説明

薬袋着用具

【課題】漢方薬草類の持つ薬効を充分に発揮させることができ、薬袋保持体を用いた薬袋の腹部等への着用を煩わしさ等を伴うことなく簡易に行うことができるとともに、着用感等を向上させることのできる薬袋着用具を提供する。
【解決手段】 薬効成分を気体として放出する漢方薬草類が収納される薬袋20Aと、この薬袋20を腹部(の臍5とその周辺部)にあてがった状態で保持するための薬袋保持体30と、を備える。薬袋保持体30は、腹部(胴部)に巻き付けることのできる帯状体(バンド)からなっている。薬袋保持体30の一端部近くの内周面側に、漢方薬草類が詰め込まれた薬袋20を収納するための、薬袋20Aより若干大きめの、上辺部が開口した矩形状の袋収納用内ポケット40が設けられている。薬袋保持体30の他端部の内周面側には、該薬袋保持体30を胴回りの長さに合わせて締め付け固定するための、面ファスナーからなる長さ調節用係着具35が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬効成分を気体として放出する漢方薬草類を収納した薬袋を身体の腹部等にあてがった状態で保持するための薬袋着用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、蒸臍法等として、薬効成分を気体として放出する漢方薬草類、例えば、樹木の樹皮、葉、根、花、キノコ類、昆虫類、動物の一部等のうちの一種類ないし複数種類を乾燥させてなる漢方薬もしくは生薬を、そのままか、細かく刻むか、小さく粉砕するか、又は加工して丸薬等にしたものを薬袋に入れ、この薬袋を腹部等にあてがって(肌に密着させて)、漢方薬草類の薬効成分を皮膚呼吸を通して体内に吸収(経皮的吸収)させて、腹部等の経路を通る「気」のはたらきを活発化し、もって、内臓疾患の治癒(例えば、癌等に対する免疫力のアップ)等を図ることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】実公平7−56021号公報(第1〜3頁、図1〜図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のように、漢方薬草類の持つ薬効を充分に発揮させるためには、薬袋を常時腹部等にあてがっておくことが要求され、そのため、薬袋を腹部等にあてがった状態で保持する薬袋保持体が必要とされる。この場合、薬袋保持体を用いた薬袋の腹部等への着用を煩わしさ等を伴うことなく簡易に行えるようにするため、さらに、着用感等を向上させるためには、薬袋や薬袋保持体の構成に格別の配慮、工夫が必要とされる。
【0005】
本発明は、前記の如くの課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、漢方薬草類の持つ薬効を充分に発揮させることができ、薬袋保持体を用いた薬袋の腹部等への着用を煩わしさ等を伴うことなく簡易に行うことができるとともに、着用感等を向上させることのできる薬袋着用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成すべく、本発明に係る薬袋着用具は、薬効成分を気体として放出する漢方薬草類が収納される薬袋と、該薬袋を腹部等にあてがった状態で保持するための薬袋保持体と、を備え、前記薬袋は、前記漢方薬草類が漏れ出ないように、通気性及び柔軟性を有する素材で、平たい封筒状に作製されていることを特徴としている。
【0007】
前記薬袋は、好ましくは、前記薬袋保持体に着脱可能に取着できるようにされる。
好ましい態様では、前記薬袋保持体に、前記薬袋としての、前記漢方薬草類が直接収納される薬収納用内ポケットが設けられる。
【0008】
前記薬袋保持体は、好ましくは、腹部等に巻き付けることのできる帯状体で構成される。この場合、好ましい態様では、前記帯状体からなる薬袋保持体の一端部及び又は他端部付近に、該薬袋保持体を胴回りの長さ等に合わせて締め付け固定するための、面ファスナー等からなる巻き付け長さ調節用係着具が設けられる。
【0009】
また、他の好ましい態様では、前記帯状体からなる薬袋保持体は、肌に直接触れる内周面部と該内周面部に面ファスナー等で脱着可能に接合される外周面部との二層構造とされ、前記内周面部は、棉製品等の自然素材で形成される。
【0010】
さらに別の好ましい態様では、前記薬袋保持体は、腹部等に外装保持される弾性的に伸縮可能な腹巻きないしサポータで構成される。
前記薬袋保持体は、さらに別の好ましい態様では、ランニングシャツ等の肌着類で構成される。
【0011】
