説明

薬物の治療送達のための装置および方法

【課題】患者および状態データに基づいて予めプログラミングされた注入療法を提供する医療機器の提供。
【解決手段】医療機器における薬物療法をプログラミングする装置、システムおよび方法が提供される。一般的に、医療機器は、制御装置、記憶装置、プロセッサーおよび入力装置を有している。記憶装置には、複数の患者プロフィールおよび状態プロフィールのうちの少なくとも1つがプリインストールされる。記憶装置には、更に、複数のプロフィールに対する関連薬物療法もプリインストールされる。入力装置18は、特定の患者に対する患者プロフィールデータおよび状態プロフィールデータのうちの少なくとも1つを含むプロフィールデータを受信し、プロセッサーは、受信したプロフィールデータを処理し、出力として、この処理されたプロフィールデータに基づき、プリインストールされている薬物療法のうちの1つを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、一般に医療機器をプログラミングおよび操作するための装置、システムおよび方法に関し、より具体的には、注入ポンプのような、医療用ポンプのために医療治療または注入治療をプログラミングするための装置および方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本願は、以下の米国特許および米国特許出願を明示的に参考として援用し、そして本明細書の一部となす:米国特許第5,842,841号;代理人文書番号EIS−6090(1417GP934)として識別される米国特許出願;代理人文書番号EIS−6091(1417GP935)として識別される米国特許出願;代理人文書番号EIS−6092(1417GP936)として識別される米国特許出願。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
薬物は、薬剤も非薬剤も共に、注入装置を用いて、または様々な他のタイプの医療機器を用いて患者に導入することができる。しかし、導入された薬物に対する患者の応答は必ずしも直ぐに得られるとは限らない。より迅速な患者の応答を促すため、臨床医は、比較的高い投薬速度または投薬量で患者に薬剤を導入することができる。比較的大きな投薬速度または投薬量における1つの投薬形態はボーラス投与として知られている。ボーラス投与の目的は、患者の応答を速め、または大きくすることである。
【0004】
更に、患者に対する特定のタイプの薬剤送達は、ある期間にわたり、患者の体内における薬剤の存在を維持するために行われる。これらの送達は維持送達または維持投与として知られている。維持投与の前に、時として、患者の体内における薬剤の量をそのレベルで維持することができるあるレベルにまで急速に到達させることが必要になる。この維持レベルを確立するため、臨床医は、比較的高い投薬速度または投薬量で患者に薬剤を送達することができる。この最初の比較的大きな投薬速度または投薬量における投薬は負荷投与として知られている。負荷投与の目的は、患者の体内において、ある薬物レベルを確立することであり、この後、このレベルを維持するため、維持用量を用いることができる。ボーラス投与または負荷投与は、薬剤、非薬剤または試験物質の流体と共に送達されてよく、静脈内、硬膜外、皮下または動脈の経路により与えられてよい。
【0005】
最近の注入装置は、これらの注入装置にデータを手動で入力する手段を備えており、これにより、これらの装置は、患者への薬物の注入を制御することができる。このような装置に提供されるデータは、注入療法の内容を表し、種々のパラメーター、例えば薬剤の体積、注入速度、および注入が行われるべき合計時間などを含む。幾つかのこれらの装置は、多数の治療方式を反映するデータ入力手段を備えており、従って、この装置は自動的に多数の注入を同時的または逐次的に制御することができる。
【0006】
限られた数の注入装置は、標準的な連続的注入プロトコル用のパラメーターデータを保存することができる記憶装置を備えている。このような装置の場合、臨床医は、標準的な連続的注入からのパラメーターデータをこの装置の記憶装置から呼び出すことができる。この特徴は、2つの明確な利点を臨床医に提供する。第1に、パラメーターデータを再入力する必要性を伴うことなく、記憶装置からパラメーターデータを迅速に呼び出すことができる。従って、記憶装置を備えたこれらの注入装置は、典型的には、記憶装置を備えていない注入装置よりも速くプログラミングすることができるという利点を有している。第2に、パラメーターデータを保存し、読み出すことができるため、パラメーターデータを再入力する必要性が少なく、従って、データ入力に関わる人為的なエラーが最小化される。記憶装置を備えた注入装置の場合、安全な注入治療方式を呼び出すことができ、従って、潜在的に間違えを含み得る治療方式データの手動入力の必要性が一掃される。このような装置は標準的な注入療法の保存に限られている。
【0007】
しかし、これらの装置は、ボーラス投与または負荷投与による注入を考慮に入れた療法データの保存または呼び出しを行う能力を備えていない。その上、これらの装置は、この装置の記憶装置にボーラス投与または負荷投与に関する療法データを保存することができないため、臨床医が入力したボーラス投与または負荷投与療法のエラーチェック機能を備えていない。
【0008】
従って、注入装置の記憶装置にボーラス投与および負荷投与による注入療法データを保存することができる、注入装置用の制御装置に対するニーズが生じている。このような装置は、安全なボーラス投与および負荷投与による注入療法データを呼び出すことができ、それ故、より迅速で、且つ、より安全なボーラス投与または負荷投与による注入の制御を提供するであろう。更に、臨床医が入力したボーラス投与または負荷投与による注入療法データのエラーチェックを行うことができる、注入装置用の制御装置に対するニーズも生じている。このような装置は、臨床医が入力したデータをこの装置の記憶装置に保存されている推奨パラメーター限界値と比較することにより、より安全なボーラス投与または負荷投与による注入を提供するであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
更に、特定の患者および疾患状態に応じて、患者へ薬剤を供給するのが一般的である。これらの状況下においては、臨床医は、その患者の状態に基づいて適切な注入療法を決定する必要がある。時として、臨床医が適切な注入療法を決定するのに要する時間がかなり長くなり、患者にとって必要な治療が遅れることがある。その上、臨床医が個々の患者の状態に対する適切な薬物療法を選定し得ない危険性も存在する。この付加的な理由に対し、患者および状態データに基づいて予めプログラミングされた注入療法を提供する医療機器に対するニーズが認識されている。
【0010】
本発明は、これらの問題および他の問題を解決するために提供される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の要旨)
本発明は、医療機器をプログラミングおよび操作するための装置、システムおよび方法を提供する。このシステムおよび方法は、注入ポンプを含め、医療機器をプログラミングおよび操作するために使用することができる。
【0012】
本発明の1つの態様によれば、患者に対してボーラス投与による薬物療法及び/又は負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つを施すための医療機器が提供される。この医療機器は、記憶装置、入力装置およびプロセッサーを有する薬物送達装置を含む。前述の記憶装置には、ボーラス投与による薬物療法及び/又は負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つに対する薬物療法がプリインストールされる。本薬物送達装置の入力装置は、第1薬物療法に対するプログラムパラメーターを受信する。プログラムパラメーターが受信された後、プロセッサーは、これらの受信したプログラムパラメーターをプリインストールされている薬物療法と比較する。
【0013】
本発明の別の態様によれば、ボーラス投与による薬物療法に対するプログラムパラメーターは、薬物のタイプ、薬物の濃度、薬物の量、個々のボーラス体積、合計のボーラス体積、ボーラス速度、ボーラス送達間のタイミングおよび患者の体重のうちの少なくともいずれか1つを含んでいてよい。
【0014】
本発明の別の態様によれば、負荷投与による薬物療法に対するプログラムパラメーターは、薬物のタイプ、薬物の濃度、負荷投与体積、負荷投与速度、負荷投与時間、維持速度、維持体積、維持時間、希釈剤体積および患者の体重のうちの少なくともいずれか1つを含んでいてよい。
【0015】
本発明の別の態様によれば、プロセッサーがこれらの受信したプログラムパラメーターをプリインストールされている薬物療法と比較した後、プロセッサーはアラームを提供してよい。1つの実施形態においては、本薬物送達装置は、第1薬物療法に対するプログラムパラメーターのうちの少なくとも1つが、プリインストールされている薬物療法のパラメーター限界値の外側にあるときに、アラームを発するためのアラームモジュールを有していてよい。
【0016】
本発明の別の態様によれば、アラームはソフトアラームまたはハードアラームであってよい。アラームがソフトアラームの場合、制御装置は、受信したプログラムパラメーターに基づき、患者への薬物の送達を許容する。しかし、オペレーターは、ソフトアラームの受信後、プログラムパラメーターのいずれかを修正する選択肢を有していることに留意すべきである。逆に、アラームがハードアラームの場合には、典型的には、薬物の送達を許容する前に入力プログラムパラメーターのうちの少なくとも1つを修正しなければならない。
【0017】
本発明の別の態様によれば、プロセッサーがこれらの受信したプログラムパラメーターをプリインストールされている薬物療法と比較した後、プロセッサーは、薬物の送達を許容する前に、認証を要求してよい。
【0018】
本発明の別の態様によれば、プロセッサーがこれらの受信したプログラムパラメーターをプリインストールされている薬物療法と比較した後、プロセッサーは、受信したプログラムパラメーターに基づき、第1薬物療法のうちの少なくとも一部を展開してよい。
【0019】
本発明の別の態様によれば、本薬物送達装置の入力装置は、第2薬物療法用のプログラムパラメーターを受信する。第2薬物療法は、ボーラス投与による薬物療法、負荷投与による薬物療法または標準的な注入療法のうちの1つであってよい。繰返し説明すると、プロセッサーは、この第2薬物療法用に受信したプログラムパラメーターをプリインストールされている薬物療法と比較するために設けられている。プロセッサーが第2薬物療法用のプログラムパラメーターを処理した後、プロセッサーは、上で述べられている如く、アラームを発してよく、または、受信したプログラムパラメーターに基づき、第2薬物療法のうちの少なくとも一部を展開してよい。更に、プロセッサーは、第1薬物療法および第2薬物療法を施すための送達スケジュールを展開してよい。
【0020】
本発明の別の態様によれば、患者に対してボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つを施すため、記憶装置、入力装置およびプロセッサーを有する、プログラム可能な注入ポンプが提供される。この注入ポンプの記憶装置には、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つに対する薬物療法がプリインストールされる。入力装置は、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの1つに対する第1薬物療法用のプログラムパラメーターを受信し、プロセッサーは、受信したこれらのプログラムパラメーターをプリインストールされている薬物療法と比較する。
【0021】
本発明の別の態様によれば、プログラム可能な本注入ポンプは、複数の独立してプログラム可能なポンピングチャンネルを有している。それぞれのポンピングチャンネルは、ボーラス投与による薬物療法、負荷投与による薬物療法および標準的な注入療法のうちの少なくとも1つを施すため、独立してプログラム可能である。1つの実施形態においては、以下の如き3チャンネルポンプが設けられている:本注入ポンプの第1ポンピングチャンネルは、ボーラス投与による薬物療法、負荷投与による薬物治療方式および標準的な注入療法のうちの1つのための第1薬物療法を施すためにプログラム可能であり;本注入ポンプの第2ポンピングチャンネルは、ボーラス投与による薬物療法、負荷投与による薬物療法および標準的な注入治療方式のうちの1つのための第2薬物療法を施すためにプログラム可能であり;本注入ポンプの第3ポンピングチャンネルは、ボーラス投与による薬物療法、負荷投与による薬物療法および標準的な注入療法のうちの1つのための第3薬物療法を施すためにプログラム可能である。本発明のこの態様によれば、プロセッサーは、利用される各ポンピングチャンネルに対して送達スケジュールを展開することができる。
【0022】
本発明の別の態様によれば、ボーラス注入療法を施すためのシステムが提供される。このシステムは注入ポンプ用の制御装置を含む。前述の制御装置は、記憶装置、プロセッサーおよび入力装置を有している。制御装置はデジタルアシスタントであってよい。記憶装置は、複数の薬物のためのプリインストールされたボーラス注入療法を含んでおり;入力装置は、第1ボーラス注入治療方式用のプログラムパラメーターを受信し;プロセッサーは、受信したこれらのプログラムパラメーターを制御装置の記憶装置にプリインストールされているボーラス注入療法と比較する。
【0023】
本発明の別の態様によれば、1つの実施形態では、制御装置は、本注入ポンプの内部構成要素であり、別の実施形態では、制御装置は、本注入ポンプから分離した別個の構成要素である。典型的には、どちらの実施形態の場合も、制御装置は、第1ボーラス注入療法を展開し、この第1ボーラス注入療法を注入ポンプに送信する。
【0024】
本発明の別の態様によれば、負荷投与による注入療法を施すためのシステムが提供される。このシステムは、注入ポンプ用の制御装置を含み、前述の制御装置は、記憶装置、プロセッサーおよび入力装置を有している。制御装置はデジタルアシスタントであってよい。記憶装置は、複数の薬物のためのプリインストールされた負荷投与による注入療法を含んでおり;入力装置は、第1負荷投与注入治療方式用のプログラムパラメーターを受信し;プロセッサーは、受信したこれらのプログラムパラメーターを制御装置の記憶装置にプリインストールされている負荷投与による注入療法と比較する。
【0025】
本発明の別の態様によれば、第1実施形態では、制御装置は、本注入ポンプの内部構成要素であり、第2実施形態では、制御装置は、本注入ポンプから分離した別個の構成要素である。典型的には、どちらの実施形態の場合も、制御装置は、第1負荷投与注入療法を展開し、この第1負荷投与注入療法を注入ポンプに送信する。
【0026】
本発明の別の態様によれば、注入ポンプにおける注入療法をプログラミングする方法が提供される。この方法は:記憶装置、プロセッサーおよび入力装置を有する制御装置を提供する工程であって、ここで、前述の記憶装置には、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物治療方式のうちの少なくとも1つのための薬物療法がプリインストールされる、制御装置の提供工程;上述のボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物治療方式のうちの1つである第1薬物療法のための第1組のプログラムパラメーターを受信することを規定する工程;受信したこれらのプログラムパラメーターを、プロセッサーで、プリインストールされている薬物療法と比較することを規定する工程;および、上述の第1薬物療法用のプログラムパラメーターのうちの少なくとも1つが、プリインストールされている薬物療法範囲のパラメーター限界値の外側であるときに、アラームを発することを規定する工程;を含む。更に、本方法は、アラームの無効化を受信する工程を規定する。
【0027】
本発明の別の態様によれば、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つに対する薬物療法をプログラミングするための装置が提供される。この装置は、記憶装置、インターフェースおよびプロセッサーを有する制御装置を含む。前述の記憶装置には、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つのための薬物療法がプリインストールされる。インターフェースは、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つを含む第1薬物療法のタイプの選択を受信するために設けられており、プロセッサーは、選択された薬物療法のタイプためのプログラムパラメーターに特定的な入力スクリーンを提供する。
【0028】
本発明の別の態様によれば、注入ポンプ用の制御装置における薬物療法をプログラミングする方法が提供される。この方法は、記憶装置、プロセッサーおよびインターフェース装置を有する制御装置を提供する工程であって、ここで、前述の記憶装置は、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つに対する薬物療法がプリインストールされるべく成されている、制御装置の提供工程;ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つを含む第1薬物療法のタイプを受信することを規定する工程;および、受信された薬物療法に関連したプログラムパラメーターを受信できるように為す入力スクリーンを表示することを規定する工程;を含む。
【0029】
