説明

薬液供給管理装置

【課題】 所定の量の薬液を精度良く供給可能な薬液供給管理装置を提供する。
【解決手段】 予め設定された薬液供給量の設定値を記憶する記憶手段204と、供給ラインを流れる薬液の流量を時間毎に測定する流量測定手段202と、薬液の流量を積算することにより被塗布物104に対して供給された薬液供給量の実測値を取得する供給量取得手段214と、薬液供給量の実測値と薬液供給量の設定値とに基づいて、供給ラインL1を介して被塗布物104に対して供給された薬液供給量が薬液供給量の設定値に達したか否かを判断する供給量判断手段216と、供給ラインを介して被塗布物に対して供給された薬液供給量が薬液供給量の設定値に達したと判断した場合に、供給ラインを介した薬液の供給を停止させる供給停止手段218と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピンナにおける被塗布物に対して供給ラインを介して供給される薬液の供給量を管理する薬液供給管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体、磁気ディスク等の製造プロセスにおいて、純水、酸、アルカリ、有機溶剤、フォトレジスト等の薬液を用いた処理工程が多用されている。
【0003】
例えば、半導体の製造プロセスでは、これらの薬液による前処理、レジスト膜形成、エッチング等を含むフォトリソグラフィー法によって、例えば、0.3〜0.1μm、さらにはそれ以下の精度での加工が行なわれる。
【0004】
このような製造プロセスでは、スピンナを用いた回転塗布法によって、薬液を基板等の被塗布物に塗布することが多い。
【0005】
ここで、スピンナにおいて被塗布物に対して供給する薬液の量が所定の量よりも少なすぎると当該薬液による処理が十分に行われなくなる一方、供給する薬液の量が多すぎると高価な薬液の無駄が多くなってコスト高となる。したがって、薬液を正確な量被塗布物に対して供給することが求められている。
【0006】
そして、従来は、供給ラインのバルブを開放する時間をあらかじめ定めておくことにより、所定量の薬液を被塗布物に対して繰返し供給するようにしていた。
【特許文献1】特開昭62−221463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、本発明者らが検討したところ以下のような不具合が生ずることが判明した。
【0008】
薬液をスピンナの被塗布物に対して供給するにあたっては、薬液の量だけではなく、薬液中の異物等の低減も求められており、通常供給ラインには異物を除去するためのフィルタが設けられている。
【0009】
そして、時間の経過、すなわち、供給ラインを通過する薬液の総量が増えるにしたがってフィルタの圧力損失が大きくなり、定量ポンプを用いていたとしても流量が変動し、バルブ開放時間を同じにするだけでは薬液の供給量が変動してしまう。
【0010】
そして、この供給量の変わり方は供給ラインL1の使用状況等に応じて異なるために、あらかじめこの変わり方を予測してバルブの開放時間を設定しておいても、精度良く供給量をコントロールすることは困難である。
【0011】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、所定の量の薬液を精度良く供給可能な薬液供給管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る薬液供給管理装置は、スピンナにおける被塗布物に対して供給ラインを介して供給される薬液の供給量を管理する薬液供給管理装置であって、予め設定された薬液供給量の設定値を記憶する記憶手段と、供給ラインを流れる薬液の流量を時間毎に測定する流量測定手段と、流量測定手段によって得られた薬液の流量を積算することにより、被塗布物に対して供給された薬液供給量の実測値を取得する供給量取得手段と、供給量取得手段によって取得された薬液供給量の実測値と、記憶手段に記憶された薬液供給量の設定値とに基づいて、供給ラインを介して被塗布物に対して供給された薬液供給量が薬液供給量の設定値に達したか否かを判断する供給量判断手段と、供給量判断手段が、供給ラインを介して被塗布物に対して供給された薬液供給量が薬液供給量の設定値に達したと判断した場合に、供給ラインを介した薬液の供給を停止させる供給停止手段と、を備えている。
【0013】
