薬品送達ビヒクル中の賦形剤

放出割合を調整しそして有益薬剤を安定化させるための賦形剤を供給する注射可能なデポ剤ゲル組成物およびキットが提供される。そのようなシステムを投与および製造する方法も提供される。ゲル組成物は、生分解性の生侵食性重合体および重合体を可塑化しそして重合体とのゲルを生成するのに有効な量の水−非混和性溶媒を含んでなる。適する賦形剤はpH変更剤、還元剤、および酸化防止剤を包含する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願に対するクロス−リファレンス】
【0001】
本出願は2003年11月14日に出願された米国暫定出願番号60/519,972号および2004年11月10日に出願された米国特許出願番号10/...,...,号の権利を主張し、それは引用することにより本発明の内容となる。
【技術分野】
【0002】
発明の分野
本発明は一般的に、有益薬剤の持続放出を与える持続放出デポ剤組成物およびキットに関する。本発明はまた、組成物を製造および投与する方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
生分解性重合体は長年にわたり医学用途で使用されてきた。生分解性重合体より構成される例示装置は縫合糸、手術クリップ、ステープル、移植片、および薬品送達システムを包含する。これらの生分解性重合体の大半はグリコリド、ラクチド、カプロラクトン、およびそれらの共重合体をベースとしていた。
【0004】
注射可能な移植片用の生分解性重合体調合物は水性体液中に非常にまたは比較的可溶性である溶媒/可塑剤を使用して移植片部位における重合体の急速な固化を促進しそして移植片からの薬品の拡散を促進した。移植片が体内に置かれそして水性体液に露呈される時に、水溶性溶媒を使用するそのような重合体状移植片中への水の急速な泳動が重大な問題となる。急速な水吸収はしばしば、寸法および形状が不均質である孔構造を有する移植片をもたらす。典型的には、表面の孔は移植片表面から移植片内に1/3ミリメートルもしくはそれより大きいように伸びる指状の孔構造をとり、そしてそのような指状の孔は移植片の表面で使用環境に開いている。内部の孔はより小さくそして使用環境内に存在する流体により近くまで到達しうる。急速な水吸収特性はしばしば、移植片から放出される有益薬剤の「噴出(burst)」に相当する重合体調合物からの有益薬剤の初期の急速放出により現れる有益薬剤の未調節放出を生ずる。噴出はしばしば、全てではないが、非常に短い時間、例えば、数時間または1−2日間、で放出される有益薬剤の持続部分を生ずる。特に調節送達、すなわち、2週間より長くまたは1ヶ月までのもしくは1年までの期間にわたる調節方法での有益薬剤の送達が望まれる場合、或いは狭い観察機会(window)および過剰な有益薬剤の放出が処置される患者に悪い結果を生じうる場合、或いは処置される患者の体内での例えばホルモンなどの如き有益薬剤の自然の1日毎の特徴を模する必要がある場合、そのような影響は受け入れることができない。
【0005】
従って、そのような装置を移植する時には、指状の孔は移植片内部への水性体液の非常に急速な吸収を、その結果としての有意量の有益薬剤の即時および急速な溶解並びに使用環境内への有益薬剤の妨害を受けない拡散と共に可能にして、以上で論じられた噴出効果を生ずる。
【0006】
さらに、急速な水吸収は、硬化した移植片または硬化した膜を有するものが製造されるような早すぎる重合体沈殿をもたらしうる。内部の孔および有益薬剤を含有する重合体の内部の大部分はしばしば体液との接触から遮断され、そして有益薬剤の放出における有意な減少が取るに足らなくない期間にわたり生じうる(「ずれ時間」)。ずれ時間は処置される患者への有益薬剤の調節持続放出提供の観点から望ましくない。次に観察されるものは、移植直後に短時間で放出される有益薬剤の噴出、放出される有益薬剤がないかもしくは非常に少ないずれ時間、およびその後の有益薬剤が供給し尽くされるまでの有益薬剤の
連続的送達(有益薬剤は噴出後に残存すると仮定する)である。
【0007】
噴出を調節しそして有益薬剤の送達を調整および安定化させるための種々の方式が記載されてきた。下記の特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、および特許文献10、並びに特許文献11が代表的なものであると信じられそして引用することにより本発明の内容となる。幾らかの成功にもかかわらず、これらの方法は移植片により効果的に送達されるであろう多数の有益薬剤にとっては完全に満足のいくものでなかった。
【0008】
薬品の初期の噴出放出および放出割合特徴は、多くの因子、例えば重合体対溶媒の比、重合体の分子量、溶媒の水非混和性、および薬品粒子の性質、により影響されうる。しかしながら、所望する放出割合の達成は、ある場合には、有益薬剤の劣化により制止されうる。さらに、重合体状マトリックスが有益薬剤を捕獲する時には、重合体状マトリックスからの有益薬剤の放出は重合体状マトリックスが有意に分解し始める前に優先的に拡散調節されて、所望されないかもしれない放出割合特徴をもたらしうる。
【0009】
薬品送達システム中でのある種の生分解性重合体の使用により起きる問題は、例えば送達システム内の酸副生物の増加を生ずる重合体の分解である。重合体分解の生成物を含有する生じた環境は、有益薬剤、例えば蛋白質、ペプチド、および小分子薬品、に被害を与えうる。
【0010】
ある種の移植可能システムの使用により生ずる別の問題は、体液からのフリーラジカルおよび/または過酸化物の存在である。例えば、移植可能薬品送達システムに対する通常の異物身体反応もフリーラジカルおよび過酸化物を生ずる。そうゆう次第で、フリーラジカルおよび過酸化物は移植された薬品送達システム中に拡散しそして次に有益薬剤に有害になりうる。
【0011】
その結果として、有益薬剤は数種の原因からの劣化に敏感となり、それにより、意図する有益薬剤の全てが治療のために患者にとって利用できるわけでないため、薬用量形態の総合的な効果を減少させる。
【特許文献1】米国特許第6,468,961号明細書
【特許文献2】米国特許第6,331,311号明細書
【特許文献3】米国特許第6,130,200号明細書
【特許文献4】米国特許第5,990,194号明細書
【特許文献5】米国特許第5,780,044号明細書
【特許文献6】米国特許第5,733,950号明細書
【特許文献7】米国特許第5,656,297号明細書
【特許文献8】米国特許第5,654,010号明細書
【特許文献9】米国特許第4,985,404号明細書
【特許文献10】米国特許第4,853,218号明細書
【特許文献11】PCT国際公開第98/27962号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
重合体分解および/または望ましくないフリーラジカルもしくは過酸化物の存在による被害を与えるマイクロ環境に露呈される有益薬剤を安定化させうる薬品送達システムに関する大きな要望が残る。さらに、所望する放出割合を達成するための薬品送達システムからの有益薬剤の放出を調節するための要望も存続する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の要旨
有益薬剤を短期間および長期間の両方にわたり放出する注射可能なデポ剤ゲル組成物およびキットが本発明により提供される。そのような組成物を投与および製造する方法も提供される。本発明に従う組成物は、ゲルビヒクル、ゲルビヒクル中に溶解または分散させた有益薬剤、および賦形剤を包含する。ゲルビヒクルは、生侵食性(bioerodible)の生相容性(biocompatible)重合体および重合体を可塑化しそしてそれとのゲルを生成するのに有効な量の水−非混和性溶媒を含んでなる。ある場合には、成分溶媒が水−非混和性溶媒と共に使用される。放出特徴を調整しそして有益薬剤を安定化させるために本発明の組成物は賦形剤を使用する。例えば、ある種の賦形剤は重合体の分解の影響を相殺しうる。他の賦形剤は体液からの過酸化物および/またはフリーラジカルの影響を相殺しうる。
【0014】
本発明に従う態様は、生侵食性の生相容性重合体および重合体を可塑化しそしてそれとのゲルを生成するのに有効な量の水−非混和性溶媒を含んでなるゲルビヒクル、ゲルビヒクル中に溶解または分散させた有益薬剤、並びに放出割合を調整しそして有益薬剤を安定化させるための賦形剤を含んでなる有益薬剤の持続送達用の注射可能なデポ剤ゲル組成物であって、持続送達が投与後約24時間〜約12ヶ月の間の期間中に起きる組成物を包含する。
【0015】
多くの適する賦形剤があるが、例はpH変更剤、還元剤、および酸化防止剤を包含する。本発明の態様は単一賦形剤または賦形剤の組み合わせを使用しうる。
【0016】
pH変更剤である賦形剤は、無機塩類、例えば炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、燐酸水素カルシウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、燐酸カルシウム、酢酸マグネシウム、燐酸水素マグネシウム、燐酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、マレイン酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、酢酸亜鉛、燐酸水素亜鉛、燐酸亜鉛、乳酸亜鉛、マレイン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、およびそれらの組み合わせを包含するが、それらに限定されない。還元剤である賦形剤はシステインまたはメチオニンでありうる。賦形剤として使用される酸化防止剤は、d−アルファトコフェロールアセテート、dl−アルファトコフェロール、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化されたヒドロキシアニドール、アスコルビン酸、ブチル化されたヒドロキシアニソール、ブチル化されたヒドロキシキノン、ブチルヒドロキシアニソール、ヒドロキシクマリン、ブチル化されたヒドロキシトルエン、セファルム(cephalm)、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ラウリル、プロピルヒドロキシベンゾエート、トリヒドロキシブチロフェノン、ジメチルフェノール、ジtertブチルフェノール、ビタミンE、レシチン、エタノールアミン、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択できる。
【0017】
賦形剤に言及すると、本発明の組成物は重量により約0.01%〜約50%の間、重量により約0.05%〜約40%の間、または重量により約0.1%〜約30%の間を含んでなりうる。さらに、賦形剤および有益薬剤の間の比は約0.1:99.9〜約99:1の間であることができ、好ましくは比は約1:99〜約60:40の間である。
【0018】
本発明の水−非混和性溶媒は25℃における約7重量%より低いかまたはそれに等しい水中混和度を有する。さらに、組成物は25℃における約7重量%より高い水中混和度を有する溶媒を含まないことがありうる。溶媒は芳香族アルコール、アリール酸類の低級アルキルエステル類、アリール酸類の低級アラルキルエステル類、アリールケトン類、アラルキルケトン類、低級アルキルケトン類、クエン酸の低級アルキルエステル類、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択されうる。本発明で有用な他の溶媒はベンジルアル
コール、安息香酸ベンジル、安息香酸エチル、およびトリアセチンである。
【0019】
本発明のある種の態様は、トリアセチン、ジアセチン、トリブチリン、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルトリエチルサイトレート、アセチルトリブチルサイトレート、トリエチルグリセリド類、燐酸トリエチル、フタル酸ジエチル、酒石酸ジエチル、鉱油、ポリブテン、シリコーン流体、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、オクタノール、乳酸エチル、プロピレングリコール、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、ブチロラクトン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、グリセロールホルマル、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、カプロラクタム、デシルメチルスルホキシド、オレイン酸、および1−ドデシルアザシクロ−ヘプタン−2−オン、並びにそれらの組み合わせよりなる群から選択される成分溶媒を含んでなる。
【0020】
本発明に従い使用される重合体は、ポリラクチド類、ポリグリコリド類、ポリ(カプロラクトン)、ポリ無水物類、ポリアミン類、ポリエステルアミド類、ポリオルトエステル類、ポリジオキサノン類、ポリアセタール類、ポリケタール類、ポリカーボネート類、ポリホスホエステル類、ポリエステル類、ポリブチレンテレフタレート、ポリオルトカーボネート類、ポリホスファゼン類、スクシネート類、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(アミノ酸)類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシセルロース、多糖類、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、並びにそれらの共重合体、三元共重合体および混合物よりなる群から選択されうる。乳酸をベースとした重合体、好ましくはポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)およびポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)を包含する乳酸およびグリコール酸の共重合体(PLGA)、を本発明で使用することができる。ある態様では、PLGA重合体は約3,000〜約120,000の間の重量平均分子量および約50:50〜約100:0の間の乳酸対グリコール酸の単量体比を有する。カプロラクトンをベースとした重合体を本発明で使用することもできる。