本発明の別の態様によれば、注入ポンプにおける薬物療法をプリインストールする方法が提供される。この方法は、記憶装置、プロセッサーおよび入力装置を有する制御装置を提供する工程であって、ここで、前述の記憶装置は、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物治療方式のうちの少なくとも1つに対する1つまたはそれ以上のプリインストールされた薬物療法を読み出し可能に保存することができる、制御装置の提供工程;ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物治療方式のうちの少なくとも1つを表現する薬物療法のための一組のプログラムパラメーターを受信することを規定する工程;および、前述のプログラムパラメーターを記憶装置に読み出し可能に保存することを規定する工程;を含む。
【0030】
本発明の別の態様によれば、プログラム可能な注入ポンプ用の制御装置が提供される。この制御装置は、記憶装置、入力装置およびプロセッサーを有している。前述の記憶装置には、複数の患者プロフィールおよび状態プロフィールのうちの少なくとも1つがプリインストールされる。記憶装置には、更に、複数のこれらのプロフィールに対する複数の関連薬物療法がプリインストールされてよい。入力装置は、特定の患者に対する患者プロフィールデータおよび状態プロフィールデータのうちの少なくとも1つを含むプロフィールデータを受信し、プロセッサーは、これらの受信したプロフィールデータを処理し、出力として、これらの処理されたプロフィールデータに基づき、薬物療法を提供する。典型的には、プロセッサーは、プリインストールされたプロフィールに対応する複数のプリインストールされた薬物療法の中から薬物療法を選択する。
【0031】
本発明の別の態様によれば、記憶装置には、複数の薬物プロフィールもプリインストールされてよく、また、これらの複数の薬物プロフィールに対する関連薬物療法もプリインストールされてよい。一般的には、プリインストールされたこれらの薬物プロフィールは、薬剤、非薬剤および希釈剤のうちの少なくとも1つに対するデータを含む。更に、前述の薬物療法は、一般的に、用量、速度、濃度および薬剤のタイプのうちの少なくとも1つを含む。
【0032】
本発明の別の態様によれば、前述のプリインストールされる患者プロフィールは、患者の疼痛状態、生活年齢、年齢層および在胎齢のうちの少なくとも1つに対するデータを含む。更に、プリインストールされる状態プロフィールは、健康状態および医学的な疾患の状態のうちの少なくとも1つに対するデータを含む。
【0033】
本発明の別の態様によれば、前述のプロセッサーによりもたらされる薬物療法は、薬物のタイプおよび送達パラメーターを含む。これらの送達パラメーターは、一般的に、用量、速度および濃度のうちの少なくとも1つを含む。
【0034】
本発明の別の態様によれば、プログラム可能な注入ポンプ用の制御装置が提供される。この制御装置は、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つの薬物送達療法を有している。また、この制御装置は、記憶装置、入力装置およびプロセッサーも有している。前述の記憶装置には、複数の患者プロフィールおよび状態プロフィールのうちの少なくとも1つがプリインストールされ、各プロフィールに対し、記憶装置には、更に、ボーラス薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つがプリインストールされる。入力装置は、特定の患者に対する患者データおよび状態データのうちの少なくとも1つ含むプロフィールデータを受信する。プロセッサーは、受信したプロフィールデータを処理し、出力として、これらの処理されたプロフィールデータに基づき、プリインストールされているボーラス薬物療法およびプリインストールされている負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つを提供する。
【0035】
本発明の別の態様によれば、前述の制御装置は、プリインストールされたプロフィールに対応する複数のプリインストールされたボーラス薬物療法および負荷投与による薬物療法の中から薬物療法を選択する。
【0036】
本発明の別の態様によれば、記憶装置、プロセッサーおよび入力装置を有する制御装置における注入療法をプログラミングする方法が提供される。この方法は:記憶装置に、複数の患者プロフィールおよび状態プロフィールのうちの少なくとも1つをプリインストールし、また、これらの複数のプロフィールに対する関連薬物療法をプリインストールすることを規定する工程;特定の患者に対する患者プロフィールデータおよび状態プロフィールデータのうちの少なくとも1つを含むプロフィールデータを受信することを規定する工程;および、受信したプロフィールデータを処理することを規定し、出力として、これらの処理されたプロフィールデータに基づき、複数のプリインストールされている薬物療法のうちの1つを提供することを規定する工程;を含む。
【0037】
本発明の更に別の態様によれば、注入ポンプにおける注入療法をプログラミングする方法が提供される。この方法は:薬物のタイプ、患者の状態および疾患の状態のうちの少なくとも1つを表現する一組の患者プロフィールパラメーターを受信することを規定する工程;記憶装置、プロセッサーおよび入力装置を有する制御装置を提供する工程であって、ここで、前述の記憶装置は、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つに対する1つまたはそれ以上の薬物療法を読み出し可能に保存することができ、また、ここで、これらの薬物療法のうちの少なくとも1つが少なくとも一組の患者プロフィールパラメーターと適合する、制御装置の提供工程;プロセッサーにおいて、これらの患者プロフィールパラメーターを記憶装置に保存されている薬物療法と比較することを規定する工程;および、これらの患者プロフィールパラメーターに適合する薬物療法を送信することを規定する工程;を含む。
【0038】
本発明の別の態様によれば、注入ポンプ用の制御装置における薬物療法をプログラミングする方法が提供される。この方法は、記憶装置、プロセッサーおよび入力装置を有する制御装置を提供する工程であって、ここで、前述の記憶装置は、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つに対する薬物療法がプリインストールされるべく成されている、制御装置の提供工程;ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つを含む第1薬物療法のタイプを受信することを規定する工程;第1薬物のタイプを受信することを規定する工程;および、この選定された薬物療法のタイプおよび薬物のタイプに対して示唆された第1薬物療法を表示することを規定する工程;を含む。
【0039】
本発明の別の態様によれば、本方法は、更に、受信した薬物療法のタイプに関連したプログラムパラメーターを受信することを規定する工程;示唆された第1薬物療法の少なくとも1つのプログラムパラメーターに対する変更を受信することを規定する工程;これらの受信したプログラムパラメーターをプリインストールされている薬物療法と比較することを規定する工程;および、第1薬物療法用のプログラムパラメーターのうちの少なくとも1つが、プリインストールされている薬物療法に対するパラメーター限界値の外側であるときに、アラームを発することを規定する工程;のうちの少なくとも1つを含む。
【0040】
本発明の尚も別の態様によれば、記憶装置に患者プロフィールをプログラミングし、その患者プロフィールを推奨されたボーラス/負荷投与療法と適合化させる方法が提供される。この方法は:記憶装置、プロセッサーおよび入力装置を有する制御装置を提供する工程であって、ここで、前述の記憶装置は、薬物のタイプ、患者の状態および疾患の状態のうちの少なくとも1つを表現する1つまたはそれ以上の組の患者プロフィールパラメーターを読み出し可能に保存することができ、また、この記憶装置は、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物治療方式のうちの少なくとも1つに対する1つまたはそれ以上の薬物療法を保存することができる、制御装置の提供工程;薬物のタイプ、患者の状態および疾患の状態のうちの少なくとも1つを表現する一組の患者プロフィールパラメーターを受信することを規定する工程;受信したこの一組の患者プロフィールパラメーターをボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物治療方式のうちの少なくとも1つと適合化させることを規定する工程;受信したこの一組の患者プロフィールパラメーターを記憶装置に読み出し可能に保存することを規定する工程;および、データを記憶装置に読み出し可能に保存することを規定する工程であって、ここで、これらのデータは、少なくとも一組の患者プロフィールパラメーターとボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つとの間の対応を反映したものである、データ保存規定工程;を含む。
【0041】
本発明の別の態様によれば、ボーラス投与および負荷投与のうちの少なくとも1つを施すための注入ポンプ用の薬物送達制御装置が提供される。この薬物送達制御装置は、記憶装置およびインターフェース装置と協力的に相互作用するためのプロセッサーを含む。前述の記憶装置には、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つに対する薬物療法がプリインストールされる。インターフェース装置は、上述のボーラス投与による薬物療法、上述の負荷投与による薬物療法および標準的な注入療法のうちの1つである第1薬物療法用のプログラムパラメーターを受信する。プロセッサーは、これらの受信したプログラムパラメーターをプリインストールされている薬物療法と比較する。本薬物送達制御装置は注入ポンプ用の制御装置である。この注入ポンプは複数のポンピングチャンネルを有しており、ここで、これらの各ポンピングチャンネルは、ボーラス投与による薬物療法、負荷投与による薬物療法および標準的な注入療法のうちの少なくとも1つを施すために独立してプログラム可能である。これらのプログラムパラメーターは、ある医薬に対する第1薬物療法を正しく施すのに必要である。この医薬でのボーラス投与による薬物療法のためのプログラムパラメーターは、薬物のタイプ、薬物の濃度、薬物の量、個々のボーラス体積、合計のボーラス体積、ボーラス速度、ボーラス送達間のタイミングおよび患者の体重のうちの少なくとも1つを含む。この医薬での負荷投与による薬物療法のためのプログラムパラメーターは、薬物のタイプ、薬物の濃度、負荷投与体積、負荷投与速度、負荷投与時間、維持速度、維持体積、維持時間、希釈剤体積および患者の体重のうちの少なくとも1つを含む。制御装置は、第1薬物療法用のプログラムパラメーターのうちの少なくとも1つが、プリインストールされている薬物療法のパラメーター限界値の外側にあるときに、アラームを設定するためのアラームモジュールを含んでいる。このアラームは、第1薬物療法用の受信したプログラムパラメーターに基づき、患者への薬物の送達を許容するソフトアラームである。制御装置およびインターフェース装置のうちの少なくとも1つは、ソフトアラームの無効化を受信するためのインターフェースモジュールを含んでいる。また、制御装置およびインターフェース装置のうちの少なくとも1つは、これらのプログラムパラメーターのうちの少なくとも1つに対する変更を受信するためのインターフェースモジュールを含んでいる。このアラームは、第1薬物療法用のプログラムパラメーターのうちの少なくとも1つに対する変更を必要とするハードアラームである。更に、制御装置およびインターフェース装置のうちの少なくとも1つは、プログラムパラメーターのうちの少なくとも1つに対する変更を受信するためのインターフェースモジュールを含んでいる。プロセッサーおよび記憶装置は、受信したプログラムパラメーターに基づき、第1薬物療法のうちの少なくとも一部を展開するように構成されている。また、プロセッサーおよび記憶装置は、第1薬物療法に対する送達スケジュールを展開するように構成されている。インターフェース装置は、更に、ボーラス投与による薬物療法、負荷投与による薬物療法および標準的な注入療法のうちの1つである、ある医薬での第2薬物療法用のプログラムパラメーターを受信すべく規定されており、ここで、プロセッサーは、第2薬物療法用のこれらの受信したプログラムパラメーターをプリインストールされている薬物療法と比較すべく規定されている。プロセッサーおよび記憶装置は、第1薬物療法および第2薬物療法を施すための送達スケジュールを展開するように構成されている。制御装置は、更に、第2薬物療法用のプログラムパラメーターのうちの少なくとも1つが、プリインストールされている薬物療法のパラメーター限界値の外側にあるときに、アラームを設定するためのアラームモジュールを含んでいる。このアラームは、第2薬物療法用の受信したプログラムパラメーターに基づき、患者への薬物の送達を許容するソフトアラームである。制御装置およびインターフェース装置のうちの少なくとも1つは、このアラームの無効化を受信するためのインターフェースモジュールを含んでいる。また、制御装置およびインターフェース装置のうちの少なくとも1つは、インターフェース装置を用いるこれらのプログラムパラメーターのうちの少なくとも1つに対する変更を受信するためのインターフェースモジュールを含んでいる。このアラームは、第2薬物療法用のプログラムパラメーターのうちの少なくとも1つに対する変更を必要とするハードアラームである。更に、制御装置およびインターフェース装置のうちの少なくとも1つは、プログラムパラメーターのうちの少なくとも1つに対する変更を受信するためのインターフェースモジュールを含んでいる。本注入ポンプの第1ポンピングチャンネルは、ボーラス投与による薬物療法、負荷投与による薬物療法および標準的な注入療法のうちの1つに対する第1薬物療法を施すべくプログラム可能である。
【0042】
24. 請求項23の制御装置においては、上述の注入ポンプの第2ポンピングチャンネルは、上述のボーラス投与による薬物療法、上述の負荷投与による薬物療法および上述の標準的な注入療法のうちの1つに対する第2薬物療法を施すべくプログラム可能である。本注入ポンプの第3ポンピングチャンネルは、ボーラス投与による薬物療法、負荷投与による薬物療法および標準的な注入療法のうちの1つに対する第3薬物療法を施すべくプログラム可能である。プロセッサーは、更に、第1薬物療法に対する送達スケジュールを展開すべく規定されている。また、プロセッサーは、更に、第1、第2および第3薬物療法のうちの少なくとも1つに対する送達スケジュールを展開すべく規定されている。インターフェース装置は、ラインセットにおける情報識別子からの情報を受信するための受信機を含んでいる。情報識別子は、患者名、年齢、性別、体重、アレルギー、状態、薬物名、薬物のタイプ、薬物の濃度、薬物の量、個々のボーラス体積、合計のボーラス体積、ボーラス速度、用量、ボーラス送達間のタイミング、最大ボーラス数、一回当たりの最大ボーラス数、負荷投与体積、負荷投与速度、負荷投与時間、維持速度、維持体積、維持時間、維持用量、希釈剤体積、患者プロフィールデータおよび状態プロフィールデータのうちの少なくとも1つを含んだ情報を含んでいる。
【0043】
本発明の別の態様によれば、ボーラス注入療法用のシステムが提供される。このシステムは注入ポンプ用の制御装置を含む。前述の制御装置は、記憶装置、プロセッサーおよび入力装置を有している。記憶装置は、複数の薬物に対するプリインストールされたボーラス注入療法を含んでいる。入力装置は第1ボーラス注入療法用のプログラムパラメーターを受信し、プロセッサーは、受信したこれらのプログラムパラメーターを制御装置の記憶装置にプリインストールされているボーラス注入療法と比較する。この制御装置は本注入ポンプの内部構成要素である。また、この制御装置は、本注入ポンプから分離した別個の構成要素であってもよい。制御装置は、第1ボーラス注入療法を展開し、注入ポンプにこの第1ボーラス注入療法を送信する。本注入ポンプは制御装置を含む。
【0044】
本発明の別の態様によれば、負荷投与による注入療法用のシステムが提供される。このシステムは注入ポンプ用の制御装置を含む。前述の制御装置は、記憶装置、プロセッサーおよび入力装置を有している。記憶装置は、複数の薬物に対するプリインストールされた負荷投与注入療法を含んでいる。入力装置は第1負荷投与注入療法用のプログラムパラメーターを受信し、プロセッサーは、受信したこれらのプログラムパラメーターを制御装置の記憶装置にプリインストールされている負荷投与注入療法と比較する。
【0045】
本発明の別の態様によれば、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つに対する薬物療法をプログラミングするためのシステムが提供される。このシステムは、制御装置、記憶装置およびインターフェース装置を含む。前述の記憶装置は、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つに対する薬物療法をプリインストールするように成されている。インターフェース装置は、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つを含む第1薬物療法のタイプの選択を受信すべく構成されている。また、インターフェース装置は薬物のタイプを受信すべく構成されており、プロセッサーは、この選択された薬物療法のタイプおよび薬物のタイプに対して示唆された第1薬物療法を提供すべく構成されている。更に、インターフェース装置は、選択された薬物療法のタイプに対する第1薬物療法用の受信したプログラムパラメーターに特定的なスクリーンを提供すべく構成されている。プログラムパラメーターの最初の受信後、インターフェース装置は、第1薬物療法用のプログラムパラメーターに対する変更を受信すべく構成されている。この制御装置は薬物送達装置の不可欠な部分であり、ここで、この薬物送達装置は、更に、記憶装置およびインターフェース装置を含む。
【0046】
