説明

薬液噴霧器

【課題】果樹等の局所に薬液を噴霧する際に余剰な薬液を回収して再利用が可能であり、軽量でかつシンプルな薬液噴霧器を提供する。
【解決手段】薬液8を収容する容器部2と、この容器部2に収容される薬液8を噴霧する噴霧部3,5と、この噴霧部3,5から噴霧された薬液8を回収して容器部2に還流させる回収還流部4とを有し、噴霧部3,5は、容器部2内に収容される薬液8をヘッダー3のノズル19に送給する供給管5を備え、回収還流部4は、漏斗体6と,この漏斗体6の外縁6aに立設又は延設される薬液受け部7とから成り、漏斗体6は、容器部2の第1の上部開口に挿設され、噴霧部3,5は容器部2の第2の上部開口に挿設されることを特徴とする薬液噴霧器1Aによる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、果樹等の局所に薬液を噴霧する際に余剰な薬液を回収してその再利用可能にするとともに、軽量でかつシンプルな薬液噴霧器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種なしブドウを生産するには、開花中の幼房にジベレリン(ジベレリン溶液)を散布するジベレリン処理を行うことが有効であることが知られている。
その一方で、ジベレリンは高価な薬剤であるため、生産コストの削減には、ぶどうの幼房への薬剤(ジベレリン溶液)の散布量を最小限度にするとともに、使用済の薬剤を回収して再利用することが望ましい。
このような課題に対処するためのいくつかの発明が開示されている。
【0003】
特許文献1には「ジベレリン処理器」という名称で、ジベレリン等の薬液を葡萄の果房等に供給するジベレリン処理器に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示されるジベレリン処理器は、文献中の符号をそのまま用いて説明すると、カップ部5内に収容した果房に薬液を供給するノズル部6を有した処理部7と、タンク部2内に収容した薬液を供給管12を介しノズル部6に送出する薬液送給装置4と、カップ部5内に供給された薬液をタンク部2内に返流する返送管19とからなるジベレリン処理器であり、前記カップ部5の下部に筒状のジョイント部36aを形成すると共に、返送管19を内挿した把持部11の上部に、該返送管19と連通し上記カップ部5のジョイント部36aを螺挿するジョイント部36bを形成し、カップ部5をネジ部36aを介し把持部11に着脱可能に構成したことを特徴とするものである。
上記構成の特許文献1に開示される発明によれば、一つの把持部に対し数種のカップ部を共通のジョイント部を介し着脱することにより、廉価な構成によって簡単に切り換えて使用することができる。従って、葡萄の果房を1次ジベレリン処理及び2次ジベレリン処理をする際の、カップ部の交換に伴う作業を簡単にすることができると共に、該カップ部を既存のペットボトルで簡単に製作することができる等の利点もある。また、供給管の露出を少なくした状態で支持部内に内挿し、作業時に柄を把持し易くすると共に、供給管と枝葉等との接触を防止したジベレリン処理作業等を行うことができる。タンク部内でフィルターを充分な容量と密目にすることができ、花粉類を含有して返流される薬液を濾過すると共に、給液ポンプに大きな負担をかけることのない使用を可能にしながら、フィルターの交換を低減することができる。
【0004】
特許文献2には「噴霧装置における余剰液回収装置」という名称で、ジベレリン溶液をぶどうに散布する噴霧装置に関し、散布された余剰液を有効に回収する装置を備えた噴霧装置に関する考案が開示されている。
特許文献2に開示される余剰液回収装置は、一部を開口したカップに内側に向けて少なくとも1つの噴霧ノズルを配設し、該ノズルを溶液供給パイプに連通すると共に、前記カップの底部に溶液回収パイプを連通し、前記供給パイプ内を溶液に圧力を付加して流過するようにした噴霧装置において、前記供給パイプと回収パイプとを小径のスリットで互いに連通し該スリットを回収パイプ内の流体の流過方向に対して形成してなることを特徴とするものである。
上述のような特許文献2に開示される考案によれば、供給パイプと回収パイプとをスリットで連通して供給パイプ内を減圧し、その圧力降下によってカップ内の余剰液を吸引するようにしてあるので、回収効率が極めて良く、しかも、かかる吸引作用は噴霧中継続されているので回収効果が優れている。またカップの底に多孔質の目詰まり防止板を配設して回収パイプの開口部を被覆すれば、塵芥やぶどうの茎等を濾してからこれらが回収パイプ内に流入するのを防止できるので回収パイプが目詰まりを起こして回収不能となる恐れがないという効果が得られる。
【0005】
特許文献3には、「噴霧回収装置付ジベレリン液剤噴霧器」という名称で、無核ぶどうを作るためジベレリン液剤をぶどうの着果枝に噴霧するとともに余分の噴霧液を同時に回収できる装置に関する考案が開示されている。
