蛇腹式フレーム及びこれを用いた構造体
【課題】組み立てが容易であり、構成部品の共通化をはかることができる、蛇腹式フレーム及びこれを用いた構造体を提供する。
【解決手段】回動可能に交差された2本の棒状体11,11により1組の単位クロス要素1が構成されており、上記の単位クロス要素1が複数組連結されて構成されたクロスフレーム2と間隔保持部3とを有し、上記の間隔保持部3は、上記クロスフレーム2のうち少なくとも一部であり、上記1組の単位クロス要素1における各棒状体11の端部11bが接近及び離反する方向において対向するように分離して設けられたものであり、上記のように対向した関係にある各間隔保持部3,3が支持し合うことにより、上記クロスフレーム2における各棒状体11同士の位置関係が定まるものであり、上記クロスフレーム2と上記間隔保持部3との組み合わせにより立体的構造が構成された蛇腹式フレームを提供する。
【解決手段】回動可能に交差された2本の棒状体11,11により1組の単位クロス要素1が構成されており、上記の単位クロス要素1が複数組連結されて構成されたクロスフレーム2と間隔保持部3とを有し、上記の間隔保持部3は、上記クロスフレーム2のうち少なくとも一部であり、上記1組の単位クロス要素1における各棒状体11の端部11bが接近及び離反する方向において対向するように分離して設けられたものであり、上記のように対向した関係にある各間隔保持部3,3が支持し合うことにより、上記クロスフレーム2における各棒状体11同士の位置関係が定まるものであり、上記クロスフレーム2と上記間隔保持部3との組み合わせにより立体的構造が構成された蛇腹式フレームを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、折り畳みが可能とされた蛇腹式フレーム及びこれを用いた構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】実開平6−67709号公報
【特許文献2】特開2006−9397号公報
【特許文献3】特開2003−321951号公報
【0003】
催事などにおいて仮設ステージが設けられることがある。この仮設ステージのフレームとしては、本願出願人による特許文献1に記載の考案のように、支柱及び水平骨部材の組み合わせで構成されるものがあった。
【0004】
また、例えば特許文献2に記載の「可搬式階段」のように、フレーム(骨組)と天板とが組み合わされたものであって、折り畳むことのできる構造物が提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された構成では、設営場所における組み立てに手間がかかり、組み立て作業が一日仕事になることも珍しくなかった。
【0006】
また、特許文献1に記載された構成では、設営場所における組み立ては短時間で可能であるものの、構造物の形状に合わせて専用のフレームを製作する必要があり、部品の共通化が難しかった。
【0007】
なお、本願出願人は、特許文献3において、蛇腹式フレームを用いた折り畳みテントを提案している。この蛇腹式フレームとは、各々が交点を中心として回動可能に交差された2本の棒状体により単位クロス要素が複数連結されたクロスフレームを有しており、このクロスフレームが折り畳めるものである。
【0008】
そして上記の問題に鑑み、本願の発明者は、この蛇腹式フレームを応用することに思い至った。
【0009】
しかして本願発明は、第一に、組み立てが容易な蛇腹式フレーム及びこれを用いた構造体を提供することを課題とする。
【0010】
また、第二に、構成部品の共通化をはかることができる、蛇腹式フレーム及びこれを用いた構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の発明は、各々が交点11aを中心として回動可能に交差された2本の棒状体11,11により1組の単位クロス要素1が構成されており、クロスフレーム2と間隔保持部3とを有し、上記のクロスフレーム2は、上記の単位クロス要素1が複数組連結されて構成されたものであり、この連結は、上記棒状体11の端部11bにおいて回動可能とされており、上記の間隔保持部3は、上記クロスフレーム2のうち少なくとも一部であり、上記1組の単位クロス要素1における各棒状体11の端部11bが接近及び離反する方向において対向するように分離して設けられたものであり、上記のように対向した関係にある各間隔保持部3,3が支持し合うことにより、上記クロスフレーム2における各棒状体11同士の位置関係が定まるものであり、上記クロスフレーム2と上記間隔保持部3との組み合わせにより立体的構造が構成されたことを特徴とする、蛇腹式フレームを提供する。
【0012】
また、本願の請求項2に記載の発明は、上記間隔保持部3が棒状体であり、上記単位クロス要素1における棒状体11の端部11bが接近及び離反する方向に沿うように配位されたものであって、上記の支持が、対向する関係にある上記各間隔保持部3,3の先端部3a,3a同士が当接してなされることを特徴とする、請求項1に記載の蛇腹式フレームを提供する。
【0013】
また、本願の請求項3に記載の発明は、上記の対向する関係にある各間隔保持部3,3のうち、一方側31の外周に沿うようにして固定部材4が設けられたものであり、この固定部材4は、上記一方側の間隔保持部31の先端部31aよりも更に先端寄りにその一部が配位可能とされており、上記のように一方側と他方側の各間隔保持部31,32の先端部31a,32a同士が当接した場合に、上記の先端部31a,32a同士を外部から覆うことのできるものであることを特徴とする、請求項2に記載の蛇腹式フレームを提供する。
【0014】
また、本願の請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の蛇腹式フレームが、上記単位クロス要素1が無端状に連結されて形成された枠状体であり、この枠状体の内部には、更に、上記クロスフレーム2と上記間隔保持部3とが設けられており、上記枠状体の上部に硬質の板状体5が載せられており、上記のようにして構成されたものが、ステージ台、ひな壇、階段、踏み台のうちいずれかの用途に用いられることを特徴とする、蛇腹式フレームを用いた構造体を提供する。
【0015】
また、本願の請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の蛇腹式フレームが、上記単位クロス要素1が無端状に連結されて形成された枠状体であり、この枠状体が上下方向に連結されており、上記枠状体が連結されてなる集合体の上部に硬質の板状体5が載せられており、上記のようにして構成されたものが、ステージ台、ひな壇、階段、踏み台のうちいずれかの用途に用いられることを特徴とする、蛇腹式フレームを用いた構造体を提供する。
【0016】
また、本願の請求項6に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の蛇腹式フレームが、上記単位クロス要素1が無端状に連結されて形成された枠状体であり、この枠状体に柔軟なシート6が取り付けられており、上記のようにして構成されたものが、ごみ箱、球技用ボール収納箱、水槽、遊戯用砂場の覆い、移動式屋根のうちいずれかの用途に用いられることを特徴とする、蛇腹式フレームを用いた構造体を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本願の請求項1に記載の発明は、各間隔保持部3,3が支持し合うことにより、クロスフレーム2における各棒状体11同士の位置関係が定まるものであり、上記クロスフレーム2と上記間隔保持部3との組み合わせのみで立体的構造を構成することができるため、組み立てが容易な蛇腹式フレームを提供することができたものである。
【0018】
本願の請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明の効果に加え、上記間隔保持部3が棒状体であり、上記単位クロス要素1における棒状体11の端部11bが接近及び離反する方向に沿うように配位されたものであって、上記の支持が、対向する関係にある上記各間隔保持部3,3の先端部3a,3a同士が当接してなされることにより、クロスフレーム2自体は共通のものを使用し、これに取り付ける間隔保持部3の寸法を変更するだけで、種々の高さの構造体を形成することができ、構成部品の共通化をはかることができる、蛇腹式フレームを提供することができたものである。
【0019】
本願の請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の発明の効果に加え、各間隔保持部3,3の先端部31a,32a同士を外部から覆うことのできる固定部材4が設けられたことにより、上記の支持がより確実になされる蛇腹式フレームを提供することができたものである。
【0020】
本願の請求項4〜6に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の蛇腹式フレームが、上記単位クロス要素1が無端状に連結されて形成された枠状体とされたことから、組み立てが容易であり、構成部品の共通化をはかることができる、蛇腹式フレームを用いた構造体を提供することができたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態の一例をとりあげて説明する。図1は、実施例の一つとして、構造体がステージ台として用いられた例を示す斜視図であり、図2〜図4は同例にあって、蛇腹式フレームが畳んだ状態から広げた状態へと至る様子を順次示す側面図である。図6は間隔保持部とカバー部材との間の関係を示す斜視の概略図である。図11〜図18は他の実施例を示す斜視の概略図である。
【0022】
まず、実施例の一つとしてステージ台に用いられた例を示す。これは、蛇腹式フレームの上部に硬質の板状体である天板5が載せられた構造体である。なお、図1においては、蛇腹式フレームの構成をより解りやすくするために天板5を破線で表示している。