本発明の別の態様によれば、注入ポンプ用の制御装置により使用される、薬物療法をプログラミングするための方法が提供される。この方法は、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つに対する薬物療法がプリインストールされるべく成されている記憶装置を提供する工程、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つを含む第1薬物療法のタイプを受信する工程、第1薬物のタイプを受信する工程、および選定された薬物療法のタイプおよび薬物のタイプに対する第1薬物療法を示唆する工程を含む。記憶装置には、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つに対する薬物療法がプリインストールされる。この方法は、更に、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つである第1薬物療法のタイプに対する第1組のプログラムパラメーターを受信する工程、これらの受信したプログラムパラメーターをプリインストールされている薬物療法と比較する工程、および第1薬物療法用のこれらのプログラムパラメーターのうちの少なくとも1つが、プリインストールされている薬物療法範囲のパラメーター限界値の外側であるときに、アラームを発する工程を含む。本方法は、更に、複数のプリインストールされている薬物療法の中からこの第1薬物療法を施すための注入ポンプ用の制御装置を提供する工程を含む。この方法は、更に、この注入療法のプログラミングにおいて使用するための注入ラインセットからの情報識別子を受信するための入力装置を提供する工程を含む。
【0047】
本発明の別の態様によれば、ボーラス投与および負荷投与のうちの少なくとも1つを施すための注入制御システムとインターフェースをとるためのラインセットが提供される。この注入制御システムは、プロセッサー、および前述のプロセッサーと協力的に相互作用するための記憶装置を含む。この記憶装置は、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つに対する薬物療法を含む。上述のラインセットは、ある長さのチューブ、および前述のチューブに接続されたマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)素子を含む。請求項53のラインセットにおいては、この注入制御システムは、更に、上述のボーラス投与による薬物療法、上述の負荷投与による薬物療法および標準的な注入療法のうちの1つである第1薬物療法用のプログラムパラメーターを受信するための入力装置、およびこれらの受信したプログラムパラメーターを記憶装置における上述の薬物療法と比較するための上述のプロセッサーを含む。これらのプロセッサーおよび記憶装置は、上述のMEMS装置の動作を制御するための制御装置と共に格納される。この制御装置は情報を表示するための表示手段を有している。本注入制御システムは、更に、中央コンピューターおよびMEMSインターフェース装置を含み、ここで、上述のプロセッサーおよび上述の記憶装置は前述の中央コンピューター内に配置され、また、ここで、前述の中央コンピューターは前述のMEMS装置および前述のMEMSインターフェース装置から離れた場所に位置付けられる。MEMSインターフェース装置は、MEMS装置の制御および呼び掛けを行うための手段を含む。ラインセットは使い捨てであり、ここで、上述のMEMSインターフェース装置は再利用可能である。本注入制御システムは、更に、上述のMEMS装置の情報を表示するための表示装置を有し、且つ、識別子を受信するための読み取り装置を有する入力装置を含む。この識別子は、この情報を本システムに転送し、本システムとの関係におけるMEMS装置の動作および相互作用をトラッキングするため、MEMSポンプなどのMEMS装置の識別も含むことができる。
【0048】
本発明の別の態様によれば、ボーラス投与および負荷投与のうちの少なくとも1つにより注入するための薬物注入システムが提供される。このシステムは、使い捨てのチューブ、前述のチューブに接続された使い捨ての電気機械ポンプ素子、前述のポンプ素子に操作可能に接続することができるポンプインターフェース装置、プロセッサー、および前述のプロセッサーと協力的に相互作用する記憶装置を含む。この記憶装置は、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つに対する薬物療法を含む。本システムは、更に、上述の使い捨て式チューブに取り付けられた使い捨てのレザバーを含む。この使い捨て式レザバーは、遠隔制御されるべく構成されたバルブを含む。
【0049】
本発明の別の態様によれば、医薬を送達するための方法が提供される。この方法は、そこに取り付けられたMEMSポンプを有するチューブを提供する工程であって、このMEMSポンプはポンプインターフェース装置に操作可能に接続されるべく構成されている、チューブの提供工程、プロセッサーを提供する工程、および前述のプロセッサーと協力的に相互作用する記憶装置を提供する工程を含む。この記憶装置は、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つに対する薬物療法を含む。前述のポンプは、上述のボーラス投与による薬物療法および上述の負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つにより上述の医薬を送達すべく、上述のポンプインターフェース装置を用いて作動される。
【0050】
本発明の他の装置、システム、方法、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を検討すれば、当業者にとって明らかであり、または明らかになろう。この説明に包含されるすべてのこのような付加的な装置、システム、方法、特徴および利点は、本発明の範囲内であり、添付の特許請求の範囲により保護されるべく意図されている。
例えば、本願発明は、以下を提供する。
(項目1)
プログラム可能な医療ポンプ用の制御装置であり、該制御装置が、複数のプリインストールされた患者プロフィールおよび状態プロフィールのうちの少なくとも1つを有する記憶装置であって、該記憶装置が、更に、該複数の該プロフィールのうちの該少なくとも1つに対する、関連するプリインストールされた薬物療法を有する、記憶装置;特定の患者に対応可能な患者プロフィールデータおよび状態プロフィールデータのうちの少なくとも1つを含むプロフィールデータを受信するための入力装置;および、該受信したプロフィールデータに基づき、該プリインストールされている薬物療法のうちの少なくとも1つを提供するためのプロセッサー;を含む、プログラム可能な医療ポンプ用の制御装置。
(項目2)
前記プロセッサーが、前記薬物療法を提供すべく、前記受信したプロフィールデータを記憶装置内の前記プリインストールされているプロフィールと比較するアルゴリズムを有する、項目1に記載の制御装置。
(項目3)
前記プロセッサーが、前記プリインストールされているプロフィールに対応した記憶装置内の前記プリインストールされている薬物療法の中から該薬物療法を選択する、項目1に記載の制御装置。
(項目4)
前記記憶装置に、更に、複数の薬物プロフィールがプリインストールされ、また、各薬物プロフィールに対し、該記憶装置に、更に、複数の該薬物プロフィールに対する関連薬物療法がプリインストールされる、項目1に記載の制御装置。
(項目5)
前記プリインストールされる患者プロフィールが、患者の疼痛状態、生活年齢、年齢層および在胎齢のうちの少なくとも1つに対するデータを含む、項目1に記載の制御装置。
(項目6)
前記プリインストールされる状態プロフィールが、健康状態および医学的な疾患の状態のうちの少なくとも1つに対するデータを含む、項目1に記載の制御装置。
(項目7)
前記プリインストールされる薬物プロフィールが、薬剤、非薬剤および希釈剤のうちの少なくとも1つに対するデータを含む、項目4に記載の制御装置。
(項目8)
前記プロセッサーにより提供される前記薬物療法が、薬物のタイプおよび送達パラメーターを含む、項目1に記載の制御装置。
(項目9)
前記送達パラメーターが、用量、速度および濃度のうちの少なくとも1つを含む、項目8に記載の制御装置。
(項目10)
前記薬物療法が、用量、速度、濃度および薬物のタイプのうちの少なくとも1つを含む、項目4に記載の制御装置。
(項目11)
前記制御装置が前記医療ポンプの内部構成要素である、項目1に記載の制御装置。
(項目12)
前記制御装置が、前記医療ポンプから分離した別個の構成要素である、項目1に記載の制御装置。
(項目13)
前記入力装置がデジタルアシスタントである、項目12に記載の制御装置。
(項目14)
前記入力装置が、ラインセットにおける情報識別子からの情報を受信するための受信機を含む、項目1に記載の制御装置。
(項目15)
前記情報識別子が、患者の名前、年齢、性別、体重、アレルギー、状態、薬物の名前、薬物のタイプ、薬物の濃度、薬物の量、個々のボーラス体積、合計のボーラス体積、ボーラス速度、用量、ボーラス送達間のタイミング、最大ボーラス数、単位時間当たりの最大ボーラス数、負荷投与体積、負荷投与速度、負荷投与時間、維持速度、維持体積、維持時間、維持用量、希釈剤体積、患者プロフィールデータおよび状態プロフィールデータのうちの少なくとも1つを含んだ情報を含む、項目14に記載の制御装置。
(項目16)
プログラム可能な医療ポンプ用の制御装置であって、該制御装置がボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物治療方式のうちの少なくとも1つの薬物送達療法を有し、該制御装置が:
複数の患者プロフィールおよび状態プロフィールのうちの少なくとも1つがプリインストールされる記憶装置であって、各プロフィールに対し、該記憶装置には、更に、ボーラス薬物療法および負荷投与による薬物治療方式のうちの少なくとも1つがプリインストールされる、記憶装置;
特定の患者に対する患者データおよび状態データのうちの少なくとも1つを含むプロフィールデータを受信するための入力装置;および
該受信したプロフィールデータを処理し、出力として、該処理されたプロフィールデータに基づき、該プリインストールされたボーラス薬物療法およびプリインストールされた負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つを提供するためのプロセッサー;
を含む、プログラム可能な医療ポンプ用制御装置。
(項目17)
前記プロセッサーが、出力として、少なくとも1つのボーラス薬物療法および負荷投与による薬物療法を提供すべく、前記受信したプロフィールデータを前記プリインストールされているプロフィールと比較するアルゴリズムを有する、項目16に記載のプログラム可能な医療ポンプ用制御装置。
(項目18)
前記プロセッサーが、前記プリインストールされているプロフィールに対応した前記プリインストールされているボーラス薬物療法および負荷投与による薬物療法の中から該薬物療法を選択する、項目16に記載のプログラム可能な医療ポンプ用制御装置。
(項目19)
前記記憶装置に、更に、複数の薬物プロフィールがプリインストールされ、また、各薬物療法に対し、該記憶装置に、更に、複数の該薬物プロフィールに対する関連薬物療法がプリインストールされる、項目16に記載のプログラム可能な医療ポンプ用制御装置。
(項目20)
前記プリインストールされる患者プロフィールが、患者の疼痛状態、生活年齢、年齢層および在胎齢のうちの少なくとも1つに対するデータを含む、項目16に記載のプログラム可能な医療ポンプ用制御装置。
(項目21)
前記プリインストールされる状態プロフィールが、健康状態および医学的な疾患の状態のうちの少なくとも1つに対するデータを含む、項目16に記載のプログラム可能な医療ポンプ用制御装置。
(項目22)
前記プリインストールされる薬物プロフィールが、薬剤、非薬剤および希釈剤のうちの少なくとも1つに対するデータを含む、項目19に記載のプログラム可能な医療ポンプ用制御装置。
(項目23)
前記プロセッサーにより提供される前記薬物療法が、薬物のタイプおよび送達パラメーターを含む、項目16に記載のプログラム可能な医療ポンプ用制御装置。
(項目24)
前記送達パラメーターが、用量、速度および濃度のうちの少なくとも1つを含む、項目23に記載のプログラム可能な医療ポンプ用制御装置。
(項目25)
前記送達パラメーターが、薬物のタイプ、薬物の濃度、薬物の量、個々のボーラス体積、合計のボーラス体積、ボーラス速度およびボーラス送達間のタイミングのうちの少なくとも1つを含む、項目23に記載のプログラム可能な医療ポンプ用制御装置。
(項目26)
前記送達パラメーターが、薬物のタイプ、薬物の濃度、負荷投与体積、負荷投与速度、負荷投与時間、維持速度、維持体積、維持時間、維持用量および希釈剤体積のうちの少なくとも1つを含む、項目23に記載のプログラム可能な医療ポンプ用制御装置。
(項目27)
前記プログラム可能な医療ポンプが複数のポンピングチャンネルを有しており、ここで、該ポンピングチャンネルのそれぞれが、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法を施すべく独立してプログラム可能である、項目16に記載のプログラム可能な医療ポンプ用制御装置。
(項目28)
前記薬物療法が、用量、速度、濃度および薬物のタイプのうちの少なくとも1つを含む、項目19に記載のプログラム可能な医療ポンプ用制御装置。
(項目29)
前記制御装置が前記医療ポンプの内部構成要素である、項目16に記載のプログラム可能な医療ポンプ用制御装置。
(項目30)
前記制御装置が、前記医療ポンプから分離した別個の構成要素である、項目16に記載のプログラム可能な医療ポンプ用制御装置。
(項目31)
前記制御装置がデジタルアシスタントである、項目30に記載のプログラム可能な医療ポンプ用制御装置。
(項目32)
前記入力装置が特定の患者に対する患者データおよび状態データのうちの少なくとも1つを含む第2組のプロフィールデータを受信し、前記プロセッサーが、該第2組の受信したプロフィールデータを処理し、出力として、該第2組のプロフィールデータに対し、該処理した第2組のプロフィールデータに基づき、前記プリインストールされているボーラス薬物療法およびプリインストールされている負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つを提供する、項目16に記載のプログラム可能な医療ポンプ用制御装置。
(項目33)
制御装置における薬物療法をプログラミングする方法であって、該制御装置が記憶装置、プロセッサーおよび入力装置を有しており、該方法が:
該記憶装置に複数の患者プロフィールおよび状態プロフィールのうちの少なくとも1つをプリインストールし、また、複数の該プロフィールに対する関連薬物療法をプリインストールする工程;
特定の患者に対する患者プロフィールデータおよび状態プロフィールデータのうちの少なくとも1つを含むプロフィールデータを受信する工程;ならびに
該受信したプロフィールデータを処理し、出力として、該処理したプロフィールデータに基づき、該プリインストールされている薬物療法のうちの1つを提供する工程;
を含む、方法。
(項目34)
前記プリインストールされた薬物療法が薬物のタイプおよびプリセット送達パラメーターのうちの少なくとも1つを含み、更に、修正された一組の送達パラメーターを展開すべく、該プリセット送達パラメーターのうちの少なくとも1つを変更することを規定する工程を含む、項目33に記載の方法。
(項目35)
更に、前記修正された一組の送達パラメーターを比較する工程、および該修正された一組の送達パラメーターの該送達パラメーターのうちの少なくとも1つが前記プリインストールされている薬物療法範囲のパラメーター限界値の外側であるときにアラームを発する工程を含む、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記プリインストールされた患者ファイルが、患者の疼痛状態、生活年齢、年齢層および在胎齢のうちの少なくとも1つに対するデータを含む、項目33に記載の方法。
(項目37)
前記プリインストールされた状態プロフィールが健康状態および医学的な疾患の状態のうちの少なくとも1つに対するデータを含む、項目33に記載の方法。
(項目38)
前記送達パラメーターが、用量、速度および濃度のうちの少なくとも1つを含む、項目34に記載の方法。
(項目39)
更に、前記記憶装置に、複数の薬物プロフィールをプリインストールし、また、複数の該薬物プロフィールに対する関連薬物療法をインストールする工程を含む、項目33に記載の方法。
(項目40)
前記薬物療法が、用量、速度、濃度および薬物のタイプのうちの少なくとも1つを含む、項目39に記載の方法。
(項目41)
更に、前記アラームに対する無効化を提供する工程を含む、項目35に記載の方法。
(項目42)
更に、ラインセットにおける情報識別子からの情報を受信する工程を含む、項目33に記載の方法。
(項目43)
前記情報識別子が、患者の名前、年齢、性別、体重、アレルギー、状態、薬物の名前、薬物のタイプ、薬物の濃度、薬物の量、個々のボーラス体積、合計のボーラス体積、ボーラス速度、用量、ボーラス送達間のタイミング、最大ボーラス数、単位時間当たりの最大ボーラス数、負荷投与体積、負荷投与速度、負荷投与時間、維持速度、維持体積、維持時間、維持用量、希釈剤体積、患者プロフィールデータおよび状態プロフィールデータのうちの少なくとも1つを含んだ情報を含む、項目42に記載の方法。
(項目44)
医療ポンプにおける薬物療法をプログラミングする方法であって、該方法が:
特定の患者に対する患者プロフィールデータおよび状態プロフィールデータのうちの少なくとも1つを含むプロフィールデータを受信する工程;
記憶装置、プロセッサーおよび入力装置を有する制御装置を提供する工程であって、ここで、該記憶装置は1つまたはそれ以上の薬物療法を読み出し可能に保存することができ、該薬物療法のうちの少なくとも1つが該受信されたプロフィールデータのうちの少なくとも1つと適合する、工程;
該プロセッサーにおいて、該プロフィールデータを該記憶装置内に保存されている該薬物療法と比較する工程;ならびに
該受信したプロフィールデータに適合する薬物療法を送信する工程;
を含む、方法。
(項目45)
