薬物送達に有用なリポソーム
【課題】病態(例えば、ヒト、植物、または動物などの生体における疾患)の診断、予後診断、試験、スクリーニング、治療、または予防に有用な物質の送達に有用な方法およびリポソーム組成物の提供。
【解決手段】置換アンモニウムおよび/またはポリアニオン含み、任意で所望の治療用物質または造影物質を有するリポソーム組成物及びその作成法。
【解決手段】置換アンモニウムおよび/またはポリアニオン含み、任意で所望の治療用物質または造影物質を有するリポソーム組成物及びその作成法。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の脂質を含む膜により媒体から分離された内部空間を有するリポソームを媒体中に含む組成物であって、該リポソームの内部空間が以下の式を有する置換アンモニウムを含み、
R1-(R2-)N+(-R3)-R4
式中、Nはアンモニウム窒素原子であり、R1、R2、R3、R4はそれぞれ、独立して水素原子、またはそれぞれ独立して8個以下の炭素原子を有し、全体として18個以下の炭素原子を包括的に有する有機基であって、R1、R2、R3、R4の少なくとも1つは有機基であり;
有機基は独立して、エーテル、エステル、チオエーテル、アミン、またはアミド結合を形成するS、O、またはN原子を任意で含む、アルキル基、アルキリデン(alkylidene)基、複素環アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、シクロアルケニル基、またはそれらのヒドロキシ置換誘導体であり;ならびに
R1、R2、R3、R4の少なくとも3つは有機基であるか;または有機基の少なくとも1つは、アンモニウム窒素原子に直接結合している第二級もしくは第三級炭素原子を有し;かつ
該内部空間がアニオンも含む、組成物。
【請求項2】
有機基が独立してそれぞれ6個以下の炭素原子を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
有機基が全体として16個以下の炭素原子を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
有機基が全体として12個以下の炭素原子を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
置換アンモニウムが水中で真溶液(true solution)を形成する、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
実質的にすべての置換アンモニウムがリポソームの内部空間内に含まれている、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
置換アンモニウムが薬学的に不活性である、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
置換アンモニウムが、イソプロピルエチルアンモニウム、イソプロピルメチルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、tert-ブチルエチルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、モルフォリニウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、tert-ブチルアンモニウム、2-アンモニオ-2-メチルプロパノール-1、2-アンモニオ-2-メチル-プロパンジオール-1,3、トリス-(ヒドロキシエチル)-アンモニオメタン、N,N'-ジエチル-エタノールアンモニウム、N,N',N''-トリス-(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム、N,N'-ビス-(2-ヒドロキシエチル)エチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジイソプロピルエチルアンモニウム、トリイソプロピルアンモニウム、N-メチルモルフォリニウム、1-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジニウム、1-メチルピロリジニウム、1,4-ジメチルピペラジニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、およびテトラブチルアンモニウムからなる群より選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
リポソームの内部空間内の置換アンモニウムの濃度が、リポソーム含有媒体中の置換アンモニウム濃度よりも高い、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
内部空間内の置換アンモニウムの濃度が、少なくとも約0.05 M、0.1 M、0.2 M、0.5 M、0.6 M、または0.7 Mの濃度である、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
内部空間内の置換アンモニウムの濃度が約0.65 Mである、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
アニオンが、二価アニオン、三価アニオン、多価アニオン、高分子アニオン、ポリアニオン化(polyanionized)ポリオール、またはポリアニオン化糖である、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
1つまたは複数の脂質を含む膜により媒体から分離された内部空間を有するリポソームを媒体中に含む組成物であって、該内部空間がポリアニオン化ポリオールまたはポリアニオン化糖からなる群より選択されるアニオンを含み、かつ該リポソームが該リポソーム内の物質保持に有効な膜間勾配を含む組成物。
【請求項14】
膜間勾配が、イオン勾配、アンモニウムイオン勾配、pH勾配、電気化学ポテンシャル勾配、溶解度勾配、または少なくとも1つのC-N結合を含む置換アンモニウムの勾配である、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
アニオンが、
(i) 単糖、二糖、線状ポリヒドロキシル化化合物、環状ポリヒドロキシル化化合物、2つ以上のヒドロキシル基を有する脂肪族アルコール、2つ以上のヒドロキシル基を有する脂環式アルコール、または2つ以上のヒドロキシル基を有する複素環アルコールからなる群より選択されるポリオール部分、および
(ii) 該ポリオール部分に結合した、少なくとも2つの強力なアニオン性機能基
を含む、請求項1〜14のいずれか一項記載の組成物。
【請求項16】
強力なアニオン性機能基の少なくとも1つが、硫酸エステル、リン酸エステル、ホウ酸エステル、スルホン酸基、ホスホン酸基、チオ炭酸基、ジチオ炭酸基、それらの誘導体、またはそれらの類似体である、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
ポリオール部分が、アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、ガラクトース、ソルボース、フルクトース、マルトース、スクロース、ラクトース、トレハロース、エチレングリコール、プロリレン(prolylene)グリコール、グリセロール、トレイトール(treitol)、エリスリトール、ペンタエリスリトール、リビトール、アラビトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール(lactitol)、マルチトール、フルクチトール(fructitol)、グルシトール、キシリトール、またはイノシトールからなる群より選択される、請求項15記載の組成物。
【請求項18】
ポリアニオンが、1分子当たり3〜8個の硫酸基を有するポリ硫酸化スクロースである、請求項15記載の組成物。
【請求項19】
ポリ硫酸化スクロースがスクロース8硫酸である、請求項15記載の組成物。
【請求項20】
ポリアニオンがイノシトール6リン酸である、請求項15記載の組成物。
【請求項21】
リポソーム内部内のアニオンの濃度が、少なくとも約0.05、0.1、0.2、0.5、0.6、0.7、または1.0グラム当量/Lである、請求項15記載の組成物。
【請求項22】
リポソーム内部内のアニオンの濃度が約0.65グラム当量/Lまたは約1.0グラム当量/Lである、請求項15記載の組成物。
【請求項23】
置換アンモニウムおよびアニオン以外の物質をさらに含む、請求項1〜22のいずれか一項記載の組成物。
【請求項24】
物質が全体的にカチオン性の物質、治療用物質、または検出マーカーである、請求項23記載の組成物。
【請求項25】
物質が媒体中の該物質の濃度を超える濃度で内部空間内に存在する、請求項23記載の組成物。
【請求項26】
媒体が物質を本質的に含まない、請求項23記載の組成物。
【請求項27】
総脂質に対する物質のモル比が、少なくとも約0.05、少なくとも約0.1、少なくとも約0.2、少なくとも約0.3、少なくとも約0.5、少なくとも約0.7、または少なくとも約1.0である、請求項23記載の組成物。
【請求項28】
治療用物質が抗菌治療用物質、抗ウイルス治療用物質、または抗新生物治療用物質である、請求項24記載の組成物。
【請求項29】
治療用物質がアミノグリコシド系抗生物質またはフルオロキノロン誘導体である、請求項24記載の組成物。
【請求項30】
治療用物質が、トポイソメラーゼ阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、ホスファターゼ阻害剤、オーロラ(aurora)キナーゼ阻害剤、微小管脱重合剤、微小管安定化剤、アルキル化剤、酵素、酵素阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、代謝拮抗剤、受容体結合剤、ホルモン、ホルモン拮抗剤、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、上記のいずれかの誘導体、上記のいずれかのプロドラッグ、および上記のいずれかの類似体からなる群より選択される、請求項28記載の組成物。
【請求項31】
抗新生物治療用物質が、アントラサイクリン化合物、カンプトテシン化合物、ビンカアルカロイド、エリプチシン化合物、タキサン化合物、ワートマンニン化合物、ピラゾロピリミジン化合物、上記のいずれかの誘導体、上記のいずれかのプロドラッグ、および上記のいずれかの類似体からなる群より選択される、請求項28記載の組成物。
【請求項32】
