランプ６にもリセット釦７が配設されている。
【００２３】
制御用コンピュータ１０は、医師の手もとや会計に設置された処方入力端末１５および回送されてきた処方箋に基づいて自身の入力装置１１を使って入力された処方データーを入力順に色分けして色で処方を識別できるようにすると共に、処方データーを編纂して薬品検索棚１における各薬品の収納区画２の位置を記憶したテーブルより調剤薬品を処方毎に検索し、検索された薬品の収納区画２の表示装置の当該検索指示色を発光するパイロットランプ３を点灯させるものである。
【００２４】
制御用コンピュータ１０のモニター８には処方別に色分け処理された薬品名や、調剤行為による薬品検索棚における各表示装置Ｄ、６の各パイロットランプ３，６の点灯状況が表示される。
【００２５】
また、制御用コンピュータ１０は期限管理用のタイマーを有しており、収納区画２の調剤薬品の有効期限を入力しておき、期限が過ぎるとその調剤薬品の収納区画２の期限管理用パイロットランプ６が点灯するようになっている。
【００２６】
また、制御用コンピュータ１０には、入力された処方データーを処方箋として色分けして出力する印刷機が備えられており、離れた位置にある処方入力端末１５から入力された処方データーは自動的に処方箋として出力されるようになっている。
【００２７】
本発明の薬品検索棚のシステムは以上のように構成されており、以下その運用方法を説明する。
【００２８】
医師の処方箋に基づく処方データーが処方入力端末１５や自身の入力装置１１から制御用コンピュータ１０に入力されると、該処方データーは入力順に色分け処理され、それぞれの処方にて色分けされたその処方に於いて使用する薬品の収納区画２における表示装置Ｄの当該検索用指示色を発光するパイロットランプ３が点灯する。即ち、例えば、最初に入力された処方は赤として色分けされ、その処方に使用される薬品が収納されている当該収納区画２の表示装置Ｄの赤ランプが点灯する。次に入力された処方は青として色分けされて青ランプが点灯する。検索用パイロットランプ３は処方データーの入力順に次々と点灯していく。
【００２９】
処方データーが調剤検索棚１から離れた場所にある処方入力端末１５から入力された場合、調剤用に使用される処方箋は、割り当てられた色が認識できる処方箋として印刷機１２から出力される。また、回送されてきて制御用コンピュータ１０の入力装置１１から入力された処方箋は、入力によりその処方データーに割り当てられた色が賦与されて他の処方と識別される。処方箋の賦与された色の表示手段は、カラー印刷による色によるものでも、赤、青等の文字によるものでもよい。
【００３０】
調剤を行う薬剤師は、色別に識別される処方に基づいて指示色の検索用パイロットランプ３が点灯している収納区画２へ行って薬品を取り出すと共に、薬品を取り出した後リセット釦５を押して消灯する。
【００３１】
従って、薬剤師は記憶に頼ることなく処方薬品の収納区画２が検索できるので、収納区画２の検索に迷うロスタイムがなくなり調剤作業を迅速に進めることができる。特に、収納区画２の従来の薬品が別の種類の薬品に変わった場合や、新人の薬剤師が着任した場合でも検索に戸惑うことがない。
【００３２】
更に、リセット釦３を確実に消灯していくことにより、調剤作業中に検索した薬品を一々確かめることをしなくても表示装置Ｄの検索用パイロットランプ３を見ることにより、検索もれやダブル検索をチェックすることができる。
【００３３】
一つの処方の調剤が完了すると、調剤検索棚１からその処方の指定色の検索用パイロットランプ３が全て消灯する。その経過状況はモニター８に表示される。
【００３４】
調剤で薬品を使い切ったり、使用期限を過ぎた薬品の取り去った後の収納区画２に新しい薬品を収納するときは、制御用コンピュータ１０へその薬品名や使用期限を入力しておく。使用期限が過ぎると記憶しているその薬品の収納区画２の期限管理用パイロットランプ６が点灯する。
【００３５】
従って、薬剤師は自動的に期限切れ薬品を感知して期限切れ薬品による調剤を防止することができる。また、新しい薬品に交換するときリセット釦７を押して消灯することにより、当該収納区画２が有効期限内にある薬品に更新されていることが認識され、安心して調剤することができる。
【００３６】
