説明

薬物送達システム及び方法

【課題】リモートコントローラーを用いたインフュージョンポンプの制御を、ユーザーによる投与薬物のより良好な制御が可能となる様式にて可能にする、薬物送達システムを提供すること。
【解決手段】リモートコントローラーとインシュリンを含むインフュージョンポンプとの間の通信リンクを設定するステップ、ボーラス投与値をリモートコントローラーによりポンプに提供するステップ(表示されるボーラス投与値は注入されるインシュリンの全量を示す)、インシュリンの全量の一部の所定量を、ポンプから注入するステップ、及びリモートコントローラーからのコンティニューコマンドの受信を含む情報に基づいて、インシュリンの全量のうちの更なる所定分量をポンプから注入するステップ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬物ポンプ等のような薬物送達装置により薬物を送達するためのシステム及び方法に関する。具体的に本発明は、ワイヤレスで薬物送達装置と通信するリモートコントローラーを具備する薬物送達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な形態の薬物療法へのインフュージョンポンプの使用は一般的になっており、これらのインフュージョンポンプは自動的に患者に液体薬剤を投与するために用いられる。液体薬剤は薬剤源から供給され、カテーテルその他の注入装置を介して患者にポンプにより注入される。例えば、糖尿病患者は、装置をベルト、ポケット等に着用して外部からインシュリン輸液療法を行うことができ、インシュリンは皮下組織に挿入された経皮針又はカニューレによりカテーテルを通って送達される。更に、薬物ポンプ療法は、他の医学的症状(例えば肺高血圧症、HIV及び癌)の治療及び制御にとってより重要となっている。液体の注入はインフュージョンポンプによって制御され、例えば液体薬剤が一定速度で連続的に注入される連続モードや、又は注入速度が段階的に増加し、一定に維持され、次いで段階的に減少するモードなど、さまざまな注入モードが可能である。
【0003】
典型的には、インフュージョンポンプのモニタリングは、インフュージョンポンプに備わる視覚的表示手段の視認により行われ、インフュージョンポンプの制御は、入力装置(例えばインフュージョンポンプと連結したキーパッド)の操作により行われる。したがって、インフュージョンポンプのモニタリング及び/又は制御は、インフュージョンポンプが配置される同じ場所で行われる。この種の薬物療法の一つの欠点は、外部のインフュージョンポンプ及びカテーテル管を衣類の下に隠せないことである。多くのユーザーは、自身の医学的症状を秘密にするため、外部ポンプを隠したいと願望する。しかしながら、これは特に糖尿病のような疾患においては不都合又は非実用的であると考えられる。なぜなら、ユーザーは定期的なモニタリング、又は薬物の追加投与(すなわち日中のボーラス投与)のため、外部ポンプに手軽にアクセスできなければならない。ユーザーが外部ポンプを隠した場合、ユーザーはしばしば部分的に服を脱ぐか、又は表示部及びキーパッドへのアクセスができる場所に慎重に外部ポンプを移動させなければならない。
【0004】
これらの問題に対処するため、ユーザーがリモートコントローラー(例えばワイヤレス通信リンクを介してポンプと通信)によりインフュージョンポンプの制御ができるシステムが開発されている。それによると、ユーザーは物理的にポンプにアクセスする必要なく薬物投与ができ、それによって、ユーザーにとりインフュージョンポンプを用いた療法がより簡便なものとなる。多くの場合、ユーザーはリモートコントローラーから少数のコマンドをただポンプに送るだけで投与薬物の送達を開始でき、それにより間断なく全ての所望の薬物を送達できる。しかしながら、治療における薬物の適当量が体内に確実に注入されるために、ユーザーが緊急に送達を停止又は開始するのが望ましい状況が発生しうる。例えば、ユーザーが誤って不注意にかなりのボーラス量のコマンドを送信してしまった場合、誤って薬物のボーラス注入を開始したそのユーザーは、薬物注入の急停止をしなければと考えるであろう。投与される薬物がインシュリンである場合、急激な低血糖症の発生を防止するためにユーザーは直ちに注入コマンドをキャンセルする必要がある。
【0005】
かかる緊急事態において、ポンプ上の適当なナビゲーションボタンを押すことや、又はユーザーの皮膚から薬物注入用の針を除去することにより、ポンプを停止できるのが好ましい。これらのいずれかの方法に存在する一つの欠点は、ナビゲーションボタン及び針などの部材がユーザーの衣類の下に位置するため、アクセスが困難となり、それが深刻な時間的遅れとなりうることである。また、針を除去したら再度針を挿入する必要があるため、不便である。他の変形例において、リモートコントローラー上のナビゲーションボタンを押すことでポンプを停止できる。しかしながら、特定の状況下ではワイヤレス通信が不能となることもありえ、それによりリモートコントローラーでポンプを停止することが妨害されることもありえる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上より、リモートコントローラーを用いたインフュージョンポンプの制御を、ユーザーによる投与薬物のより良好な制御が可能となる様式にて可能にする、薬物送達システムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様において、リモートコントローラーを用いたインシュリンのボーラス送達方法が提供される。その方法は以下のステップを具備する。リモートコントローラーとインシュリンを含むインフュージョンポンプとの間の通信リンクを設定するステップ、ボーラス投与値をリモートコントローラーによりポンプに提供するステップ(表示されるボーラス投与値は注入されるインシュリンの全量を示す)、インシュリンの全量の一部の所定量を、ポンプから注入するステップ、及びリモートコントローラーからのコンティニューコマンドの受信を含む情報に基づいて、インシュリンの全量のうちの更なる所定分量をポンプから注入するステップ。