治療用物質が、ドキソルビシン、ダウノルビシン、マイトマイシンC、エピルビシン、ピラルビシン、ルビドマイシン(rubidomycin)、カルシノマイシン(carcinomycin)、N-アセチルアドリアマイシン、ルビダゾン(rubidazone)、5-イミドダウノマイシン、N-アセチルダウノマイシン、ダウノリリン(daunoryline)、ミトキサントロン、カンプトテシン、9-アミノカンプトテシン、7-エチルカンプトテシン、10-ヒドロキシカンプトテシン、9-ニトロカンプトテシン、10,11-メチレンジオキシカンプトテシン、9-アミノ-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン、9-クロロ-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、ラートテカン(lurtotecan)、シラテカン(silatecan)、(7-(4-メチルピペラジノメチレン)-10,11-エチレンジオキシ-20(S)-カンプトテシン、7-(4-メチルピペラジノメチレン)-10,11-メチレンジオキシ-20(S)-カンプトテシン、7-(2-N-イソプロピルアミノ)エチル)-(20S)-カンプトテシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンフルニン(vinflunine)、ビンポセチン、ビンデシン、エリプチシン、6-3-アミノプロピル-エリプチシン、2-ジエチルアミノエチル-エリプチシニウムおよびその塩、ダテリプチウム(datelliptium)、レテリプチン(retelliptine)、パクリタキセル、ドセタキセル、上記のいずれかの誘導体、上記のいずれかのプロドラッグ、ならびに上記のいずれかの類似体からなる群より選択される、請求項24記載の組成物。
【請求項33】
治療用物質が、抗ヒスタミンエチレンジアミン誘導体、ブロムフェニファミン(brompheniphamine)、ジフェンヒドラミン、抗原虫薬、キノロン、ヨードキノール、アミジン化合物、ペンタミジン、抗蠕虫化合物、ピランテル、抗住血吸虫薬、オキサムニキン、抗真菌トリアゾール誘導体、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、抗菌セファロスポリン、セファゾリン、セフォニシド(cefonicid)、セフォタキシム、セフタジミド(ceftazimide)、セフオキシム(cefuoxim)、抗菌βラクタム誘導体、アズトレオパム(aztreopam)、セフメタゾール、セフォキシチン、エリスロマイシン群の抗菌剤、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、オレアンドマイシン、ペニシリン化合物、ベンジルペニシリン、フェノキシメチルペニシリン、クロキサシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、カルベニシリン、テトラサイクリン化合物、ノボビオシン、スペクチノマイシン、バンコマイシン;抗ミコバクテリア薬、アミノサリチル酸、カプレオマイシン、エタンブトール、イソニアジド、ピラジナミド、リファブチン、リファンピン、クロファジミン、抗ウイルスアダマンタン化合物、アマンタジン、リマンタジン、キニジン化合物、キニーネ、キナクリン、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、プリマキン、アモジアキン、メフロキン、抗菌キオノロン(qionolone)、シプロフロキサシン、エノキサシン、ロメフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、スルホンアミド;尿路抗菌剤、ニトロフラントイン、トリメトプリム;ニトロイミダゾール誘導体、メトロニダゾール、コリン作動性第四級アンモニウム化合物、アンベチニウム(ambethinium)、ネオスチグミン、フィゾスチグミン、抗アルツハイマーアミノアクリジン、タクリン、抗パーキンソン病薬、ベンズトロピン、ビペリデン、プロシクリジン、トリヘキシルフェニジル、抗ムスカリン剤、アトロピン、ヒヨスチアミン、スコポラミン、プロパンテリン、アドレナリン作動化合物、ドーパミン、セロトニン、アルブテロール、ドブタミン、エフェドリン、エピネフリン、ノルエピネフリン、イソプロテレノール、メタプロペレノール(metaproperenol)、サルメテロール、テルブタリン、セロトニン再取り込み阻害剤、エルゴタミン誘導体、クラーレ系の筋弛緩剤、中枢作用筋弛緩剤、バクロフェン、シクロベンゼピン(cyclobenzepine)、ダントロレン、ニコチン、ニコチン受容体拮抗薬、βアドレナリン遮断薬、アセブチル(acebutil)、アミオダロン、ベンゾジアゼピン化合物、ジルチアゼム、抗不整脈薬、ジソピラミド、エンカイジン(encaidine)、局所麻酔化合物、プロカイン、プロカインアミド、リドカイン、フレカイニド、キニジン;ACE阻害剤、カプトプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、キナプリル、ラミプリル;アヘン誘導体、コデイン、メペリジン、メサドン、モルヒネ、抗高脂血症剤、フルバスタチン、ゲムフィブロジル、HMG-coA阻害剤、プラバスタチン、降圧剤、クロニジン、グアナベンズ、プラゾシン、グアネチジン、グラナドリル(granadril)、ヒドララジン、非冠動脈血管拡張剤、ジピリダモール、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、ピロカルピン、アルカロイド、フィゾスチグミン、ネオスチグミン、上記のいずれかの誘導体、上記のいずれかのプロドラッグ、および上記のいずれかの類似体からなる群より選択される、請求項24記載の組成物。
【請求項34】
2〜8℃で6ヵ月後に、物質の少なくとも90%がリポソーム内に封入されて残存する、請求項24記載の組成物。
【請求項35】
2〜8℃で2年後に、物質の少なくとも80%がリポソーム内に封入されて残存する、請求項24記載の組成物。
【請求項36】
物質が第1の物質-脂質比で組成物のリポソーム内に封入され、哺乳動物の血流中への該組成物の投与の24時間後に、該物質が第2の物質-脂質比で該リポソーム内に封入されて残存して、第2の物質-脂質比が第1の物質-脂質比の50%を超える、少なくとも60%である、または少なくとも70%である、請求項24記載の組成物。
【請求項37】
物質がビンカアルカロイド、その類似体、またはその誘導体である、請求項36記載の組成物。
【請求項38】
物質がビノレルビンである、請求項36記載の組成物。
【請求項39】
哺乳動物がラットである、請求項36記載の組成物。
【請求項40】
1つまたは複数の脂質、および少なくとも約0.10の物質-脂質モル比でその中に封入された抗新生物治療用物質を含むリポソームを含む組成物であって、
該リポソーム組成物が、遊離非リポソーム形態の物質の抗新生物活性よりも少なくとも4倍高いインビボ抗新生物活性を有し、かつ
哺乳動物に投与した該リポソーム組成物の毒性が、該哺乳動物に遊離非リポソーム形態で投与した該物質の毒性以下である組成物。
【請求項41】
哺乳動物に投与したリポソーム組成物の毒性が、該哺乳動物に遊離非リポソーム形態で投与した該物質の毒性よりも少なくとも2倍低いまたは少なくとも3倍低い、請求項40記載の組成物。
【請求項42】
哺乳動物に投与したリポソーム組成物の毒性が、該哺乳動物に遊離非リポソーム形態で投与した該物質の毒性よりも少なくとも4倍低い、請求項40記載の組成物。
【請求項43】
物質がプロドラッグである、請求項40記載の組成物。
【請求項44】
物質がカンプトテシントポイソメラーゼI阻害剤、カンプトテシンプロドラッグ、それらの類似体、またはそれらの誘導体である、請求項40記載の組成物。
【請求項45】
カンプトテシンプロドラッグがイリノテカンである、請求項44記載の組成物。
【請求項46】
哺乳動物の血流中に投与した物質が、少なくとも10時間のリポソームからの半放出時間(half-release time)を有する、請求項44記載の組成物。
【請求項47】
哺乳動物の血流中に投与した物質が、少なくとも24時間のリポソームからの半放出時間を有する、請求項44記載の組成物。
【請求項48】
リポソームが、ポリアニオン化糖およびポリアニオン化ポリオールからなる群より選択されるポリアニオンを含む、請求項44記載の組成物。
【請求項49】
ポリアニオンがスクロース8硫酸またはイノシトール6リン酸である、請求項48記載の組成物。
【請求項50】
リポソームが生分解性ポリアニオンポリマーを含む、請求項44記載の組成物。
【請求項51】
生分解性ポリアニオンポリマーがポリリン酸である、請求項50記載の組成物。
【請求項52】
リポソームが以下の式を有する置換アンモニウム化合物を含み、
R1-(R2-)N+(-R3)-R4
式中、Nはアンモニウム窒素原子であり、R1、R2、R3、R4はそれぞれ、独立して水素原子、またはそれぞれ独立して8個以下の炭素原子を有し、全体として18個以下の炭素原子を包括的に有する有機基であって、R1、R2、R3、R4の少なくとも1つは有機基であり;
有機基は独立して、エーテル、エステル、チオエーテル、アミン、またはアミド結合を形成するS、O、またはN原子を任意で含む、アルキル基、アルキリデン基、複素環アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、シクロアルケニル基、またはそれらのヒドロキシ置換誘導体であり;かつ
R1、R2、R3、R4の少なくとも3つは有機基であるか;または有機基の少なくとも1つは、アンモニウム窒素原子に直接結合している第二級もしくは第三級炭素原子を有する、請求項44記載の組成物。
【請求項53】
トポイソメラーゼ阻害剤が少なくとも約0.30モル薬物/mol脂質の濃度で捕捉されている、請求項40〜52のいずれか一項記載の組成物。
【請求項54】
トポイソメラーゼ阻害剤が約0.40モル薬物/モル脂質〜約1.7モル薬物/モル脂質の濃度で捕捉されている、請求項40〜53のいずれか一項記載の組成物。
【請求項55】
哺乳動物がマウスである、請求項40〜54のいずれか一項記載の組成物。
【請求項56】
抗腫瘍活性がHT-29腫瘍モデルまたはBT-474腫瘍モデルにおいてインビボで決定される、請求項40〜55のいずれか一項記載の組成物。
【請求項57】
哺乳動物がラットである請求項46または47記載の組成物。
【請求項58】
媒体中にリポソームを含む、ビンカアルカロイド薬物を投与するための組成物であって、該リポソームが内部空間、および該媒体から該内部を分離する膜を有し、該膜が1つまたは複数の脂質を含み、該リポソームが第1の薬物/脂質比でリポソーム内に捕捉されたビンカアルカロイド薬物を含む組成物であって、哺乳動物の血流中への該組成物の投与の24時間後に、ビンカアルカロイド薬物が該第1の薬物/脂質比の約50%を超える第2の薬物/脂質比でリポソーム内に捕捉されて残存する組成物。
【請求項59】
第2の薬物/脂質比が第1の薬物/脂質比の少なくとも約60%である、請求項58記載の組成物。
【請求項60】
第2の薬物/脂質比が第1の薬物/脂質比の少なくとも約70%である、請求項58記載の組成物。
【請求項61】
第1の薬物/脂質モル比が少なくとも0.05、少なくとも0.1、または少なくとも0.2である、請求項58〜60のいずれか一項記載の組成物。
【請求項62】
第1の薬物/脂質質量比が少なくとも約0.05 mg/mmol、少なくとも約0.1 mg/mmol、または少なくとも約0.3 mg/mmolである、請求項61記載の組成物。
【請求項63】
リポソームが、リポソーム内の薬物保持に有効な内部/外部膜間イオン勾配を含む、請求項58〜62のいずれか一項記載の組成物。
【請求項64】
内部空間が、高分子ポリアニオン、ポリアニオン化ポリオール、またはポリアニオン化糖からなる群より選択されるポリアニオンを含む、請求項58〜63のいずれか一項記載の組成物。
【請求項65】
内部空間がアンモニウムイオンまたは置換アンモニウムイオンを含む、請求項63または64記載の組成物。
【請求項66】
置換アンモニウムイオンが第一級アンモニウム、第二級アンモニウム、第三級アンモニウム、または第四級アンモニウムイオンである、請求項65記載の組成物。
【請求項67】
