説明

薬物送達

本発明は薬物送達に関する。特に、本発明は、可溶化と吸収を促進させる性質とを併せもつ新規な両親媒性ポリマーを用いる、経口難溶性薬物送達に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物送達に関する。特に、本発明は、可溶化と吸収を促進させる性質とを併せもつ新規な両親媒性ポリマーを用いる、経口難溶性薬物送達に関する。
【背景技術】
【0002】
難溶性薬物の経口送達は通常、マイクロエマルジョンのような油性製剤(Dunn, C.J., Wagstaff, A.J., Perry, C.M., Plosker, G.L., Goa, K.L.,2001, Cyclosporin - An Updated Review of the Pharmacokinetic Properties, Clinical Efficancy and Tolerability of a Microemulsion-Based Formulation Neoral R(1) in Organ Transplantation, Drugs 61.: 1957 - 2016;および、Porter, C.J.H., Charman, W.N., 2001, In vitro Assessment of Oral Lipid Based Formulations, Advanced Drug Delivery Reviews 50: S127-S147)あるいは、低分子量界面活性剤(BalandraudPieri, N., Queneau P.E., Caroli Bosc, F.X., BertaultPeres, P., Montet, A.M., Durand, A., Montet, J.C. 1997, Effects of Tauroursodeoxycholate Solutions on Cyclosporin and Bioavailability in Rats, Drug Metabolism and Disposition 25: 912-916; Guo, J.X., Ping, Q.N., Chen, Y. 2001, Pharmacokinetic Behaviour of Cyclosporin A in Rabbits by Oral Administration of Lecithin Vesicle and Sandimmun Neoral, International Journal of Pharmaceutics 216: 17-21)を用いて実施されている。難溶性薬物とは英国薬局方で「実質的に溶けない」として認定されているものである(Medicines Commission(医薬品委員会), British Pharmacopoeia(英国薬局方), The Stationary Office, London, 1998)。これらの薬物の水溶性は、約15℃〜20℃の温度で、1ミリリットルの溶剤(例えば水)に0.1mg未満である。
【0003】
シクロスポリンのような難溶性薬物の経口吸収を増やすための今までの試みは、オイルおよび/または界面活性剤(Dunn, C.J., Wagstaff, A.J., Perry, C.M., Plosker, G.L., Goa, K.L.,2001, Cyclosporin - An Updated Review of the Pharmacokinetic Properties Clinical Efficacy and Tolerability of a Microemulsion-Based Formulation Neoral R(1) in Organ Transplantation, Drugs 61: 957 - 2016; Porter, C.J.H., Charman, S.A., Williams, R.D., Bakalova, M.B., Charman, W.N., 1996, Evaluation of Emulsifiable Glasses for the Oral Administration of the Cyclosporin in Beagle Dogs, International Journal of Pharmaceutics 141: 227-237)、胆汁塩(BaladraudPieri, N., Queneau, P.E., CaroliBosc F.X., BertaultPeres, P., Montet, A.M., Durand, A., Montet, J.C., 1997, Effects of Tauroursodeoxycholate Solutions on Cyclosporin and Bioavailablity in Rats, Drug Metabolism and Disposition 25:912-916)、リン脂質系システム(Guo, J.X., Ping, Q.N.,. Chen, Y., 2001, Pharmacokinetic Behaviour of Cyclosporin A In Rabbits by Oral Administration of Lecithin Vesicle and Sandimmun Neoral, International Journal of Pharmaceutics 21: 17 - 21; Leigh, M., Hoogevest, P.V., Tiemiessem, H., 2001 Optimising the Oral Bioavailability of the Poorly Water Soluble Drug Cyclosporin A Using Membrane Lipid Technology, Drug Delivery and Sciences 1: 73-77)、あるいはシクロデキストリン(Miyake, K., Arima, H., Irie, T., Hirayma, F., Uekama, K., 1999, Enhanced Absorption of Cyclosporin A by Complexation with Dimethyl-Beta-Cyclodextrin in Bile duct-Cannulated and Non-Cannulated Rats, Biological and Pharmaceutical Bulletin 22: 66-72)の使用を伴っていた。in-situ重合中に生成するナノカプセルもまたシクロスポリンのデリバリーのために提案されたが、この方法では、薬物のデリバリーが困難である(Bonduelle, S., Carrier, M., Pimienta, C., Benoit, J.P., Lenaerts, B., 1996, Tissue Concentration of Nanoencapsulted Radiolabelled Cyclosporin Following Peroral Delivery in Mice or Opthalmic Application in Rabbits, European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics, 42: 31 - 319)。
【0004】
シクロスポリンは、移植および自己免疫疾患の患者の処置に使用される親油性免疫抑制剤である。シクロスポリンは様々な溶剤に難溶性であり、現在はマイクロ-エマルジョン製剤として投与されている。
【非特許文献1】Dunn, C.J., Wagstaff, A.J., Perry, C.M., Plosker, G.L., Goa, K.L.,2001, Cyclosporin - An Updated Review of the Pharmacokinetic Properties, Clinical Efficancy and Tolerability of a Microemulsion-Based Formulation Neoral R(1) in Organ Transplantation, Drugs 61.: 1957 - 2016
【非特許文献2】Porter, C.J.H., Charman, W.N., 2001, In vitro Assessment of Oral Lipid Based Formulations, Advanced Drug Delivery Reviews 50 : S127-S147