【0023】
本実施例に係る蛇腹式フレームは、クロスフレーム2と間隔保持部3とを有するものであって、このクロスフレーム2と間隔保持部3との組み合わせにより立体的構造が構成されている。
【0024】
クロスフレーム2は、交点11aを中心として回動可能に交差された2本の棒状体11,11により1組の単位クロス要素1が構成され、その単位クロス要素1が複数組連結されて構成されたものである。本実施例では、この単位クロス要素1を構成する棒状体11として、アルミ合金製の角パイプが用いられているが、特に本実施例のものに限定されたものではなく、例えば丸パイプやチャンネル材であっても良い。素材についてもアルミ合金に限られず、樹脂製などの種々の素材を使用することができる。
【0025】
本実施例においては、上記の交点11aにおいて重なり合った状態にある棒状体11,11に留めピンが貫通され、回動可能に交差されたものとされている。なお、本実施例では、この交点11aにおける棒状体11の外側が樹脂製の保護カバーにより覆われている。
【0026】
この交点11aについては、本実施例に係る形態の他に、例えば棒状体11の外側にヒンジを配位しておき、そのヒンジが回動可能とされたものであっても良いし、上記のようなピンやヒンジなどを一切設けず、見かけ上、単に交差しているだけである一方の棒状体11と他方の棒状体11とが回動するものであっても良く、実施形態は限定されない。
【0027】
そして、隣り合う単位クロス要素1,1同士の連結部分についても、上記の交点11aと同様に、各棒状体11,11の端部11b,11bにおいて回動可能とされている。本実施例における単位クロス要素1,1同士の連結部分には接続部材8が設けられており、この接続部材8に、隣り合う一方側の単位クロス要素1の棒状体11と他方側の単位クロス要素1の棒状体11とが回動可能に接続されている。この接続部材8には、後述の間隔保持部3も取り付けられる。
【0028】
この接続部材8は、本実施例においては樹脂製のものとされており、各単位クロス要素1の端部において上方側と下方側とに、各単位クロス要素1,1同士の連結部分に対応して設けられている。このうち上方側に設けられた接続部材8は、図示のように天板5を支持するためにも用いられ、下方の接続部材8は地面に配位されるものである。そのため、上方側に設けられる接続部材8においては上端面となり、下方側に設けられる接続部材8においては下端面となる端面81については、いずれも水平面としておくことが望ましい。
【0029】
この接続部材8には、図1、図3に示すように、上記の各単位クロス要素1,1を接続するための単位クロス要素接続部82が設けられている。本実施例では、この単位クロス要素接続部82が各々直交する関係にある4方向に延長されて設けられている。そして、この単位クロス要素接続部82にピン貫通穴82aが設けられており、ここに棒状体11と共に留めピンが貫通されて、単位クロス要素接続部82に対して棒状体11が回動可能に接続されている。
【0030】
この単位クロス要素接続部82のピン貫通穴82aは、本実施例においては、接続部材8の水平方向における中心から水平方向にずれて設けられているが、これに限らず、接続部材8の水平方向における中心に一致して設けても良い。
【0031】
そして、この接続部材8には、後述の間隔保持部3を支持するための間隔保持部支持部83が設けられている。ここで、本実施例では棒状体である間隔保持部3の一端が差し込まれて固定されている。この間隔保持部支持部83は、接続部材8の水平方向における中心に一致して設けられている。
【0032】
本実施例においては、図1に示すように、蛇腹式フレームのいずれの部分にも共通の形状の接続部材8が用いられており、位置により必要な単位クロス要素接続部82を用いるものとしているが、連結する単位クロス要素1の数に応じた単位クロス要素接続部82を形成した接続部材8を用いても良い。
【0033】
ここで、上記のように共通の形状の接続部材8が用いられた場合にあっては、空いている単位クロス要素接続部82に単位クロス要素1を任意に取り付けることが可能であるため、クロスフレーム2を自由に増減させて立体的構造を構成することができる。よって、クロスフレーム2のうちで辺縁部に配位されたものに取り付けられた接続部材8に、あえて空いている単位クロス要素接続部82を設けておくことにより、本実施例のように用途をステージ台とする場合では、一箇所だけ張り出した部分を形成したり、逆に一箇所だけ引っ込めた部分を形成することが可能となり、非常に適応性の高い使用が可能となる。
【0034】
次に、この接続部材8と単位クロス要素1との位置関係について述べる。蛇腹式フレームの角部に配位されるものについては、平面視において直交する関係にある2方向に単位クロス要素1が設けられている。そして、蛇腹式フレームの周縁部のうちで上記の角部を除く部分には、接続部材8を挟んだ両側に同一直線上に延びる2方向に単位クロス要素1が設けられており、かつ、上記2組の単位クロス要素1に各々直交する1方向に単位クロス要素1が設けられている。そして、蛇腹式フレームの内部(上記周縁部に囲まれた部分)においては、平面視において直交する関係にある4方向に上記棒状体11が設けられている。
【0035】
本実施例においては、隣り合う単位クロス要素1,1同士の間に接続部材8が、上側のものと下側のものとを1組として設けられているが、例えば図14及び図15に示すように、蛇腹式フレームの角部にのみ接続部材8が1組設けられたものとされており、蛇腹式フレームの周縁部あるいは内部については、接続部材8が設けられておらず、単位クロス要素1,1同士が単にピン接合されたものであっても良い。
【0036】
次に、間隔保持部3は、クロスフレーム2のうち少なくとも一部であり、1組の単位クロス要素1における各棒状体11の端部11bが接近及び離反する方向において対向するように分離して設けられたものである。この間隔保持部3は、各々対向した関係にある各間隔保持部3,3が支持し合うことにより、上記クロスフレーム2における棒状体11同士の位置関係が定まる。ここで、本実施例における間隔保持部3は、単位クロス要素1における棒状体11の端部11bが接近及び離反する方向に沿うように配位された棒状体とされており、上記の支持が、対向する関係にある上記各間隔保持部3,3の先端部3a,3a同士が当接してなされるものである。より具体的には、上記棒状体11の端部11bの接近及び離反は上下方向になされるため、棒状体である間隔保持部3もまた上下方向に配位されており、上側間隔保持部31の下端面31aと下側間隔保持部32の上端面32aとが当接する。
【0037】
ここで、本実施例における、棒状体11の端部11bの接近及び離反方向について補足する。一つの接続部材8には少なくとも2本の棒状体11が接続されている。図3に示すように、上下接続部材8の中央を通る線を基準として図示右側の単位クロス要素1と図示左側の単位クロス要素1とは側面視において線対称の関係にある。なお、本実施例においては図示の通り単位クロス要素1の全体が線対称の関係にあるが、少なくとも、図示左側の単位クロス要素1のうち交点11aよりも右側の部分と、図示右側の単位クロス要素1のうち交点11aよりも左側の部分とが線対称の関係にあれば良い。
【0038】
上記のように線対称の関係にあることから、単位クロス要素1の展開動作及び折り畳み動作の間、左右各側の棒状体11,11は均等に移動する。よって、接続部材8に対する図示右側の棒状体11の角度A1と、接続部材8に対する図示左側の棒状体11の角度A2とは、誤差を考えなければ上記動作中において常に一致している。そのため、接続部材8の一つに接続された2本の棒状体11,11の各回動軸11c,11cから等距離にある点が上記動作中に移動する軌跡に沿って、接続部材8が上下方向に移動することとなる。結果として、接続部材8に固定された間隔保持部3もまた上下方向に移動することとなる。なお、3本以上の棒状体11が接続された接続部材8であっても上記と同様であり、回動軸11cの各々から等距離にある点の移動する軌跡に沿って、接続部材8が上下方向に移動する。
【0039】
間隔保持部3を上記のように上下方向に確実に移動させるために最も理想的なのが、各接続部材8における上記の各回動軸11cの位置と間隔保持部3の根元の位置とが一点に一致した状態であるが、現実には各棒状体11の同士の干渉があって実現不可能であるため、本実施例のように接続部材8のピン貫通穴82aが水平方向にずれて配位されている。なお、実際に本願発明に係る蛇腹式フレームを使用する際には、下側に配位された側の接続部材8は単位クロス要素1の展開動作及び折り畳み動作中、地面に沿って移動するため、各間隔保持部3,3の先端部3a,3a同士が途中でずれてしまい、当接できないということは起こり得ない。
【0040】
上記の当接により各間隔保持部3,3が支持し合うために、本実施例における間隔保持部3は、蛇腹式フレームを用いた構造体であるステージ台の設置面である地面や床面に対して、常に垂直に配位された関係に維持されることが重要であるが、本実施例においては、上記に説明したように必然的に間隔保持部3が上下方向に移動することとなるため、クロスフレーム2が広げられたか狭められたかいずれの状態であっても、接続部材8の端面81と間隔保持部3の延びる方向とが垂直の関係を維持する。
【0041】
次に、本実施例に係る蛇腹式フレームの展開について説明する。図2は本実施例の蛇腹式フレームを折り畳んだ状態を示す。この状態では、上側間隔保持部31と下側間隔保持部32とは上下方向に離れている。そして、クロスフレーム2を左右方向へと徐々に広げていくに伴い、図3に示すように、各間隔保持部31,32が各々上下方向に移動して接近していく。そして最終的には、図4に示すように、各間隔保持部31,32が当接する。この状態がつまり、上記のような各間隔保持部3,3が支持し合った状態であり、クロスフレーム2はこれ以上左右方向へと広がらないことから、棒状体11同士の位置関係が定まることとなる。クロスフレーム2は均等に広げられるため、蛇腹式フレームの対角線上に人が二人立ち、クロスフレーム2を広げていけば蛇腹式フレームを展開できる。よって、幼稚園や小学校など、子供や女性などの比較的体力のない者が展開作業を行う場面が多い場所であっても、全く苦にならず、しかも迅速に展開作業を行うことができる。
