説明

蛇行防止ガイド及びエンドレスベルト

【課題】 電子写真式複写機、レーザープリンター等の感光支持体、中間転写装置、転写分離装置、搬送装置、帯電装置、現像装置等に使用されるエンドレスベルトの蛇行防止に用いられる蛇行防止ガイドに関し、形成が容易で、かつ精度が高く、剥離しにくい蛇行防止ガイドを提供する。
【解決手段】 引張弾性率が1000kg/cm2を超え5000kg/cm2未満の補強基材18と、この補強基材18の両面に塗付された厚さ5〜100μmの接着層16,17と、一方の接着層16に接着された、JISA硬度が30Hs以上95Hs以下かつJIS K6301の100%モジュラスが5〜100kg/cm2のゴム材料よりなるガイド基材15とを備えた蛇行防止ガイド。この蛇行防止ガイドを用いたエンドレスベルト。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真式複写機、レーザープリンター等の中間転写装置、転写分離装置、搬送装置、帯電装置、現像装置等に使用されるエンドレスベルトの蛇行防止に用いられる蛇行防止ガイドと、それを用いたエンドレスベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から電子写真式複写機等の、感光装置、中間転写装置、転写分離装置、搬送装置、帯電装置、現像装置等においては、エンドレスベルトが多用されている。図1は、中間転写装置にエンドレスベルトが用いられた例を示す。即ち、感光ドラム1は帯電器3で表面を均一に帯電され、露光器2により画像に対応した静電潜像が作られる。この静電潜像は現像器5で現像され、トナー像になる。トナー像は静電転写機10により、中間転写エンドレスベルト6に転写される。中間転写エンドレスベルト6上のトナー像は、押圧ローラー12により記録紙11に転写される。感光ドラム上の残留トナーはクリーナー4で除去され、次の帯電サイクルに備える。
【0003】通常この種のエンドレスベルトは、図1に示すように、その内面に接する複数のローラー7,8,9により支持され、トナー像の転写や記録紙の搬送に用いられる。複数のローラーのうち最低1本はモーター等の駆動源に接続された駆動ローラーで、その他はエンドレスベルトの移動に連れて自由に回転する従動ローラーである。
【0004】ところで、エンドレスベルトを高精度に駆動するには、各ローラーの軸が互いに平行であること、ローラーの真円度、真直度が高いことが必要になる。これらが満たされないとエンドレスベルトが蛇行し、露光位置や転写位置がずれるため画像ムラや画像ずれが発生する。
【0005】そこで、このエンドレスベルトの蛇行を防止するため、特開昭58−100145号公報記載のように駆動ロールにフランジを設けたり、特開昭59−203036号公報記載のように蛇行量を検出し、各ロールの平行度を制御する方法が提案されている。しかし、フランジを設けた場合、蛇行が大きいとエンドレスベルトがフランジに乗り上げて破断する場合があること、ロールの平行度を制御する方法は構造が複雑で高価な上、大型化するという問題がある。
【0006】一方、エンドレスベルトを改良して蛇行防止を図る技術として、例えば、特開昭59−230950号公報や特開昭62−50873号公報記載のように、ホットメルト接着剤や常温硬化型シリコンを用いて蛇行防止ガイドを作成したり、感圧接着剤を用いて蛇行防止ガイドを接着することが提案されている。
【0007】しかしながら、ホットメルト接着剤でガイドを形成する方法は、180〜200℃に溶融したホットメルトをエンドレスベルトに直接塗付するため、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体等の熱可塑性樹脂からなるエンドレスベルトを用いた場合、エンドレスベルトが熱変形する。さらに、ホットメルトは低粘度のため、冷却固化するまでガイドの形状を保持することが困難であるという問題がある。
【0008】また、常温硬化型シリコンでガイドを形成する場合は、シリコンの硬化時間が24時間以上であることから、作業効率がよくない。さらに硬化時の寸法変化が大きいため、精度のよいガイドを形成するのが困難である。一方、感圧接着剤を用いてガイドをエンドレスベルトに接着する方法においては、接着時にガイドを押し付ける必要がある。このため、ガイド材料としてポリエステルエラストマー、ポリウレタン等の低硬度の材料を用いると、押圧によりガイドが伸びた状態で接着され、硬化後の復元力によりエンドレスベルトに皺ができたり復元力が接着力より強いと、ガイドが剥離するという問題があった。
