薬液供給装置
【課題】薬液容器と支持体との嵌合部分から内部に水が浸入した場合でも、緩衝室内に水が浸入して薬液が薄められるのを防止することができる薬液供給装置を提供する。
【解決手段】薬液供給装置1は、薬液容器2と、薬液容器2が着脱可能に取り付けられる支持体3とを備える。支持体3は、薬液容器2の排出口21に接続され、薬液容器2内の薬液を外部へ排出させる排出部材42と、薬液容器2内から外部へ排出される薬液の量を調整する調整機構6とを備える。調整機構6は、底壁、上壁および側壁に囲まれ、排出部材42と仕切られ、薬液が貯留される空間を有する緩衝室60と、薬液容器2内から外部へ排出される薬液を緩衝室60へ導入可能な少なくとも1つの連通孔61と、緩衝室60に空気を流入可能な少なくとも1つの空気流通孔62とを備える。空気流通孔62は、緩衝室60を構成する側壁62に設けられている。
【解決手段】薬液供給装置1は、薬液容器2と、薬液容器2が着脱可能に取り付けられる支持体3とを備える。支持体3は、薬液容器2の排出口21に接続され、薬液容器2内の薬液を外部へ排出させる排出部材42と、薬液容器2内から外部へ排出される薬液の量を調整する調整機構6とを備える。調整機構6は、底壁、上壁および側壁に囲まれ、排出部材42と仕切られ、薬液が貯留される空間を有する緩衝室60と、薬液容器2内から外部へ排出される薬液を緩衝室60へ導入可能な少なくとも1つの連通孔61と、緩衝室60に空気を流入可能な少なくとも1つの空気流通孔62とを備える。空気流通孔62は、緩衝室60を構成する側壁62に設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断続的に流下する水などの液体に薬液を供給する薬液供給装置に関し、例えば、水洗トイレの貯水タンク上部に設けられた手洗い用の給水受皿に設置されて、あるいは、便器のリムに取り付けられて、芳香、消臭、洗浄のための薬液を水洗用の水に供給する薬液供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の薬液供給装置としては、例えば、図23〜図25の例、および、図26〜図28の例に示すように、薬液を収容する薬液容器100と、薬液容器100を支持するカップ状の支持体101とを備え、支持体101の下部に設けられた案内部材102が貯水タンクに流入する水と接触するように、貯水タンク上部の給水受皿に設置されるタイプのものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
支持体101は、支持体101内に着脱可能に取り付けられるカバー部材105を備えており、カバー部材105は、薬液容器100の排出口に接続される排出部材103を備えている。薬液容器100内の薬液は、排出部材103の接続部110から細管部111を通じて、下端の流通孔104から案内部材102に供給される。また、支持体101には、薬液容器100から排出される薬液の量を調整する調整機構112が設けられている。この調整機構112は、水との接触などにより薬液容器100の温度が変動したときに、容器の内圧が変化しても、薬液容器100から案内部材102への薬液の余分な流出やその逆流が生じるのを防止するものであり、支持体101とカバー部材105との間に区画形成された薬液を貯留可能な緩衝室106と、緩衝室106に空気を流入可能な空気流通孔107と、緩衝室106および排出部材103を連通させる連通孔108とを備えている。
【0004】
上記構成の薬液供給装置は、次のように作用する。すなわち、温度が上昇し、薬液容器100内の圧力が上昇した場合には、薬液容器100内の薬液は、連通孔108から流れ出して緩衝室106内に流入する。一方、温度が低下し、薬液容器100内の圧力が低下すると、緩衝室106内の薬液が連通孔108を介して薬液容器100内へ引き戻される。このような作用により、温度変化の繰り返しがあっても、薬液が無駄に薬液供給装置から流出するのを防止できる。特に、薬液容器100の温度変化は、室温の変化および給水受皿へ供給される流水との接触の双方で生じるので、これによる薬液の無駄な流出を防止することは、薬液の安定供給を可能にする上で重要である。このように、上記構成の薬液供給装置は、緩衝室106を設けることにより、薬液の余分な流出が防止され、その結果、薬液容器100から薬液を正確な量で排出することが可能となって、安定供給を実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−300861号公報
【特許文献2】特開2006−283540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記構成の薬液供給装置では、緩衝室106が以下の構造になっているため、緩衝室106内に水が浸入する問題を生じることがあった。つまり、薬液供給装置は、薬液容器100が支持体101に嵌合されることで支持体101に装着されて、例えば、給水受皿上の給水管の下方に配置される。そして、使用時に、給水管から薬液容器100上に落下した水の一部が、薬液容器100の表面に沿って流れ落ちて薬液容器100と支持体101との嵌合部分Tまで伝わると、この嵌合部分Tに不可避的に生じる隙間から水が支持体101内に浸入するおそれがある。支持体101内に浸入した水は、薬液容器100の下面に沿って支持体101の中央部付近の緩衝室106上まで伝わった後、落下する。この場合、上記構成の薬液供給装置のように、空気流通孔107が緩衝室106の上部を覆う上壁109に設けられていると、流れ落ちた水がこの空気流通孔107から緩衝室106内に浸入するおそれがある。緩衝室106内に水が浸入すると、その水によって緩衝室106内の薬液が薄められ、薄められた薬液が温度変化により薬液容器100内に吸収される結果、薬液容器100内の薬液まで希釈されることになる。これでは、適正な薬液量による薬効が妨げられるばかりか、薬液によっては本来の粘度が低下し、薬液容器100の排出口から過剰に流出して安定供給を損ねることもある。
【0007】
このような問題は、貯水タンク上部の給水受皿に設置されるタイプのみならず、便器のリムに取り付けられるタイプの薬液供給装置においても起こりうる問題である。
【0008】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、薬液容器と支持体との嵌合部分から内部に水が浸入した場合でも、緩衝室内に水が浸入して薬液が薄められるのを効果的に防止することができ、安定して薬液を供給することのできる薬液供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、薬液が内部に収容されるとともに薬液の排出口を有する薬液容器と、前記薬液容器が着脱可能に取り付けられる支持体とを備えており、前記支持体は、前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へ排出させる排出部材と、前記薬液容器から排出される薬液の量を調整する調整機構とを備え、前記調整機構は、底壁、上壁および側壁に囲まれ、前記排出部材と仕切られた薬液の貯留空間を有する緩衝室と、前記薬液容器から排出される薬液を前記緩衝室へ導入可能な少なくとも1つの連通孔と、前記緩衝室に空気を流入可能な少なくとも1つの空気流通孔とを備え、前記空気流通孔は、前記緩衝室の前記側壁に設けられている薬液供給装置により達成される。
【0010】
上記構成の薬液供給装置において、断続的に流下する水などの流体の一部が薬液容器上に落下すると、薬液容器の表面に沿って流れ落ちて薬液容器と支持体との嵌合部分まで伝わり、この嵌合部分に不可避的に生じる隙間から流体が支持体内に浸入するおそれがある。しかしながら、上記構成の薬液供給装置では、空気流通孔が、緩衝室の上部を覆う上壁に設けられているのではなく、緩衝室の側壁に設けられているので、空気流通孔から緩衝室内に当該流体が浸入することを防止できる。よって、内部に貯留された薬液が薄められることを防止でき、薬液容器から排出される薬液濃度を適正に保つことができる。
【0011】
本発明の好ましい実施態様においては、前記空気流通孔は、前記側壁の上端部に設けられていることを特徴としている。この実施態様によれば、例えば、流体が下方から支持体内へ浸入した場合でも、流体は側壁を乗り超えて空気流通孔に到達し難いため、流体が空気流通孔から緩衝室内に浸入するのを防止できる。よって、緩衝室内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0012】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記緩衝室は、前記支持体に設けられる下部部材と、前記下部部材に上方から嵌合するカバー部材とにより形成され、前記下部部材は、前記底壁および前記底壁上に立設された第1の周壁を備え、前記カバー部材は、前記上壁および前記上壁から垂下する第2の周壁を備え、前記第2の周壁が前記第1の周壁の内側または外側に嵌合することで前記第1、第2の周壁により前記側壁が形成されており、前記空気流通孔は、前記第1、第2の周壁を貫通して形成されていることを特徴としている。
【0013】
上記した実施態様において、カバー部材の第2の周壁が、支持体の下部材の第1の周壁の内側に嵌合する構造となっていると、仮に、カバー部材と支持体との嵌合が完全ではなく、第1、2の周壁の間に隙間が生じたとしても、その隙間の緩衝室外側に対する開口は、緩衝室の側壁の上端部に位置することとなる。その結果、例えば、流体が下方から支持体内へ浸入した場合でも、流体は側壁が高い壁となって当該隙間の開口には到達し難いため、当該隙間を伝って下側から緩衝室内に浸入するのを防止できる。よって、緩衝室内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0014】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記第2の周壁は、前記第1の周壁の内側に嵌合しており、前記空気流通孔は、前記第2の周壁に設けられた上下方向に延びるスリットまたは貫通穴と、前記第1の周壁の前記スリットまたは前記貫通穴に対応する位置に設けられたスリットまたは貫通穴とにより形成されていることを特徴としている。この実施態様において、例えば、スリットおよび貫通穴で空気流通孔を形成すれば、前記第1の周壁に設ける貫通穴の位置を上下させるだけで、空気流通穴の位置を適宜変更することができる。なお、スリットおよびスリット、貫通穴および貫通穴の組み合わせで空気流通孔を形成してもよい。
【0015】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記空気流通孔の上方を覆う庇部材をさらに備えていることを特徴としている。この実施態様によれば、薬液容器および支持体の嵌合部分から支持体内に流体が浸入してきても、庇部材が庇として機能することで空気流通孔に流体が到達するのを確実に阻止することができる。よって、緩衝室内に流体が浸入するのを防止でき、緩衝室内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0016】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体は、平面視において、第1の方向の長さがこれと直交する第2の方向の長さよりも長い外形を有しており、前記空気流通孔は、前記第1の方向を向く位置に設けられていることを特徴としている。
【0017】
この実施態様は、前記支持体が、平面視において、第1の方向の長さがこれと直交する第2の方向の長さよりも長い外形を有していると、薬液容器の表面を流れる流体は、第2の方向の両側に位置する嵌合部分から支持体内により浸入し易いことに鑑みてなされたものであり、当該嵌合部分から最も離れた位置に前記空気流通孔が設けることで、当該嵌合部分から支持体内に流体が浸入したとしても、空気流通孔の位置まで到達する流体の量を抑制することができる。よって、緩衝室内への流体の浸入を抑制することができ、緩衝室内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の薬液供給装置によると、空気流通孔が、緩衝室の上部を覆う上壁ではなく側璧に設けられているので、薬液容器と支持体との嵌合部分から支持体内に水などの流体が浸入した場合でも、緩衝室内に流体が浸入して薬液が薄められるのを効果的に防止することができ、安定して薬液を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る薬液供給装置の正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1の薬液供給装置の分解図である。