前記保存された薬物療法がボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つに対する療法である、項目44に記載の方法。
(項目46)
医療ポンプにおける薬物療法をプレプログラミングする方法であって、該方法が:
記憶装置、プロセッサーおよび入力装置を有する制御装置を提供する工程であって、ここで、該記憶装置は、薬物のタイプ、患者プロフィールおよび状態プロフィールのうちの少なくとも1つを表す1つまたはそれ以上の組の患者プロフィールパラメーターを読み出し可能に保存することができ、また、該記憶装置がボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物治療方式のうちの少なくとも1つに対する1つまたはそれ以上の薬物療法を保存することができる、工程;
薬物のタイプ、患者プロフィールおよび状態プロフィールのうちの少なくとも1つを表す一組のプロフィールデータを受信する工程;
該受信した一組の患者プロフィールデータをボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つに適合化する工程;
該受信した一組の患者プロフィールデータを該記憶装置に読み出し可能に保存する工程;ならびに
データを該記憶装置に読み出し可能に保存する工程であって、ここで、該データが少なくとも一組の患者プロフィールデータとボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つとの間の一致を反映している、工程;
を含む、方法。
(項目47)
医薬を送達するための医療用制御システムとインターフェースをとるためのラインセットであって、該医療用制御システムは、プロセッサーおよび該プロセッサーと協同的に相互作用するための記憶装置を含み、該記憶装置は、複数の患者プロフィールおよび状態プロフィールのうちの少なくとも1つ、ならびに該複数のプロフィールのうちの該少なくとも1つに対する関連薬物療法を含み、該プロセッサーは、特定の患者に対する受信したプロフィールデータに基づき、該関連薬物療法を選択することができ、該ラインセットがある長さのチューブおよび該チューブに接続されたマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)素子を含む、ラインセット。
(項目48)
前記医療用制御システムが、更に、特定の患者に対する患者プロフィールデータおよび状態プロフィールデータのうちの少なくとも1つを含むプロフィールデータを受信するための入力装置を含む、項目47に記載のラインセット。
(項目49)
前記プロセッサーおよび前記記憶装置が、前記MEMS素子の動作を制御するための制御装置と共に納められている、項目57に記載のラインセット。
(項目50)
前記制御装置が情報を表示するための表示装置を有している、項目49に記載のラインセット。
(項目51)
前記医療用制御システムが、更に、中央コンピューターおよびMEMSインターフェース装置を含み、前記プロセッサーおよび前記記憶装置が該中央コンピューター内に配置されており、該中央コンピューターが前記MEMS素子および該MEMSインターフェース装置から離れた場所に配置されている、項目47に記載のラインセット。
(項目52)
前記MEMSインターフェース装置が前記MEMS素子の制御および呼び掛けを行うための手段を含む、項目51に記載のラインセット。
(項目53)
前記ラインセットが使い捨て式であり、前記MEMSインターフェース装置が再使用可能である、項目51に記載のラインセット。
(項目54)
前記医療用制御システムが、更に、前記MEMS素子の動作に関する情報を表示するための表示装置を有し、且つ、識別子を受信するためのリーダーを有する入力装置を含む、項目47に記載のラインセット。
(項目55)
治療を目的として医薬を送達するための医療システムであって、該システムが:
使い捨てのチューブ;
該チューブに接続された使い捨ての電気機械式ポンプ素子;
該ポンプ素子に作動可能に接続されたポンプインターフェース装置;
プロセッサー;ならびに
該プロセッサーと協同的に相互作用することができる記憶装置であって、該記憶装置が複数の患者プロフィールおよび状態プロフィールのうちの少なくとも1つ、ならびに該複数のプロフィールのうちの該少なくとも1つに対する関連薬物療法を含み、該プロセッサーが、特定の患者に対する受信したプロフィールデータに基づき、該関連薬物療法を選択することができる、記憶装置;
を含む、医療システム。
(項目56)
更に、前記使い捨てのチューブに取り付けられた使い捨てのレザバーを含む、項目55に記載のシステム。
(項目57)
前記使い捨てのレザバーが、遠隔操作により制御できるように構成されたバルブを含む、項目56に記載のシステム。
(項目58)
医薬を送達するための方法であり、該方法が、
チューブに取り付けられたMEMSポンプを有する該チューブを提供する工程であって、該MEMSポンプは、ポンプインターフェース装置、プロセッサーおよび該プロセッサーと協同的に相互作用することができる記憶装置と作動可能に通信できる構造に成されており、該記憶装置は、複数の患者プロフィールおよび状態プロフィールのうちの少なくとも1つ、ならびに該複数のプロフィールのうちの該少なくとも1つに対する関連薬物療法を含み、該プロセッサーは、特定の患者に対する受信したプロフィールデータに基づき、該関連薬物療法を選択することができる、工程;ならびに
該選択された薬物療法に従って該医薬を送達するため、該ポンプインターフェース装置を用いて該ポンプを作動させる工程;
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0051】
以下の図面を参照することにより、本発明を一層良好に理解することができる。これらの図面における種々の構成要素は、必ずしも一定の比率で縮尺したものではなく、代わりに、本発明の原理をはっきりと示すことに重点が置かれている。これらの図面において、同様な参照番号は、幾つかの図を通じ、類似した部分を表している。
【0052】
【図1】図1は、本発明の医療機器プログラミングシステムの1つの実施形態を描写したフローチャートである。
【図2】図2は、本発明の医療機器プログラミングシステムの別の実施形態を描写したフローチャートである。
【図3】図3は、本発明のシステムにおいて使用される1つの医療機器および制御装置の正面図である。
【図4】図4は、本発明のシステムの療法選択インターフェーススクリーンを描写したものである。
【図5】図5は、本発明のシステムのデータ入力スクリーンを描写したものである。
【図6】図6は、本発明のシステムのアラームスクリーンの1つの実施形態を描写したものである。
【図7】図7は、本発明のシステムのアラームスクリーンの別の実施形態を描写したものである。
【図8】図8は、本発明のシステムの認証スクリーンを描写したものである。
【図9】図9は、本発明のチャンネル選択スクリーンを描写したものである。
【図10】図10は、本発明のシステムのスケジューリングスクリーンを描写したものである。
【図11】図11は、本発明のシステムのプロフィールデータ入力スクリーンの1つの実施形態を描写したものである。
【図12】図12は、本発明のシステムの示唆療法スクリーンを描写したものである。
【図13】図13は、本発明のシステムのプレプログラミングスクリーンを描写したものである。
【図14】図14は、本発明のシステムのプレプログラミングスクリーンの別の実施形態を描写したものである。
【図15】図15は、本発明のシステムの制御装置のプレプログラミングを描写したフローチャートである。
【図16】図16は、使い捨て式ポンプを利用する本発明の別の実施形態の概略図である。
【図17】図17は、使い捨て式ポンプを利用する本発明の尚も更なる実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
(詳細な説明)
図面、特に図1および2を参照すると、患者に薬物療法を施すべく医療機器をプログラミングするためのシステムおよび方法を同定する2つのフローチャートが示されている。当業者であれば、このシステムが、患者に薬物を送達するためのあらゆるタイプの医療機器のプログラミングで機能すべく設計されていることを充分に理解するであろう。単に例証することのみを目的として、この詳細な説明は、患者に薬剤及び/又は非薬剤を送達するための医療機器として、注入ポンプに焦点を当てている。更に、注入ポンプは、様々なタイプの医療ポンプ、例えば、これらに限定するものではないが、容積式注入ポンプ、蠕動ポンプ、カセットポンプおよびシリンジポンプを含めた医療ポンプを包含し、また、様々な送達モードでの使用、例えば静脈内送達、筋肉内送達、IA送達、硬膜外送達、流体腔の洗浄、ならびに他のタイプの送達および用途などに適用できることが理解されよう。
【0054】
図3は、本発明の医療機器10の1つの実施形態を示している。一般的に、本発明のシステムは、薬物送達装置10、記憶装置14を有する制御装置12、プロセッサー16およびインターフェース装置19を包含する。インターフェース装置19は、入力装置18および表示装置17のうちの一方または両方を含んでよい。更に、インターフェース装置19のこれらの構成要素(即ち、入力装置18および表示装置17)は、別々の構成要素であってよく、または一体型の構成要素であってもよい。1つの例として、インターフェース装置19は、表示装置および入力装置の機能を提供するタッチスクリーンであってよい。
【0055】
1つの実施形態では、制御装置12は注入ポンプ10の内部構成要素である。1つの代替的な実施形態では、制御装置12aは、注入ポンプ10から分離した別個の構成要素である。1つの例として、制御装置12aは、図3にも示されているスタンドアローン型パーソナルデジタルアシスタント(PDA)制御装置12aであってよく、この制御装置12aは、薬物療法を展開し、その後、信号を送信して医療機器10を作動させるために使用される。
【0056】
典型的には、制御装置12aが医療機器10から分離した個別の構成要素、例えばPDAなどである場合、制御装置12aは、プログラムパラメーターの処理、プログラムパラメーターと予めプログラムされている薬物療法との比較、薬物療法の展開および薬物療法のスケジューリング、ならびに入力された患者データおよび状態データに応じた薬物療法の提示のすべてを果たす。1つの例として、スタンドアローン型制御装置12aを用いて医療機器10を作動させる場合、制御装置12aは、医療機器10のモーターへ送られる出力信号を発生させることができる。可変パワー信号であってよい、この出力信号のレベルは、モーターが薬物を患者へ送達すべく作動する速度を決定するであろう。
【0057】
本発明において使用され得る1つのタイプの注入ポンプは、Danbyらに発行され、本発明の譲受人に同様に譲渡された米国特許第5,842,841号に開示されているものである。図3に示されているように、この注入ポンプ10は、ハウジング20、入力装置および複数のポンピングチャンネル22a、22b、22cを有している。本発明においては、これらの各ポンピングチャンネルは、特定の患者に対して様々な薬物療法を施すべく独立してプログラミングすることができるであろう。運転に際しては、オペレーター、例えば看護婦または他の臨床医などが、標準的なIVラインセット24のチュービング25をいずれかのハウジングチャンネルの前面に配置されたチューブ取り付け用オリフィス26またはチューブウェイ26に挿入することにより、医薬の注入を開始するであろう。ラインセット24は、以下の構成要素のうちの1つまたはそれ以上を含んでいてよい:IVチュービング25、スライドクランプ28、コネクターおよび容器84。付加的な構成要素またはもっと少ない構成要素を用いてラインセット24を構成してもよい。更に、オペレーターは、同時的に、チューブセット24と連合したスライドクランプ28を、チューブ取り付け用オリフィス26の上流側、即ち、もっと流体ソースに寄った位置に存在する適切なスライドクランプ用オリフィス29に挿入するであろう。この後、オペレーターは、チューブ取り付けシーケンスを起動させ、このシーケンスでは、一連のツメおよび可動式の上部ジョーが、ラインセット24のチューブ25を把持し、チューブウェイ26に引き込む働きを為すであろう。取り付けサイクルが進行すると、これらのジョーおよびツメがチューブ25の周りで閉じ、チューブ25をチューブウェイ26内に捕獲するであろう。続いて、バルブが閉じてチューブ25を閉塞すると、スライドクランプ28は、スライドクランプ28がそれ以上チューブ25を閉塞し得ないような位置へ動かされるであろう。ポンピング速度、許容空気体積、温度および圧力を決定する、関連制御装置からの適切な信号を受信すると、ポンプが起動され、この薬物療法に従って、流体ソースから流体が引き出され、ポンプ10から吐出される。本明細書において更に詳細に説明されているように、ある薬物療法を展開するのに必要なそれぞれのプロセスパラメーター及び/又は患者プロフィール、および潜在的にはこの薬物療法全体は、ラインセット24とのつながりで見出される情報識別子27を通じて制御装置に提供されてよい。情報識別子27は、これらに限定するものではないが、チュービング25、容器84およびスライドクランプ28を含め、ラインセット24のどの構成要素に含まれていてもよい。
【0058】
上で説明されているように、本発明のシステム30は、医療機器10における薬物療法をプログラミングするために使用される。本発明のシステム30は、ソフトウェア(例えばファームウェア)、ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアの組合せで実行することができる。現段階で想定される最良の様式においては、システム30は、実行可能プログラムとして、ソフトウェアで実行される医療機器オペレーティングシステムを有している。この医療機器オペレーティングシステムは、コンピューター、サーバー、医療機器10またはデジタルアシスタント12aの制御装置のいずれに存在していてもよく、または前述のものに存在する部分を有していてよい。
【0059】
一般的に、ハードウェアアーキテクチャーの観点においては、図3に示されている如く、制御装置12は、プロセッサー16、記憶装置14、ならびにローカルインターフェースを介して通信可能に連結される1つまたはそれ以上の入力及び/又は出力(I/O)装置18(もしくは周辺機器)を含むコンピューターである。ローカルインターフェースは、例えば、これらに限定するものではないが、当該技術分野において公知の如く、1つもしくはそれ以上のバス、または他の有線もしくは無線接続であってよい。ローカルインターフェースは、簡明化するために省かれている、通信を可能にするための付加的な構成要素、例えば付加的な制御装置、バッファー(キャッシュ)、ドライバー、リピーターおよび受信機などを有していてよい。更に、ローカルインターフェースは、他のコンピューター構成要素間の適切な通信を可能にするためのアドレス、制御及び/又はデータ接続を含んでいてよい。
【0060】
プロセッサー16は、ソフトウェア、特に記憶装置14に保存されたソフトウェアを実行するためのハードウェア装置である。プロセッサー16は、あらゆるカスタムメードもしくは市販されているプロセッサー、中央演算処理装置(CPU)、本コンピューターと連合した幾つかのプロセッサー間の補助プロセッサー、(マイクロチップまたはチップセットの形態における)半導体をベースとしたマイクロプロセッサー、マクロプロセッサー、またはソフトウェア命令を実行するための一般的にはあらゆる形態の装置であってよい。市販されている適切なマイクロプロセッサーの例は以下の通りである:Hewlett−Packard CompanyのPA−RISCシリーズマイクロプロセッサー、Intel Corporationの80×86もしくはPentium(登録商標)シリーズマイクロプロセッサー、IBMのPowerPCマイクロプロセッサー、Sun Microsystems,Inc.のSparcマイクロプロセッサー、またはMotorola Corporationの68xxxシリーズマイクロプロセッサー。
【0061】
記憶装置14は、揮発性記憶素子(例えばランダムアクセスメモリー(RAM、例えばDRAM、SRAM、SDRAMなど))および不揮発性記憶素子(例えばROM、ハードドライブ、テープ、CDROMなど)のうちのいずれか1つまたはそれらの組合せを含むことができる。更に、記憶装置14は、電子的、磁気的、光学的及び/又は他のタイプの記憶媒体を組み込んでいてよい。記憶装置14は、そこに様々な構成要素が相互に離れて配置されるが、それらの構成要素にプロセッサー16によりアクセスすることが可能な分散型アーキテクチャーを有することができる。
【0062】
記憶装置14のソフトウェアは、それぞれが論理機能を実施するための実行可能命令の順序付きリストを含む1つまたはそれ以上の分離したプログラムを含んでいてよい。図3の例においては、記憶装置14のソフトウェアは適切なオペレーティングシステム(O/S)を含む。市販されている適切なオペレーティングシステムの例の非包括的なリストは以下の通りである:(a)Microsoft Corporationから入手可能なWindows(登録商標)オペレーティングシステム;(b)Novell Inc.から入手可能なNetwareオペレーティングシステム;(c)Apple Computer,Inc.から入手可能なMacintoshオペレーティングシステム;(d)多くのベンダー、例えばHewlett−Packard Company、Sun Microsystems,Inc.およびAT&T Corporationなどから購入することができるUNIX(登録商標)オペレーティングシステム;(e)Internetで容易に入手可能なフリーウェアであるLINUXオペレーティングシステム;(f)WindRiver Systems,Inc.のランタイムVxworksオペレーティングシステム;または(g)電気製品ベースのオペレーティングシステム、例えばハンドヘルドコンピューターもしくはパーソナルデジタルアシスタント(PDAs)などに実装されたオペレーティングシステム(例えば、Palm Computing,Inc.から入手可能なPalmOS、およびMicrosoft Corporationから入手可能なWindows(登録商標) CE)。オペレーティングシステムは、本質的に、あらゆる他のコンピュータープログラムの実行を制御し、スケジューリング、入力−出力制御、ファイルおよびデータの管理、メモリーの管理、ならびに通信管理およびこれらに関連サービスを提供する。