特許文献3に開示される噴霧回収装置付ジベレリン液剤噴霧器は、文献中に示される符号をそのまま用いて説明すると、文献に示す如く下端に液剤導入用ホースの連結部2を有する中空の把手1の上部に弁管体3を取り付け、該弁管体の内部に傾斜させて弁4を設け、該弁を開閉するレバー15を弁管体の上部側面に框着し、弁管体の上に先端密閉の曲がり管体17を取り付け、該曲り管体の先に両端密閉の半円形状に湾曲させたパイプ19を固定挿通し、該パイプの両端内側に夫々噴霧ノズルの基台20及び20を相対立して取付け該基台に噴霧ノズル21及び21を夫々螺着対立させると共に噴霧受板22及び22を夫々基台と噴霧ノズルとの間に挟み取付けて相対立させ、噴霧受板22及び22の下端内側に樋23及び23をそれぞれ傾斜させて取付け、該樋の下端部にポリエチレンチューブ24及び24を夫々取付け、該チューブの下端をY字パイプ25に連結してなることを特徴とするものである。
上述のような特許文献3に開示される考案によれば、噴霧量の約3分の2の薬液を回収することができる。また、薬液を満たした容器中にぶどうの幼房を浸漬する場合に比べて、薬剤の散布時間を大幅に削減することができる。また、ぶどうの無核化への効果については、幼房を薬液中に浸漬処理する場合と同等にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−250347号公報
【特許文献2】実公昭49−18209号公報
【特許文献3】実公昭49−17380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1に開示される発明の場合、薬液(ジベレリン溶液)の供給及び回収(吸引)を、動力を用いて行う必要があり、装置が大型化するだけでなく、この装置を導入するためのコストも嵩むという課題があった。
また、ノズル部6がカップ部5内に固定されており、カップ部5とノズル部6の相対的な距離や配置に対する自由度に欠けており、例えば葡萄の果房のジベレリンの掛け残しの部分に集中的に噴霧するような場合には不便で作業性が悪いという課題があった。
【0008】
特許文献2に開示される考案の場合は、手動で薬液を噴霧することができるものの、薬液が収容されているタンクと噴霧ノズルまでが長い溶液供給パイプと溶液回収パイプとによりつながれているため、溶液供給パイプと溶液回収パイプが届く範囲内でしか移動することができず、薬液の噴霧作業の作業効率を向上し難いという課題があった。
また、溶液供給パイプ及び溶液回収パイプが届かない範囲に移動する際には、タンクを持って移動しなければならず、作業者の肉体への負担が大きいという課題もあった。
さらに、特許文献2に開示される考案の場合、何らかの原因で回収される薬液に液体状の混入物が入った場合には、タンク内の薬液の全てに影響が及んでしまうため、タンク内に収容される全ての薬液が台無しになるおそれもあった。
なお、この特許文献2に開示される発明においても特許文献1に開示される発明と同様に、噴霧ノズル16はカツプ15の内側に固定されており、それらの相対的な距離や配置に対する自由度は小さく、作業性が悪いという課題もあった。
【0009】
特許文献3に開示される考案の場合も、手動で薬液を噴霧することができるものの、噴霧ノズルと噴霧受板を一体に構成しているために、装置の構造が複雑になってしまい装置を廉価に提供できないという課題があった。
また、特許文献3に開示される考案の場合、使用時の傾け具合によっては、薬液を効率良く回収できない場合もあるため、作業者は噴霧作業時に装置の姿勢に気を配る必要があり、作業効率を向上し難いという課題があった。
また、上述のような理由により、正常に垂下していないぶどうの幼房には薬液を散布しづらいという課題もあった。
さらに、この特許文献3に開示される発明においても特許文献1や2に開示される発明と同様に、噴霧ノズル21,21’は噴霧受板22,22’の内側に固定されており、それらの相対的な距離や配置に対する自由度はやはり小さく、作業性が悪いという課題もあった。
【0010】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、薬液を噴霧した際の余剰な薬液を効率良く回収して再利用することができ、小型で携行容易であり、構造がシンプルで廉価に提供することができる薬液噴霧器を提供することにある。また、噴霧部が、噴霧された薬液を受ける薬液受け部との間の距離や配置を自由に調整し得る薬液噴霧器を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明である薬液噴霧器は、薬液を収容する容器部と、この容器部に収容される薬液を噴霧する噴霧部と、この噴霧部から噴霧された薬液を回収して容器部に還流させる回収還流部とを有し、噴霧部は、容器部内に収容される薬液を噴霧部のヘッダーに送給する供給管を備え、回収還流部は、漏斗体と,この漏斗体の外縁に立設又は延設される薬液受け部とから成り、漏斗体は、容器部の第1の上部開口に挿設され、噴霧部は容器部の第2の上部開口に挿設されることを特徴とするものである。