【0021】
本発明の他の態様は、約5重量%〜約90重量%の間の、約25重量%〜約80重量%の間の、または約35重量%〜約75重量%の間の重合体を含んでなる。重合体および溶媒の間の比に関すると、ある比は約5:95〜約90:10の間であることができ、他のものは約20:80〜約80:20の間であることができ、さらに他のものは約30:70〜約75:25の間であることができる。
【0022】
本発明に従うと、組成物は下記のもの:乳化剤、孔形成剤、麻酔薬用の溶解度調整剤、および浸透剤、の少なくとも1種をさらに含んでなる。
【0023】
有益薬剤に関すると、組成物は重量により約0.1%〜約50%の、約0.5%〜約40%の、または約1%〜約30%の有益薬剤を含んでなりうる。有益薬剤の平均粒子寸法は約250μmより小さい、約5μm〜約250μmの間、約20μm〜約125μmの間、または約38μm〜約63μmの間である。
【0024】
有益薬剤は、蛋白質、ペプチド、薬品、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択されうる。例えば、蛋白質はヒト成長ホルモン、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、EPO、メチオニン−ヒト成長ホルモン、デス−フェニルアラニンヒト成長ホルモン、交感インターフェロン、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択されうる。有益薬剤が薬品を含んでなる時には、薬品はブピバカイン(bupivacaine)またはプラクリタキシル(praclitaxil)でありうる。ペプチドである有益薬剤はロイプロリド(leuprolide)またはデスモプレッシン(desmopressin)を包含しうる。
【0025】
本発明の1つの態様では、約24時間ないし約12ヶ月の間の期間にわたる患者に対する有益薬剤の持続送達用の注射可能なデポ剤ゲル組成物を製造する方法が提供され、これらの方法は生侵食性の生相容性重合体およびゲルビヒクルを形成するのに有効な可塑化量の水−非混和性溶媒を混合し、有益薬剤をゲルビヒクル中に混入し、放出割合を調整するための賦形剤をゲルビヒクル中に混入し、そして有益薬剤を安定化させることを含んでなり、ここで賦形剤の存在が重合体の分解の影響を相殺する。これらの方法は賦形剤および有益薬剤をゲルビヒクル中に混入する前に賦形剤を有益薬剤と予備混合することをさらに含んでなりうる。他方で、これらの方法は賦形剤および有益薬剤を別個にゲルビヒクル中に充填することをさらに含んでなりうる。賦形剤をゲルビヒクル中に溶解または分散させることができる。
【0026】
本発明の他の方法は、約24時間ないし約12ヶ月の間の期間にわたる患者に対する有益薬剤の持続送達のための注射可能なデポ剤ゲル組成物の製造を包含し、これらの方法は生侵食性の生相容性重合体およびゲルビヒクルを形成するのに有効な可塑化量の水−非混和性溶媒を混合し、有益薬剤をゲルビヒクル中に混入し、放出割合を調整するための賦形剤をゲルビヒクル中に混入し、そして有益薬剤を安定化させることを含んでなり、ここで賦形剤の存在が体液中に見られる過酸化物もしくはフリーラジカルまたは両者を相殺する。
【0027】
本発明の別の態様は、生侵食性の生相容性重合体およびゲルビヒクルを生成するのに有効な可塑化量の水−非混和性溶媒を含んでなるゲルビヒクル、ゲルビヒクル中に溶解または分散された有益薬剤、並びに放出割合を調整しそして有益薬剤を安定化するための賦形剤を含んでなる組成物を投与することを含んでなる、約24時間ないし約12ヶ月の間の期間にわたる有益薬剤の持続放出のための注射可能なデポ剤ゲル組成物を投与する方法を包含する。組成物を1回投与することができる。他方で、組成物を繰り返し投与することもできる。組成物を局所的にまたは全身的に送達することができる。さらに、組成物を患者の複数部位に送達することもできる。
【0028】
本発明のさらに別の態様は、生侵食性の生相容性重合体および重合体を可塑化しそしてそれとゲルを形成するのに有効な量の水−非混和性溶媒を含んでなるゲルビヒクル、ゲルビヒクル中に溶解または分散された有益薬剤、重合体の分解の影響を相殺することにより有益薬剤を安定化させる放出割合を調整するための賦形剤、並びに場合により、下記のもの:乳化剤、孔形成剤、場合により有益薬剤と会合された麻酔薬用の溶解度調整剤、および浸透剤の1種もしくはそれ以上を含んでなる、投与後約24時間ないし約12ヶ月の間の期間にわたる有益薬剤の持続送達の投与用キットであって、ここで場合により溶解度調整剤と会合された少なくとも1種の麻酔薬が麻酔薬の患者への投与時まで溶媒とは別個に維持されるキットを包含する。
【0029】
本発明のさらに別の態様は、生侵食性の生相容性重合体および重合体を可塑化しそしてそれとゲルを形成するのに有効な量の水−非混和性溶媒を含んでなるゲルビヒクル、ゲルビヒクル中に溶解または分散された有益薬剤、重合体の分解の影響を相殺することにより有益薬剤を安定化させる放出割合を調整するための賦形剤、並びに場合により、下記のもの:乳化剤、孔形成剤、場合により有益薬剤と会合された麻酔薬用の溶解度調整剤、および浸透剤の1種もしくはそれ以上を含んでなる、投与後約24時間ないし約12ヶ月の間の期間にわたる有益薬剤の持続送達の投与用キットであって、ここで場合により溶解度調整剤と会合された少なくとも1種の麻酔薬が麻酔薬の患者への投与時まで溶媒とは別個に維持されるキットを包含する。
【0030】
これらおよび他の態様は当業者にはこの開示に鑑みて容易にわかるであろう。
【0031】
図面の詳細な記述
本発明の以上のおよび他の目的、特徴並びに利点は以下の詳細な記述を下記の図面と共に読むとさらに容易に理解されるであろう。
【0032】
図1は本発明のデポ剤調合物(調合物1−2)から得られたブピバカイン塩基のインビボ放出特徴を示すグラフである。
【0033】
図2は本発明のデポ剤調合物(調合物3−5)から得られたブピバカイン塩酸塩のインビボ放出特徴を示すグラフである。
【0034】
図3は本発明のデポ剤調合物(調合物6−8)から得られたhGHのインビボ放出特徴を示すグラフである。
【0035】
詳細な記述
ある種のシステムでは、注射可能なデポ剤組成物の有益薬剤は賦形剤の存在下で安定化されそしてそれらの放出が調整されうる。
【0036】
重合体分解の影響を相殺しそして放出特徴を調整するために本発明の組成物を使用する。多くの適する賦形剤があるが、例はpH変更剤および酸化防止剤、例えば還元剤およびフリーラジカルスカベンジャーを包含する。
【0037】
pHの変更剤は、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、燐酸水素カルシウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、燐酸カルシウム、酢酸マグネシウム、燐酸水素マグネシウム、燐酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、マレイン酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、酢酸亜鉛、燐酸水素亜鉛、燐酸亜鉛、乳酸亜鉛、マレイン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、およびそれらの組み合わせを包含する無機および有機塩類を包含するが、それらに限定されない。還元剤はシステインまたはメチオニンを包含するが、それらに限定されない。酸化防止剤はd−アルファトコフェロールアセテート、dl−アルファトコフェロール、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化されたヒドロキシアニドール、アスコルビン酸、ブチル化されたヒドロキシアニソール、ブチル化されたヒドロキシキノン、ブチルヒドロキシアニソール、ヒドロキシクマリン、ブチル化されたヒドロキシトルエン、セファルム、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ラウリル、プロピルヒドロキシベンゾエート、トリヒドロキシブチロフェノン、ジメチルフェノール、ジtertブチルフェノール、ビタミンE、レシチン、およびエタノールアミンを包含するが、それらに限定されない。
【0038】
本発明により意図される組成物は、(1)デポ剤調合物内の局所的なpHの均衡をとって有益薬剤を重合体分解による低いpHから保護しそして(2)重合体中の微孔構造を活発に作成することにより放出割合特徴を調整することができる賦形剤、例えば無機塩類、例えば、炭酸マグネシウムまたは炭酸亜鉛を導入するものを包含する。選択される無機塩類のあるものの弱塩基性のために、重合体の分解により生ずるデポ剤微小環境内の局所的な酸性pHの均衡をとりうる。有益薬剤、特に蛋白質、ペプチド、および薬品は、従って、低いpHの有害な影響から保護されうる。さらに、理論により拘束しようとはしないが、例えば無機塩類の如き賦形剤が水中への溶解により重合体状マトリックスを残す時には、塩により最初は占有された空間が微孔構造を活発に作成するであろう。孔寸法および密度は出発物質および充填水準により調節することができる。それ故、所望する放出特徴はプログラム可能でありうる。
【0039】
さらに、多くの小分子薬品は薬品が露呈される環境のpHによって種々の形態で存在する。例えば、小分子薬品は低いpHでは正の電荷を、比較的高いpHでは負の電荷を、そして中間的pHでは無電荷を有する。従って、局所的pHを変えることにより、薬品の親水性−疎水性およびマトリックス中の薬品の溶解度を容易に注文製作することができる。それ故、初期の噴出放出およびデポ剤からの活性剤の放出割合特徴は薬品の親水性−疎水性に大きく依存しうる。デポ剤からの活性剤の放出割合特徴はその化学的形態によりそして多くの場合には局所的pHにより容易に注文製作することができるため、本発明における方式は薬品の溶解度を調整するために薬品粒子調合物中のいずれかの追加の調合用物質を不必要にしうるので、その結果として薬品調合物をはるかにより簡単にする。
【0040】
さらに、多くの小分子薬品は、過酸化物またはフリーラジカルが存在する時に酸化を受けやすい官能性部分、例えばアミン、ヒドロキシル基、を含有する。酸化されると、薬品はそれらの活性を失いおよび/またはある種の望ましくない副作用を生じうる。還元剤またはフリーラジカルスカベンジャーの如くであるがそれらに限定されない酸化防止剤を導入することにより、体液からゲルビヒクル中に拡散するかまたは移植片に対する通常の異物身体反応から生ずる過酸化物もしくはフリーラジカルまたは両者の攻撃から薬品の本来の状態を保護することができる。さらに、理論により拘束しようとはしないが、例えば固体還元剤、酸化防止剤、およびフリーラジカルスカベンジャーの如き賦形剤の粒子、または例えば固体還元剤、酸化防止剤、およびフリーラジカルスカベンジャーの如き賦形剤の分散された小滴が拡散により重合体状マトリックスを残す時には、賦形剤により最初は占有された空間が微孔構造を活発に作成するであろう。孔寸法および密度は出発物質および充填水準により調節することができる。それ故、所望する放出特徴はプログラム可能でありうる。
【0041】
過酸化物またはフリーラジカルが存在する時には、生物学的活性剤、例えば蛋白質、ペプチド、モノクローン抗体などは一般的に酸化を受けやすい。酸化される時に、生物学的活性剤はそれらの活性を失いおよび/または例えば免疫反応の如きある種の望ましくない副作用を生じうる。還元剤、酸化防止剤またはフリーラジカルスカベンジャーを導入することにより、剤の本来の状態を体液からゲルビヒクル中に拡散するかまたは移植片に対する通常の異物身体反応から生ずる過酸化物および/もしくはフリーラジカルの攻撃から保護することができる。さらに、理論により拘束しようとはしないが、例えば固体還元剤、酸化防止剤、およびフリーラジカルスカベンジャーの如き賦形剤の粒子、または例えば固体還元剤、酸化防止剤、フリーラジカルスカベンジャーの如き賦形剤の分散された小滴が拡散により重合体状マトリックスを残す時には、賦形剤により最初は占有された空間が微孔構造を活発に作成するであろう。孔寸法および密度は出発物質および充填水準により調節することができる。それ故、所望する放出特徴はプログラム可能でありうる。
【0042】
本発明に従う組成物は、賦形剤、例えば酸化防止剤、還元剤、および/または体液からゲルビヒクル中に拡散するかまたは移植片に対する通常の異物身体反応から生ずるフリーラジカルおよび過酸化物を標的にするフリーラジカルスカベンジャーを含んでなる。
【0043】
ゲルビヒクル中への賦形剤の導入は、例えば、賦形剤を薬品粒子の中に粒子調合処理中に直接導入するか、または予備混合することにより行うことができる。他方で、賦形剤および薬品を別個にゲルビヒクルの中に充填することもできる。賦形剤は、有益薬剤のように、ゲルビヒクル中に分散または溶解させうる。
【0044】
定義
本発明を記載しそして請求する際に、下記の用語を以下に示された定義に従い使用する。
【0045】