【0042】
ここで、特許文献3に記載したような蛇腹式フレームを用いた折り畳みテントにおいては、クロスフレームを複数の支柱が支持しており、各支柱は、クロスフレームに対して貫通している。これに対し、本実施例の蛇腹式フレームにおいては、棒状体11の上下方向に対向する関係にある端部に対応して、分離して間隔保持部3が設けられている。そして、この間隔保持部3が棒状体とされていることから、この棒状体の長さを変更することにより蛇腹式フレームが広げられた状態の高さを設定することができる。よって、クロスフレーム2自体は共通のものを使用し、これに取り付ける間隔保持部3の寸法を変更するだけで、種々の高さの構造体を形成することができる。これにより、構成部品の共通化をはかることができる。
【0043】
なお、本実施例においては、棒状体11の対向する関係にある端部のいずれにも棒状体からなる間隔保持部3が設けられたものとしているが、例えばいずれか一方側の端部にのみ、この棒状体からなる間隔保持部3が設けられたものとし、他方側の端部については、この棒状体11の端部自体が間隔保持部3として機能するものとしても良い。このようにした一例を図5に示す。この図示した例の場合、棒状体である間隔保持部3としては下側間隔保持部32のみが設けられており、蛇腹式フレームの上方に配位された接続部材8の下端面84と、上記の下側間隔保持部32の上端面32aとが当接することにより、上記クロスフレーム2における棒状体11同士の位置関係が定まる。つまり、この場合は蛇腹式フレームの上方に配位された接続部材8が間隔保持部3として機能する。
【0044】
また、上記のように間隔保持部3を棒状体とはせず、図9及び図10に示すように板状体としても良い。この例においては、クロスフレーム2の端部に存在する各棒状体11の端部11bにブラケット3bにより直接間隔保持部3が固定されている。このブラケット3bは間隔保持部3に対し、溶接などによって固定されたものであって、ねじ止めにより各棒状体11の端部11bと連結される。
【0045】
なお、この例における蛇腹式フレームは、図示のように2列の単位クロス要素1,1が平行に配位されており、このように平行の関係にある単位クロス要素1,1のうちで、クロスフレーム2の端部におけるもののうち上側に対し1枚の上側間隔保持部31が、同下側に対し1枚の下側間隔保持部32が設けられている。上記の棒状体である間隔保持部3と同様、この例における間隔保持部3にあっても、図10に示すように、上側間隔保持部31の下端面31aと下側間隔保持部32の上端面32aとが当接することによって、各間隔保持部3,3が支持し合い、これにより、上記クロスフレーム2における各棒状体11同士の位置関係が定まる。
【0046】
なお、この例においては、上記のように各棒状体11の端部11bに各間隔保持部31,32が固定されており、各棒状体11の端部11bと各間隔保持部31,32との間では回動が不能である。つまり、各棒状体11と各間隔保持部31,32との間の角度は常に一定である。よって、各間隔保持部31,32は各棒状体11の動作に従い、図10(A)に示すように、上側間隔保持部31の下端面31aと下側間隔保持部32の上端面32aとが当接するまで円弧を描くようにして移動する。
【0047】
本実施例においては、上記の各間隔保持部3,3の端部3a,3a同士が直接当接するものとしているが、これに限定されず、端部3a,3aの間に別の要素が挿入されることにより、一方側の間隔保持部3と他方側の間隔保持部3との位置関係が定まるものとしても良い。
【0048】
また、図6に示すように、上記の対向する関係にある各間隔保持部3,3のうち、一方側の外周に沿うようにして固定部材4が設けられたものであっても良い。この固定部材4は、上記一方側の間隔保持部31の先端部31aよりも更に先端寄りにその一部が配位可能とされた筒状のものであり、この例においては、図6(A)に示したように、上側間隔保持部31と下側間隔保持部32とが分離した状態にある場合は、固定部材4が上側間隔保持部31に配位されており、図6(B)に示すように両者の先端部31a,32a同士が当接した場合に、固定部材4が下側間隔保持部32の一部を覆うことで、上記の先端部31a,32a同士を外部から覆うことができ、上記の各間隔保持部3,3が支持し合うことがより確実になされる。また、上記の先端部31a,32aを保護できる。本例において、固定部材4は上側間隔保持部31に固定されたものとされているが、逆に下側間隔保持部32に固定されたものであっても良い。
【0049】
なお、図6に示した固定部材4は、上側間隔保持部31に固定されたものとされているが、各間隔保持部31,32に沿う方向にスライド可能なものとしておき、各間隔保持部31,32の先端部31a,32a同士が当接した状態とした上でこの固定部材4をスライドさせ、先端部31a,32a同士を外部から覆うものとしても良い。
【0050】
また、図6に示したものとは逆に、対向する関係にある各間隔保持部3,3のうち、一方側の内部に棒状あるいは筒状の固定部材4が設けられたものとしても良い。図7に示したものはその一例であって、各間隔保持部3,3の端面が開放されており、下側間隔保持部32の端面から突出するように固定部材4が設けられたものである。
【0051】
この例においては、図7(A)に示したように、上側間隔保持部31と下側間隔保持部32とが分離した状態にある場合は、固定部材4が下側間隔保持部32に配位されており、図7(B)に示すように両者の先端部31a,32a同士が当接した場合に、固定部材4が上側間隔保持部31の内部に入り込むことで、上記の各間隔保持部3,3が支持し合うことがより確実になされる。このように各間隔保持部3,3の内部に固定部材4が設けられたことで、固定部材4を外部から視認できない状態とでき、図6に示したように固定部材4が露出したものよりも美観上優れたものとできるという利点を有する。本例において、固定部材4は下側間隔保持部32に固定されたものとされているが、逆に上側間隔保持部31に固定されたものであっても良い。
【0052】
また、固定部材4を上記の例のような筒状や棒状のものとはせず、各間隔保持部31,32を連結できるピンや掛け金として実施しても良い。
【0053】
また、上記のような固定部材4の他に、図8に示すように、各間隔保持部3,3の移動方向に沿うようにして比較的細い棒状のガイド部材4aを各間隔保持部3,3の内部に設けておき、各間隔保持部3,3がずれずに上下方向に移動できるものとしても良い。なお、このガイド部材4aを設ける場合にあっては、ガイド部材4aの寸法や構造体の用途により、接続部材8からガイド部材4aが突き抜けても良い。
【0054】
上記のようにして蛇腹式フレームが構成されるが、この蛇腹式フレームの利用例としては、上記単位クロス要素1が無端状に連結されて形成された枠状体であり、この枠状体の内部に、更に、上記クロスフレーム2と上記間隔保持部3とが設けられており、上記枠状体の上部に硬質の板状体5が載せられて構成されたものとして、上記のステージ台の他に、踏み台、ひな壇、階段、テーブル、椅子が挙げられる。
【0055】
踏み台については、図示はしないが、上記のステージ台と全く同様の構造である。
【0056】
図11に示したものはひな壇に用いられた例である。これは、基本的な構造については上記のステージ台と同様であるが、クロスフレームが、図11(A)上における側面の左側部分については1段に、同右側部分については上下方向の2段に設けられたものである。この2段に設けられた部分につき、図示した例では、1段ごとに間隔保持部3が設けられたものとされているが、このような構成に限られず、例えば、左右部分ともクロスフレームが1段に設けられたものとし、左側部分よりも右側部分の方が高さの高いものとしても良い。また、図示したものは均等な段を構成しているが、一部のみに高低を付けることもでき、種々の形態での実施が可能である。
【0057】
階段の場合は、上記ひな壇と同様の構造であるが、水平方向の一方から他方へ向かうにつれ、一段ずつ順次高さが高くなっていくように構成される。
【0058】
次に、この蛇腹式フレームの他の利用例として、上記と同様に、上記単位クロス要素1が無端状に連結されて形成された枠状体であるが、この枠状体に柔軟なシート6が取り付けられたものについて説明する。
【0059】
シート6については、主に樹脂製シートが使用されるが、用途により、紙製シートなどの他の素材からなるシートであっても良い。また、通気性や通水性については、用途に応じて適する特性のものを採用すれば良く、例えば網状体を用いても良い。また、このシート6は平らなものを枠状体に取り付けても良いし、あらかじめ袋状とされたものでも良い。
【0060】
その一例を図示する。図12はごみ箱に用いられた例である。この例においては、下側間隔保持部32として上側間隔保持部31よりも長い棒状体が用いられたものであって、かつ、この下側間隔保持部32が下側に配位された接続部材8を貫通している。このようにして構成された枠状体の各上端部を覆い、クロスフレーム2に囲まれた内部に落ち込むようにして有底のシート6が配位される。この、シート6においてクロスフレーム2に囲まれた内部の空間にごみを収容することができる。なお、上記下側間隔保持部32の長さにより、ごみが収容される部分の深さが規定される。
【0061】
なお、図12に示した例は、枠状体とこれに合致した形状とされたシート6とを組み合わせたものであるが、枠状体のみを使用者に提供し、使用者が例えばスーパーマーケットで商品を入れるためにもらう袋を取り付け、ごみ箱として使用できるものとしても良い。この際には、上記の袋を取り付けしやすいようにフックやクランプなどの袋取付手段を枠状体に設けても良い。
【0062】