上記構成の請求項1記載の発明において、容器部は小分けされた薬液を一時収容するという作用を有する。また、噴霧部は容器部内の薬液をミスト状にして噴霧するという作用を有する。さらに、回収還流部は、噴霧部から噴霧された薬液のうち、被噴霧対象に付着しなかった余剰な薬液を受け止めて、集めて容器部内に導くという作用を有する。
また、供給管は容器部内の薬液を噴霧部のヘッダーに供給するという作用を有する。さらに、回収還流部における薬液受け部は、噴霧部から噴霧された薬液の余剰分を受け止めて漏斗体に導くという作用、並びに、被散布対象に付着しなかった余剰な薬液の飛散による散逸を妨げるという作用を有する。また、薬液受け部に延設される漏斗部は、余剰な薬液を集めて収容する容器として作用しつつ、集められた余剰な薬液を速やかに容器部に導出するという作用を有する。そして、漏斗体を容器部の第1の上部開口に挿設することで、漏斗体から容器部に余剰な薬液を導出させる際に、第1の上部開口から液漏れが生じるのを妨げるという作用を有する。
上述のような請求項1記載の発明では、薬液を一時収容するための容器部と、散布後の余剰な薬液を受け止めて回収する回収還流部とを直結させることで、薬液噴霧器全体を携行可能なコンパクトなサイズにするという作用を有する。
また、薬液受け部と噴霧部をそれぞれ独立した構成として設けるとともに、これらの間に被噴霧対象を配置して薬液を噴霧するという形態を採用することで、請求項1に記載の薬液噴霧器を大きく傾けて使用した場合でも、余剰な薬液を効率良く回収するという作用を有する。加えて、回収還流部に漏斗体を用いることで、薬液噴霧器が大幅に傾いている場合でも、余剰な薬液の容器部への流し込みを容易にするという作用を有する。
【0012】
請求項2記載の発明である薬液噴霧器は、請求項1記載の薬液噴霧器であって、薬液受け部は、透光材であることを特徴とするものである。
上記構成の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同じ作用に加えて、薬液受け部が透光材により構成されることで、作業者の視線が薬液受け部により遮られている場合であっても、被噴霧対象への薬液の散布状況の目視による確認を可能にするという作用を有する。
【0013】
請求項3記載の発明である薬液噴霧器は、請求項1又は請求項2に記載の薬液噴霧器であって、噴霧部の供給管は、可撓性を有すると共に、容器部の第2の上部開口から延設されることを特徴とするものである。
上記構成の請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明と同じ作用に加えて、供給管が可撓性を有することで、噴霧部の位置が固定されないで、噴霧作業中に噴霧部と薬液受け部との相対的な距離や位置関係を自由に変更可能にするという作用を有する。
【0014】
請求項4記載の発明である薬液噴霧器は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の薬液噴霧器であって、容器部に漏斗体を着脱可能に固定するための固定構造を有することを特徴とするものである。
上記構成の請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載される発明と同じ作用に加えて、固定構造は容器部に漏斗体を着脱可能に固定するという作用を有する。
【0015】
請求項5記載の発明である薬液噴霧器は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の薬液噴霧器であって、漏斗体の側面に、噴霧部を着脱可能に係止させるための係止構造を有することを特徴とするものである。
上記構成の請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のそれぞれに記載される発明と同じ作用に加えて、係止構造は、漏斗体の側面に噴霧部を着脱可能に係止させるという作用を有する。
【0016】
請求項6記載の発明である薬液噴霧器は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の薬液噴霧器であって、容器部は、第1,第2の上部開口のそれぞれに、着脱可能な蓋体を備えることを特徴とするものである。
上記構成の請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のそれぞれに記載される発明と同じ作用に加えて、容器部の第1,第2の上部開口のそれぞれが着脱可能な蓋体を備えることで、容器部を余剰な薬液の一時的な保管容器として利用可能にするという作用を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1記載の発明によれば、軽量かつコンパクトでシンプルな構造でありながら、噴霧後の余剰な薬液を確実に回収して再利用するとともに、請求項1記載の薬液噴霧器を大きく傾けて使用した場合でもこの機能が損なわれ難い、作業性が高くて高機能な薬液噴霧器を提供することができる。
