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薬物粒子および/または薬物を吸着した粒子を含む、固溶体穿孔器
説明

薬物粒子および/または薬物を吸着した粒子を含む、固溶体穿孔器

【課題】薬物粒子、および/または薬物を吸着したかもしくは薬物を担持した粒子を含有する薬物固溶体穿孔器を、関連した薬物リザーバー(SSPP系)とともに、治療的、予防的および/または化粧品の化合物の送達、診断、ならびに栄養剤の送達および薬物ターゲティングのために提供する。
【解決手段】薬物送達において、SSPP系は、患者の身体と接触すると溶解するマトリックス材料内に、粒状形態の活性薬物成分または粒子表面に吸着した薬物を含む。経皮薬物送達の好ましい方法では、薬物吸着微粒子を含むSSPP系は、表皮または真皮を貫通し、薬物が(溶解する)SSPP系穿孔器から放出され、粒子から脱着される。さらなる薬物は、穿孔器の挿入によって作製された皮膚の穿孔を通してパッチレザーバーから必要に応じて送達される。SSPPおよび関連するレザーバーに関する処方および製造手順もまた提供される。SSPP系は、種々の形状および寸法で製造され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2005年9月6日に出願した米国仮出願第60/714,469号に対して米国特許法第119条(e)項の下での優先権を主張する。この出願は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、患者の体内への1つ以上の薬物の制御送達、および患者の体内における流体の診断に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
疾患および疾病のより良くかつより効率的な処置のために、タンパク質、ペプチド、ヌクレオチドおよびDNAの構成成分および遺伝子を含めた多くの新規の生物製剤薬物が開発されてきた。特に分子生物学および生物工学における最近の進歩により、生物工学由来の治療用タンパク質、例えばほんの数例を挙げれば、組換えヒトインスリン、成長ホルモン、およびエリスロポエチンが現在利用可能となっている。しかし、これらの新薬の使用における主な制限は、効率的な薬物送達系がないことであり、薬物は、治療上有効な速度および量にて、体内の1つ以上の生物学的バリアーを通過して輸送されなければならない。
【0004】
大部分の薬物は経口投与される。しかし、一部の薬物、特にタンパク質薬物およびペプチド薬物は、胃腸管における著しい分解、腸管膜における吸収不良、および/または肝臓による初回通過分解のために、この方法では効果的に吸着できない。
【0005】
別の投与技術は、標準的な注射器またはカテーテルを使用した非経口注入である。針による注入は、多くの患者において針恐怖症、相当な疼痛、皮膚への局所損傷を引き起こす。診断を目的とした血液等の体液の採取も、同様の不快感を引き起こす。さらに、針による注入は、薬物の連続送達にも連続診断にも理想的ではない。
【0006】
別の薬物送達技術は経皮的送達であり、これは通常、皮膚をまたがった薬物の拡散に依存する。この方法は、皮膚浸透性が低い薬物が多いため、広く適用することはできない。皮膚の最外層である角質層は、経皮的薬物浸透に対する主要なバリアーとなる。いったん薬物が真皮の深さ(表皮層の下)に達すると、薬物は、血液循環を介して深い組織層および系のその他の部分に急速に拡散する。
【0007】
皮膚を通してのタンパク質薬物送達の速度を向上させる試みにおいて、化学的促進剤、イオン導入、電気穿孔法、超音波、および熱素子が、薬物送達を補うために使用されてきた。しかしながら、これらの技法は、薬物の種類によっては好適でなく、しばしば治療レベルの送達を提供できない。これらの技法は、望ましくない皮膚反応を時々もたらし、および/または何時間または何日間にもわたる連続した薬物制御送達には実用的でない。
【0008】
粒子または液体注入等のその他の試みは、薬物を経皮的に移動させる別の方法を設計するために行われてきた。これらの技法の主な利点は、針を使用しないこと、および汚染発生率を低減することである。しかしながら、液体注入は、いくらかの疼痛および/または皮下出血を頻繁に引き起こす。1つの技法であるバリスティック粒子注入は、正確かつ連続的に投与することが難しく、微小出血を引き起こし得る。
【0009】
他の人々は、マイクロニードル(直径1mm未満)を使用して、経皮薬物送達を行った。マイクロニードルは、針の管腔を通して薬物を送達するために、針のシャフトの外側に沿って薬物を送達するために、またはその後のパッチ薬物の適用のための皮膚用穿孔器として使用されてきた。例えば、シリコン製マイクロニードルは、半導体産業からの製造手順を使用して開発された。例は、特許文献1(Allen,et al.,2001年1月)、特許文献2(Yuzhakov,et al.,2001年7月)、特許文献3(Sherman,et al.,2001年11月)、および特許文献4(Gartstein,et al.,2002年4月)に記載されている。残念なことに、シリコン製ニードルは皮膚内で溶けず、使用中に破損すると、相当な刺激を生じ、感染症さえ引き起こす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6334856号明細書