本発明に係る薬液供給管理装置によれば、スピンナにおける被塗布物に供給される薬液の量が所定の供給量の設定値に精度よく管理され、薬液の供給量が少なすぎることよる不完全な処理や、薬液の供給量が多すぎることによる薬液の無駄が防止され、低コストかつ高品質のスピンナによる処理が実現される。特に、供給ラインにフィルタ等が設けられていて供給ラインの圧力損失が時間と共に変動する場合等、供給ラインを流れる薬液の流量、すなわち、単位時間当たりの容積や重量が変動する可能性がある場合でも、本発明によれば流量が逐次積算されるので、供給量が十分に高い精度で管理される。
【0014】
ここで、記憶手段は薬液供給量の設定値を複数記憶し、薬液供給管理装置は、さらに、外部からの信号に応じて記憶手段に記憶された複数の薬液供給量の設定値の内のいずれかを選択する選択手段を備え、供給量判断手段は、選択手段によって選択された薬液供給量の設定値と、供給量取得手段によって取得された薬液供給量の実測値と、に基づいて上述の判断を行うことが好ましい。
【0015】
これによれば、あらかじめ記憶手段に複数の薬液供給量を記憶しておけば、外部からの指示に応じて薬液の供給量を所望の値に切り替えることができる。したがって、処理の内容に応じて薬液の供給量を変える必要がある場合に特に好適である。
【0016】
また、供給ラインを介した被塗布物に対する薬液の供給が開始された時点から、供給ラインを介した被塗布物に対する薬液の供給が停止された時点までの吐出時間を取得するタイマ手段をさらに有することが好ましい。
【0017】
薬液の変質や薬液の補充ミス等により供給ラインを介して供給される薬液の特性が大きく変動した場合等には、設定された供給量となるまでに要する吐出時間が変動前と比べて大きく変わることとなる。したがって、このような吐出時間を取得することにより、このような薬液の変質や薬液補充ミス等を容易に発見できる。
【0018】
例えば、吐出時間を記録部に記録させる記録制御手段をさらに備えると、製造の履歴管理が容易になり、不良発生の原因追求等が容易となる。
【0019】
また、記憶手段が、薬液供給量の設定値に対応付けて、さらに吐出時間の許容範囲を記憶し、薬液供給管理装置は、さらに、タイマ手段により取得された吐出時間と、記憶手段に記憶された吐出時間の許容範囲とに基づいて、タイマ手段により取得された吐出時間が吐出時間の許容範囲内か否かを判断する時間判断手段と、時間判断手段が、タイマ手段により取得された吐出時間が吐出時間の許容範囲外であると判断した場合、警告信号を発生させる警告制御手段と、をさらに有することが好ましい。
【0020】
これにより、薬液の変質や異なる種類の薬液が供給された場合等の薬液の性質の急変が自動的に検出されて警告されるので、製造不良が特に低減される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、所定の量の薬液を精度良く供給可能な薬液供給管理装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本実施形態に係る半導体製造システムを示す概略構成図である。本実施形態の半導体製造システムは、主として、回転するテーブル106上の基板(被塗布物)104に対して薬液102を供給するスピンナ100、スピンナ100の制御を行うスピンナコントローラ150、及び、基板104に供給する薬液の量を所定の量に管理する薬液供給管理装置200を備えている。
【0024】
スピンナ100は、フォトレジスト等の薬液102を基板104上に回転塗布(スピンコート)する装置である。このスピンナ100は、基板104を上面に載せて固定すると共に基板104を垂直軸周りに回転させるテーブル106と、薬液を貯蔵する薬液貯蔵タンク108と、薬液貯蔵タンク108から基板104まで薬液102を導く供給ラインL1と、供給ラインL1に接続され薬液102を薬液貯蔵タンク108から基板104に対して供給するポンプ110と、供給ラインL1に接続されたバルブ112と、供給ラインL1に設けられたフィルタ117と、を主として備えている。
【0025】
ポンプ110は薬液を供給できれば特に限定されないが、パルスポンプ、ヘリカルポンプ、ベローズポンプ及びダイヤフラムポンプ等の定量ポンプが好ましく、特に、高い定量性からパルスポンプが好ましい。
【0026】
また、バルブ112も特に限定されないが、高い応答性で開動作と閉動作との切り替えが可能なものが好ましく、後述するスピンナコントローラ150による制御を好適に可能とすべく、電磁石駆動の開閉弁や空気圧駆動の開閉弁が好ましい。