他の好ましい態様では、前記薬袋及び又は前記薬袋保持体に、前記薬袋を前記薬袋保持体の長さ方向に沿う任意の部位に着脱可能に取着するための面ファスナー等の係着具が設けられる。
【0012】
この場合、好ましくは、前記薬袋に、前記薬袋保持体の内周面部側から外周面部側へ折り返されてその外周面部に着脱可能に取着される折り返し部が設けられ、さらに好ましくは、前記折り返し部に、前記面ファスナー等の係着具が設けられるか、あるいは、前記薬袋保持体の外周面部に、面ファスナー等の係着具が設けられる。
【0013】
また、上記とは別の好ましい態様では、前記薬袋に、前記薬袋保持体に外挿されてその長さ方向に沿ってスライドさせることのできる輪状ないし筒状の外挿体が設けられる。
【0014】
一方、他の別の好ましい態様では、前記薬袋保持体に、好ましくは、前記薬袋を収納するための袋収納用内ポケットが設けられ、この袋収納用内ポケットは、好ましくは、ガーゼ等の通気性及び柔軟性を有する素材で作製される。
【0015】
前記薬袋保持体は、好ましくは、腹部等に巻き付けることができる紐状ないしベルト状とされるとともに、その巻き掛け長さが調節可能とされる。
【0016】
他の好ましい態様では、前記薬袋保持体は、前記薬袋を首から吊り下げるための首掛け具で構成される。
この場合、前記首掛け具からなる薬袋保持体は、好ましくは、腹部等にも巻き付けることができるように、その巻き掛け長さが調節可能とされる。
さらに別の好ましい態様では、前記薬袋保持体に、複数個の前記薬袋が着脱可能に取着できるようにされる。
【0017】
前記漢方薬草類として、好ましくは、樹木の樹皮、葉、根、花、キノコ類、昆虫類、動物の一部等のうちの一種類ないし複数種類を乾燥させてなる漢方薬もしくは生薬を、そのままか、細かく刻むか、小さく粉砕するか、又は加工して丸薬等にしたものが用いられる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る薬袋着用具によれば、漢方薬草類の薬効成分を皮膚呼吸を通して体内に吸収(経皮的吸収)させて、内臓疾患の治癒(例えば、癌等に対する免疫力のアップ)等を図ることができることは勿論、薬袋保持体を用いた薬袋の腹部等への着用を煩わしさ等を伴うことなく簡易に行うことができるとともに、着用感等も向上させることができる。
【0019】
また、効能のある薬袋を身に付けているという安心感が得られることから、これにイメージトレーニング(例えば、薬効成分が自分の体にしみ込んでゆくようなイメージを想起する)を組み合わせることにより、癌等に対する免疫力が一段とアップする等の効果(暗示効果)も得られる。
【0020】
さらに、漢方薬草類の臭い、香りによる効果(アロマセラピー)や薬効成分の口、鼻からの呼吸吸収による効果等も得られる。
上記に加え、帯状(バンド状)の薬袋保持体は、一般の腹巻きと同等の保温効果等も得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る薬袋着用具の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る薬袋着用具の第1実施形態を示す概略構成図である。
図示実施形態の薬袋着用具10Aは、図3に示される如くに、腹部(胴部)に巻き付けて腹巻きのような形態で使用されるもので、薬効成分を気体として放出する漢方薬草類が収納される薬袋20Aと、この薬袋20Aを腹部(の臍5とその周辺部)にあてがった状態で保持するための薬袋保持体30と、を備える。
【0023】
前記漢方薬草類として、ここでは、樹木の樹皮、葉、根、花、キノコ類、昆虫類、動物の一部等のうちの一種類ないし複数種類を乾燥させてなる漢方薬もしくは生薬を、そのままか、細かく刻むか、小さく粉砕するか、又は加工して丸薬等にしたものが用いられている。
【0024】
前記薬袋20Aは、図2(A)に示される如くに、前記漢方薬草類が漏れ出ないように、通気性及び柔軟性を有する不織布、綿製品等の素材で、平たい封筒状に作製されている。この薬袋20Aには、上部に設けられた入れ口から漢方薬草類が厚みが略均一(平板状)となるように詰め込まれている。また、その上部には前記入れ口を塞ぐように折り返されるかもしくは裏返される蓋部20aが設けられている。
【0025】
前記薬袋保持体30は、腹部(胴部)に巻き付けることのできる帯状体(バンド)からなっている。この薬袋保持体30の内周面部30a(肌に接触する側)は、タオル地等の肌触りの良い綿製品等の自然素材で形成され、外周面部30bは、化学繊維で形成されている。
【0026】