【図4】図1の薬液供給装置のカバー部材と支持体の分解斜視図である。
【図5】図4の支持体の平面図である。
【図6】図4の支持体の底面図である。
【図7】図4の支持体の断面図である。
【図8】図4のカバー部材の斜め下方向からの斜視図である。
【図9】図4のカバー部材の平面図である
【図10】図4のカバー部材の断面図である。
【図11】図4のカバー部材を装着した支持体の断面図である。
【図12】他の実施形態に係る薬液供給装置のカバー部材と支持体の分解斜視図である。
【図13】図12の実施形態のカバー部材を装着した支持体の断面図である。
【図14】他の実施形態に係る薬液供給装置のカバー部材と支持体の分解斜視図である。
【図15】図14の実施形態のカバー部材を装着した支持体の断面図である。
【図16】図15のカバー部材を装着した支持体の変形例を示す部分断面図である。
【図17】他の実施形態に係る薬液供給装置の正面図である。
【図18】図17の薬液供給装置の分解図である。
【図19】図17の薬液供給装置の要部の部分断面図である。
【図20】(a)は図18の案内部材53の平面図であり、(b)は(a)の側面図である。
【図21】他の実施形態に係る薬液供給装置の後方から見た斜視図である。
【図22】図21の薬液供給装置の分解斜視図である。
【図23】(a)は従来例の薬液供給装置の正面図であり、(b)は(a)の側面図である。
【図24】図23のカバー部材と支持体の分解斜視図である。
【図25】図24のカバー部材を装着した支持体の断面図である。
【図26】(a)は従来例の薬液供給装置の正面図であり、(b)は(a)の側面図である。
【図27】図26の薬液供給装置のカバー部材と支持体の分解斜視図である。
【図28】図27のカバー部材を装着した支持体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実態の形態について添付図面を参照して説明する。図1および図2は、本発明の一実施形態である薬液供給装置1の外観を、図3は、図1および図2の薬液供給装置1を分解した図を、それぞれ示している。なお、図示例の薬液供給装置1は、水洗トイレの貯水タンク上部に設けられる手洗用の給水受皿に設置されるタイプのものを例に挙げている。
【0021】
薬液供給装置1は、芳香、消臭、便器の洗浄のための薬液を収容する薬液容器2と、薬液容器2が着脱可能に取り付けられるカップ状の支持体3とを備えている。支持体3は、支持体3内に着脱可能に取り付けられるカバー部材4(図4に示す)を備えている。また、支持体3は、薬液容器2内から排出される薬液を、支持体3の外部の断続的に流れる液体と接触する位置へ案内する案内部材5を備えている。この薬液供給装置1は、支持体3の案内部材5および長脚部36が給水受皿の排水口に挿入されるようにして設置される。
【0022】
薬液容器2は、薬液を収容可能な薬液収納部20を備え、薬液収納部20の端面(図3では下端面)には、薬液を排出するための排出口21が設けられている。薬液容器2は、一部または全体が透明または半透明の材料で構成され、外部から薬液の残量が確認できる。排出口21には、キャップ22が被せられている。
【0023】
支持体3は、図3〜図7に示すように、上部に開口を有し、平面視において、第1の方向(図5の左右方向)の長さがこれと直交する第2の方向(図5の上下方向)の長さよりも長い横長(または縦長)状の外形を有している。本実施形態では、平面視略楕円形状に形成されている。支持体3は、底面部30と側面部31とを備えており、側面部31の内側に薬液容器2の薬液収納部20の凹んだ一端部23(図3では下端部)が嵌合するようになっている。
【0024】
底面部30の下面には、2本の長脚部36と、長脚部36の周囲に配置された4本の短脚部38とが立設されている。長脚部36は給水受皿の排水口に挿入可能である。短脚部38は長脚部36が排水口に挿入された状態で、支持体3を給水受皿上にほぼ水平に支持する。底面部30の上面には、後述するカバー部材4の第2の周壁(以下、本実施形態では「内側壁」という。)41の外側に嵌合する略矩形枠状の第1の周壁(以下、本実施形態では「外側壁」という。)32が設けられている。
【0025】
カバー部材4は、図4、図8〜図10に示すように、下端が開放された箱状に形成されており、平面視略矩形状の上面部40と、上面部40から垂下する略矩形枠状の内側壁41とを備えている。内側壁41を支持体3の外側壁32の内側に嵌合することで、カバー部材4が支持体3に装着される。上面部40は、その中央部の円形状の下段部40aと、下段部40aより高い位置にある下段部40aの周囲の上段部40bとからなる。下段部40aの中央部には、薬液容器2の排出口21に接続され、薬液容器2内の薬液を外部へ排出させる排出部材42が設けられている。
【0026】
排出部材42は、カバー部材4の下段部40aに一体形成されており、下段部40aの上面から突き出る円筒状の接続部42aと、接続部42aの下端部に設けられた、接続部42aよりも小径の円筒状の細管部42bとを備える。接続部42aは、薬液容器2の排出口21に接続される。接続部42aと細管部42bとは、流通孔42cを介して連通しており、接続部42aおよび細管部42bの内部は、薬液を薬液容器2から後述する案内部材5に通す薬液通路を構成している。接続部42a内の細管部42bの周囲には、連通孔61が複数(図示例では3個)形成されている。この連通孔61は、後述する調整機構6を構成するものである。
【0027】
カバー部材4の上面部40は、内側壁41の外側に囲繞壁43をさらに備えている。この囲繞壁43は、内側壁41の上端から支持体3の外側壁32の上端を越えて水平に延びる延長部43aと、延長部43aの先端部から垂下する略矩形枠状の垂下壁43bとからなり、垂下壁43bは、外側壁32の外周面から離反している。
【0028】
図3〜図7に戻って、支持体3の側面部31には、薬液の芳香成分を外部に拡散させるための開口33が形成されている。また、底面部30の外側壁32の外側位置には、給水受皿に供給された水が支持体3の内部へ浸入したときに、その水を外部へ排出するための開口39が形成されている。
【0029】
支持体3の底面部30の外側壁32に囲まれた領域の中央部には、円形の底孔34が形成されている。この底孔34に排出部材42の細管部42bが嵌入するようになっている。そして、底孔34の下方には、細管部42bから排出された薬液を下方へと案内する案内部材5が設けられている。案内部材5は、底面部30の下面に一体に設けられており、案内部材5の上端部には、排出部材42の細管部42b内に嵌入する嵌合突部50が一体に設けられている。嵌合突部50の外側面には、上端から下端まで延びる縦溝51が形成されており、縦溝51により、細管部42bの内周面との間に薬液の導出路が形成されている。縦溝51の断面形状は、半円状の他、三角形や四角形などの角状など、種々の形状とすることができる。また、その断面寸法は、毛管作用により薬液が導出路に沿って導出され得る程度とするのが望ましい。底孔34の周囲には、細管部42bと嵌合突部50との嵌合状態を確実に保持するために、細管部42bの外側に嵌合する環状部35が立設されている。
【0030】
案内部材5は、板状に形成されており、上端部が細管部42bの下端に当接している。案内部材5の表裏の板面には、上下方向に延びる多数の細溝52が形成されている。この案内部材5は、2本の長脚部36の間に位置しており、長脚部36とともに給水受皿の排水口に挿入される。ただし、案内部材5は長脚部36よりもやや短く形成されており、その下端部のみが排水口に挿入可能となっている。案内部材5と長脚部36との間には、遮蔽部材37が設けられている。遮蔽部材37は、案内部材5よりもさらに短く形成されており、長脚部36は支持体3を排水口に位置決めし、案内部材5は排水口に流下する水に接することで、案内部材5上の薬液が水に洗い流されて貯水タンクの中に流れ込む。一方、遮蔽部材37は、流下する水が前記導出路から支持体3内に逆流するのを規制している。
【0031】
支持体3は、底面部30の外側壁32の内側に、カバー部材4の内側壁41を嵌合することで組み立てられる。これにより、支持体3には、図11に示すように、カバー部材4との間に、細管部42bとは仕切られた薬液が貯留可能な空間を有する緩衝室60が形成されている。緩衝室60は、底面部30の外側壁32に囲まれた領域(底壁)と、外側壁32および内側壁41(側壁)と、カバー部材4の上面部40(上壁)とにより囲まれている。外側壁32および底面部30の中で外側壁32に囲まれた領域は、緩衝室60を形成する下部部材を構成している。この緩衝室60は、薬液容器2から排出される薬液の量を調整する調整機構6を構成するものであり、調整機構6は、緩衝室60、上述した連通孔61、および空気流通孔62により構成される。連通孔61は、薬液容器2から排出部材42の接続部42aに排出された薬液の一部を、緩衝室60へ導入可能である。
【0032】
空気流通孔62は、緩衝室60に空気を流入させるためのものである。この空気流通孔62は、緩衝室60を構成する側壁に設けられている。本実施形態では、支持体3の外側壁32の上端部が凹状に切り欠かれることで、外側壁32に貫通穴63が形成されている。一方で、カバー部材4の内側壁41には、その上端部から下端部まで上下方向に延びるスリット64が形成されている。このスリット64は、支持体3の外側壁32の貫通穴63に対応する位置に形成されており、カバー部材4を支持体3に装着して、貫通穴63とスリット64とを一致させることで、水平方向を向く空気流通孔62が緩衝室60の側壁に設けられる。本実施形態では、空気流通孔62は、略矩形枠状の緩衝室60の側壁(外側壁32および内側壁41)の対向する2辺の幅中央部に設けられている。加えて、本実施形態では、空気流通孔62は、薬液容器2と支持体3との嵌合部分Tのうちで、楕円の短軸S(第2の方向)の両側に位置する嵌合部分T1(図2,図5に示す)から最も離れた位置、つまりは、平面視略楕円形状の支持体3の長軸Lの方向(第1の方向)を向く位置に設けられている。
【0033】
なお、空気流通孔62の配置は、必ずしもこの実施形態に限られるものではなく、緩衝室60の側壁のいずれの位置に設けることができる。また、本実施形態では、緩衝室60の側壁の上端部に空気流通孔62が設けられているが、上端部よりも下方位置に設けることもできる。ただし、あまりに下方に配置すると、給水受皿に供給された水が支持体3の内部へ浸入したときに、その水が空気流通孔62を通って緩衝室60内に浸入するおそれがあるので好ましくない。また、本実施形態では、内側壁41に縦長のスリット64を設けることにより空気流通孔62を形成しているが、内側壁41にも外側壁32と同じように貫通穴を設け、貫通穴同士を一致させることで、空気流通孔62を形成してもよい。また、内側壁41に貫通穴を設け、外側壁32に縦長のスリットを設けることにより空気流通孔62を形成してもよく、さらに、内側壁41および外側壁32ともに縦長のスリットを設けることにより空気流通孔62を形成してもよい。また、本実施形態では、空気流通孔62は水平方向を向いているが、水平方向よりも下向き(斜め下向き)になるように形成してもよい。
【0034】
上記した調整機構6は、薬液容器2の温度変化に対して次のように作用をする。例えば、温度が上昇して薬液容器2が暖められた場合には、薬液容器2内の空気が膨張して薬液容器2内は正圧になる。この場合、薬液容器2内の薬液は押し出されて排出口21から排出されるが、排出された薬液は、細管部42bから導出路に流れ込む他、連通孔61を介して緩衝室60にも流れ込むため、薬液が前記導出路へ過剰に流出するのが防止される。
【0035】
一方、流水で冷やされるなどして、薬液容器2の温度が低下すると、薬液容器2内の空気が収縮して薬液容器2内は負圧になる。この場合には、空気流通孔62の作用により大気圧または室内圧となっている緩衝室60内の薬液が、連通孔61を介して薬液容器2内へ吸い込まれる。したがって、案内部材5上の水または薄められた薬液が細管部42bを通って薬液容器2側に戻されるのが抑制される。また、薬液容器2内の負圧によって薬液の排出が制限されるのが防止される。このように、調整機構6によって、温度変化によって薬液容器2内に圧力変化が生じた場合でも、薬液容器2と緩衝室60との間での薬液の流通が生じるため、薬液容器2内の薬液が過剰に流出したり、あるいは、流出が制限されるのを防止することができる。
