説明

薬物放出ステントコーティング剤の製造方法及びこれによって製造された薬物放出ステントコーティング剤

【課題】ゲムシタビンの放出率が持続的に極大化するようにして坑癌効果を高める薬物放出ステントコーティング剤の製造方法及びこれによって製造された薬物放出ステントコーティング剤の提供。
【解決手段】ポリウレタンをテトラヒドロフランに溶解させる段階1;プルロニックF−127をテトラヒドロフランに溶解させる段階2;ゲムシタビン化合物をエタノールに溶解させる段階3;前記段階1〜段階3で得られた溶液を混合して混合溶液を製造する段階4;前記段階4で得られた混合溶液をテフロンフィルムがコートされたステントに塗布させる段階5;前記段階5のステントを一定時間乾燥した後、ポリウレタンが溶解されたテトラヒドロフラン溶液に浸漬させる段階6;前記段階6で浸漬されたステントを引き上げた後に乾燥させる段階7を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬物放出ステントコーティング剤の製造方法及びこれによって製造された薬物放出ステントコーティング剤に係り、より詳しくはステントにコートされて坑癌効能を発揮する薬物の放出率を極大化させるようにした薬物放出ステントコーティング剤の製造方法及びこれによって製造された薬物放出ステントコーティング剤に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、外科的処置やこのような外科的処置に関連した侵入性薬剤処置において、血管または管腔(lumen)壁支持物または補強物を供給して狭窄症の再発を防止するためにステント(人造金網)装置が広く使われている。この外にも、治療促進作用または回復促進作用のために、食道、呼吸器官、血管、泌尿器官及びその外に接近し難い管腔にステント装置を挿入するか膨脹させることが一般的な治療形態として落ち着いている。
【0003】
ステントは1990年代後半に開発されたもので、大膓癌などが進んだ場合、手術を行い、人工肛門の製作の代わりに使うことができる方法であるが、患者によってはステントを使うことができない場合もある。
【0004】
ステント施術は癌を治療するものではなく、癌によって腸の一部が狭くなった問題を解決する臨時的な方法である。
【0005】
ステントは薄い金属でなった円筒で、癌によって大腸が狭くなった部分に挿入した後、拡張させることで、詰まった部位を明ける機能をする。例えば、大膓癌に使用可能なステントは種類が多いが、最も多く使うものがニッケルとチタンで合金したもの(‘Litinol’という)が使用できる。
【0006】
近年、ステントを用いた治療形態の効果を高めるため、血栓溶解剤や抗増殖剤などの薬物を運ぶことができる移植ステントを開発しようとする試みが行われている。その例として、特許文献1には薬物放出に係わって被覆物とともに使うことができる重合体物質ステントが開示されており、特許文献2には薬物放出用被覆ステントが開示されている。
【0007】
このような生物学的活性治療物質を長期間伝達することができるように、薬物をステントにコートする方法としては、先に生物学的活性治療物質を高分子溶液に添加した後、得られた混合物でステントをコートした後、溶媒を除去して生物学的活性治療物質を含有した高分子膜をステント上に形成する方法が研究された。
【0008】
一方、生物学的活性治療物質としてデキサメタゾン(dexamethasone)を使う場合のように、特定の生物学的活性治療物質を使おうとする場合、使われる溶媒または高分子物質との混和性や溶解性などが考慮されなければならなく、かつ適切な放出速度を持たなければならない。
【0009】
特許文献3には、デキサメタゾン、パクリタキセル、マイトマイシン及びイブプロフェンよりなる群から選ばれる生物学的活性物質を水溶性高分子の共沈殿物0.01〜30重量及び架橋高分子溶液70〜99.99重量%でなる高分子物質に混和させることと、これを用いてステントをコートする技術が開示されている。
【0010】
特許文献4には、ポリ(エチレン−co−ビニルアセテート)またはスチレン系ゴム状高分子でなった基部層と、前記基部層の上部に生体適合性高分子と薬物成分をコートしてなる2次コーティング層と、前記2次コーティング層にコートされた薬物とは全く異なる薬物成分をコートしてなる3次コーティング層を含んでなる薬物放出調節型多層コーティングステント及びその製造方法が開示されている。
【0011】