また、請求項1に係る薬液噴霧器では、噴霧部と回収還流部とが一体ではなく、別体により構成されているので、薬液噴霧器自体の構造がシンプルになり、この結果、高品質な薬液噴霧器を廉価に提供することができる。
さらに、請求項1に記載の発明の場合、薬液を小分けにして携行することができるので、使用中の薬液に何らかの混入物が入って使用できなくなってしまった場合でも、薬液の損失量を最小限度にすることができる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同じ効果に加えて、作業者は、被散布対象への薬液の散布状況を目視により確認しながら作業を行うことができるので、被散布対象への薬液の散布漏れ、すなわち、ジベレリン処理(無核化処理)失敗個所の発生を最小限度にすることができる。この結果、作業効率を高めながら高品質な農産物を生産することができる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は請求項2記載の発明と同じ効果に加えて、作業者は被噴霧対象の周囲の様々な位置に噴霧部を移動させることができるので、被噴霧対象の全周にわたって薬液を散布することができると同時に、散布残し箇所に対して集中的に散布することも可能である。これにより、薬液散布時に作業者は、被散布対象の全周に薬液を散布する際に、短時間で効率良く散布可能であり何度も大幅に姿勢を変更する必要がないので、作業者の肉体的負担を軽減することができる。この結果、薬液散布作業の作業効率を向上させることができる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載される発明と同じ効果に加えて、請求項4記載の薬液噴霧器を傾けて使用する際に、容器部から漏斗体が外れるのを防止することができる。
この結果、請求項4記載の薬液噴霧器の操作性を高めることができる。また、薬液を散布する際に、被散布対象に無理な力を加える必要がないので、被散布対象を損傷するおそれを低減することができる。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4のそれぞれに記載される発明と同じ効果に加えて、請求項5記載の不使用時の薬液噴霧装置の形態をコンパクトにすることができる。これにより、請求項5記載の薬液噴霧器の一時的な又は長期間の収納保管に必要なスペースを小さくすることができる。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、請求項1乃至請求項5のそれぞれに記載される発明と同じ効果に加えて、薬液散布作業が終了した後に残った薬液を、他の容器等に移すことなく請求項6記載の薬液噴霧器の容器部において保管することができる。
この結果、薬液の散布を再開する際は、余剰な薬液が保管されている容器部を薬液噴霧器の容器部として直ちに使用できるので、薬液散布後の薬液の一時保管時や,薬液を一時保管した後の薬液散布作業再開時における準備にかかる手間を省くことができる。
従って、薬液散布作業の作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例1に係る薬液噴霧器の全容を示す概念図である。
【図2】本発明の実施例1に係る薬液噴霧器の使用状態を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例1に係る薬液噴霧器の収納状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例1に係る薬液噴霧器の変形例を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施例2に係る薬液噴霧器の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態に係る薬液噴霧器について実施例1及び実施例2を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0025】
本発明の実施例1に係る薬液噴霧器について図1乃至図4を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施例1に係る薬液噴霧器の全容を示す概念図である。
本発明の実施例1に係る薬液噴霧器1Aは、大まかに説明すると、図1に示すように、上部に第1,第2の上部開口2a,2bを有する容器部2と、この第1の上部開口2aにその導出部6bが挿設されながら取り付けられる回収還流部4と、容器部2内に収容される図示しない薬液をミスト状に噴霧するための噴霧部とにより構成されている。この噴霧部は、ヘッダー3とこれに接続される供給管5により構成され、ヘッダー3のノズル19(噴霧口)に供給管5を通じて容器部2内の薬液が供給される仕組みになっている。