【0063】
本医療機器オペレーティングシステムは、ソースプログラム、実行可能プログラム(オブジェクトコード)、スクリプト、または実行されるべき一組の命令を含むあらゆる他の実体であってよい。ソースプログラムの場合、このプログラムは、O/Sとの関連で適切に実行できるようにするため、記憶装置14に含まれていてもよいし、または含まれていなくてもよい、コンパイラー、アセンブラー、インタープリターなどを介して翻訳する必要がある。更に、本医療機器オペレーティングシステムは、(a)数種類のデータおよび方法を有するオブジェクト指向プログラミング言語として、または(b)ルーチン、サブルーチン、及び/又は機能、例えば、これらに限定するものではないが、C、C++、Pascal、Basic、Fortran、Cobol、Perl、Java(登録商標)およびAdaなどの機能を有するプロシージャプログラミング言語として書かれてよい。1つの実施形態では、本医療機器オペレーティングシステムはC++で書かれる。他の実施形態では、本医療機器オペレーティングシステムはPower Builderを用いて創られる。I/O装置18は、入力装置、例えば、これらに限定するものではないが、キーボード、マウス、スキャナー、マイクロフォン、タッチスクリーン、様々な医療機器用のインターフェース、バーコードリーダー、スタイラス、レーザーリーダー、無線周波デバイスリーダーなどを含むことができる。更に、I/O装置18は、出力装置、例えば、これらに限定するものではないが、プリンター、バーコードプリンター、ディスプレイなども含むことができる。最後に、I/O装置18は、更に、入力および出力の両方をやりとりする装置、例えば、これらに限定するものではないが、変調器/復調器(モデム;別の装置、システムまたはネットワークとのアクセス用)、無線周波数(RF)または他のトランシーバー、電話インターフェース、ブリッジ、ルーターなどを含むことができる。
【0064】
本医療機器オペレーティングシステムがソフトウェアで実行されるときには、この医療機器オペレーティングシステムは、コンピューター関連のシステムもしくは方法により使用するための何らかのコンピューター可読媒体、またはコンピューター関連のシステムもしくは方法と接続して使用するための何らかのコンピューター可読媒体に保存できることに留意すべきである。本明細書の文脈上、コンピューターで読み取り可能な媒体は、コンピューター関連のシステムもしくは方法により使用するための、またはコンピューター関連のシステムもしくは方法と接続して使用するための、コンピュータープログラムを包含することができる、または保存することができる、電子式、磁気式、光学式、または他の物理的な装置もしくは手段である。本医療機器オペレーティングシステムは、命令を実行するシステム、装置またはデバイス、例えばコンピューターをベースとしたシステム、プロセッサーを包含したシステム、または命令を実行するシステム、装置もしくはデバイスから命令を取り出し、それらの命令を実行することができる他のシステムなどを使用するための、またはそれらと接続して使用するためのあらゆるコンピューター可読媒体で具現化することができる。本明細書の文脈上、「コンピューター可読媒体」は、命令を実行するシステム、装置またはデバイスにより使用するための、またはそれらと接続して使用するための、プログラムを保存し、通信し、伝播し、または移植することができるあらゆる手段であってよい。コンピューター可読媒体は、例えば、これらに限定するものではないが、電子的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外線、または半導体システム、装置、デバイスもしくは伝播媒体であってよい。コンピューター可読媒体のより具体的な例(非包括的なリスト)は、以下のものを含むことができよう:1つまたはそれ以上の導線を有する電気接続(電子的)、携帯用コンピューターディスケット(磁気的)、ランダムアクセスメモリー(RAM)(電子的)、読み出し専用メモリー(ROM)(電子的)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリー(EPROM、EEPROM、またはFlashメモリー)(電子的)、光ファイバー(光学的)、および携帯用コンパクトディスク型読み出し専用メモリー(CDROM)(光学的)。コンピューター可読媒体は、プログラムが例えば紙または他の媒体の光学的な走査により電気的に確保され、この後、必要であれば、コンパイルされ、解釈され、または適切な仕方で別な具合に処理され、次いで、コンピューターの記憶装置に保存することができる場合には、プログラムがプリントされる紙または別の適切な媒体でさえあってよいことに留意すべきである。
【0065】
本医療機器オペレーティングシステムがハードウェアに実装されている別の実施形態においては、本医療機器オペレーティングシステムは、それぞれが当技術分野において広く知られている以下のテクノロジーのうちのいずれか、またはそれらの組合せで実行されてよい:データ信号でロジック機能を実行するための論理ゲートを有する1つまたは複数のディスクリート論理回路、適切な組み合わせ論理ゲートを有する特定用途向け集積回路(ASIC)、1つまたは複数のプログラマブルゲートアレー(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)など。
【0066】
図1に戻ると、図示されているフローチャートは、本発明の医療機器10をプログラミングするためのシステム30の1つの実施形態を示している。このプログラミングプロセスの最初の工程は、図1の工程31で示されているスタートコマンドを開始することである。このスタートコマンド31は、典型的には、注入ポンプ10または分離した制御装置12aのいずれかの制御装置12を作動させることを含む。スタートコマンドが開始されると、注入選択スクリーン32が現れる。注入選択スクリーン32の1つの描写が図4に示されている。図示されているように、注入選択スクリーン32は、オペレーターが注入療法を選択することができるように成されている。1つの実施形態では、選択できる注入療法は、典型的には非薬剤のボーラス薬物送達のプログラミングで利用される流体ボーラス注入療法34、薬剤ボーラス注入療法36、および負荷投与注入療法38である。ボーラスは、応答を速めるため、または大きくするため、静脈内、硬膜外、皮下または動脈経路を介して、多くの場合には急速に与えられる、比較的大きな体積の流体、または比較的大きな用量の薬剤もしくは試験物質として定義される。負荷投与は、典型的には、それと同じ流体、薬剤または試験物質の維持注入に先立って、静脈内、硬膜外、皮下または動脈経路を介して与えられる、ある体積の流体、またはある用量の薬剤もしくは試験物質として定義される。ボーラス投与または負荷投与の1つの目的は、急速な血清濃度を達成することである。これは、しかし、有害な影響が生じるリスクを高める可能性がある。従って、リスクが増大する可能性を低減させるための手段が探し求められている。上で説明されているように、本開示は、数ある中でもとりわけ、薬剤または非薬剤にかかわらず、薬物を患者に投与するときに、エラーが発生するリスクを低減させるための手段を提供しようとするものである。
【0067】
本発明の1つの態様として、記憶装置14に薬物療法がプリインストールされる。記憶装置14にプリインストールされる薬物療法のタイプは、薬剤ボーラス用および非薬剤ボーラス用の両方のボーラス投与による薬物療法、負荷投与による薬物療法、および標準的な注入療法のうちの少なくとも1つを含む。プリインストールされたこれらの薬物療法は、個々の薬物療法を展開するのに必要なプロセスまたはプログラムパラメーターのそれぞれに対する許容可能な範囲及び/又は限界値を同定することができる。これにより、病院は、記憶装置14のライブラリーで定義される、薬剤および非薬剤の両方の、各薬物に対する標準的なボーラス投与または負荷投与を確立することが可能になる。また、これにより、病院は、様々な患者状態プロフィールに対する標準的な負荷投与療法またはボーラス投与療法も確立することが可能になる。当業者が理解する如く、個々のプログラムパラメーターに対する許容可能な範囲及び/又は限界値は、他のプログラムパラメーターに基づいて調整されてよい。例えば、注入時間が延長される場合、注入用量に対する許容範囲/限界値を増大させることができ、一方、注入時間が短縮される場合には、注入用量に対する許容範囲/限界値を低減させることができる。更に、個々の薬物に対する許容速度は、薬物の濃度に依存して変わり得る。数多くの他の例が可能である。
【0068】
オペレーターが注入選択スクリーン32で適切な注入療法を選択すると、本システムは、工程40(図1参照)において、オペレーターに薬物を送達するためのプログラミングパラメーターを入力する能力を与える。これらのプログラムパラメーターは、注入のタイプ、病院または他のケア提供者のセットアップによる要求に対して設定されたパラメーターのタイプおよび薬物などに依存して変わる。一般的に、これらのプログラムパラメーターは、指図または処方箋に従って作動させるべく医療機器をプログラミングするのに必要な情報及び/又は命令のセットである。ボーラス投与による薬物療法用の様々なパラメーターは、少なくとも薬物のタイプ、薬物の濃度、薬物の量、個々のボーラス体積、合計のボーラス体積、ボーラス速度、ボーラス送達間のタイミング、最大ボーラス数、単位時間当たりの最大ボーラス数および患者の体重を含む。同様に、負荷投与による薬物療法用の様々なプログラムパラメーターは、少なくとも薬物のタイプ、薬物の濃度、薬物の量、負荷投与体積、負荷投与速度、負荷投与時間、維持速度、維持体積、維持時間、希釈剤体積および患者の体重を含む。当業者であれば、これらの注入療法および他の注入療法に対して付加的なプログラムパラメーターが可能であることが認識されよう。
【0069】
本発明の1つの実施形態では、オペレーターが工程32で薬物療法のタイプを選択すると、本システムは、受信された薬物療法のタイプに関連したプログラムパラメーターの受信のみが可能な入力スクリーンを提供するであろう。例えば、工程32でボーラス投与による薬物療法が選択された場合、本システムは、ボーラス投与による薬物療法に関連したプログラムパラメーターの入力のみを規定するであろう。同様に、工程32で負荷投与による薬物療法が選択された場合には、本システムは、負荷投与による薬物療法に関連したプログラムパラメーターの入力のみを規定するであろう。負荷投与療法用のプログラムパラメーター入力スクリーン42の1つの描写が図5に示されている。例証のために示すと、この負荷投与パラメーター入力スクリーン42は、負荷速度48、負荷体積50、濃度52、維持速度54、維持体積56および濃度58に関するデータを要求する。
【0070】
図5に示されているプログラムパラメーター入力スクリーンショット42は、入力装置18および表示装置17として機能するインターフェース装置19の一例でもある。プログラムパラメーターは選択キー44および上向き/下向き矢印ボタン46を使用することによりプログラミングすることができ、ビデオスクリーンを介して表示が行われる。
【0071】
更に、本発明の1つの実施形態では、オペレーターが工程32で薬物療法のタイプを選択し、薬物のタイプが制御装置12に供給されると、本システム30は、選択された薬物療法のタイプおよび薬物のタイプに対する示唆薬物療法を提供することができる。従って、選択された特定の薬物療法のタイプに関連したプログラムパラメーターを表示する代わりに、またはそれらのプログラムパラメーターを表示することと併せて、システム30は、その薬物療法のタイプに対する関連パラメーターに対し、プログラムパラメーターおよびそれらのプログラムパラメーターの値の同定を提供することができる。1つの例として、特定の麻酔薬が選択され、オペレーターが工程32でボーラス療法によるこの麻酔薬の供給を選択した場合、システム30は、この薬物および薬物療法のタイプに対する示唆薬物療法を同定するであろう。この後、オペレーターは、工程60において、いずれかまたはこれらのパラメーターの修正を承諾することができるであろう。
【0072】
戻って図1を参照すると、工程60において、オペレーターが入力装置18にプログラムパラメーターを入力または修正すると、プロセッサー16は、これらのパラメーターを受信し、受信したこれらのプログラムパラメーターをプリインストールされている薬物療法と比較する。1つの好適な実施形態では、このプロセスは、恐らくは予めプログラムされているスライディング−スケールマトリックスに基づき、各パラメーターに対する適切な範囲を決定するためのプロセッサー16内のアルゴリズムの使用を含んでよい。
【0073】
工程62において、プロセッサー16がこれらの受信したプログラムパラメーターを記憶装置14にプリインストールされている薬物療法と比較した後、プロセッサー16は、これらの受信したプログラムパラメーターがこの特定の薬物療法のプロセスまたはプログラムパラメーターのそれぞれに対する予めプログラムされた許容可能な範囲を超えているかどうかを決定する。受信したプログラムパラメーターがプリインストールされている薬物療法にふさわしい場合には、プロセッサー16は、この時点で、これらの受信されたプロセスパラメーターに基づき、この薬物療法のうちの少なくとも一部を展開することができる。
【0074】
しかし、もしこの特定の薬物療法用のいずれかのプログラムパラメーターがプリインストールされた薬物療法で設定されている限界値を超えている場合には、本システムは、臨床医にその用量が院内処方の推奨範囲から外れていることを警告するため、工程64で警報または通知を発する。この警報は、図3に示されている実施形態で描かれている如く制御装置12の1つの構成要素であるアラームモジュール66によりもたらされてよい。この警報は視覚的または聴覚的な警報であってよく、また、種々の異なる警報のタイプが種々の異なる視覚的または聴覚的な警告状態を有していてよい。更に、図1のフローチャートの工程68で示されているように、この警報はハードアラームまたはソフトアラームであってよい。パラメーター限界値が越えることを許されないときには、プログラムパラメーターが無効であり、これらのプログラムパラメーターのうちの少なくとも1つを修正しなければならないことをオペレーターに警告するため、ハードアラームが提供される。ハードアラームの1つの描写が図7に与えられている。ハードアラームが受信されると、オペレーターは、工程69で、これらのプログラムパラメーターのうちの1つまたはそれ以上を修正する選択肢を有する。オペレーターが、ハードアラームを解除すべくこれらのプログラムパラメーターのうちの少なくとも1つを修正しない場合には、工程70で療法要求が拒否されるであろう。オペレーターがこれらのプログラムパラメーターのうちの少なくとも1つを修正した場合には、本システムは、この修正されたパラメーターが予めプログラムされている許容可能な範囲内であるかどうかを決定するため、図1の工程60に戻るであろう。
【0075】
ハードアラームとは反対に、ソフトアラームは、限界値外パラメーターを修正することなく、パラメーター限界値が超えられることを許す。しかし、ソフトアラートは、プログラムパラメーターのうちの少なくとも1つが、プリインストールされた薬物療法で設定されている限界値を超えていることをオペレーターに通知する。ソフトアラームの1つの実施形態でのスクリーンショットが図6に描かれている。ソフトアラームが受信された後、図1の工程72で無効化する要求が為される。オペレーターは、入力装置18のインターフェースモジュールで無効化応答を為すことができる。上で説明されているように、このインターフェースモジュールは、タッチスクリーン、キーボード、マウスなどを含んでいてよい。もしこの要求が否定的に回答された場合には、ソフトアラームに対する無効化が為されず、工程70で療法要求が拒否されるであろう。この後、このプログラミングシーケンスは工程80で終結されるであろう。しかし、この要求が肯定的に回答された場合には、本システムは、認証を必要とするかどうかを決定すべく、工程74へ進む。
【0076】
図1に示されているように、工程40で入力されたこれらの受信プログラムパラメーターが、工程60および62において、予めプログラムされている限界値内または範囲内であると決定されたときには、オペレーターが工程74に達する別の手段が生じる。
【0077】
工程74において、プロセッサーは、進行させるために認証が必要かどうかを決定する。認証が必要となり得る幾つかのプロセスが存在する。第1に、ソフトアラームが無効化されたときには認証が必要である。第2に、二署名薬物、例えば麻酔薬または血液などが提供される場合には認証が必要である。認証を必要とする付加的なプロセスが存在することを理解すべきである。
【0078】
従って、ソフトアラームが無効化されたために認証が必要であるが、連記式証明は必要でないと決定された場合には、本システムは、工程75を通過し、工程77へ進む。工程77では、進めるためには認証が必要であることをオペレーターに警告する警報/通知が提供される。工程79では、パラメーターのオーバーライドにより生じた、進行させるための認証が為されるか、または認証が為されないかのいずれかである。工程79でプログラムパラメーターをオーバーライドすることに対する認証が為されない場合には、本システムは工程70へ進み、この療法をプログラミングする要求が拒否される。工程79でプログラムパラメーターをオーバーライドすることに対する認証が為された場合には、本システムは工程81へ進む。工程81では、薬局および担当医師に、療法用に設定された送達パラメーターが院内の処方範囲から外れていることが知らせられる。
【0079】