ここで、前記生体適合性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリラクチド共重合体、ポリエチレンオキシド、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、ポリホスファゲン、ポリアンヒドライド、ポリアミノ酸、セルロースアセテートブチルレート、セルローストリアセテート、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリビニルピロリドン(PVP)及びこれらの共重合体などが使われ、2次コーティング層を成す前記薬物成分としては、シロスタゾール(6−[4−(1−Cyclohexyl−1Htetrazol−5−yl)Butoxy]−3,4−Dihydro−2(1H)−Quinolinone、分子式COH7N、分子量369.47)を含む抗血小板薬物、抗血栓剤、抗増殖剤、成長因子、抗酸化剤及び放射性化合物を例として挙げている。
【0012】
一方、本発明者は特許文献5の「薬物放出ステント用コーティング剤と薬物放出ステント用コーティング剤の製造方法」を出願して登録を受けたことがある。
【0013】
すなわち、本発明者の先登録特許はポリウレタン(polyurethane;PU)400mgをテトラヒドロフラン(Tetrahydropuran;THF)21mlに溶解し、前記ポリウレタンを基準にして5%、10%、20%、30%のプルロニック(Pluronic F−127)と5%の生物学的活性物質であるタクソールを含む薬物放出ステント用コーティング剤を特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第5,092,877号明細書
【特許文献2】国際特許公開第WO96/032907号明細書
【特許文献3】大韓民国登録特許公報第10−439156号明細書
【特許文献4】大韓民国登録特許公報第10−511618号明細書
【特許文献5】大韓民国登録特許第0916750号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は抗癌剤のゲムシタビン(gemcitabine)が含まれた薬物を製造し、このように製造された薬物をステントにコートし、このステントにコートされた薬物の放出率が持続的に極大化するようにして坑癌効果を高めることができる薬物放出ステントコーティング剤の製造方法及びこれによって製造された薬物放出ステントコーティング剤を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記のような本発明の目的は、ポリウレタンをテトラヒドロフランに溶解させる段階1;プルロニックF−127をテトラヒドロフランに溶解させる段階2;ゲムシタビン化合物をエタノールに溶解させる段階3;前記段階1〜段階3で得られた3種の溶液を混合して混合溶液を製造する段階4;前記段階4で得られた混合溶液をテフロンフィルムがコートされたステントに塗布させる段階5;前記段階5のステントを一定時間乾燥した後、ポリウレタンが溶解されたテトラヒドロフラン溶液に浸漬させる段階6;前記段階6で浸漬されたステントを引き上げた後に乾燥させる段階7を含むことを特徴とする、薬物放出ステント用コーティング剤の製造方法によって達成できる。
【0017】
前記段階1において、テトラヒドロフラン7〜9mlを使うことができる。
【0018】
前記段階2において、プルロニックF−127は8〜22重量%の範囲から選ばれることができる。
【0019】
前記段階3において、ゲムシタビン化合物はゲムシタビン−塩化水素(GEMcitabine−HCL)であり、前記エタノールは75%エタノール(in HO、v/v)1mlであることができる。
【0020】
前記段階4において、超音波ミキシングで混合することができる。
【0021】
前記段階6及び段階7において、4〜6時間乾燥させることができる。
【0022】
前記段階6において、前記ステントをポリウレタンが溶解されたテトラヒドロフラン溶液に1回浸漬させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ステントにコートされた坑癌薬物の放出率を持続的に最高の状態に向上させることで坑癌性能を極大化することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明による薬物放出ステント用コーティング剤の製造工程を示す流れ図である。
【図2】放出実験の結果を示す図面代用グラフである。
【図3】放出実験の結果を示す図面代用グラフである。
【図4】本発明による薬物放出ステントコーティング剤の時間(週)に対して示すTNF−α geneの発現様相を示す図面代用写真である。
【図5】本発明による薬物放出ステントコーティング剤の時間(週)に対して示すIL−1β geneの発現様相を示す図面代用写真である。