【0027】
スピンナ100において用いられる薬液102は特に限定されないが、例えば、レジスト膜をスピンコートする場合には、フォトレジストが挙げられる。具体的には、例えば、ポジ型フォトレジストとしては、ナフトキノンジアジド系感光剤とアルカリ可溶性樹脂(ノボラック樹脂)とを主成分とするものが挙げられる。また、薬液102としては、レジスト液以外に、現像液、剥離液、研磨液等が挙げられる。
【0028】
スピンナコントローラ150は、スピンナ100のテーブル106の回転を制御したり、ポンプ110の駆動・停止やバルブ112の開閉を制御したりする制御装置である。具体的には、スピンナコントローラ150は、薬液102の供給を開始させる一方、薬液102の供給を停止させる。
【0029】
スピンナコントローラ150による薬液の供給の開始動作は、具体的には、ポンプ110を起動させること、バルブ112を開放させること、さらに、薬液供給管理装置200に対して、供給開始の旨の信号、及び供給すべき設定供給量のモード番号(詳しくは後述)を示す信号を送信することを含む。
【0030】
また、スピンナコントローラ150による薬液の供給の停止の動作は、具体的には、薬液供給管理装置200から受信した供給停止の信号に基づいて、ポンプ110の停止及びバルブ112の閉鎖を行うことを含む。
【0031】
続いて、本実施形態に係る薬液供給管理装置200について説明する。この薬液供給管理装置200は、流量計(流量測定手段)202と、記憶部(記憶手段)204と、インターフェース部206と、制御部210と、記録部250と、警報部252とを有している。
【0032】
流量計202は、スピンナ100の供給ラインL1に接続されており、供給ラインL1を流れる薬液の流量、すなわち、単位時間に移送される薬液の重量又は体積を測定し、この流量に関する情報を制御部210に所定時間毎に送信する。このような流量計202は、特に限定されないが、測定レンジが広くかつ高い正確性を有する観点から、電磁流量計、面積式流量計、超音波流量計等が好ましい。
【0033】
記憶部204には、図2に示すように、記憶領域204A、204B、204C、204Dとが設定されている。記憶領域204Aには、モード番号が記憶されている。記憶領域204Bには、各モード番号に対応付けて予め設定された設定供給量が記憶されている。記憶領域204Cには、各モード番号の設定供給量に対して予め設定された吐出時間の第1の許容範囲が記憶されている。記憶領域204Dには、各モード番号の設定供給量に対して予め設定された吐出時間の第2の許容範囲が記憶されている。第2の許容範囲は、第1の許容範囲よりも狭くなっている。記憶部204としては、例えば、ROM、RAM、HDD等を採用することができる。
【0034】
インターフェース部206は、制御部210とスピンナコントローラ150との信号のやり取りを行う接続装置である。具体的には、インターフェース部206は、スピンナコントローラ150から、薬液の供給開始信号及び供給量のモード番号を受信して制御部210に送信する。一方、インターフェース部206は、制御部210の指示に基づいて薬液の供給を停止させる信号をスピンナコントローラ150に対して送信する。
【0035】
制御部210は、選択手段212、供給量取得手段214、供給量判断手段216、供給停止手段218、タイマ手段220、時間判断手段222、警告制御手段224、及び記録制御手段226の機能を発揮するものである。このような装置は、CPUにより所定のプログラムを実行するコンピュータによって実現できる。
【0036】
選択手段212は、インターフェース部206からモード番号を取得すると共に、記憶部204の記憶領域204A〜204Dにアクセスして、このモード番号に対応する薬液供給量の設定値、及び、第1の許容範囲、第2の許容範囲を選択的に取得する。
【0037】
供給量取得手段214は、供給ラインL1を流れている薬液の流量を流量計202から所定時間毎に受信する。さらに、供給量取得手段214は、インターフェース部206から薬液の供給開始信号を受けると、流量計202から受けた流量を積算する、すなわち、流量を時間に関して積分し、供給ラインL1による薬液の供給が開始されてから実際に基板104に対して供給された総供給量としての供給量の実測値を取得する。この供給量の実測値の取得は、所定時間毎、例えば、供給量取得手段214が流量計202から流量を得る毎に繰返し行う。これにより、基板104に対して供給された薬液の供給量の実測値が経時的に得られる。