さらに、上述のような実施例1に係る薬液噴霧器1Aの回収還流部4は、外縁6aから導出口6cに向かって縮径する漏斗体6と、この漏斗体6の外縁6aに延設される湾曲板状の薬液受け部7とにより構成されている。
また、実施例1に係る薬液噴霧器1Aのヘッダー3に接続される供給管5は、容器部2の第2の上部開口2bに挿設され供給管5の下端部は容器部2の底に達していて、容器部2内に収容される薬液の量が少ない場合でもヘッダー3への薬液の供給が可能になっている。
【0026】
次に、図2を参照しながら上述のような実施例1に係る薬液噴霧器1Aの使用方法について説明する。図2は本発明の実施例1に係る薬液噴霧器の使用状態を示す断面図である。なお、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例1に係る薬液噴霧器1Aを用いて被散布対象であるぶどうの幼房10に薬液として、例えば、ジベレリン溶液を散布するには、図2に示すように、まず、容器部2内に薬液8(ジベレリン溶液)を入れてから、容器部2の第1の上部開口2aに、回収還流部4の漏斗体6の導出部6bを挿設して取付け、さらに、容器部2の第2の上部開口2bから容器部2の内部に、ヘッダー3に接続される供給管5の下端側を挿入してヘッダー3への薬液8の供給を可能な状態にする。
【0027】
この後、ぶどうの木の枝から延びるぶどうの幼房10を、回収還流部4の薬液受け部7とヘッダー3のノズル19の間である漏斗体6上に来るように配置してから、ヘッダー3を操作してノズル19から噴射されるミスト状の薬液8を幼房10に吹きつければよい。
この時、図2に示すように、ぶどうの幼房10に当たらなかった薬液8は、幼房10を挟んで,ヘッダー3のノズル19と対峙して設けられる薬液受け部7の表面において受け止められ、その表面上を流れて漏斗体6内に移動し、漏斗体6の導出部6bを通って導出口6cから容器部2内に還流される。
また、ぶどうの幼房10に吹きつけられた薬液8のうち、幼房10の表面に付着しきれなかった薬液8は、幼房10から滴り落ちて漏斗体6に流化し、漏斗体6の導出部6bを経て容器部2内に還流される。
【0028】
このように、本発明の実施例1に係る薬液噴霧器1Aによれば、必要量の薬液8を常時携行しながら被散布対象である,例えば,幼房10に薬液8を噴霧することができるとともに、余剰な薬液8を確実に回収して再利用することができる。このような実施例1に係る薬液噴霧器1Aでは、従来例のように、薬液8を一時収容するための容器部2と、薬液8を噴霧するための噴霧部とそれを備えたカップ部が長い管でつながれた形態になっておらず、容器部2に噴霧部3,5及び回収還流部4が短く接続した形態になっているので、装置自体が極めてコンパクトで軽量であり、携行が容易である。
加えて、実施例1に係る薬液噴霧器1Aでは、先に述べた従来例とは異なり、薬液8を噴霧するための噴霧部3,5と、噴霧されて余剰となった薬液8を受け止めて回収するための回収還流部4が一体ではなく、完全に分離された独立の構成として設けられているので、構造上も噴霧部3,5と回収還流部4とを一体に連結する必要がなく、これにより、実施例1に係る薬液噴霧器1Aの操作性・作業性の自由度が極めて高くなると同時に、製造が容易になっている。この結果、作業効率に優れる薬液噴霧器を廉価に提供することができる。
また、実施例1に係る薬液噴霧器1Aにおいて、回収還流部4の薬液受け部7と、ヘッダー3とは互いに独立して、これらが対向した配置になっているので、特に薬液受け部7を鉛直下方に配置した場合には、薬液受け部7がほぼ水平になっても被散布対象への薬液8の噴霧と余剰な薬液8の回収を行うことができる。
そして、実施例1に係る薬液噴霧器1Aは小型で軽量であり、しかも、従来例のように長い管体を備えるものではないので、作業者による薬液噴霧器1Aの姿勢を傾ける等の配置の変更が極めて容易である。このため、薬液8の散布時に、幼房10を支える茎を故意に曲げる必要が少なくなるので、薬液8の散布時にぶどうの幼房10を折り取ってしまうリスクを軽減することができる。
【0029】
再び、図1の説明に戻るが、実施例1に係る薬液噴霧器1Aにおいては、容器部2の第1の上部開口2a近傍に、第1の上部開口2aに向かって縮径する縮径部2cを設け、この縮径部2cの長さA(図1を参照)を、回収還流部4の漏斗体6の導出部6bの長さB(図1を参照)よりも短くしておくことで、漏斗体6の導出部6bが、容器部2の第1の上部開口2aに単に挿設されただけの状態であっても、回収還流部4を第1の上部開口2aから脱落し難くすることができる。