ソフトアラームが無効化されているか、または連記式署名が必要とされているかのいずれかの理由により、工程74および75で認証が必要であると決定された場合には、本システムは工程76へ進む。工程76では、本システムは、2つの署名/認証が必要であることを知らせる警報/通知を提供する。この後、工程78において、本システムは、2つの認証署名が為されたかどうかを決定する。2つの認証署名が為されていない場合、本システムは工程70へ進み、この療法をプログラミングする要求が拒否される。工程78において、2つの認証署名(これらの認証署名は、秘密認証、例えば認証コードの入力などであってよい)が為された場合には、本システムは工程81へ進む。工程72でこれらの送達パラメーターがオーバーライドされたときには、工程81において、薬局および担当医師に、療法用に設定されたこれらの送達パラメーターが院内の処方範囲から外れていることが知らされる。工程72でこれらの送達パラメーターがオーバーライドされなかったときには、担当医師および薬局への通知は必要でない。
【0080】
工程78および79で1つまたは複数の適切な認証が為された場合、または工程74で認証が必要でない場合、本システムは、図1の工程82へ進む。工程82では、本システムは、オペレーターに、適切なポンピングチャンネルを選択し、また、このような操作がまだ行われていない場合には、適切な容器およびラインセット24を同定するように要求する。ポンピングチャンネルにおけるラインセットの認識は、容器84、容器84内の薬物、およびチュービング25が配置されるチャンネル22に関する情報をオペレーターが入力することにより手動で行われてよく、またはこの認識が自動的に行われてもよい。また、容器84およびラインセット24の認識は、このプログラミングシーケンスのもっとずっと早い段階で行われてもよいことを理解すべきである。
【0081】
参考のため、図9は、制御装置12のチャンネル選択スクリーンを示している。図9に示されているルーチンでは、オペレーターが、プログラムされた注入療法用の適切なチャンネルを同定する。容器、ラインセット、チャンネルの認識及び/又はパラメーターのプログラミングが手動で果たされるべきでない場合に、自動的な認識/プログラミングをもたらすための1つの手段は、ラインセット24の構成要素に設けられた情報識別子27の使用を伴うものである。情報識別子27は:患者に関する情報、例えば患者名、年齢、性別、体重、アレルギー、状態など;ラインセット24の一部として接続された(即ち、容器84内の)薬物に関する情報、例えば薬剤/非薬剤のタイプ、名称、濃度など;および薬物療法に必要なすべてのプロセスパラメーターまたはいずれかのプロセスパラメーターを含め、このラインセットを用いて実施されるべき薬物療法に関する情報;を含んでよい。このようなプロセスパラメーターは、少なくとも薬物のタイプ、薬物の濃度、薬物の量、個々のボーラス体積、合計のボーラス体積、ボーラス速度、用量、ボーラス送達間のタイミング、最大ボーラス数、単位時間当たりの最大ボーラス数、負荷投与体積、負荷投与速度、負荷投与時間、維持速度、維持体積、維持時間、維持用量、希釈剤体積および患者の体重を含んでよい。最後に、情報識別子27はプロフィールデータに関する情報を含んでよく、これらのプロフィールデータは、これらに限定するものではないが、患者プロフィールデータ、例えば患者の疼痛状態、生活年齢、年齢層および在胎齢など、および状態プロフィールデータ、例えば健康状態または医学的な疾患の状態、例えば、これらに限定するものではないが、腎臓疾患、先天性心臓疾患および肝臓障害を含めた疾患の状態などを含む。特定の薬物療法情報を含むことに加え、情報識別子27は、一般的な薬物療法も含んでよい。例えば、情報識別子27は、様々な薬物、薬物のカテゴリー、または患者及び/又は状態プロフィールのカテゴリーに適用可能なプロセスパラメーターおよびデータを含んでよい。
【0082】
情報識別子27は、ラインセット24の製造業者により、院内の薬局により、または幾つかの他の実体により、ラインセット24に取り付けられてよい。情報識別子27が製造業者によりラインセット24に取り付けられるときには、このラインセットは、典型的には、まだ薬物容器84を含んでいない。従って、情報識別子27を伴うラインセット24が予め作成されてよく、あるカテゴリーまたはあるグループの薬物に適用可能な情報を有するものとして提供されてよい。情報識別子27を伴うこのラインセット24は、この後、このカテゴリーに属する薬物を有する容器84に取り付けることができる。代替的に、ラインセット24は、高度にカスタマイズし、上で同定された患者固有及び/又は療法固有のプロセスパラメーターのうちの多くを含むこともできる。このようなカスタマイズは、典型的には、薬局により実施され、そこで固有の処方および療法に関する指示が情報識別子27に加えられる。
【0083】
情報識別子27からのデータは、恰もちょうど入力装置18のキーボードに入力されたかの如くにして、制御装置12へ送られる。1つの実施形態においては、スライドクランプ28が、機械で読み取り可能な指標、バーコード及び/又は制御装置12に情報を送信すべく制御装置12と通信するRFIDを含む無線周波送信機のうちの1つまたはそれ以上を有している。1つの同様な実施形態においては、制御装置12は、入力装置18として、情報識別子27からの情報を受信するためのバーコードリーダー、無線周波受信機、光ファイバー受信機、レーザー可読受信機及び/又は赤外線受信機などを有していてよい。
【0084】
何らかの情報を、ラインセットの情報識別子27を介して制御装置12の入力装置18で受信する必要があるときには、この情報が、プログラミングプロセスの初期に、好適には図1および2で見られる如く工程40で制御装置に送られるのが有益であり得ることを理解すべきである。
【0085】
工程82でチャンネル22が選択され、また、薬物およびラインセット24を含め、容器84が同定されると、本システム30のプロセッサー16は、工程86において、この薬物療法用のスケジュールを展開すべくオペレーターに問い合わせを行う。スケジュールクエリーの1つの構成要素は、図10に描かれている如く、一次療法として、またはピギーバック療法として、この療法を同定することである。3チャンネル型のマルチチャンネル注入ポンプの場合、可能な薬物療法は、少なくとも一次薬物療法、第1ピギーバック薬物療法および後続ピギーバック薬物療法を含む。このような構成では、一次薬物療法が最初に施され(即ち、第1薬物療法)、2番目に第1ピギーバック薬物療法が施され(即ち、第2薬物療法)、3番目に後続ピギーバック薬物療法が施される(即ち、第3薬物療法)。これらのすべての薬物療法は、標準的な薬物療法、ボーラス投与による薬物療法及び/又は負荷投与による薬物療法のいずれかであってよい。
【0086】
スケジュールクエリーの別の構成要素は、この薬物療法を施す時間および日付である。制御装置12は、薬物の送達、ならびに容器84およびラインセット24の医療機器10への取り付けのうちのいずれかまたは両方に先だってプログラミングされてよい。
【0087】
マルチ容器84およびマルチチャンネルプログラムの1つの例として、制御装置12は、第1ポンピングチャンネル22aと連合した一次容器から負荷投与による薬物療法を施し、続いて、第2ポンピングチャンネル22bと連合した第2容器または第1ポンピングチャンネル22aにおける同一の容器のいずれかから、維持薬物療法を伴う負荷投与による薬物療法(即ち、ピギーバック薬物治療方式)を施すべくプログラムされてよい。更に、上で述べられている最初の2つの薬物療法に続くピギーバック薬物療法は、第3ポンピングチャンネル22cに接続された第3容器からのボーラス投与による薬物療法であってよい。数多くの他の例が存在する。
【0088】
ピギーバック薬物療法を使用する場合、本システムは、第1薬物療法(即ち、一次薬物療法)、第2薬物療法(即ち、ピギーバック療法)、第3薬物療法(即ち、後続ピギーバック療法)などの創出を可能にする。これらのピギーバック療法は、上で同定されているすべてのアラームおよびオーバーライドを含め、同一の工程に従って、同一のシステム30を用いてプログラミングされる。
【0089】
1つの付加的な機能として、本システムは反復機能を組み込んでいてよく、この反復機能により、オペレーターは、パラメーターを再入力する必要性を伴わずに、プログラムパラメーターのある部分または療法全体を反復させることが可能になる。
【0090】
次に図2を参照すると、本発明の医療機器10をプログラミングするための別のシステム30aが示されている。システム30aのプログラミングプロセスにおける第1工程は、制御装置(医療機器10に接続された制御装置12またはスタンドアローン型制御装置12aのいずれか)におけるスタートコマンドを起動することであり、図2において工程31で示されている。スタートコマンドが起動された後、オペレーターは、注入選択スクリーン32へ進めるべく選択することができる。上で説明されているように、図4に描かれている注入選択スクリーン32により、オペレーターは注入療法を選択することが可能になる。オペレーターがある注入療法を選択した場合、以下で詳しく説明されている、システム30aの結果としてもたらされた薬物療法が、この特定の注入療法に対する注入送達パラメーターの下で作動するであろう。詳細には、1つの例として、オペレーターが工程32でボーラス投与による薬物療法を選択した場合、プロセッサー16は、受信したプロフィールデータを処理し、その処理されたプロフィールデータに基づき、出力として、プリインストールされているボーラス薬物療法のうちの1つを提供するであろう。代替的に、オペレーターは、工程32を省略し、図11に描かれている工程90および91へ直接的に進むこともでき、工程90および91では、オペレーターは、患者プロフィール92、状態プロフィール94および薬物プロフィール96のうちの少なくとも1つを含むプロフィールデータを入力装置18に入力することができる。
【0091】
患者プロフィール92用のプロフィールデータは、患者の疼痛状態、生活年齢、年齢層および在胎齢のうちの少なくとも1つを含んでよい。状態プロフィール94用のプロフィールデータは、健康状態または医学的な疾患の状態、例えば腎臓疾患、先天性心臓疾患および肝臓障害などの疾患の状態うちの少なくとも1つを含んでよい。最後に、薬物プロフィール96用のプロフィールデータは、患者に送達されるべき薬物の名称またはタイプを含め、薬物(即ち、薬剤、非薬剤または希釈剤)に関するあらゆるデータを含んでよい。患者プロフィール92、状態プロフィール94および薬物プロフィール96はそれぞれ記憶装置14に存在する。より詳細には、上で述べられている記憶装置14にプリインストールされている薬物療法に加え、記憶装置14には、患者プロフィール92、状態プロフィール94、および特定の薬物療法に対応する薬物プロフィール96もプリインストールされている。
【0092】
オペレーターがプロフィールデータを入力すると(この入力操作は、図11(すなわち、入力装置18)におけるドロップダウン選択メニューを操作することを含んでよい)、工程98および100において、入力装置18により受信されたプロフィールデータは、プロセッサー16により見直され、適切な薬物療法を決定すべく、プリインストールされているプロフィール92、94、96のデータと比較されるであろう。1つの実施形態においては、プロセッサー16は、薬物療法を提供すべく、受信したこれらのプロフィールデータをプリインストールされているプロフィールと比較するアルゴリズムを有している。最後に、工程102において、プロセッサー16は、出力として、ある薬物療法を提供するであろう。プロセッサー16は、典型的には、この薬物療法を、受信したプロフィールデータに更に対応したこれらのプリインストールされているプロフィール90〜92に対応した複数のプリインストールされている薬物療法の中から選択する。プロセッサー16により提供される薬物療法は、典型的には、薬物のタイプおよび送達パラメーターを含む。これらの送達パラメーターは、用量、速度および濃度のうちの少なくとも1つを含む。出力としての薬物療法の一例が図12に描かれている。この例では、薬物療法は、速度、体積、濃度、時間および薬物名を含んでいる。
【0093】
代替的に、出力がボーラス薬物療法として提供される場合には、送達パラメーターは、薬物のタイプ、薬物の濃度、薬物の量、個々のボーラス体積、合計のボーラス体積、ボーラス速度およびボーラス送達間のタイミングのうちの少なくとも1つを含んでよい。また、出力が負荷投与による薬物療法として提供される場合には、送達パラメーターは、薬物のタイプ、薬物の濃度、負荷投与体積、負荷投与速度、負荷投与時間、維持体積、維持時間および希釈剤体積のうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0094】
システム30aは1つのプロフィールデータ入力のみに基づいて示唆薬物療法を提供し得るが、オペレーターが、工程90、92において、図11に示されている1つより多くのプロフィールデータを入力装置18に入力した場合、例えば患者プロフィールおよび状態プロフィールの両方に対するデータを入力した場合などでは、プロセッサー16は、予めプログラムされている薬物療法に基づいて示唆薬物療法を得るため、または示唆薬物療法を展開するため、交差分析を果たすであろう。
【0095】
システム30aが工程102で推奨薬物療法を提供すると、オペレーターは、工程104において、この推奨薬物療法を承認または拒否することができる。オペレーターが工程104でこの推奨薬物療法を承認した場合、システム30aは、上で同定されている工程74へ進み、その後、このシステムは上で同定されている通りに進行する。逆に、工程104でオペレーターが推奨薬物療法を拒否した場合には、工程106において、推奨薬物療法のパラメーターのうちのいずれかを調整する機会がオペレーターに与えられる。オペレーターが工程106でどのパラメーターも調整しないことを選択し、また、オペレーターが推奨薬物療法を承認しないことも選択した場合には、システム30aは終了へと進み、この療法要求を拒否する。代替的に、オペレーターが工程106においてこれらのプログラムパラメーターのうちのいずれかを調整することを選択した場合には、システム30aは工程62へ進む。上で説明されているように、工程62では、プロセッサー16は、これらのプログラムパラメーターが予めプログラムされているパラメーター範囲と合致するかどうかを決定するための解析を提供するであろう。工程62の後、システム30aは、システム30に関して上で説明されている通りに進行する。
【0096】
次に図15のフローチャートを参照する。このフローチャートは、制御装置12が事前にプログラミングされるシステム110を示しており、この制御装置の事前プログラミングは、典型的には、上のシステム30および30aで同定されている通りの薬物療法のプログラミングの前に果たされる。図15に示されているように、制御装置12をプログラミングする第1工程は、工程112において、そのプログラミングが薬剤プロフィール用であるか、または薬物療法用であるかを選択することである。薬剤プロフィールをプログラミングするための1つのスクリーン描写が図13に与えられている。図示されているように、プログラマーは様々なプログラムパラメーターを入力し、少なくともそのうちの幾つかは、薬剤の名称126、療法用の注入体積128、療法用の希釈剤体積130、濃度132、用量134および速度136を含む。当業者により理解される如く、付加的なプログラムパラメーターが可能である。
【0097】
もう一方のプログラミングモードは薬物療法用である。少なくとも2つのタイプの薬物療法グループが存在する:図15の工程122で示されている患者プロフィール、および図15の工程120で示されている状態プロフィール。更に、プログラマーは、工程124において薬剤パラメーターを入力することができる。図14は、予めプログラムされた特定の薬物療法に対する患者プロフィールを事前にプログラミングするためのサンプルスクリーンを示している。このスクリーンにおいて、プログラマーは、特定の患者の状態138および疾患の状態140のうちの少なくとも1つを入力するであろう。この後、上のプログラミング工程で同定された特定のプロフィールパラメーターに対し、プログラマーは、この薬物療法用のプログラムパラメーターを入力するであろう。図14に示されているように、様々なプログラムパラメーターは、少なくとも薬剤142、この療法用の体積144、濃度146および速度150である。
【0098】
プログラマーが薬剤療法または療法プロフィールのいずれかのプログラミングを完了すると、プログラマーは、工程116において、そのプログラムを確定するか、またはプログラムし直すかのいずれかを要求されるであろう。プログラマーが確定操作を行った場合、システム110は、そのプログラムを記憶装置に保存すべく、工程118へ進む。代替的に、プログラマーがプログラムし直すことを選択した場合には、システム110は、工程111におけるプログラミング開始コマンドへ戻る。
【0099】
また、本発明の記憶装置14は、ボーラス投与による薬物療法および負荷投与による薬物療法のうちの少なくとも1つに対する1つまたはそれ以上の薬物療法を読み出し可能に保存できることも理解すべきである。保存されたこれらの薬物療法のうちの少なくとも1つが少なくとも一組の患者プロフィールパラメーターに適合する。プロセッサー16は、それらの患者プロフィールパラメーターをプロセッサー16において記憶装置14に保存されている種々の薬物療法と比較することを規定する。プロセッサー16は、更に、それらの患者プロフィールパラメーターと適合した薬物療法を送信することを規定する。
【0100】