単数形「a」、「an」および「the」は、前後関係が明らかに他のものを指定しない限り、複数形も包含する。それ故、例えば、「溶媒」は単一溶媒並びに2種もしくはそれ以上の異なる溶媒の混合物を包含し、「麻酔薬」の言及は単一麻酔薬並びに組み合わされた2種もしくはそれ以上の異なる麻酔薬を包含するなどである。
【0046】
「重合体の分解の影響」の言及は、生分解性重合体の破壊から生ずる副生物をさすが、それらに限定されない。そのような副生物は酸副生物、例えばPLGAが使用される時には例えば乳酸およびグリコール酸を包含しうる。さらに、例えば酸化物、過酸化物、およびフリーラジカルの如き副生物も存在しうる。「分解の影響を相殺する」の言及は、従って、副生物が有益薬剤に害を与えないことを意味する。例えば、塩類を含んでなる賦形剤は酸副生物を中和する。還元剤を含んでなる賦形剤は過酸化物を抑制し、そして同様に酸化防止剤は酸化物が有益薬剤を分解させない。
【0047】
「過酸化物もしくはフリーラジカルまたは両者」の言及は、有益薬剤に有害でありうる体液中に存在する過酸化物および/またはフリーラジカルをさすが、それらに限定されない。例えば、移植片に対する通常の異物身体反応がフリーラジカルおよび過酸化物を発生し、それらは移植片内に行きそして有益薬剤を分解させうる。他の過酸化物およびフリーラジカルは身体の通常機能の結果でありそして依然として有益薬剤にとって有害である。
【0048】
用語「賦形剤」は、有益薬剤またはゲルビヒクルを形成するために使用される物質とは別に、調合物中のいずれかの有用な成分を意味する。放出割合を調整しそして有益薬剤を安定化させるために有用な賦形剤は、pH変更剤、還元剤、酸化防止剤、およびフリーラジカルスカベンジャーを包含する。
【0049】
用語「AUC」は、組成物の移植時間から測定される時間に対する患者内の有益薬剤の血液血漿濃度を移植後の時間「t」に関してプロットすることにより患者におけるインビボ検定から得られた曲線下の面積を意味する。時間は患者に対する有益薬剤の送達時間に対応するであろう。
【0050】
用語「噴出指数」は、有益薬剤の全身的送達を意図する特定の組成物に関しては、(i)第一時期における時間数(t)により割り算された患者内への組成物の移植後の第一時期に関して計算されたAUCを、(ii)送達期間の合計期間における時間数(t)により割り算された有益薬剤の送達時期に関して計算されたAUCにより割り算することにより生じた商を意味する。例えば、24時間における噴出指数は、(i)数24により割り算された患者内への組成物の移植後の最初の24時間に関して計算されたAUCを、(ii)送達期間の合計期間における時間数により割り算された有益薬剤の送達時期に関して計算されたAUCにより割り算することにより生じた商である。
【0051】
句「溶解させたまたは分散させた」は、ゲル組成物中の有益薬剤および/または賦形剤の存在が確立された全ての意味を包括し、そして溶解、分散、懸濁などを包含する。
【0052】
用語「全身的」は、患者に対する有益薬剤の送達または投与に関して、有益薬剤が患者の血液血漿中で生物学的に有意な水準で検出可能であることを意味する。
【0053】
用語「局所的」は、患者に対する有益薬剤の送達または投与に関して、有益薬剤が患者内で局所化された部位に送達されるが患者の血液血漿中で生物学的に有意な水準で検出可能でないことを意味する。
【0054】
用語「ゲルビヒクル」は、有益薬剤の不存在下で重合体および溶媒の混合物により形成
される組成物を意味する。
【0055】
用語「短期間」または「短い期間」は、交換可能に使用されそして本発明のデポ剤ゲル組成物からの有益薬剤の放出が起きる時間をさし、それは一般に2週間に等しいかまたはそれより短く、好ましくは約24時間ないし約2週間、好ましくは約10日間またはそれより短く、好ましくは約7日間またはそれより短く、より好ましくは約3日間ないし約7日間であろう。
【0056】
用語「長期間」または「長い期間」は、本発明の移植片からの有益薬剤の放出が起きる時間を意味し、それは一般的に約1週間またはそれより長く、好ましくは約30日間またはそれより長く、そしてより好ましくは1年間であろう。
【0057】
用語「初期の噴出」は、本発明の特定組成物に関して、(i)移植後の予め決められた初期の時間内に組成物から放出された有益薬剤の重量を(ii)移植された組成物から送達されるべき有益薬剤の合計量により割り算することにより得られる商を意味する。初期の噴出は移植片の形状および表面積によって変動しうる。従って、ここに記載された初期の噴出に関連する百分率および噴出指数は標準的注射器からの組成物の分配から生ずる形態で試験された組成物に適用されることが意図される。
【0058】
用語「溶解度調整剤」は、有益薬剤に関して、有益薬剤の溶解度を重合体溶媒または水に関連して調整剤の不存在下における有益薬剤の溶解度から変更させる剤を意味する。調整剤は溶媒または水の中での有益薬剤の溶解を促進または遅延させうる。しかしながら、高度に水溶性である有益薬剤の場合には、溶解度調整剤は一般的に有益薬剤の水中への溶解を遅延させる剤であろう。有益薬剤の溶解度調整剤の影響は、溶解度調整剤と溶媒との、もしくは有益薬剤自体との、または両者との、例えば複合体の生成によるような、相互作用から生じうる。その目的のためには、溶解度調整剤が有益薬剤と「会合」する時に、起きうる全ての相互作用または生成が意図される。溶解度調整剤を有益薬剤と粘着性ゲルとのその組み合わせ前に混合することができ、または有益薬剤の添加前に粘着性ゲルに適宜加えることができる。
【0059】
用語「対象」および「患者」は、本発明の組成物の投与に関して、動物または人間を意味する。
【0060】
全ての溶媒は、少なくとも分子水準では、ある非常に限定された程度まで水中に可溶性(すなわち水と混和性)であるため、ここで使用される用語「非混和性」は溶媒の7重量%もしくはそれより少ない量、好ましくは5重量%もしくはそれより少ない量が水中に可溶性であるかまたは混和性であることを意味する。この開示の目的のためには、溶媒の水中溶解度値は25℃において測定されると考えられる。報告される溶解度値は必ずしも常に同一条件で得られるわけでないと一般的に認識されているため、範囲または上限の一部として水と混和性または可溶性の重量%としてここに引用される溶解度限度は絶対的でないかもしれない。例えば、溶媒の水中溶解度に関する上限はここでは「7重量%」として示されており、そして溶媒に対するさらなる限定が与えられていない場合には、100mlの水中の7.17グラムの報告された水中溶解度を有する溶媒「トリアセチン」は7%の限度内に包含されると考えられる。ここで使用される7重量%より低い水中の溶解度限度は溶媒トリアセチンまたはトリアセチンに等しいかもしくはそれより高い溶解度を有する溶媒を包含しない。
【0061】
用語「生侵食性」は、徐々に分解し、溶解し、加水分解しおよび/またはその場で腐食する物質をさす。一般的に、「生侵食性」重合体はここでは加水分解可能でありそしてその場で主として加水分解により生腐食する重合体である。
【0062】
本発明の重合体、溶媒および他の剤は「生相容性」でなければならず、すなわちそれらは使用環境において刺激、炎症または壊死を引き起こしてはならない。使用環境は流体環境であり、そして人間または動物の皮下、筋肉内、血管内(高/低流)、心筋内、外膜、腫瘍内、もしくは脳内部分、外傷部位、締め付け関節空間または体腔を含んでなりうる。
【0063】
ここで使用される用語「アルキル」は必ずしも必要ではないが典型的には炭素数が1〜約30の飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、オクチル、デシルなど、並びにシクロアルキル基、例えばシクロペンチル、シクロヘキシルなどをさす。一般的に、これも必ずしも必要ではないが、アルキル基はここでは1〜12個の炭素原子を含有する。用語「低級アルキル」は炭素数1〜6の、好ましくは1〜4の、アルキル基を意図する。「置換されたアルキル」は1個もしくはそれ以上の置換基で置換されたアルキルをさし、そして用語「ヘテロ原子を含有するアルキル」および「ヘテロアルキル」は少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子で置換されたアルキルをさす。断らない限り、用語「アルキル」および「低級アルキル」は線状、分枝鎖状、環式、未置換の、置換された、および/またはへテロ原子を含有するアルキルまたは低級アルキルを包含する。
【0064】
ここで使用される用語「アリール」は、断らない限り、一緒に縮合され、共有結合され、または例えばメチレンもしくはエチレン部分の如き普遍的な基と結合された単一の芳香族環または複数の芳香族環を含有する芳香族置換基をさす。好ましいアリール基は1個の芳香族環または2個の縮合もしくは結合された芳香族環、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルアミン、ベンゾフェノンなどを含有し、そして最も好ましいアリール基は単環式である。「置換されたアリール」は1個もしくはそれ以上の置換基で置換されたアリール部分をさし、そして用語「ヘテロ原子を含有するアリール」および「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子で置換されたアリールをさす。断らない限り、用語「アリール」はヘテロアリール、置換されたアリール、および置換されたヘテロアリール基を包含する。
【0065】
用語「アラルキル」はアリール基で置換されたアルキル基をさし、ここでアルキルおよびアリールは以上で定義された通りである。用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリール基で置換されたアルキル基をさす。断らない限り、用語「アラルキル」は、ヘテロアラルキルおよび置換されたアラルキル基並びに未置換のアラルキル基を包含する。一般的に、用語「アラルキル」は、ここではアリール−置換された低級アルキル基、好ましくはフェニル置換された低級アルキル基、例えばベンジル、フェネチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピルなどをさす。
【0066】
I.注射可能なデポ剤組成物:
これまでの重合体をベースとした注射可能なデポ剤とは対照的に、本発明のデポ剤は放出割合を調整しそして重合体の分解の影響を相殺することにより有益薬剤を安定化させる賦形剤を使用する。長期間にわたる有益薬剤の送達用の注射可能なデポ剤組成物は患者内へのデポ剤の注射前に粘着性ゲルとして形成されうる。粘着性ゲルは分散された有益薬剤を維持して、有益薬剤が時間にわたりデポ剤から放出されるにつれて、少ない初期の噴出を有するものを包含する適切な送達特徴を与える。
【0067】
典型的には、粘着性ゲルは有益薬剤−粘着性ゲル組成物がデポ剤を形成するために予備充填された標準的な皮下注射器から注射されるであろう。注射を最小寸法(すなわち、最小直径)の針を用いて行って皮膚を通して皮下に注射する時に患者に対する不快さを減ずることがしばしば好ましい。ゲルを16ゲージおよびそれより大きい、好ましくは20ゲージおよびそれより大きい、より好ましくは22ゲージおよびそれより大きい、さらにより好ましくは24ゲージおよびそれより大きい範囲にわたる針を通して注射可能であることが望ましい。高度に粘着性のゲル、すなわち約200ポイズもしくはそれより高い粘度を有するゲル、では、20〜30ゲージ範囲内の針を有する注射器からゲルを分配させる注射力が高すぎて手により行われる時には注射を困難にさせるかまたはかなり不可能にさせうる。同時に、ゲルの高い粘度は注射後および分配期間中にデポ剤の本来の状態を維持しそしてゲル中での有益薬剤の所望する懸濁特性を増加させるためには望ましい。
【0068】
ここに記載されるデポ剤ゲル組成物は剪断力を受けた時に粘度減少を示す。減少の程度は、一部は、剪断力を受けた時のゲルの剪断速度、重合体の分子量および重合体マトリックスの多分散性の関数である。剪断力が除かれる時に、デポ剤ゲル組成物の粘度はそれが剪断力を受ける前に示した粘度もしくはそれに近い粘度に戻る。従って、デポ剤ゲル組成物は、注射工程中にその粘度を一時的に減少させる注射器から注射される時に、剪断力を受けうる。注射工程が完了する時に、剪断力は除かれそしてゲルはその前の状態の非常に近くまで戻る。
【0069】
賦形剤
以上で論じたように、放出割合を調整しそして有益薬剤を安定化させるために有用な賦形剤は、有益薬剤またはゲルビヒクルを形成するために使用される物質とは別に、調合物中にいずれかの有用な成分を包含する。放出割合を調整しそして有益薬剤を安定化させるために有用な賦形剤は、例えば、pH変更剤、還元剤、酸化防止剤、およびフリーラジカルスカベンジャーを包含する。
【0070】
pHの変更剤は、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、燐酸水素カルシウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、燐酸カルシウム、酢酸マグネシウム、燐酸水素マグネシウム、燐酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、マレイン酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、酢酸亜鉛、燐酸水素亜鉛、燐酸亜鉛、乳酸亜鉛、マレイン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、およびそれらの組み合わせを包含する無機および有機塩類を包含するが、それらに限定されない。還元剤はシステインまたはメチオニンを包含するが、それらに限定されない。酸化防止剤は、d−アルファトコフェロールアセテート、dl−アルファトコフェロール、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化されたヒドロキシアニドール、アスコルビン酸、ブチル化されたヒドロキシアニソール、ブチル化されたヒドロキシキノン、ブチルヒドロキシアニソール、ヒドロキシクマリン、ブチル化されたヒドロキシトルエン、セファルム、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ラウリル、プロピルヒドロキシベンゾエート、トリヒドロキシブチロフェノン、ジメチルフェノール、ジtertブチルフェノール、ビタミンE、レシチン、およびエタノールアミンを包含するが、それらに限定されない。
