説明

薬学的組成物およびその使用

本発明は、化合物の薬学的組成物および投薬組成物に関し、そのような処置を必要とする患者にそのような化合物を非経口送達するための注射可能処方物を含む。また、組成物を作製し、使用する方法が特徴付けられ、腫瘍性疾患を処置するための方法が含まれる。本発明の化合物は、腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘導および動物における癌の処置に有効であり、そして哺乳動物、特にヒトにおける癌またはその他の過剰増殖性細胞障害の処置に潜在的に有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連米国出願の相互参照)
本出願は、2005年6月16日に出願された米国仮出願番号第60/691,362号の利益を主張し、その内容はその全体において参照として本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、薬学的組成物、ならびにそのような組成物を作製する方法および使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
種々の方法が、患者に治療化合物を投与するために利用できる。そのような方法としては、例えば、非経口投与、経口投与、眼内投与、鼻腔投与、口腔投与、経皮投与、直腸投与、局所投与および経粘膜投与が挙げられる。これら異なるタイプの種々の投与が存在する。例えば、非経口投与として、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、髄腔内、骨髄内および腫瘍内への注射または注入が挙げられる。
【0004】
選択される投与様式は、処置されている疾患および治療化合物の性質のような種々の因子を考慮し得る。例えば、投与経路の選択において評価され得る1つの考慮すべきことは、患者に化合物を投与した後の治療化合物のバイオアベイラビリティーである。いくつかの因子は、化合物の溶解性、水溶解性、安定性、吸収、分布、排泄/消失および代謝のように治療化合物のバイオアベイラビリティーに影響を及ぼす。
【0005】
化合物の代替処方物はまた、化合物の相対的なバイオアベイラビリティーに影響を及ぼし得る。例えば、ある化合物は疎水性であり、従って、低水溶解性を示し、しばしば低いバイオアベイラビリティーを伴う。種々の技術が、化合物のバイオアベイラビリティーを増加させるために開発されている(例えば、種々のビヒクルに疎水性化合物を可溶化させること)。従って、適切な処方物および投与経路の使用を通して治療化合物の適切なバイオアベイラビリティーを提供することが所望される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の簡単な要旨)
本発明は、式I:
【0007】
【化3】

を有する化合物またはその塩および1つ以上の液体希釈剤を含有する薬学的組成物に関し、ここで:
は、OCH、OCHF、およびOCHCHから選択され;そして
は、CH、Cl、CHF、およびSCHから選択される。本発明はまた、この薬学的組成物が非経口投与可能な投薬組成物を形成するために十分な化合物と液体希釈剤の比を有する投薬組成物に関する。例えば、この投薬組成物は、そのまま(direct)の薬学的組成物であるか、またはさらに1つ以上の液体希釈剤で希釈された薬学的組成物のいずれかであり得る。そのような薬学的組成物および投薬組成物はまた、1つ以上の粘度低下剤、および/または賦形剤を含有し得る。
【0008】
式Iの化合物は、腫瘍細胞におけるアポトーシスの誘導および動物における癌の処置に有効であり、そして哺乳動物、特にヒトにおける癌またはその他の過剰増殖性細胞障害の処置に潜在的に有効である。本発明の投薬組成物として処方され、哺乳動物に投与される場合、この化合物は、所望される薬理的効果および臨床的効果を発揮するのに十分に生物学的に利用可能である。従ってこの薬学的組成物および投薬組成物は、疾患および障害(例えば、腫瘍性疾患、癌、ならびに哺乳動物、特にヒトにおける細胞の過剰増殖と関連する疾患および障害)を処置するためにこの化合物の使用を可能にする。
【0009】
1つの実施形態において、1つ以上の液体希釈剤は水性である。例えば、水性液体希釈剤は、水、薬学的に受容可能な水溶液、生理食塩水、リンゲル液、乳酸加リンゲル液、重炭酸溶液またはデキストロース水溶液、あるいはその組み合わせであり得る。本発明のこの組成物は、水性液体希釈剤中に式Iの化合物またはその塩を、約0.01μg/ml〜約150mg/mlの濃度で有し得る。そのような組成物はまた、抗酸化剤BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)のような賦形剤を1つ以上含有し得る。
【0010】
別の実施形態において、液体希釈剤は、非水性であり、1つ以上の界面活性剤(例えば、非イオン性界面活性剤)を含有する。一般的に、式Iの化合物またはその塩と非イオン性界面活性剤との間の重量対重量の比(w/w)は、約1:10,000〜約1:1であり得る(すなわち、10,000グラムの界面活性剤中に約1グラムの化合物〜1グラムの界面活性剤中に約1グラムの化合物)。例えば、有用な非イオン性界面活性剤として、ポリエトキシ化ヒマシ油、ポリソルベート、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、およびエトキシ化脂肪酸が挙げられ得る。特定の実施形態において、ポリオキシル35ヒマシ油のようなポリエトキシ化ヒマシ油界面活性剤は、非水性液体希釈剤中に使用され、式Iの化合物またはその塩とポリオキシル35ヒマシ油との間の重量対重量の比は、約1:500〜約1:5であり得る。必要に応じて、1つ以上の非イオン性界面活性剤を含有する非水性液体希釈剤はまた、1つ以上の粘度低下剤を含む。例えば、そのような粘度低下剤は、薬学的に受容可能なC1〜5アルカノール、ベンジルアルコール、および低分子量の脂肪族モノカルボン酸から選択され得る。特定の実施形態において、粘度低下剤は、エタノールである。別の特定の実施形態において、非イオン性界面活性剤と粘度低下剤の比は、約20:1〜約1:10(w/w)である。
【0011】
他の実施形態において、液体希釈剤は、水性希釈剤と非水性希釈剤との組合せであり得る。例えば、1つ以上の非イオン性界面活性剤を含む非水性液体希釈剤は、さらに水のような水性希釈剤、薬学的に受容可能な水性溶液、生理食塩水、リンゲル液、乳酸加リンゲル液、重炭酸溶液、デキストロース水溶液、あるいはその組合せを含み得る。特定の実施形態において、非イオン性界面活性剤と水性希釈剤の容積対容積の比(v/v)は、約100:1〜約1:20,000であり得る。
【0012】
本発明はまた、薬学的組成物および/または投薬組成物を調製し、使用するための方法およびキットを包含する。本発明のキットは、種々の形態で本発明の組成物を提供し得る。例えば、キットは、単一容器または別々の容器に少なくとも1つの式Iの化合物またはその塩、および少なくとも1つの液体希釈剤を提供し得る。本発明のキットはまた、単一容器の同じコンパートメントまたは別々のコンパートメントに少なくとも1つの式Iの化合物またはその塩、および少なくとも1つの液体希釈剤を提供し得る。キットはまた、シリンジ、皮下注射針、注入セットおよびチューブ器具、クランプ、綿棒、ならびにその他の非経口投与のプロセスに必要な周辺装置または便利な周辺装置を含み得る。