【非特許文献3】BalandraudPieri, N., Queneau P.E., Caroli Bosc, F.X., BertaultPeres, P., Montet, A.M., Durand, A., Montet, J.C. 1997, Effects of Tauroursodeoxycholate Solutions on Cyclosporin and Bioavailability in Rats, Drug Metabolism and Disposition 25: 912-916
【非特許文献4】Guo, J.X., Ping, Q.N., Chen, Y. 2001, Pharmacokinetic Behaviour of Cyclosporin A in Rabbits by Oral Administration of Lecithin Vesicle and Sandimmun Neoral, International Journal of Pharmaceutics 216: 17-21
【非特許文献5】Medicines Commission(医薬品委員会), British Pharmacopoeia(英国薬局方), The Stationary Office, London, 1998
【非特許文献6】Porter, C.J.H., Charman, S.A., Williams, R.D., Bakalova, M.B., Charman, W.N., 1996, Evaluation of Emulsifiable Glasses for the Oral Administration of the Cyclosporin in Beagle Dogs, International Journal of Pharmaceutics 141: 227-237
【非特許文献7】Leigh, M., Hoogevest, P.V., Tiemiessem, H., 2001 Optimising the Oral Bioavailability of the Poorly Water Soluble Drug Cyclosporin A Using Membrane Lipid Technology, Drug Delivery and Sciences 1: 73-77
【非特許文献8】Miyake, K., Arima, H., Irie, T., Hirayma, F., Uekama, K., 1999, Enhanced Absorption of Cyclosporin A by Complexation with Dimethyl-Beta-Cyclodextrin in Bile duct-Cannulated and Non-Cannulated Rats, Biological and Pharmaceutical Bulletin 22: 66-72
【非特許文献9】Bonduelle, S., Carrier, M., Pimienta, C., Benoit, J.P., Lenaerts, B., 1996, Tissue Concentration of Nanoencapsulted Radiolabelled Cyclosporin Following Peroral Delivery in mice or Opthalmic Application in Rabbits, European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics, 42: 31 - 319
【非特許文献10】Dick, C.R., Ham, G.E., J. Macromol. Sci. 1970, A4, 1301-1314; von Harpe, A., Petersen, H., Li, Y., Kissel, T., J. Control. Rel. 2000, 69, 309-332
【特許文献1】米国特許第4032480号
【非特許文献11】Noding, G., Heitz, W., 1998, Amphiphilic Polyethylenimines Based on Long-Chain Alkyl Bromide, Macromolecular Chemistry and Physics 199: 637 - 1644
【非特許文献12】Kalyanasundaram, K., Thomas, J.K., 1977, Environmental Effects on the Vibronic Band Intensities in Pyrene Monomer Fluorescence and the Application to Studies of Micellar Systems, Journal of the American Chemical Society 99: 2039 - 2044
【非特許文献13】Lieske, A., Jaeger, W., 1999, Block Copolymers Containing Polysoap Blocks, Tenside Surfactants Detergents 36: 155 - 161
【非特許文献14】Wang, W., Tetley, L., Uchegbu, I.F., 2001. The Level of Hydrophobic Substitution and the Molecular Weight of Amphiphilic Poly-L-Lysine-based Polymers Strongly Affects Their Assembly into Polymeric Bilayer Vesicles, Journal of Colloid and Interface Science 237: 200-207
【非特許文献15】Uchegbu, I.F., Schatzlein, A.G., Tetley, L., Gray, A.I., Sludden, J., Siddique, S., Mosha, E., 1998, Polymeric Chitosan - Based Vesicles for Drug Delivery, Journal of Pharmacy and Pharmacology 50: 453-458
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態の目的は、少なくとも1つあるいは複数の前記問題を解消する、あるいは軽減することである。
【0006】
本発明の実施形態のさらなる目的は、レシピエントへの難溶性薬物送達を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、次の式のポリエチレンイミンポリマーが提供される:
【0008】
【化1】

【0009】
式中、αは、0から90%の間であり;
βは、0から100%の間であり;
γは、0から50%の間であり;
α+β+γ=100%;
Z基は、疎水性であり、独立に水素あるいは、直鎖状もしくは分岐状で、置換もしくは無置換の、または環状の疎水性置換基であり;
Yは、親水性置換基を表し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
α、βおよびγと呼ばれるモノマー単位(unit)は、ポリエチレンイミンポリマーでは、如何なる配列であってもよいことが理解されるべきである。こうして、α、βおよびγの単位の配列は、ランダムであっても、あるいは、αβγαβγαβγなどのようなブロックコポリマー状であってもよい。このことは、上では、異なるモノマー単位の間の波線により確認される。
【0011】
ポリエチレンイミンポリマーは直鎖状または分岐状であり得る。
【0012】
α、β、γの比は個数の比である。
【0013】
通常、Z基は、次の疎水性置換基:アルキル、アルケニル、およびアルキニル、アリール、アシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアシル、ポリエチレングリコールまたは任意の糖:の何れかから独立に選択され得る。
【0014】
Z基は、独立に、直鎖状もしくは分岐状で、置換もしくは無置換の、または環状の:C1〜C20;C1〜C12;C1〜C6もしくはC1;のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアシル、ポリエチレングリコールまたは任意の糖基である。
【0015】
Z基は、C1〜C4の直鎖状アルキルであり得る。
【0016】
Yは、次のもの:-NH2;-NHA;-N+R1R2R3;および、-N+R1R2A;の何れかを表し得る。
【0017】