他方、上述のような縮径部2cや、この縮径部2cよりも長い導出部6bを備えない場合でも、容器部2に着脱可能に回収還流部4を固定することで、第1の上部開口2aからの回収還流部4の脱落を好適に防止することができる。
より具体的には、例えば、容器部2の外側面,及び,漏斗体6の側面にそれぞれ対をなすような突起状又はフック状の掛止部12を少なくとも2セット以上設け、容器部2の外側面に設けられる12と,漏斗体6の側面に設けられる掛止部12とを弾性体13である、例えば、ゴムバンドやつるまきバネ等でつなぐことにより、容器部2の第1の上部開口2aから回収還流部4が外れるのを好適に防止することができる。
また、容器部2の第1の上部開口2aから回収還流部4の外れを防止する他の方法としては、例えば、回収還流部4を構成する漏斗体6の導出部6bの外側面を、容器部2の第1の上部開口2aの内側面に螺設してもよいし、回収還流部4と,容器部2の第1の上部開口2aの間に弾性体からなるパッキンを介設して回収還流部4の外れを防止してもよい。
【0030】
なお、容器部2の第1の上部開口2aに回収還流部4を螺設したり、パッキンを介して容器部2の第1の上部開口2aに回収還流部4を取り付ける場合には、漏斗体6の導出部6bから容器部2内への薬液の還流が妨げられないよう、第1の上部開口2aと,回収還流部4との接続部分に通気口を設けておくとよい。また、漏斗体6の導出部6bが十分な直径を有する場合や、容器部2の第2の上部開口2bと供給管5の間に隙間が形成される場合には、通気口は必ずしも必要はない。
このように、容器部2に回収還流部4を着脱可能に固定することによる効果は、上述のような薬液8の散布作業時における薬液噴霧器1Aの安定性の向上だけでなく、薬液噴霧器1Aが分解可能となることで、そのメンテナンスを容易にすることもできる。すなわち、使用後に薬液噴霧器1Aを分解して隅々まで洗浄することができる。
さらに、例えば、複数種類のぶどうを生産する場合には、薬液8の被散布対象である幼房10の大きさが品種によってさまざまになるので、このような場合には、それぞれのぶどうの品種の幼房10の大きさに応じた回収還流部4をそれぞれ準備しておき、目的に応じて適切な大きさの回収還流部4に交換して用いることができる。従って、実施例1に係る薬液噴霧器1Aの汎用性を高めることができる。
他方、容器部2と回収還流部4とを一体に構成してもよい。この場合、容器部2から回収還流部4が外れるのを確実に防止することができる。さらに、この場合、回収還流部4における薬液受け部7を着脱可能にすることで、被散布対象の大きさに応じた薬液受け部7に交換することが可能になるので、薬液噴霧器1Aの汎用性を高めることができる。
【0031】
また、実施例1に係る薬液噴霧器1Aのヘッダー3は、例えば、図1に示すような把持部3bと操作部3aを備えて手動で駆動するタイプのヘッダー3であってもよいし、特に図示しないが、指で押圧部を押し下げて液体を噴射させるタイプでやはり手動で駆動するタイプの噴霧部であってもよい。また、ヘッダー3の駆動方法は、必ずしも手動である必要はなく、電池等により供給される電力で駆動する自動噴霧タイプのものでもよい。
前者の場合には、すなわち、ヘッダー3を手動で駆動させる場合には、実施例1に係る薬液噴霧器1Aをより廉価に提供できるというメリットが。他方、後者の場合には、すなわち、ヘッダー3を電力で駆動させる場合には、前者の場合に比べて製造コストはやや高くなるものの、長時間にわたって薬液8の散布作業を行う必要がある場合に、作業者の手にかかる負担を軽減することができるので、作業性を向上できるというメリットがある。
【0032】
さらに、実施例1に係る薬液噴霧器1Aにおいては、容器部2から導出されて裸出する供給管5の裸出部5aを、可撓性を有する材質により構成してもよい。
この場合、供給管5の裸出部5aの可撓性を利用して、図2に破線で示すように、ヘッダー3の位置を自在に変化させることができるので、被噴霧対象であるぶどうの幼房10の周囲の様々な方向から薬液8を噴霧することができる。
このように、余剰な薬液8を受け止める回収還流部4と、薬液を噴霧するヘッダー3とを完全に独立した構成として設け、かつ、ヘッダー3に接続される供給管5の少なくとも容器部2から裸出する部分を可撓性を有する材質により構成することで、作業者は体位を変えることなくヘッダー3の位置だけを変更することによって、薬液受け部7との相対的な距離や位置関係を変えつつ、被散布対象の周囲の様々な方向から薬液8を散布することが可能になる。
この場合、回収還流部4にヘッダー3を一体に備えた場合に比べて、作業者はより少ない動作で被散布対象であるぶどうの幼房10の全周に薬液8を散布することができると同時に散布残しの箇所に対して集中的に再度散布することも可能なので、薬液8の散布作業の作業効率を向上させることができる。
なお、実施例1に係る薬液噴霧器1Aでは、容器部2の内部に供給管5の一部を挿設する場合を例に挙げて説明しているが、図示されるもの以外にも、容器部2の底の近くの側面に第2の上部開口2bを設け、この第2の上部開口2bに液漏れしないように可撓性を有する供給管5を接続してもよい。