【0013】
本発明は、薬学的組成物および/または投薬組成物を調製する種々の方法ならびに使用する種々の方法を包含する。例えば、本発明は、少なくとも1つの薬学的に受容可能な液体希釈剤(例えば、少なくとも1つの非イオン性の界面活性剤(必要に応じて少なくとも1つの粘度低下剤と組み合わされて))に少なくとも1つの式Iの化合物を少なくとも部分的に溶解する工程、および必要に応じて少なくとも1つの薬学的に受容可能な水性希釈剤および/または少なくとも1つの賦形剤(例えば、抗酸化剤BHT)を添加する工程を包含する薬学的組成物を調製する方法を提供する。
【0014】
本発明はまた、処置を必要とする被験体に対して、本発明の投薬組成物を投与する種々の方法を包含する。種々の疾患および障害は、本発明の薬学的組成物で処置され得、それらの疾患として、癌、腫瘍性疾患ならびにヒトおよび動物における細胞の過剰増殖と関連する疾患および障害が挙げられる。1つの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、非経口投与(例えば、静脈内、腹腔内、および髄腔内手段)により投与され得る。別の実施形態において、本発明の薬学的組成物は、所望される部位に直接投与され得る(例えば、組織または腫瘍への直接的な接触または直接的な注射により)。
【0015】
その他に定義されない限り、本明細書中に使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が関係する分野の当業者により通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書の記載と同様または同等の方法および材料が、本発明の実施または試験で使用され得るが、適切な方法および材料は以下に記載される。矛盾する場合、定義を含む本明細書が支配する。さらに、材料、方法および実施例は、例示のみであり、限定を意味するものではない。
【0016】
本発明の他の特徴および利点、ならびに同様のものが達成される様式は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(本発明の詳細な説明)
本発明に従って、薬学的組成物は、式I:
【0018】
【化4】

を有する化合物、またはその塩および1つ以上の液体希釈剤を含有し、ここで:
は、OCH、OCHF、およびOCHCHから選択され;そして
は、CH、Cl、CHF、およびSCHから選択される。本発明はまた、この薬学的組成物が、非経口投与可能な組成物を形成するために十分な化合物と液体希釈剤の比を有する投薬組成物に関する。
【0019】
そのような化合物の例として:
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;(2−フルオロメチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミン;(4−ジフルオロメトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−エトキシ−フェニル)−メチルアミン;(4−エトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;および(2−メチルチオ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミンから選択される化合物およびそれらの塩が挙げられ;PCT公開番号WO2005003100(その関連部分が参考として本明細書に援用される)に記載される方法に従って調製され得る。
【0020】
本発明の特定の化合物は、経口的に投与される場合、低いバイオアベイラビリティーを示すことが見出されている。従って、本発明の1つの局面において、本発明の化合物の治療的な投与を可能にする組成物が、提供される。
【0021】
薬学的組成物および/または投薬組成物の単位容積あたりの化合物の量は変化し得る。例えば、本組成物における化合物の量は、少なくとも約0.01μg/mlまたは少なくとも約1mg/mlであり得る。別の例において、本組成物における化合物の量は、約1mg/mlと約150mg/mlとの間である。他の特定の例において、本薬学的組成物における化合物の量は、約1mg/mlと約50mg/mlとの間、または約5mg/mlと約15mg/mlとの間であり得る。
【0022】
1つの実施形態において、1つ以上の液体希釈剤が水性であり、水性希釈剤を含む1つの組成物が提供される。薬学的に受容可能な水性希釈剤は、非経口投与(例えば、静脈内投与)のための物質の調製に通常使用される溶液を含む。代表的な水性希釈剤として、水、薬学的に受容可能な水溶液、生理食塩水、デキストロース水溶液(例えば、水中5%デキストロース(D5W))、リンゲル液、乳酸加リンゲル液、重炭酸溶液またはその組合せが挙げられる。
【0023】
水性希釈剤に対する化合物の代表的な量として、すなわち(化合物mg/水性希釈剤ml)で、約0.01μg/ml〜約150mg/ml、約1μg/ml〜約50mg/ml、および約1mg/ml〜約10mg/mlが挙げられる。
【0024】
他の実施形態において、1つ以上の液体希釈剤が、1つ以上の非イオン性界面活性剤を含む組成物が提供される。本明細書に使用される場合、本明細書に使用される場合、用語「界面活性剤」は本発明の化合物を可溶化し、一度水溶液に希釈されると可溶化を維持し得る物質をいう。代表的な界面活性剤は、本発明の化合物を完全に可溶化可能であるか、少なくとも部分的に溶解可能であり、水性環境中に導入されるとミセルまたはその他の自己会合した構造を形成し得る。
【0025】
界面活性剤の一般的な例としては、ラウリン酸カリウム、アルキル硫酸ナトリウム(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)、スルホン酸ヘキサデシルおよびジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、臭化ヘキサデシル(セチル)トリメチルアンモニウム、塩化ドデシルピリジニウム、塩酸ドデシルアミン、N−ドデシル−N,N−ジメチルベタイン、胆汁酸および胆汁酸塩、アカシア、トラガント、Igepal(ポリオキシエチル化ノニルフェノール)、ソルビタンエステル(Span)、ポリソルベート(Tween)、Triton−Xアナログ(ポリオキシエチル化t−オクチルフェノール)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、およびポリオキシエチレンオレイルエーテルからなる群から選択されるBrijアナログ、Myrjアナログ(ステアリン酸ポリオキシエチレン)、ポロキサマー型およびポロキサミン型のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン誘導体からなる群から選択されるプルロニックおよびテトロニック、フェノチアジン類および三環系抗うつ薬のような表面活性薬剤、およびD.AttwoodおよびA.T.FlorenceによるSurfactants Systems,Their Chemistry,Pharmacy and Biology(Chapman and Hall Pub.Co.,1983)に開示される化合物および物質が挙げられる。