【特許文献2】米国特許第6256533号明細書
【特許文献3】米国特許第6312612号明細書
【特許文献4】米国特許第6379324号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
1つ、2つまたはそれより多くの薬物を同時または順次に制御導入することを可能にするため、および安価な製造および種々のパッチ設計(可溶性マイクロニードルを含む)を使用する迅速な薬物送達を提供するために、皮膚のバリアーを低減または制御するアプローチが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の要旨)
これらのニーズは、本発明によって満たされる。本発明は、粒子薬物または薬物吸着粒子を含有する可溶性固溶体穿孔器(「SSPP」)系を使用して皮膚の機械的貫通を適用し、比較的迅速に、例えば1分間〜24時間以内に、好ましくは5分間〜10時間以内に、例えば10分間〜5時間以内に、またはこれらの範囲内の任意の時間内に溶解または生分解する。「SSPPデバイス」は、必要に応じて、第2の薬物のリザーバーを含み、このリザーバーは、パッチに含まれ、穿孔器アレイに隣接して設置され、SSPP系穿孔器内に含有されるのと同じ薬物かまたは異なる薬物の何れかを含有する。SSPP(系)穿孔器を使用して(特に最外層の)皮膚における薬物輸送チャネルまたはポートを作製することで、薬物送達のために、および監視される体液へのアクセスを提供するために、皮膚のバリアー特性を低減または制御することができる。必要に応じて、パッチは、皮膚の穿孔した領域に隣接する患者の皮膚に接着し、SSPPをこの皮膚に対して保持する環状の接着剤を含む。このパッチ系は、SSPP穿孔器によって形成される皮膚チャネルを通して第2の薬物を送達するために、個別に活性化される。
【0013】
従来の中空針技術とは対照的に、SSPP系は、1つ以上の選択される薬物粒子および/または薬物担持粒子を保持し、1つ以上の穿孔器へと形成される、可溶性(融解可能なものを含む)材料の固体マトリックスを含む。本マトリックスは、急速に溶解するおよび/または膨張する材料で構成されてもよい。固溶体(solidsolution)は、均質な相であってもよければ、懸濁液(suspension solution)等の不均質な相であってもよい。
【0014】
薬物懸濁の固溶体は、親水性マトリックス内の疎水性薬物の粒子から構成されてもよい。薬物は、ワクチンまたはタンパク質薬物等の有機分子または高分子であってもよいが、これらに限定されない。薬物は、可溶性マトリックス内に埋め込まれる不活性粒子に吸着されてもよい。不活性粒子への薬物吸着は、粒子の高表面エネルギー(例えば、水酸化アルミニウムの表面積は500m2/g)または疎水性相互作用および/もしくは静電気的相互作用等の物理的結合によって達成することができる。510m2/gの表面積は、結晶性物質にとっては異例であり、膨張性粘土鉱物において報告される600〜800m2/gの範囲の表面積値に近い。
【0015】
当業者であれば、特定の粒子に吸着することができるタンパク質の量を容易に決定することができる。水酸化アルミニウムへの例示的なタンパク質吸着量は、以下の通りである:1.6〜3.1mgウシ血清アルブミン/mg;2.6mg オボアルブミン/mg;1.9mg α−ラクトアルブミン/mg;1.1mgミオグロビン/mg。
【0016】
SSPPで薬物懸濁液、薬物粒子、または薬物担持粒子を使用する1つの特定の利点は、遠心分離法等の種々の製造方法およびパラメータによってマイクロニードルの先端部または表面に薬物を濃縮できることである。マイクロニードルの先端部とは、マイクロニードルの先細の端部を意味する。一般的に、薬物は、マイクロニードルの下半分から下から3分の1に、好ましくは、マイクロニードルの尖端部を形成する部分の下から4分の1またはそれ未満の部分に濃縮される。この設計は薬物の保存を可能にし、それによって薬物送達の効果的かつ経済的な方法を提供することから、薬物担持粒子および先端部を濃縮したマイクロニードルは、タンパク質治療薬およびワクチン等の強力なタンパク質薬物送達に特に有益である。
【0017】
あるいは、薬物懸濁ゲルの混合物を、種々の製造方法を使用して、少なくとも1つの型壁を有するマイクロニードル型を十分に満たすように沈着させる。液体の一部は、(例えば、蒸発および/または拡散によって)混合物から逸脱させられ、それによって型内の混合物の体積が収縮し、少なくとも1つの型壁から外れるようになり、この収縮量は、ゲル化剤の性質および量によって、ならびに/または部分的に乾燥させたマイクロニードルを完全に乾燥させるために型から分離させる時間によって制御される。この収縮によって、針の先端部角度が鋭くなり得、マイクロニードルのアスペクト比がより高くなり得る。
【0018】
従って、一実施形態において、本発明は、選択された薬物が先端部または先端部表面上に濃縮されたマイクロニードルを製造する方法に関する。本方法は以下を含む:
(a)粒状薬物、および薬物を吸着した不活性粒子からなる群から選択される粒状成分を提供する工程;
(b)この粒状成分を可溶性マトリックス材料と組み合わせて、この粒状成分を含む懸濁液を形成する工程;
(c)この懸濁液をマイクロニードル型に注入(cast)する工程;