【0008】
本発明の他の実施態様において、リモートコントローラー及びポンプを用いてインシュリンをボーラス投与する方法であって、ポンプが所定の時間内に信号を受信しない場合にアラームを起動させる方法が提供される。その方法は、以下のステップからなる:リモートコントローラーとインシュリンを含むインフュージョンポンプとの間の通信リンクを設定するステップ、ボーラス投与値をリモートコントローラーによりポンプに提供するステップ(表示されるボーラス投与値は注入されるインシュリンの全量を示す)、インシュリンの全量の一部の所定量を、ポンプから注入するステップ、及びポンプが所定の時間内にコンティニューコマンドを含む信号を受信しない場合、アラームを起動させるステップ。
【0009】
本発明の他の実施態様において、リモートコントローラー及びポンプを用いてインシュリンをボーラス投与する方法であって、所定の時間内にポンプが信号を受信しない場合に薬物の注入が終了される方法が提供される。その方法は、以下のステップからなる:リモートコントローラーとインシュリンを含むインフュージョンポンプとの間の通信リンクを設定するステップ、ボーラス投与値をリモートコントローラーによりポンプに提供するステップ(表示されるボーラス投与値は注入されるインシュリンの全量を示す)、インシュリンの全量の一部の所定量を、ポンプから注入するステップ、及びポンプが所定の時間内にコンティニューコマンドを含む信号を受信しない場合、ポンプからの薬物注入を停止するステップ。
【0010】
本発明の更なる実施態様において、ボーラスとして薬物の所定量を注入する方法が提供される。その方法は、以下のステップからなる:リモートコントローラーに薬物の所定量を入力するステップ、薬物の所定量を含む情報をワイヤレスでリモートコントローラーからポンプに送信するステップ、所定量の薬物の第一部分をポンプから注入するステップ、及びリモートコントローラーからの、注入を継続させるための指示を含むワイヤレス信号の受信に応答して、薬物のうちの更なる所定分量をポンプから注入するステップ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明の典型的なリモートコントローラー200の平面図である。図示のとおり、リモートコントローラー200は、第一ハウジング201、表示部202、OKボタン204、ダウンボタン206、バックボタン208、アップボタン210、発光ダイオード(LED)212及びストリップポートコネクター(SPC)214からなる。リモートコントローラー200は更に、図5に図式的に示されるとおり、ナビゲーションボタン(NAV)216、ワイヤレス周波数モジュール(RF)218、血糖測定(BGM)モジュール220、電池(BAT)222、有線の通信ポート(COM)、アラーム(AL)226、マイクロプロセッサー(MP)228、記憶部(MEM)230及びメモリチップポート(MCP)などの機能部品からなる。好ましくは、第一ハウジング201は、携帯可能でかつ随時の血糖量測定に必要な機能回路を組み込んだ形で人間工学的に設計されており、ポンプ300とのワイヤレス通信が可能である。
【0012】
図2は、リモートコントローラー200の斜視図であり、更にポートカバー209を例示する。好ましくは、ポートカバー209は、有線の接続ポート(図示せず)及びメモリチップポート(図示せず)を被覆するエラストマー材を含む。有線の接続ポートの例としては、汎用シリアルバス(USB)又はIEEE RS 232が挙げられる。メモリチップポートへの挿入に適するメモリの例としては、SIMMカード、SmartCard(登録商標)、SmartMedia(登録商標)、などのようなフラッシュメモリが挙げられる。
【0013】
表示部202は、好ましくはユーザーに文字情報及びグラフィック情報の両方を示す液晶ディスプレイ(LCD)を備える。ユーザーインタフェース(UI)は、ソフトウェア駆動型メニューを含んでもよく、それは表示部202に示すことができ、それによりユーザーはリモートコントローラー200を操作できる。ユーザーは、アップボタン210、ダウンボタン206、OKボタン204及びバックボタン208を含むナビゲーションボタン216を用い、UIから操作することができる。好ましくは、ユーザーが、UIを通じてポンプ300の稼働、ポンプ300のステータス参照、随時の血糖量測定、リモートコントローラー200及び/又はポンプ300からのデータの表示部202への表示(例えば時間に対する血糖値)を含む機能を実行させる。
【0014】