【図6】本発明による薬物放出ステントコーティング剤の時間(週)に対して示すIL−12 geneの発現様相を示す図面代用写真である。
【図7】本発明による薬物放出ステントコーティング剤の時間(週)に対して示すp38 MAPKの活性化(リン酸化)様相を示す図面代用写真である。
【図8】本発明による薬物放出ステントコーティング剤の時間(週)に対して放出された薬物の癌細胞死滅への影響を示す図面代用写真である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
図1は本発明による薬物放出ステント用コーティング剤の製造工程を示す流れ図である。
【0027】
図1に示すように、本発明による薬物放出ステント用コーティング剤の製造方法は、ポリウレタンをテトラヒドロフランに溶解させる段階1(S1);プルロニックF−127をテトラヒドロフランに溶解させる段階2(S2);ゲムシタビン化合物をエタノールに溶解させる段階3(S3);前記段階1(S1)〜段階3(S3)で得られた3種の溶液を混合して混合溶液を製造する段階4(S4);前記段階4(S4)で得られた混合溶液をテフロンフィルムがコートされたステントに塗布させる段階5(S5);前記段階5(S5)のステントを一定時間乾燥させた後、ポリウレタンが溶解されたテトラヒドロフラン溶液に浸漬させる段階6(S6);及び前記段階6(S6)で浸漬されたステントを引き上げた後に乾燥させる段階7(S7)を含んでなる。
【0028】
前記段階1(S1)においては、ポリウレタンをテトラヒドロフラン(THF)7〜9mlに溶解させる。正確には、テトラヒドロフラン(THF)8.5mlに溶解させる。
【0029】
前記段階2(S2)においては、プルロニックF−127をテトラヒドロフラン1mlに溶解させる。前記プルロニックF−127は8〜22重量%の範囲から選ばれる。
【0030】
より正確には、プルロロニックは、0%、8%、10%、12%、15%及び22%が使われる。
【0031】
前記段階3(S3)のゲムシタビン化合物は、ゲムシタビン−塩化水素(GEMcitabine−HCL)であり、これを75%エタノール(in HO、v/v)1mlに溶解させる。
【0032】
前記段階4(S4)においては、超音波ミキシングで混合させる。
【0033】
前記段階6(S6)及び段階7(S7)は4〜6時間乾燥させることであり、正確には5時間乾燥させる。
【0034】
そして、前記段階6(S6)においては、前記ステントをポリウレタンが溶解されたテトラヒドロフラン溶液に1回浸漬させる。
【0035】
このような工程によって製造された本発明の薬物放出ステント用コーティング剤は、ポリウレタン、テトラヒドロフラン、プルロニックF−127、ゲムシタビン−塩化水素、エタノールが混合されたものであり、これをテフロンフィルムに塗布及び乾燥させて完成した試験体から後述する実験で坑癌性能を確認した。
【0036】
[実験例1]
本発明によって製造された薬物放出コーティング剤の放出実験である。
【0037】
(a)PBS 2mlに前記薬物放出コーティング剤のコートされたテフロンフィルムを浸漬させる。
【0038】
(b)最初6時間後、PBSを入れ替える。
【0039】
(c)以後、24時間ごとにPBSを入れ替える。
【0040】
添付の図2及び図3は前述した放出実験の結果を示すグラフである。
【0041】
すなわち、図2はテフロンフィルムからゲムシタビン−塩化水素の放出様相を示すものであり、図3はバルクフィルムからゲムシタビン−塩化水素の放出様相を示すものである。
【0042】
テフロンフィルム当たり含有されたゲムシタビン−塩化水素の量は平均7.78±0.05mg/cmであった。
【0043】
ポリウレタンを使って最終ポリマーの濃度を固定させた混合物内においてプルロニックの濃度による放出データ(release data)を見れば、プルロニックが12%含有されているサンプルの場合、時間当り放出されるゲムシタビン−塩化水素の量が比較的優秀に現れることが分かる。
【0044】
しかし、プルロニック0%、8%または10%では時間当り放出量が少なく、プルロニックが15%または22%含有されたテフロンフィルムは初期放出量があまり多いため、理想的な放出曲線であると言いにくかった。
【0045】
これは、この実験の初期実験として、テフロンで被せられなくて同一ポリマー混合割合で製作され、ゲムシタビン−塩化水素の含有量が平均12.47mg/cmのフィルムの放出パターン(図3参照)に比べると、プルロニック12%で上のような放出傾向を示した。
【0046】
これから、プルロニック12%で最終にもっと効果的に放出されることが分かった。