(d)この粒状成分をこのマイクロニードルの先端部または先端部表面に移動させる条件下で、この注入がされたマイクロニードル型を遠心分離する工程;および
(e)この注入されたマイクロニードルを乾燥させ、この型から分離する工程。
【0019】
別の実施形態において、本発明は、選択された薬物が先端部または先端部表面上に濃縮されたマイクロニードルを製造する方法に関する。本方法は以下を含む:
(a)溶けた状態の、選択された薬物、可溶性マトリックス材料、および不活性粒子を組み合わせて、この薬物およびマトリックスを吸着したこの不活性粒子を含む懸濁液を形成する工程;
(b)この懸濁液をマイクロニードル型に注入する工程;
(c)この薬物を吸着した不活性粒子をこのマイクロニードルの先端部またはこのマイクロニードルの表面に移動させる条件下で、この注入がされたマイクロニードル型を遠心分離する工程;および
(d)この注入されたマイクロニードルを乾燥させ、この型から分離させる工程。
【0020】
さらに別の実施形態において、本発明は、選択された薬物が先端部または先端部表面上に濃縮されたマイクロニードルを製造する方法に関する。本方法は以下を含む:
(a)乾燥させた粒状薬物、および薬物を吸着した乾燥させた不活性粒子からなる群から選択される粒状成分を提供する工程;
(b)この粒状成分をマイクロニードル型の先端部部分に添加する工程;
(c)粉体マトリックスをこの粒状成分上に詰め込んで、このマイクロニードル型を満たす工程;
(d)この詰め込まれたマイクロニードル型に圧縮力をかけて、このマイクロニードルを固める工程;および
(e)この注入されたマイクロニードルを乾燥させ、この型から分離する工程。
【0021】
上述の全ての方法の特定の実施形態において、薬物はワクチンであり、不活性粒子はポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)または水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウム(ミョウバン)である。代替の実施形態において、薬物はタンパク質である。
【0022】
さらに他の実施形態において、マトリックス材料はヒドロゲルである。特定の実施形態において、マトリックス材料は、カルボキシメチルセルロースナトリウムを含む。さらなる実施形態において、マトリックス材料はさらにビタミンCを含む。
【0023】
本発明のこれらのおよびその他の実施形態は、本明細書の開示内容に鑑みれば当業者に容易にわかるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、患者の皮膚の概略断面図である。
【図2】図2は、懸濁液を有する粒子を含有する固体穿孔器の例示的な製造手順を示す。
【図3】図3は、固体穿孔器用の粉体を圧縮するための例示的な製造手順である。
【図4A】図4Aは、薬物粒子または薬物吸着粒子を含有するマイクロニードルを調製する手順の概略図である。
【図4B】図4Bは、薬物粒子または薬物吸着粒子を含有するマイクロニードルを調製する手順の概略図である。
【図4C】図4Cは、薬物粒子または薬物吸着粒子を含有するマイクロニードルを調製する手順の概略図である。
【図4D】図4Dは、薬物粒子または薬物吸着粒子を含有するマイクロニードルを調製する手順の概略図である。
【図4E】図4Eは、薬物粒子または薬物吸着粒子を含有するマイクロニードルを調製する手順の概略図である。
【図5A】図5Aは、ZnO粒子(図5A)である。
【図5B】図5Bは、粒子を担持したマイクロニードル(図5B)である。
【図6】図6は、薬物リザーバーを含む代表的な薬物パッチ系の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(発明の詳細な説明)
本発明の実施では、特に指示がない限り、当該技術分野の技術範囲内の化学、生化学、薬理学および薬物送達に関する従来の方法を使用する。このような技法については、文献に充分に説明されている。
【0026】
上述または後述に関係なく、本明細書で引用する全ての刊行物、特許および特許出願は、全体が参考として本明細書で援用される。
【0027】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形は、内容が明らかにそうではないことを示さない限り、複数形のものを包含することに留意しなければならない。従って、例えば「タンパク質(aprotein)」の言及には、複数のポリペプチドの混合物が包含される、などである。
【0028】
図1は、角質層13、表皮層または表皮15、および真皮層または真皮17を含む、皮膚の上部層11の断面図である。皮膚の最外層である角質層13は、死細胞層であり、通常10〜20ミクロン(μm)の厚さである。角質層13は、脂質(主にセラミド)の疎水性細胞外マトリックスによって囲まれた親水性ケラチノサイトを含有する。構造および組成の特有性により、角質層13は、体内への薬物またはその他の分子の経皮流動、および身体からの体液およびその他の分析物の経皮流動に対する最大のバリアーを提示する。角質層13は、2〜3週間の平均回転時間で角質細胞の脱落により連続して再生される。
【0029】
角質層13の下には、厚さ50〜100μmの生存可能な表皮または表皮層15がある。表皮は血管を含まず、表皮15の直下に位置する真皮17との間の拡散によって代謝物を自由に交換する。真皮は、厚さが1〜3mmであり、血管、リンパ管および神経を含む。いったん真皮層に達した薬物は、系の循環により灌流する。