R1、R2、またはR3は、次の置換基:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアシル、ポリエチレングリコール、または任意の糖:の何れかから選択され得る。
【0018】
R1、R2およびR3は、独立に、直鎖状もしくは分岐状で、置換もしくは無置換の、または環状の:C1〜C20;C1〜C12;C1〜C6もしくはC1;のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアシル、ポリエチレングリコールまたは任意の糖基である。
【0019】
典型的には、R1、R2およびR3は、C1〜C4直鎖状アルキル基である。
【0020】
R1、R2およびR3の全てがCH3であってもよい。
【0021】
都合よく、1個の窒素原子には、R置換基が1個と最大で3個の間、存在し得る。これにより第1級、第2級および第3級アミンとなる。
【0022】
基Aは、C1〜C30;C8〜C24; またはC12〜C16;の直鎖状もしくは分岐状で、置換もしくは無置換の、または環状の基である。
【0023】
典型的には、基Aは直鎖状C12〜C16アルキル基であり得る。
【0024】
特に、Aは、CH3(CH2)15であり得る。
【0025】
第4級アンモニウムの窒素とアミノ基の窒素との比は、次のもの:0.01%〜100%;10%〜90%;30%〜70%;40%〜60%;50%〜90%または60%〜80%;の何れかから選択され得る。好ましい範囲は40%〜90%である。第4級アンモニウム基の比率が大きいと、ポリエチレンイミンポリマーと疎水性薬物の両方の可溶化が促進される。
【0026】
ポリエチレンイミンポリマーの製造に使用されるポリエチレンイミン親化合物は、約2〜50kD、あるいはより特定すれば、約10〜25kDの平均分子量をもち得る。
【0027】
ポリエチレンポリマーは、約10〜25kDの平均分子量をもち得る。
【0028】
ポリエチレンイミンポリマーは疎水性ドメインを生成し得る。疎水性ドメインは、疎水性化合物または水難溶性の化合物が水性分散相に存在し、こうしてその相に可溶化され得る場合に、その分子の自己集合部分である。疎水性修飾のレベルは、アミノ基の0.01〜50%、0.1〜20%、または1〜10%であり得る。疎水性修飾の好ましいレベルは、アミノ基の1〜10%である。
【0029】
式Iで定義される構造による可能なモノマーサブユニットの全てが図1に示されている:
式中 mは、0〜90%の間であり;
nは、0〜100%の間であり;
pは、0〜50%の間であり;
qは、0〜50%の間であり;
uは、0〜50%の間であり;
vは、0〜50%の間であり;
wは、0〜20%の間であり;
xは、0〜20%の間であり;
yは、0〜20%の間であり;
zは、0〜20%の間であり;
m+n+p+q+u+v+w+x+y+z=100%;
A、R1、R2、R3およびZは上で定義された通りである。
【0030】
モノマー単位、m、n、p、q、u、v、w、x、yおよびzは、任意の順序に配列され得ることが認識されるべきである。
【0031】
m、n、p、q、u、v、w、x、yおよびzの比は、個数の比である。
【0032】
通常、m=0%の場合、nは0%に等しくない。
【0033】
通常、n=0%の場合、mは0%に等しくない。
【0034】
通常、p=0%の場合、q+u+v+w+x+y+zは0%に等しくない。
【0035】
通常、q=0%の場合、p+u+v+w+x+y+zは0%に等しくない。
【0036】
通常、u=0%の場合、p+q+v+w+x+y+zは0%に等しくない。
【0037】
通常、v=0%の場合、p+q+u+w+x+y+zは0%に等しくない。
【0038】
通常、w=0%の場合、x+y+z+nは0%に等しくない。
【0039】
通常、x=0%の場合、w+y+z+nは0%に等しくない。
【0040】
通常、y=0%の場合、w+x+z+nは0%に等しくない。
【0041】
通常、z=0%の場合、w+x+y+nは0に等しくない。
【0042】
好都合には、m+nは50から10%の間にある。
【0043】
好都合には、p+q+u+vは20から50%の間にある。
【0044】
好都合には、w+x+y+zは0.01から10%の間にある。
【0045】
ポリエチレンイミンは、図1に示されるように、直鎖状(n=100)または分岐状であることが可能である。しかし、n=0%の場合には、mは0%より大きい値に等しくなければならない(このことにより、元々第2級アミンであったものが骨格で第4級化されていない分岐状材料が可能となるので)。
【0046】
p、q、u、v、w、x、yまたはzが0%に等しいことは可能である。しかし、p、q、u、v、w、x、yおよびzの合計は、0%より大きい値に等しいであろう(このことにより、分岐状化合物を含めることができるので)。
【0047】
別法として、w、x、yまたはzは0%であり得る。しかし、w、x、yまたはzの合計は0%に等しくないであろう。このことにより、疎水性置換された分岐状化合物が可能となる。
【0048】
典型的には、m+n=60%、w+x+y+z=6%、また、p+q+u+v=34%である。これらの範囲を用いると、本出願の実施例の部分に見出される第4級アンモニウムセチルポリエチレンイミンが定まる。
【0049】
本発明の第2の態様によれば、エチレンイミンの重合により生成するポリエチレンイミン化合物を、ポリエチレンイミン化合物に有機側鎖を生成するように第1の有機ハロゲン化物と、次に、ポリエチレンイミン化合物のアミノ基と反応するように第2の有機ハロゲン化物と、反応させることによる、第1の態様によるポリエチレンイミンポリマーの製造方法が提供される。
【0050】
使用されるポリエチレンイミンは分岐状または直鎖状であり得る。
【0051】
分岐状ポリエチレンイミンは、例えば、アジリジン(エチレンイミン)の酸触媒重合により調製され得る(Dick, C.R., Ham, G.E., J. Macromol. Sci. 1970, A4, 1301-1314; von Harpe, A., Petersen, H., Li, Y., Kissel, T., J. Control. Rel. 2000, 69, 309-332)。直鎖状ポリマーは、ポリエチレンイミンの重合条件を制御することにより調製され得る(Zhuk, D.S., Gembitsky, P.A., Alexandrovich, A.I., 米国特許第4032480号)。
【0052】
前記の第1有機ハロゲン化物は、直鎖状もしくは分岐状で、置換もしくは無置換の、または環状の、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはアシルハロゲン化物、あるいは任意の親水性ハロゲン化物の何れかであり得る。ハロゲン化物は、フッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物の何れかであり得る。
【0053】
第1有機ハロゲン化物の有機基は、C1〜C30;C8〜C24;は、C12〜C16;の直鎖状もしくは分岐状で、置換もしくは無置換の、または環状の基の何れかから選択され得る。
【0054】
典型的には、第1有機ハロゲン化物は直鎖状C12〜C16アルキルハロゲン化物である。
【0055】
特に、第1有機ハロゲン化物は、臭化セチル(例えば、CH3(CH2)15Br)であり得る。
【0056】
前記の第2有機ハロゲン化物は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはアシルハロゲン化物、あるいは任意の親水性ハロゲン化物であり得る。ハロゲン化物は、フッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物の何れかであり得る。
【0057】
第2の有機ハロゲン化物の有機基は、C1〜C20;C1〜C6;は、C1;の直鎖状もしくは分岐状で、置換もしくは無置換の、または環状の基の何れかから選択され得る。
【0058】
典型的には、第2有機ハロゲン化物は、直鎖状C1〜C6アルキルハロゲン化物である。特に、第2有機ハロゲン化物はヨウ化メチルであり得る。
【0059】
前記ポリエチレンイミン化合物と第1有機ハロゲン化物を、テトラヒドロフランのような有機溶剤中で混合し、次にそれを還流してもよい。還流は、例えば水酸化ナトリウムのアルコール溶液で実施され得る。次に、セチルポリエチレンイミンを単離し、次に、第2有機ハロゲン化物と反応させることができる。
【0060】
第2有機ハロゲン化物を、例えば金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム)、金属ハロゲン化物(例えば、ヨウ化ナトリウム)およびアルコール(例えば、メタノール)の存在下に添加することができる。