図13は球技用ボール収納箱に用いられた例である。これは、上記のごみ箱と同一の構造であるが、下側間隔保持部32の下端に移動用のキャスターが設けられ、移動自在とされたものである。
【0063】
図14は水槽に用いられた例である。図示したものは、平面視が正方形であり、各辺を構成するクロスフレーム2が3連の単位クロス要素1〜1からなるものであって、間隔保持部3がクロスフレーム2の上記各辺の両端にのみ設けられている。なお、クロスフレーム2の連数は適宜変更でき、平面視が長方形や台形など、種々の形態での実施が可能である。
【0064】
図15は、公園などにおける遊戯用砂場の覆いに用いられた例である。これは遊戯用砂場を使用しない際に上方から覆い、犬猫などに砂場を荒らされないようにするためのものである。この場合は、蛇腹式フレームの全体がシート6によって覆われ、外観上視認できないものとされている。また、図示はしないが、これと同様の構造にて、移動式の屋根として用いることもできる。
【0065】
なお、上記に示した例はいずれも単位クロス要素1を無端状に連結したものであるが、本願発明はこれに限定されるものではなく、コの字状などとし、端部を有するものであっても良い。
【0066】
また、図9に示すように、連結された単位クロス要素1〜1を複数列(図示の例では2列)平行に配位しても良い。この例では、対向した単位クロス要素1,1同士の連結部分の間の全てにスペーサー12が配位されており、上記平行の状態が維持されるものとしているが、上記連結部分の間のうち一部にだけスペーサー12が配位されたものであっても良い。
【0067】
上記のようにして構成された蛇腹式フレームは、例えば図16に示すように、鋼製などの架台柱9に取り付けられたことにより入退場門として用いることができる。なおこの際には、板状とされた間隔保持部3と架台柱9との間はボルト・ナットにより固定されており、この場合にあっても、各間隔保持部3,3が支持し合うことにより、上記クロスフレーム2における各棒状体11同士の位置関係が定まり、安定した状態を維持できる。
【0068】
また、上記図示した例では、平面視が、4つの辺を有する正方形あるいは長方形とされているが、例えば八角形や更に多くの辺を有した略円形のものとしても良い。
【0069】
また、上記で説明した例では、いずれも上下方向に延びるようにして間隔保持部3が設けられており、対向する関係に設けられた接続部材8のうち下側のものが地面などの設置面に当接するものとしているが、これと異なり、間隔保持部3を水平方向に延びるものとし、対向する関係に設けられた接続部材8のうち一方側のものが壁面に当接するものであっても良く、構造体の設置方向の縦横は問わない。
【0070】
ここで、上記後者の一例として看板に用いられた例を図17及び図18に示す。これらは、各間隔保持部3,3のうち上記の説明にて下側間隔保持部32としたものを壁面側に配位して用いたものであり、各間隔保持部3,3は水平方向に移動することとなる。そして、この枠状体に柔軟なシート6が取り付けられる。
【0071】
図17に示された例はシート6を枠状体の外側に被せたものであり、図18に示された例はクロスフレーム2などから吊ることでシート6を枠状体の内側に配位したものである。クロスフレーム2などから吊るための手段については図示を省略しているが、紐、針金、フックなどの種々のもので実施して良い。
【0072】
上記のシート6に広告表示を記載して用いる。図示した例では、柔軟なシート6を用いたが、これに代えて、硬質な板状体を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本願発明の実施の形態の一例として、構造体がステージ台として用いられた例を示す斜視図である。
【図2】同例にあって、蛇腹式フレームが畳んだ状態から広げた状態へと至る様子を順次示す側面図であり、畳んだ状態を示す。
【図3】同例にあって、蛇腹式フレームが畳んだ状態から広げた状態へと至る様子を順次示す側面図であり、広げている途中の状態を示す。
【図4】同例にあって、蛇腹式フレームが畳んだ状態から広げた状態へと至る様子を順次示す側面図であり、広げた状態を示す。
【図5】間隔保持部の形状を変更した場合の、図3と同様の状態を示す側面図である。
【図6】間隔保持部の外部に固定部材を設けた場合における、間隔保持部とカバー部材との間の関係を示す斜視の概略図であり、(A)は対向する間隔保持部が離れた状態にある場合を示し、(B)は対向する間隔保持部が当接した状態にある場合を示す。
【図7】間隔保持部の内部に固定部材を設けた場合における、間隔保持部とカバー部材との間の関係を示す斜視の概略図であり、(A)は対向する間隔保持部が離れた状態にある場合を示し、(B)は対向する間隔保持部が当接した状態にある場合を示す。
【図8】間隔保持部の内部にガイド部材を設けた場合における、間隔保持部とカバー部材との間の関係を示す斜視の概略図であり、(A)は対向する間隔保持部が離れた状態にある場合を示し、(B)は対向する間隔保持部が当接した状態にある場合を示す。
【図9】間隔保持部を板状体とした例を示す斜視図である。
【図10】間隔保持部を板状体とした例を示す要部拡大斜視図であり、(A)は上側間隔保持部と下側間隔保持部とが離れた状態を示し、(B)は上側間隔保持部と下側間隔保持部とが当接した状態を示す。
【図11】本願発明の実施の形態の他の一例として、構造体がひな壇として用いられた例を示す斜視図であり、(A)は広げた状態、(B)は畳んだ状態を示す。
【図12】本願発明の実施の形態の他の一例として、構造体がごみ箱として用いられた例を示す斜視図である。
【図13】本願発明の実施の形態の他の一例として、構造体が球技用ボール収納箱として用いられた例を示す斜視図である。
【図14】本願発明の実施の形態の他の一例として、構造体が水槽として用いられた例を示す斜視図である。
【図15】本願発明の実施の形態の他の一例として、構造体が遊戯用砂場の覆いとして用いられた例を示す斜視図である。
【図16】本願発明の実施の形態の他の一例として、構造体が入退場門として用いられた例を示す斜視図である。
【図17】本願発明の実施の形態の他の一例として、構造体が看板として用いられた例を示すものであり、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は斜視図である。
【図18】本願発明の実施の形態の他の一例として、構造体が看板として用いられた例を示すものであり、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は斜視図である。
【符号の説明】
【0074】
1 単位クロス要素
11 棒状体
11a 交点
11b 棒状体の端部
2 クロスフレーム
3 間隔保持部
3a 間隔保持部の先端部
31 一方側の間隔保持部
31a 一方側の間隔保持部の先端部
32 他方側の間隔保持部
32a 他方側の間隔保持部の先端部
4 固定部材
5 板状体、天板
6 シート
【技術分野】
【0001】
本願発明は、折り畳みが可能とされた蛇腹式フレーム及びこれを用いた構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】実開平6−67709号公報
【特許文献2】特開2006−9397号公報
【特許文献3】特開2003−321951号公報
【0003】
催事などにおいて仮設ステージが設けられることがある。この仮設ステージのフレームとしては、本願出願人による特許文献1に記載の考案のように、支柱及び水平骨部材の組み合わせで構成されるものがあった。
【0004】
また、例えば特許文献2に記載の「可搬式階段」のように、フレーム(骨組)と天板とが組み合わされたものであって、折り畳むことのできる構造物が提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された構成では、設営場所における組み立てに手間がかかり、組み立て作業が一日仕事になることも珍しくなかった。
【0006】
また、特許文献1に記載された構成では、設営場所における組み立ては短時間で可能であるものの、構造物の形状に合わせて専用のフレームを製作する必要があり、部品の共通化が難しかった。
【0007】
なお、本願出願人は、特許文献3において、蛇腹式フレームを用いた折り畳みテントを提案している。この蛇腹式フレームとは、各々が交点を中心として回動可能に交差された2本の棒状体により単位クロス要素が複数連結されたクロスフレームを有しており、このクロスフレームが折り畳めるものである。
【0008】
そして上記の問題に鑑み、本願の発明者は、この蛇腹式フレームを応用することに思い至った。
【0009】
しかして本願発明は、第一に、組み立てが容易な蛇腹式フレーム及びこれを用いた構造体を提供することを課題とする。
【0010】
また、第二に、構成部品の共通化をはかることができる、蛇腹式フレーム及びこれを用いた構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の発明は、各々が交点11aを中心として回動可能に交差された2本の棒状体11,11により1組の単位クロス要素1が構成されており、クロスフレーム2と間隔保持部3とを有し、上記のクロスフレーム2は、上記の単位クロス要素1が複数組連結されて構成されたものであり、この連結は、上記棒状体11の端部11bにおいて回動可能とされており、上記の間隔保持部3は、上記クロスフレーム2のうち少なくとも一部であり、上記1組の単位クロス要素1における各棒状体11の端部11bが接近及び離反する方向において対向するように分離して設けられたものであり、上記のように対向した関係にある各間隔保持部3,3が支持し合うことにより、上記クロスフレーム2における各棒状体11同士の位置関係が定まるものであり、上記クロスフレーム2と上記間隔保持部3との組み合わせにより立体的構造が構成されたことを特徴とする、蛇腹式フレームを提供する。
【0012】