【0030】
薬物吸着のための不活性粒子は、ZnO、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)およびその他のバイオポリマー粒子、金粒子、ミョウバン(水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウム)、ナノ粒子、リン酸カルシウム、その他の粘土粒子(例えばナトリウムベントナイト、カルシウムベントナイト、ナトリウムクロイサイト、およびカオリン等を含むがこれらに制限されない)であってもよい。特定の実施形態において、粒子は、過飽和マトリックスから沈澱させた薬物粒子自体である。粒子薬物は、マトリックス内の薬物とは異なる溶解速度を示し得る。薬物の溶解速度は、マトリックス内で薬物粒子と薬物とを組み合わせることにより達成することができる。
【0031】
必要に応じて、マイクロニードル内に薬物の濃度勾配を作ってもよい。この実施形態において、例えば粒子をマイクロ型の先端部に移動させる遠心分離、回転速度に依存する移動、およびマトリックスと粒子との間の密度差等を使用して、懸濁液をマイクロニードル内で濃縮する。次いで、マイクロニードルを乾燥させ、型から分離して、パッチの構成要素として使用する。従って、この独特の製造方法は、マイクロニードルの先端部および/または表面上に薬物を濃縮するために使用することができる。先端部に濃縮させたマイクロニードルは、ワクチンまたは強力なタンパク質薬物の送達に特に有用である。先端部に濃縮した薬物は、より少ない薬物を使用することでさらに経済的になり得、そして送達効率を向上させることができる。マイクロニードルの先端部または表面からの薬物担持粒子は、パッチを除去した後でも、持続した薬物送達のために組織内にとどまることが可能である。固形粒子に吸着した薬物は、遊離形態の薬物よりも著しく安定している。
【0032】
本発明と共に使用するその他の製造方法には、圧密および圧縮が含まれる。粉体形態の薬物吸着粒子およびマトリックス粉体をSSPP材料に使用する場合は、混合粉体を型の上に散布する。粉体の化学的特性および物理的特性に応じて、粉体の適切な加熱を適用して、型に種々の粘着性材料または溶媒を溶融させ得るかまたは噴霧し得る。結合剤の使用の有無にかかわらず、粉体は、加圧および/または加熱によって圧密する場合がある。SSP穿孔器をアレイに形成した場合は、SSPPアレイを冷却し、型から分離して、SSPP系に組み込む。
【0033】
図2は、薬物担持粒子のマイクロニードルの代表的な製造方法を示す。ワクチンまたはタンパク質を粒子と混合し、粒子の表面に吸着させる。可溶性マトリックス材料を溶液に添加し、薬物吸着粒子を有する懸濁ゲル液を型に注入して、遠心分離する。この溶液をマイクロニードルに充填する遠心分離プロセスにおいて、薬物吸着粒子は、針の先端部または表面に移動する傾向がある。マトリックスゲルと比べて、粒子の密度がより高いためである(この適用における殆どの粒状物の比重は1.5〜2.5であり、金属粒子は、15〜25の範囲であってもよい)。この差を理由として、より多くの粒子が先端部または表面領域に配置される。先端部で高濃度であることは、強力で高価な薬物の送達にとって有用で効率的であり、経費削減となる。いったん遠心分離させたら、マイクロニードルを乾燥させ、型から分離し、パッチの構成要素用に切断する。別の方法では、最初に薬物と可溶性マトリックス材料を混合し、次いで粒子を添加する。このようにして、粒子の表面に吸着させる薬物の量を制御することが可能である。型からの分離時間を変更することで、マイクロニードルの最終寸法を調節することができる。型プロセスでは、シリコンゲルを使用して、型の複製を作製するためにすることが可能である。これにより、効率的な大量生産が可能となる。
【0034】
図3は、薬物担持粒子のマイクロニードルを製造するための別の方法を示す。この実施形態において、ワクチンまたはタンパク質を目的の粒子と混合し、粒子の表面に吸着させる。次いで、マイクロニードル型に、所定用量の薬物吸着粒子を充填する。このプロセスでは、粒子サイズが小さいことが好ましく、型に容易に充填するためにタッピングプロセスを使用することが可能である。好ましくは、薬物吸着をマイクロニードル型の先端部部分に適用する。先端部部分とは、先端部に向かって先細になるマイクロニードル型の約下半分から3分の1を意味する。マトリックス粉体を、次いで、型に詰め込み、マイクロニードルを固めるために、必要に応じてさらなる溶媒または結合剤を使用する。圧縮力をかけてマイクロニードルを固める。このプロセスでは、有効に固めるために、温度を上げることも可能である。加熱を適用する場合、温度調節が極めて重要となる。適用する温度および持続時間は、あらゆる分解も賦形剤どうしの化学反応も避けるために十分に低く、短時間であるべきである。このプロセスによって、薬物の濃度勾配をマイクロニードルに組み込むことが可能となる。先端部に高度に濃縮された薬物は、特に強力で高価な薬物を使用する場合、経済的な理由から好適であり得る。マイクロニードルを乾燥させ、冷却し、型から分離して、パッチの構成要素用に切断する。
【0035】