【0061】
次に、ポリエチレンイミンポリマーを、洗浄、透析およびイオン交換カラムを用いることにより得ることができる。
【0062】
さらなる第4級化を、第2の有機ハロゲン化物をさらに添加することにより行うことができる。
【0063】
生成したポリエチレンイミンポリマーは、図1に示されるものであり得る。
【0064】
末端の窒素が保護された置換直鎖状ポリエチレンイミンを調製し、次いで、末端アミンの保護を外し、次に、この置換直鎖状ポリエチレンイミンを分岐状分子に結合させ、第4級アンモニウム化ステップを含む全ての結合ステップを続いて行うことも可能である。
【0065】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様によるポリエチレンイミンポリマーと薬学的に許容される担体を含む組成物が提供される。
【0066】
前記の薬学的に許容される担体は、当業者にはよく知られており、それらには、以下に限定はされないが、0.1M、好ましくは0.05Mのリン酸バッファ、あるいは、0.9%w/vの生理食塩水が含まれる。さらに、このような薬学的に許容される担体は、水性または非水溶液、懸濁液、およびエマルジョンであり得る。非水溶剤の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物オイル、ならびに、オレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルである。水性担体には、水、アルコール/水の溶液、エマルジョンまたは懸濁液が含まれ、生理食塩水およびバッファ媒体が含まれる。非経口の賦形剤(vehicle)には、塩化ナトリウム溶液、リンゲル液デキストローズ、デキルトローズと塩化ナトリウム、乳酸リンゲル液または固定油が含まれる。防腐剤と他の添加剤、例えば、抗菌剤、酸化防止剤、キレート剤、不活性ガスなどもまた存在し得る。
【0067】
典型的には、ポリエチレンイミンポリマーと薬学的に許容される担体との比は、次のもの:0.0001〜100w.v.;0.005〜50w.v.;0.001〜30w.v.;0.001〜10w.v.;は0.01〜1w.v;の何れかの範囲である。
【0068】
本発明の第4の態様によれば、第1の態様によるポリエチレンイミンポリマーと薬物を含む医薬組成物が提供される。
【0069】
前記薬物は、水のような水性溶剤に難溶性であり得る。薬物は患者に、溶液または粒子状製剤として投与され得る。
【0070】
薬物は、次のもの:シクロスポリン;プレドニゾロン、エストラジオール、テストステロンのようなステロイド;極性基のない多環状環構造をもつ薬物、例えばパクリタキセル;およびエトポシドのような薬物;の何れかから選択され得る。
【0071】
典型的には、ポリエチレンイミンポリマーと前記薬物との比は、次のもの:0.001〜100%;0.1〜100%;1〜100%;10〜90%;30〜70%;の何れかから選択され得る。
【0072】
医薬組成物はまた薬学的に許容される担体も含み得る。
【0073】
典型的には、ポリエチレンイミンポリマーと、薬物と、薬学的に許容される担体との比は、5〜20mg:0.5〜5mg:0.5〜5mL、あるいは、5〜20mg:0.5〜5mg:0.5〜5gの範囲であり得る。特に、ポリエチレンイミンポリマーと、薬物と、薬学的に許容される担体との比は、約10mg:2mg:1mL、または、約10mg:2mg:2gであり得る。
【0074】
医薬組成物は、錠剤、坐薬、液体カプセル、粉末状、または肺への送達に適する形態の何れかの形態であり得る。
【0075】
錠剤が経口投与に用いられる場合、常用される担体には、スクロース、ラクトース、マンニトール、マルチトール、デキストラン、トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウムのような典型的な滑沢剤、パラベンのような保存料、ソルビン、アスコルビン酸、α-トコフェロール、システインのような酸化防止剤、崩壊剤または結合剤が含まれる。カプセルとして経口投与される場合、有効な希釈剤にはラクトースと乾燥トウモロコシデンプンが含まれる。経口使用される液体には、シロップ、懸濁液、溶液およびエマルジョン(これらはこの分野で使用される通常の不活性希釈剤、例えば水を含み得る)が含まれる。さらに、甘味料または香料も含まれ得る。
【0076】
坐薬は、本発明の化合物と、ココアバターおよびポリエチレングリコールのように常温では固体であるが腸内温度で液体になり直腸で融解して活性成分を放出するもののような適当な非刺激性の賦形剤とを混合することにより、調製され得る。
【0077】
ポリマーの服用量を、年齢、体重、投与期間、投与方法、薬物の組合せ、患者が治療を受けている病状の水準、ならびに他の要素で決めることができる。日々の服用量は患者の病状や体重、活性成分種、および投与経路に応じて変えることができるが、経口使用の場合、1日の服用量は、約0.1〜100mg/人/日、好ましくは、0.5〜30mg/人/日であり得る。
【0078】
本発明の第5の態様によれば、予め生成させたポリマーを用いる、経口送達に適する、難溶性薬物を溶解させる方法が提供される。
【0079】
本明細書では、予め生成させたポリマーとは、すでに存在していて、in-situ重合ステップの間に生成させる必要がないポリマーを意味する。
【0080】
予め生成させたポリマーは、第1の態様によるポリエチレンイミンポリマーであり得る。
【0081】
難溶性薬物は、次のもの:シクロスポリン;プレドニゾロン、エストラジオール、テストステロンのようなステロイド;極性基のない多環状環構造をもつ薬物、例えばパクリタキセル;エトポシドのような薬物;の何れかから選択され得る。
【0082】
R1、R2、R3およびR4が長鎖アルキル基または他の疎水性基であるという事実により、第1の態様によるポリエチレンイミンポリマーが水性媒体に難溶性薬物を溶解させることが可能になる。
【0083】
予め生成させたポリマーは、疎水性媒体に、極性(水溶性)物質を溶解させるのにもまた使用され得る。
【0084】
本発明の第6の態様によれば、組成物の製剤中の難溶性薬物を溶解させるのに、第5の態様により、予め生成させたポリマーを使用することが提供される。
【0085】
前記組成物は、薬物および/または薬学的に許容される担体を含む医薬組成物であり得る。
【0086】
これから本発明の実施形態が、単に例として、添付図を参照して説明される。
【実施例】
【0087】
(実施例1 - 第4級アンモニウムセチルポリエチレンイミン(QCPEI)の合成)
ポリエチレンイミンのアルキル化を以前報告された方法(Noding, G., Heitz, W., 1998, Amphiphilic Polyethylenimines Based on Long-Chain Alkyl Bromide, Macromolecular Chemistry and Physics 199: 637 - 1644)に従って実施した。簡単に言うと、ポリエチレンイミン(Mw=25kD、5g)を、臭化セチル(1.8g)およびテトラヒドロフラン(50ml)と48時間還流し、次に、水酸化ナトリウムのアルコール溶液(25mlのメタノール中、4.8g)を加えて、さらに24時間還流することにより、アルキル化した。濾過により臭化ナトリウムを除去し、溶剤を蒸発させ、徹底的に透析し、凍結乾燥することにより生成物を単離した。次に、0.6gのセチルポリエチレンイミンを、水酸化ナトリウム(0.23g)、ヨウ化ナトリウム(0.28g)およびメタノール(100ml)の存在下に36℃で3時間ヨウ化メチル(2.6ml)と反応させることにより第4級化した。エーテル(400ml)での再沈、エタノールでの洗浄、エタノール溶液の徹底的な透析、および、塩酸塩を単離するためのイオン交換カラムを通しての溶出により、生成物を単離した。
【0088】
第4級アンモニウムセチルポリエチレンイミン(QCPEI1)である、黄色の原綿のような固体を凍結乾燥により得た。
【0089】
第4級アンモニウムセチルポリエチレンイミン(QCPEI1)のさらなる第4級化により、2回4級化された化合物、すなわち、ジ-第4級アンモニウムセチルポリエチレンイミン(QCPEI2)を生成させた。
【0090】
第4級アンモニウムセチルポリエチレンイミンの特性評価
1H NMRと1H相関分光法、ならびに11C NMRの実験(Bruker、AMX 400MHz分光計、BrukerInstruments、英国)を、重水素化メタノール中の第4級セチルポリエチレンイミンポリマーについて実施した。元素分析を、Perkin Elmer 2400分析装置を用いて生成物について実施した。