内部空間が以下の式を有する置換アンモニウムイオンを含み、
R1-(R2-)N+(-R3)-R4
式中、Nはアンモニウム窒素原子であり、R1、R2、R3、R4はそれぞれ、独立して水素原子、またはそれぞれ独立して8個以下の炭素原子を有し、全体として18個以下の炭素原子を包括的に有する有機基であって、R1、R2、R3、R4の少なくとも1つは有機基であり;
有機基は独立して、エーテル、エステル、チオエーテル、アミン、またはアミド結合を形成するS、O、またはN原子を任意で含む、アルキル基、アルキリデン基、複素環アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、シクロアルケニル基、またはそれらのヒドロキシ置換誘導体であり;ならびに
R1、R2、R3、R4の少なくとも3つは有機基であるか;または有機基の少なくとも1つは、アンモニウム窒素原子に直接結合している第二級もしくは第三級炭素原子を有し;かつ
該内部空間がアニオンも含む、請求項63または64記載の組成物。
【請求項68】
ポリアニオンが、少なくとも0.05グラム当量/L、少なくとも0.2グラム当量/L、少なくとも0.5グラム当量/リットル、または少なくとも0.6グラム当量/Lの濃度で内部空間内に含まれる、請求項65記載の組成物。
【請求項69】
ビンカアルカロイド薬物がビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンフルニン、ビンデシン、ビンポセチン、それらの類似体、またはそれらの誘導体である、請求項58〜68のいずれか一項記載の組成物。
【請求項70】
小胞形成脂質がホスファチジルコリンおよびコレステロールを含む、請求項69記載の組成物。
【請求項71】
ホスファチジルコリンが、天然レシチン、水素化天然レシチン、合成レシチン、1,2-ジステアロイル-レシチン、1,2-ジパルミトイル-レシチン、1,2-ジミリストイル-レシチン、1,2-ジオレオイル-レシチン、1-ステアロイル-2-オレオイル-レシチン、および1-パルミトイル-2-オレオイルレシチンからなる群より選択される、請求項70記載の組成物。
【請求項72】
ホスファチジルコリンおよびコレステロールが約3:2のモル比で含まれる、請求項70記載の組成物。
【請求項73】
脂質が、中性PEG-脂質誘導体またはアニオン性PEG-脂質誘導体を含む、請求項58〜68のいずれか一項記載の組成物。
【請求項74】
中性PEG-脂質誘導体が総脂質の約0.1 mol%〜約10 mol%である、請求項73記載の組成物。
【請求項75】
中性PEG脂質誘導体がPEG-セラミドまたはPEG-ジアシルグリセロールである、請求項73記載の組成物。
【請求項76】
アニオン性PEG-脂質誘導体が総脂質の1 mol%未満含まれる、請求項73記載の組成物。
【請求項77】
アニオン性PEG-脂質誘導体がN-(PEG)-ジアシル-ホスファチジルエタノールアミンである、請求項76記載の組成物。
【請求項78】
哺乳動物がラットである、請求項58〜77のいずれか一項記載の組成物。
【請求項79】
媒体中にリポソームを含む、ビンカアルカロイド薬物を投与するための組成物であって、該リポソームが内部空間、および該媒体から該内部を分離する膜を有し、該膜が脂質を含む組成物であり、
脂質がレシチンおよびコレステロールを約3:2のモル比で含み;ならびに
該ビンカアルカロイド薬物が、約0.15 mg/mmolレシチン〜約0.55 mg/mmolレシチンの薬物/脂質比で該リポソーム内に含まれ;ならびに
該内部空間が、生分解性ポリアニオンポリマー、ポリアニオン化ポリオール、またはポリアニオン化糖も含み;ならびに
該ポリマーまたは糖が、リポソームの該内部空間内に約0.5グラム当量/L〜約1.0グラム当量/Lの濃度で含まれ;かつ
該ビンカアルカロイド薬物がビノレルビン、ビンクリスチン、またはビンブラスチンである組成物。
【請求項80】
ポリアニオン化糖がスクロース8硫酸である、請求項79記載の組成物。
【請求項81】
総脂質の約0.1 mol%〜約10 mol%の量のイオン的中性ポリ(エチレングリコール)-脂質誘導体も含む、請求項80記載の組成物。
【請求項82】
ポリ(エチレングリコール)-脂質誘導体が、ポリ(エチレングリコール)-ジアルキルグリセロール、ポリ(エチレングリコール)-ジアシルグリセロール、またはポリ(エチレングリコール)-セラミドであって、該ポリ(エチレングリコール)-脂質誘導体のポリ(エチレングリコール)部分の分子量が約250〜約10,000である、請求項81記載の組成物。
【請求項83】
総脂質の約0.1 mol%〜約0.9 mol%の量のアニオン性ポリ(エチレングリコール)-脂質誘導体も含む、請求項80記載の組成物。
【請求項84】
アニオン性ポリ(エチレングリコール)-脂質誘導体がPEG-ホスファチジルエタノールアミンであって、該ポリ(エチレングリコール)-脂質誘導体のポリ(エチレングリコール)部分の分子量が約250〜約10,000である、請求項83記載の組成物。
【請求項85】
哺乳動物の血液循環におけるリポソームからのビンカアルカロイド薬物の半放出時間が24時間を超える、請求項79〜84のいずれか一項記載の組成物。
【請求項86】
哺乳動物がラットである、請求項85記載の組成物。
【請求項87】
内部空間を有しかつタキサン化合物を含むリポソームを含む組成物であって、該タキサン化合物が該リポソームの内部空間内に本質的に含まれる組成物。
【請求項88】
タキサンがイオン的に中性な分子である、請求項87記載の組成物。
【請求項89】
タキサンの分子構造が親水性ポリマー部分を含まない、請求項88記載の組成物。
【請求項90】
封入されたタキサンの量が少なくとも0.05モル/モル脂質である、請求項87〜89のいずれか一項記載の組成物。
【請求項91】
封入されたタキサンの量が少なくとも0.1モル/モル脂質である、請求項89記載の組成物。
【請求項92】
内部空間が、ミセル形成界面活性剤化合物およびシクロデキストリン化合物から選択される溶解補助剤を本質的に含まない、請求項87〜92のいずれか一項記載の組成物。
【請求項93】
タキサンがパクリタキセルまたはドセタキセルである、請求項87〜92のいずれか一項記載の組成物。
【請求項94】
脂質が親水性ポリマーで誘導体化された脂質を含む、前記請求項のいずれか一項記載の組成物。
【請求項95】
親水性ポリマー誘導体化脂質が総脂質の最大で20モル%を構成する、請求項94記載の組成物。
【請求項96】
親水性ポリマー誘導体化脂質が総脂質の1モル%未満を構成する、請求項94記載の組成物。
【請求項97】
リポソームが、親水性ポリマー誘導体化脂質が存在しない以外は同様に構成されたリポソームの循環寿命よりも2倍未満長い、哺乳動物における血中循環寿命を有する、請求項94記載の組成物。
【請求項98】
哺乳動物がラットである、請求項97記載の組成物。
【請求項99】
親水性ポリマー誘導体化脂質が総脂質の約0.1モル%〜約0.9モル%を構成する、請求項96記載の組成物。
【請求項100】
親水性ポリマーがポリ(エチレングリコール)またはその誘導体である、請求項94〜99のいずれか一項記載の組成物。
【請求項101】
親水性ポリマー誘導体化脂質が、ポリ(エチレングリコール)誘導体化リン脂質、ポリ(エチレングリコール)誘導体化ジアシルグリセロール、ポリ(エチレングリコール)誘導体化ジアルキルグリセロール、ポリ(エチレングリコール)誘導体化セラミド、ポリ(エチレングリコール)誘導体化脂肪酸、ポリ(エチレングリコール)誘導体化脂肪アルコール、またはポリ(エチレングリコール)誘導体化ステロールである、請求項94〜100のいずれか一項記載の組成物。
【請求項102】
親水性ポリマーが、少なくとも3つのエチレングリコール単位を有するポリ(エチレングリコール)である、請求項94〜101のいずれか一項記載の組成物。
【請求項103】
親水性ポリマーが、約200〜約10,000の分子量を有するポリ(エチレングリコール)である、請求項94〜101のいずれか一項記載の組成物。
【請求項104】
親水性ポリマーが、約500〜約5,000の分子量を有するポリ(エチレングリコール)である、請求項94〜101のいずれか一項記載の組成物。
【請求項105】
リポソームが標的化成分を含む、前記請求項のいずれか一項記載の組成物。
【請求項106】
標的化成分がタンパク質、ペプチド、多糖、ポリヌクレオチド、天然小分子、合成小分子、これらの組み合わせ、またはこれらの誘導体である、請求項105記載の組成物。
【請求項107】
標的化成分が、抗体の抗原結合配列を含む、天然に、合成的に、または組換えにより産生されたタンパク質である、請求項105記載の組成物。
【請求項108】
標的化成分が抗体、その抗原結合断片、抗体の抗原結合ポリペプチド配列を含む単鎖タンパク質、単一ドメイン抗体、上記のいずれかの類似体、または上記のいずれかの誘導体である、請求項105記載の組成物。
【請求項109】
標的化成分がリポソーム膜に結合し、媒体に曝露している、請求項105記載の組成物。
【請求項110】
結合した標的化成分が、リポソーム膜を該成分に連結する親水性ポリマーを含む、請求項109記載の組成物。
【請求項111】
親水性ポリマーがポリ(エチレングリコール)である、請求項110記載の組成物。
【請求項112】
ポリ(エチレングリコール)が約250〜約30,000の分子量を有する、請求項111記載の組成物。
【請求項113】
標的化成分が細胞においてリポソームの内部移行をもたらす、請求項104〜112のいずれか一項記載の組成物。
【請求項114】
標的化成分が、受容体チロシンキナーゼ、増殖因子受容体、血管新生因子受容体、トランスフェリン受容体、細胞接着分子、またはビタミン受容体に選択的に結合する、請求項104〜112のいずれか一項記載の組成物。
【請求項115】
チロシンキナーゼ受容体が増殖因子受容体である、請求項114記載の組成物。
【請求項116】
チロシンキナーゼ増殖因子受容体がEGFR、ErbB-2(HER-2)、ErbB-3(HER3)、またはErbB-4(HER4)である、請求項115記載の組成物。
【請求項117】
血管新生因子受容体がbFGF受容体またはVEGF受容体である、請求項114記載の組成物。
【請求項118】
細胞接着分子がインテグリンである、請求項114記載の組成物。
【請求項119】
細胞が悪性細胞である、請求項113〜118のいずれか一項記載の組成物。
【請求項120】
請求項1〜22のいずれか一項記載の組成物を物質と、該物質がリポソーム内に封入されるのに十分な時間接触させる段階を含む、物質をリポソーム内に封入する方法。
【請求項121】
物質の少なくとも一部がリポソーム内部空間に入る、請求項120記載の方法。
【請求項122】
物質の少なくとも90%がリポソーム内部空間に入る、請求項120記載の方法。
【請求項123】
リポソーム内に封入される物質の割合が少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%である、請求項120記載の方法。
【請求項124】
物質が全体的にカチオン性の物質、治療用物質、または検出マーカーである、請求項120記載の方法。
【請求項125】
総脂質に対する物質のモル比が少なくとも約0.05、約0.1、約0.2、または約0.3である、請求項120記載の方法。
【請求項126】
治療用物質が抗菌治療用物質、抗ウイルス治療用物質、または抗新生物治療用物質である、請求項120記載の方法。
【請求項127】
