説明

薬液処理方法及び薬液処理装置

【課題】実施形態によれば、溶解生成物の凝集を抑制できる薬液処理方法及び薬液処理装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、薬液処理方法は、被処理膜が形成された基板上に薬液を供給する工程を備える。また、薬液処理方法は、薬液が供給された基板上に第1のリンス液を供給しつつ、基板上における薬液と第1のリンス液との混合液を吸引して、被処理膜が薬液に溶解して生じ混合液中に含まれるパーティクルのサイズ及び数を測定する工程を備える。また、薬液処理方法は、測定の結果に基づいたタイミングで、第1のリンス液の供給を停止して基板上に第2のリンス液を供給する工程を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、薬液処理方法及び薬液処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばレジストの現像処理において、レジストが現像液に溶解して生じたパーティクルが凝集し、被加工膜やレジストパターンに付着するとパターン欠陥につながり得る。
【0003】
また、ゼータ電位の測定結果から、パーティクルが凝集しにくいように溶液のpHを制御するという提案がある。しかしながら、ゼータ電位は一般には電気泳動法を用いて測定される。そのため、被加工膜が金属膜の場合、電気泳動により金属膜は溶解してしまうため、ゼータ電位が測定できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−257830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施形態によれば、溶解生成物の凝集を抑制できる薬液処理方法及び薬液処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、薬液処理方法は、被処理膜が形成された基板上に薬液を供給する工程を備える。また、実施形態によれば、薬液処理方法は、前記薬液が供給された基板上に第1のリンス液を供給しつつ、前記基板上における前記薬液と前記第1のリンス液との混合液を吸引して、前記被処理膜が前記薬液に溶解して生じ前記混合液中に含まれるパーティクルのサイズ及び数を測定する工程を備える。また、実施形態によれば、薬液処理方法は、前記測定の結果に基づいたタイミングで、前記第1のリンス液の供給を停止して前記基板上に第2のリンス液を供給する工程を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態の薬液処理装置の構成を示すブロック図。
【図2】第1実施形態の薬液処理方法を示す模式断面図。
【図3】第1実施形態におけるパーティクル測定結果を表すグラフ。
【図4】比較例におけるパーティクル測定結果を表すグラフ。
【図5】第2実施形態のノズルユニットの模式平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。なお、各図面中、同じ要素には同じ符号を付している。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の薬液処理装置の構成を示すブロック図である。
【0010】
第1実施形態の薬液処理装置は、ノズルユニット20を有する。ノズルユニット20は、図2(b)に示す吐出ノズル21、図2(c)に示す吐出ノズル22と吸引ノズル23、および図2(d)に示す吐出ノズル24を有する。
【0011】
吐出ノズル22、24は、配管52を通じてリンス液供給装置50に接続されている。リンス液供給装置50は、例えば液圧ポンプを含み、タンク51に貯留されたリンス液を吸い込んで吐出ノズル22、24に供給する。
【0012】
吐出ノズル21も、例えば液圧ポンプを含む図示しない薬液供給装置に配管を通じて接続され、その薬液供給装置は薬液タンクに貯留された薬液を吸い込んで吐出ノズル21に供給する。
【0013】
吸引ノズル23は、配管33を通じてパーティクル測定装置30に接続されている。パーティクル測定装置30は、パーティクルカウンター31と液圧ポンプ32とを含む。
【0014】
パーティクルカウンター31の測定結果は、電気信号として制御装置40に出力される。制御装置40は、パーティクルカウンター31の測定結果に基づいて、リンス液供給装置50を制御する。
【0015】
次に、図2(a)〜図2(d)を参照して、第1実施形態の薬液処理方法について説明する。例えば、被処理膜としてレジスト膜13の現像及びリンス処理を一例に挙げて説明する。