【0036】
上記構成の薬液供給装置1は、カバー部材4の内側壁41の外側に、支持体3の外側壁32を嵌合して緩衝室60を形成した後、カバー部材4から上方へ延びる排出部材42の接続部42aを薬液容器2の排出口21にキャップ22を貫通して嵌入することにより組み立てられる。そして、水洗トイレ用貯水タンクの給水受皿の排水孔に支持体3の長脚部36を挿入する。これにより、薬液容器2内の薬液は、接続部42aから細管部42bに流入して導出路から案内部材5に排出され、案内部材5上の薬液がフラッシュ時に給水受皿に供給される水に洗い流されて、排水孔から貯水タンクに流れ込む。なお、上記構成の薬液供給装置1は、案内部材5上の薬液がフラッシュ時に給水受皿に供給される水に洗い流されることのない場合にも、経時的に薬液を吐出し、薬液容器2内の薬液を直接貯水タンクに供給する機構を備えることもできる。
【0037】
このとき、給水受皿上の給水管から薬液容器2上に落下した水は、薬液容器2の表面に沿って流れ落ちて薬液容器2と支持体3との嵌合部分Tまで伝わって、この嵌合部分Tに不可避的に生じる隙間から水が支持体3内に浸入するおそれがある。しかしながら、空気流通孔62が、緩衝室60の上部を覆う上壁に設けられているのではなく、緩衝室60の側壁に、水平方向または水平方向よりも下向きを向くように設けられているので、空気流通孔62から緩衝室60内に当該水が浸入することを防止できる。よって、内部に貯留された薬液が薄められることを防止できる結果、薬液の戻りによる薬液容器2内の薬液の希釈化が防止され、薬液容器2から排出される薬液濃度を適正に保つことができる。
【0038】
また、空気流通孔62は、緩衝室60の側壁の上端部に設けられているため、フラッシュ時に給水受皿に供給された水が下方から支持体3内へ浸入した場合でも、水は側壁を乗り超えて空気流通孔62に到達し難く、その結果、空気流通孔62から緩衝室60内に浸入するのが防止される。よって、緩衝室60内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0039】
また、空気流通孔62は、薬液容器2の表面を流れる水が支持体3内へより浸入し易い、楕円の短軸S(第2の方向)の両側に位置する嵌合部分T1からは、最も離れた位置に設けられているので、この嵌合部分T1から薬液容器2の下端面を伝って上方から支持体3内に水が浸入してきても、空気流通孔62の位置まで到達する水の量が抑制されている。その結果、緩衝室60内への水の浸入を抑制することができ、よって、緩衝室60内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0040】
また、カバー部材4は、支持体3の外側壁32の内側に、内側壁41が嵌合する構造となっている。したがって、仮に、カバー部材4と支持体3との嵌合が完全ではなく、外側壁32と内側壁41との間に隙間が生じたとしても、その隙間の緩衝室60外側に対する開口は、緩衝室60の側壁の上端部に位置することとなる。その結果、フラッシュ時に給水受皿に供給された水が下方から支持体3内へ浸入した場合でも、側壁が高い壁となって当該隙間の開口には到達し難いため、当該隙間を伝って下側から緩衝室60内に浸入するのが防止される。よって、緩衝室60内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0041】
また、カバー部材4は、空気流通孔62の上方を覆う囲繞壁43をさらに備えている。したがって、嵌合部分Tから薬液容器2の下端面を伝って上方から支持体3内に水が浸入してきても、囲繞壁43が庇として機能することで空気流通孔62に水が到達するのを確実に阻止することができる。したがって、緩衝室60内に水が浸入するのが防止される結果、緩衝室60内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。なお、この囲繞壁43による水の侵入防止効果は、延長部43aのみによって得ることもできるが、垂下壁部43bを備えることにより強化される。
【0042】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明の具体的な態様は上記した実施形態に限定されない。例えば、上記した第1実施形態では、薬液容器2の薬液収納部20および排出口21を1つとし、これに対応して支持体3に緩衝室60などを1つ設けているが、これらを各々2つ以上とすることもできる。図12および図13は、本発明を図26〜図28に示した緩衝室などを2つ備える薬液供給装置に適用した例を示している。なお、基本的な構成は上記した第1実施形態の構成と同様であり、ここでは対応する構成には同一の符号を付することで詳細な説明を省略する。
【0043】
図26〜図28に示した装置とは、空気流通孔62が設けられている位置が異なっている。すなわち、この第2実施形態においては、カバー部材18の第2の周壁41(内側壁)の上端部には、貫通穴65が形成されている。一方、支持体17の第1の周壁32(外側壁)には、カバー部材18の貫通穴65と対応する位置に貫通穴66が形成されている。これにより、カバー部材18を支持体17に装着して、貫通穴65,66を一致させることで、緩衝室60の側壁(内側壁および外側壁)に水平方向を向く空気流通孔62が形成されている。なお、空気流通孔62が水平方向よりも下向き(斜め下向き)になるように、貫通穴65,66を形成してもよい。
【0044】
この第2実施形態においても、空気流通孔62は、緩衝室60の上部を覆う上壁ではなく、緩衝室60の側壁に、水平方向または水平方向よりも下向きを向くように設けられているので、薬液容器と支持体17との嵌合部分から薬液容器の下端面を伝って上方から支持体17内に水が浸入してきても、空気流通孔62から緩衝室60内に当該水が浸入することを防止できる。よって、緩衝室60内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0045】
また、空気流通孔62は、緩衝室60の側壁の上端部に設けられているため、フラッシュ時に給水受皿に供給された水が下方から支持体17内へ浸入した場合でも、水は側壁を乗り超えて空気流通孔62に到達し難く、その結果、空気流通孔62から緩衝室60内に浸入するのが防止される。よって、緩衝室60内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0046】
また、第1実施形態においては、カバー部材4は、支持体3の外側壁32(第1の周壁)の内側に、内側壁41(第2の周壁)が嵌合する内側嵌合構造となっているが、図14および図15に示すように、その逆の外側嵌合構造になっていてもよい。図14および図15は、第3実施形態に係る薬液供給装置の支持体7の構成を示している。なお、基本的な構成は上記した第1実施形態の構成と同様であり、ここでは対応する構成には同一の符号を付することで詳細な説明を省略する。
【0047】
この第3実施形態においては、支持体7の底面部30に立設される第1の周壁32が内側に位置する内側壁、カバー部材8の上面部40から垂下する第2の周壁41が外側に位置する外側壁となっている。そして、カバー部材8の第2の周壁41(外側壁)の内側に、支持体7の第1の周壁32(内側壁)を嵌合することで、カバー部材8と支持体7との間に緩衝室60が形成されている。この第3実施形態では、カバー部材8は、第2の周壁41(外側壁)の下端部に係止爪80をさらに備えている。一方で、支持体7の底面部30には、係止爪80と係合可能な係合段部70が設けられており、係止爪80と係合段部70とを緩衝室60の外側で相互に係合させることで、カバー部材8が支持体7に固定されている。
【0048】
支持体7の第1の周壁32(内側壁)の上端部には、凹状に切り欠かれることで貫通穴67が形成されている。一方、カバー部材8の第2の周壁41(外側壁)の上端部にも貫通穴68が形成されている。貫通穴67,68はともに対応する位置に形成されており、カバー部材8が支持体7に装着されて、貫通穴67,68が一致することで、緩衝室60の側壁(内側壁および外側壁)に水平方向を向く空気流通孔62が形成されている。なお、空気流通孔62が水平方向よりも下向き(斜め下向き)になるように、貫通穴67,68を形成してもよい。
【0049】
この第3実施形態においても、空気流通孔62は、緩衝室60の上部を覆う上壁ではなく、緩衝室60の側壁に、水平方向または水平方向よりも下向きを向くように設けられているので、薬液容器と支持体7との嵌合部分から薬液容器の下端面を伝って上方から支持体7内に水が浸入してきても、空気流通孔62から緩衝室60内に当該水が浸入することを防止できる。よって、緩衝室60内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0050】
また、空気流通孔62は、緩衝室60の側壁の上端部に設けられているため、フラッシュ時に給水受皿に供給された水が下方から支持体7内へ浸入した場合でも、水は側壁を乗り超えて空気流通孔62に到達し難く、その結果、空気流通孔62から緩衝室60内に浸入するのが防止される。よって、緩衝室60内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0051】
なお、カバー部材8に、上記した第1実施形態の囲繞壁43と同じように、空気流通孔62の上方を覆う庇部材を設けるようにしてもよい。これにより、薬液容器と支持体7との嵌合部分から薬液容器の下端面を伝って上方から支持体7内に浸入する水が空気流通孔62に到達するのを確実に阻止することができる。
【0052】
また、図16に示すように、支持体7の第1の周壁32(内側壁)に水平方向外側に張り出す張出部32aを設け、この張出部32aだけに貫通穴69を設けるようにしてもよい。この場合、カバー部材8の第2の周壁41(外側壁)の下端部と、支持体7の底面部30との間に空隙を設けるようにする。これにより、緩衝室60の側壁(内側壁32)に下方向を向く空気流通孔62が形成される。この実施形態では、空気貫通孔62は下方向を向いているので、空気流通孔62から緩衝室60内に水が浸入することを確実に防止できる。なお、張出部32aは、水平方向に張り出している必要はなく、水平方向よりも上向き(斜め上向き)に張り出していてもよい。
【0053】
図17〜図20は、第4実施形態に係る薬液供給装置1´を示している。第1〜第3実施形態では、案内部材5を支持体3の下方へ突出させ、案内部材5を給水受皿の排水口に挿入して案内部材5を介して薬液を排水口に排出しているが、この第4実施形態の薬液供給装置1´は、薬液を給水受皿上に直接排出する構成のものである。なお、薬液容器2は、上記した第1実施形態の構成と同様であり、同一の符号を付することで詳細な説明を省略する。
【0054】
この第4実施形態の薬液装置1´は、薬液容器2と、薬液容器2が着脱可能に取り付けられるカップ状の支持体9とを備えている。支持体9は、支持体9内に着脱可能に取り付けられるカバー部材10と、カバー部材10と支持体9の底面部90との間に介在する板状の案内部材53とを備えている。支持体9の底面部90の下面には、4本の長脚部93と、長脚部93の周囲に配置された4本の短脚部94とが立設されている。また、支持体9の側面部91には、案内部材53が突出する開口95のほか、薬液の芳香成分を外部に拡散させるための開口96が形成されており、支持体9の底面部90には、支持体9内に水が滞留するのを防止するための開口97が複数形成されている。
【0055】
カバー部材10は、下端が開放された箱状に形成されており、平面視長方形状の上面部11と、側面部12とを備えている。側面部12の下端部に設けられた係止爪13を、支持体9の底面部90に設けられた係合段部(図示せず)に係合させることで、カバー部材10が支持体9に固定される。
【0056】
上面部11は、その中央部の円形状の下段部11aと、下段部11aより高い位置にある下段部11aの周囲の上段部11bとからなり、下段部11aの中央部に、薬液容器2の排出口21に接続され、薬液容器2内の薬液を外部へ排出させる円筒状の接続部14が設けられている。接続部14の下端部の内部には、接続部14よりも小径の円筒状の細管部15が一体に設けられている。接続部14と細管部15とは、流通孔16を介して連通しており、接続部14および細管部15の内部は、薬液を薬液容器2から後述する案内部材53に流す薬液通路を構成している。細管部15の周囲には、連通孔61´が複数形成されている。この連通孔61´は、調整機構6を構成する。