また、本願の請求項2に記載の発明は、上記間隔保持部3が棒状体であり、上記単位クロス要素1における棒状体11の端部11bが接近及び離反する方向に沿うように配位されたものであって、上記の支持が、対向する関係にある上記各間隔保持部3,3の先端部3a,3a同士が当接してなされることを特徴とする、請求項1に記載の蛇腹式フレームを提供する。
【0013】
また、本願の請求項3に記載の発明は、上記の対向する関係にある各間隔保持部3,3のうち、一方側31の外周に沿うようにして固定部材4が設けられたものであり、この固定部材4は、上記一方側の間隔保持部31の先端部31aよりも更に先端寄りにその一部が配位可能とされており、上記のように一方側と他方側の各間隔保持部31,32の先端部31a,32a同士が当接した場合に、上記の先端部31a,32a同士を外部から覆うことのできるものであることを特徴とする、請求項2に記載の蛇腹式フレームを提供する。
【0014】
また、本願の請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の蛇腹式フレームが、上記単位クロス要素1が無端状に連結されて形成された枠状体であり、この枠状体の内部には、更に、上記クロスフレーム2と上記間隔保持部3とが設けられており、上記枠状体の上部に硬質の板状体5が載せられており、上記のようにして構成されたものが、ステージ台、ひな壇、階段、踏み台のうちいずれかの用途に用いられることを特徴とする、蛇腹式フレームを用いた構造体を提供する。
【0015】
また、本願の請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の蛇腹式フレームが、上記単位クロス要素1が無端状に連結されて形成された枠状体であり、この枠状体が上下方向に連結されており、上記枠状体が連結されてなる集合体の上部に硬質の板状体5が載せられており、上記のようにして構成されたものが、ステージ台、ひな壇、階段、踏み台のうちいずれかの用途に用いられることを特徴とする、蛇腹式フレームを用いた構造体を提供する。
【0016】
また、本願の請求項6に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の蛇腹式フレームが、上記単位クロス要素1が無端状に連結されて形成された枠状体であり、この枠状体に柔軟なシート6が取り付けられており、上記のようにして構成されたものが、ごみ箱、球技用ボール収納箱、水槽、遊戯用砂場の覆い、移動式屋根のうちいずれかの用途に用いられることを特徴とする、蛇腹式フレームを用いた構造体を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本願の請求項1に記載の発明は、各間隔保持部3,3が支持し合うことにより、クロスフレーム2における各棒状体11同士の位置関係が定まるものであり、上記クロスフレーム2と上記間隔保持部3との組み合わせのみで立体的構造を構成することができるため、組み立てが容易な蛇腹式フレームを提供することができたものである。
【0018】
本願の請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明の効果に加え、上記間隔保持部3が棒状体であり、上記単位クロス要素1における棒状体11の端部11bが接近及び離反する方向に沿うように配位されたものであって、上記の支持が、対向する関係にある上記各間隔保持部3,3の先端部3a,3a同士が当接してなされることにより、クロスフレーム2自体は共通のものを使用し、これに取り付ける間隔保持部3の寸法を変更するだけで、種々の高さの構造体を形成することができ、構成部品の共通化をはかることができる、蛇腹式フレームを提供することができたものである。
【0019】
本願の請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の発明の効果に加え、各間隔保持部3,3の先端部31a,32a同士を外部から覆うことのできる固定部材4が設けられたことにより、上記の支持がより確実になされる蛇腹式フレームを提供することができたものである。
【0020】
本願の請求項4〜6に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の蛇腹式フレームが、上記単位クロス要素1が無端状に連結されて形成された枠状体とされたことから、組み立てが容易であり、構成部品の共通化をはかることができる、蛇腹式フレームを用いた構造体を提供することができたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態の一例をとりあげて説明する。図1は、実施例の一つとして、構造体がステージ台として用いられた例を示す斜視図であり、図2〜図4は同例にあって、蛇腹式フレームが畳んだ状態から広げた状態へと至る様子を順次示す側面図である。図6は間隔保持部とカバー部材との間の関係を示す斜視の概略図である。図11〜図18は他の実施例を示す斜視の概略図である。
【0022】
まず、実施例の一つとしてステージ台に用いられた例を示す。これは、蛇腹式フレームの上部に硬質の板状体である天板5が載せられた構造体である。なお、図1においては、蛇腹式フレームの構成をより解りやすくするために天板5を破線で表示している。
【0023】
本実施例に係る蛇腹式フレームは、クロスフレーム2と間隔保持部3とを有するものであって、このクロスフレーム2と間隔保持部3との組み合わせにより立体的構造が構成されている。
【0024】
クロスフレーム2は、交点11aを中心として回動可能に交差された2本の棒状体11,11により1組の単位クロス要素1が構成され、その単位クロス要素1が複数組連結されて構成されたものである。本実施例では、この単位クロス要素1を構成する棒状体11として、アルミ合金製の角パイプが用いられているが、特に本実施例のものに限定されたものではなく、例えば丸パイプやチャンネル材であっても良い。素材についてもアルミ合金に限られず、樹脂製などの種々の素材を使用することができる。
【0025】
本実施例においては、上記の交点11aにおいて重なり合った状態にある棒状体11,11に留めピンが貫通され、回動可能に交差されたものとされている。なお、本実施例では、この交点11aにおける棒状体11の外側が樹脂製の保護カバーにより覆われている。
【0026】
この交点11aについては、本実施例に係る形態の他に、例えば棒状体11の外側にヒンジを配位しておき、そのヒンジが回動可能とされたものであっても良いし、上記のようなピンやヒンジなどを一切設けず、見かけ上、単に交差しているだけである一方の棒状体11と他方の棒状体11とが回動するものであっても良く、実施形態は限定されない。
【0027】
そして、隣り合う単位クロス要素1,1同士の連結部分についても、上記の交点11aと同様に、各棒状体11,11の端部11b,11bにおいて回動可能とされている。本実施例における単位クロス要素1,1同士の連結部分には接続部材8が設けられており、この接続部材8に、隣り合う一方側の単位クロス要素1の棒状体11と他方側の単位クロス要素1の棒状体11とが回動可能に接続されている。この接続部材8には、後述の間隔保持部3も取り付けられる。
【0028】
この接続部材8は、本実施例においては樹脂製のものとされており、各単位クロス要素1の端部において上方側と下方側とに、各単位クロス要素1,1同士の連結部分に対応して設けられている。このうち上方側に設けられた接続部材8は、図示のように天板5を支持するためにも用いられ、下方の接続部材8は地面に配位されるものである。そのため、上方側に設けられる接続部材8においては上端面となり、下方側に設けられる接続部材8においては下端面となる端面81については、いずれも水平面としておくことが望ましい。
【0029】
この接続部材8には、図1、図3に示すように、上記の各単位クロス要素1,1を接続するための単位クロス要素接続部82が設けられている。本実施例では、この単位クロス要素接続部82が各々直交する関係にある4方向に延長されて設けられている。そして、この単位クロス要素接続部82にピン貫通穴82aが設けられており、ここに棒状体11と共に留めピンが貫通されて、単位クロス要素接続部82に対して棒状体11が回動可能に接続されている。
【0030】
この単位クロス要素接続部82のピン貫通穴82aは、本実施例においては、接続部材8の水平方向における中心から水平方向にずれて設けられているが、これに限らず、接続部材8の水平方向における中心に一致して設けても良い。
【0031】
そして、この接続部材8には、後述の間隔保持部3を支持するための間隔保持部支持部83が設けられている。ここで、本実施例では棒状体である間隔保持部3の一端が差し込まれて固定されている。この間隔保持部支持部83は、接続部材8の水平方向における中心に一致して設けられている。
【0032】
本実施例においては、図1に示すように、蛇腹式フレームのいずれの部分にも共通の形状の接続部材8が用いられており、位置により必要な単位クロス要素接続部82を用いるものとしているが、連結する単位クロス要素1の数に応じた単位クロス要素接続部82を形成した接続部材8を用いても良い。
【0033】
ここで、上記のように共通の形状の接続部材8が用いられた場合にあっては、空いている単位クロス要素接続部82に単位クロス要素1を任意に取り付けることが可能であるため、クロスフレーム2を自由に増減させて立体的構造を構成することができる。よって、クロスフレーム2のうちで辺縁部に配位されたものに取り付けられた接続部材8に、あえて空いている単位クロス要素接続部82を設けておくことにより、本実施例のように用途をステージ台とする場合では、一箇所だけ張り出した部分を形成したり、逆に一箇所だけ引っ込めた部分を形成することが可能となり、非常に適応性の高い使用が可能となる。
【0034】