【0038】
供給量判断手段216は、選択手段212により取得された薬液供給量の設定値と、供給量取得手段214により取得された供給量の実測値とに基づいて、実際に基板104に対して供給された供給量が供給量の設定値に到達したか否かを判断する。
【0039】
具体的には、例えば、(供給量の実測値−供給量の設定値)≧0を満たせば、実際の供給量が供給量の実測値に達したことを判断できる。また、供給量判断手段216は、このような判断を、供給量取得手段214が供給量の実測値を取得する毎に行うことができる。
【0040】
供給停止手段218は、供給量判断手段216が、実際の供給量が供給量の設定値に到達したと判断した場合に、インターフェース部206を介してスピンナコントローラ150に対して薬液の供給を停止させる信号を送信する。
【0041】
一方、タイマ手段220は、供給ラインL1を介しての基板104に対する薬液の供給が開始された時から、供給ラインL1を介しての基板104に対する薬液の供給が停止された時までの吐出時間を取得する。具体的には、例えば、開始された時は、薬液供給管理装置200がスピンナコントローラ150から供給開始の信号を受けた時点として取得でき、停止された時は、供給停止手段218がスピンナコントローラ150に対して供給停止の信号を送信したときとすることができる。
【0042】
時間判断手段222は、タイマ手段220によって取得された吐出時間と、選択手段212によって取得された第1の許容範囲及び第1の許容範囲よりも狭い第2の許容範囲とに基づいて以下のような判断を行う。まず吐出時間が第2の許容範囲に含まれているか否かを判断し、吐出時間が第2の許容範囲に含まれない場合にはさらにこの吐出時間が第1の許容範囲に含まれているか否かを判断する。
【0043】
そして、警告制御手段224は、時間判断手段222において吐出時間が第1の許容範囲及び第2の許容範囲の何れにも含まれていない場合には、警報部252に対して重度の警告、例えば、警告灯の点滅やアラーム音の発生を行わせる。一方、警告制御手段224は、時間判断手段222において吐出時間が広い第1の許容範囲には含まれるものの第1の許容範囲より狭い第2の許容範囲に含まれない場合には、警報部252に対して軽度の警告、例えば、表示灯の点灯等を行わせる。このように二つの範囲を設定することにより、異常の程度に応じた柔軟な対応が可能となる。
【0044】
記録制御手段226は、供給量の実測値及び吐出時間を記録部250に時刻と共に記録する。記録部250としては、HD、プリンタ等を使用できる。
【0045】
続いて、図3のフローチャートを参照して、本実施形態の半導体製造装置の動作について説明する。
【0046】
ここでは、簡単のため、テーブル106上に基板104が載置され、所定の回転数でテーブル106が回転され、薬液供給前の準備が完了した状態から説明する。このとき、記憶部204内には、各モード番号に対して、設定供給量、第1の許容範囲及び第2の許容範囲が記憶されている。
【0047】
まず、スピンナコントローラ150は、ステップS101において薬液供給管理装置200に薬液供給開始信号及び設定供給量のモード番号を送信すると共に、ポンプ110の駆動及びバルブ112の開放を行う。
【0048】
これに応じて、薬液供給管理装置200は、ステップS201において、開始信号及びモード番号の受信を行う。
【0049】
次に、薬液供給管理装置200では、ステップS203において、タイマ手段220を起動して吐出時間の計測を開始すると共に、モード番号に基づいて供給量の設定値、第1の許容範囲、第2の許容範囲を記憶部204から選択して取得する。
【0050】
次に、ステップS205において、薬液供給管理装置200は、流量計202からの流量のデータを積算して供給量の実測値を取得する。
【0051】
次に、ステップS207において、薬液供給管理装置200は、供給量の設定値と、供給量の実測値とに基づいて、実際の供給量が供給量の設定値を超えたか否かを判定する。
【0052】
そして、実際の供給量が、供給量の設定値を超えていないと判断した場合には、再びステップS205に戻って、供給量の実測値の取得を再び行う。
【0053】
一方、実際の供給量が、供給量の設定値以上となったと判断した場合には、ステップS209に進んで、スピンナコントローラ150に対して薬液供給停止の信号を送信する一方、タイマ手段220による時間測定を停止して吐出時間を取得する。