かかる帯状体からなる薬袋保持体30の一端部近くの内周面側に、前記漢方薬草類が詰め込まれた薬袋20Aを収納するための、前記薬袋20Aより若干大きめの、上辺部が開口(開口部40a)した矩形状の袋収納用内ポケット40が設けられている。この袋収納用内ポケット40は、ガーゼのような通気性及び柔軟性を有する素材が用いられて作製されている。
【0027】
また、薬袋保持体30の他端部の内周面部30a側には、該薬袋保持体30を胴回りの長さに合わせて締め付け固定するための、化学繊維で形成された外周面部30bに着脱可能に係着せしめられる面ファスナーからなる巻き付け長さ調節用係着具35が設けられている。
【0028】
このような構成とされた薬袋着用具10Aを使用するにあたっては、薬袋20Aに所要の漢方薬草類を前記のように詰め込み、この薬袋20Aを袋収納用内ポケット40に収納し、この袋収納用内ポケット40(薬袋20A)を、図3に示される如くに、臍5とその周辺部に当接するようにあてがい(密着させ)、袋収納用内ポケット40が設けられている一端部を動かないように保持したまま、面ファスナーからなる長さ調節用係着具35が設けられている他端部を腹部締め付け方向に若干引っ張って、長さ調節用係着具35を一端部側に押しつける。これにより、薬袋保持体30が胴回りの長さに合わせて締め付け固定され、前記薬袋20Aが、臍5とその周辺部に押し当てられた状態で保持される。
【0029】
本実施形態の薬袋着用具10Aでは、漢方薬草類の薬効成分を皮膚呼吸を通して体内に吸収(経皮的吸収)させて、内臓疾患の治癒(例えば、癌等に対する免疫力のアップ)等を図ることができる。
【0030】
それに加えて、薬袋20Aが、漢方薬草類が漏れ出ないように、通気性及び柔軟性を有する素材で平たい封筒状に作製されて、この薬袋20Aに、漢方薬草類が厚みが略均一(平板状)となるように詰め込まれるので、使用している人にさほど違和感を感じさせず、薬袋20Aは袋収納用内ポケット40に自由に出し入れできるとともに、薬袋保持体30の締め付け固定は、面ファスナーからなる長さ調節用係着具35を用いて行うようにされているので、薬袋(漢方薬草類)の取り替えや薬袋保持体30を用いた薬袋20Aの腹部への着用を煩わしさ等を伴うことなく簡易に行うことができるとともに、着用感等も向上させることができる。
【0031】
また、効能のある薬袋20Aを身に付けているという安心感が得られることから、これにイメージトレーニング(例えば、薬効成分が自分の体にしみ込んでゆくようなイメージを想起する)を組み合わせることにより、癌等に対する免疫力が一段とアップする等の効果(暗示効果)も得られる。
【0032】
さらに、漢方薬草類の臭い、香りによる効果(アロマセラピー)や薬効成分の口、鼻からの呼吸吸収による効果等も得られる。
上記に加え、帯状(バンド状)の薬袋保持体30は、一般の腹巻きと同等の保温効果等も得られる。
【0033】
なお、図4に示される如くに、薬袋保持体30’を、肌に直接触れる内周面部30aと外周面部30bとの相互に分離可能な二層構造とし、内周面部30aに外周面部30bを面ファスナー36、36、…等で脱着可能に接合するようになすことにより、清潔に保っておきたい内周面部30aを外周面部30bから取り外して洗濯することができ、便利である。
【0034】
また、図2(B)に示される如くに、薬袋を小形にして複数個(20A’、20A’)用意して、それぞれに、例えば別種の漢方薬草類を詰め込み、これらを並列的に前記袋収納用内ポケット40に収納するようにしてもよい。
【0035】
図5は、本発明に係る薬袋着用具の第2実施形態を示す概略構成図である。
図示実施形態の薬袋着用具10Bは、前記実施形態と同様に、薬袋保持体30を有し、腹巻きのような形態で使用されるものであるが、薬袋保持体30には袋収納用内ポケット40が設けられておらず、薬袋20Bを薬袋保持体30の長さ方向に沿う任意の部位(例えば、腰部の背中側)に着脱可能に取着できるようになっている。
【0036】
すなわち、前記薬袋20Bには、図6(A)及び(B)を参照すればよくわかるように、薬袋保持体30の内周面部30a側から外周面部30b側へ折り返される、薬袋本体部分から上下に突出する折り返し部22、22が設けられており、この折り返し部22、22の裏面側に、薬袋保持体30の外周面部30bに着脱可能に係着される面ファスナー等の係着具23、23がそれぞれ設けられている。なお、前記折り返し部22,22は、薬袋本体部分と同じ素材で一体に形成してもよいし、別素材で作製して後で薬袋本体部分に縫い付けるか、貼り付ける等してもよい。
【0037】