図16および17は、全体が参照番号200および300で表されている、本発明のシステムの付加的な実施形態を示している。少なくとも図3において上で説明されている実施形態と同様に、システム200、300は、使い捨てのラインセットチュービング214、314を利用することができる。米国特許出願第10/040,887号(これをもって、この出願公報の明細書全体が参照により組み入れられる)でもっと詳細に示され、且つ、説明されているように、ラインセットチュービング214、314は、そこに使い捨ての素子212、312、例えば使い捨てのポンプ212、312などを取り付けることができる。ラインセットチュービング及び/又は使い捨てのポンプは識別子218、318を有することができる。別な言葉で表現すれば、システム200、300は、使い捨ての素子212、312および識別子218、318を利用する。使い捨てのポンプは、マイクロポンプもしくはMEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)ポンプ、または他のタイプの使い捨て式ポンプであってよい。図16および17に示されているように、システム200、300は、一般的に、医療ポンプ212、312、好適にはMEMSポンプ、投与ラインセット214、314および容器216、316を含む。
【0101】
MEMSはマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)構成要素を意味する。MEMSは、もっと大きくてもよいが、1ミリメートル未満のサイズであり得る小さな装置または小形の装置を創出するために使用されるテクノロジーである。MEMS装置は、典型的には、ガラスウエハーまたはシリコンから製作されるが、このテクノロジーは、元の半導体産業をはるかに超えて成長した。各MEMS装置は、光学的、流体工学的、電気的、化学的および生物医学的素子に加え、移動する機械的な部品を組み込むことができるチップ上の一体型マイクロシステムである。結果として得られるMEMS装置またはMEMS素子は、圧力、振動、光および加速度を含め、多くのタイプの入力に応答する。MEMS構成要素は、様々なタイプのポンプ、フローバルブ、流量センサー、チュービング、圧力センサーまたは種々の素子の組合せを含め、数多くの異なる素子であり得る。これらのMEMS装置は、検出用、通信用および作動用に用いられる通常のマシンよりも小さい。結果として、従来は機械的な装置を使用することができなかったところでMEMS装置を使用することが可能である。また、MEMS装置は、従来の装置よりも速い速度で働くこともでき、消費電力も少なくて済む。更に、MEMSテクノロジーは、これらの素子を使い捨てまたは単回使用の装置として取り扱うことを実現可能にするコストでMEMS装置を製造できる段階にまで進歩している。MEMS装置は、典型的には、シリコンにエッチングされる。更に、MEMSは、他のタイプのマイクロエレクトロメカニカルシステム装置、例えばプラスチックにマイクロ成形された装置なども表し得ることを理解すべきである。従って、MEMS装置は、シリコンにエッチングされた装置、プラスチックに成形された装置、または別な仕方で小形の物に製作された装置を含み得る。MEMS素子またはポンプは様々な異なる形態を取り得ることを理解すべきである。例えば、MEMS素子またはポンプは、使い捨ての素子、例えば使い捨ての蠕動ポンプ、容積式ポンプ、携帯型ポンプ、シリンジポンプまたは他のタイプの使い捨て式ポンプであってよい。また、MEMS素子は、マイクロ成形されたポンプもしくは素子、または小形の物に別な仕方で製作されたポンプもしくは素子であってもよい。更に、MEMS素子は、圧電的に作動されるプラスチック製素子またはポンプであってもよい。特定の実施形態においては、流量センサーを、使い捨て式ポンプ自体の流路に設けられたポケットに組み込むことができよう。また、この出願による本発明のMEMS装置は、電子機器がMEMS流体構造物と同じチップ上でエッチングされる特定用途向け集積回路(ASIC)テクノロジーを用いて製造されてよいことも理解すべきである。
【0102】
この使い捨て式の素子は、MEMSポンプ212もしくはラインセット214、またはこれら両方の素子の組合せとみなすことができよう。更に、他のタイプのMEMS構成要素もシステム200において使用することができよう。容器216、316は、少なくとも図3において上で説明されている容器84と同様な容器である。1つの好適な実施形態では、容器216、316は、薬物または医薬、例えば医療用流体などを含有することができるように成された可撓性のバッグである。投与ラインセット214、314は、上で説明されているラインセット25と同様である。ラインセット214、314は、容器216、316に接続された、または別な仕方で容器216、316と連通した一方の端部、ならびにカテーテルまたは患者と連通するための他の装置を有する別の端部を有するチュービングを含む。
【0103】
更に図16および17で示されているように、MEMSポンプ212、312は、ラインセット214、314と作動可能に連合している。MEMSポンプ212、312は、様々な配置構成でラインセット214、314に接続されていてよい。例えば、MEMSポンプ212、312はインレットポート220、320およびアウトレットポート222、322を有していてよく、この場合、MEMSポンプ212、312はラインセット214、314の中間部分で接続される。従って、ラインセット214、314のある部分はインレットポート220、320に接続され、また、ラインセット214、314のある部分はアウトレットポート222、322に接続されることとなり、この場合、MEMSポンプ212、312はラインセット214、314に作動可能に接続される。適切に接続されると、MEMSポンプ212、312は、容器216、316から流体をポンピングし、ラインセット214、314を通じて患者へ送ることができる。
【0104】
システム200、300は識別子218、318も使用してよい。1つの好適な実施形態では、識別子218、318は、MEMSポンプ214、314と連合しているか、または別な仕方でMEMSポンプ214、314に接続されている。しかし、識別子218、318は、他の素子と連合していてよく、また、他の場所で、例えば図16および17で示されている如く使い捨て式のラインセット214、314で接続されていてもよいことを理解すべきである。識別子218、318の様々な実施形態が代理人整理番号EIS−6090(1417GP934)で同定される米国特許出願(本出願と関係し、上で、参照により組み入れられている)に記載されており、識別子218、318は、そこに記載されている通りの情報もしくは同定指標またはデータのうちのいずれかを含むことができる。識別子の付加的な実施形態が米国特許出願第10/748,589号、同第10/748,593号、同第10/748,749号、同第10/748,750号、同第10/748,762号、同第10/749,099号、同第10/749,101号および同第10/749,102号に記載されている。
【0105】
図16を参照すると、システム200は、更に、制御装置230を使用することができる。制御装置230は、MEMSポンプ212、または他のMEMSもしくは使い捨て式ポンプと作動可能に連合されてよい。制御装置230は、無線接続を介してMEMSポンプ212と通信することができる。代替的に、ハード接続を利用することもでき、この場合、MEMSポンプ212は、制御装置230にプラグを差し込むことにより接続されてよい。更に、制御装置230はMEMSポンプ212の一部として一体型であってもよいことを理解すべきである。更に、制御装置230は、以下で説明されている如く、ネットワーク通信リンクを介してポンプ212を制御する、分離した手持ち式コンピューターまたは分離したネットワーク制御装置であってもよいことを理解すべきである。記載されているように、制御装置230は認識システム232を有している。認識システム232は識別子218に含まれているデータを認識することができる。認識システム232は、システム200を作動させるべく識別子218と協同することができる。例えば、識別子218は、MEMSポンプ212に接続されているラインセット214のタイプを同定する情報を含んでいてよい。
【0106】
図16に示されている実施形態では、上で説明されている他の実施形態と同様に、制御装置230は、記憶装置260およびマイクロプロセッサー、マイクロ制御装置またはプロセッサー280を有している。介護施設または病院は、記憶装置260に複数の患者プロフィールおよび状態プロフィールをプリインストールすることができる。また、記憶装置260に、複数のプロフィールのそれぞれに対する関連薬物療法もプリインストールすることができる。制御装置の入力スクリーン(図示せず)は、注入が施されようとしている特定の患者に対するプロフィールデータ、例えば患者プロフィールデータ及び/又は状態プロフィールデータを受信するために使用することができる。プロセッサー280は、入力スクリーンを通じて受信されたプロフィールデータをプリインストールされているプロフィールと比較し、これら2つのプロフィール間に一致が存在するかどうかを決定する。例えば、一致が存在するかどうかを決定するために使用されるアルゴリズムは、完全な一致が存在するかどうかを決定する工程、そのプロフィールがあるグループ内であるかどうかを決定する工程、そのプロフィールがある範囲内であるかどうかを決定する工程、及び/又はそのプロフィールが予め決定されている値以上であるかどうか、もしくは予め決定されている値以下であるかどうかを決定する工程を含むことができよう。一致が存在する場合には、プロセッサー280は、対応するプリインストールされた療法を利用するポンプ212の運転範囲内で使用すべく、記憶装置260内から、プリインストールされている薬物療法のうちの少なくとも1つを提供する。この注入を実行および制御するため、この対応する療法に組み込まれた運転パラメーターが使用される。この対応する療法およびパラメーターは、先の実施形態で述べられているようにして選択することもできる。
【0107】
先の実施形態の場合と同様に、制御装置230はプロセッサー280を有している。上で述べられているように、制御装置230は、無線通信を介して、または有線通信を介してMEMSポンプ212と通信し、MEMSポンプ212の運転を制御することができる。また、制御装置230は、MEMSポンプ212の運転に関するステータス情報を受信することもできる。更に、先の実施形態の場合と同様に、制御装置212は、複数の「チャンネル」(図示せず)とも通信し、これらのチャンネルの運転を制御する。例えば、1つの制御装置230が複数のMEMSポンプ212と通信し、これらのMEMSポンプの運転を、患者に施される療法に依存して、同時的または連続的に制御することができよう。
【0108】
図16に示されている実施形態は、更に、サーバーなどの中央コンピューター290、およびパーソナルデジタルアシスタント(PDA)などの携帯型ユーザーインターフェース装置または入力装置240を有することができる。ユーザーインターフェース装置240は、中央コンピューター290と双方向通信を行うことができる。中央コンピューター290およびユーザーインターフェース装置240は、米国特許出願第10/748,589号、同第10/748,593号、同第10/748,749号、同第10/748,750号、同第10/748,762号、同第10/749,099号、同第10/749,101号および同第10/749,102号に開示されている様々な実施形態に相当する様々な機能および構造を含むことができる。ここで説明されている構造および機能に加え、制御装置230は、更に、これらの先に出願された特許出願で開示されている様々な実施形態の構造および機能を含むことができる。
【0109】
また、このユーザーインターフェース装置または入力装置240はプロフィールデータを受信するために使用することもでき、そこでは、このプロフィールデータの受信は、(設けられている場合)制御装置の入力スクリーンを通じて果たすことができる。例えば、注入が施されようとしている特定の患者に対する患者プロフィールデータ及び/又は状態プロフィールデータをユーザーインターフェース装置240のスクリーンを通じて入力することができる。特定の患者に対するこのプロフィールデータは先の実施形態の仕方で入力することができる。次いで、特定の患者に対するこのプロフィールデータを中央コンピューター290へ送信し、更に、上で説明されている如く、この注入を施す際に使用する制御装置230へ送信することができる。このプロセスの一部として、プロセッサー280は、ユーザーインターフェース装置240を通じて受信したプロフィールデータを記憶装置260内のプリインストールされているプロフィールと比較し、一致が存在するかどうかを決定するであろう。
【0110】
述べられているように、制御装置230の認識システム232は、ラインセット214及び/又はMEMSポンプ212の識別子218を認識することができる。また、ユーザーインターフェース装置240は、制御装置230の認識システム232の同一及び/又は関連機能を果たすため、認識システムまたはリーダー232、例えばバーコードリーダーなども有していてよい。また、制御装置230は、特定の制御装置230に固有の制御装置識別子248も有していてよく、例えばユーザーインターフェース装置240のリーダー232を使用して、制御装置識別子248およびMEMSまたはラインセット識別子218のそれぞれを読み取り、上で参照により本明細書に組み入れられている出願公報で詳細に示され、且つ、説明されているように、これらの装置及び/又はオペレーター(図示されていないが、典型的には、ユーザーインターフェース装置240にログインした操作者)間のつながり、およびこれらの装置及び/又はオペレーターの中でのつながりを創出することができる。
【0111】
制御装置230が受信及び/又は発生した、MEMSポンプ212の運転及び/又はこのポンプを通じて行われる患者への医薬の送達に関するステータス、アラーム、アラート、メッセージ及び/又は他の情報は、上述の出願で説明されている如く、通信ネットワーク、例えば無線通信ネットワークなどを通じて、離れた場所にある中央コンピューター290へ送信することができる。このステータスおよび他の情報は、インターフェース装置240で受信することができ、また、参照により本明細書に組み入れられている出願の中で詳細に説明されている如く、通信ネットワーク上で、例えば無線通信ネットワーク上などで、制御装置230の近くにある、または制御装置230から離れた場所にあるインターフェース装置240を通じて見ることができ及び/又は作用させることができる。同様に、中央コンピューター290は、本明細書に組み入れられている出願で説明されている如く、機能の分離、データの分離または他の分離により、第1中央コンピューターおよび第2中央コンピューターに分割することができる。
【0112】
本発明の更なる実施形態が図17に示されている。詳細には、その内部に記憶装置およびプロセッサーを有する制御装置を用いる代わりに、このシステム300は、MEMS通信インターフェース装置340、ならびにこのMEMインターフェース装置340とは別の装置に配置された記憶装置360およびプロセッサー380を含む。図示されている実施形態では、記憶装置360およびプロセッサー380は、MEMSインターフェース装置340から離れてはいるが、通信ネットワーク上で、例えば無線通信ネットワーク上でMEMSインターフェース装置340とつながっている中央コンピューター390に配置されている。MEMSインターフェース装置340は、MEMSポンプ312または他のMEMSもしくは使い捨て式のポンプと作動可能に連合させることができる。MEMSインターフェース装置340は無線接続を介してMEMSポンプ312と通信することができる。代替的に、ハード接続を利用することもでき、この場合、MEMSポンプ312は、MEMSインターフェース装置340にプラグを差し込むことにより接続することができる。更に、MEMSインターフェース装置340はMEMSポンプ312の一部として一体型であってもよいことを理解すべきである。更に、記憶装置360およびプロセッサー380と協同して働くMEMSインターフェース装置340は、先の実施形態からのポンプ制御装置と同じ機能を果たし得ることを理解すべきである。
【0113】
図17の実施形態では、MEMSインターフェース装置340は認識システム348を有している。認識システム348は、識別子318に含まれているデータを認識することができる。また、認識システム348は、識別子318と協同し、システム300を作動させることができる。例えば、識別子318は、MEMSポンプ312に接続されているラインセット314のタイプを同定する情報を含むことができる。
【0114】
図17に示されている実施形態では、上で説明されている他の実施形態と同様に、システム300は、記憶装置360およびマイクロプロセッサー、マイクロ制御装置またはプロセッサー380を有している。介護施設または病院は、記憶装置360に複数の患者プロフィールおよび状態プロフィールをプリインストールすることができる。また、記憶装置360には、これら複数のプロフィールのそれぞれに対する関連薬物療法もプリインストールすることができる。中央コンピューター390またはMEMSインターフェース装置340に接続された入力スクリーン(図示せず)は、プロフィールデータ、例えば注入が施されようとしている特定の患者に対する患者プロフィールデータ及び/又は状態プロフィールデータなどを受信するために使用することができる。プロセッサー380は、入力スクリーンを通じて受信したプロフィールデータをプリインストールされているプロフィールと比較し、これら2つのプロフィール間に一致が存在するかどうかを決定する。例えば、一致が存在するかどうかを決定するために使用されるアルゴリズムは、完全な一致が存在するかどうかを決定する工程、そのプロフィールがあるグループ内であるかどうかを決定する工程、そのプロフィールがある範囲内であるかどうかを決定する工程、及び/又はそのプロフィールが予め決定されている値以上であるかどうか、もしくは予め決定されている値以下であるかどうかを決定する工程を含むことができよう。一致が存在する場合には、プロセッサー380は、対応するプリインストールされている療法を利用するポンプ312の運転範囲内での使用のため、記憶装置360内からプリインストールされている薬物療法のうちの少なくとも1つを提供する。この注入を実行および制御するため、この対応する療法に組み込まれた運転パラメーターが使用される。この対応する療法およびパラメーターは、先の実施形態で述べられているようにして選択することもできる。
【0115】