【0009】本発明者等によって提案された特開平7−187435号公報には、30〜95HsのJISA硬度を有するガイド基材を用い、5000kg/cm2以上の引張弾性率を有する補強基材を用いる蛇行防止ガイドが記載されている。
【0010】しかしながら、この蛇行防止ガイドの場合、補強基材の引張弾性率が高いために、初期接着力は高いものの蛇行防止ガイドに加わる横ズレの力を吸収する能力が少なく、連続して蛇行防止ガイドへ横ズレ方向に加わる力に耐えきれず、ガイドと接着層の間、又は、接着層とベルト基材の間、又は、接着層とベルト基材内側に通常貼りつけられる補強テープの間で蛇行防止ガイドが横にズレながら剥れる場合があった。
【0011】そこで、本発明者等は特開平8−99706号公報にて、30〜95HsのJISA硬度を有するガイド基材と、引張弾性率1000kg/cm2以下の補強基材を含み、接着層を有した蛇行防止ガイドを提案した。
【0012】しかしながら、柔らかいガイド基材と延びやすい接着剤の組み合せの蛇行防止ガイドを精度よくベルトに貼り合わせることが難しいため、ベルト蛇行時に発生する横方向から加わる力を蛇行防止ガイドが吸収する力はあるものの、ベルトの貼り合せ精度不良による蛇行防止ガイドへのローラーへの乗り上げが発生することがあった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、エンドレスベルトへの接着強度が長期にわたって高く維持され、且つ蛇行防止機能に著しく優れた蛇行防止ガイドと、この蛇行防止ガイドを用いたエンドレスベルトを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の蛇行防止ガイドは、エンドレスベルトの蛇行防止用に設けられる蛇行防止ガイドにおいて、引張弾性率が1000kg/cm2を超え5000kg/cm2未満の補強基材と、この補強基材の両面に設けられた厚さ5〜100μmの接着層と、一方の接着層に接着された、JISA硬度が30Hs以上95Hs以下かつJIS K6301の100%モジュラスが5〜100kg/cm2のゴム材料よりなるガイド基材とを備えたことを特徴とするものである。
【0015】なお、本発明において、引張弾性率はISO R1184によるものとする。
【0016】本発明の蛇行防止ガイドは、補強基材が特定の引張弾性率を有すると共に、この補強基材の一方の面に5〜100μmの接着層を介して接着されたゴム材料が特定の100%モジュラスを有している。
【0017】かかる蛇行防止ガイドはエンドレスベルトへの接着強度が長期にわたって高く維持され、且つエンドレスベルトに設けた場合にエンドレスベルトの蛇行が長期にわたって十分に防止されることが多数回試験の結果確認された。本発明のエンドレスベルトは、この蛇行防止ガイドを用いたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。
【0019】(1)蛇行防止ガイドの構成図2は、本発明による蛇行防止ガイドの構成を示す斜視図である。ガイド基材15は、ゴム材料からなり、蛇行防止ガイドにかかる剪断力等を吸収する。補強基材18についても、蛇行防止ガイドの接着剤層にかかる剪断力等を吸収し、ガイド基材15とエンドレスベルトとの接着強度を向上させる役目も果たす。接着層16及び17は、ガイド基材15と補強基材18及び補強基材18とエンドレスベルトとを夫々接着する。離型紙19は、蛇行防止ガイドをエンドレスベルトに接着するまで、接着層17を保護する。蛇行防止ガイドをエンドレスベルトに接着する際にこの離型紙が剥される。
【0020】(2)ガイド基材本発明に使用するガイド基材の材料は、JISA基準による硬度が30Hs以上95Hs以下、好ましくは50Hs以上80Hs以下、更に好ましくは65Hs以上75Hs以下である。硬度が95Hsを超えると、張り合わせ時の伸びは少なく寸法精度は良好であるが、ローラーの曲面に沿って長時間駆動されることによる断続的な剪断力を吸収するに十分な弾性が不足する。この結果、負荷がエンドレスベルトに集中し、エンドレスベルトにクラックが発生する。また、硬度が30Hs未満の場合は、エンドレスベルト蛇行時にガイドが受ける剪断力による変形が大きく、十分なガイドができない。