本実施形態の薬袋着用具10Bを使用するにあたっては、薬袋20Bに所要の漢方薬草類を前記のように詰め込み、この薬袋20Bを薬袋保持体30の任意の部位(例えば、腰部の背中中央に相当する部位)の内周面部30a側にあてがって(図6(A)、(B)参照)、前記折り返し部22、22をそれぞれ外周面部30b側へ折り返して、前記係着具23、23を外周面部30bに押し付ける。これにより、薬袋20Bが薬袋保持体30の長さ方向に沿う任意の部位に着脱可能に係着されて保持される。そして、薬袋保持体30を腰部に巻き付けて薬袋20B、20Bを所望の部位に押し当て、薬袋保持体30の一端部を動かないように保持したまま、面ファスナーからなる長さ調節用係着具35が設けられている他端部を腹部締め付け方向に若干引っ張って、長さ調節用係着具35を一端部側に押しつける。これにより、薬袋保持体30が胴回りの長さに合わせて締め付け固定され、前記薬袋20D、20Dが、腰部の所望の部位(例えば、腰部の背中中央)に押し当てられた状態(不動状態)で保持され、前記実施形態と略同様な作用効果が得られる。
【0038】
このように本実施形態の薬袋着用具10Bでは、薬袋20Bを腰部の任意の部位にあてがうことができ、また、薬袋20Bを複数個を用意して、それらをそれぞれ任意の部位(例えば、腰部の前後左右)に配置できるので、効能範囲、治療効果等を拡大することができる。
【0039】
図7に示される第3実施形態の薬袋着用具10Cは、前記実施形態と同様に、薬袋保持体30には袋収納用内ポケット40が設けられておらず、複数個の薬袋20C、20Cを薬袋保持体30の長さ方向に沿う任意の部位(例えば、腰部の腹側及び背中側)に着脱可能に取着できるようになっている。
【0040】
すなわち、本実施形態の薬袋20Cは、薬袋保持体30の内周面部30a側から外周面部30b側へ折り返される、薬袋本体部分から上下に突出する折り返し部24、24(ただし、前記係着具23、23は無し)が設けられ、薬袋保持体30の外周面部30bの上下には、長さ方向に沿って所定間隔をあけて多数の面ファスナー等の係着具26、26、…が設けられている。なお、前記折り返し部24,24は、前記面ファスナー等の係着具26、26、…に係着される素材(例えば、化学繊維)が用いられる。
【0041】
本実施形態の薬袋着用具10Cを使用するにあたっては、例えば、複数個の薬袋20C、20Cに所要の漢方薬草類を前記のように詰め込み、この薬袋20Cを薬袋保持体30の任意の部位(例えば、腰部の左右に相当する部位)の内周面部30a側にあてがって、前記折り返し部24、24をそれぞれ外周面部30b側へ折り返して、外周面部30bに設けられている面ファスナー等の係着具26、26、…に押し付ける。これにより、薬袋20C、20Cが薬袋保持体30の長さ方向に沿う任意の部位に着脱可能に係着されて保持され、前記実施形態と略同様な作用効果が得られる。なお、本実施形態では、薬袋保持体30の外周面部30bの上下に、ワッペンのような矩形状の面ファスナーからなる係着具26、26、…が所定間隔をあけて設けられているが、これに代えて、テープ状の面ファスナーからなる係着具を用いてもよい。
【0042】
図8に示される第4実施形態の薬袋着用具10Dは、複数個の薬袋20D、20Dを薬袋保持体30の長さ方向に沿う任意の部位(例えば、腰部の腹側及び背中側)に着脱(挿脱)可能に取付保持できるようになっている。
【0043】
すなわち、本実施形態では、前記薬袋20Dに、前記薬袋保持体30に外挿されてその長さ方向に沿ってスライドさせることのできる筒状(薬袋本体部分と同幅)の外挿体25が設けられている。この外挿体25は、所定長の布状素材(例えば、化学繊維)の両端を接合して筒状となし、それを薬袋20D(の本体部分)に縫い付けるか、貼り付けたもの、あるいは、所定長の布状素材の両端をそれぞれ薬袋20D(の本体部分)の上辺部及び下辺部に縫い付けるか、貼り付けたもので、前記薬袋保持体30が緩く通されるバンド通しとして機能する。なお、外挿体25としては、もっと狭幅のテープ状のものや紐状のものを1本ないし複本使用してもよいことは勿論である。
【0044】
本実施形態の薬袋着用具10Cを使用するにあたっては、例えば、複数個の薬袋20D、20Dに所要の漢方薬草類を前記のように詰め込み、この薬袋20Dの外挿体25に薬袋保持体30をその一端側から通し、薬袋20D全体を薬袋保持体30の任意の部位(例えば、腰部の左右に相当する部位)までスライドさせる。そして、薬袋保持体30を腰部に巻き付けて薬袋20D、20Dを腰部の所望の部位に押し当て、薬袋保持体30の一端部を動かないように保持したまま、面ファスナーからなる長さ調節用係着具35が設けられている他端部を腰部締め付け方向に若干引っ張って、長さ調節用係着具35を一端部側に押しつける。これにより、薬袋保持体30が胴回りの長さに合わせて締め付け固定され、前記薬袋20D、20Dが、腰部の所望の部位(例えば、腰部の腹側及び背中側)に押し当てられた状態(不動状態)で保持され、前記実施形態と略同様な作用効果が得られる。