【0071】
生侵食性の生相容性重合体
本発明の方法および組成物に関連して有用である重合体は生侵食性であり、すなわち、それらは徐々に分解し、溶解し、物理的に腐食しおよび/または患者の身体の水性流体内でその他の方法で崩壊する。一般的に、重合体は加水分解または物理的腐食の結果として生腐食するが、主要な生腐食工程は典型的には加水分解である。
【0072】
そのような重合体は、ポリラクチド類、ポリグリコリド類、ポリカプロラクトン類、ポリ無水物類、ポリアミン類、ポリウレタン類、ポリエステルアミド類、ポリオルトエステル類、ポリジオキサノン類、ポリアセタール類、ポリケタール類、ポリカーボネート類、ポリホスホエステル類、ポリオキシエステル類、ポリオルトカーボネート類、ポリホスファゼン類、スクシネート類、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(アミノ酸)類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシセルロース、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、並びにそれらの共重合体、三元共重合体および混合物を包含するが、それらに限定されない。
【0073】
ここで好ましい重合体は、ポリラクチド類、すなわち乳酸だけをベースとしてもよくまたは乳酸およびグリコール酸をベースとした共重合体でもよい乳酸をベースとした重合体であり、そしてそれらは本発明に従い得られうる有利な結果に実質的に影響しない少量の他の成分を含んでいてもよい。ここで使用される用語「乳酸」は、異性体であるL−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸およびラクチドを包含するが、用語「グリコール酸」は、グリコリドを包含する。一般に「PLGA」と称するポリ(ラクチド−コ−グリコリド)共重合体が最も好ましい。重合体は約100:0〜約15:85の、好ましくは約75:25〜約30:70の、より好ましくは約60:40〜約40:60の乳酸/グリコール酸の単量体比を有することができ、そして特別に有用な共重合体は約50:50の乳酸/グリコール酸の単量体比を有する。
【0074】
米国特許第5,242,910号明細書に示されているように、重合体は米国特許第4,443,340号明細書の教示に従い製造することができる。或いは、乳酸をベースとした重合体は乳酸または乳酸およびグリコール酸の混合物から(さらなる共単量体を用いてまたは用いずに)米国特許第5,310,865号明細書に示された教示に従い製造することができる。これらの特許の全ての内容は引用することにより本発明の内容となる。適する乳酸をベースとした重合体は市販されている。例えば、8,000,10,000,30,000および100,000の分子量を有する50:50の乳酸:グリコール酸共重合体はベーリンゲル・インゲルハイム(Boehringer Ingelheim)(ピータースブルグ、バージニア州)、メジソルブ・テクノロジーズ・インターナショナルL.P.(Medisorb Technologies Internatinal L.P.)(シンシナティ、オハイオ州)およびバーミンガム・ポリマーズ・インコーポレーテッド(Birmingham Polymers,Inc.)(バーミンガム、アラバマ州)から以下に記載されているように入手可能である。
【0075】
適する重合体は、0.15のインヘレント粘度を有する50:50DL−PLGとして入手可能なポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)(PLGA−BPI、バーミンガム・ポリマーズ・インコーポレーテッド、バーミンガム、アラバマ州)および50:50 レソマー(Resomer)(R)RG502(PLGA RG 502)、ポリ(D,L−ラクチド)レソマー(R)L104、PLA−L104、コード番号33007、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)50:50レソマー(R)RG502、コード0000366、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)50:50レソマー(R)RG502H、PLGA−502H、コード番号260187、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)50:50レソマー(R)RG503、PLGA−503、コード番号0080765、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)50:50レソマー(R)RG755、PLGA−755、コード番号95037、ポリL−ラクチドMW2,000(レソマー(R)L206、レソマー(R)L207、レソマー(R)L209、レソマー(R)L214);ポリD,Lラクチド(レソマー(R)R104、レソマー(R)R202、レソマー(R)R203、レソマー(R)R206、レソマー(R)R207、レソマー(R)R208);ポリL−ラクチド−コ−D,L−ラクチド90:10(レソマー(R)LR209);ポリD−L−ラクチド−コ−グリコリド75:25(レソマー(R)RG752、レソマー(R)RG756);ポリD,L−ラクチド−コ−グリコリド85:15(レソマー(R)RG858);ポリL−ラクチド−コ−トリメチレンカーボネート70:30(レソマー(R)LT706);ポリジオキサノン(レソマー(R)X210)(ベーリンゲル・インゲルハイム・ケミカルズ・インコーポレーテッド、ピータースブルグ、バージニア州);DL−ラクチド/グリコリド100:0(メジソルブ(MEDISORB)(R)ポリマー100DL・ハイ(High)、メジソルブ(R)ポリマー100DL・ロウ(Low));DL−ラクチド/グリコリド85/15(メジソルブ(R)ポリマー8515DL・ハイ、メジソルブ(R)ポリマー8515DL・ロウ);DL−ラクチド/グリコリド75/25(メジソルブ(R)ポリマー7525DL・ハイ、メジソルブ(R)ポリマー7525DL・ロウ);DL−ラクチド/グリコリド65/35(メジソルブ(R)ポリマー6535DL・ハイ、メジソルブ(R)ポリマー6535DL・ロウ);DL−ラクチド/グリコリド54/46(メジソルブ(R)ポリマー5050DL・ハイ、メジソルブ(R)ポリマー5050DL・ロウ);およびDL−ラクチド/グリコリド54/46(メジソルブ(R)ポリマー5050DL2A(3)、メジソルブ(R)ポリマー5050DL3A(3)、メジソルブ(R)ポリマー5050DL4A(3))(メジソルブ・テクノロジーズ・インターナショナル・L.P.、シンシナティ、オハイオ州);並びにポリD,L−ラクチド−コ−グリコリド50:50;ポリD,L−ラクチド−コ−グリコリド65:35;ポリD,L−ラクチド−コ−グリコリド75:25;ポリD,L−ラクチド−コ−グリコリド85:15;ポリDL−ラクチド;ポリL−ラクチド;ポリグリコリド;ポリε−カプロラクトン;ポリDL−ラクチド−コ−カプロラクトン25:75;およびポリDL−ラクチド−コ−カプロラクトン75:25(バーミンガム・ポリマーズ・インコーポレーテッド、バーミンガム、アラバマ州)を包含するが、それらに限定されない。
【0076】
生相容性の生侵食性重合体はゲル組成物中に粘着性ゲルの約5〜約90重量%の、好ましくは約25〜約80重量%のそして典型的には約35〜約75重量%の範囲にわたる量で存在し、粘着性ゲルは組み合わされた量の生相容性重合体および25℃における7重量%より低い水中混和度を有する溶媒を含んでなる。
【0077】
溶媒を重合体に下記の量で加えて、移植可能なまたは注射可能な粘着性ゲルを与えるであろう。
【0078】
溶媒:
本発明の注射可能なデポ剤組成物は25℃における7重量%より低い水中混和度を有する水−非混和性溶媒を、生侵食性重合体、賦形剤、および有益薬剤の他に含有することができる。溶媒は生相容性でなければならず、重合体とのゲル、好ましくは粘着性ゲルを生成しなければならず、そして移植片中への水吸収を制限しなければならない。適する溶媒は移植片による水の吸収を実質的に制限し、そして以上で述べたように、水中に非混和性である、すなわち多くとも7重量%の水中溶解度または混和度を有すると特徴づけることができる。好ましくは、芳香族アルコールの水溶解度は5重量%もしくはそれより低く、より好ましくは3重量%もしくはそれより低く、そしてさらにより好ましくは1重量%もしくはそれより低い。最も好ましくは、芳香族アルコールの水中溶解度は0.5重量パーセントに等しいかもしくはそれより低い。好ましい態様では、溶媒は芳香族アルコール、芳香族酸類のエステル類、芳香族ケトン類、およびそれらの混合物よりなる群から選択される。
【0079】
水混和度は下記の通りにして実験的に測定できる:水(1〜5g)を風袋が量られた透明容器の中に約25℃の調節された温度において入れ、そして重量測定し、そして候補溶媒を滴下する。溶液を撹拌して相分離を観察する。相分離の観察により測定して飽和点に達したと見えた時に、溶液を一晩にわたり放置しそして翌日に再検査する。相分離の観察により溶液が依然として飽和している場合には、加えられた溶媒の百分率(w/w)を測定する。そうでなければさらに溶媒を加えそして工程を繰り返す。加えられた溶媒の合計重量を溶媒/水混合物の最終重量により割り算することにより、溶解度または混和度を測定する。溶媒混合物が使用される時には、それらを水に加える前に予備混合する。
【0080】
組成物は、1種もしくは複数の水−非混和性溶媒の他に、1種もしくはそれ以上の追加の混和性溶媒(「成分溶媒」)を、そのような追加溶媒が低級アルカノール以外である限り、包含しうる。1種もしくは複数の主要溶媒と相容性であり且つ混和性である成分溶媒はより高い水との混和度を有しており、そして生じた混合物は依然として移植片中への水吸収の有意な制限を示しうる。そのような混合物は「成分溶媒混合物」と称されるであろう。有用な成分溶媒混合物は、本発明の移植片により示される水吸収の制限に有害な影響を与えずに、主要溶媒自体より高い、典型的には0.1重量パーセントから50重量パーセントまでの、好ましくは30重量パーセントまでの、そして最も好ましくは10重量パーセントまでの、水中溶解度を示す。
【0081】
成分溶媒混合物中で有用な成分溶媒は、主要溶媒または溶媒混合物と混和性である溶媒であり、そしてトリアセチン、ジアセチン、トリブチリン、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルトリエチルサイトレート、アセチルトリブチルサイトレート、トリエチルグリセリド類、燐酸トリエチル、フタル酸ジエチル、酒石酸ジエチル、鉱油、ポリブテン、シリコーン流体、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、オクタノール、乳酸エチル、プロピレングリコール、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、ブチロラクトン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、グリセロールホルマル、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、カプロラクタム、デシルメチルスルホキシド、オレイン酸、および1−ドデシルアザシクロ−ヘプタン−2−オン、並びにそれらの組み合わせを包含するが、それらに限定されない。
【0082】
溶媒または溶媒混合物は重合体を溶解させて、溶解または分散させた有益薬剤の粒子を維持しそして放出前に使用環境から単離しうる粘着性ゲルを生成可能である。本発明の組成物は低い噴出指数を有する移植片を与える。重合体を溶解または可塑化させるが移植片中への水の吸収を実質的に制限する溶媒または成分溶媒混合物の使用により、水吸収は調節される。
【0083】
溶媒または溶媒混合物は、典型的には、粘着性ゲルの重量の約95〜約5%の、好ましくは約75〜約15%の、そして最も好ましくは約65%〜約20%の量で存在する。特別に好ましい態様では、溶媒は芳香族アルコール、安息香酸の低級アルキルおよびアラルキルエステル類から選択される。ここで、最も好ましい溶媒は安息香酸ベンジル(「BB」)、ベンジルアルコール(「BA」)、安息香酸エチル(「EB」)、BBおよびBAの混合物、BBおよびエタノールの混合物、並びにBBおよびEBの混合物から選択される。
【0084】
重合体対溶媒の比は、約5:95〜約90:10の間、好ましくは約20:80〜約80:20の間、そしてより好ましくは約30:70〜約75:25の間を包含する。
【0085】
有益薬剤:
有益薬剤は、製薬学的に許容可能な担体および本発明により得られうる有利な結果に実質的に悪影響を与えない追加成分、例えば酸化防止剤、安定剤、透過促進剤などと場合により組み合わされていてもよい。1種もしくは複数の生理学的または薬理学的に活性な物質でありうる。有益薬剤は、人間または動物の身体に送達されることが知られておりそして重合体を溶解させる溶媒中よりもむしろ水中に優先的に可溶性であるいずれかの剤でありうる。これらの剤は薬剤、薬物、ビタミン、栄養素などを包含する。この記述に合致するタイプの剤の中には、比較的低分子量の化合物、蛋白質、ペプチド、遺伝物質、栄養素、ビタミン、食品補足剤、性器殺菌剤、受精抑制剤および受精促進剤を包含する。
【0086】
本発明により送達されうる薬剤は、末梢神経、アドレナリン作用性受容体、コリン作用
性受容体、骨格筋、心臓血管系、平滑筋、血液循環系、シナプス部位、ニューロエフェクター結合部位、内分泌およびホルモン系、免疫系、再生系、骨格系、オータコイド系、栄養および排泄系、ヒスタミン系および中枢神経系に作用する薬品を包含する。適する剤は、例えば、蛋白質類、酵素類、ホルモン類、ポリヌクレオチド類、ヌクレオ蛋白質類、多糖類、オリゴ蛋白質類、リポ蛋白質類、ポリペプチド類、ステロイド類、麻酔薬、局所麻酔薬、抗生物質剤、化学療法剤、免疫抑制剤、抗−炎症性コルチコステロイド類を包含する抗−炎症剤、抗増殖剤、抗有糸分裂剤、血管形成剤、抗精神病薬、中枢神経系(CNS)剤、抗凝固剤、線維素溶解剤、成長因子、抗体、眼薬、および代謝産物、同族体(合成および置換された同族体を包含する)、誘導体(他の分子との集合共役体/縮合体および当該技術で既知の手段による関連のない化学部分との共有共役体を包含する)断片、および精製され単離された組み換え体、並びにこれらの種の化学的に合成された変種から選択することができる。
【0087】
本発明の組成物により送達されうる薬品の例は、ブピバカイン(bupivacaine)、ブプレノルフィン(buprenorphine)、プロクロルペルジン・エジシレート(prochlorperzine edisylate)、硫酸第一鉄、アミノカプロン酸、メカミルアミン・ヒドロクロリド(mecamylamine hydrochloride)、プロカインアミド・ヒドロクロリド(procainamide hydrochloride)、アンフェタミン・サルフェ−ト(amphetamine sulfate)、メタムフェタミン・ヒドロクロリド(methampheatmine hydrochloride)、ベンズアンフェタミン・ヒドロクロリド(benzamphetamine hydrochloride)、イソプロテレノール・サルフェート(isoproterenol sulfate)、フェンメトラジン・ヒドロクロリド(phenmetrazine hydrochloride)、ベタネコール・クロリド(bethanechol chloride)、メタコリン・クロリド(methacholine chloride)、ピロカルピン・ヒドロクロリド(pilocarpine hydrochloride)、アトロピン・サルフェ−ト(atropine sulfate)、スコポラミン・ブロミド(scopolamine bromide)、イソプロパミド・ヨーダイド(isopropamide iodide)、トリジヘキセチル・クロリド(tridihexethyl chloride)、フェンホルミン・ヒドロクロリド(phenformin hydrochloride)、メチルフェニデート・ヒドロクロリド(methylphenidate hydrochloride)、テオフィリン・コリネート(theophylline cholinate)、セファレキシン・ヒドロクロリド(cephalexin hydrochloride)、ジフェニドール(diphenidol)、メクリジン・ヒドロクロリド(meclizine hydrochloride)、プロクロルペラジン・マレエート(prochlorperazine maleate)、フェノキシベンズアミン(phenoxybenzamine)、チエチルペルジン・マレエート(thiethylperzine maleate)、アニシンドン(anisindone)、ジフェナジオン・エリスリチル・テトラナイトレート(diphenadione erythrityl tetranitrate)、ジゴキシン(digoxin)、イソフルロフェート(isoflurophate)、アセタゾールアミド(axetazolamide)、メタゾールアミド(methazolamide)、ベンドロフルメチアジド(bendroflumethiazide)、クロロプロマイド(chloropromaide)、トラザミド(tolazamide)、クロルマジノン・アセテート(chlormadinone acetate)、フェナグリコドール(phenaglycodol)、アロプリノール(allopurinol)、アルミニウム・アスピリン(aluminum aspirin)、メトトレキセート(methotrexate)、アセチル・スルフィソキサゾール(acetyl sulfisoxazole)、エリスロマイシン(erythromycin)、ヒドロコルチソン(hydrocortisone)、ヒドロコルチコステロン・アセテート(hydrocorticosterone acetate)、コルチソン・アセテート(cortisone acetate)、デキサメタソン(dexamethasone)およびその誘導体、例えばベータメタソン(betamethasone)、トリアムシノロン(triamcinolone)、メチルテストステロン(methyltestosterone)、テストステロン(testosterone)、17−S−エストラジオール(17−S−estradiol)、エチニル・エストラジオール(ethinyl estradiol)、エチニル・エストラジオール3−メチルエーテル(ethinyl estradiol 3−methyl ether)、プレドニソロン(prednisolone)、17α−ヒドロキシプロゲステロン・アセテート(17α−hydroxyprogesterone acetate)、19−ノル−プロゲステロン(19−nor−progesterone)、ノルゲストレル(norgestrel)、ノルエチンドロン(norethindrone)、ノルエチステロン(norethisterone)、ノルエチエデロン(norethiederone)、プロゲステロン(progesterone)、ノルゲステロン(norgesterone)、ノルエチノドレル(norethynodrel)、アスピリン(aspirin)、インドメタシン(indomethacin)、ナプロキセン(naproxen)、フェノプロフェン(fenoprofen)、スリンダック(sulindac)、インドプロフェン(indoprofen)、ニトログリセリン(nitroglycerin)、イソソルバイド・ジナイトレート(isosorbide dinitrate)、プロプラノロール(propranolol)、チモロール(timolol)、アテノロール(atenolol)、アルプレノロール(alprenolol)、シメチジン(cimetidine)、クロニジン(clonidine)、イミプラミン(imipramine)、レボドーパ(levodopa)、クロルプロマジン(chlorpromazine)、メチルドーパ(methyldopa)、ジヒドロキシフェニルアラニン(dihydroxyphenylalanine)、テオフィリン(theophylline)、グルコン酸カルシウム、ケトプロフェン(ketoprofen)、イブプロフェン(ibuprofen)、セファレキシン(cephalexin)、エリスロマイシン(erythromycin)、ハロペリドール(haloperidol)、ゾメピラック(zomepirac)、乳酸第一鉄、ビンカミン(vincamine)、ジアゼパム(diazepam)、フェノキシベンズアミン(phenoxybenzamine)、ジルチアゼム(diltiazem)、ミルリノン(milrinone)、マンドール(mandol)、クアンベンズ(quanbenz)、ヒドロクロロチアジド(hydrochlorothiazide)、ラニチジン(ranitidine)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、フェヌフェン(fenufen)、フルプロフェン(fluprofen)、トルメチン(tolmetin)、アルクロフェナック(alclofenac)、メフェナミック(mefenamic)、フルフェナミック(flufenamic)、ジフイナル(difuinal)、ニモジピン(nimodipine)、ニトレンジピン(nitrendipine)、ニソルジピン(nisoldipine)、ニカルジピン(nicardipine)、フェロジピン(felodipine)、リドフラジン(lidoflazine)、チアパミル(tiapamil)、ガロパミル(gallopamil)、アムロジピン(amlodipine)、ミオフラジン(mioflazine)、リシノールプリル(lisinolpril)、エナラプリル(enalapril)、エナラプリラト(enalaprilat)、カプトプリル(captopril)、ラミプリル(ramipril)、ファモチジン(famotidine)、ニザチジン(nizatidine)、スクラルフェート(sucralfate)、エチンチジン(etintidine)、テトラトロール(tetratolol)、ミノキシジル(minoxidil)、クロルジアゼポキシド(chlordiazepoxide)、ジアゼパム(diazepam)、アミトリプチリン(amitriptyline)、イミプラミン(imipramine)、パリペリドン(paliperidone)、レスペリドン(resperidone)、オクトレオチド(octreotide)、アレンドロネート(alendronate)、α−4,β−7受容体拮抗物質であるロイコサイト(leukosite)およびインフリキシマブ(infliximab)(レミケード(Remicade))を包含するが、それらに限定されない。
【0088】
有益薬剤の別の例は蛋白質およびペプチドであり、それらは骨形態発生蛋白質、インスリン(insulin)、コルチシン(colchicine)、グルカゴン(glucagon)、甲状腺刺激ホルモン、副甲状腺および下垂体ホルモン、カルシトニン(calcitonin)、レニン(renin)、プロラクチン(prolactin)、コルチコトロフィン(corticotrophin)、向甲状腺ホルモン、卵胞刺激ホルモン、絨毛膜ゴナドトロピン(chorionic gonadotropin)、ゴナドトロピン放出ホルモン(gonadotropin releasing hormone)、牛ソマトトロピン(bovine somatotropin)、豚ソマトトロピン(porcine somatotropin)、オキシトシン(oxytocin)、バソプレッシン(vasopressin)、GRF、ソマトスタチン(somatostatin)、リプレッシン(lypressin)、パンクレオジミン(pancreozymin)、黄体形成ホルモン、LHRH、LHRH作用物質および拮抗物質、ロイプロリド(leuprolide)、インターフェロン類、例えばインターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、および交感インターフェロン、インターロイキン類、成長ホルモン類、例えばヒト成長ホルモン並びにその誘導体、例えばメチオニン−ヒト成長ホルモンおよびデス−フェニルアラニンヒト成長ホルモン、副甲状腺ホルモン、牛成長ホルモンおよび豚成長ホルモン、受精抑制剤、例えばプロスタグランジン類、受精促進剤、成長因子、例えば表皮成長因子(EGF)、血小板−由来成長因子(PDGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、形質転換成長因子−α(TGF−α)、形質転換成長因子−β(TGF−β)、エルスロポイエチン(erythropoietin)(EPO)、インスリン類似成長因子−I(IGF−I)、インスリン類似成長因子−II(IGF−II)、インターロイキン−1、インターロイキン−2、インターロイキン−6、インターロイキン−8、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)、腫瘍壊死因子−β(TNF−β)、インターフェロン−α(INF−α)、インターフェロン−β(INF−β)、インターフェロン−γ(INF−γ)、インターフェロン−ω(INF−ω)、コロニー刺激因子(CGF)、血管細胞成長因子(VEGF)、スロンボポイエチン(thrombopoietin)(TPO)、胃細胞−由来因子(SDF)、胎盤成長因子(PIGF)、肝細胞成長因子(HGF)、顆粒球大食細胞コロニー刺激因子(GM−CSF)、神経膠−由来ニューロトロピン因子(GDNF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、線毛向神経性因子(CNTF)、骨成長因子、形質転換成長因子、骨形態発生蛋白質(BMP)、凝固因子、ヒト膵臓ホルモン放出因子、これらの化合物の同族体および誘導体、並びにこれらの化合物の製薬学的に許容可能な塩類、またはそれらの同族体もしくは誘導体を包含するが、それらに限定されない。
【0089】