図4A〜4Eは、薬物担持粒子マイクロニードル400の製造方法を示す。薬物担持粒子402または薬物沈澱剤を含むヒドロゲルマトリックス混合物401を、マイクロニードル型403に注入する。薬物吸着粒子および沈澱剤(結晶と仮定する)の拡大図を図4B中の404としておよび図4C中の407として示す。高分子量タンパク質またはワクチン等の薬物吸着粒子を405として示し、そして粒子を406として示す。遠心分離中の粒子懸濁ゲルを図4D中の410で示す。混合ゲル411は、マイクロ型413を満たし、薬物担持粒子412は、遠心分離されると先端部に移動する傾向があり、マイクロニードルの先端部または表面に濃縮される(図4D)。乾燥後、マイクロニードルを図4D中の型420から分離する。
【0036】
図5A〜5Bは、ZnO粒子(図5A)および粒子を埋め込んだマイクロニードル(図5B)の実際の画像である。この例において、平均粒子径は約1μmであり、マイクロニードル長は900μmである。5分間3500rpmの速度を使用する遠心分離製造プロセスにおいて、ZnO粒子は、マトリックス材料に比べて密度が高いことから、マイクロニードルの先端部に十分に濃縮される。
【0037】
必要に応じて、図6に示す薬物パッチ系600は、薬物リザーバー601を含む。薬物リザーバー601は、第2の薬物を含み、この第2の薬物は、第1の薬物と同じである場合もあれば、異なる場合もある。薬物リザーバー601は、SSPP穿孔器アレイ602の上におよびこれに隣接して位置し、独立して制御されるリザーバー薬物送達系603を有する。薬物パッチ系600は、好ましくは、薬物リザーバー601を取り囲む裏張り薄膜604を含み、かつ環状接着領域605を含み、環状接着領域605は、SSPPの皮膚穿孔領域606を取り囲んで密封する。樹脂製剥離性ライナー607は、皮膚を穿孔する前に剥がされ、そしてこれは、このライナーを剥がすまでSSPP系を保護する。
【0038】
SSPP穿孔器は、直線型もしくは先細型のシャフトを備えてもよく、またはピラミッド型もしくはくさび型もしくは刃型であってもよい。好ましい実施形態において、SSPP穿孔器の外径は、基部または第2端で最大であり、これは約1〜2000μmであり、第1端付近の穿孔器外径は、好ましくは1〜100μmである。SSPP穿孔器長は、代表的には10〜5000μmの範囲内であり、より好ましくは100〜3000μmの範囲内である。平均粒子径は0.01〜100μmであってもよく、粒子は広範なサイズ分布を有する。皮膚は平滑でなく、むしろ起伏のある表面であり、微視的には種々の深さを有する。さらに、角質層の厚さおよび皮膚の弾力性は、個人によっておよび任意の所定の人の身体の場所によっても変化する。望ましい貫通深度は、効果的な薬物送達ならびに比較的痛みがなくかつ出血のない貫通のために、単一の値よりはむしろ範囲を有する。SSPP穿孔器の貫通深度は、疼痛ならびに送達効率に影響を与え得る。特定の実施形態において、穿孔器は、10〜1000μmの範囲の深さまで貫通する。経皮的適用において、SSPP穿孔器の「貫通した深さ」は、角質層を通って皮膚内に挿入される穿孔器が表皮を越えて貫通しないように、好ましくは100μm未満である。これは、神経および血管との接触を回避するための最適な手法である。このような適用において、SSPP穿孔器の実際の長さは、長くなってもよい。なぜなら、皮膚には弾力性があり、かつ皮膚の表面は粗いので、SSPP系に付随する基底層は、皮膚には完全には挿入されないかもしれないからである。
【0039】
医療ニーズに応じて、真皮層への穿孔器の貫通は、一部の適用で必要とされ得る。このような場合、SSPP系の使用は、薬物の即時送達事態を対処する際に実用的な選択肢となり得る。SSPP穿孔器の貫通部分は、穿孔器の変数(SSPP長、寸法、基底層または基質層の機械的特性、ならびにSSPP穿孔器挿入のストロークおよび速度)を調節することによって、ならびに標的とする皮膚の弾力性、皮膚の硬さ、および表面の粗さを把握することによって最適化されうる。挿入速度を、バネ、ガス、機械力、または電子力によって操作されるマイクロニードル注入器を使用して上昇させることも可能である。
【0040】
SSPP穿孔器の主要な機能は、角質層に穴を開けること、マトリックスまたは薬物吸着粒子からの迅速な薬物送達開始を提供すること、および必要に応じて、その後の薬物送達または体液の監視のためにチャネルを開放したままにするのを助けることである。SSPP穿孔器が適度に急速に溶解し、薬物担持粒子を供給し、角質層に穴を開けるに充分な強度を備えている限り、任意の生体適合性材料がSSPP穿孔器として使用され得る。
【0041】
SSPP穿孔器を作製する際には、精密機械加工、マイクロマシニング、またはレーザー加工もしくは放電加工を使用して、型を作製する。シリコンレプリカを、シリコン硬化を使用して型から容易かつ安価に作製することが可能である。型を作製する際には、マトリックス材料を含み、かつ選択した薬物または薬物担持粒子を含む液体溶液を型に注入し、乾燥させる。液体溶液の粘性ならびにその他の物理的特性および化学的特性に応じて、型を満たすために遠心力または圧縮力等の追加の力が必要な場合がある。必要に応じて高温が使用され得る。固溶体を形成するには、風乾、真空乾燥または凍結乾燥等を含むがこれらに限定されない種々の既知の方法の何れかを使用して、溶媒を乾燥させる。いったん固溶体が形成されたら、SSPP穿孔器を型から分離させ、パッチの構成要素用に適切な形状および大きさに切断する。このような穿孔器の代表的な形状および大きさの説明に関しては、例えば、全体が参考として本明細書で援用される、2003年12月31日公開の国際公開第WO2004/000389号を参照されたい。