次に、この接続部材8と単位クロス要素1との位置関係について述べる。蛇腹式フレームの角部に配位されるものについては、平面視において直交する関係にある2方向に単位クロス要素1が設けられている。そして、蛇腹式フレームの周縁部のうちで上記の角部を除く部分には、接続部材8を挟んだ両側に同一直線上に延びる2方向に単位クロス要素1が設けられており、かつ、上記2組の単位クロス要素1に各々直交する1方向に単位クロス要素1が設けられている。そして、蛇腹式フレームの内部(上記周縁部に囲まれた部分)においては、平面視において直交する関係にある4方向に上記棒状体11が設けられている。
【0035】
本実施例においては、隣り合う単位クロス要素1,1同士の間に接続部材8が、上側のものと下側のものとを1組として設けられているが、例えば図14及び図15に示すように、蛇腹式フレームの角部にのみ接続部材8が1組設けられたものとされており、蛇腹式フレームの周縁部あるいは内部については、接続部材8が設けられておらず、単位クロス要素1,1同士が単にピン接合されたものであっても良い。
【0036】
次に、間隔保持部3は、クロスフレーム2のうち少なくとも一部であり、1組の単位クロス要素1における各棒状体11の端部11bが接近及び離反する方向において対向するように分離して設けられたものである。この間隔保持部3は、各々対向した関係にある各間隔保持部3,3が支持し合うことにより、上記クロスフレーム2における棒状体11同士の位置関係が定まる。ここで、本実施例における間隔保持部3は、単位クロス要素1における棒状体11の端部11bが接近及び離反する方向に沿うように配位された棒状体とされており、上記の支持が、対向する関係にある上記各間隔保持部3,3の先端部3a,3a同士が当接してなされるものである。より具体的には、上記棒状体11の端部11bの接近及び離反は上下方向になされるため、棒状体である間隔保持部3もまた上下方向に配位されており、上側間隔保持部31の下端面31aと下側間隔保持部32の上端面32aとが当接する。
【0037】
ここで、本実施例における、棒状体11の端部11bの接近及び離反方向について補足する。一つの接続部材8には少なくとも2本の棒状体11が接続されている。図3に示すように、上下接続部材8の中央を通る線を基準として図示右側の単位クロス要素1と図示左側の単位クロス要素1とは側面視において線対称の関係にある。なお、本実施例においては図示の通り単位クロス要素1の全体が線対称の関係にあるが、少なくとも、図示左側の単位クロス要素1のうち交点11aよりも右側の部分と、図示右側の単位クロス要素1のうち交点11aよりも左側の部分とが線対称の関係にあれば良い。
【0038】
上記のように線対称の関係にあることから、単位クロス要素1の展開動作及び折り畳み動作の間、左右各側の棒状体11,11は均等に移動する。よって、接続部材8に対する図示右側の棒状体11の角度A1と、接続部材8に対する図示左側の棒状体11の角度A2とは、誤差を考えなければ上記動作中において常に一致している。そのため、接続部材8の一つに接続された2本の棒状体11,11の各回動軸11c,11cから等距離にある点が上記動作中に移動する軌跡に沿って、接続部材8が上下方向に移動することとなる。結果として、接続部材8に固定された間隔保持部3もまた上下方向に移動することとなる。なお、3本以上の棒状体11が接続された接続部材8であっても上記と同様であり、回動軸11cの各々から等距離にある点の移動する軌跡に沿って、接続部材8が上下方向に移動する。
【0039】
間隔保持部3を上記のように上下方向に確実に移動させるために最も理想的なのが、各接続部材8における上記の各回動軸11cの位置と間隔保持部3の根元の位置とが一点に一致した状態であるが、現実には各棒状体11の同士の干渉があって実現不可能であるため、本実施例のように接続部材8のピン貫通穴82aが水平方向にずれて配位されている。なお、実際に本願発明に係る蛇腹式フレームを使用する際には、下側に配位された側の接続部材8は単位クロス要素1の展開動作及び折り畳み動作中、地面に沿って移動するため、各間隔保持部3,3の先端部3a,3a同士が途中でずれてしまい、当接できないということは起こり得ない。
【0040】
上記の当接により各間隔保持部3,3が支持し合うために、本実施例における間隔保持部3は、蛇腹式フレームを用いた構造体であるステージ台の設置面である地面や床面に対して、常に垂直に配位された関係に維持されることが重要であるが、本実施例においては、上記に説明したように必然的に間隔保持部3が上下方向に移動することとなるため、クロスフレーム2が広げられたか狭められたかいずれの状態であっても、接続部材8の端面81と間隔保持部3の延びる方向とが垂直の関係を維持する。
【0041】
次に、本実施例に係る蛇腹式フレームの展開について説明する。図2は本実施例の蛇腹式フレームを折り畳んだ状態を示す。この状態では、上側間隔保持部31と下側間隔保持部32とは上下方向に離れている。そして、クロスフレーム2を左右方向へと徐々に広げていくに伴い、図3に示すように、各間隔保持部31,32が各々上下方向に移動して接近していく。そして最終的には、図4に示すように、各間隔保持部31,32が当接する。この状態がつまり、上記のような各間隔保持部3,3が支持し合った状態であり、クロスフレーム2はこれ以上左右方向へと広がらないことから、棒状体11同士の位置関係が定まることとなる。クロスフレーム2は均等に広げられるため、蛇腹式フレームの対角線上に人が二人立ち、クロスフレーム2を広げていけば蛇腹式フレームを展開できる。よって、幼稚園や小学校など、子供や女性などの比較的体力のない者が展開作業を行う場面が多い場所であっても、全く苦にならず、しかも迅速に展開作業を行うことができる。
【0042】
ここで、特許文献3に記載したような蛇腹式フレームを用いた折り畳みテントにおいては、クロスフレームを複数の支柱が支持しており、各支柱は、クロスフレームに対して貫通している。これに対し、本実施例の蛇腹式フレームにおいては、棒状体11の上下方向に対向する関係にある端部に対応して、分離して間隔保持部3が設けられている。そして、この間隔保持部3が棒状体とされていることから、この棒状体の長さを変更することにより蛇腹式フレームが広げられた状態の高さを設定することができる。よって、クロスフレーム2自体は共通のものを使用し、これに取り付ける間隔保持部3の寸法を変更するだけで、種々の高さの構造体を形成することができる。これにより、構成部品の共通化をはかることができる。
【0043】
なお、本実施例においては、棒状体11の対向する関係にある端部のいずれにも棒状体からなる間隔保持部3が設けられたものとしているが、例えばいずれか一方側の端部にのみ、この棒状体からなる間隔保持部3が設けられたものとし、他方側の端部については、この棒状体11の端部自体が間隔保持部3として機能するものとしても良い。このようにした一例を図5に示す。この図示した例の場合、棒状体である間隔保持部3としては下側間隔保持部32のみが設けられており、蛇腹式フレームの上方に配位された接続部材8の下端面84と、上記の下側間隔保持部32の上端面32aとが当接することにより、上記クロスフレーム2における棒状体11同士の位置関係が定まる。つまり、この場合は蛇腹式フレームの上方に配位された接続部材8が間隔保持部3として機能する。
【0044】
また、上記のように間隔保持部3を棒状体とはせず、図9及び図10に示すように板状体としても良い。この例においては、クロスフレーム2の端部に存在する各棒状体11の端部11bにブラケット3bにより直接間隔保持部3が固定されている。このブラケット3bは間隔保持部3に対し、溶接などによって固定されたものであって、ねじ止めにより各棒状体11の端部11bと連結される。
【0045】
なお、この例における蛇腹式フレームは、図示のように2列の単位クロス要素1,1が平行に配位されており、このように平行の関係にある単位クロス要素1,1のうちで、クロスフレーム2の端部におけるもののうち上側に対し1枚の上側間隔保持部31が、同下側に対し1枚の下側間隔保持部32が設けられている。上記の棒状体である間隔保持部3と同様、この例における間隔保持部3にあっても、図10に示すように、上側間隔保持部31の下端面31aと下側間隔保持部32の上端面32aとが当接することによって、各間隔保持部3,3が支持し合い、これにより、上記クロスフレーム2における各棒状体11同士の位置関係が定まる。
【0046】
なお、この例においては、上記のように各棒状体11の端部11bに各間隔保持部31,32が固定されており、各棒状体11の端部11bと各間隔保持部31,32との間では回動が不能である。つまり、各棒状体11と各間隔保持部31,32との間の角度は常に一定である。よって、各間隔保持部31,32は各棒状体11の動作に従い、図10(A)に示すように、上側間隔保持部31の下端面31aと下側間隔保持部32の上端面32aとが当接するまで円弧を描くようにして移動する。
【0047】
本実施例においては、上記の各間隔保持部3,3の端部3a,3a同士が直接当接するものとしているが、これに限定されず、端部3a,3aの間に別の要素が挿入されることにより、一方側の間隔保持部3と他方側の間隔保持部3との位置関係が定まるものとしても良い。
【0048】
また、図6に示すように、上記の対向する関係にある各間隔保持部3,3のうち、一方側の外周に沿うようにして固定部材4が設けられたものであっても良い。この固定部材4は、上記一方側の間隔保持部31の先端部31aよりも更に先端寄りにその一部が配位可能とされた筒状のものであり、この例においては、図6(A)に示したように、上側間隔保持部31と下側間隔保持部32とが分離した状態にある場合は、固定部材4が上側間隔保持部31に配位されており、図6(B)に示すように両者の先端部31a,32a同士が当接した場合に、固定部材4が下側間隔保持部32の一部を覆うことで、上記の先端部31a,32a同士を外部から覆うことができ、上記の各間隔保持部3,3が支持し合うことがより確実になされる。また、上記の先端部31a,32aを保護できる。本例において、固定部材4は上側間隔保持部31に固定されたものとされているが、逆に下側間隔保持部32に固定されたものであっても良い。
【0049】