治療用物質がアミノグリコシド系抗生物質またはフルオロキノロン誘導体である、請求項120記載の方法。
【請求項128】
治療用物質が、トポイソメラーゼ阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、ホスファターゼ阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、微小管脱重合剤、微小管安定化剤、アルキル化剤、酵素、酵素阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、代謝拮抗剤、受容体結合剤、ホルモン、ホルモン拮抗剤、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、上記のいずれかの誘導体、上記のいずれかのプロドラッグ、および上記のいずれかの類似体からなる群より選択される、請求項124記載の方法。
【請求項129】
治療用物質が、アントラサイクリン化合物、カンプトテシン化合物、ビンカアルカロイド、エリプチシン化合物、タキサン化合物、ワートマンニン化合物、ピラゾロピリミジン化合物、上記のいずれかの誘導体、上記のいずれかのプロドラッグ、および上記のいずれかの類似体からなる群より選択される、請求項124記載の方法。
【請求項130】
治療用物質が、ドキソルビシン、ダウノルビシン、マイトマイシンC、エピルビシン、ピラルビシン、ルビドマイシン、カルシノマイシン、N-アセチルアドリアマイシン、ルビダゾン、5-イミドダウノマイシン、N-アセチルダウノマイシン、ダウノリリン、ミトキサントロン、カンプトテシン、9-アミノカンプトテシン、7-エチルカンプトテシン、10-ヒドロキシカンプトテシン、9-ニトロカンプトテシン、10,11-メチレンジオキシカンプトテシン、9-アミノ-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン、9-クロロ-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、ラートテカン、シラテカン、(7-(4-メチルピペラジノメチレン)-10,11-エチレンジオキシ-20(S)-カンプトテシン、7-(4-メチルピペラジノメチレン)-10,11-メチレンジオキシ-20(S)-カンプトテシン、7-(2-N-イソプロピルアミノ)エチル)-(20S)-カンプトテシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンフルニン、ビンポセチン、ビンデシン、エリプチシン、6-3-アミノプロピル-エリプチシン、2-ジエチルアミノエチル-エリプチシニウムおよびその塩、ダテリプチウム、レテリプチン、パクリタキセル、ドセタキセル、上記のいずれかの誘導体、上記のいずれかのプロドラッグ、ならびに上記のいずれかの類似体からなる群より選択される、請求項124記載の方法。
【請求項131】
治療用物質が、抗ヒスタミンエチレンジアミン誘導体、ブロムフェニファミン、ジフェンヒドラミン、抗原虫薬、キノロン、ヨードキノール、アミジン化合物、ペンタミジン、抗蠕虫化合物、ピランテル、抗住血吸虫薬、オキサムニキン、抗真菌トリアゾール誘導体、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、抗菌セファロスポリン、セファゾリン、セフォニシド、セフォタキシム、セフタジミド、セフオキシム、抗菌βラクタム誘導体、アズトレオパム、セフメタゾール、セフォキシチン、エリスロマイシン群の抗菌剤、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、オレアンドマイシン、ペニシリン化合物、ベンジルペニシリン、フェノキシメチルペニシリン、クロキサシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、カルベニシリン、テトラサイクリン化合物、ノボビオシン、スペクチノマイシン、バンコマイシン;抗ミコバクテリア薬、アミノサリチル酸、カプレオマイシン、エタンブトール、イソニアジド、ピラジナミド、リファブチン、リファンピン、クロファジミン、抗ウイルスアダマンタン化合物、アマンタジン、リマンタジン、キニジン化合物、キニーネ、キナクリン、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、プリマキン、アモジアキン、メフロキン、抗菌キオノロン、シプロフロキサシン、エノキサシン、ロメフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、スルホンアミド;尿路抗菌剤、ニトロフラントイン、トリメトプリム;ニトロイミダゾール誘導体、メトロニダゾール、コリン作動性第四級アンモニウム化合物、アンベチニウム、ネオスチグミン、フィゾスチグミン、抗アルツハイマーアミノアクリジン、タクリン、抗パーキンソン病薬、ベンズトロピン、ビペリデン、プロシクリジン、トリヘキシルフェニジル、抗ムスカリン剤、アトロピン、ヒヨスチアミン、スコポラミン、プロパンテリン、アドレナリン作動化合物、ドーパミン、セロトニン、アルブテロール、ドブタミン、エフェドリン、エピネフリン、ノルエピネフリン、イソプロテレノール、メタプロペレノール、サルメテロール、テルブタリン、セロトニン再取り込み阻害剤、エルゴタミン誘導体、クラーレ系の筋弛緩剤、中枢作用筋弛緩剤、バクロフェン、シクロベンゼピン、ダントロレン、ニコチン、ニコチン受容体拮抗薬、βアドレナリン遮断薬、アセブチル、アミオダロン、ベンゾジアゼピン化合物、ジルチアゼム、抗不整脈薬、ジソピラミド、エンカイジン、局所麻酔化合物、プロカイン、プロカインアミド、リドカイン、フレカイニド、キニジン;ACE阻害剤、カプトプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、キナプリル、ラミプリル;アヘン誘導体、コデイン、メペリジン、メサドン、モルヒネ、抗高脂血症剤、フルバスタチン、ゲムフィブロジル、HMG-coA阻害剤、プラバスタチン、降圧剤、クロニジン、グアナベンズ、プラゾシン、グアネチジン、グラナドリル、ヒドララジン、非冠動脈血管拡張剤、ジピリダモール、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、ピロカルピン、アルカロイド、フィゾスチグミン、ネオスチグミン、上記のいずれかの誘導体、上記のいずれかのプロドラッグ、および上記のいずれかの類似体からなる群より選択される、請求項124記載の方法。
【請求項132】
接触段階が水溶液中で行われる、請求項120〜131のいずれか一項記載の方法。
【請求項133】
水溶液が約4〜約7の範囲のpHを有する、請求項132記載の方法。
【請求項134】
水溶液が50 mM塩化ナトリウムのイオン強度と同等またはそれ未満であるイオン強度を有する、請求項132記載の方法。
【請求項135】
水溶液が20 mM塩化ナトリウムのイオン強度と同等またはそれ未満であるイオン強度を有する、請求項132記載の方法。
【請求項136】
水溶液が約6.0〜約7.0のpHを有し、かつ物質がビンカアルカロイド、その類似体、またはその誘導体である、請求項132記載の方法。
【請求項137】
水溶液のpHが約6.5であり、かつ物質がビノレルビンである、請求項136記載の方法。
【請求項138】
水溶液のpHが約5〜約7であり、かつ物質がカンプトテシン誘導体である、請求項135記載の方法。
【請求項139】
水溶液のpHが約5.0〜約6.5であり、かつ物質がトポテカンまたはイリノテカンである、請求項139記載の方法。
【請求項140】
接触段階の後に、水溶液のイオン強度が50 mM塩化ナトリウムのイオン強度よりも高くなるまで上昇する、請求項134または135記載の方法。
【請求項141】
イオン強度値が少なくとも100 mM塩化ナトリウムのイオン強度値まで上昇する、請求項140記載の方法。
【請求項142】
イオン強度値が少なくとも150 mM塩化ナトリウムのイオン強度まで上昇する、請求項141記載の方法。
【請求項143】
封入された物質を含むリポソームを調製する方法であって、工程が以下の段階:
(a) 該物質の前物質(pre-entity)を提供する段階;
(b) 内部空間を有するリポソーム内に該前物質を封入する段階;および
(c) 該リポソームの内部空間内で、封入された該前物質を該物質に変換するためのリポソーム内条件を提供して、リポソーム封入形態の該物質を得る段階、
を含み、該物質が有機化合物、またはプラチナ群金属の配位錯体を含む化合物である方法。
【請求項144】
封入段階が、前物質を膜間勾配を有するリポソームと、該リポソーム内への該誘導体の封入に十分な時間接触させる段階を含む、請求項143記載の方法。
【請求項145】
膜間勾配が、イオン勾配、pH勾配、電気化学ポテンシャル勾配、または溶解度勾配である、請求項144記載の方法。
【請求項146】
イオン勾配が、アンモニウムイオン、および少なくとも1つのC-N結合を含む置換型のアンモニウムイオンの群より選択されるイオンの勾配である、請求項144記載の方法。
【請求項147】
前物質が物質の全体的にカチオン性の誘導体である、請求項144記載の方法。
【請求項148】
化合物が医薬である、請求項143記載の方法。
【請求項149】
有機化合物がタキサン化合物である、請求項148記載の方法。
【請求項150】
タキサン化合物がパクリタキセルまたはドセタキセルである、請求項149記載の方法。
【請求項151】
前物質がタキサン分子の2'位または7'位のいずれかのヒドロキシル基のエステルを含み、該エステルが滴定可能なアミンを含む、請求項149記載の方法。
【請求項152】
前物質が2'-(2-(N,N'-ジエチルアミノ)プロピオニル)-パクリタキセルまたは2'-(2-(N,N'-ジエチルアミノ)プロピオニル)-ドセタキセルである、請求項151記載の方法。
【請求項153】
条件がpH変化である、請求項143記載の方法。
【請求項154】
条件が不安定な結合の酵素切断である、請求項143記載の方法。
【請求項155】
条件が、加水分解、光分解、放射線分解、チオ開裂、加アンモニア分解、還元、置換、酸化、または除去の工程である、請求項143記載の方法。
【請求項156】
請求項1〜22のいずれか一項記載の組成物、物質を封入するために組成物を使用するための説明書、および任意で別の容器中の物質を含む、リポソーム封入物質を提供するためのキット。
【請求項157】
物質が全体的にカチオン性の物質、治療用物質、または検出マーカーである、請求項156記載のキット。
【請求項158】
リポソームが、外界温度の水溶液中で少なくとも8.0、少なくとも8.5、少なくとも9.0、少なくとも9.5、または少なくとも10.0というpKa値を有する置換アンモニウム化合物を含む、請求項1〜119のいずれか一項記載の組成物。
【請求項159】
物質と接触する組成物がリポソームを含み、該リポソームが、外界温度の水溶液中で少なくとも8.0、少なくとも8.5、少なくとも9.0、少なくとも9.5、または少なくとも10.0というpKa値を有する置換アンモニウム化合物を含む、請求項120〜142のいずれか一項記載の方法。
【請求項1】
1つまたは複数の脂質を含む膜により媒体から分離された内部空間を有するリポソームを媒体中に含む組成物であって、該リポソームの内部空間が以下の式を有する置換アンモニウムを含み、
R1-(R2-)N+(-R3)-R4