【0054】
これに対応して、スピンナコントローラ150では、ステップS103において、この供給停止信号を受信し、ステップS105において、ポンプ110の駆動停止及びバルブ112の閉鎖を行い、薬液の供給を停止する。
【0055】
続いて、薬液供給管理装置200では、ステップS211において、吐出時間が第2の許容範囲に含まれているか否かを判断し、吐出時間が第2の許容範囲に含まれない場合にはさらにこの吐出時間が第1の許容範囲に含まれているか否かを判断する。
【0056】
そして、吐出時間が第2の許容範囲に含まれる場合には、ステップS217に進む。一方、吐出時間が第1の許容範囲及び第2の許容範囲に含まれていない場合には、ステップS213に進んで警報部252によって重度の警告を行わせ、その後ステップS217に進む。さらに、吐出時間が第1の許容範囲に含まれるものの第2の許容範囲に含まれない場合には、ステップS215に進んで警報部252によって軽度の警告を行わせ、ステップS217に進む。最後にステップS217では、供給量の実測値及び吐出時間を記録部250に記録する。そして、これによって一連の処理を終了する。
【0057】
この後、必要に応じて、再び、スピンナコントローラ150からの指示によって再び同様の処理を繰り返すことができる。
【0058】
本発明によれば、供給ラインL1を流れる薬液の流量が積算されて供給量が実測され、さらにこの実測値と設定値とに基づいて、スピンナ100の基板104に実際に供給される薬液の量が所定の設定値に精度よく管理される。したがって、薬液の供給量が少なすぎることよる不完全な処理や、薬液の供給量が多すぎることによる薬液の無駄が防止され、低コストかつ高品質にスピンナによる処理が実現される。
【0059】
特に、時間の経過と共にフィルタ117の圧力損失が増加していく場合等、定量ポンプ110を使っていても供給ラインL1を流れる薬液の流量が変化する場合でも薬液の供給量が十分に高い精度で管理される。
【0060】
また、記憶部204は薬液供給量の設定値を複数記憶し、選択手段212は、スピンナコントローラ150からの信号に応じて記憶部204に記憶された複数の薬液供給量の設定値の内のいずれかを選択し、供給量判断手段216は、選択手段212によって選択された薬液供給量の設定値と、供給量取得手段214によって取得された薬液供給量の実測値と、に基づいて供給量の判断を行っている。
【0061】
したがって、スピンナコントローラ150からの指示に応じて薬液の供給量を所望の値に切り替えることができる。したがって、処理の内容に応じて薬液の供給量を変える必要がある場合に特に好適である。なお、スピンナコントローラ150が、記憶部204に対して供給量の設定値を直接送信してもよい。
【0062】
また、薬液の変質や薬液の補充ミス等により供給ラインL1を介して供給される薬液の特性が大きく変動した場合等には、設定された供給量となるまでに要する吐出時間が変動前と比べて大きく変わることとなる。そして、本実施形態では、タイマ手段220によって吐出時間が取得されている。
【0063】
したがって、この吐出時間に基づいて、薬液の変質や薬液補充ミス等を容易に発見できる。また、記録制御手段226によりこの吐出時間を記録しているので、製造の履歴管理が容易になり、不良発生の原因追求等が容易となる。
【0064】
さらに、本実施形態では、記憶部204は、薬液供給量の設定値に対応付けてさらに吐出時間の許容範囲を記憶し、時間判断手段222は吐出時間が許容範囲内か否かを判断し、警告制御手段224は吐出時間が吐出時間の許容範囲外であると判断された場合に警告信号を発生させている。
【0065】
これにより、薬液の変質や異なる種類の薬液が供給された場合等の薬液の性質の急変が自動的に検出されて警告されるので、製造不良が特に低減される。
【0066】
本発明は上記実施形態に限定されず様々な変形態様が可能である。
【0067】
例えば、上記実施形態では、スピンナコントローラ150は、薬液供給管理装置200とは別に設けられているが、薬液供給管理装置200内にスピンナコントローラ150の機能を備え、薬液供給管理装置200が直接スピンナ100のバルブ112やポンプ110の制御を行ってもよい。
【実施例】
【0068】