【0057】
案内部材53は、プラスチックで形成され、支持体9の底面部90上に載置される。この案内部材53は、細管部15の一端部がほぼ当接する基部54と、基部54の両側縁(図20(a)の上下辺)から下方へ傾斜する一対の案内板55とを備えている。基部54において細管部15が当接する部分およびその近傍には薬液が流通可能な複数の溝56が幅方向(図20(a)の左右方向)に形成されており、これらの溝56のうち、中央に配置されたものは案内板55の端部まで延びて案内溝57を構成している。この案内溝57は、薬液を基部54から案内板55側へ導くようになっている。各案内板55の端部は、支持体9の開口95から突出している。
【0058】
支持体9の底面部90上に、案内部材53を介在させてカバー部材10を装着することで、支持体9には、案内部材53の基部54(底壁)と、カバー部材10の側面部12(側壁)と、カバー部材10の上面部11(上壁)とで囲まれた薬液が貯留可能な空間を有する緩衝室60´が形成される。この緩衝室60´は、調整機構6を構成し、連通孔61´および空気流通孔62´とともに、上記した実施形態と同様の役割を果たす。
【0059】
この第4実施形態においても、空気流通孔62´は、緩衝室60´を構成する側壁に形成されている。図示例では、カバー部材10の側面部12の上端部に貫通穴が形成されることで、水平方向を向く空気流通孔62´が緩衝室60´の側壁に形成される。なお、空気流通孔62´が水平方向よりも下向き(斜め下向き)になるように、貫通穴を形成してもよい。この第4実施形態においても、空気流通孔62´は、薬液容器2と支持体9との嵌合部分Tのうちで、薬液容器2の表面を流れる水が支持体9内へより浸入し易い、楕円の短軸の両側に位置する嵌合部分T1から最も離れた位置、つまりは、平面視略楕円形状の支持体9の長軸の方向を向く位置に設けられている。
【0060】
上記構成の薬液供給装置1´は、次のように動作する。まず、薬液容器2から薬液が接続部14に排出され、細管部15を通って案内部材53上に流れ出す。案内部材53上では、一部が基部54上に保持されるとともに、案内溝57を伝って案内板55上に流れ出し、この上で保持される。そして、フラッシュ時に給水受皿に水が供給されると、この水が支持体9の開口95から突き出た案内板55上の薬液と接触し、これを洗い流す。こうして薬液は、流水とともに、給水受皿上に流れ出し、排水口から貯水タンクの中に流れ込む。
【0061】
この第4実施形態においても、空気流通孔62´は、緩衝室60´の上部を覆う上壁ではなく、緩衝室60´の側壁(カバー部材10の側面部12)に、水平方向または水平方向よりも下向きを向くように設けられているので、薬液容器2と支持体9との嵌合部分Tから薬液容器2の下端面を伝って上方から支持体9内に水が浸入してきても、空気流通孔62´から緩衝室60´内に当該水が浸入することを防止できる。よって、緩衝室60´内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0062】
また、空気流通孔62´は、緩衝室60´の側壁の上端部に設けられているため、フラッシュ時に給水受皿に供給された水が下方から支持体9内へ浸入した場合でも、水は側壁を乗り超えて空気流通孔62´に到達し難く、その結果、空気流通孔62´から緩衝室60´内に浸入するのが防止される。よって、緩衝室60´内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0063】
なお、カバー部材10に、上記した第1実施形態の囲繞壁43と同じように、空気流通孔62´の上方を覆う庇部材を設けるようにしてもよい。これにより、薬液容器2と支持体9との嵌合部分Tから薬液容器2の下端面を伝って上方から支持体9内に浸入する水が空気流通孔62´に到達するのを確実に阻止することができる。
【0064】
図21および図22は、第5実施形態に係る薬液供給装置1’’を示している。第1〜第4実施形態は、水洗トイレの貯水タンク上に配置されるタイプの薬液供給装置であるが、この第5実施形態は、便器のリムに吊り掛けられて使用されるタイプの薬液供給装置である。このタイプの薬液供給装置1’’も、図21および図22に示すように、薬液が収容された薬液容器2’’と、薬液容器2’’を支持する支持体3’’とを備えており、さらに、当該装置1’’を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材70を備えている。なお、基本的な構成は、上記した貯水タンク上に設置されるタイプの薬液供給装置の構成と同様である。
【0065】
支持体3’’は、底面部30’’と、側面部31’’とを有している。底面部30’’は、平面視略矩形状の基部30A’’と、基部30A’’の一辺に揺動自在に連結された可動部30B’’とで構成されており、可動部30B’’が設けられている辺以外の3辺に、側面部31’’が平面視コ字状に設けられている。したがって、支持体3’’は、一辺の壁が切り欠かれて開放したカップ状に形成されており、この開放部分30C’’から基部30A’’の一部および可動部30B’’が突出するように構成されている。そして、この開放部分30C’’から支持体3’’内に水が流れ込むようになっている。基部30A’’の中央には、上方へ延びる支柱72が取り付けられており、この支柱72と後述するカバー部材4’’との間の空間に、吊掛部材70が上下動可能に取り付けられている。吊掛部材70は、弾性変形可能に2箇所で折り曲げられた帯状に形成されており、初期状態では、図21に示すように折り畳まれている。また、吊掛部材70は、上下動可能に構成されているため、当該装置1’’とリムとが干渉しないように、リムに対する薬液容器2’’および支持体3’’の高さを調整することができる。
【0066】
支持体3’’は、支持体3’’内に着脱可能に取り付けられる下部材73およびカバー部材4’’を備えており、下部材73の周壁32’’の外側に、カバー部材4’’の周壁41’’を嵌合することで、支持体3’’には、下部材73の上面部74(底壁)と、周壁32’’,41’’(側壁)と、カバー部材4’’の上面部40’’(上壁)とにより囲まれた緩衝室60’’が形成される。この緩衝室60’’は、調整機構6を構成し、連通孔(図示せず)および空気流通孔62’’とともに、上記した実施形態と同様の役割を果たす。
【0067】
下部材73の周壁32’’の上端部には、凹状に切り欠かれることで貫通穴76が形成されている。一方、カバー部材4’’の周壁41’’の上端部にも貫通穴77が形成されている。貫通穴76,77はともに対応する位置に形成されており、カバー部材4’’が下部材73を介して支持体3’’に装着されて、貫通穴76,77が一致することで、緩衝室60の側壁に水平方向を向く空気流通孔62’’が形成されている。なお、空気流通孔62’’が水平方向よりも下向き(斜め下向き)になるように、貫通穴76,77を形成してもよい。
【0068】
カバー部材4’’の側面には、上方に延びるレール部材75が取り付けられており、このレール部材75は、支柱72との間で、吊掛部材70を収容する空間を形成している。カバー部材4’’の上面部40’’の中央部には、薬液容器2’’の排出口21’’に接続され、薬液容器2’’内の薬液を外部へ排出させる排出部材42’’が設けられている。また、カバー部材4’’の周囲には、2つの空気流通孔62’’が、それぞれ設けられている。また、下部材73の上面部74の中央部には、円形の底孔34’’が形成されている。また、底孔34’’には、嵌合突部50’’設けられており、底穴34’’の周囲には、環状部35’’が立設されている。支持体3’’の側面部31’’には、フラッシュ時に便器内に供給された水が支持体3’’の内部へ浸入したときに、その水を外部へ排出するための開口33’’が形成されている。
【0069】
上記構成の薬液供給装置1’’は、次のように動作する。まず、薬液容器2’’から薬液が排出部材42’’に排出され、支持体3’’の底面部30’’上に供給される。そして、底面部30’’上に供給される薬液をフラッシュ時に便器内に供給される水によってさらうことで、便器内に薬液が供給される。なお、上記構成の薬液供給装置1’’は、底面部30’’上の薬液がフラッシュ時に便器内に供給される水に洗い流されることのない場合にも、経時的に薬液を吐出し、薬液容器2’’内の薬液を直接便器内に供給する機構を備えることもできる。
【0070】
この便器のリムに吊り掛けられて使用されるタイプの薬液供給装置1’’においても、フラッシュ時に便器内に水が勢いよく供給されたり、供給された水が便器内で飛び散ったりすると、薬液容器2’’の表面に水がかかり、そして、水が薬液容器2’’の表面に沿って流下して薬液容器2’’および支持体3’との嵌合部分Tまで伝わるおそれがある。この場合でも、空気流通孔62’’が、緩衝室60’’の上部を覆う上壁ではなく、緩衝室60’’の側壁に、水平方向または水平方向よりも下向きを向くように設けられているので、薬液容器2’’および支持体3’との嵌合部分Tから薬液容器2’’の下端面を伝って上方から支持体3’’内に水が浸入してきても、空気流通孔62’’から緩衝室60’’内に当該水が浸入することを防止できる。よって、緩衝室60’’内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0071】
また、空気流通孔62’’は、緩衝室60’’の側壁の上端部に設けられているため、フラッシュ時に供給された水が下方から支持体3’’内へ浸入した場合でも、水は側壁を乗り超えて空気流通孔62’’に到達し難く、その結果、空気流通孔62’’から緩衝室60’’内に浸入するのが防止される。よって、緩衝室60’’内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0072】
なお、カバー部材4’’に、上記した第1実施形態の囲繞壁43と同じように、空気流通孔62’’の上方を覆う庇部材を設けるようにしてもよい。これにより、薬液容器2’’と支持体3’’との嵌合部分Tから薬液容器2’’の下端面を伝って上方から支持体3’’内に浸入する水が空気流通孔62’’に到達するのを確実に阻止することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 薬液供給装置
2 薬液容器
4 カバー部材
6 調整機構
32 第1の周壁
41 第2の周壁
60 緩衝室
61 連通孔
63 貫通穴
64 スリット
62 空気流通孔
21 排出口
42 排出部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、断続的に流下する水などの液体に薬液を供給する薬液供給装置に関し、例えば、水洗トイレの貯水タンク上部に設けられた手洗い用の給水受皿に設置されて、あるいは、便器のリムに取り付けられて、芳香、消臭、洗浄のための薬液を水洗用の水に供給する薬液供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の薬液供給装置としては、例えば、図23〜図25の例、および、図26〜図28の例に示すように、薬液を収容する薬液容器100と、薬液容器100を支持するカップ状の支持体101とを備え、支持体101の下部に設けられた案内部材102が貯水タンクに流入する水と接触するように、貯水タンク上部の給水受皿に設置されるタイプのものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
支持体101は、支持体101内に着脱可能に取り付けられるカバー部材105を備えており、カバー部材105は、薬液容器100の排出口に接続される排出部材103を備えている。薬液容器100内の薬液は、排出部材103の接続部110から細管部111を通じて、下端の流通孔104から案内部材102に供給される。また、支持体101には、薬液容器100から排出される薬液の量を調整する調整機構112が設けられている。この調整機構112は、水との接触などにより薬液容器100の温度が変動したときに、容器の内圧が変化しても、薬液容器100から案内部材102への薬液の余分な流出やその逆流が生じるのを防止するものであり、支持体101とカバー部材105との間に区画形成された薬液を貯留可能な緩衝室106と、緩衝室106に空気を流入可能な空気流通孔107と、緩衝室106および排出部材103を連通させる連通孔108とを備えている。