式中、Nはアンモニウム窒素原子であり、R1、R2、R3、R4はそれぞれ、独立して水素原子、またはそれぞれ独立して8個以下の炭素原子を有し、全体として18個以下の炭素原子を包括的に有する有機基であって、R1、R2、R3、R4の少なくとも1つは有機基であり;
有機基は独立して、エーテル、エステル、チオエーテル、アミン、またはアミド結合を形成するS、O、またはN原子を任意で含む、アルキル基、アルキリデン(alkylidene)基、複素環アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、シクロアルケニル基、またはそれらのヒドロキシ置換誘導体であり;ならびに
R1、R2、R3、R4の少なくとも3つは有機基であるか;または有機基の少なくとも1つは、アンモニウム窒素原子に直接結合している第二級もしくは第三級炭素原子を有し;かつ
該内部空間がアニオンも含む、組成物。
【請求項2】
有機基が独立してそれぞれ6個以下の炭素原子を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
有機基が全体として16個以下の炭素原子を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
有機基が全体として12個以下の炭素原子を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
置換アンモニウムが水中で真溶液(true solution)を形成する、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
実質的にすべての置換アンモニウムがリポソームの内部空間内に含まれている、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
置換アンモニウムが薬学的に不活性である、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
置換アンモニウムが、イソプロピルエチルアンモニウム、イソプロピルメチルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、tert-ブチルエチルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、モルフォリニウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、tert-ブチルアンモニウム、2-アンモニオ-2-メチルプロパノール-1、2-アンモニオ-2-メチル-プロパンジオール-1,3、トリス-(ヒドロキシエチル)-アンモニオメタン、N,N'-ジエチル-エタノールアンモニウム、N,N',N''-トリス-(2-ヒドロキシエチル)アンモニウム、N,N'-ビス-(2-ヒドロキシエチル)エチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジイソプロピルエチルアンモニウム、トリイソプロピルアンモニウム、N-メチルモルフォリニウム、1-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジニウム、1-メチルピロリジニウム、1,4-ジメチルピペラジニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、およびテトラブチルアンモニウムからなる群より選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
リポソームの内部空間内の置換アンモニウムの濃度が、リポソーム含有媒体中の置換アンモニウム濃度よりも高い、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
内部空間内の置換アンモニウムの濃度が、少なくとも約0.05 M、0.1 M、0.2 M、0.5 M、0.6 M、または0.7 Mの濃度である、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
内部空間内の置換アンモニウムの濃度が約0.65 Mである、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
アニオンが、二価アニオン、三価アニオン、多価アニオン、高分子アニオン、ポリアニオン化(polyanionized)ポリオール、またはポリアニオン化糖である、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
1つまたは複数の脂質を含む膜により媒体から分離された内部空間を有するリポソームを媒体中に含む組成物であって、該内部空間がポリアニオン化ポリオールまたはポリアニオン化糖からなる群より選択されるアニオンを含み、かつ該リポソームが該リポソーム内の物質保持に有効な膜間勾配を含む組成物。
【請求項14】
膜間勾配が、イオン勾配、アンモニウムイオン勾配、pH勾配、電気化学ポテンシャル勾配、溶解度勾配、または少なくとも1つのC-N結合を含む置換アンモニウムの勾配である、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
アニオンが、
(i) 単糖、二糖、線状ポリヒドロキシル化化合物、環状ポリヒドロキシル化化合物、2つ以上のヒドロキシル基を有する脂肪族アルコール、2つ以上のヒドロキシル基を有する脂環式アルコール、または2つ以上のヒドロキシル基を有する複素環アルコールからなる群より選択されるポリオール部分、および
(ii) 該ポリオール部分に結合した、少なくとも2つの強力なアニオン性機能基
を含む、請求項1〜14のいずれか一項記載の組成物。
【請求項16】
強力なアニオン性機能基の少なくとも1つが、硫酸エステル、リン酸エステル、ホウ酸エステル、スルホン酸基、ホスホン酸基、チオ炭酸基、ジチオ炭酸基、それらの誘導体、またはそれらの類似体である、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
ポリオール部分が、アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、ガラクトース、ソルボース、フルクトース、マルトース、スクロース、ラクトース、トレハロース、エチレングリコール、プロリレン(prolylene)グリコール、グリセロール、トレイトール(treitol)、エリスリトール、ペンタエリスリトール、リビトール、アラビトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール(lactitol)、マルチトール、フルクチトール(fructitol)、グルシトール、キシリトール、またはイノシトールからなる群より選択される、請求項15記載の組成物。
【請求項18】
ポリアニオンが、1分子当たり3〜8個の硫酸基を有するポリ硫酸化スクロースである、請求項15記載の組成物。
【請求項19】
ポリ硫酸化スクロースがスクロース8硫酸である、請求項15記載の組成物。
【請求項20】
ポリアニオンがイノシトール6リン酸である、請求項15記載の組成物。
【請求項21】
リポソーム内部内のアニオンの濃度が、少なくとも約0.05、0.1、0.2、0.5、0.6、0.7、または1.0グラム当量/Lである、請求項15記載の組成物。
【請求項22】
リポソーム内部内のアニオンの濃度が約0.65グラム当量/Lまたは約1.0グラム当量/Lである、請求項15記載の組成物。
【請求項23】
置換アンモニウムおよびアニオン以外の物質をさらに含む、請求項1〜22のいずれか一項記載の組成物。
【請求項24】
物質が全体的にカチオン性の物質、治療用物質、または検出マーカーである、請求項23記載の組成物。
【請求項25】
物質が媒体中の該物質の濃度を超える濃度で内部空間内に存在する、請求項23記載の組成物。
【請求項26】
媒体が物質を本質的に含まない、請求項23記載の組成物。
【請求項27】
総脂質に対する物質のモル比が、少なくとも約0.05、少なくとも約0.1、少なくとも約0.2、少なくとも約0.3、少なくとも約0.5、少なくとも約0.7、または少なくとも約1.0である、請求項23記載の組成物。
【請求項28】
治療用物質が抗菌治療用物質、抗ウイルス治療用物質、または抗新生物治療用物質である、請求項24記載の組成物。
【請求項29】
治療用物質がアミノグリコシド系抗生物質またはフルオロキノロン誘導体である、請求項24記載の組成物。
【請求項30】
治療用物質が、トポイソメラーゼ阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、ホスファターゼ阻害剤、オーロラ(aurora)キナーゼ阻害剤、微小管脱重合剤、微小管安定化剤、アルキル化剤、酵素、酵素阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、代謝拮抗剤、受容体結合剤、ホルモン、ホルモン拮抗剤、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、上記のいずれかの誘導体、上記のいずれかのプロドラッグ、および上記のいずれかの類似体からなる群より選択される、請求項28記載の組成物。
【請求項31】
抗新生物治療用物質が、アントラサイクリン化合物、カンプトテシン化合物、ビンカアルカロイド、エリプチシン化合物、タキサン化合物、ワートマンニン化合物、ピラゾロピリミジン化合物、上記のいずれかの誘導体、上記のいずれかのプロドラッグ、および上記のいずれかの類似体からなる群より選択される、請求項28記載の組成物。
【請求項32】
治療用物質が、ドキソルビシン、ダウノルビシン、マイトマイシンC、エピルビシン、ピラルビシン、ルビドマイシン(rubidomycin)、カルシノマイシン(carcinomycin)、N-アセチルアドリアマイシン、ルビダゾン(rubidazone)、5-イミドダウノマイシン、N-アセチルダウノマイシン、ダウノリリン(daunoryline)、ミトキサントロン、カンプトテシン、9-アミノカンプトテシン、7-エチルカンプトテシン、10-ヒドロキシカンプトテシン、9-ニトロカンプトテシン、10,11-メチレンジオキシカンプトテシン、9-アミノ-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン、9-クロロ-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、ラートテカン(lurtotecan)、シラテカン(silatecan)、(7-(4-メチルピペラジノメチレン)-10,11-エチレンジオキシ-20(S)-カンプトテシン、7-(4-メチルピペラジノメチレン)-10,11-メチレンジオキシ-20(S)-カンプトテシン、7-(2-N-イソプロピルアミノ)エチル)-(20S)-カンプトテシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンフルニン(vinflunine)、ビンポセチン、ビンデシン、エリプチシン、6-3-アミノプロピル-エリプチシン、2-ジエチルアミノエチル-エリプチシニウムおよびその塩、ダテリプチウム(datelliptium)、レテリプチン(retelliptine)、パクリタキセル、ドセタキセル、上記のいずれかの誘導体、上記のいずれかのプロドラッグ、ならびに上記のいずれかの類似体からなる群より選択される、請求項24記載の組成物。
【請求項33】