【0016】
図2(a)は、例えば、パターニング前のフォトマスク10を表す。このフォトマスク10は、図1に示す例えばスピンチャック60に保持される。
【0017】
フォトマスク10は、基板11の表面に、遮光膜あるいは反射膜などの被加工膜12が形成された構造を有する。被加工膜12上には、レジスト膜13が塗布される。そのレジスト膜13に対しては、例えば電子ビームでパターンが描画される。その後、PEB(Post Exposure Baking)が行われ、レジスト膜13にパターン潜像が形成される。
【0018】
次に、図2(b)に示すように、レジスト膜13の上方に位置する吐出ノズル21から、薬液として現像液100がレジスト膜13に向けて吐出される。このとき、フォトマスク10はスピンチャック60とともに回転しており、現像液100はレジスト膜13の全面に広がる。
【0019】
現像液100は、pH(potential Hydrogen)が7よりも大きく、例えばpHが約13のアルカリ性である。
【0020】
レジスト膜13における、電子ビームの照射部または未照射部が選択的に現像液100に溶解する。図2(b)及び(c)において、レジスト膜13の溶解により生じた溶解生成物のパーティクル13aを模式的に表す。
【0021】
フォトマスク10の表面上には現像液100のパドル(puddle)が形成され、所定の現像時間の経過後、その現像液100のパドルに対して、第1のリンス液101を供給する。
【0022】
図2(c)に示すように、フォトマスク10の上方に位置する吐出ノズル22から、第1のリンス液101が現像液100のパドルに向けて吐出される。このとき、フォトマスク10はスピンチャック60とともに回転している。
【0023】
第1のリンス液101のpHは7よりも大きく、第1のリンス液101はアルカリ性であるが、第1のリンス液101のpHは、現像液100のpHよりは小さい。
【0024】
第1のリンス液101の供給中、図1に示すポンプ32の駆動により、吸引ノズル23から、フォトマスク10上における現像液100と第1のリンス液101との混合液102が吸引される。この混合液102には、レジスト膜13が現像液100に溶解して生じたパーティクル13aが含まれる。したがって、吸引ノズル23からは、混合液102中に含まれるパーティクル13aも混合液102とともに吸引される。
【0025】
吸引ノズル23はパーティクルカウンター31につながっており、パーティクルカウンター31は、吸引ノズル23によって吸引された混合液102中のパーティクル13aの大きさ及び数を測定する。
【0026】
そして、制御装置40は、パーティクルカウンター31の測定結果に基づいて、リンス液供給装置50を制御する。制御装置40は、パーティクルカウンター31の測定結果に基づいて、フォトマスク10上に供給されるリンス液を、第1のリンス液101から第2のリンス液103へと切り替える。
【0027】
図2(d)に示すように、フォトマスク10の上方に位置する吐出ノズル24から、第2のリンス液103がフォトマスク10の表面に吐出される。このとき、フォトマスク10はスピンチャック60とともに回転している。
【0028】
第2のリンス液103は、pHが7もしくはその近傍の中性であり、第1のリンス液101よりもpHが小さい。例えば、第2のリンス液103は、COあるいはNHを含む比抵抗制御された純水である。
【0029】
この第2のリンス液103による洗浄処理によって、フォトマスク10の表面上から、レジストパターンの溶解や欠陥の原因となり得るアルカリ成分が除去される。
【0030】
第2のリンス液103による洗浄処理の後、スピンチャック60とともにフォトマスク10を回転させて、乾燥処理が行われる。
【0031】
現像反応を停止させる際、通常、pHが約7のリンス液が、アルカリ性の現像液のパドルに対して供給される(比較例とする)。この場合、リンス液の供給直後、基板上における液(現像液とリンス液との混合液)のpHが大きく変化する。すなわち、上記混合液のpHが急に小さくなる。レジスト膜が現像液に溶解して生じたパーティクルを含む混合液の段階でpHが小さくなると、パーティクルが凝集しやすくなる。この結果、パターン欠陥を誘起するサイズのパーティクルが下地表面に付着しやすくなる。
【0032】
図4(a)及び(b)は、上記比較例のリンス処理時における混合液中のパーティクル数の時系列変化を表す。横軸はリンス処理開始からの時間を表し、縦軸は混合液中における単位容積あたりのパーティクルの数(カウント数)を表す。
【0033】