【0026】
界面活性剤は、両親媒性であり、陰イオン性、陽イオン性または非イオン性であり得るが、本発明の例示的な実施例において、界面活性剤は、非イオン性である。薬学的に受容可能な非イオン性界面活性剤は、代表的にポリオキシアルキレングリコールのエステルおよびエーテル、多価アルコールのエステルおよびエーテル、あるいはフェノールのエステルおよびエーテルが挙げられる。ポロクサマーおよびポロクサミンはまた、非イオン性界面活性剤の例である。非イオン性界面活性剤の特定の例として、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体が挙げられるがこれに限定されない。
【0027】
ある実施形態において、1つ以上の非イオン性界面活性剤は:ポリエトキシ化ヒマシ油、ポリソルベート、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル、およびエトキシ化脂肪酸から選択される。特定の実施形態において、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシル35ヒマシ油のようなポリエトキシ化ヒマシ油である。例えば、ポリエトキシ化ヒマシ油は、CREMOPHOR(登録商標)ELまたはCREMOPHOR(登録商標)ELP(ポリオキシル35ヒマシ油;BASF,Ludwigshafen,Germany)であり得る。CREMOPHOR(登録商標)ELまたはCREMOPHOR(登録商標)ELPはまた、リシノール酸マクロゴールグリセロール(macrogoglycerol ricinoleate)またはリシノール酸マクロゴールグリセロール(macrogoglyceroli ricinoleas)としても公知である。他の実施形態において、非イオン性界面活性剤は、SOLUTOL(登録商標)HS 15(ヒドロキシステアリン酸マクロゴール15;BASF,Ludwigshafen,Germany)のようなエトキシ化脂肪酸である。SOLUTOL(登録商標)HS 15はまた、エトキシ化12−ヒドロキシステアリン酸または12−ヒドロキシステアリン酸−ポリエチレングリコールコポリマーとしても公知である。
【0028】
他の代表的な非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレン5ヒマシ油、ポリエチレン9ヒマシ油、ポリエチレン15ヒマシ油、d−α−トコフェリルポリエチレングリコールコハク酸塩(TPGS)またはMyverolのようなモノグリセリド、グリセリルモノオレイン酸塩、モノオレイン、または脂肪族アルコールをベースにした非イオン性界面活性剤(例えば、oleth−3、oleth−5、ポリオキシル10オレイルエーテル、oleth−20、steareth−2、steareth−10、steareth−20、ceteareth−20、ポリオキシル20セトステアリールエーテル、PPG−5 ceteth−20、およびPEG−6カプリル/カプリン酸トリグリセリド)、Pluronic(登録商標)コポリマー非イオン性界面活性剤(例えば、Pluronic(登録商標)L10、L31、L35、L42、L43、L44、L62、L61、L63、L72、L81、L101、L121、およびL122)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、Tween20、Tween40、Tween60、Tween65、Tween80、Tween81、およびTween85)、あるいは最後に、エトキシ化グリセリド(例えば、PEG20アーモンドグリセリド、PEG60アーモンドグリセリド、PEG20コーングリセリド、およびPEG60コーングリセリド)が挙げられる。
【0029】
界面活性剤は、ミセル形成臨界濃度、すなわちCMCとして公知の物理的性質によりしばしば特徴付けられる。CMCの値は、一般的にパーセントで表わされ、ミセルを第1に形成する水溶液中の両親媒性分子(すなわち、界面活性剤)のパーセント濃度を表わす。
【0030】
例えば、本発明のある実施形態において、非イオン性界面活性剤は、約0.001%〜約0.5%、約0.01%〜約0.10%、約0.01%〜約0.05%、約0.01%〜約0.04%、または約0.01%〜約0.03%のCMC範囲で使用され得る。この範囲でCMC数を有する非イオン性界面活性剤は、薬学的組成物が大容積の薬学的に受容可能な水性希釈剤に希釈される場合、本発明の化合物を可溶化する工程、ならびにミセルを形成および維持する工程の両方に関して、物理学的特徴の適切な組合せを提供することが見出されている。
【0031】
界面活性剤はまた、親水性−親油性バランス数、すなわち「HLB数」により分類され、特徴付けられ得る。このHLB系は、ある特定の分子構造が提供する界面活性剤の特徴のタイプを予測するために使用される半経験的な方法である。種々の界面活性剤のHLB数は、ある特定の化合物を可溶化するのに適した界面活性剤の選択における指標として使用され得る。さらにHLB数は、代数的加法である。従って、低HLB数を有する界面活性剤と高いHLB数を有する界面活性剤とを合わせることにより、はじめの界面活性剤の2つのHLB数の間の中間にあるHLB数を示す界面活性剤の混合物が調製され得る。HLB数の概念は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第21版、Lippincott Williams & Wilkins(2006年)331〜334頁に詳しく述べられる。
【0032】
例えば、本発明の組成物において、合わせられた1つ以上の界面活性剤のHLB数は10と14の間であり得る。
【0033】
本発明の組成物の調製に使用され得る非イオン性の界面活性剤の例として、特にポリエトキシ化ヒマシ油が挙げられる。用語「エトキシ化ヒマシ油」は、上および明細書中に使用される場合、少なくとも1つの酸素含有部分で改変されたヒマシ油をいう。特にこの用語は、少なくとも1つのエトキシル部分を含むヒマシ油をいう。さらに、本明細書に使用される場合、用語ポリオキシル35ヒマシ油は、PEG−35ヒマシ油、リシノール酸マクロゴグリセロール(macrogoglycerol ricinoleateおよびmacrogoglyceroli ricinoleas)、あるいはCAS登録番号61791−12−6としても公知であり、疎水性物質の水性処方物に使用される非イオン性界面活性剤、可溶化剤および乳化剤である。ポリオキシル35ヒマシ油は、ヒマシ油をエチレンオキシドと1:35のモル濃度比で反応させることにより調製される。CREMOPHOR(登録商標)ELおよびCREMOPHOR(登録商標)ELP(BASF,Ludwigshafen,Germany)は、ポリオキシル35ヒマシ油であり、12と14の間のHLB数、およびおおよそ0.009%〜0.02%の臨界ミセル濃度(CMC)を有する。CREMOPHOR(登録商標)ELおよびCREMOPHOR(登録商標)ELPは、25℃で1.05〜1.06g/mlの密度、および600〜800mPa・sの粘度を有する(製造会社BASFのCREMOPHOR(登録商標)ELおよびCREMOPHOR(登録商標)ELPの製品報告書を参照のこと)。
【0034】