【0042】
SSPP穿孔器に好適なマトリックス材料としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム(SCMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、マルトデキストリン、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルネート、ポリペプチド、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、デキストリン、デキストラン、単糖および多糖、多価アルコール、ゼラチン、アラビアゴム、アルギネート、キトサンシクロデキストリン、ならびにその他の水溶性の天然ポリマーおよび合成ポリマー、または上記物質の組み合わせを含むがこれらに限定されないポリマーが挙げられる。
【0043】
糖誘導体(トレハロース、グルコース、マルトース、ラクトース、マルツロース、イソマルツロース、ラクツロース、フルクトース、ツラノース(turanose)、メリトース、マンノース、メレジトース、デキストラン、マルトトール、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、パラチニット、およびマンニトール)等の糖質誘導体が使用可能である。リン酸ガラス、硝酸ガラスおよびカルボン酸ガラス、塩化マグネシウム、塩化カリウム、ならびに塩化カルシウム等の水溶性成分を、単独でまたはマトリックスポリマーと混合して、マトリックス材料として使用することも可能である。
【0044】
マトリックスは、ビタミンCまたはビタミンC誘導体を含んでもよい。ビタミンCは、潜在的皮膚反応を減少させることが可能である。さらに、ビタミンCは、マトリックスの粘性を低減させ、遠心分離プロセスをより良くする。
【0045】
上述で説明した通り、薬物吸収のための不活性粒子材は、ZnO、PLGA粒子、その他のバイオプラスチック粒子、水酸化アルミニウム、ミョウバン、ミョウバンホスフェート(alumphosphate)、リン酸カルシウム、ナノ粒子、粘土粒子(例えば、ナトリウムベントナイト、カルシウムベントナイト、ナトリウムクロイサイト、カオリン、ヒドロキシアパタイト)、不活性金属粒子(例えば、金粒子、チタン粒子、および合金粒子)を含むがこれらに制限されない、当該技術分野で周知である種々の粒子のうちの何れであってもよい。さらに、水溶性マトリックス中の任意の不水溶性粒子または沈澱剤、および非水溶性マトリックス中の任意の不溶性粒子または沈澱剤を、薬物吸着のためおよび送達担体として使用することが可能である。例えば、ミョウバンまたはPLGA粒子は、免疫応答を促進し、吸着された薬物を安定させ、持続的脱着のためのデポー効果を提供するアジュバントとして作用することから、これらの粒子は、ワクチンの処方および送達に有益である。粒子径が小さく、高表面エネルギーを提供し、ならびに疎水性を備え、タンパク質薬物の疎水性部分との疎水結合および必要に応じて静電気結合を提供することから、タンパク質薬物は容易に粒子の表面に吸着され、かつ製造プロセス中に粒子表面から容易には脱結合されない。診断的適用のために、センサータンパク質または酵素(例えば、グルコースを監視するためのグルコースオキシダーゼ)を粒子またはセンサー粒子に吸着させるか、または固定させることが可能である。必要に応じて、タンパク質薬物との結合を制御するために、シラン処理、プラズマ処理、表面被覆、ポリマー表面グラフティング等の種々の技術によって、表面特性を改変することも可能である。
【0046】
場合により、粒子は、飽和マトリックスから沈澱させた薬物粒子であってもよく、沈澱剤は追加の薬物吸着剤またはその他の薬物吸着剤として作用する。
【0047】
SSPPパッチ系は、必要に応じて、液体形態またはゲル形態の第2の薬物を含有するリザーバーおよびリザーバーの表面の少なくとも一部から延びる1つ以上の穿孔器を含む。パッチ系に付随するSSPP穿孔器は、皮膚の角質層に貫通して経皮薬物投与を増強し、そして迅速な薬物送達および/または迅速な投与中断を提供する。パッチ系では、SSPP穿孔器およびリザーバーを、単一のユニットまたは別々のユニットとして構築することができる。
【0048】
適用に応じて1つ以上のSSPP穿孔器が角質層を貫通して表皮または真皮に入るように、SSPPパッチ系を皮膚に適用する。好ましい実施形態において、可溶性マトリックスのマイクロニードル先端部または表面の薬物担持粒子は、溶解して表皮または真皮に入る。ワクチン接種に関しては、ワクチンを担持または被覆したアジュバント粒子は、ワクチン接種を最大限にしうる。ワクチン分子または抗原は、粒子の表面から離れて、拡散するか、あるいは表皮、例えばランゲルハンス細胞等に移動する。
【0049】