治療用物質が、抗ヒスタミンエチレンジアミン誘導体、ブロムフェニファミン(brompheniphamine)、ジフェンヒドラミン、抗原虫薬、キノロン、ヨードキノール、アミジン化合物、ペンタミジン、抗蠕虫化合物、ピランテル、抗住血吸虫薬、オキサムニキン、抗真菌トリアゾール誘導体、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、抗菌セファロスポリン、セファゾリン、セフォニシド(cefonicid)、セフォタキシム、セフタジミド(ceftazimide)、セフオキシム(cefuoxim)、抗菌βラクタム誘導体、アズトレオパム(aztreopam)、セフメタゾール、セフォキシチン、エリスロマイシン群の抗菌剤、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、オレアンドマイシン、ペニシリン化合物、ベンジルペニシリン、フェノキシメチルペニシリン、クロキサシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、カルベニシリン、テトラサイクリン化合物、ノボビオシン、スペクチノマイシン、バンコマイシン;抗ミコバクテリア薬、アミノサリチル酸、カプレオマイシン、エタンブトール、イソニアジド、ピラジナミド、リファブチン、リファンピン、クロファジミン、抗ウイルスアダマンタン化合物、アマンタジン、リマンタジン、キニジン化合物、キニーネ、キナクリン、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、プリマキン、アモジアキン、メフロキン、抗菌キオノロン(qionolone)、シプロフロキサシン、エノキサシン、ロメフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、スルホンアミド;尿路抗菌剤、ニトロフラントイン、トリメトプリム;ニトロイミダゾール誘導体、メトロニダゾール、コリン作動性第四級アンモニウム化合物、アンベチニウム(ambethinium)、ネオスチグミン、フィゾスチグミン、抗アルツハイマーアミノアクリジン、タクリン、抗パーキンソン病薬、ベンズトロピン、ビペリデン、プロシクリジン、トリヘキシルフェニジル、抗ムスカリン剤、アトロピン、ヒヨスチアミン、スコポラミン、プロパンテリン、アドレナリン作動化合物、ドーパミン、セロトニン、アルブテロール、ドブタミン、エフェドリン、エピネフリン、ノルエピネフリン、イソプロテレノール、メタプロペレノール(metaproperenol)、サルメテロール、テルブタリン、セロトニン再取り込み阻害剤、エルゴタミン誘導体、クラーレ系の筋弛緩剤、中枢作用筋弛緩剤、バクロフェン、シクロベンゼピン(cyclobenzepine)、ダントロレン、ニコチン、ニコチン受容体拮抗薬、βアドレナリン遮断薬、アセブチル(acebutil)、アミオダロン、ベンゾジアゼピン化合物、ジルチアゼム、抗不整脈薬、ジソピラミド、エンカイジン(encaidine)、局所麻酔化合物、プロカイン、プロカインアミド、リドカイン、フレカイニド、キニジン;ACE阻害剤、カプトプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、キナプリル、ラミプリル;アヘン誘導体、コデイン、メペリジン、メサドン、モルヒネ、抗高脂血症剤、フルバスタチン、ゲムフィブロジル、HMG-coA阻害剤、プラバスタチン、降圧剤、クロニジン、グアナベンズ、プラゾシン、グアネチジン、グラナドリル(granadril)、ヒドララジン、非冠動脈血管拡張剤、ジピリダモール、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、ピロカルピン、アルカロイド、フィゾスチグミン、ネオスチグミン、上記のいずれかの誘導体、上記のいずれかのプロドラッグ、および上記のいずれかの類似体からなる群より選択される、請求項24記載の組成物。
【請求項34】
2〜8℃で6ヵ月後に、物質の少なくとも90%がリポソーム内に封入されて残存する、請求項24記載の組成物。
【請求項35】
2〜8℃で2年後に、物質の少なくとも80%がリポソーム内に封入されて残存する、請求項24記載の組成物。
【請求項36】
物質が第1の物質-脂質比で組成物のリポソーム内に封入され、哺乳動物の血流中への該組成物の投与の24時間後に、該物質が第2の物質-脂質比で該リポソーム内に封入されて残存して、第2の物質-脂質比が第1の物質-脂質比の50%を超える、少なくとも60%である、または少なくとも70%である、請求項24記載の組成物。
【請求項37】
物質がビンカアルカロイド、その類似体、またはその誘導体である、請求項36記載の組成物。
【請求項38】
物質がビノレルビンである、請求項36記載の組成物。
【請求項39】
哺乳動物がラットである、請求項36記載の組成物。
【請求項40】
1つまたは複数の脂質、および少なくとも約0.10の物質-脂質モル比でその中に封入された抗新生物治療用物質を含むリポソームを含む組成物であって、
該リポソーム組成物が、遊離非リポソーム形態の物質の抗新生物活性よりも少なくとも4倍高いインビボ抗新生物活性を有し、かつ
哺乳動物に投与した該リポソーム組成物の毒性が、該哺乳動物に遊離非リポソーム形態で投与した該物質の毒性以下である組成物。
【請求項41】
哺乳動物に投与したリポソーム組成物の毒性が、該哺乳動物に遊離非リポソーム形態で投与した該物質の毒性よりも少なくとも2倍低いまたは少なくとも3倍低い、請求項40記載の組成物。
【請求項42】
哺乳動物に投与したリポソーム組成物の毒性が、該哺乳動物に遊離非リポソーム形態で投与した該物質の毒性よりも少なくとも4倍低い、請求項40記載の組成物。
【請求項43】
物質がプロドラッグである、請求項40記載の組成物。
【請求項44】
物質がカンプトテシントポイソメラーゼI阻害剤、カンプトテシンプロドラッグ、それらの類似体、またはそれらの誘導体である、請求項40記載の組成物。
【請求項45】
カンプトテシンプロドラッグがイリノテカンである、請求項44記載の組成物。
【請求項46】
哺乳動物の血流中に投与した物質が、少なくとも10時間のリポソームからの半放出時間(half-release time)を有する、請求項44記載の組成物。
【請求項47】
哺乳動物の血流中に投与した物質が、少なくとも24時間のリポソームからの半放出時間を有する、請求項44記載の組成物。
【請求項48】
リポソームが、ポリアニオン化糖およびポリアニオン化ポリオールからなる群より選択されるポリアニオンを含む、請求項44記載の組成物。
【請求項49】
ポリアニオンがスクロース8硫酸またはイノシトール6リン酸である、請求項48記載の組成物。
【請求項50】
リポソームが生分解性ポリアニオンポリマーを含む、請求項44記載の組成物。
【請求項51】
生分解性ポリアニオンポリマーがポリリン酸である、請求項50記載の組成物。
【請求項52】
リポソームが以下の式を有する置換アンモニウム化合物を含み、
R1-(R2-)N+(-R3)-R4
式中、Nはアンモニウム窒素原子であり、R1、R2、R3、R4はそれぞれ、独立して水素原子、またはそれぞれ独立して8個以下の炭素原子を有し、全体として18個以下の炭素原子を包括的に有する有機基であって、R1、R2、R3、R4の少なくとも1つは有機基であり;
有機基は独立して、エーテル、エステル、チオエーテル、アミン、またはアミド結合を形成するS、O、またはN原子を任意で含む、アルキル基、アルキリデン基、複素環アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、シクロアルケニル基、またはそれらのヒドロキシ置換誘導体であり;かつ
R1、R2、R3、R4の少なくとも3つは有機基であるか;または有機基の少なくとも1つは、アンモニウム窒素原子に直接結合している第二級もしくは第三級炭素原子を有する、請求項44記載の組成物。
【請求項53】
トポイソメラーゼ阻害剤が少なくとも約0.30モル薬物/mol脂質の濃度で捕捉されている、請求項40〜52のいずれか一項記載の組成物。
【請求項54】
トポイソメラーゼ阻害剤が約0.40モル薬物/モル脂質〜約1.7モル薬物/モル脂質の濃度で捕捉されている、請求項40〜53のいずれか一項記載の組成物。
【請求項55】
哺乳動物がマウスである、請求項40〜54のいずれか一項記載の組成物。
【請求項56】
抗腫瘍活性がHT-29腫瘍モデルまたはBT-474腫瘍モデルにおいてインビボで決定される、請求項40〜55のいずれか一項記載の組成物。
【請求項57】
哺乳動物がラットである請求項46または47記載の組成物。
【請求項58】
媒体中にリポソームを含む、ビンカアルカロイド薬物を投与するための組成物であって、該リポソームが内部空間、および該媒体から該内部を分離する膜を有し、該膜が1つまたは複数の脂質を含み、該リポソームが第1の薬物/脂質比でリポソーム内に捕捉されたビンカアルカロイド薬物を含む組成物であって、哺乳動物の血流中への該組成物の投与の24時間後に、ビンカアルカロイド薬物が該第1の薬物/脂質比の約50%を超える第2の薬物/脂質比でリポソーム内に捕捉されて残存する組成物。
【請求項59】
第2の薬物/脂質比が第1の薬物/脂質比の少なくとも約60%である、請求項58記載の組成物。
【請求項60】
第2の薬物/脂質比が第1の薬物/脂質比の少なくとも約70%である、請求項58記載の組成物。
【請求項61】
第1の薬物/脂質モル比が少なくとも0.05、少なくとも0.1、または少なくとも0.2である、請求項58〜60のいずれか一項記載の組成物。
【請求項62】
第1の薬物/脂質質量比が少なくとも約0.05 mg/mmol、少なくとも約0.1 mg/mmol、または少なくとも約0.3 mg/mmolである、請求項61記載の組成物。
【請求項63】
リポソームが、リポソーム内の薬物保持に有効な内部/外部膜間イオン勾配を含む、請求項58〜62のいずれか一項記載の組成物。
【請求項64】
内部空間が、高分子ポリアニオン、ポリアニオン化ポリオール、またはポリアニオン化糖からなる群より選択されるポリアニオンを含む、請求項58〜63のいずれか一項記載の組成物。
【請求項65】
内部空間がアンモニウムイオンまたは置換アンモニウムイオンを含む、請求項63または64記載の組成物。
【請求項66】
置換アンモニウムイオンが第一級アンモニウム、第二級アンモニウム、第三級アンモニウム、または第四級アンモニウムイオンである、請求項65記載の組成物。
【請求項67】
内部空間が以下の式を有する置換アンモニウムイオンを含み、
R1-(R2-)N+(-R3)-R4
式中、Nはアンモニウム窒素原子であり、R1、R2、R3、R4はそれぞれ、独立して水素原子、またはそれぞれ独立して8個以下の炭素原子を有し、全体として18個以下の炭素原子を包括的に有する有機基であって、R1、R2、R3、R4の少なくとも1つは有機基であり;
有機基は独立して、エーテル、エステル、チオエーテル、アミン、またはアミド結合を形成するS、O、またはN原子を任意で含む、アルキル基、アルキリデン基、複素環アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、シクロアルケニル基、またはそれらのヒドロキシ置換誘導体であり;ならびに
R1、R2、R3、R4の少なくとも3つは有機基であるか;または有機基の少なくとも1つは、アンモニウム窒素原子に直接結合している第二級もしくは第三級炭素原子を有し;かつ
該内部空間がアニオンも含む、請求項63または64記載の組成物。