【0047】
[実験例2]
ヒトの胆管癌細胞であるSk−CHA−1細胞培養による分子細胞学的結果を実験する。
【0048】
(1)方法
A.細胞株
Sk−CHA−1細胞は20% fetal bovine serum(GIBRO−BRL, Granad Island, NY, USA)とantibiotics(100U/ml penicllin and 100g/ml streptomycine)を含むDulbecco’s modified Eagle’s medium(Sigma, St.Louis)、10%CO/90%Oで培養した。
【0049】
時間(週)によって、フィルムからゲムシタビン(GEM)の放出液を細胞株にそれぞれ添加して刺激させ、それぞれの細胞株から総RNAを抽出した後、c−DNA合成させた。
【0050】
ゲムシタビンによって発現されるターゲットサイトカイン遺伝子としては、Tumor Necrosis Factor−α、Interleukin−1β、Interleukin−12を用いた。
【0051】
前記プライマー(Primer)を用いてRT−PCRを行って特異的な遺伝子発現を測定した。
【0052】
また、それぞれの細胞株を溶解(lysis)させたタンパク質試料として、MAPKとして知られたp38−kinaseの活性度(リン酸化)をウエスタンブロット(western blot)で調査した。
【0053】
B.遺伝子分析
使用されたそれぞれのPCR primer遺伝子配列は次のようである。
【0054】
【表1】

【0055】

RT−PCRの温度条件は、94℃で10分間プレ変性(predenaturation)、94℃で60秒間変性(denaturation)、62℃で30秒間加熱冷却(annealing)、72℃で45秒間拡張(extension)を行い、これを36回繰り返した後、72℃で10分間最終拡張(lastextension)を施行した。これを電気泳動し(agarose 5%gel)、UVランプの下でバンドを確認した。
【0056】
この際、使用した内部標準物質としては、GAPDH(Glyceraldehyde 3−phosphate dehydrogenase;5’−ACCACAGTCCATGCCATCAC−3’(S primer)/5’−TCCACCACCCTGTTGCTGTA−3’(AS primer))を使った。
【0057】
結果は図4〜図6に示すようである。
【0058】
図4は本発明による薬物放出ステントコーティング剤の時間(週)に対して示すTNF−α geneの発現様相を示す図面代用写真、図5は本発明による薬物放出ステントコーティング剤の時間(週)に対して示すIL−1β geneの発現様相を示す図面代用写真、図6は本発明による薬物放出ステントコーティング剤の時間(週)に対して示すIL−12 geneの発現様相を示す図面代用写真である。
【0059】
図4〜図6に示すように、プルロニック0%、8%及び12%で常に薬物が放出されていたことを確認した。特に、プルロニック12%(Plu 12%)は4週後にもすべてのサイトカイン遺伝子であるTNF−α gene、IL−1β gene、IL−12 geneの発現が検出されることから、最も長期間にわたって持続的に発現されていることが分かる。
【0060】
C.タンパク質分析(p38 MAPKの活性化)
図7は本発明による薬物放出ステントコーティング剤の時間(週)に対して示すp38MAPKの活性化(リン酸化)様相を示す図面代用写真である。
【0061】
図7に示すように、プルロニック0%、8%及び12%で常に薬物が放出されていたことを確認し、特にプルロニック12%(Plu 12%)は4週後にもp38のリン酸化程度が明らかに見えることから、最も長期間にわたって持続的に発現されていることが分かる。
【0062】
[実験例3]
ヒトの胆管癌細胞であるSk−CHA−1細胞培養を用いた細胞死滅を実験する。
【0063】
図8は本発明による薬物放出ステントコーティング剤の時間(週)によって放出薬物の癌細胞死滅に対する影響を示す図面代用写真である。
【0064】
左側はPBSだけ処置した対照群であり、右側は本発明のプルロニック0%、8%、12%及び22%を適用した実験群である。
【0065】
Sk−CHA−1細胞は20% fetal bovine serum(GIBRO−BRL, Granad Island, NY, USA)とantibiotics(100 U/ml penicllin and 100g/ml streptomycine)を含むDulbecco’s modified Eagle’s medium(Sigma, St. Louis)、10%CO/90%Oで培養した。