マイクロプロセッサ228は、好ましくは表示部202、ナビゲーションボタン216、RFモジュール218、血糖測定モジュール220、有線通信ポート224、第一アラーム226及びメモリチップポート232を制御する。更にマイクロプロセッサ228は、好ましくは、医療管理のための様々なアルゴリズムを実行する能力を提供する。この種のアルゴリズムの例としては、ユーザーの血糖値予測(例えば将来のユーザーの血糖値を予測するアルゴリズム)及びボーラス計算のためのアルゴリズムが挙げられる。ボーラスとは、比較的短時間で投与される薬物の所定量である。ボーラス計算の場合、マイクロプロセッサ228は好ましくは、第一ナビゲーションボタン216を用いて手動で入力される、又はパーソナルコンピューターやその他の装置から有線通信ポートを経て入力される、食品(例えば炭水化物)についてのデータ等の入力を処理できる。更に、血糖値データを血糖測定モジュール220から直接マイクロプロセッサ228に提供してもよい。入力された食品データ及び血糖測定データを用いて、インシュリンのボーラス量を決定して表示部202に表示することができ、そのボーラス量をワイヤレスでリモートコントローラー200からポンプ300に送信できる。これにより、ポンプ300からユーザーにインシュリンの適当量を投与することが可能となり、同時にユーザーがポンプ300と関与する頻度が減少する。
【0015】
リモートコントローラー200のRFモジュール218は、ポンプ300あるいは他の装置(例えば連続グルコースモニター、パーソナルコンピューター、パーソナル携帯情報機器、携帯電話、インシュリンペン又はグルコースを注入できる第二ポンプなどの)との双方向通信を提供する。RFモジュール218との使用に適する典型的な周波数は、約433MHz、約863MHz、約903MHz及び約2.47GHzである。RFモジュール218は、市販の部品(例えばChipcon CC 1000、アンテナ及びRFインピーダンス整合回路)を含んでもよい。RFモジュール218から、ポンプ300に例えばベースのポンプ流量、ポンピング時間及びボーラス量などのコマンドを送ることができる。更にRFモジュール218は、ポンプ300からデータを受信できる。かかるデータは、閉塞又は他のエラー状態、貯蔵部のインシュリン量、バッテリー寿命及びインシュリン送達経過情報に関する情報を含んでもよい。
【0016】
有線通信ポート224は、外部素子(例えばパーソナルコンピュータ)との間でデータを送受信するオプションを提供する。有線通信ポート224を、リモートコントローラー200のソフトウェアの記憶部230をアップグレードするために用いてもよい。記憶部230は好ましくは、揮発性メモリタイプ(例えばフラッシュメモリー)を具備する。記憶部230は好ましくは、リモートコントローラー200を動作させるためのアプリケーション及びシステムソフトウェアを含む。有線通信ポート224は更に、全アプリケーション及びシステムソフトウェアがアップグレードされるように記憶部230をリライトすることができる。これによって、ソフトウェア中に存在するバグが修正され、またリモートコントローラー200への更なる追加機能を与える。更に、フラッシュメモリカードは、パーソナルコンピューターとの接続なしにリモートコントローラー200をアップグレードするため、メモリチップポート232に挿入できる。
【0017】
リモートコントローラー200は好ましくは、然るべき対応が必要となりうる様々な状態を、様々な形態においてユーザーに警告するためのアラーム226を含む。例えば、アラーム226は、音声アラーム(例えばモノラルビープ音又は多声トーン)、振動アラーム又はLED212(赤、黄及び緑色光による多色光LEDが可能)を具備してもよい。アラーム信号は、グルコースの低い測定値、グルコーステストストリップへの不十分な液充填、インシュリン貯蔵量の低下、ポンプ300の閉塞、ポンプ300のバッテリー低下状態、リモートコントローラー200のバッテリー低下状態、テストストリップへの不適当な充填が生じたときのユーザーへの警告手段として用いることができる。危険性が存在する状況のため、ユーザーによる介入が必要となりうる上記の状況において、上記アラームは、振動、音声信号及び/又はLED212における緑から赤又は緑から黄への切り替えでもよい。
【0018】
図4は、本発明のポンプ300の斜視図である。図示のように、ポンプ300は、ハウジング301、バックライトボタン302、アップボタン304、カートリッジキャップ306、ボーラスボタン308、ダウンボタン310、バッテリーキャップ312、OKボタン314及び表示部316を含む。ポンプ300には好ましくは、改良された糖尿病の治療に用いるインシュリンなどの薬物の注入に適するポンプが具備される。例えば、ポンプ300にはAnimas社から市販のポンプ(カタログNo.IR1200)と同様のものが使用可能であるが、該ポンプ300が本発明のRF能力を含むことを条件とする。ハウジング301は、RF透過性材料を含んでもよく、及び/又はRF透過性塗料を塗布されてもよい。図5で示すように、ポンプ300は更に、好ましくは表示部(DIS)316、ナビゲーションボタン(NAV)318、貯蔵部(RES)320、赤外線通信ポート(IR)321、ワイヤレス周波数モジュール(RF)322、バッテリー(BAT)324、アラーム(AL)326及びマイクロプロセッサ(MP)328を具備する。ポンプ300及びリモートコントローラー200は、好ましくはワイヤレス信号を用いてRFモジュール218及びRFモジュール322を介して双方向通信を行う。
【0019】
RFモジュール218のアンテナ部分は、好ましくはハウジング201中に設置される。同様に、RFモジュール322は、好ましくはハウジング301中に設置される。かかる場合、ハウジング201及びハウジング301に使用する材料は、好ましくはRF透過性(すなわち、RF信号を吸収しない又は妨げない)である。更に、ハウジング201又はハウジング301に塗装を行う場合にも、使用する塗料は好ましくは同様にRF透過性を有するものである。
【0020】