図4(a)はサイズAのパーティクルのカウント数の時系列変化を表し、図4(b)はサイズBのパーティクルのカウント数の時系列変化を表す。サイズAはサイズBよりも小さい。サイズAは、レジストパターンをマスクにして加工された下層の被加工膜パターンにとって欠陥とはならないパーティクルサイズの代表値であり、サイズBは、被加工膜パターンにとって欠陥となるパーティクルサイズの代表値である。
【0034】
図4(a)に示すように、サイズAのパーティクルは、リンス液の供給開始直後、ある数にまで徐々に減少し、その後はほとんど増減しない。
【0035】
また、図4(b)に示すように、サイズBのパーティクルは、リンス液の供給開始直後、瞬間的に大きく増加してしまう。これは、リンス液の供給開始直後に、パーティクルの凝集が進んでいることに起因する。瞬間的であってもサイズBのパーティクルが増大すると、サイズBのパーティクルのレジストや下地への付着率が高まり、結果として、マスクパターンにおける欠陥発生率の増大につながり得る。
【0036】
これに対して、本実施形態では、第1のリンス液101の供給開始から第2のリンス液103の供給に切り替えるまでの間、現像液100と第1のリンス液101との混合液102を吸引ノズル23から吸引し、その混合液102中に含まれるパーティクルのサイズ及び数を時系列で測定している。これにより、混合液102中のパーティクルの凝集状態を第1のリンス処理中に検知することが可能となる。
【0037】
そして、パーティクル測定結果に基づいたタイミングで、第1のリンス液101の供給を停止して、第2のリンス液103に切り替える。
【0038】
図3(a)及び(b)は、実施形態における混合液102中のパーティクル数の時系列変化を表す。横軸は第1のリンス処理開始からの時間を表し、縦軸は混合液102中における単位容積あたりのパーティクルの数(カウント数)を表す。
【0039】
図3(a)はサイズAのパーティクルのカウント数の時系列変化を表し、図3(b)はサイズBのパーティクルのカウント数の時系列変化を表す。サイズAはサイズBよりも小さい。サイズAは、レジストパターンをマスクにして加工された下層の被加工膜パターンにとって欠陥とはならないパーティクルサイズの代表値であり、サイズBは、被加工膜パターンにとって欠陥となるパーティクルサイズの代表値である。
【0040】
第1のリンス液101による第1のリンス処理により、サイズAのパーティクルはフォトマスク10の表面上から外部へと流され、図3(a)に示すように、徐々に数が減っていく。そして、本実施形態では、サイズAのパーティクルがある数にまで減少した時t以降に、第1のリンス液101から第2のリンス液103に切り替える。
【0041】
本実施形態では、アルカリ性の現像液100から急に中性のリンス液に切り替えるのではなく、現像液100のpHと、中性の第2のリンス液103のpHとの中間のpHを有する第1のリンス液101を現像液100のパドルに対して供給する。これにより、現像液100と第1のリンス液101との混合液102におけるpHの急な変化を緩和でき、パーティクルの凝集を抑制できる。
【0042】
また、サイズBのパーティクルが発生する一因は、これよりもサイズが小さいサイズAのパーティクルが凝集することである。そこで、本実施形態では、前述したように、混合液102中におけるサイズAのパーティクルが十分に減少した時t以降に、中性の第2のリンス液103をフォトマスク10上に供給する。
【0043】
したがって、フォトマスク10の表面上に、パーティクルの凝集が生じやすい、よりpHの小さい第2のリンス液103が供給されても、サイズAのパーティクルの数は少なくなっているため、それらの凝集によるサイズBのパーティクルの増大を抑えることができる。
【0044】
図3(b)に示すように、第1のリンス処理中、サイズBのパーティクルの数はほとんど変わっていないことから、第1のリンス処理中のパーティクルの凝集が抑制されていることがわかる。
【0045】
本実施形態では、現像液100と第1のリンス液101との混合液102中のパーティクルのサイズ及び数を測定することで、リンス処理中にパーティクルの凝集が起きているか否かの判断ができる。
【0046】
したがって、そのパーティクルの測定結果に基づいて、第1のリンス液101の供給中に、第1のリンス液101の供給条件を制御するようにしてもよい。
【0047】
例えば、第1のリンス液101の供給中にパーティクルの凝集が生じている測定結果が得られた場合には、パーティクルの凝集を抑制するべく、第1のリンス液101のpH、流量、温度、供給時間などを変えることもできる。
【0048】
