説明

蛇腹式ガレージ

【課題】本発明は、構造が単純で、組立てが簡単であり、一度組み立ててしまえばガレージの覆いを自動車の前後方向に展開し又は畳むことができ、人や自動車の荷物だけを積降する場合ドア又はトランクのある場所のみを開閉できる蛇腹式ガレージを提供する。
【解決手段】駐車スペースを車が駐車できる高さで覆うようにトンネル状の両端部支柱と中間支柱群を立設し、該支柱群の外側を覆う被覆資材を備え、前記中間支柱群を車の前後方向に移動可能にし、かつ、被覆資材を該中間支柱群に連結して前記中間支柱群とともに車の前後方向に展開し又は畳めるように配設した蛇腹式ガレージにおいて、前記両端部支柱が固定されており、両端部の支柱それぞれ両足元と中央頂部を結んで張設し固定したワイヤ又は棒体を設け、前記各中間支柱の脚部及び中央頂部が、前記両足元及び前記中央頂部に設けたワイヤ又は棒体に遊嵌して摺動可能に構成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、青空駐車場や空き地を駐車場にしている場合において、一人で簡単に組み立てることができる簡易なガレージであって、自動車の前後方向に覆いを展開又は畳めるように構成し、荷物の積み下ろし作業を快適にする蛇腹式ガレージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現代社会は、車社会であり、自動車が、通勤、買い物、レジャー等に利用され必要不可欠なものとなっている。月極め駐車場を借り、自宅の空きスペースを駐車場にした場合には、屋根のない青空駐車場である場合が多く、屋根のない駐車場で自動車を保管すれば、風雨にさらされ、鳥の糞、樹液、黄砂、花粉等の有害物が自動車に付着して塗装の劣化を早めることになる。
【0003】
そこで、屋根付きで周囲が囲われた簡易な駐車場が研究開発されており、設置場所の制約が少なく、強風に強く、隙間なく周囲を囲うことができる有効な手段が先行技術として開示されている〔参考文献1〕。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−041234公報(〔0022〜0030〕、〔図1〕)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先行技術は、カバー40を、幌を展開するような複雑な構造を採り、全体の構造物を駐車時に浮き上がらないように自動車のタイヤで抑え込んで行うので手間がかかる。さらに、自動車の中に荷物だけを積み込みたい場合や中にある荷物を降ろしたい場合には、いちいち屋根をすべて畳む必要があり大変手間がかかるという不便な点があった。
【0006】
本発明は、これらの問題を解決したものであって、構造が単純で、組み立てが簡単であり、一度組み立ててしまえばガレージの覆いを自動車の前後方向に展開し又は畳めるので自動車の格納が容易であって、しかも、簡単にガレージの扉を開閉することができて、そのうえ、人の乗降や自動車の荷物だけを積降する場合にもドア又はトランクのある場所のみを開閉できる蛇腹式ガレージを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る蛇腹式ガレージは、駐車スペースを車が駐車できる高さで覆うようにトンネル状の両端部支柱と中間支柱群を立設し、該支柱群の外側を覆う被覆資材を備え、前記中間支柱群を車の前後方向に移動可能にし、かつ、被覆資材を該中間支柱群に連結して前記中間支柱群とともに車の前後方向に展開し又は畳めるように配設した蛇腹式ガレージにおいて、前記両端部支柱が固定されており、両端部の支柱それぞれ両足元と中央頂部を結んで張設し固定したワイヤ又は棒体を設け、前記各中間支柱の脚部が、前記両足元に設けたワイヤ又は棒体に遊嵌して摺動可能にすると共に、前記各中間支柱の中央頂部が、前記中央頂部に設けたワイヤ又は棒体に遊嵌して摺動可能に構成したことを特徴とする。
【0008】