RFモジュール218及びRFモジュール322は、より好ましくはリモートコントローラー200と特定のポンプ300との通信を可能にする通信プロトコルを含む。リモートコントローラー200及びポンプ300は、好ましくは各々のRFモジュール218及びRFモジュール322に関連する特殊な識別コードを有する。これは、第二のポンプ300を有する第二ユーザーが、第一ユーザーに接近するような特定の状況であってもよいため、望ましい。第一ユーザーのリモートコントローラー200にとっては、第二ユーザーのポンプ300と混信することは望ましくない。かかる混信を回避するため、ポンプ300を初めて使用する前にリモートコントローラー200の組み合わせプロトコルを初期化するのが好ましい。組み合わせプロトコルの初期化の際、リモートコントローラー200及びポンプ300はそれらの特殊識別コード(例えばシリアル番号)を交換する。以降の全てのワイヤレス通信において、データ交換の前に正しい特殊識別コードを決めるのが好ましい。
【0021】
リモートコントローラー200には好ましくは、使い捨てのテストストリップを用いて随時血糖値を測定できる統合型の血糖測定装置が具備されている。リモートコントローラー200の使用に適する典型的なテストストリップ100を図3に示す。テストストリップ100は、基層5上に印刷された導電層を含む。導電層は、第一接点13、第二接点15、参照接点11及びストリップポートコネクター214との電気的接続に使用できるストリップ検出バー17を含む。導電層は、第一作用電極12、第二作用電極14及び第一接点13、第二接点15及び参照接点11にそれぞれ電気的に接続する基準電極10を更に含む。テストストリップは、透明な親水性フィルム36を更に含み、それは接着部60により接着してサンプル受容チャンバーを形成し、入口部90から血液を取り込む。典型的なテストストリップは、LifeScan,Inc社(Milpitas、California、U.S.A.)から市販されているOneTouchウルトラテストストリップである。
【0022】
第一作用電極12、第二作用電極14及び基準電極10に試薬層(図示せず)が設けられている。試薬層は、化学物質(例えば選択的にグルコースと反応する酸化還元酵素及びメディエーター)を含んでもよい。この反応の間、還元したメディエーターの比例量を酵素的に発生させることができ、電気化学的に測定される。これにより、血糖値に比例した電流の測定が可能となる。試薬組成又は試薬層22の作成に使用できるインクの例は、米国特許第5,708,247号及び6,046,051号、並びに国際公開第01/67099号及び第01/73124号に存在し、その全内容は援用により本発明の一部をなす。
【0023】
好ましくは、随時グルコース濃度を測定することに加えて、リモートコントローラー200はポンプ300とワイヤレスで通信できる。使用中、リモートコントローラー200は、ポンプ300に対して、所定の時間、速度及び/又は量にて流体又は薬物を注入させるためのコマンドを送信する。好ましくは、ユーザーはポンプ300にプログラムされたベースプログラムのメニューから選択する。ユーザーはまた、リモートコントローラー200からポンプ300に対して、好ましくはベース速度、ボーラス投与量及びそれらの組み合わせをコマンドとしてセットできる。リモートコントローラー200は、ポンプ300から、例えば薬物の注入状況(例えば注入速度、ポンプ300に残っている薬物量又はプログラムされた量に基づいて送達される薬物の割合など)のデータを受信する。
【0024】
日常的な使用の間、ユーザーは、リモートコントローラー200からポンプ300にボーラス投与のコマンドを送信し、インシュリンのボーラス注入を開始できる。しかしながら、特定の状況下では、ユーザーが不注意により、大きいボーラス値でボーラスコマンドを誤送信することもありうる。この場合、ユーザーは、急激な低血糖症の発生を防止するためにボーラスコマンドをキャンセルする必要がある。ポンプ300は、ポンプ300上の適当なナビゲーションボタン318を押すことによって、ユーザーの皮膚からインシュリン注入針を除去することによって、又はリモートコントローラー200上の適当なナビゲーションボタン216を押すことによって停止できる。ポンプ300がユーザーの衣類の下に隠れる形で着用されることがありえるため、ナビゲーションボタン318からのポンプ300の停止が望ましくないこともある。また、針へのアクセスが困難であることや、後で針の挿入を繰り返す必要があることにより、インシュリン注入針の除去が望ましくないこともある。リモートコントローラー200を用いてポンプ300を停止することにより、ナビゲーションボタン318の使用又はユーザーの皮膚から針を除去することに関連する問題点を克服することとなる。しかしながら、ワイヤレス通信が途絶した場合に、ポンプ300が停止するのは問題である。
【0025】
インシュリンの典型的ボーラス値は約0.5ユニットから約10ユニットであり、典型的ボーラス送達時間は10ユニットのボーラス値では約20秒である。これにより、望ましくないボーラスコマンドをユーザーがキャンセルするための時間枠が、約20秒以下の比較的短時間となってしまう。ユーザーは急速な対応をしなければならず、その時に適切なナビゲーションボタン318を押すか又はユーザーの皮膚から針を取り外すことが不便であることは明らかである。こうした状況では、リモートコントローラー200の使用は、ボーラスコマンドをキャンセルする、より好適な方法となる。
【0026】