【請求項68】
ポリアニオンが、少なくとも0.05グラム当量/L、少なくとも0.2グラム当量/L、少なくとも0.5グラム当量/リットル、または少なくとも0.6グラム当量/Lの濃度で内部空間内に含まれる、請求項65記載の組成物。
【請求項69】
ビンカアルカロイド薬物がビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンフルニン、ビンデシン、ビンポセチン、それらの類似体、またはそれらの誘導体である、請求項58〜68のいずれか一項記載の組成物。
【請求項70】
小胞形成脂質がホスファチジルコリンおよびコレステロールを含む、請求項69記載の組成物。
【請求項71】
ホスファチジルコリンが、天然レシチン、水素化天然レシチン、合成レシチン、1,2-ジステアロイル-レシチン、1,2-ジパルミトイル-レシチン、1,2-ジミリストイル-レシチン、1,2-ジオレオイル-レシチン、1-ステアロイル-2-オレオイル-レシチン、および1-パルミトイル-2-オレオイルレシチンからなる群より選択される、請求項70記載の組成物。
【請求項72】
ホスファチジルコリンおよびコレステロールが約3:2のモル比で含まれる、請求項70記載の組成物。
【請求項73】
脂質が、中性PEG-脂質誘導体またはアニオン性PEG-脂質誘導体を含む、請求項58〜68のいずれか一項記載の組成物。
【請求項74】
中性PEG-脂質誘導体が総脂質の約0.1 mol%〜約10 mol%である、請求項73記載の組成物。
【請求項75】
中性PEG脂質誘導体がPEG-セラミドまたはPEG-ジアシルグリセロールである、請求項73記載の組成物。
【請求項76】
アニオン性PEG-脂質誘導体が総脂質の1 mol%未満含まれる、請求項73記載の組成物。
【請求項77】
アニオン性PEG-脂質誘導体がN-(PEG)-ジアシル-ホスファチジルエタノールアミンである、請求項76記載の組成物。
【請求項78】
哺乳動物がラットである、請求項58〜77のいずれか一項記載の組成物。
【請求項79】
媒体中にリポソームを含む、ビンカアルカロイド薬物を投与するための組成物であって、該リポソームが内部空間、および該媒体から該内部を分離する膜を有し、該膜が脂質を含む組成物であり、
脂質がレシチンおよびコレステロールを約3:2のモル比で含み;ならびに
該ビンカアルカロイド薬物が、約0.15 mg/mmolレシチン〜約0.55 mg/mmolレシチンの薬物/脂質比で該リポソーム内に含まれ;ならびに
該内部空間が、生分解性ポリアニオンポリマー、ポリアニオン化ポリオール、またはポリアニオン化糖も含み;ならびに
該ポリマーまたは糖が、リポソームの該内部空間内に約0.5グラム当量/L〜約1.0グラム当量/Lの濃度で含まれ;かつ
該ビンカアルカロイド薬物がビノレルビン、ビンクリスチン、またはビンブラスチンである組成物。
【請求項80】
ポリアニオン化糖がスクロース8硫酸である、請求項79記載の組成物。
【請求項81】
総脂質の約0.1 mol%〜約10 mol%の量のイオン的中性ポリ(エチレングリコール)-脂質誘導体も含む、請求項80記載の組成物。
【請求項82】
ポリ(エチレングリコール)-脂質誘導体が、ポリ(エチレングリコール)-ジアルキルグリセロール、ポリ(エチレングリコール)-ジアシルグリセロール、またはポリ(エチレングリコール)-セラミドであって、該ポリ(エチレングリコール)-脂質誘導体のポリ(エチレングリコール)部分の分子量が約250〜約10,000である、請求項81記載の組成物。
【請求項83】
総脂質の約0.1 mol%〜約0.9 mol%の量のアニオン性ポリ(エチレングリコール)-脂質誘導体も含む、請求項80記載の組成物。
【請求項84】
アニオン性ポリ(エチレングリコール)-脂質誘導体がPEG-ホスファチジルエタノールアミンであって、該ポリ(エチレングリコール)-脂質誘導体のポリ(エチレングリコール)部分の分子量が約250〜約10,000である、請求項83記載の組成物。
【請求項85】
哺乳動物の血液循環におけるリポソームからのビンカアルカロイド薬物の半放出時間が24時間を超える、請求項79〜84のいずれか一項記載の組成物。
【請求項86】
哺乳動物がラットである、請求項85記載の組成物。
【請求項87】
内部空間を有しかつタキサン化合物を含むリポソームを含む組成物であって、該タキサン化合物が該リポソームの内部空間内に本質的に含まれる組成物。
【請求項88】
タキサンがイオン的に中性な分子である、請求項87記載の組成物。
【請求項89】
タキサンの分子構造が親水性ポリマー部分を含まない、請求項88記載の組成物。
【請求項90】
封入されたタキサンの量が少なくとも0.05モル/モル脂質である、請求項87〜89のいずれか一項記載の組成物。
【請求項91】
封入されたタキサンの量が少なくとも0.1モル/モル脂質である、請求項89記載の組成物。
【請求項92】
内部空間が、ミセル形成界面活性剤化合物およびシクロデキストリン化合物から選択される溶解補助剤を本質的に含まない、請求項87〜92のいずれか一項記載の組成物。
【請求項93】
タキサンがパクリタキセルまたはドセタキセルである、請求項87〜92のいずれか一項記載の組成物。
【請求項94】
脂質が親水性ポリマーで誘導体化された脂質を含む、前記請求項のいずれか一項記載の組成物。
【請求項95】
親水性ポリマー誘導体化脂質が総脂質の最大で20モル%を構成する、請求項94記載の組成物。
【請求項96】
親水性ポリマー誘導体化脂質が総脂質の1モル%未満を構成する、請求項94記載の組成物。
【請求項97】
リポソームが、親水性ポリマー誘導体化脂質が存在しない以外は同様に構成されたリポソームの循環寿命よりも2倍未満長い、哺乳動物における血中循環寿命を有する、請求項94記載の組成物。
【請求項98】
哺乳動物がラットである、請求項97記載の組成物。
【請求項99】
親水性ポリマー誘導体化脂質が総脂質の約0.1モル%〜約0.9モル%を構成する、請求項96記載の組成物。
【請求項100】
親水性ポリマーがポリ(エチレングリコール)またはその誘導体である、請求項94〜99のいずれか一項記載の組成物。
【請求項101】
親水性ポリマー誘導体化脂質が、ポリ(エチレングリコール)誘導体化リン脂質、ポリ(エチレングリコール)誘導体化ジアシルグリセロール、ポリ(エチレングリコール)誘導体化ジアルキルグリセロール、ポリ(エチレングリコール)誘導体化セラミド、ポリ(エチレングリコール)誘導体化脂肪酸、ポリ(エチレングリコール)誘導体化脂肪アルコール、またはポリ(エチレングリコール)誘導体化ステロールである、請求項94〜100のいずれか一項記載の組成物。
【請求項102】
親水性ポリマーが、少なくとも3つのエチレングリコール単位を有するポリ(エチレングリコール)である、請求項94〜101のいずれか一項記載の組成物。
【請求項103】
親水性ポリマーが、約200〜約10,000の分子量を有するポリ(エチレングリコール)である、請求項94〜101のいずれか一項記載の組成物。
【請求項104】
親水性ポリマーが、約500〜約5,000の分子量を有するポリ(エチレングリコール)である、請求項94〜101のいずれか一項記載の組成物。
【請求項105】
リポソームが標的化成分を含む、前記請求項のいずれか一項記載の組成物。
【請求項106】
標的化成分がタンパク質、ペプチド、多糖、ポリヌクレオチド、天然小分子、合成小分子、これらの組み合わせ、またはこれらの誘導体である、請求項105記載の組成物。
【請求項107】
標的化成分が、抗体の抗原結合配列を含む、天然に、合成的に、または組換えにより産生されたタンパク質である、請求項105記載の組成物。
【請求項108】
標的化成分が抗体、その抗原結合断片、抗体の抗原結合ポリペプチド配列を含む単鎖タンパク質、単一ドメイン抗体、上記のいずれかの類似体、または上記のいずれかの誘導体である、請求項105記載の組成物。
【請求項109】
標的化成分がリポソーム膜に結合し、媒体に曝露している、請求項105記載の組成物。
【請求項110】
結合した標的化成分が、リポソーム膜を該成分に連結する親水性ポリマーを含む、請求項109記載の組成物。
【請求項111】
親水性ポリマーがポリ(エチレングリコール)である、請求項110記載の組成物。
【請求項112】
ポリ(エチレングリコール)が約250〜約30,000の分子量を有する、請求項111記載の組成物。
【請求項113】
標的化成分が細胞においてリポソームの内部移行をもたらす、請求項104〜112のいずれか一項記載の組成物。
【請求項114】
標的化成分が、受容体チロシンキナーゼ、増殖因子受容体、血管新生因子受容体、トランスフェリン受容体、細胞接着分子、またはビタミン受容体に選択的に結合する、請求項104〜112のいずれか一項記載の組成物。
【請求項115】
チロシンキナーゼ受容体が増殖因子受容体である、請求項114記載の組成物。
【請求項116】
チロシンキナーゼ増殖因子受容体がEGFR、ErbB-2(HER-2)、ErbB-3(HER3)、またはErbB-4(HER4)である、請求項115記載の組成物。
【請求項117】
血管新生因子受容体がbFGF受容体またはVEGF受容体である、請求項114記載の組成物。
【請求項118】
細胞接着分子がインテグリンである、請求項114記載の組成物。
【請求項119】
細胞が悪性細胞である、請求項113〜118のいずれか一項記載の組成物。
【請求項120】
請求項1〜22のいずれか一項記載の組成物を物質と、該物質がリポソーム内に封入されるのに十分な時間接触させる段階を含む、物質をリポソーム内に封入する方法。
【請求項121】
物質の少なくとも一部がリポソーム内部空間に入る、請求項120記載の方法。
【請求項122】
物質の少なくとも90%がリポソーム内部空間に入る、請求項120記載の方法。
【請求項123】
リポソーム内に封入される物質の割合が少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%である、請求項120記載の方法。
【請求項124】
物質が全体的にカチオン性の物質、治療用物質、または検出マーカーである、請求項120記載の方法。
【請求項125】
総脂質に対する物質のモル比が少なくとも約0.05、約0.1、約0.2、または約0.3である、請求項120記載の方法。
【請求項126】
治療用物質が抗菌治療用物質、抗ウイルス治療用物質、または抗新生物治療用物質である、請求項120記載の方法。
【請求項127】
治療用物質がアミノグリコシド系抗生物質またはフルオロキノロン誘導体である、請求項120記載の方法。
【請求項128】
治療用物質が、トポイソメラーゼ阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、ホスファターゼ阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、微小管脱重合剤、微小管安定化剤、アルキル化剤、酵素、酵素阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、代謝拮抗剤、受容体結合剤、ホルモン、ホルモン拮抗剤、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、上記のいずれかの誘導体、上記のいずれかのプロドラッグ、および上記のいずれかの類似体からなる群より選択される、請求項124記載の方法。
【請求項129】