【0021】本発明に使用するガイド基材のゴム材料は、上述したJISA硬度に加えて、JIS K6301の100%モジュラスが5〜100kg/cm2という特性を有する。この100%モジュラスが5kg/cm2よりも小さいと、ガイド基材が軟らかすぎ、エンドレスベルトの横ズレ防止機能が不足する。100%モジュラスが100kg/cm2よりも大きいと、硬すぎて変形しにくいので、ガイド基材がローラの蛇行防止溝の縁に乗り上げたときにエンドレスベルトに対し過大な応力を生じさせる。
【0022】このゴム材料としては、具体的には、ポリウレタンゴム、ネオプレンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴムなどを挙げることができる。これらの中でもエンドレスベルトへの接着性、電気絶縁性、耐湿、耐溶剤、耐オゾン及び耐熱性、耐摩耗性、接着剤との接着性を考慮すると、特にポリウレタンゴムやシリコンゴムが好ましい。
【0023】(3)補強基材本発明の蛇行防止ガイドに用いる補強基材は、引張弾性率1000kg/cm2を超え5000kg/cm2未満、好ましくは1500〜4500kg/cm2の材料よりなる。引張弾性率が1000kg/cm2以下の場合、蛇行防止ガイドを精度よくベルトに貼り合わせることが難しく、ベルト蛇行に発生する横方向から加わる力を蛇行防止ガイドが吸収する力はあるものの、ベルトの貼り合わせ精度不良による蛇行防止ガイドへのローラーへの乗り上げが発生し易い。引張弾性率が5000kg/cm2以上の場合、補強基材自体の弾性回復力がないため、横方向のズレによる力を吸収できず接着面が徐々にズレて長時間連続使用するとガイドがはがれてしまう。具体的な材料としては、紙、不織布、綿布、アクリルやポリエチレン等の発泡体が好ましい。
【0024】補強基材の厚みは、10〜250μmが好ましく、25〜125μmが特に好ましい。厚みが250μmを超えると、補強基材の剛性が高くなりすぎ、ガイドの蛇行による剪断力がエンドレスベルトへ集中してクラック発生の原因になる。また、厚みが10μm未満の場合は、引張弾性率が5000kg/cm2以上の場合と同様の問題が生じる。
【0025】(4)接着剤補強基材の両面に塗付する接着剤としては、アクリル系、天然ゴム系、合成ゴム系、シリコーン系、熱硬化系のものが好ましい。これらのなかでも特に、接着性及び価格の点からアクリル系の接着剤が好ましい。
【0026】接着剤の塗布厚(接着層の厚み)は5〜100μmが好ましく、特に好ましくは10〜50μmである。厚みが100μmを超えると、接着剤の弾性率が低いため、接着層からガイドがずれる。また、厚みが5μm未満の場合は、ガイドとの接着力が不足する。補強基材の両面に接着剤を塗布した接着テープの厚みは、各々の厚さ条件を満たした上で、50〜350μmが好ましく、特に100〜250μmが好ましい。
【0027】ガイドの接着剤付着面及びエンドレスベルトのガイド接着面にコロナ処理やプライマー処理を行って接着力を向上させてもよい。例えば接着剤としてアクリル系接着剤を用いる場合には、反応硬化性のポリウレタン系プライマーを用いることが好ましい。ガイドは、直接エンドレスベルトに接着してもよく、エンドレスベルトに設けられている二軸延伸ポリエステル、ポリイミド等の補強テープの上に接着してもよい。特にエンドレスベルトの材質がフッ素系樹脂など接着性のよくない場合は、補強テープの上に接着することが好ましい。
【0028】(5)蛇行防止ガイドの形状蛇行防止ガイドの形状は、エンドレスベルトの使用条件等により定めればよいが、蛇行防止効果を十分に得る為にはその断面を略矩形とすることが好ましい。蛇行防止ガイドの幅は蛇行防止効果、耐久性等の点から、1〜10mmが好ましい。厚みも同様の点から0.1〜2mmが好ましい。2mmを超えると、ガイドの側面からクラックが発生し易くなる。