図6は、薬物(例えばインシュリン)のボーラス注入における、本発明の典型的な方法500を示す。図示のように、方法500は、ユーザーがナビゲーションボタン216を用いてリモートコントローラー200に所定の量又はボーラス量を入力するステップ502を含む。その後、リモートコントローラー200は、ステップ504に示すようにポンプ300にワイヤレスでボーラス量を送信する。ボーラス量の大きさに応じ、ポンプ300は、インシュリン送達のための所定ボーラス送達速度(通常ステップ505に示すように約20秒未満のボーラス送達)を指定する。更に、マイクロプロセッサ328は、ステップ506に示すようにボーラス量を複数の所定分量に分割する。複数の所定分量の各々の中に、好ましくはそれらが約0.10単位から約1.0単位の範囲となるようにサイズが設定される。好ましくは、所定分量は、等しいサイズに設定される。例えば、3.0ユニットのボーラス量は、各々1.0ユニットの3部分、各々0.50ユニットの6部分、各々0.25ユニットの12部分などに分割できる。複数の所定分量は、等しいサイズに設定される必要はなく、異なるサイズでもよい。例えば、3.0ユニットのボーラス量は、各々1.0ユニットの2部分及び0.50ユニットの2部分に分割してもよい。
【0027】
ポンプ300はその後、ステップ507に示すようにボーラスの第一所定分量を注入する。次に、ポンプ300はステップ510に示すように、リモートコントローラー200からの注入を続ける旨のワイヤレス信号送信を待つ。一旦ポンプ300がリモートコントローラー200から注入継続のワイヤレス信号400を受信すると、ポンプ300はその後ステップ512に示すように次の所定分量を注入し、これが第二所定分量となる。ポンプ300が第一所定待機時間中に注入を継続するためのワイヤレス信号を受信しない場合、表示部202には、ワイヤレス通信が途絶し、ボーラス注入が終了した旨のエラーメッセージをユーザーに示すのが好ましい。第一所定待機時間は、好ましくは約10秒から約1分である。
【0028】
図7に示すように、ポンプ300が第一所定待機時間内に注入を継続する旨のワイヤレス信号を受信しない場合、ユーザーがステップ519のワイヤレス通信を復旧しようと促されるのが好ましい。ステップ520において、ユーザーは、好ましくはリモートコントローラー200の位置を操作し、ワイヤレス通信を修復又は通常メーターに問題がないかの点検を試みる。例えば、ユーザーはポンプ300に物理的に近い位置にリモートコントローラー200を移動するか、又は大きな金属物質でワイヤレス通信を妨害されないようにリモートコントローラー200を移動することができる。ステップ522において、ポンプ300は、第二所定待機時間内にリモートコントローラー200から注入を継続する旨のワイヤレス信号受信を待つ。好ましくは、第二所定待機時間は、約1分以下である。ユーザーの対応が適切で、コマンドの受信が可能になるほどワイヤレス信号通信が回復したときは、ステップ512に示すように、続いてポンプ300が次の所定分量をボーラス注入する。ワイヤレス信号伝達が第二所定待機時間内に十分回復しない場合、リモートコントローラー200は好ましくはエラーメッセージを表示し、ステップ524に示すようにボーラス注入を終了する。
【0029】
ポンプ300がステップ512の所定分量を注入し終わった後、図6及び7に示すステップ514に示すように、ポンプ300は全ての部分が分配されたかどうかを検出する。ポンプで送達される所定分量が残留している場合、次のステップ(ステップ508)に入り、ポンプ300は継続する旨のワイヤレス信号を待つ。所定分量の全てが分配された場合、ステップ516に示すように、ボーラス注入のための方法500が終了する。図示するように、方法500では、リモートコントローラー200及びポンプ300との間にボーラスプロセス全体にわたりワイヤレス通信が維持される場合のみ、身体にボーラスが注入される。ポンプ300は、一部のボーラスを注入する前に継続する旨のワイヤレスコマンドを受信する必要がある。この方法により、リモートコントローラー200を用いて確実にボーラスを急停止できる。ワイヤレス通信の途絶によりそれが不可能な場合、方法500はボーラスプロセスを停止する。
【0030】
本発明により、リモートコントローラー200を用いてコンティニューコマンド送信のための様々なモードが可能となる。実施例1で後述する第一の典型的なモードにおいて、リモートコントローラー200は繰り返しのポーリングコマンドをポンプ300に送信し、その状況についての問い合わせを行う。リモートコントローラー200は、非同期又は同期方式によりポーリングコマンドを送信できる。ポンプ300が、ポーリングコマンドを受信した後にボーラスの所定分量が分配された旨をリモートコントローラー200と交信すると、リモートコントローラー200はその後コンティニューコマンドを送信する。リモートコントローラー200は、全ての所定分量の注入を可能とすべく、更なるコンティニューコマンドのポンプ300への送信が必要となる時期を決定するために、絶えずポンプ300とポーリングを行う。
【0031】
実施例2で後述する第二の典型的なモードにおいて、リモートコントローラー200はいかなるポーリングコマンドも送信せず、その代わりに、ボーラスが終了するまで、又はボーラスがリモートコントローラー200によって停止されるまで、所定頻度で絶えずコンティニューコマンドを送信し続ける。このモードにおいては、所定分量が注入される前にコンティニューコマンドがポンプ300に送信されたとき、ポンプ300はコンティニューコマンドを無視する。一旦ポンプ300が所定分量を注入し終わると、リモートコントローラー200からのコンティニューコマンドを受信する。この第二モードは、ポーリングコマンドを使用しないため、第一モードよりも簡便である。しかしながら、第二モードでは、幾つかのコンティニューコマンドが送信されるが、それらの一部は、所定分量の注入が終了しなかった場合にはポンプ300に無視される。
【実施例1】
【0032】