この構成を採用することにより、固定式の従来のガレージに比べて簡易な構造であり、設備代が安く、しかも一人でも組み立てができる。また、車を所定の位置に駐車して、蛇腹式ガレージの支柱群を車の前後方向に移動して展開すれば、各支柱に対応する位置で被覆資材が連結されているので、被覆資材も展開されて屋根付きのガレージを形成することができる。一方、自動車に乗降する場合には、支柱群の間隔を無くすように詰めて移動すれば、それに連れて支柱群に連結された被覆資材を畳めるので、ガレージの屋根や壁を撤去したのと同じ状態となって、車のドアの開閉や人の乗降の妨げとならない効果を手軽な操作で行うことができる。
【0009】
また、車が屋根である被覆資材で覆われているので、雨、ほこり、鳥の糞、黄砂、鉄粉等によって、車が汚れたり、傷ついたりせず、塗装の劣化を防止することができる。
【0010】
請求項2に係る蛇腹式ガレージは、請求項1に記載の蛇腹式ガレージにおいて、前記蛇腹式ガレージの任意の相隣合う支柱間で被覆資材を分割した個所を少なくとも一つ以上設けると共に、該分割個所の該支柱同士を連結部材によって結合可能又は分離可能にしたことを特徴とする。
【0011】
この構成を採用することにより、ガレージの屋根や壁を形成する中間支柱群と被覆資材は、ガレージの端部や中央部あるいは少なくとも1か所以上で分割することができる。よって、大雨に車内の荷物を出し入れする場合には、ドアの位置近辺だけをガレージの壁と屋根である中間支柱と被覆資材を分割して畳んで開放することができるので、荷物の出し入れがし易く、また必要以上のところまで車が濡れて汚れることを避けることができる。また、車の乗降時にもドアの位置近辺だけ分割して中間支柱と被覆資材を畳んで開放することができるので、ガレージの幅、即ちトンネル状の支柱の幅は、車に多少の余裕を持たせるだけでよく、支柱の幅を小さくすることもできる。この場合には、支柱や被覆資材の重さを軽減することができるので、支柱や被覆資材を展開或いは畳む場合にガレージの使用人は軽快に開閉することができる。そのうえ、支柱や被覆資材が小さくなるので材料費を安くすることができる。
【0012】
請求項3に係る蛇腹式ガレージは、請求項1又は2において、前端部及び後端部の少なくとも1つの妻部に妻部用被覆資材を備えており、該妻部用被覆資材がその中央部で縦方向に分割又は結合可能にしたことを特徴とする。
【0013】
この構成を採用することにより、出入り口となるガレージの妻部は、被覆資材で被覆され、車の保管時に埃がつかず、車を汚さない。妻部の被覆資材は、中央部で縦に二分割していて、車の出入庫時には前端部の妻部を開けておくことで、出入庫の邪魔にならない。また、後端部の妻部の被覆資材も、二分割しておけば、トランクの荷物の出し入れが容易となる。
【0014】
請求項4に係る蛇腹式ガレージは、請求項1から3のいずれかにおいて、前記棒体が、複数の棒体片に分割されており、前記棒体片同士を着脱自在に嵌合又は螺合して連結可能にしたことを特徴とする。また、請求項5に係る蛇腹式ガレージは、前記中間支柱の両足元と中央頂部に前記ワイヤ又は棒体と遊嵌する環体又はC字状環体を設けていることを特徴とする。また、請求項6に係る蛇腹式ガレージは、請求項1から5のいずれかにおいて、前記被覆資材が、屈曲自在なシート状であり、かつ、遮光シート又は紫外線遮断シートであることを特徴とする。
【0015】
これらの構成を採用することにより、ガレージの支柱を展開し又は畳む場合に、各支柱の根元にある脚部は、ガレージの床面近くの側部に敷設された棒線や撚線などのワイヤ又は丸棒や角棒などの棒体がガレージの両端位置で固定され、中間位置では床面から浮かせるように設置されており、支柱の脚部、例えばリング状に成形された脚部がワイヤ又は棒に嵌められている。また、各支柱の中央頂部は、ガレージの中央の高所に張設された棒線や撚線などのワイヤ又は丸棒や角棒などの棒体が両端部で固定され、中間部を浮かせるように設置されており、支柱の中央頂部、例えばリング状に成形された環を有する中央頂部が前記ワイヤ又は棒に嵌められている。