有益なことに、本発明の実施形態において使用される界面活性剤は、化合物を界面活性剤分子の自己会合を通して薬学的に受容可能な水性希釈剤中に可溶化させ、しばしばミセルの形態で送達され得る。例えば、水性希釈剤中にミセルを有するそのような最終組成物は、非経口経路、特に静脈内注射および注入を介して送達され得る。
【0035】
組成物の単位容積あたりの界面活性剤の量は、変化し得る。例えば、界面活性剤は、約10wt%〜約99.9wt%の薬学的組成物を構成し得、残りは賦形剤、薬物、安定剤などからなり得る。化合物と薬学的組成物との間の代表的な比(重量/容積、すなわち、化合物の重量/薬学的組成物の容積)は、約0.01μg/mlから、または少なくとも約1mg/mlであり得る。別の例において、組成物中の化合物の量は、約1mg/mlと約150mg/mlの間である。他の特定の例において、薬学的組成物中の化合物の量は、約1mg/mlと約50mg/mlの間、または約5mg/mlと約15mg/mlの間であり得る。特定の実施形態において、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシル35ヒマシ油であり、ここで式Iの化合物またはその塩と界面活性剤との間の重量対重量の比は、約1mg/グラム〜50mg/グラムである。
【0036】
1つ以上の界面活性剤を含む1つ以上の非水性液体希釈剤を有する本発明の組成物はまた、必要に応じて1つ以上の粘度低下剤を含み得る。例えば、1つ以上の非イオン性界面活性剤を含む液体希釈剤はまた、1つ以上の粘度低下剤を含み得る。
【0037】
本明細書中に使用される場合、用語「粘度低下剤」は、界面活性剤と混合されると、生じる溶液がシリンジにより容易に取り扱われ得、そして/または容易に滅菌濾過され得るような程度に、界面活性剤または液体希釈剤の粘度を減少させる薬学的に受容可能な化合物を意味する。有利なことに、生じる溶液が室温で、滅菌濾過の薬学的製造プロセスの技術分野で一般的であり、例えばおおよそ0.22マイクロメートル(μm)の細孔を有するフィルターとしてしばしば記載される滅菌フィルターを通して濾過され得るまで、本発明の粘度低下剤は、その中に溶解された式Iの化合物を有する界面活性剤の粘度を減少させる。そのような粘度低下剤は、本発明の組成物において、それ自体ではシリンジで容易に取り扱うかおよび/または滅菌濾過するには粘性が高すぎる界面活性剤の使用を可能にする。
【0038】
本明細書に使用される場合、用語「注射可能性(syringability)」とは、室温で皮下針(例えば、16ゲージ〜30ゲージ)に合うシリンジにより都合よくかつ正確に取り扱われる溶液の能力を意味する。さらに、「注射可能溶液」とは、容易に取り扱われ、目盛り付きシリンジまたはその他の目盛り付き測定装置により、容積測定され得る。
【0039】
本明細書に使用される場合、用語「濾過性」とは、濾過媒体を通る溶液の能力を意味し、この状況においては、滅菌濾過の薬学的製造プロセスにおいて通常使用されるフィルター(代表的には、例えばおおよそ0.22マイクロメートル(μm)の細孔を有することが記載されている)を通る溶液の能力を意味し、濾過プロセスにより溶液の滅菌を可能にする。特に本発明の組成物の滅菌濾過は、組成物を、おおよそ0.22マイクロメートル(μm)以下の細孔サイズを有する「滅菌フィルター」を通すことにより達成され得る。例えば、本発明の組成物の滅菌濾過は、これらの溶液を0.22マイクロメートル(μm)の細孔サイズを有するフッ化ポリビニリデン(PVDF)膜(例えば、DuraporeTMフィルター(Millipore,Billerica,MA,USA)で知られる)を通すことにより達成され得る。本発明のいくつかの組成物について、滅菌濾過は、組成物の粘度が少なくとも1つの粘度低下剤の添加により低下されると促進される。
【0040】
本発明のある実施形態(例えば、この組成物において使用される非イオン性界面活性剤がポリエトキシ化ヒマシ油である実施形態)において、粘度低下剤は、組成物中に含有され得、可溶化された化合物の都合のよい取り扱いを可能にする。特に、本発明の組成物の滅菌濾過は、特定の実施形態において、少なくとも1つの粘度低下剤および少なくとも1つの界面活性剤は、治療化合物と合わされ薬学的組成物を作る。界面活性剤と粘度低下剤の重量/重量比、あるいは容積/容積比は、室温で液体である混合物を調製するために調整され得る。例えば、薬学的組成物は、シリンジにより容易に移され、測定され得、そしておおよそ0.22マイクロメートル(μm)以下の細孔を有するフィルターを通して容易に滅菌濾過され得るのに十分に低い粘度であり得る。
【0041】
代表的な粘度低下剤として、アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、またはn−プロピルアルコール)、グリセロールホルマール、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ポリエチレングリコール200(PEG−200)、ポリエチレングリコール300(PEG−300)、ポリエチレングリコール400(PEG−400)、プロピレングリコールおよび水が挙げられる。
【0042】
特定の実施形態において、粘度低下剤は薬学的に受容可能なC1〜5アルカノール、ベンジルアルコール、および低分子量の脂肪族モノカルボン酸から選択される。特定の実施例において、選択される粘度低下剤は、エタノールである。別の特定の実施形態において、この粘度低下剤は、エタノールである。水はまた、いくつかの実施形態において粘度を減少させる有用性を有し得る。
【0043】
特定の実施形態において、粘度低下剤は、薬学的組成物の約5wt%〜約90wt%の範囲であり得る。ある実施形態において、粘度低下剤は、組成物の約20wt%〜約60wt%の範囲である。他の実施形態において、粘度低下剤は、組成物の約50wt%まで占める。
【0044】
本発明の組成物の各々の他の成分が厳密である場合、本発明の薬学的組成物中に含まれる粘度低下剤の正確な量は、変更され得る。例えば、粘度低下剤の量は、薬学的組成物の注射可能性または濾過性において求められる利点を達成するために変化され得る。1つ以上の界面活性剤、化合物および粘度低下剤を有する組成物における粘度の代表的な範囲は、約室温で、約0.005ポアズ(0.0005Pa・秒)〜約15.0ポアズ(1.5Pa・秒)であり得る。
【0045】
本発明の組成物は、必要に応じて賦形剤を含み得る。例えば、1つ以上の非イオン性界面活性剤を含む液体希釈剤はまた、1つ以上の賦形剤を含み得る。
【0046】
代表的な賦形剤として、保存剤、抗酸化剤、pH調整剤、浸透圧モル濃度調整剤、および安定剤のような物質が挙げられる。保存剤は、一般的に組成物中の微生物の増殖を防止するか阻害する物質としてみなされる。代表的な保存剤として、パラベン(例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、およびブチルパラベン)、エタノール、イソプロパノール、安息香酸ナトリウム、ベンジルアルコール、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸カリウム、チメロサール、および塩化ベンザルコニウムが挙げられる。
【0047】