【0004】
上記構成の薬液供給装置は、次のように作用する。すなわち、温度が上昇し、薬液容器100内の圧力が上昇した場合には、薬液容器100内の薬液は、連通孔108から流れ出して緩衝室106内に流入する。一方、温度が低下し、薬液容器100内の圧力が低下すると、緩衝室106内の薬液が連通孔108を介して薬液容器100内へ引き戻される。このような作用により、温度変化の繰り返しがあっても、薬液が無駄に薬液供給装置から流出するのを防止できる。特に、薬液容器100の温度変化は、室温の変化および給水受皿へ供給される流水との接触の双方で生じるので、これによる薬液の無駄な流出を防止することは、薬液の安定供給を可能にする上で重要である。このように、上記構成の薬液供給装置は、緩衝室106を設けることにより、薬液の余分な流出が防止され、その結果、薬液容器100から薬液を正確な量で排出することが可能となって、安定供給を実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−300861号公報
【特許文献2】特開2006−283540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記構成の薬液供給装置では、緩衝室106が以下の構造になっているため、緩衝室106内に水が浸入する問題を生じることがあった。つまり、薬液供給装置は、薬液容器100が支持体101に嵌合されることで支持体101に装着されて、例えば、給水受皿上の給水管の下方に配置される。そして、使用時に、給水管から薬液容器100上に落下した水の一部が、薬液容器100の表面に沿って流れ落ちて薬液容器100と支持体101との嵌合部分Tまで伝わると、この嵌合部分Tに不可避的に生じる隙間から水が支持体101内に浸入するおそれがある。支持体101内に浸入した水は、薬液容器100の下面に沿って支持体101の中央部付近の緩衝室106上まで伝わった後、落下する。この場合、上記構成の薬液供給装置のように、空気流通孔107が緩衝室106の上部を覆う上壁109に設けられていると、流れ落ちた水がこの空気流通孔107から緩衝室106内に浸入するおそれがある。緩衝室106内に水が浸入すると、その水によって緩衝室106内の薬液が薄められ、薄められた薬液が温度変化により薬液容器100内に吸収される結果、薬液容器100内の薬液まで希釈されることになる。これでは、適正な薬液量による薬効が妨げられるばかりか、薬液によっては本来の粘度が低下し、薬液容器100の排出口から過剰に流出して安定供給を損ねることもある。
【0007】
このような問題は、貯水タンク上部の給水受皿に設置されるタイプのみならず、便器のリムに取り付けられるタイプの薬液供給装置においても起こりうる問題である。
【0008】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、薬液容器と支持体との嵌合部分から内部に水が浸入した場合でも、緩衝室内に水が浸入して薬液が薄められるのを効果的に防止することができ、安定して薬液を供給することのできる薬液供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、薬液が内部に収容されるとともに薬液の排出口を有する薬液容器と、前記薬液容器が着脱可能に取り付けられる支持体とを備えており、前記支持体は、前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へ排出させる排出部材と、前記薬液容器から排出される薬液の量を調整する調整機構とを備え、前記調整機構は、底壁、上壁および側壁に囲まれ、前記排出部材と仕切られた薬液の貯留空間を有する緩衝室と、前記薬液容器から排出される薬液を前記緩衝室へ導入可能な少なくとも1つの連通孔と、前記緩衝室に空気を流入可能な少なくとも1つの空気流通孔とを備え、前記空気流通孔は、前記緩衝室の前記側壁に設けられている薬液供給装置により達成される。
【0010】
上記構成の薬液供給装置において、断続的に流下する水などの流体の一部が薬液容器上に落下すると、薬液容器の表面に沿って流れ落ちて薬液容器と支持体との嵌合部分まで伝わり、この嵌合部分に不可避的に生じる隙間から流体が支持体内に浸入するおそれがある。しかしながら、上記構成の薬液供給装置では、空気流通孔が、緩衝室の上部を覆う上壁に設けられているのではなく、緩衝室の側壁に設けられているので、空気流通孔から緩衝室内に当該流体が浸入することを防止できる。よって、内部に貯留された薬液が薄められることを防止でき、薬液容器から排出される薬液濃度を適正に保つことができる。
【0011】
本発明の好ましい実施態様においては、前記空気流通孔は、前記側壁の上端部に設けられていることを特徴としている。この実施態様によれば、例えば、流体が下方から支持体内へ浸入した場合でも、流体は側壁を乗り超えて空気流通孔に到達し難いため、流体が空気流通孔から緩衝室内に浸入するのを防止できる。よって、緩衝室内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0012】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記緩衝室は、前記支持体に設けられる下部部材と、前記下部部材に上方から嵌合するカバー部材とにより形成され、前記下部部材は、前記底壁および前記底壁上に立設された第1の周壁を備え、前記カバー部材は、前記上壁および前記上壁から垂下する第2の周壁を備え、前記第2の周壁が前記第1の周壁の内側または外側に嵌合することで前記第1、第2の周壁により前記側壁が形成されており、前記空気流通孔は、前記第1、第2の周壁を貫通して形成されていることを特徴としている。
【0013】
上記した実施態様において、カバー部材の第2の周壁が、支持体の下部材の第1の周壁の内側に嵌合する構造となっていると、仮に、カバー部材と支持体との嵌合が完全ではなく、第1、2の周壁の間に隙間が生じたとしても、その隙間の緩衝室外側に対する開口は、緩衝室の側壁の上端部に位置することとなる。その結果、例えば、流体が下方から支持体内へ浸入した場合でも、流体は側壁が高い壁となって当該隙間の開口には到達し難いため、当該隙間を伝って下側から緩衝室内に浸入するのを防止できる。よって、緩衝室内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0014】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記第2の周壁は、前記第1の周壁の内側に嵌合しており、前記空気流通孔は、前記第2の周壁に設けられた上下方向に延びるスリットまたは貫通穴と、前記第1の周壁の前記スリットまたは前記貫通穴に対応する位置に設けられたスリットまたは貫通穴とにより形成されていることを特徴としている。この実施態様において、例えば、スリットおよび貫通穴で空気流通孔を形成すれば、前記第1の周壁に設ける貫通穴の位置を上下させるだけで、空気流通穴の位置を適宜変更することができる。なお、スリットおよびスリット、貫通穴および貫通穴の組み合わせで空気流通孔を形成してもよい。
【0015】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記空気流通孔の上方を覆う庇部材をさらに備えていることを特徴としている。この実施態様によれば、薬液容器および支持体の嵌合部分から支持体内に流体が浸入してきても、庇部材が庇として機能することで空気流通孔に流体が到達するのを確実に阻止することができる。よって、緩衝室内に流体が浸入するのを防止でき、緩衝室内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0016】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記支持体は、平面視において、第1の方向の長さがこれと直交する第2の方向の長さよりも長い外形を有しており、前記空気流通孔は、前記第1の方向を向く位置に設けられていることを特徴としている。
【0017】
この実施態様は、前記支持体が、平面視において、第1の方向の長さがこれと直交する第2の方向の長さよりも長い外形を有していると、薬液容器の表面を流れる流体は、第2の方向の両側に位置する嵌合部分から支持体内により浸入し易いことに鑑みてなされたものであり、当該嵌合部分から最も離れた位置に前記空気流通孔が設けることで、当該嵌合部分から支持体内に流体が浸入したとしても、空気流通孔の位置まで到達する流体の量を抑制することができる。よって、緩衝室内への流体の浸入を抑制することができ、緩衝室内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の薬液供給装置によると、空気流通孔が、緩衝室の上部を覆う上壁ではなく側璧に設けられているので、薬液容器と支持体との嵌合部分から支持体内に水などの流体が浸入した場合でも、緩衝室内に流体が浸入して薬液が薄められるのを効果的に防止することができ、安定して薬液を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る薬液供給装置の正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1の薬液供給装置の分解図である。
【図4】図1の薬液供給装置のカバー部材と支持体の分解斜視図である。
【図5】図4の支持体の平面図である。
【図6】図4の支持体の底面図である。
【図7】図4の支持体の断面図である。
【図8】図4のカバー部材の斜め下方向からの斜視図である。
【図9】図4のカバー部材の平面図である
【図10】図4のカバー部材の断面図である。
【図11】図4のカバー部材を装着した支持体の断面図である。
【図12】他の実施形態に係る薬液供給装置のカバー部材と支持体の分解斜視図である。
【図13】図12の実施形態のカバー部材を装着した支持体の断面図である。
【図14】他の実施形態に係る薬液供給装置のカバー部材と支持体の分解斜視図である。
【図15】図14の実施形態のカバー部材を装着した支持体の断面図である。
【図16】図15のカバー部材を装着した支持体の変形例を示す部分断面図である。
【図17】他の実施形態に係る薬液供給装置の正面図である。
【図18】図17の薬液供給装置の分解図である。
【図19】図17の薬液供給装置の要部の部分断面図である。
【図20】(a)は図18の案内部材53の平面図であり、(b)は(a)の側面図である。
【図21】他の実施形態に係る薬液供給装置の後方から見た斜視図である。
【図22】図21の薬液供給装置の分解斜視図である。
【図23】(a)は従来例の薬液供給装置の正面図であり、(b)は(a)の側面図である。
【図24】図23のカバー部材と支持体の分解斜視図である。
【図25】図24のカバー部材を装着した支持体の断面図である。
【図26】(a)は従来例の薬液供給装置の正面図であり、(b)は(a)の側面図である。
【図27】図26の薬液供給装置のカバー部材と支持体の分解斜視図である。
【図28】図27のカバー部材を装着した支持体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実態の形態について添付図面を参照して説明する。図1および図2は、本発明の一実施形態である薬液供給装置1の外観を、図3は、図1および図2の薬液供給装置1を分解した図を、それぞれ示している。なお、図示例の薬液供給装置1は、水洗トイレの貯水タンク上部に設けられる手洗用の給水受皿に設置されるタイプのものを例に挙げている。
【0021】
薬液供給装置1は、芳香、消臭、便器の洗浄のための薬液を収容する薬液容器2と、薬液容器2が着脱可能に取り付けられるカップ状の支持体3とを備えている。支持体3は、支持体3内に着脱可能に取り付けられるカバー部材4(図4に示す)を備えている。また、支持体3は、薬液容器2内から排出される薬液を、支持体3の外部の断続的に流れる液体と接触する位置へ案内する案内部材5を備えている。この薬液供給装置1は、支持体3の案内部材5および長脚部36が給水受皿の排水口に挿入されるようにして設置される。
【0022】
薬液容器2は、薬液を収容可能な薬液収納部20を備え、薬液収納部20の端面(図3では下端面)には、薬液を排出するための排出口21が設けられている。薬液容器2は、一部または全体が透明または半透明の材料で構成され、外部から薬液の残量が確認できる。排出口21には、キャップ22が被せられている。