治療用物質が、アントラサイクリン化合物、カンプトテシン化合物、ビンカアルカロイド、エリプチシン化合物、タキサン化合物、ワートマンニン化合物、ピラゾロピリミジン化合物、上記のいずれかの誘導体、上記のいずれかのプロドラッグ、および上記のいずれかの類似体からなる群より選択される、請求項124記載の方法。
【請求項130】
治療用物質が、ドキソルビシン、ダウノルビシン、マイトマイシンC、エピルビシン、ピラルビシン、ルビドマイシン、カルシノマイシン、N-アセチルアドリアマイシン、ルビダゾン、5-イミドダウノマイシン、N-アセチルダウノマイシン、ダウノリリン、ミトキサントロン、カンプトテシン、9-アミノカンプトテシン、7-エチルカンプトテシン、10-ヒドロキシカンプトテシン、9-ニトロカンプトテシン、10,11-メチレンジオキシカンプトテシン、9-アミノ-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン、9-クロロ-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、ラートテカン、シラテカン、(7-(4-メチルピペラジノメチレン)-10,11-エチレンジオキシ-20(S)-カンプトテシン、7-(4-メチルピペラジノメチレン)-10,11-メチレンジオキシ-20(S)-カンプトテシン、7-(2-N-イソプロピルアミノ)エチル)-(20S)-カンプトテシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンフルニン、ビンポセチン、ビンデシン、エリプチシン、6-3-アミノプロピル-エリプチシン、2-ジエチルアミノエチル-エリプチシニウムおよびその塩、ダテリプチウム、レテリプチン、パクリタキセル、ドセタキセル、上記のいずれかの誘導体、上記のいずれかのプロドラッグ、ならびに上記のいずれかの類似体からなる群より選択される、請求項124記載の方法。
【請求項131】
治療用物質が、抗ヒスタミンエチレンジアミン誘導体、ブロムフェニファミン、ジフェンヒドラミン、抗原虫薬、キノロン、ヨードキノール、アミジン化合物、ペンタミジン、抗蠕虫化合物、ピランテル、抗住血吸虫薬、オキサムニキン、抗真菌トリアゾール誘導体、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、抗菌セファロスポリン、セファゾリン、セフォニシド、セフォタキシム、セフタジミド、セフオキシム、抗菌βラクタム誘導体、アズトレオパム、セフメタゾール、セフォキシチン、エリスロマイシン群の抗菌剤、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、オレアンドマイシン、ペニシリン化合物、ベンジルペニシリン、フェノキシメチルペニシリン、クロキサシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、カルベニシリン、テトラサイクリン化合物、ノボビオシン、スペクチノマイシン、バンコマイシン;抗ミコバクテリア薬、アミノサリチル酸、カプレオマイシン、エタンブトール、イソニアジド、ピラジナミド、リファブチン、リファンピン、クロファジミン、抗ウイルスアダマンタン化合物、アマンタジン、リマンタジン、キニジン化合物、キニーネ、キナクリン、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、プリマキン、アモジアキン、メフロキン、抗菌キオノロン、シプロフロキサシン、エノキサシン、ロメフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、スルホンアミド;尿路抗菌剤、ニトロフラントイン、トリメトプリム;ニトロイミダゾール誘導体、メトロニダゾール、コリン作動性第四級アンモニウム化合物、アンベチニウム、ネオスチグミン、フィゾスチグミン、抗アルツハイマーアミノアクリジン、タクリン、抗パーキンソン病薬、ベンズトロピン、ビペリデン、プロシクリジン、トリヘキシルフェニジル、抗ムスカリン剤、アトロピン、ヒヨスチアミン、スコポラミン、プロパンテリン、アドレナリン作動化合物、ドーパミン、セロトニン、アルブテロール、ドブタミン、エフェドリン、エピネフリン、ノルエピネフリン、イソプロテレノール、メタプロペレノール、サルメテロール、テルブタリン、セロトニン再取り込み阻害剤、エルゴタミン誘導体、クラーレ系の筋弛緩剤、中枢作用筋弛緩剤、バクロフェン、シクロベンゼピン、ダントロレン、ニコチン、ニコチン受容体拮抗薬、βアドレナリン遮断薬、アセブチル、アミオダロン、ベンゾジアゼピン化合物、ジルチアゼム、抗不整脈薬、ジソピラミド、エンカイジン、局所麻酔化合物、プロカイン、プロカインアミド、リドカイン、フレカイニド、キニジン;ACE阻害剤、カプトプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、キナプリル、ラミプリル;アヘン誘導体、コデイン、メペリジン、メサドン、モルヒネ、抗高脂血症剤、フルバスタチン、ゲムフィブロジル、HMG-coA阻害剤、プラバスタチン、降圧剤、クロニジン、グアナベンズ、プラゾシン、グアネチジン、グラナドリル、ヒドララジン、非冠動脈血管拡張剤、ジピリダモール、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、ピロカルピン、アルカロイド、フィゾスチグミン、ネオスチグミン、上記のいずれかの誘導体、上記のいずれかのプロドラッグ、および上記のいずれかの類似体からなる群より選択される、請求項124記載の方法。
【請求項132】
接触段階が水溶液中で行われる、請求項120〜131のいずれか一項記載の方法。
【請求項133】
水溶液が約4〜約7の範囲のpHを有する、請求項132記載の方法。
【請求項134】
水溶液が50 mM塩化ナトリウムのイオン強度と同等またはそれ未満であるイオン強度を有する、請求項132記載の方法。
【請求項135】
水溶液が20 mM塩化ナトリウムのイオン強度と同等またはそれ未満であるイオン強度を有する、請求項132記載の方法。
【請求項136】
水溶液が約6.0〜約7.0のpHを有し、かつ物質がビンカアルカロイド、その類似体、またはその誘導体である、請求項132記載の方法。
【請求項137】
水溶液のpHが約6.5であり、かつ物質がビノレルビンである、請求項136記載の方法。
【請求項138】
水溶液のpHが約5〜約7であり、かつ物質がカンプトテシン誘導体である、請求項135記載の方法。
【請求項139】
水溶液のpHが約5.0〜約6.5であり、かつ物質がトポテカンまたはイリノテカンである、請求項139記載の方法。
【請求項140】
接触段階の後に、水溶液のイオン強度が50 mM塩化ナトリウムのイオン強度よりも高くなるまで上昇する、請求項134または135記載の方法。
【請求項141】
イオン強度値が少なくとも100 mM塩化ナトリウムのイオン強度値まで上昇する、請求項140記載の方法。
【請求項142】
イオン強度値が少なくとも150 mM塩化ナトリウムのイオン強度まで上昇する、請求項141記載の方法。
【請求項143】
封入された物質を含むリポソームを調製する方法であって、工程が以下の段階:
(a) 該物質の前物質(pre-entity)を提供する段階;
(b) 内部空間を有するリポソーム内に該前物質を封入する段階;および
(c) 該リポソームの内部空間内で、封入された該前物質を該物質に変換するためのリポソーム内条件を提供して、リポソーム封入形態の該物質を得る段階、
を含み、該物質が有機化合物、またはプラチナ群金属の配位錯体を含む化合物である方法。
【請求項144】
封入段階が、前物質を膜間勾配を有するリポソームと、該リポソーム内への該誘導体の封入に十分な時間接触させる段階を含む、請求項143記載の方法。
【請求項145】
膜間勾配が、イオン勾配、pH勾配、電気化学ポテンシャル勾配、または溶解度勾配である、請求項144記載の方法。
【請求項146】
イオン勾配が、アンモニウムイオン、および少なくとも1つのC-N結合を含む置換型のアンモニウムイオンの群より選択されるイオンの勾配である、請求項144記載の方法。
【請求項147】
前物質が物質の全体的にカチオン性の誘導体である、請求項144記載の方法。
【請求項148】
化合物が医薬である、請求項143記載の方法。
【請求項149】
有機化合物がタキサン化合物である、請求項148記載の方法。
【請求項150】
タキサン化合物がパクリタキセルまたはドセタキセルである、請求項149記載の方法。
【請求項151】
前物質がタキサン分子の2'位または7'位のいずれかのヒドロキシル基のエステルを含み、該エステルが滴定可能なアミンを含む、請求項149記載の方法。
【請求項152】
前物質が2'-(2-(N,N'-ジエチルアミノ)プロピオニル)-パクリタキセルまたは2'-(2-(N,N'-ジエチルアミノ)プロピオニル)-ドセタキセルである、請求項151記載の方法。
【請求項153】
条件がpH変化である、請求項143記載の方法。
【請求項154】
条件が不安定な結合の酵素切断である、請求項143記載の方法。
【請求項155】
条件が、加水分解、光分解、放射線分解、チオ開裂、加アンモニア分解、還元、置換、酸化、または除去の工程である、請求項143記載の方法。
【請求項156】
請求項1〜22のいずれか一項記載の組成物、物質を封入するために組成物を使用するための説明書、および任意で別の容器中の物質を含む、リポソーム封入物質を提供するためのキット。
【請求項157】
物質が全体的にカチオン性の物質、治療用物質、または検出マーカーである、請求項156記載のキット。
【請求項158】
リポソームが、外界温度の水溶液中で少なくとも8.0、少なくとも8.5、少なくとも9.0、少なくとも9.5、または少なくとも10.0というpKa値を有する置換アンモニウム化合物を含む、請求項1〜119のいずれか一項記載の組成物。
【請求項159】
物質と接触する組成物がリポソームを含み、該リポソームが、外界温度の水溶液中で少なくとも8.0、少なくとも8.5、少なくとも9.0、少なくとも9.5、または少なくとも10.0というpKa値を有する置換アンモニウム化合物を含む、請求項120〜142のいずれか一項記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【公開番号】特開2012−92119(P2012−92119A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−266612(P2011−266612)
【出願日】平成23年12月6日(2011.12.6)
【分割の表示】特願2007−511506(P2007−511506)の分割
【原出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYREX
【出願人】(506370674)ヘルメス バイオサイエンシズ インコーポレーティッド (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月6日(2011.12.6)
【分割の表示】特願2007−511506(P2007−511506)の分割
【原出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYREX
【出願人】(506370674)ヘルメス バイオサイエンシズ インコーポレーティッド (2)
【Fターム(参考)】
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