なお、図6に示した固定部材4は、上側間隔保持部31に固定されたものとされているが、各間隔保持部31,32に沿う方向にスライド可能なものとしておき、各間隔保持部31,32の先端部31a,32a同士が当接した状態とした上でこの固定部材4をスライドさせ、先端部31a,32a同士を外部から覆うものとしても良い。
【0050】
また、図6に示したものとは逆に、対向する関係にある各間隔保持部3,3のうち、一方側の内部に棒状あるいは筒状の固定部材4が設けられたものとしても良い。図7に示したものはその一例であって、各間隔保持部3,3の端面が開放されており、下側間隔保持部32の端面から突出するように固定部材4が設けられたものである。
【0051】
この例においては、図7(A)に示したように、上側間隔保持部31と下側間隔保持部32とが分離した状態にある場合は、固定部材4が下側間隔保持部32に配位されており、図7(B)に示すように両者の先端部31a,32a同士が当接した場合に、固定部材4が上側間隔保持部31の内部に入り込むことで、上記の各間隔保持部3,3が支持し合うことがより確実になされる。このように各間隔保持部3,3の内部に固定部材4が設けられたことで、固定部材4を外部から視認できない状態とでき、図6に示したように固定部材4が露出したものよりも美観上優れたものとできるという利点を有する。本例において、固定部材4は下側間隔保持部32に固定されたものとされているが、逆に上側間隔保持部31に固定されたものであっても良い。
【0052】
また、固定部材4を上記の例のような筒状や棒状のものとはせず、各間隔保持部31,32を連結できるピンや掛け金として実施しても良い。
【0053】
また、上記のような固定部材4の他に、図8に示すように、各間隔保持部3,3の移動方向に沿うようにして比較的細い棒状のガイド部材4aを各間隔保持部3,3の内部に設けておき、各間隔保持部3,3がずれずに上下方向に移動できるものとしても良い。なお、このガイド部材4aを設ける場合にあっては、ガイド部材4aの寸法や構造体の用途により、接続部材8からガイド部材4aが突き抜けても良い。
【0054】
上記のようにして蛇腹式フレームが構成されるが、この蛇腹式フレームの利用例としては、上記単位クロス要素1が無端状に連結されて形成された枠状体であり、この枠状体の内部に、更に、上記クロスフレーム2と上記間隔保持部3とが設けられており、上記枠状体の上部に硬質の板状体5が載せられて構成されたものとして、上記のステージ台の他に、踏み台、ひな壇、階段、テーブル、椅子が挙げられる。
【0055】
踏み台については、図示はしないが、上記のステージ台と全く同様の構造である。
【0056】
図11に示したものはひな壇に用いられた例である。これは、基本的な構造については上記のステージ台と同様であるが、クロスフレームが、図11(A)上における側面の左側部分については1段に、同右側部分については上下方向の2段に設けられたものである。この2段に設けられた部分につき、図示した例では、1段ごとに間隔保持部3が設けられたものとされているが、このような構成に限られず、例えば、左右部分ともクロスフレームが1段に設けられたものとし、左側部分よりも右側部分の方が高さの高いものとしても良い。また、図示したものは均等な段を構成しているが、一部のみに高低を付けることもでき、種々の形態での実施が可能である。
【0057】
階段の場合は、上記ひな壇と同様の構造であるが、水平方向の一方から他方へ向かうにつれ、一段ずつ順次高さが高くなっていくように構成される。
【0058】
次に、この蛇腹式フレームの他の利用例として、上記と同様に、上記単位クロス要素1が無端状に連結されて形成された枠状体であるが、この枠状体に柔軟なシート6が取り付けられたものについて説明する。
【0059】
シート6については、主に樹脂製シートが使用されるが、用途により、紙製シートなどの他の素材からなるシートであっても良い。また、通気性や通水性については、用途に応じて適する特性のものを採用すれば良く、例えば網状体を用いても良い。また、このシート6は平らなものを枠状体に取り付けても良いし、あらかじめ袋状とされたものでも良い。
【0060】
その一例を図示する。図12はごみ箱に用いられた例である。この例においては、下側間隔保持部32として上側間隔保持部31よりも長い棒状体が用いられたものであって、かつ、この下側間隔保持部32が下側に配位された接続部材8を貫通している。このようにして構成された枠状体の各上端部を覆い、クロスフレーム2に囲まれた内部に落ち込むようにして有底のシート6が配位される。この、シート6においてクロスフレーム2に囲まれた内部の空間にごみを収容することができる。なお、上記下側間隔保持部32の長さにより、ごみが収容される部分の深さが規定される。
【0061】
なお、図12に示した例は、枠状体とこれに合致した形状とされたシート6とを組み合わせたものであるが、枠状体のみを使用者に提供し、使用者が例えばスーパーマーケットで商品を入れるためにもらう袋を取り付け、ごみ箱として使用できるものとしても良い。この際には、上記の袋を取り付けしやすいようにフックやクランプなどの袋取付手段を枠状体に設けても良い。
【0062】
図13は球技用ボール収納箱に用いられた例である。これは、上記のごみ箱と同一の構造であるが、下側間隔保持部32の下端に移動用のキャスターが設けられ、移動自在とされたものである。
【0063】
図14は水槽に用いられた例である。図示したものは、平面視が正方形であり、各辺を構成するクロスフレーム2が3連の単位クロス要素1〜1からなるものであって、間隔保持部3がクロスフレーム2の上記各辺の両端にのみ設けられている。なお、クロスフレーム2の連数は適宜変更でき、平面視が長方形や台形など、種々の形態での実施が可能である。
【0064】
図15は、公園などにおける遊戯用砂場の覆いに用いられた例である。これは遊戯用砂場を使用しない際に上方から覆い、犬猫などに砂場を荒らされないようにするためのものである。この場合は、蛇腹式フレームの全体がシート6によって覆われ、外観上視認できないものとされている。また、図示はしないが、これと同様の構造にて、移動式の屋根として用いることもできる。
【0065】
なお、上記に示した例はいずれも単位クロス要素1を無端状に連結したものであるが、本願発明はこれに限定されるものではなく、コの字状などとし、端部を有するものであっても良い。
【0066】
また、図9に示すように、連結された単位クロス要素1〜1を複数列(図示の例では2列)平行に配位しても良い。この例では、対向した単位クロス要素1,1同士の連結部分の間の全てにスペーサー12が配位されており、上記平行の状態が維持されるものとしているが、上記連結部分の間のうち一部にだけスペーサー12が配位されたものであっても良い。
【0067】
上記のようにして構成された蛇腹式フレームは、例えば図16に示すように、鋼製などの架台柱9に取り付けられたことにより入退場門として用いることができる。なおこの際には、板状とされた間隔保持部3と架台柱9との間はボルト・ナットにより固定されており、この場合にあっても、各間隔保持部3,3が支持し合うことにより、上記クロスフレーム2における各棒状体11同士の位置関係が定まり、安定した状態を維持できる。
【0068】
また、上記図示した例では、平面視が、4つの辺を有する正方形あるいは長方形とされているが、例えば八角形や更に多くの辺を有した略円形のものとしても良い。
【0069】
また、上記で説明した例では、いずれも上下方向に延びるようにして間隔保持部3が設けられており、対向する関係に設けられた接続部材8のうち下側のものが地面などの設置面に当接するものとしているが、これと異なり、間隔保持部3を水平方向に延びるものとし、対向する関係に設けられた接続部材8のうち一方側のものが壁面に当接するものであっても良く、構造体の設置方向の縦横は問わない。
【0070】
ここで、上記後者の一例として看板に用いられた例を図17及び図18に示す。これらは、各間隔保持部3,3のうち上記の説明にて下側間隔保持部32としたものを壁面側に配位して用いたものであり、各間隔保持部3,3は水平方向に移動することとなる。そして、この枠状体に柔軟なシート6が取り付けられる。
【0071】
図17に示された例はシート6を枠状体の外側に被せたものであり、図18に示された例はクロスフレーム2などから吊ることでシート6を枠状体の内側に配位したものである。クロスフレーム2などから吊るための手段については図示を省略しているが、紐、針金、フックなどの種々のもので実施して良い。
【0072】
上記のシート6に広告表示を記載して用いる。図示した例では、柔軟なシート6を用いたが、これに代えて、硬質な板状体を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本願発明の実施の形態の一例として、構造体がステージ台として用いられた例を示す斜視図である。
【図2】同例にあって、蛇腹式フレームが畳んだ状態から広げた状態へと至る様子を順次示す側面図であり、畳んだ状態を示す。
【図3】同例にあって、蛇腹式フレームが畳んだ状態から広げた状態へと至る様子を順次示す側面図であり、広げている途中の状態を示す。
【図4】同例にあって、蛇腹式フレームが畳んだ状態から広げた状態へと至る様子を順次示す側面図であり、広げた状態を示す。
【図5】間隔保持部の形状を変更した場合の、図3と同様の状態を示す側面図である。
【図6】間隔保持部の外部に固定部材を設けた場合における、間隔保持部とカバー部材との間の関係を示す斜視の概略図であり、(A)は対向する間隔保持部が離れた状態にある場合を示し、(B)は対向する間隔保持部が当接した状態にある場合を示す。
【図7】間隔保持部の内部に固定部材を設けた場合における、間隔保持部とカバー部材との間の関係を示す斜視の概略図であり、(A)は対向する間隔保持部が離れた状態にある場合を示し、(B)は対向する間隔保持部が当接した状態にある場合を示す。