あるいは、パーティクルの測定結果に基づいて、第1のリンス液101を連続的に供給するか、段階的に供給するかを選択して、パーティクル凝集を抑制することも可能である。また、混合液102のpHが一定になるように第1のリンス液101の供給条件を制御することで、混合液102中でのパーティクルの凝集を安定的に抑制することが可能となる。
【0049】
また、実施形態では、第1のリンス処理の最中に適切なリンス条件に制御することができ、レジストや下地が変わるごとにリンス条件を設定し直す必要はなく、種々の現像及びリンス条件に柔軟に対応できる。
【0050】
(第2実施形態)
次に、図5は、第2実施形態のノズルユニット70を表す。図5は、ノズルユニット70におけるフォトマスク10に対して対向される対向面70aを表す。
【0051】
ノズルユニット70は、フォトマスク10に対して、白抜き矢印で示される方向Yに相対的に直線移動される。
【0052】
対向面70aには、ノズルユニット70の移動方向Yの前方側から順に、吐出口71、吸引口72、吐出口73、吸引口74、吐出口75、吸引口76および吐出口77が開口されている。
【0053】
吐出口71、吸引口72、吐出口73、吸引口74、吐出口75、吸引口76および吐出口77は、移動方向Yに対して直交する方向Xに延びるスリット状に形成され、フォトマスク10における方向Xの一辺の長さと略等しい長さを有する。
【0054】
吐出口73は、薬液吐出口であり、薬液として現像液を吐出する。対向面70aの面内で吐出口73を方向Yに挟んで、一対の吸引口72、74が設けられている。
【0055】
吐出口75は、第1のリンス液吐出口であり、第1のリンス液を吐出する。吐出口71及び吐出口77は、第2のリンス液吐出口であり、第2のリンス液を吐出する。対向面70aの面内で吐出口75を方向Yに挟んで、一対の吸引口74、76が設けられている。
【0056】
現像液、第1のリンス液、および第2のリンス液は、第1実施形態とおなじものを用いることができる。
【0057】
フォトマスク10に対するノズルユニット70の方向Yへの相対移動により、フォトマスク10の被処理面(図5において紙面裏側の面)は、まず、吐出口71から吐出される中性の第2のリンス液によってプリウェット処理される。吐出口71から吐出された第2のリンス液は、吸引口72に吸引される。したがって、第2のリンス液の広がりは、吐出口71と吸引口72との間の領域が対向する部分に制限される。
【0058】
プリウェット処理された領域は、次に、吐出口73から吐出される現像液によって現像処理される。吐出口73から吐出された現像液は、吸引口72及び74に吸引される。したがって、現像液の広がりは、間に吐出口73を挟んだ一対の吸引口72及び74の間の領域が対向する部分に制限される。
【0059】
現像処理された領域は、次に、吐出口75から吐出される第1のリンス液によって第1のリンス処理される。吐出口75から吐出された第1のリンス液は、吸引口74及び76に吸引される。したがって、第1のリンス液の広がりは、間に吐出口75を挟んだ一対の吸引口74及び76の間の領域が対向する部分に制限される。
【0060】
第1のリンス処理された領域は、次に、吐出口77から吐出される第2のリンス液によって第2のリンス処理される。吐出口77から吐出された第2のリンス液は、吸引口76に吸引される。したがって、第2のリンス液の広がりは、吸引口76と吐出口77との間の領域が対向する部分に制限される。
【0061】
現像処理中及び第1のリンス処理中に生じたレジスト膜の溶解に起因するパーティクルは、現像液及び第1のリンス液との混合液とともに吸引口74及び76から吸引され、フォトマスク10の被処理面上から除去される。
【0062】
吸引口74にパーティクルカウンターを接続して、吸引口74から吸引されたパーティクルのサイズ及び数を測定したところ、パターン欠陥を誘起するサイズBのパーティクルはほとんど測定されなかった。すなわち、被処理面上が現像液から第1のリンス液に置換される過程において、レジスト溶解物の凝集が生じていないことがわかる。
【0063】
また、吸引口76にパーティクルカウンターを接続して、吸引口74から吸引されたパーティクルのサイズ及び数を測定したところ、サイズAのパーティクルはわずかであり、サイズBのパーティクルはほとんど測定されなかった。この結果より、現像液の吐出口73と第1のリンス液の吐出口75との間にある吸引口74から、レジスト溶解物はほとんどが吸引され、第2のリンス液でリンス処理される際には、被処理面上から除去されていることがわかる。
【0064】