抗酸化剤は、一般的に酸化ダメージから組成物の成分を保護する役割を果たす。抗酸化剤の例として、アルコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸パルミテート、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、ビタミンE、ビタミンE PEG 1000およびTPGS(トコフェロールポリエチレングリコールコハク酸塩)が挙げられる。
【0048】
賦形剤としてまた、薬学的に受容可能なpH調整剤および/または浸透圧モル濃度調整剤が挙げられる。そのような物質は、薬学的組成物の特徴を改善するために使用され、非経口投与、特に静脈内投与および注入に適した溶液および液体を調製するために使用され得る。適したpH調整剤として、緩衝剤(例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、トロメタミン、クエン酸塩、乳酸塩)、酸性化剤(例えば、塩酸、リン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸)およびアルカリ化剤(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、モノメタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン)が挙げられる。適した浸透圧モル濃度調整剤の例として、天然でイオン性または非イオン性のいずれかの、任意の薬学的に受容可能な水溶解性化合物(例えば、グルコース、スクロース、フルクトース、塩化ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、ポリエチレングリコール400〜4000、酸性化剤、アルカリ化剤、および薬学的に受容可能な緩衝塩)が挙げられる。
【0049】
特定の実施例において、液体希釈剤は、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤および少なくとも1つの抗酸化剤(例えば、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン))を含む。ある実施形態において、液体希釈剤は、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤および少なくとも1つの水性希釈剤(例えば、水、生理食塩水、および/またはデキストロース水溶液)を含む。例えば、非イオン性界面活性剤と水性希釈剤との比は、約100:1〜約1:20,000(v/v)であり得る。他の実施例において、非イオン性界面活性剤と水性希釈剤との比はまた、少なくとも約1:1(v/v)または、約1:2〜約1:1000(v/v)であり得る。
【0050】
本発明の組成物はまた、1つ以上の界面活性剤、粘度低下剤、賦形剤および水性希釈剤の組合せであり得る。特定の実施形態において、本発明は、哺乳動物に対する非経口投与に適した投薬組成物を提供し、この投薬組成物は、治療的有効量の式Iを有する少なくとも1つの化合物またはその塩を、ポリオキシル35ヒマシ油、エタノール、ならびに水、生理食塩水、およびデキストロール水溶液から選択される水性希釈剤を含む液体希釈剤との混合物で含み、ここでこの化合物とこのポリオキシル35ヒマシ油との間の重量比は、約1:500〜約1:5であり、ポリオキシル35ヒマシ油とエタノールとの間の重量比は、約1:10〜約20:1であり、ポリオキシル35ヒマシ油と水性希釈剤との間のv:v比は、約1:50〜約1:5,000である。
【0051】
本発明はまた、薬学的組成物および/または投薬組成物を調製および使用するための方法およびキットを包含する。本発明のキットは、種々の方法で、本発明の組成物を提供し得る。キットは、本発明の薬学的組成物の成分を一緒に、単一の容器またはコンパートメントあるいは別々の容器またはコンパートメント中に提供し得る。例えば、キットは、少なくとも1つの式Iの化合物および少なくとも1つの液体希釈剤を単一容器または別々の容器に提供し得る。本発明のキットはまた、少なくとも1つの式Iの化合物および少なくとも1つの液体希釈剤を、単一容器の同じコンパートメントまたは別々のコンパートメント中に提供し得る。例えば、式Iの化合物、水性希釈剤、ならびに必要に応じて1つ以上の粘度低下剤、界面活性剤、および/または賦形剤は、別々にキット中に提供され得るか、あるいは種々の組合せが一緒に提供され得る。容器は、シリンジまたは液体を移動させるかまたは液体の移動のための経路を提供する他のデバイスによって液体が都合よく導入され得るかまたは取り出され得るように設計され得る。例えば、容器の少なくともある部分は、シリンジ針で穴があけられ得る材料で作られ得る。必要に応じて、キットは、薬学的組成物および/または投薬組成物の調製ならびに/あるいは使用のための使用説明書を含み得る。
【0052】
ある特定の実施例において、キットは本発明の薬学的組成物を含有するバイアルまたはボトルを提供する。あるいは、本発明の薬学的組成物の成分は、キット内に提供され得る。例えば、1つのキットは、少なくとも1つの式Iの化合物を含むバイアルまたはボトル、および少なくとも1つの液体希釈剤を含む別のバイアルまたはボトルを提供し得る。特定の実施形態において、液体希釈剤は、水性希釈剤(例えば、水、生理食塩水、デキストロース水溶液)を含む。他の実施形態において、液体希釈剤は、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリエトキシ化ヒマシ油、ポリソルベート、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、またはエトキシ化脂肪酸)を含む。液体希釈剤は必要に応じて非イオン性界面活性剤を含み得る。例えば、非イオン性界面活性剤を含む液体希釈剤は、粘度低下剤(例えば、薬学的に受容可能なC1〜5アルカノール、ベンジルアルコール、および低分子量脂肪族モノカルボン酸)を含み得る。
【0053】
キットはまた、他の方法で本発明の薬学的組成物の成分を提供し得る。例えば、キットは、粘度低下剤との混合物で少なくとも1つの式Iの化合物を提供し、そして1つの界面活性剤および/または1つの水性希釈剤もまた提供し得る。あるいは、キットは、式Iの化合物、非イオン性界面活性剤、粘度低下剤、および/または水性希釈剤を別々に提供し得る。キットはまた、賦形剤を含み得る。例えば、賦形剤は、液体希釈剤の一部として他の薬学的組成物の成分と別々に提供され得るか、または式Iの化合物との混合物で提供され得る。
【0054】
いくつかの実施形態において、キットはまた、必要に応じて前処置薬用物質を提供し得る。そのような前処置薬用物質は、薬学的組成物および/または投薬組成物の投与と関連する副作用を緩和し得るかまたは減少し得る。例えば、そのような前処置薬用物質は、抗ヒスタミン薬、糖質コルチコイドのような抗炎症性ステロイド、および/またはその組合せであり得る。
【0055】
式Iの化合物とキットの他の成分とを適切に組み合わせる方法を記載する使用説明書が提供され得る。キットは、さらに濾過装置、滅菌濾過装置および静脈内注射バッグ(i.v.バッグ)のような物品を含み得る。適切なi.v.バッグの例として、Bethlehem,PA,U.S.A.のB.Braun Medical,Inc.,により製造されるPAB(登録商標)バッグのようなポリオレフィンで裏打ちされたi.v.バッグが挙げられる。