したがって、蛇腹式ガレージの組み立てが容易であり、支柱脚部を車の前後方向に移動できると共に、ガレージが風に煽られて飛ばないようにすることができる。また、支柱は、中央頂部と脚部の三点で支持されているので、背丈が高い支柱であっても、支柱を垂直に支持し易く倒れることが少なく、かつ、移動も容易である。また、支柱は、トンネル状に曲げられていると共に、前述したように支柱の脚部をワイヤ又は棒体に嵌めて立設する構造であるので、脚部の先端を環状又は一部が欠除したCリングとした形状にする必要があり、加工し易い金属製か、又は成型し易く、屈曲性のある合成樹脂製が好適である。また、棒体は、一つが0.3m〜2mぐらいに分割可能であり、分割された棒体の片端を凸部又はオスねじ、他端を凹部又はメスねじとして簡単に嵌合又は螺合して連結できる構造が、設営が簡単でかつ持ち運びが楽で良い。
【0016】
また、ガレージの屋根や壁を形成する被覆資材には、屈折自在な薄厚のシート状であって、蛇腹式ガレージの目的及び用途に応じて、遮光シート、紫外線遮断シート等を使い分ける。遮光シートを使用することで、夏場でも車内の温度が高温になることを防ぐことができ、また紫外線遮断シートを用いれば、車の塗装の劣化を抑えることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る請求項1から6に記載の蛇腹式ガレージによれば、従来の固定式ガレージに比べて簡易な構造であるから、設備費を安くすることができる。一人で簡単に組み立てることができる屋根付きガレージであるので、自分で組み立てられるので工事代もかからない。しかも、どこにでも設営出来て格納する車を汚さない。したがって、自宅の敷地内のちょっとしたスペースに屋根付きの駐車場にすることができる。
【0018】
また、屋根付きガレージを構成する支柱群と被覆資材を展開し或いは畳むことができ、さらに分割或いは結合でき、車のドアの開閉の邪魔なときに支柱群と被覆資材を簡単に除けることができるので、乗降時及び荷物の出し入れが大変便利である。そのうえ、ドアの開閉の余裕を考える必要がなくなりガレージを小さく作ることができるので、嵩張らず材料費も安くなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1ab】本発明の実施するための形態に係る蛇腹式ガレージであって、(a)は支柱と被覆資材を展開している場合の模式的全体斜視図、(b)は支柱と被覆資材を畳み込んだ場合の模式的全体斜視図、
【図1c】本発明の実施するための形態に係る蛇腹式ガレージであって、(c)は支柱脚と支柱中央頂部の摺動部の模式的斜視図である。
【図2】本発明の実施するための形態に係る蛇腹式ガレージであって、(a)は支柱と被覆資材を展開している場合の模式的全体斜視図、(b)は支柱と被覆資材を分割している場合の模式的全体斜視図である。
【図3】本発明の実施するための形態に係る蛇腹式ガレージであって、(a)は分割部の支柱と被覆資材を展開している場合の模式的側面図、(b)は分割部の支柱と被覆資材を分割している場合の模式的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係わる蛇腹式ガレージを実施するための形態について図1、2、3を用いて説明する。図1abは、本発明の実施するための形態に係る蛇腹式ガレージであって、(a)は支柱と被覆資材を展開している場合の模式的全体斜視図、(b)は支柱と被覆資材を畳み込んだ場合の模式的全体斜視図、図1cは、は支柱脚と支柱中央頂部の摺動部の模式的斜視図であり、図2の(a)は支柱と被覆資材を展開している場合の模式的全体斜視図、(b)は支柱と被覆資材を分割している場合の模式的全体斜視図であり、図3の(a)は分割部の支柱と被覆資材を展開している場合の模式的側面図、(b))は分割部の支柱と被覆資材を分割している場合の模式的側面図である。
【0021】