また、容器部2の第2の上部開口2bに、キャップ等を介して供給管5を着脱可能に固定してもよい。この場合、薬液8の散布作業時に、不意に供給管5が容器部2から外れてしまうのを防止することができる。
【0033】
また、実施例1に係る薬液噴霧器1Aにおいては、図1,2に示すように、供給管5の下端にメッシュ状又は多孔体からなるストレナー9を設けてもよい。この場合、還流された余剰な薬液8中にぶどうの花粉、おしべ、花茎等の幼房10の一部が混入した場合に、これらが供給管5から薬液8とともに吸い上げられて目詰まりするのを防止できる。
なお、図1,2ではストレナー9を供給管5の下端に設ける場合を例に挙げて説明しているが、ストレナー9は漏斗体6における椀状部分と導出部6bの境界に位置する孔に設けてもよいし、漏斗体6の導出口6cに設けてもよいし、これらのいずれか一方と、供給管5の下端部に設けてもよい。
【0034】
ここで、図1,2及び図3を参照しながら実施例1に係る薬液噴霧器1Aの収納方法について説明する。図3は、本発明の実施例1に係る薬液噴霧器の収納状態を示す斜視図である。なお、図1又は図2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例1に係る薬液噴霧器1Aでは、図1,2に示すように、ヘッダー3に係止用のループ15を、回収還流部4の漏斗体6の側面に先のループ15を係止するためのフック14を備えて、漏斗体6の側面にヘッダー3を係止可能としてもよい。
この場合、図3に示すように、ヘッダー3を漏斗体6の側面に係止して一時的に固定しておくことができるので、薬液8の散布作業を行っていない状態におけるヘッダー3の収納に便利である。
なお、特に図示しないが、フック14は容器部2の側面に設けてもよい。また、漏斗体6又は容器部2にヘッダー3を係止するための係止構造は、図1,2及び図3に示される形態に限定される必要はなく、漏斗体6や容器部2、ヘッダー3材質にもよるが、例えば、マグネットを利用して係止可能としてもよい。
さらに、図1乃至3に示すような操作部3a及び把持部3bを備える手動式のヘッダー3の場合には、ヘッダー3の操作部3aを漏斗体6の外縁6aに引っ掛けて係止しておくこともできるので、フック14やループ15を特段備えない場合でも係止構造を有しているともいえる。
【0035】
さらに、図4を参照しながら実施例1に係る薬液噴霧器1Aの変形例について説明する。図4は、本発明の実施例1に係る薬液噴霧器の変形例を示す斜視図である。なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
先に図1乃至3を用いて説明した構成に加えて、実施例1に係る薬液噴霧器1Aは、図4に示すように、容器部2を吊り下げ保持可能にするための、例えば、ワイヤや紐等からなる吊り下げ用ループ16、および、この吊り下げ用ループ16に取り付けられて、例えば、ブドウ棚等の針金18に吊り下げ用ループ16ごと薬液噴霧器1Aを掛止させておくためのフック17を設けておいてもよい。
この場合、例えば、作業途中の休憩時に薬液噴霧器1Aをぶどう棚の針金18に掛止することができる。また、薬液8の散布作業終了後は、洗浄済みの薬液噴霧器1Aを壁面などに設けられるフック等に掛止して保管することができる。
【0036】
なお、図4では、容器部2と回収還流部4とを着脱可能に固定する弾性体13を掛止するための掛止部12に吊り下げ用ループ16の端部が掛止される場合を例に挙げて説明しているが、吊り下げ用ループ16の端部は、容器部2の側面において、掛止部12以外の場所に取付けてもよい。
さらに、図4では吊り下げ用ループ16とフック17を別体に設けた場合を例に挙げて説明しているが、薬液噴霧器1Aの吊り下げ保持構造は、図4に示される形態に限定される必要はなく、容器部2の側面に、上下を反転させたJ字状のフックを取り付けただけの構造(図示せず)としてもよい。
上述のような吊り下げ構造を設けた変形例に係る薬液噴霧器1Aによれば、作業中に休憩する際に、薬液8の散布処理が既に完了したぶどうの幼房10の近傍,あるいは,休憩後に薬液8の散布処理を行おうとしているぶどうの幼房10の近傍に、変形例に係る薬液噴霧器1Aを吊り下げておくことで次の作業開始する際の目印にすることができる。
また、変形例に係る薬液噴霧器1Aによれば、壁掛け収納ができるので、薬液噴霧器1Aのための保管場所を別途確保する必要がない。これにより、変形例に係る薬液噴霧器1Aの収納性を向上することができる。
【実施例2】
【0037】
次に、図5を参照しながら本発明の実施例2に係る薬液噴霧器について説明する。図5は本発明の実施例2に係る薬液噴霧器の概念図である。なお、図1乃至図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例2に係る薬液噴霧器1Bは、図5に示すように、容器部2の第1の上部開口2a,及び,第2の上部開口2bのそれぞれに、着脱可能な蓋体11a,11bを備えるものである。