【0091】
ポリマーの凝集
疎水性ドメインにピレンプローブを用いて、ポリマーの水溶液の凝集を調べた(Kalyanasundaram, K., Thomas, J.K., 1977, Environmental Effects on the Vibronic Band Intensities in Pyrene Monomer Fluorescence and the Application to Studies of Micellar Systems, Journal of the American Chemical Society 99: 2039 - 2044、を参照)。蛍光スキャン(励起=340nm)を、ピレン(2μM)水溶液に溶かした様々な濃度のポリマーについて実施した。第3と第1ピークの強度比(I3/I1)を用いて、ポリマーの会合の間接的なプローブである、ピレンの周囲の疎水性を評価した。
【0092】
ポリマーの凝集を、0.02Mのホウ酸バッファ中、25μMのメチルオレンジのUV吸収スペクトルにおける、疎水性雰囲気内に取り囲まれた時の、浅色シフトを記録することによっても評価した(Lieske, A., Jaeger, W., 1999, Block Copolymers Containing Polysoap Blocks, Tenside Surfactants Detergents 36: 155 - 161)。UV吸収スキャン(300〜600nm)を、メチルオレンジ-ホウ酸溶液に溶けた様々な濃度のポリマーについて実施し、最大吸収波長に注目した。
【0093】
【表1】

【0094】
セチルポリエチレンイミンの合成がプロトンNMRにより確認され、次の様に帰属された:
δ = 0.87 = CH3 (セチル)、δ1.25 = CH2 (セチル)、δ1.45 = CH2 - N (セチル)、δ2.7 〜 2.8 = CH2 - N (セチルおよびポリエチレンイミン)。セチルポリエチレンイミンを第4級化して第4級セチルポリエチレンイミンを生成したことは、13C NMR: δ14.6 = CH3 (セチル)、δ23.9 = CH2 (セチル)、δ52.5および54.8 = CH3 (CH3N+)、δ58.8および63.5 = CH2NおよびCH2N+ (ポリエチレンイミン)により、また、1H NMR :δ0.90 = CH3 (セチル)、δ1.3 = CH2 (セチル)、δ1.47 = CH 2 (セチル)、δ1.85 = CH2 - N (セチル)、δ2.5〜4.7 = CH2N、CH2N+およびCH3N+、により確認された。
【0095】
セチルポリエチレンイミン、第4級ポリエチレンイミン(QCPEI1)およびジ-第4級セチルポリエチレンイミン(QCPEI1)の収率は、それぞれ、67%、85%および46%であった。
【0096】
セチル化度は、元素分析データを用いて、全アミン基の5.2%であることが見出された。アミンの第4級アンモニウム基への転化率は、第4級セチルポリエチレンイミンでは64%、ジ-第4級セチルポリエチレンイミンでは81%であった。
【0097】
何れの第4級アンモニウムポリマーも水溶液中で凝集して疎水性ドメインを生成する(表1参照)。このことは、I3/I1の値の増加により、また、メチルオレンジのピークの低波長へのシフトにより示されている。これらの疎水性ドメインは、シクロスポリンのような水難溶性(疎水性)薬物を可溶化するのに役立つ。すなわち、第4級化の程度の低いもの-QCPEI1の場合、新たに調製された時(表1)、疎水性ドメイン内にシクロスポリンを効果的に包み込み、シクロスポリンと透明なミセル状液体を形成する。
【0098】
(実施例2 - 第4級セチルポリエチレンイミン-シクロスポリンの製剤)
第4級セチルポリエチレンイミンポリマーを、氷の上でプローブで超音波処理(Soniprep Instruments、英国)することにより溶かし、次に、シクロスポリンを添加し、それをプローブで超音波処理することによりポリマー溶液に組み入れた。製剤を13日間保管し粒子の形成を観察した。粒子形成について、光子相関分光法により大きさの評価を行い、ネガティブ染色法による透過電子顕微鏡(TEM)でも(Wang, W., Tetley, L., Uchegbu, I.F., 2001. The Level of Hydrophobic Substitution and the Molecular Weight of Amphiphilic Poly-L-Lysine-based Polymers Strongly Affects Their Assembly into Polymeric Bilayer Vesicles, Journal of Colloid and Interface Science 237: 200-207、を参照)、凍結割断法電子顕微鏡(Uchegbu, I.F., Schatzlein, A.G., Tetley, L., Gray, A.I., Sludden, J., Siddique, S., Mosha, E., 1998, Polymeric Chitosan - Based Vesicles for Drug Delivery, Journal of Pharmacy and Pharmacology 50: 453-458、を参照)でも画像化した。透明なミセル製剤を、0.45μmのフィルタで濾過し、濾過後の製剤をHPLCにより、Waters Spherisorb ODS逆相カラム(25cm x 4.6mm)を用い、水、アセトニトリル、tert-ブチルメチルエーテル、オルトリン酸(350:600:50:1)で溶出させて分析した。検出はUV(λ=210nm)によった。
【0099】
【表2】

【0100】
表1に示されるように、何れの第4級アンモニウムポリマー(すなわち、QCPEI1およびQCPEI2)も水溶液では凝集して疎水性ドメインを生成する。これらの疎水性ドメインはシクロスポリンを可溶化するのに役立つ。第4級化の程度の低いものの場合-QCPEI1は、新たに調製された時、疎水性ドメイン内にシクロスポリンを効果的に包み込み、シクロスポリンと透明なミセル状液体を形成する。しかし、表2に示されるように、ポリマーは、下限臨界溶液温度を示し、温度が上昇すると水和の程度が小さくなり、結果的にポリマーミセルの凝集が起こって、ナノ粒子を生成する。さらに、表2により、QCPEI1を冷蔵温度に保つとミセル製剤が保存されたことが示される。90日間保管した後の光学的に透明な試料の分析により、シクロスポリンの析出は全くないことが示され、ミセル製剤は保存されている。
【0101】
QCPEI1と対照的に、2回第4級化された化合物であるQCPEI2は、QCPEI1より水溶性が劣り、最初にシクロスポリンと安定なナノ粒子を形成した。図2は、2回第4級化された化合物(QCPEI2)は、シクロスポリンとミセルを形成しないことを示している。画像は多数のミセルの1つの凝集体を示しているかもしれないが、大きさを示す線分は、形成された凝集体はミセルであるには大きすぎることを示している。製剤は光学的に透明ではないので、これらは、厳密に解釈すれば、やはりナノ粒子であろう。
【0102】
前記ポリマーは、内部にシクロスポリンが可溶化されたミセルを形成するが、このポリマーは、下限臨界溶液温度を示し、温度が上昇すると水和の程度が小さくなり、結果的にポリマーミセルの凝集が起こって、高い温度に置かれた(すなわち、冷蔵庫から取り出された、表2)後にナノ粒子を生成する。しかし、QCPEI1を冷蔵温度に保管することにより、ミセル製剤は保存され(表2)、ミセルのナノ粒子への転換は起こらなかった。QCPEI1とは対照的に、2回4級化された化合物であるQCPEI2は、QCPEI1より水溶性が劣り、シクロスポリンと最初に安定なナノ粒子を形成し(図2、表2)、シクロスポリンとミセルを形成しない。
【0103】
(実施例3 - 第4級セチルポリエチレンイミン-シクロスポリンの製剤の経口投与)
オスのウィスターラットの集団(n(すなわち、集団の大きさ)=4、重さ=200〜220g)に、服用の前に12時間、餌を与えないで、それから、光学的に透明な第4級セチルポリエチレンイミン(QCPEI1)-シクロスポリン(10:2)の製剤;粒子状の第4級セチルポリエチレンイミン(QCPEI2)-シクロスポリン(10:2)の製剤;ネオーラル(登録商標)または水;を胃内に投与した(10mg・kg-1)。ネオーラルは、Novartisにより製造販売される、シクロスポリンのマイクロエマルジョン製剤である。