第2実施形態のノズルユニット70を用いた前述の処理を経て得られたマスクパターンの検査を行ったところ、欠陥密度が0.03個/cmであり、第2実施形態のノズルユニット70が、パターン欠陥の低減に有効であることが確認できた。
【0065】
なお、第1実施形態において、ノズルユニット20の代わりに、第2実施形態のノズルユニット70を用いてもよい。
【0066】
すなわち、少なくとも吸引口74にパーティクルカウンターを接続し、ノズルユニット70による現像及びリンス処理中に、パーティクルの測定結果に基づいて、第1のリンス液の供給条件や、第2のリンス処理へ移るタイミングなどを制御するようにしてもよい。ノズルユニット70の移動速度の制御により、第2のリンス処理に移るタイミングを制御できる。
【0067】
なお、現像及びリンス処理の対象は、フォトマスクに限らず、半導体ウェーハ、液晶パネル、太陽電池パネルなどであってもよい。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
13…レジスト膜、13a…パーティクル、20,70…ノズルユニット、21,22,24…吐出ノズル、23…吸引ノズル、30…パーティクル測定装置、40…制御装置、71,73,75,77…吐出口、72,74,76…吸引口、100…現像液、101…第1のリンス液、102…混合液、103…第2のリンス液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理膜が形成された基板上に薬液を供給する工程と、
前記薬液が供給された基板上に第1のリンス液を供給しつつ、前記基板上における前記薬液と前記第1のリンス液との混合液を吸引して、前記被処理膜が前記薬液に溶解して生じ前記混合液中に含まれるパーティクルのサイズ及び数を測定する工程と、
前記測定の結果に基づいたタイミングで、前記第1のリンス液の供給を停止して前記基板上に第2のリンス液を供給する工程と、
を備えた薬液処理方法。
【請求項2】
前記測定の結果に基づいて、前記第1のリンス液の供給中に、前記第1のリンス液の供給条件を制御する請求項1記載の薬液処理方法。
【請求項3】
前記薬液は、pHが7よりも大きいアルカリ性であり、
前記第2のリンス液は、pHが7もしくはその近傍の中性であり、
前記第1のリンス液のpHは、前記第2のリンス液のpHよりも大きく且つ前記薬液のpHよりも小さい請求項1または2に記載の薬液処理方法。
【請求項4】
被処理膜が形成された基板上に薬液、第1のリンス液および第2のリンス液を供給するノズルユニットと、
前記基板上における前記薬液と前記第1のリンス液との混合液を吸引して、前記被処理膜が前記薬液に溶解して生じ前記混合液中に含まれるパーティクルのサイズ及び数を測定するパーティクル測定装置と、
前記パーティクル測定装置の測定結果に基づいて、前記基板上に供給されるリンス液を前記第1のリンス液から前記第2のリンス液へと切り替える制御装置と、
を備えた薬液処理装置。
【請求項5】
被処理膜が形成された基板上に薬液、第1のリンス液および第2のリンス液を供給するノズルユニットであって、前記基板に対して相対移動されるノズルユニットを備え、
前記ノズルユニットは、
前記基板に対する対向面に設けられ、前記薬液を吐出し、前記ノズルユニットの移動方向に対して直交する方向に延びるスリット状の薬液吐出口と、
前記対向面における、前記薬液吐出口よりも前記移動方向の後方側に設けられ、前記第1のリンス液を吐出し、前記移動方向に対して直交する方向に延びるスリット状の第1のリンス液吐出口と、
前記対向面における、前記第1のリンス液吐出口よりも前記移動方向の後方側に設けられ、前記第2のリンス液を吐出し、前記移動方向に対して直交する方向に延びるスリット状の第2のリンス液吐出口と、
前記対向面の面内で前記薬液吐出口を挟んで設けられ、前記薬液を吸引し、前記移動方向に対して直交する方向に延びるスリット状の一対の第1の吸引口と、
前記対向面の面内で前記第1のリンス液吐出口を挟んで設けられ、前記薬液と前記第1のリンス液との混合液を吸引し、前記移動方向に対して直交する方向に延びるスリット状の一対の第2の吸引口と、
を有する薬液処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−69840(P2013−69840A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207057(P2011−207057)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】