【0045】
図9は、第5実施形態の薬袋着用具50の使用状態を示す図である。
図示実施形態の薬袋着用具50は、(A)に示される如くの薬袋20Eを首から吊り下げる形態と、(B)に示される如くに、前記実施形態と同様に薬袋保持体60を胴部(腹部)に巻き付ける形態の両方で使用できるようにされており、前記実施形態と同様な構成の薬袋20Eと、この薬袋20Eを首から吊り下げるための、薬袋保持体60としての巻掛け紐と、を備え、前記巻掛け紐からなる薬袋保持体60は、腹部にも巻き付けることができるように、その巻き掛け長さを調節具70を用いて調節可能とされている。
【0046】
このような構成とされた薬袋着用具50を使用するにあたっては、薬袋20Eに所要の漢方薬草類を前記のように詰め込み、この薬袋20Eが臍5とその周辺部に当接するように、前記巻掛け紐60の巻掛け長さを調節具70を用いて調節する。その後、肌着等を付けることにより、薬袋20がふらつくことなくその位置で保持され、前記した実施形態と略同様な作用効果が得られる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において、種々の変更ができるものである。
【0048】
例えば、前記第1実施形態では、薬袋保持体30に薬袋20Aを収納するための袋収納用内ポケット40が設けられているが、それに代えて、前記薬袋保持体30に、前記薬袋としての、前記漢方薬草類が直接収納される薬収納用内ポケットを設けてもよい。言い換えれば、前記袋収納用内ポケット40に漢方薬草類を直接収納するようにしてもよい。
【0049】
前記薬袋保持体としては、前記した帯状体30、巻掛け紐60の他、腹部等に外装保持される弾性的に伸縮可能な腹巻きないしサポータ(リストバンド等)の形態をとるものでも、ランニングシャツ等の肌着類や植木職人等が身に付けるドボン等と呼ばれる仕事着等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る第1実施形態の薬袋着用具を示す概略構成図。
【図2】第1実施形態の薬袋着用具の薬袋と袋収納用内ポケットの説明に供される図。
【図3】第1実施形態の薬袋着用具の使用状態を示す図。
【図4】第1実施形態の薬袋着用具の変形例を示す図。
【図5】本発明に係る第2実施形態の薬袋着用具を示す概略構成図。
【図6】第2実施形態の薬袋着用具の薬袋の取り付け方の説明に供される図で、(A)は取り付け前の薬袋と薬袋保持体を示す拡大図、(B)は(A)の薬袋部分の断面図。
【図7】本発明に係る第3実施形態の薬袋着用具を水平に展開した状態を示す図。
【図8】本発明に係る第4実施形態の薬袋着用具を示し、(A)は水平に展開した状態を示す図、(B)は(A)の薬袋部分の断面図。
【図9】本発明に係る第5実施形態の薬袋着用具の使用状態を示す図。
【符号の説明】
【0051】
10A、10B、10C、10D、50 薬袋着用具
20A、20B、20C、20D、20E 薬袋
22、24 折り返し部
23、26 係着具(面ファスナー)
25 外挿体
30 薬袋保持体(帯状体)
30a 内周面部
30b 外周面部
35 長さ調節用係着具(面ファスナー)
40 袋収納用内ポケット
60 薬袋保持体(巻掛け紐)
70 調節具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬効成分を気体として放出する漢方薬草類が収納される薬袋と、該薬袋を腹部等にあてがった状態で保持するための薬袋保持体と、を備え、前記薬袋は、前記漢方薬草類が漏れ出ないように、通気性及び柔軟性を有する素材で、平たい封筒状に作製されていることを特徴とする薬袋着用具。
【請求項2】
前記薬袋は、前記薬袋保持体に着脱可能に取着できるようにされていることを特徴とする請求項1に記載の薬袋着用具。
【請求項3】
前記薬袋保持体に、前記薬袋としての、前記漢方薬草類が直接収納される薬収納用内ポケットが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の薬袋着用具。
【請求項4】
前記薬袋保持体は、腹部等に巻き付けることのできる帯状体からなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の薬袋着用具。
【請求項5】