【0104】
投与後1時間、4時間および24時間で、麻酔をかけられたこれらのラットの尾の静脈から血液を採取した。1000gで遠心することにより血漿を分離し、その試料の分析が実施できるまで-20℃で保管した。血漿試料中のシクロスポリンを、英国のDiasorinにより供給される、モノクローナル抗体ラジオイムノアッセイキット(Cyclo-Trac SP-Whole Body Radioimmunoassay Kit)を用いて測定した。
【0105】
【表3】

【0106】
QCPEI1経口製剤は、目立った副作用の発生は全く報告されず、ラットには十分な耐性があった。ネオーラル(登録商標)は、表3に示されるように、QCPEI1製剤より速く吸収されたが、オイルを含まないQCPEI1製剤の4時間時点での血漿中レベルは、ネオーラル(登録商標)を用いて得られたピークレベルと区別できなかった。このように、両親媒性ポリエチレンイミンポリマーは、シクロスポリンのような難溶性薬物の吸収を促進させる。
【0107】
理論に拘束されようとは思わないが、腸管内腔の37℃の環境内で、径の小さい粒子製剤は両方のポリマーで多く存在しており、これらのナノ粒子が、それらの疎水性の搭載有効成分(payload)を包み込んだままのカチオン性ミセル凝集体を徐々に失っていくということが起こっていると想定される。カチオンポリマーは、上皮膜および細胞膜を横切る輸送を容易にすることが知られているので、これらのミセル凝集体もまた、シクロスポリンの腸管吸収を容易にし得る。ナノ粒子の1個のミセル凝集体への解離により、オイル含有製剤と比べた場合に、吸収が遅れる。
【0108】
(実施例4 - シクロスポリンの経口送達 2)
この実施例では、シクロスポリンAの経口送達への、中および低分子量の第4級アンモニウムへキサデシルポリエチレンイミンの効果を調べる。
【0109】
材料
英国のPolysciencesよりポリエチレンイミン(Mw=10kD)の供給を受けた。ポリエチレンイミン(Mw=1.8kD)、臭化ヘキサデシル、ヨウ化メチルおよびヨウ化ナトリウムを全て、Sigma-Aldrich, Co.(英国)から入手した。ストラスクライド(Strathclyde)大学の純粋および応用化学科より、エタノール、ジエチルエーテルおよびテトラヒドロフランの供給を受けた。
【0110】
方法
2つの異なるレベルで第4級化アンモニウム修飾された中分子量第4級アンモニウムセチルPEI(Q110およびQ210)を、それぞれ実施例1でQCPEI1とQCPEI2について記載されたようにして、ポリエチレンイミン(PEI、Mw=10kD)と臭化セチルおよびヨウ化メチルとを反応させることにより合成した。高レベルで第4級化修飾された低分子量第4級アンモニウムセチルPEI(Q21.8)を、実施例1でQCPEI2について記載されたようにして、PEI(Mw=1.8kD)と臭化セチルおよびヨウ化メチルとを反応させることにより合成した。Q110、Q210およびQ21.8とシクロスポリン(2mg・mL-1)の製剤(それぞれ、10mg・mL-1の反応性両親媒性PEIを含む)を、実施例2に記載されるようにして調製した。
【0111】
オスのウィスターラット(平均体重=XXg[WPC PLEASE COMPLETE]、n=4)に、シクロスポリン(7.5mg・kg-1)のQCPEI1、Q110、Q210およびネオーラル製剤を経口投与した。次に、様々な時間間隔で血液試料を採取し、実施例3に記載されたラジオイムノアッセイの手順を用いて、採取血液中のシクロスポリンを分析した。別の実験で、オスのウィスターラット(平均体重=XXg[WPC PLEASE COMPLETE]、n=4)に、シクロスポリン(10mg・kg-1)のQ210、Q21.8、またはネオーラル製剤を経口投与した。さらなる1集団に、投与前に単に振っただけの、シクロスポリン(10mg・kg-1)の水分散体を投与した。これらの4集団の動物の血液試料を、様々な時間間隔で採取し、実施例3に記載されたラジオイムノアッセイの手順を用いて、血液中のシクロスポリンを分析した。
【0112】
結果
【0113】
【表4】

【0114】
【表5】

【0115】
結果に対するコメント
7.5mg・kg-1の服用レベルでは、Q210はネオーラルに相当する生物学的利用率をもっていたが、一方、Q110およびQCPEI1では、ネオーラルに比べた場合に、1時間後、シクロスポリンの経口経由での送達量は少なかったが、Q110でもQCPEI1でも、4時間および24時間の時点では、ネオーラルに相当するレベルのシクロスポリンの送達があった。
【0116】
10mg・kg-1の服用レベルでは、全ての製剤で、1時間の時点では、ネオーラルよりシクロスポリンの送達量は少なかったが、Q210では、シクロスポリンの水分散体に比べた場合、シクロスポリンの吸収が向上した。4時間の時点では、Q210もQ21.8も、ネオーラルと生物学的に等価であったが、実は、Q21.8で得られた大きな標準偏差のために、この製剤はシクロスポリンの水分散体と統計的には違いがなかった。24時間の時点では、全ての製剤で、シクロスポリンの水分散体と比べた場合に、シクロスポリンの吸収がより多かった。
【0117】
ポリエチレンイミン両親媒体はシクロスポリンの吸収を促進できることが明らかである。
【0118】
(実施例5:シクロスポリン溶液の安定性)
この実施例は、第4級アンモニウムポリエチレンイミン-シクロスポリンの製剤の安定性評価に関する。
【0119】
材料
英国のPolysciencesよりポリエチレンイミン(Mw=10kD)の供給を受けた。ポリエチレンイミン(Mw=25kD)、臭化ヘキサデシル、ヨウ化メチルおよびヨウ化ナトリウムを全て、Sigma-Aldrich, Co.(英国)から入手した。ストラスクライド大学の純粋および応用化学科より、エタノール、ジエチルエーテルおよびテトラヒドロフランの供給を受けた。
【0120】
方法
実施例1でQCPEI1について記載されたようにして、ポリエチレンイミン(PEI、Mw=10kD)と臭化セチルおよびヨウ化メチルとを反応させることにより、Q110を合成した。QCPEI1もまた、実施例1に記載されたようにして合成した。10mg・mL-1の両親媒性PEIを含むシクロスポリン(2mg・mL-1)のQ110とQCPEI1の製剤を、実施例2に記載されたようにして、調製した。
【0121】
次に、製剤を冷蔵温度(2〜8℃)で栓付きガラス容器に保管した。様々な時間間隔で、分取試料を採取し、0.45μmのフィルタを通して濾過し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析した。アセトニトリル、水(1:1)に溶かした濾過後シクロスポリン試料(20μL)を、Jones Chromatography Column Heater 7971型で80℃に保たれたWaters Spherisorb 5μm、4.6mm X 250mmカラム(Waters Instruments、英国)に、Waters 717オートサンプラとWaters 515アイソクラティックポンプにより、注入した。移動相は、アセトニトリル:水:tert-ブチル-メチル-エーテル:リン酸(600:350:50:1)であり、流量は1.2ml・min-1であった。ピークの検出を、波長が210nnに設定されたWaters 486可変波長UV検出器により行い、データをWaters 746データモジュールを用いて収集した。基準曲線を薬物の溶液(1〜10μg・mL-1)を用いて作成した。
【0122】
【表6】

【0123】
結果についてのコメント
9ヶ月に渡って、両親媒性PEI製剤Q110とQCPEI1から回収されたシクロスポリンのレベルは、元のレベルからそれ程違わず、これら製剤が9ヶ月間冷蔵温度に保管された場合に安定であることを示していた。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明により生成するポリエチレンイミンポリマーの表示である。
【図2】第4級アンモニウムセチルポリエチレンイミン(QCPEI2)とシクロスポリンのナノ粒子の透過電子顕微鏡(TEM)画像である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式のポリエチレンイミンポリマー:
【化1】

(式中、αは、0から90%の間であり;
βは、0から100%の間であり;
γは、0から50%の間であり;
α+β+γ=100%;
Z基は疎水性であり、独立に、水素あるいは、直鎖状もしくは分岐状で、置換もしくは無置換の、または環状の疎水性置換基であり;