図３は、本発明の薬品検索棚のシステムにおける表示装置Ｄの別の実施の形態を示しており、表示装置Ｄにカラー液晶板９を使用している。
【００３７】
これにより、表示装置Ｄには検索用指示色の発光と共に指示色を使って文字、数字、記号、図柄等のデジタル表示が可能となり、表示装置に処方箋の受付番号や患者名、薬品名等を表示することにより、薬剤師が収納区画２の表示装置Ｄからその方薬品に関わる処方上のより詳しい情報を得ることができる。
【００３８】
尚、表示装置Ｄにおける発光手段は、既述したパイロットランプ３や液晶板９に限るものではなく、発光ダイオード等、その他の手段を用いてもよい。
【符号の説明】
【００３９】
１ 薬品検索棚，２ 収納区画，３ 検索用パイロットランプ，５ リセット釦，６ 期限
管理用パイロットランプ，７ リセット釦，１０ 制御用コンピュータ，１２ 印刷機，１
５ 処方入力端末，Ｄ 表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数種の調剤用薬品を薬品毎に収納する収納区画を有すると共に各収納区画毎に複数の識別可能な検索用指示色を発光する表示装置を設けた薬品検索棚と、入力された処方データー毎に前記検索用指示色に対応させて色分けすると共に前記処方データーを編纂して前記各薬品の収納区画の位置を記憶したテーブルより処方毎データーの調剤薬品を検索する前記薬品検索棚の制御用コンピュータを備え、前記制御用コンピュータに処方データーが入力されることにより、それぞれの処方データーにて該当する薬品の収納区画における表示装置において当該検索用指示色が発光するとともに前記表示装置が発光表示される薬品検索棚のシステムにおいて、前記薬品検索棚の収納区画毎に収納薬品の使用期限が過ぎると発光する期限管理用表示装置を設けたことを特徴とする薬品検索棚のシステム。
【請求項２】
各表示装置にリセット釦を設けたことを特徴とする請求項１記載の薬品検索棚のシステム。
【請求項１】
複数種の調剤用薬品を薬品毎に収納する収納区画を有すると共に各収納区画毎に複数の識別可能な検索用指示色を発光する表示装置を設けた薬品検索棚と、入力された処方データー毎に前記検索用指示色に対応させて色分けすると共に前記処方データーを編纂して前記各薬品の収納区画の位置を記憶したテーブルより処方毎データーの調剤薬品を検索する前記薬品検索棚の制御用コンピュータを備え、前記制御用コンピュータに処方データーが入力されることにより、それぞれの処方データーにて該当する薬品の収納区画における表示装置において当該検索用指示色が発光するとともに前記表示装置が発光表示される薬品検索棚のシステムにおいて、前記薬品検索棚の収納区画毎に収納薬品の使用期限が過ぎると発光する期限管理用表示装置を設けたことを特徴とする薬品検索棚のシステム。
【請求項２】
各表示装置にリセット釦を設けたことを特徴とする請求項１記載の薬品検索棚のシステム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１１−６０３００（Ｐ２０１１−６０３００Ａ）
【公開日】平成２３年３月２４日（２０１１．３．２４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２２５１５９（Ｐ２０１０−２２５１５９）
【出願日】平成２２年１０月４日（２０１０．１０．４）
【分割の表示】特願２０００−２０１７６２（Ｐ２０００−２０１７６２）の分割
【原出願日】平成１２年７月４日（２０００．７．４）
【出願人】（５９６０７９１３８）東日本メディコム株式会社 (19)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年３月２４日（２０１１．３．２４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１０月４日（２０１０．１０．４）
【分割の表示】特願２０００−２０１７６２（Ｐ２０００−２０１７６２）の分割
【原出願日】平成１２年７月４日（２０００．７．４）
【出願人】（５９６０７９１３８）東日本メディコム株式会社 (19)
【Ｆターム（参考）】
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