図8は、本発明における、ステータス要求(例えばポーリング)及びコンティニューコマンドを用いた一連のコマンド及び応答を示す概略図である。ステップ800において、インシュリンの3.0ユニットのボーラスが、リモートコントローラー200上のユーザーインタフェースを用いて選択又は入力される。リモートコントローラー200は、ワイヤレス信号400を介してポンプ300にコマンドを送信し、3.0ユニットのボーラス注入を開始するようポンプ300に指示する。ポンプ300は、ボーラスを各々1ユニットずつの3つの所定分量に分割する。ポンプ300はその後、ユーザーの身体への、ボーラスの第一所定分量の送達を開始する。
【0033】
ステップ802において、リモートコントローラー200は、ボーラスのステータスを要求するコマンドを送信する。この実施例においては、ポーリングステップは反復を基本として行われる。ステップ804において、ポンプ300は0.5ユニットのみを送達し、コマンドを受信すると、ポンプ300から要請された3.0ユニットのうちの0.5ユニットが送達されたことを示す応答を送信し、リモートコントローラー200において第一表示部202上のボーラス送達のステータス情報が更新される。ステップ806において、ポンプ300は1.0ユニット全てが送達されるまでインシュリンの送達を継続する。ステップ806終了後、ポンプ300はリモートコントローラー200からのコンティニューコマンド受信を待つ。ステップ808において、リモートコントローラー200はボーラスのステータスを問い合わせるための別のコマンドを送信する。ステップ810において、ポンプ300はポーリングコマンドに対して1.0ユニットが届けられ、今はコンティニューコマンドを待つ状態であることを示す応答を送信し、リモートコントローラー200は第一表示部202にボーラス送達のステータス情報を更新する。ステップ812において、リモートコントローラー200はその後ポンプ300にコンティニューコマンドを送信し、それによりポンプ300からのボーラスの第二所定分量の送達が継続される。要約すると、ステップ802〜812において、ボーラスの第一所定分量の注入が行われ、それによりリモートコントローラー200とポンプ300とのワイヤレス通信が維持され、それにより更に次のボーラスの所定分量の注入が開始される。
【0034】
実施例1において、ワイヤレス通信が途絶しない場合は、ステップ814〜834において3つの所定分量全てを送達できる。ステップ814において、リモートコントローラー200は、ボーラスのステータスを要求するコマンドを送信する。ステップ816で、ポンプ300から1.5ユニットが送達され、コマンドを受信すると、要請された3.0ユニットのうち1.5ユニットが送達されたことを示す応答がポンプ300から送信され、リモートコントローラー200は第一表示部202のボーラス送達のステータス情報を更新する。ステップ818において、2.0ユニット全てが送達されるまでポンプ300はインシュリン送達を継続する。ステップ818終了後、ポンプ300はリモートコントローラー200からのコンティニューコマンド受信を待つ。ステップ820において、リモートコントローラー200はボーラスのステータスを問い合わせるための別のコマンドを送信する。ステップ822において、ポンプ300はポーリングコマンドに対して1.0ユニットが届けられ、今はコンティニューコマンドを待つ状態であることを示す応答を送信し、リモートコントローラー200は第一表示部202にボーラス送達のステータス情報を更新する。ステップ824において、リモートコントローラー200はその後ポンプ300にコンティニューコマンドを送信し、それによりポンプ300からのボーラスの第二所定分量の送達が継続される。
【0035】
ステップ814において、リモートコントローラー200は、ボーラスのステータスを要求するコマンドを送信する。ステップ828で、ポンプ300から2.5ユニットが送達され、コマンドを受信すると、要請された3.0ユニットのうち2.5ユニットが送達されたことを示す応答がポンプ300から送信され、リモートコントローラー200は第一表示部202のボーラス送達のステータス情報を更新する。ステップ830において、3.0ユニット全てが送達されるまでポンプ300はインシュリン送達を継続する。ステップ832において、リモートコントローラー200はボーラスのステータスを問い合わせるための別のコマンドを送信する。ステップ834において、ポンプ300は、3.0ユニットを送達し、既にボーラスの全ての所定分量を送達した旨を示す応答を送信する。
【実施例2】
【0036】
図9は、本発明における、コンティニューコマンドのみを用いた、典型的なコマンド及び応答の配列を示す概略図である。この例では、実施例1のような、リモートコントローラー200からポンプ300へのポーリングコマンドが存在しない。ステップ900において、リモートコントローラー200上のユーザーインタフェースにより、3.0ユニットのインシュリンのボーラスが選択される。リモートコントローラー200はワイヤレス信号400を介してポンプ300にコマンドを送信し、3.0ユニットのボーラス注入を開始する旨をポンプ300に指示する。ポンプ300は、ボーラスを1ユニットずつの3つの所定分量に分割する。ポンプ300はその後、ユーザーの身体にボーラスの第一所定分量の送達を開始する。
【0037】