【0023】
支持体3は、図3〜図7に示すように、上部に開口を有し、平面視において、第1の方向(図5の左右方向)の長さがこれと直交する第2の方向(図5の上下方向)の長さよりも長い横長(または縦長)状の外形を有している。本実施形態では、平面視略楕円形状に形成されている。支持体3は、底面部30と側面部31とを備えており、側面部31の内側に薬液容器2の薬液収納部20の凹んだ一端部23(図3では下端部)が嵌合するようになっている。
【0024】
底面部30の下面には、2本の長脚部36と、長脚部36の周囲に配置された4本の短脚部38とが立設されている。長脚部36は給水受皿の排水口に挿入可能である。短脚部38は長脚部36が排水口に挿入された状態で、支持体3を給水受皿上にほぼ水平に支持する。底面部30の上面には、後述するカバー部材4の第2の周壁(以下、本実施形態では「内側壁」という。)41の外側に嵌合する略矩形枠状の第1の周壁(以下、本実施形態では「外側壁」という。)32が設けられている。
【0025】
カバー部材4は、図4、図8〜図10に示すように、下端が開放された箱状に形成されており、平面視略矩形状の上面部40と、上面部40から垂下する略矩形枠状の内側壁41とを備えている。内側壁41を支持体3の外側壁32の内側に嵌合することで、カバー部材4が支持体3に装着される。上面部40は、その中央部の円形状の下段部40aと、下段部40aより高い位置にある下段部40aの周囲の上段部40bとからなる。下段部40aの中央部には、薬液容器2の排出口21に接続され、薬液容器2内の薬液を外部へ排出させる排出部材42が設けられている。
【0026】
排出部材42は、カバー部材4の下段部40aに一体形成されており、下段部40aの上面から突き出る円筒状の接続部42aと、接続部42aの下端部に設けられた、接続部42aよりも小径の円筒状の細管部42bとを備える。接続部42aは、薬液容器2の排出口21に接続される。接続部42aと細管部42bとは、流通孔42cを介して連通しており、接続部42aおよび細管部42bの内部は、薬液を薬液容器2から後述する案内部材5に通す薬液通路を構成している。接続部42a内の細管部42bの周囲には、連通孔61が複数(図示例では3個)形成されている。この連通孔61は、後述する調整機構6を構成するものである。
【0027】
カバー部材4の上面部40は、内側壁41の外側に囲繞壁43をさらに備えている。この囲繞壁43は、内側壁41の上端から支持体3の外側壁32の上端を越えて水平に延びる延長部43aと、延長部43aの先端部から垂下する略矩形枠状の垂下壁43bとからなり、垂下壁43bは、外側壁32の外周面から離反している。
【0028】
図3〜図7に戻って、支持体3の側面部31には、薬液の芳香成分を外部に拡散させるための開口33が形成されている。また、底面部30の外側壁32の外側位置には、給水受皿に供給された水が支持体3の内部へ浸入したときに、その水を外部へ排出するための開口39が形成されている。
【0029】
支持体3の底面部30の外側壁32に囲まれた領域の中央部には、円形の底孔34が形成されている。この底孔34に排出部材42の細管部42bが嵌入するようになっている。そして、底孔34の下方には、細管部42bから排出された薬液を下方へと案内する案内部材5が設けられている。案内部材5は、底面部30の下面に一体に設けられており、案内部材5の上端部には、排出部材42の細管部42b内に嵌入する嵌合突部50が一体に設けられている。嵌合突部50の外側面には、上端から下端まで延びる縦溝51が形成されており、縦溝51により、細管部42bの内周面との間に薬液の導出路が形成されている。縦溝51の断面形状は、半円状の他、三角形や四角形などの角状など、種々の形状とすることができる。また、その断面寸法は、毛管作用により薬液が導出路に沿って導出され得る程度とするのが望ましい。底孔34の周囲には、細管部42bと嵌合突部50との嵌合状態を確実に保持するために、細管部42bの外側に嵌合する環状部35が立設されている。
【0030】
案内部材5は、板状に形成されており、上端部が細管部42bの下端に当接している。案内部材5の表裏の板面には、上下方向に延びる多数の細溝52が形成されている。この案内部材5は、2本の長脚部36の間に位置しており、長脚部36とともに給水受皿の排水口に挿入される。ただし、案内部材5は長脚部36よりもやや短く形成されており、その下端部のみが排水口に挿入可能となっている。案内部材5と長脚部36との間には、遮蔽部材37が設けられている。遮蔽部材37は、案内部材5よりもさらに短く形成されており、長脚部36は支持体3を排水口に位置決めし、案内部材5は排水口に流下する水に接することで、案内部材5上の薬液が水に洗い流されて貯水タンクの中に流れ込む。一方、遮蔽部材37は、流下する水が前記導出路から支持体3内に逆流するのを規制している。
【0031】
支持体3は、底面部30の外側壁32の内側に、カバー部材4の内側壁41を嵌合することで組み立てられる。これにより、支持体3には、図11に示すように、カバー部材4との間に、細管部42bとは仕切られた薬液が貯留可能な空間を有する緩衝室60が形成されている。緩衝室60は、底面部30の外側壁32に囲まれた領域(底壁)と、外側壁32および内側壁41(側壁)と、カバー部材4の上面部40(上壁)とにより囲まれている。外側壁32および底面部30の中で外側壁32に囲まれた領域は、緩衝室60を形成する下部部材を構成している。この緩衝室60は、薬液容器2から排出される薬液の量を調整する調整機構6を構成するものであり、調整機構6は、緩衝室60、上述した連通孔61、および空気流通孔62により構成される。連通孔61は、薬液容器2から排出部材42の接続部42aに排出された薬液の一部を、緩衝室60へ導入可能である。
【0032】
空気流通孔62は、緩衝室60に空気を流入させるためのものである。この空気流通孔62は、緩衝室60を構成する側壁に設けられている。本実施形態では、支持体3の外側壁32の上端部が凹状に切り欠かれることで、外側壁32に貫通穴63が形成されている。一方で、カバー部材4の内側壁41には、その上端部から下端部まで上下方向に延びるスリット64が形成されている。このスリット64は、支持体3の外側壁32の貫通穴63に対応する位置に形成されており、カバー部材4を支持体3に装着して、貫通穴63とスリット64とを一致させることで、水平方向を向く空気流通孔62が緩衝室60の側壁に設けられる。本実施形態では、空気流通孔62は、略矩形枠状の緩衝室60の側壁(外側壁32および内側壁41)の対向する2辺の幅中央部に設けられている。加えて、本実施形態では、空気流通孔62は、薬液容器2と支持体3との嵌合部分Tのうちで、楕円の短軸S(第2の方向)の両側に位置する嵌合部分T1(図2,図5に示す)から最も離れた位置、つまりは、平面視略楕円形状の支持体3の長軸Lの方向(第1の方向)を向く位置に設けられている。
【0033】
なお、空気流通孔62の配置は、必ずしもこの実施形態に限られるものではなく、緩衝室60の側壁のいずれの位置に設けることができる。また、本実施形態では、緩衝室60の側壁の上端部に空気流通孔62が設けられているが、上端部よりも下方位置に設けることもできる。ただし、あまりに下方に配置すると、給水受皿に供給された水が支持体3の内部へ浸入したときに、その水が空気流通孔62を通って緩衝室60内に浸入するおそれがあるので好ましくない。また、本実施形態では、内側壁41に縦長のスリット64を設けることにより空気流通孔62を形成しているが、内側壁41にも外側壁32と同じように貫通穴を設け、貫通穴同士を一致させることで、空気流通孔62を形成してもよい。また、内側壁41に貫通穴を設け、外側壁32に縦長のスリットを設けることにより空気流通孔62を形成してもよく、さらに、内側壁41および外側壁32ともに縦長のスリットを設けることにより空気流通孔62を形成してもよい。また、本実施形態では、空気流通孔62は水平方向を向いているが、水平方向よりも下向き(斜め下向き)になるように形成してもよい。
【0034】
上記した調整機構6は、薬液容器2の温度変化に対して次のように作用をする。例えば、温度が上昇して薬液容器2が暖められた場合には、薬液容器2内の空気が膨張して薬液容器2内は正圧になる。この場合、薬液容器2内の薬液は押し出されて排出口21から排出されるが、排出された薬液は、細管部42bから導出路に流れ込む他、連通孔61を介して緩衝室60にも流れ込むため、薬液が前記導出路へ過剰に流出するのが防止される。
【0035】
一方、流水で冷やされるなどして、薬液容器2の温度が低下すると、薬液容器2内の空気が収縮して薬液容器2内は負圧になる。この場合には、空気流通孔62の作用により大気圧または室内圧となっている緩衝室60内の薬液が、連通孔61を介して薬液容器2内へ吸い込まれる。したがって、案内部材5上の水または薄められた薬液が細管部42bを通って薬液容器2側に戻されるのが抑制される。また、薬液容器2内の負圧によって薬液の排出が制限されるのが防止される。このように、調整機構6によって、温度変化によって薬液容器2内に圧力変化が生じた場合でも、薬液容器2と緩衝室60との間での薬液の流通が生じるため、薬液容器2内の薬液が過剰に流出したり、あるいは、流出が制限されるのを防止することができる。
【0036】
上記構成の薬液供給装置1は、カバー部材4の内側壁41の外側に、支持体3の外側壁32を嵌合して緩衝室60を形成した後、カバー部材4から上方へ延びる排出部材42の接続部42aを薬液容器2の排出口21にキャップ22を貫通して嵌入することにより組み立てられる。そして、水洗トイレ用貯水タンクの給水受皿の排水孔に支持体3の長脚部36を挿入する。これにより、薬液容器2内の薬液は、接続部42aから細管部42bに流入して導出路から案内部材5に排出され、案内部材5上の薬液がフラッシュ時に給水受皿に供給される水に洗い流されて、排水孔から貯水タンクに流れ込む。なお、上記構成の薬液供給装置1は、案内部材5上の薬液がフラッシュ時に給水受皿に供給される水に洗い流されることのない場合にも、経時的に薬液を吐出し、薬液容器2内の薬液を直接貯水タンクに供給する機構を備えることもできる。
【0037】
このとき、給水受皿上の給水管から薬液容器2上に落下した水は、薬液容器2の表面に沿って流れ落ちて薬液容器2と支持体3との嵌合部分Tまで伝わって、この嵌合部分Tに不可避的に生じる隙間から水が支持体3内に浸入するおそれがある。しかしながら、空気流通孔62が、緩衝室60の上部を覆う上壁に設けられているのではなく、緩衝室60の側壁に、水平方向または水平方向よりも下向きを向くように設けられているので、空気流通孔62から緩衝室60内に当該水が浸入することを防止できる。よって、内部に貯留された薬液が薄められることを防止できる結果、薬液の戻りによる薬液容器2内の薬液の希釈化が防止され、薬液容器2から排出される薬液濃度を適正に保つことができる。
【0038】
また、空気流通孔62は、緩衝室60の側壁の上端部に設けられているため、フラッシュ時に給水受皿に供給された水が下方から支持体3内へ浸入した場合でも、水は側壁を乗り超えて空気流通孔62に到達し難く、その結果、空気流通孔62から緩衝室60内に浸入するのが防止される。よって、緩衝室60内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0039】
また、空気流通孔62は、薬液容器2の表面を流れる水が支持体3内へより浸入し易い、楕円の短軸S(第2の方向)の両側に位置する嵌合部分T1からは、最も離れた位置に設けられているので、この嵌合部分T1から薬液容器2の下端面を伝って上方から支持体3内に水が浸入してきても、空気流通孔62の位置まで到達する水の量が抑制されている。その結果、緩衝室60内への水の浸入を抑制することができ、よって、緩衝室60内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0040】
また、カバー部材4は、支持体3の外側壁32の内側に、内側壁41が嵌合する構造となっている。したがって、仮に、カバー部材4と支持体3との嵌合が完全ではなく、外側壁32と内側壁41との間に隙間が生じたとしても、その隙間の緩衝室60外側に対する開口は、緩衝室60の側壁の上端部に位置することとなる。その結果、フラッシュ時に給水受皿に供給された水が下方から支持体3内へ浸入した場合でも、側壁が高い壁となって当該隙間の開口には到達し難いため、当該隙間を伝って下側から緩衝室60内に浸入するのが防止される。よって、緩衝室60内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0041】