図1に示すように、蛇腹式ガレージ1は、駐車スペース11とそこに駐車してある車10とを覆うように各支柱2−1、2−2、2−3をトンネル状に立設し、該支柱2−2、2−3の外側を被覆資材4、4aにより覆われて構成される。そして、固定された両端部の支柱2−1を除き中間部の各支柱2−2、2−3を自動車の前後方向に移動可能にし、かつ、被覆資材4を該支柱2−2、2−3に連結して支柱2−2、2−3とともに展開し又は畳めるように配設している。分割場所では、任意の分割個所で分割部支柱2−3を配設しており、図1(b)で示すように、両端部では端部支柱2−1と、また、図2(b)で示すように、中間部では分割部支柱2−3同士が、支柱分割部連結部材5によって、結合及び分割が自在にできるようになっている。前述したのは一例であって、任意の箇所で、適宜、分割個所を選択できる。また、妻部には、中央部で二分割している妻部用の被覆資材4aを端部支柱2−1に連結している。これらの構成により蛇腹式ガレージ1は、固定式ガレージに比べて構造が簡易で設備が安いのである。図1(a)に、本発明に係る蛇腹式ガレージ1を駐車スペース11全体に展開した状態を示し、図1(b)には、蛇腹式ガレージ1を前端部で分割して駐車スペース11の後端に寄せて畳んだ状態を示している。
【0022】
各中間部支柱2−2及び分割部支柱2−3の脚部2−2−aは、図1(c)に示すように、駐車スペース11の両側端に敷設された脚部レール3aに摺動可能に嵌められる。また、同様にして各中間部支柱2−2及び分割部支柱2−3の中央頂部2−2−bは、頂部レール3bに、摺動可能に嵌められる。ここで、脚部レール3a及び頂部レール3bは、棒線や撚線などのワイヤ又は丸棒や角棒などの棒体で、作られている。本発明の蛇腹式ガレージは、両脚部2−2−aと頂部2−2−bの三点で各支柱2−2、2−3を支持するので、支柱2−2、2−3は安定して立設され、転倒のおそれがなくなる。この場合、脚部レール3a及び頂部レール3bは両端が端部支柱2−1の脚部2−1−aと頂部2−1−bで支持され固定されており、中間部を浮かせるように設置される。特に、脚部レール3及び頂部レール3bがワイヤの場合には、ワイヤに張力を掛けるように、緊張させる必要がある。なお、端部支柱2−1は、駐車スペース11が舗装或いはコンクリートの場合には、コンクリートブロック等の重量のある端部支柱固定部材6を使用して自立している。なお、強風時には端部支柱2−1が転倒しないように控えを取るのが良い。また、駐車スペース11が未舗装部であれば、端部支柱固定具(図示しない)を土中深く差し込み、それに端部支柱2−1を固結させて固定することもできる。支柱2−2、2−3の脚部2−2−a及び頂部2−2−bの構造は、脚部3a及び頂部3bがワイヤ又は棒に嵌められていて、自動車の前後方向に移動するため、及び、蛇腹式ガレージ1が風に煽られて飛ばないようにするために、環状又は一部が欠除したCリングとした形状にするのがよい。また、支柱2−1、2−2、2−3は、全体がΩ型のアーチ状に曲げられた形状であると共に、前述したようにその脚部3a及び頂部3bを環状又は一部が欠除したCリングとした形状に加工する必要があり、加工し易い金属製か、又は成型し易く、屈曲性のある合成樹脂製が良い。また、棒体は、一つが0.3m〜2mぐらいの単位で分割可能であり、分割された棒体の片端を凸部又はオスねじ、他端を凹部又はメスねじとして簡単に嵌合又は螺合して連結できる構造が、設営が簡単で持ち運びが楽で良い。
【0023】
被覆資材4は、屈折自在な薄厚のシート状であって、支柱2−2、2−3と一緒に移動できるようにするために、支柱を内骨として連結する必要があり、支柱2−2,2−3の複数箇所に、支柱2−2、2−3が挿通できるリング状の被覆資材支柱連結部4bを予め被覆資材4に形成して置くか、又は、支柱2−2、2−3の骨材に対して被覆資材4と同じ共布地で挟んで接着して被覆資材支柱連結部4bとすることで連結可能である。
【0024】