前記帯状体からなる薬袋保持体の一端部及び又は他端部付近に、該薬袋保持体を胴回りの長さ等に合わせて締め付け固定するための、面ファスナー等からなる巻き付け長さ調節用係着具が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の薬袋着用具。
【請求項6】
前記帯状体からなる薬袋保持体は、肌に直接触れる内周面部と該内周面部に面ファスナー等で脱着可能に接合される外周面部との二層構造とされ、前記内周面部は、棉製品等の自然素材で形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の薬袋着用具。
【請求項7】
前記薬袋保持体は、腹部等に外装保持される弾性的に伸縮可能な腹巻きないしサポータからなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の薬袋着用具。
【請求項8】
前記薬袋及び又は前記薬袋保持体に、前記薬袋を前記薬袋保持体の長さ方向に沿う任意の部位に着脱可能に取着するための面ファスナー等の係着具が設けられていることを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の薬袋着用具。
【請求項9】
前記薬袋に、前記薬袋保持体の内周面部側から外周面部側へ折り返されてその外周面部に着脱可能に取着される折り返し部が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の薬袋着用具。
【請求項10】
前記折り返し部に、前記面ファスナー等の係着具が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の薬袋着用具。
【請求項11】
前記薬袋保持体の外周面部に、面ファスナー等の係着具が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の薬袋着用具。
【請求項12】
前記薬袋に、前記薬袋保持体に外挿されてその長さ方向に沿ってスライドさせることのできる輪状ないし筒状の外挿体が設けられていることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の薬袋着用具。
【請求項13】
前記薬袋保持体は、ランニングシャツ等の肌着類からなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の薬袋着用具。
【請求項14】
前記薬袋保持体に、前記薬袋を収納するための袋収納用内ポケットが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬袋着用具。
【請求項15】
前記袋収納用内ポケットは、ガーゼ等の通気性及び柔軟性を有する素材で作製されていることを特徴とする請求項14に記載の薬袋着用具。
【請求項16】
前記薬袋保持体は、腹部等に巻き付けることができる紐状ないしベルト状とされるとともに、その巻き掛け長さが調節可能とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬袋着用具。
【請求項17】
前記薬袋保持体は、前記薬袋を首から吊り下げるための首掛け具からなっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬袋着用具。
【請求項18】
前記首掛け具からなる薬袋保持体は、腹部等にも巻き付けることができるように、その巻き掛け長さが調節可能とされていることを特徴とする請求項17に記載の薬袋着用具。
【請求項19】
前記薬袋保持体に、複数個の前記薬袋が着脱可能に取着できるようにされていることを特徴とする請求項2から18のいずれかに記載の薬袋着用具。
【請求項20】
前記漢方薬草類として、樹木の樹皮、葉、根、花、キノコ類、昆虫類、動物の一部等のうちの一種類ないし複数種類を乾燥させてなる漢方薬もしくは生薬を、そのままか、細かく刻むか、小さく粉砕するか、又は加工して丸薬等にしたものが用いられていることを特徴とする請求項1から19のいずれかに記載の薬袋着用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−6393(P2006−6393A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183866(P2004−183866)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(504240670)
【Fターム(参考)】