Yは、親水性置換基を表し得る)。
【請求項2】
α、βおよびγと呼ばれる前記モノマー単位が、前記ポリエチレンイミンポリマーでは、どのような配列でもよい請求項1に記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項3】
前記α、βおよびγの単位の前記配列がランダムであるか、あるいは、αβγαβγαβγのようなブロックコポリマー状である請求項1に記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項4】
前記ポリエチレンイミンポリマーが直鎖状または分岐状である請求項1から3のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項5】
前記Z基が、独立に、次の疎水性基:アルキル、アルケニル、およびアルキニル、アリール、アシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアシル、ポリエチレングリコールまたは任意の糖:のいずれかから選択される請求項1から4のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項6】
前記Z基が、独立に、直鎖状もしくは分岐状で、置換もしくは無置換の、または環状の:C1〜C20;C1〜C12;C1〜C6もしくはC1;のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアシル、ポリエチレングリコールまたは任意の糖基である請求項1から5のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項7】
前記Z基が、C1〜C4直鎖状アルキル基である請求項1から4のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項8】
Yが次のもの:-NH2;-NHA;-N+R1R2R3;および、-N+R1R2A;のいずれかを表す請求項1から7のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項9】
R1、R2、またはR3が、次の置換基:アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアシル、ポリエチレングリコールまたは任意の糖:のいずれかから選択される請求項8に記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項10】
R1、R2およびR3が、独立に、直鎖状もしくは分岐状で、置換もしくは無置換の、または環状の:C1〜C20;C1〜C12;C1〜C6もしくはC1;のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アシル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアシル、ポリエチレングリコールまたは任意の糖基である請求項8に記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項11】
R1、R2およびR3が、C1〜C4直鎖状アルキル基である請求項8に記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項12】
R1、R2およびR3の全てがCH3である請求項8に記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項13】
どの1個の窒素原子にも、R置換基が1個と最大で3個の間、存在する請求項1から12のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項14】
前記の基Aが、C1〜C30;C8〜C24; またはC12〜C16;の直鎖状もしくは分岐状で、置換もしくは無置換の、または環状の基のいずれかから選択される請求項8から13のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項15】
前記の基Aが、直鎖状C12〜C16アルキル基である請求項8から13のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項16】
前記の基Aが、CH3(CH2)15である請求項8から13のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項17】
第4級アンモニウムの窒素とアミノ基の窒素との比が、次のもの:0.01%〜100%;10%〜90%;30%〜70%;40%〜60%;50%〜90%;60%〜80%または40%〜90%;のいずれかから選択される前記請求項のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項18】
前記ポリエチレンイミンポリマーの製造に使用されるポリエチレンイミン親化合物が、約2〜50kD、あるいは、約10〜25kDの平均分子量をもつ請求項1から17のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項19】
前記ポリエチレンイミンポリマーが約10〜25kDの平均分子量をもつ請求項1から18のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項20】
前記ポリエチレンイミンポリマーが疎水性ドメインを生成する請求項1から19のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項21】
疎水性修飾のレベルが、アミノ基の約0.01〜50%、約0.1〜20%、または約1〜10%である請求項20に記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項22】
式Iで定められる構造によるモノマーサブユニットが下に示される請求項1から21のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー:
【化2】

(式中、mは、0〜90%の間であり;
nは、0〜100%の間であり;
pは、0〜50%の間であり;
qは、0〜50%の間であり;
uは、0〜50%の間であり;
vは、0〜50%の間であり;
wは、0〜20%の間であり;
xは、0〜20%の間であり;
yは、0〜20%の間であり;
zは、0〜20%の間であり;
m+n+p+q+u+v+w+x+y+z=100%である)。
【請求項23】
モノマー単位、m、n、p、q、u、v、w、x、yおよびzが、任意の順序で配列されている請求項22に記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項24】
m=0%の場合、nは0%に等しくなく;
n=0%の場合、mは0%に等しくなく;
p=0%の場合、q+u+v+w+x+y+zは0%に等しくなく;
q=0%の場合、p+u+v+w+x+y+zは0%に等しくなく;
u=0%の場合、p+q+v+w+x+y+zは0%に等しくなく;
v=0%の場合、p+q+u+w+x+y+zは0%に等しくなく;
w=0%の場合、x+y+z+nは0%に等しくなく;
x=0%の場合、w+y+z+nは0%に等しくなく;
y=0%の場合、w+x+z+nは0%に等しくなく;
z=0%の場合、w+x+y+nは0に等しくない;
請求項1から23のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項25】
m+nが50から100%の間にある請求項22から24のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項26】
p+q+u+vが20と50%の間にある請求項22から25のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項27】
w+x+y+zが0.01と10%の間にある請求項22から26のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項28】
p、q、u、v、w、x、yまたはzが0%に等しい請求項22から27のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項29】
p、q、u、v、w、x、yおよびzの合計が0%を超える値に等しくて分岐状化合物となる請求項22から27のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項30】