ステップ902において、リモートコントローラー200は、コンティニューコマンドを送信する。この実施例では、そのコンティニューコマンドは反復ベース又は非同期で行ってもよい。反復して信号が送信される場合、好ましくは約0.5秒〜1秒の頻度で行われる。ステップ902において、コンティニューコマンドがポンプ300により受信され、それに対してどの程度のボーラスが送達されたかを示す応答が送信される。ステップ904で、要請された3.0ユニットのうち0.5ユニットが送達されたことを示す応答がポンプ300から送信され、リモートコントローラー200は第一表示部202のボーラス送達のステータス情報を更新する。ステップ906において、1.0ユニット全てが送達されるまでポンプ300はインシュリン送達を継続する。ステップ906終了後、ポンプ300はリモートコントローラー200からのコンティニューコマンドの受信を待つ。ステップ908において、リモートコントローラー200は他のコンティニューコマンドを送信する。ステップ908においてポンプ300が一旦コンティニューコマンドを受信すると、ユーザーの身体にボーラスの第二所定分量の送達を開始する。次に、ポンプ300は、ステップ910において要請された3.0ユニットのうちどの程度のボーラスが送達されたか(この場合1.0ユニット)に関する指示に応答し、リモートコントローラー200は第一表示部202上のボーラス送達のステータス情報を更新する。ステップ912において、コンティニューコマンドは、リモートコントローラー200によって送信され、ポンプ300が受信する。ステップ914において、ポンプ300は要請された3.0ユニットのうちどの程度のボーラスが送達されたか(この場合1.5ユニット)に関する指示に応答し、リモートコントローラー200は第一表示部202上のボーラス送達のステータス情報を更新する。ステップ916において、ポンプ300はインシュリン送達が2.0ユニットになるまで継続し、その後コンティニューコマンドを待つ。ステップ918において、コンティニューコマンドは、リモートコントローラー200によって送信され、ポンプ300が受信する。次に、ポンプ300は、ステップ920において要請された3.0ユニットのうちどの程度のボーラスが送達されたか(この場合2.0ユニット)に関する指示に応答し、リモートコントローラー200は第一表示部202上のボーラス送達のステータス情報を更新する。ステップ922において、コンティニューコマンドは、リモートコントローラー200によって送信され、ポンプ300が受信する。次に、ポンプ300は、ステップ924において要請された3.0ユニットのどの程度のボーラスが送達されたか(この場合2.5ユニット)に関する指示に応答し、リモートコントローラー200は第一表示部202上のボーラス送達のステータス情報を更新する。ステップ926において、3.0ユニット全てが送達されてボーラスが終了するまで、ポンプ300はインシュリンの送達を継続する。ステップ928において、コンティニューコマンドが、リモートコントローラー200によって送信され、ポンプ300によって受信される。しかしながら、ボーラスが全て送達されたため、ポンプはこれ以上インシュリン注入を行わない。ポンプ300は、要請された3.0ユニットのうちの3.0ユニットが全て分配され、ボーラスの送達が完了した旨の指示に応答し、リモートコントローラー200の第一表示部202は、ボーラスが完了した旨の表示に更新される。
【0038】
以上において本発明の幾つかの実施態様を記載した。本願明細書にて参照されるいかなる特許又は特許出願も、その全開示内容が本願明細書に援用される。前述の詳細な説明及び実施例は、理解の明確化を目的として提供されるものである。不必要な限定がそこから導出されることはない。本発明の範囲から逸脱することなく、記載されている実施態様の範囲内で多くの変形が可能であることは、当業者にとって自明である。このように、本発明の範囲は、本願明細書に記載の構造に限定されず、請求項の用語により記載された構造及びそれと均等な構造によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の典型的なリモートコントローラーの平面図である。
【図2】図1のリモートコントローラーの斜視図である。
【図3】図1及び2に示すリモートコントローラーに使用可能な、典型的なテストストリップの平面図である。
【図4】本発明のポンプの斜視図である。
【図5】図1のリモートコントローラー及び図2のポンプの特定の機能形態を示し、特にリモートコントローラーとポンプとの間のワイヤレス通信の態様を示すブロック線図である。
【図6】本発明に係る薬物のボーラス注入ための典型的な方法を示す概略フローチャートである。
【図7】本発明に係る図6の方法を示す概略フローチャートであり、特に失われたワイヤレス信号を復旧するステップを示す。
【図8】本発明に係る、ステータスリクエスト及びコンティニューコマンドを用いた、一連のコマンド及びレスポンスを示すブロック線図である。
【図9】本発明に係る、コンティニューコマンドのみを用いた、一連のコマンド及びレスポンスを示すブロック線図である。
【符号の説明】
【0040】
10 基準電極
11 参照接点
12 第一作用電極
13 第一接点
14 第二作用電極
15 第二接点
17 ストリップ検出バー
22 試薬層
36 親水性フィルム
60 接着部
90 入口部
100 テストストリップ
200 リモートコントローラー
201 第一ハウジング
202 第一表示部
204 OKボタン
206 ダウンボタン
208 バックボタン
209 ポートカバー
210 アップボタン
212 LED
214 ストリップポートコネクター
216 第一ナビゲーションボタン
218 RFモジュール
220 血糖測定モジュール
222 バッテリー
224 有線通信ポート
226 第一アラーム
228 直接マイクロプロセッサ
230 記憶部
232 メモリチップポート
300 ポンプ
301 ハウジング
302 バックライトボタン
304 アップボタン