SSPP系は、薬物およびワクチンならびにその他の生理活性分子を含む治療薬および/または予防薬を皮膚およびその他の組織を通して輸送することが可能である。SSPPデバイスは、組織での損傷、疼痛および/または刺激を最小にして、皮膚または他の組織のバリアーを越えた薬物送達および体液への接近を可能にする。薬物送達の適用において、SSPP穿孔器は、所望の薬物プロファイルに応じて、主に活性薬物担持粒子(または薬物粒子自体)および溶解固体マトリックスから構成される。SSPP系は、迅速な薬物供給源として、および皮膚を通したその後の薬物送達のためのチャネル作製手段として作用する。適用に応じて、ビタミン等の浸透性の活性または抗刺激性化合物が有益な効果を有する可能性がある。診断的適用において、SSPP穿孔器は、特定の分析物の存在に反応するセンサー物質を担持もしくは包埋した粒子を含んでもよく、またはこの粒子で構成されてもよい。
【0050】
特定の状況では、感染を抑えるために、基底層に抗ウイルスおよび/または抗菌保護を含むことが有用となる。薬物送達の速度を変えるかまたは制御するために、イオン導入法、または超音波療法、圧電応答、発熱体もしくは同様の応答を使用して、外部の物理的増強系をオーバーレイ層に備えることも可能である。
【0051】
任意の薬物またはその他の生理活性剤を、薬物担持または被覆粒子と共にSSPP系を使用して送達することができる。送達される薬物は、タンパク質、ペプチド、ヌクレオチド、DNA、遺伝子、多糖、ならびに合成有機化合物および無機化合物であってもよい。代表的な薬剤は、抗感染薬、ホルモン類、成長調節物質、心筋活動もしくは血流の調節薬、および疼痛コントロール薬を含むがこれらに限定されない。薬物は、ワクチン接種もしくは局所処置用または局所療法用もしくは全身的療法用であってもよい。以下は、代表的なタンパク質薬物および1回の注入当たりの有用な用量の例である:
□−インターフェロン 11〜100μg;
多発性硬化症用□−インターフェロン 22〜44μg;
貧血用エリスロポエチン(EPO) 10〜30μg;
卵胞刺激ホルモン(FSH) 5〜30μg;
副甲状腺ホルモン(PTH) 20〜40μg;
顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF) 9〜15μg;
顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF) 250μg;
ヒト絨毛性ゴナドトロピン 30〜300μg;
黄体形成(Leutinizing)ホルモン 2〜30μg;
サケカルシトニン 25〜50μg;
グルカゴン 1mg;
GNRH拮抗剤 2mg;
インスリン 0.75〜1.5mg;
ヒト成長ホルモン(GHD) 0.25〜1.5mg;
ヒト成長ホルモン(AIDS) 6mg;
テストステロン 5〜10mg;
リドカイン 2〜5%;
ジクロフェナクナトリウム 100〜200mg;
オキシブチニン 5〜15mg;
ケトプロフェン 75〜200mg;
アレンドロネート(Alemdronate) 10mg;
マレイン酸エナラプリル(Enalpril Maleate) 10〜40mg;
フェニルプロパノールアミンHCl 75mg;
クロモリンナトリウム 3.2〜10mg;
イソトレチノイン 0.5〜2mg/kg;
オキシトシン 1〜2ユニット/分/iv;
パロキセチンHCI 20mg;
フルルビプロフェン 100mg;
セルタリン(Sertaline) 50mg;
ベンラファキシン 75mg;
ロイプロリド 0.125〜0.25mg;
リスペリドン 4〜6mg;
ガランタミン臭化水素酸塩 16〜24mg;
抗凝固剤 エノキサプリン、関節リウマチエタネルセプト、外科手術後および慢性疼痛 フェンタニル、化学療法起因の白血球低下 フィルグラスチン(Filgrastin)、抗凝固剤ヘパリン、副甲状腺ホルモン(PTH)、ソマトロピン、成長ホルモン スマトリプタン、片頭痛 モルヒネ アヘン剤 抗関節炎。
【0052】
数多くの薬物を、種々の治療速度で送達することが可能であり、以下を含む多くの設計因子を変更することによって制御することができる:SSPPの寸法、粒状物からの薬物脱着速度、粒子の数または単位体積内の粒子の大きさ、マトリックスの溶解速度、SSPP穿孔器の数、SSPPパッチの大きさ、リザーバーの大きさおよび構成、およびデバイスの使用頻度等。血流への直接送達は、SSPPパッチの貫通長さを延長することによって可能であるが、SSPP薬物の経皮送達の殆どの適用は、表皮を標的とする。
【0053】
本明細書に開示されるSSPPパッチ系は、皮膚以外の組織を横切る輸送を制御するためにも有用である。例えば、SSPPパッチを患者の眼に挿入し、結膜、強膜、および/または角膜の問題を制御または修正し、ゆっくり動くアクチュエーターを使用して眼への薬物送達を促進することが可能である。薬物担持粒子は、パッチを除去した後でも、持続的薬物送達のために組織内に留まる。同様に、眼に挿入されたSSPP系は、眼から液体の輸送を促進することができ、それは緑内障の処置のために有益である場合がある。SSPPパッチは、頬測(口腔、例えば、飛躍的な疼痛管理のため)、鼻部または膣部または腹腔鏡を使用して組織の内部にまたは他の接近可能な粘膜層に挿入して、これらの組織への輸送またはこれらの組織を横切る輸送を促進し得る。例えば、薬物を口内または歯肉内の局所処置のために、または歯科矯正適用の筋肉弛緩剤として作用させるために、頬粘膜を通して送達する場合がある。別の例として、SSPP系は、体内で(例えば、経口摂取薬物の摂取を促進するために消化管の管壁に、または血管壁への薬物の貫通を促進するために血管の管壁で)内部で使用され得る。内部組織に適用する場合、生体接着性SSPP材料の使用はさらに有益となる可能性がある。