本発明はまた、全身的な副作用を回避するかまたは最少にするためのそのような剤の局所適用のための化学療法剤と一緒の用途も見出した。化学療法剤を含有する本発明のゲルは時間につれての化学療法剤の持続的送達のために腫瘍組織内に直接注射することができる。ある場合には、特に腫瘍の切除後には、ゲルを生じた腔内に直接移植することができ、または残存組織にコーティングとして適用することもできる。ゲルが手術後に移植される場合には、比較的高い粘度を有するゲルは小直径の針を通ることができないため、それらを利用することが可能である。本発明の実施法に従い送達できる代表的な化学療法剤は、例えば、カルボプラチン(carboplatin)、シスプラチン(cisplatin)、パクリタキセル(paclitaxel)、BCNU、ビンクリスチン(vincristine)、カンプトテシン(camptothecin)、エトプシド(etopside)、サイトキン類、リボザイム類、インターフェロン類、腫瘍遺伝子の翻訳または転写を抑制するオリゴヌクレオチド類およびヌクレオチド配列、前記のものの機能的誘導体、並びに例えば米国特許第5,651,986号明細書に記載されたものを包含する。本出願は水溶性化学療法剤、例えばシスプラチンおよびカルボプラチン並びにパクリタキセルの水溶性誘導体、の持続的送達において特に有用である。噴出影響を最少にする発明のこれらの特徴は全ての種類の水溶性有益薬剤の投与において特に有利であるが、特に臨床的に有用であり且つ有効である化合物は有害な副作用を有するかもしれない。
【0090】
以上では述べられていないが、上記の米国特許第5,242,910号明細書に記載された有益薬剤を使用することもできる。本発明の1つの特別な利点は、マイクロカプセル化するかまたは微球に処理するのが難しい例えば酵素リソチームにより例示される蛋白質、並びにウイルス性および非ウイルス性の両者のベクター中に導入されたcDNAおよびDNAの如き物質を、しばしば他の処理技術で遭遇する高温および変性溶媒への露呈により引き起こされる分解水準を伴わずに本発明の組成物に導入させうることである。
【0091】
有益薬剤は、好ましくは250ミクロンより小さい、約5〜約250ミクロンの、好ましくは約20〜約125ミクロンの、そしてしばしば38〜68ミクロンの平均粒子寸法を典型的に有する粒子の形態の重合体および溶媒から製造される粘着性ゲルに、導入される。
【0092】
重合体および溶媒から製造される粘着性ゲル中の有益薬剤粒子の懸濁液または分散液を製造するためには、例えばロス二重遊星ミキサーの如きいずれかの従来の低剪断装置を周囲条件で使用することができる。この方法で、実質的に有益薬剤を分解させずに有益薬剤の効率的な分布を達成できる。
【0093】
有益薬剤を典型的には組成物中に、重合体混合物、溶媒、および有益薬剤の組み合わされた量の、重量により約0.1%〜約50%の量で、好ましくは約1%〜約30%の量で、より好ましくは約2%〜約20%の量で、そしてしばしば重量により2〜10%の量で溶解または分散させる。組成物中に存在する有益薬剤の量によって、種々の放出特徴および噴出指数を得ることができる。より具体的には、特定の重合体および溶媒に関して、これらの成分の量および有益薬剤の量を調節することにより、組成物からの有益薬剤の拡散よりも重合体の分解によりたくさん依存する放出特徴を得ることができまたはその逆も言える。これに関しては、比較的低い有益薬剤充填割合では、放出割合が時間につれて増加する重合体の分解を反映する放出特徴を一般的に得る。比較的高い充填割合では、放出割合が時間につれて減少する有益薬剤の拡散により生ずる放出特徴を一般的に得る。中間的な充填割合では、所望するなら実質的に一定の放出割合を達成できるような組み合わせ放出特徴を得る。噴出を最少にするために、全体的なゲル組成物、すなわち、重合体、溶媒および有益薬剤、の重量の30%もしくはそれより少ない有益薬剤の充填が好ましく、そして20%もしくはそれより少ない有益薬剤の充填がより好ましい。
【0094】
有益薬剤の放出割合および充填を調節して意図する持続的な送達期間にわたる有益薬剤の治療的に有効な送達を与えるであろう。好ましくは、有益薬剤は重合体ゲル中に有益薬剤の水中での飽和濃度より高い濃度で存在して有益薬剤がそこから分散される薬品受器を提供するであろう。有益薬剤の放出割合は、特定の環境、例えば投与される有益薬剤に依存するが、約0.1マイクログラム/日〜約10マイクログラム/日の、好ましくは約1マイクログラム/日〜1日当たり約5マイクログラムの、より好ましくは約10マイクログラム/日〜約1マイクログラム/日の桁での放出割合が約24時間〜約360日間の、好ましくは24時間〜約180日間の、より好ましくは24時間〜約120日間の、しばしば3日間〜約90日間の期間にわたり得られうる。さらに、注射されるデポ剤ゲルの量を調節することにより有益薬剤の服用量を調節できることも可能である。送達が比較的短
い期間にわたり起きる場合には、それより多い量を送達することができる。一般的に、より多い噴出が耐えられうる場合には比較的高い放出割合が可能である。ゲル組成物が手術で移植されるか、または疾病状態もしくは他の症状を処置するための手術が同時に行われる場合には、移植片が注射された場合に通常投与されるであろう比較的高い服用量を提供することが可能である。さらに、移植されたゲルまたは注射された注射可能なゲルの容量を調節することにより有益薬剤の服用量を調節することもできる。好ましくは、システムは粘着性ゲル中に存在する有益薬剤の重量の40%もしくはそれより少ない量を患者への移植後の最初の24時間以内に放出する。より好ましくは、有益薬剤の重量の30%もしくはそれより少ない量が移植後の最初の24時間以内に放出され、そして移植された組成物は12もしくはそれより低い、好ましくは8もしくはそれより低い、噴出指数を有するであろう。
【0095】
場合により使用される追加成分:
他の成分、例えばポリエチレングリコール、吸湿剤、安定剤、孔形成剤、チキソトロピー剤などがゲル組成物中にそれらが所望されるかまたは組成物に有用な性質を与える程度まで存在できる。組成物が水性環境中で可溶性であるかまたは不安定であるペプチドまたは蛋白質を包含する時には、例えば安定剤でありうる溶解度調整剤を組成物中に含むことが非常に望ましい。種々の調整剤は米国特許第5,654,010号明細書および第5,656,297号明細書に記載されており、それらの開示は引用することにより本発明の内容となる。例えば、hGHの場合には、ある量の2価金属、好ましくは亜鉛の塩を含むことが好ましい。有益薬剤との複合体を形成するかまたは会合して安定化用のまたは調整された放出効果を与えうるそのような調整剤および安定剤の例は、組成物中に炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、他の制酸類などとして存在する好ましくは2価の金属カチオンを包含する。使用されるそのような剤の量は、もし存在するなら、形成される複合体の性質にまたは有益薬剤および剤の間の会合の性質に依存するであろう。約100:1〜1:1、好ましくは10:1〜1:1の溶解度調節剤または安定剤対有益薬剤のモル比を典型的に使用することができる。
【0096】
孔形成剤は、体液と接触する時に溶解し、分散しまたは分解して孔または溝を重合体マトリックス中に作成する生相容性物質を包含する。典型的には、水溶性である有機および非有機物質、例えば糖類(例えば、スクロース、デキストロース)、水溶性塩類(例えば、塩化ナトリウム、燐酸ナトリウム、塩化カリウム、および炭酸ナトリウム)、水溶性溶媒、例えばN−メチル−2−ピロリドンおよびポリエチレングリコール並びに水溶性重合体(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)を孔形成剤として簡便に使用することができる。そのような物質は重合体の重量の約0.1%から約100%まで変動する量で存在しうるが、典型的には重合体の重量の50%より少なくそしてより典型的には10〜20%より少ないであろう。
【0097】
チキソトロピー剤は、重合体ゲルにチキソトロピー性質を与える剤、例えば低級アルカノール類(例えばエタノール、イソプロパノール)など、を包含する。本発明のチキソトロピー剤は単なる希釈剤や組成物の成分の濃度を単に減少させることにより粘度を減少させる重合体−溶媒でないことを理解すべきである。従来の希釈剤の使用は粘度を減少させうるが、希釈された組成物が注射される時には上記の噴出効果も引き起こしうる。対照的に、定位置に注射されたらチキソトロピー剤が本来のシステムの放出性質にほとんど影響しないようにチキソトロピー剤を選択することにより、噴出効果を回避するために本発明の注射可能なデポ剤組成物を調合することができる。好ましくは、システムは種々のゲル中に存在する有益薬剤の40%もしくはそれより低い量を患者への移植後の最初の24時間以内に放出する。より好ましくは、有益薬剤の30%もしくはそれより低い量を移植後の最初の24時間以内に放出し、そして移植された組成物は12もしくはそれより低い、
好ましくは8もしくはそれより低い、噴出指数を有する。
【0098】
II.用途および投与:
移植片の投与手段は注射に限定されないが、この送達方式がしばしば好ましい。移植片を残留製品として投与する場合には、それを手術の完了後に存在する体腔内に適合するように形成することができ、またはゲルを残存組織もしくは骨にブラシ塗りするかもしくは載せることによりそれを流動性ゲルとして適用することもできる。そのような適用は、注射可能な組成物で典型的に存在する濃度より高いゲル中への有益薬剤の充填を可能にする。
【0099】
本発明の種々の面をさらに理解するために、これまでに記載された図面に示された結果が以下の実施例に従い得られた。
【実施例】
【0100】
本発明を実施するための具体的態様の数例を以下に示す。実施例は説明目的だけのために提供され、そして本発明の範囲を何らかの方法で限定しようとするものではない。
【0101】
実施例1
デポ剤ゲル製造
組成物の注射可能なデポ剤中での使用のためのゲルビヒクルを下記の通りにして製造した。ガラス容器をメトラー(Mettler)PJ3000トップ・ローダー秤の上で風袋を量った。0.15のインヘレント粘度を有する50:50DL−PLGとして入手可能なポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)(PLGA−BPI、バーミンガム・ポリマーズ・インコーポレーテッド、バーミンガム、アラバマ州)および50:50レソマー(R)RG502(PLGA RG 502)をガラス容器の中に重量測定添加した。重合体を含有するガラス容器の風袋を量りそして対応する溶媒を加えた。種々の重合体/溶媒組み合わせに関して百分率として表示される量が以下の表1に示されている。重合体/溶媒混合物を250±50rpmにおいて約5−10分間にわたり撹拌し(IKA電気スタラー、IKH−ウェルケ・GmbH・アンド・カンパニー(IKH−Werke GmbH and Co.)、スタンフェン、ドイツ)、重合体粒子を含有する粘着性ペースト状物質を生じた。重合体/溶媒混合物を含有する容器を密封しそして37℃に平衡化された温度調節されたインキュベーターの中に、溶媒および重合体タイプ並びに溶媒および重合体比によって、1〜4日間にわたり、間欠的に撹拌しながら、入れる。重合体/溶媒混合物を、それが透明な琥珀色の均質溶液であるようになった時に、インキュベーターから除去する。その後、混合物をオーブン(65℃)の中に30分間にわたり入れた。オーブンからの除去時にPLGAが混合物中に溶解したことが見られた。
【0102】
別のデポ剤ゲルビヒクルが下記の溶媒または溶媒の混合物を用いて製造される:安息香酸ベンジル(「BB」)、ベンジルアルコール(「BA」)、安息香酸エチル(「EB」)、BB/BA、BB/エタノール、BB/EBおよび下記の重合体:ポリ(D,L−ラクチド)レソマー(R)L104、PLA−L104、コード番号33007、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)50:50レソマー(R)RG502、コード0000366、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)50:50レソマー(R)RG502H、PLGA−502H、コード番号260187、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)50:50レソマー(R)RG503、PLGA−503、コード番号0080765、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)50:50レソマー(R)RG755、PLGA−755、コード番号95037、ポリL−ラクチドMW2,000(レソマー(R)L206、レソマー(R)L207、レソマー(R)L209、レソマー(R)L214);ポリD,Lラクチド(レソマー(R)R104、レソマー(R)R202、レソマー(R)R203、レソマー(R)R206、レソマー(R)R207、レ
ソマー(R)R208);ポリL−ラクチド−コ−D,L−ラクチド90:10(レソマー(R)LR209);ポリD−L−ラクチド−コ−グリコリド75:25(レソマー(R)RG752、レソマー(R)RG756);ポリD,L−ラクチド−コ−グリコリド85:15(レソマー(R)RG858);ポリL−ラクチド−コ−トリメチレンカーボネート70:30(レソマー(R)LT706);ポリジオキサノン(レソマー(R)X210)(ベーリンゲル・インゲルハイム・ケミカルズ・インコーポレーテッド、ピータースブルグ、バージニア州);DL−ラクチド/グリコリド100:0(メジソルブ(R)ポリマー100DL・ハイ(High)、メジソルブ(R)ポリマー100DL・ロウ(Low));DL−ラクチド/グリコリド85/15(メジソルブ(R)ポリマー8515DL・ハイ、メジソルブ(R)ポリマー8515DL・ロウ);DL−ラクチド/グリコリド75/25(メジソルブ(R)ポリマー7525DL・ハイ、メジソルブ(R)ポリマー7525DL・ロウ);DL−ラクチド/グリコリド65/35(メジソルブ(R)ポリマー6535DL・ハイ、メジソルブ(R)ポリマー6535DL・ロウ);DL−ラクチド/グリコリド54/46(メジソルブ(R)ポリマー5050DL・ハイ、メジソルブ(R)ポリマー5050DL・ロウ);およびDL−ラクチド/グリコリド54/46(メジソルブ(R)ポリマー5050DL2A(3)、メジソルブ(R)ポリマー5050DL3A(3)、メジソルブ(R)ポリマー5050DL4A(3))(メジソルブ・テクノロジーズ・インターナショナル・L.P.、シンシナティ、オハイオ州);並びにポリD,L−ラクチド−コ−グリコリド50:50;ポリD,L−ラクチド−コ−グリコリド65:35;ポリD,L−ラクチド−コ−グリコリド75:25;ポリD,L−ラクチド−コ−グリコリド85:15;ポリDL−ラクチド;ポリL−ラクチド;ポリグリコリド;ポリε−カプロラクトン;ポリDL−ラクチド−コ−カプロラクトン25:75;およびポリDL−ラクチド−コ−カプロラクトン75:25(バーミンガム・ポリマーズ・インコーポレーテッド、バーミンガム、アラバマ州)。