また、カバー部材4は、空気流通孔62の上方を覆う囲繞壁43をさらに備えている。したがって、嵌合部分Tから薬液容器2の下端面を伝って上方から支持体3内に水が浸入してきても、囲繞壁43が庇として機能することで空気流通孔62に水が到達するのを確実に阻止することができる。したがって、緩衝室60内に水が浸入するのが防止される結果、緩衝室60内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。なお、この囲繞壁43による水の侵入防止効果は、延長部43aのみによって得ることもできるが、垂下壁部43bを備えることにより強化される。
【0042】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明の具体的な態様は上記した実施形態に限定されない。例えば、上記した第1実施形態では、薬液容器2の薬液収納部20および排出口21を1つとし、これに対応して支持体3に緩衝室60などを1つ設けているが、これらを各々2つ以上とすることもできる。図12および図13は、本発明を図26〜図28に示した緩衝室などを2つ備える薬液供給装置に適用した例を示している。なお、基本的な構成は上記した第1実施形態の構成と同様であり、ここでは対応する構成には同一の符号を付することで詳細な説明を省略する。
【0043】
図26〜図28に示した装置とは、空気流通孔62が設けられている位置が異なっている。すなわち、この第2実施形態においては、カバー部材18の第2の周壁41(内側壁)の上端部には、貫通穴65が形成されている。一方、支持体17の第1の周壁32(外側壁)には、カバー部材18の貫通穴65と対応する位置に貫通穴66が形成されている。これにより、カバー部材18を支持体17に装着して、貫通穴65,66を一致させることで、緩衝室60の側壁(内側壁および外側壁)に水平方向を向く空気流通孔62が形成されている。なお、空気流通孔62が水平方向よりも下向き(斜め下向き)になるように、貫通穴65,66を形成してもよい。
【0044】
この第2実施形態においても、空気流通孔62は、緩衝室60の上部を覆う上壁ではなく、緩衝室60の側壁に、水平方向または水平方向よりも下向きを向くように設けられているので、薬液容器と支持体17との嵌合部分から薬液容器の下端面を伝って上方から支持体17内に水が浸入してきても、空気流通孔62から緩衝室60内に当該水が浸入することを防止できる。よって、緩衝室60内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0045】
また、空気流通孔62は、緩衝室60の側壁の上端部に設けられているため、フラッシュ時に給水受皿に供給された水が下方から支持体17内へ浸入した場合でも、水は側壁を乗り超えて空気流通孔62に到達し難く、その結果、空気流通孔62から緩衝室60内に浸入するのが防止される。よって、緩衝室60内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0046】
また、第1実施形態においては、カバー部材4は、支持体3の外側壁32(第1の周壁)の内側に、内側壁41(第2の周壁)が嵌合する内側嵌合構造となっているが、図14および図15に示すように、その逆の外側嵌合構造になっていてもよい。図14および図15は、第3実施形態に係る薬液供給装置の支持体7の構成を示している。なお、基本的な構成は上記した第1実施形態の構成と同様であり、ここでは対応する構成には同一の符号を付することで詳細な説明を省略する。
【0047】
この第3実施形態においては、支持体7の底面部30に立設される第1の周壁32が内側に位置する内側壁、カバー部材8の上面部40から垂下する第2の周壁41が外側に位置する外側壁となっている。そして、カバー部材8の第2の周壁41(外側壁)の内側に、支持体7の第1の周壁32(内側壁)を嵌合することで、カバー部材8と支持体7との間に緩衝室60が形成されている。この第3実施形態では、カバー部材8は、第2の周壁41(外側壁)の下端部に係止爪80をさらに備えている。一方で、支持体7の底面部30には、係止爪80と係合可能な係合段部70が設けられており、係止爪80と係合段部70とを緩衝室60の外側で相互に係合させることで、カバー部材8が支持体7に固定されている。
【0048】
支持体7の第1の周壁32(内側壁)の上端部には、凹状に切り欠かれることで貫通穴67が形成されている。一方、カバー部材8の第2の周壁41(外側壁)の上端部にも貫通穴68が形成されている。貫通穴67,68はともに対応する位置に形成されており、カバー部材8が支持体7に装着されて、貫通穴67,68が一致することで、緩衝室60の側壁(内側壁および外側壁)に水平方向を向く空気流通孔62が形成されている。なお、空気流通孔62が水平方向よりも下向き(斜め下向き)になるように、貫通穴67,68を形成してもよい。
【0049】
この第3実施形態においても、空気流通孔62は、緩衝室60の上部を覆う上壁ではなく、緩衝室60の側壁に、水平方向または水平方向よりも下向きを向くように設けられているので、薬液容器と支持体7との嵌合部分から薬液容器の下端面を伝って上方から支持体7内に水が浸入してきても、空気流通孔62から緩衝室60内に当該水が浸入することを防止できる。よって、緩衝室60内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0050】
また、空気流通孔62は、緩衝室60の側壁の上端部に設けられているため、フラッシュ時に給水受皿に供給された水が下方から支持体7内へ浸入した場合でも、水は側壁を乗り超えて空気流通孔62に到達し難く、その結果、空気流通孔62から緩衝室60内に浸入するのが防止される。よって、緩衝室60内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0051】
なお、カバー部材8に、上記した第1実施形態の囲繞壁43と同じように、空気流通孔62の上方を覆う庇部材を設けるようにしてもよい。これにより、薬液容器と支持体7との嵌合部分から薬液容器の下端面を伝って上方から支持体7内に浸入する水が空気流通孔62に到達するのを確実に阻止することができる。
【0052】
また、図16に示すように、支持体7の第1の周壁32(内側壁)に水平方向外側に張り出す張出部32aを設け、この張出部32aだけに貫通穴69を設けるようにしてもよい。この場合、カバー部材8の第2の周壁41(外側壁)の下端部と、支持体7の底面部30との間に空隙を設けるようにする。これにより、緩衝室60の側壁(内側壁32)に下方向を向く空気流通孔62が形成される。この実施形態では、空気貫通孔62は下方向を向いているので、空気流通孔62から緩衝室60内に水が浸入することを確実に防止できる。なお、張出部32aは、水平方向に張り出している必要はなく、水平方向よりも上向き(斜め上向き)に張り出していてもよい。
【0053】
図17〜図20は、第4実施形態に係る薬液供給装置1´を示している。第1〜第3実施形態では、案内部材5を支持体3の下方へ突出させ、案内部材5を給水受皿の排水口に挿入して案内部材5を介して薬液を排水口に排出しているが、この第4実施形態の薬液供給装置1´は、薬液を給水受皿上に直接排出する構成のものである。なお、薬液容器2は、上記した第1実施形態の構成と同様であり、同一の符号を付することで詳細な説明を省略する。
【0054】
この第4実施形態の薬液装置1´は、薬液容器2と、薬液容器2が着脱可能に取り付けられるカップ状の支持体9とを備えている。支持体9は、支持体9内に着脱可能に取り付けられるカバー部材10と、カバー部材10と支持体9の底面部90との間に介在する板状の案内部材53とを備えている。支持体9の底面部90の下面には、4本の長脚部93と、長脚部93の周囲に配置された4本の短脚部94とが立設されている。また、支持体9の側面部91には、案内部材53が突出する開口95のほか、薬液の芳香成分を外部に拡散させるための開口96が形成されており、支持体9の底面部90には、支持体9内に水が滞留するのを防止するための開口97が複数形成されている。
【0055】
カバー部材10は、下端が開放された箱状に形成されており、平面視長方形状の上面部11と、側面部12とを備えている。側面部12の下端部に設けられた係止爪13を、支持体9の底面部90に設けられた係合段部(図示せず)に係合させることで、カバー部材10が支持体9に固定される。
【0056】
上面部11は、その中央部の円形状の下段部11aと、下段部11aより高い位置にある下段部11aの周囲の上段部11bとからなり、下段部11aの中央部に、薬液容器2の排出口21に接続され、薬液容器2内の薬液を外部へ排出させる円筒状の接続部14が設けられている。接続部14の下端部の内部には、接続部14よりも小径の円筒状の細管部15が一体に設けられている。接続部14と細管部15とは、流通孔16を介して連通しており、接続部14および細管部15の内部は、薬液を薬液容器2から後述する案内部材53に流す薬液通路を構成している。細管部15の周囲には、連通孔61´が複数形成されている。この連通孔61´は、調整機構6を構成する。
【0057】
案内部材53は、プラスチックで形成され、支持体9の底面部90上に載置される。この案内部材53は、細管部15の一端部がほぼ当接する基部54と、基部54の両側縁(図20(a)の上下辺)から下方へ傾斜する一対の案内板55とを備えている。基部54において細管部15が当接する部分およびその近傍には薬液が流通可能な複数の溝56が幅方向(図20(a)の左右方向)に形成されており、これらの溝56のうち、中央に配置されたものは案内板55の端部まで延びて案内溝57を構成している。この案内溝57は、薬液を基部54から案内板55側へ導くようになっている。各案内板55の端部は、支持体9の開口95から突出している。
【0058】
支持体9の底面部90上に、案内部材53を介在させてカバー部材10を装着することで、支持体9には、案内部材53の基部54(底壁)と、カバー部材10の側面部12(側壁)と、カバー部材10の上面部11(上壁)とで囲まれた薬液が貯留可能な空間を有する緩衝室60´が形成される。この緩衝室60´は、調整機構6を構成し、連通孔61´および空気流通孔62´とともに、上記した実施形態と同様の役割を果たす。
【0059】
この第4実施形態においても、空気流通孔62´は、緩衝室60´を構成する側壁に形成されている。図示例では、カバー部材10の側面部12の上端部に貫通穴が形成されることで、水平方向を向く空気流通孔62´が緩衝室60´の側壁に形成される。なお、空気流通孔62´が水平方向よりも下向き(斜め下向き)になるように、貫通穴を形成してもよい。この第4実施形態においても、空気流通孔62´は、薬液容器2と支持体9との嵌合部分Tのうちで、薬液容器2の表面を流れる水が支持体9内へより浸入し易い、楕円の短軸の両側に位置する嵌合部分T1から最も離れた位置、つまりは、平面視略楕円形状の支持体9の長軸の方向を向く位置に設けられている。
【0060】
上記構成の薬液供給装置1´は、次のように動作する。まず、薬液容器2から薬液が接続部14に排出され、細管部15を通って案内部材53上に流れ出す。案内部材53上では、一部が基部54上に保持されるとともに、案内溝57を伝って案内板55上に流れ出し、この上で保持される。そして、フラッシュ時に給水受皿に水が供給されると、この水が支持体9の開口95から突き出た案内板55上の薬液と接触し、これを洗い流す。こうして薬液は、流水とともに、給水受皿上に流れ出し、排水口から貯水タンクの中に流れ込む。
【0061】
この第4実施形態においても、空気流通孔62´は、緩衝室60´の上部を覆う上壁ではなく、緩衝室60´の側壁(カバー部材10の側面部12)に、水平方向または水平方向よりも下向きを向くように設けられているので、薬液容器2と支持体9との嵌合部分Tから薬液容器2の下端面を伝って上方から支持体9内に水が浸入してきても、空気流通孔62´から緩衝室60´内に当該水が浸入することを防止できる。よって、緩衝室60´内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0062】