【0029】(6)蛇行防止ガイドの配置蛇行防止効果、耐久性及び補強効果等の点から、該ガイドはエンドレスベルトの両端部に設けることが好ましい。また、ガイドはエンドレスベルトの補強効果の点から全周に設けることが好ましいが、周方向の途中で数本に途切れていても良く、例えばガイドのつなぎ目に1〜10mm程度の隙間を設けておき、ローラー部分で屈曲した際に端部同志が接しないか、わずかに接する程度とすればつなぎ目に不要な応力が加わらないので望ましい。
【0030】(7)蛇行防止ガイドの製造方法本発明の蛇行防止ガイドの製造方法としては、例えば次の2通りを挙げることができる。
【0031】■ 補強基材の両面にコーティング装置等により接着剤を塗布し、補強基材の両面に離型紙を張り合せた両面テープを先ず製造する。この両面テープの一面の離型紙を剥してシート状のガイド基材をラミネーター等の装置で張り合わせた後、トムソン刃等の打ち抜き加工やスリッター等のスリット加工により切削する方法。
■ 連続した補強基材の一面に接着剤を塗布し、この塗付面にシート状のガイド材料をラミネーター等で張り合わせる。次に補強基材の他面に接着剤を塗布し、離型紙を張り合わせた後、トムソン刃等の打ち抜き加工やスリッター等のスリット加工により切削する方法。蛇行防止ガイドの真直度や幅精度の点からは、方法■のうち、トムソン刃を用いる方法が特に好ましい。
【0032】(8)エンドレスベルト本発明の蛇行防止エンドレスベルトは、電子写真式複写機、レーザープリンター等における感光装置、中間転写装置、転写分離装置、搬送装置、帯電装置、現像装置等に使用されるエンドレスベルトの全てに適用できる。またエンドレスベルトはつなぎ目があってもよく、なくてもよい。
【0033】
【実施例】以下、具体的実施例により本発明を更に説明する。なお、実施例及び比較例においての使用材料は、下記の通りである。
【0034】1.ガイド材料実施例1:ウレタン、JISA硬度65Hs、100%モジュラス24kg/cm2。日本バルカー工業(株)製「R965 S30」(商品名)。
実施例2:ウレタン、JISA硬度70Hs、100%モジュラス29kg/cm2。日本マタイ(株)製「エスマー70」(商品名)。
実施例3:ウレタン、JISA硬度92Hs、100%モジュラス80kg/cm2。タイガーポリマー(株)製「タイプレンTR100−9」(商品名)。
比較例1:ウレタン、JISA硬度65Hs、100%モジュラス24kg/cm2。日本バルカー工業(株)製「R965 S30D」(商品名)。
比較例2:ウレタン、JISA硬度95Hs、100%モジュラス120kg/cm2。日本バルカー工業(株)製「R5595」(商品名)。
比較例3:ウレタン、JISA硬度90Hs、100%モジュラス100kg/cm2。日本バルカー工業(株)製「R5390」(商品名)。
【0035】2.接着剤実施例1:アクリル系接着剤。住友3M(株)製「Y−9458」(商品名)。厚さ25μm。
実施例2:アクリル系接着剤。住友3M(株)製「#−927」(商品名)。厚さ50μm。
実施例3:アクリル系接着剤。住友3M(株)製「#−927」(商品名)。厚さ50μm。
比較例1:アクリル系接着剤。住友3M(株)製「Y−9458」(商品名)。厚さ25μm。
比較例2:アクリル系接着剤。住友3M(株)製「Y−9458」(商品名)。厚さ25μm。
比較例3:アクリル系接着剤。住友3M(株)製「Y−9458」(商品名)。厚さ25μm。
【0036】3.補強基材実施例1:引張弾性率2800kg/cm2のポリエチレン。タマポリ(株)製。「V−1」(商品名)厚さ0.04mm。
実施例2:引張弾性率4600kg/cm2の無延伸ポリプロピレン。東洋紡績(株)製。「P1120」(商品名)厚さ0.04mm。
実施例3:引張弾性率4600kg/cm2の無延伸ポリプロピレン。東洋紡績(株)製。「P1120」(商品名)厚さ0.04mm。
比較例1,3:引張弾性率40000kg/cm2の二軸延伸ポリエチレンテレフタレート。ダイヤホイル(株)製。「B100−25」(商品名)厚さ0.025mm。
【0037】比較例2:(基材使用せず)
4.エンドレスベルト厚さ150μm、幅200mm、直径200mmのポリカーボネート製。
【0038】実施例及び比較例においての評価方法は、次の通りである。
【0039】1.ガイド真直性エンドレスベルトに接着されたガイドの真直性を計測する。