【0103】
実施例2
ブピバカイン塩基製造
ブピバカイン塩酸塩(シグマ−アルドリッヒ・コーポレーション(Sigma−Aldrich Corporation)、セントルイス、ミズーリ州)を脱イオン(DI)水中に40mg/mlの濃度(飽和)で溶解させた。計算された量の水酸化ナトリウム(1N溶液)を溶液に加えそして最終的混合物のpHを10に調節してBP塩基を沈殿させた。沈殿した生成物を濾過しそしてDI水で少なくとも3回さらに洗浄した。沈殿した生成物を約40℃において真空中で24時間にわたり乾燥した。
【0104】
実施例3
ブピバカイン粒子製造
ブピバカイン塩酸塩(シグマ−アルドリッヒ・コーポレーション、セントルイス、ミズーリ州)を用いるブピバカイン薬品粒子または実施例2に従い製造されたブピバカイン塩基および塩酸塩を下記の通りにして製造した。ブピバカインを粉砕しそして次に3”ステンレス鋼ふるいを用いるふるいにかけて一定範囲とした。代表的な範囲は25μm〜38μm、38μm〜63μm、および63μm〜125μmを包含した。
【0105】
実施例4
HGH/Zn複合体製造
hGH溶液(5mg/ml)水溶液(ブレサゲン・コーポレーション(BresaGen Corporation)、アデレイド、オーストラリア)を濃縮/透析セレクター透析濾過装置を用いて10mg/mLに濃縮した。透析濾過されたhGH溶液を5倍容量のトリス(pH7.6)で洗浄しそして5mMトリス緩衝液中でhGHの40mg/ml溶液にさらに濃縮した。5mMトリス緩衝溶液中の等部の27.2mM亜鉛(酢酸亜鉛から)を加えて15:1の亜鉛:hGHモル比を有する最終的混合物を生成した。この複合
体を次に−70℃に予備冷却しそしてジュラストップ(Durastop)μP凍結乾燥機を用いて下記の通りの凍結および乾燥サイクルに従い凍結乾燥した。
【0106】
【表1】

【0107】
実施例5
hGH/Zn複合体の粒子製造
hGH/Zn複合体の種々の粒子を実施例4で製造された凍結乾燥されたhGH/Zn複合体から、圧縮なしにまたは圧縮して、製造した:1)凍結乾燥されたhGH/Zn複合体を圧縮なしにワリング(Waring)配合器を用いて粉砕した。粒子を120−メッシュ(125μm)〜400−メッシュ(38μm)ふるいの間で集めた。凍結乾燥されたhGH/Zn複合体を13mmの丸い圧縮ダイに移しそして5トンで5分間にわたり圧縮してペレットを形成した。ペレットをワリング配合器を用いて粉砕した。粒子を120−メッシュ(125μm)〜400−メッシュ(38μm)ふるいの間で集めた。
【0108】
実施例6
炭酸亜鉛粒子製造
15−38μmの寸法を有する炭酸亜鉛水酸化物水和物(ZnCO 2Zn(OH) XHO)の粒子(アルドリッヒ(Aldrich)、ミルウォーキー、ワイオミング州、米国)を、3”ステンレス鋼ふるいを用いて38μmを通してふるいにかけそして15μm内に保持することにより、製造した。
【0109】
実施例7
薬品充填
上記の通りにして製造された粒子をゲルビヒクルに10−30重量%の量で加えそして乾燥粉末が完全に湿るまで手で配合した。次に、乳状の薄黄色粒子/ゲル混合物を四角い先端の金属スパチュラが連結されたカフラモ(Caframo)機械的スタラーを用いて普通に混合することにより充分に配合した。生じた調合物を表1、2、および3に示す。
【0110】
【表2】

【0111】
【表3】

【0112】
実施例8
ブピバカイン粒子と炭酸亜鉛の同時充填
実施例3で製造された薬品粒子を実施例6で製造された炭酸亜鉛粒子と予め決められた比で予備混合しそして薬品の粒子および炭酸亜鉛の混合物をゲルビヒクルに実施例7に記載された通りの方法で加えた。生じた調合物を表1および2に示す。
【0113】
実施例9
hGH/Zn複合体粒子と炭酸亜鉛の同時充填
実施例5で製造されたhGH/Znの粒子および実施例6で製造された炭酸亜鉛粒子を別個にゲルビヒクルに予め決められた比で加えそしてhGH/Zn複合体の粒子および炭酸亜鉛をゲルビヒクル中に実施例7に記載された通りの方法で混入した。生じた調合物を表3に示す。
【0114】
【表4】

【0115】
実施例10
ブピバカインインビボ試験
ラット(1群当たり4または5匹)におけるインビボ試験を本発明の移植システムを介するブピバカインの全身的投与時のブピバカインの血漿水準を測定するための周知の観察記録に従い行った。デポ剤ゲルブピバカイン調合物を注文製作された0.5ccの使い捨て注射器に充填した。使い捨ての18ゲージ針を注射器に連結しそして循環浴を用いて37℃に加熱した。デポ剤ゲルブピバカイン調合物をラットに注射しそして指定された時間間隔(1時間、4時間、並びに1日、2日、5日、7日、9日、14日、21日および28日)で採血しそしてLC/MSを用いてブピバカインに関して分析した。
【0116】
図1は本発明のものを包含する種々のデポ剤調合物から長期間システム(約1ヶ月)にわたりラットにおいて得られたブピバカイン塩基の代表的なインビボ放出特徴を示す。ZnCOが同時充填されなかったデポ剤調合物(調合物1)は二相放出特徴を示し、すな
わち、第一段階(<1−2週間の期間)では放出割合は時間につれて(主として拡散により調節されて)減少したがその後の段階(1−2週間後)では放出は平坦になるかまたは時間につれて(重合体分解および拡散の寄与により)増加した。ZnCOが同時充填されなかったデポ剤調合物(調合物2)は典型的な二相放出特徴を示さなかったが、その代わりに初期の噴出放出後のはるかにより平坦な放出特徴(ZnCOなしのものに近い、調合物1)および短い放出期間を示した。この発見は、デポ剤調合物中へのZnCOの添加が放出割合特徴を典型的な二相から0近い桁の放出割合特徴に変更し且つ放出期間を調整しうることを明らかに示している。
【0117】
ZnCOが同時充填されたデポ剤調合物(調合物2)により示された放出割合がZnCOが同時充填されなかったデポ剤調合物(調合物1)のものより速いことは驚異的である。典型的には、塩基性環境(pH>7.0)ではブピバカインはその塩基形態のまま残りそしてその疎水性質のために遅い放出を示すであろうことが予期される。しかしながら、調合物2により示されるように、弱塩基、例えばZnCO(すなわち、pKa>7)の存在下では、放出割合は弱塩基なしのものより速く、そして親水性状態のブピバカインにより示されたものと同様である。
【0118】
図2は本発明のものを包含する種々のデポ剤調合物から比較的短い期間のシステム(2週間まで)にわたりラットにおいて得られたブピバカイン塩酸塩の代表的なインビボ放出特徴を示す。ZnCOが同時充填されなかったデポ剤調合物(調合物3)は主要な拡散放出特徴を示す時間にわたり減少した薬品放出を示した。しかしながら、ZnCOが同時充填されたデポ剤調合物(調合物4および5)はZnCOが同時充填されなかったデポ剤調合物(調合物3)と比べて減少した噴出放出およびはるかにより平坦な放出特徴(0に近い桁)を示し、デポ剤調合物中へのZnCOの添加が放出割合特徴を短期間デポ剤に関しても変更しうることを示す。
【0119】
実施例11
hGHインビボ試験
ラットにおけるインビボ試験を本発明の移植システムを介するhGHの全身的投与時のhGHの血漿水準を測定するための周知の観察記録に従い行った。デポ剤ゲルhGH調合物を注文製作された0.5ccの使い捨て注射器に充填した。使い捨ての18ゲージ1”針を注射器に連結しそして循環浴を用いて37℃に加熱した。デポ剤ゲルhGH調合物を免疫抑制されたラットに注射しそして血清試料を注射後1時間、4時間、1日、2日、4日、7日、10日、14日、21日および28日に収集した。全ての血清試料を分析前に4℃において貯蔵した。試料を放射免疫検定(RIA)を用いて無傷のhGH含有量に関して分析した。試験の終了時に、ラットを肉眼による臨床的観察のために安楽死させそしてデポ剤を影響観察のために回収した。
【0120】
図3は本発明のものを包含する種々のデポ剤組成物からラットにおいて得られたヒト成長ホルモン(「hGH」)の代表的なインビボ放出特徴を示す。ZnCOが同時充填されたデポ剤調合物(調合物8)は、ZnCOが同時充填されたもの(調合物6および7)と比べて、ブピバカインを用いる図1で見られたようにより平坦な放出特徴をより短い放出期間と共に有する傾向があった。これは、本発明に記載されているデポ剤調合物へのZnCOの添加も蛋白質放出割合特徴を変更しそして放出期間も調整しうることをさらに示している。
【0121】
実施例12
還元剤の粒子製造
還元剤である15−38μmの寸法を有するメチオニンの粒子(シグマ、セントルイス、ミズーリ州、米国)を、3”ステンレス鋼ふるいを用いて38μmを通してふるいにか
けそして15μm内に保持することにより、製造する。
【0122】
実施例13
デポ剤中へのhGHおよびメチオニンの充填並びにインビボ試験
実施例12の還元剤であるメチオニンをゲルビヒクルに0.1−20重量%の量で加えそして乾燥粉末が完全に湿るまで手により配合する。次に、乳状の薄黄色粒子/ゲル混合物を四角い先端の金属スパチュラが連結されたカフラモ機械的スタラーを用いて普通に混合することにより充分に配合する。治療剤である例えばhGHの如き蛋白質または例えばブピバカインの如き小分子、をゲルビヒクル中に充填する。メチオニン対治療剤の比は約0.1:99.9〜約70:30の間である。インビボ試験を行って放出割合特徴を作成する。
【0123】
実施例14
酸化防止剤の粒子製造
15−38μmの寸法を有する酸化防止剤であるビタミンE酸スクシネートの粒子(シグマ、セントルイス、ミズーリ州、米国)を、3”ステンレス鋼ふるいを用いて38μmを通してふるいにかけそして15μm内に保持することにより、製造する。
【0124】
実施例15
薬品充填およびインビボ試験
実施例14の酸化防止剤であるビタミンEをゲルビヒクルに0.1−20重量%の量で加えそして乾燥粉末が完全に湿るまで手により配合する。次に、乳状の薄黄色粒子/ゲル混合物を四角い先端の金属スパチュラが連結されたカフラモ機械的スタラーを用いて普通に混合することにより充分に配合する。ビタミンEの量が低い(約0.1〜約5重量%)時には、それをゲルビヒクル中に溶解させる。治療剤、例えばhGHの如き蛋白質または例えばブピバカインの如き小分子薬品、をゲルビヒクル中に充填する。ビタミンE対治療剤の比は約0.1:99.9〜約70:30の間である。インビボ試験を行って放出割合特徴を作成する。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】図1は本発明のデポ剤調合物(調合物1−2)から得られたブピバカイン塩基のインビボ放出特徴を示すグラフである。
【図2】図2は本発明のデポ剤調合物(調合物3−5)から得られたブピバカイン塩酸塩のインビボ放出特徴を示すグラフである。
【図3】図3は本発明のデポ剤調合物(調合物6−8)から得られたhGHのインビボ放出特徴を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生侵食性の生相容性重合体および重合体を可塑化しそしてそれとゲルを形成するのに有効な量の水−非混和性溶媒を含んでなるゲルビヒクル、
ゲルビヒクル中に溶解または分散させた有益薬剤、並びに
重合体の分解の影響を相殺することにより有益薬剤を安定化させる、放出割合を調整するための賦形剤
を含んでなる有益薬剤の持続送達のための注射可能なデポ剤ゲル組成物であって、持続送達が投与後約24時間ないし約12ヶ月の間の期間中に生ずる組成物。
【請求項2】
賦形剤が重合体分解の影響を相殺しそしてpH変更剤を含んでなる請求項1の組成物。
【請求項3】
pH変更剤が無機塩、有機塩、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項2の組成物。
【請求項4】
pH変更剤が炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、燐酸水素カルシウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、燐酸カルシウム、酢酸マグネシウム、燐酸水素マグネシウム、燐酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、マレイン酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、酢酸亜鉛、燐酸水素亜鉛、燐酸亜鉛、乳酸亜鉛、マレイン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項3の組成物。
【請求項5】
賦形剤が過酸化物もしくはフリーラジカルまたは両者の影響を相殺しそして酸化防止剤を含んでなる請求項1の組成物。
【請求項6】
酸化防止剤がシステインまたはメチオニンを含んでなる還元剤を含んでなる請求項5の組成物。
【請求項7】
酸化防止剤がフリーラジカルスカベンジャーを含んでなる請求項5の組成物。
【請求項8】