また、空気流通孔62´は、緩衝室60´の側壁の上端部に設けられているため、フラッシュ時に給水受皿に供給された水が下方から支持体9内へ浸入した場合でも、水は側壁を乗り超えて空気流通孔62´に到達し難く、その結果、空気流通孔62´から緩衝室60´内に浸入するのが防止される。よって、緩衝室60´内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0063】
なお、カバー部材10に、上記した第1実施形態の囲繞壁43と同じように、空気流通孔62´の上方を覆う庇部材を設けるようにしてもよい。これにより、薬液容器2と支持体9との嵌合部分Tから薬液容器2の下端面を伝って上方から支持体9内に浸入する水が空気流通孔62´に到達するのを確実に阻止することができる。
【0064】
図21および図22は、第5実施形態に係る薬液供給装置1’’を示している。第1〜第4実施形態は、水洗トイレの貯水タンク上に配置されるタイプの薬液供給装置であるが、この第5実施形態は、便器のリムに吊り掛けられて使用されるタイプの薬液供給装置である。このタイプの薬液供給装置1’’も、図21および図22に示すように、薬液が収容された薬液容器2’’と、薬液容器2’’を支持する支持体3’’とを備えており、さらに、当該装置1’’を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材70を備えている。なお、基本的な構成は、上記した貯水タンク上に設置されるタイプの薬液供給装置の構成と同様である。
【0065】
支持体3’’は、底面部30’’と、側面部31’’とを有している。底面部30’’は、平面視略矩形状の基部30A’’と、基部30A’’の一辺に揺動自在に連結された可動部30B’’とで構成されており、可動部30B’’が設けられている辺以外の3辺に、側面部31’’が平面視コ字状に設けられている。したがって、支持体3’’は、一辺の壁が切り欠かれて開放したカップ状に形成されており、この開放部分30C’’から基部30A’’の一部および可動部30B’’が突出するように構成されている。そして、この開放部分30C’’から支持体3’’内に水が流れ込むようになっている。基部30A’’の中央には、上方へ延びる支柱72が取り付けられており、この支柱72と後述するカバー部材4’’との間の空間に、吊掛部材70が上下動可能に取り付けられている。吊掛部材70は、弾性変形可能に2箇所で折り曲げられた帯状に形成されており、初期状態では、図21に示すように折り畳まれている。また、吊掛部材70は、上下動可能に構成されているため、当該装置1’’とリムとが干渉しないように、リムに対する薬液容器2’’および支持体3’’の高さを調整することができる。
【0066】
支持体3’’は、支持体3’’内に着脱可能に取り付けられる下部材73およびカバー部材4’’を備えており、下部材73の周壁32’’の外側に、カバー部材4’’の周壁41’’を嵌合することで、支持体3’’には、下部材73の上面部74(底壁)と、周壁32’’,41’’(側壁)と、カバー部材4’’の上面部40’’(上壁)とにより囲まれた緩衝室60’’が形成される。この緩衝室60’’は、調整機構6を構成し、連通孔(図示せず)および空気流通孔62’’とともに、上記した実施形態と同様の役割を果たす。
【0067】
下部材73の周壁32’’の上端部には、凹状に切り欠かれることで貫通穴76が形成されている。一方、カバー部材4’’の周壁41’’の上端部にも貫通穴77が形成されている。貫通穴76,77はともに対応する位置に形成されており、カバー部材4’’が下部材73を介して支持体3’’に装着されて、貫通穴76,77が一致することで、緩衝室60の側壁に水平方向を向く空気流通孔62’’が形成されている。なお、空気流通孔62’’が水平方向よりも下向き(斜め下向き)になるように、貫通穴76,77を形成してもよい。
【0068】
カバー部材4’’の側面には、上方に延びるレール部材75が取り付けられており、このレール部材75は、支柱72との間で、吊掛部材70を収容する空間を形成している。カバー部材4’’の上面部40’’の中央部には、薬液容器2’’の排出口21’’に接続され、薬液容器2’’内の薬液を外部へ排出させる排出部材42’’が設けられている。また、カバー部材4’’の周囲には、2つの空気流通孔62’’が、それぞれ設けられている。また、下部材73の上面部74の中央部には、円形の底孔34’’が形成されている。また、底孔34’’には、嵌合突部50’’設けられており、底穴34’’の周囲には、環状部35’’が立設されている。支持体3’’の側面部31’’には、フラッシュ時に便器内に供給された水が支持体3’’の内部へ浸入したときに、その水を外部へ排出するための開口33’’が形成されている。
【0069】
上記構成の薬液供給装置1’’は、次のように動作する。まず、薬液容器2’’から薬液が排出部材42’’に排出され、支持体3’’の底面部30’’上に供給される。そして、底面部30’’上に供給される薬液をフラッシュ時に便器内に供給される水によってさらうことで、便器内に薬液が供給される。なお、上記構成の薬液供給装置1’’は、底面部30’’上の薬液がフラッシュ時に便器内に供給される水に洗い流されることのない場合にも、経時的に薬液を吐出し、薬液容器2’’内の薬液を直接便器内に供給する機構を備えることもできる。
【0070】
この便器のリムに吊り掛けられて使用されるタイプの薬液供給装置1’’においても、フラッシュ時に便器内に水が勢いよく供給されたり、供給された水が便器内で飛び散ったりすると、薬液容器2’’の表面に水がかかり、そして、水が薬液容器2’’の表面に沿って流下して薬液容器2’’および支持体3’との嵌合部分Tまで伝わるおそれがある。この場合でも、空気流通孔62’’が、緩衝室60’’の上部を覆う上壁ではなく、緩衝室60’’の側壁に、水平方向または水平方向よりも下向きを向くように設けられているので、薬液容器2’’および支持体3’との嵌合部分Tから薬液容器2’’の下端面を伝って上方から支持体3’’内に水が浸入してきても、空気流通孔62’’から緩衝室60’’内に当該水が浸入することを防止できる。よって、緩衝室60’’内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0071】
また、空気流通孔62’’は、緩衝室60’’の側壁の上端部に設けられているため、フラッシュ時に供給された水が下方から支持体3’’内へ浸入した場合でも、水は側壁を乗り超えて空気流通孔62’’に到達し難く、その結果、空気流通孔62’’から緩衝室60’’内に浸入するのが防止される。よって、緩衝室60’’内に貯留された薬液が薄められることを防止できる。
【0072】
なお、カバー部材4’’に、上記した第1実施形態の囲繞壁43と同じように、空気流通孔62’’の上方を覆う庇部材を設けるようにしてもよい。これにより、薬液容器2’’と支持体3’’との嵌合部分Tから薬液容器2’’の下端面を伝って上方から支持体3’’内に浸入する水が空気流通孔62’’に到達するのを確実に阻止することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 薬液供給装置
2 薬液容器
4 カバー部材
6 調整機構
32 第1の周壁
41 第2の周壁
60 緩衝室
61 連通孔
63 貫通穴
64 スリット
62 空気流通孔
21 排出口
42 排出部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液が内部に収容されるとともに薬液の排出口を有する薬液容器と、前記薬液容器が着脱可能に取り付けられる支持体とを備えており、
前記支持体は、前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へ排出させる排出部材と、
前記薬液容器内から外部へ排出される薬液の量を調整する調整機構とを備え、
前記調整機構は、底壁、上壁および側壁に囲まれ、前記排出部材と仕切られ、薬液が貯留される空間を有する緩衝室と、
前記薬液容器内から外部へ排出される薬液を前記緩衝室へ導入可能な少なくとも1つの連通孔と、
前記緩衝室に空気を流入可能な少なくとも1つの空気流通孔とを備え、
前記空気流通孔は、前記緩衝室の前記側壁に設けられている薬液供給装置。
【請求項2】
前記空気流通孔は、前記側壁の上端部に設けられている請求項1に記載の薬液供給装置。
【請求項3】
前記緩衝室は、前記支持体に設けられる下部部材と、前記下部部材に上方から嵌合するカバー部材とにより形成され、
前記下部部材は、前記底壁および前記底壁上に立設された第1の周壁を備え、前記カバー部材は、前記上壁および前記上壁から垂下する第2の周壁を備え、前記第2の周壁が前記第1の周壁の内側または外側に嵌合することで前記第1、第2の周壁により前記側壁が形成されており、
前記空気流通孔は、前記第1、第2の周壁を貫通して形成されている請求項1または2に記載の薬液供給装置。
【請求項4】
前記第2の周壁は、前記第1の周壁の内側に嵌合しており、
前記空気流通孔は、前記第2の周壁に設けられた上下方向に延びるスリットまたは貫通穴と、前記第1の周壁の前記スリットまたは前記貫通穴に対応する位置に設けられたスリットまたは貫通穴とにより形成されている請求項3に記載の薬液供給装置。
【請求項5】
前記空気流通孔の上方を覆う庇部材をさらに備えている請求項1〜4のいずれかに記載の薬液供給装置。
【請求項6】
前記支持体は、平面視において、第1の方向の長さがこれと直交する第2の方向の長さよりも長い外形を有しており、
前記空気流通孔は、前記第1の方向を向く位置に設けられている請求項1〜5のいずれかに記載の薬液供給装置。
【請求項1】
薬液が内部に収容されるとともに薬液の排出口を有する薬液容器と、前記薬液容器が着脱可能に取り付けられる支持体とを備えており、
前記支持体は、前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へ排出させる排出部材と、
前記薬液容器内から外部へ排出される薬液の量を調整する調整機構とを備え、
前記調整機構は、底壁、上壁および側壁に囲まれ、前記排出部材と仕切られ、薬液が貯留される空間を有する緩衝室と、
前記薬液容器内から外部へ排出される薬液を前記緩衝室へ導入可能な少なくとも1つの連通孔と、
前記緩衝室に空気を流入可能な少なくとも1つの空気流通孔とを備え、
前記空気流通孔は、前記緩衝室の前記側壁に設けられている薬液供給装置。
【請求項2】
前記空気流通孔は、前記側壁の上端部に設けられている請求項1に記載の薬液供給装置。
【請求項3】
前記緩衝室は、前記支持体に設けられる下部部材と、前記下部部材に上方から嵌合するカバー部材とにより形成され、
前記下部部材は、前記底壁および前記底壁上に立設された第1の周壁を備え、前記カバー部材は、前記上壁および前記上壁から垂下する第2の周壁を備え、前記第2の周壁が前記第1の周壁の内側または外側に嵌合することで前記第1、第2の周壁により前記側壁が形成されており、
前記空気流通孔は、前記第1、第2の周壁を貫通して形成されている請求項1または2に記載の薬液供給装置。
【請求項4】
前記第2の周壁は、前記第1の周壁の内側に嵌合しており、
前記空気流通孔は、前記第2の周壁に設けられた上下方向に延びるスリットまたは貫通穴と、前記第1の周壁の前記スリットまたは前記貫通穴に対応する位置に設けられたスリットまたは貫通穴とにより形成されている請求項3に記載の薬液供給装置。
【請求項5】
前記空気流通孔の上方を覆う庇部材をさらに備えている請求項1〜4のいずれかに記載の薬液供給装置。
【請求項6】
前記支持体は、平面視において、第1の方向の長さがこれと直交する第2の方向の長さよりも長い外形を有しており、
前記空気流通孔は、前記第1の方向を向く位置に設けられている請求項1〜5のいずれかに記載の薬液供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図21】
【図22】
【図2】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−79493(P2013−79493A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218778(P2011−218778)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【Fターム(参考)】
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