【0056】
本発明は、薬学的組成物を調製する種々の方法および使用する種々の方法を包含する。例えば、本発明は、1つ以上の液体希釈剤に少なくとも1つの式Iの化合物を少なくとも部分的に溶解する工程を包含する薬学的組成物を調製する方法を提供する。特定の方法において、薬学的組成物は、1つ以上の液体希釈剤および少なくとも1つの式Iの化合物を用いてエマルジョンまたはミセル溶液を形成することにより調製される。別の方法において、薬学的組成物は、単に少なくとも1つの式Iの化合物を1つ以上の液体希釈剤に溶解することにより調製される。さらに別の方法において、薬学的組成物は、1つ以上の液体希釈剤中の少なくとも1つの式Iの化合物の懸濁液を形成することにより調製される。
【0057】
薬学的組成物は、容積測定され、シリンジで移され得、必要に応じて滅菌工程(例えば、滅菌濾過技術、あるいは他の滅菌技術(例えば、熱曝露、e−ビーム照射またはγ線照射)による)を含み得る。例えば、薬学的組成物は、この組成物をおおよそ0.22μm以下の濾過細孔サイズを有する適切な滅菌濾過装置を通過させることにより、濾過滅菌され得る。ある実施形態において、薬学的組成物は、投薬組成物を調製するために、薬学的に受容可能な水性希釈剤中に送達されるので、滅菌濾過装置を通過させる。これらの試薬は、静脈内注射による投与に適した1つ以上の容器に提供され得る。例えば、少なくとも1つの式Iの化合物および少なくとも1つの非イオン性界面活性剤の組成物は、i.v.バッグに含まれる、適した水性希釈剤中に直接導入され得、ここで2つの液体が合わせられ、注射可能な投薬組成物を形成する。
【0058】
特定の実施形態において、液体希釈剤は、水性希釈剤(例えば、水、生理食塩水、またはデキストロース水溶液)を含む。他の実施形態において、液体希釈剤は、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリエトキシ化ヒマシ油、ポリソルベート、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはエトキシ化脂肪酸)を含む。液体希釈剤は、必要に応じて非イオン性界面活性剤を含み得る。例えば、非イオン性界面活性剤を含む液体希釈剤は、粘度低下剤(例えば、薬学的に受容可能なC1〜5アルカノール、ベンジルアルコール、および低分子量脂肪族モノカルボン酸)を含み得る。
【0059】
例えば、1つの実施形態において、薬学的組成物を調製するための方法は:(a)ある容積の少なくとも1つの非イオン性界面活性剤中にある量の少なくとも1つの式Iの化合物および必要に応じて少なくとも1つの薬学的に受容可能な粘度低下剤を合わせる工程;(b)ある測定された容積の(a)の液体を、ある容積の少なくとも1つの水性希釈剤に合わせる工程を包含する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの賦形剤(例えば、BHT)はまた、本発明の薬学的組成物に含有される。合わせた液体および/または化合物は、単純な反転および/または攪拌のような方法により混合され得る。本発明の組成物を調製する方法は、所望される任意の容積に調整(scale)され得る。
【0060】
本発明はまた、本発明の投薬組成物を哺乳動物(例えば、ヒト)に投与する種々の方法を包含する。腫瘍性疾患(例えば、癌)を含む種々の疾患および障害は、本発明の投薬組成物を用いて処置され得る。この投薬組成物はまた、乾癬、表皮の過剰増殖、再狭窄、血管増殖性の疾患(例えば、糖尿病性網膜症)および糖尿病性合併症を含む他の過剰増殖性疾患および障害の処置に使用され得る。さらにこの投薬組成物は、免疫抑制剤として使用され得、自己免疫疾患を含む免疫系の障害を処置し得る。
【0061】
特定の実施形態において、本発明は、腫瘍性疾患(例えば、癌)を処置する方法を包含し、この方法は、処置を必要とする被験体に少なくとも1つの式Iの化合物および液体希釈剤を含む投薬組成物を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、投薬組成物の投与は、1つ以上の前処置薬用物質の投与に続く。そのような前処置薬用物質は、いずれかの有効な投薬経路(例えば、非経口経路または経口経路)により投与され得る。前処置薬用物質は、薬学的組成物および/または投薬組成物の投与に関連する副作用を緩和し得るかまたは減少し得る。例えば、そのような前処置薬用物質は、抗ヒスタミン薬、糖質コルチコイドのような抗炎症性ステロイド、および/またはその組合せであり得る。
【0062】
特定の実施形態において、液体希釈剤は、水性希釈剤(例えば、水、生理食塩水、またはデキストロース水溶液)を含む。他の実施形態において、液体希釈剤は、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリエトキシ化ヒマシ油、ポリソルベート、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはエトキシ化脂肪酸)を含む。液体希釈剤は、必要に応じて非イオン性界面活性剤を含み得る。例えば、非イオン性界面活性剤を含む液体希釈剤は、粘度低下剤(例えば、C1〜5アルカノール、ベンジルアルコール、および低分子量脂肪族モノカルボン酸)を含み得る。
【0063】
種々の方法が、患者への治療化合物の投与に利用できる。そのような方法として、例えば、非経口投与、経口投与、眼内投与、鼻内投与、口腔投与、経皮投与、直腸投与、局所投与および経粘膜投与が挙げられる。ある実施形態において、本発明の組成物は、非経口投与(例えば、静脈内注射、皮下注射、腹腔内注射、筋肉内注射、髄腔内注射、骨髄内注射および腫瘍内注射)により投与され得る。本発明の組成物はまた、所望される部位に直接投与され得る(例えば、組織への直接的な接触または直接的な注射により)。
【0064】
投与される化合物および組成物の量および用量は、所望される治療効果を達成するために調整され得る。例えば、本発明の投薬組成物中の化合物は、1日あたり約0.05mg〜約4000mg、1日あたり約0.1mg〜約2000mg、および1日あたり約1mg〜約100mgの量で有効であり得る。この組成物の投薬は、急速にまたはあらかじめ決められた期間にわたって1回で投与され得るか、あるいはあらかじめ決められた間隔で投与される多数の用量に分けられ得る。
【0065】
上に記載される用量範囲は例示のみであり、投与される化合物の量は、種々の要因(例えば、処置される患者の体重または体表面積、疾患状態、化合物の活性、患者体内での化合物の安定性、投与経路、身体による化合物の吸収、分布および排泄の容易さ、処置される患者の年齢および感受性など)で変化し得ることは、当業者において明らかなように、理解される。
【0066】
以下の実施例は、本発明の種々の局面および/または特徴を例示するために役立ち、本発明の範囲を限定するものとしてみなされない。
【実施例】
【0067】
(実施例1)
(薬学的組成物)
薬学的組成物を、100グラムの塩酸(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミンと1グラムのBHTとを合わせて混合し、塩酸でpH=5に調整されたpHを有する10リットルのD5Wに溶解することにより調製する。この溶液を、0.2μmテフロン(登録商標)フィルター(PTFE)を使用して、滅菌濾過する。