【0054】
別の重要な適用はワクチン接種である。皮膚は、ランゲルハンス細胞等の免疫細胞ネットワークを含んでいるために、効果的なワクチン送達にとって理想的な部位である。免疫原性化合物を表皮に送達する際にアジュバントとしても作用し得るワクチン担持粒子を使用するSSPP技術には、幾つかの利点がある。表皮は高密度の免疫細胞を有し、従ってより効果的に免疫系を誘発する。ワクチン担持粒子を使用するSSPP系は、担持用量を低減させ、ランゲルハンス細胞への迅速な送達を誘導することができ、ならびにデポー効果を提供し得る。ワクチンの適用において、粒子は、ワクチンの有効性を増強させるためにミョウバン粒子であり得る。SSPP系を、多価ワクチンのため容易に設計することができ、薬物の輸送および貯蔵のために液体を使用するよりは高い安定性を提供すると予想される。以下の一覧は、これらの系を使用して送達することができるワクチンの非限定例を提供する:
A型肝炎、B型肝炎、およびC型肝炎;
HIVワクチン;
インフルエンザ;
ジフテリア;
破傷風;
百日咳;
ライム病;
狂犬病;
肺炎球菌;
黄熱;
コレラ;
ワクシニア;
結核;
風疹;
麻疹;
耳下腺炎;
ロタウイルス;
ボツリヌス菌;
ヘルペスウイルス;
その他のDNAワクチン。
【0055】
適用の別の分野には薬用化粧品がある。粒子を使用するSSPP系は、しわ形成、皮膚加齢による多汗症の除去または低減させるために効率よく、かつ安全に使用することができる。例えば、ボトックス毒素、ヒドロキシ酸、ビタミンおよびビタミン誘導体等は、本明細書に記載の系を使用して送達され得る。本系は又、顔、腕、脚または足にしばしば見られる、面ぽう、ざ瘡、うおのめ、いぼ、皮膚硬結、腱膜瘤、光線性角化症、および硬い過角化性皮膚等の皮膚の損傷または皮膚の異常な特徴の処置にも有用である。SSPP系は、化粧用途用のタトゥー作製パッチとして、ならびに必須アミノ酸、脂質、およびビタミンを送達する食物パッチとしても有用である。食物パッチは、しばしば緊急事態で使用される。
【0056】
以上の通り、薬物粒子および薬物吸着粒子を使用するSSPP系を説明してきた。本発明の好ましい実施形態を多少詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、明らかなバリエーションが行われ得ることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択された薬物が先端部または先端部表面に濃縮されたマイクロニードルを製造する方法であって:
(a)乾燥させた粒状薬物、および薬物を吸着した乾燥させた不活性粒子からなる群から選択される粒状成分を提供する工程;
(b)該粒状成分をマイクロニードル型の先端部部分に添加する工程;
(c)粉体マトリックスを該粒状成分上に詰め込んで、該マイクロニードル型を満たす工程;
(d)該詰め込まれたマイクロニードル型に圧縮力をかけて、該マイクロニードルを固める工程;および
(e)該注入されたマイクロニードルを乾燥させ、該型から分離する工程
を包含する、方法。
【請求項2】
前記粒状成分が粒状薬物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記粒状成分が、薬物を吸着した不活性粒子である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記薬物がワクチンである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記不活性粒子が、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)または水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウム(ミョウバン)である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記薬物がタンパク質である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記マトリックス材料がヒドロゲルである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記マトリックス材料がカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む、請求項7に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2013−27742(P2013−27742A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−233667(P2012−233667)
【出願日】平成24年10月23日(2012.10.23)
【分割の表示】特願2008−530144(P2008−530144)の分割
【原出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(508068320)セラジェクト, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】