酸化防止剤がd−アルファトコフェロールアセテート、dl−アルファトコフェロール、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化されたヒドロキシアニドール、アスコルビン酸、ブチル化されたヒドロキシアニソール、ブチル化されたヒドロキシキノン、ブチルヒドロキシアニソール、ヒドロキシクマリン、ブチル化されたヒドロキシトルエン、セファルム(cephalm)、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ラウリル、プロピルヒドロキシベンゾエート、トリヒドロキシブチロフェノン、ジメチルフェノール、ジtertブチルフェノール、ビタミンE、レシチン、エタノールアミン、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項5の組成物。
【請求項9】
重量により約0.01%〜約50%の間の賦形剤を含んでなる請求項1の組成物。
【請求項10】
重量により約0.05%〜約40%の間の賦形剤を含んでなる請求項9の組成物。
【請求項11】
重量により約0.1%〜約30%の間の賦形剤を含んでなる請求項10の組成物。
【請求項12】
賦形剤および有益薬剤の間の比が約0.1:99.9〜約99:1の間である請求項1の組成物。
【請求項13】
比が約1:99〜約60:40の間である請求項12の組成物。
【請求項14】
溶媒が25℃における約7重量%より低いかまたはそれに等しい水中混和度を有する請求項1の組成物。
【請求項15】
組成物が25℃における約7重量%より高い水中混和度を有する溶媒を含まない請求項1の組成物。
【請求項16】
溶媒が芳香族アルコール、アリール酸類の低級アルキルエステル類、アリール酸類の低級アラルキルエステル類、アリールケトン類、アラルキルケトン類、低級アルキルケトン類、クエン酸の低級アルキルエステル類、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項1の組成物。
【請求項17】
溶媒がベンジルアルコールを含んでなる請求項1の組成物。
【請求項18】
溶媒が安息香酸ベンジルを含んでなる請求項1の組成物。
【請求項19】
溶媒が安息香酸エチルを含んでなる請求項1の組成物。
【請求項20】
溶媒がトリアセチンを含んでなる請求項1の組成物。
【請求項21】
溶媒がトリアセチン、ジアセチン、トリブチリン、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルトリエチルサイトレート、アセチルトリブチルサイトレート、トリエチルグリセリド類、燐酸トリエチル、フタル酸ジエチル、酒石酸ジエチル、鉱油、ポリブテン、シリコーン流体、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、オクタノール、乳酸エチル、プロピレングリコール、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、ブチロラクトン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、グリセロールホルマル、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、カプロラクタム、デシルメチルスルホキシド、オレイン酸、および1−ドデシルアザシクロ−ヘプタン−2−オン、並びにそれらの組み合わせよりなる群から選択される成分溶媒を含んでなる請求項1の組成物。
【請求項22】
重合体が乳酸をベースとした重合体を含んでなる請求項1の組成物。
【請求項23】
重合体が乳酸およびグリコール酸の共重合体(PLGA)を含んでなる請求項22の組成物。
【請求項24】
重合体が約3,000〜約120,000の間の重量平均分子量を有しそして共重合体が約50:50〜約100:0の間の乳酸対グリコール酸の単量体比を有する請求項23の組成物。
【請求項25】
重合体がポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)を含んでなる請求項23の組成物。
【請求項26】
重合体がポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)を含んでなる請求項23の組成物。
【請求項27】
重合体がカプロラクトンをベースとした重合体を含んでなる請求項1の組成物。
【請求項28】
重合体がポリラクチド類、ポリグリコリド類、ポリ(カプロラクトン)、ポリ無水物類、ポリアミン類、ポリエステルアミド類、ポリオルトエステル類、ポリジオキサノン類、ポリアセタール類、ポリケタール類、ポリカーボネート類、ポリホスホエステル類、ポリエステル類、ポリブチレンテレフタレート、ポリオルトカーボネート類、ポリホスファゼン類、スクシネート類、ポリ(リンゴ酸)、ポリ(アミノ酸)類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシセルロース、多糖類、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、並びにそれらの共重合体、三元共重合体および混合物よりなる群から選択される請求項1の組成物。
【請求項29】
約5重量%〜約90重量%の間の重合体を含んでなる請求項1の組成物。
【請求項30】
約25重量%〜約80重量%の間の重合体を含んでなる請求項29の組成物。
【請求項31】
約35重量%〜約75重量%の間の重合体を含んでなる請求項30の組成物。
【請求項32】
組成物が重量により約0.1%〜約50%の有益薬剤を含んでなる請求項1の組成物。
【請求項33】
組成物が重量により約0.5%〜約40%の有益薬剤を含んでなる請求項32の組成物。
【請求項34】
重量により約1%〜約30%の有益薬剤を含んでなる請求項33の組成物。
【請求項35】
重合体および溶媒の間の比が約5:95〜約90:10の間である請求項1の組成物。
【請求項36】
重合体および溶媒の間の比が約20:80〜約80:20の間である請求項35の組成物。
【請求項37】
重合体および溶媒の間の比が約30:70〜約75:25の間である請求項36の組成物。
【請求項38】
下記のもの:乳化剤、孔形成剤、麻酔薬用の溶解度調整剤、および浸透剤の少なくとも1種をさらに含んでなる請求項1の組成物。
【請求項39】
有益薬剤が約250μmより小さい平均粒子寸法を有する粒子を含んでなる請求項1の組成物。
【請求項40】
平均粒子寸法が約5μm〜約250μmの間である請求項39の組成物。
【請求項41】
平均粒子寸法が約20μm〜約125μmの間である請求項40の組成物。
【請求項42】
平均粒子寸法が約38μm〜約63μmの間である請求項41の組成物。
【請求項43】
有益薬剤が蛋白質、ペプチド、薬品、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項1の組成物。
【請求項44】
有益薬剤がヒト成長ホルモン、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、EPO、メチオニン−ヒト成長ホルモン、デス−フェニルアラニンヒト成長ホルモン、交感インターフェロン、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される蛋白質を含んでなる請求項43の組成物。
【請求項45】
有益薬剤がブピバカイン(bupivacaine)またはプラクリタキシル(praclitaxil)を含んでなる薬品を含んでなる請求項43の組成物。
【請求項46】
有益薬剤がロイプロリド(leuprolide)またはデスモプレッシン(desmopressin)を含んでなるペプチドを含んでなる請求項43の組成物。
【請求項47】
生侵食性の生相容性重合体およびゲルビヒクルを形成するのに有効な可塑化量の水−非混和性溶媒を混合し、
有益薬剤をゲルビヒクル中に溶解または分散させ、
放出割合を調整するための賦形剤をゲルビヒクル中に混入し、そして
有益薬剤を安定化させる
ことを含んでなり、賦形剤の存在が重合体の分解の影響を相殺する、約24時間ないし約12ヶ月の間の期間にわたる患者に対する有益薬剤の持続送達のための注射可能なデポ剤ゲル組成物の製造方法。
【請求項48】
賦形剤および有益薬剤をゲルビヒクル中に混入する前に賦形剤を有益薬剤と予備混合することをさらに含んでなる請求項47の方法。
【請求項49】
賦形剤および有益薬剤を別個にゲルビヒクル中に充填することをさらに含んでなる請求項47の方法。
【請求項50】
賦形剤をゲルビヒクル中に溶解または分散させる請求項47の方法。
【請求項51】
賦形剤が重合体の分解の影響を相殺しそしてpH変更剤を含んでなる請求項47の方法。
【請求項52】
pH変更剤が無機塩、有機塩、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項51の方法。
【請求項53】
pH変更剤が炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、燐酸水素カルシウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、燐酸カルシウム、酢酸マグネシウム、燐酸水素マグネシウム、燐酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、マレイン酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、酢酸亜鉛、燐酸水素亜鉛、燐酸亜鉛、乳酸亜鉛、マレイン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される請求項52の方法。
【請求項54】
重量により約0.01%〜約50%の間の賦形剤を有する組成物を充填することをさらに含んでなる請求項47の方法。
【請求項55】
賦形剤および有益薬剤を約0.1:99.9〜約99:1の間の比で充填することをさらに含んでなる請求項47の方法。
【請求項56】
比が約1:99〜約60:40の間である請求項55の方法。
【請求項57】
溶媒が25℃における約7重量%より低いかまたはそれに等しい水中混和度を有する請求項47の方法。
【請求項58】
組成物が25℃における約7重量%より高い水中混和度を有する溶媒を含まない請求項47の方法。
【請求項59】
重合体が乳酸をベースとした重合体を含んでなる請求項47の方法。
【請求項60】
重合体が乳酸およびグリコール酸の共重合体(PLGA)を含んでなる請求項59の方法。
【請求項61】
重合体が約3,000〜約120,000の間の重量平均分子量を有しそして共重合体が約100:0〜約15:85の間の乳酸対グリコール酸の単量体比を有する請求項60の方法。
【請求項62】
重合体がポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)を含んでなる請求項60の組成物。
【請求項63】
重合体がポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)を含んでなる請求項60の組成物。
【請求項64】
約5重量%〜約90重量%の間の重合体を有する組成物を充填することをさらに含んでなる請求項47の方法。
【請求項65】
約0.1重量%〜約50重量%の間の有益薬剤を有する組成物を充填することをさらに含んでなる請求項47の方法。
【請求項66】
生侵食性の生相容性重合体およびゲルビヒクルを生成するのに有効な可塑化量の水−非混和性溶媒を含んでなるゲルビヒクル、ゲルビヒクル中に溶解または分散された有益薬剤、並びに放出割合を調整しそして重合体の分解の影響を相殺することにより有益薬剤を安定化するための賦形剤を含んでなる組成物を投与することを含んでなる、約24時間ないし約12ヶ月の間の期間にわたる有益薬剤の持続放出のための注射可能なデポ剤組成物を投与する方法。
【請求項67】
組成物を1回投与することをさらに含んでなる請求項66の方法。
【請求項68】
組成物を局所的に送達することをさらに含んでなる請求項66の方法。
【請求項69】
組成物を全身的に送達することをさらに含んでなる請求項66の方法。
【請求項70】
組成物を複数部位に送達することをさらに含んでなる請求項66の方法。
【請求項71】
組成物の投与を繰り返すことをさらに含んでなる請求項66の方法。
【請求項72】
生侵食性の生相容性重合体および重合体を可塑化しそしてそれとのゲルを形成するのに有効な量の水−非混和性溶媒を含んでなるゲルビヒクル、
ゲルビヒクル中に溶解または分散された有益薬剤、
放出割合を調整するためおよび有益薬剤を安定化させるための賦形剤、
並びに場合により、下記のもの:
乳化剤、
孔形成剤、
場合により有益薬剤と会合された麻酔薬用の溶解度調整剤、および
浸透剤
の1種もしくはそれ以上
を含んでなる、投与後約24時間ないし約12ヶ月の間の期間にわたる有益薬剤の持続送達の投与用キットであって、ここで場合により溶解度調整剤と会合された少なくとも1種の麻酔薬が麻酔薬の患者への投与時まで溶媒とは別個に維持されるキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−511516(P2007−511516A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539843(P2006−539843)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/037606
【国際公開番号】WO2005/048989
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(503073787)アルザ・コーポレーシヨン (113)
【Fターム(参考)】