【0068】
(実施例2)
(薬学的キット)
第1のガラスバイアルに、100mgの塩酸(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミンの粉末を含み、第2のバイアルに塩酸でpH=5に調整されたpHを有する10mlの滅菌D5Wを含む薬学的キットを調製する。溶液を、シリンジおよび20ゲージの皮下針を用いてpH=5のD5Wを、薬物粉末を含むバイアルに移すことにより調製する。この薬物を、穏やかな攪拌下で溶解し、溶液を形成する。
【0069】
(実施例3)
(薬学的組成物)
薬学的組成物を、300.1グラムの塩酸(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミンを13.652kgの界面活性剤(CREMOPHOR(登録商標)EL)および13.652kgの粘度低下剤(190プルーフのエタノール)に溶解することにより形成した。この溶液を、0.2μm Millipore Duraporeフィルター(PVDF)を通して滅菌濾過し、10ml滅菌ガラスバイアルに充填した。
【0070】
(実施例4)
(薬学的組成物)
薬学的組成物を、300.1グラムの塩酸(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミンおよび30.12グラムの抗酸化剤(BHT)を13.652kgの界面活性剤(CREMOPHOR(登録商標)EL)および13.652kgの粘度低下剤(190プルーフのエタノール)に溶解することにより形成した。この溶液を、0.2μm Millipore Duraporeフィルター(PVDF)を通して滅菌濾過し、10ml滅菌ガラスバイアルに充填した。
【0071】
(実施例5)
(薬学的組成物)
薬学的組成物を、300.1グラムの塩酸(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミンおよび30.12グラムの抗酸化剤(BHT)を13.652kgの界面活性剤(CREMOPHOR(登録商標)EL)および11.652kgの粘度低下剤(190プルーフのエタノール)ならびに2kgのWFI(注射用蒸留水)に溶解することにより形成する。この溶液を、0.2μm Millipore Duraporeフィルター(PVDF)を通して滅菌濾過し、10ml滅菌ガラスバイアルに充填する。
【0072】
(実施例6)
(投与方法)
実施例5の薬学的組成物約0.01ml〜約50mlを正確に量り、次いで水中5%滅菌デキストロース(D5W)を約100ml〜約1000ml含むi.v.バッグに加える。使用される薬学的組成物およびD5Wの量を、所望される治療用量および患者のサイズに従って変える。次いで得られた混合物を、患者に非経口的に注入する。
【0073】
本明細書中に言及されるすべての出版物および特許出願は、本発明が関連する分野の当業者の水準を示している。すべての出版物および特許出願は、各々個々の出版物または特許出願が明確かつ個々に参考として援用されることが述べられているように、同一程度に参考として本明細書中に援用される。出版物および特許出願の単なる言及は、それらが本出願に対する先行技術であるという認識を必ずしも構成しない。
【0074】
上記の発明は、理解を明確にするために、例示および実施例により、いくらか詳しく記載されているが、ある変更および改変は、添付の特許請求の範囲内で実施され得ることが明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬学的組成物であって:
治療的有効量の式I:
【化1】

を有する少なくとも1つの化合物またはその塩、および1つ以上の液体希釈剤を含有し、ここで:
は、OCH、OCHF、およびOCHCHから選択され;そして
は、CH、Cl、CHF、およびSCHから選択される、薬学的組成物。
【請求項2】
1つ以上の前記液体希釈剤が、1つ以上の水性希釈剤を含む、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1つの化合物が、約0.01μg/ml〜約150mg/mlの量で前記1つ以上の液体希釈剤と混合され、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記水性希釈剤が、水、生理食塩水、リンゲル液、乳酸加リンゲル液、重炭酸溶液、およびデキストロース水溶液から選択される、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
1つ以上の前記液体希釈剤が、1つ以上の非イオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1つの化合物と前記1つ以上の液体希釈剤との間の重量対重量の比が、約1:10,000〜約1:1である、請求項5に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記1つ以上の非イオン性界面活性剤が、
ポリエトキシ化ヒマシ油、
ポリソルベート、
ソルビタンエステル、
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル、および
エトキシ化脂肪酸
から選択される、請求項5に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
1つ以上の前記非イオン性界面活性剤が、ポリエトキシ化ヒマシ油である、請求項5に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
前記ポリエトキシ化ヒマシ油が、ポリオキシル35ヒマシ油である、請求項8に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1つの化合物と前記ポリオキシル35ヒマシ油との間の重量対重量の比が、約1:500〜約1:5である、請求項9に記載の薬学的組成物。
【請求項11】
前記1つ以上の液体希釈剤が、さらに少なくとも1つの粘度低下剤を含む、請求項5に記載の薬学的組成物。
【請求項12】
前記少なくとも1つの粘度低下剤が、C1〜5アルカノール、ベンジルアルコール、および低分子量の脂肪族モノカルボン酸から選択される、請求項11に記載の薬学的組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1つの粘度低下剤が、エタノールである、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
前記少なくとも1つの非イオン性界面活性剤と前記少なくとも1つの粘度低下剤の比が、約20:1〜約1:10(w/w)である、請求項13に記載の薬学的組成物。
【請求項15】
さらに1つ以上の賦形剤を含有する、請求項5に記載の薬学的組成物。
【請求項16】
前記1つ以上の賦形剤が、保存剤、抗酸化剤、pH調整剤、浸透圧モル濃度調整剤、および安定剤から選択される、請求項15に記載の薬学的組成物。
【請求項17】
前記少なくとも1つの賦形剤が、抗酸化剤である、請求項16に記載の薬学的組成物。
【請求項18】
さらに少なくとも1つの水性希釈剤を含有する、請求項5に記載の薬学的組成物。
【請求項19】