このような実施例2に係る薬液噴霧器1Bによれば、上述のような実施例1に係る薬液噴霧器1Aと同じ効果に加えて、容器部2の第1の上部開口2a,第2の上部開口2bにそれぞれ着脱可能に蓋体11a,11bを設けることで、薬液8の噴霧作業を終了した際に、回収還流部4及びヘッダー3を取り外した容器部2を残った薬液8の保管容器として使用することができる。
この場合、次に薬液8の散布作業を行う際に、容器部2から蓋体11a,11bを取り外して、第1の上部開口2a,第2の上部開口2bのそれぞれに、回収還流部4及びヘッダー3を備える供給管5を装着するだけで直ちに薬液噴霧器として使用することができる。
つまり、実施例2に係る薬液噴霧器1Bでは、1つの容器部2を、薬液8の噴霧作業時における薬液8の一時収容器としても、薬液8の散布作業が終了した際に余剰な薬液8を保存するための保存容器としても用いることができるので、薬液噴霧器1Bの利便性を向上することができる。
なお容器部2の第1の上部開口2a,及び、第2の上部開口2b近傍に紐やバンド等を取付けておき、この紐やバンド等に、蓋体11a,11bを取付けておくことで、蓋体11a,11bの紛失を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上説明したように本発明は、果樹等の局所に薬液を噴霧する際に、余剰な薬液を回収して再利用することができ、軽量でかつシンプルで製造容易な薬液噴霧器に関するものであり、農業や部品製造、試験研究に関する分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1A,1B…薬液噴霧器 2…容器部 2a…第1の上部開口 2b…第2の上部開口 2c…縮径部 3…ヘッダー 3a…操作部(操作レバー) 3b…把持部 4…回収還流部 5…供給管 5a…裸出部 6…漏斗体 6a…外縁 6b…導出部 6c…導出口 7…薬液受け部 8…薬液 9…ストレナー 10…幼房 11a,11b…蓋体 12…掛止部 13…弾性体 14…フック 15…ループ 16…吊り下げ用ループ 17…フック 18…針金(ぶどう棚) 19…ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液を収容する容器部と、この容器部に収容される前記薬液を噴霧する噴霧部と、この噴霧部から噴霧された前記薬液を回収して前記容器部に還流させる回収還流部とを有し、
前記噴霧部は、前記容器部内に収容される前記薬液を前記噴霧部のヘッダーに送給する供給管を備え、
前記回収還流部は、漏斗体と,この漏斗体の外縁に立設又は延設される薬液受け部とから成り、
前記漏斗体は、前記容器部の第1の上部開口に挿設され、前記噴霧部は前記容器部の第2の上部開口に挿設されることを特徴とする薬液噴霧器。
【請求項2】
前記薬液受け部は、透光材であることを特徴とする請求項1記載の薬液噴霧器。
【請求項3】
前記噴霧部の供給管は、可撓性を有すると共に、前記容器部の第2の上部開口から延設されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薬液噴霧器。
【請求項4】
前記容器部に前記漏斗体を着脱可能に固定するための固定構造を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の薬液噴霧器。
【請求項5】
前記漏斗体の側面に、前記噴霧部を着脱可能に係止させるための係止構造を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の薬液噴霧器。
【請求項6】
前記容器部は、前記第1,第2の上部開口のそれぞれに、着脱可能な蓋体を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の薬液噴霧器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−200203(P2012−200203A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67411(P2011−67411)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【特許番号】特許第4851630号(P4851630)
【特許公報発行日】平成24年1月11日(2012.1.11)
【出願人】(311002481)
【出願人】(311002654)
【出願人】(311002517)
【出願人】(311002595)
【出願人】(311002621)
【出願人】(311002562)
【Fターム(参考)】