【0066】
時間(週)に対し、採取したフィルムからゲムシタビンの放出液を細胞株にそれぞれ添加し、24時間後に細胞死滅への影響を観察した。
【0067】
細胞死滅の標識因子としては、cell−numberと細胞死滅後に出る培地でのDNA片の量を定量して比較した。
【0068】
図8に示すように、プルロニック0%、8%及び12%で常に薬物が放出されていたことを確認し、特にプルロニック12%(Plu 12%)は3週後にも死滅率が最も高いことが現れていることから、持続的な薬物放出によって細胞死滅程度が極大化したことが分かる。
【0069】
前記の実験結果から分かるように、総ポリマー量を固定した反応系でゲムシタビンの放出実験ではプルロニック12%で優れた放出様相を収得し、これに基づいて本発明が癌細胞抑制及び死滅に有効であることが分かる。
【0070】
以上、本発明を前述した好適な実施例に基づいて説明したが、発明の精神及び範囲から逸脱することなしに多様な修正及び変形が可能であるのは当業者が容易に認識することができ、このような変更及び修正はいずれも添付の請求の範囲に属するものであることは自明である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
ステントにコートされて坑癌効能を発揮する薬物の放出率を極大化させることができるようにした薬物放出ステントコーティング剤の製造方法及びこれによって製造された薬物放出ステントコーティング剤に適用可能である。
【符号の説明】
【0072】
S1 段階1
S2 段階2
S3 段階3
S4 段階4
S5 段階5
S6 段階6
S7 段階7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンをテトラヒドロフランに溶解させる段階1;
プルロニックF−127をテトラヒドロフランに溶解させる段階2;
ゲムシタビン化合物をエタノールに溶解させる段階3;
前記段階1〜段階3で得られた3種の溶液を混合して混合溶液を製造する段階4;
前記段階4で得られた混合溶液をテフロンフィルムのコートされたステントに塗布させる段階5;
前記段階5のステントを一定時間乾燥した後、ポリウレタンが溶解されたテトラヒドロフラン溶液に浸漬させる段階6;
前記段階6で浸漬されたステントを引き上げた後に乾燥させる段階7;
を含むことを特徴とする、薬物放出ステント用コーティング剤の製造方法。
【請求項2】
前記段階1において、テトラヒドロフラン7ml〜9mlを使うことを特徴とする、請求項1に記載の薬物放出ステント用コーティング剤の製造方法。
【請求項3】
前記段階2において、プルロニックF−127は8重量%〜22重量の範囲から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の薬物放出ステント用コーティング剤の製造方法。
【請求項4】
前記段階3のゲムシタビン化合物はゲムシタビン−塩化水素(GEMcitabine−HCL)であり、前記エタノールは75%エタノール(in HO、v/v)1mlであることを特徴とする、請求項1に記載の薬物放出ステント用コーティング剤の製造方法。
【請求項5】
前記段階4において、超音波ミキシングで混合することを特徴とする、請求項1に記載の薬物放出ステント用コーティング剤の製造方法。
【請求項6】
前記段階6及び段階7において、4〜6時間乾燥させることを特徴とする、請求項1に記載の薬物放出ステント用コーティング剤の製造方法。
【請求項7】
前記段階6において、前記ステントをポリウレタンが溶解されたテトラヒドロフラン溶液に1回浸漬させることを特徴とする、請求項1に記載の薬物放出ステント用コーティング剤の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載された薬物放出ステント用コーティング剤の製造方法によって製造されたことを特徴とする、薬物放出ステント用コーティング剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−254296(P2012−254296A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−126426(P2012−126426)
【出願日】平成24年6月1日(2012.6.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(510045092)テウーン メディカル カンパニー リミティッド (14)
【出願人】(510229005)
【Fターム(参考)】