前記1つ以上の非イオン性界面活性剤と前記少なくとも1つの水性希釈剤の容積対容積の比が、100:1〜1:20,000である、請求項18に記載の薬学的組成物。
【請求項20】
前記比が、約1:50〜約1:5,000である、請求項19に記載の薬学的組成物。
【請求項21】
前記少なくとも1つの水性希釈剤が、水、生理食塩水、リンゲル液、乳酸加リンゲル液、重炭酸溶液、およびデキストロース水溶液から選択される、請求項18に記載の薬学的組成物。
【請求項22】
さらに少なくとも1つの粘度低下剤を含有する、請求項21に記載の薬学的組成物。
【請求項23】
前記少なくとも1つの粘度低下剤が、C1〜5アルカノール、ベンジルアルコール、および低分子量の脂肪族モノカルボン酸から選択される、請求項22に記載の薬学的組成物。
【請求項24】
前記少なくとも1つの粘度低下剤が、エタノールである、請求項23に記載の薬学的組成物。
【請求項25】
さらに1つ以上の賦形剤を含有する、請求項23に記載の薬学的組成物。
【請求項26】
前記1つ以上の賦形剤が、保存剤、抗酸化剤、pH調整剤、浸透圧モル濃度調整剤、および安定剤から選択される、請求項25に記載の薬学的組成物。
【請求項27】
前記1つ以上の賦形剤が抗酸化剤である、請求項26に記載の薬学的組成物。
【請求項28】
前記式Iの化合物が、
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−フルオロメチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
(4−ジフルオロメトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−エトキシ−フェニル)−メチルアミン;
(4−エトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(2−メチルチオ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;およびそれらの薬学的に受容可能な塩から選択される、請求項1〜27のうちのいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項29】
請求項1〜28のうちのいずれかに記載の薬学的組成物を含む、キット。
【請求項30】
前記薬学的組成物の成分が、単一の容器またはコンパートメントと一緒に提供される、請求項29に記載のキット。
【請求項31】
前処置薬用物質が必要に応じて含まれる、請求項29に記載のキット。
【請求項32】
前記前処置薬用物質が、抗ヒスタミン薬、抗炎症性ステロイド薬、および/またはその組合せから選択される、請求項31に記載のキット。
【請求項33】
疾患および障害を処置するために有用な医薬を製造するための、請求項1〜28のうちのいずれかに記載の薬学的組成物の使用。
【請求項34】
前記疾患および障害が、腫瘍性疾患、癌、自己免疫疾患のような免疫系の障害、ならびに乾癬のような哺乳動物の細胞の過剰増殖と関連する疾患および障害、表皮性の過剰増殖、再狭窄、糖尿病性網膜症のような血管増殖性疾患および糖尿病性合併症から選択される、請求項33に記載の使用。
【請求項35】
1つ以上の液体希釈剤に希釈される請求項1〜28のうちのいずれかに記載の薬学的組成物を含有する投薬組成物。
【請求項36】
治療的有効量の式I:
【化2】

を有する化合物またはその塩を少なくとも1つ含有する、哺乳動物への非経口投与に適した投薬組成物であって、
は、OCH、OCHF、およびOCHCHから選択され;そして
は、CH、Cl、CHF、およびSCHから選択され;
該投薬組成物は、
ポリオキシル35ヒマシ油、
エタノール、
抗酸化剤、ならびに
水、生理食塩水、リンゲル液、乳酸加リンゲル液、重炭酸溶液およびデキストロース水溶液から選択される水性希釈剤を含有する液体希釈剤との混合物であり、ここで該化合物と該ポリオキシル35ヒマシ油との間の重量対重量の比が、約1:500〜約1:5であり、該ポリオキシル35ヒマシ油と該エタノールの間の重量対重量の比が、約1:10〜約20:1であり、該ポリオキシル35ヒマシ油と該水性希釈剤との間の容積対容積の比が、約1:50〜約1:5,000である、投薬組成物。
【請求項37】
前記式Iの化合物が、
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(2−フルオロメチル−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;
(4−メトキシ−フェニル)−メチル−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−アミン;
(4−ジフルオロメトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(2−クロロ−キナゾリン−4−イル)−(4−エトキシ−フェニル)−メチルアミン;
(4−エトキシ−フェニル)−(2−メチル−キナゾリン−4−イル)−メチル−アミン;
(2−メチルチオ−キナゾリン−4−イル)−(4−メトキシ−フェニル)−メチル−アミン;およびそれらの薬学的に受容可能な塩から選択される、請求項35または36に記載の投薬組成物。
【請求項38】
以下の工程:
a.1つ以上の液体希釈剤に少なくとも1つの式Iの化合物を少なくとも部分的に溶解し、薬学的組成物を形成する工程;および
b.1つ以上の液体希釈剤に前記薬学的組成物を希釈する工程
を包含する、請求項35〜37のうちのいずれかに記載の投薬組成物を調製する方法。
【請求項39】
疾患および障害を処置するために有用な医薬を製造するための、請求項35〜37のうちのいずれかに記載の投薬組成物の使用。
【請求項40】
前記疾患および障害が、腫瘍性疾患、癌、自己免疫疾患のような免疫系の障害、ならびに乾癬のような哺乳動物の細胞の過剰増殖と関連する疾患および障害、表皮性の過剰増殖、再狭窄、糖尿病性網膜症のような血管増殖性疾患および糖尿病性合併症から選択される、請求項39に記載の使用。
【請求項41】
前記投薬組成物を、それを必要とする哺乳動物に非経口投与する、請求項40に記載の使用。
【請求項42】
請求項35〜37のうちのいずれかに記載の投薬組成物を含む、キット。
【請求項43】
前記投薬組成物の成分が、単一の容器またはコンパートメントと一緒に提供される、請求項42に記載のキット。
【請求項44】
前記前処置薬用物質が必要に応じて含まれる、請求項42に記載のキット。
【請求項45】
前記前処置薬用物質が、抗ヒスタミン薬、抗炎症性ステロイド薬、および/またはその組合せから選択される、請求項44に記載のキット。

【公表番号】特表2008−546713(P2008−546713A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517167(P2008−517167)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2006/023566
【国際公開番号】WO2006/138608
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(304057634)ミリアド ジェネティクス, インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】