続いて、本実施形態に係る薬液供給管理装置200を用いてスピンナ100において、供給量の設定値を10mLとしてフォトレジストの供給を繰り返し行った場合の供給量の実測値を図4に、この薬液供給管理装置を用いずにバルブの開放時間が5秒となるようにフォトレジストを繰り返し供給した場合のフォトレジストの供給量の実測値を図5に示す。図5に示すように、従来の制御では、大きな供給量の誤差が生じているが、本実施形態に係る薬液供給管理装置を用いた場合には、供給量はきわめて精度よく管理された。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体製造装置を示す概略構成図である。
【図2】図1の記憶部の記憶内容を示す図である。
【図3】図1の半導体製造装置のフローチャートを示す図である。
【図4】薬液供給量管理装置を用いた場合の薬液供給量の実測値を示すグラフである。
【図5】薬液供給量管理装置を用いなかった場合の薬液供給量の実測値を示すグラフである。
【符号の説明】
【0070】
100…スピンナ、104…基板(被塗布物)、200…薬液供給管理装置、202…流量計(流量測定手段)、204…記憶手段(記憶部)、212…選択手段、214…供給量取得手段、216…供給量判断手段、218…供給停止手段、220…タイマ手段、226…記録制御手段、222…時間判断手段、224…警告制御手段、L1…供給ライン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピンナにおける被塗布物に対して供給ラインを介して供給される薬液の供給量を管理する薬液供給管理装置であって、
予め設定された薬液供給量の設定値を記憶する記憶手段と、
前記供給ラインを流れる薬液の流量を時間毎に測定する流量測定手段と、
前記流量測定手段によって得られた薬液の流量を積算することにより、前記被塗布物に対して供給された薬液供給量の実測値を取得する供給量取得手段と、
前記供給量取得手段によって取得された薬液供給量の実測値と、前記記憶手段に記憶された薬液供給量の設定値とに基づいて、前記供給ラインを介して前記被塗布物に対して供給された薬液供給量が前記薬液供給量の設定値に達したか否かを判断する供給量判断手段と、
前記供給量判断手段が、前記供給ラインを介して前記被塗布物に対して供給された薬液供給量が前記薬液供給量の設定値に達したと判断した場合に、前記供給ラインを介した薬液の供給を停止させる供給停止手段と、
を備えた薬液供給管理装置。
【請求項2】
前記記憶手段は前記薬液供給量の設定値を複数記憶し、
前記薬液供給管理装置は、さらに、
外部からの信号に応じて、前記記憶手段に記憶された複数の薬液供給量の設定値の内のいずれかを選択する選択手段を備え、
前記供給量判断手段は、前記選択手段によって選択された薬液供給量の設定値と、前記供給量取得手段によって取得された薬液供給量の実測値と、に基づいて前記判断を行う請求項1に記載の薬液供給管理装置。
【請求項3】
前記供給ラインを介した前記被塗布物に対する薬液の供給が開始された時点から、前記供給ラインを介した前記被塗布物に対する薬液の供給が停止された時点までの吐出時間を取得するタイマ手段をさらに備える請求項1又は2に記載の薬液供給管理装置。
【請求項4】
前記吐出時間を記録部に記録させる記録制御手段をさらに備える請求項3に記載の薬液供給管理装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記薬液供給量の設定値に対応付けて、さらに吐出時間の許容範囲を記憶し、
前記薬液供給管理装置は、さらに、
前記タイマ手段により取得された吐出時間と、前記記憶手段に記憶された吐出時間の許容範囲とに基づいて、前記タイマ手段により取得された吐出時間が前記吐出時間の許容範囲内か否かを判断する時間判断手段と、
前記時間判断手段が、前記タイマ手段により取得された吐出時間が前記吐出時間の許容範囲外であると判断した場合に、警告信号を発生させる警告制御手段と、をさらに備える請求項3又は4に記載の薬液供給管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−7075(P2006−7075A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−186941(P2004−186941)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000214272)長瀬産業株式会社 (137)
【出願人】(501325613)ナガセシィエムエステクノロジー株式会社 (3)
【Fターム(参考)】