【0040】2.画像ずれ200mm幅の両端ガイド付きエンドレスベルトを、ロール径25mmφ、ロール速度100mm/分、エンドレスベルトへの張力8kg/200mm、23℃、湿度50%の条件で図1に示した中間転写装置に用いる。この場合の記録紙への転写画像で転写ずれが0.2mmに達するまでの経過時間を計測する。
【0041】3.耐久性画像ずれの評価条件と同様にして連続で駆動し、エンドレスベルトにクラックが発生するまでの経過時間を計測する。
【0042】(実施例1)厚さ0.5mm、硬度65Hsのポリウレタンシートに、ポリエチレン基材の両面にそれぞれアクリル系接着剤が塗付された両面テープを圧着させながら張り合せ、トムソン刃を用いて幅5mm、長さ628mmに打ち抜いて蛇行防止ガイドを得た。次に、厚さ150μm、直径200mmφ、幅200mmのポリカーボネート製エンドレスベルトの内面に、ベルト端面に沿わせてそれぞれ蛇行防止ガイドを接着した。ガイドは1本を環状に接着したが、ガイドの両端部が対向する部分の隙間は2mmとした。得られたエンドレスベルトについてガイドの真直性と、画像ずれ、耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0043】(実施例2,3、比較例1,3)ガイドの各材料として上記のものを用いたこと以外は実施例1と同様にして蛇行防止ガイドを得た。この蛇行防止ガイドを用いて得られたエンドレスベルトガイドの真直性と、画像ズレ、耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0044】(比較例2)補強基材を用いず、接着剤に同じくアクリル系接着剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして蛇行防止ガイドを得た。この蛇行防止ガイドを用いて得られたエンドレスベルトを用いて画像ずれ、耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】


【0046】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、特定の硬度及び100%モジュラスを有するガイド基材を用い、また特定の引張弾性率を有する補強基材を用いて蛇行防止ガイドを構成することにより、十分な蛇行防止効果と耐久性を両立し、またエンドレスベルトの補強効果も有する蛇行防止ガイドと、これを用いたエンドレスベルトが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間転写方式の複写機における要部側面図である。
【図2】本発明による蛇行防止ガイドの斜視図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 帯電器
3 露光用光学系
4 現像器
5 クリーナー
6 エンドレスベルト
7,8,9 ローラー
10 静電転写器
11 記録紙
12 押圧ローラー
15 ガイド材料
16,17 接着層
18 補強基材
19 離型紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンドレスベルトの蛇行防止用に設けられる蛇行防止ガイドにおいて、引張弾性率が1000kg/cm2を超え5000kg/cm2未満の補強基材と、この補強基材の両面に設けられた厚さ5〜100μmの接着層と、一方の接着層に接着された、JISA硬度が30Hs以上95Hs以下かつJIS K6301の100%モジュラスが5〜100kg/cm2のゴム材料よりなるガイド基材とを備えたことを特徴とする蛇行防止ガイド。
【請求項2】 蛇行防止ガイドを有するエンドレスベルトにおいて、該蛇行防止ガイドが請求項1に記載ものであることを特徴とするエンドレスベルト。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2000−289823(P2000−289823A)
【公開日】平成12年10月17日(2000.10.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−100319
【出願日】平成11年4月7日(1999.4.7)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】