上で述べられているように、MEMSインターフェース装置340は、無線通信または有線通信を介して記憶装置360およびプロセッサー380とつながり、MEMSポンプ312と通信し、MEMSポンプ312の運転を制御することができる。また、インターフェース装置340は、MEMSポンプ312の運転に関するステータス情報を受信することもできる。先の実施形態の場合と同様に、インターフェース装置340は、複数の「チャンネル」(図示せず)と通信し、これらのチャンネルの運転も制御する。例えば、1つのインターフェース装置340が複数のMEMSポンプ312と通信し、これらのMEMSポンプの運転を、患者に施される療法に依存して、同時的または連続的に制御することができよう。
【0116】
述べられているように、図17に示されている実施形態は、サーバーなどの中央コンピューター390、およびパーソナルデジタルアシスタント(PDA)などの携帯型ユーザーインターフェース装置または入力装置330を有している。ユーザーインターフェース装置330は、中央コンピューター390と双方向通信を行うことができる。中央コンピューター390およびユーザーインターフェース装置330は、米国特許出願第10/748,589号、同第10/748,593号、同第10/748,749号、同第10/748,750号、同第10/748,762号、同第10/749,099号、同第10/749,101号および同第10/749,102号に開示されている様々な実施形態に相当する様々な機能および構造を含むことができる。ここで説明されている構造および機能に加え、MEMSインターフェース装置340、記憶装置360およびプロセッサー380は、共に、上で開示されている様々な実施形態における制御装置、および先に出願されたこれらの特許出願における制御装置の構造および機能を含むことができる。
【0117】
また、このユーザーインターフェース装置または入力装置330はプロフィールデータを受信するために使用することもでき、そこでは、このプロフィールデータの受信は、(設けられている場合)中央コンピューター390またはMEMSインターフェース装置340に接続された入力スクリーンを通じて果たすことができる。例えば、注入が施されようとしている特定の患者に対する患者プロフィールデータ及び/又は状態プロフィールデータをユーザーインターフェース装置330のスクリーンを通じて入力することができる。特定の患者に対するこのプロフィールデータは先の実施形態の仕方で入力することができる。次いで、特定の患者に対するこのプロフィールデータを中央コンピューター390へ送信し、更に、上で説明されている如く、この注入を施す際に使用するMEMSインターフェース装置340へ送信することができる。このプロセスの一部として、プロセッサー380は、ユーザーインターフェース装置330を通じて受信したプロフィールデータを記憶装置360内のプリインストールされているプロフィールと比較し、一致が存在するかどうかを決定するであろう。
【0118】
述べられているように、MEMSインターフェース装置340の認識システム348は、ラインセット314及び/又はMEMSポンプ312の識別子318を認識することができる。また、ユーザーインターフェース装置または入力装置330は、MEMSインターフェース装置340の認識システム348の同一及び/又は関連機能を果たすため、認識システムまたはリーダー332、例えばバーコードリーダーなども有していてよい。また、MEMSインターフェース装置340は、特定のMEMSインターフェース装置340に固有のMEMSインターフェース識別子348も有していてよく、例えばユーザーインターフェース装置330のリーダー332を使用して、MEMSインターフェース識別子348およびMEMSまたはラインセット識別子318のそれぞれを読み取り、上で参照により本明細書に組み入れられている出願で詳細に示され、且つ、説明されているように、これらの装置及び/又はオペレーター(図示されていないが、典型的には、ユーザーインターフェース装置330にログインした操作者)間のつながり、およびこれらの装置及び/又はオペレーターの中でのつながりを創出することができる。このシステムは、バーコードが使用されるときには、一次元及び/又は二次元バーコードを利用すべく構築することができる。
【0119】
MEMSインターフェース装置340が受信及び/又は発生した、MEMSポンプ312の運転及び/又はこのポンプを通じて行われる患者への医薬の送達に関するステータス、アラーム、アラート、メッセージ及び/又は他の情報は、上述の出願で説明されている如く、通信ネットワーク、例えば無線通信ネットワークなどを通じて、離れた場所にある中央コンピューター390へ送信することができる。このステータスおよび他の情報は、ユーザーインターフェース装置330で受信することができ、また、参照により本明細書に組み入れられている出願の中で詳細に説明されている如く、通信ネットワーク上で、例えば無線通信ネットワーク上などで、MEMSインターフェース装置340の近くにある、またはMEMSインターフェース装置340から離れた場所にあるユーザーインターフェース装置330を通じて見ることができ及び/又は作用させることができる。同様に、中央コンピューター390は、本明細書に組み入れられている出願公報で説明されている如く、機能の分離、データの分離または他の分離により、第1中央コンピューターおよび第2中央コンピューターに分割することができる。上で指示されているように、使い捨て式の素子、例えばMEMSポンプ312などは中央コンピューター390で作動させ、制御できることを理解すべきである。
【0120】
図16および17のシステム200、300は、更に、患者プロフィールおよび状態プロフィール、ならびに関連する薬物療法およびそれらの薬物療法用のパラメーターに関する情報をプリインストールすべく、これらのシステムの記憶装置260、360をプログラムするプログラミング装置を含む。図16のシステム200においては、このプログラミング装置は、制御装置230の一部、中央コンピューター290の一部、及び/又はユーザーインターフェース装置240の一部であってよい。プログラミング装置によってプログラムされると、MEMSポンプ212、312を制御装置230またはMEMSインターフェース装置340により作動させることができる。作動させた後、制御装置230またはMEMSインターフェース装置340はMEMSポンプ212、312を制御し、ここで、ポンプ212、312は、患者に薬物を送達すべく動作する。ポンプ212、312は、予め定められた事象、例えばおおむね空の容器を定めるべく、流体が容器216、316から全体として実質的にポンピングされた時などを認識する能力を有している。例えば、MEMSポンプ212、312により検知される予め定められた圧力は、一旦この値に達すると、MEMSポンプ212、312の活動を停止させる状態にもたらすことができよう。MEMSポンプ212、312が停止すると、この状態は、アラーム、アラートまたは他のメッセージを発し、これらの信号が中央コンピューター290、390へ送られ、更なる通知を為すべくユーザーインターフェース装置240へ送られることとなろう。1つの実施形態では、記憶装置260、360及び/又は識別子218、248、318、348は、NOVEAの名称でVIRAGE LOGICにより製作され、http://www.viragelogic.com/productsで紹介され、説明されている、内蔵型または非内蔵型の電気的消去再書き込み可能な不揮発性記憶装置を含むことができる。
【0121】
付加的な特徴を上で述べられているいずれかの実施形態と共に利用することができる。検討されているように、キットを形成することができ、このキットは、容器216、316、ラインセット214、314および識別子218、318を含むことができる。識別子218、318は、容器216、318およびラインセット214、314のいずれかと一体化されていてよく、またはそれらのうちのいずれかに接続されていてよい。幾つかの実施形態では、容器216、316は、予め取り付けられた薬剤容器、例えばバイアルなどを有する予め取り付けられた再構成装置を含んでいてよい。この再構成装置は、容器216、316内において薬剤を流体217、317で再構成すべく活動化させることができよう。識別子218、318は、再構成装置に前もって取り付けることができるバイアルに関する情報も含み得ることを理解すべきである。別の実施形態では、使い捨て式のポンプ、例えばマイクロポンプまたはMEMSポンプなどもラインセット214、314に接続することができ、キットの一部と見なすことができる。このようなキットと連合した識別子218、318は、このシステムを全体的に適切に稼働させるための上述のあらゆる情報を有することができる。尚も別の実施形態では、容器216、316、またはキットに組み込まれた容器は、予め混合された医薬217、317を含むことができる。
【0122】
図16及び/又は17に関わる更なる実施形態においては、上で指示されているように、識別子218、318は、他の情報、例えばそのラインセットを使用することが意図されている患者の識別、及び/又は容器216、316内の医薬217、317の識別などに加え、特定の患者に対するプロフィールデータを含めるべく特にプログラムすることができる。制御装置230におけるリーダー232、ユーザーインターフェース装置240、330におけるリーダー、またはMEMSインターフェース装置340におけるリーダー(図示せず)を使用して、識別子218、318内のプロフィールデータ及び/又は他の情報を自動的に読み取り、この情報を利用し、対応するプリインストールされている患者プロフィールおよび状態プロフィールに対するプリインストールされている薬物療法に従ってMEMSポンプ212、312の動作をプログラムし、制御することができる。制御装置230、ユーザーインターフェース240、330、及び/又は中央コンピューター290、390のうちの少なくとも1つを通じ、ユーザーに、識別子218、318から読み取られたプロフィールデータの結果としてシステム200、300により示唆された薬物療法を容認し、拒否し、または修正する機会を与えることができる。
【0123】
本明細書の以前および以後の箇所で説明されているシステムにおいて使用されるポンプはセーフティーソフトウェアを組み込むことができることを理解すべきである。このセーフティーソフトウェアは基本故障アラームを発生させることができ、この場合、ポンプは、フェイルセーフ状態、例えば医薬がポンプを通じて自由に流れない状態などになるであろう。様々なソフトウェア/ポンプ配置構成を利用することができる。例えば、すべてのソフトウェアがポンプヘッドに配置されていてよく、またはすべてのソフトウェアがポンプヘッドから外れた位置もしくはポンプヘッドから離れた位置に配置されていてもよい。更に、特定のセーフティーソフトウェアがポンプヘッドに配置されているのを除き、すべてのソフトウェアがポンプヘッドから外れた位置に配置されてもよい。詳細には、また好適には、制御装置230は、制御装置の残りの機能が動作していないときに、または障害状態にあるときに、基本故障アラームを発生させるためのセーフティーソフトウェアを含むことができる。この場合、制御装置230は、この制御装置230が制御しており、且つ、基本レベルのアラーム/アラートを与えているポンプを通じる医薬の自由な流れを防ぐ、フェイルセーフ状態となるであろう。代替的または付加的に、セーフティーソフトウェアは、例えばMEMSポンプ212、312などのポンプの制御が中央コンピューター290、390から直接的に行われている場合などにこの機能も果たすべく、中央コンピューター290、390に存在していてもよい。代替的または付加的に、セーフティーソフトウェアは、例えば制御装置の少なくとも何らかの最小レベルがポンプまたはMEMS素子212、312のレベルでもたらされた場合などにこの機能も果たすべく、ポンプまたはMEMS素子8612に存在していてもよい。これらのセーフティーソフトウェアを用いる実施形態は、少なくとも、例えばインターフェース装置240、330、中央コンピューター290、390、及び/又はMEMS素子212、312に配置される、同様な様式における以下の図87および88に示されている実施形態に適用することができる。
【0124】
上で述べられている本発明の実施形態、特にあらゆる「好適な」実施形態は、単に本発明の原理の明確な理解を求めて説明された、可能な実施例であることを強調しておかなければならない。本発明の精神および原理から実質的に逸脱することなく、上で述べられている1つまたは複数の本発明の実施形態に多くの変更および改変を為すことができる。すべてのそのような変更は、ここでは、この開示および本発明の範囲内に含まれ、以下の特許請求の範囲により保護されるべく意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラム可能な医療ポンプ(10)用の制御装置(12)であって、
該制御装置が、
少なくとも1つのプリインストールされた患者プロフィールおよび少なくとも1つのプリインストールされた状態プロフィールを有する記憶装置(14)であって、該記憶装置が、更に、該プロフィールの各々に対する、関連するプリインストールされた薬物療法を有する、記憶装置(14)と、
(i)薬物療法パラメーターと、(ii)特定の患者に対応可能な患者プロフィールデータおよび状態プロフィールデータのうちの少なくとも1つを含むプロフィールデータを受信するための入力装置(18、240)と、
該受信したプロフィールデータに基づき、該プリインストールされた薬物療法のうちの少なくとも1つを提供するためのプロセッサー(16)と
を含み、
該プロセッサー(16)が、
(i)該受信したプロフィールデータ該記憶装置(14)内の該プリインストールされたプロフィール比較し、
(ii)該比較に基づき、該プリインストールされた薬物療法のうちの1つを選択し、
(iii)該プリインストールされ選択された薬物療法を提供し、
(iv)該プリインストールされ提供された薬物療法が拒否された場合、該薬物療法パラメーターが受信され得るようにし、
(v)いずれかの受信した薬物療法パラメーターを該プリインストールされ提供された薬物療法のパラメーターと比較して、該受信した薬物療法パラメーターが該プリインストールされ提供された薬物療法に対して予め決定されているパラメーターの範囲を超えているかどうかを判断する、
アルゴリズムを有する、制御装置。
【請求項2】
前記受信した薬物療法パラメーターが、濃度、速度および量のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記プロセッサー(16)が、前記受信した薬物療法パラメーターのうちのいずれかが、前記プリインストールされ提供された薬物療法に対して予め決定されているパラメーターの範囲を超えている場合に、警報を提供するように適合されている、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記記憶装置(14)に、更に、複数の薬物プロフィールがプリインストールされ、また、各薬物プロフィールに対し、該記憶装置に、更に、複数の該薬物プロフィールに対する、関連する薬物療法がプリインストールされ、該薬物療法が、用量、速度、濃度および使用される薬物のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記プリインストールされた患者プロフィールの各々が、患者の疼痛状態、生活年齢、年齢層および在胎齢のうちの少なくとも1つに対するデータを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記プリインストールされた状態プロフィールの各々が、健康状態および医学的な疾患の状態のうちの少なくとも1つに対するデータを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記プリインストールされた薬物プロフィールが、薬剤、非薬剤および希釈剤のうちの少なくとも1つに対するデータを含む、請求項4に記載の制御装置。
【請求項8】
前記プロセッサー(16)により提供される前記プリインストールされた薬物療法が、使用される薬物および送達パラメーターを含み、該送達パラメーターが、用量、速度および濃度のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記入力装置(18、240)がデジタルアシスタント(240)を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記入力装置(18、240)が、前記プログラム可能な医療ポンプの使い捨てのラインセットの構成要素に提供された情報識別子(27、218、318)からの情報を受信するための受信機(232)を含み、該構成要素は、チュービング、容器、スライドクランプおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記情報識別子が、患者の名前、年齢、性別、体重、アレルギー、状態、薬物の名前、使用される薬物、薬物の濃度、薬物の量、個々のボーラス体積、合計のボーラス体積、ボーラス速度、用量、ボーラス送達間のタイミング、最大ボーラス数、単位時間当たりの最大ボーラス数、負荷投与体積、負荷投与速度、負荷投与時間、維持速度、維持体積、維持時間、維持用量、希釈剤体積、患者プロフィールデータおよび状態プロフィールデータのうちの少なくとも1つを含んだ情報を含む、請求項10に記載の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−161262(P2011−161262A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−119762(P2011−119762)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【分割の表示】特願2007−515084(P2007−515084)の分割
【原出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【Fターム(参考)】