306 カートリッジキャップ
308 ボーラスボタン
310 ダウンボタン
312 バッテリーキャップ
314 OKボタン
316 表示部
318 ナビゲーションボタン
320 貯蔵部
322 RFモジュール
324 バッテリー
326 アラーム
328 マイクロプロセッサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモートコントローラーを用いたインシュリンのボーラス送達方法であって、
A)リモートコントローラーと、インシュリンを含むインフュージョンポンプとの間の通信リンクを設定するステップ、
B)ボーラス値をリモートコントローラーによりポンプに提供するステップであって、そのボーラス値が注入されるインシュリンの全量を示すステップ、
C)インシュリンの全量の所定分量をポンプから注入するステップ、及び
D)コンティニューコマンドを含むリモートコントローラーからの情報の受信に基づいて、インシュリンの全量のうちの更なる所定分量をポンプから注入するステップ、
を含む送達方法。
【請求項2】
インシュリンの全量が注入されるまで、少なくとも前記ステップDを一回繰り返すことを更に含む、請求項1記載の送達方法。
【請求項3】
通信リンクがリモートコントローラーとインフュージョンポンプとの間で伝達されるワイヤレス信号を含む、請求項1記載の送達方法。
【請求項4】
リモートコントローラー及びインフュージョンポンプが、特殊な識別コードを介して通信する、請求項1記載の送達方法。
【請求項5】
ボーラス値をリモートコントローラーに提供することを更に含む、請求項1記載の送達方法。
【請求項6】
リモートコントローラーが血糖測定装置を具備する、請求項1記載の送達方法。
【請求項7】
コンティニューコマンドを含む信号を連続的に送ることを更に含む請求項1記載の送達方法であって、該信号がリモートコントローラーからポンプに送信される送達方法。
【請求項8】
リモートコントローラーを用いたインシュリンのボーラス送達方法であって、
リモートコントローラーと、インシュリンを含むインフュージョンポンプとの間の通信リンクを設定するステップ、
ボーラス値をリモートコントローラーによりポンプに送信するステップであって、該ボーラス値が送達されるインシュリンの全量を示すステップ、
インシュリンの全量の所定分量をポンプから注入するステップ、及び
コンティニューコマンドを含む信号が所定時間内にポンプによって受信されない場合にアラームを発するステップ、
を含む送達方法。
【請求項9】
前記所定時間が1秒〜60秒である、請求項8記載の送達方法。
【請求項10】
前記アラームに基づいてポンプからのインシュリン注入を停止することを更に含む、請求項8記載の方法。
【請求項11】
ポンプからインシュリン注入を停止する前に第二所定時間待機することを更に含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
リモートコントローラーを用いた薬物のボーラス送達方法であって、
リモートコントローラーと薬物を含むインフュージョンポンプとの間の通信リンクを設定するステップ、
ボーラス値をリモートコントローラーからポンプに送信するステップであって、該ボーラス値が注入される薬物の全量を示すステップ、
薬物の全量の所定分量をポンプから注入するステップ、及び
コンティニューコマンドを含む信号が、ポンプによって所定時間内に受信されない場合にポンプから薬物の注入を停止するステップ、
を含む送達方法。
【請求項13】
薬物がインシュリンを含む、請求項12記載の送達方法。
【請求項14】
通信リンクがリモートコントローラーとインフュージョンポンプとの間で伝達されるワイヤレス信号を含む、請求項12記載の送達方法。
【請求項15】
薬物の送達の終了に応答してアラームを起動させること更に含む、請求項12記載の方法。
【請求項16】
ボーラスとして薬物の所定量を注入する方法であって、
リモートコントローラーに薬物の所定量を入力するステップ、
リモートコントローラーからポンプに、ワイヤレスで薬物の所定量を含む情報を送信するステップ、
所定の薬物量の第一部分をポンプから注入するステップ、及び
リモートコントローラーからのワイヤレス信号の受信に応答して、薬物量の更なる所定分量をポンプから注入するステップであって、該ワイヤレス信号が注入を続ける旨の指令を含むステップ、
を含む方法。
【請求項17】
薬物の全量を注入することを更に含む、請求項16の方法。
【請求項18】
注入を継続する旨の指示を含む信号を連続的に提供することを更に含む方法であって、該信号がリモートコントローラーからポンプに送信される、請求項16記載の方法。
【請求項19】
ポンプの状態を含む情報をリモートコントローラーに提供することを更に含む、請求項16記載の方法。
【請求項20】
前記薬物がインシュリンを含む、請求項16記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−307359(P2007−307359A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−91074(P2007−91074)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(596159500)ライフスキャン・インコーポレイテッド (100)
【氏名又は名称原語表記】Lifescan,Inc.
【住所又は居所原語表記】1000 Gibraltar Drive,Milpitas,California 95035,United States of America
【Fターム(参考)】