【図8】間隔保持部の内部にガイド部材を設けた場合における、間隔保持部とカバー部材との間の関係を示す斜視の概略図であり、(A)は対向する間隔保持部が離れた状態にある場合を示し、(B)は対向する間隔保持部が当接した状態にある場合を示す。
【図9】間隔保持部を板状体とした例を示す斜視図である。
【図10】間隔保持部を板状体とした例を示す要部拡大斜視図であり、(A)は上側間隔保持部と下側間隔保持部とが離れた状態を示し、(B)は上側間隔保持部と下側間隔保持部とが当接した状態を示す。
【図11】本願発明の実施の形態の他の一例として、構造体がひな壇として用いられた例を示す斜視図であり、(A)は広げた状態、(B)は畳んだ状態を示す。
【図12】本願発明の実施の形態の他の一例として、構造体がごみ箱として用いられた例を示す斜視図である。
【図13】本願発明の実施の形態の他の一例として、構造体が球技用ボール収納箱として用いられた例を示す斜視図である。
【図14】本願発明の実施の形態の他の一例として、構造体が水槽として用いられた例を示す斜視図である。
【図15】本願発明の実施の形態の他の一例として、構造体が遊戯用砂場の覆いとして用いられた例を示す斜視図である。
【図16】本願発明の実施の形態の他の一例として、構造体が入退場門として用いられた例を示す斜視図である。
【図17】本願発明の実施の形態の他の一例として、構造体が看板として用いられた例を示すものであり、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は斜視図である。
【図18】本願発明の実施の形態の他の一例として、構造体が看板として用いられた例を示すものであり、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は斜視図である。
【符号の説明】
【0074】
1 単位クロス要素
11 棒状体
11a 交点
11b 棒状体の端部
2 クロスフレーム
3 間隔保持部
3a 間隔保持部の先端部
31 一方側の間隔保持部
31a 一方側の間隔保持部の先端部
32 他方側の間隔保持部
32a 他方側の間隔保持部の先端部
4 固定部材
5 板状体、天板
6 シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が交点(11a)を中心として回動可能に交差された2本の棒状体(11,11)により1組の単位クロス要素(1)が構成されており、
クロスフレーム(2)と間隔保持部(3)とを有し、
上記のクロスフレーム(2)は、上記の単位クロス要素(1)が複数組連結されて構成されたものであり、
この連結は、上記棒状体(11)の端部(11b)において回動可能とされており、
上記の間隔保持部(3)は、上記クロスフレーム(2)のうち少なくとも一部であり、
上記1組の単位クロス要素(1)における各棒状体(11)の端部(11b)が接近及び離反する方向において対向するように分離して設けられたものであり、
上記のように対向した関係にある間隔保持部(3,3)が支持し合うことにより、上記クロスフレーム(2)における各棒状体(11)同士の位置関係が定まるものであり、
上記クロスフレーム(2)と上記間隔保持部(3)との組み合わせにより立体的構造が構成されたことを特徴とする、蛇腹式フレーム。
【請求項2】
上記間隔保持部(3)が棒状体であり、
上記単位クロス要素(1)における棒状体(11)の端部(11b)が接近及び離反する方向に沿うように配位されたものであって、
上記の支持が、対向する関係にある上記間隔保持部(3,3)の先端部(3a,3a)同士が当接してなされることを特徴とする、請求項1に記載の蛇腹式フレーム。
【請求項3】
上記の対向する関係にある間隔保持部(3,3)のうち、一方側(31)の外周に沿うようにして固定部材(4)が設けられたものであり、
この固定部材(4)は、上記一方側の間隔保持部(31)の先端部(31a)よりも更に先端寄りにその一部が配位可能とされており、
上記のように一方側と他方側の各間隔保持部(31,32)の先端部(31a,32a)同士が当接した場合に、上記の先端部(31a,32a)同士を外部から覆うことのできるものであることを特徴とする、請求項2に記載の蛇腹式フレーム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の蛇腹式フレームが、上記単位クロス要素(1)が無端状に連結されて形成された枠状体であり、
この枠状体の内部には、更に、上記クロスフレーム(2)と上記間隔保持部(3)とが設けられており、
上記枠状体の上部に硬質の板状体(5)が載せられており、
上記のようにして構成されたものが、ステージ台、ひな壇、階段、踏み台のうちいずれかの用途に用いられることを特徴とする、蛇腹式フレームを用いた構造体。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の蛇腹式フレームが、上記単位クロス要素(1)が無端状に連結されて形成された枠状体であり、
この枠状体が上下方向に連結されており、
上記枠状体が連結されてなる集合体の上部に硬質の板状体(5)が載せられており、
上記のようにして構成されたものが、ステージ台、ひな壇、階段、踏み台のうちいずれかの用途に用いられることを特徴とする、蛇腹式フレームを用いた構造体。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載の蛇腹式フレームが、上記単位クロス要素(1)が無端状に連結されて形成された枠状体であり、
この枠状体に柔軟なシート(6)が取り付けられており、
上記のようにして構成されたものが、ごみ箱、球技用ボール収納箱、水槽、遊戯用砂場の覆い、移動式屋根のうちいずれかの用途に用いられることを特徴とする、蛇腹式フレームを用いた構造体。
【請求項1】
各々が交点(11a)を中心として回動可能に交差された2本の棒状体(11,11)により1組の単位クロス要素(1)が構成されており、
クロスフレーム(2)と間隔保持部(3)とを有し、
上記のクロスフレーム(2)は、上記の単位クロス要素(1)が複数組連結されて構成されたものであり、
この連結は、上記棒状体(11)の端部(11b)において回動可能とされており、
上記の間隔保持部(3)は、上記クロスフレーム(2)のうち少なくとも一部であり、
上記1組の単位クロス要素(1)における各棒状体(11)の端部(11b)が接近及び離反する方向において対向するように分離して設けられたものであり、
上記のように対向した関係にある間隔保持部(3,3)が支持し合うことにより、上記クロスフレーム(2)における各棒状体(11)同士の位置関係が定まるものであり、
上記クロスフレーム(2)と上記間隔保持部(3)との組み合わせにより立体的構造が構成されたことを特徴とする、蛇腹式フレーム。
【請求項2】
上記間隔保持部(3)が棒状体であり、
上記単位クロス要素(1)における棒状体(11)の端部(11b)が接近及び離反する方向に沿うように配位されたものであって、
上記の支持が、対向する関係にある上記間隔保持部(3,3)の先端部(3a,3a)同士が当接してなされることを特徴とする、請求項1に記載の蛇腹式フレーム。
【請求項3】
上記の対向する関係にある間隔保持部(3,3)のうち、一方側(31)の外周に沿うようにして固定部材(4)が設けられたものであり、
この固定部材(4)は、上記一方側の間隔保持部(31)の先端部(31a)よりも更に先端寄りにその一部が配位可能とされており、
上記のように一方側と他方側の各間隔保持部(31,32)の先端部(31a,32a)同士が当接した場合に、上記の先端部(31a,32a)同士を外部から覆うことのできるものであることを特徴とする、請求項2に記載の蛇腹式フレーム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の蛇腹式フレームが、上記単位クロス要素(1)が無端状に連結されて形成された枠状体であり、
この枠状体の内部には、更に、上記クロスフレーム(2)と上記間隔保持部(3)とが設けられており、
上記枠状体の上部に硬質の板状体(5)が載せられており、
上記のようにして構成されたものが、ステージ台、ひな壇、階段、踏み台のうちいずれかの用途に用いられることを特徴とする、蛇腹式フレームを用いた構造体。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の蛇腹式フレームが、上記単位クロス要素(1)が無端状に連結されて形成された枠状体であり、
この枠状体が上下方向に連結されており、
上記枠状体が連結されてなる集合体の上部に硬質の板状体(5)が載せられており、
上記のようにして構成されたものが、ステージ台、ひな壇、階段、踏み台のうちいずれかの用途に用いられることを特徴とする、蛇腹式フレームを用いた構造体。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載の蛇腹式フレームが、上記単位クロス要素(1)が無端状に連結されて形成された枠状体であり、
この枠状体に柔軟なシート(6)が取り付けられており、
上記のようにして構成されたものが、ごみ箱、球技用ボール収納箱、水槽、遊戯用砂場の覆い、移動式屋根のうちいずれかの用途に用いられることを特徴とする、蛇腹式フレームを用いた構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−169567(P2008−169567A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2009(P2007−2009)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(391010149)株式会社越智工業所 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(391010149)株式会社越智工業所 (10)
【Fターム(参考)】
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