また、妻部には、被覆資材支柱連結部4bを用いて、端部支柱2−1に妻部用被覆資材4aを連結している。妻部用被覆資材4aは、中央部で縦に二分割しており、自動車10を蛇腹式ガレージ1に格納したときには、二分割された妻部用被覆資材4aをファスナーやマジックテープ(登録商標)等の留め具で連結して埃や泥が蛇腹式ガレージ1内に入って自動車10が汚れることを防ぐ。また、妻部用被覆資材4aは、中央部とその延長部である端部支柱2−1の頂部に沿って分割するのが、妻面を完全に開くことができるので自動車10の出し入れが容易となり好ましい。
【0025】
また、蛇腹式ガレージ1の屋根や壁を形成する被覆資材4には、蛇腹式ガレージ1の目的及び用途に応じて、遮光シート、紫外線遮断シート等を使い分ける。遮光シートを使用することで、夏場でも車内の温度が高温になることを防ぐことができ、また紫外線遮断シートを用いれば、車の塗装の劣化を抑えることができる。
【0026】
次に、図2、3を用いて使用方法を説明する。通常は、蛇腹式ガレージ1の妻部側から自動車10が出入りする。また、自動車10を格納する場合には、中間部支柱2−2、分割部支柱2−3及び被覆資材4を展開して、分割部支柱2−3同士、分割部支柱2−3と端部支柱2−1と、を結合させて固定する。これによって、自動車10が完全に覆われているので、雨、ほこり、鳥の糞、黄砂、鉄粉等によって、車が汚れたり、傷ついたりせず、塗装の劣化を防止することができる。自動車10への人の乗降時に、屋根や壁である支柱2−2、2−3や被覆資材4が邪魔にならないように中間部支柱2−2、分割部支柱2−3及び被覆資材4を畳んでも良いし、分割部支柱2−3を分割させてもよい。なお、幅の広い蛇腹式ガレージ1を使用する場合には、もちろん、乗降時に、支柱2−2、2−3被覆資材4の展開や分割の必要はなく展開した状態で使用できる。
【0027】
自動車10の出入庫時には、妻部用被覆資材4aを妻部用被覆資材固定具7で端部支柱2−1に束ねて留めることで自動車10の出入庫の邪魔にならないようにする。なお、端部支柱2−1の頂部付近をファスナー等で端部支柱2−1から一部を分離して、妻部用被覆資材4aの側部を端部支柱2−1に、妻部用被覆資材固定具7で固定してもよい。また、後端部の妻部の妻部用被覆資材4aも、二分割しておけば、トランクの荷物の出し入れが容易となる。
【0028】
蛇腹式ガレージ1は、分割を複数にとることができる(本例では二分割)。隣合う分割部支柱2−3同士の間、或いは、端部支柱2−1と分割部支柱2−3間は、支柱分割部連結部材5を用いて、結合可能に又は分割可能に自在に構成している。なお、分割位置である分割部支柱2−3同士の間、或いは、端部支柱2−1と分割部支柱2−3との間には、被覆資材4はない。よって、分割した分割部支柱2−3同士の間、或いは、端部支柱2−1と分割部支柱2−3との間の、結合又は分割が簡易に行える。これにより、車内の荷物のみを出し入れする場合に、蛇腹式ガレージ1の側面を分割することによって、ドアの位置部分のみ、支柱2−2、2−3及び被覆資材4を移動させて自動車10のドアを開けられるようにできる。このことによって、特に大雨の時に、自動車10が必要のない部分まで濡れないので、自動車10の汚れを少なくできる。また、支柱2−1、2−2、2−3の幅を車幅ギリギリまで小さくしてもドアを開けられ乗り降りもできて、支柱2−2、2−3及び被覆資材4の重量を軽くすることができるので、支柱2−2、2−3の移動が軽快にできる。そのうえ、材料も少なく済むので材料費を安くすることができる。
【0029】
また、自動車10を2台以上縦列駐車できる大型の蛇腹式ガレージ1では、地中に細い溝を掘って、そこに脚部レール3aを地盤高より低く配置すること、若しくは、脚部レール3aを自動車10のタイヤで踏まないようにレール3の両側に斜路を取り付けることによって、自動車10は、妻部だけでなく、分割部支柱2−3を分割した場所からの出入りも可能となる。このことによって、出入り口側に他の自動車10が駐車していても、その自動車10を退けなくとも、分割部支柱2−3を分割して自動車10を出し入れすることが可能となる。