w、x、yまたはzが0%に等しい請求項22から27のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項31】
m+n=60%、w+x+y+z=6%、さらに、p+q+u+v=34%、である請求項22に記載のポリエチレンイミンポリマー。
【請求項32】
エチレンイミンの重合により生成したポリエチレンイミン化合物を、前記ポリエチレンイミン化合物に有機側鎖を生成するように第1の有機ハロゲン化物と、次に、前記ポリエチレンイミン化合物のアミノ基と反応するように第2の有機ハロゲン化物と、反応させることによる、請求項1から31のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマーの製造方法。
【請求項33】
前記エチレンイミンが分岐状または直鎖状である請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第1有機ハロゲン化物が、直鎖状もしくは分岐状で、置換もしくは無置換の、または環状の、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはアシルハロゲン化物、あるいは任意の親水性ハロゲン化物である前記請求項32および33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記第1有機ハロゲン化物の前記有機基が、C1〜C30;C8〜C24;は、C12〜C16;の直鎖状もしくは分岐状で、置換もしくは無置換の、または環状の基のいずれかから選択される前記請求項32から34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記第1有機ハロゲン化物が、直鎖状C12〜C16アルキルハロゲン化物である請求項32から34のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
前記第1有機ハロゲン化物が臭化セチル(例えば、CH3(CH2)15Br)である請求項32および33のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
前記第2有機ハロゲン化物が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはアシルハロゲン化物、あるいは任意の親水性ハロゲン化物である請求項32から37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
前記第2有機ハロゲン化物の前記有機基が、C1〜C20;C1〜C6;は、C1;の直鎖状もしくは分岐状で、置換もしくは無置換の、または環状の基のいずれかから選択される前記請求項32から38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
前記第2有機ハロゲン化物が直鎖状C1〜C6アルキルハロゲン化物である前記請求項32から37のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
前記第2有機ハロゲン化物がヨウ化メチルである前記請求項32から37のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
前記ポリエチレンイミン化合物と前記第1有機ハリゲン化物を、テトラヒドロフランのような有機溶剤中で混合し、次に、水酸化ナトリウムのアルコール溶液で還流し、次に、セチルポリエチレンイミンを単離し、前記第2有機ハロゲン化物と反応させる請求項32から41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
前記第2有機ハロゲン化物が、金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム)、金属ハロゲン化物(例えば、ヨウ化ナトリウム)およびアルコール(例えば、メタノール)の存在下に添加される請求項32から42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
請求項1から31のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマーと薬学的に許容される担体を含む組成物。
【請求項45】
前記ポリエチレンイミンポリマーと薬学的に許容される担体との比が、次のもの:0.0001〜100w.v.;0.005〜50w.v.;0.001〜30w.v.;0.001〜10w.v.;は0.01〜1w.v.;のいずれかの範囲である請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
請求項1から31のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマーと薬物を含む医薬組成物。
【請求項47】
前記薬物が水のような水性溶剤に難溶である請求項46に記載の医薬組成物。
【請求項48】
前記薬物が、次のもの:シクロスポリン;プレドニゾロン、エストラジオール、テストステロンのようなステロイド;極性基のない多環状環構造をもつ薬物、例えばパクリタキセル;およびエトポシドのような薬物;のいずれかから選択され得る請求項46および47のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項49】
前記ポリエチレンイミンポリマーと前記薬物との比が、次のもの:0.001〜100%;0.1〜100%;1〜100%;10〜90%;30〜70%;のいずれかから選択される請求項45から48のいずれかに記載の薬物組成物。
【請求項50】
前記薬物組成物が薬学的に許容される担体もまた含む請求項46から49のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項51】
前記ポリエチレンイミンポリマーと、薬物と、薬学的に許容される担体との比が、約5〜20mg:0.5〜5mg:0.5〜5mL、または、5〜20mg:約5〜5mg:0.5〜5g;約10mg:2mg:1mL、または、約10mg:2mg:2gの範囲である請求項46から50のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項52】
前記医薬組成物が、次のもの:錠剤、坐薬、液体、カプセル、粉末状、または肺への送達に適する形態:のいずれかの形態である請求項50および51のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項53】
予め生成させたポリマーを用い、経口送達に適する、難溶性薬物の溶解方法。
【請求項54】
前記の予め生成させたポリマーが、請求項1から31のいずれかに記載のポリエチレンイミンポリマーである請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記難溶性薬物が、次のもの:シクロスポリン;プレドニゾロン、エストラジオール、テストステロンのようなステロイド;極性基のない多環状環構造をもつ薬物、例えばパクリタキセル;およびエトポシドのような薬物;のいずれかから選択される請求項53および54のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
組成物の製剤の難溶性薬物を溶解させるための、請求項1から31のいずれかに記載の予め生成させたポリマーの使用。
【請求項57】
前記組成物が、薬物、および/または、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物である請求項56に記載の使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2006−500437(P2006−500437A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−537295(P2004−537295)
【出願日】平成15年9月22日(2003.9.22)
【国際出願番号】PCT/GB2003/004036
【国際公開番号】WO2004/026941
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(505105327)ザ・ユニバーシティ・オブ・ストラスクライド (2)
【出願人】(503392976)ザ・ユニヴァーシティ・コート・オブ・ザ・ユニヴァーシティ・オブ・グラスゴー (7)
【Fターム(参考)】