【0030】
また、図1(b)に示すような支柱2−2、2−3を畳んだ状態にすれば、蛇腹式ガレージ内を清掃した場合においても、駐車スペース11の乾きが早く大変便利である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
様々な種類の自動車、自動二輪車及び自転車用の軽便な格納庫として、ガレージ分野に利用することができる。
【符号の説明】
【0032】
1:蛇腹式ガレージ
2−1:端部支柱(固定) 2−2:中間部支柱(摺動)
2−3:分割部支柱(摺動)
2−1−a:端部支柱脚部(緊張固定部)
2−1−b:端部支柱頂部(緊張固定部)
2−2−a:中間部支柱脚部 2−2−b:中間部支柱頂部
3a:脚部レール 3b:頂部レール
4:被覆資材
4a:妻部用被覆資材 4b:被覆資材支柱連結部
5:支柱分割部連結部材
6:端部支柱固定具
7:妻部用被覆資材固定具
10:自動車
11:駐車スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車スペースを車が駐車できる高さで覆うようにトンネル状の両端部支柱と中間支柱群を立設し、該支柱群の外側を覆う被覆資材を備え、前記中間支柱群を車の前後方向に移動可能にし、かつ、被覆資材を該中間支柱群に連結して前記中間支柱群とともに車の前後方向に展開し又は畳めるように配設した蛇腹式ガレージにおいて、前記両端部支柱が固定されており、両端部の支柱それぞれ両足元と中央頂部を結んで張設し固定したワイヤ又は棒体を設け、前記各中間支柱の脚部が、前記両足元に設けたワイヤ又は棒体に遊嵌して摺動可能にすると共に、前記各中間支柱の中央頂部が、前記中央頂部に設けたワイヤ又は棒体に遊嵌して摺動可能に構成したことを特徴とする蛇腹式ガレージ。
【請求項2】
前記蛇腹式ガレージの任意の相隣合う支柱間で被覆資材を分割した個所を少なくとも一つ以上設けると共に、該分割個所の該支柱同士を連結部材によって結合可能又は分離可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の蛇腹式ガレージ。
【請求項3】
前端部及び後端部の少なくとも1つの妻部に妻部用被覆資材を備えており、該妻部用被覆資材がその中央部で縦方向に分割又は結合可能にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の蛇腹式ガレージ。
【請求項4】
前記棒体が、複数の棒体片に分割されており、前記棒体片同士を着脱自在に嵌合又は螺合して連結可能にしたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の蛇腹式ガレージ。
【請求項5】
前記中間支柱の両足元と中央頂部に前記ワイヤ又は棒体と遊嵌する環体又はC字状環体を設けていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の蛇腹式ガレージ。
【請求項6】
前記被覆資材が、屈曲自在なシート状であり、かつ、遮光シート又は紫外線遮断シートであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の蛇腹式ガレージ。

【図1ab】
image rotate

【図1c】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−11112(P2013−11112A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144999(P2011−144999)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(510158200)株式会社 ダイツウ (17)
【Fターム(参考)】